JP2002270087A - 冷陰極電界電子放出素子の製造方法、及び、冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法 - Google Patents

冷陰極電界電子放出素子の製造方法、及び、冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法

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JP2002270087A
JP2002270087A JP2001071842A JP2001071842A JP2002270087A JP 2002270087 A JP2002270087 A JP 2002270087A JP 2001071842 A JP2001071842 A JP 2001071842A JP 2001071842 A JP2001071842 A JP 2001071842A JP 2002270087 A JP2002270087 A JP 2002270087A
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Mika Ishiwatari
美華 石渡
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】絶縁層に設けられた開口部の側壁に汚染物質が
付着し難く、電子放出特性が低下し難い冷陰極電界電子
放出素子の製造方法を提供する。 【解決手段】支持体10、カソード電極11、絶縁層1
2、絶縁層12上に形成され、孔部14Aを有するゲー
ト電極13、絶縁層12に形成され、孔部14Aと連通
した開口部14B、及び、開口部14Bの底部に露出し
たゲート電極11に設けられた電子放出部15を備えた
冷陰極電界電子放出素子を製造する方法であって、絶縁
層12にドライエッチング法にて開口部14Bを形成し
た後、開口部14Bの側壁を平滑化処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷陰極電界電子放
出素子の製造方法、及び、冷陰極電界電子放出表示装置
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】テレビジョン受像機や情報端末機器に用
いられる表示装置の分野では、従来主流の陰極線管(C
RT)から、薄型化、軽量化、大画面化、高精細化の要
求に応え得る平面型(フラットパネル型)の表示装置へ
の移行が検討されている。このような平面型の表示装置
として、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッ
センス表示装置(ELD)、プラズマ表示装置(PD
P)、冷陰極電界電子放出表示装置(FED:フィール
ドエミッションディスプレイ)を例示することができ
る。このなかでも、液晶表示装置は情報端末機器用の表
示装置として広く普及しているが、据置き型のテレビジ
ョン受像機に適用するには、高輝度化や大型化に未だ課
題を残している。これに対して、冷陰極電界電子放出表
示装置は、熱的励起によらず、量子トンネル効果に基づ
き固体から真空中に電子を放出することが可能な冷陰極
電界電子放出素子(以下、電界放出素子と呼ぶ場合があ
る)を利用しており、高輝度及び低消費電力の点から注
目を集めている。
【0003】図40に、電界放出素子を備えた冷陰極電
界電子放出表示装置(以下、表示装置と呼ぶ場合があ
る)の模式的な一部端面図を示し、図41には表示装置
の模式的な分解斜視図を示す。図示した電界放出素子
は、王冠(クラウン)状の電子放出部を有する、所謂ク
ラウン型電界放出素子と呼ばれるタイプの素子である。
この電界放出素子は、支持体10上に形成されたカソー
ド電極11と、支持体10及びカソード電極11上に形
成された絶縁層12と、絶縁層12上に形成されたゲー
ト電極13と、ゲート電極13に設けられた孔部14A
及び絶縁層12に設けられた開口部14Bと、開口部1
4Bの底部に位置するカソード電極11上に形成された
王冠状の電子放出部15から構成されている。一般に、
カソード電極11とゲート電極13とは、これらの両電
極の射影像が互いに直交する方向に各々ストライプ状に
形成されており、これらの両電極の射影像が重複する領
域(1画素分の領域に相当し、電子放出領域である。こ
の領域を、以下、重複領域と呼ぶ)に、通常、複数の電
界放出素子が配列されている。更に、かかる重複領域
が、カソードパネルCPの有効領域(実際の表示部分と
して機能する領域)内に、通常、2次元マトリクス状に
配列されている。
【0004】一方、アノードパネルAPは、基板20
と、基板20上に形成され、所定のパターンを有する蛍
光体層22(赤色発光蛍光体層22R、緑色発光蛍光体
層22R、青色発光蛍光体層22B)と、その上に形成
されたアノード電極23から構成されている。1画素
は、カソードパネル側のカソード電極11とゲート電極
13との重複領域に配列された電界放出素子の一群と、
これらの電界放出素子の一群に対面したアノードパネル
側の蛍光体層22とによって構成されている。有効領域
には、かかる画素が、例えば数十万〜数百万個ものオー
ダーにて配列されている。尚、蛍光体層22と蛍光体層
22との間の基板20上には、コントラスト向上のため
のブラックマトリックス21が形成されている。
【0005】アノードパネルAPとカソードパネルCP
とを、電界放出素子と蛍光体層22とが対向するように
配置し、周縁部において枠体24を介して接合すること
によって、表示装置を作製することができる。有効領域
を包囲し、画素を選択するための周辺回路が形成された
無効領域(図示した例では、カソードパネルCPの無効
領域)には、真空排気用の貫通孔25が設けられてお
り、この貫通孔25には真空排気後に封じ切られたチッ
プ管26が接続されている。即ち、アノードパネルAP
とカソードパネルCPと枠体24とによって囲まれた空
間は真空となっている。
【0006】カソード電極11には相対的な負電圧が走
査回路30から印加され、ゲート電極13には相対的な
正電圧が制御回路31から印加され、アノード電極23
にはゲート電極13よりも更に高い正電圧が加速電源3
2から印加される。かかる表示装置において表示を行う
場合、例えば、カソード電極11に走査回路30から走
査信号を入力し、ゲート電極13に制御回路31からビ
デオ信号を入力する。カソード電極11とゲート電極1
3との間に電圧を印加した際に生ずる電界により、量子
トンネル効果に基づき電子放出部15から電子が放出さ
れ、この電子がアノード電極23に引き付けられ、蛍光
体層22に衝突する。その結果、蛍光体層22が励起さ
れて発光し、所望の画像を得ることができる。つまり、
この表示装置の動作は、基本的に、ゲート電極13に印
加される電圧、及びカソード電極11を通じて電子放出
部15に印加される電圧によって制御される。
【0007】以下、従来のクラウン型電界放出素子の製
造方法を、支持体等の模式的な一部端面図等である図4
2〜図45を参照して説明する。
【0008】[工程−10]先ず、例えばガラスから成
る支持体10上に、ストライプのカソード電極11を形
成する。次に、支持体10及びカソード電極11上にス
パッタリング法や真空蒸着法によってSiO2から成る
絶縁層12を形成した後、絶縁層12上にストライプ状
のゲート電極13を形成する。尚、カソード電極11は
図面の紙面垂直方向に延びており、ゲート電極13は図
面の紙面左右方向に延びている。即ち、ゲート電極13
の射影像の延びる方向は、ストライプ状のカソード電極
11の射影像の延びる方向と90度の角度を成す。
【0009】[工程−20]次に、ゲート電極13及び
絶縁層12上に、エッチング用マスクとして機能するレ
ジスト層16をリソグラフィ技術によって形成する(図
42の(A)参照)。レジスト層16はポジ型レジスト
材料から構成されている。その後、RIE(反応性イオ
ン・エッチング)法といったドライエッチング技術、あ
るいは又、ウェットエッチング技術によって、ゲート電
極13に孔部14Aを形成し、更に、絶縁層12に開口
部14Bを形成する。尚、以下の説明において、孔部1
4A及び開口部14Bを総称して開口部114と表現す
る場合がある。開口部14Bの底部にカソード電極11
が露出している(図42の(B)参照)。その後、レジ
スト層16をアッシング技術によって除去する。こうし
て、図42の(C)に示す構造を得ることができる。
【0010】[工程−30]次に、ゲート電極13上、
絶縁層12上、及び開口部114の側壁上に剥離層17
を形成する(図43の(A)参照)。かかる剥離層17
を形成するには、例えば、フォトレジスト材料をスピン
コーティング法により全面に塗布し、開口部14Bの底
部の一部分のみを除去するようなパターニングを行えば
よい。
【0011】[工程−40]次に、図43の(B)に示
すように、全面に組成物原料から成る導電性組成物層1
8を形成する。ここで使用する組成物原料は、例えば、
導電性粒子として平均粒径約0.1μmの黒鉛粒子を6
0重量%、バインダとして4号の水ガラスを40重量%
含む。この組成物原料を、例えば1400rpm、10
秒間の条件で全面にスピンコートする。開口部14B内
における導電性組成物層18の表面は、組成物原料の表
面張力に起因して、開口部14Bの側壁に沿って迫り上
がり、開口部14Bの中央部に向かって窪む。その後、
導電性組成物層18に含まれる水分を除去するための仮
焼成を、例えば大気中、400゜Cで30分間行う。
【0012】[工程−50]次に、図44に示すよう
に、剥離層17を除去する。剥離は、2重量%の水酸化
ナトリウム水溶液中に、30秒間浸漬することにより行
う。これにより、剥離層17と共に剥離層17上の導電
性組成物層18の部分が除去され、開口部14Bの底部
に露出したカソード電極11上の導電性組成物層18の
部分のみが残される。この残存した部分が電子放出部1
5となる。電子放出部15の形状は、表面が開口部14
Bの中央部に向かって窪み、王冠状となる。[工程−5
0]が終了した時点における状態を、図45に示す。図
45の(B)は、電界放出素子の一部を示す模式的な斜
視図であり、図45の(A)は模式的な一部端面図であ
る。図45の(B)では、電子放出部15の全体が見え
るように、絶縁層12とゲート電極13との一部を切り
欠いている。尚、1つの電子放出領域には、5〜100
個程度の電子放出部15を設けることで十分である。
【0013】[工程−60]次に、電子放出部15の焼
成を行う。焼成は、乾燥大気中、400゜C、30分間
の条件で行う。尚、焼成温度は、組成物原料に含まれる
バインダの種類に応じて選択すればよい。例えば、バイ
ンダが水ガラスのような無機材料である場合には、無機
材料を焼成し得る温度で熱処理を行えばよい。
【0014】ところで、電子放出部15から放出された
電子が開口部14Bの側壁に衝突すると、その結果、絶
縁層12からガスが放出され、電子放出部15を汚染
し、電子放出部15からの放電電流が不安定になった
り、電子放出部15の電子放出特性の低下、電子放出部
15の短寿命といった問題が発生し易くなる。
【0015】このような問題を回避するためには、開口
部14Bの側壁が支持体10の表面に対して90度未満
の傾斜角θを有するように、絶縁層12のドライエッチ
ングを行えばよい。尚、このような絶縁層12に設けら
れた開口部14Bを、傾斜を有する開口部14Bと呼
ぶ。そのためには、ポジ型レジスト材料から成るマスク
層16を形成する際、露光、現像後に、ベーキング処理
をマスク層16に施す。その結果、図42の(A)に示
したように、マスク層16に形成され、支持体10の表
面に対して概ね垂直な開口16Aの側壁が、図46の
(A)に示すように、支持体10の表面に対して90度
未満の傾斜角θの側壁を有する開口16Bに変化する。
尚、このようなレジスト層16に設けられた開口16B
を、傾斜を有する開口16Bと呼ぶ。そして、ドライエ
ッチングにおいては、レジスト層16と絶縁層12のエ
ッチング選択比(絶縁層12のエッチング速度/レジス
ト層16のエッチング速度の比)が小さくなる条件で、
絶縁層12をドライエッチングする。これによって、レ
ジスト層16の形状が絶縁層12に転写されながら、絶
縁層12がエッチングされ、図46の(B)に示す開口
部14Bを絶縁層12に形成することができる。このよ
うに、傾斜(傾斜角θ)を有する開口部14Bを形成す
ることによって、電子放出部15から放出された電子が
開口部14Bの側壁に衝突し難くなる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ところで、スパッタリ
ング法や真空蒸着法によって形成された絶縁層12に対
してウェットエッチングを施し開口部14Bを形成した
とき、図47に模式図を示すように、柱状の難溶解性物
質19が開口部14Bの側壁に形成されてしまうことが
本発明者らの検討によって判ってきた。尚、この難溶解
性物質19は、ゲート電極形成時、ゲート電極を構成す
る材料がエッチングされる際に生成する再付着物、ある
いは、レジスト層がエッチングされる際の再付着物であ
ると考えられている。また、支持体10の表面に対して
概ね垂直な開口16Aを有するレジスト層16をエッチ
ング用マスクとして絶縁層12をドライエッチングした
場合にも、通常、フッ化炭素系のエッチングガスを使用
するので、例えばCFXから成るドライエッチング副産
物が開口部14Bの側壁に堆積する。
【0017】このように、開口部14Bの側壁が凹凸状
態となってしまうと、電界放出素子の各種製造工程にお
いて、開口部14Bの側壁に汚染物質(可動イオンや導
電性元素)が付着し易くなる。その結果、電子放出に要
する閾値電圧が高くなるといった電子放出特性の低下、
表示装置の消費電力の増加、表示画面における点欠陥の
発生といった各種の問題が生じる。
【0018】また、傾斜を有する開口16Bは、開口を
疎に設ける領域においては容易に形成できるが、密に設
ける領域においては形成し難く、ベーキング処理を行っ
ても、図42の(A)に示した形状が保持されてしま
い、図46の(A)に示した形状が得難いことが本発明
者らの検討によって判ってきた。しかも、レジスト層1
6の形状を絶縁層12に転写しながら、絶縁層12をド
ライエッチングするが故に、レジスト層16をある程度
厚くする必要があり、アスペクト比(開口部14Bの高
さ/直径の比)が大きい場合、傾斜を有する開口部14
Bを形成することが困難である。
【0019】従って、本発明の第1の目的は、絶縁層に
設けられた開口部の側壁に汚染物質が付着し難く、電子
放出に要する閾値電圧が高くなるといった電子放出特性
の低下、表示装置の消費電力の増加、表示画面における
点欠陥の発生といった各種の問題が生じ難い冷陰極電界
電子放出素子の製造方法、及び、冷陰極電界電子放出表
示装置の製造方法を提供することにある。
【0020】また、本発明の第2の目的は、第1の目的
に加え、支持体の表面に対して90度未満の傾斜角を有
する側壁を絶縁層の開口部に確実に、且つ、容易に形成
することを可能とする冷陰極電界電子放出素子の製造方
法、及び、冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法を提
供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記の第1の目的を達成
するための本発明の冷陰極電界電子放出素子の製造方法
は、(A)支持体、(B)支持体上に形成されたカソー
ド電極、(C)カソード電極及び支持体上に形成された
絶縁層、(D)絶縁層上に形成され、孔部を有するゲー
ト電極、(E)絶縁層に形成され、孔部と連通した開口
部、及び、(F)開口部の底部に露出したゲート電極に
設けられた電子放出部、を備えた冷陰極電界電子放出素
子を製造する方法であって、絶縁層にドライエッチング
法にて開口部を形成した後、開口部側壁を平滑化処理す
ることを特徴とする。
【0022】上記の第1の目的を達成するための本発明
の冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法は、アノード
電極及び蛍光体層が形成された基板と、冷陰極電界電子
放出素子が形成された支持体とを、蛍光体層と冷陰極電
界電子放出素子とが対向するように配置し、基板と支持
体とを周縁部において接合する冷陰極電界電子放出表示
装置の製造方法であって、冷陰極電界電子放出素子は、
(A)支持体、(B)支持体上に形成されたカソード電
極、(C)カソード電極及び支持体上に形成された絶縁
層、(D)絶縁層上に形成され、孔部を有するゲート電
極、(E)絶縁層に形成され、孔部と連通した開口部、
及び、(F)開口部の底部に露出したゲート電極に設け
られた電子放出部、を備えており、冷陰極電界電子放出
素子を、絶縁層にドライエッチング法にて開口部を形成
した後、開口部側壁を平滑化処理する工程を経て製造す
ることを特徴とする。
【0023】本発明の冷陰極電界電子放出素子の製造方
法、あるいは、本発明の冷陰極電界電子放出表示装置の
製造方法(以下、これらを総称して、本発明の製造方法
と呼ぶ)において、平滑化処理は、アミン系ポリマー除
去剤(剥離剤)を用いたウェットエッチング処理から成
ることが好ましい。そして、このような平滑化処理によ
って、ドライエッチング法にて開口部を絶縁層に形成し
た際に開口部側壁上に堆積したドライエッチング副産物
(例えば、CFX)を除去することが好ましい。
【0024】本発明の製造方法においては、ドライエッ
チング法にて開口部を絶縁層に形成した際に開口部側壁
上に堆積したドライエッチング副産物を確実に除去する
といった観点から、また、電子放出部から放出された電
子が絶縁層に設けられた開口部の側壁に衝突するといっ
た現象の発生を抑制するといった観点から、開口部側壁
は支持体の表面に対して90度未満の傾斜角θを有する
ことが望ましい。
【0025】本発明の製造方法にあっては、絶縁層に開
口部を形成する前に、ゲート電極及び絶縁層上にレジス
ト層を形成し、このレジスト層を露光処理、プレベーキ
ング処理及び現像処理することによって、側壁が支持体
の表面に対して90度未満の傾斜角θを有する開口をレ
ジスト層に形成し、かかるレジスト層をエッチング用マ
スクとして絶縁層をドライエッチングすることが好まし
い。更には、レジスト層はネガ型レジスト材料(エネル
ギー線の照射によって重合あるいは架橋して現像液に不
溶性あるいは難溶性となるレジスト材料)から成り、レ
ジスト層の露光処理はカソード電極が形成されていない
支持体裏面側から行う、所謂裏面露光法に基づくことが
好ましい。これによって、上記の第2の目的を達成する
ことができる。但し、レジスト材料はネガ型に限定され
ず、場合によっては、レジスト層をポジ型レジスト材料
(エネルギー線の照射によって分解して現像液に可溶性
となるレジスト材料)から構成してもよい。
【0026】本発明の製造方法にあっては、開口部側壁
を平滑化処理した後、開口部の底部に露出したカソード
電極に電子放出部を形成する構成(第1の構成と呼ぶ)
とすることができ、あるいは又、絶縁層に開口部を形成
する前に、カソード電極に電子放出部を形成しておく構
成(第2の構成と呼ぶ)とすることができる。
【0027】絶縁層における開口部の形成方法として、
反応性イオンエッチング法(RIE法)、イオンビーム
エッチング法、スパッタエッチング法等の異方性エッチ
ング法を挙げることができる。
【0028】冷陰極電界電子放出素子(以下、電界放出
素子と略称する)は、以下の3つの範疇に分類すること
ができる。
【0029】即ち、第1の構造を有する電界放出素子
は、開口部の底部に露出したカソード電極上に設けられ
た電子放出部を有し、かかる電子放出部から電子が放出
される構造を有する。このような第1の構造を有する電
界放出素子として、スピント型(円錐形の電子放出部が
開口部の底部に位置するカソード電極上に設けられた電
界放出素子)、クラウン型(王冠状の電子放出部が開口
部の底部に位置するカソード電極上に設けられた電界放
出素子)、扁平型(略平面の電子放出部が開口部の底部
に位置するカソード電極上に設けられた電界放出素子)
を挙げることができる。第1の構造を有する電界放出素
子は、第1の構成に係る本発明の製造方法(場合によっ
ては、第2の構成に係る本発明の製造方法)によって製
造することができる。
【0030】また、第2の構造を有する電界放出素子
は、開口部の底部に露出したカソード電極の部分が電子
放出部に相当し、かかる開口部の底部に露出したカソー
ド電極の部分から電子を放出する構造を有する。このよ
うな第2の構造を有する電界放出素子として、平坦なカ
ソード電極の表面から電子を放出する平面型電界放出素
子、凹凸が形成されたカソード電極の表面の凸部から電
子を放出するクレータ型電界放出素子を挙げることがで
きる。第2の構造を有する電界放出素子は、第2の構成
に係る本発明の製造方法によって製造することができ
る。
【0031】第3の構造を有する電界放出素子は、開口
部の底部若しくは側壁に露出したカソード電極のエッジ
部が電子放出部に相当し、開口部の底部若しくは側壁に
露出したカソード電極のエッジ部から電子を放出する構
造を有する。このような構造を有する電界放出素子はエ
ッジ型電界放出素子とも呼ばれる。第3の構造を有する
電界放出素子は、第1の構成に係る本発明の製造方法に
よって製造することができる。
【0032】スピント型電界放出素子にあっては、電子
放出部を構成する材料として、タングステン、タングス
テン合金、モリブデン、モリブデン合金、チタン、チタ
ン合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタル、タンタル合
金、クロム、クロム合金、及び、不純物を含有するシリ
コン(ポリシリコンやアモルファスシリコン)から成る
群から選択された少なくとも1種類の材料を挙げること
ができる。スピント型電界放出素子の電子放出部は、例
えば、蒸着法やスパッタリング法、CVD法によって形
成することができる。
【0033】クラウン型電界放出素子にあっては、電子
放出部を構成する材料として、導電性粒子、あるいは、
導電性粒子とバインダの組合せを挙げることができる。
導電性粒子として、黒鉛等のカーボン系材料;タングス
テン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタ
ン(Ti)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)等の
高融点金属;あるいはITO(インジウム・錫酸化物)
等の透明導電材料を挙げることができる。バインダとし
て、例えば水ガラスといったガラスや汎用樹脂を使用す
ることができる。汎用樹脂として、塩化ビニル系樹脂、
ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース
エステル系樹脂、フッ素系樹脂等の熱可塑性樹脂や、エ
ポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等
の熱硬化性樹脂を例示することができる。電子放出効率
の向上のためには、導電性粒子の粒径が電子放出部の寸
法に比べて十分に小さいことが好ましい。導電性粒子の
形状は、球形、多面体、板状、針状、柱状、不定形等、
特に限定されないが、導電性粒子の露出部が鋭い突起と
なり得るような形状であることが好ましい。寸法や形状
の異なる導電性粒子を混合して使用してもよい。クラウ
ン型電界放出素子の電子放出部は、例えば、リフトオフ
法と組み合わせた塗布法、蒸着法、スパッタリング法に
よって形成することができる。
【0034】扁平型電界放出素子にあっては、電子放出
部を構成する材料として、カソード電極を構成する材料
よりも仕事関数Φの小さい材料から構成することが好ま
しく、どのような材料を選択するかは、カソード電極を
構成する材料の仕事関数、ゲート電極とカソード電極と
の間の電位差、要求される放出電子電流密度の大きさ等
に基づいて決定すればよい。電界放出素子におけるカソ
ード電極を構成する代表的な材料として、タングステン
(Φ=4.55eV)、ニオブ(Φ=4.02〜4.8
7eV)、モリブデン(Φ=4.53〜4.95e
V)、アルミニウム(Φ=4.28eV)、銅(Φ=
4.6eV)、タンタル(Φ=4.3eV)、クロム
(Φ=4.5eV)、シリコン(Φ=4.9eV)を例
示することができる。電子放出部は、これらの材料より
も小さな仕事関数Φを有していることが好ましく、その
値は概ね3eV以下であることが好ましい。かかる材料
として、炭素(Φ<1eV)、セシウム(Φ=2.14
eV)、LaB6(Φ=2.66〜2.76eV)、B
aO(Φ=1.6〜2.7eV)、SrO(Φ=1.2
5〜1.6eV)、Y23(Φ=2.0eV)、CaO
(Φ=1.6〜1.86eV)、BaS(Φ=2.05
eV)、TiN(Φ=2.92eV)、ZrN(Φ=
2.92eV)を例示することができる。仕事関数Φが
2eV以下である材料から電子放出部を構成すること
が、一層好ましい。尚、電子放出部を構成する材料は、
必ずしも導電性を備えている必要はない。
【0035】扁平型電界放出素子にあっては、特に好ま
しい電子放出部の構成材料として、炭素、より具体的に
はダイヤモンド、中でもアモルファスダイヤモンドを挙
げることができる。電子放出部をアモルファスダイヤモ
ンドから構成する場合、5×107V/m以下の電界強
度にて、冷陰極電界電子放出表示装置(以下、表示装置
と略称する)に必要な放出電子電流密度を得ることがで
きる。また、アモルファスダイヤモンドは電気抵抗体で
あるため、各電子放出部から得られる放出電子電流を均
一化することができ、よって、表示装置に組み込まれた
場合の輝度ばらつきの抑制が可能となる。更に、アモル
ファスダイヤモンドは、表示装置内の残留ガスのイオン
によるスパッタ作用に対して極めて高い耐性を有するの
で、電界放出素子の長寿命化を図ることができる。
【0036】扁平型電界放出素子にあっては、あるいは
又、電子放出部を構成する材料として、かかる材料の2
次電子利得δがカソード電極を構成する導電性材料の2
次電子利得δよりも大きくなるような材料から適宜選択
してもよい。即ち、銀(Ag)、アルミニウム(A
l)、金(Au)、コバルト(Co)、銅(Cu)、モ
リブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、ニッケル(N
i)、白金(Pt)、タンタル(Ta)、タングステン
(W)、ジルコニウム(Zr)等の金属;シリコン(S
i)、ゲルマニウム(Ge)等の半導体;炭素やダイヤ
モンド等の無機単体;及び酸化アルミニウム(Al
23)、酸化バリウム(BaO)、酸化ベリリウム(B
eO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム
(MgO)、酸化錫(SnO2)、フッ化バリウム(B
aF2)、フッ化カルシウム(CaF2)等の化合物の中
から、適宜選択することができる。尚、電子放出部を構
成する材料は、必ずしも導電性を備えている必要はな
い。
【0037】第2の構造を有する電界放出素子(平面型
電界放出素子あるいはクレータ型電界放出素子)、若し
くは第3の構造を有する電界放出素子(エッジ型電界放
出素子)にあっては、電子放出部に相当するカソード電
極を構成する材料として、タングステン(W)やタンタ
ル(Ta)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)、モリブ
デン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニウム(A
l)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)等の金属;
これらの合金や化合物(例えばTiN等の窒化物や、W
Si2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等のシリサイ
ド);シリコン(Si)等の半導体;あるいはダイヤモ
ンド等の炭素薄膜を例示することができる。かかるカソ
ード電極の厚さは、おおよそ0.05〜0.5μm、好
ましくは0.1〜0.3μmの範囲とすることが望まし
いが、かかる範囲に限定するものではない。カソード電
極の形成方法として、例えば電子ビーム蒸着法や熱フィ
ラメント蒸着法といった蒸着法、スパッタリング法、C
VD法やイオンプレーティング法とエッチング法との組
合せ、スクリーン印刷法、メッキ法等を挙げることがで
きる。スクリーン印刷法やメッキ法によれば、直接、ス
トライプ状のカソード電極を形成することが可能であ
る。
【0038】あるいは又、第2の構造(平面型電界放出
素子あるいはクレータ型電界放出素子)、第3の構造を
有する電界放出素子(エッジ型電界放出素子)、あるい
は、扁平型電界放出素子から成る第1の構造を有する電
界放出素子にあっては、カソード電極や電子放出部を、
導電性微粒子を分散させた導電性ペーストを用いて形成
することもできる。導電性微粒子としては、グラファイ
ト粉末;酸化バリウム粉末、酸化ストロンチウム粉末、
金属粉末の少なくとも一種を混合したグラファイト粉
末;窒素、リン、ホウ素、トリアゾール等の不純物を含
むダイヤモンド粒子又はダイヤモンドライク・カーボン
粉末;カーボン・ナノ・チューブ粉末;(Sr,Ba,
Ca)CO3粉末;シリコン・カーバイド粉末を例示す
ることができる。特に、導電性微粒子としてグラファイ
ト粉末を選択することが、閾値電界の低減や電子放出部
の耐久性の観点から好ましい。導電性微粒子の形状を、
球状、鱗片状の他、任意の定形形状や不定形形状とする
ことができる。また、導電性微粒子の粒径は、カソード
電極や電子放出部の厚さやパターン幅以下であればよ
い。粒径が小さい方が、単位面積当たりの放出電子数を
増大させることができるが、あまり小さ過ぎるとカソー
ド電極や電子放出部の導電性が劣化する虞がある。よっ
て、好ましい粒径の範囲はおおよそ0.01〜4.0μ
mである。かかる導電性微粒子をガラス成分その他の適
当なバインダと混合して導電性ペーストを調製し、この
導電性ペースを用いてスクリーン印刷法により所望のパ
ターンを形成した後、パターンを焼成することによって
電子放出部として機能するカソード電極や電子放出部を
形成することができる。あるいは、スピンコーティング
法とエッチング技術の組み合わせにより、電子放出部と
して機能するカソード電極や電子放出部を形成すること
もできる。
【0039】また、スピント型電界放出素子やクラウン
型電界放出素子から成る第1の構造を有する電界放出素
子にあっては、カソード電極を構成する材料として、タ
ングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(T
a)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニ
ウム(Al)、銅(Cu)等の金属;これらの金属元素
を含む合金あるいは化合物(例えばTiN等の窒化物
や、WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等のシ
リサイド);シリコン(Si)等の半導体;ITO(イ
ンジウム・錫酸化物)を例示することができる。カソー
ド電極の形成方法として、例えば電子ビーム蒸着法や熱
フィラメント蒸着法といった蒸着法、スパッタリング
法、CVD法やイオンプレーティング法とエッチング法
との組合せ、スクリーン印刷法、メッキ法等を挙げるこ
とができる。スクリーン印刷法やメッキ法によれば、直
接、ストライプ状のカソード電極を形成することが可能
である。
【0040】第1の構造〜第3の構造を有する電界放出
素子において、ゲート電極及び絶縁層に設けられた1つ
の孔部及び開口部内に1つの電子放出部が存在してもよ
いし、ゲート電極及び絶縁層に設けられた1つの孔部及
び開口部内に複数の電子放出部が存在してもよいし、ゲ
ート電極に複数の孔部を設け、かかる孔部と連通する1
つの開口部を絶縁層に設け、絶縁層に設けられた1つの
開口部内に1又は複数の電子放出部が存在してもよい。
【0041】第1の構造〜第3の構造を有する電界放出
素子において、カソード電極と電子放出部との間に抵抗
体層を設けてもよい。あるいは又、カソード電極の表面
あるいはそのエッジ部が電子放出部に相当している場
合、カソード電極を導電材料層、抵抗体層、電子放出部
に相当する電子放出層の3層構成としてもよい。抵抗体
層を設けることによって、電界放出素子の動作安定化、
電子放出特性の均一化を図ることができる。抵抗体層を
構成する材料として、シリコンカーバイド(SiC)と
いったカーボン系材料、SiN、アモルファスシリコン
等の半導体材料、酸化ルテニウム(RuO2)、酸化タ
ンタル、窒化タンタル等の高融点金属酸化物を例示する
ことができる。抵抗体層の形成方法として、スパッタリ
ング法や、CVD法やスクリーン印刷法を例示すること
ができる。抵抗値は、概ね1×10 5〜1×107Ω、好
ましくは数MΩとすればよい。
【0042】各種の電界放出素子におけるゲート電極を
構成する導電性材料として、タングステン(W)、ニオ
ブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、
クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)等
の金属;これらの金属元素を含む合金あるいは化合物
(例えばTiN等の窒化物や、WSi2、MoSi2、T
iSi2、TaSi2等のシリサイド);あるいはシリコ
ン(Si)等の半導体やダイヤモンド、カーボン、IT
O(インジウム・錫酸化物)を例示することができる。
【0043】絶縁層の構成材料として、SiO2、Si
N、SiON、SOG(スピンオングラス)、ポリイミ
ド等の樹脂を、単独あるいは適宜組み合わせて使用する
ことができる。絶縁層の形成には、真空蒸着法やスパッ
タリング法といったPVD法、CVD法、塗布法、スピ
ンコーティング法、スクリーン印刷法等の公知のプロセ
スが利用できる。
【0044】アノードパネルにおける蛍光体層を構成す
る蛍光体として、高速電子励起用蛍光体や低速電子励起
用蛍光体を用いることができる。冷陰極電界電子放出表
示装置が単色表示装置である場合、蛍光体層は特にパタ
ーニングされていなくともよい。また、冷陰極電界電子
放出表示装置がカラー表示装置である場合、ストライプ
状又はドット状にパターニングされた赤(R)、緑
(G)、青(B)の三原色に対応する蛍光体層を交互に
配置することが好ましい。尚、パターニングされた蛍光
体層間の隙間は、表示画面のコントラスト向上を目的と
したブラックマトリックスで埋め込まれていてもよい。
【0045】アノード電極と蛍光体層の構成例として、
(1)基板上に、アノード電極を形成し、アノード電極
の上に蛍光体層を形成する構成、(2)基板上に、蛍光
体層を形成し、蛍光体層上にアノード電極を形成する構
成、を挙げることができる。尚、(1)の構成におい
て、蛍光体層の上に、所謂メタルバック膜を形成しても
よい。また、(2)の構成において、アノード電極の上
にメタルバック膜を形成してもよい。
【0046】本発明の製造方法においては、絶縁層にド
ライエッチング法にて開口部を形成した後、開口部側壁
を平滑化処理するが故に、開口部の側壁は平滑となり、
凹凸となることがない。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、発明の実
施の形態(以下、実施の形態と略称する)及び実施例に
基づき本発明を説明する。
【0048】(実施の形態1)実施の形態1は、本発明
の電界放出素子の製造方法、及び、冷陰極電界電子放出
表示装置(以下、表示装置と略称する)の製造方法に関
し、より具体的には、開口部側壁を平滑化処理した後、
開口部の底部に露出したカソード電極に電子放出部を形
成する構成(第1の構成)に関する。
【0049】実施の形態1における電界放出素子は、第
1の構造を有する電界放出素子、より具体的には、王冠
状の電子放出部が開口部の底部に位置するカソード電極
上に設けられた電界放出素子であるクラウン(王冠)型
電界放出素子である。このクラウン型電界放出素子は、
その模式的な一部端面図を図4の(B)に示すように、
支持体10と、カソード電極11と、絶縁層12と、ゲ
ート電極13と、孔部14A及び開口部14Bから構成
されている。ストライプ状のカソード電極11は、支持
体10上に形成され、図面の紙面垂直方向に延びてい
る。絶縁層12は、カソード電極11及び支持体10上
に形成されている。ストライプ状のゲート電極13は、
絶縁層12上に形成され、孔部14Aを有し、図面の紙
面左右方向に延びている。絶縁層12には、孔部14A
と連通した開口部14Bが形成されている。電子放出部
15は、開口部14Bの底部に露出したゲート電極13
の上に設けられており、かかる電子放出部15から電子
が放出される。尚、図面においては、1本のカソード電
極の幅方向に1つの電子放出部が設けられているように
図示している場合があるが、実際には、複数の電子放出
部が設けられている。以下に説明する各種の電界放出素
子においても同様である。
【0050】表示装置の構造は、電子放出部15の構造
が若干相違する点を除き、実質的に図40及び図41を
参照して説明した従来の表示装置と同様とすることがで
きるので、詳細な説明は省略する。また、表示装置の動
作も、実質的に図40及び図41を参照して説明した従
来の表示装置と同様とすることができるので、詳細な説
明は省略する。
【0051】以下、支持体等の模式的な一部端面図であ
る図1〜図4を参照して、実施の形態1の電界放出素子
の製造方法を説明する。
【0052】[工程−100]先ず、例えばガラスから
成る支持体10上に、スパッタリング法にて厚さ0.2
μmのITO層を形成した後、リソグラフィ技術及びエ
ッチン技術によってITO層をストライプ状にパターニ
ングする。これによって、カソード電極11を得ること
ができる。次に、支持体10及びカソード電極11上に
スパッタリング法によって厚さ3μmのSiO2から成
る絶縁層12を形成する。その後、絶縁層12上に、ス
パッタリング法にて厚さ0.2μmのITO層を形成し
た後、リソグラフィ技術及びエッチン技術によってIT
O層をストライプ状にパターニングする。これによっ
て、ゲート電極13を得ることができる。ストライプ状
のカソード電極11の射影像と、ストライプ状のゲート
電極13の射影像は直交している。
【0053】[工程−110]次に、全面に、具体的に
は、ゲート電極13及び絶縁層12上に、ネガ型レジス
ト材料(日本ゼオン株式会社製ZPN1100)をスピ
ンコート法にて成膜する(図1の(A)参照)。その
後、レジスト層16の露光処理を行う。ここで、レジス
ト層16の露光処理は、露光用マスク(図示せず)を用
いて、カソード電極11が形成されていない支持体裏面
側から行う、所謂裏面露光法に基づき行う(図1の
(B)参照)。次いで、プレベーキング処理をレジスト
層16に施した後、レジスト層16を現像する。上述の
レジスト材料を用い、裏面露光を行い、プレベーキング
処理の条件を適切に選択することによって、即ち、露光
量の制御とレジスト材料の結合エネルギーの制御によっ
てレジスト層の膜厚方向の現像液に不溶性あるいは難溶
性となる領域の制御が可能となり、側壁が支持体の表面
に対して90度未満の傾斜角θを有する開口16Bをレ
ジスト層16に形成することができる(図2の(A)参
照)。尚、レジスト層16の厚さを3μmとした。
【0054】尚、ITOから成るカソード電極11の上
に、ゲート電極13に形成すべき孔部14Aと同じある
いは若干大きなサイズの孔部を有する遮光性の金属層あ
るいは抵抗体層(例えばSiCから成る)を形成し、か
かる遮光性の金属層や抵抗体層をマスクとして、露光用
マスクを用いることなく、所謂セルフアライン方式に
て、裏面露光を行ってもよい。
【0055】[工程−120]次に、かかるレジスト層
16をエッチング用マスクとして、硝酸第2セリウムア
ンモンを用いてゲート電極13をウエットエッチングし
て、ゲート電極13に孔部14Aを形成し、更に、絶縁
層12をRIE法にてドライエッチングする。このドラ
イエッチングにおいては、レジスト層16と絶縁層12
のエッチング選択比(絶縁層12のエッチング速度/レ
ジスト層16のエッチング速度の比)が小さくなる条件
で、ゲート電極13及び絶縁層12をドライエッチング
する。これによって、レジスト層16の形状が絶縁層1
2に転写されながらゲート電極13及び絶縁層12がエ
ッチングされ、図2の(B)に示すように、孔部14A
をゲート電極13に形成することができ、更には、開口
部14Bを絶縁層12に形成することができる。但し、
フッ化炭素系のエッチングガスを使用するので、例えば
CFXから成るドライエッチング副産物である難溶解性
物質19が開口部14Bの側壁に堆積する。その後、ア
ッシング処理を行うことによって、レジスト層16を除
去する(図2の(C)参照)。
【0056】[工程−130]次に、開口部14Bの側
壁を平滑化処理する(図3の(A)参照)。平滑化処理
は、アミン系ポリマー除去剤(剥離剤)を用いたウェッ
トエッチング処理から成る。この平滑化処理によって、
ドライエッチング法にて開口部14Bを絶縁層12に形
成した際に開口部14Bの側壁上に堆積したドライエッ
チング副産物である難溶解性物質19が除去される。
【0057】[工程−140]次に、全面に、即ち、ゲ
ート電極13上、絶縁層12上、孔部14Aの側壁上及
び開口部14Bの側壁上に剥離層17を形成する(図3
の(B)参照)。かかる剥離層17を形成するには、例
えば、フォトレジスト材料をスピンコーティング法によ
り全面に塗布し、開口部14Bの底部の一部分のみを除
去するようなパターニングを行えばよい。
【0058】[工程−150]次に、図4の(A)に示
すように、全面に組成物原料から成る導電性組成物層1
8を形成する。ここで使用する組成物原料は、例えば、
導電性粒子として平均粒径約0.1μmの黒鉛粒子を6
0重量%、バインダとして4号の水ガラスを40重量%
含む。この組成物原料を、例えば1400rpm、10
秒間の条件で全面にスピンコートする。開口部14B内
における導電性組成物層18の表面は、組成物原料の表
面張力に起因して、開口部14Bの側壁に沿って迫り上
がり、開口部14Bの中央部に向かって窪む。その後、
導電性組成物層18に含まれる水分を除去するための仮
焼成を、例えば大気中、400゜Cで30分間行う。
【0059】組成物原料において、バインダは、(1)
それ自身が導電性粒子の分散媒であってもよいし、
(2)導電性粒子を被覆していてもよいし、(3)適当
な溶媒に分散あるいは溶解されることによって、導電性
粒子の分散媒を構成してもよい。(3)のケースの典型
例は水ガラスであり、日本工業規格(JIS)K140
8に規定される1号乃至4号、又はこれらの同等品を使
用することができる。1号乃至4号は、水ガラスの構成
成分である酸化ナトリウム(Na2O)1モルに対する
酸化珪素(SiO2)のモル数(約2〜4モル)の違い
に基づく4段階の等級であり、それぞれ粘度が大きく異
なる。従って、リフトオフ・プロセスで水ガラスを使用
する際には、水ガラスに分散させる導電性粒子の種類や
含有量、剥離層17との親和性、開口部14Bのアスペ
クト比等の諸条件を考慮して、最適な等級の水ガラスを
選択するか、又は、これらの等級と同等の水ガラスを調
製して使用することが好ましい。
【0060】バインダは一般に導電性に劣るので、組成
物原料中の導電性粒子の含有量に対してバインダの含有
量が多過ぎると、形成される電子放出部15の電気抵抗
値が上昇し、電子放出が円滑に行われなくなる虞があ
る。従って、例えば水ガラス中に導電性粒子としてカー
ボン系材料粒子を分散させて成る組成物原料を例にとる
と、組成物原料の全重量に占めるカーボン系材料粒子の
割合は、電子放出部15の電気抵抗値、組成物原料の粘
度、導電性粒子同士の接着性等の特性を考慮し、概ね3
0〜95重量%の範囲に選択することが好ましい。カー
ボン系材料粒子の割合をかかる範囲内に選択することに
より、形成される電子放出部15の電気抵抗値を十分に
下げると共に、カーボン系材料粒子同士の接着性を良好
に保つことが可能となる。但し、導電性粒子としてカー
ボン系材料粒子にアルミナ粒子を混合して用いた場合に
は、導電性粒子同士の接着性が低下する傾向があるの
で、アルミナ粒子の含有量に応じてカーボン系材料粒子
の割合を高めることが好ましく、60重量%以上とする
ことが特に好ましい。尚、組成物原料には、導電性粒子
の分散状態を安定化させるための分散剤や、pH調整
剤、乾燥剤、硬化剤、防腐剤等の添加剤が含まれていて
もよい。尚、導電性粒子を結合剤(バインダ)の被膜で
覆った粉体を、適当な分散媒中に分散させて成る組成物
原料を用いてもよい。
【0061】一例として、王冠状の電子放出部15の直
径を概ね1〜20μmとし、導電性粒子としてカーボン
系材料粒子を使用した場合、カーボン系材料粒子の粒径
は概ね0.1μm〜1μmの範囲とすることが好まし
い。カーボン系材料粒子の粒径をかかる範囲に選択する
ことにより、王冠状の電子放出部15の縁部に十分に高
い機械的強度が備わり、且つ、カソード電極11に対す
る電子放出部15の密着性が良好となる。
【0062】[工程−160]次に、図4の(B)に示
すように、剥離層17を除去する。剥離は、2重量%の
水酸化ナトリウム水溶液中に、30秒間浸漬することに
より行う。このとき、超音波振動を加えながら剥離を行
ってもよい。これにより、剥離層17と共に剥離層17
上の導電性組成物層18の部分が除去され、開口部14
Bの底部に露出したカソード電極11上の導電性組成物
層18の部分のみが残される。この残存した部分が電子
放出部15となる。電子放出部15の形状は、表面が開
口部14Bの中央部に向かって窪み、王冠状となる。
[工程−160]が終了した時点における状態は、図4
5に示したと概ね同様である。ここで、1つの電子放出
領域には、5〜100個程度の電子放出部15を設ける
ことで十分である。尚、導電性粒子が電子放出部15の
表面に確実に露出するように、電子放出部15の表面に
露出したバインダをエッチングによって除去してもよ
い。
【0063】[工程−170]次に、電子放出部15の
焼成を行う。焼成は、乾燥大気中、400゜C、30分
間の条件で行う。尚、焼成温度は、組成物原料に含まれ
るバインダの種類に応じて選択すればよい。例えば、バ
インダが水ガラスのような無機材料である場合には、無
機材料を焼成し得る温度で熱処理を行えばよい。バイン
ダが熱硬化性樹脂である場合には、熱硬化性樹脂を硬化
し得る温度で熱処理を行えばよい。但し、導電性粒子同
士の密着性を保つために、熱硬化性樹脂が過度に分解し
たり炭化する虞のない温度で熱処理を行うことが好適で
ある。いずれのバインダを用いるにしても、熱処理温度
は、ゲート電極やカソード電極、絶縁層に損傷や欠陥が
生じない温度とする必要がある。熱処理雰囲気は、ゲー
ト電極やカソード電極の電気抵抗率が酸化によって上昇
したり、あるいはゲート電極やカソード電極に欠陥や損
傷が生ずることがないように、不活性ガス雰囲気とする
ことが好ましい。尚、バインダとして熱可塑性樹脂を使
用した場合には、熱処理を必要としない場合がある。
【0064】[工程−180]その後、表示装置の組み
立てを行う。具体的には、蛍光体層22と電界放出素子
とが対向するようにアノードパネルAPとカソードパネ
ルCPとを配置し、アノードパネルAPとカソードパネ
ルCP(より具体的には、基板20と支持体10)と
を、枠体24を介して、周縁部において接合する。接合
に際しては、枠体24とアノードパネルAPとの接合部
位、及び枠体24とカソードパネルCPとの接合部位に
フリットガラスを塗布し、アノードパネルAPとカソー
ドパネルCPと枠体24とを貼り合わせ、予備焼成にて
フリットガラスを乾燥した後、約450゜Cで10〜3
0分の本焼成を行う。その後、アノードパネルAPとカ
ソードパネルCPと枠体24とフリットガラスとによっ
て囲まれた空間を、貫通孔25及びチップ管26を通じ
て排気し、空間の圧力が10-4Pa程度に達した時点で
チップ管26を加熱溶融により封じ切る。このようにし
て、アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体2
4とに囲まれた空間を真空にすることができる。その
後、必要な外部回路との配線を行い、表示装置を完成さ
せる。こうして、図40及び図41に示したと概ね同様
の表示装置を得ることができる。
【0065】尚、図40に示した表示装置におけるアノ
ードパネルAPの製造方法の一例を、以下、図5を参照
して説明する。先ず、発光性結晶粒子組成物を調製す
る。そのために、例えば、純水に分散剤を分散させ、ホ
モミキサーを用いて3000rpmにて1分間、撹拌を
行う。次に、発光性結晶粒子を分散剤が分散した純水中
に投入し、ホモミキサーを用いて5000rpmにて5
分間、撹拌を行う。その後、例えば、ポリビニルアルコ
ール及び重クロム酸アンモニウムを添加して、十分に撹
拌し、濾過する。
【0066】アノードパネルAPの製造においては、例
えばガラスから成る基板20上の全面に感光性被膜40
を形成(塗布)する。そして、露光光源(図示せず)か
ら射出され、マスク43に設けられた孔部44を通過し
た紫外線によって、基板20上に形成された感光性被膜
40を露光して感光領域41を形成する(図5の(A)
参照)。その後、感光性被膜40を現像して選択的に除
去し、感光性被膜の残部(露光、現像後の感光性被膜)
42を基板20上に残す(図5の(B)参照)。次に、
全面にカーボン剤(カーボンスラリー)を塗布し、乾
燥、焼成した後、リフトオフ法にて感光性被膜の残部4
2及びその上のカーボン剤を除去することによって、露
出した基板20上にカーボン剤から成るブラックマトリ
ックス21を形成し、併せて、感光性被膜の残部42を
除去する(図5の(C)参照)。その後、露出した基板
20上に、赤、緑、青の各蛍光体層22を形成する(図
5の(D)参照)。具体的には、各発光性結晶粒子(蛍
光体粒子)から調製された発光性結晶粒子組成物を使用
し、例えば、赤色の感光性の発光性結晶粒子組成物(蛍
光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像し、次い
で、緑色の感光性の発光性結晶粒子組成物(蛍光体スラ
リー)を全面に塗布し、露光、現像し、更に、青色の感
光性の発光性結晶粒子組成物(蛍光体スラリー)を全面
に塗布し、露光、現像すればよい。その後、蛍光体層2
2及びブラックマトリックス21上にスパッタリング法
にて厚さ約0.07μmのアルミニウム薄膜から成るア
ノード電極23を形成する。尚、スクリーン印刷法等に
より各蛍光体層22を形成することもできる。
【0067】実施の形態1においては、傾斜(傾斜角
θ)を有する開口部14Bを形成することによって、電
子放出部15から放出された電子が開口部14Bの側壁
に衝突し難くなる。それ故、絶縁層12からガスが放出
され、電子放出部15を汚染し、電子放出部15からの
放電電流が不安定になったり、電子放出部15の電子放
出特性の低下、電子放出部15の短寿命といった問題が
発生し難い。また、開口を疎に設ける領域においてのみ
ならず、密に設ける領域においても、傾斜を有する開口
16Bを容易に、且つ、確実に形成できる。しかも、開
口部14Bの側壁が平滑化されているので、電界放出素
子の各種製造工程において、開口部14Bの側壁に汚染
物質(可動イオンや導電性元素)が付着し難くなり、電
子放出に要する閾値電圧が高くなるといった電子放出特
性の低下、表示装置の消費電力の増加、表示画面におけ
る点欠陥の発生といった各種の問題の発生を回避するこ
とができる。また、開口部14Bをドライエッチング法
によって絶縁層12に形成するので、高加工精度、高均
一性を達成することができ、輝度の均一性を向上させる
ことが可能となる。更には、開口部の側壁に傾斜を付け
ることによって、電子放出部における電界強度を高める
ことが出来る結果、閾値電圧の低減を図ることができ
る。
【0068】(実施例1〜実施例4)実施例1〜実施例
4においては、実施の形態1の[工程−100]〜[工
程−180]を実行した。レジスト材料のプロキシミテ
ィ法における露光量(単位:mJ/cm2)、プリベー
キング温度、プリベーキング時間を以下の表1のとうり
として、レジスト材料を露光、プリベーキング、現像し
た。また、ドライエッチング条件を以下の表2に示すと
おりとして、実施の形態1の[工程−120]における
ドライエッチングを行った。尚、プリベーキングの雰囲
気を大気雰囲気とした。実施例1、実施例2、実施例
3、実施例4の順に、レジスト層16と絶縁層12のエ
ッチング選択比(絶縁層12のエッチング速度/レジス
ト層16のエッチング速度の比)が小さくなる。即ち、
ドライエッチングによるレジスト層16の膜減りが多く
なる。尚、エッチング選択比はレジスト層16のベーク
温度に依存する。開口部14Bの断面形状を円形とし、
開口部14Bの上端部における平均直径を20μmの円
形とし、開口部14Bの数を0.4mm四方当たり10
0個とした。レジスト層の厚さを3μmとした。比較例
1〜比較例4においても同様である。表4に、開口部1
4Bの傾斜角θの測定結果を示す。併せて、表4に、開
口部14Bから充分に離れた位置に直線状の縁部をドラ
イエッチングによって形成したときの縁部の傾斜角θB
の測定結果を示す。尚、このような縁部の傾斜角θB
測定することによって、レジスト層16に形成された開
口の疎密に影響されること無く、どの程度の傾斜が開口
部の側壁に形成されるかの評価を行うことができる。
【0069】 [表1] 露光量 プリベーキング温度 プリベーキング時間 実施例1 30 120゜C 60秒 実施例2 30 130゜C 60秒 実施例3 70 120゜C 60秒 実施例4 100 120゜C 60秒
【0070】[表2] エッチングガス:CF4=20SCCM 圧力 :3Pa RFパワー :200W 支持体温度 :20゜C
【0071】(比較例1〜比較例4)比較のために、比
較例1〜比較例4を実行した。これらの比較例において
は、実施の形態1の[工程−100]を実行した後、ゲ
ート電極13及び絶縁層12上に、ポジ型レジスト材料
(クラリアントジャパン株式会社製AZP4400)を
スピンコート法にて成膜した。その後、レジスト層16
の露光処理を行った。ここで、レジスト層16の露光処
理は、露光用マスクを用いて、カソード電極11が形成
されている支持体表面(おもてめん)側から行った。次
いで、レジスト層16を現像した後、ベーキング処理を
パターニングされたレジスト層16に施した。その後、
実施の形態1の[工程−120]、[工程−140]〜
[工程−180]を実行した。レジスト層の厚さを3μ
mとした。
【0072】比較例1〜比較例4においては、レジスト
材料のミラー・プロジェクション法における露光量を2
00mJ/cm2、クリーンオーブンを用いたベーキン
グ時間を30分とし、ベーキング温度及び使用したエッ
チング用ガスを以下の表3のとうりとした。そして、レ
ジスト層の露光、現像、ベーキング処理を行い、更に
は、ドライエッチングを行った。尚、ベーキング処理の
雰囲気を大気雰囲気とした。比較例2、比較例1、比較
例3、比較例4の順に、レジスト層16と絶縁層12の
エッチング選択比(絶縁層12のエッチング速度/レジ
スト層16のエッチング速度の比)が小さくなる。即
ち、ドライエッチングによるレジスト層16の膜減りが
多くなる。ここで、ドライエッチングの条件として、圧
力を3Pa、RFパワーを200W、支持体温度を20
゜Cとした。表3のエッチングガスの欄における( )
内の数字は、使用ガス量(単位:SCCM)である。ま
た、表4に、開口部14Bの傾斜角θの測定結果を示
す。併せて、開口部14Bから充分に離れた位置に直線
状の縁部をドライエッチングによって形成したときの縁
部の傾斜角θBの測定結果を示す。
【0073】 [表3] ベーキング温度 エッチングガス 比較例1 90゜C CHF3(10)/CF4(10) 比較例2 90゜C CF4(20) 比較例3 120゜C CF4(20) 比較例4 120゜C CF4(20)/O2(2)
【0074】
【0075】開口部14Bの側壁を走査型電子顕微鏡で
観察したところ、実施例1〜実施例4にあっては平滑で
あった。また、開口部14Bの側壁における傾斜角θの
制御を行うことができた。一方、比較例1〜比較例4に
あっては、開口部14Bの側壁に難溶解性物質が付着し
ており、側壁は凹凸であった。また、開口部14Bの側
壁における傾斜角θの制御を行うことができず、傾斜角
θは全ての比較例において90度であった。
【0076】実施例1〜実施例4及び比較例1〜比較例
4にて得られた表示装置において、カソード電極11へ
の印加電圧を0ボルトとし、ゲート電極13への印加電
圧を変化させ、このとき、アノード電極23に流れる電
流(放出電子の電流)の測定を行った。その結果を図6
に示す。尚、図6において、(1)、(2)、(3)、
(4)のデータは、それぞれ、実施例1、実施例2、実
施例3、実施例4のデータを示し、[1]、[2]、
[3]、[4]のデータは、それぞれ、比較例1、比較
例2、比較例3、比較例4のデータを示す。図6からも
明らかなように、比較例1〜比較例4と比較して、実施
例1〜実施例4にあっては、電界放出素子から電子が放
出開始される電圧(閾値電圧)は明らかに低下してい
る。また、実施例1、実施例2、実施例3、実施例4の
順に、傾斜角θが小さくなり、閾値電圧が低下してい
る。
【0077】以上のとおり、開口部14Bの側壁を平滑
にすることによって、更には、傾斜(傾斜角θ)を有す
る開口部14Bを形成することによって、電子放出に要
する閾値電圧が高くなるといった電子放出特性の低下、
表示装置の消費電力の増加、表示画面における点欠陥の
発生といった各種の問題の発生を回避することができ
る。
【0078】(実施の形態2)以下、各種の電界放出素
子の構造、及び、その製造方法について説明する。尚、
以下の各実施の形態において参照する図面の一部におい
ては開口部14Bの側壁を垂直な状態で図示するが、実
際には傾斜角θ(<90度)を有している。また、ゲー
ト電極に設けられた孔部14Aと絶縁層に設けられた開
口部14Bを総称して、開口部114で表す場合があ
る。以下の、実施の形態においても同様である。更に
は、以下の実施の形態にて説明する各種の電界放出素子
が形成されたカソードパネルCPとアノードパネルAP
の組立は、実施の形態1の[工程−180]と同様とす
ることができるので詳細な説明は省略する。
【0079】実施の形態2における電界放出素子は、ス
ピント型電界放出素子である。図7の(C)に示すスピ
ント型電界放出素子は、円錐形の電子放出部15Aを有
する。スピント型電界放出素子は、支持体10と、支持
体10上に設けられたストライプ状のカソード電極11
と、支持体10及びカソード電極11上に形成された絶
縁層12と、絶縁層12上に設けられたストライプ状の
ゲート電極13と、ゲート電極13を貫通した孔部14
A、及び、絶縁層12を貫通し、孔部14Aと連通した
開口部14Bと、開口部14Bの底部に位置するカソー
ド電極11上に設けられた円錐状の電子放出部15Aか
ら成り、この電子放出部15Aから電子が放出される構
造を有する。このスピント型電界放出素子の製造方法の
概要を、以下、支持体等の模式的な一部端面図である図
7を参照して説明するが、この製造方法は第1の構成に
係る製造方法である。
【0080】[工程−200]先ず、実施の形態1の
[工程−100]〜[工程−130]を実行する。
【0081】[工程−210]次に、開口部14Bの底
部に露出したカソード電極11上に、電子放出部15A
を形成する。具体的には、先ず、アルミニウムを斜め蒸
着することにより、剥離層50を形成する。このとき、
支持体10の法線に対する蒸着粒子の入射角を十分に大
きく選択することにより、開口部14Bの底部にアルミ
ニウムを殆ど堆積させることなく、ゲート電極13及び
絶縁層12上に剥離層50を形成することができる。こ
の剥離層50は、孔部14Aの開口端部から庇状に張り
出しており、これにより孔部14Aが実質的に縮径され
る(図7の(A)参照)。
【0082】[工程−220]次に、全面に例えばモリ
ブデン(Mo)を垂直蒸着する。このとき、図7の
(B)に示すように、剥離層50上でオーバーハング形
状を有するモリブデンから成る導電材料層51が成長す
るに伴い、孔部14Aの実質的な直径が次第に縮小され
るので、開口部14Bの底部において堆積に寄与する蒸
着粒子は、次第に孔部14Aの中央付近を通過するもの
に限られるようになる。その結果、開口部14Bの底部
には円錐形の堆積物が形成され、この円錐形のモリブデ
ンから成る堆積物が電子放出部15Aとなる。
【0083】[工程−230]その後、電気化学的プロ
セス及び湿式プロセスによって剥離層50を絶縁層12
及びゲート電極13の表面から剥離し、絶縁層12及び
ゲート電極13の上方の導電材料層51を選択的に除去
する。その結果、図7の(C)に示すように、開口部1
4Bの底部に位置するカソード電極11上に円錐形の電
子放出部15Aを残すことができる。
【0084】(実施の形態3)実施の形態3の電界放出
素子は扁平型電界放出素子から成る。この電界放出素子
の模式的な一部断面図を、図8の(C)に示す。実施の
形態3の電界放出素子は、例えばガラスから成る支持体
10上に形成されたカソード電極11、支持体10及び
カソード電極11上に形成された絶縁層12、絶縁層1
2上に形成されたゲート電極13、ゲート電極13に形
成された孔部14A、絶縁層12に形成され、孔部14
Aに連通した開口部14B、並びに、開口部14Bの底
部に位置するカソード電極11上に設けられた扁平の電
子放出部15Bから成る。ここで、電子放出部15B
は、図8の(C)の紙面垂直方向に延びたストライプ状
のカソード電極11上に形成されている。また、ゲート
電極13は、図8の(C)の紙面左右方向に延びてい
る。カソード電極11及びゲート電極13はクロム(C
r)から成る。電子放出部15Bは、具体的には、グラ
ファイト粉末から成る薄層から構成されている。また、
電界放出素子の動作安定化、電子放出特性の均一化のた
めに、カソード電極11と電子放出部15Bとの間にS
iCから成る抵抗体層60が設けられている。図8の
(C)に示した実施の形態3の電界放出素子において
は、カソード電極11の表面の全域に亙って、抵抗体層
60及び電子放出部15Bが形成されているが、このよ
うな構造に限定するものではなく、要は、少なくとも開
口部14Bの底部に電子放出部15Bが設けられていれ
ばよい。
【0085】以下、支持体等の模式的な一部断面図であ
る図8を参照して、実施の形態3の電界放出素子の製造
方法を説明するが、この製造方法は第2の構成に係る製
造方法である。
【0086】[工程−300]先ず、支持体10上に、
クロム(Cr)から成るカソード電極用導電材料層をス
パッタリング法にて形成した後、リソグラフィ技術及び
ドライエッチング技術に基づきカソード電極用導電材料
層をパターニングする。これによって、ストライプ状の
カソード電極11を支持体10上に形成することができ
る(図8の(A)参照)。
【0087】[工程−310]次に、カソード電極11
上に、電子放出部15Bを形成する。具体的には、先
ず、全面にスパッタリング法にてSiCから成る抵抗体
層60を形成し、次いで、抵抗体層60の上にグラファ
イト粉末塗料から成る電子放出部15Bをスピンコーテ
ィング法にて形成し、電子放出部15Bを乾燥させる。
その後、電子放出部15B及び抵抗体層60を公知の方
法に基づきパターニングする(図8の(B)参照)。電
子放出部15Bから電子が放出される。
【0088】[工程−320]次に、全面に絶縁層12
を形成する。具体的には、電子放出部15B及び支持体
10上に、例えば、スパッタリング法にてSiO2から
成る絶縁層12を形成する。尚、絶縁層12を、ガラス
ペーストをスクリーン印刷する方法や、SiO 2層をC
VD法にて形成する方法に基づき形成することもでき
る。その後、ストライプ状のゲート電極13を絶縁層1
2上に形成する。
【0089】[工程−330]次に、ゲート電極13及
び絶縁層12に開口部114(孔部14A及び開口部1
4Bの総称)を形成し、開口部14Bの底部に電子放出
部15Bを露出させる。その後、実施の形態1の[工程
−130]と同様にして、開口部14Bの側壁を平滑化
処理する(図8の(C)参照)。次いで、電子放出部1
5B中の有機溶剤を除去するために、400゜C、30
分の熱処理を施す。
【0090】尚、開口部114の形成においては、実施
の形態1と異なり、ポジ型レジスト材料から成るレジス
ト層を使用し、ゲート電極13及び絶縁層12上にスピ
ンコーティング法にてレジスト層を形成した後、カソー
ド電極11が形成されている支持体表面(おもてめん)
側からレジスト層の露光を行い、現像後、ベーキング処
理をマスク層に施す。これによって、支持体10の表面
に対して90度未満の傾斜角θの側壁を有する開口をレ
ジスト層に形成できる結果、かかるレジスト層をエッチ
ング用マスクとして、絶縁層12をドライエッチングし
たとき、傾斜を有する開口部14Bを絶縁層12に形成
することができる。実施の形態1や実施の形態2にて説
明した電界放出素子よりも実施の形態3の電界放出素子
の単位面積当たりの形成密度を低くできるが故に、レジ
スト層に傾斜を有する開口を形成することができる。
【0091】(実施の形態4)実施の形態4の電界放出
素子の製造方法は、実施の形態3の扁平型電界放出素子
の製造方法の変形である。実施の形態4における扁平型
電界放出素子の模式的な一部断面図を、図9の(C)に
示す。図9の(C)に示す扁平型電界放出素子において
は、電子放出部15Bの構造が、図8の(C)に示した
実施の形態3の電界放出素子と若干異なっている。以
下、支持体等の模式的な一部断面図である図9を参照し
て、かかる実施の形態4の扁平型電界放出素子の製造方
法を説明する。
【0092】[工程−400]先ず、支持体10上にカ
ソード電極用導電材料層を形成する。具体的には、支持
体10の全面にレジスト材料層(図示せず)を形成した
後、カソード電極を形成すべき部分のレジスト材料層を
除去する。その後、全面にクロム(Cr)から成るカソ
ード電極用導電材料層をスパッタリング法にて形成す
る。更に、全面にスパッタリング法にてSiCから成る
抵抗体層60を形成し、次いで、抵抗体層60の上にグ
ラファイト粉末塗料層をスピンコーティング法にて形成
し、グラファイト粉末塗料層を乾燥させる。その後、剥
離液を用いてレジスト材料層を除去すると、レジスト材
料層上に形成されたカソード電極用導電材料層、抵抗体
層60及びグラファイト粉末塗料層も除去される。こう
して、所謂リフトオフ法に基づき、カソード電極11、
抵抗体層60及び電子放出部15B(電子放出層)が積
層された構造を得ることができる(図9の(A)参
照)。
【0093】[工程−410]次に、全面に絶縁層12
を形成した後、絶縁層12上にストライプ状のゲート電
極13を形成する(図9の(B)参照)。その後、実施
の形態3と同様に、ゲート電極13及び絶縁層12に孔
部14A及び開口部14Bを形成することによって、開
口部14Bの底部に電子放出部15Bを露出させた後、
実施の形態1の[工程−130]と同様にして、開口部
14Bの側壁を平滑化処理する(図9の(C)参照)。
開口部14Bの底部に露出したカソード電極11の表面
に設けられた電子放出部15Bから電子が放出される。
【0094】(実施の形態5)実施の形態5の電界放出
素子の製造方法は、実施の形態3の扁平型電界放出素子
とは異なる扁平型電界放出素子の製造方法に関する。実
施の形態5の電界放出素子の模式的な一部端面図を、図
11の(B)に示す。実施の形態5の電界放出素子にお
いては、電子放出部15Cは、CVD法に基づき形成さ
れた炭素薄膜から構成されている。
【0095】電子放出部を炭素薄膜から構成すること
は、炭素(C)の仕事関数が低く、高い放出電子電流を
達成することができるので、好ましい。炭素薄膜から電
子を放出させるためには、炭素薄膜が適切な電界(例え
ば、106ボルト/m程度の強度を有する電界)中に置
かれた状態とすればよい。
【0096】ところで、レジスト材料をエッチング用マ
スクとして使用し、酸素ガスを用いてダイヤモンド薄膜
のような炭素薄膜のプラズマエッチングを行った場合、
エッチング反応系における反応副生成物として(C
x)系あるいは(CFx)系等の炭素系ポリマーが堆積
性物質として生成する。一般に、プラズマエッチングに
おいて堆積性物質がエッチング反応系に生成した場合、
この堆積性物質はイオン入射確率の低いレジスト材料の
側壁面、あるいは被エッチング物の加工端面に堆積して
所謂側壁保護膜を形成し、被エッチング物の異方性加工
によって得られる形状の達成に寄与する。しかしなが
ら、酸素ガスをエッチング用ガスとして使用した場合に
は、炭素系ポリマーから成る側壁保護膜は、生成して
も、直ちに酸素ガスによって除去されてしまう。また、
酸素ガスをエッチング用ガスとして使用した場合には、
レジスト材料の消耗も激しい。これらの理由により、従
来のダイヤモンド薄膜の酸素プラズマ加工においては、
ダイヤモンド薄膜のマスクの寸法に対する寸法変換差が
大きく、異方性加工も困難な場合が多い。
【0097】このような問題を解決するためには、例え
ば、カソード電極の表面に炭素薄膜選択成長領域を形成
し、炭素薄膜選択成長領域上に炭素薄膜から成る電子放
出部を形成する構成とすればよい。即ち、実施の形態5
の扁平型電界放出素子の製造においては、支持体上にカ
ソード電極を形成した後、カソード電極の表面に炭素薄
膜選択成長領域を形成し、その後、炭素薄膜選択成長領
域上に炭素薄膜(電子放出部に相当する)を形成する。
尚、カソード電極の表面に炭素薄膜選択成長領域を形成
する工程を、炭素薄膜選択成長領域形成工程と呼ぶ。
【0098】ここで、炭素薄膜選択成長領域は、表面に
金属粒子が付着したカソード電極の部分、若しくは、表
面に金属薄膜が形成されたカソード電極の部分であるこ
とが好ましい。尚、炭素薄膜選択成長領域における炭素
薄膜の選択成長を一層確実なものとするために、炭素薄
膜選択成長領域の表面には、硫黄(S)、ホウ素(B)
又はリン(P)が付着していることが望ましく、これら
の物質は一種の触媒としての作用を果たすと考えられ、
これによって、炭素薄膜の選択成長性を一層向上させる
ことができる。尚、炭素薄膜選択成長領域は、開口部の
底部に位置するカソード電極の部分の表面に形成されて
いればよく、開口部の底部に位置するカソード電極の部
分から開口部の底部以外のカソード電極の部分の表面に
延在するように形成されていてもよい。また、炭素薄膜
選択成長領域は、開口部の底部に位置するカソード電極
の部分の表面の全面に形成されていても、部分的に形成
されていてもよい。
【0099】炭素薄膜選択成長領域形成工程は、炭素薄
膜選択成長領域を形成すべきカソード電極の部分の表面
(以下、単にカソード電極表面と呼ぶ場合がある)に、
金属粒子を付着させ、若しくは、金属薄膜を形成する工
程から成り、以て、表面に金属粒子が付着し、若しく
は、表面に金属薄膜が形成されたカソード電極の部分か
ら成る炭素薄膜選択成長領域を得ることが好ましい。ま
た、この場合、炭素薄膜選択成長領域における炭素薄膜
の選択成長を一層確実なものとするために、炭素薄膜選
択成長領域の表面に、硫黄(S)、ホウ素(B)又はリ
ン(P)を付着させることが望ましく、これによって、
炭素薄膜の選択成長性を一層向上させることができる。
炭素薄膜選択成長領域の表面に硫黄、ホウ素又はリンを
付着させる方法としては、例えば、硫黄、ホウ素又はリ
ンを含む化合物から成る化合物層を炭素薄膜選択成長領
域の表面に形成し、次いで、例えば加熱処理を化合物層
に施すことによって化合物層を構成する化合物を分解さ
せ、炭素薄膜選択成長領域の表面に硫黄、ホウ素又はリ
ンを残す方法を挙げることができる。硫黄を含む化合物
としてチオナフテン、チオフテン、チオフェンを例示す
ることができる。ホウ素を含む化合物として、トリフェ
ニルボロンを例示することができる。リンを含む化合物
として、トリフェニルフォスフィンを例示することがで
きる。
【0100】あるいは又、炭素薄膜選択成長領域におけ
る炭素薄膜の選択成長を一層確実なものとするために、
カソード電極表面に、金属粒子を付着させ、若しくは、
金属薄膜を形成した後、金属粒子の表面若しくは金属薄
膜の表面の金属酸化物(所謂、自然酸化膜)を除去する
ことが望ましい。金属粒子の表面若しくは金属薄膜の表
面の金属酸化物の除去を、例えば、水素ガス雰囲気にお
けるマイクロ波プラズマ法、トランス結合型プラズマ
法、誘導結合型プラズマ法、電子サイクロトロン共鳴プ
ラズマ法、RFプラズマ法等に基づくプラズマ還元処
理、アルゴンガス雰囲気におけるスパッタ処理、若しく
は、例えばフッ酸等の酸や塩基を用いた洗浄処理によっ
て行うことが望ましい。尚、炭素薄膜選択成長領域の表
面に硫黄、ホウ素又はリンを付着させる工程、あるいは
又、金属粒子の表面若しくは金属薄膜の表面の金属酸化
物を除去する工程を含む場合、絶縁層に開口部を設けた
後、炭素薄膜選択成長領域上に炭素薄膜を形成する前に
これらの工程を実行することが好ましい。
【0101】炭素薄膜選択成長領域を得るためにカソー
ド電極表面に金属粒子を付着させる方法として、例え
ば、炭素薄膜選択成長領域を形成すべきカソード電極の
領域以外の領域を適切な材料(例えば、マスク層)で被
覆した状態で、溶媒と金属粒子から成る層をカソード電
極表面に形成した後、溶媒を除去し、金属粒子を残す方
法を挙げることができる。あるいは又、カソード電極表
面に金属粒子を付着させる工程として、例えば、炭素薄
膜選択成長領域を形成すべきカソード電極の領域以外の
領域を適切な材料(例えば、マスク層)で被覆した状態
で、金属粒子を構成する金属原子を含む金属化合物粒子
をカソード電極表面に付着させた後、金属化合物粒子を
加熱することによって分解し、以て、表面に金属粒子が
付着したカソード電極の部分から成る炭素薄膜選択成長
領域を得る方法を挙げることができる。この場合、具体
的には、溶媒と金属化合物粒子から成る層をカソード電
極表面に形成した後、溶媒を除去し、金属化合物粒子を
残す方法を例示することができる。金属化合物粒子は、
金属粒子を構成する金属のハロゲン化物(例えば、ヨウ
化物、塩化物、臭化物等)、酸化物、水酸化物及び有機
金属から成る群から選択された少なくとも1種類の材料
から成ることが好ましい。尚、これらの方法において
は、適切な段階で、炭素薄膜選択成長領域を形成すべき
カソード電極の領域以外の領域を被覆した材料(例え
ば、マスク層)を除去する。
【0102】炭素薄膜選択成長領域を得るためにカソー
ド電極表面に金属薄膜を形成する方法として、例えば、
炭素薄膜選択成長領域を形成すべきカソード電極の領域
以外の領域を適切な材料で被覆した状態での、電解メッ
キ法や無電解メッキ法といったメッキ法、MOCVD法
を含むCVD法(化学的気相成長法)、物理的気相成長
法(PVD法、Physical Vapor Deposition 法)等の公
知の方法を挙げることができる。尚、物理的気相成長法
として、(a)電子ビーム加熱法、抵抗加熱法、フラッ
シュ蒸着等の各種真空蒸着法、(b)プラズマ蒸着法、
(c)2極スパッタリング法、直流スパッタリング法、
直流マグネトロンスパッタリング法、高周波スパッタリ
ング法、マグネトロンスパッタリング法、イオンビーム
スパッタリング法、バイアススパッタリング法等の各種
スパッタリング法、(d)DC(direct current)法、R
F法、多陰極法、活性化反応法、電界蒸着法、高周波イ
オンプレーティング法、反応性イオンプレーティング法
等の各種イオンプレーティング法を挙げることができ
る。
【0103】ここで、金属粒子あるいは金属薄膜は、モ
リブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、チタン(T
i)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、タングステ
ン(W)、ジルコニウム(Zr)、タンタル(Ta)、
鉄(Fe)、銅(Cu)、白金(Pt)及び亜鉛(Z
n)から成る群から選択された少なくとも1種類の金属
から構成されていることが好ましい。
【0104】炭素薄膜として、グラファイト薄膜、アモ
ルファスカーボン薄膜、ダイヤモンドライクカーボン薄
膜、あるいはフラーレン薄膜を挙げることができる。炭
素薄膜の形成方法として、マイクロ波プラズマ法、トラ
ンス結合型プラズマ法、誘導結合型プラズマ法、電子サ
イクロトロン共鳴プラズマ法、RFプラズマ法等に基づ
くCVD法、平行平板型CVD装置を用いたCVD法を
例示することができる。炭素薄膜の形態には、薄膜状は
もとより、炭素のウィスカー、炭素のナノチューブ(中
空及び中実を含む)が包含される。
【0105】尚、カソード電極の構造としては、導電材
料層の1層構成とすることもできるし、下層導電材料
層、下層導電材料層上に形成された抵抗体層、抵抗体層
上に形成された上層導電材料層の3層構成とすることも
できる。後者の場合、上層導電材料層の表面に炭素薄膜
選択成長領域を形成する。このように、抵抗体層を設け
ることによって、電子放出部における電子放出特性の均
一化を図ることができる。
【0106】以下、支持体等の模式的な一部端面図であ
る図10及び図11を参照して、実施の形態5の電界放
出素子の製造方法の一例を説明するが、この製造方法は
第1の構成に係る製造方法である。
【0107】[工程−500]先ず、実施の形態1の
[工程−100]〜[工程−130]を実行する。これ
によって、図10の(A)に示す構造を得ることができ
る。尚、ストライプ状のカソード電極11は、図面の紙
面左右方向に延びており、ストライプ状のゲート電極1
3は図面の紙面垂直方向に延びている。開口部114の
平面形状は、例えば直径1μm〜30μmの円形であ
る。開口部114を、例えば、1画素分の領域(電子放
出領域)に1個〜3000個程度形成すればよい。
【0108】[工程−510]次に、開口部14Bの底
部に露出したカソード電極11上に、電子放出部15C
を形成する。具体的には、先ず、開口部14Bの底部に
位置するカソード電極11の表面に炭素薄膜選択成長領
域70を形成する。そのために、先ず、開口部14Bの
底部の中央部にカソード電極11の表面が露出したマス
ク層71を形成する(図10の(B)参照)。具体的に
は、レジスト材料層をスピンコーティング法にて開口部
114内を含む全面に成膜した後、リソグラフィ技術に
基づき、開口部14Bの底部の中央部に位置するレジス
ト材料層に孔部を形成することによって、マスク層71
を得ることができる。マスク層71は、開口部14Bの
底部に位置するカソード電極11の一部分、開口部11
4の側壁、ゲート電極13及び絶縁層12を被覆してい
る。これによって、次の工程で、開口部14Bの底部の
中央部に位置するカソード電極11の表面に炭素薄膜選
択成長領域を形成するが、カソード電極11とゲート電
極13とが金属粒子によって短絡することを確実に防止
し得る。
【0109】[工程−520]次に、露出したカソード
電極11の表面を含むマスク層71上に、金属粒子を付
着させる。具体的には、ニッケル(Ni)微粒子をポリ
シロキサン溶液中に分散させた溶液(溶媒としてイソプ
ロピルアルコールを使用)をスピンコーティング法にて
全面に塗布し、炭素薄膜選択成長領域70を形成すべき
カソード電極11の部分の表面に溶媒と金属粒子から成
る層を形成する。その後、マスク層71を除去し、40
0゜C程度に加熱することによって溶媒を除去し、露出
したカソード電極11の表面に金属粒子72を残すこと
で、炭素薄膜選択成長領域70を得ることができる(図
11の(A)参照)。尚、ポリシロキサンは、露出した
カソード電極11の表面に金属粒子72を固定させる機
能(所謂、接着機能)を有する。
【0110】[工程−530]その後、炭素薄膜選択成
長領域70上に、厚さ約0.2μmの炭素薄膜73を形
成し、電子放出部15Cを得る。この状態を図11の
(B)に示す。マイクロ波プラズマCVD法に基づく炭
素薄膜73の成膜条件を、以下の表5に例示する。
【0111】[表5] [炭素薄膜の成膜条件] 使用ガス :CH4/H2=100/10SCCM 圧力 :1.3×103Pa マイクロ波パワー:500W(13.56MHz) 成膜温度 :500゜C
【0112】(実施の形態6)実施の形態6の電界放出
素子の製造方法は、実施の形態5の電界放出素子の製造
方法の変形である。実施の形態5にて説明した製造方法
にあっては、カソード電極表面に金属粒子71を付着さ
せた。一方、実施の形態6においては、炭素薄膜選択成
長領域形成工程は、チタン(Ti)から成る金属薄膜を
スパッタリング法に基づき形成する工程から成る。ま
た、絶縁層の形成前に炭素薄膜選択成長領域、炭素薄膜
の形成を行う。以下、実施の形態6における電界放出素
子の製造方法を、図12を参照して説明するが、この製
造方法は第1の構成に係る製造方法である。
【0113】[工程−600]先ず、例えばガラス基板
から成る支持体10上にITOから成るカソード電極1
1を形成し、次いで、レジスト材料層をスピンコート法
にて全面に成膜した後、リソグラフィ技術に基づき、カ
ソード電極表面が露出したマスク層(レジスト材料層か
ら成る)を形成する。
【0114】[工程−610]その後、露出したカソー
ド電極11の表面を含むマスク層上に、表6に例示する
条件のスパッタリング法にて金属薄膜74を形成した
後、マスク層を除去する(図12の(A)参照)。こう
して、カソード電極表面に形成された金属薄膜74から
成る炭素薄膜選択成長領域70を得ることができる。
【0115】[表6] [金属薄膜の成膜条件] ターゲット :Ti プロセスガス:Ar=100SCCM DCパワー :4kW 圧力 :0.4Pa 基板加熱温度:150゜C 膜厚 :30nm
【0116】[工程−620]その後、実施の形態5の
[工程−530]と同様にして、炭素薄膜選択成長領域
70上に、厚さ約0.2μmの炭素薄膜73を形成し、
電子放出部15Cを得る(図12の(B)参照)。
【0117】[工程−630]次いで、実施の形態1の
[工程−100]における絶縁層12の形成、ゲート電
極13の形成を行い、更に、[工程−110]〜[工程
−130]を行うことによって電界放出素子を得ること
ができる。尚、レジスト層の露光においては、既に形成
された電子放出部15Cが一種のマスクとして機能する
ので、露光用マスクを用いる必要が無く、所謂セルフア
ライン方式で、即ち、自己整合的にレジスト層の露光を
行うことができる。
【0118】(実施の形態7)実施の形態7は、平面型
電界放出素子に関する。この平面型電界放出素子の模式
的な一部断面図を、図13の(C)に示す。実施の形態
7の電界放出素子は、例えばガラスから成る支持体10
上に形成されたストライプ状のカソード電極11、支持
体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層1
2、絶縁層12上に形成されたストライプ状のゲート電
極13、並びに、ゲート電極13に形成された孔部14
A、及び、絶縁層12に形成され、底部にカソード電極
11が露出した開口部14Bから成る。カソード電極1
1は、図13の(C)の紙面垂直方向に延び、ゲート電
極13は、図13の(C)の紙面左右方向に延びてい
る。カソード電極11はクロム(Cr)から成り、絶縁
層12はSiO2から成る。ここで、開口部114の底
部に露出したカソード電極11の部分が電子放出部15
Dに相当する。
【0119】以下、支持体等の模式的な一部断面図であ
る図13を参照して、実施の形態7の平面型電界放出素
子の製造方法を説明するが、この製造方法は第2の構成
に係る製造方法である。
【0120】[工程−700]先ず、支持体10上に電
子放出部15Dとして機能するカソード電極11を形成
する。具体的には、支持体10上に、クロム(Cr)か
ら成るカソード電極用導電材料層をスパッタリング法に
て形成した後、リソグラフィ技術及びドライエッチング
技術に基づきカソード電極用導電材料層をパターニング
する。これによって、ストライプ状のカソード電極11
を支持体10上に形成することができる(図13の
(A)参照)。
【0121】[工程−710]次に、例えばCVD法に
てSiO2から成る絶縁層12を、支持体10及びカソ
ード電極11の上に形成する。尚、絶縁層12を、スク
リーン印刷法に基づきガラスペーストから形成すること
もできる。
【0122】[工程−720]その後、ストライプ状の
ゲート電極13を絶縁層12上に形成する(図13の
(B)参照)。例えばスクリーン印刷法にて、ストライ
プ状のゲート電極13を絶縁層12上に、直接形成する
こともできる。
【0123】[工程−730]次に、実施の形態3と同
様の方法に基づき、ゲート電極13及び絶縁層12に孔
部14A及び開口部14Bを形成し、開口部14Bの底
部に電子放出部15Dとして機能するカソード電極11
を露出させた後、実施の形態1の[工程−130]と同
様にして、開口部14Bの側壁を平滑化処理する(図1
3の(C)参照)。
【0124】(実施の形態8)実施の形態8の電界放出
素子は、実施の形態7の電界放出素子の変形である。図
14の(A)に模式的な一部断面図を示す実施の形態8
の平面型電界放出素子が図13の(C)に示した実施の
形態7の平面型電界放出素子と相違する点は、開口部1
4Bの底部に露出したカソード電極11の表面(電子放
出部に相当する)に、微小凹凸部11Aが形成されてい
る点にある。このような実施の形態8の平面型電界放出
素子は、以下の製造方法にて製造することができる。
【0125】[工程−800]先ず、[工程−700]
〜[工程−720]と略同様にして、支持体10上にス
トライプ状のカソード電極11を形成し、全面に絶縁層
12を形成した後、ストライプ状のゲート電極13を絶
縁層12上に形成する。即ち、例えばガラスから成る支
持体10の上に、スパッタリング法により厚さ約0.2
μmのタングステン層を成膜し、通常の手順に従って、
このタングステン層をストライプ状にパターニングし、
カソード電極11を形成する。次に、支持体10及びカ
ソード電極11上に絶縁層12を形成する。絶縁層12
は、TEOS(テトラエトキシシラン)を原料ガスとし
て用いるCVD法により形成することができる。更に、
この絶縁層12の上に、ゲート電極13を形成する。こ
こまでのプロセスが終了した状態は、実質的に、図13
の(B)に示したと同様である。
【0126】[工程−810]次に、[工程−730]
と同様にして、ゲート電極13及び絶縁層12に開口部
114を形成し、開口部114の底部にカソード電極1
1を露出させた後、実施の形態1の[工程−130]と
同様にして、開口部14Bの側壁を平滑化処理する。そ
の後、開口部14Bの底部に露出したカソード電極11
の部分に、微小凹凸部11Aを形成する。微小凹凸部1
1Aの形成に際しては、エッチングガスとしてSF6
用い、カソード電極11を構成するタングステン結晶粒
のエッチング速度よりも粒界のエッチング速度の方が早
くなるような条件を設定してRIE法に基づくドライエ
ッチングを行う。その結果、タングステンの結晶粒径を
ほぼ反映した寸法を有する微小凹凸部11Aを形成する
ことができる。
【0127】このような実施の形態8の平面型電界放出
素子の構成においては、カソード電極11の微小凹凸部
11A、より具体的には微小凹凸部11Aの凸部に、ゲ
ート電極13から大きな電界が加わる。このとき、凸部
に集中する電界は、カソード電極11の表面が平滑であ
る場合に比べて大きいため、凸部からは量子トンネル効
果によって電子が効率良く放出される。従って、開口部
14Bの底部に単に平滑なカソード電極11が露出して
いる実施の形態7の平面型電界放出素子に比べて、表示
装置に組み込まれた場合の輝度の向上が期待できる。そ
れ故、図14の(A)に示した実施の形態8の平面型電
界放出素子によれば、ゲート電極13とカソード電極1
1との間の電位差が比較的小さくても、十分な放出電子
電流密度を得ることができ、表示装置の高輝度化が達成
される。あるいは、同じ輝度を達成するために必要なゲ
ート電圧が低くて済み、以て、低消費電力化を達成する
ことが可能である。
【0128】尚、絶縁層12をエッチングすることによ
って開口部14Bを形成し、しかる後に異方性エッチン
グ技術に基づきカソード電極11に微小凹凸部11Aを
形成したが、開口部14Bを形成するためのエッチング
によって、微小凹凸部11Aを同時に形成することも可
能である。即ち、絶縁層12をエッチングする際に、あ
る程度のイオンスパッタ作用が期待できる異方的なエッ
チング条件を採用し、開口部14Bが形成された後もエ
ッチングを継続することにより、開口部14Bの底部に
露出したカソード電極11の部分に微小凹凸部11Aを
形成することができる。その後、実施の形態1の[工程
−130]と同様にして、開口部14Bの側壁を平滑化
処理を行えばよい。
【0129】また、[工程−800]と同様の工程にお
いて、支持体10上に、タングステンから成るカソード
電極用導電材料層をスパッタリング法にて形成した後、
リソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づきカ
ソード電極用導電材料層をパターニングし、次いで、カ
ソード電極用導電材料層の表面に微小凹凸部11Aを形
成した後、[工程−710]〜[工程−730]と同様
の工程を実行することによって、図14の(A)に示し
たと同様の電界放出素子を作製することもできる。
【0130】あるいは又、[工程−800]と同様の工
程において、支持体10上に、タングステンから成るカ
ソード電極用導電材料層をスパッタリング法にて形成し
た後、カソード電極用導電材料層の表面に微小凹凸部1
1Aを形成し、次いで、リソグラフィ技術及びドライエ
ッチング技術に基づきカソード電極用導電材料層をパタ
ーニングした後、[工程−710]〜[工程−730]
と同様の工程を実行することによって、図14の(A)
に示したと同様の電界放出素子を作製することもでき
る。
【0131】図14の(B)には、図14の(A)に示
した電界放出素子の変形例を示す。図14の(B)に示
す電界放出素子においては、微小凹凸部11Aの先端部
の平均高さ位置が、絶縁層12の下面位置よりも支持体
10側に存在している(即ち、下がっている)。かかる
電界放出素子を形成するには、[工程−810]におけ
るドライエッチングの継続時間を延長すればよい。この
ような構成によれば、開口部14Bの中央部近傍の電界
強度を一層高めることができる。
【0132】図15には、電子放出部に相当するカソー
ド電極11の表面(より具体的には、少なくとも微小凹
凸部11A上)に被覆層11Bが形成されている平面型
電界放出素子を示す。
【0133】この被覆層11Bは、カソード電極11を
構成する材料よりも仕事関数Φの小さい材料から構成す
ることが好ましく、どのような材料を選択するかは、カ
ソード電極11を構成する材料の仕事関数、ゲート電極
13とカソード電極11との間の電位差、要求される放
出電子電流密度の大きさ等に基づいて決定すればよい。
被覆層11Bの構成材料として、アモルファスダイヤモ
ンドを例示することができる。被覆層11Bをアモルフ
ァスダイヤモンドを用いて構成した場合には、5×10
7V/m以下の電界強度にて、表示装置に必要な放出電
子電流密度を得ることができる。
【0134】被覆層11Bの厚さは、微小凹凸部11A
を反映し得る程度に選択する。これは、被覆層11Bに
よって微小凹凸部11Aの凹部が埋め込まれ、電子放出
部の表面が平坦化されてしまっては、微小凹凸部11A
を設けた意味が無くなるからである。従って、微小凹凸
部11Aの寸法にも依るが、例えば微小凹凸部11Aが
電子放出部の結晶粒径を反映して形成されている場合に
は、被覆層11Bの厚さを概ね30〜100nm程度に
選択することが好ましい。また、微小凹凸部11Aの先
端部の平均高さ位置を絶縁層12の下面位置よりも下げ
る場合には、厳密には、被覆層11Bの先端部の平均高
さ位置を絶縁層12の下面位置よりも下げることが、一
層好ましい。
【0135】具体的には、[工程−810]の後、全面
に例えばCVD法によりアモルファスダイヤモンドから
成る被覆層11Bを形成すればよい。尚、被覆層11B
は、ゲート電極13及び絶縁層12の上に形成されたレ
ジスト層(図示せず)の上にも堆積するが、この堆積部
分はレジスト層の除去時、同時に除去される。原料ガス
として例えばCH4/H2混合ガスや、CO/H2混合ガ
スを使用したCVD法に基づき被覆層11Bを形成する
ことができ、それぞれ炭素を含む化合物の熱分解によっ
てアモルファスダイヤモンドから成る被覆層11Bが形
成される。
【0136】あるいは又、[工程−700]と同様の工
程において、支持体10上に、タングステンから成るカ
ソード電極用導電材料層をスパッタリング法にて形成し
た後、リソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基
づきカソード電極用導電材料層をパターニングし、その
後、カソード電極用導電材料層の表面に微小凹凸部11
Aを形成し、次いで、被覆層11Bを形成した後、[工
程−710]〜[工程−730]と同様の工程を実行す
ることによって、図15に示す電界放出素子を作製する
こともできる。
【0137】あるいは又、[工程−700]と同様の工
程において、支持体10上に、タングステンから成るカ
ソード電極用導電材料層をスパッタリング法にて形成し
た後、カソード電極用導電材料層の表面に微小凹凸部1
1Aを形成し、次いで、被覆層11Bを形成した後、リ
ソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づき被覆
層11B、カソード電極用導電材料層をパターニングし
た後、[工程−710]〜[工程−730]と同様の工
程を実行することによって、図15に示す電界放出素子
を作製することもできる。
【0138】あるいは又、被覆層を構成する材料とし
て、かかる材料の2次電子利得δがカソード電極を構成
する導電性材料の2次電子利得δよりも大きくなるよう
な材料を適宜選択することもできる。
【0139】尚、図13の(C)に示した平面型電界放
出素子の電子放出部15D(カソード電極11の表面)
に被覆層を形成してもよい。この場合には、[工程−7
30]の後、開口部14Bの底部に露出したカソード電
極11の表面に被覆層11Bを形成すればよく、あるい
は又、[工程−700]において、例えば、支持体10
上にカソード電極用導電材料層を形成した後、カソード
電極用導電材料層上に被覆層11Bを形成し、次いで、
リソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づき、
これらの層をパターニングすればよい。
【0140】(実施の形態9)実施の形態9はクレータ
型電界放出素子に関する。実施の形態9の電界放出素子
の模式的な一部断面図を、図19の(B)に示す。この
クレータ型電界放出素子においては、電子を放出する複
数の隆起部111Aと、各隆起部111Aに囲まれた凹
部111Bとを有するカソード電極111が、支持体1
0上に備えられている。尚、絶縁層12及びゲート電極
13を取り除いた模式的な斜視図を図18の(B)に示
す。
【0141】凹部の形状は特に限定されないが、典型的
には略球面を成す。これは、かかるクレータ型電界放出
素子の製造方法において球体が使用され、凹部111B
が球体の形状の一部を反映して形成されることと関連し
ている。従って、凹部111Bが略球面を成す場合、凹
部111Bを囲む隆起部111Aは円環状となり、この
場合の凹部111Bと隆起部111Aとは、全体として
クレータあるいはカルデラのような形状を呈する。隆起
部111Aは電子を放出する部分であるため、電子放出
効率を高める観点からは、その先端部111Cが先鋭で
あることが特に好ましい。隆起部111Aの先端部11
1Cのプロファイルは、不規則な凹凸を有していても、
あるいは滑らかであってもよい。1画素内における隆起
部111Aの配置は規則的であってもランダムであって
もよい。尚、凹部111Bは、凹部111Bの周方向に
沿って連続した隆起部111Aにより囲まれていてもよ
いし、場合によっては、凹部111Bの周方向に沿って
不連続な隆起部111Aにより囲まれていてもよい。
【0142】このようなクレータ型電界放出素子の製造
方法において、支持体上にストライプ状のカソード電極
を形成する工程は、より具体的には、複数の球体を被覆
したストライプ状のカソード電極を支持体上に形成する
工程と、球体を除去することによって、球体を被覆した
カソード電極の部分を除去し、以て、電子を放出する複
数の隆起部と、各隆起部に囲まれ、且つ、球体の形状の
一部を反映した凹部とを有するカソード電極を形成する
工程、から成る。
【0143】球体の状態変化及び/又は化学変化によっ
て、球体を除去することが好ましい。ここで、球体の状
態変化及び/又は化学変化とは、膨張、昇華、発泡、ガ
ス発生、分解、燃焼、炭化等の変化若しくはこれらの組
合せを意味する。例えば、球体が有機材料から成る場
合、球体を燃焼させることによって除去することが一層
好ましい。尚、球体の除去と球体を被覆するカソード電
極の部分の除去は、必ずしも同時に起こらなくてもよ
い。例えば、球体を被覆するカソード電極の部分を除去
した後に球体の一部が残存している場合、残存した球体
の除去を後から行えばよい。
【0144】特に、球体が有機材料から成る場合、球体
を例えば燃焼させると、例えば、一酸化炭素、二酸化炭
素、水蒸気が発生し、球体近傍の閉鎖空間の圧力が高ま
り、球体近傍のカソード電極は或る耐圧限界を超えた時
点で破裂する。この破裂の勢いによって、球体を被覆す
るカソード電極の部分が飛散し、隆起部及び凹部が形成
され、しかも、球体が除去される。このとき、球体の燃
焼の初期過程は閉鎖空間内で進行するため、球体の一部
は炭化する可能性もある。球体を被覆するカソード電極
の部分の厚さを、破裂によって飛散し得る程度に薄くす
ることが好ましい。
【0145】後述する実施の形態11のクレータ型電界
放出素子の製造方法においても、球体の状態変化及び/
又は化学変化によって球体を除去することができるが、
カソード電極の破裂を伴わないので、外力によって除去
を行う方が簡便な場合もある。ここで、外力とは、空気
又は不活性ガスの吹付け圧力、洗浄液の吹付け圧力、磁
気吸引力、静電気力、遠心力等の物理的な力である。
尚、実施の形態11のクレータ型電界放出素子の製造方
法においては、実施の形態9のクレータ型電界放出素子
の製造方法と異なり、球体を被覆する部分のカソード電
極を飛散させる必要がないので、カソード電極の残渣が
発生し難いという利点がある。
【0146】後述する実施の形態11のクレータ型電界
放出素子の製造方法で使用される球体は、少なくとも表
面が、カソード電極を構成する材料の界面張力(表面張
力)に比べて、大きな界面張力を有する材料から構成さ
れていることが好ましい。この場合、球体は、少なくと
も表面が界面張力に関するこの条件を満たしていればよ
い。つまり、カソード電極の界面張力よりも大きな界面
張力を有している部分は、球体の表面のみであっても全
体であってもよく、また、球体の表面及び/又は全体の
構成材料は、無機材料、有機材料、あるいは無機材料と
有機材料の組合せのいずれであってもよいが、疎水性の
表面処理層を有する球体を用いることが、特に有効であ
る。疎水性の表面処理層の構成材料として、フッ素系樹
脂、例えばポリテトラフルオロエチレンを挙げることが
できる。球体が疎水性の表面処理層を有する場合、疎水
性の表面処理層の内側の部分を芯材と称することにする
と、芯材の構成材料は、ガラス、セラミックス、フッ素
系樹脂以外の高分子材料のいずれであってもよい。
【0147】球体を構成する有機材料は特に限定されな
いが、汎用の高分子材料が好適である。但し、重合度が
極端に大きかったり、多重結合含有量が極端に多い高分
子材料では、燃焼温度が高くなり過ぎ、燃焼による球体
の除去時、カソード電極に悪影響が及ぶ虞がある。それ
故、これらに対する悪影響が生じる虞のない温度にて燃
焼若しくは炭化させることが可能な高分子材料を選択す
ることが好ましい。代表的な高分子材料として、スチレ
ン系、ウレタン系、アクリル系、ビニル系、ジビニルベ
ンゼン系、メラミン系、ホルムアルデヒド系、ポリメチ
レン系のホモポリマー又は共重合体を挙げることができ
る。あるいは又、球体として、支持体上での確実な配置
を確保するために、付着力を有する固着タイプの球体を
使用することもできる。固着タイプの球体として、アク
リル系樹脂から成る球体を例示することができる。
【0148】あるいは又、例えば、塩化ビニリデン・ア
クリロニトリル共重合体を外殻とし、発泡材としてイソ
ブタンを内包し、カプセル化した加熱膨張型マイクロス
フェアを球体として使用することができる。かかる加熱
膨張型マイクロスフェアを用い、熱膨張型マイクロスフ
ェアを加熱すると、外殻のポリマーが軟化し、しかも、
内包されたイソブタンがガス化して膨張する結果、粒径
が膨張前と比較して約4倍程度の真球の中空体が形成さ
れる。その結果、電子を放出する隆起部、及び、隆起部
に囲まれ、且つ、球体の形状の一部を反映した凹部を、
カソード電極に形成することができる。尚、熱膨張型マ
イクロスフェアの加熱による膨張も、本明細書において
は、球体の除去という概念に包含する。その後、熱膨張
型マイクロスフェアを適切な溶剤を用いて取り除けばよ
い。
【0149】クレータ型電界放出素子の製造方法におい
ては、支持体上に複数の球体を配置した後、球体を被覆
するカソード電極を形成すればよい。支持体上への複数
の球体の配置方法として、球体を支持体上に散布する乾
式法を挙げることができる。球体の散布には、例えば、
液晶表示装置の製造分野において、パネル間隔を一定に
維持するためのスペーサを散布する技術を応用すること
ができる。具体的には、圧搾気体で球体をノズルから噴
射する、所謂スプレーガンを用いることができる。尚、
球体をノズルから噴射する際、球体を揮発性の溶剤中に
分散させた状態としてもよい。あるいは、静電粉体塗装
の分野で通常使用されている装置や方法を利用して球体
を散布することもできる。例えば、コロナ放電を利用し
て、静電粉体吹付けガンにより負に帯電させた球体を、
接地した支持体に向かって吹き付けることができる。使
用する球体は、後述するように非常に小さいため、支持
体上に散布されると支持体の表面に例えば静電気力によ
って付着し、以降の工程においても容易に支持体から脱
落することはない。支持体上に複数の球体の配置した
後、球体を加圧すれば、支持体上の複数の球体の重なり
を解消することができ、球体を支持体上で単層に密に配
置することができる。
【0150】あるいは、後述する実施の形態10のクレ
ータ型電界放出素子のように、球体とカソード電極材料
とを分散媒中に分散させて成る組成物から成る組成物層
を支持体上に形成し、以て、支持体上に複数の球体を配
置し、カソード電極材料から成るカソード電極で球体を
被覆した後、分散媒を除去することもできる。組成物の
性状としては、スラリーやペーストが可能であり、これ
らの所望の性状に応じ、分散媒の組成や粘度を適宜選択
すればよい。組成物層を支持体上に形成する方法として
は、スクリーン印刷法が好適である。カソード電極材料
は、典型的には、分散媒中における沈降速度が球体より
も遅い微粒子であることが好適である。かかる微粒子を
構成する材料として、カーボン、バリウム、ストロンチ
ウム、鉄を挙げることができる。分散媒を除去した後、
必要に応じてカソード電極の焼成を行う。組成物層を支
持体上に形成する方法としては、噴霧法、滴下法、スピ
ンコーティング法、スクリーン印刷法を挙げることがで
きる。尚、球体が配置されると共に、カソード電極材料
から成るカソード電極で球体が被覆されるが、組成物層
の形成方法に依っては、かかるカソード電極のパターニ
ングを行う必要がある。
【0151】後述する実施の形態11のクレータ型電界
放出素子の製造方法にあっては、球体を分散媒中に分散
させて成る組成物から成る組成物層を支持体上に形成
し、以て、支持体上に複数の球体を配置した後、分散媒
を除去することができる。組成物の性状としては、スラ
リーやペーストが可能であり、これらの所望の性状に応
じ、分散媒の組成や粘度を適宜選択すればよい。典型的
には、イソプロピルアルコール等の有機溶媒を分散媒と
して用い、蒸発により分散媒を除去することができる。
組成物層を支持体上に形成する方法としては、噴霧法、
滴下法、スピンコーティング法、スクリーン印刷法を挙
げることができる。
【0152】ところで、ゲート電極とカソード電極は互
いに異なる方向(例えば、ストライプ状のゲート電極の
射影像とストライプ状のカソード電極の射影像とが成す
角度が90度)に延びており、且つ、例えばストライプ
状にパターニングされており、電子放出領域に位置する
隆起部から電子が放出される。従って、隆起部は、機能
上、電子放出領域にのみ存在すればよい。但し、たとえ
電子放出領域以外の領域に隆起部及び凹部が存在してい
たとしても、このような隆起部及び凹部は絶縁層に被覆
されたまま、何ら電子を放出するといった機能を果たさ
ない。従って、球体を全面に配置しても何ら問題は生じ
ない。
【0153】球体の直径は、所望の開口部の直径、凹部
の直径、電界放出素子を用いて構成される表示装置の表
示画面寸法、画素数、電子放出領域の寸法、1画素を構
成すべき電界放出素子の個数に応じて選択することがで
きるが、0.1〜10μmの範囲で選択することが好ま
しい。例えば、液晶表示装置のスペーサとして市販され
ている球体は、粒径分布が1〜3%と良好なので、これ
を利用することが好適である。球体の形状は真球である
ことが理想的ではあるが、必ずしも真球である必要はな
い。支持体上には球体を100〜5000個/mm2
度の密度で配置することが好適である。例えば球体を約
1000個/mm2の密度で支持体上に配置すると、例
えば電子放出領域の寸法を仮に0.5mm×0.2mm
とした場合、この電子放出領域内に約100個の球体が
存在し、約100個の隆起部が形成されることになる。
1つの電子放出領域にこの程度の個数の隆起部が形成さ
れていれば、球体の粒径分布や真球度のばらつきに起因
する凹部の直径のばらつきはほぼ平均化され、実用上、
1画素(又は1サブピクセル)当たりの放出電子電流密
度や輝度はほぼ均一となる。
【0154】実施の形態9あるいは後述する実施の形態
10や実施の形態11の電界放出素子においては、球体
の形状の一部が電子放出部を構成する凹部の形状に反映
される。隆起部の先端部のプロファイルは、不規則な凹
凸を有していても、あるいは滑らかであってもよいが、
特に、実施の形態9あるいは後述する実施の形態10の
電界放出素子においては、この先端部はカソード電極の
破断により形成されるため、隆起部の先端部が不規則形
状となり易い。破断により隆起部に先端部が先鋭化する
と、先端部が高効率の電子放出部として機能し得るの
で、好都合である。これらの電界放出素子においては、
凹部を囲む隆起部はいずれも概ね円環状となり、この場
合の凹部と隆起部とは、全体としてクレータあるいはカ
ルデラのような形状を呈する。
【0155】支持体上における隆起部の配置は規則的で
あってもランダムであってもよく、球体の配置方法に依
存する。上述の乾式法あるいは湿式法を採用した場合、
支持体上における隆起部の配置はランダムとなる。
【0156】実施の形態9あるいは後述する実施の形態
10や実施の形態11の電界放出素子において、絶縁層
の形成後、絶縁層に開口部を形成するが、隆起部の先端
部に損傷が生じないように、隆起部を得た後、保護層を
形成し、開口部の形成後、保護層を取り除く構成とする
こともできる。保護層を構成する材料として、クロムを
例示することができる。
【0157】以下、図16〜図19を参照して、実施の
形態9のクレータ型電界放出素子の製造方法を説明する
が、図16の(A)、図17の(A)、図18の(A)
模式的な一部端面図であり、図19の(A)及び(B)
は模式的な一部断面図であり、図16の(B)、図17
の(B)及び図18の(B)は、図16の(A)、図1
7の(A)及び図18の(A)よりも広い範囲を模式的
に示す一部斜視図である。
【0158】[工程−900]先ず、複数の球体80を
被覆したカソード電極111を支持体10上に形成す
る。具体的には、先ず、例えばガラスから成る支持体1
0上の全面に、球体80を配置する。球体80は、例え
ばポリメチレン系の高分子材料から成り、平均直径約5
μm、粒径分布1%未満である。球体80を、スプレー
ガンを用い、支持体10上におおよそ1000個/mm
2の密度でランダムに配置する。スプレーガンを用いた
散布は、球体を揮発性溶剤と混合して噴霧する方式、あ
るいは粉末状態のままノズルから噴射する方式のいずれ
でもよい。配置された球体80は、静電気力で支持体1
0上に保持されている。この状態を図16の(A)及び
(B)に示す。
【0159】[工程−910]次に、球体80及び支持
体10上にカソード電極111を形成する。カソード電
極111を形成した状態を、図17の(A)及び(B)
に示す。カソード電極111は、例えばカーボンペース
トをストライプ状にスクリーン印刷することによって形
成することができる。このとき、球体80は支持体10
上の全面に配置されているので、球体80の中には、図
17の(B)に示すように、カソード電極111で被覆
されないものも当然存在する。次に、カソード電極11
1に含まれる水分や溶剤を除去し、且つ、カソード電極
111を平坦化するために、例えば150゜Cにてカソ
ード電極111を乾燥する。この温度では、球体80は
何ら状態変化及び/又は化学変化を起こさない。尚、上
述のようなカーボンペーストを用いたスクリーン印刷に
替えて、カソード電極111を構成するカソード電極用
導電材料層を全面に形成し、このカソード電極用導電材
料層を通常のリソグラフィ技術とドライエッチング技術
を用いてパターニングし、ストライプ状のカソード電極
111を形成することもできる。リソグラフィ技術を適
用する場合、通常、レジスト材料層をスピンコーティン
グ法により形成するが、スピンコーティング時の支持体
10の回転数が500rpm程度、回転時間が数秒間程
度であれば、球体80は脱落したり変位することなく、
支持体10上に保持され得る。
【0160】[工程−920]次に、球体80を除去す
ることによって、球体80を被覆したカソード電極11
1の部分を除去し、以て、電子を放出する複数の隆起部
111Aと、各隆起部111Aに囲まれ、且つ、球体8
0の形状の一部を反映した凹部111Bとを有するカソ
ード電極111を形成する。この状態を、図18の
(A)及び(B)に示す。具体的には、カソード電極1
11の焼成を兼ね、約530゜Cにて加熱を行うことに
より球体80を燃焼させる。球体80の燃焼に伴って球
体80が閉じ込められていた閉鎖空間の圧力が上昇し、
球体80を被覆するカソード電極111の部分が或る耐
圧限界を超えた時点で破裂して除去される。その結果、
支持体10上に形成されたカソード電極111の一部分
に、隆起部111A及び凹部111Bが形成される。
尚、球体を除去した後に、球体の一部分が残渣として残
る場合には、使用する球体を構成する材料にも依るが、
適切な洗浄液を用いて残渣を除去すればよい。
【0161】[工程−930]その後、実施の形態1の
[工程−100]と同様にして、カソード電極111及
び支持体10上に絶縁層12を形成した後、絶縁層12
上に、ストライプ状のゲート電極13を形成する(図1
9の(A)参照)。ストライプ状のゲート電極13の射
影像の延びる方向は、ストライプ状のカソード電極11
1の射影像の延びる方向と90度の角度を成している。
その後、実施の形態3と同様に、ゲート電極13及び絶
縁層12に孔部14A及び開口部14Bを形成すること
によって、開口部14Bの底部に電子放出部を露出させ
た後、実施の形態1の[工程−130]と同様にして、
開口部14Bの側壁を平滑化処理することによって、図
19の(B)に示した電界放出素子を得ることができ
る。
【0162】(実施の形態10)実施の形態10の電界
放出素子の製造方法は、実施の形態9の電界放出素子の
製造方法の変形である。実施の形態10の電界放出素子
の製造方法の図20を参照して説明するが、支持体10
上に複数の球体80を配置する工程が、球体80とカソ
ード電極材料とを分散媒中に分散させて成る組成物から
成る組成物層81を支持体10上に形成し、以て、支持
体10上に複数の球体80を配置し、カソード電極材料
から成るカソード電極111で球体を被覆した後、分散
媒を除去する工程から成る、即ち、湿式法から成る点
が、実施の形態9の電界放出素子の製造方法と相違す
る。
【0163】[工程−1000]先ず、支持体10上に
複数の球体80を配置する。具体的には、球体80とカ
ソード電極材料81Bとを分散媒81A中に分散させて
成る組成物から成る組成物層81を支持体10上に形成
する。即ち、例えば、イソプロピルアルコールを分散媒
81Aとして使用し、平均直径約5μmのポリメチレン
系の高分子材料から成る球体80と、平均直径約0.0
5μmのカーボン粒子をカソード電極材料81Bとして
分散媒81A中に分散させて成る組成物を支持体10上
にストライプ状にスクリーン印刷し、組成物層81を形
成する。図20の(A)には、組成物層81の形成直後
の状態を示す。
【0164】[工程−1010]支持体10に保持され
た組成物層81中では、間もなく球体80が沈降して支
持体10上に配置されると共に、球体80から支持体1
0上に亙ってカソード電極材料81Bが沈降し、カソー
ド電極材料81Bから成るカソード電極111が形成さ
れる。これによって、支持体10上に複数の球体80を
配置し、カソード電極材料から成るカソード電極111
で球体80を被覆することができる。この状態を、図2
0の(B)に示す。
【0165】[工程−1020]その後、分散媒81A
を例えば蒸発させることによって除去する。この状態
を、図20の(C)に示す。
【0166】[工程−1030]次いで、実施の形態9
のクレータ型電界放出素子の製造方法における[工程−
920]〜[工程−930]と同様の工程を実行するこ
とによって、図19の(B)に示したと同様の電界放出
素子を完成することができる。
【0167】(実施の形態11)実施の形態11のクレ
ータ型電界放出素子の製造方法において、支持体上にス
トライプ状のカソード電極を形成する工程は、第2の構
成に係る製造方法であり、より具体的には、支持体上に
複数の球体を配置する工程と、電子を放出する複数の隆
起部と、各隆起部に囲まれ、且つ、球体の形状の一部を
反映した凹部とを有し、各隆起部が球体の周囲に形成さ
れたカソード電極を、支持体上に設ける工程と、球体を
除去する工程、から成る。支持体上への複数の球体の配
置は、球体の散布によって行う。また、球体は疎水性の
表面処理層を有する。以下、かかる電界放出素子の製造
方法を、図21を参照して説明する。
【0168】[工程−1100]先ず、支持体10上に
複数の球体180を配置する。具体的には、ガラスから
成る支持体10上の全面に、複数の球体180を配置す
る。この球体180は、例えばジビニルベンゼン系の高
分子材料から成る芯材180Aをポリテトラフルオロエ
チレン系樹脂から成る表面処理層180Bで被覆して成
り、平均直径約5μm、粒径分布1%未満である。球体
180を、スプレーガンを用い、支持体10上におおよ
そ1000個/mm2の密度でランダムに配置する。配
置された球体180は、静電気力で支持体10上に吸着
されている。ここまでのプロセスが終了した状態を、図
21の(A)に示す。
【0169】[工程−1110]次に、電子を放出する
複数の隆起部111Aと、各隆起部111Aに囲まれ、
且つ、球体180の形状の一部を反映した凹部111B
とを有し、各隆起部111Aが球体180の周囲に形成
されたカソード電極111を、支持体10上に設ける。
具体的には、実施の形態9の[工程−910]と同様
に、例えばカーボンペーストをストライプ状にスクリー
ン印刷するが、実施の形態11では、球体180の表面
が表面処理層180Bにより疎水性を帯びているため
に、球体180の上にスクリーン印刷されたカーボンペ
ーストは直ちに弾かれて落下し、球体180の周囲に堆
積して隆起部111Aが形成される。隆起部111Aの
先端部111Cは、実施の形態9のクレータ型電界放出
素子の場合ほど先鋭とはならない。球体180と支持体
10との間に入り込んだカソード電極111の部分が、
凹部111Bとなる。図21の(B)では、カソード電
極111と球体180との間に隙間が存在するように図
示されているが、カソード電極111と球体180とは
接触している場合もある。その後、カソード電極111
を例えば150゜Cにて乾燥させる。ここまでのプロセ
スが終了した状態を、図21の(B)に示す。
【0170】[工程−1120]次に、球体180に外
力を与えることによって、支持体10上から球体180
を除去する。具体的な除去方法としては、洗浄や圧搾気
体の吹付けを挙げることができる。ここまでのプロセス
が終了した状態を、図21の(C)に示す。尚、球体の
除去は、球体の状態変化及び/又は化学変化に基づい
て、より具体的には、例えば、燃焼によって球体を除去
することも可能である。
【0171】[工程−1130]その後、実施の形態9
の[工程−930]を実行することによって、図19の
(B)に示したと略同様の電界放出素子を得ることがで
きる。
【0172】(実施の形態12)実施の形態12は、エ
ッジ型電界放出素子の製造方法に関する。エッジ型電界
放出素子の模式的な一部断面図を図22の(A)に示
す。このエッジ型電界放出素子は、支持体10上に形成
されたストライプ状のカソード電極211と、支持体1
0及びカソード電極211上に形成された絶縁層12
と、絶縁層12上に形成されたストライプ状のゲート電
極13から構成されており、開口部114がゲート電極
13及び絶縁層12に設けられている。開口部114の
底部にはカソード電極211のエッジ部211Aが露出
している。カソード電極211及びゲート電極13に電
圧を印加することによって、カソード電極211のエッ
ジ部211Aから電子が放出される。
【0173】尚、図22の(B)に示すように、開口部
114内のカソード電極211の下の支持体10に凹部
10Aが形成されていてもよい。あるいは又、模式的な
一部断面図を図22の(C)に示すように、支持体10
上に形成された第1のゲート電極13Aと、支持体10
及び第1のゲート電極13A上に形成された層間絶縁層
12Aと、層間絶縁層12A上に形成されたカソード電
極211と、層間絶縁層12A及びカソード電極211
に形成された絶縁層12Bと、絶縁層12B上に形成さ
れた第2のゲート電極13Bから構成することもでき
る。そして、開口部114が、第2のゲート電極13
B、絶縁層12B、カソード電極211及び層間絶縁層
12Aに設けられており、開口部114の側壁にはカソ
ード電極211のエッジ部211Aが露出している。カ
ソード電極211並びに第1のゲート電極13A、第2
のゲート電極13Bに電圧を印加することによって、電
子放出部に相当するカソード電極211のエッジ部21
1Aから電子が放出される。
【0174】例えば、図22の(C)に示したエッジ型
電界放出素子の製造方法を、支持体等の模式的な一部端
面図である図23を参照して、以下、説明するが、この
製造方法は第2の構成に係る製造方法である。
【0175】[工程−1200]先ず、例えばガラスか
ら成る支持体10の上に、スパッタリング法により厚さ
約0.2μmのタングステン膜を成膜し、通常の手順に
従ってフォトリソグラフィ技術及びドライエッチング技
術によりこのタングステン膜をパターニングし、第1の
ゲート電極13Aを形成する。次に、全面に、SiO2
から成る厚さ0.3μmの層間絶縁層12Aを形成した
後、層間絶縁層12Aの上にタングステンから成るスト
ライプ状のカソード電極211を形成する(図23の
(A)参照)。
【0176】[工程−1210]その後、全面に、例え
ばSiO2から成る厚さ0.7μmの絶縁層12Bを形
成し、次いで、絶縁層12B上にストライプ状の第2の
ゲート電極13Bを形成する(図23の(B)参照)。
【0177】[工程−1220]次に、実施の形態3と
同様に、ゲート電極13及び絶縁層12に孔部14A及
び開口部14Bを形成することによって、開口部14B
の底部にカソード電極211を露出させた後、実施の形
態1の[工程−130]と同様にして、開口部14Bの
側壁を平滑化処理する。次に、開口部14Bの底面に露
出したカソード電極211を、イオンを主エッチング種
とする条件によりドライエッチングする。イオンを主エ
ッチング種とするドライエッチングでは、被エッチング
物へのバイアス電圧の印加やプラズマと磁界との相互作
用を利用して荷電粒子であるイオンを加速することがで
きるため、一般には異方性エッチングが進行し、被エッ
チング物の加工面は垂直壁となる。しかし、この工程で
は、プラズマ中の主エッチング種の中にも垂直以外の角
度を有する入射成分が若干存在すること、及び開口部の
端部における散乱によってもこの斜め入射成分が生ずる
ことにより、カソード電極211の露出面の中で、本来
であれば開口部によって遮蔽されてイオンが到達しない
はずの領域にも、ある程度の確率で主エッチング種が入
射する。このとき、支持体10の法線に対する入射角の
小さい主エッチング種ほど入射確率は高く、入射角の大
きい主エッチング種ほど入射確率は低い。
【0178】従って、カソード電極211に形成された
孔部の上端部の位置は、絶縁層12Bに形成された開口
部の下端部とほぼ揃っているものの、カソード電極21
1に形成された孔部の下端部の位置はその上端部よりも
突出した状態となる。つまり、カソード電極211のエ
ッジ部211Aの厚さが、突出方向の先端部に向けて薄
くなり、エッジ部211Aが先鋭化される。例えば、エ
ッチングガスとしてSF6を用いることにより、カソー
ド電極211の良好な加工を行うことができる。
【0179】次に、カソード電極211に形成された孔
部の底面に露出した層間絶縁層12Aを等方的にエッチ
ングし、層間絶縁層12Aに孔部を形成し、開口部11
4を完成させる。ここでは、緩衝化フッ酸水溶液を用い
たウェットエッチングを行う。層間絶縁層12Aに形成
された孔部の壁面は、カソード電極211に形成された
孔部の下端部よりも後退する。このときの後退量はエッ
チング時間の長短により制御可能である。開口部114
の完成後に第1のレジスト層を除去すると、図22の
(C)に示した構成を得ることができる。
【0180】(実施の形態13)実施の形態2にて説明
したスピント型電界放出素子の製造方法の変形例を、以
下、支持体等の模式的な一部端面図である図24〜図2
6を参照して説明するが、このスピント型電界放出素子
は、基本的には、以下の工程である第1の構成に係る製
造方法に基づき作製される。即ち、(a)支持体10上
にストライプ状のカソード電極11を形成する工程
(b)カソード電極11上を含む支持体10上に絶縁層
12を形成する工程(c)絶縁層12上にストライプ状
のゲート電極13を形成する工程(d)底部にカソード
電極11が露出した開口部114(孔部14A、開口部
14B)を、ゲート電極13及び絶縁層12に形成する
工程(e)開口部14Bの側壁に平坦化処理を施す工程
(f)開口部114内を含む全面に電子放出部形成用の
導電材料層91を形成する工程(g)開口部114の中
央部に位置する導電材料層91の領域を遮蔽するよう
に、マスク材料層92を導電材料層91上に形成する工
程(h)導電材料層91の支持体10に対して垂直な方
向におけるエッチング速度がマスク材料層92の支持体
に対して垂直な方向におけるエッチング速度よりも速く
なる異方性エッチング条件下で導電材料層91とマスク
材料層92とをエッチングすることにより、導電材料層
91から成り、先端部が錐状形状を有する電子放出部1
5Eを開口部114内に露出したカソード電極11上に
形成する工程
【0181】[工程−1300]先ず、実施の形態1の
[工程−100]〜[工程−130]を実行する。これ
によって、図24の(A)に示す構造を得ることができ
る。開口部114の平面形状は、例えば、直径0.3μ
mの円形である。開口部114は、通常、1画素の領域
に数百乃至千個程度形成される。
【0182】[工程−1310]次に、全面に密着層9
0をスパッタリング法にて形成する(図24の(B)参
照)。この密着層90は、ゲート電極13が形成されて
いない絶縁層12の露出面や開口部114の側壁面に露
出している絶縁層12と、次の工程で全面的に成膜され
る導電材料層91との間の密着性を高めるために設けら
れる層である。導電材料層91をタングステンで形成す
ることを前提とし、タングステンから成る密着層90
を、DCスパッタリング法により0.07μmの厚さに
形成する。
【0183】[工程−1320]次に、開口部114内
を含む全面に、厚さ約0.6μmのタングステンから成
る電子放出部形成用の導電材料層91を水素還元減圧C
VD法により形成する(図25の(A)参照)。成膜さ
れた導電材料層91の表面には、開口部114の上端面
と底面との間の段差を反映した凹部91Aが形成され
る。
【0184】[工程−1330]次に、開口部114の
中央部に位置する導電材料層91の領域(具体的には凹
部91A)を遮蔽するようにマスク材料層92を形成す
る。具体的には、先ず、スピンコート法により厚さ0.
35μmのレジスト材料をマスク材料層92として導電
材料層91の上に形成する(図25の(B)参照)。マ
スク材料層92は、導電材料層91の凹部91Aを吸収
し、ほぼ平坦な表面となる。次に、マスク材料層92を
酸素系ガスを用いたRIE法によりエッチングする。こ
のエッチングを、導電材料層91の平坦面が露出した時
点で終了する。これにより、導電材料層91の凹部91
Aを平坦に埋め込むようにマスク材料層92が残る(図
26の(A)参照)。
【0185】[工程−1340]次に、導電材料層91
とマスク材料層92と密着層90とをエッチングし、円
錐形状の電子放出部15Eを形成する(図26の(B)
参照)。これらの層のエッチングは、導電材料層91の
エッチング速度がマスク材料層92のエッチング速度よ
りも速くなる異方性エッチング条件下で行う。エッチン
グ条件を以下の表7に例示する。こうして、電界放出素
子が完成される。
【0186】[表7] [導電材料層91等のエッチング条件] SF6流量 :150SCCM O2流量 :30SCCM Ar流量 :90SCCM 圧力 :35Pa RFパワー:0.7kW(13.56MHz)
【0187】ここで、[工程−1340]において、電
子放出部15Eが形成される機構について、図27を参
照して説明する。図27の(A)は、エッチングの進行
に伴って、被エッチング物の表面プロファイルが一定時
間毎にどのように変化するかを示す模式図であり、図2
7の(B)は、エッチング時間と開口部114の中心に
おける被エッチング物の厚さとの関係を示すグラフであ
る。開口部114の中心におけるマスク材料層の厚さを
p、開口部114の中心における電子放出部15Eの
高さをheとする。
【0188】表7に示したエッチング条件では、レジス
ト材料から成るマスク材料層92のエッチング速度より
も、導電材料層91のエッチング速度の方が当然速い。
マスク材料層92が存在しない領域では、導電材料層9
1が直ぐにエッチングされ始め、被エッチング物の表面
が速やかに下降してゆく。これに対して、マスク材料層
92が存在する領域では、最初にマスク材料層92が除
去されないとその下の導電材料層91のエッチングが始
まらないので、マスク材料層92がエッチングされてい
る間は被エッチング物の厚さの減少速度は遅く(hp
少区間)、マスク材料層92が消失した時点で初めて、
被エッチング物の厚さの減少速度がマスク材料層92の
存在しない領域と同様に速くなる(he減少区間)。he
減少区間の開始時期は、マスク材料層92が厚さが最大
となる開口部114の中心で最も遅く、マスク材料層9
2の薄い開口部114の周辺に向かって早くなる。この
ようにして、円錐形状の電子放出部15Eが形成され
る。
【0189】レジスト材料から成るマスク材料層92の
エッチング速度に対する導電材料層91のエッチング速
度の比を、「対レジスト選択比」と称することにする。
この対レジスト選択比が、電子放出部15Eの高さと形
状を決定する重要な因子であることを、図28を参照し
て説明する。図28の(A)は、対レジスト選択比が相
対的に小さい場合、図28の(C)は、対レジスト選択
比が相対的に大きい場合、図28の(B)はこれらの中
間である場合の、電子放出部15Eの形状を示してい
る。対レジスト選択比が大きいほど、マスク材料層92
の膜減りに比べて導電材料層91の膜減りが激しくなる
ので、電子放出部15Eはより高く、且つ鋭くなること
が判る。対レジスト選択比は、SF6流量に対するO2
量の割合を高めると低下する。また、基板バイアスを併
用してイオンの入射エネルギーを変化させることが可能
なエッチング装置を用いる場合には、RFバイアスパワ
ーを高めたり、バイアス印加用の交流電源の周波数を下
げることで、対レジスト選択比を下げることができる。
対レジスト選択比の値は1.5以上、好ましくは2以
上、より好ましくは3以上に選択される。
【0190】尚、上記のエッチングにおいては当然、ゲ
ート電極13やカソード電極11に対して高い選択比を
確保する必要があるが、表7に示した条件で全く問題は
ない。なぜなら、ゲート電極13やカソード電極11を
構成する材料は、フッ素系のエッチング種では殆どエッ
チングされず、上記の条件であれば、概ね10以上のエ
ッチング選択比が得られるからである。
【0191】(実施の形態14)実施の形態14のスピ
ント型電界放出素子の製造方法は、実施の形態13のス
ピント型電界放出素子の製造方法の変形である。この実
施の形態14の製造方法においては、マスク材料層によ
り遮蔽される導電材料層の領域を、実施の形態13の製
造方法におけるよりも狭くすることが可能である。即
ち、実施の形態14のスピント型電界放出素子の製造方
法においては、開口部の上端面と底面との間の段差を反
映して、柱状部とこの柱状部の上端に連通する拡大部と
から成る略漏斗状の凹部を導電材料層の表面に生成さ
せ、工程(g)において、導電材料層の全面にマスク材
料層を形成した後、マスク材料層と導電材料層とを支持
体の表面に対して平行な面内で除去することにより、柱
状部にマスク材料層を残す。
【0192】以下、実施の形態14のスピント型電界放
出素子の製造方法におけるスピント型電界放出素子の製
造方法を、支持体等の模式的な一部端面図である図29
〜図31を参照して説明する。
【0193】[工程−1400]先ず、実施の形態1の
[工程−100]〜[工程−130]を実行する。但
し、ゲート電極13の形成後、全面に例えば SiO2
ら成る厚さ0.2μmのエッチング停止層93を形成す
る。エッチング停止層93は、電界放出素子の機能上不
可欠な部材ではなく、後工程で行われる導電材料層91
のエッチング時に、ゲート電極13を保護する役割を果
たす。尚、導電材料層91のエッチング条件に対してゲ
ート電極13が十分に高いエッチング耐性を持ち得る場
合には、エッチング停止層93を省略しても構わない。
このして、図29の(A)に示す状態が得られる。
【0194】[工程−1410]次に、開口部114内
を含む全面に、例えば厚さ0.03μmのタングステン
から成る密着層90を形成する。次いで、開口部114
内を含む全面に電子放出部形成用の導電材料層91を形
成する(図29の(B)参照)。但し、実施の形態14
のにおける導電材料層91は、実施の形態13の製造方
法で述べた凹部91Aよりも深い凹部91Aが表面に生
成されるように、導電材料層91の厚さを選択する。即
ち、導電材料層91の厚さを適切に設定することによっ
て、開口部114の上端面と底面との間の段差を反映し
て、柱状部91Bとこの柱状部91Bの上端に連通する
拡大部91Cとから成る略漏斗状の凹部91Aを導電材
料層91の表面に生成させることができる。
【0195】[工程−1420]次に、導電材料層91
の全面に、例えば無電解メッキ法により、厚さ約0.5
μmの銅(Cu)から成るマスク材料層92を形成する
(図30の(A)参照)。無電解メッキ条件を以下の表
8に例示する。
【0196】 [表8] メッキ液 :硫酸銅(CuSO4・5H2O) 7g/リットル ホルマリン(37%HCHO) 20ml/リットル 水酸化ナトリウム(NaOH) 10g/リットル 酒石酸ナトリウムカリウム 20g/リットル メッキ浴温度:50゜C
【0197】[工程−1430]その後、マスク材料層
92と導電材料層91とを支持体10の表面に対して平
行な面内で除去することにより、柱状部91Bにマスク
材料層92を残す(図30の(B)参照)。この除去
は、例えば化学的機械的研磨法(CMP法)により行う
ことができる。
【0198】[工程−1440]次に、導電材料層91
と密着層90のエッチング速度がマスク材料層92のエ
ッチング速度よりも速くなる異方性エッチング条件下
で、導電材料層91とマスク材料層92と密着層90と
をエッチングする。その結果、開口部114内に錐状形
状を有する電子放出部15Eが形成される(図31参
照)。尚、電子放出部15Eの先端部にマスク材料層9
2が残存する場合には、希フッ酸水溶液を用いたウェッ
トエッチングによりマスク材料層92を除去することが
できる。
【0199】ところで、実施の形態14のスピント型電
界放出素子の製造方法の製造方法で形成された電子放出
部15Eにおいては、実施の形態13のスピント型電界
放出素子の製造方法で形成された電子放出部15Eに比
べ、より鋭い錐状形状が達成されている。これは、マス
ク材料層92の形状と、マスク材料層92のエッチング
速度に対する導電材料層91のエッチング速度の比の違
いに起因する。この違いについて、図32を参照しなが
ら説明する。図32は、被エッチング物の表面プロファ
イルが一定時間毎にどのように変化するかを示す図であ
り、図32の(A)は銅から成るマスク材料層92を用
いた場合、図32の(B)はレジスト材料から成るマス
ク材料層92を用いた場合をそれぞれ示す。尚、簡略化
のために導電材料層91のエッチング速度と密着層90
のエッチング速度とをそれぞれ等しいものと仮定し、図
32においては密着層90の図示を省略する。
【0200】銅から成るマスク材料層92を用いた場合
(図32の(A)参照)は、マスク材料層92のエッチ
ング速度が導電材料層91のエッチング速度に比べて十
分に遅いために、エッチング中にマスク材料層92が消
失することがなく、従って、先端部の鋭い電子放出部1
5Eを形成することができる。これに対して、レジスト
材料から成るマスク材料層92を用いた場合(図32の
(B)参照)は、マスク材料層92のエッチング速度が
導電材料層91のエッチング速度に比べてそれ程遅くな
いために、エッチング中にマスク材料層92が消失し易
く、従って、マスク材料層消失後の電子放出部15Eの
錐状形状が鈍化する傾向がある。
【0201】また、柱状部91Bに残るマスク材料層9
2には、柱状部91Bの深さが多少変化しても、電子放
出部15Eの形状は変化し難いというメリットもある。
即ち、柱状部91Bの深さは、導電材料層91の厚さや
ステップカバレージのばらつきによって変化し得るが、
柱状部91Bの幅は深さによらずほぼ一定なので、マス
ク材料層92の幅もほぼ一定となり、最終的に形成され
る電子放出部15Eの形状には大差が生じない。これに
対して、凹部91Aに残るマスク材料層92において
は、凹部91Aが浅い場合と深い場合とでマスク材料層
の幅も変化してしまうため、凹部91Aが浅くマスク材
料層92の厚さが薄い場合ほど、より早期に電子放出部
15Eの錐状形状の鈍化が始まる。電界放出素子の電子
放出効率は、ゲート電極とカソード電極との間の電位
差、ゲート電極とカソード電極との間の距離、電子放出
部の構成材料の仕事関数の他、電子放出部の先端部の形
状によっても変化する。このため、必要に応じて上述の
ようにマスク材料層の形状やエッチング速度を選択する
ことが好ましい。
【0202】(実施の形態15)実施の形態15のスピ
ント型電界放出素子の製造方法は、実施の形態14のス
ピント型電界放出素子の製造方法の変形である。実施の
形態15のスピント型電界放出素子の製造方法において
は、工程(f)において、開口部の上端面と底面との間
の段差を反映して、柱状部とこの柱状部の上端に連通す
る拡大部とから成る略漏斗状の凹部を導電材料層の表面
に生成させ、工程(g)において、導電材料層の全面に
マスク材料層を形成した後、導電材料層上と拡大部内の
マスク材料層を除去することにより、柱状部にマスク材
料層を残す。以下、実施の形態15のスピント型電界放
出素子の製造方法を、支持体等の模式的な一部端面図で
ある図33を参照して説明する。
【0203】[工程−1500]先ず、図30の(A)
に示したマスク材料層92の形成までを実施の形態14
の製造方法の[工程−1400]〜[工程−1420]
と同様に行った後、導電材料層91上と拡大部91C内
のマスク材料層92のみを除去することにより、柱状部
91Bにマスク材料層92を残す(図33の(A)参
照)。このとき、例えば希フッ酸水溶液を用いたウェッ
トエッチングを行うことにより、タングステンから成る
導電材料層91を除去することなく、銅から成るマスク
材料層92のみを選択的に除去することができる。柱状
部91B内に残るマスク材料層92の高さは、エッチン
グ時間に依存するが、このエッチング時間は、拡大部9
1Cに埋め込まれたマスク材料層92の部分が十分に除
去される限りにおいて、それ程の厳密さを要しない。な
ぜなら、マスク材料層92の高低に関する議論は、図3
2の(A)を参照しながら前述した柱状部91Bの浅深
に関する議論と実質的に同じであり、マスク材料層92
の高低は最終的に形成される電子放出部15Eの形状に
大きな影響を及ぼさないからである。
【0204】[工程−1510]次に、導電材料層91
とマスク材料層92と密着層90のエッチングを、実施
の形態14の製造方法と同様に行い、図33の(B)に
示すような電子放出部15Eを形成する。この電子放出
部15Eは、図31の(A)に示したように全体が錐状
形状を有していても勿論構わないが、図33の(B)に
は先端部のみが錐状形状を有する変形例を示した。かか
る形状は、柱状部91Bに埋め込まれたマスク材料層9
2の高さが低いか、若しくは、マスク材料層92のエッ
チング速度が比較的速い場合に生じ得るが、電子放出部
15Eとしての機能に何ら支障はない。その後、エッチ
ング停止層93を除去する。
【0205】(実施の形態16)実施の形態16のスピ
ント型電界放出素子の製造方法は、実施の形態13のス
ピント型電界放出素子の製造方法の変形である。実施の
形態16のスピント型電界放出素子の製造方法にて得ら
れた電界放出素子の模式的な一部端面図を図36の
(B)に示す。実施の形態16のスピント型電界放出素
子が実施の形態13のスピント型電界放出素子と異なる
点は、電子放出部が、基部94と、基部94上に積層さ
れた錐状の電子放出部15Eとから構成されている点に
ある。ここで、基部94と電子放出部15Eとは異なる
導電材料から構成されている。具体的には、基部94
は、電子放出部15Eとゲート電極13の開口端部との
間の距離を調節するための部材であり、且つ、抵抗体層
としての機能を有し、不純物を含有するポリシリコン層
から構成されている。電子放出部15Eはタングステン
から構成されており、錐状形状、より具体的には円錐形
状を有する。尚、基部94と電子放出部15Eとの間に
は、TiNから成る密着層90が形成されている。尚、
密着層90は、電子放出部の機能上不可欠な構成要素で
はなく、製造上の理由で形成されている。絶縁層12に
は開口部14Bが形成されている。
【0206】以下、実施の形態16のスピント型電界放
出素子の製造方法を、支持体等の模式的な一部端面図で
ある図34〜図36を参照して説明する。
【0207】[工程−1600]先ず、開口部114の
形成までを、実施の形態13のスピント型電界放出素子
の製造方法の[工程−1300]と同様に行う。続い
て、開口部114内を含む全面に基部形成用の導電材料
層94Aを形成する。導電材料層94Aは、抵抗体層と
しても機能し、ポリシリコン層から構成され、プラズマ
CVD法により形成することができる。次いで、全面
に、スピンコート法にてレジスト材料から成る平坦化層
95を表面が略平坦となるように形成する(図34
(A)参照)。次に、平坦化層95と導電材料層94A
のエッチング速度が共に略等しくなる条件で両層をエッ
チングし、開口部14Bの底部を上面が平坦な基部94
で埋め込む(図34の(B)参照)。エッチングは、塩
素系ガスと酸素系ガスとを含むエッチングガスを用いた
RIE法により行うことができる。導電材料層94Aの
表面を平坦化層95で一旦平坦化してからエッチングを
行っているので、基部94の上面が平坦となる。
【0208】[工程−1610]次に、開口部114の
残部を含む全面に密着層90を成膜し、更に、開口部1
14の残部を含む全面に電子放出部形成用の導電材料層
91を成膜し、開口部114の残部を導電材料層91で
埋め込む(図35の(A)参照)。密着層90は、スパ
ッタリング法により形成される厚さ0.07μmのTi
N層であり、導電材料層91は減圧CVD法により形成
される厚さ0.6μmのタングステン層である。導電材
料層91の表面には、開口部114の上端面と底面との
間の段差を反映して凹部91Aが形成されている。
【0209】[工程−1620]次に、導電材料層91
の全面に、スピンコート法によりレジスト材料から成る
マスク材料層92を表面が略平坦となるように形成する
(図35の(B)参照)。マスク材料層92は、導電材
料層91の表面の凹部91Aを吸収して平坦な表面とな
っている。次に、マスク材料層92を酸素系ガスを用い
たRIE法によりエッチングする(図36の(A)参
照)。このエッチングは、導電材料層91の平坦面が露
出した時点で終了する。これにより、導電材料層91の
凹部91Aにマスク材料層92が平坦に残され、マスク
材料層92は、開口部114の中央部に位置する導電材
料層91の領域を遮蔽するように形成されている。
【0210】[工程−1630]次に、実施の形態13
の製造方法の[工程−1340]と同様にして、導電材
料層91、マスク材料層92及び密着層90を共にエッ
チングすると、前述の機構に基づき対レジスト選択比の
大きさに応じた円錐形状を有する電子放出部15Eと密
着層90とが形成され、電子放出部を完成することがで
きる(図36の(B)参照)。
【0211】(実施の形態17)実施の形態17のスピ
ント型電界放出素子の製造方法は、実施の形態14のス
ピント型電界放出素子の製造方法の変形である。実施の
形態17のスピント型電界放出素子の製造方法にて得ら
れる電界放出素子の模式的な一部端面図を図38の
(B)に示す。実施の形態17のスピント型電界放出素
子が実施の形態14のスピント型電界放出素子と異なる
点は、電子放出部が、実施の形態16のスピント型電界
放出素子と同様に、基部94と、基部94上に積層され
た錐状の電子放出部15Eとから構成されている点にあ
る。ここで、基部94と電子放出部15Eとは異なる導
電材料から構成されている。具体的には、基部94は、
電子放出部15Eとゲート電極13の開口端部との間の
距離を調節するための部材であり、且つ、抵抗体層とし
ての機能を有し、不純物を含有するポリシリコン層から
構成されている。電子放出部15Eはタングステンから
構成されており、錐状形状、より具体的には円錐形状を
有する。尚、基部94と電子放出部15Eとの間には、
TiNから成る密着層90が形成されている。尚、密着
層90は、電子放出部の機能上不可欠な構成要素ではな
く、製造上の理由で形成されている。絶縁層12には開
口部14Bが形成されている。
【0212】以下、実施の形態17のスピント型電界放
出素子の製造方法を、支持体等の模式的な一部端面図で
ある図37及び図38を参照して説明する。
【0213】[工程−1700]先ず、開口部114の
形成までを、実施の形態13のスピント型電界放出素子
の製造方法の[工程−1300]と同様に行う。次に、
開口部114内を含む全面に基部形成用の導電材料層を
形成し、導電材料層をエッチングすることによって、開
口部114の底部を埋め込む基部94を形成することが
できる。尚、図示される基部94は平坦化された表面を
有しているが、表面が窪んでいてもよい。尚、平坦化さ
れた表面を有する基部94は、実施の形態16の製造方
法の[工程−1600]と同様のプロセスによって形成
可能である。更に、開口部114の残部を含む全面に、
密着層90及び電子放出部形成用の導電材料層91を順
次形成する。このとき、開口部114の残部の上端面と
底面との間の段差を反映した柱状部91Bとこの柱状部
91Bの上端に連通する拡大部91Cとから成る略漏斗
状の凹部91Aが導電材料層91の表面に生成されるよ
うに、導電材料層91の厚さを選択する。次に、導電材
料層91上にマスク材料層92を形成する。このマスク
材料層92は、例えば銅を用いて形成する。図37の
(A)は、ここまでのプロセスが終了した状態を示して
いる。
【0214】[工程−1710]次に、マスク材料層9
2と導電材料層91とを支持体10の表面に対して平行
な面内で除去することにより、柱状部91Bにマスク材
料層92を残す(図37の(B)参照)。この除去は、
[工程−1430]と同様に、化学的機械的研磨法(C
MP法)により行うことができる。
【0215】[工程−1720]次に、導電材料層91
とマスク材料層92と密着層90とをエッチングする
と、前述の機構に基づき対レジスト選択比の大きさに応
じた円錐形状を有する電子放出部15Eが形成される。
これらの層のエッチングは、実施の形態14のスピント
型電界放出素子の製造方法の[工程−1440]と同様
に行うことができる。電子放出部15Eと基部94、及
び、電子放出部15Eと基部94の間に残存する密着層
90とによって、電子放出部が形成される。電子放出部
は、全体が錐状形状を有していても勿論構わないが、図
38には基部94の一部が開口部14Bの底部を埋め込
むように残存した状態を示した。かかる形状は、柱状部
91Bに埋め込まれたマスク材料層92の高さが低い
か、若しくは、マスク材料層92のエッチング速度が比
較的速い場合に生じ得るが、電子放出部としての機能に
何ら支障はない。
【0216】(実施の形態18)実施の形態18のスピ
ント型電界放出素子の製造方法は、実施の形態15のス
ピント型電界放出素子の製造方法の変形である。実施の
形態18のスピント型電界放出素子が実施の形態15の
スピント型電界放出素子と異なる点は、電子放出部が、
実施の形態16のスピント型電界放出素子と同様に、基
部94と、基部94上に積層された錐状の電子放出部1
5Eとから構成されている点にある。以下、実施の形態
8のスピント型電界放出素子の製造方法を、支持体等の
模式的な一部端面図である図39を参照して説明する。
【0217】[工程−1800]マスク材料層92の形
成までを実施の形態17のスピント型電界放出素子の製
造方法の[工程−1700]と同様に行う。その後、導
電材料層91上と拡大部91C内のマスク材料層92の
みを除去することにより、柱状部91Bにマスク材料層
92を残す(図39参照)。例えば希フッ酸水溶液を用
いたウェットエッチングを行い、タングステンから成る
導電材料層91を除去することなく、銅から成るマスク
材料層92のみを選択的に除去することができる。この
後の導電材料層91とマスク材料層92のエッチング
は、全て、実施の形態17のスピント型電界放出素子の
製造方法と同様に行うことができる。
【0218】以上、本発明を、発明の実施の形態及び好
ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらに限
定されるものではない。発明の実施の形態や実施例にて
説明したアノードパネルやカソードパネル、表示装置の
構造、構成、製造方法は例示であり、適宜変更すること
ができる。
【0219】更には、電界放出素子の製造において使用
した各種材料も例示であり、適宜変更することができ
る。電界放出素子においては、専ら1つの開口部に1つ
の電子放出部が対応する形態を説明したが、電界放出素
子の構造に依っては、1つの開口部に複数の電子放出部
が対応した形態、あるいは、複数の開口部に1つの電子
放出部が対応する形態とすることもできる。
【0220】ゲート電極の上方に収束電極を形成する構
造とすることもできる。ここで収束電極とは、開口部か
ら放出されアノード電極へ向かう放出電子の軌道を収束
させ、以て、輝度の向上や隣接画素間の色濁りの防止を
可能とするための電極であり、アノード電極とカソード
電極との間の電位差が数キロボルトのオーダーであっ
て、カソードパネルとアノードパネルとの間の距離が比
較的長い、所謂高電圧タイプの平面型表示装置を想定し
た場合に、特に有効な部材である。収束電極には、収束
電源から相対的な負電圧が印加される。収束電極は、必
ずしも電界放出素子ごとに設けられている必要はなく、
例えば、電界放出素子の所定の配列方向に沿って延在さ
せることにより、複数の電界放出素子に共通の収束効果
を及ぼすこともできる。
【0221】表示装置において、カソードパネルCPと
アノードパネルAPとを周縁部において接合する場合、
接合は接着層を用いて行ってもよいし、あるいはガラス
やセラミックス等の絶縁性剛性材料から成る枠体と接着
層とを併用して行ってもよい。枠体と接着層とを併用す
る場合には、枠体の高さを適宜選択することにより、接
着層のみを使用する場合に比べ、カソードパネルCPと
アノードパネルAPとの間の対向距離をより長く設定す
ることが可能である。尚、接着層の構成材料としては、
フリットガラスが一般的であるが、融点が120〜40
0゜C程度の所謂低融点金属材料を用いてもよい。かか
る低融点金属材料としては、In(インジウム:融点1
57゜C);インジウム−金系の低融点合金;Sn80
20(融点220〜370゜C)、Sn95Cu5(融点
227〜370゜C)等の錫(Sn)系高温はんだ;P
97.5Ag2.5(融点304゜C)、Pb94.5Ag
5.5(融点304〜365゜C)、Pb97.5Ag1.5Sn
1.0(融点309゜C)等の鉛(Pb)系高温はんだ;
Zn95Al5(融点380゜C)等の亜鉛(Zn)系高
温はんだ;Sn5Pb95(融点300〜314゜C)、
Sn2Pb98(融点316〜322゜C)等の錫−鉛系
標準はんだ;Au88Ga12(融点381゜C)等のろう
材(以上の添字は全て原子%を表す)を例示することが
できる。
【0222】表示装置において、カソードパネルCPと
アノードパネルAPと枠体の三者を接合する場合、三者
を同時に接合してもよいし、あるいは、第1段階でカソ
ードパネルCP又はアノードパネルAPのいずれか一方
と枠体とを接合し、第2段階でカソードパネルCP又は
アノードパネルAPの他方と枠体とを接合してもよい。
三者同時接合や第2段階における接合を高真空雰囲気中
で行えば、カソードパネルCPとアノードパネルAPと
枠体と接着層とにより囲まれた空間は、接合と同時に真
空となる。あるいは、三者の接合終了後、カソードパネ
ルCPとアノードパネルAPと枠体と接着層とによって
囲まれた空間を排気し、真空とすることもできる。接合
後に排気を行う場合、接合時の雰囲気の圧力は常圧/減
圧のいずれであってもよく、また、雰囲気を構成する気
体は、大気であっても、あるいは窒素ガスや周期律表0
族に属するガス(例えばArガス)を含む不活性ガスで
あってもよい。
【0223】接合後に排気を行う場合、排気は、カソー
ドパネルCP及び/又はアノードパネルAPに予め接続
されたチップ管を通じて行うことができる。チップ管
は、典型的にはガラス管を用いて構成され、カソードパ
ネルCP及び/又はアノードパネルAPの無効領域に設
けられた貫通孔の周囲に、フリットガラス又は上述の低
融点金属材料を用いて接合され、空間が所定の真空度に
達した後、熱融着によって封じ切られる。尚、封じ切り
を行う前に、表示装置全体を一旦加熱してから降温させ
ると、空間に残留ガスを放出させることができ、この残
留ガスを排気により空間外へ除去することができるので
好適である。
【0224】ゲート電極を1枚のシート状導電材料から
構成し、1画素(1サブピクセル)単位で、カソード電
極に印加する電圧の制御を行う構成とすることもでき
る。この場合、カソード電極の平面形状を略矩形とし、
各カソード電極を配線及び例えばトランジスタから成る
スイッチング素子を介して走査回路に接続すればよい。
あるいは又、カソード電極を1枚のシート状導電材料か
ら構成し、1画素(1サブピクセル)単位で、ゲート電
極に印加する電圧の制御を行う構成とすることもでき
る。この場合、ゲート電極の平面形状を略矩形とし、各
ゲート電極を配線及び例えばトランジスタから成るスイ
ッチング素子を介して制御回路に接続すればよい。
【0225】
【発明の効果】本発明においては、絶縁層に設けられた
開口部の側壁を平坦化処理するので、電界放出素子の電
子放出特性を飛躍的に向上させることができる。その結
果、電界放出素子や表示装置の長寿命化を達成でき、し
かも、表示装置の低消費電力化を図ることができる。ま
た、開口部を均一に、且つ、制御性良く形成することが
可能となるし、表示装置の製造歩留の向上を図ることが
できる。また、電界放出素子の構成によっては、自己整
合的に開口部を形成することができ、製造コストの低
減、製造歩留の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態1の冷陰極電界電子放出素子
の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端
面図である。
【図2】図1に引き続き、発明の実施の形態1の冷陰極
電界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等
の模式的な一部端面図である。
【図3】図2に引き続き、発明の実施の形態1の冷陰極
電界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等
の模式的な一部端面図である。
【図4】図3に引き続き、発明の実施の形態1の冷陰極
電界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等
の模式的な一部端面図である。
【図5】アノードパネルAPの製造方法を説明するため
の基板等の模式的な一部端面図である。
【図6】実施例1〜実施例4及び比較例1〜比較例4に
て得られた表示装置において、カソード電極への印加電
圧を0ボルトとし、ゲート電極への印加電圧を変化さ
せ、このとき、アノード電極に流れる電流の測定を行っ
た結果を示すグラフである。
【図7】発明の実施の形態2のスピント型冷陰極電界電
子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式
的な一部端面図である。
【図8】発明の実施の形態3の扁平型冷陰極電界電子放
出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な
一部断面図である。
【図9】発明の実施の形態4の扁平型冷陰極電界電子放
出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な
一部断面図である。
【図10】発明の実施の形態5の扁平型冷陰極電界電子
放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的
な一部端面図である。
【図11】図11に引き続き、発明の実施の形態5の扁
平型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するため
の支持体等の模式的な一部端面図である。
【図12】発明の実施の形態6の平面型冷陰極電界電子
放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的
な一部断面図である。
【図13】発明の実施の形態7の平面型冷陰極電界電子
放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的
な一部断面図である。
【図14】発明の実施の形態8の平面型冷陰極電界電子
放出素子の模式的な一部断面図である。
【図15】発明の実施の形態8の平面型冷陰極電界電子
放出素子の変形例の模式的な一部断面図である。
【図16】発明の実施の形態9のクレータ型冷陰極電界
電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模
式的な一部端面図、及び、部分的な斜視図である。
【図17】図16に引き続き、発明の実施の形態9のク
レータ型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明する
ための支持体等の模式的な一部端面図、及び、部分的な
斜視図である。
【図18】図17に引き続き、発明の実施の形態9のク
レータ型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明する
ための支持体等の模式的な一部端面図、及び、部分的な
斜視図である。
【図19】図18に引き続き、発明の実施の形態9のク
レータ型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明する
ための支持体等の模式的な一部断面図である。
【図20】発明の実施の形態10のクレータ型冷陰極電
界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の
模式的な一部断面図である。
【図21】発明の実施の形態11のクレータ型冷陰極電
界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の
模式的な一部端面図である。
【図22】エッジ型冷陰極電界電子放出素子の模式的な
一部断面図である。
【図23】エッジ型冷陰極電界電子放出素子の製造方法
を説明するための支持体等の模式的な一部端面図であ
る。
【図24】発明の実施の形態13のスピント型冷陰極電
界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の
模式的な一部端面図である。
【図25】図24に引き続き、発明の実施の形態13の
スピント型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明す
るための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図26】図25に引き続き、発明の実施の形態13の
スピント型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明す
るための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図27】円錐形状の電子放出部が形成される機構を説
明するための図である。
【図28】対レジスト選択比と、電子放出部の高さと形
状の関係を模式的に示す図である。
【図29】発明の実施の形態14のスピント型冷陰極電
界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の
模式的な一部端面図である。
【図30】図29に引き続き、発明の実施の形態14の
スピント型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明す
るための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図31】図30に引き続き、発明の実施の形態14の
スピント型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明す
るための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図32】被エッチング物の表面プロファイルが一定時
間毎にどのように変化するかを示す図である。
【図33】発明の実施の形態15のスピント型冷陰極電
界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の
模式的な一部端面図である。
【図34】発明の実施の形態16のスピント型冷陰極電
界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の
模式的な一部端面図である。
【図35】図34に引き続き、発明の実施の形態16の
スピント型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明す
るための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図36】図35に引き続き、発明の実施の形態16の
スピント型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明す
るための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図37】発明の実施の形態17のスピント型冷陰極電
界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の
模式的な一部端面図である。
【図38】図37に引き続き、発明の実施の形態17の
スピント型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明す
るための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図39】発明の実施の形態18のスピント型冷陰極電
界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の
模式的な一部端面図である。
【図40】冷陰極電界電子放出表示装置の模式的な一部
端面図である。
【図41】冷陰極電界電子放出表示装置の模式的な分解
斜視図である。
【図42】従来のクラウン型冷陰極電界電子放出素子の
製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面
図である。
【図43】図42に引き続き、従来のクラウン型冷陰極
電界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等
の模式的な一部端面図である。
【図44】図43に引き続き、従来のクラウン型冷陰極
電界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等
の模式的な一部端面図である。
【図45】図44に引き続き、従来のクラウン型冷陰極
電界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等
の模式的な一部端面図である。
【図46】傾斜を有する開口部を絶縁層に形成するため
の方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図
である。
【図47】柱状の難溶解性物質が開口部の側壁に形成さ
れた状態を模式的に示す図である。
【符号の説明】
CP・・・カソードパネル、AP・・・アノードパネ
ル、10・・・支持体、11,111,211・・・カ
ソード電極、111A・・・隆起部、111B・・・凹
部、111C・・・先端部、11A・・・微小凹凸部、
11B・・・被覆層、12,12A,12B・・・絶縁
層、13,13A,13B・・・ゲート電極、14B,
114・・・開口部、14A・・・孔部、15,15
A,15B,15C,15D,15E・・・電子放出
部、16・・・・レジスト層、16A,16B・・・レ
ジスト層の開口、17・・・剥離層、18・・・導電性
組成物層、19・・・難溶解性物質、20・・・基板、
21・・・ブラックマトリックス、22,22R,22
G,22B・・・蛍光体層、23・・・アノード電極、
24・・・枠体、25・・・貫通孔、26・・・チップ
管、30・・・走査回路、31・・・制御回路、32・
・・加速電源、40・・・感光性被膜、41・・・感光
領域、42・・・感光性被膜の残部(露光、現像後の感
光性被膜)、43・・・マスク、44・・・開口、50
・・・剥離層、51・・・導電材料層、60・・・抵抗
体層、70・・・炭素薄膜選択成長領域、71・・・マ
スク層、72・・・金属粒子、73・・・炭素薄膜、7
4・・・金属薄膜、80,180・・・球体、81・・
・組成物層、81A・・・分散媒、81B・・・カソー
ド電極材料、180A・・・芯材、180B・・・表面
処理層、90・・・密着層、91・・・導電材料層、9
1A・・・凹部、91B・・・柱状部、91C・・・拡
大部、92・・・マスク材料層、93・・・エッチング
停止層、94・・・基部、94A・・・導電材料層、9
5・・・平坦化層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)支持体、 (B)支持体上に形成されたカソード電極、 (C)カソード電極及び支持体上に形成された絶縁層、 (D)絶縁層上に形成され、孔部を有するゲート電極、 (E)絶縁層に形成され、孔部と連通した開口部、及
    び、 (F)開口部の底部に露出したゲート電極に設けられた
    電子放出部、を備えた冷陰極電界電子放出素子を製造す
    る方法であって、 絶縁層にドライエッチング法にて開口部を形成した後、
    開口部側壁を平滑化処理することを特徴とする冷陰極電
    界電子放出素子の製造方法。
  2. 【請求項2】平滑化処理は、アミン系ポリマー除去剤を
    用いたウェットエッチング処理から成ることを特徴とす
    る請求項1に記載の冷陰極電界電子放出素子の製造方
    法。
  3. 【請求項3】平滑化処理によって、ドライエッチング法
    にて開口部を絶縁層に形成した際に開口部側壁上に堆積
    したドライエッチング副産物を除去することを特徴とす
    る請求項2に記載の冷陰極電界電子放出素子の製造方
    法。
  4. 【請求項4】開口部側壁は、支持体の表面に対して90
    度未満の傾斜角を有することを特徴とする請求項1に記
    載の冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
  5. 【請求項5】絶縁層に開口部を形成する前に、ゲート電
    極及び絶縁層上にレジスト層を形成し、該レジスト層を
    露光処理、プレベーキング処理及び現像処理することに
    よって、側壁が支持体の表面に対して90度未満の傾斜
    角を有する開口をレジスト層に形成し、かかるレジスト
    層をエッチング用マスクとして絶縁層をドライエッチン
    グすることを特徴とする請求項4に記載の冷陰極電界電
    子放出素子の製造方法。
  6. 【請求項6】レジスト層はネガ型レジスト材料から成
    り、レジスト層の露光処理はカソード電極が形成されて
    いない支持体裏面側から行うことを特徴とする請求項5
    に記載の冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
  7. 【請求項7】開口部側壁を平滑化処理した後、開口部の
    底部に露出したカソード電極に電子放出部を形成するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の冷陰極電界電子放出素
    子の製造方法。
  8. 【請求項8】絶縁層に開口部を形成する前に、カソード
    電極に電子放出部を形成しておくことを特徴とする請求
    項1に記載の冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
  9. 【請求項9】アノード電極及び蛍光体層が形成された基
    板と、冷陰極電界電子放出素子が形成された支持体と
    を、蛍光体層と冷陰極電界電子放出素子とが対向するよ
    うに配置し、基板と支持体とを周縁部において接合する
    冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法であって、 冷陰極電界電子放出素子は、 (A)支持体、 (B)支持体上に形成されたカソード電極、 (C)カソード電極及び支持体上に形成された絶縁層、 (D)絶縁層上に形成され、孔部を有するゲート電極、 (E)絶縁層に形成され、孔部と連通した開口部、及
    び、 (F)開口部の底部に露出したゲート電極に設けられた
    電子放出部、を備えており、 冷陰極電界電子放出素子を、絶縁層にドライエッチング
    法にて開口部を形成した後、開口部側壁を平滑化処理す
    る工程を経て製造することを特徴とする冷陰極電界電子
    放出表示装置の製造方法。
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