JP2001210225A - ゲッター、平面型表示装置及び平面型表示装置の製造方法 - Google Patents

ゲッター、平面型表示装置及び平面型表示装置の製造方法

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JP2001210225A JP2000262754A JP2000262754A JP2001210225A JP 2001210225 A JP2001210225 A JP 2001210225A JP 2000262754 A JP2000262754 A JP 2000262754A JP 2000262754 A JP2000262754 A JP 2000262754A JP 2001210225 A JP2001210225 A JP 2001210225A
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Ichiro Saito
一郎 齋藤
Masakazu Muroyama
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ゲッターによるガス収着効率を高め、平面型表
示装置を長寿命化、高画質化する。 【解決手段】有効領域に冷陰極電界電子放出素子を備え
た第1パネルP1と、有効領域に蛍光体層21とアノー
ド電極23とを備えた第2パネルP2とが真空層VAC
を挟んで対向配置されて成る平面型表示装置であって、
冷陰極電界電子放出素子は、支持体10上に設けられた
カソード電極11、カソード電極11上及び支持体10
上に設けられた絶縁層12、絶縁層12上に設けられた
ゲート電極13、ゲート電極13と絶縁層12とを貫通
した開口部14、並びに、開口部14の底部に位置する
カソード電極11に設けられた電子放出部15から成
り、更に、第1パネルP1はゲート電極13上にゲッタ
ー43Bを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゲッター、平面型
表示装置及び平面型表示装置の製造方法に関し、特に、
ガス捕捉効率が改善されたゲッター、かかるゲッターを
備えた長寿命且つ高画質を有する平面型表示装置、並び
に、かかる平面型表示装置を簡便に製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】テレビジョン受像機や情報端末機器に用
いられる表示装置の分野では、従来主流の陰極線管(C
RT)から、薄型化、軽量化、大画面化、高精細化の要
求に応え得る平面型表示装置への移行が検討されてい
る。平面型表示装置の1つに、冷陰極電界電子放出表示
装置(FED:フィールドエミッションディスプレイ,
Field Emission Display)のように、2枚のパネルが真
空層を挟んで対向して配置されたタイプの平面型表示装
置が知られている。この冷陰極電界電子放出表示装置
(以下、単に表示装置と呼ぶ場合がある)においては、
例えば、針状の導体材料又は半導体材料の先端部に高電
界が形成されると、常温においても電子が量子トンネル
効果により導体材料又は半導体材料におけるポテンシャ
ル障壁を透過し、先端部から放出される。このような現
象は、電界放出(Field Emission)又は冷陰極放出(Co
ld-Cathode Emission)とも呼ばれる。
【0003】表示装置を分解した概念図を、図66に示
す。この表示装置は、第1パネルP 1(表示用パネル)
と第2パネルP2とが真空層を挟んで対向して配置さ
れ、第1パネルP1と第2パネルP2とが周縁部において
枠体24を介して接合された構成を有する。図66で
は、接合部位をハッチングで表した。第1パネルP1
び第2パネルP2の各々は、画素が配列され、実際の表
示画面として機能する有効領域EF1,EF2(ハッチン
グで表示)と、有効領域EF1,EF2を包囲し、画素を
選択するための周辺回路等が形成された無効領域N
1,NE2とに、機能上、大別される。かかる表示装置
には、真空層の真空度を維持するために、真空層中の残
留ガスを捕捉可能な材料から成るゲッター642が配さ
れている。ゲッター642は、通常、2枚のパネル
1,P2の少なくともいずれかの無効領域に配されてい
る。図示した例では、第1パネルP1の無効領域NF
1に、1又は複数の貫通孔640が設けられ、この貫通
孔640を第1パネルP1の外側から塞ぐように配設さ
れたゲッターボックス641内にゲッター642が収容
されている。尚、無効領域NE1の他所には真空排気用
の別の貫通孔616が設けられており、この貫通孔61
6には、真空排気後に封じ切られるチップ管617が接
続されている。
【0004】図67には、かかる表示装置の一例とし
て、第1パネルP1(カソードパネルとも呼ばれる)の
有効領域EF1に複数の冷陰極電界電子放出素子(以
下、電子放出素子と呼ぶ)から構成された電子放出領域
が配列された表示装置の構成例を模式的な一部端面図で
示す。
【0005】図示した電子放出素子は、円錐型の電子放
出部を有する、所謂スピント(Spindt)型電子放
出素子と呼ばれるタイプの電子放出素子である。電子放
出素子は、支持体610と、支持体610上に形成され
たカソード電極611と、支持体610及びカソード電
極611上に形成された絶縁層612と、絶縁層612
上に形成されたゲート電極613と、ゲート電極613
及び絶縁層612に設けられた開口部614と、開口部
614の底部に位置するカソード電極611上に形成さ
れた円錐形の電子放出部615から構成されている。一
般に、カソード電極611を構成するストライプ状の導
電材料層(カソード電極用導電材料層と呼ぶ)と、ゲー
ト電極613を構成するストライプ状の導電材料層(ゲ
ート電極用導電材料層と呼ぶ)とは、これらの導電材料
層の射影像が互いに直交する方向に形成されており、こ
れらのストライプ状の導電材料層の射影像が重複する部
分に相当する領域(1画素分の領域に相当し、電子放出
領域である)に、通常、複数の電子放出素子が配列され
ている。更に、かかる電子放出領域が、第1パネルP1
の有効領域EF1内に、通常、2次元マトリクス状に配
列されている。
【0006】一方、第2パネルP2(アノードパネルと
も称される)は、基板20と、基板20上に所定のパタ
ーンに従って形成された蛍光体層21(蛍光体層21
R,21G,21B)と、蛍光体層21上の全面に亙っ
て形成されたアノード電極23から構成されている。
尚、蛍光体層21の間の基板20上には、ブラックマト
リクス22が形成されている。
【0007】カソード電極611には相対的な負電圧が
制御回路30から印加され、ゲート電極613には相対
的な正電圧が走査回路31から印加され、アノード電極
23にはゲート電極613よりも更に高い正電圧が加速
電源32から印加される。かかる表示装置において表示
を行う場合、カソード電極611には制御回路30から
制御信号(ビデオ信号)が入力され、ゲート電極613
には走査回路31から走査信号が入力される。カソード
電極611とゲート電極613との間に電圧を印加した
際に生ずる電界により、電子放出部615から電子が放
出され、この電子がアノード電極23に引き付けられ、
蛍光体層21に衝突する。その結果、蛍光体層21が励
起されて発光し、所望の画像を得ることができる。つま
り、この表示装置の動作は、基本的にゲート電極613
に印加される電圧、及びカソード電極611を通じて電
子放出部615に印加される電圧によって制御される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な電子放出素子を備えた表示装置において蛍光体層21
に電子が照射されると、蛍光体層21の表面や内部に捕
捉されていた水や二酸化炭素がエネルギーを得、そのま
まの形態、あるいは一酸化炭素、酸素、水素等の分解生
成物の形態にて真空層中へ脱離あるいは放出される。こ
のように真空層中へ脱離あるいは放出されるあらゆるガ
スを、便宜上、「放出ガス」と総称する。放出ガスが電
子放出部615の表面に吸着されたり、また、吸着され
た放出ガスが電子放出部615の表面から再び脱離する
と、その度に電子放出部615の仕事関数が変化し、放
出電子電流の変動によるノイズが発生する原因となる。
例えば、タングステンから成る電子放出部615の表面
に酸素ガスが吸着すると、電子放出部615の表面の仕
事関数が1〜2eV程度増大することが知られており、
これによって、放出電子電流密度は正常時の10%〜1
%程度にまで低下してしまう。また、放出ガスが電離し
て真空層中に正イオンが発生すると、正イオンは加速電
源32を通じてアノード電極23に印加されている正電
圧により電子放出部615に向かって加速され、電子放
出部615をスパッタしてこれを劣化させる原因とな
る。
【0009】上記の正イオンあるいは電子は、更に電子
放出部615の近傍に位置するゲート電極613や絶縁
層612にも入射し得る。その結果、ゲート電極613
や絶縁層612に吸着あるいは吸蔵されていた水や二酸
化炭素等が脱離あるいは放出され、一時的に電子放出部
615近傍の真空度が劣化し(即ち、圧力が上昇し)、
ゲート電極613と電子放出部615との間で局所放電
が生ずることがある。一旦、局所放電が発生すると、電
子放出部615近傍に存在する構成材料のスパッタ、構
成部材の温度上昇、更なる放出ガスの発生が連鎖的に進
行して放電が増幅され、最悪の場合には電子放出部61
5が損傷して電子放出が不可能となる。その結果、表示
装置の寿命が劣化してしまう。
【0010】上述したゲッター642は、放出ガスに起
因するこのような不都合を回避するための対策として設
けられている。ゲッター642は、バリウム、マグネシ
ウム、ジルコニウム、チタン等の化学的に高活性な材料
から成り、雰囲気中の放出ガスの分圧に応じた平衡状態
が達成されるまでガスを捕捉する。しかも、一旦捕捉さ
れたガス分子は、ゲッター642の内部まで拡散してそ
の構成材料と共に固溶体を形成するため、通常では、再
度放出されることはない。
【0011】このように優れたガス捕捉性能を有するゲ
ッター642であるが、従来、表示装置の無効領域に設
けられているため、有効領域内の全ての電子放出素子に
対してそのガス捕捉性能が効果的に発揮されているとは
云い難い。即ち、ゲッター642の近傍に存在する一部
の電子放出素子を除き、大部分の電子放出素子について
は、電子放出部615の近傍で放出ガスによって圧力が
上昇しても、直ぐにはゲッター642による放出ガスの
捕捉を期待することができず、よって、局所放電を効果
的に防止することが困難である。
【0012】図68に、電子放出部615からガス分子
が放出された際の真空層中における圧力分布例を模式的
に示す。例えば、真空層において電子放出部615付近
の任意の位置Dでゲート電極613や絶縁層612等か
らガス分子が放出されたとすると、ガス分子が放出され
た位置Dにおける圧力が、例えば1Pa程度にまで局所
的に上昇し、放電が起こる可能性がある。このとき、位
置Dが、ゲッターボックス641の近傍であれば、ゲッ
ター642によるガス捕捉作用により真空層内における
圧力の上昇及び放電を防止することができる。しかしな
がら、図68に示すように、ゲッターボックス641か
ら離れた位置Dでガス分子が放出された場合には、ゲッ
ター642によるガス捕捉作用が小さいので、放電とガ
ス分子の放出とが連鎖的に起きるような悪循環となり易
い。
【0013】従って、本発明は、効率的なゲッタリング
によって長寿命と高画質が達成され得る平面型表示装
置、かかる平面型表示装置を簡便に製造する方法、更に
は、ガス捕捉効率が改善されたゲッターを提供すること
を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの本発明のゲッターは、基体上に形成され、表面に凹
凸を有し、若しくは多孔質体から成る支持部材と、支持
部材の表面に沿って支持部材上に形成されたガス捕捉層
とから構成されていることを特徴とする。
【0015】本発明のゲッターにおいては、ガス捕捉層
が支持部材の表面に沿って支持部材上に形成されている
ので、ガス捕捉層の表面積は、ガス捕捉層の表面が平坦
である場合に比べて増大しており、外部環境中に存在す
るガスとの接触確率が高い。本発明のゲッターを後述す
る本発明の平面型表示装置に適用した場合、外部環境と
は真空層に相当し、ガスとは真空層に面した内部構成部
材から放出される放出ガスに相当する。即ち、本発明の
ゲッターは、従来のゲッターに比べてガス捕捉効率に優
れており、真空度を長期間に亙って高い状態に維持する
ことができる。ここで、「捕捉」には、吸収、吸着、吸
蔵、収着が含まれる。また、本発明のゲッターにおい
て、基体は、支持部材を機械的に安定に支持し得る限り
において、特に限定されない。
【0016】上述の目的を達成するための本発明の平面
型表示装置は、第1パネルと第2パネルとが真空層を挟
んで対向配置され、画素が配列されて成る有効領域を有
し、第1パネル及び第2パネルの少なくとも一方の有効
領域に、真空層の真空度を維持するためのゲッターが設
けられていることを特徴とする。
【0017】本発明の平面型表示装置の具体的な構成に
おいて、第1パネルは、有効領域に冷陰極電界電子放出
素子を備え、第2パネルは、有効領域にアノード電極と
蛍光体層とを備え、冷陰極電界電子放出素子は、(A)
支持体上に設けられた絶縁層、(B)絶縁層上に設けら
れたゲート電極、(C)ゲート電極を貫通し、且つ、絶
縁層に設けられた開口部、並びに、(D)開口部内に設
けられた電子放出部、から成り、前記ゲッターは、ゲー
ト電極上及び/又は隣り合うゲート電極の間の絶縁層上
に設けられていることが好ましい。かかる構成を有する
平面型表示装置を、本発明の第1の構成に係る平面型表
示装置と呼ぶ。尚、本発明の第1の構成に係る平面型表
示装置は、所謂冷陰極電界電子放出表示装置である。
【0018】また、本発明の平面型表示装置の他の具体
的な構成において、第1パネルは、有効領域に冷陰極電
界電子放出素子を備え、第2パネルは、有効領域にアノ
ード電極と蛍光体層とを備え、冷陰極電界電子放出素子
は、(A)支持体上に設けられた絶縁層、(B)絶縁層
上に設けられたゲート電極、(C)ゲート電極及び絶縁
層上に設けられた第2絶縁層、(D)第2絶縁層上に設
けられた収束電極、(E)収束電極と第2絶縁層とゲー
ト電極とを貫通し、且つ絶縁層に設けられた開口部、
(F)開口部内に設けられた電子放出部、から成り、前
記ゲッターは、収束電極上及び/又は隣り合う収束電極
の間の第2絶縁層上に設けられていることが好ましい。
かかる構成を有する平面型表示装置を、本発明の第2の
構成に係る平面型表示装置と呼ぶ。本発明の第2の構成
に係る平面型表示装置は、収束電極を備えた冷陰極電界
電子放出表示装置である。
【0019】ここで、収束電極とは、開口部から放出さ
れアノード電極へ向かう放出電子の軌道を収束させ、以
て、輝度の向上や隣接画素間の光学的クロストークの防
止を可能とするための電極であり、アノード電極とカソ
ード電極との間の電位差が数キロボルトのオーダーであ
って、第1パネルと第2パネルとの間の距離が比較的長
い、所謂高電圧タイプの平面型表示装置を想定した場合
に、特に有効な部材である。収束電極には、収束電源か
ら相対的な負電圧が印加される。収束電極は、必ずしも
各冷陰極電界電子放出素子ごとに設けられている必要は
なく、例えば、冷陰極電界電子放出素子の所定の配列方
向に沿って延在させることにより、複数の冷陰極電界電
子放出素子に共通の収束効果を及ぼすこともできる。
【0020】本発明の第1の構成若しくは第2の構成に
係る平面型表示装置において、ゲッターは、表面に凹凸
を有し、若しくは多孔質体から成る支持部材と、支持部
材の表面に沿って支持部材上に形成されたガス捕捉層と
から構成され、支持部材は、ゲート電極上及び/又は隣
り合うゲート電極の間の絶縁層上、若しくは、収束電極
上及び/又は隣り合う収束電極の間の第2絶縁層上に設
けられていることが好ましい。
【0021】また、本発明の平面型表示装置の他の具体
的な構成において、第1パネルは、有効領域に冷陰極電
界電子放出素子を備え、第2パネルは、有効領域にアノ
ード電極と蛍光体層とを備え、冷陰極電界電子放出素子
は、(A)支持体上に設けられた絶縁層、(B)絶縁層
上に設けられ、少なくとも一部分がガス捕捉材料から成
るゲート電極、(C)ゲート電極を貫通し、且つ、絶縁
層に設けられた開口部、並びに、(D)開口部内に設け
られた電子放出部、から成り、該ゲート電極は、前記ゲ
ッターとして機能することが好ましい。かかる構成を有
する平面型表示装置を、本発明の第3の構成に係る平面
型表示装置と呼ぶ。本発明の第3の構成に係る平面型表
示装置は、冷陰極電界電子放出表示装置である。
【0022】本発明の第3の構成に係る平面型表示装置
において、ゲート電極は、ガス捕捉材料から成る単層構
造を有する構成とすることができ、あるいは又、ゲート
電極は、少なくとも、導電性材料又は絶縁性材料から成
る第1層と、ガス捕捉材料から成る第2層との積層構造
を有する構成とすることができる。
【0023】また、本発明の平面型表示装置の他の具体
的な構成において、第1パネルは、有効領域に冷陰極電
界電子放出素子を備え、第2パネルは、有効領域にアノ
ード電極と蛍光体層とを備え、冷陰極電界電子放出素子
は、(A)支持体上に設けられた絶縁層、(B)絶縁層
上に設けられたゲート電極、(C)ゲート電極及び絶縁
層上に設けられた第2絶縁層、(D)第2絶縁層上に設
けられ、少なくとも一部分がガス捕捉材料から成る収束
電極、(E)収束電極と第2絶縁層とゲート電極とを貫
通し、且つ絶縁層に設けられた開口部、(F)開口部内
に設けられた電子放出部、から成り、該収束電極は、前
記ゲッターとして機能することが好ましい。かかる構成
を有する平面型表示装置を、本発明の第4の構成に係る
平面型表示装置と呼ぶ。本発明の第4の構成に係る平面
型表示装置は、収束電極を備えた冷陰極電界電子放出表
示装置である。
【0024】本発明の第4の構成に係る平面型表示装置
において、収束電極は、ガス捕捉材料から成る単層構造
を有する構成とすることができ、あるいは又、収束電極
は、少なくとも、導電性材料又は絶縁性材料から成る第
1層と、ガス捕捉材料から成る第2層との積層構造を有
する構成とすることができる。
【0025】また、本発明の平面型表示装置の他の具体
的な構成において、第1パネルは、有効領域に冷陰極電
界電子放出素子を備え、第2パネルは、有効領域にアノ
ード電極と蛍光体層とを備え、冷陰極電界電子放出素子
は、(A)支持体上に配設された、絶縁材料から成るス
ペーサ、(B)複数の開口部が形成され、少なくとも一
部分がガス捕捉材料から成るガス捕捉材料層から構成さ
れたゲート電極、並びに、(C)支持体上に形成された
電子放出部、から成り、スペーサの頂面に接するよう
に、且つ、電子放出部の上方に開口部が位置するように
ガス捕捉材料層が張架されていることが好ましい。かか
る構成を有する平面型表示装置を、本発明の第5の構成
に係る平面型表示装置と呼ぶ。本発明の第5の構成に係
る平面型表示装置は、冷陰極電界電子放出表示装置であ
る。
【0026】尚、第1の構成〜第5の構成に係る平面型
表示装置において、第1パネルはカソードパネル、第2
パネルはアノードパネルと称されることもある。また、
第1の構成及び第2の構成に係る平面型表示装置におい
て、ゲート電極及び/又は隣り合うゲート電極の間の絶
縁層、あるいは、収束電極及び/又は隣り合う収束電極
の間の第2絶縁層が、基体に相当する。
【0027】上述の目的を達成するための本発明の平面
型表示装置の製造方法は、本発明の平面型表示装置を製
造するための方法である。即ち、画素が配列されて成る
有効領域を有する第1パネルと第2パネルとが真空層を
挟んで対向配置され、第1パネルと第2パネルとが周縁
部において接合された平面型表示装置の製造方法であっ
て、第1パネル及び第2パネルの少なくとも一方の有効
領域にゲッターを形成する工程を含むことを特徴とす
る。
【0028】本発明の平面型表示装置の製造方法の具体
的な構成において、第1パネルは、有効領域に冷陰極電
界電子放出素子を備え、第2パネルは、有効領域にアノ
ード電極と蛍光体層とを備え、第1パネルを、(a)支
持体上に絶縁層を形成する工程と、(b)絶縁層上にゲ
ート電極形成用の導電材料層を形成する工程と、(c)
導電材料層上にゲッター形成層を形成する工程と、
(d)ゲッター形成層と導電材料層とをパターニングす
ることにより、ゲッターが上面に設けられたゲート電極
を形成する工程と、(e)少なくとも絶縁層に開口部を
形成する工程と、(f)開口部内に、電子放出部を形成
し、若しくは露出させる工程、とを経て形成することが
できる。かかる構成を有する平面型表示装置の製造方法
を、本発明の第1の構成に係る製造方法と呼ぶ。本発明
の第1の構成に係る製造方法により、本発明の第1の構
成に係る平面型表示装置を製造することができ、ゲート
電極とゲッターとは、同時パターニングにより同じパタ
ーンに形成される。
【0029】本発明の第1の構成に係る製造方法におい
て、工程(c)のゲッター形成層を形成する工程は、
(1)表面に凹凸を有し、若しくは多孔質体から成る支
持部材をゲート電極形成用の導電材料層上に形成する工
程と、(2)支持部材の表面に沿ったガス捕捉層を支持
部材上に形成する工程から成ることが好ましい。
【0030】本発明の平面型表示装置の製造方法の他の
具体的な構成において、第1パネルは、有効領域に冷陰
極電界電子放出素子を備え、第2パネルは、有効領域に
アノード電極と蛍光体層とを備え、第1パネルを、
(a)支持体上に絶縁層を形成する工程と、(b)絶縁
層上にゲート電極を形成する工程と、(c)絶縁層及び
ゲート電極上に第2絶縁層を形成する工程と、(d)第
2絶縁層上に収束電極形成用の導電材料層を形成する工
程と、(e)導電材料層上にゲッター形成層を形成する
工程と、(f)ゲッター形成層と導電材料層とをパター
ニングすることにより、ゲッターが上面に設けられた収
束電極を形成する工程と、(g)少なくとも第2絶縁層
と絶縁層とに開口部を形成する工程と、(h)開口部内
に、電子放出部を形成し、若しくは露出させる工程、と
を経て形成することができる。かかる構成を有する平面
型表示装置の製造方法を、本発明の第2の構成に係る製
造方法と呼ぶ。本発明の第2の構成に係る製造方法によ
り、本発明の第2の構成に係る平面型表示装置を製造す
ることができ、収束電極とゲッターとは、同時パターニ
ングにより同じパターンに形成される。
【0031】本発明の第2の構成に係る製造方法におい
て、工程(e)のゲッター形成層を形成する工程は、
(1)表面に凹凸を有し、若しくは多孔質体から成る支
持部材を収束電極形成用の導電材料層上に形成する工程
と、(2)支持部材の表面に沿ったガス捕捉層を支持部
材上に形成する工程から成ることが好ましい。
【0032】本発明の平面型表示装置の製造方法の他の
具体的な構成において、第1パネルは、有効領域に冷陰
極電界電子放出素子を備え、第2パネルは、有効領域に
アノード電極と蛍光体層とを備え、第1パネルを、
(a)支持体上に絶縁層を形成する工程と、(b)絶縁
層上にゲート電極を形成する工程と、(c)ゲート電極
上及び/又は隣り合うゲート電極の間の絶縁層上にゲッ
ターを形成する工程と、(d)少なくとも絶縁層に開口
部を形成する工程と、(e)開口部内に、電子放出部を
形成し、若しくは露出させる工程、とを経て形成するこ
とができる。かかる構成を有する平面型表示装置の製造
方法を、本発明の第3の構成に係る製造方法と呼ぶ。本
発明の第3の構成に係る製造方法により、本発明の第1
の構成に係る平面型表示装置を製造することができ、ゲ
ート電極とゲッターとは別工程にて形成される。
【0033】本発明の第3の構成に係る製造方法におい
て、工程(c)のゲッターを形成する工程は、(1)表
面に凹凸を有し、若しくは多孔質体から成る支持部材を
ゲート電極上及び/又は隣り合うゲート電極の間の絶縁
層上に形成する工程と、(2)支持部材の表面に沿った
ガス捕捉層を支持部材上に形成する工程から成ることが
好ましい。ゲッターを全面に形成する場合以外は、工程
(2)の後で、必要に応じて支持部材とガス捕捉層とを
パターニングし、ゲッターを完成させてもよい。
【0034】本発明の平面型表示装置の製造方法の更に
他の具体的な構成において、第1パネルは、有効領域に
冷陰極電界電子放出素子を備え、第2パネルは、有効領
域にアノード電極と蛍光体層とを備え、第1パネルを、
(a)支持体上に絶縁層を形成する工程と、(b)絶縁
層上にゲート電極を形成する工程と、(c)絶縁層及び
ゲート電極上に第2絶縁層を形成する工程と、(d)第
2絶縁層上に収束電極を形成する工程と、(e)収束電
極上及び/又は隣り合う収束電極の間の第2絶縁層上に
ゲッターを形成する工程と、(f)少なくとも第2絶縁
層と絶縁層とに開口部を形成する工程と、(g)開口部
内に、電子放出部を形成し、若しくは露出させる工程、
とを経て形成することができる。かかる構成を有する平
面型表示装置の製造方法を、本発明の第4の構成に係る
製造方法と呼ぶ。本発明の第4の構成に係る製造方法に
より、本発明の第2の構成に係る平面型表示装置を製造
することができ、収束電極とゲッターとは別工程にて形
成される。
【0035】本発明の第4の構成に係る製造方法におい
て、工程(e)のゲッターを形成する工程は、(1)表
面に凹凸を有し、若しくは多孔質体から成る支持部材を
収束電極上及び/又は隣り合う収束電極の間の第2絶縁
層上に形成する工程と、(2)支持部材の表面に沿った
ガス捕捉層を支持部材上に形成する工程から成ることが
好ましい。ゲッターを全面に形成する場合以外は、工程
(2)の後で、必要に応じて支持部材とガス捕捉層とを
パターニングし、ゲッターを完成させてもよい。
【0036】本発明の平面型表示装置の製造方法の更に
他の具体的な構成において、第1パネルは、有効領域に
冷陰極電界電子放出素子を備え、第2パネルは、有効領
域にアノード電極と蛍光体層とを備え、第1パネルを、
(a)支持体上に絶縁層を形成する工程と、(b)絶縁
層上に、少なくとも一部分がガス捕捉材料から成り、ゲ
ッターとして機能するゲート電極を形成する工程と、
(c)少なくとも絶縁層に開口部を形成する工程と、
(d)開口部内に、電子放出部を形成し、若しくは露出
させる工程、とを経て形成することができる。かかる構
成を有する平面型表示装置の製造方法を、本発明の第5
の構成に係る製造方法と呼ぶ。本発明の第5の構成に係
る製造方法により、本発明の第3の構成に係る平面型表
示装置を製造することができる。
【0037】本発明の第5の構成に係る製造方法におい
ては、ゲート電極は、ガス捕捉材料から成る単層構造を
有する構成とすることができ、あるいは又、ゲート電極
は、少なくとも、導電性材料又は絶縁性材料から成る第
1層と、ガス捕捉材料から成る第2層との積層構造を有
する構成とすることができる。
【0038】本発明の平面型表示装置の製造方法の更に
他の具体的な構成において、第1パネルは、有効領域に
冷陰極電界電子放出素子を備え、第2パネルは、有効領
域にアノード電極と蛍光体層とを備え、第1パネルを、
(a)支持体上に絶縁層を形成する工程と、(b)絶縁
層上にゲート電極を形成する工程と、(c)絶縁層及び
ゲート電極上に第2絶縁層を形成する工程と、(d)第
2絶縁層上に、少なくとも一部分がガス捕捉材料から成
り、ゲッターとして機能する収束電極を形成する工程
と、(e)少なくとも第2絶縁層と絶縁層とに開口部を
形成する工程と、(f)開口部内に、電子放出部を形成
し、若しくは露出させる工程、とを経て形成することが
できる。かかる構成を有する平面型表示装置の製造方法
を、本発明の第6の構成に係る製造方法と呼ぶ。本発明
の第6の構成に係る製造方法により、本発明の第4の構
成に係る平面型表示装置を製造することができる。
【0039】本発明の第6の構成に係る製造方法におい
ては、収束電極は、ガス捕捉材料から成る単層構造を有
する構成とすることができ、あるいは又、収束電極は、
少なくとも、導電性材料又は絶縁性材料から成る第1層
と、ガス捕捉材料から成る第2層との積層構造を有する
構成とすることができる。
【0040】本発明の平面型表示装置の製造方法の更に
他の具体的な構成において、第1パネルは、有効領域に
冷陰極電界電子放出素子を備え、第2パネルは、有効領
域にアノード電極と蛍光体層とを備え、第1パネルを、
(a)支持体上に絶縁材料から成るスペーサを配設し、
支持体上に電子放出部を形成する工程と、(b)複数の
開口部が形成され、少なくとも一部分がガス捕捉材料か
ら成るガス捕捉材料層から構成されたゲート電極を、ス
ペーサの頂面に接するように、且つ、電子放出部の上方
に開口部が位置するように張架する工程、とを経て形成
することができる。かかる構成を有する平面型表示装置
の製造方法を、本発明の第7の構成に係る製造方法と呼
ぶ。本発明の第7の構成に係る製造方法により、本発明
の第3の構成に係る平面型表示装置を製造することがで
きる。
【0041】本発明の第1の構成に係る平面型表示装
置、及び、本発明の第3の構成に係る製造方法におい
て、ゲッターをゲート電極上に設ける場合、ゲッターは
ゲート電極と同一のパターンを有していてもよいし、ゲ
ート電極を被覆するパターンを有していてもよい。ゲッ
ターをゲート電極上に設ける場合、支持部材及びガス捕
捉層は、導電性材料又は絶縁性材料のいずれによって構
成されていてもよい。また、ゲッターを隣り合うゲート
電極の間の絶縁層上に設ける場合、ゲッターはゲート電
極の側面と接して設けられてもよいし、ゲート電極の側
面から離間して設けられてもよい。但し、ゲート電極の
側面と接して設ける場合には、隣り合うゲート電極がゲ
ッターによって短絡されないように、支持部材及びガス
捕捉層の構成材料を選択する必要がある。ゲッターは、
必ずしも全ての隣り合うゲート電極の間の絶縁層上に設
けられていなくてもよい。更に、ゲッターをゲート電極
上及び隣り合うゲート電極の間の絶縁層上に設ける場合
には、ゲッターの有効面積(即ち、放出ガスの捕捉に寄
与する部分の面積)を最も大きく確保することができ
る。これは、少なくともゲート電極に接する部分の支持
部材が絶縁性材料から構成されていれば、たとえガス捕
捉層が導電性材料から構成されていても、開口部を除く
有効領域のほぼ全面にゲッターを設けることが可能とな
るからである。
【0042】また、本発明の第2の構成に係る平面型表
示装置、及び、本発明の第4の構成に係る製造方法にお
いて、ゲッターを収束電極上に設ける場合、ゲッターは
収束電極と同一のパターンを有していてもよいし、収束
電極を被覆するパターンを有していてもよい。ゲッター
を収束電極上に設ける場合、支持部材及びガス捕捉層
は、導電性材料又は絶縁性材料のいずれによって構成さ
れていてもよい。ゲッターを隣り合う収束電極の間の第
2絶縁層上に設ける場合、ゲッターは収束電極の側面と
接して設けられてもよいし、収束電極の側面から離間し
て設けられてもよい。但し、収束電極の側面と接して設
ける場合には、隣り合う収束電極がゲッターによって短
絡されないように、支持部材及びガス捕捉層の構成材料
を選択する必要がある。ゲッターは、必ずしも全ての隣
り合う収束電極の間の第2絶縁層上に設けられていなく
てもよい。更に、ゲッターを収束電極上及び隣り合う収
束電極の間の第2絶縁層上に設ける場合には、ゲッター
の有効面積を最も大きく確保することができる。これ
は、少なくとも収束電極に接する部分の支持部材が絶縁
性材料から構成されていれば、たとえガス捕捉層が導電
性材料から構成されていても、開口部を除く有効領域の
ほぼ全面にゲッターを設けることが可能となるからであ
る。
【0043】本発明の第1の構成及び第2の構成に係る
平面型表示装置、並びに、本発明の第1の構成〜第4の
構成に係る製造方法において、有効領域内におけるゲッ
ターは、各画素に対応して設けられていてもよいし、所
定個数の画素群に対応して設けられていてもよい。ゲッ
ターを各画素に対応して設ける場合、ゲッターは、有効
領域の全域を覆うように設けられていてもよい。また、
ゲッターを所定個数の画素群に対応して設ける場合、有
効領域内におけるゲッターの配置様式は規則的であって
もランダムであってもよい。また、本発明の第1の構成
及び第2の構成に係る平面型表示装置、並びに、本発明
の第1の構成〜第4の構成に係る製造方法において、有
効領域内におけるゲッターは、各電子放出素子に対応し
て設けられていてもよいし、所定個数の電子放出素子に
対応して設けられていてもよい。ゲッターを各電子放出
素子に対応して設ける場合、ゲッターは、有効領域の全
域全域を覆うように設けられていてもよい。また、ゲッ
ターを所定個数の電子放出素子群に対応して設ける場
合、有効領域内におけるゲッターの配置様式は規則的で
あってもランダムであってもよい。いずれにしても、放
出ガスによる真空層の局所的な圧力上昇をできるだけ防
止する観点からは、ゲッターの有効面積がなるべく大き
く、また配置の規則性がなるべく高いことが好ましい。
本発明の平面型表示装置、並びに、本発明の第1の構成
及び第2の構成に係る平面型表示装置においては、ゲッ
ターが無効領域の1ヶ所にのみ設けられていた従来の平
面型表示装置に比べてゲッタリングの効率が向上するこ
とにより、平面型表示装置の寿命と画質が大幅に改善さ
れる。
【0044】本発明の第1の構成〜第5の構成に係る平
面型表示装置は、開口部内における電子放出電極の配設
様式に応じ、従来から公知のあらゆるタイプの冷陰極電
界電子放出素子を備えることができる。例えば、支持体
上にカソード電極が設けられ、絶縁層がカソード電極及
び支持体上に形成され、電子放出部は開口部の底部に位
置するカソード電極上に形成されている構成を挙げるこ
とができる。カソード電極上にかかる電子放出部が形成
された冷陰極電界電子放出素子として、円錐形の電子放
出部を有する所謂スピント型電子放出素子、王冠型の電
子放出部を有する所謂クラウン型電子放出素子、扁平な
電子放出部を有する所謂扁平型電子放出素子を挙げるこ
とができる。あるいは又、支持体上に電子放出層が設け
られ、絶縁層が電子放出層及び支持体上に形成され、開
口部の底部に位置する電子放出層が電子放出部に相当す
る構成(所謂平面型電子放出素子やクレータ型電子放出
素子)とすることもできる。
【0045】冷陰極電界電子放出素子としてこれらスピ
ント型電子放出素子、クラウン型電子放出素子又は扁平
型電子放出素子を備えた平面型表示装置を本発明の第1
の構成〜第6の構成に係る製造方法によって製造する場
合、各構成に係る製造方法の工程(a)において、支持
体上にカソード電極を形成した後、カソード電極及び支
持体上に絶縁層を形成し、第1の構成に係る製造方法で
は工程(f)、第2の構成に係る製造方法では工程
(h)、第3の構成に係る製造方法では工程(e)、第
4の構成に係る製造方法では工程(g)、第5の構成に
係る製造方法では工程(d)、第6の構成に係る製造方
法では工程(f)において、開口部の底部に位置するカ
ソード電極上に電子放出部を形成すればよい。尚、第1
の構成に係る製造方法における工程(f)、第2の構成
に係る製造方法における工程(h)、第3の構成に係る
製造方法における工程(e)、第4の構成に係る製造方
法における工程(g)、第5の構成に係る製造方法では
工程(d)、第6の構成に係る製造方法では工程(f)
を、電子放出部形成工程と呼ぶ場合がある。また、冷陰
極電界電子放出素子として平面型電子放出素子を備えた
平面型表示装置を本発明の第1の構成〜第6の構成に係
る製造方法によって製造する場合、各構成に係る製造方
法の工程(a)において、支持体上に電子放出層を形成
した後、電子放出層及び支持体上に絶縁層を形成し、各
構成に係る製造方法の電子放出部形成工程においては、
開口部の底部に位置する電子放出層を露出させ、以て、
開口部内に電子放出部を露出させればよい。
【0046】あるいは、本発明の第1の構成〜第5の構
成に係る平面型表示装置において絶縁層は電子放出層を
被覆しており、開口部は電子放出層を貫通しており、電
子放出部は、開口部の側壁面に露出した電子放出層の端
部から成っていてもよい。開口部の側壁面に電子放出層
の端部が露出して成る電子放出部を備えた冷陰極電界電
子放出素子としては、所謂エッジ型電子放出素子を挙げ
ることができる。
【0047】冷陰極電界電子放出素子としてエッジ型電
子放出素子を備えた平面型表示装置を本発明の第1の構
成〜第6の構成に係る製造方法によって製造する場合、
各構成に係る製造方法の工程(a)において、電子放出
層を被覆した絶縁層を形成し、各構成に係る製造方法の
電子放出部形成工程においては、開口部の側壁面に電子
放出層の端部を露出させて電子放出部を形成すればよ
い。
【0048】ここで、「電子放出層を被覆した絶縁層」
は、電子放出層の上面と側面のみを被覆していてもよい
し、電子放出層の周囲全体(即ち、上面と側面と底面)
を被覆していてもよい。電子放出層の周囲全体を被覆す
る絶縁層の実際的な構成としては、上部絶縁層と下部絶
縁層とから成る上下2層構成が可能である。例えば、下
部絶縁層を形成後、下部絶縁層上に電子放出層を形成
し、電子放出層及び下部絶縁層上に上部絶縁層を形成す
ればよい。絶縁層が電子放出層の上面と側面のみを被覆
している場合、第1の構成に係る製造方法の工程
(e)、第2の構成に係る製造方法の工程(g)、第3
の構成に係る製造方法の工程(d)、第4の構成に係る
製造方法の工程(f)、第5の構成に係る製造方法では
工程(d)、第6の構成に係る製造方法では工程(f)
において絶縁層及び電子放出層に開口部を形成すると、
開口部の底部側壁面に電子放出層の端部が露出する。
尚、第1の構成に係る製造方法における工程(e)、第
2の構成に係る製造方法における工程(g)、第3の構
成に係る製造方法における工程(d)、第4の構成に係
る製造方法における工程(f)、第5の構成に係る製造
方法では工程(d)、第6の構成に係る製造方法では工
程(f)を、開口部形成工程と呼ぶ場合がある。一方、
絶縁層が電子放出層の周囲全体を被覆している場合、開
口部形成工程において絶縁層に開口部を形成すると、開
口部の深さに応じて、開口部の底部側壁面に電子放出層
の端部を露出させることもできるし、開口部をより深く
形成することにより、開口部の深さ方向中途部の側壁面
に電子放出層の端部を露出させることもできる。尚、絶
縁層を上下2層構成とする場合、下部絶縁層の下に下部
ゲート電極を予め設けておき、底部に下部ゲート電極が
露出した開口部を絶縁層に形成することもできる。
【0049】本発明の第1の構成に係る製造方法の工程
(e)、第3の構成に係る製造方法の工程(d)、及
び、第5の構成に係る製造方法では工程(c)におい
て、開口部を「少なくとも」絶縁層に形成する、と表現
したのは、それ以前までの工程においてゲッターやゲー
ト電極(エッジ型電子放出素子を形成する場合には、更
に電子放出層)に何らかの貫通孔が形成されており、こ
の貫通孔の内部において絶縁層だけに開口部を形成すれ
ば済む場合もあり得るからである。また、本発明の第2
の構成に係る製造方法の工程(g)、第4の構成に係る
製造方法の工程(f)及び、第6の構成に係る製造方法
では工程(e)において、開口部を「少なくとも」第2
絶縁層と絶縁層とに形成する、と表現したのは、それ以
前までの工程においてゲッターや収束電極やゲート電極
(エッジ型電子放出素子を形成する場合には、更に電子
放出層)に何らかの貫通孔が形成されており、この貫通
孔の内部において第2絶縁層と絶縁層だけに開口部を形
成すれば済む場合もあり得るからである。絶縁層や第2
絶縁層に開口部を形成する典型的な手法としては、マス
クパターンを用いたエッチングを挙げることができる。
【0050】本発明のゲッター、本発明の平面型表示装
置、本発明の第1の構成及び第2の構成に係る平面型表
示装置、本発明の平面型表示装置の製造方法、並びに、
本発明の第1の構成〜第4の構成に係る製造方法におい
て、略半球状のシリコン粒子を形成する方法としては、
例えば、DRAM(ダイナミックランダムアクセスメモ
リ)の製造分野において、キャパシタ下部電極(記憶ノ
ード電極)の表面積を拡大するために、略半球状のシリ
コン粒子を成長させる技術を適用することができる。略
半球状のシリコン粒子の形成は、一般に、核形成(シー
ディング)段階と核成長段階との2段階プロセスにより
行われる。核形成段階では、一般に、シラン系ガスを用
いた減圧CVD法によりシリコン核を形成する。シリコ
ン核の形成部位は、本発明の第1の構成に係る製造方法
においてはゲート電極形成用の導電材料層上、本発明の
第2の構成に係る製造方法においては収束電極形成用の
導電材料層上、本発明の第3の構成に係る製造方法にお
いてはゲート電極上及び/又は隣り合うゲート電極の間
の絶縁層上、更に、本発明の第4の構成に係る製造方法
においては収束電極上及び/又は隣り合う収束電極の間
の第2絶縁層上、即ち、基体上である。続く核成長段階
では、シリコン原子をシリコン核に付着させ、略半球状
のシリコン粒子へと成長させるためのアニールを行う。
【0051】本発明のゲッター、本発明の平面型表示装
置、本発明の第1の構成及び第2の構成に係る平面型表
示装置、本発明の平面型表示装置の製造方法、並びに、
本発明の第1の構成〜第4の構成に係る製造方法におい
て、略半球状のシリコン粒子から成る支持部材は、略半
球状のシリコン粒子の下側(即ち、ガス捕捉層が形成さ
れる側とは反対側)に形成された非晶質シリコン層から
更に構成されていてもよい。本発明の平面型表示装置の
製造方法において、かかる支持部材を形成する場合に
は、略半球状のシリコン粒子の形成に先立ち、上述のシ
リコン核の形成部位に、予め非晶質シリコン層を形成し
ておけばよい。非晶質シリコン層は、例えば減圧CVD
法により形成することができる。非晶質シリコン層の表
面には、シリコン(Si)原子のダングリングボンド
(切れた結合手)が水素(H)原子で終端されたSi−
H結合が存在しており、このSi−H結合のH原子にS
i原子が置換する結果、シリコン核が容易に形成され
る。
【0052】また、本発明のゲッター、本発明の平面型
表示装置、本発明の第1の構成及び第2の構成に係る平
面型表示装置、本発明の平面型表示装置の製造方法、並
びに、本発明の第1の構成〜第4の構成に係る製造方法
において、支持部材は多孔質体から構成されていてもよ
い。多孔質体から成る支持部材は、酸化シリコン、窒化
シリコン及び酸窒化シリコンから成る群から選択された
少なくとも1種類の材料から構成することができる。酸
化シリコンには、所謂低誘電率を有するキセロゲルや、
リン(P)、ホウ素(B)及びヒ素(As)から成る群
から選択された少なくとも1つの元素を含有する酸化シ
リコン(例えば、BPSG、PSG、BSG、AsS
G、PbSG)が包含される。
【0053】本発明の平面型表示装置の製造方法、並び
に、本発明の第1の構成〜第4の構成に係る製造方法に
おいて、多孔質体から成る支持部材を形成する工程は、
熱分解基(熱の作用によって分解反応を生じる基)を有
し、あるいは又、溶媒を含有した支持部材形成膜を形成
する工程と、支持部材形成膜の熱処理によって熱分解基
を分解するか又は溶媒を気化させる工程から成る構成と
することができる。例えば、支持部材の構成材料を溶媒
中に分散させた液状組成物を基体(ゲート電極及び/又
は隣り合うゲート電極の間の絶縁層、あるいは、収束電
極及び/又は隣り合う収束電極の間の第2絶縁層)上に
塗布して支持部材形成膜を形成し、熱処理によって支持
部材形成膜中に含まれる溶媒を気化させることによって
空孔を形成することができる。あるいは、メチル基等の
熱分解基を有するシロキサン化合物を用いて支持部材を
形成すると、熱処理により熱分解基が分解し、その結
果、空孔を形成することができる。
【0054】あるいは、本発明の平面型表示装置の製造
方法、並びに、本発明の第1の構成〜第4の構成に係る
製造方法において、多孔質体から成る支持部材を形成す
る工程は、エッチング速度が異なる複数の成分を含有し
た支持部材形成膜を形成する工程と、支持部材形成膜の
熱処理によって複数の成分を相分離させる工程と、エッ
チング速度が相対的に速い方の成分をエッチング除去す
る工程から成る構成とすることができる。エッチング速
度の異なる成分数は、2であれば実用上は十分である
が、3以上であってもよい。但し、成分数が3以上であ
る場合、相分離によって生成する相の数は必ずしも成分
数に等しくなくてもよく、少なくとも2つの相が生成す
ればよい。具体的には、例えば、酸化シリコン(SiO
2)に対して固溶限界量以上の量の酸化ホウ素(B
23)を含むホウ珪酸ガラス組成物を用いて支持部材形
成膜を形成し、熱処理によって酸化ホウ素を凝集(相分
離)させ、凝集した酸化ホウ素を温水を用いてエッチン
グすると、酸化ホウ素が凝集していた部位に空孔を形成
することができる。
【0055】あるいは、本発明の平面型表示装置の製造
方法、並びに、本発明の第1の構成〜第4の構成に係る
製造方法において、多孔質体から成る支持部材を形成す
る工程は、エッチング速度が異なる複数の成分を含有し
た支持部材形成膜を形成する工程と、エッチング速度が
相対的に速い方の成分をエッチング除去する工程から成
る構成とすることができる。エッチング速度の異なる成
分数は、2であれば実用上は十分であるが、3以上であ
ってもよい。具体的には、例えば、2種類の異なる有機
側鎖を有するシラン誘導体を用いて支持部材形成膜を形
成し、熱処理によって支持部材形成膜をガラス化し、希
フッ酸水溶液を用いて支持部材形成膜をエッチングする
と、有機側鎖の種類に応じて相対的に溶解度の大きい支
持部材形成膜の部分が先に溶解し、空孔を形成すること
ができる。
【0056】本発明の第3の構成〜第5の構成に係る平
面型表示装置、あるいはその製造方法(本発明の第5の
構成〜第7の構成に係る平面型表示装置の製造方法)に
おいては、ゲート電極若しくは収束電極は、ガス捕捉材
料から成る単層構造とすることもできるし、あるいは
又、少なくとも、導電性材料又は絶縁性材料から成る第
1層と、ガス捕捉材料から成る第2層(ガス捕捉層)と
の積層構造を有する構成とすることができる。後者の場
合、より具体的には、少なくとも、導電性材料から成る
第1層と、ガス捕捉材料から成る第2層との積層構造、
少なくとも、絶縁性材料から成る第1層と、導電性を有
するガス捕捉材料から成る第2層(ガス捕捉層)との積
層構造とすることもできる。場合によっては、導電性材
料から成る第1層と、絶縁性材料から成る第2層と、ガ
ス捕捉材料から成る第3層(ガス捕捉層)との積層構
造、導電性を有するガス捕捉材料から成る第1層(ガス
捕捉層)と、絶縁性材料から成る第2層と、導電性を有
するガス捕捉材料から成る第3層(ガス捕捉層)との積
層構造とすることもできる。更には、4層以上の積層構
造であってもよい。尚、ゲート電極や収束電極を積層構
造とする場合、ゲート電極や収束電極の全ての部分が積
層構造である必要はなく、部分的に積層構造を有してい
てもよいが、この場合、積層構造を有していない部分は
導電性を有している必要がある。ゲート電極や収束電極
を、例えば2層の積層構造とする場合、第1層と第2層
とは同一のパターンを有していてもよいし、第2層が第
1層を被覆するパターンを有していてもよいし、第1層
が第2層を被覆するパターンを有していてもよい。第1
層を導電性材料から構成する場合、第2層は、導電性材
料、絶縁性材料のいずれによって構成されていてもよ
い。支持体側から、第1層、第2層の順に積層されてい
てもよいし、第2層、第1層の順に積層されていてもよ
い。3層の積層構造とする場合、支持体側から、第1
層、第2層、第3層の順に積層されていてもよいし、第
3層、第2層、第1層の順に積層されていてもよい。
尚、最表面はガス捕捉材料から成る層から構成されてい
ることが、ガス捕捉能力の増加といった観点から好まし
い。
【0057】本発明において、ガス捕捉層の構成材料と
しては、あるいは又、ガス捕捉材料として、あるいは
又、ガス捕捉材料層として(尚、これらを総称して、ガ
ス捕捉材料と呼ぶ場合がある)としては、ゲッター用材
料として従来から公知の材料をいずれも使用することが
できる。ゲッター用材料には、バリウムのように真空層
内で気化し、真空層に面した内部構成部材の表面に薄膜
を形成してゲッタリング機能を発揮する所謂蒸発型の材
料と、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、ジルコ
ニウム−アルミニウム合金、ジルコニウム−バナジウム
−アルミニウム合金、ジルコニウム−バナジウム−鉄合
金、ジルコニウム粉末とグラファイト粉末の混合物、あ
るいはマグネシウムのように、真空層内で固体状態を保
ったままゲッタリング機能を発揮する所謂非蒸発型の材
料とがあるが、本発明において用いられる材料は非蒸発
型の材料である。ガス捕捉層にあっては、支持部材の表
面に沿って支持部材上に形成されている必要があるの
で、ガス捕捉層の形成時には、段差被覆性に優れた方法
によって、しかも、支持部材の表面の凹凸や空孔を完全
に埋め込まない程度の厚さにガス捕捉層を形成すること
が好ましい。ガス捕捉層の形成方法として、蒸着法やス
パッタリング法、CVD法を挙げることができる。本発
明の第3の構成若しくは第4の構成に係る平面型表示装
置あるいはその製造方法において、ガス捕捉材料から成
る単層構造を有するゲート電極あるいは収束電極は、蒸
着法やスパッタリング法、CVD法にて形成することも
できる。また、本発明の第5の構成に係る平面型表示装
置あるいはその製造方法において、ガス捕捉材料層から
成る単層構造を有するゲート電極は、帯状あるいはシー
ト状の上記の材料から構成することもできる。更には、
本発明の第3の構成若しくは第4の構成に係る平面型表
示装置あるいはその製造方法において、ゲート電極ある
いは収束電極が、少なくとも、導電性材料又は絶縁性材
料から成る第1層と、ガス捕捉材料から成る第2層との
積層構造を有する場合、第1層及び第2層を、それらを
構成する材料に依存して、蒸着法やスパッタリング法、
CVD法、印刷法等によって形成することもできる。
尚、ゲート電極あるいは収束電極を少なくとも2層構成
とする場合、ゲート電極あるいは収束電極の全ての部分
を2層構成としてもよいし、ゲート電極あるいは収束電
極の全ての部分を第1層から構成し、一部分を第1層と
第2層の2層構成としてもよいし、ゲート電極あるいは
収束電極の全ての部分を第2層から構成し、一部分を第
1層と第2層の2層構成としてもよい。また、本発明の
第5の構成に係る平面型表示装置あるいはその製造方法
において、ゲート電極あるいは収束電極が、少なくと
も、導電性材料又は絶縁性材料から成る第1層と、ガス
捕捉材料から成る第2層との積層構造を有するガス捕捉
材料層から構成されている場合、第1層を帯状あるいは
シート状の金属層から構成し、第2層を塗布、蒸着法や
スパッタリング法、CVD法、印刷法、塗布法等によっ
て第1層上に形成する方法にて得ることもできるが、こ
れに限定するものではない。尚、ガス捕捉材料層を少な
くとも2層構成とする場合、ガス捕捉材料層の全ての部
分を2層構成としてもよいし、ガス捕捉材料層の全ての
部分を第1層から構成し、一部分を第1層と第2層の2
層構成としてもよいし、ガス捕捉材料層の全ての部分を
第2層から構成し、一部分を第1層と第2層の2層構成
としてもよい。
【0058】ガス捕捉材料は、温度の上昇に伴いガス捕
捉能力が高くなる特性を有することが好ましい。温度の
上昇に伴いガス捕捉能力が高くなる特性を有するガス捕
捉材料とすれば、蛍光体層等からの放出ガスや電子がゲ
ッターやゲート電極、収束電極に衝突することによりガ
ス捕捉材料の温度が上昇する結果、通常の物質のように
ガス等を放出することなく、むしろ、ガス捕捉材料のガ
ス捕捉能力が向上する。それ故、温度上昇に伴う平面型
表示装置の動作不安定を防止することが可能となる。あ
るいは又、ガス捕捉材料は、熱処理を施されることによ
りガス捕捉能力を有するように活性化されたものである
ことが好ましい。熱処理として、ガス捕捉材料への電子
ビームの照射、真空雰囲気又はアルゴンやヘリウム等の
不活性ガス雰囲気とした高熱炉における熱処理を挙げる
ことができる。あるいは又、ガス捕捉材料は、電子の衝
突による温度上昇に伴ってガス捕捉能力が高くなる特性
を有することが好ましい。ガス捕捉材料が、電子の衝突
による温度上昇に伴ってガス捕捉能力が高くなる特性を
有していれば、電子がダミーゲート電極に衝突すること
によりガス捕捉材料の温度が上昇する結果、通常の物質
のようにガス等を放出することがなく、むしろガス捕捉
材料のガス捕捉能力が向上する。それ故、温度上昇に伴
う平面型表示装置の動作不安定を防止することが可能と
なる。尚、温度の上昇に伴いガス捕捉能力が高くなる特
性を有するガス捕捉材料として、ジルコニウム−アルミ
ニウム合金、チタン−ジルコニウム−バナジウム−鉄合
金を例示することができる。
【0059】スピント型電子放出素子にあっては、電子
放出部を構成する材料として、タングステン(W)、モ
リブデン(Mo)、チタン(Ti)、ニオブ(Nb)、
タンタル(Ta)、クロム(Cr)、アルミニウム(A
l)、銅(Cu)等の金属又はこれらの金属元素を含む
合金や化合物(例えばTiN等の窒化物や、WSi2
MoSi2、TiSi2、TaSi2等のシリサイド)、
及び、不純物を含有するシリコン(ポリシリコンやアモ
ルファスシリコン)から成る群から選択された少なくと
も1種類の材料を挙げることができる。スピント型電子
放出素子の電子放出部は、例えば、蒸着法やスパッタリ
ング法、CVD法によって形成することができる。
【0060】クラウン型電子放出素子にあっては、電子
放出部を構成する材料として、導電性粒子、あるいは、
導電性粒子とバインダの組合せを挙げることができる。
導電性粒子として、黒鉛等のカーボン系材料;タングス
テン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタ
ン(Ti)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)等の
高融点金属;あるいはITO(インジウム錫酸化物)等
の透明導電材料を挙げることができる。バインダとし
て、例えば水ガラスといったガラスや汎用樹脂を使用す
ることができる。汎用樹脂として、塩化ビニル系樹脂、
ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース
エステル系樹脂、フッ素系樹脂等の熱可塑性樹脂や、エ
ポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等
の熱硬化性樹脂を例示することができる。電子放出効率
の向上のためには、導電性粒子の粒径が電子放出部の寸
法に比べて十分に小さいことが好ましい。導電性粒子の
形状は、球形、多面体、板状、針状、柱状、不定形等、
特に限定されないが、導電性粒子の露出部が鋭い突起と
なり得るような形状であることが好ましい。寸法や形状
の異なる導電性粒子を混合して使用してもよい。クラウ
ン型電子放出素子の電子放出部は、例えば、リフトオフ
法と組み合わせた塗布法、蒸着法、スパッタリング法に
よって形成することができる。
【0061】扁平型電子放出素子にあっては、電子放出
部を構成する材料として、カソード電極を構成する材料
よりも仕事関数Φの小さい材料から構成することが好ま
しく、どのような材料を選択するかは、カソード電極を
構成する材料の仕事関数、ゲート電極とカソード電極と
の間の電位差、要求される放出電子電流密度の大きさ等
に基づいて決定すればよい。電子放出素子におけるカソ
ード電極を構成する代表的な材料として、タングステン
(Φ=4.55eV)、ニオブ(Φ=4.02〜4.8
7eV)、モリブデン(Φ=4.53〜4.95e
V)、アルミニウム(Φ=4.28eV)、銅(Φ=
4.6eV)、タンタル(Φ=4.3eV)、クロム
(Φ=4.5eV)、シリコン(Φ=4.9eV)を例
示することができる。電子放出部は、これらの材料より
も小さな仕事関数Φを有していることが好ましく、その
値は概ね3eV以下であることが好ましい。かかる材料
として、炭素(Φ<1eV)、セシウム(Φ=2.14
eV)、LaB6(Φ=2.66〜2.76eV)、B
aO(Φ=1.6〜2.7eV)、SrO(Φ=1.2
5〜1.6eV)、Y23(Φ=2.0eV)、CaO
(Φ=1.6〜1.86eV)、BaS(Φ=2.05
eV)、TiN(Φ=2.92eV)、ZrN(Φ=
2.92eV)を例示することができる。仕事関数Φが
2eV以下である材料から電子放出部を構成すること
が、一層好ましい。尚、電子放出部を構成する材料は、
必ずしも導電性を備えている必要はない。
【0062】特に好ましい電子放出部の構成材料とし
て、炭素、より具体的にはダイヤモンド、中でもアモル
ファスダイヤモンドを挙げることができる。電子放出部
をアモルファスダイヤモンドから構成する場合、5×1
7V/m以下の電界強度にて、平面型表示装置に必要
な放出電子電流密度を得ることができる。また、アモル
ファスダイヤモンドは電気抵抗体であるため、各電子放
出部から得られる放出電子電流を均一化することがで
き、よって、平面型表示装置に組み込まれた場合の輝度
ばらつきの抑制が可能となる。更に、アモルファスダイ
ヤモンドは、平面型表示装置内の残留ガスのイオンによ
るスパッタ作用に対して極めて高い耐性を有するので、
電子放出素子の長寿命化を図ることができる。
【0063】あるいは又、電子放出部を構成する材料と
して、かかる材料の2次電子利得δがカソード電極を構
成する導電性材料の2次電子利得δよりも大きくなるよ
うな材料から適宜選択してもよい。即ち、銀(Ag)、
アルミニウム(Al)、金(Au)、コバルト(C
o)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ニオブ(N
b)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、タンタル(T
a)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)等の
金属;シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)等の半
導体;炭素やダイヤモンド等の無機単体;及び酸化アル
ミニウム(Al23)、酸化バリウム(BaO)、酸化
ベリリウム(BeO)、酸化カルシウム(CaO)、酸
化マグネシウム(MgO)、酸化錫(SnO2)、フッ
化バリウム(BaF2)、フッ化カルシウム(CaF2
等の化合物の中から、適宜選択することができる。尚、
電子放出部を構成する材料は、必ずしも導電性を備えて
いる必要はない。
【0064】平面型電子放出素子、クレータ型電子放出
素子やエッジ型電子放出素子にあっては、電子放出部あ
るいは電子放出層に相当するカソード電極を構成する材
料として、タングステン(W)やタンタル(Ta)、ニ
オブ(Nb)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、
クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、
金(Au)、銀(Ag)等の金属、あるいはこれらの合
金や化合物(例えばTiN等の窒化物や、WSi2、M
oSi2、TiSi2、TaSi2等のシリサイド)、あ
るいはダイヤモンド等の半導体、炭素薄膜を例示するこ
とができる。かかるカソード電極の厚さは、おおよそ
0.05〜0.5μm、好ましくは0.1〜0.3μm
の範囲とすることが望ましいが、かかる範囲に限定する
ものではない。カソード電極の形成方法として、例えば
電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着法といった蒸着
法、スパッタ法、CVD法やイオンプレーティング法と
エッチング法との組合せ、スクリーン印刷法、メッキ法
等を挙げることができる。スクリーン印刷法やメッキ法
によれば、直接、ストライプ状のカソード電極を形成す
ることが可能である。
【0065】あるいは又、扁平型電子放出素子、平面型
電子放出素子、クレータ型電子放出素子やエッジ型電子
放出素子にあっては、カソード電極(あるいはカソード
電極用導電材料層)や電子放出部(あるいは電子放出
層)を、導電性微粒子を分散させた導電性ペーストを用
いて形成することもできる。導電性微粒子としては、グ
ラファイト粉末;酸化バリウム粉末、酸化ストロンチウ
ム粉末、金属粉末の少なくとも一種を混合したグラファ
イト粉末;窒素、リン、ホウ素、トリアゾール等の不純
物を含むダイヤモンド粒子又はダイヤモンドライク・カ
ーボン粉末;カーボン・ナノ・チューブ粉末;(Sr,
Ba,Ca)CO3粉末;シリコン・カーバイド粉末を
例示することができる。特に、導電性微粒子としてグラ
ファイト粉末を選択することが、閾値電界の低減や電子
放出部の耐久性の観点から好ましい。導電性微粒子の形
状を、球状、鱗片状の他、任意の定形形状や不定形形状
とすることができる。また、導電性微粒子の粒径は、カ
ソード電極や電子放出部の厚さやパターン幅以下であれ
ばよい。粒径が小さい方が、単位面積当たりの放出電子
数を増大させることができるが、あまり小さ過ぎるとカ
ソード電極や電子放出部の導電性が劣化する虞がある。
よって、好ましい粒径の範囲はおおよそ0.01〜4.
0μmである。かかる導電性微粒子をガラス成分その他
の適当なバインダと混合して導電性ペーストを調製し、
この導電性ペースを用いてスクリーン印刷法により所望
のパターンを形成した後、パターンを焼成することによ
って電子放出部として機能するカソード電極や電子放出
部を形成することができる。あるいは、スピンコーティ
ング法とエッチング技術の組み合わせにより、電子放出
部として機能するカソード電極や電子放出部を形成する
こともできる。
【0066】また、スピント型電子放出素子やクラウン
型電子放出素子から成る第1の構造を有する電子放出素
子にあっては、カソード電極(あるいはカソード電極用
導電材料層)を構成する材料として、タングステン
(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデ
ン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、
銅(Cu)等の金属、これらの金属元素を含む合金ある
いは化合物(例えばTiN等の窒化物や、WSi2、M
oSi2、TiSi2、TaSi2等のシリサイド)、あ
るいはシリコン(Si)等の半導体、ITO(インジウ
ム錫酸化物)を例示することができる。カソード電極の
形成方法として、例えば電子ビーム蒸着法や熱フィラメ
ント蒸着法といった蒸着法、スパッタ法、CVD法やイ
オンプレーティング法とエッチング法との組合せ、スク
リーン印刷法、メッキ法等を挙げることができる。スク
リーン印刷法やメッキ法によれば、直接、ストライプ状
のカソード電極を形成することが可能である。
【0067】第1の構成及び第2の構成に係る平面型表
示装置にあっては、これらの構造にも依るが、カソード
電極、ゲート電極、上部ゲート電極、下部ゲート電極及
び収束電極を構成する材料として、タングステン
(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデ
ン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、
銅(Cu)等の金属、これらの金属元素を含む合金ある
いは化合物(例えばTiN等の窒化物や、WSi2、M
oSi2、TiSi2、TaSi2等のシリサイド)、あ
るいはシリコン(Si)等の半導体やダイヤモンド、カ
ーボン、ITO(インジウム錫酸化物)を例示すること
ができる。尚、これらの電極を構成する材料を、互いに
同種材料としてもよいし、異種の材料としてもよい。こ
れらの電極の形成方法として、蒸着法、スパッタリング
法、CVD法、イオン・プレーティング法、印刷法、メ
ッキ法等、通常の薄膜作製方法を利用できる。
【0068】本発明の平面型表示装置、並びに、本発明
の平面型表示装置の製造方法において、第1パネルの構
成要素である支持体は、少なくとも表面が絶縁性部材か
ら構成されていればよく、ガラス基板、表面に絶縁膜が
形成されたガラス基板、石英基板、表面に絶縁膜が形成
された石英基板、表面に絶縁膜が形成された半導体基板
を挙げることができる。また、第2パネルの構成要素で
ある基板も、支持体と同様に構成することができる。
【0069】絶縁層、第2絶縁層、上部絶縁層、あるい
は下部絶縁層の構成材料としては、SiO2、SiN、
SiON、SOG(スピンオングラス)、ガラス・ペー
スト硬化物を単独あるいは適宜組み合わせて使用するこ
とができる。絶縁層、第2絶縁層、上部絶縁層あるいは
下部絶縁層の形成には、CVD法、塗布法、スパッタリ
ング法、印刷法等の公知の方法を利用できる。
【0070】本発明の第5の構成に係る平面型表示装置
あるいはその製造方法(本発明の第7の構成に係る平面
型表示装置の製造方法)においては、スペーサは、隣り
合うストライプ状のカソード電極の間の領域に形成すれ
ばよく、あるいは又、複数のカソード電極を一群のカソ
ード電極群としたとき、隣り合うカソード電極群の間の
領域に形成すればよい。場合によっては、スペーサは、
有効領域と無効領域との境界の近傍にのみ形成してもよ
い。スペーサを構成する材料として、従来公知の絶縁材
料を使用することができ、例えば、広く用いられている
低融点ガラスにアルミナ等の金属酸化物を混合した材料
を用いることができる。スペーサの形成方法として、ス
クリーン印刷法、サンドブラスト法、ドライフィルム
法、感光法を例示することができる。ドライフィルム法
とは、基板上に感光性フィルムをラミネートし、露光及
び現像によってスペーサを形成すべき部位の感光性フィ
ルムを除去し、除去によって生じた開口部に絶縁材料を
埋め込み、焼成する方法である。感光性フィルムは焼成
によって燃焼、除去され、開口部に埋め込まれた隔壁形
成用の絶縁材料が残り、隔壁状のスペーサとなる。感光
法とは、基板上に感光性を有する隔壁形成用の絶縁材料
を形成し、露光及び現像によってこの絶縁材料をパター
ニングした後、焼成を行う方法である。尚、スペーサ
は、上述の絶縁層を構成する材料に基づき、CVD法、
塗布法、スパッタリング法、印刷法等の公知の方法にて
形成することもできる。
【0071】電子放出素子における開口部の平面形状
(基板表面と平行な仮想平面で開口部を切断したときの
形状)は、円形、楕円形、矩形、多角形、丸みを帯びた
矩形、丸みを帯びた多角形等、任意の形状とすることが
できる。開口部の形成は、例えば、等方性エッチング、
異方性エッチングと等方性エッチングの組合せによって
行うことができる。また、電子放出素子において、ゲー
ト電極及び絶縁層に設けられた1つの開口部内に1つの
電子放出部が存在してもよいし、ゲート電極及び絶縁層
に設けられた1つの開口部内に複数の電子放出部が存在
してもよいし、ゲート電極に複数の開口部を設け、かか
る開口部と連通する1つの開口部を絶縁層に設け、絶縁
層に設けられた1つの開口部内に1又は複数の電子放出
部が存在してもよい。
【0072】電子放出素子において、カソード電極と電
子放出部との間に抵抗体層を設けてもよい。あるいは
又、カソード電極の表面あるいはそのエッジ部が電子放
出部に相当している場合、即ち、平面型電子放出素子あ
るいはエッジ型電子放出素子の場合、カソード電極を導
電材料層、抵抗体層、電子放出部に相当する電子放出層
の3層構成としてもよい。抵抗体層を設けることによっ
て、電子放出素子の動作安定化、電子放出特性の均一化
を図ることができる。抵抗体層を構成する材料として、
シリコンカーバイド(SiC)といったカーボン系材
料、SiN、アモルファスシリコン等の半導体材料、酸
化ルテニウム(RuO2)、酸化タンタル、窒化タンタ
ル等の高融点金属酸化物を例示することができる。抵抗
体層の形成方法として、スパッタ法や、CVD法やスク
リーン印刷法を例示することができる。抵抗値は、概ね
1×105〜1×107Ω、好ましくは数MΩとすればよ
い。
【0073】尚、本発明の第1の構成〜第5の構成に係
る平面型表示装置においては、本発明のゲッターを、第
2パネルの有効領域に更に設けてもよい。
【0074】本発明の第1の構成〜第5の構成に係る平
面型表示装置において、冷陰極電界電子放出表示装置を
想定した場合の第2パネルの一般的な構成としては、有
効領域内の基板上の全面にアノード電極が設けられ、ア
ノード電極上に所定のパターンを有する蛍光体層が設け
られたタイプと、有効領域内の基板上に所定のパターン
を有する蛍光体層が設けられ、蛍光体層及び基板上に全
面的にメタルバックを兼ねたアノード電極が設けられた
タイプとがある。前者の場合、蛍光体層の上に、アノー
ド電極と導通した所謂メタルバック膜を形成してもよ
い。後者の場合、アノード電極の上にメタルバック膜を
更に形成してもよい。アノード電極は、有効領域を1枚
のシート状の導電材料で被覆した形式のアノード電極と
してもよいし、1又は複数の電子放出領域に対応するア
ノード電極ユニットが集合した形式のアノード電極とし
てもよい。蛍光体層は、ストライプ状あるいはドット状
に形成されている。尚、カラー表示用の場合、ストライ
プ状又はドット状にパターニングされた赤(R)、緑
(G)、青(B)の三原色に対応する蛍光体層が交互に
配置されている。ストライプ状あるいはドット状の蛍光
体層は、電子放出領域と対向している。蛍光体層と蛍光
体層の間には、ブラックマトリクスが形成されていても
よい。本発明の第1の構成〜第5の構成に係る平面型表
示装置においては、いずれのタイプにおいても、本発明
のゲッターを、蛍光体層が形成されていない有効領域に
おいて、真空層に面した部分(例えば、アノード電極
上)に形成することができる。実用的な第2パネルの構
成において、隣り合う蛍光体層間のスペースがコントラ
ストを向上させるためのブラックマトリクスで埋め込ま
れている場合には、ブラックマトリクス上、あるいはブ
ラックマトリクス上に位置するアノード電極の部分に、
本発明のゲッターを設けてもよい。アノード電極は、例
えば、アルミニウムから成る金属薄膜や、ITO(イン
ジウム錫酸化物)等の透明導電材料から構成することが
できる。
【0075】本発明の平面型表示装置あるいはその製造
方法においては、放出ガスの生じる部位の近くにゲッタ
ーを配するので、あるいは又、ゲート電極や収束電極が
ゲッターとして機能するので、これらのガス捕捉作用に
より真空層内における圧力の上昇及び放電を効果的に防
止することができる。
【0076】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、発明の実
施の形態(以下、実施の形態と略称する)に基づき本発
明を説明する。
【0077】(実施の形態1)実施の形態1は、本発明
のゲッター及び平面型表示装置に関する。本発明のゲッ
ターの構成例について、図1の(A)〜図1の(C)を
参照して説明する。図1の(A)に示すゲッター43A
(第1形式のゲッター43Aと呼ぶ)は、基体40上に
形成され、表面に凹凸を有する支持部材と、支持部材の
表面に沿って支持部材に形成されたガス捕捉層42とか
ら構成されている。ここで、支持部材は半球状シリコン
粒子41(略半球状のシリコン粒子に相当)から成る。
図1の(B)には、基体40上に形成された非晶質シリ
コン層44と、非晶質シリコン層44上に形成された半
球状シリコン粒子41とから支持部材が構成されたゲッ
ター43B(第2形式のゲッター43Bと呼ぶ)を示
す。非晶質シリコン層44は、半球状シリコン粒子から
成る支持部材を基体40の表面に直接成長させ難い場合
に、シリコン核の形成を容易化して半球状シリコン粒子
41の成長を促進する役割を果たす。図1の(C)に示
すゲッター43C(第3形式のゲッター43Cと呼ぶ)
においては、支持部材は多孔質体45から成る。第1形
式、第2形式あるいは第3形式のゲッター43A,43
B,43Cのいずれにおいても、ガス捕捉層42の表面
積はガス捕捉層の表面が平坦である場合に比べて増大し
ているので、外部環境中に存在する放出ガスを効率的に
捕捉することができる。かかる本発明の第1形式、第2
形式あるいは第3形式のゲッター43A,43B,43
Cは、本発明の平面型表示装置、本発明の第1の構成及
び第2の構成に係る平面型表示装置の他、陰極線管に用
いることもできる。
【0078】次に、本発明の平面型表示装置の模式的な
構成例を、図2の(A)〜図2の(C)に例示する。図
2の(A)に示す平面型表示装置は、第1パネルP1
第2パネルP2とが真空層VACを挟んで対向配置さ
れ、画素が配列されて成る有効領域EF1,EF2を有
し、第1パネルP1の有効領域EF1に、真空層VACの
真空度を維持するためのゲッターが設けられている。
尚、第1パネルP1と第2パネルP2は、互いの周縁部に
おいてシール部材Sを介して接合されている。図2の
(B)に示す平面型表示装置では、第2パネルP2の有
効領域EF2に、真空層VACの真空度を維持するため
のゲッターが設けられている。更に、図2の(C)に示
す平面型表示装置では、第1パネルP1と第2パネルP2
の双方の有効領域EF1,EF2に、真空層VACの真空
度を維持するためのゲッターが設けられている。第1パ
ネルP1と第2パネルP2とを、それぞれ、冷陰極電界電
子放出表示装置のカソードパネルとアノードパネルとす
れば、ゲッターはカソードパネルかアノードパネルのい
ずれか一方に設けられていても、あるいは双方のパネル
に設けられていてもよい。
【0079】尚、シール部材Sは、接着層であってもよ
いし、あるいはガラスやセラミック等の絶縁剛性材料か
ら成る枠体と接着層との組合せであってもよい。シール
部材Sとして、接着層と枠体との組合せを採用した場合
には、枠体の高さを適宜選択することにより、接着層の
みを使用する場合に比べ、パネル間の対向距離をより長
く設定することが可能である。尚、接着層としては、フ
リットガラスが一般的であるが、融点が120〜400
°C程度の所謂低融点金属材料を用いてもよい。かかる
低融点金属材料としては、In(インジウム:融点15
7゜C);インジウム−金系の低融点合金;Sn80Ag
20(融点220〜370゜C)、Sn95Cu5(融点2
27〜370゜C)等の錫(Sn)系高温はんだ;Pb
97.5Ag2 .5(融点304゜C)、Pb94.5Ag5.5(融
点304〜365゜C)、Pb97. 5Ag1.5Sn1.0(融
点309゜C)等の鉛(Pb)系高温はんだ;Zn95
5(融点380゜C)等の亜鉛(Zn)系高温はん
だ;Sn5Pb95(融点300〜314゜C)、Sn2
98(融点316〜322゜C)等の錫−鉛系標準はん
だ;Au88Ga12(融点381゜C)等のろう材(以上
の添字は全て原子%を表す)を例示することができる。
【0080】第1パネルP1と第2パネルP2と枠体の三
者を接合する際には、三者同時接合を行ってもよいし、
あるいは、第1段階でいずれか一方のパネルと枠体を先
に接合し、第2段階で他方のパネルと枠体とを接合して
もよい。三者同時接合や第2段階における接合を高真空
容器内で行えば、第1パネルP1と第2パネルP2とシー
ル部材Sとにより囲まれた空間は、接合と同時に真空層
VACとなる。あるいは、三者の接合終了後、第1パネ
ルP1と第2パネルP2とシール部材Sとにより囲まれた
空間を排気して真空層VACとすることもできる。この
ように接合後に排気を行う場合、接合時の雰囲気は常圧
/減圧のいずれであってもよく、また、大気であって
も、あるいは窒素ガスや周期律表0族に属するガス(例
えばArガス)を含む不活性ガスであってもよい。
【0081】接合後に排気を行う場合、排気は、第1パ
ネルP1及び/又は第2パネルP2に予め接続されたチッ
プ管(図示せず)を通じて行うことができる。チップ管
は、典型的にはガラス管を用いて構成され、第1パネル
1及び/又は第2パネルP2の無効領域NE1,NE
2(即ち、表示画面として機能する有効領域EF1,EF
2以外の領域)に設けられた貫通孔の周囲に、フリット
ガラス又は上述の低融点金属材料を用いて接合されてお
り、空間が所定の真空度に達した後、例えば加熱処理を
行ってガス捕捉層あるいはガス捕捉材料の活性化を図
り、次いで、熱融着によってチップ管を封じ切る。
【0082】次に、本発明の第1の構成に係る平面型表
示装置について、図3の(A)〜図3の(D)を参照し
ながら説明する。ここでは、簡単のために、第1パネル
1の有効領域EF1に設けられた冷陰極電界電子放出素
子(以下、電子放出素子と呼ぶ)とゲッターのみを図示
する。電子放出素子は、支持体10上に設けられたカソ
ード電極11、カソード電極11上及び支持体10上に
設けられた絶縁層12、絶縁層12上に設けられたゲー
ト電極13、ゲート電極13と絶縁層12とを貫通した
開口部14、並びに、開口部14の底部に位置するカソ
ード電極11上に設けられた電子放出部15,15A,
15B,15Cから成る。そして、第1パネルP1
は、ゲート電極13上に設けられたゲッターが更に備え
られている。ここではゲッターとして第2形式のゲッタ
ー43Bを図示したが、第1形式のゲッター43A又は
第3形式のゲッター43Cであってもよい。図3の
(A)に示す電子放出素子は、所謂スピント型電子放出
素子と呼ばれるタイプであり、円錐形の電子放出部15
を有する。図3の(B)に示す電子放出素子は、クラウ
ン型電子放出素子と呼び得るタイプであり、王冠形の電
子放出部15Aを有する。図3の(C)に示す電子放出
素子は、扁平型と呼び得るタイプであり、扁平な電子放
出部15Bを有する。扁平であっても十分な放出電子電
流を得るために、電子放出部15Bは、一般的な高融点
金属よりも電子放出効率の高い材料から構成されてい
る。また、図3の(D)に示す電子放出素子は、所謂平
面型電子放出素子と呼ばれるタイプで、開口部14の底
部におけるカソード電極11の露出部分が電子放出部1
5Cに相当する。
【0083】本発明の第1の構成に係る他の平面型表示
装置について、図4の(A)〜図4の(C)を参照しな
がら説明する。ここでは、簡単のために、第1パネルP
1の有効領域EF1に設けられた電子放出素子(エッジ型
電子放出素子)とゲッターのみを図示する。これらの図
面において、電子放出素子は、支持体10上に形成さ
れ、電子放出層111を被覆した絶縁層、絶縁層上に設
けられたゲート電極13、ゲート電極13と電子放出層
111とを貫通し、絶縁層に設けられた開口部14、並
びに、開口部14の側壁面に露出した電子放出層111
の端部111Aから成る電子放出部から構成されてい
る。そして、第1パネルP1には、ゲート電極13上に
設けられたゲッターが更に備えられている。ここではゲ
ッターとして第2形式のゲッター43Bを図示したが、
第1形式のゲッター43A又は第3形式のゲッター43
Cであってもよい。図4の(A)に示す電子放出素子で
は、絶縁層は単一の絶縁層12から成り、電子放出層1
11は支持体10に接して設けられている。図4の
(B)に示す電子放出素子では、絶縁層は電子放出層1
11の下側に設けられた下部絶縁層12Aと、電子放出
層111の上側に設けられた上部絶縁層12Bから構成
されており、開口部14は、上部絶縁層12Bに加え、
下部絶縁層12Aの一部を除去するように形成されてい
る。また、図4の(C)に示す電子放出素子では、絶縁
層は電子放出層111の下側に設けられた下部絶縁層1
2Aと、電子放出層111の上側に設けられた上部絶縁
層12Bから構成されており、下部絶縁層12Aの更に
下には更に第1ゲート電極13Aが設けられ、開口部1
4の底部には第1ゲート電極13Aが露出している。ま
た、上部絶縁層12B上には、第2ゲート電極13Bが
設けられている。この第1ゲート電極13Aを設けるこ
とにより、電子放出部に相当する開口部14の壁面から
突出した電子放出層111の端部111Aの近傍により
高強度の電界を形成することができる。尚、他の形式の
電子放出素子については、後述する。
【0084】(実施の形態2)実施の形態2は、本発明
の第1の構成に係る製造方法と、これによって得られる
本発明の第1の構成に係る平面型表示装置に関する。第
1の構成に係る平面型表示装置の代表例として、図3の
(A)に示したスピント型電子放出素子を備えた平面型
表示装置(冷陰極電界電子放出表示装置)の製造方法の
工程図を図5〜図8に示し、平面型表示装置(冷陰極電
界電子放出表示装置)の全体図を図9に示す。また、平
面型表示装置を分解したときの模式的な概念的斜視図を
図10に示し、平面型表示装置を分解したときの模式的
な斜視図を図11に示す。
【0085】実施の形態2における製造方法において
は、ゲッターの具体例として、図1の(B)に示した第
2形式のゲッター43Bを用いる。ゲッターとしては、
第2形式のゲッター43Bだけでなく、第1形式のゲッ
ター43A、第3形式のゲッター43Cを用いることも
できる。尚、図5〜図7では、簡単のために、第1パネ
ルP1の有効領域に設けられた電子放出素子及びゲッタ
ーのみを図示する。また、図6及び図7では、ゲート電
極1本に付き、開口部及び電子放出部は各1個だけ図示
する。
【0086】スピント型電子放出素子の製造方法は、基
本的には、円錐形の電子放出部15を金属材料の垂直蒸
着により形成する方法である。即ち、開口部14に対し
て蒸着粒子は垂直に入射するが、開口部14の付近に形
成されるオーバーハング状の堆積物による遮蔽効果を利
用して、開口部14の底部に到達する蒸着粒子の量を漸
減させ、円錐形の堆積物である電子放出部15を自己整
合的に形成する。以下、不要なオーバーハング状の堆積
物の除去を容易とするために、ゲート電極13上に剥離
層18を予め形成しておく方法に基づくスピント型電子
放出素子を備えた平面型表示装置の製造方法の概要を、
支持体等の模式的な一部端面図である図5〜図7、及び
基板等の模式的な一部断面図である図8を参照して説明
する。
【0087】[工程−200]先ず、一例としてガラス
基板から成る支持体10の上に、スパッタリング法によ
り厚さ約0.2μmのクロムから成るカソード電極用導
電材料層を成膜し、リソグラフィ技術及びエッチング技
術に基づき、このカソード電極用導電材料層をストライ
プ状にパターニングし、カソード電極11を形成する。
次に、カソード電極11及び支持体10上に絶縁層12
を形成する。ここでは一例としてTEOS(テトラエト
キシシラン)原料ガスとして用いるCVD法により、S
iO2層を約1μmの厚さに形成する。続いて、この絶
縁層12上に、ゲート電極形成用の導電材料層(ゲート
電極用導電材料層13’)を形成する。ここでは、ゲー
ト電極用導電材料層13’として、例えば厚さ約0.2
μmのクロム層をスパッタリング法により成膜する。
【0088】更に、ゲート電極用導電材料層13’上
に、ゲッター形成層43を形成する。ゲッター形成層4
3は、下層側から順に、非晶質シリコン層44、半球状
シリコン粒子41、及び、例えばアルミニウム−ジルコ
ニウム合金から成るガス捕捉層42から構成される(図
1の(B)参照)。非晶質シリコン層44と半球状シリ
コン粒子41とにより、支持部材が構成される。減圧C
VD法による非晶質シリコン層44の形成条件の一例を
下記の表1に示す。尚、PH3は添加しなくてもよい。
また、半球状シリコン粒子41の形成工程において、減
圧CVD法による核形成条件の一例を下記の表2に示
す。更に、支持部材上には、例えばアルミニウム−ジル
コニウム合金より成るガス捕捉層42を、スパッタリン
グ法により形成する(図5の(A)参照)。
【0089】[表1] [非晶質シリコン層の形成条件] SiH4流量:15SCCM PH3流量 :2SCCM 圧力 :1×10-3Pa 形成温度 :540°C
【0090】[表2] [核形成条件] SiH4流量:20SCCM He流量 :30SCCM 圧力 :1.33×10-3Pa 核形成温度 :560°C
【0091】[工程−210]次に、フォトリソグラフ
ィ技術によってゲッター形成層43上にエッチング用マ
スクEMを形成し、このエッチング用マスクEMをエッ
チングマスクとして用い、ゲッター形成層43及びゲー
ト電極用導電材料層13’を反応性イオンエッチングに
てパターニングする。これにより、第2形式のゲッター
43Bが上面に設けられたゲート電極13を形成するこ
とができる(図5の(B)参照)。
【0092】[工程−220]次に、エッチング用マス
クEMを除去し、新たにエッチング用マスクEMを第2
形式のゲッター43B及び絶縁層12上に形成し、この
エッチング用マスクEMを用いて、第2形式のゲッター
43B、ゲート電極13及び絶縁層12のエッチングを
順次行うことにより、底部にカソード電極11が露出し
た開口部14を形成する。ここで、第2形式のゲッター
43Bとゲート電極13における開口部の形成は、反応
性イオンエッチングにより行い、絶縁層12における開
口部の形成は、緩衝化フッ酸水溶液を用いたウェットエ
ッチングにより行うことができる。絶縁層12のエッチ
ングは等方的に進行するので、開口部14の側壁面は、
図6の(A)に示すように、ゲート電極13の端部より
も後退する。このときの後退量はエッチング時間の長短
により制御することができる。かかる開口部14の形状
は、開口部14内の電界強度を高める上で好都合であ
る。
【0093】[工程−230]次に、エッチング用マス
クEMを除去し、全面にアルミニウムを斜め蒸着するこ
とにより、図6の(B)に示すような剥離層18を形成
する。このとき、支持体10の法線に対する蒸着粒子の
入射角を十分に大きく選択することにより、開口部14
の底部にアルミニウムを殆ど堆積させることなく、第2
形式のゲッター43B上及び絶縁層12上に剥離層18
を形成することができる。この剥離層18は、開口部1
4の開口端部から庇状に張り出しており、これにより開
口部14が実質的に縮径される。
【0094】[工程−240]次に、全面に例えばモリ
ブデン(Mo)を垂直蒸着する。このとき、剥離層18
上でオーバーハング形状を有する電子放出部形成層19
が成長するに伴い、開口部14の実質的な直径が次第に
縮小されるので、開口部14の底部において堆積に寄与
する蒸着粒子は、次第に開口部14の中央付近を通過す
る成分に限定されるようになる。その結果、図7の
(A)に示すように、開口部14の底部には円錐形の堆
積物が形成され、この円錐形の堆積物が電子放出部15
となる。
【0095】[工程−250]その後、リン酸水溶液を
用いて剥離層18をその上の電子放出部形成層19と共
に除去すると、図7の(B)に示すようなスピント型電
子放出素子を完成することができる。
【0096】[工程−260]かかる電子放出素子が多
数形成された第1パネル(カソードパネル)P1と第2
パネル(アノードパネル)P2とを組み合わせると、平
面型表示装置を得ることができる。具体的には、例え
ば、セラミックスやガラスから作製された高さ約1mm
の枠体24を用意し、枠体24と第1パネルP1と第2
パネルP2とを例えばフリットガラスを用いて貼り合わ
せ、フリットガラスを乾燥した後、約450゜Cで10
〜30分焼成すればよい。次いで、平面型表示装置の内
部を10-4Pa程度の真空度となるまで排気後、例えば
加熱処理を行ってガス捕捉層(ガス捕捉材料)の活性化
を図る。その後、適当な方法でチップ管17を封止す
る。あるいは又、例えば、枠体24と第1パネルP1
第2パネルP2との貼り合わせを高真空雰囲気中で行っ
てもよい。あるいは又、平面型表示装置の構造に依って
は、枠体無しで、第1パネルP1と第2パネルP2とを貼
り合わせてもよい。
【0097】第2パネルP2の製造方法の一例を、以
下、図8を参照して説明する。先ず、発光性結晶粒子組
成物を調製する。そのために、例えば、純水に分散剤を
分散させ、ホモミキサーを用いて3000rpmにて1
分間、撹拌を行う。次に、先に説明した発光性結晶粒子
を分散剤が分散した純水中に投入し、ホモミキサーを用
いて5000rpmにて5分間、撹拌を行う。その後、
例えば、ポリビニルアルコール及び重クロム酸アンモニ
ウムを添加して、十分に撹拌し、濾過する。
【0098】第2パネルP2の製造においては、例えば
ガラスから成る基板20上の全面に感光性被膜25を形
成(塗布)する。そして、露光光源(図示せず)から射
出され、マスク28に設けられた孔部29を通過した露
光光によって、基板20上に形成された感光性被膜25
を露光して感光領域26を形成する(図8の(A)参
照)。その後、感光性被膜25を現像して選択的に除去
し、感光性被膜の残部(露光、現像後の感光性被膜)2
7を基板20上に残す(図8の(B)参照)。次に、全
面にカーボン剤(カーボンスラリー)を塗布し、乾燥、
焼成した後、リフトオフ法にて感光性被膜の残部27及
びその上のカーボン剤を除去することによって、露出し
た基板20上にカーボン剤から成るブラックマトリクス
22とを形成し、併せて、感光性被膜の残部27を除去
する(図8の(C)参照)。その後、露出した基板20
上に、赤、緑、青の各蛍光体層21を形成する(図8の
(D)参照)。具体的には、上述した各発光性結晶粒子
(蛍光体粒子)から調製された発光性結晶粒子組成物を
使用し、例えば、赤色の感光性の発光性結晶粒子組成物
(蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像し、次
いで、緑色の感光性の発光性結晶粒子組成物(蛍光体ス
ラリー)を全面に塗布し、露光、現像し、更に、青色の
感光性の発光性結晶粒子組成物(蛍光体スラリー)を全
面に塗布し、露光、現像すればよい。その後、蛍光体層
21及びブラックマトリクス22上にスパッタリング法
にて厚さ約0.07μmのアルミニウム薄膜から成るア
ノード電極23を形成する。尚、スクリーン印刷法等に
より各蛍光体層21を形成することもできる。
【0099】図9に、実施の形態2に係る平面型表示装
置の構成例を示す。図9では、1本のゲート電極13に
つき開口部14及び電子放出部15を2個ずつ図示した
が、スピント型電子放出素子の基本的な構成は図7の
(B)に示した通りである。上述のスピント型電子放出
素子は、第1パネルP1(カソードパネルとも称され
る)の有効領域EF1に形成されている。一方、第2パ
ネルP2(アノードパネルとも称される)は、基板20
と、基板20上に所定のパターンに従って形成された蛍
光体層21(蛍光体層21R,21G,21B)と、蛍
光体層21上の全面に亙って形成されたアノード電極2
3から構成されている。尚、隣り合う蛍光体層21の間
は、コントラストを向上させるためにブラックマトリク
ス22で埋め込まれている。
【0100】平面型表示装置を分解した概念図を図10
に示すように、実施の形態1の平面型表示装置は、第1
パネルP1(表示用パネル)と第2パネルP2とが真空層
VACを挟んで対向して配置され、第1パネルP1と第
2パネルP2とが周縁部において枠体24を介して接合
されている。図10では、接合部位をハッチングで表し
た。第1パネルP1及び第2パネルP2の各々は、画素が
配列され、実際の表示画面として機能する有効領域EF
1,EF2(ハッチングで表示)と、有効領域EF 1,E
2を包囲し、画素を選択するための周辺回路等が形成
された無効領域NE 1,NE2とに、機能上、大別され
る。無効領域NE1には真空排気用の別の貫通孔16が
設けられており、この貫通孔16には、真空排気後に封
じ切られるチップ管17が接続されている。真空層VA
Cの真空度は、10-4〜10-6Paのオーダーである。
【0101】図11に示すように、カソード電極11を
構成するストライプ状の導電材料層(カソード電極用導
電材料層)と、ゲート電極13を構成するストライプ状
のゲート電極用導電材料層とは、これらの層の射影像が
互いに直交する方向に形成されており、これらのストラ
イプ状の層の射影像が重複する部分に相当する領域(1
画素分の領域に相当し、電子放出領域である)に、実施
の形態2においては、複数の電子放出素子が配列されて
いる。更に、かかる電子放出領域が、第1パネルP1
有効領域EF1内に、通常、2次元マトリクス状に配列
されている。1画素は、第1パネルP1側のカソード電
極用導電材料層とゲート電極用導電材料層とが重複した
電子放出領域(所定数が配列された電子放出素子の一群
を有する)と、電子放出領域に対面した第2パネルP2
側の蛍光体層21とによって構成される。有効領域EF
1,EF2には、かかる画素が、例えば数十万〜数百万個
ものオーダーにて2次元マトリックス状に配列されてい
る。
【0102】カソード電極11には相対的な負電圧が走
査回路30から印加され、ゲート電極13には相対的な
正電圧が制御回路31から印加され、アノード電極23
にはゲート電極13よりも更に高い正電圧が加速電源3
2から印加される。かかる平面型表示装置において表示
を行う場合、カソード電極11には走査回路30から走
査信号が入力され、ゲート電極13には制御回路31か
らビデオ信号が入力される。ゲート電極13とカソード
電極11との電位差ΔVが、或る閾値電圧Vth以上にな
ると、かかる電位差ΔVによって生成した電界に基づ
き、電子放出部15の先端から量子トンネル効果によっ
て電子が放出される。
【0103】具体的には、実施の形態2の平面型表示装
置において、行方向(X方向)に配列された電子放出領
域を列方向(Y方向)に順次作動させる。即ち、ゲート
電極13が形成されたストライプ状のゲート電極用導電
材料層のそれぞれに、順次、走査回路31から一定の電
圧VGを印加していく。一方、制御回路30からカソー
ド電極11を構成するストライプ状のカソード電極用導
電材料層のそれぞれに0≦[VC-MAX乃至VC-MIN](<
G)の電圧を印加する。これによって、電圧VGが印加
されたストライプ状のゲート電極用導電材料層と、電圧
C-MAX乃至V C-MINが印加されたそれぞれのカソード電
極用導電材料層とが重複する電子放出領域にあっては、
(VG−VC-MIN)のとき、電位差ΔVが最大となり、電
子放出領域からの電子放出量が最大となり、この電子が
アノード電極23に引き付けられ、蛍光体層21に衝突
する。尚、アノード電極23にはゲート電極13よりも
更に高い正電圧が加速電源32から印加される。その結
果、かかる電子放出領域に対応した蛍光体層の発光輝度
が最高となる。一方、(VG−VC-MAX)のとき、電位差
ΔVは最小となり、電子放出領域からは電子が放出され
ず、かかる電子放出領域に対応した蛍光体層は発光しな
い。カソード電極用導電材料層のそれぞれにVC-MAX
至VC-MINの電圧を印加することによって、蛍光体層の
発光輝度の制御を行うことができる。
【0104】かかる構成を有する平面型表示装置におい
ては、第2形式のゲッター43Bが第1パネルP1の有
効領域EF1、より具体的には各ゲート電極13上に設
けられているため、有効領域内のあらゆる場所に位置す
るスピント型電子放出素子に対して均等なガス捕捉効果
が保証される。従って、かかる平面型表示装置において
は、局所放電や電子放出部の損傷が抑制され、長寿命、
高画質が達成される。
【0105】(実施の形態3)実施の形態3は、実施の
形態2の変形例である。実施の形態3と実施の形態2の
主な相違点は、多孔質体45から成る支持部材を有する
第3形式のゲッター43Cを形成する点である。
【0106】先ず、カソード電極11の構成材料として
ITOを用いた他は、実施の形態2の[工程−200]
と同様にして、ゲート電極用導電材料層13’の形成を
行う。次に、ゲート電極用導電材料層13’上に、ゲッ
ター形成層43を形成する。ゲッター形成層43は、下
層側から順に、多孔質体45、及び、多孔質体45上に
形成されたガス捕捉層42から構成される(図1の
(C)参照)。ここでは、例えば、メチルシロキサン溶
液を回転数約3000rpmにて回転塗布法により全面
に塗布し、得られた支持部材形成膜を約500°Cにて
焼成することにより、酸化シリコン系キセロゲルから成
る多孔質体45を形成する。続いて、例えばスパッタリ
ング法又はCVD法により、チタン(Ti)から成るガ
ス捕捉層42を多孔質体45上に形成する。CVD法に
よるチタン(Ti)から成るガス捕捉層42を形成する
条件の一例を、下記の表3に示す。以降の工程は、電子
放出部15をタングステンを用いて形成する他は、実施
の形態2と同様とすることができる。実施の形態3にお
いても、図9〜図11に示したと同様の平面型表示装置
を構成することができる。
【0107】 [表3] [チタンTiから成るガス捕捉層の形成条件] CVD装置 :有磁場マイクロ波プラズマCVD装置 TiCl4 :15SCCM H2流量 :50SCCM Ar流量 :43SCCM 圧力 :0.3Pa マイクロ波パワー:2.0kW(2.45GHz) 形成温度 :420゜C
【0108】(実施の形態4)実施の形態4は、実施の
形態3の変形例である。実施の形態4と実施の形態3と
の主な相違点は、多孔質体45を相分離を応用して形成
する点である。多孔質体45の形成工程では、先ず、例
えば、TEOSとトリメトキシ硼酸とを10:3の重量
比にてエタノールに溶解した溶液を回転数約3000r
pmにて回転塗布法により全面に塗布する。次に、得ら
れた支持部材形成膜を約200°Cにて仮焼成し、溶液
中に含まれる有機物を除去する。更に、約500°Cに
て本焼成を行うと、相分離により、ホウ珪酸ガラス中に
酸化ホウ素の微粒子が析出した状態が得られる。その
後、温水を用いたエッチングを行うと、酸化ホウ素の微
粒子のみが溶解除去され、ホウ珪酸ガラスの多孔質体4
5が得られる。以降の工程は、実施の形態3と同様とす
ることができる。実施の形態4においても、図9〜図1
1に示したと同様の平面型表示装置を構成することがで
きる。
【0109】(実施の形態5)実施の形態5は、実施の
形態3の更に他の変形例である。実施の形態5と実施の
形態3との主な相違点は、エッチング速度が相対的に速
い成分をエッチング除去することにより多孔質体45を
形成する点である。多孔質体45の形成工程では、先
ず、例えば、TEOSとメチルトリメトキシシランとを
10:4の重量比にてエタノールに溶解した溶液を回転
数約3000rpmにて回転塗布法により全面に塗布す
る。次に、得られた支持部材形成膜を約200°Cにて
仮焼成し、溶液中に含まれる有機物を除去する。このと
き得られる支持部材形成膜中では、TEOSに由来する
酸化シリコンとメチルトリメトキシシランに由来する酸
化シリコンとが共存している。続いて、1%フッ酸水溶
液を用いたエッチングを行うと、エッチング速度が相対
的に速いメチルトリメトキシシランに由来する酸化シリ
コンが溶解除去され、TEOSに由来する酸化シリコン
の多孔質体45が得られる。以降の工程は、実施の形態
3と同様とすることができる。実施の形態5において
も、図9〜図11に示したと同様の平面型表示装置を構
成することができる。
【0110】(実施の形態6)実施の形態6は、本発明
の第2の構成に係る製造方法と、これによって得られる
本発明の第2の構成に係る平面型表示装置に関する。以
下、実施の形態6を、図12及び図13を参照して説明
する。
【0111】[工程−600]絶縁層12の形成まで
を、実施の形態2の[工程−200]と同様に行う。次
に、絶縁層12上にゲート電極13を形成する。ゲート
電極13は、実施の形態2で述べたと同様に、ゲート電
極用導電材料層13’を形成した後に、ゲート電極用導
電材料層13’をエッチング法等に基づきパターニング
することによって形成してもよいし、印刷法に基づき最
初からストライプ状に形成してもよい。次に、例えばC
VD法により、SiO2から成る厚さ約1μmの第2絶
縁層46をゲート電極13及び絶縁層12上に形成す
る。更に、第2絶縁層46上の全面に厚さ約0.07μ
mのTiN層をスパッタ法にて成膜し、収束電極形成用
の導電材料層(収束電極用導電材料層47’)を形成す
る。更に、実施の形態2の[工程−200]と同様にし
て、収束電極用導電材料層47’上にゲッター形成層4
3を形成する(図12の(A)参照)。
【0112】[工程−610]次に、図12の(B)に
示すように、ゲッター形成層43及び収束電極用導電材
料層47’をパターニングすることにより、第2形式の
ゲッター43Bが上面に設けられた収束電極47を形成
することができる。このパターニングは、例えばエッチ
ング用マスク(図示せず)を用いて、ゲッター形成層4
3及び収束電極用導電材料層47’をエッチングするこ
とによって行うことができる。
【0113】[工程−620]次に、図13の(A)に
示すように、第2絶縁層46、ゲート電極13及び絶縁
層12をパターニングし、底部にカソード電極11が露
出した開口部14を形成する。開口部14の形成は、例
えばエッチング用マスク(図示せず)を用いて、第2絶
縁層46、ゲート電極13及び絶縁層12をエッチング
することによって行うことができる。このとき、収束電
極47に設けられた開口部の内側で上記のパターニング
を行うことにより、収束電極47の端部を、ゲート電極
13の端部よりも後退させることができる。収束電極4
7の本来の目的は、カソード電極11に垂直な方向から
大きく外れようとする電子の軌道のみを修正することに
あり、収束電極47の開口径が余り小さいと、電子放出
素子の電子放出効率が低下してしまう虞れがある。然る
に、このように収束電極47の端部がゲート電極13の
端部よりも後退していることは、電子放出を妨げずに必
要な収束効果のみを得ることができるので、極めて好ま
しい。
【0114】[工程−630]次に、実施の形態2の
[工程−230]〜[工程−250]と同様の工程を実
行し、開口部14の底部に位置するカソード電極11の
部分に円錐形の電子放出部15を形成した後、絶縁層1
2及び第2絶縁層46に設けられた開口部14の側壁面
を等方的なエッチング条件で後退させると、図13の
(B)に示す電子放出素子を完成することができる。更
に、次に、実施の形態2の[工程−260]と同様の工
程を実行することで、実施の形態6においても、実施の
形態2で述べたと同様の平面型表示装置を得ることがで
きる。かかる平面型表示装置においては、放出電子軌道
の収束性が高められることによって、画素間の光学的ク
ロストークが低減されるので、画素を更に微細化して表
示画面の高精細度化を図ることが可能となる。尚、ゲッ
ターとしては、第2形式のゲッター43Bだけでなく、
第1形式のゲッター43A、第3形式のゲッター43C
を用いることができる。
【0115】(実施の形態7)実施の形態7は、本発明
の第3の構成に係る製造方法と、これによって得られる
本発明の第1の構成に係る平面型表示装置に関する。以
下、実施の形態7を、図14を参照しながら説明する。
【0116】[工程−700]絶縁層12の形成まで
を、実施の形態2の[工程−200]と同様に行う。次
に、図14の(A)に示すように、絶縁層12上にゲー
ト電極13を形成する。ゲート電極13は、実施の形態
2で述べたゲート電極用導電材料層13’を形成した後
に、ゲート電極用導電材料層13’をエッチング法等に
基づきパターニングすることによって形成してもよい
し、印刷法に基づき最初からストライプ状に形成しても
よい。
【0117】[工程−710]次に、図14の(B)に
示すように、ゲート電極13上に第2形式のゲッター4
3Bを形成する。第2形式のゲッター43Bは、ゲート
電極13上のみに選択的に形成し得る方法により形成し
てもよいし、全面にゲッター形成層43を形成した後、
ゲッター形成層43をパターニングすることによって形
成してもよい。以降の工程は、実施の形態2の[工程−
220]〜[工程−260]と同様とすることができる
ので、詳細な説明は省略する。実施の形態7において
も、図9〜図11に示したと同様の平面型表示装置を構
成することができる。
【0118】図15に、ゲッターの形成パターン例を3
種類示す。図15の(A)は、ゲート電極13上から絶
縁層12上へ延在された第2形式のゲッター43Bを示
す。図15の(B)は、隣り合うゲート電極13の間の
絶縁層12上に設けられた第2形式のゲッター43Bを
示す。また、図15の(C)は、ゲート電極13上と絶
縁層12上の全面に亙って形成された第2形式のゲッタ
ー43Bを示す。尚、ゲッターとしては、第2形式のゲ
ッター43Bだけでなく、第1形式のゲッター43A、
第3形式のゲッター43Cを用いることができる。図1
5の(C)に示した形成パターンは、ゲッターの有効面
積を最大とし得る形成パターンであるが、隣り合うゲー
ト電極13間の短絡を防止するために、支持部材が絶縁
性を有することが必要とされる。絶縁性を有する支持部
材としては、絶縁材料層と多結晶シリコン層と略半球状
のシリコン粒子とから成る構造体、絶縁材料から成る多
孔質体45、絶縁材料層とその上に形成された導電性の
多孔質体45を挙げることができる。いずれにしても、
本発明の第3の構成に係る製造方法では、ゲート電極1
3とゲッターとを別工程で形成するため、ゲート電極1
3とゲッターのパターンが互いに異なるこれらの例は、
第3の構成に係る製造方法の特色をより効果的に利用し
た例と云える。
【0119】(実施の形態8)実施の形態8は、本発明
の第4の構成に係る製造方法と、これによって得られる
本発明の第2の構成に係る平面型表示装置に関する。実
施の形態6と異なる部分のみ、図16を参照しながら説
明する。
【0120】[工程−800]第2絶縁層46の形成ま
でを、実施の形態6の[工程−600]と同様に行う。
次に、第2絶縁層46上に収束電極47を形成する(図
16の(A)参照)。収束電極47は、実施の形態6で
述べた収束電極形成用の収束電極用導電材料層47’を
形成した後に、収束電極用導電材料層47’をエッチン
グ法等の方法に基づきパターニングすることによって形
成してもよいし、印刷法に基づき最初からストライプ状
に形成してもよい。
【0121】[工程−810]次に、図16の(B)に
示すように、収束電極47上に第2形式のゲッター43
Bを形成する。第2形式のゲッター43Bは、収束電極
47上のみに選択的に形成し得る方法により形成しても
よいし、全面にゲッター形成層43を形成した後、ゲッ
ター形成層43をパターニングすることによって形成し
てもよい。以降の工程は、実施の形態6の[工程−62
0]〜[工程−630]と同様とすることができるの
で、詳細な説明は省略する。実施の形態8においても、
実施の形態6で述べたと同様の平面型表示装置を構成す
ることができる。
【0122】図17に、ゲッターの形成パターンの変形
例を3種類示す。図17の(A)は、収束電極47上か
ら第2絶縁層46上へ延在された第2形式のゲッター4
3Bを示す。図17の(B)は、隣り合う収束電極47
の間の第2絶縁層46上に設けられた第2形式のゲッタ
ー43Bを示す。また、図17の(C)は、収束電極4
7上と第2絶縁層46上の全面に亙って形成された第2
形式のゲッター43Bを示す。尚、ゲッターとしては、
第2形式のゲッター43Bだけでなく、第1形式のゲッ
ター43A、第3形式のゲッター43Cを用いることが
できる。図17の(C)に示した形成パターンは、ゲッ
ターの有効面積を最大とし得る形成パターンであるが、
隣り合う収束電極47間の短絡を防止するために、支持
部材が絶縁性を有することが必要とされる。絶縁性を有
する支持部材としては、絶縁材料層と多結晶シリコン層
と略半球状のシリコン粒子とから成る構造体、絶縁材料
から成る多孔質体45や、絶縁材料層とその上に形成さ
れた導電性の多孔質体45を挙げることができる。いず
れにしても、第4の構成に係る製造方法では、収束電極
47とゲッターとを別工程で形成するため、収束電極4
7とゲッターのパターンが互いに異なるこれらの例は、
第4の構成に係る製造方法の特色をより効果的に利用し
た例と云える。
【0123】(実施の形態9)実施の形態9は、本発明
の第5の構成に係る製造方法と、これによって得られる
本発明の第3の構成に係る平面型表示装置に関する。実
施の形態9において、ゲート電極は、少なくとも一部分
がガス捕捉材料から成る。具体的には、実施の形態9に
おいて、ゲート電極13を構成するガス捕捉材料は、ジ
ルコニウム−アルミニウム合金(Zr−Al合金)であ
り、ゲート電極13は単層構造を有する。以下、実施の
形態9を、図18を参照して説明する。
【0124】[工程−900]先ず、例えばガラスから
成る支持体10上にニオブ(Nb)から成るストライプ
状のカソード電極用導電材料層から構成されたカソード
電極11を形成した後、全面にSiO2から成る絶縁層
12を形成し、更に、ガス捕捉材料であるジルコニウム
−アルミニウム合金(Zr−Al合金)から成るストラ
イプ状のゲート電極用導電材料層から構成されたゲート
電極113を絶縁層12上に形成する。ゲート電極11
3の形成は、例えば、スパッタ法、リソグラフィ技術及
びドライエッチング技術に基づき行うことができる。次
に、ゲート電極113及び絶縁層12に開口部14をR
IE(反応性イオン・エッチング)法にて形成し、開口
部14の底部にカソード電極11を露出させる(図18
の(A)参照)。尚、カソード電極11は、単一の材料
層であってもよく、複数の材料層を積層することによっ
て構成することもできる。また、例えば、後の工程で形
成される各電子放出部の電子放出特性のばらつきをカバ
ーするために、カソード電極11の表層部を残部よりも
電気抵抗率の高い材料で構成することができる。尚、こ
のようなカソード電極の構造を、他の実施の形態におけ
る電子放出素子に適用することができる。
【0125】[工程−910]以降、実施の形態2の
[工程−230]〜[工程−250]と同様の工程を実
行することによって、図18の(B)に示す構造を有す
るスピント型電子放出素子を完成させることができる。
【0126】図19及び図20にゲート電極の変形例を
示す。
【0127】図19の(A)に示すゲート電極は、単層
構造ではなく、例えばニッケル(Ni)といった導電性
材料から成る第1層113Aと、ガス捕捉材料から成る
第2層113Bとの積層構造を有する。尚、第1層11
3Aを、ガラス材料等の絶縁性材料から構成してもよい
が、この場合には、第2層113Bが導電性を有してい
る必要がある。
【0128】図19の(B)に示すゲート電極は、導電
性材料あるいはガス捕捉材料から成る第1層113A
と、絶縁性材料から成る第2層113Bと、ガス捕捉材
料から成る第3層113C(ガス捕捉層)との積層構造
を有する。
【0129】図20の(A)に示すゲート電極は、導電
性材料から成る第1層113Aと、ガス捕捉材料から成
る第2層113Bとの積層構造を有するが、図19の
(A)に示したゲート電極と異なり、第1層に設けられ
た開口部14の上部開口端の大きさが下部開口端の大き
さよりも小さい構造を有する。電子放出部15から放出
された電子が、第1層113A近傍の絶縁層12に入射
すると、絶縁層のその部分からガスが放出される虞があ
るが、このような構造にすることで、電子の経路が第1
層113Aの内壁側に歪曲したとしても、電子が絶縁層
12内に入射する虞が少なくなり、絶縁層12からのガ
ス放出を防止することができる。
【0130】図20の(B)に示すゲート電極も、導電
性材料から成る第1層113Aと、ガス捕捉材料から成
る第2層113Bとの積層構造を有するが、図19の
(A)に示したゲート電極と異なり、第1層に設けられ
た開口部14の上部開口端の大きさが下部開口端の大き
さよりも大きい構造を有する。
【0131】図20の(C)に示すゲート電極も、導電
性材料から成る第1層113Aと、ガス捕捉材料から成
る第2層113Bとの積層構造を有するが、図19の
(A)に示したゲート電極と異なり、第1層に設けられ
た開口部14の上部開口端の大きさが下部開口端の大き
さよりも大きく、しかも、第1層113Aの開口端側壁
が第2層113Bで覆われている。このような構造とす
ることによって、ゲート電極における電子の通過路とな
る開口部14の開口端側壁が、全て、ガス捕捉材料から
成る第2層113Bによって覆われた状態となり、電子
が開口端側壁に入射したとしても、電子の入射部分は必
然的にガス捕捉材料であるが故に、ゲート電極からガス
が放出されることはない。
【0132】尚、図19の(A)〜(C)に示したゲー
ト電極においては、第1層113Aのエッチング条件を
最適化することによって、傾斜した第1層113Aの開
口端側壁を得ることができる。
【0133】次に、図21を参照して、ゲート電極11
3がガス捕捉材料を含むことによる作用についてより詳
しく説明する。
【0134】図21の(A)には、電子が蛍光体層21
に衝突することによりガス分子等が放出され、蛍光体層
21の近傍において、1Pa程度にまで圧力が上昇した
場合の圧力分布例を示す。蛍光体層21の近傍において
ガス分子等が放出され圧力が上昇したとしても、放出さ
れたガス分子等はゲート電極113のガス捕捉材料に捕
捉されるので、電子放出部15付近に近づくに従って真
空層の圧力は低くなり、ガス分子等の放出に伴う局所放
電等が防止され、電子放出部15に対する悪影響が防止
される。
【0135】図21の(B)には、例えば電子が蛍光体
層21に衝突することにより放出されたガス分子等が電
子放出部15に到達し、電子放出部15からガス分子等
が放出された場合の電子放出部15の近傍における圧力
分布例を示す。電子放出部15の近傍H1においてガス
分子等が放出されたとしても、放出されたガス分子等は
ゲート電極113のガス捕捉材料に捕捉されるので、電
子放出部15の近傍H 1における圧力分布の上昇は、例
えば2×10-4Pa程度であり、電子放出部15に悪影
響を及ぼすほどには高くならない。
【0136】図21の(C)には、例えば電子が蛍光体
層21に衝突することにより放出されたガス分子等や、
電子放出部15から絶縁層12側に歪曲して放出された
電子が絶縁層12の壁面H2に衝突し、絶縁層12から
ガス分子等が放出された場合の圧力分布例を示す。絶縁
層12の壁面H2においてガス分子等が放出されたとし
ても、放出されたガス分子等はゲート電極113に捕捉
されるので、壁面H2における圧力分布の上昇は、例え
ば2×10-3Pa程度であると共に、電子放出部15付
近に近づくに従って圧力は低くなり、電子放出部15に
対する悪影響が防止される。
【0137】(実施の形態10)実施の形態10は、本
発明の第6の構成に係る製造方法と、これによって得ら
れる本発明の第4の構成に係る平面型表示装置に関す
る。実施の形態10において、収束電極は、少なくとも
一部分がガス捕捉材料から成る。具体的には、実施の形
態10において、収束電極147を構成するガス捕捉材
料は、ジルコニウム−アルミニウム合金(Zr−Al合
金)であり、収束電極147は単層構造を有する。以
下、実施の形態10を、図22を参照して説明する。
【0138】[工程−1000]絶縁層12の形成まで
を、実施の形態2の[工程−200]と同様に行う。次
に、絶縁層12上にゲート電極13を形成する。ゲート
電極13は、実施の形態2で述べたと同様に、ゲート電
極用導電材料層13’を形成した後に、ゲート電極用導
電材料層13’をエッチング法等に基づきパターニング
することによって形成してもよいし、印刷法に基づき最
初からストライプ状に形成してもよい。次に、例えばC
VD法により、SiO2から成る厚さ約1μmの第2絶
縁層46をゲート電極13及び絶縁層12上に形成す
る。更に、第2絶縁層46上に、ガス捕捉材料であるジ
ルコニウム−アルミニウム合金(Zr−Al合金)から
成るストライプ状の収束電極147を形成する。収束電
極147の形成は、例えば、スパッタ法、リソグラフィ
技術及びドライエッチング技術に基づき行うことができ
る(図22の(A)参照)。
【0139】[工程−1010]次に、実施の形態6の
[工程−620]〜[工程−630]と同様の工程を実
行することによって、図22の(B)に示す構造を有す
るスピント型電子放出素子を完成させることができる。
【0140】尚、収束電極147を、図19、図20に
示したと同様の構造とすることもできる。
【0141】(実施の形態11)実施の形態11は、本
発明の第7の構成に係る製造方法と、これによって得ら
れる本発明の第5の構成に係る平面型表示装置に関す
る。実施の形態11の平面型表示装置における電子放出
素子は、(A)支持体10上に配設された、絶縁材料か
ら成るスペーサ12、(B)複数の開口部214Aが形
成され、少なくとも一部分がガス捕捉材料から成るガス
捕捉材料層213Aから構成されたゲート電極213、
並びに、(C)支持体10上に形成された電子放出部1
5C、から成り、スペーサ12の頂面に接するように、
且つ、電子放出部15Cの上方に開口部214Aが位置
するようにガス捕捉材料層213Aが張架されている。
【0142】ガス捕捉材料層213Aは、スペーサの頂
面に、熱硬化性接着剤(例えばエポキシ系接着剤)にて
固定されている。あるいは又、図23に、支持体10の
端部近傍の模式的な一部断面図を示すように、ストライ
プ状のガス捕捉材料層213Aの両端部は、支持体10
の周辺部に固定されている構造とすることもできる。よ
り具体的には、例えば、支持体10の周辺部に突起部2
16を予め形成しておき、この突起部216の頂面にガ
ス捕捉材料層213Aを構成する材料と同じ材料の薄膜
217を形成しておく。そして、ストライプ状のガス捕
捉材料層213Aを張架した状態で、かかる薄膜217
に、例えばレーザを用いて溶接する。尚、突起部216
は、例えば、スペーサの形成と同時に形成することがで
きる。
【0143】実施の形態11におけるガス捕捉材料層2
13Aとして、ニッケル(Ni)の導電性材料よりなる
第1層、及び、ガス捕捉材料から成る第2層の積層構造
を用いた。尚、ガス捕捉材料層213Aは、積層構造に
限らず、単層構造とすることもでき、この場合、ガス捕
捉材料層213Aを構成する材料として、例えば、チタ
ン(Ti)、チタン・ジルコニウム・バナジウム・鉄
(Ti・Zr・V・Fe)合金等のチタンを含む合金、
炭素(C)またはバリウム(Ba)を挙げることができ
る。尚、ガス捕捉材料層213Aとして積層構造を用い
る場合、ガス捕捉材料から成る第2層をカソード電極2
11側とすることが、カソード電極211の周辺の真空
排気状態をより良好な状態に保つといった観点から望ま
しい。即ち、図19の(A)、図20の(A)、(B)
及び(C)における第1層113Aと第2層113Bの
積層順を逆にすることが望ましい。
【0144】実施の形態11における電子放出素子を平
面型電子放出素子とした。この平面型電子放出素子は、
例えばガラスから成る支持体10上に形成されたストラ
イプ状のカソード電極211、支持体10及びカソード
電極211上に形成された絶縁層12(スペーサに相当
する)、絶縁層12上に形成されたストライプ状のゲー
ト電極213、並びに、ゲート電極213及び絶縁層1
2を貫通し、底部にカソード電極211が露出した開口
部214から成る。カソード電極211は、図23の紙
面垂直方向に延び、ゲート電極213は、図23の紙面
左右方向に延びている。カソード電極211はクロム
(Cr)から成り、絶縁層12はSiO 2から成る。こ
こで、開口部214の底部に露出したカソード電極21
1の部分が電子放出部15Cに相当し、且つ電子放出層
に相当する。
【0145】以下、実施の形態11における電子放出素
子の製造方法の一例を説明する。
【0146】[工程−1100]先ず、支持体10上に
電子放出部15Cとして機能するカソード電極211を
形成する。具体的には、支持体10上に、クロム(C
r)から成るカソード電極用導電材料層をスパッタ法に
て形成した後、リソグラフィ技術及びドライエッチング
技術に基づきカソード電極用導電材料層をパターニング
する。これによって、ストライプ状のカソード電極用導
電材料層から構成されたカソード電極211を支持体1
0上に形成することができる。
【0147】[工程−1110]次に、例えばCVD法
にてSiO2から成る絶縁層12(スペーサに相当す
る)を、全面に、具体的には、支持体10及びカソード
電極211の上に形成する。尚、絶縁層12を、スクリ
ーン印刷法に基づきガラスペーストから形成することも
できる。
【0148】[工程−1120]その後、リソグラフィ
技術及びエッチング技術を用いて絶縁層12に開口部2
14を形成する。あるいは、例えば、スクリーン印刷法
にて、絶縁層12を形成する際、併せて、開口部214
を形成してもよい。こうして、開口部214の底部に電
子放出部に相当するカソード電極211の表面を露出さ
せることができる。ここで、絶縁層12がスペーサに相
当する。
【0149】[工程−1130]その後、複数の開口部
214Aが形成されたストライプ状のガス捕捉材料層2
13Aを、開口部214Aが電子放出部の上方に位置す
るように、スペーサである絶縁層12によって支持され
た状態に配設し、しかも、第1の方向とは異なる第2の
方向にストライプ状のガス捕捉材料層213Aを配置
し、以て、ストライプ状のガス捕捉材料層213Aから
構成され、複数の開口部214Aを有するゲート電極2
13を電子放出部の上方に位置させる。
【0150】尚、ゲート電極213を構成する帯状材料
層は、例えば、以下の方法で作製することができる。即
ち、第1層113Aとなる例えばニッケル板を用意し、
このニッケル板にガス捕捉材料(例えば、チタンまたは
チタン・ジルコニウム・バナジウム・鉄合金等のチタン
を含む合金)を例えば塗布または蒸着して、第2層11
3Bを形成する。その後、第1層113A及び第2層1
13Bに所望の形状の開口部214Aを形成する。尚、
第1層113Aに予め開口部214Aを形成しておき、
第2層113Bを形成してもよい。第2層113Bの形
成は、第2層113Bが第1パネルP1と第2パネルP2
とを一体化させる前に不要な物質を捕捉してしまうこと
を防止するために、真空雰囲気又はアルゴン(Ar)や
ヘリウム(He)等の不活性ガス雰囲気中において行う
ことが望ましい。
【0151】尚、ガス捕捉材料層213Aを、温度の上
昇に伴いガス捕捉能力が高くなる特性を有するガス捕捉
材料、例えば、ジルコニウム−アルミニウム合金、チタ
ン−ジルコニウム−バナジウム−鉄合金から構成するこ
ともできる。ジルコニウム−アルミニウム合金(Al−
Zr合金)の温度と平面型表示装置における内部空間の
真空排気速度との関係を図24に示す。図24におい
て、横軸は温度(゜C)を示し、縦軸は排気速度(Al
−Zr合金が内部空間のガス分子等を捕捉する速度であ
り、単位はml/秒・cm2)である。図24からも明
らかなように、Al−Zr合金は、温度の上昇に伴い、
排気速度が大きくなる(即ち、ガス捕捉能力が高くな
る)という特性を有している。従って、ゲート電極21
3をAl−Zr合金を含んで構成すれば、電子放出部1
5Cから放出された電子が、ゲート電極213方向に歪
曲されることによりゲート電極213と衝突し、ゲート
電極213の温度が上昇したとしても、むしろ、ゲート
電極213における真空排気速度が向上するという効果
が期待でき、温度上昇に伴う平面型表示装置の不安定動
作を防止することが可能となる。このような効果を積極
的に利用することを考えると、例えば、ゲート電極21
3を、第1層と第2層とを積層した構造とする場合に
は、第1層113Aよりも第2層113B側に電子が衝
突しやすい形状であることが好ましい。例えば、図20
の(C)に示したように、第1層113Aが第2層11
3Bによって覆われた構成であれば、電子の入射部分は
必然的に第2層113Bとなり、温度上昇による真空排
気速度の向上の効果が期待できる。尚、Al−Zr合金
を活性化させて真空排気作用を持たせるためには、最低
300゜C以上に加熱する必要がある。活性化は、ガス
捕捉材料層213Aの作製後、[工程−1130]に先
立ち、真空雰囲気中又はアルゴンやヘリウム等の不活性
ガス雰囲気中において熱処理を行うことによって行うこ
とが好ましい。この熱処理は、例えば第2層113Bに
電子ビームを照射することにより行うことが可能であ
る。また、一般に用いられているような高熱炉にガス捕
捉材料層213Aを導入することにより行うこともでき
る。
【0152】尚、このようなゲート電極の形成方法は、
各種の電子放出素子の製造に対して適用することができ
る。
【0153】(実施の形態12)実施の形態12は、実
施の形態11の変形である。実施の形態12における電
子放出素子は、図25の(A)に模式的な一部断面図を
示すように、実施の形態11における電子放出素子と異
なり、カソード電極211とカソード電極211との間
に隔壁212(スペーサに相当する)が設けられてい
る。カソード電極211、ガス捕捉材料層213A及び
ゲート電極213、並びに、隔壁212の模式的な配置
図を、図25の(B)に示す。尚、ストライプ状のガス
捕捉材料層213Aとして積層構造を用いる場合、ガス
捕捉材料から成る第2層をカソード電極211側とする
ことが、カソード電極211の周辺の真空排気状態をよ
り良好な状態に保つといった観点から望ましい。
【0154】そして、ガス捕捉材料層213Aは、隔壁
212の頂面に、熱硬化性接着剤(例えばエポキシ系接
着剤)にて固定されている。あるいは又、図23に模式
的な一部断面図を示したと同様に、ストライプ状のガス
捕捉材料層213Aの両端部は、支持体10の周辺部に
固定されている構造とすることもできる。より具体的に
は、例えば、支持体10の周辺部に突起部216を予め
形成しておき、この突起部216の頂面にガス捕捉材料
層213Aを構成する材料と同じ材料の薄膜217を形
成しておく。そして、ストライプ状のガス捕捉材料層2
13Aを張架した状態で、かかる薄膜217に、例えば
レーザを用いて溶接する。
【0155】実施の形態12における電子放出素子は、
例えば、以下に説明する製造方法にて製造することがで
きる。
【0156】[工程−1200]先ず、支持体10上に
ストライプ状のスペーサ(ゲート電極支持部)を構成す
る隔壁212を、例えば、サンドブラスト法に基づき形
成する。
【0157】[工程−1210]その後、支持体10上
に電子放出部を形成する。具体的には、全面に、スピン
コーティング法にてレジスト材料から成るマスク層を形
成し、隔壁212と隔壁212との間のカソード電極を
形成すべき領域の部分のマスク層を除去する。その後、
[工程−1100]と同様にして、クロム(Cr)から
成るカソード電極用導電材料層をスパッタ法にて全面に
形成した後、マスク層を除去する。これによって、マス
ク層上に形成されたカソード電極用導電材料層も除去さ
れ、隔壁212と隔壁212との間に、電子放出部とし
て機能するカソード電極211が残される。
【0158】[工程−1220]その後、複数の開口部
214Aが形成されたストライプ状のガス捕捉材料層2
13Aを、複数の開口部214Aが電子放出部の上方に
位置するように、スペーサである隔壁212によって支
持された状態に配設し、以て、ストライプ状のガス捕捉
材料層213Aから構成され、複数の開口部214Aを
有するゲート電極213を電子放出部の上方に位置させ
る。ストライプ状のガス捕捉材料層213Aの配設方法
は、上述のとおりとすればよい。
【0159】尚、このようなゲート電極の形成方法も、
各種の電子放出素子の製造に対して適用することができ
る。
【0160】実施の形態11あるいは実施の形態12に
おける電子放出素子の開口部214Aの平面形状は円形
に限定されない。ガス捕捉材料層213Aに設けられた
開口部214Aの形状の変形例を図26の(A)、
(B)、(C)及び(D)に例示する。
【0161】(実施の形態13)実施の形態13〜実施
の形態27においては、各種の構成、構造の電子放出素
子及びその製造方法を説明するが、これらの電子放出素
子の全てを、実施の形態1〜実施の形態12にて説明し
た平面型表示装置に適用することができる。即ち、実施
の形態12〜実施の形態27においては、第1の構成の
構成に係る平面型表示装置を構成する電子放出素子にお
けるゲート電極及びゲッター、第3の構成及び第5の構
成に係る平面型表示装置を構成する電子放出素子におけ
るゲート電極のいずれも適用することができ、以下の説
明においては、これらのゲート電極/ゲッターあるいは
ゲート電極を、総称してゲート電極313あるいは31
3Bと表現し、図示する。ゲート電極313は、実施の
形態1〜実施の形態12にて説明した方法で形成、作製
することができる。また、実施の形態13〜実施の形態
27においては、更に、実施の形態6、実施の形態8、
実施の形態10にて説明した収束電極を設けてもよい。
【0162】電子放出素子として、先に説明したスピン
ト型(円錐形の電子放出部が、開口部の底部に位置する
カソード電極の部分の上に設けられた電子放出素子)の
他に、クラウン型(王冠状の電子放出部が、開口部の底
部に位置するカソード電極の部分の上に設けられた電子
放出素子)、扁平型(略平面の電子放出部が、開口部の
底部に位置するカソード電極の部分の上に設けられた電
子放出素子)、平坦なカソード電極の表面から電子を放
出する平面型電子放出素子、凹凸が形成されたカソード
電極の表面の凸部から電子を放出するクレータ型電子放
出素子、エッジ型電子放出素子を挙げることができる。
【0163】以下、先ず、クラウン型電子放出素子及び
その製造方法を説明する。
【0164】クラウン型電子放出素子の模式的な一部端
面図を図29の(A)に示し、一部を切り欠いた模式的
な斜視図を図29の(B)に示す。クラウン型電子放出
素子は、支持体10上に形成されたカソード電極11
と、支持体10及びカソード電極11上に形成された絶
縁層12と、絶縁層12上に形成されたと、ゲート電極
313及び絶縁層12を貫通する開口部14と、開口部
14の底部に位置するカソード電極11の部分の上に設
けられたクラウン(王冠)型の電子放出部15Aから構
成されている。
【0165】以下、クラウン型電子放出素子の製造方法
を、支持体等の模式的な一部端面図等である図27〜図
29を参照して説明する。
【0166】[工程−1300]先ず、例えばガラスか
ら成る支持体10上に、ストライプ状のカソード電極用
導電材料層から構成されたカソード電極11を形成す
る。尚、カソード電極11は、図面の紙面左右方向に延
びている。ストライプ状のカソード電極用導電材料層
は、例えば支持体10上にITO膜をスパッタリング法
により約0.2μmの厚さに全面に亙って成膜した後、
ITO膜をパターニングすることによって形成すること
ができる。カソード電極11は、単一の材料層であって
もよく、複数の材料層を積層することによって構成する
こともできる。例えば、後の工程で形成される各電子放
出部の電子放出特性のばらつきをカバーするために、カ
ソード電極11の表層部を残部よりも電気抵抗率の高い
材料で構成することができる。次に、全面に、具体的に
は、支持体10及びカソード電極11上に絶縁層12を
形成する。ここでは、一例としてガラスペーストを全面
に約3μmの厚さにスクリーン印刷する。次に、絶縁層
12に含まれる水分や溶剤を除去し、且つ、絶縁層12
を平坦化するために、例えば100゜C、10分間の仮
焼成、及び500゜C、20分間の本焼成といった2段
階の焼成を行う。尚、上述のようなガラスペーストを用
いたスクリーン印刷に替えて、例えばプラズマCVD法
によりSiO 2膜を形成してもよい。
【0167】次に、絶縁層12上に、ゲート電極313
を形成する(図27の(A)参照)。尚、ゲート電極3
13は、図面の紙面垂直方向に延びている。ゲート電極
313を構成するガス捕捉材料は、先に説明したスピン
ト型電子放出素子と同様とすることができる。ゲート電
極313の射影像の延びる方向は、ストライプ状のカソ
ード電極11の射影像の延びる方向と90度を成す。
【0168】[工程−1310]次に、例えばフォトレ
ジスト材料から成るエッチング用マスクEMを用いてゲ
ート電極313及び絶縁層12をRIE法に基づきエッ
チングし、ゲート電極313及び絶縁層12に開口部1
4を形成し、開口部14の底部にカソード電極11を露
出させる(図27の(B)参照)。開口部14の直径を
約2〜50μmとする。
【0169】[工程−1320]次に、エッチング用マ
スクEMを除去し、ゲート電極313上、絶縁層12
上、及び開口部14の側壁面上に剥離層51を形成する
(図28の(A)参照)。かかる剥離層51を形成する
には、例えば、フォトレジスト材料をスピンコーティン
グ法により全面に塗布し、開口部14の底部の一部分の
みを除去するようなパターニングを行う。この時点で、
開口部14の実質的な直径は、約1〜20μmに縮径さ
れる。
【0170】[工程−1330]次に、図28の(B)
に示すように、全面に組成物原料から成る導電性組成物
層52を形成する。ここで使用する組成物原料は、例え
ば、導電性粒子として平均粒径約0.1μmの黒鉛粒子
を60重量%、バインダとして4号の水ガラスを40重
量%含む。この組成物原料を、例えば1400rpm、
10秒間の条件で全面にスピンコートする。開口部14
内における導電性組成物層52の表面は、組成物原料の
表面張力に起因して、開口部14の側壁面に沿って迫り
上がり、開口部14の中央部に向かって窪む。その後、
導電性組成物層52に含まれる水分を除去するための仮
焼成を、例えば大気中、400゜Cで30分間行う。
【0171】組成物原料において、バインダは、(1)
それ自身が導電性粒子の分散媒であってもよいし、
(2)導電性粒子を被覆していてもよいし、(3)適当
な溶媒に分散あるいは溶解されることによって、導電性
粒子の分散媒を構成してもよい。(3)のケースの典型
例は水ガラスであり、日本工業規格(JIS)K140
8に規定される1号乃至4号、又はこれらの同等品を使
用することができる。1号乃至4号は、水ガラスの構成
成分である酸化ナトリウム(Na2O)1モルに対する
酸化珪素(SiO2)のモル数(約2〜4モル)の違い
に基づく4段階の等級であり、それぞれ粘度が大きく異
なる。従って、リフトオフ・プロセスで水ガラスを使用
する際には、水ガラスに分散させる導電性粒子の種類や
含有量、剥離層51との親和性、開口部14のアスペク
ト比等の諸条件を考慮して、最適な等級の水ガラスを選
択するか、又は、これらの等級と同等の水ガラスを調製
して使用することが好ましい。
【0172】バインダは一般に導電性に劣るので、導電
性組成物中の導電性粒子の含有量に対してバインダの含
有量が多過ぎると、形成される電子放出部15Aの電気
抵抗値が上昇し、電子放出が円滑に行われなくなる虞が
ある。従って、例えば水ガラス中に導電性粒子としてカ
ーボン系材料粒子を分散させて成る組成物原料を例にと
ると、組成物原料の全重量に占めるカーボン系材料粒子
の割合は、電子放出部15Aの電気抵抗値、組成物原料
の粘度、導電性粒子同士の接着性等の特性を考慮し、概
ね30〜95重量%の範囲に選択することが好ましい。
カーボン系材料粒子の割合をかかる範囲内に選択するこ
とにより、形成される電子放出部15Aの電気抵抗値を
十分に下げると共に、カーボン系材料粒子同士の接着性
を良好に保つことが可能となる。但し、導電性粒子とし
てカーボン系材料粒子にアルミナ粒子を混合して用いた
場合には、導電性粒子同士の接着性が低下する傾向があ
るので、アルミナ粒子の含有量に応じてカーボン系材料
粒子の割合を高めることが好ましく、60重量%以上と
することが特に好ましい。尚、組成物原料には、導電性
粒子の分散状態を安定化させるための分散剤や、pH調
整剤、乾燥剤、硬化剤、防腐剤等の添加剤が含まれてい
てもよい。尚、導電性粒子を結合剤(バインダ)の被膜
で覆った粉体を、適当な分散媒中に分散させて成る組成
物原料を用いてもよい。
【0173】一例として、王冠状の電子放出部15Aの
直径を概ね1〜20μmとし、導電性粒子としてカーボ
ン系材料粒子を使用した場合、カーボン系材料粒子の粒
径は概ね0.1μm〜1μmの範囲とすることが好まし
い。カーボン系材料粒子の粒径をかかる範囲に選択する
ことにより、王冠状の電子放出部15Aの縁部に十分に
高い機械的強度が備わり、且つ、カソード電極11に対
する電子放出部15Aの密着性が良好となる。
【0174】[工程−1340]次に、図28の(C)
に示すように、剥離層51を除去する。剥離は、2重量
%の水酸化ナトリウム水溶液中に、30秒間浸漬するこ
とにより行う。このとき、超音波振動を加えながら剥離
を行ってもよい。これにより、剥離層51と共に剥離層
51上の導電性組成物層52の部分が除去され、開口部
14の底部に露出したカソード電極11上の導電性組成
物層52の部分のみが残される。この残存した部分が電
子放出部15Aとなる。電子放出部15Aの形状は、表
面が開口部14の中央部に向かって窪み、王冠状とな
る。[工程−1340]が終了した時点における状態
を、図29に示す。図29の(B)は、電子放出素子の
一部を示す模式的な斜視図であり、図29の(A)は図
29の(B)の線A−Aに沿った模式的な一部端面図で
ある。図29の(B)では、電子放出部15Aの全体が
見えるように、絶縁層12とゲート電極313との一部
を切り欠いている。尚、1つの電子放出領域(重複領
域)には、5〜100個程度の電子放出部15Aを設け
ることで十分である。尚、導電性粒子の粒径が電子放出
部15Aの表面に確実に露出するように、電子放出部1
5Aの表面に露出したバインダをエッチングによって除
去してもよい。
【0175】[工程−1350]次に、電子放出部15
Aの焼成を行う。焼成は、乾燥大気中、400゜C、3
0分間の条件で行う。尚、焼成温度は、組成物原料に含
まれるバインダの種類に応じて選択すればよい。例え
ば、バインダが水ガラスのような無機材料である場合に
は、無機材料を焼成し得る温度で熱処理を行えばよい。
バインダが熱硬化性樹脂である場合には、熱硬化性樹脂
を硬化し得る温度で熱処理を行えばよい。但し、導電性
粒子同士の密着性を保つために、熱硬化性樹脂が過度に
分解したり炭化する虞のない温度で熱処理を行うことが
好適である。いずれのバインダを用いるにしても、熱処
理温度は、ゲート電極やカソード電極、絶縁層に損傷や
欠陥が生じない温度とする必要がある。熱処理雰囲気
は、ゲート電極やカソード電極の電気抵抗率が酸化によ
って上昇したり、あるいはゲート電極やカソード電極に
欠陥や損傷が生ずることがないように、不活性ガス雰囲
気とすることが好ましい。尚、バインダとして熱可塑性
樹脂を使用した場合には、熱処理を必要としない場合が
ある。
【0176】(実施の形態14)扁平型電子放出素子の
模式的な一部断面図を、図30の(C)に示す。扁平型
電子放出素子は、例えばガラスから成る支持体10上に
形成されたカソード電極11、支持体10及びカソード
電極11上に形成された絶縁層12、絶縁層12上に形
成されたゲート電極313、ゲート電極313及び絶縁
層12を貫通する開口部14、並びに、開口部14の底
部に位置するカソード電極11の部分の上に設けられた
扁平の電子放出部15Bから成る。ここで、電子放出部
15Bは、図30の(C)の紙面垂直方向に延びたスト
ライプ状のカソード電極11上に形成されている。ま
た、ゲート電極313は、図30の(C)の紙面左右方
向に延びている。カソード電極11及びゲート電極31
3はクロム(Cr)から成る。電子放出部15Bは、具
体的には、グラファイト粉末から成る薄層から構成され
ている。また、電子放出素子の動作安定化、電子放出特
性の均一化のために、カソード電極11と電子放出部1
5Bとの間にSiCから成る抵抗体層60が設けられて
いる。図30の(C)に示した扁平型電子放出素子にお
いては、カソード電極11の表面の全域に亙って、抵抗
体層60及び電子放出部15Bが形成されているが、こ
のような構造に限定するものではなく、要は、少なくと
も開口部14の底部に電子放出部15Bが設けられてい
ればよい。
【0177】以下、支持体等の模式的な一部断面図であ
る図30を参照して、扁平型電子放出素子の製造方法を
説明する。
【0178】[工程−1400]先ず、支持体10上
に、クロム(Cr)から成るカソード電極用導電材料層
をスパッタ法にて形成した後、リソグラフィ技術及びド
ライエッチング技術に基づきカソード電極用導電材料層
をパターニングする。これによって、ストライプ状のカ
ソード電極用導電材料層から構成されたカソード電極1
1を支持体10上に形成することができる(図30の
(A)参照)。尚、カソード電極11は、図30の紙面
垂直方向に延びている。
【0179】[工程−1410]次に、カソード電極1
1上に、電子放出部15Bを形成する。具体的には、先
ず、全面にスパッタ法にてSiCから成る抵抗体層60
を形成し、次いで、抵抗体層60の上にグラファイト粉
末塗料から成る電子放出部15Bをスピンコーティング
法にて形成し、電子放出部15Bを乾燥させる。その
後、電子放出部15B及び抵抗体層60を公知の方法に
基づきパターニングする(図30の(B)参照)。電子
放出部15Bから電子が放出される。
【0180】[工程−1420]次に、全面に絶縁層1
2を形成する。具体的には、電子放出部15B及び支持
体10上に、例えば、スパッタ法にてSiO2から成る
絶縁層12を形成する。尚、絶縁層12を、ガラスペー
ストをスクリーン印刷する方法や、SiO2層をCVD
法にて形成する方法に基づき形成することもできる。そ
の後、ストライプ状のゲート電極313を絶縁層12上
に形成する。
【0181】[工程−1430]次に、ゲート電極31
3及び絶縁層12に開口部14を形成し、開口部14の
底部に電子放出部15Bを露出させる。その後、エッチ
ング用マスクを除去し、電子放出部15B中の有機溶剤
を除去するために、400゜C、30分の熱処理を施
す。こうして、図30の(C)に示した電子放出素子を
得ることができる。
【0182】(実施の形態15)実施の形態15は、実
施の形態14の変形である。実施の形態15における扁
平型電子放出素子の模式的な一部断面図を、図31の
(C)に示す。図31の(C)に示す扁平型電子放出素
子においては、電子放出部15Bの構造が、図30の
(C)に示した扁平型電子放出素子と若干異なってい
る。以下、支持体等の模式的な一部断面図である図31
を参照して、かかる電子放出素子の製造方法を説明す
る。
【0183】[工程−1500]先ず、支持体10上に
カソード電極用導電材料層を形成する。具体的には、支
持体10の全面にレジスト材料層(図示せず)を形成し
た後、カソード電極を形成すべき部分のレジスト材料層
を除去する。その後、全面にクロム(Cr)から成るカ
ソード電極用導電材料層をスパッタ法にて形成する。更
に、全面にスパッタ法にてSiCから成る抵抗体層60
を形成し、次いで、抵抗体層60の上にグラファイト粉
末塗料層をスピンコーティング法にて形成し、グラファ
イト粉末塗料層を乾燥させる。その後、剥離液を用いて
レジスト材料層を除去すると、レジスト材料層上に形成
されたカソード電極用導電材料層、抵抗体層60及びグ
ラファイト粉末塗料層も除去される。こうして、所謂リ
フトオフ法に基づき、カソード電極11、抵抗体層60
及び電子放出部15Bが積層された構造を得ることがで
きる(図31の(A)参照)。
【0184】[工程−1510]次に、全面に絶縁層1
2を形成した後、絶縁層12上にストライプ状ゲート電
極313を形成する(図31の(B)参照)。その後、
ゲート電極313及び絶縁層12に開口部14を形成す
ることによって、開口部14の底部に電子放出部15B
を露出させる(図31の(C)参照)。開口部14の底
部に露出したカソード電極11の表面に設けられた電子
放出部15Bから電子が放出される。
【0185】(実施の形態16)実施の形態16は、実
施の形態11にて説明した平面型電子放出素子の変形で
ある。図32の(A)に模式的な一部断面図を示す平面
型電子放出素子が図23に示した平面型電子放出素子と
相違する点は、開口部14の底部に露出したカソード電
極211の表面(電子放出部15Cに相当する)に、微
小凹凸部11Aが形成されている点にある。このような
平面型電子放出素子は、以下の製造方法にて製造するこ
とができる。
【0186】[工程−1600]先ず、支持体10上に
電子放出部15Cとして機能するカソード電極211
(電子放出層)を形成する。具体的には、支持体10上
に、タングステン(W)から成るカソード電極用導電材
料層をスパッタ法にて形成した後、リソグラフィ技術及
びドライエッチング技術に基づきカソード電極用導電材
料層をパターニングする。これによって、ストライプ状
のカソード電極用導電材料層から構成されたカソード電
極211を支持体10上に形成することができる。
【0187】[工程−1610]次に、例えばCVD法
にてSiO2から成る絶縁層12を、全面に、具体的に
は、支持体10及びカソード電極211の上に形成す
る。尚、絶縁層12を、スクリーン印刷法に基づきガラ
スペーストから形成することもできる。
【0188】[工程−1620]その後、リソグラフィ
技術及びエッチング技術を用いて絶縁層12に開口部1
4を形成する。あるいは、例えば、スクリーン印刷法に
て、絶縁層12を形成する際、併せて、開口部14を形
成してもよい。こうして、開口部14の底部に電子放出
部に相当するカソード電極211の表面を露出させるこ
とができる。ここで、絶縁層12がスペーサに相当す
る。
【0189】[工程−1630]次いで、この絶縁層1
2の上に、ゲート電極313を形成する。
【0190】[工程−1640]その後、ゲート電極3
13及び絶縁層12に開口部14を形成し、開口部14
の底部にカソード電極211を露出させる。その後、開
口部14の底部に露出したカソード電極211の部分
に、微小凹凸部11Aを形成する。微小凹凸部11Aの
形成に際しては、エッチングガスとしてSF6を用い、
カソード電極211を構成するタングステンの結晶粒と
粒界との間でエッチング速度の差が大きくなるような条
件を設定してRIE法に基づくドライエッチングを行
う。その結果、タングステンの結晶粒径をほぼ反映した
寸法を有する微小凹凸部11Aを形成することができ
る。
【0191】このような平面型電子放出素子の構成にお
いては、カソード電極211の微小凹凸部11A、より
具体的には微小凹凸部11Aの凸部に、ゲート電極31
3から大きな電界が加わる。このとき凸部に集中する電
界は、カソード電極211の表面が平滑である場合に比
べて大きいため、凸部からは量子トンネル効果によって
電子が効率良く放出される。従って、開口部14の底部
に単に平滑なカソード電極211が露出している平面型
電子放出素子に比べて、平面型表示装置に組み込まれた
場合の輝度の向上が期待できる。それ故、図32の
(A)に示した平面型電子放出素子によれば、ゲート電
極313とカソード電極211との間の電位差が比較的
小さくても、十分な放出電子電流密度を得ることがで
き、平面型表示装置の高輝度化が達成される。あるい
は、同じ輝度を達成するために必要なゲート電圧が低く
て済み、以て、低消費電力化を達成することが可能であ
る。
【0192】尚、絶縁層12をエッチングすることによ
って開口部14を形成し、しかる後に異方性エッチング
技術に基づきカソード電極211に微小凹凸部11Aを
形成したが、開口部14を形成するためのエッチングに
よって、微小凹凸部11Aを同時に形成することも可能
である。即ち、絶縁層12をエッチングする際に、ある
程度のイオンスパッタ作用が期待できる異方的なエッチ
ング条件を採用し、垂直壁を有する開口部14が形成さ
れた後もエッチングを継続することにより、開口部14
の底部に露出したカソード電極211の部分に微小凹凸
部11Aを形成することができる。その後、絶縁層12
の等方性エッチングを行えばよい。
【0193】また、[工程−1600]と同様の工程に
おいて、支持体10上に、タングステンから成るカソー
ド電極用導電材料層をスパッタ法にて形成した後、リソ
グラフィ技術及びドライエッチング技術に基づきカソー
ド電極用導電材料層をパターニングし、次いで、カソー
ド電極用導電材料層の表面に微小凹凸部11Aを形成し
た後、[工程−1610]以降と同様の工程を実行する
ことによって、図32の(A)に示したと同様の電子放
出素子を作製することもできる。
【0194】あるいは又、[工程−1600]と同様の
工程において、支持体10上に、タングステンから成る
カソード電極用導電材料層をスパッタ法にて形成した
後、カソード電極用導電材料層の表面に微小凹凸部11
Aを形成し、次いで、リソグラフィ技術及びドライエッ
チング技術に基づきカソード電極用導電材料層をパター
ニングした後、[工程−1610]以降の工程を実行す
ることによって、図32の(A)に示したと同様の電子
放出素子を作製することもできる。
【0195】図32の(B)には、図32の(A)に示
した電子放出素子の変形例を示す。図32の(B)に示
す電子放出素子においては、微小凹凸部11Aの先端部
の平均高さ位置が、絶縁層12の下面位置よりも支持体
10側に存在している(即ち、下がっている)。かかる
電子放出素子を形成するには、[工程−1600]と同
様の工程におけるドライエッチングの継続時間を延長す
ればよい。このような構成によれば、開口部14の中央
部近傍の電界強度を一層高めることができる。
【0196】図33には、電子放出部15Cに相当する
カソード電極11の表面(より具体的には、少なくとも
微小凹凸部11A上)に被覆層11Bが形成されている
平面型電子放出素子を示す。
【0197】この被覆層11Bは、カソード電極211
を構成する材料よりも仕事関数Φの小さい材料から構成
することが好ましく、どのような材料を選択するかは、
カソード電極211を構成する材料の仕事関数、ゲート
電極313とカソード電極211との間の電位差、要求
される放出電子電流密度の大きさ等に基づいて決定すれ
ばよい。被覆層11Bの構成材料として、アモルファス
ダイヤモンドを例示することができる。被覆層11Bを
アモルファスダイヤモンドを用いて構成した場合には、
5×107V/m以下の電界強度にて、平面型表示装置
に必要な放出電子電流密度を得ることができる。
【0198】被覆層11Bの厚さは、微小凹凸部11A
を反映し得る程度に選択する。これは、被覆層11Bに
よって微小凹凸部11Aの凹部が埋め込まれ、電子放出
部の表面が平滑化されてしまっては、微小凹凸部11A
を設けた意味が無くなるからである。従って、微小凹凸
部11Aの寸法にも依るが、例えば微小凹凸部11Aが
電子放出部の結晶粒径を反映して形成されている場合に
は、被覆層11Bの厚さを概ね30〜100nm程度に
選択することが好ましい。また、微小凹凸部11Aの先
端部の平均高さ位置を絶縁層の下面位置よりも下げる場
合には、厳密には、被覆層11Bの先端部の平均高さ位
置を絶縁層の下面位置よりも下げることが、一層好まし
い。
【0199】具体的には、[工程−1600]の後、全
面に例えばCVD法によりアモルファスダイヤモンドか
ら成る被覆層11Bを形成すればよい。尚、被覆層11
Bは、ゲート電極313及び絶縁層12の上に形成され
たエッチング用マスク(図示せず)の上にも堆積する
が、この堆積部分はエッチング用マスクの除去時、同時
に除去される。原料ガスとして例えばCH4/H2混合ガ
スや、CO/H2混合ガスを使用したCVD法に基づき
被覆層11Bを形成することができ、それぞれ炭素を含
む化合物の熱分解によってアモルファスダイヤモンドか
ら成る被覆層11Bが形成される。
【0200】あるいは又、[工程−1600]と同様の
工程において、支持体10上に、タングステンから成る
カソード電極用導電材料層をスパッタ法にて形成した
後、リソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づ
きカソード電極用導電材料層をパターニングし、その
後、カソード電極用導電材料層の表面に微小凹凸部11
Aを形成し、次いで、被覆層11Bを形成した後、[工
程−1610]以降の工程を実行することによって、図
33に示す電子放出素子を作製することもできる。
【0201】あるいは又、[工程−1600]と同様の
工程において、支持体10上に、タングステンから成る
カソード電極用導電材料層をスパッタ法にて形成した
後、カソード電極用導電材料層の表面に微小凹凸部11
Aを形成し、次いで、被覆層11Bを形成した後、リソ
グラフィ技術及びドライエッチング技術に基づき被覆層
11B、カソード電極用導電材料層をパターニングした
後、[工程−1610]以降の工程を実行することによ
って、図32に示す電子放出素子を作製することもでき
る。
【0202】あるいは又、被覆層を構成する材料とし
て、かかる材料の2次電子利得δがカソード電極を構成
する導電性材料の2次電子利得δよりも大きくなるよう
な材料を適宜選択することもできる。
【0203】尚、図23に示した平面型電子放出素子の
電子放出部15C(カソード電極211の表面)に被覆
層を形成してもよい。この場合には、[工程−112
0]の後、開口部14の底部に露出したカソード電極2
11の表面に被覆層11Bを形成すればよく、あるいは
又、[工程−1100]において、例えば、支持体10
上にカソード電極用導電材料層を形成した後、カソード
電極用導電材料層上に被覆層11Bを形成し、次いで、
リソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づき、
これらの層をパターニングすればよい。
【0204】(実施の形態17)クレータ型電子放出素
子の模式的な一部断面図を、図37の(B)に示す。ク
レータ型電子放出素子は、電子を放出する複数の隆起部
411Aと、各隆起部411Aに囲まれた凹部411B
とを有するカソード電極411が、支持体10上に備え
られている。尚、絶縁層12及びゲート電極313を取
り除いた模式的な斜視図を図36の(B)に示す。
【0205】凹部の形状は特に限定されないが、典型的
には略球面を成す。これは、かかるクレータ型電子放出
素子の製造方法において球体が使用され、凹部411B
が球体の形状の一部を反映して形成されることと関連し
ている。従って、凹部411Bが略球面を成す場合、凹
部411Bを囲む隆起部411Aは円環状となり、この
場合の凹部411Bと隆起部411Aとは、全体として
クレータあるいはカルデラのような形状を呈する。隆起
部411Aは電子を放出する部分であるため、電子放出
効率を高める観点からは、その先端部411Cが先鋭で
あることが特に好ましい。隆起部411Aの先端部41
1Cのプロファイルは、不規則な凹凸を有していても、
あるいは滑らかであってもよい。1画素内における隆起
部411Aの配置は規則的であってもランダムであって
もよい。尚、凹部411Bは、凹部411Bの周方向に
沿って連続した隆起部411Aにより囲まれていてもよ
いし、場合によっては、凹部411Bの周方向に沿って
不連続な隆起部411Aにより囲まれていてもよい。
【0206】このようなクレータ型電子放出素子の製造
方法において、支持体上にストライプ状のカソード電極
を形成する工程は、より具体的には、複数の球体を被覆
したストライプ状のカソード電極用導電材料層を支持体
上に形成する工程と、球体を除去することによって、球
体を被覆したカソード電極用導電材料層の部分を除去
し、以て、電子を放出する複数の隆起部と、各隆起部に
囲まれ、且つ、球体の形状の一部を反映した凹部とを有
するカソード電極を形成する工程、から成る。
【0207】球体の状態変化及び/又は化学変化によっ
て、球体を除去することが好ましい。ここで、球体の状
態変化及び/又は化学変化とは、膨張、昇華、発泡、ガ
ス発生、分解、燃焼、炭化等の変化若しくはこれらの組
合せを意味する。例えば、球体が有機材料から成る場
合、球体を燃焼させることによって除去することが一層
好ましい。尚、球体の除去と球体を被覆するカソード電
極用導電材料層の部分の除去、あるいは、球体の除去と
球体を被覆するカソード電極用導電材料層、絶縁層及び
ゲート電極を構成する層の部分の除去は、必ずしも同時
に起こらなくてもよい。例えば、球体を被覆するカソー
ド電極用導電材料層の部分、あるいはこれに加えて絶縁
層やゲート電極を構成する層の部分を除去した後に球体
の一部が残存している場合、残存した球体の除去を後か
ら行えばよい。
【0208】特に、球体が有機材料から成る場合、球体
を例えば燃焼させると、例えば、一酸化炭素、二酸化炭
素、水蒸気が発生し、球体近傍の閉鎖空間の圧力が高ま
り、球体近傍のカソード電極用導電材料層は或る耐圧限
界を超えた時点で破裂する。この破裂の勢いによって、
球体を被覆するカソード電極用導電材料層の部分が飛散
し、隆起部及び凹部が形成され、しかも、球体が除去さ
れる。あるいは又、球体を例えば燃焼させると、同様の
機構に基づき、カソード電極用導電材料層と絶縁層とゲ
ート電極を構成する層は或る耐圧限界を超えた時点で破
裂する。この破裂の勢いによって、球体を被覆するカソ
ード電極用導電材料層と絶縁層とゲート電極を構成する
層の部分が飛散し、隆起部及び凹部と同時に開口部が形
成され、しかも、球体が除去される。即ち、球体を除去
する以前には絶縁層及びゲート電極を構成する層には開
口部が存在せず、球体の除去に伴って開口部が形成され
る。このとき、球体の燃焼の初期過程は閉鎖空間内で進
行するため、球体の一部は炭化する可能性もある。球体
を被覆するカソード電極用導電材料層の部分の厚さを、
破裂によって飛散し得る程度に薄くすることが好まし
い。あるいは又、球体を被覆するカソード電極用導電材
料層、絶縁層及びゲート電極を構成する層の部分の厚さ
を、破裂によって飛散し得る程度に薄くすることが好ま
しく、特に、絶縁層については、球体を被覆していない
部分の厚さを球体の直径と同程度にすることが好適であ
る。
【0209】後述する実施の形態19の電子放出素子に
おいても、球体の状態変化及び/又は化学変化によって
球体を除去することができるが、カソード電極用導電材
料層の破裂を伴わないので、外力によって除去を行う方
が簡便な場合もある。また、後述する実施の形態20の
電子放出素子では、球体を除去する前の時点で既に開口
部が完成されているが、開口部の大きさが球体の直径よ
りも大きい場合には、球体を外力によって除去すること
ができる。ここで、外力とは、空気又は不活性ガスの吹
付け圧力、洗浄液の吹付け圧力、磁気吸引力、静電気
力、遠心力等の物理的な力である。尚、実施の形態19
あるいは実施の形態20の電子放出素子においては、実
施の形態17の電子放出素子と異なり、球体を被覆する
部分のカソード電極用導電材料層、あるいは、場合によ
っては、更に絶縁層やゲート電極を構成する層を飛散さ
せる必要がないので、カソード電極用導電材料層、絶縁
層あるいはゲート電極を構成する層の残渣が発生し難い
という利点がある。
【0210】後述する実施の形態19あるいは実施の形
態20における電子放出素子で使用される球体は、少な
くとも表面が、カソード電極用導電材料層、構成に依っ
ては絶縁層やゲート電極を構成する層を構成する材料の
各界面張力(表面張力)に比べて、大きな界面張力を有
する材料から構成されていることが好ましい。これによ
り、実施の形態20における電子放出素子では、カソー
ド電極用導電材料層、絶縁層及びゲート電極を構成する
層は球体の少なくとも頂部を被覆することがなく、開口
部が最初から絶縁層及びゲート電極を構成する層に形成
された状態が得られる。開口部の直径がどの程度になる
かは、例えば、カソード電極用導電材料層、絶縁層やゲ
ート電極を構成する層を構成する材料の厚さと球体の直
径との関係や、カソード電極用導電材料層、絶縁層やゲ
ート電極を構成する層の形成方法、カソード電極用導電
材料層、絶縁層やゲート電極を構成する層を構成する材
料の界面張力(表面張力)に依存する。
【0211】後述する実施の形態19あるいは実施の形
態20の電子放出素子において、球体は、少なくとも表
面が界面張力に関する上述の条件を満たしていればよ
い。つまり、カソード電極用導電材料層、絶縁層及びゲ
ート電極を構成する層の各界面張力よりも大きな界面張
力を有している部分は、球体の表面のみであっても全体
であってもよく、また、球体の表面及び/又は全体の構
成材料は、無機材料、有機材料、あるいは無機材料と有
機材料の組合せのいずれであってもよい。実施の形態1
9あるいは実施の形態20の電子放出素子において、カ
ソード電極用導電材料層等が通常の金属系材料から構成
され、絶縁層がガラス等の酸化シリコン系材料から構成
される場合、金属系材料の表面には吸着水分に由来する
水酸基、絶縁層の表面にはSi−O結合のダングリング
・ボンドと吸着水分とに由来する水酸基が存在し、親水
性の高い状態にあるのが普通である。従って、疎水性の
表面処理層を有する球体を用いることが、特に有効であ
る。疎水性の表面処理層の構成材料として、フッ素系樹
脂、例えばポリテトラフルオロエチレンを挙げることが
できる。球体が疎水性の表面処理層を有する場合、疎水
性の表面処理層の内側の部分を芯材と称することにする
と、芯材の構成材料は、ガラス、セラミックス、フッ素
系樹脂以外の高分子材料のいずれであってもよい。
【0212】球体を構成する有機材料は特に限定されな
いが、汎用の高分子材料が好適である。但し、重合度が
極端に大きかったり、多重結合含有量が極端に多い高分
子材料では、燃焼温度が高くなり過ぎ、燃焼による球体
の除去時、カソード電極用導電材料層や絶縁層、ゲート
電極を構成する層に悪影響が及ぶ虞がある。それ故、こ
れらに対する悪影響が生じる虞のない温度にて燃焼若し
くは炭化させることが可能な高分子材料を選択すること
が好ましい。特に、絶縁層をガラスペーストのような、
後工程において焼成を要する材料を用いて形成する場合
には、工数をなるべく減少させる観点から、ガラスペー
ストの焼成温度にて燃焼若しくは炭化可能な高分子材料
を選択することが好適である。ガラスペーストの典型的
な焼成温度は約530゜Cなので、かかる高分子材料の
燃焼温度は350〜500゜C程度であることが好まし
い。代表的な高分子材料として、スチレン系、ウレタン
系、アクリル系、ビニル系、ジビニルベンゼン系、メラ
ミン系、ホルムアルデヒド系、ポリメチレン系のホモポ
リマー又は共重合体を挙げることができる。あるいは
又、球体として、支持体上での確実な配置を確保するた
めに、付着力を有する固着タイプの球体を使用すること
もできる。固着タイプの球体として、アクリル系樹脂か
ら成る球体を例示することができる。
【0213】あるいは又、例えば、塩化ビニリデン・ア
クリロニトリル共重合体を外殻とし、発泡材としてイソ
ブタンを内包し、カプセル化した加熱膨張型マイクロス
フェアを球体として使用することができる。実施の形態
17の電子放出素子において、かかる加熱膨張型マイク
ロスフェアを用い、熱膨張型マイクロスフェアを加熱す
ると、外殻のポリマーが軟化し、しかも、内包されたイ
ソブタンがガス化して膨張する結果、粒径が膨張前と比
較して約4倍程度の真球の中空体が形成される。その結
果、実施の形態17の電子放出素子において、電子を放
出する隆起部、及び、隆起部に囲まれ、且つ、球体の形
状の一部を反映した凹部を、カソード電極用導電材料層
に形成することができる。また、かかる凹部や隆起部に
加え、ゲート電極を構成する層及び絶縁層を貫通した開
口部を形成することもできる。尚、熱膨張型マイクロス
フェアの加熱による膨張も、本明細書においては、球体
の除去という概念に包含する。その後、熱膨張型マイク
ロスフェアを適切な溶剤を用いて取り除けばよい。
【0214】実施の形態17の電子放出素子において
は、支持体上に複数の球体を配置した後、球体を被覆す
るカソード電極用導電材料層を形成すればよい。この場
合においては、あるいは又、後述する実施の形態19あ
るいは実施の形態20の電子放出素子においては、支持
体上への複数の球体の配置方法として、球体を支持体上
に散布する乾式法を挙げることができる。球体の散布に
は、例えば、液晶表示装置の製造分野において、パネル
間隔を一定に維持するためのスペーサを散布する技術を
応用することができる。具体的には、圧搾気体で球体を
ノズルから噴射する、所謂スプレーガンを用いることが
できる。尚、球体をノズルから噴射する際、球体を揮発
性の溶剤中に分散させた状態としてもよい。あるいは、
静電粉体塗装の分野で通常使用されている装置や方法を
利用して球体を散布することもできる。例えば、コロナ
放電を利用した静電粉体吹付けガンにより負に帯電させ
た球体を、接地した支持体に向かって吹き付けることが
できる。使用する球体は、後述するように非常に小さい
ため、支持体上に散布されると支持体の表面に例えば静
電気力によって付着し、以降の工程においても容易に支
持体から脱落することはない。支持体上に複数の球体の
配置した後、球体を加圧すれば、支持体上の複数の球体
の重なりを解消することができ、球体を支持体上で単層
に密に配置することができる。
【0215】あるいは、後述する実施の形態18におけ
る電子放出素子のように、球体とカソード電極材料とを
分散媒中に分散させて成る組成物から成る組成物層を支
持体上に形成し、以て、支持体上に複数の球体を配置
し、カソード電極材料から成るカソード電極で球体を被
覆した後、分散媒を除去することもできる。組成物の性
状としては、スラリーやペーストが可能であり、これら
の所望の性状に応じ、分散媒の組成や粘度を適宜選択す
ればよい。組成物層を支持体上に形成する方法として
は、スクリーン印刷法が好適である。カソード電極材料
は、典型的には、分散媒中における沈降速度が球体より
も遅い微粒子であることが好適である。かかる微粒子を
構成する材料として、カーボン、バリウム、ストロンチ
ウム、鉄を挙げることができる。分散媒を除去した後、
必要に応じてカソード電極の焼成を行う。組成物層を支
持体上に形成する方法としては、噴霧法、滴下法、スピ
ンコーティング法、スクリーン印刷法を挙げることがで
きる。尚、球体が配置されると共に、カソード電極材料
から成るカソード電極用導電材料層で球体が被覆される
が、組成物層の形成方法に依っては、かかるカソード電
極用導電材料層のパターニングを行う必要がある。
【0216】あるいは、後述する実施の形態19あるい
は実施の形態20における電子放出素子にあっては、球
体を分散媒中に分散させて成る組成物から成る組成物層
を支持体上に形成し、以て、支持体上に複数の球体を配
置した後、分散媒を除去することができる。組成物の性
状としては、スラリーやペーストが可能であり、これら
の所望の性状に応じ、分散媒の組成や粘度を適宜選択す
ればよい。典型的には、イソプロピルアルコール等の有
機溶媒を分散媒として用い、蒸発により分散媒を除去す
ることができる。組成物層を支持体上に形成する方法と
しては、噴霧法、滴下法、スピンコーティング法、スク
リーン印刷法を挙げることができる。
【0217】ところで、ゲート電極を構成する層とカソ
ード電極用導電材料層は互いに異なる方向(例えば、ス
トライプ状のゲート電極を構成する層の射影像とストラ
イプ状のカソード電極用導電材料層の射影像とが成す角
度が90度)に延びており、且つ、例えばストライプ状
にパターニングされており、電子放出領域に位置する隆
起部から電子が放出される。従って、隆起部は、機能
上、電子放出領域にのみ存在すればよい。但し、たとえ
電子放出領域以外の領域に隆起部及び凹部が存在してい
たとしても、このような隆起部及び凹部は絶縁層に被覆
されたまま、何ら電子を放出するといった機能を果たさ
ない。従って、球体を全面に配置しても何ら問題は生じ
ない。
【0218】これに対して、球体を被覆したカソード電
極用導電材料層、絶縁層及びゲート電極を構成する層の
各部分を除去する場合、個々の球体の配置位置と開口部
の形成位置とが一対一に対応するため、電子放出領域以
外の領域にも開口部が形成される。以下、電子放出領域
以外の領域に形成される開口部を「無効開口部」と呼
び、電子放出に寄与する本来の開口部と区別する。とこ
ろで、電子放出領域以外の領域に無効開口部が形成され
たとしても、この無効開口部は電子放出素子として何ら
機能せず、電子放出領域に形成される電子放出素子の動
作に何ら悪影響を及ぼさない。なぜなら、無効開口部の
底部に隆起部及び凹部が露出していても、無効開口部の
上端部にゲート電極が形成されていないからであり、あ
るいは又、無効開口部の上端部にゲート電極が形成され
ていても底部に隆起部及び凹部が露出していないか、あ
るいは、無効開口部の底部に隆起部及び凹部が露出して
おらず、しかも、上端部にゲート電極が形成されておら
ず、単に支持体の表面が露出しているか、のいずれかで
あるからである。従って、球体を全面に配置しても何ら
問題は生じない。尚、電子放出領域とそれ以外の領域と
の境界線上に形成された孔は、開口部に含まれる。
【0219】球体の直径は、所望の開口部の直径、凹部
の直径、電子放出素子を用いて構成される平面型表示装
置の表示画面寸法、画素数、電子放出領域(重複領域)
の寸法、1画素を構成すべき電子放出素子の個数に応じ
て選択することができるが、0.1〜10μmの範囲で
選択することが好ましい。例えば、液晶表示装置のスペ
ーサとして市販されている球体は、粒径分布が1〜3%
と良好なので、これを利用することが好適である。球体
の形状は真球であることが理想的ではあるが、必ずしも
真球である必要はない。また、電子放出素子の製造方法
に依っては、上述したように、球体の配置された場所に
開口部か無効開口部のいずれかが形成され得るが、支持
体上には球体を100〜5000個/mm2程度の密度
で配置することが好適である。例えば球体を約1000
個/mm2の密度で支持体上に配置すると、例えば電子
放出領域の寸法を仮に0.5mm×0.2mmとした場
合、この電子放出領域内に約100個の球体が存在し、
約100個の隆起部が形成されることになる。1つの電
子放出領域にこの程度の個数の隆起部が形成されていれ
ば、球体の粒径分布や真球度のばらつきに起因する凹部
の直径のばらつきはほぼ平均化され、実用上、1画素
(又は1サブピクセル)当たりの放出電子電流密度や輝
度はほぼ均一となる。
【0220】実施の形態17における電子放出素子ある
いは後述する実施の形態18〜実施の形態20の電子放
出素子においては、球体の形状の一部が電子放出部を構
成する凹部の形状に反映される。隆起部の先端部のプロ
ファイルは、不規則な凹凸を有していても、あるいは滑
らかであってもよいが、特に、実施の形態17における
電子放出素子や実施の形態18における電子放出素子に
あっては、この先端部はカソード電極用導電材料層の破
断により形成されるため、隆起部の先端部が不規則形状
となり易い。破断により隆起部に先端部が先鋭化する
と、先端部が高効率の電子放出部として機能し得るの
で、好都合である。実施の形態17〜実施の形態20に
おける電子放出素子にあっては、凹部を囲む隆起部はい
ずれも概ね円環状となり、この場合の凹部と隆起部と
は、全体としてクレータあるいはカルデラのような形状
を呈する。
【0221】支持体上における隆起部の配置は規則的で
あってもランダムであってもよく、球体の配置方法に依
存する。上述の乾式法あるいは湿式法を採用した場合、
支持体上における隆起部の配置はランダムとなる。尚、
凹部の周方向に沿って連続した隆起部により凹部が囲ま
れていてもよいし、場合によっては、凹部の周方向に沿
って不連続な隆起部により凹部が囲まれていてもよい。
【0222】実施の形態17〜実施の形態20における
電子放出素子にあっては、絶縁層の形成後、絶縁層に開
口部を形成する場合、隆起部の先端部に損傷が生じない
ように、隆起部を得た後、保護層を形成し、開口部の形
成後、保護層を取り除く構成とすることもできる。保護
層を構成する材料として、クロムを例示することができ
る。
【0223】以下、図34〜図37を参照して、実施の
形態17における電子放出素子の電子放出素子の製造方
法を説明するが、図34の(A)、図35の(A)、図
36の(A)は模式的な一部端面図であり、図37の
(A)及び(B)は模式的な一部断面図であり、図34
の(B)、図35の(B)及び図36の(B)は、図3
4の(A)、図35の(A)及び図36の(A)よりも
広い範囲を模式的に示す一部斜視図である。
【0224】[工程−1700]先ず、複数の球体80
を被覆したカソード電極411を支持体10上に形成す
る。具体的には、先ず、例えばガラスから成る支持体1
0上の全面に、球体80を配置する。球体80は、例え
ばポリメチレン系の高分子材料から成り、平均直径約5
μm、粒径分布1%未満である。球体80を、スプレー
ガンを用い、支持体10上におおよそ1000個/mm
2の密度でランダムに配置する。スプレーガンを用いた
散布は、球体を揮発性溶剤と混合して噴霧する方式、あ
るいは粉末状態のままノズルから噴射する方式のいずれ
でもよい。配置された球体80は、静電気力で支持体1
0上に保持されている。この状態を図34の(A)及び
(B)に示す。
【0225】[工程−1710]次に、球体80及び支
持体10上にカソード電極用導電材料層411’を形成
する。カソード電極用導電材料層411’を形成した状
態を、図35の(A)及び(B)に示す。カソード電極
用導電材料層411’は、例えばカーボンペーストをス
トライプ状にスクリーン印刷することによって形成する
ことができる。このとき、球体80は支持体10上の全
面に配置されているので、球体80の中には、図35の
(B)に示すように、カソード電極用導電材料層41
1’で被覆されないものも当然存在する。次に、カソー
ド電極用導電材料層411’に含まれる水分や溶剤を除
去し、且つ、カソード電極用導電材料層411’を平坦
化するために、例えば150゜Cにてカソード電極用導
電材料層411’を乾燥する。この温度では、球体80
は何ら状態変化及び/又は化学変化を起こさない。尚、
上述のようなカーボンペーストを用いたスクリーン印刷
に替えて、カソード電極用導電材料層411’を全面に
形成し、カソード電極用導電材料層411’を通常のリ
ソグラフィ技術とドライエッチング技術を用いてパター
ニングし、ストライプ状のカソード電極用導電材料層4
11’を形成することもできる。リソグラフィ技術を適
用する場合、通常、レジスト層をスピンコーティング法
により形成するが、スピンコーティング時の支持体10
の回転数が500rpm程度、回転時間が数秒間程度で
あれば、球体80は脱落したり変位することなく、支持
体10上に保持され得る。
【0226】[工程−1720]次に、球体80を除去
することによって、球体80を被覆したカソード電極用
導電材料層411’の部分を除去し、以て、電子を放出
する複数の隆起部411Aと、各隆起部411Aに囲ま
れ、且つ、球体80の形状の一部を反映した凹部411
Bとを有するカソード電極411を形成する。この状態
を、図36の(A)及び(B)に示す。具体的には、カ
ソード電極用導電材料層411’の焼成を兼ね、約53
0゜Cにて加熱を行うことにより球体80を燃焼させ
る。球体80の燃焼に伴って球体80が閉じ込められて
いた閉鎖空間の圧力が上昇し、球体80を被覆するカソ
ード電極用導電材料層411’の部分が或る耐圧限界を
超えた時点で破裂して除去される。その結果、支持体1
0上に形成されたカソード電極411の一部分に、隆起
部411A及び凹部411Bが形成される。尚、球体を
除去した後に、球体の一部分が残渣として残る場合に
は、使用する球体を構成する材料にも依るが、適切な洗
浄液を用いて残渣を除去すればよい。
【0227】[工程−1730]その後、カソード電極
411及び支持体10上に絶縁層12を形成する。具体
的には、例えば、ガラスペーストを全面に約5μmの厚
さにスクリーン印刷する。次に、絶縁層12に含まれる
水分や溶剤を除去し、且つ、絶縁層12を平坦化するた
めに、例えば150゜Cにて絶縁層12を乾燥する。上
述のようなガラスペーストを用いたスクリーン印刷に替
えて、例えばプラズマCVD法によりSiO2膜を形成
してもよい。
【0228】[工程−1740]次に、絶縁層12上
に、ストライプ状のゲート電極313を形成する(図3
7の(A)参照)。ストライプ状のゲート電極を構成す
る層の射影像の延びる方向は、ストライプ状のカソード
電極用導電材料層の射影像の延びる方向と90度の角度
を成している。
【0229】[工程−1750]その後、ゲート電極3
13の射影像とカソード電極411の射影像とが重複す
る電子放出領域において、ゲート電極313及び絶縁層
12に開口部14を形成し、以て、開口部14の底部に
複数の複数の隆起部411A及び凹部411Bを露出さ
せる。開口部14の形成は、通常のリソグラフィ技術に
よるレジストマスクの形成と、レジストマスクを用いた
エッチングにより行うことができる。但し、カソード電
極411に対して十分に高いエッチング選択比が確保で
きる条件でエッチングを行うことが好ましい。あるいは
又、隆起部411Aを形成した後、例えば、クロムから
成る保護層を形成しておき、開口部14を形成した後、
保護層を取り除くことが好ましい。その後、レジストマ
スクを除去する。こうして、図37の(B)に示した電
子放出素子を得ることができる。
【0230】尚、実施の形態17における電子放出素子
の製造方法の変形例として、[工程−1710]の後、
[工程−1730]〜[工程−1750]を実行し、次
いで、[工程−1720]を実行してもよい。この場
合、球体の燃焼と絶縁層12を構成する材料の焼成を同
時に行えばよい。
【0231】あるいは又、[工程−1710]の後、
[工程−1730]を実行し、更に、[工程−174
0]と同様の工程において、開口部を有していないスト
ライプ状のゲート電極を構成する層を絶縁層上に形成し
た後、[工程−1720]を実行する。これによって、
球体80を被覆したカソード電極用導電材料層41
1’、絶縁層12及びゲート電極を構成する層の各部分
が除去され、以て、ゲート電極313及び絶縁層12を
貫通した開口部が形成されると共に、電子を放出する隆
起部411Aと、隆起部411Aに囲まれ、且つ、球体
80の形状の一部を反映した凹部411Bとから成る電
子放出部を、開口部の底部に位置するカソード電極用4
11に形成することができる。即ち、球体80の燃焼に
伴って球体80が閉じ込められている閉鎖空間の圧力が
上昇し、球体を被覆する部分のカソード電極用導電材料
層411’と絶縁層12とゲート電極を構成する層とが
或る耐圧限界を超えた時点で破裂し、隆起部411A及
び凹部411Bと同時に開口部が形成され、しかも、球
体80が除去される。開口部は、ゲート電極313及び
絶縁層12を貫通し、且つ、球体80の形状の一部を反
映している。また、開口部の底部には、電子を放出する
隆起部411A、及び、隆起部411Aに囲まれ、且
つ、球体80の形状の一部を反映した凹部411Bが残
る。
【0232】(実施の形態18)実施の形態18は、実
施の形態17の変形である。実施の形態18のクレータ
型電子放出素子の製造方法を図38を参照して説明する
が、支持体10上に複数の球体80を配置する工程が、
球体80とカソード電極材料とを分散媒中に分散させて
成る組成物から成る組成物層81を支持体10上に形成
し、以て、支持体10上に複数の球体80を配置し、カ
ソード電極材料から成るカソード電極411で球体を被
覆した後、分散媒を除去する工程から成る、即ち、湿式
法から成る点が、実施の形態17における電子放出素子
の製造方法と相違する。
【0233】[工程−1800]先ず、支持体10上に
複数の球体80を配置する。具体的には、球体80とカ
ソード電極材料81Bとを分散媒81A中に分散させて
成る組成物から成る組成物層81を支持体10上に形成
する。即ち、例えば、イソプロピルアルコールを分散媒
81Aとして使用し、平均直径約5μmのポリメチレン
系の高分子材料から成る球体80と、平均直径約0.0
5μmのカーボン粒子をカソード電極材料81Bとして
分散媒81A中に分散させて成る組成物を支持体10上
にストライプ状にスクリーン印刷し、組成物層81を形
成する。図38の(A)には、組成物層81の形成直後
の状態を示す。
【0234】[工程−1810]支持体10に保持され
た組成物層81中では、間もなく球体80が沈降して支
持体10上に配置されると共に、球体80から支持体1
0上に亙ってカソード電極材料81Bが沈降し、カソー
ド電極材料81Bから成るカソード電極用構成層41
1’が形成される。これによって、支持体10上に複数
の球体80を配置し、カソード電極材料から成るカソー
ド電極用導電材料層411’で球体80を被覆すること
ができる。この状態を、図38の(B)に示す。
【0235】[工程−1820]その後、分散媒81A
を例えば蒸発させることによって除去する。この状態
を、図38の(C)に示す。
【0236】[工程−1830]次いで、実施の形態1
7における電子放出素子の[工程−1720]〜[工程
−1750]と同様の工程、あるいは、実施の形態17
における電子放出素子の製造方法の変形例を実行するこ
とによって、図37の(B)に示したと同様の電子放出
素子を完成することができる。
【0237】(実施の形態19)実施の形態19も、実
施の形態17の変形である。実施の形態19のクレータ
型電子放出素子の製造方法の変形において、支持体上に
ストライプ状のカソード電極を形成する工程は、より具
体的には、支持体上に複数の球体を配置する工程と、電
子を放出する複数の隆起部と、各隆起部に囲まれ、且
つ、球体の形状の一部を反映した凹部とを有し、各隆起
部が球体の周囲に形成されたカソード電極を、支持体上
に設ける工程と、球体を除去する工程、から成る。支持
体上への複数の球体の配置は、球体の散布によって行
う。また、球体は疎水性の表面処理層を有する。以下、
かかる電子放出素子の製造方法を、図39を参照して説
明する。
【0238】[工程−1900]先ず、支持体10上に
複数の球体180を配置する。具体的には、ガラスから
成る支持体10上の全面に、複数の球体180を配置す
る。この球体180は、例えばジビニルベンゼン系の高
分子材料から成る芯材180Aをポリテトラフルオロエ
チレン系樹脂から成る表面処理層180Bで被覆して成
り、平均直径約5μm、粒径分布1%未満である。球体
180を、スプレーガンを用い、支持体10上におおよ
そ1000個/mm2の密度でランダムに配置する。配
置された球体180は、静電気力で支持体10上に吸着
されている。ここまでの工程が終了した状態を、図39
の(A)に示す。
【0239】[工程−1910]次に、電子を放出する
複数の隆起部411Aと、各隆起部411Aに囲まれ、
且つ、球体180の形状の一部を反映した凹部411B
とを有し、各隆起部411Aが球体180の周囲に形成
されたカソード電極411(カソード電極用導電材料層
から成る)を、支持体10上に設ける。具体的には、実
施の形態17における電子放出素子で述べたと同様に、
例えばペーストをストライプ状にスクリーン印刷する
が、実施の形態19における電子放出素子では、球体1
80の表面が表面処理層180Bにより疎水性を帯びて
いるために、球体180の上にスクリーン印刷されたペ
ーストは直ちに弾かれて落下し、球体180の周囲に堆
積して隆起部411Aが形成される。隆起部411Aの
先端部411Cは、実施の形態17における電子放出素
子の場合ほど先鋭とはならない。球体180と支持体1
0との間に入り込んだカソード電極用導電材料層の部分
が、凹部411Bとなる。図39の(B)では、カソー
ド電極411と球体180との間に隙間が存在するよう
に図示されているが、カソード電極411と球体180
とは接触している場合もある。その後、カソード電極4
11を例えば150゜Cにて乾燥させる。ここまでの工
程が終了した状態を、図39の(B)に示す。
【0240】[工程−1920]次に、球体180に外
力を与えることによって、支持体10上から球体180
を除去する。具体的な除去方法としては、洗浄や圧搾気
体の吹付けを挙げることができる。ここまでの工程が終
了した状態を、図39の(C)に示す。尚、球体の除去
は、球体の状態変化及び/又は化学変化に基づいて、よ
り具体的には、例えば、燃焼によって球体を除去するこ
とも可能である。以下に説明する実施の形態20におけ
る電子放出素子においても同様である。
【0241】[工程−1930]その後、実施の形態1
7における電子放出素子の[工程−1730]〜[工程
−1750]を実行することによって、図37の(B)
に示したと略同様の電子放出素子を得ることができる。
【0242】尚、実施の形態19における電子放出素子
の製造方法の変形例として、[工程−1910]の後、
実施の形態17における電子放出素子の[工程−173
0]〜[工程−1750]を実行し、次いで、[工程−
1920]を実行してもよい。
【0243】(実施の形態20)実施の形態20のクレ
ータ型電子放出素子の製造方法において、支持体上にス
トライプ状のカソード電極を形成する工程は、より具体
的には、支持体上に複数の球体を配置する工程と、電子
を放出する複数の隆起部と、各隆起部に囲まれ、且つ、
球体の形状の一部を反映した凹部とを有し、各隆起部が
球体の周囲に形成されたカソード電極を支持体上に設け
る工程、から成る。尚、全面に絶縁層を設ける際、球体
の上方に開口部が形成された絶縁層を、カソード電極及
び支持体上に設ける。球体の除去は、開口部の形成後に
行う。実施の形態20における電子放出素子の電子放出
素子の製造方法においては、支持体上への複数の球体の
配置は、球体の散布によって行う。また、球体は疎水性
の表面処理層を有する。以下、実施の形態20の電子放
出素子の製造方法を、図40及び図41を参照して説明
する。
【0244】[工程−2000]先ず、支持体10上に
複数の球体180を配置する。具体的には、実施の形態
19における電子放出素子の[工程−1900]と同様
の工程を実行する。
【0245】[工程−2010]その後、電子を放出す
る複数の隆起部411Aと、各隆起部411Aに囲ま
れ、且つ、球体180の形状の一部を反映した凹部41
1Bとを有し、各隆起部411Aが球体180の周囲に
形成されたカソード電極411を、支持体10上に設け
る。具体的には、実施の形態19における電子放出素子
の[工程−1910]と同様の工程を実行する。
【0246】[工程−2020]次に、球体の上方に開
口部14Aが形成された絶縁層12を、カソード電極4
11及び支持体10上に設ける。具体的には、例えば、
ガラスペーストを全面に約5μmの厚さにスクリーン印
刷する。ガラスペーストを用いたスクリーン印刷は、実
施の形態17における電子放出素子と同様に行うことが
できるが、球体180の表面が表面処理層180Bによ
り疎水性を帯びているために、球体180の上にスクリ
ーン印刷されたガラスペーストは直ちに弾かれて落下
し、自らの表面張力により絶縁層12の球体180の上
の部分は収縮する。その結果、球体180の頂部は絶縁
層12に覆われることなく、開口部14A内に露出す
る。この状態を図40の(A)に示す。図示した例で
は、開口部14Aの上端部の直径は球体180の直径よ
りも大きいが、表面処理層180Bの界面張力が、ガラ
スペーストの界面張力よりも小さい場合には、開口部1
4Aの直径が小さくなる傾向にある。逆に、表面処理層
180Bの界面張力が、ガラスペーストの界面張力より
も著しく大きい場合には、開口部14Aの直径は大きく
なり易い。その後、絶縁層12を例えば150゜Cにて
乾燥させる。
【0247】[工程−2030]次に、開口部14Aと
連通する開口部14Bを有するゲート電極313を絶縁
層12上に形成する。具体的には、例えば、ペーストを
ストライプ状にスクリーン印刷する。ペーストを用いた
スクリーン印刷は、実施の形態17における電子放出素
子と同様に行えばよいが、球体180の表面が表面処理
層180Bにより疎水性を帯びているために、球体18
0の上にスクリーン印刷されたペーストは直ちに弾かれ
て、自らの表面張力により収縮し、絶縁層12の表面の
みに付着した状態となる。このとき、ゲート電極313
は、図示するように、絶縁層12の開口端部から開口部
14A内へ若干回り込むように形成されることもある。
その後、ゲート電極313を例えば150゜Cにて乾燥
させる。ここまでの工程が終了した状態を、図40の
(B)に示す。尚、表面処理層180Bの界面張力が、
ペーストの界面張力よりも小さい場合には、開口部14
Aの直径が小さくなる傾向にある。逆に、表面処理層1
80Bの界面張力が、ペーストの界面張力よりも著しく
大きい場合には、開口部14Aの直径は大きくなり易
い。
【0248】[工程−2040]次に、開口部14B,
14Aの底部に露出した球体180を除去する。具体的
には、カソード電極411と絶縁層12との焼成を兼
ね、ガラスペーストの典型的な焼成温度である約530
゜Cにて加熱を行うことにより、球体180を燃焼させ
る。このとき、実施の形態17における電子放出素子と
異なり、絶縁層12及びゲート電極313には開口部1
4A,14Bが最初から形成されているので、カソード
電極411や絶縁層12、ゲート電極313の一部が飛
散することはなく、球体180は速やかに除去される。
尚、開口部14A,14Bの上端部の直径が球体180
の直径よりも大きい場合、球体180を燃焼させなくと
も、例えば、洗浄や圧搾気体の吹付け等の外力によって
球体180を除去することが可能である。ここまでの工
程が終了した状態を、図41の(A)に示す。
【0249】[工程−2050]その後、開口部14A
の側壁面に相当する絶縁層12の一部を等方的にエッチ
ングすると、図41の(B)に示す電子放出素子を完成
することができる。ここでは、ゲート電極313の端部
が下方を向いているが、このことは、開口部14内の電
界強度を高める上で好ましい。
【0250】(実施の形態21)エッジ型電子放出素子
の模式的な一部断面図を図42の(A)に示す。このエ
ッジ型電子放出素子は、支持体10上に形成されたスト
ライプ状のカソード電極(電子放出層)111と、支持
体10及びカソード電極111上に形成された絶縁層1
2と、絶縁層12上に形成されたストライプ状のゲート
電極313から構成されており、開口部14がゲート電
極313及び絶縁層12に設けられている。開口部14
の底部にはカソード電極111のエッジ部111Aが露
出している。カソード電極111及びゲート電極313
に電圧を印加することによって、カソード電極111の
エッジ部111Aから電子が放出される。
【0251】尚、図42の(B)に示すように、開口部
14内のカソード電極111の下の支持体10に凹部1
0Aが形成されていてもよい。あるいは又、模式的な一
部断面図を図42の(C)に示すように、支持体10上
に形成された第1ゲート電極13Aと、支持体10及び
第1ゲート電極13A上に形成された下部絶縁層12A
と、下部絶縁層12A上に形成されたカソード電極11
1と、下部絶縁層12A及びカソード電極111に形成
された上部絶縁層12Bと、上部絶縁層12B上に形成
された第2ゲート電極313Bから構成することもでき
る。そして、開口部14が、第2ゲート電極313B、
上部絶縁層12B、カソード電極111及び下部絶縁層
12Aに設けられており、開口部14の側壁にはカソー
ド電極111のエッジ部111Aが露出している。カソ
ード電極111並びに第1ゲート電極13A、第2ゲー
ト電極313Bに電圧を印加することによって、電子放
出部に相当するカソード電極111のエッジ部111A
から電子が放出される。
【0252】例えば、図42の(C)に示したエッジ型
電子放出素子の製造方法を、支持体等の模式的な一部端
面図である図43を参照して、以下、説明する。
【0253】[工程−2100]先ず、例えばガラスか
ら成る支持体10の上に、スパッタリングにより厚さ約
0.2μmのタングステン膜を成膜し、フォトリソグラ
フィ技術及びドライエッチング技術によりこのタングス
テン膜をパターニングし、第1ゲート電極13Aを形成
する。次に、全面に、SiO2から成る厚さ0.3μm
の下部絶縁層12Aを形成した後、下部絶縁層12Aの
上にタングステンから成るストライプ状のカソード電極
用導電材料層から構成されたカソード電極111を形成
する(図43の(A)参照)。
【0254】[工程−2110]その後、全面に、例え
ばSiO2から成る厚さ0.7μmの上部絶縁層12B
を形成し、次いで、上部絶縁層12B上にストライプ状
の第2ゲート電極313Bを形成する(図43の(B)
参照)。第2ゲート電極313Bはガス捕捉材料から構
成されている。
【0255】[工程−2120]次に、全面にレジスト
層90を形成した後、レジスト層90に第2ゲート電極
313Bの表面を一部露出させるようにレジスト開口部
90Aを形成する。レジスト開口部90Aの平面形状は
矩形である。矩形の長辺はおおよそ100μm、短辺は
数μm〜10μmである。続いて、レジスト開口部90
Aの底面に露出した第2ゲート電極313Bを例えばR
IE法により異方的にエッチングし、開口部を形成す
る。次に、開口部の底面に露出した上部絶縁層12Bを
等方的にエッチングし、開口部を形成する(図43の
(C)参照)。上部絶縁層12BをSiO2を用いて形
成しているので、緩衝化フッ酸水溶液を用いたウェット
エッチングを行う。上部絶縁層12Bに形成された開口
部の壁面は、第2ゲート電極313Bに形成された開口
部の開口端面よりも後退するが、このときの後退量はエ
ッチング時間の長短により制御することができる。ここ
では、上部絶縁層12Bに形成された開口部の下端が、
第2ゲート電極313Bに形成された開口部の開口端面
よりも後退するまで、ウェットエッチングを行う。
【0256】次に、開口部の底面に露出したカソード電
極111を、イオンを主エッチング種とする条件により
ドライエッチングする。イオンを主エッチング種とする
ドライエッチングでは、被エッチング物へのバイアス電
圧の印加やプラズマと磁界との相互作用を利用して荷電
粒子であるイオンを加速することができるため、一般に
は異方性エッチングが進行し、被エッチング物の加工面
は垂直壁となる。しかし、この工程では、プラズマ中の
主エッチング種の中にも垂直以外の角度を有する入射成
分が若干存在すること、及び開口部の端部における散乱
によってもこの斜め入射成分が生ずることにより、カソ
ード電極111の露出面の中で、本来であれば開口部に
よって遮蔽されてイオンが到達しないはずの領域にも、
ある程度の確率で主エッチング種が入射する。このと
き、支持体10の法線に対する入射角の小さい主エッチ
ング種ほど入射確率は高く、入射角の大きい主エッチン
グ種ほど入射確率は低い。
【0257】従って、カソード電極111に形成された
開口部の上端部の位置は、上部絶縁層12Bに形成され
た開口部の下端部とほぼ揃っているものの、カソード電
極111に形成された開口部の下端部の位置はその上端
部よりも突出した状態となる。つまり、カソード電極1
11のエッジ部111Aの厚さが、突出方向の先端部に
向けて薄くなり、エッジ部111Aが先鋭化される。例
えば、エッチング・ガスとしてSF6を用いることによ
り、カソード電極111の良好な加工を行うことができ
る。
【0258】次に、カソード電極111に形成された開
口部の底面に露出した下部絶縁層12Aを等方的にエッ
チングし、下部絶縁層12Aに開口部を形成し、開口部
14を完成させる。ここでは、緩衝化フッ酸水溶液を用
いたウェットエッチングを行う。下部絶縁層12Aに形
成された開口部の壁面は、カソード電極111に形成さ
れた開口部の下端部よりも後退する。このときの後退量
はエッチング時間の長短により制御可能である。開口部
14の完成後にレジスト層90を除去すると、図42の
(C)に示した構成を得ることができる。
【0259】(実施の形態22)実施の形態22は、実
施の形態1とは異なるスピント型電子放出素子の製造方
法に関する。以下、かかるスピント型電子放出素子の製
造方法を、支持体等の模式的な一部端面図である図44
〜図46を参照して説明するが、このスピント型電子放
出素子は、基本的には、以下の工程に基づき作製され
る。即ち、 (a’)支持体510上にカソード電極511を形成す
る工程 (b’)カソード電極511上を含む支持体510上に
絶縁層512を形成する工程 (c’)絶縁層512上にゲート電極313を形成する
工程 (d’)底部にカソード電極511が露出した開口部5
14を、少なくとも絶縁層512に形成する工程 (e’)開口部514内を含む全面に電子放出部形成用
の導電材料層521を形成する工程 (f’)開口部514の中央部に位置する導電材料層5
21の領域を遮蔽するように、マスク材料層522を導
電材料層521上に形成する工程 (g’)導電材料層521の支持体510に対して垂直
な方向におけるエッチング速度がマスク材料層522の
支持体510に対して垂直な方向におけるエッチング速
度よりも速くなる異方性エッチング条件下で導電材料層
521とマスク材料層522とをエッチングすることに
より、導電材料層521から成り、先端部が錐状形状を
有する電子放出部15Dを開口部514内に露出したカ
ソード電極511上に形成する工程
【0260】[工程−2200]先ず、例えばガラス基
板上に厚さ約0.6μmのSiO2層を形成して成る支
持体510上に、クロム(Cr)から成るカソード電極
511を設ける。具体的には、支持体510上に、例え
ばスパッタ法やCVD法にてクロムから成るカソード電
極用導電材料層を堆積させ、かかるカソード電極用導電
材料層をパターニングすることによって、複数のカソー
ド電極511を含む、列方向に平行に延びるストライプ
状のカソード電極用導電材料層を形成することができ
る。カソード電極用導電材料層の幅を例えば50μm、
カソード電極用導電材料層間スペースを例えば30μm
とする。その後、全面に、具体的には、カソード電極5
11及び支持体510上に、原料ガスとしてTEOS
(テトラエトキシシラン)を使用するプラズマCVD法
にてSiO2から成る絶縁層512を形成する。絶縁層
512の厚さを約1μmとする。次に、絶縁層512上
の全面に、カソード電極用導電材料層と直交する方向に
平行に延びるストライプ状のゲート電極を構成する層か
ら成るゲート電極313を形成する。
【0261】次に、カソード電極用導電材料層とゲート
電極を構成する層との重複する電子放出領域、即ち、1
画素領域において、ゲート電極を構成する層と絶縁層5
12とを貫通する開口部514を形成する。開口部51
4の平面形状は、例えば、直径0.3μmの円形であ
る。開口部514は、通常、1画素領域(1電子放出領
域)に数百乃至千個程度形成される。開口部514を形
成するには、通常のフォトリソグラフィ技術により形成
されたレジスト層をマスクとして、先ず、ゲート電極を
構成する層に開口部514を形成し、続いて、絶縁層5
12に開口部514を形成する。RIE終了後、レジス
ト層をアッシングにより除去する(図44の(A)参
照)。
【0262】[工程−2210]次に、全面に密着層5
20をスパッタ法にて形成する(図44の(B)参
照)。この密着層520は、ゲート電極を構成する層の
非形成部や開口部514の側壁面に露出している絶縁層
512と、次の工程で全面的に成膜される導電材料層5
21との間の密着性を高めるために設けられる層であ
る。導電材料層521をタングステンで形成することを
前提とし、タングステンから成る密着層520を、DC
スパッタ法により0.07μmの厚さに形成する。
【0263】[工程−2220]次に、開口部514内
を含む全面に、厚さ約0.6μmのタングステンから成
る電子放出部形成用の導電材料層521を水素還元減圧
CVD法により形成する(図45の(A)参照)。成膜
された導電材料層521の表面には、開口部514の上
端面と底面との間の段差を反映した凹部521Aが形成
される。
【0264】[工程−2230]次に、開口部514の
中央部に位置する導電材料層521の領域(具体的には
凹部521A)を遮蔽するようにマスク材料層522を
形成する。具体的には、先ず、ピンコート法により厚さ
0.35μmのレジスト層をマスク材料層522として
導電材料層521の上に形成する(図45の(B)参
照)。マスク材料層522は、導電材料層521の凹部
521Aを吸収し、ほぼ平坦な表面となる。次に、マス
ク材料層522を酸素系ガスを用いたRIE法によりエ
ッチングする。このエッチングを、導電材料層521の
平坦面が露出した時点で終了する。これにより、導電材
料層521の凹部521Aを平坦に埋め込むようにマス
ク材料層522が残る(図46の(A)参照)。
【0265】[工程−2240]次に、導電材料層52
1とマスク材料層522と密着層520とをエッチング
し、円錐形状の電子放出部15Dを形成する(図46の
(B)参照)。これらの層のエッチングは、導電材料層
521のエッチング速度がマスク材料層522のエッチ
ング速度よりも速くなる異方性エッチング条件下で行
う。エッチング条件を以下の表4に例示する。
【0266】[表4] [導電材料層521等のエッチング条件] SF6流量 :150SCCM O2流量 :30SCCM Ar流量 :90SCCM 圧力 :35Pa RFパワー:0.7kW(13.56MHz)
【0267】[工程−2250]その後、等方的なエッ
チング条件にて開口部514の内部において絶縁層51
2に設けられた開口部514の側壁面を後退させると、
図47に示す電子放出素子が完成される。等方的なエッ
チングは、ケミカルドライエッチングのようにラジカル
を主エッチング種として利用するドライエッチング、あ
るいは、エッチング液を利用するウェットエッチングに
より行うことができる。エッチング液として、例えば4
9%フッ酸水溶液と純水の1:100(容積比)混合液
を用いることができる。
【0268】ここで、[工程−2240]において、電
子放出部15Dが形成される機構について、図48を参
照して説明する。図48の(A)は、エッチングの進行
に伴って、被エッチング物の表面プロファイルが一定時
間毎にどのように変化するかを示す模式図であり、図4
8の(B)は、エッチング時間と開口部514の中心に
おける被エッチング物の厚さとの関係を示すグラフであ
る。開口部514の中心におけるマスク材料層の厚さを
p、開口部514の中心における電子放出部15Dの
高さをheとする。
【0269】表4に示したエッチング条件では、レジス
ト材料から成るマスク材料層522のエッチング速度よ
りも、導電材料層521のエッチング速度の方が当然速
い。マスク材料層522が存在しない領域では、導電材
料層521が直ぐにエッチングされ始め、被エッチング
物の表面が速やかに下降してゆく。これに対して、マス
ク材料層522が存在する領域では、最初にマスク材料
層522が除去されないとその下の導電材料層521の
エッチングが始まらないので、マスク材料層522がエ
ッチングされている間は被エッチング物の厚さの減少速
度は遅く(hp減少区間)、マスク材料層522が消失
した時点で初めて、被エッチング物の厚さの減少速度が
マスク材料層522の存在しない領域と同様に速くなる
(he減少区間)。hp減少区間の開始時期は、マスク材
料層522が厚さが最大となる開口部514の中心で最
も遅く、マスク材料層522の薄い開口部514の周辺
に向かって早くなる。このようにして、円錐形状の電子
放出部15Dが形成される。
【0270】レジスト材料から成るマスク材料層522
のエッチング速度に対する導電材料層521のエッチン
グ速度の比を、「対レジスト選択比」と称することにす
る。この対レジスト選択比が、電子放出部15Dの高さ
と形状を決定する重要な因子であることを、図49を参
照して説明する。図49の(A)は、対レジスト選択比
が相対的に小さい場合、図49の(C)は、対レジスト
選択比が相対的に大きい場合、図49の(B)はこれら
の中間である場合の、電子放出部15Dの形状を示して
いる。対レジスト選択比が大きいほど、マスク材料層5
22の膜減りに比べて導電材料層521の膜減りが激し
くなるので、電子放出部15Dはより高く、且つ鋭くな
ることが判る。対レジスト選択比は、SF6流量に対す
るO2流量の割合を高めると低下する。また、基板バイ
アスを併用してイオンの入射エネルギーを変化させるこ
とが可能なエッチング装置を用いる場合には、RFバイ
アスパワーを高めたり、バイアス印加用の交流電源の周
波数を下げることで、対レジスト選択比を下げることが
できる。対レジスト選択比の値は1.5以上、好ましく
は2以上、より好ましくは3以上に選択される。
【0271】尚、上記のエッチングにおいては当然、ゲ
ート電極313やカソード電極511に対して高い選択
比を確保する必要があるが、表4に示した条件で全く問
題はない。なぜなら、ゲート電極313やカソード電極
511を構成する材料は、材料さえ適切に選択すれば、
フッ素系のエッチング種では殆どエッチングされず、上
記の条件であれば、概ね10以上のエッチング選択比が
得られるからである。
【0272】(実施の形態23)実施の形態23は、実
施の形態22の変形である。実施の形態23の製造方法
においては、マスク材料層により遮蔽される導電材料層
の領域を、実施の形態22における製造方法におけるよ
りも狭くすることが可能である。即ち、実施の形態23
におけるスピント型電子放出素子の製造方法において
は、開口部の上端面と底面との間の段差を反映して、柱
状部とこの柱状部の上端に連通する拡大部とから成る略
漏斗状の凹部を導電材料層の表面に生成させ、工程
(f’)において、導電材料層の全面にマスク材料層を
形成した後、マスク材料層と導電材料層とを支持体の表
面に対して平行な面内で除去することにより、柱状部に
マスク材料層を残す。
【0273】以下、実施の形態23におけるスピント型
電子放出素子の製造方法を、支持体等の模式的な一部端
面図である図50〜図52を参照して説明する。
【0274】[工程−2300]先ず、支持体510上
にカソード電極511を形成する。カソード電極511
を含むカソード電極用導電材料層は、例えばDCスパッ
タ法により、TiN層(厚さ0.1μm)、Ti層(厚
さ5nm)、Al−Cu層(厚さ0.4μm)、Ti層
(厚さ5nm)、TiN層(厚さ0.02μm)及びT
i層(0.02μm)をこの順に積層して積層膜を形成
し、続いてこの積層膜をストライプ状にパターニングし
て形成する。尚、図ではカソード電極511を単層で表
した。次に、全面に、具体的には、支持体510とカソ
ード電極511の上に、厚さ0.7μmの絶縁層512
を、TEOS(テトラエトキシシラン)を原料ガスとす
るプラズマCVD法に基づき形成する。次いで、絶縁層
512の上にゲート電極313を含むストライプ状のゲ
ート電極を構成する層を形成する。
【0275】更に、全面に例えば SiO2から成る厚さ
0.2μmのエッチング停止層523を形成する。エッ
チング停止層523は、電子放出素子の機能上不可欠な
部材ではなく、後工程で行われる導電材料層521のエ
ッチング時に、ゲート電極313を保護する役割を果た
す。尚、導電材料層521のエッチング条件に対してゲ
ート電極313が十分に高いエッチング耐性を持ち得る
場合には、エッチング停止層523を省略しても構わな
い。その後、RIE法により、エッチング停止層52
3、ゲート電極313、絶縁層512を貫通し、底部に
カソード電極511が露出した開口部514を形成す
る。このようにして、図50の(A)に示す状態が得ら
れる。
【0276】[工程−2310]次に、開口部514内
を含む全面に、例えば厚さ0.03μmのタングステン
から成る密着層520を形成する(図50の(B)参
照)。次いで、開口部514内を含む全面に電子放出部
形成用の導電材料層521を形成する。但し、実施の形
態23における導電材料層521は、実施の形態22の
製造方法で述べた凹部521Aよりも深い凹部521A
が表面に生成されるように、導電材料層521の厚さを
選択する。即ち、導電材料層521の厚さを適切に設定
することによって、開口部514の上端面と底面との間
の段差を反映して、柱状部521Bとこの柱状部521
Bの上端に連通する拡大部521Cとから成る略漏斗状
の凹部521Aを導電材料層521の表面に生成させる
ことができる。
【0277】[工程−2320]次に、導電材料層52
1の全面に、例えば無電解メッキ法により、厚さ約0.
5μmの銅(Cu)から成るマスク材料層522を形成
する(図51の(A)参照)。無電解メッキ条件を以下
の表5に例示する。
【0278】 [表5] メッキ液 :硫酸銅(CuSO4・5H2O) 7g/リットル ホルマリン(37%HCHO) 20ml/リットル 水酸化ナトリウム(NaOH) 10g/リットル 酒石酸ナトリウムカリウム 20g/リットル メッキ浴温度:50゜C
【0279】[工程−2330]その後、マスク材料層
522と導電材料層521とを支持体510の表面に対
して平行な面内で除去することにより、柱状部521B
にマスク材料層522を残す(図51の(B)参照)。
この除去は、例えば化学的機械的研磨法(CMP法)に
より行うことができる。
【0280】[工程−2340]次に、導電材料層52
1と密着層520のエッチング速度がマスク材料層52
2のエッチング速度よりも速くなる異方性エッチング条
件下で、導電材料層521とマスク材料層522と密着
層520とをエッチングする。その結果、開口部514
内に錐状形状を有する電子放出部15Dが形成される
(図52の(A)参照)。尚、電子放出部15Dの先端
部にマスク材料層522が残存する場合には、希フッ酸
水溶液を用いたウェットエッチングによりマスク材料層
522を除去することができる。
【0281】[工程−2350]次に、等方的なエッチ
ング条件で開口部514の内部において絶縁層512に
設けられた開口部514の側壁面を後退させると、図5
2の(B)に示す電子放出素子が完成される。等方的な
エッチングについては、実施の形態22の製造方法で説
明したと同様とすればよい。
【0282】ところで、実施の形態23の製造方法で形
成された電子放出部15Dにおいては、実施の形態22
の製造方法で形成された電子放出部15Dに比べ、より
鋭い錐状形状が達成されている。これは、マスク材料層
522の形状と、マスク材料層522のエッチング速度
に対する導電材料層521のエッチング速度の比の違い
に起因する。この違いについて、図53を参照しながら
説明する。図53は、被エッチング物の表面プロファイ
ルが一定時間毎にどのように変化するかを示す図であ
り、図53の(A)は銅から成るマスク材料層522を
用いた場合、図53の(B)はレジスト材料から成るマ
スク材料層522を用いた場合をそれぞれ示す。尚、簡
略化のために導電材料層521のエッチング速度と密着
層520のエッチング速度とをそれぞれ等しいものと仮
定し、図53においては密着層520の図示を省略す
る。
【0283】銅から成るマスク材料層522を用いた場
合(図53の(A)参照)は、マスク材料層522のエ
ッチング速度が導電材料層521のエッチング速度に比
べて十分に遅いために、エッチング中にマスク材料層5
22が消失することがなく、従って、先端部の鋭い電子
放出部15Dを形成することができる。これに対して、
レジスト材料から成るマスク材料層522を用いた場合
(図53の(B)参照)は、マスク材料層522のエッ
チング速度が導電材料層521のエッチング速度に比べ
てそれ程遅くないために、エッチング中にマスク材料層
522が消失し易く、従って、マスク材料層消失後の電
子放出部15Dの錐状形状が鈍化する傾向がある。
【0284】また、柱状部521Bに残るマスク材料層
522には、柱状部521Bの深さが多少変化しても、
電子放出部15Dの形状は変化し難いというメリットも
ある。即ち、柱状部521Bの深さは、導電材料層52
1の厚さやステップカバレージのばらつきによって変化
し得るが、柱状部521Bの幅は深さによらずほぼ一定
なので、マスク材料層522の幅もほぼ一定となり、最
終的に形成される電子放出部15Dの形状には大差が生
じない。これに対して、凹部521Aに残るマスク材料
層522においては、凹部521Aが浅い場合と深い場
合とでマスク材料層の幅も変化してしまうため、凹部5
21Aが浅くマスク材料層522の厚さが薄い場合ほ
ど、より早期に電子放出部15Dの錐状形状の鈍化が始
まる。電子放出素子の電子放出効率は、ゲート電極とカ
ソード電極との間の電位差、ゲート電極とカソード電極
との間の距離、電子放出部の構成材料の仕事関数の他、
電子放出部の先端部の形状によっても変化する。このた
め、必要に応じて上述のようにマスク材料層の形状やエ
ッチング速度を選択することが好ましい。
【0285】(実施の形態24)実施の形態24の製造
方法は、実施の形態23のスピント型電子放出素子の製
造方法の変形である。実施の形態24の製造方法におい
ては、工程(e’)において、開口部の上端面と底面と
の間の段差を反映して、柱状部とこの柱状部の上端に連
通する拡大部とから成る略漏斗状の凹部を導電材料層の
表面に生成させ、工程(f’)において、導電材料層の
全面にマスク材料層を形成した後、導電材料層上と拡大
部内のマスク材料層を除去することにより、柱状部にマ
スク材料層を残す。以下、実施の形態24におけるスピ
ント型電子放出素子の製造方法を、支持体等の模式的な
一部端面図である図54及び図55を参照して説明す
る。
【0286】[工程−2400]先ず、図51の(A)
に示したマスク材料層522の形成までを実施の形態2
3の製造方法の[工程−2300]〜[工程−232
0]と同様に行った後、導電材料層521上と拡大部5
21C内のマスク材料層522のみを除去することによ
り、柱状部521Bにマスク材料層522を残す(図5
4の(A)参照)。このとき、例えば希フッ酸水溶液を
用いたウェットエッチングを行うことにより、タングス
テンから成る導電材料層521を除去することなく、銅
から成るマスク材料層522のみを選択的に除去するこ
とができる。柱状部521B内に残るマスク材料層52
2の高さは、エッチング時間に依存するが、このエッチ
ング時間は、拡大部521Cに埋め込まれたマスク材料
層522の部分が十分に除去される限りにおいて、それ
程の厳密さを要しない。なぜなら、マスク材料層522
の高低に関する議論は、図53の(A)を参照しながら
前述した柱状部521Bの浅深に関する議論と実質的に
同じであり、マスク材料層522の高低は最終的に形成
される電子放出部15Dの形状に大きな影響を及ぼさな
いからである。
【0287】[工程−2410]次に、導電材料層52
1とマスク材料層522と密着層520のエッチング
を、実施の形態23の製造方法と同様に行い、図54の
(B)に示すような電子放出部15Dを形成する。この
電子放出部15Dは、図52の(A)に示したように全
体が錐状形状を有していても勿論構わないが、図54の
(B)には先端部のみが錐状形状を有する変形例を示し
た。かかる形状は、柱状部521Bに埋め込まれたマス
ク材料層522の高さが低いか、若しくは、マスク材料
層522のエッチング速度が比較的速い場合に生じ得る
が、電子放出部15Dとしての機能に何ら支障はない。
【0288】[工程−2420]その後、等方的なエッ
チング条件で開口部514の内部において絶縁層512
に設けられた開口部514の側壁面を後退させると、図
55に示す電子放出素子が完成される。等方的なエッチ
ングについては、実施の形態22の作製方法で説明した
と同様とすればよい。
【0289】(実施の形態25)実施の形態25の製造
方法は、実施の形態22の製造方法の変形である。実施
の形態25の模式的な一部端面図を図56に示す。実施
の形態25が実施の形態22と異なる点は、電子放出部
が、基部530と、基部530上に積層された錐状の電
子放出部15Dとから構成されている点にある。ここ
で、基部530と電子放出部15Dとは異なる導電材料
から構成されている。具体的には、基部530は、電子
放出部15Dとゲート電極313の開口端部との間の距
離を調節するための部材であり、且つ、抵抗体層として
の機能を有し、不純物を含有するポリシリコン層から構
成されている。電子放出部15Dはタングステンから構
成されており、錐状形状、より具体的には円錐形状を有
する。尚、基部530と電子放出部15Dとの間には、
TiNから成る密着層520が形成されている。尚、密
着層520は、電子放出部の機能上不可欠な構成要素で
はなく、製造上の理由で形成されている。絶縁層512
がゲート電極313の直下から基部530の上端部にか
けてえぐられることにより、開口部514が形成されて
いる。
【0290】以下、実施の形態25の製造方法を、支持
体等の模式的な一部端面図である図57〜図59を参照
して説明する。
【0291】[工程−2500]先ず、開口部514の
形成までを、実施の形態22の製造方法の[工程−22
00]と同様に行う。続いて、開口部514内を含む全
面に基部形成用の導電材料層530Aを形成する。導電
材料層530Aは、抵抗体層としても機能し、ポリシリ
コン層から構成され、プラズマCVD法により形成する
ことができる。次いで、全面に、スピンコート法にてレ
ジスト層から成る平坦化層531を表面が略平坦となる
ように形成する(図57の(A)参照)。次に、平坦化
層531と導電材料層530Aのエッチング速度が共に
略等しくなる条件で両層をエッチングし、開口部514
の底部を上面が平坦な基部530で埋め込む(図57の
(B)参照)。エッチングは、塩素系ガスと酸素系ガス
とを含むエッチングガスを用いたRIE法により行うこ
とができる。導電材料層530Aの表面を平坦化層53
1で一旦平坦化してからエッチングを行っているので、
基部530の上面が平坦となる。
【0292】[工程−2510]次に、開口部514の
残部を含む全面に密着層520を成膜し、更に、開口部
514の残部を含む全面に電子放出部形成用の導電材料
層521を成膜し、開口部514の残部を導電材料層5
21で埋め込む(図58の(A)参照)。密着層520
は、スパッタ法により形成される厚さ0.07μmのT
iN層であり、導電材料層521は減圧CVD法により
形成される厚さ0.6μmのタングステン層である。導
電材料層521の表面には、開口部514の上端面と底
面との間の段差を反映して凹部521Aが形成されてい
る。
【0293】[工程−2520]次に、導電材料層52
1の全面に、スピンコート法によりレジスト層から成る
マスク材料層522を表面が略平坦となるように形成す
る(図58の(B)参照)。マスク材料層522は、導
電材料層521の表面の凹部521Aを吸収して平坦な
表面となっている。次に、マスク材料層522を酸素系
ガスを用いたRIE法によりエッチングする(図59の
(A)参照)。このエッチングは、導電材料層521の
平坦面が露出した時点で終了する。これにより、導電材
料層521の凹部521Aにマスク材料層522が平坦
に残され、マスク材料層522は、開口部514の中央
部に位置する導電材料層521の領域を遮蔽するように
形成されている。
【0294】[工程−2530]次に、実実施の形態2
2の製造方法の[工程−2240]と同様にして、導電
材料層521、マスク材料層522及び密着層520を
共にエッチングすると、前述の機構に基づき対レジスト
選択比の大きさに応じた円錐形状を有する電子放出部1
5Dと密着層520とが形成され、電子放出部が完成さ
れる(図59の(B)参照)。その後、開口部514の
内部において絶縁層512に設けられた開口部514の
側壁面を後退させると、図56に示した電子放出素子を
得ることができる。
【0295】(実施の形態26)実施の形態26の製造
方法は、実施の形態23の製造方法の変形である。実施
の形態26の模式的な一部端面図を図61の(B)に示
す。実施の形態26が実施の形態23と異なる点は、電
子放出部が、実施の形態24と同様に、基部530と、
基部530上に積層された錐状の電子放出部15Dとか
ら構成されている点にある。ここで、基部530と電子
放出部15Dとは異なる導電材料から構成されている。
具体的には、基部530は、電子放出部15Dとゲート
電極313の開口端部との間の距離を調節するための部
材であり、且つ、抵抗体層としての機能を有し、不純物
を含有するポリシリコン層から構成されている。電子放
出部15Dはタングステンから構成されており、錐状形
状、より具体的には円錐形状を有する。尚、基部530
と電子放出部15Dとの間には、TiNから成る密着層
520が形成されている。尚、密着層520は、電子放
出部の機能上不可欠な構成要素ではなく、製造上の理由
で形成されている。絶縁層512がゲート電極313の
直下から基部530の上端部にかけてえぐられることに
より、開口部514が形成されている。
【0296】以下、実施の形態26の製造方法を、支持
体等の模式的な一部端面図である図60及び図61を参
照して説明する。
【0297】[工程−2600]先ず、開口部514の
形成までを、実施の形態22の製造方法の[工程−22
00]と同様に行う。次に、開口部514内を含む全面
に基部形成用の導電材料層を形成し、導電材料層をエッ
チングすることによって、開口部514の底部を埋め込
む基部530を形成することができる。尚、図示される
基部530は平坦化された表面を有しているが、表面が
窪んでいてもよい。尚、平坦化された表面を有する基部
530は、実施の形態25の製造方法の[工程−250
0]と同様の工程によって形成可能である。更に、開口
部514の残部を含む全面に、密着層520、及び電子
放出部形成用の導電材料層521を順次形成する。この
とき、開口部514の残部の上端面と底面との間の段差
を反映した柱状部521Bとこの柱状部521Bの上端
に連通する拡大部521Cとから成る略漏斗状の凹部5
21Aが導電材料層521の表面に生成されるように、
導電材料層521の厚さを選択する。次に、導電材料層
521上にマスク材料層522を形成する。このマスク
材料層522は、例えば銅を用いて形成する。図60の
(A)は、ここまでの工程が終了した状態を示してい
る。
【0298】[工程−2610]次に、マスク材料層5
22と導電材料層521とを支持体510の表面に対し
て平行な面内で除去することにより、柱状部521Bに
マスク材料層522を残す(図60の(B)参照)。こ
の除去は、実施の形態23の[工程−2330]と同様
に、化学的機械的研磨法(CMP法)により行うことが
できる。
【0299】[工程−2620]次に、導電材料層52
1とマスク材料層522と密着層520とをエッチング
すると、前述の機構に基づき対レジスト選択比の大きさ
に応じた円錐形状を有する電子放出部15Dが形成され
る。これらの層のエッチングは、実施の形態23の製造
方法の[工程−2340]と同様に行うことができる。
電子放出部15Dと基部530、及び、電子放出部15
Dと基部530の間に残存する密着層520とによっ
て、電子放出部が形成される。電子放出部は、全体が錐
状形状を有していても勿論構わないが、図61の(A)
には基部530の一部が開口部514の底部を埋め込む
ように残存した状態を示した。かかる形状は、柱状部5
21Bに埋め込まれたマスク材料層522の高さが低い
か、若しくは、マスク材料層522のエッチング速度が
比較的速い場合に生じ得るが、電子放出部としての機能
に何ら支障はない。
【0300】[工程−2630]その後、等方的なエッ
チング条件で開口部514の内部において絶縁層512
の側壁面を後退させると、図61の(B)に示した電子
放出素子が完成される。等方的なエッチング条件は、実
施の形態22の製造方法で説明したと同様とすればよ
い。
【0301】(実施の形態27)実施の形態27の製造
方法は、実施の形態24のスピント型電子放出素子の製
造方法の変形である。実施の形態27が実施の形態24
と異なる点は、電子放出部が、実施の形態24と同様
に、基部530と、基部530上に積層された錐状の電
子放出部15Dとから構成されている点にある。以下、
実施の形態27のスピント型電子放出素子の製造方法
を、支持体等の模式的な一部端面図である図62を参照
して説明する。
【0302】[工程−2700]マスク材料層522の
形成までを実施の形態26の製造方法の[工程−260
0]と同様に行う。その後、導電材料層521上と拡大
部521C内のマスク材料層522のみを除去すること
により、柱状部521Bにマスク材料層522を残す
(図62参照)。例えば希フッ酸水溶液を用いたウェッ
トエッチングを行い、タングステンから成る導電材料層
521を除去することなく、銅から成るマスク材料層5
22のみを選択的に除去することができる。この後の導
電材料層521とマスク材料層522のエッチング、絶
縁層512の等方的なエッチング等の工程は、全て、実
施の形態26の製造方法と同様に行うことができる。
【0303】以上、本発明を、発明の実施の形態に基づ
き説明したが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。発明の実施の形態において説明した電子放出素子や
平面型表示装置の構成の細部は例示に過ぎず、適宜変更
が可能である。
【0304】更には、電子放出素子の製造において使用
した各種材料も例示であり、適宜変更することができ
る。電子放出素子においては、専ら1つの開口部に1つ
の電子放出部が対応する形態を説明したが、電子放出素
子の構造に依っては、1つの開口部に複数の電子放出部
が対応した形態、あるいは、複数の開口部に1つの電子
放出部が対応する形態とすることもできる。また、ゲー
ト電極を構成する層に複数の開口部を設け、絶縁層にか
かる複数の開口部に連通した1つの開口部を設け、1又
は複数の電子放出部を設ける形態とすることもできる。
【0305】平面型表示装置の駆動方法は、発明の実施
の形態にて説明した方法に限定されない。また、例え
ば、ゲート電極あるいはゲート電極用導電材料層の形状
はストライプ状に限定されない。平面型表示装置におけ
る第1パネルP1を構成する全てのゲート電極が1つの
平板状(シート)の電極構成層(例えば、ガス捕捉材料
から成る単層構造、あるいは、導電性材料又は絶縁性材
料から成る第1層と、ガス捕捉材料から成る第2層(ガ
ス捕捉層)との積層構造)から構成されている構成とす
ることもできる。そして、このような構成においては、
カソード電極は、画素に対応して、例えば、矩形の平面
形状を有する。尚、場合によっては、冷陰極電界電子放
出素子毎にスペーサを設ける必要はない。
【0306】このような構成の平面型表示装置を駆動す
るための回路を、図63に示す。この回路は、電子放出
部(より具体的には、カソード電極11)に電気的に接
続された制御回路30、並びに、ゲート電極313に電
気的に接続された走査回路(図示せず)から構成されて
いる。尚、制御回路30は、データ回路130Aとスキ
ャン回路130Bから構成されている。各カソード電極
11は、MOSトランジスタから成るスイッチング素子
130Cを介してデータ回路130Aに接続されてい
る。また、MOSトランジスタのゲート部は、スキャン
回路130Bに接続されている。MOSトランジスタ
は、例えば、Nチャネル型のMOSトランジスタであ
り、スキャン回路130B及びデータ回路130Aから
印加された制御信号に応じてオン/オフ制御がなされる
スイッチング素子として機能する。そして、スイッチン
グ素子130Cが導通状態となったときに、スイッチン
グ素子130Cに接続されたカソード電極11に、スキ
ャン回路130B及びデータ回路130Aから加えられ
た制御信号に応じて電圧が印加される。MOSトランジ
スタを、Pチャネル型のMOSトランジスタにより構成
してもよい。また、MOSトランジスタを、MOSトラ
ンジスタと同等のスイッチング機能を有する他のスイッ
チング手段に置き換えて構成してもよい。
【0307】そして、行方向(X方向)に配列された電
子放出領域を列方向(Y方向)に順次作動させる。具体
的には、ゲート電極313が形成された1つの平板状
(シート)の電極構成層に、走査回路から一定の電圧V
Gを印加しておく。一方、制御回路30により所望のス
イッチング素子130Cを導通状態とすることによっ
て、カソード電極11のそれぞれに0≦[VC-MAX乃至
C-MIN](<VG)の電圧を印加する。これによって、
電圧VGが印加されたゲート電極313と、電圧VC -MAX
乃至VC-MINが印加されたそれぞれのカソード電極11
から構成された電子放出領域にあっては、(VG−V
C-MIN)のとき、電位差ΔVが最大となり、電子放出領
域からの電子放出量が最大となり、この電子がアノード
電極23に引き付けられ、蛍光体層21に衝突する。そ
の結果、かかる電子放出領域に対応した蛍光体層の発光
輝度が最高となる。一方、(VG−VC-MAX)のとき、電
位差ΔVが最小となり、電子放出領域からは電子が放出
されず、かかる電子放出領域に対応した蛍光体層は発光
しない。カソード電極用導電材料層のそれぞれにV
C-MAX乃至VC-MINの電圧を印加することによって、蛍光
体層の発光輝度の制御を行うことができる。
【0308】あるいは又、平面型表示装置における第1
パネルP1を構成する全てのカソード電極が1つの平板
状(シート)の導電性材料から形成され、ゲート電極3
133は、ストライプ状のゲート電極用導電材料層から
成る構成とすることもできる。即ち、ゲート電極313
は、画素に対応して、例えば、矩形の平面形状を有す
る。平面型表示装置を駆動するための回路を、図64に
示すように、電子放出部(具体的には、カソード電極)
に電気的に接続された制御(図示せず)、ゲート電極3
13に電気的に接続された走査回路31から構成するこ
とができる。尚、走査回路31は、データ回路131A
とスキャン回路131Bから構成されている。ゲート電
極313は、MOSトランジスタから成るスイッチング
素子131Cを介してデータ回路131Aに接続されて
いる。また、MOSトランジスタのゲート部は、スキャ
ン回路131Bに接続されている。MOSトランジスタ
は、例えば、Nチャネル型のMOSトランジスタであ
り、スキャン回路131B及びデータ回路131Aから
印加された走査信号に応じてオン/オフ制御がなされる
スイッチング素子として機能する。そして、スイッチン
グ素子131Cが導通状態となったときに、スイッチン
グ素子131Cに接続されたゲート電極313に、スキ
ャン回路131B及びデータ回路131Aから加えられ
た制御信号に応じて電圧が印加される。MOSトランジ
スタを、Pチャネル型のMOSトランジスタにより構成
してもよい。また、MOSトランジスタを、MOSトラ
ンジスタと同等のスイッチング機能を有する他のスイッ
チング手段に置き換えて構成してもよい。
【0309】この表面型表示装置においても、行方向
(X方向)に配列された電子放出領域を列方向(Y方
向)に順次作動させる。具体的には、カソード電極11
が形成された1つの平板状(シート)の電極構成層に、
制御回路から一定の電圧VCを印加しておく。一方、走
査回路31により所望のスイッチング素子131Cを導
通状態とすることによって、ゲート電極313のそれぞ
れにVC<[VG-MAX乃至V G-MIN]の電圧を印加する。
これによって、電圧VCが印加されたカソード電極11
と、電圧VG-MAX乃至VG-MINが印加されたそれぞれのゲ
ート電極313から構成された電子放出領域にあって
は、(VG-MAX−VC)のとき、電位差ΔVが最大とな
り、電子放出領域からの電子放出量が最大となり、この
電子がアノード電極23に引き付けられ、蛍光体層21
に衝突する。その結果、かかる電子放出領域に対応した
蛍光体層の発光輝度が最高となる。一方、(VG-MIN
C)のとき、電位差ΔVが最小となり、電子放出領域
からは電子が放出されず、かかる電子放出領域に対応し
た蛍光体層は発光しない。ゲート電極13のそれぞれに
G-MAX乃至VG-MINの電圧を印加することによって、蛍
光体層の発光輝度の制御を行うことができる。
【0310】更には、表面伝導型電子放出素子と通称さ
れる素子から電子放出領域を構成することもできる。こ
の表面伝導型電子放出素子は、例えばガラスから成る基
板上に酸化錫(SnO2)、金(Au)、酸化インジウ
ム(In23)/酸化錫(SnO2)、カーボン、酸化
パラジウム(PdO)等の導電材料から成り、微小面積
を有し、所定の間隔(ギャップ)を開けて配された一対
の電極がマトリクス状に形成されて成る。それぞれの電
極の上には炭素薄膜が形成されている。そして、一対の
電極の内の一方の電極に行方向配線が接続され、一対の
電極の内の他方の電極に列方向配線が接続された構成を
有する。一対の電極に電圧を印加することによって、ギ
ャップを挟んで向かい合った炭素薄膜に電界が加わり、
炭素薄膜から電子が放出される。かかる電子を第2パネ
ル(アノードパネル)上の蛍光体層に衝突させることに
よって、蛍光体層が励起されて発光し、所望の画像を得
ることができる。
【0311】発明の実施の形態においては、ゲート電極
の上方に第2絶縁層46を介して収束電極47,147
を設けたが、図65に示すように、ゲート電極の上方に
真空層を介して収束電極247を設けてもよい。この場
合には、収束電極247の構造を、実施の形態10にお
ける収束電極147と同様の構造とすることができる。
また、ゲート電極313も、発明の実施の形態にて説明
したと同様の構造とすることができるし、場合によって
は、従来の構造としてもよい。収束電極247は、例え
ば1枚の平板状(シート)の材料から構成することがで
きる。かかる収束電極247は、例えば、第2パネルP
2の周縁部に設けられた支持部材248を介して第2パ
ネルP2に固定されている。収束電極247も、ガス捕
捉材料から成る単層構造(例えば、厚さ50μmのチタ
ン合金から成る)、あるいは、少なくとも、導電性材料
又は絶縁性材料から成る第1層と、ガス捕捉材料から成
る第2層との積層構造を有する構成とすることができ
る。後者の具体的な構成は、図19及び図20にて説明
したゲート電極と同様の構成とすればよい。但し、収束
電極247を積層構造とする場合、ガス捕捉材料から成
る第2層をカソード電極11側とすることが、カソード
電極11の周辺の真空排気状態をより良好な状態に保つ
といった観点から望ましい。即ち、図19の(A)、図
20の(A)、(B)及び(C)における第1層113
Aと第2層113Bの積層順を逆にすることが望まし
い。収束電極247には、電子放出素子毎に開口部が設
けられていてもよいし、複数(例えば、1画素毎)の電
子放出素子に1つの開口部が設けられていてもよい。
【0312】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明のゲッターはガス捕捉効果を発揮する有効面積が大き
く、従来のゲッターに比べて優れたガス捕捉効率を達成
可能である。本発明の平面型表示装置においては、第1
パネル及び第2パネルの少なくとも一方の有効領域にゲ
ッターが設けられているので、ゲッターが無効領域の1
ヶ所にのみ設けられていた従来の平面型表示装置に比べ
てガス捕捉効率が向上する結果、平面型表示装置の寿命
と画質が大幅に改善される。そして、真空層内で発生し
たガス等がゲート電極や収束電極あるいはゲッターに捕
捉され、真空層を高真空雰囲気に保つことが可能とな
る。それ故、例えば蛍光体層からガス分子やイオン等が
放出されたとしても、これらがゲート電極や収束電極あ
るいはゲッターに捕捉される結果、電子放出部へ衝突す
ることを防止することができる。その結果、局所放電の
発生を防止することができ、あるいは又、電子放出部の
表面における仕事関数の変化や電子放出部の劣化を防止
することができるので、電子放出部の長寿命化を図るこ
とができると共に、画像表示の劣化を防止して、動作の
安定化を図ることができる。更に、従来のようにゲッタ
材料設置室を設ける必要がないので、構造の簡略化を図
ることができる。尚、本発明の第3の構成あるいは第4
の構成にかかる製造方法において、冷陰極電界電子放出
表示装置のゲート電極あるいは収束電極とゲッターとを
異なるパターンに形成すれば、ゲッターの有効面積の一
層の増加を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のゲッターの構成例を示す模式図であ
る。
【図2】本発明の平面型表示装置の構成例を示す概念図
である。
【図3】本発明の第1の構成に係る平面型表示装置の構
成要素である陰極電界電子放出素子の構成例を示す模式
的端面図である。
【図4】本発明の第1の構成に係る平面型表示装置の構
成要素である陰極電界電子放出素子の構成例を示す模式
的端面図である。
【図5】発明の実施の形態2に係る平面型表示装置の製
造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図
である。
【図6】図5に続き、発明の実施の形態2に係る平面型
表示装置の製造方法を説明するための支持体等の模式的
な一部端面図である。
【図7】図6に続き、発明の実施の形態2に係る平面型
表示装置の製造方法を説明するための支持体等の模式的
な一部端面図である。
【図8】第2パネル(アノードパネル)の製造方法の一
例を説明するための基板等の模式的な一部端面図であ
る。
【図9】発明の実施の形態2に係る平面型表示装置(冷
陰極電界電子放出表示装置)の模式的な一部断面図であ
る。
【図10】発明の実施の形態2に係る平面型表示装置の
第1パネル及び第2パネルを分解して示す模式的な概念
的斜視図である。
【図11】発明の実施の形態2に係る平面型表示装置の
第1パネル及び第2パネルの一部分の模式的な分解斜視
図を示す。
【図12】発明の実施の形態6に係る平面型表示装置の
構成要素である陰極電界電子放出素子の製造方法を説明
するための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図13】図12に続き、発明の実施の形態7に係る平
面型表示装置の製造方法を説明するための支持体等の模
式的な一部端面図である。
【図14】発明の実施の形態7に係る平面型表示装置の
製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面
図である。
【図15】発明の実施の形態7におけるゲッターの形成
パターンを示す模式的な一部端面図である。
【図16】発明の実施の形態8に係る平面型表示装置の
製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面
図である。
【図17】発明の実施の形態10におけるゲッターの形
成パターンを示す模式的な一部端面図である。
【図18】発明の実施の形態9に係る平面型表示装置の
製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面
図である。
【図19】発明の実施の形態9に係る平面型表示装置を
構成する電子放出部の変形例の拡大した模式的な端面図
である。
【図20】発明の実施の形態9に係る平面型表示装置を
構成する電子放出部の変形例の拡大した模式的な端面図
である。
【図21】発明の実施の形態9に係る平面型表示装置に
おける真空層の圧力分布の例を表す模式図である。
【図22】発明の実施の形態10に係る平面型表示装置
の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端
面図である。
【図23】発明の実施の形態11に係る平面型表示装置
における電子放出素子の製造方法を説明するための支持
体等の模式的な一部端面図である。
【図24】ジルコニウム−アルミニウム合金の温度と平
面型表示装置における内部空間の真空排気速度との関係
を表す特性図である。
【図25】発明の実施の形態12に係る平面型表示装置
における電子放出素子の製造方法を説明するための支持
体等の模式的な一部端面図である。
【図26】ゲート電極の有する複数の開口部を示す模式
的な平面図である。
【図27】発明の実施の形態13に係る平面型表示装置
におけるクラウン型電子放出素子の製造方法を説明する
ための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図28】図27に引き続き、クラウン型電子放出素子
の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端
面図である。
【図29】図28に引き続き、クラウン型電子放出素子
の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端
面図、及び、部分的な斜視図である。
【図30】発明の実施の形態14に係る平面型表示装置
における扁平型電子放出素子の製造方法を説明するため
の支持体等の模式的な一部断面図である。
【図31】発明の実施の形態15に係る平面型表示装置
における扁平型電子放出素子の製造方法を説明するため
の支持体等の模式的な一部断面図である。
【図32】発明の実施の形態16に係る平面型表示装置
における平面型電子放出素子の模式的な一部断面図であ
る。
【図33】発明の実施の形態16に係る平面型表示装置
における平面型電子放出素子の変形例の模式的な一部断
面図である。
【図34】発明の実施の形態17に係る平面型表示装置
におけるクレータ型電子放出素子の製造方法を説明する
ための支持体等の模式的な一部端面図、及び、部分的な
斜視図である。
【図35】図34に引き続き、クレータ型電子放出素子
の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端
面図、及び、部分的な斜視図である。
【図36】図35に引き続き、クレータ型電子放出素子
の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端
面図、及び、部分的な斜視図である。
【図37】図36に引き続き、クレータ型電子放出素子
の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部断
面図である。
【図38】発明の実施の形態18に係る平面型表示装置
におけるクレータ型電子放出素子の製造方法を説明する
ための支持体等の模式的な一部断面図である。
【図39】発明の実施の形態19に係る平面型表示装置
におけるクレータ型電子放出素子の製造方法を説明する
ための支持体等の模式的な一部断面図である。
【図40】発明の実施の形態20に係る平面型表示装置
におけるクレータ型電子放出素子の製造方法を説明する
ための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図41】図40に引き続き、クレータ型電子放出素子
の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端
面図である。
【図42】発明の実施の形態21に係る平面型表示装置
におけるエッジ型電子放出素子の模式的な一部断面図で
ある。
【図43】エッジ型電子放出素子の製造方法を説明する
ための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図44】発明の実施の形態22に係る平面型表示装置
における、図47に示すスピント型電子放出素子の製造
方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図で
ある。
【図45】図44に引き続き、図47に示すスピント型
電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模
式的な一部端面図である。
【図46】図45に引き続き、図47に示すスピント型
電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模
式的な一部端面図である。
【図47】スピント型電子放出素子の模式的な一部端面
図である。
【図48】円錐形状の電子放出部が形成される機構を説
明するための図である。
【図49】対レジスト選択比と、電子放出部の高さと形
状の関係を模式的に示す図である。
【図50】発明の実施の形態23に係る平面型表示装置
におけるスピント型電子放出素子の製造方法を説明する
ための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図51】図50に引き続き、スピント型電子放出素子
の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端
面図である。
【図52】図51に引き続き、スピント型電子放出素子
の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端
面図である。
【図53】被エッチング物の表面プロファイルが一定時
間毎にどのように変化するかを示す図である。
【図54】発明の実施の形態24に係る平面型表示装置
におけるスピント型電子放出素子の製造方法を説明する
ための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図55】図54に引き続き、スピント型電子放出素子
の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端
面図である。
【図56】発明の実施の形態25に係る平面型表示装置
におけるスピント型電子放出素子の模式的な一部端面図
である。
【図57】実施の形態25のスピント型電子放出素子の
製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面
図である。
【図58】図57に引き続き、スピント型電子放出素子
の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端
面図である。
【図59】図58に引き続き、スピント型電子放出素子
の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端
面図である。
【図60】発明の実施の形態26に係る平面型表示装置
におけるスピント型電子放出素子の製造方法を説明する
ための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図61】図60に引き続き、スピント型電子放出素子
の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端
面図である。
【図62】発明の実施の形態27に係る平面型表示装置
におけるスピント型電子放出素子の製造方法を説明する
ための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図63】全てのゲート電極を1つの平板状(シート)
の電極構成層から構成した場合の平面型表示装置の駆動
回路の一例を占めす図である。
【図64】全てのカソード電極を1つの平板状(シー
ト)の電極構成層から構成した場合の平面型表示装置の
駆動回路の一例を占めす図である。
【図65】ゲート電極の上方に真空層を介して収束電極
が設けられた平面型表示装置の模式的な一部端面図であ
る。
【図66】従来の平面型表示装置を分解した概念図であ
る。
【図67】図66に示した従来の第1パネルにおける各
構成要素の概念的な配置図である。
【図68】従来の平面型表示装置における電子放出部か
らガス分子が放出された際の真空層中における圧力分布
例を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1・・・第1パネル、P2・・・第2パネル、VAC・
・・真空層、EF1,EF2・・・有効領域、NE1,N
2・・・無効領域、S・・・シール部材、EM・・・
エッチング用マスク、10,510・・・支持体、1
1,111,211,411,511・・・カソード電
極、111・・・電子放出層、11A・・・微小凹凸
部、11B・・・被覆層、411’・・・カソード電極
用導電材料層、12,12A,12B,46,512・
・・絶縁層、212・・・隔壁、13,13A,13
B,213,313・・・ゲート電極、13’・・・ゲ
ート電極用導電材料層、113A・・・第1層、113
B・・・第2層、113C・・・第3層、213A・・
・ガス捕捉材料層、14.14A,14B,214,2
14A,514・・・開口部、15,15A,15B,
15C,15D・・・電子放出部、16・・・貫通孔、
17・・・チップ管、18・・・剥離層、19・・・電
子放出部形成層、20・・・基板、21,21R,21
G,21B・・・蛍光体層、22・・・ブラックマトリ
ックス、23・・・アノード電極、24・・・枠体、3
0・・・制御回路、130A,131A・・・データ回
路、130B,131B・・・スキャン回路、130
C,131C・・・スイッチング素子、31・・・走査
回路、32・・・加速電源、40・・・基体、41・・
・半球状シリコン粒子、42・・・ガス捕捉層、43・
・・ゲッター形成層、43A,43B,43C・・・ゲ
ッター、44・・・非晶質シリコン層、45・・・多孔
質体、47,147,247・・・収束電極、47’・
・・収束電極用導電材料層、51・・・剥離層、52・
・・導電性組成物層、60・・・抵抗体層、70・・・
炭素薄膜選択成長領域、71・・・マスク層、72・・
・金属粒子、73・・・炭素薄膜、80,180・・・
球体、81・・・組成物層、81A・・・分散媒、81
B・・・カソード電極材料、180A・・・芯材、18
0B・・・表面処理層、212・・・隔壁、216・・
・突起部、217・・・薄膜、411A・・・隆起部、
411B・・・凹部、411C・・・先端部、520・
・・密着層、521・・・導電材料層、521A・・・
凹部、521B・・・柱状部、521C・・・拡大部、
522・・・マスク材料層、523・・・エッチング停
止層、530・・・基部、530A・・・導電材料層、
531・・・平坦化層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 29/62 H01J 29/62 5C041 31/12 31/12 C (72)発明者 室山 雅和 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5C012 AA09 5C027 FF06 5C031 DD17 5C035 JJ07 5C036 EE19 EF01 EF06 EG02 EG12 EG50 EH26 5C041 BB29

Claims (85)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体上に形成され、表面に凹凸を有し、若
    しくは多孔質体から成る支持部材と、支持部材の表面に
    沿って支持部材上に形成されたガス捕捉層とから構成さ
    れていることを特徴とするゲッター。
  2. 【請求項2】表面に凹凸を有する支持部材は、略半球状
    のシリコン粒子から成ることを特徴とする請求項1に記
    載のゲッター。
  3. 【請求項3】多孔質体から成る支持部材は、酸化シリコ
    ン、窒化シリコン及び酸窒化シリコンから成る群から選
    択された少なくとも1種類の材料から成ることを特徴と
    する請求項1に記載のゲッター。
  4. 【請求項4】第1パネルと第2パネルとが真空層を挟ん
    で対向配置され、画素が配列されて成る有効領域を有す
    る平面型表示装置であって、 第1パネル及び第2パネルの少なくとも一方の有効領域
    に、真空層の真空度を維持するためのゲッターが設けら
    れていることを特徴とする平面型表示装置。
  5. 【請求項5】第1パネルは、有効領域に冷陰極電界電子
    放出素子を備え、 第2パネルは、有効領域にアノード電極と蛍光体層とを
    備え、 冷陰極電界電子放出素子は、 (A)支持体上に設けられた絶縁層、 (B)絶縁層上に設けられたゲート電極、 (C)ゲート電極を貫通し、且つ、絶縁層に設けられた
    開口部、並びに、 (D)開口部内に設けられた電子放出部、から成り、 前記ゲッターは、ゲート電極上及び/又は隣り合うゲー
    ト電極の間の絶縁層上に設けられていることを特徴とす
    る請求項4に記載の平面型表示装置。
  6. 【請求項6】ゲッターは、表面に凹凸を有し、若しくは
    多孔質体から成る支持部材と、支持部材の表面に沿って
    支持部材上に形成されたガス捕捉層とから構成され、 支持部材は、ゲート電極上及び/又は隣り合うゲート電
    極の間の絶縁層上に設けられていることを特徴とする請
    求項5に記載の平面型表示装置。
  7. 【請求項7】表面に凹凸を有する支持部材は、略半球状
    のシリコン粒子から成ることを特徴とする請求項6に記
    載の平面型表示装置。
  8. 【請求項8】多孔質体から成る支持部材は、酸化シリコ
    ン、窒化シリコン及び酸窒化シリコンから成る群から選
    択された少なくとも1種類の材料から成ることを特徴と
    する請求項6に記載の平面型表示装置。
  9. 【請求項9】支持体上にカソード電極が設けられ、 絶縁層は、カソード電極及び支持体上に形成され、 電子放出部は、開口部の底部に位置するカソード電極上
    に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の平
    面型表示装置。
  10. 【請求項10】支持体上に電子放出層が設けられ、 絶縁層は、電子放出層及び支持体上に形成され、 開口部の底部に位置する電子放出層が電子放出部に相当
    することを特徴とする請求項5に記載の平面型表示装
    置。
  11. 【請求項11】絶縁層は電子放出層を被覆しており、 開口部は電子放出層を貫通しており、 電子放出部は、開口部の側壁面に露出した電子放出層の
    端部から成ることを特徴とする請求項5に記載の平面型
    表示装置。
  12. 【請求項12】第1パネルは、有効領域に冷陰極電界電
    子放出素子を備え、 第2パネルは、有効領域にアノード電極と蛍光体層とを
    備え、 冷陰極電界電子放出素子は、 (A)支持体上に設けられた絶縁層、 (B)絶縁層上に設けられたゲート電極、 (C)ゲート電極及び絶縁層上に設けられた第2絶縁
    層、 (D)第2絶縁層上に設けられた収束電極、 (E)収束電極と第2絶縁層とゲート電極とを貫通し、
    且つ絶縁層に設けられた開口部、 (F)開口部内に設けられた電子放出部、から成り、 前記ゲッターは、収束電極上及び/又は隣り合う収束電
    極の間の第2絶縁層上に設けられていることを特徴とす
    る請求項4に記載の平面型表示装置。
  13. 【請求項13】ゲッターは、表面に凹凸を有し、若しく
    は多孔質体から成る支持部材と、支持部材の表面に沿っ
    て支持部材上に形成されたガス捕捉層とから構成され、 支持部材は、収束電極上及び/又は隣り合う収束電極の
    間の第2絶縁層上に設けられていることを特徴とする請
    求項12に記載の平面型表示装置。
  14. 【請求項14】表面に凹凸を有する支持部材は、略半球
    状のシリコン粒子から成ることを特徴とする請求項13
    に記載の平面型表示装置。
  15. 【請求項15】多孔質体から成る支持部材は、酸化シリ
    コン、窒化シリコン及び酸窒化シリコンから成る群から
    選択された少なくとも1種類の材料から成ることを特徴
    とする請求項13に記載の平面型表示装置。
  16. 【請求項16】支持体上にカソード電極が設けられ、 絶縁層は、カソード電極及び支持体上に形成され、 電子放出部は、開口部の底部に位置するカソード電極上
    に形成されていることを特徴とする請求項12に記載の
    平面型表示装置。
  17. 【請求項17】支持体上に電子放出層が設けられ、 絶縁層は、電子放出層及び支持体上に形成され、 開口部の底部に位置する電子放出層が電子放出部に相当
    することを特徴とする請求項12に記載の平面型表示装
    置。
  18. 【請求項18】絶縁層は電子放出層を被覆しており、 開口部は電子放出層を貫通しており、 電子放出部は、開口部の側壁面に露出した電子放出層の
    端部から成ることを特徴とする請求項12に記載の平面
    型表示装置。
  19. 【請求項19】第1パネルは、有効領域に冷陰極電界電
    子放出素子を備え、 第2パネルは、有効領域にアノード電極と蛍光体層とを
    備え、 冷陰極電界電子放出素子は、 (A)支持体上に設けられた絶縁層、 (B)絶縁層上に設けられ、少なくとも一部分がガス捕
    捉材料から成るゲート電極、 (C)ゲート電極を貫通し、且つ、絶縁層に設けられた
    開口部、並びに、 (D)開口部内に設けられた電子放出部、から成り、 該ゲート電極は、前記ゲッターとして機能することを特
    徴とする請求項4に記載の平面型表示装置。
  20. 【請求項20】ゲート電極は、ガス捕捉材料から成る単
    層構造を有することを特徴とする請求項19に記載の平
    面型表示装置。
  21. 【請求項21】ゲート電極は、少なくとも、導電性材料
    又は絶縁性材料から成る第1層と、ガス捕捉材料から成
    る第2層との積層構造を有することを特徴とする請求項
    19に記載の平面型表示装置。
  22. 【請求項22】支持体上にカソード電極が設けられ、 絶縁層は、カソード電極及び支持体上に形成され、 電子放出部は、開口部の底部に位置するカソード電極上
    に形成されていることを特徴とする請求項19に記載の
    平面型表示装置。
  23. 【請求項23】支持体上に電子放出層が設けられ、 絶縁層は、電子放出層及び支持体上に形成され、 開口部の底部に位置する電子放出層が電子放出部に相当
    することを特徴とする請求項19に記載の平面型表示装
    置。
  24. 【請求項24】絶縁層は電子放出層を被覆しており、 開口部は電子放出層を貫通しており、 電子放出部は、開口部の側壁面に露出した電子放出層の
    端部から成ることを特徴とする請求項19に記載の平面
    型表示装置。
  25. 【請求項25】第1パネルは、有効領域に冷陰極電界電
    子放出素子を備え、 第2パネルは、有効領域にアノード電極と蛍光体層とを
    備え、 冷陰極電界電子放出素子は、 (A)支持体上に設けられた絶縁層、 (B)絶縁層上に設けられたゲート電極、 (C)ゲート電極及び絶縁層上に設けられた第2絶縁
    層、 (D)第2絶縁層上に設けられ、少なくとも一部分がガ
    ス捕捉材料から成る収束電極、 (E)収束電極と第2絶縁層とゲート電極とを貫通し、
    且つ絶縁層に設けられた開口部、 (F)開口部内に設けられた電子放出部、から成り、 該収束電極は、前記ゲッターとして機能することを特徴
    とする請求項4に記載の平面型表示装置。
  26. 【請求項26】収束電極は、ガス捕捉材料から成る単層
    構造を有することを特徴とする請求項25に記載の平面
    型表示装置。
  27. 【請求項27】収束電極は、少なくとも、導電性材料又
    は絶縁性材料から成る第1層と、ガス捕捉材料から成る
    第2層との積層構造を有することを特徴とする請求項2
    5に記載の平面型表示装置。
  28. 【請求項28】支持体上にカソード電極が設けられ、 絶縁層は、カソード電極及び支持体上に形成され、 電子放出部は、開口部の底部に位置するカソード電極上
    に形成されていることを特徴とする請求項25に記載の
    平面型表示装置。
  29. 【請求項29】支持体上に電子放出層が設けられ、 絶縁層は、電子放出層及び支持体上に形成され、 開口部の底部に位置する電子放出層が電子放出部に相当
    することを特徴とする請求項25に記載の平面型表示装
    置。
  30. 【請求項30】絶縁層は電子放出層を被覆しており、 開口部は電子放出層を貫通しており、 電子放出部は、開口部の側壁面に露出した電子放出層の
    端部から成ることを特徴とする請求項25に記載の平面
    型表示装置。
  31. 【請求項31】第1パネルは、有効領域に冷陰極電界電
    子放出素子を備え、 第2パネルは、有効領域にアノード電極と蛍光体層とを
    備え、 冷陰極電界電子放出素子は、 (A)支持体上に配設された、絶縁材料から成るスペー
    サ、 (B)複数の開口部が形成され、少なくとも一部分がガ
    ス捕捉材料から成るガス捕捉材料層から構成されたゲー
    ト電極、並びに、 (C)支持体上に形成された電子放出部、から成り、 スペーサの頂面に接するように、且つ、電子放出部の上
    方に開口部が位置するようにガス捕捉材料層が張架され
    ていることを特徴とする請求項4に記載の平面型表示装
    置。
  32. 【請求項32】画素が配列されて成る有効領域を有する
    第1パネルと第2パネルとが真空層を挟んで対向配置さ
    れ、第1パネルと第2パネルとが周縁部において接合さ
    れた平面型表示装置の製造方法であって、 第1パネル及び第2パネルの少なくとも一方の有効領域
    にゲッターを形成する工程を含むことを特徴とする平面
    型表示装置の製造方法。
  33. 【請求項33】第1パネルは、有効領域に冷陰極電界電
    子放出素子を備え、 第2パネルは、有効領域にアノード電極と蛍光体層とを
    備え、 第1パネルを、 (a)支持体上に絶縁層を形成する工程と、 (b)絶縁層上にゲート電極形成用の導電材料層を形成
    する工程と、 (c)導電材料層上にゲッター形成層を形成する工程
    と、 (d)ゲッター形成層と導電材料層とをパターニングす
    ることにより、ゲッターが上面に設けられたゲート電極
    を形成する工程と、 (e)少なくとも絶縁層に開口部を形成する工程と、 (f)開口部内に、電子放出部を形成し、若しくは露出
    させる工程、とを経て形成することを特徴とする請求項
    32に記載の平面型表示装置の製造方法。
  34. 【請求項34】工程(c)のゲッター形成層を形成する
    工程は、 (1)表面に凹凸を有し、若しくは多孔質体から成る支
    持部材をゲート電極形成用の導電材料層上に形成する工
    程と、 (2)支持部材の表面に沿ったガス捕捉層を支持部材上
    に形成する工程、から成ることを特徴とする請求項33
    に記載の平面型表示装置の製造方法。
  35. 【請求項35】工程(1)では、表面に凹凸を有する支
    持部材を、略半球状のシリコン粒子を用いて形成するこ
    とを特徴とする請求項34に記載の平面型表示装置の製
    造方法。
  36. 【請求項36】工程(1)では、多孔質体から成る支持
    部材を、酸化シリコン、窒化シリコン及び酸窒化シリコ
    ンから成る群から選択された少なくとも1種類の材料を
    用いて形成することを特徴とする請求項34に記載の平
    面型表示装置の製造方法。
  37. 【請求項37】多孔質体から成る支持部材を形成する工
    程は、 熱分解基を有し、あるいは又、溶媒を含有した支持部材
    形成膜を形成する工程と、 支持部材形成膜の熱処理によって、熱分解基を分解し、
    あるいは又、溶媒を気化させる工程、から成ることを特
    徴とする請求項36に記載の平面型表示装置の製造方
    法。
  38. 【請求項38】多孔質体から成る支持部材を形成する工
    程は、 エッチング速度が異なる複数の成分を含有した支持部材
    形成膜を形成する工程と、 支持部材形成膜の熱処理によって複数の成分を相分離さ
    せる工程と、 エッチング速度が相対的に速い方の成分をエッチング除
    去する工程、から成ることを特徴とする請求項36に記
    載の平面型表示装置の製造方法。
  39. 【請求項39】多孔質体から成る支持部材を形成する工
    程は、 エッチング速度が異なる複数の成分を含有した支持部材
    形成膜を形成する工程と、 エッチング速度が相対的に速い方の成分をエッチング除
    去する工程、から成ることを特徴とする請求項36に記
    載の平面型表示装置の製造方法。
  40. 【請求項40】工程(a)では、支持体上にカソード電
    極を形成した後、カソード電極及び支持体上に絶縁層を
    形成し、 工程(f)では、開口部の底部に位置するカソード電極
    上に電子放出部を形成することを特徴とする請求項33
    に記載の平面型表示装置の製造方法。
  41. 【請求項41】工程(a)では、支持体上に電子放出層
    を形成した後、電子放出層及び支持体上に絶縁層を形成
    し、 工程(f)では、開口部の底部に位置する電子放出層を
    露出させ、以て、開口部内に電子放出部を露出させるこ
    とを特徴とする請求項33に記載の平面型表示装置の製
    造方法。
  42. 【請求項42】工程(a)では、電子放出層を被覆した
    絶縁層を形成し、 工程(f)では、開口部の側壁面に電子放出層の端部を
    露出させて電子放出部を形成することを特徴とする請求
    項33に記載の平面型表示装置の製造方法。
  43. 【請求項43】第1パネルは、有効領域に冷陰極電界電
    子放出素子を備え、 第2パネルは、有効領域にアノード電極と蛍光体層とを
    備え、 第1パネルを、 (a)支持体上に絶縁層を形成する工程と、 (b)絶縁層上にゲート電極を形成する工程と、 (c)絶縁層及びゲート電極上に第2絶縁層を形成する
    工程と、 (d)第2絶縁層上に収束電極形成用の導電材料層を形
    成する工程と、 (e)導電材料層上にゲッター形成層を形成する工程
    と、 (f)ゲッター形成層と導電材料層とをパターニングす
    ることにより、ゲッターが上面に設けられた収束電極を
    形成する工程と、 (g)少なくとも第2絶縁層と絶縁層とに開口部を形成
    する工程と、 (h)開口部内に、電子放出部を形成し、若しくは露出
    させる工程、とを経て形成することを特徴とする請求項
    32に記載の平面型表示装置の製造方法。
  44. 【請求項44】工程(e)のゲッター形成層を形成する
    工程は、 (1)表面に凹凸を有し、若しくは多孔質体から成る支
    持部材を収束電極形成用の導電材料層上に形成する工程
    と、 (2)支持部材の表面に沿ったガス捕捉層を支持部材上
    に形成する工程、から成ることを特徴とする請求項43
    に記載の平面型表示装置の製造方法。
  45. 【請求項45】工程(1)では、表面に凹凸を有する支
    持部材を、略半球状のシリコン粒子を用いて形成するこ
    とを特徴とする請求項44に記載の平面型表示装置の製
    造方法。
  46. 【請求項46】工程(1)では、多孔質体から成る支持
    部材を、酸化シリコン、窒化シリコン及び酸窒化シリコ
    ンから成る群から選択された少なくとも1種類の材料を
    用いて形成することを特徴とする請求項44に記載の平
    面型表示装置の製造方法。
  47. 【請求項47】多孔質体から成る支持部材を形成する工
    程は、 熱分解基を有し、あるいは又、溶媒を含有した支持部材
    形成膜を形成する工程と、 支持部材形成膜の熱処理によって、熱分解基を分解し、
    あるいは又、溶媒を気化させる工程、から成ることを特
    徴とする請求項46に記載の平面型表示装置の製造方
    法。
  48. 【請求項48】多孔質体から成る支持部材を形成する工
    程は、 エッチング速度が異なる複数の成分を含有した支持部材
    形成膜を形成する工程と、 支持部材形成膜の熱処理によって複数の成分を相分離さ
    せる工程と、 エッチング速度が相対的に速い方の成分をエッチング除
    去する工程、から成ることを特徴とする請求項46に記
    載の平面型表示装置の製造方法。
  49. 【請求項49】多孔質体から成る支持部材を形成する工
    程は、 エッチング速度が異なる複数の成分を含有した支持部材
    形成膜を形成する工程と、 エッチング速度が相対的に速い方の成分をエッチング除
    去する工程、から成ることを特徴とする請求項46に記
    載の平面型表示装置の製造方法。
  50. 【請求項50】工程(a)では、支持体上にカソード電
    極を形成した後、カソード電極及び支持体上に絶縁層を
    形成し、 工程(h)では、開口部の底部に位置するカソード電極
    上に電子放出部を形成することを特徴とする請求項43
    に記載の平面型表示装置の製造方法。
  51. 【請求項51】工程(a)では、支持体上に電子放出層
    を形成した後、電子放出層及び支持体上に絶縁層を形成
    し、 工程(h)では、開口部の底部に位置する電子放出層を
    露出させ、以て、開口部内に電子放出部を露出させるこ
    とを特徴とする請求項43に記載の平面型表示装置の製
    造方法。
  52. 【請求項52】工程(a)では、電子放出層を被覆した
    絶縁層を形成し、 工程(h)では、開口部の側壁面に電子放出層の端部を
    露出させて電子放出部を形成することを特徴とする請求
    項43に記載の平面型表示装置の製造方法。
  53. 【請求項53】第1パネルは、有効領域に冷陰極電界電
    子放出素子を備え、 第2パネルは、有効領域にアノード電極と蛍光体層とを
    備え、 第1パネルを、 (a)支持体上に絶縁層を形成する工程と、 (b)絶縁層上にゲート電極を形成する工程と、 (c)ゲート電極上及び/又は隣り合うゲート電極の間
    の絶縁層上にゲッターを形成する工程と、 (d)少なくとも絶縁層に開口部を形成する工程と、 (e)開口部内に、電子放出部を形成し、若しくは露出
    させる工程、とを経て形成することを特徴とする請求項
    32に記載の平面型表示装置の製造方法。
  54. 【請求項54】工程(c)のゲッターを形成する工程
    は、 (1)表面に凹凸を有し、若しくは多孔質体から成る支
    持部材をゲート電極上及び/又は隣り合うゲート電極の
    間の絶縁層上に形成する工程と、 (2)支持部材の表面に沿ったガス捕捉層を支持部材上
    に形成する工程、から成ることを特徴とする請求項53
    に記載の平面型表示装置の製造方法。
  55. 【請求項55】工程(1)では、表面に凹凸を有する支
    持部材を、略半球状のシリコン粒子を用いて形成するこ
    とを特徴とする請求項54に記載の平面型表示装置の製
    造方法。
  56. 【請求項56】工程(1)では、多孔質体から成る支持
    部材を、酸化シリコン、窒化シリコン及び酸窒化シリコ
    ンから成る群から選択された少なくとも1種類の材料を
    用いて形成することを特徴とする請求項54に記載の平
    面型表示装置の製造方法。
  57. 【請求項57】多孔質体から成る支持部材を形成する工
    程は、 熱分解基を有し、あるいは又、溶媒を含有した支持部材
    形成膜を形成する工程と、 支持部材形成膜の熱処理によって、熱分解基を分解し、
    あるいは又、溶媒を気化させる工程、から成ることを特
    徴とする請求項56に記載の平面型表示装置の製造方
    法。
  58. 【請求項58】多孔質体から成る支持部材を形成する工
    程は、 エッチング速度が異なる複数の成分を含有した支持部材
    形成膜を形成する工程と、 支持部材形成膜の熱処理によって複数の成分を相分離さ
    せる工程と、 エッチング速度が相対的に速い方の成分をエッチング除
    去する工程、から成ることを特徴とする請求項56に記
    載の平面型表示装置の製造方法。
  59. 【請求項59】多孔質体から成る支持部材を形成する工
    程は、 エッチング速度が異なる複数の成分を含有した支持部材
    形成膜を形成する工程と、 エッチング速度が相対的に速い方の成分をエッチング除
    去する工程、から成ることを特徴とする請求項56に記
    載の平面型表示装置の製造方法。
  60. 【請求項60】工程(a)では、支持体上にカソード電
    極を形成した後、カソード電極及び支持体上に絶縁層を
    形成し、 工程(e)では、開口部の底部に位置するカソード電極
    上に電子放出部を形成することを特徴とする請求項53
    に記載の平面型表示装置の製造方法。
  61. 【請求項61】工程(a)では、支持体上に電子放出層
    を形成した後、電子放出層及び支持体上に絶縁層を形成
    し、 工程(e)では、開口部の底部に位置する電子放出層を
    露出させ、以て、開口部内に電子放出部を露出させるこ
    とを特徴とする請求項53に記載の平面型表示装置の製
    造方法。
  62. 【請求項62】工程(a)では、電子放出層を被覆した
    絶縁層を形成し、 工程(e)では、開口部の側壁面に電子放出層の端部を
    露出させて電子放出部を形成することを特徴とする請求
    項53に記載の平面型表示装置の製造方法。
  63. 【請求項63】第1パネルは、有効領域に冷陰極電界電
    子放出素子を備え、 第2パネルは、有効領域にアノード電極と蛍光体層とを
    備え、 第1パネルを、 (a)支持体上に絶縁層を形成する工程と、 (b)絶縁層上にゲート電極を形成する工程と、 (c)絶縁層及びゲート電極上に第2絶縁層を形成する
    工程と、 (d)第2絶縁層上に収束電極を形成する工程と、 (e)収束電極上及び/又は隣り合う収束電極の間の第
    2絶縁層上にゲッターを形成する工程と、 (f)少なくとも第2絶縁層と絶縁層とに開口部を形成
    する工程と、 (g)開口部内に、電子放出部を形成し、若しくは露出
    させる工程、とを経て形成することを特徴とする請求項
    32に記載の平面型表示装置の製造方法。
  64. 【請求項64】工程(e)のゲッターを形成する工程
    は、 (1)表面に凹凸を有し、若しくは多孔質体から成る支
    持部材を収束電極上及び/又は隣り合う収束電極の間の
    第2絶縁層上に形成する工程と、 (2)支持部材の表面に沿ったガス捕捉層を支持部材上
    に形成する工程、から成ることを特徴とする請求項63
    に記載の平面型表示装置の製造方法。
  65. 【請求項65】工程(1)では、表面に凹凸を有する支
    持部材を、略半球状のシリコン粒子を用いて形成するこ
    とを特徴とする請求項64に記載の平面型表示装置の製
    造方法。
  66. 【請求項66】工程(1)では、多孔質体から成る支持
    部材を、酸化シリコン、窒化シリコン及び酸窒化シリコ
    ンから成る群から選択された少なくとも1種類の材料を
    用いて形成することを特徴とする請求項64に記載の平
    面型表示装置の製造方法。
  67. 【請求項67】多孔質体から成る支持部材を形成する工
    程は、 熱分解基を有し、あるいは又、溶媒を含有した支持部材
    形成膜を形成する工程と、 支持部材形成膜の熱処理によって、熱分解基を分解し、
    あるいは又、溶媒を気化させる工程、 から成ることを特徴とする請求項66に記載の平面型表
    示装置の製造方法。
  68. 【請求項68】多孔質体から成る支持部材を形成する工
    程は、 エッチング速度が異なる複数の成分を含有した支持部材
    形成膜を形成する工程と、 支持部材形成膜の熱処理によって複数の成分を相分離さ
    せる工程と、 エッチング速度が相対的に速い方の成分をエッチング除
    去する工程、から成ることを特徴とする請求項66に記
    載の平面型表示装置の製造方法。
  69. 【請求項69】多孔質体から成る支持部材を形成する工
    程は、 エッチング速度が異なる複数の成分を含有した支持部材
    形成膜を形成する工程と、 エッチング速度が相対的に速い方の成分をエッチング除
    去する工程、から成ることを特徴とする請求項66に記
    載の平面型表示装置の製造方法。
  70. 【請求項70】工程(a)では、支持体上にカソード電
    極を形成した後、カソード電極及び支持体上に絶縁層を
    形成し、 工程(g)では、開口部の底部に位置するカソード電極
    上に電子放出部を形成することを特徴とする請求項63
    に記載の平面型表示装置の製造方法。
  71. 【請求項71】工程(a)では、支持体上に電子放出層
    を形成した後、電子放出層及び支持体上に絶縁層を形成
    し、 工程(g)では、開口部の底部に位置する電子放出層を
    露出させ、以て、開口部内に電子放出部を露出させるこ
    とを特徴とする請求項63に記載の平面型表示装置の製
    造方法。
  72. 【請求項72】工程(a)では、電子放出層を被覆した
    絶縁層を形成し、 工程(g)では、開口部の側壁面に電子放出層の端部を
    露出させて電子放出部を形成することを特徴とする請求
    項63に記載の平面型表示装置の製造方法。
  73. 【請求項73】第1パネルは、有効領域に冷陰極電界電
    子放出素子を備え、 第2パネルは、有効領域にアノード電極と蛍光体層とを
    備え、 第1パネルを、 (a)支持体上に絶縁層を形成する工程と、 (b)絶縁層上に、少なくとも一部分がガス捕捉材料か
    ら成り、ゲッターとして機能するゲート電極を形成する
    工程と、 (c)少なくとも絶縁層に開口部を形成する工程と、 (d)開口部内に、電子放出部を形成し、若しくは露出
    させる工程、とを経て形成することを特徴とする請求項
    32に記載の平面型表示装置の製造方法。
  74. 【請求項74】ゲート電極は、ガス捕捉材料から成る単
    層構造を有することを特徴とする請求項73に記載の平
    面型表示装置の製造方法。
  75. 【請求項75】ゲート電極は、少なくとも、導電性材料
    又は絶縁性材料から成る第1層と、ガス捕捉材料から成
    る第2層との積層構造を有することを特徴とする請求項
    73に記載の平面型表示装置の製造方法。
  76. 【請求項76】工程(a)では、支持体上にカソード電
    極を形成した後、カソード電極及び支持体上に絶縁層を
    形成し、 工程(d)では、開口部の底部に位置するカソード電極
    上に電子放出部を形成することを特徴とする請求項73
    に記載の平面型表示装置の製造方法。
  77. 【請求項77】工程(a)では、支持体上に電子放出層
    を形成した後、電子放出層及び支持体上に絶縁層を形成
    し、 工程(d)では、開口部の底部に位置する電子放出層を
    露出させ、以て、開口部内に電子放出部を露出させるこ
    とを特徴とする請求項73に記載の平面型表示装置の製
    造方法。
  78. 【請求項78】工程(a)では、電子放出層を被覆した
    絶縁層を形成し、 工程(d)では、開口部の側壁面に電子放出層の端部を
    露出させて電子放出部を形成することを特徴とする請求
    項73に記載の平面型表示装置の製造方法。
  79. 【請求項79】第1パネルは、有効領域に冷陰極電界電
    子放出素子を備え、 第2パネルは、有効領域にアノード電極と蛍光体層とを
    備え、 第1パネルを、 (a)支持体上に絶縁層を形成する工程と、 (b)絶縁層上にゲート電極を形成する工程と、 (c)絶縁層及びゲート電極上に第2絶縁層を形成する
    工程と、 (d)第2絶縁層上に、少なくとも一部分がガス捕捉材
    料から成り、ゲッターとして機能する収束電極を形成す
    る工程と、 (e)少なくとも第2絶縁層と絶縁層とに開口部を形成
    する工程と、 (f)開口部内に、電子放出部を形成し、若しくは露出
    させる工程、とを経て形成することを特徴とする請求項
    32に記載の平面型表示装置の製造方法。
  80. 【請求項80】収束電極は、ガス捕捉材料から成る単層
    構造を有することを特徴とする請求項79に記載の平面
    型表示装置の製造方法。
  81. 【請求項81】収束電極は、少なくとも、導電性材料又
    は絶縁性材料から成る第1層と、ガス捕捉材料から成る
    第2層との積層構造を有することを特徴とする請求項7
    9に記載の平面型表示装置の製造方法。
  82. 【請求項82】工程(a)では、支持体上にカソード電
    極を形成した後、カソード電極及び支持体上に絶縁層を
    形成し、 工程(f)では、開口部の底部に位置するカソード電極
    上に電子放出部を形成することを特徴とする請求項79
    に記載の平面型表示装置の製造方法。
  83. 【請求項83】工程(a)では、支持体上に電子放出層
    を形成した後、電子放出層及び支持体上に絶縁層を形成
    し、 工程(f)では、開口部の底部に位置する電子放出層を
    露出させ、以て、開口部内に電子放出部を露出させるこ
    とを特徴とする請求項79に記載の平面型表示装置の製
    造方法。
  84. 【請求項84】工程(a)では、電子放出層を被覆した
    絶縁層を形成し、 工程(f)では、開口部の側壁面に電子放出層の端部を
    露出させて電子放出部を形成することを特徴とする請求
    項79に記載の平面型表示装置の製造方法。
  85. 【請求項85】第1パネルは、有効領域に冷陰極電界電
    子放出素子を備え、 第2パネルは、有効領域にアノード電極と蛍光体層とを
    備え、 第1パネルを、 (a)支持体上に絶縁材料から成るスペーサを配設し、
    支持体上に電子放出部を形成する工程と、 (b)複数の開口部が形成され、少なくとも一部分がガ
    ス捕捉材料から成るガス捕捉材料層から構成されたゲー
    ト電極を、スペーサの頂面に接するように、且つ、電子
    放出部の上方に開口部が位置するように張架する工程、
    とを経て形成することを特徴とする請求項32に記載の
    平面型表示装置の製造方法。
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