JPH11204067A - 電界放出型デバイス - Google Patents

電界放出型デバイス

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JPH11204067A
JPH11204067A JP777898A JP777898A JPH11204067A JP H11204067 A JPH11204067 A JP H11204067A JP 777898 A JP777898 A JP 777898A JP 777898 A JP777898 A JP 777898A JP H11204067 A JPH11204067 A JP H11204067A
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JP
Japan
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getter
glass substrate
box
granular layer
field emission
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP777898A
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English (en)
Inventor
Takeshi Tonegawa
武 利根川
Yuji Uchida
裕治 内田
Yuichi Kogure
雄一 小暮
Gentaro Tanaka
源太郎 田中
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Futaba Corp
Original Assignee
Futaba Corp
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Publication date
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  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)
  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゲッターボックス4内に形成されるゲッター
ミラー11の表面積を大きくして、残留ガスの吸着能力
を向上させること。 【解決手段】 アノード側のガラス基板2とカソード側
のガラス基板3との内部を、真空状態にするためのゲッ
ターボックス4の内部壁面に粒状層6を形成し、この粒
状層6の表面にゲッターミラー11を形成するようにし
た。また、ゲッター材料が収納されている通電ゲッター
21の凹部24をゲッターボックス4の長手方向、やや
上方に向けて配置すると共に、ゲッターボックス4内に
窒素ガス(N2 )を充満させておくことで、ゲッター材
料が粒状層10の表面の隅々に回り込むように蒸着さ
れ、より表面積の大きいゲッターミラー11を形成する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、電界放出型デバイ
スに関わり、特にその内部の残留ガスを吸着させるのに
好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、平面状のコールドカソードとして
知られている電界放出カソードと、この電界放出カソー
ドから放出される電子を捕集する蛍光体の被着されたア
ノードからなる電界放出型電子機器(Field Emission D
evice :以下、「FED」という)が知られている。こ
のようなFEDにおいては、カソードとアノードとが微
少間隔離隔されて配置されており、その間の空間が真空
気密状態となるようにされている。
【0003】ところで、上記したようなFEDにおいて
は、カソードとアノードとからなる空間を真空状態にす
るために排気・封止を行った場合においても、その内部
には残留ガスが存在するため、この残留ガスを吸着する
ためのゲッターが収納されたゲッターボックス(ゲッタ
ー室)を設けることが不可欠となる。
【0004】ここで、図5にゲッターボックスが設けら
れているFEDの一例として電界放出型表示装置の構成
例を示す。この図5(a)は、FEDの真空容器を示す
正面図、同図(b)は背面図、同図(c)は同図(b)
に示すFEDの真空容器をY−Y線で切断した時の断面
を示した図である。これら図5(a),(b),(c)
に示すFEDにおいて、101は正面側とされるアノー
ド側のガラス基板、102は背面側とされるカソード側
のガラス基板であり、これらは微少間隔離隔されて対向
させて配置されており、その間がシール部材108によ
り封着されて構成されている。アノード側のガラス基板
101、およびカソード側のガラス基板102は、例え
ば板ガラス基板等からなり、図示しないアノード側のガ
ラス基板101には蛍光体の被着されたアノードが形成
されており、カソード側のガラス基板102には、その
表面に薄膜技術によってよく知られている電子放出用の
エミッター及びゲートからなる平面状の電界放出カソー
ド群が形成されている。
【0005】また、アノード側のガラス基板101とカ
ソード側のガラス基板102とは、例えば長手方向に若
干ずらして配置されており、図示するようにカソード側
のガラス基板102の2辺は、アノード側のガラス基板
101より外方に突出している。また、残る二辺のうち
の一辺においては、アノード側のガラス基板101が突
出するようにされている。
【0006】そして、この突出しているアノード側のガ
ラス基板101の一部を覆うような配置で、その内部に
ゲッター106が収納された矩形状のゲッターボックス
103が設けられている。このゲッターボックス103
の上面には、排気管104が溶着されていると共に、排
気管104とゲッターボックス103の内部とを連通す
る連通孔105が設けられている。
【0007】ゲッターボックス103内に収納されたゲ
ッター106は、製造時において、排気工程後にゲッタ
ーボックス103内に残存しているガスを吸着する蒸着
膜を形成するために設けられており、例えばリング状の
金属部材の内部にBaAl4合金等のゲッター材料が収
納されている。そして、例えば外部から高周波によりリ
ング状の金属部材を誘導加熱することによって、ゲッタ
ー材料であるBaAl4 合金の内、Ba(バリウム)が
蒸発し、ゲッター106と対向するゲッターボックス1
03の内部壁面に蒸着膜107を形成するようにされ
る。この蒸着膜107は、鏡のように見えるところか
ら、通常、ゲッターミラーと呼ばれる。以下、本明細書
においては、この蒸着膜107をゲッターミラーと表記
することとする。
【0008】上記したようなFEDにおいて、ゲッター
ミラー107を形成する場合は、カソード側のガラス基
板102とアノード側のガラス基板101とを位置決め
して、シール部材108により封着し、排気管104か
らその内部を真空に引いて排気管104を封止した後、
例えば外部から高周波によりリング状の金属部材を誘導
加熱する。これにより、ゲッター106にゲッター材料
として収納されているBa(バリウム)が蒸発してゲッ
ター106と対向するゲッターボックス8の内部壁面に
蒸着して、ゲッターミラー107が形成されることにな
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記したよ
うなゲッターミラー107を形成する場合、ゲッター1
06とゲッターボックス103の内部壁面までの距離が
短いと、ゲッター106から蒸発したBa(バリウム)
は、その殆どが直進してゲッター106と対向するゲッ
ターボックス103の内部壁面に蒸着されることにな
る。
【0010】このため、ゲッター106とゲッターボッ
クス103の内部壁面での距離を、例えば2mm程度し
か確保することができないFEDにおいては、ゲッター
ミラー107の面積がゲッター106とほぼ同一にな
り、ゲッターボックス103内の残留ガスを十分吸着す
るには、その面積が小さいという問題点があった。
【0011】そこで、例えば実開平5−1153、また
は特開平5−182608に見られるように、ゲッター
ミラーとなるガラス面にギザギザの溝を形成し、このギ
ザギザの溝が形成されたガラス面に、ゲッターミラーを
形成するようにしたものが知られている。しかし、この
ような従来の技術では、あらかじめギザギザの溝を成形
加工したガラス板を必要とするため、コストアップを招
くと共に、実際にはゲッターミラーの表面積を増大させ
るためのギザギザの溝を形成するエッチング加工が困難
であるという問題点があった。
【0012】そこで、本発明はこのような問題点を鑑み
てなされたものであり、ゲッターボックス内に形成され
るゲッターミラーの表面積を容易に増大させ、残留ガス
の吸着能力を向上させることができる電界放出型デバイ
スを提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の電界放出型デバイスは、カソード電極が搭
載される第1のガラス基板と、この第1のガラス基板に
対して所定距離離して配置された第2のガラス基板と、
第1のガラス基板と、第2のガラス基板をシール部材に
よって封着して構成される気密容器内の残留ガスを吸着
するゲッター蒸着膜を形成するためのゲッター材料を備
えたゲッター蒸発部が設けられているゲッターボックス
と、このゲッターボックスの内部壁面に形成された粒状
層とから成り、ゲッター蒸発部と対向する粒状層の表面
に、ゲッター蒸着膜を形成するようにした。
【0014】また、本発明の電界放出型デバイスは、カ
ソード電極が搭載される第1のガラス基板と、この第1
のガラス基板に対して所定距離離して配置された第2の
ガラス基板と、第1のガラス基板と、第2のガラス基板
をシール部材によって封着して構成される気密容器内の
残留ガスを吸着するゲッター蒸着膜を形成するためのゲ
ッター材料を備えたゲッター蒸発部が設けられているゲ
ッターボックスと、そのゲッターボックスの内部壁面に
形成された粒状層とから成り、ゲッター蒸発部をゲッタ
ー材料が、ゲッターボックスの長手方向、且つ、上方向
に蒸発するように、ゲッター材料が収納された凹部を傾
斜させた状態で、少なくとも前記ゲッターボックスの一
端部に配置され、粒状層の表面に、ゲッター蒸着膜を形
成するようにした。
【0015】また、ゲッター蒸着膜を形成する時は、ゲ
ッターボックス内に、窒素ガスを混入させることによ
り、より広いゲッターミラーが形成されるようにした。
また、粒状層は多数の孔が形成されている多孔粒子によ
って形成してもよい。
【0016】本発明によれば、ゲッターボックスの内部
壁面に、その表面が凸凹状とされる粒状層を形成し、こ
の粒状層の表面にゲッター蒸着膜を形成することで、ゲ
ッター蒸着膜の表面積を大きくすることができる。
【0017】また、ゲッター蒸発部は、ゲッター材料
が、ゲッターボックスの長手方向、且つ、上方向に蒸発
するように、ゲッター材料が収納された凹部を傾斜させ
た状態で、少なくとも前記ゲッターボックスの一端部に
配置すると共に、ゲッターボックス内に窒素ガスを混入
させておくことで、ゲッター蒸発部から蒸発したゲッタ
ー材料が、粒状層の表面の隅々にまで回り込みゲッター
蒸着膜を形成するため、ゲッター蒸着膜の表面積をより
大きくすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電界放出型デバイ
ス(FED)の実施の形態として電界放出型表示装置を
例にとって説明する。図1は、本実施の形態とされるゲ
ッターボックスを備えたFEDの一構成例を示したもの
である。この図(a)は、本実施の形態とされるFED
の背面図、同図(b)は、同図(a)に示したFEDの
破線で囲った部分をA−A線で切断したときの断面を拡
大して示した図である。
【0019】これら図1(a),(b)に示す本実施の
形態とされるFED1は、表示面とされるアノード側の
ガラス基板(第2のガラス基板)2と、背面とされるカ
ソード側のガラス基板(第1のガラス基板)3とが微少
間隔離隔されて対向させて配置されており、その間が図
示しないシール部材により封着されて、その内部が気密
状態となるように構成されている。
【0020】アノード側のガラス基板2およびカソード
側のガラス基板3は、例えばガラス基板等からなり、ア
ノード側のガラス基板2には図示しない蛍光体の被着さ
れたアノードが形成されており、カソード側のガラス基
板3には図示しない平面状の電界放出カソード群が形成
されている。また、アノード側のガラス基板2とカソー
ド側のガラス基板3との間隔は、約200μm〜500
μmとされている。
【0021】また、アノード側のガラス基板2とカソー
ド側のガラス基板3とは長手方向に若干ずらして配置さ
れており、図示するようにカソード側のガラス基板3の
二辺は、アノード側のガラス基板2より外方に突出して
いる。また、残る二辺のうちの一辺は、アノード側のガ
ラス基板2が外方に突出している。
【0022】なお、カソード側のガラス基板3の突出部
分には、図示していないが走査されたゲート電圧信号が
供給されるゲート引出電極や、カソードに供給される画
像信号等が供給されるカソード引出電極が形成されてい
る。また、アノード側のガラス基板2の突出部分には、
図示しないがアノード電圧等が供給されるアノード引出
電極が形成されている。
【0023】そして、この突出しているアノード側のガ
ラス基板2の一部を覆うような配置で、その内部にリン
グ状ゲッター8が収納された例えば矩形状のゲッターボ
ックス4がシール部材12により固着されている。
【0024】ゲッターボックス4の上面には、さらに排
気管5がシール部材6により溶着されていると共に、排
気管5とゲッターボックス4内とを連通させる連通孔7
が形成されている。また、連通孔7が形成されているゲ
ッターボックス4の内部壁面には、ゲッターミラー11
の面積を増大するための粒状層10が形成されている。
粒状層10は、例えばカーボン粉末やSiN粉末等とい
った粒状のセラミック系の粉末によって形成されてお
り、その表面が凸凹状(ポーラス状)とされている。
【0025】リング状ゲッター8は、当該FED1の製
造時において、排気工程後にゲッターボックス4内に残
存する残留ガスを吸着するゲッターミラー(ゲッター蒸
着膜)を形成するためのゲッター材料が収納されてお
り、このリング状ゲッター8は、例えばリング状の金属
部材の内部に、BaAl4 合金等のゲッター材料が収納
された蒸発型ゲッターとされている。
【0026】そして、例えば外部から高周波によりリン
グ状ゲッター8の金属部材を誘導加熱することによっ
て、ゲッター材料であるBaAl4 合金の内、Ba(バ
リウム)が蒸発し、リング状ゲッター8と対向するゲッ
ターボックス4の内部壁面に形成された粒状層10の表
面に、Baが蒸着されてゲッターミラー11が形成され
る。
【0027】なお、リング状ゲッター8は、ゲッター支
持部材9によってゲッターボックス4内のカソード側の
ガラス基板3と非接触状態で支持されている。このよう
にリング状ゲッター8をカソード側のガラス基板3と非
接触状態となるように配置した場合は、リング状ゲッタ
ー8を加熱した際に、リング状ゲッター8の熱がカソー
ド側のガラス基板3を介して放熱されるといったことが
ないため、リング状ゲッター8のみを効率的に加熱する
ことができる。
【0028】このように、本実施の形態とされるFED
1においては、ゲッター材料が蒸着されるゲッターボッ
クス4の内部壁面に、予めその表面が凸凹状とされる粒
状層10を形成し、この粒状層10の表面にゲッターミ
ラー11を形成するようにしている。この場合は、凸凹
状とされる粒状層10の表面にゲッターミラー11が形
成されるため、例えばリング状ゲッター8からゲッター
ボックス4の内部壁面までの距離を長くすることなく、
ゲッターミラー11の表面積を大きくすることができ、
従来に比べてゲッターボックス4内の残留ガスをより吸
着することができ、FED1内を十分高真空とすること
ができるようになる。
【0029】ここで、上記図1に示したようなゲッター
ボックス4の作製手順について図2を参照しながら説明
する。上記図1に示したようなFED1のゲッターボッ
クス4を作製する場合は、先ず連通孔7が形成されてい
るゲッターボックス4に排気管5を溶着するため、ゲッ
ターボックス4と排気管5との溶着面に、例えばシール
ガラス等のペースト状のシール部材6を塗布して(S
1)、焼成(例えば約500℃)する(S2)。
【0030】次に、例えばカソード側のガラス基板3の
上にゲッター支持部材9で支持されたリング状ゲッター
8を配置すると共に、位置決めしたアノード側のガラス
基板2及びカソード側のガラス基板3に、ゲッターボッ
クス4を取り付けるため、ゲッターボックス4とアノー
ド側のガラス基板2及びカソード側のガラス基板3との
溶着面に例えばシールガラス等のシール部材12を塗布
する(S3)。また、同時にゲッターミラー11が形成
されるゲッターボックス4の内部壁面に、ゲッターミラ
ー11の面積増大用の粉末ペーストを塗布する(S
4)。
【0031】ゲッターミラー11の面積増大用の粉末ペ
ーストとしては、例えば上述したようなカーボン粉末や
SiN粉末等のセラミック系の粉末に、ペースト用溶剤
を混合することによって形成される。ペースト用溶剤と
しては、例えば水ガラス溶剤(例えば、水に数%〜数十
%のNa2 SiO4 や、K2 SiO4 等を混合した溶
剤)や、有機金属溶剤(例えば、ブチルカルビトールに
数%〜数十%の有機チタン等を混合した溶剤)、有機溶
剤(例えば、テレピネオールに数%〜数十%のアクリル
樹脂等を混合した溶剤)等がある。
【0032】そして、このようにゲッターボックス4と
アノード側のガラス基板2及びカソード側のガラス基板
3との溶着面にシールガラス等のシール部材12を塗布
すると共に、ゲッターボックス4の内部壁面に粉末ペー
ストを塗布した状態で、再び焼成(例えば約500℃)
する(S5)。
【0033】これにより、ゲッターボックス4がアノー
ド側のガラス基板2及びカソード側のガラス基板3に固
着され、その内部が気密状態になると共に、ゲッターボ
ックス4の内部壁面に塗布した粉末ペーストに含まれる
ペースト用溶剤が気化して、ゲッターボックス4にはカ
ーボン粉末やSiN粉末等のセラミック系の粉末からな
る粒状層10が形成されることになる。
【0034】その後、排気管5からFED1内のガス出
しを行いながら真空に引いて、排気管5を封止する(S
6)。そして、例えば外部から高周波によりリング状ゲ
ッター8を加熱することにより(S7)、リング状ゲッ
ター8に収納されているBaが蒸発し、この蒸発したB
aが、リング状ゲッター8と対向するゲッターボックス
4の内部壁面に形成された粒状層10の表面に蒸着し
て、上記図1に示すようなゲッターボックス4が作製さ
れることになる。
【0035】次に、図3〜図4は、本実施の形態とされ
るゲッターボックスを備えたFEDの他の構成例を示し
た図であり、図3(a)は他の構成とされるFEDの背
面図、図3(b)は同図(a)に示したFED20の破
線で囲ったゲッターボックスを、B−B線で切断したと
きの断面を拡大して示した図、図4は図3(a)に示し
たFED20の破線で囲ったゲッターボックスを、C−
C線で切断したときの断面を拡大して示した図である。
なお、図1に示したFED1と同一部品には、同一番号
を付し、説明は省略する。
【0036】これら図3〜図4に示すFED20におい
ては、ゲッターボックス4内に通電ゲッター21が設け
られている。この通電ゲッター21は、例えば略コの字
形(凹形)とされ、その両端から引き出されているリー
ド22,22は、ゲッターボックス4の長手方向の側面
から、それぞれゲッターボックス4の外部に引き出され
ている。なお、FED20の表示面が5インチとされる
場合は、ゲッターボックス4の長手方向の長さは、例え
ば約60mmとされる。
【0037】通電ゲッター21は、図3(a)に示すよ
うにゲッターボックス4の長手方向の一端側に配置する
と共に、その向きは図4に示すように凹部24が内側や
や上方を向くように傾斜させて配置されている。通電ゲ
ッター21の凹部24には、ゲッター材料として上記し
たようなBaAl4 合金に、窒素(N)をドープしたも
のが収納されている。
【0038】このようなFED20は、製造工程時にお
いてゲッターボックス4内のガス出しを行いながら真空
に引いて、排気管5を封止した後、リード22を通電し
て、通電ゲッター21に設けられている図示しない抵抗
加熱体を加熱する。この場合は、先ず、通電ゲッター2
1の凹部24に収納されているBaAl4 合金にドープ
した窒素(N)が気化して、ゲッターボックス4内に窒
素ガス(N2 )が充満し、その後、ゲッター材料である
Baがゲッターボックス4の長手方向に、やや上方に向
かって蒸発することになる。
【0039】この場合、通電ゲッター21の前方、やや
上方に向かって蒸発するBaは、ゲッターボックス4の
長手方向の長さが、上記したように約60mmと長く、
ゲッター材料が収納されている通電ゲッター21の凹部
24から粒状層10までの距離が十分得られるため、図
4に示すように充満した窒素ガス(N2 )と衝突して弾
性散乱しながら粒状層10の表面に蒸着されることにな
る。すなわち、この場合は通電ゲッタ21より前方に位
置する粒状層10の表面の隅々に、Baが回り込んで蒸
着され、ゲッターミラー11を形成することになる。
【0040】従って、この場合は粒状層10の広い範囲
に、しかも粒状層10の隅々にゲッターミラー11を形
成することができるため、ゲッターミラー11の表面積
を非常に大きくすることができ、ゲッターボックス4内
の残留ガスを、より吸着することができ、FED20内
を十分高真空とすることができるようになる。
【0041】なお、FED20に充満した窒素ガス(N
2 )は、最終的にはゲッターミラー11によって吸着さ
れるため、FED20内に窒素ガス(N2 )が残留する
といったことはない。
【0042】また、上記図3〜図4に示したFED20
おいては、通電ゲッター21をゲッターボックス4内の
長手方向の一端側だけに設けた場合について説明した
が、例えばゲッターボックス4内の長手方向の両端に、
通電ゲッター21を設けるようにしてもよく、その場合
は粒状層10の表面全体の隅々に、より均一にゲッター
ミラー11を形成することができる。
【0043】また、上記図3〜図4に示したFED20
においては、ゲッター材料であるBaAl4 合金に、窒
素(N)をドープしたものを用いるようにしているが、
通電ゲッター21の凹部24がゲッターボックス4の長
手方向、やや上方に向けられているため、特にゲッター
材料に窒素(N)をドープしなくても、凹部24から蒸
発したBaは、粒状層10の広い範囲に蒸着され、ゲッ
ターミラー11を形成することになる。つまり、通電ゲ
ッター21の凹部24をゲッターボックス4の長手やや
上方に向けるように傾斜させて配置するだけでも、その
効果を十分に期待することができる。
【0044】なお、本実施の形態においては、粒状層1
0としてセラミック系の粉末を用いるようにしている
が、セラミック系の粉末はあくまでも一例であり、これ
に限定されるものでない。また、粒状層10を形成する
粉末の粒子形状は、例えば球状等といった特定の形状に
限定されるものでなく、如何なる形状のものであっても
良い。特に、粒状層10を多数の孔が形成された多孔質
の粒子を用いて形成すれば、粒子に形成された孔の内部
にもゲッター材料が付着することになるため、粒状層1
0の表面積をさらに大きくすることができ、より好適と
される。
【0045】また、本実施の形態においては、粒状層1
0を連通孔7が形成されたゲッターボックス4の上方の
内部壁面だけに形成する場合について説明したが、例え
ばゲッターボックス4の側面にも形成することが可能で
ある。
【0046】また、本実施の形態においては、電界放出
型電子機器(電子機器)として表示装置を例とって説明
したが、これに限定されるものでなく、電界放出を利用
した各種電子機器に適用可能である。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電界放出
型デバイスによれば、ゲッターボックスの内部壁面に粒
状層を形成し、ゲッター蒸発部と対向する粒状層の表面
に、ゲッター蒸着膜を形成するようにしているため、ゲ
ッター蒸着膜の表面積を大きくすることができる。ま
た、ゲッター蒸発部をゲッター材料がゲッターボックス
の長手方向に、やや上方向に蒸発するように傾斜させて
配置すると共に、ゲッターボックス内に窒素ガスを混入
させておくことで、粒状層の表面の隅々まで回り込むよ
うにゲッター蒸着膜を形成することができるため、ゲッ
ター蒸着膜の表面積をより大きく、しかも均一に形成す
ることができる。
【0048】また、粒状層は、ゲッターボックスを第1
のガラス基板及び第2のガラス基板に取り付ける際に、
ゲッターボックスの内部壁面に粉末ペーストを塗布して
おくことで簡単に形成することができるため、ゲッター
蒸着膜の表面積を容易に増大することができるという利
点がある。
【0049】このように本発明の電界放出型デバイスに
よれば、ゲッター蒸着膜の表面積を容易に増大させるこ
とができるため、ゲッター蒸着膜による残留ガスの吸着
能力をより大幅に向上させることができ、装置内を十分
高真空とすることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態とされるFEDの構成例を
示した図である。
【図2】本実施の形態とされるFEDのゲッターボック
スの作製手順の一例を説明するための図である。
【図3】本実施の形態とされるFEDの他の構成例を示
した背面図、及びB−B線の断面を拡大して示した図で
ある。
【図4】図3に示したFEDのC−C線の断面を拡大し
て示した図である。
【図5】従来のゲッターボックスが設けられているFE
Dの構成を示した図である。
【符号の説明】
1 FED、2 アノード側のガラス基板、3 カソー
ド側のガラス基板、4ゲッターボックス、5 排気管、
6 12 シール部材、7 連通孔、8 リング状ゲッ
ター、9 ゲッター支持材、10 粒状層、11 ゲッ
ターミラー、通電ゲッター、22 リード、23 窒素
ガス、24 ゲッター材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 源太郎 千葉県茂原市大芝629 双葉電子工業株式 会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カソード電極が搭載される第1のガラス
    基板と、 該第1のガラス基板に対して所定距離離して配置された
    第2のガラス基板と、 前記第1のガラス基板と、前記第2のガラス基板をシー
    ル部材によって封着して構成される気密容器内の残留ガ
    スを吸着するゲッター蒸着膜を形成するためのゲッター
    材料を備えたゲッター蒸発部が設けられているゲッター
    ボックスと、 該ゲッターボックスの内部壁面に形成された粒状層とか
    ら成り、 前記ゲッター蒸発部と対向する前記粒状層の表面に、前
    記ゲッター蒸着膜を形成するようにしたことを特徴とす
    る電界放出型デバイス。
  2. 【請求項2】 カソード電極が搭載される第1のガラス
    基板と、 該第1のガラス基板に対して所定距離離して配置された
    第2のガラス基板と、 前記第1のガラス基板と、前記第2のガラス基板をシー
    ル部材によって封着して構成される気密容器内の残留ガ
    スを吸着するゲッター蒸着膜を形成するためのゲッター
    材料を備えたゲッター蒸発部が設けられているゲッター
    ボックスと、 該ゲッターボックスの内部壁面に形成された粒状層とか
    ら成り、 前記ゲッター蒸発部を、前記ゲッター材料が前記ゲッタ
    ーボックスの長手方向、且つ、上方向に蒸発するよう
    に、前記ゲッター材料を収納した凹部を傾斜させた状態
    で、少なくとも前記ゲッターボックスの一端部に配置
    し、 前記粒状層の表面に、前記ゲッター蒸着膜を形成するよ
    うにしたことを特徴とする電界放出型デバイス。
  3. 【請求項3】 前記ゲッター蒸着膜を形成する時は、前
    記ゲッターボックス内に、窒素ガスを混入させるように
    したことを特徴とする請求項2に記載の電界放出型デバ
    イス。
  4. 【請求項4】 前記粒状層は、多数の孔が形成されてい
    る多孔粒子によって形成されていることを特徴とする請
    求項1乃至請求項3に記載の電界放出型デバイス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001210225A (ja) * 1999-11-12 2001-08-03 Sony Corp ゲッター、平面型表示装置及び平面型表示装置の製造方法

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