JPH1131452A - 電界放出型冷陰極およびその製造方法 - Google Patents

電界放出型冷陰極およびその製造方法

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JPH1131452A
JPH1131452A JP18251097A JP18251097A JPH1131452A JP H1131452 A JPH1131452 A JP H1131452A JP 18251097 A JP18251097 A JP 18251097A JP 18251097 A JP18251097 A JP 18251097A JP H1131452 A JPH1131452 A JP H1131452A
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gate electrode
cold cathode
field emission
electrode
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イオン化した残留ガスのエミッタへの入射に
よるエミッション特性の劣化を防止する。 【解決手段】 シリコン基板1上には、エミッタ4aお
よびイオン収集電極5ア,5bが形成され、エミッタ4a
およびイオン収集電極5a,5bは、シリコン基板1と
電気的に接続される。さらに、シリコン基板1上には、
絶縁膜2を介して、エミッタ4aを取り囲むゲート電極
3が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電界放出型冷陰極に
関し、特に先端が先鋭なエミッタを有する電界放出型冷
陰極およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電界放出型冷陰極は、コーン形状の先鋭
なエミッタと、サブミクロンオーダの開口が形成されて
エミッタに近接して配置されるゲート電極とを有し、ゲ
ート電極によりエミッタ先端に高電界を集中させ、真空
中でエミッタ先端から電子を放出させ、アノード電極で
その電子を受ける素子である。
【0003】ところで、上記の動作は真空中での動作で
はあるが、厳密には極低圧の残留ガスが動作環境中に残
っている。さらに、電子流がアノード電極などに入射し
た時に脱ガスが真空度を劣化させることがある。このよ
うな真空環境では電子が残留ガスを正にイオン化し、正
にイオン化した残留ガスがエミッタに入射し、エミッタ
材料がスパッタされ、エミッタ形状が変形することによ
り電流変動が生じることがあった。
【0004】このようなイオンの発生を防止するために
は真空度の向上が有効であるが、エミッタへのイオンの
入射を抑制できる構造も有効である。
【0005】従来、この種の電界放出型冷陰極として
は、図17および図18に示すような構造のものがあ
り、例えば特開平5−307930号公報に開示されて
いる。
【0006】図17は従来の電界放出型冷陰極の一例の
平面図であり、図18は図17に示した電界放出型冷陰
極のA−A線断面図である。
【0007】図17および図18に示すように、この電
界放出型冷陰極は、シリコン基板101上にアレイ状に
配置された複数のエミッタ104aと、シリコン基板1
01上に絶縁膜102を介して所定のパターンに形成さ
れたゲート電極103と、ゲート電極103上に形成さ
れた金属膜107とを有する。絶縁膜102およびゲー
ト電極103には複数の開口が形成され、エミッタは1
04aそれぞれ開口の中に形成されている。金属膜10
7は、エミッタ104aが形成された領域の中央部に形
成されている。
【0008】上述した電界放出型冷陰極の製造工程につ
いて、図19(a)〜(c)および図18を参照して説
明する。
【0009】まず、図19(a)に示すように、支持基
盤となるシリコン基板101上に、酸化膜よりなる絶縁
膜102を熱酸化により形成し、その上に、電極膜10
3’を形成する。
【0010】次に、図19(b)に示すように、電極膜
103’上に金属膜107を選択的に形成する。この金
属膜107は、レジストなどをパターニングしその上に
金属膜材料を全面に積層した後、リフトオフするなどの
工程で形成できる。その後、電極膜103’を選択的に
リソグラフィを用いてパターニングすることによってゲ
ート電極103を形成した後、選択的にレジスト(図示
なし)をマスクとしてゲート電極103およびその下層
の絶縁膜102に開口を形成する。
【0011】次に、図19(c)に示すように、絶縁膜
102、金属膜107およびゲート電極103の上面、
および開口の内周壁に、斜め方向からの蒸着により金属
膜よりなる犠牲層106を形成する。犠牲層106は斜
め方向から蒸着されて形成されるので、開口の底部には
犠牲層106は形成されず、シリコン基板101が露出
したままとなっているない。さらに、犠牲層106が形
成されたシリコン基板101上に、エミッタ材料層10
4’を垂直方向からの蒸着により形成する。これによ
り、シリコン基板101が露出している開口の底部に堆
積したエミッタ材料層104’は先端が先鋭な形状にな
り、エミッタ104aが形成される。
【0012】最後に、犠牲層106をエッチング除去
し、エミッタ材料層104’を選択的にリフトオフ除去
し、エミッタ104aを露出させることによって、図1
8に示した構造の電界放出型冷陰極が製造される。
【0013】以上説明したように、ゲート電極103上
のエミッタ104aがアレイ状に形成された領域の中央
に、高融点の金属膜107を形成することにより、エミ
ッタアレイから放出された電子流の中心に沿って加速さ
れた正にイオン化した残留ガスは、安定な金属膜107
上に入射し、エミッタ104aへの衝突が抑制される。
その結果、エミッションが安定化する。
【0014】次に、エミッタへのイオンの入射を抑制で
きる構造を有する従来の電界放出型冷陰極の他の例につ
いて、図20を参照して説明する。図20は、従来の電
界放出型冷陰極の他の例の断面図である。
【0015】図20に示すように、絶縁膜112の、エ
ミッタ114aが形成された領域の中央部には、シリコ
ン基板111に通じる開口が形成されている。絶縁膜1
12上の開口の周囲には、ゲート電極113とは電気的
に接続されていないリング電極118が形成されてい
る。そして、このリング電極118上に、開口を覆う金
属膜117が形成されている。
【0016】この電界放出型冷陰極では、金属膜117
が形成された領域の下の絶縁膜112が除去されている
ため、絶縁膜112が残留ガスの正イオンの衝突の影響
で熱的にあるいは機械的に影響を及ぼされることはな
い。従って、電子流の中心に沿って加速された正イオン
がエミッタ114aに衝突することによるエミッション
の変動も抑制される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の電界放出型冷陰極には、以下に示すような問題
点があった。
【0018】第1に、発生した残留ガスの正イオンのう
ち電子流の中心に加速されない状態では、上述した効果
が小さくなることである。つまり、電子流の中心で正イ
オンが加速されるには、エミッションの電子流密度が高
く、電子流によりエミッションの中心の電位が低下して
いる必要がある。従って、電流密度が低い場合には、エ
ミッタアレイの中央部に金属膜を形成するだけではエミ
ッションの中央に正イオンが加速される効果が小さくな
る。
【0019】第2の問題点は、エミッタアレイの周辺で
発生した正イオンには効果が小さいということである。
これはエミッタの周辺で発生した正イオンはエミッタア
レイの中央の電位よりもエミッタの電位に影響され、直
接エミッタに入射するためである。
【0020】第3の問題点は、ゲート電極周辺の領域に
は正イオンの入射に対する保護がされていないため、ゲ
ート電極周辺の絶縁膜に正イオンが入射し、チャージア
ップあるいは絶縁性の低下といった問題が生じることで
ある。これは、十分なエミッションの電流密度により正
イオンがエミッションの中央に加速されている状態では
生じないが、研究によると、ゲート電極周辺の絶縁膜の
下にはエミッタ電極となるシリコン基板が存在するた
め、最も低電位のエミッタと同じ電位が絶縁膜上に分布
することがわかっており、これにより正イオンの一部が
周辺の絶縁膜上に入射するためである。
【0021】第4の問題点は、エミッタへの正イオンの
入射を抑制するために金属電極を形成することは、余分
な工程が追加されるということであり、その分だけ製造
コストが上昇してしまうということである。
【0022】本発明の目的は、上記の欠点をなくし、正
にイオン化した残留ガスのエミッタへの入射によるエミ
ッション特性の劣化を防止することにある。特に、あら
ゆる条件下において有効にエミッタのイオンによる損傷
を防止できる電界放出型冷陰極を簡略に提供することで
ある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の電界放出型冷陰極は、基板上に形成されたエミ
ッタと、前記基板上に絶縁膜を介して形成され、前記エ
ミッタを取り囲む開口が設けられたゲート電極と、前記
基板上に形成され、前記ゲート電極よりも低電位のイオ
ン収集電極とを有する。
【0024】上記のとおり構成された本発明の電界放出
型冷陰極によれば、エミッタが形成された基板上に、ゲ
ート電極よりも低電位のイオン収集電極が形成されてい
るので、エミッションによりイオン化された残留ガス
は、エミッタよりもイオン収集電極に入射する。これに
より、エミッタは保護され、エミッションの低下が抑制
される。
【0025】エミッタはアレイ状に複数個配列されてい
てもよく、この場合には、エミッタが配列された領域の
内側および周囲、またはエミッタが配列された領域の内
側およびゲート電極の周囲にイオン収集電極を配置する
ことで、イオン化された残留ガスのエミッタへの入射が
より効果的に抑制される。
【0026】イオン収集電極は、導電性の材料で構成し
てもよいし、基板の一部で構成してもよい。また、イオ
ン収集電極の高さをエミッタの高さよりも高くしたり、
イオン収集電極の先端面の面積をエミッタの先端よりも
大きくしたり、イオン収集電極をエミッタよりも低電位
とすることにより、イオン化された残留ガスはよりイオ
ン収集電極に入射し易くなり、結果的に、イオン化され
た残留ガスのエミッタへの入射が抑制される。
【0027】本発明の電界放出型冷陰極の製造方法は、
基板上に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜上に選択
的にゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極およ
び前記絶縁膜を貫通する第1の開口を形成すると同時
に、前記ゲート電極の周囲に前記絶縁膜を貫通する第2
の開口を形成する工程と、前記第1の開口および第2の
開口に導電性材料を堆積し、前記第1の開口に先端が先
鋭なエミッタを形成し、前記第2の開口にイオン収集電
極を形成する工程とを有する。
【0028】また、基板上のエミッタを形成すべき部位
およびイオン収集電極を形成すべき部位に膜を形成する
工程と、前記膜をマスクとして前記基板をエッチング
し、エミッタおよびイオン収集電極を同時に形成する工
程と、前記エミッタおよびイオン収集電極が形成された
基板上に絶縁膜を介してゲート電極を形成するととも
に、前記基板から前記膜を除去する工程とを有する。
【0029】これにより、上記本発明の電界放出型冷陰
極が製造される。また、エミッタとイオン収集電極を同
時に形成することが可能であるため、イオン収集電極を
有する電界放出型冷陰極を容易に製造可能である。
【0030】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0031】(第1の実施形態)図1は本発明の電界放
出型冷陰極の第1の実施形態の平面図であり、図2は図
1に示した電界放出型冷陰極のB−B線断面図である。
【0032】図1および図2に示すように、この電界放
出型冷陰極は、シリコン基板1上にアレイ状に配列され
た複数のエミッタ4aで構成されるエミッタアレイ4
と、同じくシリコン基板1上に形成されたイオン収集電
極5a,5bと、シリコン基板1上に絶縁膜2を介して
所定のパターンに形成されたゲート電極3とを有する。
絶縁膜2およびゲート電極3には複数の開口が形成さ
れ、エミッタ4aはそれぞれ開口の中に形成されてい
る。イオン収集電極5a,5bは、エミッタ4aが形成
された領域の中央部、およびゲート電極3のエミッタ4
aを囲む部分の周辺部に形成されている。ここで、エミ
ッタアレイ4の幅が100μm程度であれば、イオン収
集電極5a,5bの幅は5μmから30μm程度であ
る。
【0033】このように、イオン収集電極5a,5bが
シリコン基板1上に形成されているので、イオン収集電
極5a,5bはシリコン基板1と電気的に接続されてお
り、ゲート電極3で決まる平面上の電位は、高電位のゲ
ート電極3と最低電位のエミッタ4aの先端以外に、エ
ミッタ4aと等電位のイオン収集電極5a,5bで規定
される。イオン収集電極5a,5bの先端面はエミッタ
4aの先端よりも大きな面積にできるため、ゲート電極
3の表面近傍の電位分布に与える影響は大きいものとな
る。これにより、エミッションによりイオン化されたゲ
ート電極3の近傍の残留ガスは、イオン収集電極5a,
5bで形成された低電位の電位分布と垂直方向に加速さ
れ、結果的にはイオン収集電極5a,5bに入射し、エ
ミッタ4aへの入射が抑制される。
【0034】この、正イオンをイオン収集電極5a,5
bで捕捉する効果は、電子流の中心に正イオンが加速さ
れることを利用したものではないため、電流密度による
影響は受けず、従来よりも汎用性がよくなる効果があ
る。
【0035】イオン化した残留ガスの軌跡を、図20と
比較して説明する。図20に示した従来の電界放出型冷
陰極では、残留ガスの正イオンは中央部では金属膜11
7に入射していくが、その周辺部ではエミッタ114a
に入射していく。また、ゲート電極113よりも外側で
発生した正イオンは周辺の絶縁膜112中に入射してい
く。それに対して本実施形態の電界放出型冷陰極では、
図2に示すように、残留ガスの正イオンは周辺部でもイ
オン収集電極5bへ入射するため、エミッタ4aに入射
する残留ガスの正イオンは軽微なものとなる。さらに
は、エミッタアレイ4の周辺の絶縁膜2上に従来は入射
していたものが、本実施形態ではイオン収集電極5bに
入射するため、ゲート電極3の周辺の絶縁膜2も保護さ
れている。従って、ゲート電極3の周囲のイオン収集電
極5bは、絶縁膜2の絶縁性の劣化やチャージアップと
いった問題にも効果がある。
【0036】次に、本実施形態の電界放出型冷陰極の製
造工程について、図3を参照して説明する。
【0037】まず、図3(a)に示すように、約1015
cm-3の密度のn型シリコン基板1の表面に、酸化膜よ
りなる絶縁膜2を、熱酸化により約500nmの厚さで
形成する。その後、フォトリソグラフィ法を用い、絶縁
膜2にシリコン基板1に到達する開口を形成し、さら
に、W等の金属膜よりなる電極膜3’をスパッタ等の方
法で約200nmの厚さで堆積する。ここで絶縁膜2に
形成する開口の位置、大きさおよび形状は、イオン収集
電極5a,5bの位置、大きさおよび形状と一致する。
【0038】次に、電極膜3’をレジスト等のマスクを
用いて選択的にエッチングして、図3(b)に示すよう
に、絶縁膜2上のゲート電極3、およびシリコン基板1
に接続するイオン収集電極5a,5bを形成する。つま
り、ゲート電極3のパターニングと同時にイオン収集電
極5a,5bが形成される。さらに、フォトリソグラフ
ィ法でレジストをパターニングしてマスクとし、ゲート
電極3および絶縁膜2をリアクティブイオンエッチング
(RIE)法によりエッチングし、シリコン基板1が露
出する開口をエミッタ形成領域に形成する。
【0039】次に、図3(c)に示すように、例えばア
ルミよりなる犠牲層6を、垂直方向から所定の角度だけ
傾けた方向から電子ビーム蒸着法により約100nm厚
に堆積する。この工程では犠牲層6は斜め上方向から堆
積されるため、エミッタ形成領域となる開口のシリコン
基板1上には成膜せず、絶縁膜2の上面と側壁、ゲート
電極3およびイオン収集電極5a,5b上に成膜され
る。次に、例えばMoなどの導電性材料からなるエミッ
タ材料層4’を垂直方向から電子ビーム蒸着法により堆
積する。この工程で犠牲層6およびシリコン基板1上に
エミッタ材料層4’が成長し、シリコン基板1上のエミ
ッタ材料層4’の形状はコーン形となり、先端が先鋭な
エミッタ4aが形成される。
【0040】次に、リン酸等の溶液中で犠牲層6をエッ
チング除去する。これにより犠牲層6上のエミッタ材料
層4’はリフトオフされ、図2に示すように、エミッタ
4aが露出し、本実施形態の電界放出型冷陰極が得られ
る。
【0041】この方法では、電極膜3’からゲート電極
3およびイオン収集電極5a,5bを形成できるため、
ゲート電極3とイオン収集電極5a,5bとが同じ高さ
に形成される。電界放出冷陰極では、通常、ゲート電極
3にはエミッタ4aつまりこの例ではシリコン基板1よ
りも100V程度高い電位が与えられる。これにより、
エミッタ4aとゲート電極3との間の電圧で先鋭なエミ
ッタ4aの先端に高電界がかかり、トンネリング作用に
よりエミッタ4aから電子が放出され、エミッションが
得られる。
【0042】従って、エミッションしている状態では、
素子表面の電位には高電位のゲート電極3と低電位のエ
ミッタ4aおよびイオン収集電極5a,5bが現れてい
る。この状態では、エミッションにより正にイオン化さ
れた残留ガスは低電位のエミッタ4aおよびイオン収集
電極5a,5bの方向に加速され入射していく。
【0043】ここで、エミッタ4aとイオン収集電極5
a,5bの電位を厳密に評価すると、エミッタ4aは電
子が放出されることによりマイクロアンペアからミリア
ンペアの電流が流れ、内部の抵抗により電位が変化して
いるが、イオン収集電極5a,5bには電流が流れない
ため、最低電位が保持されている。さらに、イオン収集
電極5a,5bは先鋭なエミッタ4aよりも表面積を大
きくとる形状が得られるため、エミッタ4aよりも表面
の電位分布への寄与が大きくなる。以上のことにより、
発生した正イオンはエミッタ4aよりもイオン収集電極
5a,5bへ入射し、結果的にエミッタ4aは保護さ
れ、エミッションの低下は抑制される効果が得られる。
本実施形態では、ゲート電極3の電圧、エミッション電
流量に拘らず、正のイオンの軌跡を制御できる効果が得
られるという利点がある。
【0044】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の
実施形態について説明する。
【0045】図4は、本発明の電界放出型冷陰極の第2
の実施形態の断面図である。図4に示すように本実施形
態では、シリコン基板11上の絶縁膜12は、ゲート電
極13と同じ形にパターニングされている。また、複数
のエミッタ14aで構成されるエミッタアレイの中央部
には、ゲート電極13および絶縁膜12が除去されて形
成された開口17を有する。すなわち、ゲート電極13
の周囲およびエミッタアレイの中央部ではシリコン基板
11の表面が露出しており、この露出した部分は、第1
の実施形態のイオン収集電極5a,5b(図2参照)と
同様に、最低電位の状態が保たれることになる。従っ
て、イオン化した残留ガスは、エミッタ14aよりもシ
リコン基板11の露出した表面に入射しやすくなり、結
果的に、エミッタ14aが保護され、エミッションの低
下が抑制される。
【0046】本実施形態の電界放出型冷陰極の製造工程
について、図5を参照して説明する。
【0047】まず、図5(a)に示すように、約1015
cm-3の密度のn型シリコン基板11の表面に、酸化膜
よりなる絶縁膜12を、熱酸化により約500nmの厚
さで形成する。その上に、W等の金属膜よりなる電極膜
13’をスパッタ等の方法で約200nmの厚さで堆積
する。
【0048】次に、電極膜13’をレジスト等のマスク
を用いて選択的にエッチングして、図5(b)に示すよ
うに、絶縁膜12上のゲート電極13を形成する。さら
に、フォトリソグラフィ法でレジストをパターニングし
てマスクとし、ゲート電極13および絶縁膜12をリア
クティブイオンエッチング(RIE)法によりエッチン
グし、シリコン基板11が露出する開口をエミッタ形成
領域に形成する。
【0049】次に、図5(c)に示すように、例えばア
ルミよりなる犠牲層16を、垂直方向から所定の角度だ
け傾けた方向から電子ビーム蒸着法により約100nm
厚に堆積する。この工程では犠牲層16は斜め上方向か
ら堆積されるため、エミッタ形成領域となる開口のシリ
コン基板11上には成膜せず、絶縁層12の上面と側
壁、およびゲート電極13上に成膜される。次に、例え
ばMoなどのエミッタ材料層14’を垂直方向から電子
ビーム蒸着法により堆積する。この工程で犠牲層16お
よびシリコン基板11上にエミッタ材料層14’が成長
し、シリコン基板11上のエミッタ材料層14’の形状
はコーン形となり、先端が先鋭なエミッタ14aが形成
される。
【0050】次に、リン酸等の溶液中で犠牲層16をエ
ッチング除去する。これにより、犠牲層16上のエミッ
タ材料層14’はリフトオフされ、エミッタ14aが露
出する。さらに、ゲート電極13をマスクし、ゲート電
極13が形成されていない部分の絶縁層12を除去する
ことによって、ゲート電極13の周囲およびエミッタア
レイの中央部でシリコン基板11の表面を露出させ、図
4に示した電界放出型冷陰極が得られる。本実施形態で
は、シリコン基板11の露出した表面が、イオン収集電
極として機能する。
【0051】上述した製造方法では、自己整合的に素子
表面にシリコン基板11を露出することができるため、
簡略な工程で最低電位を素子表面に露出させることがで
きる利点がある。この場合も、シリコン基板11の露出
領域をエミッタアレイ内部の他にエミッタアレイの周囲
にも形成することにより、正イオンの軌跡はエミッタア
レイ全面にわたって制御することが可能である。なお、
本実施形態では、ゲート電極13の周囲およびエミッタ
アレイの中央部の基板露出部を形成する際、ゲート電極
13をマスクとして自己整合的にシリコン基板11の表
面を露出させたが、それに限らず、レジストなどのマス
クをフォトリソグラフィ法により形成して、絶縁膜12
を選択的に除去してもよい。
【0052】(第3の実施形態)次に、本発明の第3の
実施形態について説明する。図6は、本発明の電界放出
型冷陰極の第3の実施形態の断面図である。
【0053】本実施形態は、第1の実施形態と同様に、
複数のエミッタ24aが配置されたエミッタアレイの中
央部およびゲート電極23の周囲にイオン収集電極25
a,25bを設けたものであるが、シリコン基板21の
表面からのイオン収集電極25a,25bの高さが、エ
ミッタ24aの高さよりも高くなっている点が、第1の
実施形態と異なる。その他の構成については第1の実施
形態と同様である。また、ゲート電極23とイオン収集
電極25a,25bの高さが異なるので、ゲート電極2
3とイオン収集電極25a,25bとは、第1の実施形
態とは異なりそれぞれ別工程で作製される。
【0054】このように、イオン収集電極25a,25
bの高さを高くすることにより、素子表面の電位分布
は、ゲート電極23よりも高い位置のイオン収集電極2
5a,25bの影響がより顕著に現れ、エミッタ24a
に入射する正イオンはさらに抑制される効果がある。
【0055】(第4の実施形態)次に、本発明の第4の
実施例について説明する。図7は、本発明の電界放出型
冷陰極の第4の実施形態の平面図である。
【0056】本実施形態では、ゲート電極33の周囲に
設けられたイオン収集電極35bの他に、エミッタアレ
イ34内に複数のイオン収集電極35aが設けられてい
る。その他の構成は第1の実施形態と同様であるので、
その説明は省略する。
【0057】このようにエミッタアレイ34内に複数の
イオン収集電極35aを設けることによって、正イオン
を引き寄せるイオン収集電極35a,35bをエミッタ
34のより近くに配置できるので、各エミッタ34を保
護する効果をより向上することができる。
【0058】(第5の実施形態)次に、本発明の第5の
実施形態について説明する。図8は、本発明の電界放出
型冷陰極の第5の実施形態の平面図である。
【0059】本実施形態では、ゲート電極43の周囲に
イオン収集電極を配置する代りに、エミッタアレイ44
内に設けられたイオン収集電極45aと同様にして形成
された複数のイオン収集電極45bを、エミッタアレイ
44の周囲に配置している。これにより、第4の実施形
態と同様に、正イオンを引き寄せるイオン収集電極45
a,45bをエミッタ44aの近傍に配置できるので、
よりエミッタ44aを保護できる効果がある。
【0060】なお、ゲート電極43の外周の絶縁膜上へ
の正イオンの入射による影響を軽減するために、ゲート
電極43の周囲にさらにイオン収集電極を配置しても構
わない。
【0061】(第6の実施形態)次に、本発明の第6の
実施形態について説明する。図9は、本発明の電界放出
型冷陰極の第6の実施形態の平面図である。図10は、
図9に示した電界放出型冷陰極のC−C線断面図であ
る。
【0062】図9および図10に示すように、本実施形
態では、シリコン基板51上にエミッタ54aと同様に
して形成され、絶縁膜52の開口内にそれぞれ配置され
たたコーン形状の複数のイオン収集電極55a,55b
が、エミッタアレイ54の中央部およびゲート電極53
の周囲に配置されている。特に、ゲート電極53の周囲
のイオン収集電極55bは、エミッタアレイ54の周囲
においてゲート電極53を取り囲むように配置されてい
る。
【0063】このように、イオン収集電極55a,55
bの形状を線状ではなく点状としても、エミッタ54a
に正イオンが入射するのを抑制することができる。イオ
ン収集電極55a,55bの配置はこれに限るものでは
なく、ゲート電極53の周囲に配置したイオン収集電極
55bをゲート電極53の内側に配置しても構わない。
【0064】本実施形態の電界放出型冷陰極の製造工程
について、図11を参照して説明する。
【0065】まず、図11(a)に示すように、約10
15cm-3の密度のn型シリコン基板51の表面に、酸化
膜よりなる絶縁膜52を、熱酸化により約500nmの
厚さで形成する。その上に、W等の金属膜よりなる電極
膜53’をスパッタ等の方法で約200nmの厚さで堆
積する。
【0066】次に、電極膜53’をレジスト等のマスク
を用いて選択的にエッチングして、図11(b)に示す
ように、絶縁膜52上のゲート電極53を形成する。さ
らに、フォトリソグラフィ法でレジストをパターニング
してマスクとし、ゲート電極53および絶縁膜52をリ
アクティブイオンエッチング(RIE)法によりエッチ
ングし、シリコン基板51が露出する開口を、エミッタ
を形成すべき部位およびイオン収集電極を形成すべき部
位に形成する。この工程で形成された開口のうち、ゲー
ト電極53および絶縁膜52を貫通して形成された開口
はエミッタが形成される領域となり、ゲート電極53が
除去された絶縁膜52に形成された開口はイオン収集電
極が形成される領域となる。
【0067】次に、図11(c)に示すように、例えば
アルミよりなる犠牲層56を、垂直方向から所定の角度
だけ傾けた方向から電子ビーム蒸着法により約100n
m厚に堆積する。この工程では犠牲層56は斜め上方向
から堆積されるため、開口のシリコン基板51上には成
膜せず、絶縁層52の上面と側壁、およびゲート電極5
3上に成膜される。次に、例えばMoなどのエミッタ材
料層54’を垂直方向から電子ビーム蒸着法により堆積
する。この工程で犠牲層56およびシリコン基板51上
にエミッタ材料層54’が成長し、シリコン基板51上
のエミッタ材料層54’の形状はコーン形となり、先端
が先鋭なエミッタ54aおよびイオン収集電極55a,
55bが形成される。
【0068】次に、リン酸等の溶液中で犠牲層56をエ
ッチング除去する。これにより、犠牲層56上のエミッ
タ材料層54’はリフトオフされ、エミッタ54aおよ
びイオン収集電極55a,55bが露出する。これによ
り、図9および図10に示した電界放出型冷陰極が得ら
れる。
【0069】この方法ではエミッタ54aと同時にイオ
ン収集電極55a,55bを形成できるため、これまで
述べた方法のようにイオン収集電極を形成するための追
加工程が必要なく、簡略な工程で形成できる利点があ
る。しかも、犠牲層56がシリコン基板51上に堆積し
ないようにするために、イオン収集電極55a,55b
の形状をエミッタ54aの形状とを同じとしたので、よ
り安定してエミッタ54aと同時にイオン収集電極55
a,55bを形成することができる。
【0070】さらに、エミッタ54aを形成する開口の
大きさとイオン収集電極55a,55bを形成する絶縁
膜52の開口の大きさとを変えることにより、イオン収
集電極55a,55bの高さとエミッタ54aの高さと
を変えることが可能である。例えばイオン収集電極55
a,55bの形成用の犠牲層56の開口径を図11
(c)のように小さくすると、イオン収集電極55a,
55bの高さはエミッタ54aよりも低くなり、逆に、
イオン収集電極用の開口径をエミッタ用の開口径よりも
大きくするとイオン収集電極55a,55bはエミッタ
54aよりも高いコーン形状あるいは台形状のコーンと
なる。このように、イオン収集電極55a,55bの高
さも工程の追加なく簡略に制御できる利点がある。
【0071】以上説明した第1〜6の実施形態では、M
o等の金属を用いてエミッタを形成した例を示したが、
エミッタ材料は金属材料に限ったものではなく、本発明
は、シリコンを先鋭化したエミッタを有する電界放出型
冷陰極でも、シリコン上に金属材料等を薄くコーティン
グしたエミッタを有する電界放出型冷陰極でも適用する
ことが可能である。
【0072】(第7の実施形態)次に、本発明の第7の
実施形態について説明する。図12は、本発明の電界放
出型冷陰極の第7の実施形態の平面図である。図13
は、図12に示した電界放出型冷陰極のD−D線断面図
である。
【0073】図12および図13に示すように、本実施
形態では、シリコン基板61の上面から見たエミッタ6
4aおよびイオン収集電極65a,65bの形状および
配置は第1の実施形態と同様であるが、側方から見たエ
ミッタ64aおよびイオン収集電極64a,64bの形
状、さらにはエミッタ64aおよびイオン収集電極65
a,65bがシリコン基板61の一部で構成されている
点が第1の実施形態と異なる。
【0074】本実施形態の電界放出型冷陰極の製造工程
について、図14を参照して説明する。
【0075】まず、図14(a)に示すように、シリコ
ン基板61の表面に、酸化膜よりなる絶縁膜62を、熱
酸化法などの方法で約200nmの厚さで形成する。
【0076】次に、図14(b)に示すように、フォト
リソグラフィ法により、エミッタ形成領域およびイオン
収集電極形成領域を除く部位の絶縁膜62を除去する。
その後、絶縁膜62をマスクとしてSF6などのガスを
用いたドライエッチング法でシリコン基板61をエッチ
ングし、絶縁膜62の下方を凸形状とする。そして、エ
ミッタとなるシリコン基板61の凸部分を先端が先鋭な
円錐形に加工してエミッタ64aを形成すると同時に、
シリコン基板61に熱酸化を施し約200nm厚の酸化
膜である絶縁膜67を形成する。
【0077】この工程で、イオン収集電極65a,65
bも凸形状に形成される。図14(b)では、イオン収
集電極65a,65bの幅がエミッタ64aよりも大き
くなるように絶縁膜62のマスクを設定しているので、
イオン収集電極65a,65bの先端は平坦な台形状と
なっている。
【0078】次に、図14(c)に示すように、電子ビ
ーム蒸着法で酸化膜などの絶縁膜68を約300nm厚
に形成し、さらにWなどの金属膜よりなる電極膜63’
を約200nm厚に形成する。
【0079】次に、電極膜63’をフォトリソグラフィ
法でパターニングし、図13に示すようにゲート電極6
3を形成した後、弗酸溶液などで絶縁膜62,67,6
8をエッチングする。これにより、エミッタ64a上お
よびイオン収集電極65a,65b上の余剰な電極膜6
3’はリフトオフされる。
【0080】以上説明したように基板材料をエッチング
等で先鋭化しエミッタ64aを形成する方法でもイオン
収集電極65a,65bは簡略に形成でき、その高さも
マスクとなる絶縁膜62の幅を変えることにより調整す
ることも可能である。
【0081】本実施形態では、イオン収集電極65a,
65bは線状の形状でも形成可能であり、第6の実施形
態と比較すると、イオン収集電極65a,65bを形成
するための工程を追加することなくイオン収集電極65
a,65bが簡略に形成できるだけでなく、さらに、イ
オン収集電極65a,65bを任意の形状に形成できる
という利点がある。
【0082】(第8の実施形態)次に、本発明の第8の
実施形態について説明する。図15は、本発明の電界放
出型冷陰極の第8の実施形態の平面図である。図16
は、図15に示した電界放出型冷陰極のE−E線断面図
である。
【0083】本実施形態の電界放出型冷陰極は、約10
15cm-3の密度のn型シリコン基板71の表面に例えば
熱酸化により形成された酸化膜などからなる約500n
m厚の絶縁膜72と、例えばW等の金属膜よりなる電極
膜をスパッタ法等の方法で約200nm厚に堆積し選択
的に形成されたゲート電極73と、イオン収集電極75
と、Moなどの金属膜でアレイ状に形成されたコーン形
状の複数のエミッタ74aとにより構成されている。
【0084】エミッタ74aは、ゲート電極73内に設
けられた開口に形成される。また、イオン収集電極75
は、ゲート電極73とは別の電位を外部から与えられる
ように形成され、エミッタのアレイの中央とゲート電極
73の周囲に配置された構造となっている。
【0085】この実施形態では、イオン収集電極75に
外部から電位を与えることができる構造となっているた
め、任意の電位が設定できる。従って、この電位をエミ
ッタ74aよりも低電位に設定することが可能である。
これにより、正イオンはイオン収集電極75に加速され
るように素子表面上の電位分布が変わるため、エミッタ
74aへの正イオンの入射が抑制できる効果がある。
【0086】また、イオン収集電極75の電位をエミッ
タ74aの電位よりも低い電位に設定しなくても、イオ
ン収集電極75の上面の面積が大きい、あるいは上面が
高く配置されていれば、ゲート電極73に与えられた電
位よりも低電位であれば、素子表面の電位分布をイオン
収集電極75に正のイオンが加速されるように設定する
ことができる。
【0087】なお、本実施形態ではゲート電極73とイ
オン収集電極75とをを同じ層(絶縁膜72)上に形成
しているが、これを2層などの多段の配線とすれば、イ
オン収集電極75の引き出し部の素子表面の電位分布に
与える影響を防止でき、安定な電子流の軌跡が得られる
ようになる。また、イオン収集電極75の平面構造及び
断面形状はこの実施例に限ったものではなく、これまで
述べた各実施形態の形状を適用することができる。
【0088】以上、本発明の電界放出型冷陰極の各種実
施形態について説明したが、本発明の電界放出型冷陰極
は、表示装置の電子銃として好適に用いられる。
【0089】電界放出型冷陰極を電子銃として表示装置
に適用した場合、真空中でので動作が要求されるため、
電子銃を表示装置に組み込んだ後に交換することは困難
であった。特にフラットパネルディスプレイに場合に
は、エミッタへの正イオンの入射によりエミッション電
流量が低下し、周辺の輝度と差が生じる、あるいは暗点
として残ることになり装置動作不良となる。そこで正の
イオンが発生してもエミッションの変動を抑制できる電
子銃として、本発明の電界放出型冷陰極をフラットパネ
ルディスプレイに適用することにより、複数の電子銃が
電流変動なく動作し寿命の長い表示動作が可能となる。
なお表示装置としてはフラットパネルを例に説明した
が、これはディスプレイ用陰極管(CRT)でも同様で
ある。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように本発明の電界放出型
冷陰極は、エミッタが形成された基板上に、ゲート電極
よりも低電位のイオン収集電極が形成されているので、
エミッションによりイオン化された残留ガスの、エミッ
タへの入射を抑制でき、エミッションの特性の劣化を防
止することができる。
【0091】また、複数個のエミッタがアレイ状に配列
されている場合には、エミッタが配列された領域の内側
および周囲、またはエミッタが配列された領域の内側お
よびゲート電極の周囲にイオン収集電極を配置すること
で、イオン化された残留ガスのエミッタへの入射をより
効果的に抑制することができる。
【0092】さらに、イオン収集電極の高さをエミッタ
の高さよりも高くしたり、イオン収集電極の先端面の面
積をエミッタの先端よりも大きくしたり、イオン収集電
極をエミッタよりも低電位とすることにより、イオン化
された残留ガスのイオン収集電極への入射効率を高める
ことができる。
【0093】本発明の電界放出型冷陰極の製造方法は、
エミッタとイオン収集電極を同時に形成することが可能
であるため、イオン収集電極を有する本発明の電界放出
型冷陰極を、イオン収集電極を形成するためだけの工程
を追加することなく、容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電界放出型冷陰極の第1の実施形態の
平面図である。
【図2】図1に示した電界放出型冷陰極のB−B線断面
図である。
【図3】図1に示した電界放出型冷陰極の製造工程を説
明するための断面図である。
【図4】本発明の電界放出型冷陰極の第2の実施形態の
断面図である。
【図5】図4に示した電界放出型冷陰極の製造工程を説
明するための断面図である。
【図6】本発明の電界放出型冷陰極の第3の実施形態の
断面図である。
【図7】本発明の電界放出型冷陰極の第4の実施形態の
断面図である。
【図8】本発明の電界放出型冷陰極の第5の実施形態の
平面図である。
【図9】本発明の電界放出型冷陰極の第6の実施形態の
平面図である。
【図10】図9に示した電界放出型冷陰極のC−C線断
面図である。
【図11】図9に示した電界放出型冷陰極の製造工程を
説明するための断面図である。
【図12】本発明の電界放出型冷陰極の第7の実施形態
の平面図である。
【図13】図9に示した電界放出型冷陰極のD−D線断
面図である。
【図14】図12に示した電界放出型冷陰極の製造工程
を説明するための断面図である。
【図15】本発明の電界放出型冷陰極の第8の実施形態
の平面図である。
【図16】図9に示した電界放出型冷陰極のE−E線断
面図である。
【図17】従来の電界放出型冷陰極の一例の平面図であ
る。
【図18】図17に示した電界放出型冷陰極のA−A線
断面図である。
【図19】図17に示した電界放出型冷陰極の製造工程
を説明するための断面図である。
【図20】従来の電界放出型冷陰極の他の例の断面図で
ある。
【符号の説明】
1,11,21,51,61,71 シリコン基板 2,12,52,62,67,68,72 絶縁膜 3,13,23,33,43,53,63,73 ゲ
ート電極 3’,13’,53’,63’ 電極膜 4,34,44,54 エミッタアレイ 4’,14’,54’ エミッタ材料層 4a,14a,24a,34a,44a,54a,64
a,74a エミッタ 5a,5b,25a,25b,35a,35b,45
a,45b,55a,55b,65a,65b,75
イオン収集電極 6,16,56 犠牲層 17 開口

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成されたエミッタと、 前記基板上に絶縁膜を介して形成され、前記エミッタを
    取り囲む開口が設けられたゲート電極と、 前記基板上に形成され、前記ゲート電極よりも低電位の
    イオン収集電極とを有する電界放出型冷陰極。
  2. 【請求項2】 前記エミッタはアレイ状に複数個配列さ
    れており、前記エミッタが配列された領域の内側および
    周囲に前記イオン収集電極が配置されている請求項1に
    記載の電界放出型冷陰極。
  3. 【請求項3】 前記エミッタはアレイ状に複数個配列さ
    れており、前記エミッタが配列された領域の内側および
    前記ゲート電極の周囲に前記イオン収集電極が配置され
    ている請求項1に記載の電界放出型冷陰極。
  4. 【請求項4】 前記基板の表面からの前記イオン収集電
    極の高さが、前記エミッタの高さよりも高い請求項1、
    2または3に記載の電界放出型冷陰極。
  5. 【請求項5】 前記イオン収集電極は、前記基板により
    形成されている請求項1、2または3に記載の電界放出
    型冷陰極。
  6. 【請求項6】 前記絶縁膜およびゲート電極の一部が除
    去されて前記基板が露出する領域を有し、該基板が露出
    する領域を前記イオン収集電極とする請求項5に記載の
    電界放出型冷陰極。
  7. 【請求項7】 前記基板の一部に凸状部を有し、該凸状
    部を前記イオン収集電極とする請求項5に記載の電界放
    出型冷陰極。
  8. 【請求項8】 前記イオン収集電極の先端面は、前記エ
    ミッタの先端よりも面積が大きい請求項1ないし7のい
    ずれか1項に記載の電界放出型冷陰極。
  9. 【請求項9】 前記イオン収集電極は、前記基板と電気
    的に接続されている請求項1ないし8のいずれか1項に
    記載の電界放出型冷陰極。
  10. 【請求項10】 前記イオン収集電極は前記エミッタよ
    りも低電位である請求項1ないし4のいずれか1項に記
    載の電界放出型冷陰極。
  11. 【請求項11】 基板上に絶縁膜を形成する工程と、 前記絶縁膜上に選択的にゲート電極を形成する工程と、 前記ゲート電極および前記絶縁膜を貫通する第1の開口
    を形成すると同時に、前記ゲート電極の周囲に前記絶縁
    膜を貫通する第2の開口を形成する工程と、 前記第1の開口および第2の開口に導電性材料を堆積
    し、前記第1の開口に先端が先鋭なエミッタを形成し、
    前記第2の開口にイオン収集電極を形成する工程とを有
    する電界放出型冷陰極の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記第2の開口の大きさを前記第1の
    開口の大きさよりも大きく形成する請求項11に記載の
    電界放出型冷陰極の製造方法。
  13. 【請求項13】 基板上のエミッタを形成すべき部位お
    よびイオン収集電極を形成すべき部位に膜を形成する工
    程と、 前記膜をマスクとして前記基板をエッチングし、エミッ
    タおよびイオン収集電極を同時に形成する工程と、 前記エミッタおよびイオン収集電極が形成された基板上
    に絶縁膜を介してゲート電極を形成するとともに、前記
    基板から前記膜を除去する工程とを有する電界放出型冷
    陰極の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記膜の大きさは、前記イオン収集電
    極を形成すべき部位を、前記エミッタを形成すべき部位
    よりも大きく形成する請求項13に記載の電界放出型冷
    陰極の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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WO2007023945A1 (ja) * 2005-08-26 2007-03-01 Matsushita Electric Works, Ltd. 放電プラズマ生成補助装置
JP2007087936A (ja) * 2005-08-26 2007-04-05 Matsushita Electric Works Ltd 放電装置

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