JP2737618B2 - 電界放出形電子源 - Google Patents

電界放出形電子源

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JP2737618B2
JP2737618B2 JP32092393A JP32092393A JP2737618B2 JP 2737618 B2 JP2737618 B2 JP 2737618B2 JP 32092393 A JP32092393 A JP 32092393A JP 32092393 A JP32092393 A JP 32092393A JP 2737618 B2 JP2737618 B2 JP 2737618B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコールドカソードとして
知られている電界放出形電子源の改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】金属または半導体表面の印加電界を10
9 [V/m]程度にするとトンネル効果により、電子が
障壁を通過して常温でも真空中に電子放出が行われるよ
うになる。これを電界放出(Field Emission)と云い、
このような原理で電子を放出するカソードを電界放出カ
ソード(以下、FECと記す)と呼んでいる。
【0003】近年、半導体集積化技術を駆使して、ミク
ロンサイズのFECを作ることが可能となり、その一例
としてスピント(Spindt)型と呼ばれるFECが知られ
ている。このFECは、半導体微細加工技術を用いて製
作すると、円錐状のエミッタ、すなわちエミッタコーン
とゲート電極との距離をサブミクロンとすることが出来
るため、エミッタコーンとゲート電極間に数10ボルト
の電圧を印加することによりエミッタコーンから電子を
放出させることが出来るようになる。また、各エミッタ
コーン間のピッチは5ミクロンないし10ミクロンとし
て製作することが出来るため、数万から数10万個のF
ECを1枚の基板上に設けることが出来る。このよう
に、面放出形のFECを製作することが可能となってお
り、このFECは蛍光表示装置、CRT、電子顕微鏡や
電子ビーム装置の電界放出形電子源として適用すること
が提案されている。
【0004】次に、図9に、このような電界放出形電子
源として用いられるFECの上面図を(a)に、その断
面図を(b)に示す。この図の(a)に示すように、カ
ソード配線102は井桁状にパターニングされており、
この井桁状のカソード配線102の上全面には抵抗層1
03が形成されており、前記井桁の中の抵抗層103上
にそれぞれ複数のエミッタコーン106が形成されてい
る。なお、(a)で示す電界放出形電子源の上面には、
全面にわたりゲート電極105が形成されており、この
ゲート電極105に図示するほぼ円形の開口部が複数設
けられ、この開口部内に前記エミッタコーン106がそ
れぞれ形成されている。
【0005】この電界放出形電子源の断面図を(b)に
示すが、この断面は(a)に示すA−A線で切断した電
界放出形電子源の断面である。この図において、井桁状
のカソード配線102は絶縁性の基板101上に形成さ
れており、基板101上には抵抗層103が全面に形成
されている。この抵抗層103上には絶縁層104とゲ
ート電極105が形成されており、このゲート電極10
5と絶縁層104とに形成された開口部内にエミッタコ
ーン106が形成されている。
【0006】ところで、エミッタコーン106とカソー
ド配線102との間に抵抗層103を設ける理由は次の
通りである。一般的なFECにおいてはエミッタコーン
の先端とゲートとの距離がサブミクロンという極めて短
い距離とされていると共に、数万ないし数十万個のエミ
ッタコーンが一枚の基板上に設けられるため、製造の過
程において塵埃等によりエミッタコーンとゲートとが短
絡してしまうことがある。このように、ゲートとエミッ
タコーン間の一つでも短絡していると、カソードとゲー
トとが短絡したことになるため、すべてのエミッタコー
ンに電圧が印加されなくなり動作不能の電界放出形電子
源となってしまう。
【0007】また、電界放出形電子源の初期の動作時に
局部的な脱ガスが生じ、このガスによりエミッタコーン
とゲートあるいはアノード間が放電を起こすことがあ
り、このため大電流がカソードに流れてカソードが破壊
されることがあった。さらに、多数のエミッタコーンの
うち電子の放出されやすいエミッタコーンが存在するた
め、このエミッタコーンから集中して放出された電子に
より、画面上に異常に明るいスポットが発生することも
あった。
【0008】そこで、図9に示すように、カソード配線
102とエミッタコーン106との間に抵抗層103を
形成し、エミッタコーン106の中の一つが形状の不均
一性から異常に多い電子を放出し始めると、ゲート電極
105とカソード配線102間には抵抗層103による
電圧降下が生じるようになる。この電圧降下により、異
常に多い電流を放出しようとするエミッタコーンの印加
電圧が放出電流に応じて下げられるために、電子放出が
抑制され、各エミッタコーンで安定した電子放出を行う
ようになる。このため、カソード配線102が破壊され
ることを防止することができる。したがって、抵抗層1
03を設けることにより、FECの製造上の歩留りの向
上、およびFECの安定な動作を確保することができる
ようになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図9に
示す構造のFECにおいては、井桁状のカソード配線1
02の中の面積が大きく全面にエミッタコーン106を
形成すると、カソード配線102と各エミッタコーン1
06との距離に応じて、カソード配線102と各エミッ
タコーン106間の抵抗値が異なることになる。すなわ
ち、カソード配線102の近傍に形成されたエミッタコ
ーン106は低い抵抗値となるが、井桁の中央部に向か
って形成されるエミッタコーンの抵抗値は次第に高い抵
抗値となっていく。すると、カソード配線102の周辺
に位置するエミッタコーン106からの電子のエミッシ
ョンは大きくなるが、抵抗値が高くなる中央部に向かっ
てエミッションが低下することになる。
【0010】そこで、エミッションの均一性を上げるた
めに、図9に示すように、井桁状のカソード配線102
から各エミッタコーンまでの抵抗値の偏差を無視できる
くらいに小さくさせるために、所定距離Lを置いてエミ
ッタコーン106を形成するようにしていた。このた
め、井桁状のカソード配線102の周囲から距離Lの間
にはエミッタコーン106を設けることができず、エミ
ッタコーンの実装密度が低下するという問題点があっ
た。また、抵抗の均一化を図るために、さらにカソード
配線を細分化して、1つの井桁の中にエミッタコーンを
4個程度形成することも考えられるが、このようにする
と、極端にエミッタコーンの実装密度が低下するように
なる。更に、井桁状に形成されたカソード配線102に
対する各エミッタコーン106の位置が抵抗値に関係す
ることになり、製造時のエミッタコーンのアラインメン
ト精度により抵抗値が変化してしまう。このため、厳密
にマスク合わせを行ってエミッタコーン106を形成す
る必要があり、製造が困難になるという問題点もあっ
た。
【0011】また、図9のFECの構成に替えて、井桁
のないストライプ状のカソード配線上に抵抗層を全面に
形成し、カソード配線上に形成された抵抗層上にエミッ
タコーンを形成することも知られているが、このような
構成によると、抵抗層の膜厚の均一性が各エミッタコー
ンの抵抗値のばらつきとなり、各エミッタコーンのエミ
ッションが均一になりづらいという欠点があった。ま
た、抵抗値は抵抗層の厚さで決定されるが、その厚さに
は限界があるため大電流容量、および高抵抗値を得るこ
とが困難であり、抵抗層を設けたことによる効果が小さ
いという欠点もあった。 そこで、本発明はカソード配
線と複数の各エミッタコーン間の抵抗値をほぼ一定とす
ることができると共に、エミッタコーンの実装密度を向
上した電界放出形電子源を提供することを目的としてい
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明はカソード配線の領域内に、カソード配線か
ら分離されたカソード導体を複数設け、前記カソード配
線と前記カソード導体とを抵抗層で電気的に接続すると
共に、カソード導体上に複数のエミッタコーンを直接ま
たは前記抵抗層を介して配設させるようにしたものであ
る。
【0013】
【作用】本発明によれば、カソード配線と各エミッタコ
ーン間の抵抗値をほぼ一定とすることができるため、カ
ソード導体内の各エミッタコーンのエミッションを均一
化することができる。また、カソード導体上のどこにエ
ミッタコーンを設けてもエミッションの均一化が図れる
ため、エミッタコーンの実装密度を向上することができ
る。
【0014】
【実施例】本発明の第1実施例の電界放出形電子源のカ
ソード電極の構成を図1に示す。この図に示すカソード
配線2は、並列に多数本設けられたストライプ状カソー
ド配線2のうちの1本であり、1領域である。カソード
配線2の領域内には、カソード配線2から分離するため
に、カソード配線2をくり抜くように導体のない領域8
を周囲に設けた島状カソード導体7が複数配設されてい
る。この島状カソード導体7およびカソード配線2上に
抵抗層3を設けて、この抵抗層3により両者を電気的に
接続している。そして、前記島状カソード導体7に対応
する抵抗層3上にエミッタコーン6を形成して電子放出
源とするが、その構造を図2に示す断面図を用いて説明
する。
【0015】この図において、絶縁性の基板1上にカソ
ード配線2と島状カソード導体7がNb,Mo,Al等
の導電性薄膜でパターン形成されており、この島状カソ
ード導体7とカソード配線2上には、アモルファスシリ
コン等からなる抵抗層3がカソード配線2の領域内全面
に形成されている。さらに、抵抗層3の上に二酸化シリ
コン(SiO2 )からなる絶縁層4、およびNb,M
o,Al,WSi2 等からなるゲート電極5が形成され
ており、このゲート電極5と絶縁層4に開口された開口
部の中にはMoからなるエミッタコーン6がそれぞれ形
成されている。このゲート電極5もストライプ状に形成
されており、カソード配線2と共にマトリックスを形成
している。
【0016】この場合は、例えば図示するように、1つ
の島状カソード導体7に対応して4列のエミッタコーン
6が形成されており、この単位を1グループ単位とする
と、図2に示す場合においては、1グループ単位のエミ
ッタコーン6が島状カソード導体7上に形成されてお
り、カソード配線2に近いエミッタコーン6もカソード
配線2に遠いエミッタコーン6も導体のない領域8の幅
が均一で抵抗層3の厚みが均一とされているため、各々
のエミッタコーン6の抵抗値を大体均一化することがで
きる。
【0017】次に、カソード配線2と島状カソード導体
7等の導体部と、抵抗層3との位置が前記第1実施例と
は逆とされた、第2実施例の電界放出形電子源のカソー
ド電極を図3に示す。この図において、絶縁性の基板1
上にカソード配線2の領域内に抵抗層3が形成される。
さらに、抵抗層3上にカソード配線2及び島状カソード
導体7を形成する。また、カソード配線2及び島状カソ
ード導体7上にはSiO2 の絶縁層4及びNb,Mo,
Al,WSi2 等からなるゲート電極5が形成されてお
り、このゲート電極5と絶縁層4の前記島状カソード導
体7に対応する部分には、開口部が設けられ、この開口
部の中にはMoのエミッタコーン6がそれぞれ形成され
ている。
【0018】また、この第2実施例の変形として、絶縁
性の基板1上にカソード配線2のみを設け、このカソー
ド配線2の上全面に抵抗層3を設け、さらにこの抵抗層
上に島状カソード導体7を設ける。そして、エミッタコ
ーン6,絶縁層4,ゲート電極5は、前記第2実施例と
同様に島状カソード導体7上に設けるようにする。この
ようなカソード電極の構成としてもよい。
【0019】次に、図4に前記第1実施例の変形として
島状カソード導体7とカソード配線2の間にエミッタコ
ーン6を設けた例を示す。この例によれば、カソード配
線2に一番近いエミッタコーン6の抵抗値は、カソード
配線2とエミッタコーン6とを結ぶ抵抗層3の長さでほ
ぼ決まり、他のエミッタコーン6の抵抗値は、カソード
配線2と島状カソード導体7との間の抵抗層3の長さ
と、島状カソード導体7とエミッタコーン6との間隔で
ある抵抗層3の厚さとでほぼ決まるようになる。そこ
で、すべてのエミッタコーン6の抵抗値がほぼ一定とな
るように島状カソード導体7の大きさを調整するように
すると、すべてのエミッタコーン6の抵抗値をほぼ一定
とすることができる。この図に示す場合は、グループ単
位を構成する複数のエミッタコーン6のうち、外周縁の
エミッタコーン6を除くエミッタコーン6が島状カソー
ド導体7上に形成されるようになる。
【0020】このようにして設定する場合の島状カソー
ド導体7の例を、図5および図6を参照しながら説明す
る。ただし、これらの図においては絶縁層4とゲート電
極層5とを省略して示している。図5は、1グループ単
位にエミッタコーン6を16個設ける例を示しており、
この場合は、(a)に示すようにカソード配線2の外周
縁に設けられているエミッタコーン6は12個であり、
中央部近傍に4個のエミッタコーン6が設けられてい
る。このため、中央部近傍の4個のエミッタコーン6の
抵抗値が高くなるので、この4個のエミッタコーン6を
カバーするように中央部近辺に破線で示すように島状カ
ソード導体7を設けるようにする。すると、同図(b)
に示すように中央部近傍のエミッタコーン6の抵抗値
は、島状カソード導体7を介しての抵抗値となるため、
中央部のエミッタコーン6の抵抗値が降下し、他のエミ
ッタコーン6との抵抗値をほぼ等しくすることができ
る。
【0021】図6は、1グループ単位に12個ずつの群
とされたエミッタコーン6を2群設ける例を示してお
り、この場合は、カソード配線2の外周縁に設けられて
いるエミッタコーン6は16個であり、中央部に縦長に
8個のエミッタコーン6が設けられている。このため、
中央部近傍の8個のエミッタコーン6の抵抗値が高くな
るので、この8個のエミッタコーン6のうち、群毎の4
個ずつをカバーするように中央部近辺に破線で示すよう
に、島状カソード導体7を2つ設けるようにする。する
と、中央部近傍のエミッタコーン6の抵抗値は、島状カ
ソード導体7を介しての抵抗値となるため、これらのエ
ミッタコーン6の抵抗値が降下し、他のエミッタコーン
6との抵抗値をほぼ等しくすることができる。また、群
毎に設けられる島状カソード導体7同士の抵抗値は、よ
り高く設定されており、電気的に独立に近い形に設定さ
れている。この場合における各群を、各画素に対応する
ようにしてもよい。
【0022】このように、本発明の電界放出形電子源
は、グループ内のエミッタコーンの数に応じて島状カソ
ード導体7の大きさを変えることにより、グループ単位
内のエミッタコーンの抵抗値をほぼ等しくすることがで
きる。従って、グループ単位内のすべてのエミッタコー
ンのエミッションをほぼ同じとすることができると共
に、エミッション電流を増加することができるようにな
る。。また、本発明の電界放出形電子源においては、島
状カソード導体7に対するゲート電極5に設ける開口部
のマスク合わせの精度を、従来より下げることができる
と共に、抵抗層3を横方向の長い抵抗体として用いてい
るため、抵抗値を大きくすることができる。
【0023】さらに、グループ単位内のエミッタコーン
の抵抗値の差が少ないため、グループ単位内のエミッタ
コーンの数を多くすることができる。このため、グルー
プ単位を細分化する必要がないため、エミッタコーンの
実装密度を上げることができると共に、その製造も容易
に行うことができるようになる。さらにまた、エミッタ
コーンの抵抗値は、カソード配線と島状カソード導体と
を作製するためのマスク層の精度と、抵抗層の抵抗値で
ほぼ決まり、カソード配線と島状カソード導体とを同時
に同じマスクで形成することができることから、設定抵
抗値を再現性よく基板全面にわたって均一に形成するこ
とができる。なお、前記電界放出形電子源に離隔して蛍
光体を塗布したアノード電極を設けると、ディスプレイ
を構成することができ、この場合は前記グループ単位を
その画素に対応させるようにすれば良い。
【0024】以上の説明においては、電界放出形電源の
カソード電極を、カソード配線2の内側に導体のない領
域8を周囲に設けた島状カソード導体7としたが、カソ
ード電極を図7及び図8に示す構成としてもよい。図7
に示すカソード電極は、ストライプ状のカソード配線2
とその両側に設けられた複数のカソード導体9とにより
1領域を形成するようにしたものである。この場合にお
いても、領域内のカソード配線2とカソード導体9との
間は抵抗層により接続されている。また、抵抗層は1領
域毎に設けられ、隣接する領域間には抵抗層分離部10
が設けられている。この構成としては、抵抗層上にカソ
ード配線2及びカソード導体9を形成して、カソード導
体9上に複数のエミッタコーン及びゲート電極を設ける
ようにするか、カソード配線2及びカソード導体9上に
抵抗層を形成し、カソード導体9に対応する抵抗層上に
複数のエミッタコーン及びゲート電極を形成するかすれ
ばよい。あるいは、カソード配線2上に抵抗層を形成
し、この抵抗層上に、複数のエミッタコーン及びゲート
電極が形成されたカソード導体9を設けるようにしても
よい。
【0025】図8に示すカソード電極は、ストライプ状
のカソード配線2−1,2−2,2−3,2−4・・・
・とその間に設けられた複数のカソード導体9とにより
1領域をそれぞれ形成するようにしたものである。すな
わち、カソード配線2−2とカソード配線2−3、及び
その間に形成されているカソード導体9とで1領域を形
成している。この場合においても、領域内のカソード配
線2−1とカソード導体9、カソード配線2−2,2−
3とカソード導体9、カソード配線2−4とカソード導
体9との間は抵抗層により接続されている。この構成と
しては、抵抗層上にカソード配線2−1,2−2,2−
3,2−4・・・・及びカソード導体9を形成して、カ
ソード導体9上に複数のエミッタコーン及びゲート電極
を設けるようにするか、カソード配線2−1,2−2,
2−3,2−4・・・・及びカソード導体9上に抵抗層
を形成し、カソード導体9に対応する抵抗層上に複数の
エミッタコーン及びゲート電極を形成するかすればよ
い。あるいは、カソード配線2−1,2−2,2−3,
2−4・・・・上に抵抗層を形成し、この抵抗層上に、
複数のエミッタコーン及びゲート電極が形成されたカソ
ード導体9を設けるようにしてもよい。
【0026】次に、図2および図4に示す電界放出形電
子源の製造方法を説明する。まず、ガラス等の絶縁基板
1上にニオブ(Nb),モリブデン(Mo)あるいはア
ルミニウム(Al)等の金属薄膜からなるカソード配線
2を形成し、このカソード配線2にフォトリソグラフィ
の手法により、中抜き部、および、この中抜き部の中に
矩形の島状カソード導体7を同時に形成する。この島状
カソード導体7の形は矩形に限るわけではなく、各エミ
ッタコーンの配列に応じて円形でもよい。さらに、この
カソード配線2と島状カソード導体7を覆うように、ス
パッタ法あるいはCVD法により0.5ミクロン〜2.
0ミクロン程度の膜厚の抵抗層3を形成する。この抵抗
層3の材料としては、アモルファスシリコン,In2
3,Fe23 ,ZnO,NiCr合金、あるいは不純
物をドープしたシリコン等が用いられ、その抵抗率は約
1×101 〜1×106 Ωcmとされる。
【0027】そして、前記カソード配線2および抵抗層
3を覆うように、前記基板1上にスパッタ法あるいはC
VD法により、約1.0ミクロンの膜厚の二酸化シリコ
ン(SiO2 )からなる絶縁層4を形成する。さらに、
この絶縁層4の上にスパッタ法により、約0.4ミクロ
ンの膜厚のNb、Mo,Al,WSi2 等からなるゲー
ト電極5を成膜する。そして、このゲート電極5に直径
約1.0ミクロンの複数の開口部6をフォトリソグラフ
ィの手法により形成し、この開口部6からバッファード
弗酸(BHF)等を用いたウエットエッチングあるいは
CHF3 等のガスを用いたRIEにより、抵抗層3に達
する開口部を形成する。
【0028】次に、ゲート電極5上に電子ビーム(E
B)蒸着法を用いてアルミニウムを斜め蒸着することに
より、剥離層を形成する。この剥離層の上に、さらにE
B蒸着法を用いてモリブデンを垂直方向に正蒸着する
と、前記開口部内にモリブデンがコーン状に堆積される
ことにより、エミッタコーン6が形成される。そして、
剥離層を燐酸等の剥離液により溶解させることにより、
除去すると図2あるいは図4に示すような電界放出形電
子源を得ることができる。
【0029】次に、図3に示す電界放出形電子源の製造
方法を説明する。まず、ガラスやセラミック等の絶縁性
基板1上に、アモルファスシリコンや不純物をドープし
たシリコン等をスパッタ法、またはCVD法等でカソー
ド配線2の領域全体に0.5〜2.0ミクロン程度の膜
厚で抵抗層3を形成する。この抵抗層3の抵抗率は1×
101 〜1×106 Ωcmの範囲が良好である。そし
て、前記抵抗層3を覆うようにNb,Mo,Al等の金
属薄膜を蒸着形成し、フォトリソグラフィ法によりエッ
チングして導体のない領域8を形成することにより、カ
ソード配線2と島状カソード導体7とを分離形成する。
そして、カソード配線2、島状カソード導体7上に二酸
化シリコンからなる絶縁層4を約1ミクロンの厚さにス
パッタ法やCVD法で形成する。さらに絶縁層4上に、
Nb,Mo,Al,WSi2 からなるゲート電極5を約
0.4ミクロンの厚さにスパッタ法で形成する。
【0030】このゲート電極5上に、直径約1ミクロン
の複数の開口部をフォトリソグラフィ法で形成し、この
開口部からウェットエッチングあるいはドライエッチン
グにより島状カソード導体7に達する開口部を形成す
る。次に、ゲート電極5上に剥離層を設けた後、モリブ
デンを正蒸着して開口部内にエミッタコーン6を形成す
るが、これは前記の製造方法と同様であるので、その説
明は省略する。
【0031】
【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、カ
ソード配線と各エミッタコーン間の抵抗値をほぼ一定と
することができるため、グループ単位内の各エミッタコ
ーンのエミッションを均一化することができる。また、
カソード配線の近傍にエミッタコーンを設けてもエミッ
ションの均一化が図れるため、グループ単位内のエミッ
タコーンの数を増やすことができ、実装密度を向上する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の電界放出形電子源のカソ
ード電極の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1実施例の電界放出形電子源の断面
図である。
【図3】本発明の第2実施例の電界放出形電子源の断面
図である。
【図4】本発明の第1実施例の電界放出形電子源の変形
例を示す断面図である。
【図5】島状カソード導体の大きさの例を示す図であ
る。
【図6】島状カソード導体の他の大きさの例を示す図で
ある。
【図7】本発明の電界放出形電子源のカソード電極の他
の構成例を示す図である。
【図8】本発明の電界放出形電子源のカソード電極のさ
らに他の構成例を示す図である。
【図9】従来の電界放出形電子源を示す図である。
【符号の説明】
1,101 基板 2,102 カソード配線 3,103 抵抗層 4,104 絶縁層 5,105 ゲート電極 6,106 エミッタコーン 7 島状カソード導体 8 導体のない領域 9 カソード導体 10 抵抗層分離部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新山 剛宏 千葉県茂原市大芝629 双葉電子工業株 式会社内 (56)参考文献 特開 平4−272638(JP,A) 特開 平5−144370(JP,A) 特開 平5−504022(JP,A) 特開 平7−94076(JP,A) 特開 平4−229922(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カソード配線の領域内に、前記カソード配
    線から分離されたカソード導体を複数設け、前記カソー
    ド配線と前記カソード導体とを抵抗層により電気的に接
    続し、前記カソード導体上に複数の円錐状のエミッタが
    直接または前記抵抗層を介して配設されたことを特徴と
    する電界放出形電子源。
  2. 【請求項2】絶縁性の基板上に上記カソード配線及び上
    記カソード導体が設けられていることを特徴とする請求
    項1記載の電界放出形電子源。
  3. 【請求項3】絶縁性の基板上に上記抵抗層が形成されて
    おり、該抵抗層上に上記カソード配線及び上記カソード
    導体が設けられていることを特徴とする請求項1記載の
    電界放出形電子源。
  4. 【請求項4】ストライプ状カソード配線の内側に、導体
    のない領域を周囲に設けた島状カソード導体を複数設け
    たことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載
    の電界放出形電子源。
  5. 【請求項5】前記島状カソード導体の少なくとも1つ
    が、デイスプレイの1画素に対応して設けられているこ
    とを特徴とする請求項4記載の電界放出形電子源。
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