JPH10154459A - 電界放出型冷陰極とそれを用いた表示装置 - Google Patents
電界放出型冷陰極とそれを用いた表示装置Info
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- JPH10154459A JPH10154459A JP31216396A JP31216396A JPH10154459A JP H10154459 A JPH10154459 A JP H10154459A JP 31216396 A JP31216396 A JP 31216396A JP 31216396 A JP31216396 A JP 31216396A JP H10154459 A JPH10154459 A JP H10154459A
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-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J3/00—Details of electron-optical or ion-optical arrangements or of ion traps common to two or more basic types of discharge tubes or lamps
- H01J3/02—Electron guns
- H01J3/021—Electron guns using a field emission, photo emission, or secondary emission electron source
- H01J3/022—Electron guns using a field emission, photo emission, or secondary emission electron source with microengineered cathode, e.g. Spindt-type
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- H01—ELECTRIC ELEMENTS
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- H01J1/00—Details of electrodes, of magnetic control means, of screens, or of the mounting or spacing thereof, common to two or more basic types of discharge tubes or lamps
- H01J1/02—Main electrodes
- H01J1/30—Cold cathodes, e.g. field-emissive cathode
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- H01J9/02—Manufacture of electrodes or electrode systems
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- Engineering & Computer Science (AREA)
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- Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)
- Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ゲート電極の放電を抑制して素子の破壊を防
止する。 【解決手段】 ゲート電極3aは、周囲の各突出部およ
びコーナー部が鈍角または円弧の形状を有し、さらにゲ
ート電極3aの周辺にゲート電極3aの突出部よりも先
鋭な突出部を有するダミー電極3bを有する。
止する。 【解決手段】 ゲート電極3aは、周囲の各突出部およ
びコーナー部が鈍角または円弧の形状を有し、さらにゲ
ート電極3aの周辺にゲート電極3aの突出部よりも先
鋭な突出部を有するダミー電極3bを有する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電界放出型冷陰極
に関し、特に電界放出型冷陰極のゲート電極に関する。
に関し、特に電界放出型冷陰極のゲート電極に関する。
【0002】
【従来の技術】電界放出型冷陰極は、コーン形状の先鋭
なエミッタと、サブミリオンオーダの開口を有しエミッ
タに近接して形成されるゲート電極とを有し、ゲート電
極によりエミッタ先端に高電界を集中して、真空中でエ
ミッタ先端から電子を放出させ、アノード電極でその電
子を受ける素子である。この電界放出型冷陰極において
は、残留ガスやアノード電極に電子が衝突して生じるガ
スの影響等により、真空中の動作で放電の発生すること
がある。このような放電がゲート電極に発生すると、電
極材料の溶融による断線、あるいはゲート電極下の絶縁
膜の破壊による短絡という障害の原因になっていた。
なエミッタと、サブミリオンオーダの開口を有しエミッ
タに近接して形成されるゲート電極とを有し、ゲート電
極によりエミッタ先端に高電界を集中して、真空中でエ
ミッタ先端から電子を放出させ、アノード電極でその電
子を受ける素子である。この電界放出型冷陰極において
は、残留ガスやアノード電極に電子が衝突して生じるガ
スの影響等により、真空中の動作で放電の発生すること
がある。このような放電がゲート電極に発生すると、電
極材料の溶融による断線、あるいはゲート電極下の絶縁
膜の破壊による短絡という障害の原因になっていた。
【0003】この放電による障害の防止対策として、従
来種々の方法が提案されている。例えば、特開平7−2
40243号公報等に開示された従来の電界放出型冷陰
極の1例を図11の断面図及び図12の平面図によって
示す。
来種々の方法が提案されている。例えば、特開平7−2
40243号公報等に開示された従来の電界放出型冷陰
極の1例を図11の断面図及び図12の平面図によって
示す。
【0004】この電界放出型冷陰極は、図11に示すよ
うに、支持基板となるシリコン基板1と、シリコン基板
1上に形成された酸化膜等の絶縁膜2と、絶縁膜2上に
形成されたエミッタ形成領域に開口を有するゲート電極
3aと、絶縁膜2の開口内にシリコン基板1に接続して
形成されたエミッタ5aと、ゲート電極3aを覆って形
成された絶縁膜8とから構成されている。また、アノー
ド電極7は、エミッタ5aから空間的に隔てられ、ゲー
ト電極3aに対向して形成される。この従来の電界放出
型冷陰極のゲート電極3aの断面形状は、図11に示す
ように、ほぼ垂直な開口側面を有しており、開口側面と
上下両面との境界の稜線部はほぼ直角になっていた。ま
た、ゲート電極3aの平面形態は、図12に示すよう
に、四隅のコーナーが直角の長方形部分を含むのが一般
的な構造であった。このような従来例では、ゲート電極
の周りを絶縁膜で覆うことにより、ゲート電極近傍での
残留ガスなどの影響による放電の発生を防止し、特にエ
ミッタとゲート電極間の放電による素子破壊が抑制され
る。
うに、支持基板となるシリコン基板1と、シリコン基板
1上に形成された酸化膜等の絶縁膜2と、絶縁膜2上に
形成されたエミッタ形成領域に開口を有するゲート電極
3aと、絶縁膜2の開口内にシリコン基板1に接続して
形成されたエミッタ5aと、ゲート電極3aを覆って形
成された絶縁膜8とから構成されている。また、アノー
ド電極7は、エミッタ5aから空間的に隔てられ、ゲー
ト電極3aに対向して形成される。この従来の電界放出
型冷陰極のゲート電極3aの断面形状は、図11に示す
ように、ほぼ垂直な開口側面を有しており、開口側面と
上下両面との境界の稜線部はほぼ直角になっていた。ま
た、ゲート電極3aの平面形態は、図12に示すよう
に、四隅のコーナーが直角の長方形部分を含むのが一般
的な構造であった。このような従来例では、ゲート電極
の周りを絶縁膜で覆うことにより、ゲート電極近傍での
残留ガスなどの影響による放電の発生を防止し、特にエ
ミッタとゲート電極間の放電による素子破壊が抑制され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の従来例
では、第1の問題点として、エミッタからの電子放出に
必要とされるゲート電圧を低減できないという課題があ
った。つまり、絶縁膜でゲート電極を囲む構造となって
いるため、エミッタ・ゲート電極間の距離を短縮しよう
とするとき、この間に絶縁膜を堆積できるだけのマージ
ンが必要となり、そのマージン分だけ低電圧動作が制限
されるからである。これを克服するためには、従来例に
開示されているように電界増強の追加機構を搭載する必
要があり、素子構造及びプロセスの複雑化を招き、生産
上不利となる。
では、第1の問題点として、エミッタからの電子放出に
必要とされるゲート電圧を低減できないという課題があ
った。つまり、絶縁膜でゲート電極を囲む構造となって
いるため、エミッタ・ゲート電極間の距離を短縮しよう
とするとき、この間に絶縁膜を堆積できるだけのマージ
ンが必要となり、そのマージン分だけ低電圧動作が制限
されるからである。これを克服するためには、従来例に
開示されているように電界増強の追加機構を搭載する必
要があり、素子構造及びプロセスの複雑化を招き、生産
上不利となる。
【0006】また、第2の問題点として、アノード電極
からの放電破壊が発生することが挙げられる。これは、
ゲート電極を絶縁膜で保護することにより、低電圧で動
作するエミッタ・ゲート電極間の放電破壊に対しては効
果があるが、高電圧が印加されるアノード電極からの放
電に対しては破壊防止の効果が小さくてゲート電極下の
絶縁膜破壊が発生する可能性が高いからである。
からの放電破壊が発生することが挙げられる。これは、
ゲート電極を絶縁膜で保護することにより、低電圧で動
作するエミッタ・ゲート電極間の放電破壊に対しては効
果があるが、高電圧が印加されるアノード電極からの放
電に対しては破壊防止の効果が小さくてゲート電極下の
絶縁膜破壊が発生する可能性が高いからである。
【0007】本発明の目的は、上述の問題点を解消し、
放電時のゲート電極の破壊を抑制することにある。特
に、大規模な破壊が発生するアノード電極からの放電に
よる破壊を防止できる簡略な電界放出型冷陰極を提供す
ることを目的とする。
放電時のゲート電極の破壊を抑制することにある。特
に、大規模な破壊が発生するアノード電極からの放電に
よる破壊を防止できる簡略な電界放出型冷陰極を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の電界放出型冷陰
極は、先鋭な先端形状を有するエミッタ(5a)と、エ
ミッタ上に開口を有するゲート電極(3a)とを有し、
上部に電子コレクタとなるアノード電極(7)で構成さ
れる電界放出型冷陰極において、ゲート電極がアノード
電極に面した上面側で平面形状の隅の内角が鈍角、ある
いは円弧状となっており、断面形状で上下平面と側面と
の境界が鈍角または円弧で形成されている。
極は、先鋭な先端形状を有するエミッタ(5a)と、エ
ミッタ上に開口を有するゲート電極(3a)とを有し、
上部に電子コレクタとなるアノード電極(7)で構成さ
れる電界放出型冷陰極において、ゲート電極がアノード
電極に面した上面側で平面形状の隅の内角が鈍角、ある
いは円弧状となっており、断面形状で上下平面と側面と
の境界が鈍角または円弧で形成されている。
【0009】また、本発明の電界放出型冷陰極は、ゲー
ト電極の平面形状の突出部と曲がり角が全て鈍角と円弧
状のいずれかにより形成されている。
ト電極の平面形状の突出部と曲がり角が全て鈍角と円弧
状のいずれかにより形成されている。
【0010】また、本発明の電界放出型冷陰極は、ゲー
ト電極の周囲にゲート電極よりも小さな角度の突出部を
有するダミー電極を有する。
ト電極の周囲にゲート電極よりも小さな角度の突出部を
有するダミー電極を有する。
【0011】また、本発明の電界放出型冷陰極は、ダミ
ー電極の少なくとも一部にゲート電極よりも高く形成さ
れた先鋭な形状のダミーエミッタを有する。
ー電極の少なくとも一部にゲート電極よりも高く形成さ
れた先鋭な形状のダミーエミッタを有する。
【0012】また、本発明の電界放出型冷陰極を表示装
置の電子銃として適用する。
置の電子銃として適用する。
【0013】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態について
図面を参照して説明する。
図面を参照して説明する。
【0014】図1は本発明の電界放出型冷陰極の基本的
な実施例の断面図、図2はその平面図で、図1は図2に
A、Bで示した区間の断面図である。
な実施例の断面図、図2はその平面図で、図1は図2に
A、Bで示した区間の断面図である。
【0015】図1(a)において、この電界放出型冷陰
極は、先鋭な先端を有するエミッタ5a、それを取り囲
むように形成されたゲート電極3aと絶縁膜2、及びゲ
ート電極3aとエミッタ5aの上部に形成されたアノー
ド電極7とにより構成されていて、ゲート電極3aは、
アノード電極7に対向した面の側面との境界部の断面が
円弧状になっている。
極は、先鋭な先端を有するエミッタ5a、それを取り囲
むように形成されたゲート電極3aと絶縁膜2、及びゲ
ート電極3aとエミッタ5aの上部に形成されたアノー
ド電極7とにより構成されていて、ゲート電極3aは、
アノード電極7に対向した面の側面との境界部の断面が
円弧状になっている。
【0016】この電界放出型冷陰極の動作時には、アノ
ード電極7とゲート電極3aの間に100V以上の高電
圧がかかり、ゲート電極3aとエミッタ5aとの間には
約100V程度の電圧が印加される。一般に、金属間の
放電は、鋭利な先端程発生しやすいことが知られている
が、この電界放出型冷陰極のゲート電極3aは、従来の
水平部と側面との境界の断面が直角のゲート電極と比較
して、放電の発生しにくい形状となっているので、アノ
ード電極7とゲート電極3a間の放電が抑制される。
ード電極7とゲート電極3aの間に100V以上の高電
圧がかかり、ゲート電極3aとエミッタ5aとの間には
約100V程度の電圧が印加される。一般に、金属間の
放電は、鋭利な先端程発生しやすいことが知られている
が、この電界放出型冷陰極のゲート電極3aは、従来の
水平部と側面との境界の断面が直角のゲート電極と比較
して、放電の発生しにくい形状となっているので、アノ
ード電極7とゲート電極3a間の放電が抑制される。
【0017】また、図1(b)においては、図1(a)
の断面のゲート電極3aの全てのコーナー部を円弧状と
したものである。このようにすると、エミッタ5a及び
エミッタ電極となるシリコン基板1に面したゲート電極
3aの全てのコーナーが円弧状なので、アノード電極7
だけでなくエミッタ5aに対しても放電抑制効果があ
る。
の断面のゲート電極3aの全てのコーナー部を円弧状と
したものである。このようにすると、エミッタ5a及び
エミッタ電極となるシリコン基板1に面したゲート電極
3aの全てのコーナーが円弧状なので、アノード電極7
だけでなくエミッタ5aに対しても放電抑制効果があ
る。
【0018】また、、ゲート電極3aの平面上のコーナ
ー部を全て鈍角とした適用例を図4に示す。このように
することによって、コーナー部が直角であった場合より
電界の集中が生じ難くなり、ゲート電極の放電破壊をさ
らに抑制できる。特に、対向して配置されて高電圧が印
加されるアノード電極7とゲート電極3a間の放電抑制
に効果がある。
ー部を全て鈍角とした適用例を図4に示す。このように
することによって、コーナー部が直角であった場合より
電界の集中が生じ難くなり、ゲート電極の放電破壊をさ
らに抑制できる。特に、対向して配置されて高電圧が印
加されるアノード電極7とゲート電極3a間の放電抑制
に効果がある。
【0019】さらに、図6に示すように、チップ上に形
成されたゲート電極3aとゲート電極3aの開口に形成
されたエミッタ5aに加えて、ゲート電極3aの周囲に
平面状のコーナー部に鋭角の突出部を有するダミー電極
3bを設けることができる。これによって、ゲート電極
に対する放電がダミー電極の突出部に誘導されてゲート
電極の放電が抑制される。
成されたゲート電極3aとゲート電極3aの開口に形成
されたエミッタ5aに加えて、ゲート電極3aの周囲に
平面状のコーナー部に鋭角の突出部を有するダミー電極
3bを設けることができる。これによって、ゲート電極
に対する放電がダミー電極の突出部に誘導されてゲート
電極の放電が抑制される。
【0020】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
て説明する。
【0021】図3は、図1(a)に示した本発明の第1
実施例の電界放出型冷陰極の作製工程順の断面図であ
る。
実施例の電界放出型冷陰極の作製工程順の断面図であ
る。
【0022】始めに、(a)に示すように、約1015/
cm3の濃度のn型シリコン基板1の表面に熱酸化によ
り形成された酸化膜等の約500nm厚の絶縁膜2を形
成した後、W等の金属膜よりなる電極膜3をスパッタ等
の方法で約200nm厚に堆積する。
cm3の濃度のn型シリコン基板1の表面に熱酸化によ
り形成された酸化膜等の約500nm厚の絶縁膜2を形
成した後、W等の金属膜よりなる電極膜3をスパッタ等
の方法で約200nm厚に堆積する。
【0023】(b)次に、電極膜3をレジスト等のマス
クを用いて選択的にエッチングしてゲート電極3aを形
成し、さらにフォトリソグラフィ法でゲート電極3a及
び絶縁膜2をRIE(リアクティブ・イオン・エッチン
グ)法により蝕刻し、シリコン基板1が露出する開口を
形成する。
クを用いて選択的にエッチングしてゲート電極3aを形
成し、さらにフォトリソグラフィ法でゲート電極3a及
び絶縁膜2をRIE(リアクティブ・イオン・エッチン
グ)法により蝕刻し、シリコン基板1が露出する開口を
形成する。
【0024】このゲート電極3aを形成するエッチング
時に最初に等方性エッチングを行い、それに継続して異
方性エッチングを行なうことにより、図のようにゲート
電極3a上部は曲がり角の稜線が取れた形状となる。
時に最初に等方性エッチングを行い、それに継続して異
方性エッチングを行なうことにより、図のようにゲート
電極3a上部は曲がり角の稜線が取れた形状となる。
【0025】(c)次に、Alの犠牲層4を電子ビーム
蒸着法により、垂直方向から所定の角度傾けた斜め方向
から約100nm厚に堆積する。この工程では、犠牲層
が斜め上方から堆積されるため、エミッタ形成領域とな
る露出したシリコン基板1上には成膜せず、絶縁層2の
側壁及びゲート電極3a上に成膜される。次に、例えば
Mo等のエミッタ材料層5を垂直方向から電子ビーム蒸
着法により堆積する。この工程で、犠牲層4及びシリコ
ン基板1上にエミッタ材料層5が成長し、シリコン基板
1上のエミッタ材料層の形状がコーン形となってエミッ
タ5aが形成される。
蒸着法により、垂直方向から所定の角度傾けた斜め方向
から約100nm厚に堆積する。この工程では、犠牲層
が斜め上方から堆積されるため、エミッタ形成領域とな
る露出したシリコン基板1上には成膜せず、絶縁層2の
側壁及びゲート電極3a上に成膜される。次に、例えば
Mo等のエミッタ材料層5を垂直方向から電子ビーム蒸
着法により堆積する。この工程で、犠牲層4及びシリコ
ン基板1上にエミッタ材料層5が成長し、シリコン基板
1上のエミッタ材料層の形状がコーン形となってエミッ
タ5aが形成される。
【0026】(d)次に、リン酸等の溶液中で犠牲層4
をエッチングして除去する。これによって犠牲層4上の
エミッタ材料層5がリフトオフされ、エミッタ5aが露
出する。
をエッチングして除去する。これによって犠牲層4上の
エミッタ材料層5がリフトオフされ、エミッタ5aが露
出する。
【0027】以上の工程により、図1(a)に示す電界
放出型冷陰極が得られる。
放出型冷陰極が得られる。
【0028】この方法により、断面形状の上面の稜線部
を丸めて放電の生じ難い形状としたゲート電極3aを容
易に得ることができる。
を丸めて放電の生じ難い形状としたゲート電極3aを容
易に得ることができる。
【0029】図1(b)に示したように、ゲート電極3
aの断面の上下両面の稜線部を鈍角乃至円弧状とする素
子を作製するためには、電極膜3を、例えば下層を多結
晶シリコン膜、上層をWSi膜の多層構造としたSF6
等のトライエッチングを利用するとき、そのエッチング
速度の差を利用して作製することができる。その他の方
法としては、電極膜中の不純物濃度を変えて、エッチン
グ速度を変えても作製することができる。例えば、厚み
の中央部でp型の高濃度層を形成した多結晶シリコン膜
を電極膜として使用し、異方性のKOHなどのアルカリ
溶液を使用すると、p型の濃度の高い領域のエッチング
速度が遅くなるため選択的にエッチングでき、所望の形
状が得られる。また、n型のリン等の不純物原子を上面
と下面に高濃度に添付した電極膜でもエッチング速度の
速い高濃度領域でのエッチングが進み、所望の形状が得
られる。
aの断面の上下両面の稜線部を鈍角乃至円弧状とする素
子を作製するためには、電極膜3を、例えば下層を多結
晶シリコン膜、上層をWSi膜の多層構造としたSF6
等のトライエッチングを利用するとき、そのエッチング
速度の差を利用して作製することができる。その他の方
法としては、電極膜中の不純物濃度を変えて、エッチン
グ速度を変えても作製することができる。例えば、厚み
の中央部でp型の高濃度層を形成した多結晶シリコン膜
を電極膜として使用し、異方性のKOHなどのアルカリ
溶液を使用すると、p型の濃度の高い領域のエッチング
速度が遅くなるため選択的にエッチングでき、所望の形
状が得られる。また、n型のリン等の不純物原子を上面
と下面に高濃度に添付した電極膜でもエッチング速度の
速い高濃度領域でのエッチングが進み、所望の形状が得
られる。
【0030】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。
する。
【0031】図4(a)は、第2の実施例の断面図であ
る。断面形状は公知の形状で、図3(d)のゲート電極
3aの形状を断面の稜線部が90度の角度の形状とした
ものである。図4(b)は第2の実施例の平面図であ
る。ゲート電極3aの平面形状はコーナー部が鈍角とな
るようにしてある。第1の実施例では、断面形状の鋭角
のコーナー部をなくしているが、この実施例では平面上
のコーナー部を鈍角としている。これによってゲート電
極とアノード電極との放電を抑制することができる。平
面上のコーナー部は、鈍角でなく円弧であってもよい。
る。断面形状は公知の形状で、図3(d)のゲート電極
3aの形状を断面の稜線部が90度の角度の形状とした
ものである。図4(b)は第2の実施例の平面図であ
る。ゲート電極3aの平面形状はコーナー部が鈍角とな
るようにしてある。第1の実施例では、断面形状の鋭角
のコーナー部をなくしているが、この実施例では平面上
のコーナー部を鈍角としている。これによってゲート電
極とアノード電極との放電を抑制することができる。平
面上のコーナー部は、鈍角でなく円弧であってもよい。
【0032】次に、本発明の第3の実施例について説明
する。
する。
【0033】図5は第3実施例の電界放出型冷陰極の作
製工程順の断面図である。
製工程順の断面図である。
【0034】(a)まず、約1015/cm3の濃度のn
型シリコン基板1の表面に熱酸化により形成された酸化
膜等の約500nm厚の絶縁膜2を形成した後、W等の
金属膜よりなる電極膜3をスパッタ法等の方法で約20
0nm厚に堆積する。
型シリコン基板1の表面に熱酸化により形成された酸化
膜等の約500nm厚の絶縁膜2を形成した後、W等の
金属膜よりなる電極膜3をスパッタ法等の方法で約20
0nm厚に堆積する。
【0035】(b)次に、電極膜3をレジスト等のマス
クを用いて選択的にエッチングしてゲート電極3a及び
ダミー電極3bを形成し、さらに、フオトリソグラフィ
法でゲート電極3a及び絶縁膜2をRIE法により蝕刻
し、シリコン基板1が露出する開口を形成する。
クを用いて選択的にエッチングしてゲート電極3a及び
ダミー電極3bを形成し、さらに、フオトリソグラフィ
法でゲート電極3a及び絶縁膜2をRIE法により蝕刻
し、シリコン基板1が露出する開口を形成する。
【0036】(c)次に、電子ビーム蒸着法によりAl
の犠牲層4を垂直方向から所定の角度傾けた斜め方向か
ら約100nm厚に堆積する。この工程では、犠牲層が
斜め上方から堆積されるために、エミッタ形成領域とな
る露出したシリコン基板1上には成膜せず、絶縁層2の
側壁及びゲート電極3aとダミー電極3b上に成膜され
る。次に、例えばMo等のエミッタ材料層5を垂直方向
から電子ビーム蒸着法により堆積する。この工程で、犠
牲層4及びシリコン基板1上にエミッタ材料層5が成長
し、シリコン基板1上のエミッタ材料層の形状がコーン
形となり、エミッタ5aが形成される。
の犠牲層4を垂直方向から所定の角度傾けた斜め方向か
ら約100nm厚に堆積する。この工程では、犠牲層が
斜め上方から堆積されるために、エミッタ形成領域とな
る露出したシリコン基板1上には成膜せず、絶縁層2の
側壁及びゲート電極3aとダミー電極3b上に成膜され
る。次に、例えばMo等のエミッタ材料層5を垂直方向
から電子ビーム蒸着法により堆積する。この工程で、犠
牲層4及びシリコン基板1上にエミッタ材料層5が成長
し、シリコン基板1上のエミッタ材料層の形状がコーン
形となり、エミッタ5aが形成される。
【0037】(d)次に、リン酸等の溶液中で犠牲層4
をエッチング除去する。これにより犠牲層4上のエミッ
タ材料層5がリフトオフされてエミッタ5aが露出す
る。図6に第3実施例の平面図を示す。図6中のA−B
間の断面図が図5の(d)である。
をエッチング除去する。これにより犠牲層4上のエミッ
タ材料層5がリフトオフされてエミッタ5aが露出す
る。図6に第3実施例の平面図を示す。図6中のA−B
間の断面図が図5の(d)である。
【0038】この実施例では、ゲート電極3aの周り
に、ゲート電極に電気的に接続されていないダミー電極
3bが形成される。このダミー電極3bに、鋭角の突出
部を形成することにより、ダミー電極3bがゲート電極
3aより放電し易くなり、ゲート電極3aが保護され
る。なお、この実施例では、ゲート電極3aのコーナー
部分の形状を円弧としているが、ダミー電極3bの鋭角
の突出部より大きな角度であれば、ゲート電極3aのコ
ーナー部分の形状が角度を持っても円弧の場合と同様の
効果がある。また、ダミー電極3bはその内周と外周の
双方に鋭角の突出部を設けたが、これに限ることなく、
外周のみとしてもよい。例えば、ゲート電極3aに近い
ダミー電極3bの内周のコーナー部を鈍角とすると、ゲ
ート電極3aに対する放電時の破壊の影響が少なくなる
効果がある。また、ダミー電極3bがゲート電極3aを
完全に囲むように示したが、これに限らず部分的に形成
しても効果がある。さらに、断面形状を鈍角とする第1
実施例と併用すると、ゲート電極に対する放電抑制効果
が大きくなる。
に、ゲート電極に電気的に接続されていないダミー電極
3bが形成される。このダミー電極3bに、鋭角の突出
部を形成することにより、ダミー電極3bがゲート電極
3aより放電し易くなり、ゲート電極3aが保護され
る。なお、この実施例では、ゲート電極3aのコーナー
部分の形状を円弧としているが、ダミー電極3bの鋭角
の突出部より大きな角度であれば、ゲート電極3aのコ
ーナー部分の形状が角度を持っても円弧の場合と同様の
効果がある。また、ダミー電極3bはその内周と外周の
双方に鋭角の突出部を設けたが、これに限ることなく、
外周のみとしてもよい。例えば、ゲート電極3aに近い
ダミー電極3bの内周のコーナー部を鈍角とすると、ゲ
ート電極3aに対する放電時の破壊の影響が少なくなる
効果がある。また、ダミー電極3bがゲート電極3aを
完全に囲むように示したが、これに限らず部分的に形成
しても効果がある。さらに、断面形状を鈍角とする第1
実施例と併用すると、ゲート電極に対する放電抑制効果
が大きくなる。
【0039】次に、本発明の第4実施例について図7及
び図8により説明する。
び図8により説明する。
【0040】図7において、始めに(a)、約1015/
cm3の濃度のn型シリコン基板1の表面に熱酸化によ
り形成された酸化膜等の約500nm厚の絶縁膜2を形
成した後、W等の金属膜よりなる電極膜3をスパッタ等
の方法で約200nm厚に堆積し、電極膜3をレジスト
等のマスクを用いて選択的にエッチングしてゲート電極
3aを形成する。
cm3の濃度のn型シリコン基板1の表面に熱酸化によ
り形成された酸化膜等の約500nm厚の絶縁膜2を形
成した後、W等の金属膜よりなる電極膜3をスパッタ等
の方法で約200nm厚に堆積し、電極膜3をレジスト
等のマスクを用いて選択的にエッチングしてゲート電極
3aを形成する。
【0041】(b)次に、約500nm厚にAlの犠牲
層6をスパッタ法または電子ビーム蒸着法等の方法で堆
積し、レジストを形成して、フォトリソグラフィ法でダ
ミー電極3b上に開口を形成し、犠牲層6を選択的にエ
ッチングしてダミー電極3bを露出させる。さらに、フ
ォトリソグラフィ法でエミッタ形成領域の犠牲層6、ゲ
ート電極3a及び絶縁膜2に開口を形成する。
層6をスパッタ法または電子ビーム蒸着法等の方法で堆
積し、レジストを形成して、フォトリソグラフィ法でダ
ミー電極3b上に開口を形成し、犠牲層6を選択的にエ
ッチングしてダミー電極3bを露出させる。さらに、フ
ォトリソグラフィ法でエミッタ形成領域の犠牲層6、ゲ
ート電極3a及び絶縁膜2に開口を形成する。
【0042】(c)次に、例えばMo等のエミッタ材料
層5を垂直方向から電子ビーム蒸着法により堆積する。
この工程で犠牲層6及び露出しているダミー電極3b上
とシリコン基板1上にエミッタ材料層5が堆積され、ダ
ミー電極3b及びシリコン基板1上の形状がコーン形状
となり、それぞれダミーエミッタ5b及びエミッタ5a
が形成される。
層5を垂直方向から電子ビーム蒸着法により堆積する。
この工程で犠牲層6及び露出しているダミー電極3b上
とシリコン基板1上にエミッタ材料層5が堆積され、ダ
ミー電極3b及びシリコン基板1上の形状がコーン形状
となり、それぞれダミーエミッタ5b及びエミッタ5a
が形成される。
【0043】次に、図8に示すように、リン酸等の溶液
中で犠牲層6をエッチング除去する。これにより、犠牲
層6上のエミッタ材料層5がリフトオフされエミッタ5
aが露出する。また、ダミー電極3b上には先鋭な形状
のダミーエミッタ5bが形成される。
中で犠牲層6をエッチング除去する。これにより、犠牲
層6上のエミッタ材料層5がリフトオフされエミッタ5
aが露出する。また、ダミー電極3b上には先鋭な形状
のダミーエミッタ5bが形成される。
【0044】図9に第4実施例の電界放出型冷陰極の平
面図を示す。図9中のA−B間の断面図が図8である。
図のように、ゲート電極3aの周囲を囲むダミー電極3
bが配置され、ダミー電極3bの一部にゲート電極3a
よりも高い構造の突起物、この実施例では先鋭な屋根状
と円錐状のダミーエミッタ5bが形成されている。これ
により、高さ方向に先鋭な突起構造を有するダミーエミ
ッタ5bからの放電が支配的となり、これまで説明した
平面構造の例よりもゲート電極の放電が抑制される。こ
の実施例ではエミッタ形成工程を利用してダミーエミッ
タ5bを形成したが、レーザーCVD等の方法で選択的
にダミー電極5b上に形成する方法等を利用してもよ
い。また、さらに、ゲート電極3aの形状を第1実施例
のように鈍角のコーナーの断面形状に形成することによ
り、ゲート電極の放電を抑制する効果を増大することが
できる。
面図を示す。図9中のA−B間の断面図が図8である。
図のように、ゲート電極3aの周囲を囲むダミー電極3
bが配置され、ダミー電極3bの一部にゲート電極3a
よりも高い構造の突起物、この実施例では先鋭な屋根状
と円錐状のダミーエミッタ5bが形成されている。これ
により、高さ方向に先鋭な突起構造を有するダミーエミ
ッタ5bからの放電が支配的となり、これまで説明した
平面構造の例よりもゲート電極の放電が抑制される。こ
の実施例ではエミッタ形成工程を利用してダミーエミッ
タ5bを形成したが、レーザーCVD等の方法で選択的
にダミー電極5b上に形成する方法等を利用してもよ
い。また、さらに、ゲート電極3aの形状を第1実施例
のように鈍角のコーナーの断面形状に形成することによ
り、ゲート電極の放電を抑制する効果を増大することが
できる。
【0045】次に、第5実施例の作製工程を図10に示
す断面図により説明する。
す断面図により説明する。
【0046】この電界放出型冷陰極は、約1015/cm
3の濃度のn型シリコン基板1上の表面に熱酸化により
形成された酸化膜等の約500nm厚の絶縁膜2と、M
o等のエミッタ5aが形成され、絶縁膜2の上にエミッ
タ5aを囲む約200nmのゲート電極3aとゲート電
極3aの周囲に配置されたゲート電極3aよりも部分的
に厚くなり先鋭な稜線部を有する台形状のダミー電極3
bとが形成された構造となっている。この台形状のダミ
ー電極3bは、厚い部分に選択的にダミー電極材料を幅
を変えて積層を繰返すことにより形成することができ
る。この方法でも、ダミー電極自体が高さ方向に先鋭な
形状を有しているため、第4実施例と同様な効果が得ら
れ、ゲート電極の放電よりもダミー電極の放電が優先し
て発生するために、結果的にゲート電極の放電が抑制さ
れる。さらに第1実施例のようにゲート電極3aの断面
形状を鈍角とすることにより、ゲート電極の放電抑制効
果を増大できる。
3の濃度のn型シリコン基板1上の表面に熱酸化により
形成された酸化膜等の約500nm厚の絶縁膜2と、M
o等のエミッタ5aが形成され、絶縁膜2の上にエミッ
タ5aを囲む約200nmのゲート電極3aとゲート電
極3aの周囲に配置されたゲート電極3aよりも部分的
に厚くなり先鋭な稜線部を有する台形状のダミー電極3
bとが形成された構造となっている。この台形状のダミ
ー電極3bは、厚い部分に選択的にダミー電極材料を幅
を変えて積層を繰返すことにより形成することができ
る。この方法でも、ダミー電極自体が高さ方向に先鋭な
形状を有しているため、第4実施例と同様な効果が得ら
れ、ゲート電極の放電よりもダミー電極の放電が優先し
て発生するために、結果的にゲート電極の放電が抑制さ
れる。さらに第1実施例のようにゲート電極3aの断面
形状を鈍角とすることにより、ゲート電極の放電抑制効
果を増大できる。
【0047】以上の説明で、エミッタをMo等の金属膜
により形成するとしたが、本発明は、エミッタ材料とし
ては金属材料に限らず、シリコンを先鋭化したエミッタ
を有する電界放出型冷陰極でも、あるいはシリコン上に
金属材料を薄くコーティングしたエミッタを有する電界
放出型冷陰極でもいずれにも適用することが可能であ
る。
により形成するとしたが、本発明は、エミッタ材料とし
ては金属材料に限らず、シリコンを先鋭化したエミッタ
を有する電界放出型冷陰極でも、あるいはシリコン上に
金属材料を薄くコーティングしたエミッタを有する電界
放出型冷陰極でもいずれにも適用することが可能であ
る。
【0048】さらに、電界放出型冷陰極を電子銃として
利用した表示装置は、通常、真空中の動作が要求される
ため、表示装置に電子銃を組み込んだのち、これを交換
することは困難であった。特に、フラットパネルディス
プレイの場合には、放電破壊により素子が短絡破壊し、
その箇所で電子銃としての放出電流量が変化すると、周
辺の輝度との間に差が生じたり、あるいは暗点として残
つて、装置の動作不良となる。このようなとき、本発明
による電界放出型冷陰極を電子銃としてフラットパネル
ディスプレイに適用すると、複数の電子銃が破壊するこ
となく動作し、表示装置の表示動作を長く続けて寿命を
伸ばすことができる。なお、表示装置としては、フラッ
トパネルに限らず、ディスプレイ用陰極管(CRT)で
も同様である。
利用した表示装置は、通常、真空中の動作が要求される
ため、表示装置に電子銃を組み込んだのち、これを交換
することは困難であった。特に、フラットパネルディス
プレイの場合には、放電破壊により素子が短絡破壊し、
その箇所で電子銃としての放出電流量が変化すると、周
辺の輝度との間に差が生じたり、あるいは暗点として残
つて、装置の動作不良となる。このようなとき、本発明
による電界放出型冷陰極を電子銃としてフラットパネル
ディスプレイに適用すると、複数の電子銃が破壊するこ
となく動作し、表示装置の表示動作を長く続けて寿命を
伸ばすことができる。なお、表示装置としては、フラッ
トパネルに限らず、ディスプレイ用陰極管(CRT)で
も同様である。
【0049】
【発明の効果】上述のように本発明は、ゲート電極の平
面形状または断面形状に鋭角の突出部や稜線部を作らな
いように形成することにより、簡略な工程の付加で、電
界の集中を避けて放電の発生を抑制し、ゲート電極の放
電による素子の破壊を減少できる効果がある。
面形状または断面形状に鋭角の突出部や稜線部を作らな
いように形成することにより、簡略な工程の付加で、電
界の集中を避けて放電の発生を抑制し、ゲート電極の放
電による素子の破壊を減少できる効果がある。
【0050】また、ゲート電極の周辺にゲート電極のコ
ーナーや突出部よりも小さな角度の内角の突出部を有す
るダミー電極を設けることにより、ゲート電極に生じる
放電をダミー電極に誘導して、ゲート電極の放電障害を
抑制できる効果がある。
ーナーや突出部よりも小さな角度の内角の突出部を有す
るダミー電極を設けることにより、ゲート電極に生じる
放電をダミー電極に誘導して、ゲート電極の放電障害を
抑制できる効果がある。
【0051】また、ゲート電極の放電障害を抑制できる
本発明の電界放出型冷陰極を表示装置、例えばフラット
パネルディスプレイやディスプレイ用陰極管の電子銃と
して用いることにより、表示装置の寿命を延長できる効
果がある。
本発明の電界放出型冷陰極を表示装置、例えばフラット
パネルディスプレイやディスプレイ用陰極管の電子銃と
して用いることにより、表示装置の寿命を延長できる効
果がある。
【図1】本発明の第1実施例の断面図である。
【図2】本発明の第1実施例の平面図である。
【図3】本発明の第1実施例の作製工程順の断面図であ
る。
る。
【図4】本発明の第2実施例の断面図と平面図である。
【図5】本発明の第3実施例の作製工程順の断面図であ
る。
る。
【図6】本発明の第3実施例の平面図である。
【図7】本発明の第4実施例の作製工程順の断面図であ
る。
る。
【図8】本発明の第4実施例の断面図である。
【図9】本発明の第4実施例の平面図である。
【図10】本発明の第5実施例の断面図である。
【図11】従来の電界放出型冷陰極の1例の断面図であ
る。
る。
【図12】従来の電界放出型冷陰極の1例の断面図であ
る。
る。
【符号の説明】 1 シリコン基板 2,8 絶縁膜 3 ゲート電極材料層 3a ゲート電極 3b ダミー電極 4,6 犠牲層 5 エミッタ材料層 5a エミッタ 5b ダミーエミッタ 7 アノード電極
Claims (11)
- 【請求項1】 先鋭な先端形状を有するエミッタと、前
記エミッタ上に開口を有するゲート電極とを有する電界
放出型冷陰極において、 前記ゲート電極は、その表面に先端が鋭角である突出部
および稜線部を有しないことを特徴とする電界放出型冷
陰極。 - 【請求項2】 ゲート電極の断面形状において、ゲート
電極の突出部と稜線部の先端が鈍角と円弧状のいずれか
により形成される請求項1に記載の電界放出型冷陰極。 - 【請求項3】 ゲート電極の平面形状において、ゲート
電極の突出部と稜線部の先端が鈍角と円弧状のいずれか
により形成される請求項1または2に記載の電界放出型
冷陰極。 - 【請求項4】 ゲート電極の周辺にダミー電極が形成さ
れる請求項1に記載の電界放出型冷陰極。 - 【請求項5】 先端形状が先鋭なエミッタと、前記エミ
ッタ上に開口を有するゲート電極とを有する電界放出型
冷陰極において、 前記ゲート電極の周辺にダミー電極が形成されることを
特徴とする電界放出型冷陰極。 - 【請求項6】 ダミー電極がゲート電極よりも小さな内
角の突出部を有する請求項4または5に記載の電界放出
型冷陰極。 - 【請求項7】 ダミー電極が平面形状においてゲート電
極よりも小さな内角の突出部を少なくとも1つ有する請
求項6に記載の電界放出型冷陰極。 - 【請求項8】 ダミー電極が断面形状においてゲート電
極よりも小さな内角の突出部を少なくとも1つ有する請
求項6に記載の電界放出型冷陰極。 - 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれかに記載の電界
放出型冷陰極を電子銃として用いた表示装置。 - 【請求項10】 フラット・パネル・ディスプレイであ
る請求項9に記載の表示装置。 - 【請求項11】 ディスプレイ用陰極管である請求項9
に記載の表示装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31216396A JP3127844B2 (ja) | 1996-11-22 | 1996-11-22 | 電界放出型冷陰極 |
US08/957,778 US6018215A (en) | 1996-11-22 | 1997-10-27 | Field emission cold cathode having a cone-shaped emitter |
KR1019970062054A KR100250019B1 (ko) | 1996-11-22 | 1997-11-21 | 전계 방출형 냉음극과 그 제조 방법 및그것을이용한 표시 장치 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31216396A JP3127844B2 (ja) | 1996-11-22 | 1996-11-22 | 電界放出型冷陰極 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10154459A true JPH10154459A (ja) | 1998-06-09 |
JP3127844B2 JP3127844B2 (ja) | 2001-01-29 |
Family
ID=18026003
Family Applications (1)
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JP31216396A Expired - Fee Related JP3127844B2 (ja) | 1996-11-22 | 1996-11-22 | 電界放出型冷陰極 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6018215A (ja) |
JP (1) | JP3127844B2 (ja) |
KR (1) | KR100250019B1 (ja) |
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US9431205B1 (en) * | 2015-04-13 | 2016-08-30 | International Business Machines Corporation | Fold over emitter and collector field emission transistor |
Family Cites Families (17)
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JP2910837B2 (ja) * | 1996-04-16 | 1999-06-23 | 日本電気株式会社 | 電界放出型電子銃 |
-
1996
- 1996-11-22 JP JP31216396A patent/JP3127844B2/ja not_active Expired - Fee Related
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1997
- 1997-10-27 US US08/957,778 patent/US6018215A/en not_active Expired - Fee Related
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