JP2000123713A - 電子放出素子およびその製造方法、ならびにこれを用いたディスプレイ装置 - Google Patents

電子放出素子およびその製造方法、ならびにこれを用いたディスプレイ装置

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JP2000123713A
JP2000123713A JP29414998A JP29414998A JP2000123713A JP 2000123713 A JP2000123713 A JP 2000123713A JP 29414998 A JP29414998 A JP 29414998A JP 29414998 A JP29414998 A JP 29414998A JP 2000123713 A JP2000123713 A JP 2000123713A
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electron
cathode electrode
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Akio Kawasaki
明朗 川崎
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Sony Corp
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  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)
  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)
  • Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動電圧が小さく、放出電子密度が大きい電
界放出型の電子放出素子およびその製造方法、ならびに
これを用いたディスプレイ装置を提供する。 【解決手段】 単位電子放出素子の電子放出部分となる
開口17の平面形状を6角形とし、その底部にカーボン
膜18を形成する。このカーボン膜18の表面は微細突
起を有し、カソード電極ライン13表面より基板11側
に位置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子放出素子および
その製造方法、ならびにこれを用いたディスプレイ装置
に関し、さらに詳しくは、カソード電極に臨む開口の平
面形状に特徴を有する冷陰極型(電界放出型)電子放出
素子およびその製造方法、ならびにこれを用いたディス
プレイ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】薄型のフラットパネルディスプレイ装置
として、パネル内部に微小な電子放出素子をマトリクス
状に設け、ここに所定の駆動電圧を選択的に印加して放
出した電子を、対向するパネルの螢光面に照射し、画像
を形成する、冷陰極 (Cold Cathode) 型あるいは電界放
出 (Field Emission) 型のものが提案されている。
【0003】従来の冷陰極型電子放出素子を図13の概
略断面図を参照して説明する。ガラス等の基板11表面
に、複数のストライプ状カソード電極ライン13と、絶
縁層14と、複数のストライプ状ゲート電極ライン15
が形成されている。このカソード電極ラインとゲート電
極ラインとは交叉、すなわち通常は直交するように配列
されており、マトリクスを構成している。各カソード電
極ライン13およびゲート電極ライン15は、その接続
端部13c,15cで制御手段19に接続され、選択的
に駆動電圧が印加される。各カソード電極ライン13お
よびゲート電極ライン15の交叉領域は、ディスプレイ
装置の1画素に対応している。図13はこの1画素部分
の概略断面図である。
【0004】この交叉領域においては、カソード電極ラ
イン13に臨む複数の微小な開口17が、ゲート電極ラ
イン15および絶縁層14を貫通して形成されている。
開口17の平面形状は円形である。この開口17内に
は、円錐形状のマイクロチップ31が埋め込まれ、カソ
ード電極ライン13と電気的に一体化されている。マイ
クロチップ31はWやMo等の高融点金属からなり、そ
の尖端はゲート電極ライン15とほぼ同一面に位置す
る。
【0005】この交叉領域に制御手段19から所定の電
圧が印加されると、各マイクロチップ31の尖端からト
ンネル効果により電子が放出される。この印加電圧は、
マイクロチップ31の材料がMoの場合、尖端付近の電
界強度が108 〜1010V/m程度に達する。
【0006】図13の電子放出素子をディスプレイ装置
に適用する場合には、ゲート電極ライン15と所定の間
隔を隔てて設けられた透明なパネル基板(不図示)と組
み合わせ構成される。パネル基板には、やはりストライ
プ状のアノード電極ラインと、このアノード電極ライン
に対応して螢光ストライプが形成されている。アノード
電極ラインは、ITO (Indium Tin Oxide) 等の透明導
電材料からなり、その接続端部においてやはり制御手段
19に接続されている。基板11とパネル基板間の空間
は高真空領域である。
【0007】かかる構成により、マイクロチップ31尖
端から放出された電子は、カソード電極ライン13とア
ノード電極ラインとの間に印加された電圧により加速さ
れて螢光ストライプに入射し、可視光に変換される。こ
の可視光は、透明なアノード電極ラインやパネル基板を
介して観察される。なおカラーディスプレイ装置の場合
には、アノード電極ラインおよび螢光ストライプを、
R,G,Bの各色に対応して分割配置する。
【0008】上述した図13に示す電子放出素子は、次
の問題点を有する。その第1は、マイクロチップ31、
特にその尖端を均一に製造することの困難性である。こ
の部分の形状が不均質であると、放出される電子、すな
わち電流量が各画素で不均一となり、ディスプレイ装置
のパネル基板上の光輝点も不均一なものとなり、画像品
質が劣化する。
【0009】第2として、高真空領域に残存するガスが
イオン化し、マイクロチップ31をスパッタリングする
ことにより、マイクロチップ31の尖端形状が経時変化
で劣化し易く、放出電子量が減少する問題がある。
【0010】第3に、マイクロチップ31から放出され
る電子の飛行方向が、基板に立てた垂線に対し±30°
程度の範囲で広がるため、螢光ストライプ面の発光領域
も拡大する。これはディスプレイ装置の高精彩化の点で
不利である。
【0011】第4は製造プロセス上の問題である。マイ
クロチップ31は、通常ゲート電極ライン15上にリフ
トオフスペーサを残しておき、Mo等の高融点金属を真
空蒸着して形成される。真空蒸着法の特性であるステッ
プカバレッジの悪さを逆に利用することにより、円錐形
のマイクロチップ31がセルフアラインで形成される。
この後、リフトオフスペーサ上にも堆積したMo等の高
融点金属をリフトオフで除去する。このとき剥離した金
属片が、狭い開口17内に付着すると短絡を発生する可
能性が高く、製造のスループットが低下する。
【0012】これらの問題点を回避するため、平面の電
子放出面を用いた電子放出素子が特開平8−55564
号公報に提案されている。図14はその要部概略断面図
である。図14では図13の電子放出素子と同様の機能
を有する部分には同一の参照符号を付し、その説明は省
略する。すなわち、基板11上に、ダイアモンド等の低
仕事関数物質層32および金属等の導電接触層33が形
成され、実質的にカソード電極ラインを構成している。
導電接触層33は、低仕事関数物質層32からSiO2
等の絶縁層14に電子が注入されることによる絶縁破壊
を防止する機能を有し、必要に応じて形成される。かか
る構成により、開口17底部の平面状の低仕事関数物質
層32表面から、電子が効率的に放出されるというもの
である。開口17の平面形状は、やはり円形を主体とし
たものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らの検討によると、図14に示す構造の電子放出素子
は、低仕事関数物質層32を形成した後に、その上部構
造であるSiO2 等の絶縁層14等を形成しなければな
らないという工程上の問題がある。すなわち、低仕事関
数物質層32上にスパッタリングやプラズマCVD法に
よりSiO2 等の絶縁層14等を形成すると、低仕事関
数物質層32表面がプラズマに曝されダメージを受け
る。またさらに開口17を形成する際にも、低仕事関数
物質層32表面がRIE (Reactive Ion Etching) 等に
よるイオン入射に曝され、ダメージを受ける。このた
め、低仕事関数物質層32が持つ本来の電子放出能力が
充分に発揮されない。また高輝度のために必要とされる
放出電子密度が得られたとしても、ゲート電極ライン1
5と低仕事関数物質層32との間に印加する電圧が比較
的高くなり、絶縁破壊が懸念される等の問題点を有す
る。
【0014】さらに、いずれの構造の電子放出素子にお
いても、開口の平面形状は円形である。したがって、カ
ソード電極ラインおよびゲート電極ライン15の交叉領
域における開口の占有面積率が自ずから制限される。し
たがって、この交叉領域から放出される電子の量も制限
され、この面からもディスプレイ装置の輝度の向上に限
界が生じる。
【0015】本発明はこのような従来技術の問題点に鑑
みてなされたものである。すなわち、本発明の課題は、
駆動電圧が低く、放出される電子量が多く均一であると
ともに電子ビームの拡がりが少なく、しかも長寿命であ
り、短絡の虞の少ない電子放出素子およびその製造方法
を提供することである。また本発明の他の課題は、かか
る電子放出素子を用いた、低電圧駆動で、画面の輝度が
高く均一であるとともに高精彩であり、製造歩留りが高
く、寿命も長いディスプレイ装置を提供することであ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は上述した課題を
達成するために提案するものである。すなわち本発明の
電子放出素子は、基板上に、複数のカソード電極ライン
と、絶縁層と、このカソード電極ラインと直交する複数
のゲート電極ラインとを、この順に有するとともに、こ
のカソード電極ラインと前記ゲート電極ラインの交叉領
域において、ゲート電極ラインおよび絶縁層には、この
カソード電極ラインに臨む複数の開口を有する電子放出
素子であって、この開口の平面形状は、いずれも6角形
をなし、隣り合うこの開口は、開口の側壁を隣接して最
密充填配置されていることを特徴とする。側壁を隣接し
て最密充填するとは、開口同士がある間隔を空けて蜂の
巣状に規則的に配置されているという意味である。この
間隔は、6角形をなす開口の対辺長以下、好ましくは対
辺長の1/2以下が選ばれる。間隔の下限の制限は特に
ないが、製造技術上の限界、すなわちリソグラフィや、
RIEにおけるエッチングマスクの耐久性等により制限
される。このように6角形の開口を最密充填することに
より、カソード電極ラインとゲート電極ラインとの交叉
領域における開口の占有面積率を向上し、電子の放出量
を高めることができる。
【0017】開口の平面形状は、いずれも正6角形であ
ることが望ましい。正6角形の対辺長は、通常0.5μ
m〜5μm、望ましくは0.7μm〜2μm程度が選ば
れる。一例として、正6角形の対辺長を1.0μm、隣
接する正6角形の辺同士の間隔を0.2μmとして最密
充填した場合の開口率は69.5%である。一方、開口
平面形状を従来の円形とし、その直径を1.0μm、隣
接する円の円弧同士の間隔を0.2μmとした場合の開
口率は63.0%である。したがって、本発明の採用に
より、10%以上の開口率向上が達成される。
【0018】またこの開口は、ゲート電極ライン、絶縁
層、およびカソード電極ラインの厚さ方向の一部にわた
り形成されていることが望ましい。すなわち、開口の底
面は、カソード電極ラインの実質的な表面より基板側に
凹んだ位置にあることが望ましい。凹みの深さは、開口
の対辺長や絶縁膜の厚さによるが、通常はこれらの値の
5〜30%程度、望ましくは10%程度が選ばれる。
【0019】かかる開口形状とすることにより、開口底
面の端部より、中心部に寄った位置にあるカソード電極
ライン表面に最大強度の電界が印加される。換言すれ
ば、電界放出電流は、開口底面端部より、中心に寄った
位置で最大となり、主としてこの位置で電子放出が生じ
る。このように、主たる電子放出が発生するカソード電
極ラインの露出位置は、開口底部端部から離間している
ので、放出される電子はゲート電極ラインに入射するこ
となく、アノード電極ラインに効率よく入射する。同様
に、放出された電子は絶縁層に入射することがないの
で、絶縁層のチャージアップによる異常放電等の事故の
虞もない。
【0020】ところで、開口底部の周縁部では、カソー
ド電極ラインに段差が発生しているので、等電位面は大
きく曲がっている。したがって、開口底部の周縁部から
放出される電子は、ゲート電極ライン表面の垂直方向か
らずれた軌道を描き、アノード電極ラインに対しミスラ
ンディングする可能性がある。しかしながら、開口底部
の周縁部の電界強度は、中心部の電界強度に比して充分
小さいので、電子は放出されないか、放出されたとして
も非常に低い電子密度であるので、実用上の影響は無視
できる程度である。
【0021】開口底部に露出するカソード電極ラインの
少なくとも表面は、カーボン膜であることが望ましい。
またこのカーボン膜表面は、複数の微細突起を有するこ
とが望ましい。微細突起の高さは、例えば5nm以上3
0nm程度以下が望ましい。この範囲に微細突起の高さ
を設定することにより、電子を効率的に、しかも異常放
電等の虞なく放出することができる。
【0022】カーボン膜は、本来電子放出能力に優れる
ものであるが、その表面に複数の微細突起を高密度に有
するので、電子放出の機能がさらに向上する。これら微
細突起はカーボンナノチューブ構造や、グラファイト、
フラーレン等のフラグメントやポリマを含むものであ
る。この結果、50V/μm程度あるいはこれ以下の低
電界強度であっても、高輝度のディスプレイ装置として
必要な電子密度をカーボン膜表面から取り出すことがで
きる。すなわち、絶縁層の厚さを1μm程度に設定すれ
ば、カソード電極ラインとゲート電極ラインとの間に印
加する駆動電圧は数十V程度以下の低電圧ですむ。
【0023】カソード電極ラインとゲート電極ラインの
少なくとも交叉領域におけるカソード電極ラインは、格
子状の平面形状をなし、この格子状のカソード電極ライ
ンとカーボン膜との間に、カソード抵抗層を有すること
が望ましい。
【0024】かかるカソード電極構造とすることによ
り、カソード電極ラインとゲート電極ラインとが短絡し
た場合でも、カーボン膜やゲート電極の放電破壊を防止
することができる。カソード抵抗層は、高抵抗金属やそ
の化合物、あるいはP、BやAs等の不純物をドープし
たシリコン等の半導体が選ばれる。
【0025】つぎに本発明の電子放出素子の製造方法
は、基板上に、カソード電極ラインと、絶縁層と、この
カソード電極ラインと交叉するゲート電極ラインとを、
この順に形成する工程と、このカソード電極ラインと前
記ゲート電極ラインの交叉領域において、該ゲート電極
ラインおよび前記絶縁層に、該カソード電極ラインに臨
む開口を形成する工程を有する電子放出素子の製造方法
であって、この開口の形成工程においては、開口の平面
形状が6角形をなすとともに、隣り合う開口が、開口の
側壁を隣接して最密充填配置されるようにパターニング
することを特徴とする。開口の形成工程においては、こ
の開口の平面形状を、いずれも正6角形にパターニング
することが望ましい。かかる形状へのパターニングは、
ゲート電極ライン上に同一平面形状のエッチングマスク
を形成し、これをマスクとしてゲート電極ラインと絶縁
膜を反応性イオンエッチングやスパッタエッチングする
ことによりなされる。
【0026】この開口の形成工程においては、ゲート電
極ライン、絶縁層、および前記カソード電極ラインの厚
さ方向の一部にわたり、この開口をパターニングするこ
とが望ましい。これらは同一のエッチングマスクを用い
て連続的にエッチングすることにより形成される。
【0027】またカソード電極ラインとゲート電極ライ
ンの少なくとも交叉領域におけるこのカソード電極ライ
ンを、格子状の平面形状をなすようにパターニングする
工程と、格子状のカソード電極ラインとカーボン膜との
間に、カソード抵抗層を形成する工程をさらに有するこ
とが望ましい。
【0028】開口底部に露出するこのカソード電極ライ
ンの少なくとも表面に、カーボン膜を形成することが望
ましい。このカーボン膜の膜厚は50nm以下であるこ
とが望ましい。かかる膜厚を選択することにより、後述
する製造工程において、蒸着法やレーザアブレーション
法によりカーボン膜を形成する際に、開口底部以外にも
堆積したカーボン膜を除去しなくても、必要な絶縁耐圧
が確保される。カーボン膜の膜厚の下限は特に限定され
ないが、電子放出効率とその耐久性の観点から5nm以
上、好ましくは10nm以上が選ばれる。
【0029】カーボン膜の形成工程は、蒸着法あるいは
レーザアブレーション法によることが望ましい。またレ
ーザアブレーション法を採用する場合には、そのターゲ
ットはグラファイトまたはフラーレンを含むものを採用
することが望ましい。かかる成膜法により、複数の微細
突起を有するカーボン膜を安定に製造することができ
る。
【0030】カーボン膜は絶縁層の形成後、しかも開口
形成後に成膜されるので、成膜後にプラズマやイオンの
ダメージを受けることはない。また形成方法も蒸着法あ
るいはレーザアブレーション法を採用することにより、
形成工程においてもプラズマやイオンのダメージを受け
ることはない。このために、微細突起形状と合わせ、材
料本来が有する電子放出性の高さを利用することができ
る。さらに電子放出素子としての稼働時には、真空領域
に残存するガスによるスパッタリングを受けても、マイ
クロチップの尖端のように形状変化する虞は少ない。
【0031】なおフラーレンは球状の骨格を持つC60
子であるが、これに近似したシェル構造を有するC70
や、C59B、C59Nのようなヘテロフラーレン、M@C
60で表される金属内包フラーレンを含むものをターゲッ
トとして用いてもよい(MはLi等の金属原子を表
す)。
【0032】本発明のディスプレイ装置は、これら電子
放出素子、あるいはその製造方法により得られた電子放
出素子を、マトリクス状に構成することにより得られ
る。
【0033】
【発明の実施の形態】以下本発明の電子放出素子および
その製造方法、ならびにこれを用いたディスプレイ装置
につき、図面を参照して説明する。
【0034】〔実施形態例1〕まず、本発明の電子放出
素子の基本構成の要部を図1〜図5を参照して説明す
る。これらのうち図1は電子放出素子の単位素子の概略
断面図、図2はその概略平面図、図3は電子放出素子の
単位画素領域の概略断面図、図4はその概略平面図、図
5は図4の一部拡大平面図である。これらの図では、図
13の電子放出素子と同様の機能を有する部分には同一
の参照符号を付している。
【0035】すなわち図1の断面図に示すように、ガラ
ス等の基板11表面に、複数のストライプ状カソード電
極ライン13と、絶縁層14と、複数のストライプ状ゲ
ート電極ライン15が形成されている。カソード電極ラ
イン13とゲート電極ライン15の交叉領域において
は、ゲート電極ライン15、絶縁膜14およびカソード
電極ライン13の厚さ方向の一部にわたり、開口17が
形成され、単一の電子放出素子を構成している。開口1
7の底部には、望ましくはカーボン膜18が形成され、
電子放出面を形成している。カーボン膜18の表面は、
カソード電極ライン13表面よりも基板11側に位置す
る。
【0036】図1の電子放出素子の単位素子の平面形状
を図2に示す。開口17の平面形状は6角形、望ましく
は正6角形である。開口の底面はカソード電極ラインで
あり、その露出面には望ましくはカーボン膜18が形成
されている。
【0037】このカーボン膜は、蒸着法あるいはレーザ
アブレーション法により形成されたものであり、その表
面には複数の微細突起を有する。走査型電子顕微鏡によ
る観察では、この微細突起は5nm〜30nm程度、平
均10nm程度の高さである。
【0038】単位画素領域の電子放出素子の断面形状を
図3に示す。複数の単位画素がその開口17壁面を隣接
して並んでおり、後述するアノード電極ラインとともに
トライオード型のディスプレイ装置を構成している。各
カソード電極ライン13およびゲート電極ライン15
は、その接続端部13c,15cで制御手段19に接続
され、選択的に駆動電圧が印加される。
【0039】カソード電極ライン13とゲート電極ライ
ン15が交叉する単位画素領域の電子放出素子の平面形
状を図4に示す。複数の単位電子放出素子が、その開口
17を見せてマトリクスを構成している。
【0040】図4のマトリクス状の開口の一部、すなわ
ち図4に円で囲った部分の拡大平面図を図5に示す。6
角形、望ましくは正6角形の平面形状を有する開口17
が、隣り合う開口17とその側壁を隣接して最密充填配
置されている。
【0041】カソード電極ライン13およびゲート電極
ライン15は、Nb、Mo、WあるいはCr等の金属を
スパッタリング、蒸着法あるいはCVD(Chemical Vapo
r Deposition) 法等により形成し、これをパターニング
することにより形成される。絶縁層14はSiO2 やS
3 4 等の絶縁材料やその積層あるいは複合材料から
なり、これもスパッタリング、蒸着法あるいはCVD法
等により形成される。
【0042】かかる電子放出素子において、制御手段1
9がカソード電極ライン13およびゲート電極ライン1
5を選択し、これら電極間に所定の電圧を印加すると、
対応する画素領域の電子放出素子のカーボン膜18表面
とゲート電極ライン15間に電界が形成される。カーボ
ン膜18表面には多数の微細突起が形成されているの
で、その尖端に大きな電界が形成され、トンネル効果に
より尖端から効率的に電子が放出される。
【0043】図1〜5に示した電子放出素子をディスプ
レイ装置に適用した場合の部分斜視図を図6に示す。図
6のディスプレイ装置は、図1〜5に示した電子放出素
子がマトリクス状に形成されたカソード電極パネル10
と、アノード電極パネル20とが所定の間隔を隔てて設
けられ、構成されている。アノード電極パネル20は、
ガラス等の透明基板21上に複数のアノード電極ライン
22が形成されている。このアノード電極ライン22に
対応して不図示の螢光ストライプが形成されている。ア
ノード電極ライン22は、ITO等の透明導電材料から
なり、その接続端部においてやはり制御手段(不図示)
に接続されている。カソード電極パネル10と、アノー
ド電極パネル20との間の空間は高真空領域であり、や
はり不図示の隔壁やシール機構により封止されている。
【0044】かかる構成により、カソード電極パネル1
0に形成された電子放出素子のカーボン膜から放出され
た電子は、制御手段によりカソード電極ライン15とア
ノード電極ライン22間に印加された電圧により加速さ
れて螢光ストライプに入射し、可視光に変換される。こ
の可視光はアノード電極ラインやパネル基板を介して観
察される。なおカラーディスプレイ装置の場合は、アノ
ード電極ラインおよび螢光ストライプを、R,G,Bの
各色に対応して分割配置する。
【0045】つぎに図1〜図5に示す電子放出素子の製
造方法につき説明する。ガラス等の基板11上に、Nb
等の金属膜をスパッタリング法により400nm程度の
厚さに形成する。この後レジスト膜を塗布形成し、露光
および現像により所定のラインアンドスペースパターン
状のレジストマスクを形成する。このレジストマスクを
エッチングマスクとして、RIE (Reactive Ion Etchi
ng) により金属膜をパターニングしてカソード電極ライ
ン13を得る。エッチングガスは例えばCl2 とO2
混合ガスを用いることにより、下地の基板11とのエッ
チング選択比を確保する。
【0046】レジストマスクを剥離後、SiO2 をCV
D法により例えば1μmの厚さに形成し、絶縁層14と
する。
【0047】さらに絶縁層14上にNb等の金属膜をス
パッタリング法により100nm程度の厚さに形成し、
カソード電極ラインと同様にパターニングしてカソード
電極ラインと直交するラインアンドスペースパターン状
のゲート電極ライン15を得る。なおカソード電極ライ
ンおよびゲート電極ラインのそれぞれの幅および間隔
は、ディスプレイ装置のパネルサイズや解像度により決
定される。
【0048】レジストマスクを剥離後、あらたにレジス
ト膜を形成し、ゲート電極ライン15との交叉領域に複
数の正6角形の開口パターンを有するレジストマスクと
する。レジストマスクの複数の開口パタ−ンの平面形状
は、対辺が1μmであり、隣合う開口の辺との間隔は例
えば0.35μmであり、その辺を隣り合う正6角形の
辺と接して最密充填された蜂の巣状とする。これをエッ
チングマスクとし、ゲート電極ライン15、絶縁層14
およびカソード電極ライン13の厚さ方向の一部をRI
Eによりパターニングし、複数の正6角形の開口17を
得る。カソード電極ライン13は、全厚の約半分、20
0nm程度エッチングして開口17の底面とする。この
開口17の底面は、カソード電極ライン13の表面と平
行な平面となるようにパターニングする。開口17のR
IEは、異なる材料の積層膜のエッチングであるので、
エッチングガスを切り換えて開口を完成する。絶縁層1
4は例えばCHF3 とCH2 2との混合ガスにより異
方性エッチングすることができる。なおゲート電極ライ
ン15への、開口17の上部のパターニングは、ゲート
電極ライン15のストライプ状パターニング時に同時に
おこなってもよい。
【0049】レジストマスクを剥離後、カーボン膜を5
0nm以下、例えば30nmの厚さに形成する。この結
果、開口17の底面にはカーボン膜18が形成される。
カーボン膜18表面はカソード電極ライン13表面より
基板11側に位置する。カーボン膜18は、例えばフラ
ーレンを圧縮成形したターゲットをレーザアブレーショ
ンすることにより形成される。
【0050】カーボン膜は、ゲート電極ライン15表面
にも形成される。しかしながら、レーザアブレーション
法あるいは蒸着法の成膜特性として、入射粒子の指向性
が鋭いので、開口17の側面にはカーボン膜はほとんど
付着しない。また仮に付着したとしても、開口17底部
等の平面部での膜厚が50nm以下、本実施形態例では
30nm程度と薄く、開口17の側面への付着はさらに
薄く不連続膜となるので、ゲート電極ライン15とカソ
ード電極ライン13とが短絡する虞はない。ゲート電極
ライン15表面に形成されたカーボン膜(不図示)は除
去する必要はなく、そのままゲート電極ライン15の一
部として用いてよい。以上で実施形態例1の電子放出素
子が完成する。
【0051】本実施形態例の電子放出素子は、開口17
の平面形状が正6角形で、画素領域内に最密充填されて
いるので、画素領域の単位面積あたりから放出される電
子密度が原理的に大きい。またカーボン膜18表面には
微小突起が密に形成されているので、カーボン膜18の
単位面積あたりから放出される電子密度も大きい。
【0052】カーボン膜18の表面がカソード電極ライ
ン13の表面より基板11側に凹んで位置している。こ
の構造のため、開口17底面の最端部から離れた位置に
最大の電界がかかり、微細突起を有するカーボン膜18
から放出された電子は効率よく開口17から引き出され
る。さらに開口17底部近傍の等電位面は、カソード電
極ライン13表面と平行であり、放出された電子はカー
ボン膜18表面に対し垂直方向に揃って飛行する。した
がって、開口17の側面やゲート電極ライン15に電子
が入射する虞はなく、異常放電等の事故は発生しない。
【0053】なお本実施形態例では開口17の平面形状
は正6角形であったが、図7に示す長6角形であっても
よい。また図8に示すように6角形の開口の角部を面取
りして、なだらかな形状とすることにより、電子放出特
性をより安定化することができる。
【0054】〔実施形態例2〕本実施形態例の電子放出
素子は、カソード電極ライン13を、材料あるいは膜質
の異なる2層で形成したものであり、このカソード電極
ライン13以外の構造は前実施形態例1に準じた構造を
有する。したがって、本実施形態例の特徴部分のみを説
明し、重複する説明は省略する。
【0055】図9は実施形態例2の電子放出素子の単位
素子の概略断面図を示す。図9において、カソード電極
ライン13は上層カソード電極ライン131と下層カソ
ード電極ライン132の2層で構成されている。各層の
厚さは、ともに200nm程度である。開口17は、ゲ
ート電極ライン15、絶縁層14および上層カソード電
極ライン131を穿って形成されている。したがって、
カーボン膜18は下層カソード電極ライン132表面に
形成されており、その表面は上層カソード電極ライン1
31の表面より基板11側に位置する。
【0056】積層カソード電極ライン材料の組み合わせ
としては、エッチング特性の異なる組み合わせが好まし
い。すなわち、異種の金属材料、例えばNbとCrとの
組み合わせや、金属材料とその化合物の組み合わせ、例
えばWとWN、WとWSi2 等が可能である。また膜質
の異なる材料の組み合わせとしては、多結晶膜と非晶質
膜の組み合わせ、あるいは多孔質膜の採用等が可能であ
る。
【0057】かかる電子放出素子構造により、上層カソ
ード電極ライン131への開口形成を、下層カソード電
極ライン132に対し、選択比の良いエッチング条件で
施すことが可能となる。したがって、カソード電極ライ
ン13とカーボン膜18表面との段差を、広いカソード
電極パネルの全面に渡り均一に制御することができる。
【0058】したがって、カソード電極パネルの広い範
囲に渡り均一な電界強度をカーボン膜18表面近傍に形
成することができ、均一な放出電流密度を得ることがで
きる。その他の構成や効果は前実施形態例1と同様であ
る。なお本実施形態例において、カソード電極ライン1
3を3層以上の積層膜に形成してもよい。
【0059】〔実施形態例3〕本実施形態例は単位画素
領域のカソード電極ラインを格子状に形成した例であ
る。このカソード電極ライン13周辺以外の構造は前実
施形態例1に準じた構造を有する。したがって、本実施
形態例でも特徴部分のみを説明し、重複する説明は省略
する。
【0060】図10は実施形態例3の電子放出素子の単
位画素領域の概略平面図を示す。また図11は、図10
の単位格子部分の概略断面図、すなわちA−A断面図で
ある。図10および図11に示すように、カソード電極
ライン13とゲート電極ライン15との交叉領域におい
て、カソード電極ライン13は複数の格子状に分割され
ている。単位格子の平面形状は正方形、長方形あるいは
6角形等任意の形状でよい。図10は正方形の例を示
す。カソード電極ライン13の材料は、同じくNb、M
o、WあるいはCr等の金属でよい。
【0061】格子状のカソード電極ライン13上には薄
膜13aが形成され、電気的に実質的に同電位となって
カソード電極ライン13の一部を構成している。単位格
子内には、6角形の平面形状を有する複数の開口17が
形成されている。したがって、開口17はゲート電極ラ
イン15、絶縁層14および薄膜13aの厚さ方向の一
部を穿って形成されている。開口17の底面にはカーボ
ン膜18が形成されており、その表面は薄膜13aの表
面より基板11側に位置する。
【0062】薄膜13aの材料は比較的高抵抗な金属や
金属化合物、あるいは半導体、例えば不純物をドープし
たSiやGe等が選ばれる。
【0063】実施形態例3の電子放出素子構造によれ
ば、格子状のカソード電極ライン13と開口17との距
離を充分にとることができる。したがって、開口17内
に導体粒子等のごみが入り込んでカソード電極ライン1
5とゲート電極ライン13が短絡しても、カーボン膜1
8や薄膜13aの放電破壊あるいは絶縁破壊を防止する
ことができる。これは薄膜13aを高抵抗材料で構成し
た場合に特に有利に得られる効果である。その他の構成
や効果は前実施形態例1と同様である。なお、カソード
電極ライン13は薄膜13aの上に接して格子状に形成
してもよい。
【0064】〔実施形態例4〕本実施形態例の電子放出
素子は、前実施形態例3における薄膜13aを、材料あ
るいは膜質の異なる2層で形成したものであり、この薄
膜13a以外の構造は前実施形態例3に準じた構造を有
する。すなわちカソード電極ライン13は格子状に形成
されている。したがって、本実施形態例の特徴部分のみ
を説明し、重複する説明は省略する。
【0065】図12は実施形態例4の電子放出素子の単
位格子部分の概略断面図を示す。図12において、カソ
ード電極ライン13は、ゲート電極ライン15との交叉
領域において前実施形態例3と同様に格子状に分割され
ている。格子状のカソード電極ライン13上には、薄膜
131aおよび薄膜132aの積層からなる薄膜13a
が形成され、電気的に実質的に同電位となってカソード
電極ライン13の一部を構成している。単位格子内に
は、6角形の平面形状を有する複数の開口17が最密充
填で形成されている。開口17はゲート電極ライン1
5、絶縁層14および薄膜131aを穿って形成されて
いる。開口17の底面にはカーボン膜18が形成されて
おり、その表面は薄膜131aの表面より基板11側に
位置する。
【0066】薄膜13aの材料は比較的高抵抗な金属や
その化合物、あるいは半導体、不純物をドープしたSi
やGe等が選ばれる。特に薄膜131aおよび薄膜13
2aの材料を、SiとGe、あるいは不純物濃度の異な
るSi等、いずれも高抵抗材料で構成した場合には、前
実施形態例3と同様な絶縁破壊あるいは放電破壊防止効
果が得られる。
【0067】また薄膜131aおよび薄膜132aをエ
ッチング特性の異なる異種の材料で構成すれば、開口1
7を形成する場合に、エッチング選択比の違いによるエ
ッチングストップ効果を利用して、開口17の深さ精度
をカソード電極パネル全面で均一に形成することができ
る。
【0068】したがって、カソード電極パネルの広い範
囲に渡り均一な電界強度をカーボン膜18表面近傍に形
成することができ、均一な放出電流密度を得ることがで
きる。その他の構成や効果は前実施形態例1と同様であ
る。なお本実施形態例においても、格子状のカソード電
極ライン13を薄膜13aの上に接して形成してもよ
く、薄膜131aと薄膜132aの間に形成してもよ
い。また薄膜13aを3層以上に形成してもよい。
【0069】以上本発明を詳細に説明したが、電子放出
素子の各構成部分の材料、形成方法等は適宜変更が可能
である。特にカーボン膜の形成方法はフラーレンのレー
ザアブレーション法の他に、グラファイトのレーザアブ
レーション法や、グラファイトやフラーレンを含む炭素
材料の蒸着法を採用することができる。すなわち、カー
ボン膜表面に微小突起を有する形成方法であれば本発明
に採用することができる。これらの成膜方法はプラズマ
あるいはイオン照射を伴わないので、形成されるカーボ
ン膜にダメージが入る虞がない。
【0070】カーボン膜を形成するにあたり、カーボン
粒子の直進性の強いレーザアブレーション法や蒸着法を
用いること、およびその膜厚が充分に薄いことにより、
ゲート電極ライン上にも形成されるカーボン膜と開口底
部に形成されるカーボン膜とは分断される。したがっ
て、カソード電極ラインとゲート電極ライン間の電気的
絶縁性を確保することができる。この電気的絶縁性の確
保を一層確実なものとするためには、ゲート電極ライン
上にリフトオフスペーサを形成しておき、この状態でカ
ーボン膜を形成し、ゲート電極ライン上にも形成された
カーボン膜をリフトオフすればよい。リフトオフスペー
サは、開口エッチング用のレジストマスクをそのまま用
いてもよい。またゲート電極ラインをエッチング選択比
の異なる積層で構成しておき、下層をオーバハング状に
アンダカットするようにエッチングすれば、このオーバ
ハング部分でカーボン膜を確実に分断することができ
る。この他に、絶縁層の側面にサイドエッチングを入れ
てこの部分でカーボン膜を分断してもよい。
【0071】本発明の電子放出素子は、ディスプレイ装
置の他に、微小な増幅素子や整流素子、あるいは電子線
を用いる通信装置、記録装置、画像処理装置等、各種電
子装置に適用することができる。
【0072】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、駆動電圧が低く、放出される電子量が多く均
一であるとともに電子ビームの拡がりが少なく、しかも
長寿命であり、短絡の虞の少ない電子放出素子およびそ
の製造方法を提供することができる。
【0073】また本発明によれば、かかる電子放出素子
を用いた、低電圧駆動で、画面の輝度が高く均一である
とともに高精彩であり、製造歩留りが高く、寿命も長い
ディスプレイ装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子放出素子の基本構成の要部を示
し、単位素子の概略断面図である。
【図2】本発明の電子放出素子の基本構成の要部を示
し、単位素子の概略平面図である。
【図3】本発明の電子放出素子の基本構成の要部を示
し、単位画素領域の概略断面図である。
【図4】本発明の電子放出素子の基本構成の要部を示
し、単位画素領域の概略平面図である。
【図5】本発明の電子放出素子の基本構成の要部を示
し、単位画素領域の概略平面図の部分拡大図ある。
【図6】本発明のディスプレイ装置の部分斜視図であ
る。
【図7】本発明の電子放出素子の基本構成の要部を示
し、単位画素領域の概略平面図の部分拡大図の他の例で
ある。
【図8】本発明の電子放出素子の基本構成の要部を示
し、単位画素領域の概略平面図の部分拡大図のさらに他
の例である。
【図9】本発明の他の電子放出素子の要部を示し、単位
素子の概略断面図である。
【図10】本発明のさらに他の電子放出素子の要部を示
し、単位画素領域の概略平面図である。
【図11】図10の電子放出素子の単位格子部分の概略
断面図である。
【図12】本発明のまたさらに他の電子放出素子の要部
を示し、単位格子部分の概略断面図である。
【図13】従来の電子放出素子の概略断面図である。
【図14】従来の他の電子放出素子の概略断面図であ
る。
【符号の説明】
10…カソード電極パネル、11…基板、13…カソー
ド電極ライン、13a…薄膜、14…絶縁層、15…ゲ
ート電極ライン、17…開口、18…カーボン膜、19
…制御手段、20…アノード電極パネル、21…透明基
板、22…アノード電極ライン、31…マイクロチッ
プ、32…低仕事関数物質層、33…導電接触層

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、複数のカソード電極ライン
    と、絶縁層と、該カソード電極ラインと直交する複数の
    ゲート電極ラインとを、この順に有するとともに、前記
    カソード電極ラインと前記ゲート電極ラインの交叉領域
    において、該ゲート電極ラインおよび前記絶縁層には、
    該カソード電極ラインに臨む複数の開口を有する電子放
    出素子であって、 前記開口の平面形状は、いずれも6角形をなし、隣り合
    う該開口は、該開口の側壁を隣接して最密充填配置され
    ていることを特徴とする電子放出素子。
  2. 【請求項2】 前記開口の平面形状は、いずれも正6角
    形であることを特徴とする請求項1記載の電子放出素
    子。
  3. 【請求項3】 前記開口は、前記ゲート電極ライン、前
    記絶縁層、および前記カソード電極ラインの厚さ方向の
    一部にわたり形成されていることを特徴とする請求項1
    記載の電子放出素子。
  4. 【請求項4】 前記開口底部に露出する前記カソード電
    極ラインの少なくとも表面は、カーボン膜であることを
    特徴とする請求項1記載の電子放出素子。
  5. 【請求項5】 前記カーボン膜表面は、複数の微細突起
    を有することを特徴とする請求項4記載の電子放出素
    子。
  6. 【請求項6】 前記カソード電極ラインと前記ゲート電
    極ラインの少なくとも交叉領域における該カソード電極
    ラインは、 格子状の平面形状をなし、 該格子状のカソード電極ラインと前記カーボン膜との間
    に、カソード抵抗層を有することを特徴とする請求項4
    記載の電子放出素子。
  7. 【請求項7】 基板上に、カソード電極ラインと、絶縁
    層と、該カソード電極ラインと交叉するゲート電極ライ
    ンとを、この順に形成する工程と、 前記カソード電極ラインと前記ゲート電極ラインの交叉
    領域において、該ゲート電極ラインおよび前記絶縁層
    に、該カソード電極ラインに臨む開口を形成する工程を
    有する電子放出素子の製造方法であって、 前記開口の形成工程においては、該開口の平面形状が6
    角形をなすとともに、隣り合う該開口が、該開口の側壁
    を隣接して最密充填配置されるようにパターニングする
    ことを特徴とする電子放出素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記開口の形成工程においては、該開口
    の平面形状を、いずれも正6角形にパターニングするこ
    とを特徴とする請求項7記載の電子放出素子の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記開口の形成工程においては、前記ゲ
    ート電極ライン、前記絶縁層、および前記カソード電極
    ラインの厚さ方向の一部にわたり該開口をパターニング
    することを特徴とする請求項7記載の電子放出素子の製
    造方法。
  10. 【請求項10】 前記開口底部に露出する前記カソード
    電極ラインの少なくとも表面に、カーボン膜を形成する
    ことを特徴とする請求項7記載の電子放出素子の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 前記カーボン膜の形成工程は、 蒸着法によることを特徴とする請求項10記載の電子放
    出素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記カーボン膜の形成工程は、 レーザアブレーション法によることを特徴とする請求項
    10記載の電子放出素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記レーザアブレーション法における
    ターゲットは、 グラファイトおよびフラーレンのいずれか一方を含むこ
    とを特徴とする請求項12記載の電子放出素子の製造方
    法。
  14. 【請求項14】 前記カソード電極ラインと前記ゲート
    電極ラインの少なくとも交叉領域における該カソード電
    極ラインを、 格子状の平面形状をなすようにパターニングする工程
    と、 該格子状のカソード電極ラインとカーボン膜との間に、
    カソード抵抗層を形成する工程をさらに有することを特
    徴とする請求項10記載の電子放出素子の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項1記載の電子放出素子をマトリ
    クス状に構成したことを特徴とするディスプレイ装置。
  16. 【請求項16】 請求項7記載の電子放出素子の製造方
    法により製造された電子放出素子をマトリクス状に構成
    したことを特徴とするディスプレイ装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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