JP2731733B2 - 電界放出冷陰極とこれを用いた表示装置 - Google Patents

電界放出冷陰極とこれを用いた表示装置

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JP2731733B2 JP29439094A JP29439094A JP2731733B2 JP 2731733 B2 JP2731733 B2 JP 2731733B2 JP 29439094 A JP29439094 A JP 29439094A JP 29439094 A JP29439094 A JP 29439094A JP 2731733 B2 JP2731733 B2 JP 2731733B2
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    • H01J3/022Electron guns using a field emission, photo emission, or secondary emission electron source with microengineered cathode, e.g. Spindt-type
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  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)
  • Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子放出源となる冷陰
極、特に鋭利な先端から電子を放出する電界放出冷陰極
ならびに電界放出冷陰極を用いた表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】微小な円錐状のエミッタと、エミッタの
すぐ近くに形成され、エミッタからの電流を引き出す機
能ならびに電流制御機能を持つゲート電極で構成された
微小冷陰極をアレイ状に並べた冷陰極がC.A.Spi
ndt等によって提案されている(Journal o
f Applied Physics,Vol.39,
No.7,pp.3504,1968)。このスピント
(Spindt)型冷陰極は、熱陰極と比較して高い電
流密度が得られ、放出電子の速度分散が小さい等の利点
を持つ。また、単一の電界放出エミッタと比較して電流
雑音が小さく、数10〜200Vの低い電圧で動作し、
比較的悪い真空度の環境中でも動作するとされている。
【0003】図8には前記文献に開示された従来技術で
あるスピント型冷陰極主要部の構造の断面図を示してい
る。基板101の上に絶縁層102とゲート電極103
が堆積されている。絶縁層102とゲート電極103に
は空洞104が形成されている。空洞104の中には、
高さ約1μmの微小な円錐状のエミッタ105が膜堆積
法によって形成されている。基板101とエミッタ10
5とは電気的に接続されており、エミッタ105とゲー
ト電極103の間には約100Vの電圧が印加される。
絶縁層102の厚さは約1μm、ゲート電極103の開
口径も約1μmと狭く、エミッタ105の先端は10n
m程度と極めて尖鋭に作られているので、エミッタ10
5の先端には強い電界が加わる。この電界が2〜5×1
7 V/cm以上になるとエミッタ105の先端から電
子が放出される。このような構造の微小冷陰極を基板1
01の上にアレイ状に並べることにより大きな電流を放
出する平面状の陰極が構成される。
【0004】特開平6−12974には図9に示すよう
に集束電極によって電子軌道の広がりを抑圧する技術が
開示されている。図9において、ゲート電極103の上
には第2絶縁層111が積層され、第2絶縁層111の
上には集束電極112が形成されている。エミッタ10
5と集束電極112の間に印加する電圧を、エミッタ1
05とゲート電極103の間の電圧よりも小さくするこ
とにより、集束電極112の付近に電子光学的な凹レン
ズが形成され、エミッタ105から放出された電子は集
束作用を受けて発散が小さく抑えられる。
【0005】また、特開平6−111737には、図1
0(a),(b)に示すように、フラットディスプレイ
パネルにおいて隣の画素に電子が到達するのを防ぐた
め、電子の拡がりを抑制する電極(拡がり抑制電極11
3)を画素の間に設けている。
【0006】また、特開平6−84453には図11に
示すように同じ基板上にゲート開口径が異なりエミッタ
の高さが等しい微小冷陰極を形成する方法が開示されて
いる。ここでは、蒸着によるエミッタの形成を2段階に
分けているので、ゲート開口径にかかわらず同じ高さの
エミッタが形成される。
【0007】さらに、特開昭64−54637には図1
2に示すように同じ陰極基板上に絶縁層厚さとエミッタ
高さが異なる微小冷陰極を形成する技術が開示されてい
る。これは、電圧−電流特性の異なる電流を合わせて、
小さな電圧変化で大きな電流変化が得られ、立ち上がり
が急峻で応答性が良い陰極の実現を目指したものであ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】電界放出冷陰極におい
ては、微小冷陰極のエミッタ先端から放出される電子の
軌道はエミッタの中心軸に必ずしも平行にならず、中心
軸に対し横方向の速度成分を持っている。これは、図8
に示すようにエミッタ105とゲート電極103で形成
されるエミッタ先端付近の等電位面106が電子に対し
て凹レンズの効果を与え、電子の軌道を発散させるため
である。シミュレーションによると、最も外側の電子軌
道は、中心軸に対して30度以上の傾きを持つ場合もあ
る。
【0009】CRT(陰極線管)において、このような
横方向速度成分を持つ電子が陰極から放出される電子に
含まれると、静電集束系によって形成された電子ビーム
は不要な広がりを持ち、スクリーンにおいて高電流密
度、微小径のスポットを形成出来なくなる。したがっ
て、この陰極をCRTに装着した場合、充分に高い解像
度特性を実現出来なくなる。
【0010】また、この陰極を、蛍光面と電子源が画素
ごとに形成され、狭い空間を介して対面したフラットデ
ィスプレイパネルに装着した場合、陰極から放出された
電子が隣の画素の蛍光体に当たり、解像度やコントラス
トが低下する。特にカラーフラットディスプレイではさ
らに色純度が低下する。
【0011】たとえば、エミッタ−ゲート電極間電圧:
50V、スルリーン−ゲート電極間電圧:200V、ス
クリーン−ゲート電極間距離:50μmのとき、中心軸
から30度の角度で放出された電子はスクリーン上では
約17μm離れた位置を照射する。
【0012】この影響を防ぐためには、1画素の陰極の
面積に対し蛍光体の面積を大きくしたり、陰極と蛍光体
との距離を狭くして電子が広がる前に蛍光体に当たるよ
うにしたり、物理的に隣の画素に電子が到達しないよう
な障壁を形成したりする必要がある。このため、パネル
の精細度が制限されたり、パネルの構造が複雑になる等
の問題点が生じる。
【0013】この問題点を解決する方法として、図9に
示すような集束電極112を備えた陰極構造が提案され
ている。しかし、この陰極構造では、集束電極112が
比較的薄い第2絶縁層111を介してゲート電極103
のすぐ上に形成されているので、エミッタ先端の電界強
度がゲート電極103と集束電極112の電位で決ま
る。他方、電子ビームの集束作用を持たせるためにはエ
ミッタ−集束電極間の電圧は、エミッタ−ゲート電極間
電圧よりも小さくする必要がある。したがって、同じエ
ミッション電流を得るのに高いゲート電圧が必要にな
り、電子ビームの変調に必要な電圧振幅が大きくなる。
また、ゲート電極103とほかの電極との間の静電容量
が約2倍になり、高速の電子ビーム変調が困難になる。
【0014】図10に示す拡がり抑制電極はパネル構造
が複雑になり、製造工程が増加する問題がある。さら
に、拡がり抑制電極には調整可能な電圧を印加する必要
があり、外部回路および接続が複雑になる。
【0015】なお、同一陰極にゲート開口径(特開平6
−84453)ならびに絶縁層の厚さとエミッタの高さ
(特開昭64−54637)の異なる微小冷陰極を混在
させる従来技術は、特殊な電子放出特性の実現を狙った
もので、横方向速度成分の抑圧ならびに電子ビームスポ
ット寸法の縮小には効果を与えることはできない。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板と、この
基板の上に形成し先端を先鋭化した電子放出電極、この
電子放出電極とその付近を除いて基板上に形成した絶縁
層、前記電子放出電極を取り囲む開口を持つ制御電極か
ら成る複数の微小冷陰極とから構成された電界放出冷陰
極において、制御電極の開口径を電界放出冷陰極の電子
放出領域の中心部では大きく、周辺部では小さくする
か、または制御電極の厚さを中心部で薄く、周辺部で厚
くするか、または絶縁層の厚さを中心部で薄く、周辺部
で厚くしたことを特徴とする。また、基板と複数の微小
冷陰極との間に抵抗層を設け、この抵抗層の抵抗率を電
子放出領域の中心部で小さく、周辺部で大きくしてもよ
い。
【0017】さらに本発明は、真空外囲器内に、電子放
出源と蛍光体層を有する表示装置において、電子放出源
として上記電界放出冷陰極を用いることを特徴とする。
【0018】
【作用】この結果、電界放出冷陰極のエミッション特性
に大きな影響を与えず、周辺部電子放出領域から放出さ
れる電子の横方向速度成分を抑圧し、電子軌道の発散角
度を小さく保つことが出来る。
【0019】この電界放出冷陰極を用いたCRTにおい
ては、スクリーン上のスポットサイズを小さく保つこと
ができるので、高解像度を実現出来る。
【0020】また、この電界放出冷陰極を用いたフラッ
トディスプレイにおいては、同様に高い解像度を実現で
きるとともに、陰極と蛍光面の間隔を大きくできるの
で、高い加速電圧を蛍光体に印加でき、発光効率を向上
させることができる。さらに、隣の画素の蛍光体に当た
る電子が少なくなるので、コントラストおよび色純度が
改善される。
【0021】
【実施例】次に、本発明について図面を参照して詳細に
説明する。図1は本発明の第1の実施例を示す電界放出
冷陰極の構造で、冷陰極中心部で切断した断面も示す。
図1において、シリコンの基板1には下から順に絶縁層
2、ゲート電極3が積層され、ゲート電極3と絶縁層2
には微小な空洞4が形成されている。空洞4の中には、
電子を放出する円錐状のエミッタ5が形成されており、
基板1とエミッタ5とは電気的に接続されている。エミ
ッタ5、ゲート電極3の開口、空洞4で微小陰極6が形
成され、多数の微小冷陰極6で電子放出領域7が形成さ
れる。
【0022】エミッタ5はタングステンあるいはモリブ
デンのような耐熱金属で作られ、ゲート電極3はタング
ステン、モリブデン、ニオブ、タングステンシリサイド
等の金属あるいは金属化合物で作られ、絶縁層2には例
えばシリコンの熱酸化膜(SiO2 )を使用する。中央
部の微小冷陰極5−1において、ゲート電極3の開口の
直径d1は約1μm、エミッタ5の高さh1は約1μ
m、絶縁層2の厚さは約0.8μm、ゲート電極3の厚
さは約0.2μmである。周辺部の微小冷陰極5−2に
おいて、ゲート電極3の開口の直径d2は約0.8μ
m、エミッタ5の高さh2は約0.8μmである。
【0023】この陰極を製作するには、基本的には(J
ournal of Applied Physic
s,Vol.39,No.7,pp.3504,196
8)等に開示されているように、ゲート電極3と絶縁層
2に空洞4を形成したのちウエハを回転させながら斜め
方向から犠牲層を堆積し、次にエミッタ材料をウエハの
真上から堆積すれば良い。空洞4を形成するためのマス
クに対し、陰極周辺部のゲート電極開口径を僅かに小さ
くしておくことにより、陰極周辺部のエミッタは他の部
分のエミッタと比較して低く形成される。
【0024】この陰極を動作させるには、基板1の電位
を基準にして、ゲート電極3に数10〜約100Vの電
圧を印加する。シミュレーションによると、周辺部では
中心部と比較して、ゲート電極開口径が小さくなる効果
よりもエミッタの高さが低いことによる影響が大きくあ
らわれ、エミッション電流が低下するが、電子軌道の横
方向速度成分は小さくなり、発散角も小さくなった。
【0025】図2は本発明の第2の実施例を示す電界放
出冷陰極の構造で、冷陰極中央部で切断した断面も示
す。図2において、図1と同じ番号の部分は図1と全く
同じ構成要素を示し、各構成要素の材料、寸法は図1に
示す第1の実施例と同じである。図2においては、ゲー
ト電極開口径は電子放出領域全体で均一であるが、ゲー
ト電極の厚さが電子放出領域の中央部と周辺部で異なっ
ており、周辺部のゲート電極を厚くしている。
【0026】この陰極を製造するには、基板1の上に均
一の厚さのシリコン酸化物あるいはシリコン窒化物の絶
縁層2、次に、均一な厚さの金属層を成膜する。その後
に適当な犠牲層をパターニングし、陰極周辺部のみにさ
らに金属層を堆積し、不要な部分を除去すれば良い。こ
れ以外はすでに公知の方法で製造することができる。
【0027】この場合にも、図1の第1の実施例と同じ
ように、シミュレーションによると、周辺部のエミッタ
から放出される電流量は少なくなるが、電子軌道の横方
向速度成分も小さくなり、発散角も小さくなった。
【0028】陰極全面のゲート電極開口径を小さくすれ
ば、蒸着によって形成されるエミッタの高さが低くなる
ため、陰極全面のエミッタから放出される電子の発散角
を小さくすることができる。しかし、同時に、同じエミ
ッタ−ゲート電極間の電圧では、エミッション電流が低
下しエミッション特性が低下する。同じエミッション電
流を得るためゲート電圧を高くすると、同時に、横方向
速度成分も大きくなり、期待する横方向速度成分の抑圧
が実現できない。しかし、電子放出領域中央部のエミッ
タからの電子の発散角は電子ビームの広がりには大きな
影響を与えないので、周辺のみの発散角を抑制すること
によって、エミッション特性を大幅に低下させずに、電
子ビームの広がりのみを有効に抑圧することができる。
【0029】図3は本発明の第3の実施例を示す電界放
出冷陰極の構造で、冷陰極中央部で切断した断面も示
す。図3において、図1と同じ番号の部分は図1と全く
同じ構成要素を示し、各構成要素の材料、寸法は図1に
示す第1の実施例と同一である。図3においては、ゲー
ト電極3の厚さ、ゲート電極開口径は全電子放出領域に
わたって均一であるが、絶縁層2の厚さが電子放出領域
の中央部と周辺部で異なり、周辺部の絶縁層が厚く形成
されている。
【0030】この陰極を製造するには、基板1の上に均
一の厚さのシリコン酸化物あるいはシリコン窒化物の絶
縁層2を成膜し、その後に適当な犠牲層をパターニング
し、陰極周辺部のみにシリコン酸化物あるいはシリコン
窒化物を堆積させ、不要な部分を除去すれば良い。これ
以外はすでに公知の方法で製造することができる。
【0031】この場合にも、図1の第1の実施例と同じ
ように、シミュレーションによると、周辺部のエミッタ
から放出される電流量は少なくなるが、電子軌道の横方
向速度成分も小さくなり、発散角も小さくなった。
【0032】図4は本発明の第4の実施例を示す電界放
出冷陰極の構造で、冷陰極中央部で切断した断面も示
す。図4において、図1と同じ番号の部分は図1と全く
同じ構成要素を示し、各構成要素の材料、寸法は図1に
示す第1の実施例と同じである。図4においては、基板
1の上に抵抗層9を積層し、この抵抗層9の上に絶縁層
2およびエミッタ5を形成している。抵抗層9は、一個
のエミッタ5に対し直列となる抵抗1〜10MΩを与え
るもので、エミッション電流に比例した電圧降下を作
る。ゲート電極3の厚さ、絶縁層2の厚さおよびゲート
電極開口径は全電子放出領域にわたって均一であるが、
電子放出領域中央部の直列抵抗R1よりも周辺部の直列
抵抗R2を僅かに大きくしておく。
【0033】なお、この構造の抵抗層を形成するには、
たとえば、抵抗層9にシリコンエピタキシャル層を使用
し、陰極周辺部が保護されたマスクを介して不純物とな
るイオンを打ち込むことによって、陰極の中心部と周辺
部の膜抵抗を変えることができる。
【0034】この実施例の場合、中心部および周辺部の
微小冷陰極の電極形状は同一であるので放出される電子
の軌道は変わらないが、エミッション電流による電圧降
下量が異なるため、エミッタ−ゲート電極間の電圧が異
なり、周辺部のエミッタから放出された電子の初速度の
絶対値は小さくなり、したがって、横方向の速度成分が
小さくなる。
【0035】なお、第1から第4までの実施例は単一で
適用することが出来るが、2〜4種類までの任意の組合
せを同時に採用しても同等以上の効果が得られる。
【0036】図5は本発明の第5の実施例で、電界放出
冷陰極を電子源として使用した表示装置としてCRT
(受像管)を示す。ガラス外囲器11の中に、冷陰極1
2、第1集束電極13、第2集束電極14、第3集束電
極15で構成された電子銃16が収められ、冷陰極12
から放出された電子は集束・加速され電子ビーム17が
形成される。電子ビーム17は偏向ヨーク18に印加さ
れた電流波形に応じて偏向され、蛍光体19を衝撃す
る。図6はシミュレーションによって求めたCRT中の
電子軌道を示す。図6における計算条件は、ゲート電位
を基準にして、エミッタ電圧:−100V、第1集束電
極電圧:100V、第2集束電極電圧:500V、第3
集束電極電圧:8kV、陰極における電子の発散角:3
0度である。横方向速度成分を持つ電子は電子ビームの
スポットを拡大するが、陰極の周辺部から放出された電
子の横方向速度成分が小さい場合にはスポット拡大効果
が抑制される。
【0037】図7は本発明の第6の実施例で、電界放出
冷陰極を電子源として使用した表示装置としてフラット
ディスプレイパネルを示す。図7において、前面ガラス
21と裏面ガラス22とは100μm以下の狭いギャッ
プで対面しており、真空の外囲器を兼ねる。前面ガラス
21には、真空となる内側に、透明で導電性の金属膜で
あるITO膜23、およびその上に蛍光体24が順次積
層されており、200Vから1000V程度の加速電圧
をITO膜23に印加して蛍光体24に電子ビームを当
てる。裏面ガラス22には、真空となる内側に、エミッ
タ電極25、絶縁層26、ゲート電極27が順次積層さ
れている。絶縁層26、ゲート電極27には空洞が形成
され、その空洞の中のエミッタ電極25の上に円錐形の
エミッタ28が形成されている。一つの画素を形成する
微小冷陰極群のうち、中央部のゲート開口径を大きく、
周辺部を小さくしている。
【0038】このため、中央部のエミッタ28−1から
放出される電子軌道は大きく発散し、周辺部のエミッタ
28−2から放出される電子軌道の発散角は小さくな
り、隣の蛍光体に電子が当たる可能性がきわめて小さく
なる。
【0039】図7においては、第1の実施例に示す冷陰
極を電子源としたフラットディスプレイの例を示してい
るが、第2から第4迄の実施例を採用した冷陰極あるい
は第1から第4までの実施例を組み合わせた冷陰極を電
子源としたフラットディスプレイも同等以上の効果が得
られる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の冷陰極に
おいては、電界放出冷陰極のエミッション特性に大きな
影響を与えずに、周辺部の電子放出領域から放出される
電子の横方向速度成分を抑圧し、電子軌道の発散角度を
小さく保つことができ、広がりの小さな電子ビームを形
成できる。
【0041】この電界放出冷陰極を用いたCRTにおい
ては、スクリーン上のスポットサイズを小さく保つこと
ができるので、高解像度を実現出来る。
【0042】また、この電界放出冷陰極を用いたフラッ
トディスプレイにおいては、同様に高い解像度を実現で
きるとともに、陰極と蛍光面の間隔を大きくできるの
で、高い加速電圧を印加でき、発光効率を向上させるこ
とができる。さらに、隣の画素の蛍光体に当たる電子が
少なくなるので、コントラストおよび色純度が改善され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す電界放出冷陰極の
構造図である。
【図2】本発明の第2の実施例を示す電界放出冷陰極の
構造図である。
【図3】本発明の第3の実施例を示す電界放出冷陰極の
構造図である。
【図4】本発明の第4の実施例を示す電界放出冷陰極の
構造図である。
【図5】本発明の第5の実施例を示すCRTの構造図で
ある。
【図6】本発明の第5の実施例のCRTにおける電子ビ
ーム軌道のシミュレーション結果である。
【図7】本発明の第6の実施例を示すフラットディスプ
レイの構造図である。
【図8】従来技術のSpindtタイプ冷陰極の断面図
である。
【図9】特開平6−12974に開示された従来技術の
冷陰極の断面図である。
【図10】特開平6−111737に開示された従来技
術のフラットディスプレイの断面図(a)と電子ビーム
軌道(b)である。
【図11】特開平6−84453に開示された従来技術
の冷陰極の断面図である。
【図12】特開昭64−54637に開示された従来技
術の冷陰極の断面図である。
【符号の説明】
1,101 基板 2,26,102 絶縁層 3 ゲート電極 4,104 空洞 5,28,105 エミッタ 6 微小冷陰極 7 電子放出領域 8 陰極 9 抵抗層 11 ガラス外囲器 12 冷陰極 13 第1集束電極 14 第2集束電極 15 第3集束電極 16 電子銃 17 電子ビーム 18 偏向ヨーク 19 蛍光体 21 前面ガラス 22 裏面ガラス 23 ITO膜 24 蛍光体 25 エミッタ電極 27,103 ゲート電極 106 等電位面 107 電子ビーム軌道 111 第2絶縁層 112 集束電極 113 拡がり抑制電極

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、前記基板の上に形成し、先端を
    先鋭化した電子放出電極、前記電子放出電極とその付近
    を除いて前記基板の上に形成した絶縁層、前記電子放出
    電極を取り囲む開口を持つ制御電極から成る複数の微小
    冷陰極とから構成された陰極において、前記制御電極の
    開口径が前記陰極の電子放出領域の中心部では大きく、
    前記陰極の電子放出領域の周辺部では小さいことを特徴
    とする電界放出冷陰極。
  2. 【請求項2】 基板と、前記基板の上に形成し、先端を
    先鋭化した電子放出電極、前記電子放出電極とその付近
    を除いて前記基板の上に形成した絶縁層、前記電子放出
    電極を取り囲む開口を持つ制御電極から成る複数の微小
    冷陰極とから構成された陰極において、前記制御電極の
    厚さが前記陰極の電子放出領域の中心部では薄く、前記
    陰極の電子放出領域の周辺部では厚いことを特徴とする
    電界放出冷陰極。
  3. 【請求項3】 基板と、前記基板の上に形成し、先端を
    先鋭化した電子放出電極、前記電子放出電極とその付近
    を除いて前記基板の上に形成した絶縁層、前記電子放出
    電極を取り囲む開口を持つ制御電極から成る複数の微小
    冷陰極とから構成された陰極において、前記絶縁層の厚
    さが前記陰極の電子放出領域の中心部では薄く、前記陰
    極の電子放出領域の周辺部では厚いことを特徴とする電
    界放出冷陰極。
  4. 【請求項4】 基板と、前記基板の上に形成した抵抗層
    と、前記抵抗層の上に形成し、先端を先鋭化した電子放
    出電極、前記電子放出電極とその付近を除いて前記抵抗
    層あるいは前記基板上に形成した絶縁層、前記電子放出
    電極を取り囲む開口を持つ制御電極から成る複数の微小
    冷陰極とから構成された陰極において、前記基板は導電
    性であり、前記抵抗層の抵抗率が前記陰極の電子放出領
    域の中心部では小さく、前記陰極の電子放出領域の周辺
    部では大きいことを特徴とする電界放出冷陰極。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4の少なくとも2つ
    を組合せたことを特徴とする電界放出冷陰極。
  6. 【請求項6】 真空外囲器内に、電子銃と、この電子銃
    から出射する電子ビームを偏向する手段と、前記電子銃
    に対向する位置に設けた蛍光体層とを備える表示装置に
    おいて、前記電子銃の陰極として請求項1から請求項5
    のいずかの電界放出冷陰極を備えたことを特徴とする表
    示装置。
  7. 【請求項7】 真空外囲器内に、電子放出源と、この電
    子放出源に対向して設けた蛍光体層とを有する表示装置
    において、前記電子放出源として請求項1から請求項5
    までのいずれかの電界放出冷陰極を備えたことを特徴と
    する表示装置。
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