JP2917898B2 - 電界放出冷陰極素子およびその使用方法 - Google Patents

電界放出冷陰極素子およびその使用方法

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JP2917898B2
JP2917898B2 JP7608396A JP7608396A JP2917898B2 JP 2917898 B2 JP2917898 B2 JP 2917898B2 JP 7608396 A JP7608396 A JP 7608396A JP 7608396 A JP7608396 A JP 7608396A JP 2917898 B2 JP2917898 B2 JP 2917898B2
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    • H01J9/02Manufacture of electrodes or electrode systems

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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子放出源となる冷
陰極、特に鋭利な先端から電子を放出する電界放出冷陰
極素子ならびにその清浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】微小な円錐状のエミッタと、エミッタの
すぐ近くに形成され、エミッタからの電流を引き出す機
能ならびに電流制御機能を持つゲート層で構成された微
小冷陰極をアレイ状に並べた冷陰極素子構造について
は、既に提案されている(Journal of Ap
plied Physics,Vol.39,No.
7,pp.3504,1968)。この様な構造の冷陰
極素子は、スピント(Spindt)型冷陰極と呼ば
れ、熱陰極と比較して高い電流密度が得られ、放出電子
の速度分布が小さい等の利点を持つ。また、スピント型
冷陰極は、単一の電界放出エミッタと比較して電流雑音
が小さく、数10〜200Vの低い電圧で動作する特徴
を持つ。電子顕微鏡に使用している単一の電界放出型エ
ミッタは、動作環境として10-10 Torr程度の超高
真空度が必要とされるのに対し、スピント型冷陰極は複
数エミッタにより、10-6〜10-8Torrの高真空環
境の封じ切りガラス管でも動作するという特徴も備えて
いる。
【0003】図7に従来技術であるスピント型冷陰極主
要部の構造の断面図を示す。導電性の基板101の上に
高さ約1μmの微小な円錐状のエミッタ102が真空蒸
着法によって形成され、エミッタ102の周囲にはゲー
ト層103と絶縁層104が形成されている。基板10
1とエミッタ102とは電気的に接続されており、基板
101(およびエミッタ102)とゲート層103の間
には、ゲート層103を正に約100Vの直流電圧が印
加されている。基板101とゲート層103の間は約1
μm、ゲート層の開口径も約1μmと狭く、エミッタ1
02の先端は極めて尖鋭に作られているので、エミッタ
102の先端には強い電界が加わる。この電界が2〜5
×107 V/cm以上になるとエミッタ102の先端か
ら電子が放出され、エミッタ1個当たり0.1〜数10
μAの電流が得られる。このような構造の微小冷陰極を
複数個基板101の上にアレイ状に並べることにより大
きな電流を放出する平面状の陰極が構成される。
【0004】このようなスピント型冷陰極の応用として
は、平面型ディスプレー、微小真空管、マイクロ波管、
およびブラウン管等の電子管や各種センサーの電子源等
が提案されている。これらの応用では、電子ビームの集
束性、寿命等は重要なパラメータとなる。
【0005】例えば、エミッタティップ先端からは、電
子が基板に垂直な方向ばかりではなく、その方向から半
角20〜30°程度の拡がり角を持って放出されるの
で、拡がりを持った電子ビームとなってしまう。よっ
て、ディスプレーに応用した場合、単位画素当たりの発
光面積が大きくなってしまうため、精細な表示を得られ
ない。
【0006】またスピント型冷陰極は、エミッタティッ
プ先端に電界を集中させることによって、電子を放出さ
せるので、エミッタティップ表面の仕事関数をできるだ
け小さくする必要がある。この仕事関数はエミッタティ
ップの材料によって固有の値を持っているが、エミッタ
ティップ表面が汚染されていると、その値より見かけ
上、大きくなってしまう。仕事関数が大きくなると、所
望の電流量を得るための動作電圧を高くする必要があ
り、その結果、素子が破壊し易くなってしまう。また、
動作前にエミッタティップ表面が清浄であっても、製造
時、または動作時の環境(真空度)が悪いと、エミッタ
ティップへのガス吸着によって、再び汚染されてしまう
可能性がある。
【0007】拡がり角の解決策としては、IEEE T
rans.Electron Devices,vo
l.42 pp.340−347,1995に紹介され
ているように、素子上に集束電極を追加して拡がり角を
小さくする方法が知られている。
【0008】また、エミッタティップ表面のクリーニン
グ方法については、加熱処理、電子線によるクリーニン
グ等が知られている。エミッタティップ表面を電子線に
よって、クリーニングする技術として、例えば、特開平
5−198255、特開平4−22038、特開平5−
114353に記載のような公知例がある。
【0009】特開平4−22038には、図8に示すよ
うに、エミッタ電極203を分割し、それぞれを対とす
る構造が開示されている。この素子のクリーニング手順
は次のようである。まず、分割された一方のエミッタ電
極203に設けられたエミッタ204が正規の電界条件
で電子e1 を放出したとき、これと対をなす他方のエミ
ッタ205には少なくともゲート207と同電位以上の
正電位が印加されるようにする。その結果、一方のエミ
ッタ204から放出された電子e1 が他方のエミッタ2
05に衝突してこれをクリーニングする。次に、他方の
エミッタ205が正規の電界条件で電子e2 を放出した
とき、一方のエミッタ204に前記所定の正電位を与え
る。その結果、他方のエミッタ205から放出された電
子e2 が一方のエミッタ204に衝突してこれをクリー
ニングする。この作用が交互に繰り返されれば、各エミ
ッタは常に清浄に保たれる、という処理方法に関する技
術であった。
【0010】次に、特開平5−198255には図9の
ように、一方のエミッタティップ315aに負電圧を印
加し、他方のエミッタティップ315bには正電圧を印
加し、更にアノード電極316に負電圧を印加する方法
が説明されている。その結果、一方のエミッタティップ
315aから放出された電子が他方のエミッタティップ
315bに効率よく衝突し、この動作を交互に、或いは
順次繰り返すことによって、エミッタティップ表面をク
リーニングする技術が開示されている。
【0011】また、特開平5−114353には、図1
0に示すように、陰極401の周りにリング状の清浄化
用陰極403を配置し、陰極401を正電位とすること
によって、清浄化用陰極403から放出される電子を陰
極401に照射し、陰極401の表面に吸着されている
原子または分子を脱離・除去させる技術が開示されてい
る。
【0012】その他に動作時の真空度劣化を防止するた
め、特開昭60−1741では、ガス出し用フィラメン
トをガス出し後、陽極にも兼用した構成による陽極のガ
ス出し技術が開示されている。図11によって、この技
術を説明すると次のようになる。第1陽極502の直前
にガス出し用フィラメント504を対称に配置すると共
に、このフィラメント504を陽極としても作用するよ
うに、第1陽極502とフィラメント504の間に電源
508を設けてフィラメント504に正電位を与えてい
る。これによって、第1陽極502を高温均一に加熱で
き、十分なガス出しができる。そして、フィラメント5
04は陽極として作用するため、第1陽極502から発
生したイオンは陽極側に押し戻されるので、これによる
障害もない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】冷陰極素子に求められ
る特性としては、集束された安定な電子線が得られ、且
つその素子が長寿命動作をすることである。長寿命で安
定な特性を実現する要因としては、素子の動作環境が挙
げられ、特に動作時の真空度やエミッタティップ表面の
状態などが大きく影響してくる。また、集束された電子
線を得るためには、電子線の拡がりを抑える必要があ
る。
【0014】一般的に、エミッタティップの表面が汚染
されていると、エミッタティップ表面の仕事関数が増加
し、所望の電子線量を得るためのゲート電圧が高くな
る。また、電子を放出したとき、真空度の劣化が著しく
なる。エミッタ表面ばかりでなく、陽極やゲート電極が
汚染されている場合も、電子の衝突による脱ガスの発生
によって真空度が劣化する。
【0015】ゲート電圧が高くなった場合、また、真空
度が劣化した場合には、ゲート電極・エミッタティップ
間、或いはアノード電極・エミッタティップ間での放電
が比較的誘発されやすくなり、短時間で動作できなくな
ったり、特性が劣化したりする場合が発生する。
【0016】そこで、電子の拡がりを抑えることがで
き、エミッタティップ、ゲート電極、およびアノード電
極を清浄化し、それを保ちつつ、動作時に真空度が劣化
しない電界放出冷陰極構造と製造方法が必要となってく
る。
【0017】電子線によるエミッタティップやアノード
電極のクリーニング方法については、前記公知例等があ
るが、エミッタティップ表面、或いはアノード電極の一
方だけしかクリーニングを行っていないため、素子を動
作させたとき、クリーニング処理されていない電極から
のガス放出により、真空度の低下は免れない。例えば、
エミッタティップ表面のクリーニングだけを行った場
合、動作時にエミッタティップより放出された電子がア
ノードに衝突することによる発熱により、アノード電極
からの吸着分子の脱離が起こるため、真空度が低下す
る。また、逆にアノード電極のガス出しだけを行った場
合、エミッタティップ表面はクリーニングできず、エミ
ッタ表面の吸着分子が脱離して真空度が低下してしま
う。以上の結果、一旦、清浄化された電極は、ガス吸着
によって再び汚染されたり、また、真空度低下により、
電極間で放電が発生する可能性がある。
【0018】更に前記公知例の中で、特開平5−198
255、特開平4−22038では、エミッタティップ
表面のクリーニングを交互に、或いは順次行うとしてい
るが、クリーニング中は真空度が悪くなるため、処理の
終わった素子が、クリーニング中に再度汚染される可能
性がある。また、クリーニング中に実際使用する素子を
動作させるため、このクリーニング処理によって脱離し
たイオンなどが、電子を放出しているエミッタティップ
に損傷を与え、実際のデバイス動作に影響を与える可能
性もある。
【0019】また、特開平5−114353では、図1
0のように陰極とは別に清浄化用陰極を設けているが、
陰極を動作させる引き出し電極と清浄化用陰極が同電位
となっているため、清浄化処理中に陰極を清浄化用陰極
(引き出し電極)より正電位にする範囲が、引き出し電
極と陰極の放電電圧以下に制限されるため、効率よく電
子を照射することができない。
【0020】
【課題を解決するための手段】エミッタティップ、ゲー
ト電極、およびアノード電極等の表面に吸着した不純物
は、電子線等により、クリーニングされることを、本発
明は利用している。
【0021】具体的には、デバイスとして使用する主電
子放出領域の周囲にガス出し用の電子放出領域を形成
し、ガス出し用の電子放出領域からの電子線をそれぞれ
の電極のクリーニングを行う。また、電子線の拡がりを
抑えるため、デバイス動作時にはガス出し用の電子放出
領域のゲート電極とカソード電極を短絡させ、その領域
を集束電極とする。
【0022】このように本発明は、冷陰極主電子放出領
域の周囲にガス出し用の電子放出領域を形成し、その領
域を封止前の排気工程中にはクリーニングに、封止後は
集束電極として利用することを特徴としており、その結
果、デバイス実装後排気工程でガス出しを行い、そのま
ま封止することが可能となり、エミッタ表面はクリーニ
ングされた状態を動作時まで保つことができ、動作時も
アノード電極やゲート電極のガス出しを行っているの
で、電子が飛び込んだ場合の真空度の劣化も小さい。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明について図面を参照して詳
細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態の電界
放出冷陰極の構成を示す図である。図1(a)はチップ
の平面図で、同一チップ内に第1の電子放出領域である
主電子放出領域1と第2の電子放出領域であるガス出し
用電子放出領域2を備えている。図1(b)は図1
(a)A−Aの断面拡大図である。主電子放出領域1で
は第1のカソード電極3(シリコン基板)上の第1のエ
ミッタティップ9、そのエミッタティップ9を取り囲む
ように、第1の絶縁層4、第1のゲート電極5がある。
また、ガス出し用電子放出領域2には、第1の絶縁層4
上に第1のゲート電極5とは絶縁された第2のカソード
電極6上に第2のエミッタティップ10、そのエミッタ
ティップ10を取り囲むように、第2の絶縁層7と第2
のゲート電極8がある。
【0024】図2(a)〜(e)は本発明の第1の実施
の形態の電界放出冷陰極の製造工程を示す図である。図
2(a)に示すように、カソード電極3となるシリコン
基板の上に第1の絶縁層4(厚さ約0.8μm)、金属
層11(厚さ約0.2μm)を積層する。第1の絶縁層
4、金属層11の材料は、それぞれ、例えば二酸化シリ
コン、タングステンである。続いて、図2(b)のよう
に、フォトリソグラフィとエッチングにより、金属層1
1を部分的に除去し、絶縁された主電子放出領域の第1
のゲート電極5とガス出し用電子放出領域の第2のカソ
ード電極6を形成する。更に、図2(c)のように、第
2のカソード電極6上に第2の絶縁層7、第2のゲート
電極8を積層する。第2の絶縁層7、第2のゲート電極
8の材料は、それぞれ、例えば二酸化シリコン、タング
ステンである。
【0025】次に図2(d)のようにフォトリソグラフ
ィとエッチングにより、それぞれ第1、第2のゲート電
極5、8と第1、第2の絶縁層4、7に微小に空洞(直
径約1μm)を形成後、犠牲層12、エミッタ材料13
をシリコン基板に対し、それぞれ斜め方向、垂直方向か
ら蒸着し、第1、第2のエミッタティップ9、10を形
成する。犠牲層12、エミッタ材料13はそれぞれ、例
えばアルミニウム、モリブデンである。最後にリン酸に
よって犠牲層12を溶かして不要なエミッタ材料13を
除去することによって、図2(e)に示すような電界放
出冷陰極が完成される。
【0026】さて、図3で清浄化処理方法を説明すると
次のようになる。実装後排気工程で、第2のゲート電極
8と第2のカソード電極6間にゲートが正となるように
電圧を印加する。そうすると、第2のエミッタティップ
10の先端に電界が集中し、電子が放出される。まず、
アノード電極14をクリーニングする場合、図3(a)
に示すように、第1のゲート電極5と第1のカソード電
極3を短絡した状態で、アノード電極14に第2のゲー
ト電極8より高い電圧を印加する。そうすると放出され
た電子は、アノード電極14に飛び込み、アノード電極
14に吸着しているガスが脱離し、クリーニングされ
る。この際、実際の動作時に真空度が劣化しないよう、
所望の電子線量以上の電子を、動作時の加速電圧より大
きな電圧で衝突させることが望ましい。従って第2のエ
ミッタティップ数は主電子放出領域1のそれに比して、
数倍から十数倍にする。
【0027】次に第1のゲート電極5および第1のエミ
ッタティップ9をクリーニングする場合を説明する。図
3(b)のように、短絡した第1のゲート電極5と第1
のカソード電極3に第2のゲート電極8より高い電圧を
印加し、アノード電極14には、第2のゲート電極8よ
り低い電圧を印加する。そうすると放出された電子は一
旦真上に放出されるが、アノード電極14からの反発力
により曲げられ、第1のゲート電極5や第1のエミッタ
ティップ9に衝突し、それぞれの電極をクリーニングす
る。また、第1のエミッタティップ9表面のクリーニン
グを更に行う場合は、図3(c)のように、第1のカソ
ード電極3だけ更に電位を高くすると効果的である。
【0028】このような手順でガス出しを行った後、真
空封止する。そうすることにより、各電極はクリーニン
グされたままの状態で維持される。そしてデバイス動作
時には、図4に示すように、第2のゲート電極8と第2
のカソード電極6を短絡させた状態で、主電子放出領域
1を動作させる。その際、短絡されたガス出し用電子放
出領域2の電極を第1のゲート電極5より低い電位にし
ておくと、発散角を持って放出された電子は、集束さ
れ、アノード電極14に取り込まれる。
【0029】図5(a),(b)は本発明の第2の実施
の形態の電界放出冷陰極の構成および清浄化処理方法を
説明する図である。図5(a)はチップ平面図、図5
(b)は図5(a)A−Aの断面拡大図である。図5に
おいて図1と同じ番号の部分は図1と全く同じ構成要素
を示す。第1の実施の形態との相違点は、ガス出し用電
子放出領域15内のエミッタティップ形成領域16が、
ガス出し用電子放出領域15の外側に集中配置されてい
ることである。
【0030】清浄化処理方法についても第1の実施の形
態のところで説明したものと同じであるが、特に第1の
エミッタティップ9をクリーニングする場合、第2のエ
ミッタティップ10から放出された電子は、まず第2の
ゲート電極8の正電位によって内側に曲げられ、更にア
ノード電極14によって曲げられるので、効率よく第1
のエミッタティップ9と衝突することになる。そして動
作時も第1の実施の形態と同様、第2のゲート電極8と
第2のカソード電極6を短絡させ、集束電極として作用
させる。
【0031】図6は本発明の第3の実施の形態の電界放
出冷陰極の構成および清浄化処理方法を説明する図であ
る。図6(a)はチップ平面図、図6(b)は図6
(a)のA−Aの断面拡大図である。図6において図1
と同じ番号の部分は図1と全く同じ構成要素を示す。第
1の実施の形態との相違点は、ガス出し用電子放出領域
17の更に外側に、集束電極18を設けたところであ
る。
【0032】清浄化処理方法についてもアノード電極1
4のクリーニングについては、第1の実施の形態のとこ
ろで説明したのと同じであり、集束電極18には電圧を
印加しない。次に特に第1のエミッタティップ9の表面
をクリーニングする方法を図6(c)によって説明す
る。集束電極18以外の電圧の印加方法は、第1の実施
の形態の図3(c)と同じである。そこで集束電極18
に第2のゲート電極8より低い電圧を印加する。そうす
ると、第2のエミッタティップ10先端から放出された
電子は、集束電極18の電位に反発し、内側に曲げら
れ、更にアノード電極14によって曲げられるので、効
率よく第1のエミッタエィップ9に衝突することにな
る。
【0033】素子の動作時の電圧印加方法は、集束電極
18以外は、第1の実施の形態の図4と同様に、第2の
ゲート電極8と第2のカソード電極6を短絡させ、集束
電極として作用させる。また集束電極18の電位は第2
のゲート電極8と同じか、またそれより低くすると、集
束効果は更によくなる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
排気工程中に様々な電極のクリーニングを行い、その後
真空封止するため、清浄化された状態を動作時まで維持
できる。更に予めガス出しを行っているので、動作時の
真空度の劣化を抑えることができる。この結果、低電圧
での動作が可能になり、また動作時のエミッタティップ
などの損傷を防ぐことができるので、長寿命で安定な電
子線源を得ることができる。更に、動作時には、このガ
ス出し用電子放出領域を短絡させ、集束電極として利用
できるため、電子ビームの発散を抑制した電子線源が実
現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の電界放出冷陰極の
構造を説明する図であって、(a)はチップ平面、
(b)は(a)のA−A断面拡大図である。
【図2】(a)〜(e)は、本発明の第1の実施の形態
の電界放出冷陰極の製造工程を説明する断面図である。
【図3】(a)〜(c)は、本発明の第1の実施の形態
の電界放出冷陰極の清浄化処理方法を説明する断面図で
ある。
【図4】本発明の第1の実施の形態の電界放出冷陰極の
動作を説明する断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態の電界放出冷陰極
の、(a)はチップ平面、(b)は図5(a)のA−A
の断面によるエミッタティップのクリーニング方法を示
す図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態の電界放出冷陰極
の、(a)はチップ平面、(b)は図6(a)のA−A
の断面、(c)はエミッタティップのクリーニング方法
を示す図である。
【図7】スピント型冷陰極主要部の構造の断面図であ
る。
【図8】特開平4−22038に開示された電界放出型
電子放出素子の清浄化装置を示す図である。
【図9】特開平5−198255に開示された電界放出
陰極線管装置における清浄化装置を示す図である。
【図10】特開平5−114353に開示された電子ビ
ーム検査装置の微小電子銃に電子線を照射する状態を示
す断面図である。
【図11】特開昭60−1741に開示された電界放射
型電子銃の概略断面図である。
【符号の説明】
1 主電子放出領域 2,15,17 ガス出し用電子放出領域 3 第1のカソード電極 4 第1の絶縁層 5 第1のゲート電極 6 第2のカソード電極 7 第2絶縁層 8 第2のゲート電極 9 第1のエミッタティップ 10 第2のエミッタティップ 11 金属層 12 犠牲層 13 エミッタ材料 14 アノード電極 16 エミッタティップ形成領域 18 集束電極

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のカソード電極として使用する導電
    性基板と、前記導電性基板上に積層した第1の絶縁層お
    よび第1のゲート電極と、前記第1の絶縁層と前記第1
    のゲート電極により形成される空洞内の前記導電性基板
    上に設けた、単一或いはアレイ状の先端の先鋭な略円錐
    状の第1のエミッタティップとで構成された第1の電子
    放出領域を有する電界放出冷陰極において、前記第1の
    電子放出領域の外側を囲むように配置した第2のカソー
    ド電極と、前記第2のカソード電極上に積層した第2の
    絶縁層および第2のゲート電極と、前記第2の絶縁層と
    前記第2のゲート電極により形成される空洞内の前記第
    2のカソード電極上に設けた、前記第1のエミッタティ
    ップと同形状のアレイ状の第2のエミッタティップとで
    構成された第2の電子放出領域を有する電界放出冷陰極
    素子の使用方法であって、前記第2の電子放出領域を、
    前記第1の電子放出領域の清浄化用および前記第1の電
    子放出領域から放出される電子の集束電極としてのみ使
    用することを特徴とする電界放出冷陰極素子の使用方
  2. 【請求項2】 第1のカソード電極として使用する導電
    性基板と、前記導電性基板上に積層した第1の絶縁層お
    よび第1のゲート電極と、前記第1の絶縁層と前記第1
    のゲート電極により形成される空洞内の前記導電性基板
    上に設けた、単一或いはアレイ状の先端の先鋭な略円錐
    状の第1のエミッタティップとで構成された第1の電子
    放出領域を有する電界放出冷陰極において、前記第1の
    電子放出領域の外側を囲むように配置した第2のカソー
    ド電極と、前記第2のカソード電極上に積層した第2の
    絶縁層および第2のゲート電極と、前記第2の絶縁層と
    前記第2のゲート電極により形成される空洞内の前記第
    2のカソード電極上に設けた、前記第1のエミッタティ
    ップと同形状のアレイ状の第2のエミッタティップとで
    構成された第2の電子放出領域を有し、前記第2のエミ
    ッタティップを前記第2の電子放出領域内の外側に集中
    配置させたことを特徴とする電界放出冷陰極素子。
  3. 【請求項3】 前記第2の電子放出領域の外側を囲むよ
    うに第2の集束電極を設けたことを特徴とする請求項1
    記載の電界放出冷陰極素子の使用方法
  4. 【請求項4】 第1のカソード電極として使用する導電
    性基板と、前記導電 性基板上に積層した第1の絶縁層お
    よび第1のゲート電極と、前記第1の絶縁層と前記第1
    のゲート電極により形成される空洞内の前記導電性基板
    上に設けた、単一或いはアレイ状の先端の先鋭な略円錐
    状の第1のエミッタティップとで構成された第1の電子
    放出領域を有する電界放出冷陰極において、前記第1の
    電子放出領域の外側を囲むように配置した第2のカソー
    ド電極と、前記第2のカソード電極上に積層した第2の
    絶縁層および第2のゲート電極と、前記第2の絶縁層と
    前記第2のゲート電極により形成される空洞内の前記第
    2のカソード電極上に設けた、前記第1のエミッタティ
    ップと同形状のアレイ状の第2のエミッタティップとで
    構成された第2の電子放出領域を有し、前記第2の電子
    放出領域が、前記第1の電子放出領域より外側上面に位
    置することを特徴とする電界放出冷陰極素子。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の電界放出冷陰極素子の使
    方法において、清浄化時には、前記第1のゲート電極
    と前記第1のエミッタティップに、前記第2の電子放出
    領域の第2のゲート電極より高い電圧を印加し、前記第
    2の電子放出領域から放出される電子線を、前記第1の
    ゲート電極と第1のエミッタティップに衝突させて吸着
    ガス等を放出させることを特徴とする電界放出冷陰極素
    子の使用方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の電界放出冷陰極素子の使
    方法において、清浄化時には、電界放出冷陰極の上方
    に対向するようにアノード電極を配置して、前記アノー
    ド電極に印加する電圧を前記第2のゲート電極に印加す
    る電圧より低くしてアノード電極を電子反発手段として
    用いることを特徴とする電界放出冷陰極素子の使用
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の電界放出冷陰極素子の使
    方法において、清浄化時には、電界放出冷陰極の上方
    に対向するようにアノード電極を配置して、前記アノー
    ド電極に印加する電圧を前記第2のゲート電極の電圧よ
    りも高くして前記第2の電子放出領域から放出される電
    子を前記アノード電極に衝突させてクリーニングし、そ
    の後前記アノード電極の電圧を前記第2のゲート電極の
    電圧よりも低くするとともに、前記第1のゲート電極と
    前記第1のエミッタティップに、前記第2の電子放出領
    域の第2ゲート電極より高い電圧を印加し、前記第2の
    電子放出領域から放出される電子線を、前記第1のゲー
    ト電極と第1のエミッタティップに衝突させて吸着ガス
    等を放出させることを特徴とする電界放出冷陰極素子の
    使用方法。
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