JP2812356B2 - 電界放出型電子銃 - Google Patents

電界放出型電子銃

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JP2812356B2 JP3711195A JP3711195A JP2812356B2 JP 2812356 B2 JP2812356 B2 JP 2812356B2 JP 3711195 A JP3711195 A JP 3711195A JP 3711195 A JP3711195 A JP 3711195A JP 2812356 B2 JP2812356 B2 JP 2812356B2
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J3/00Details of electron-optical or ion-optical arrangements or of ion traps common to two or more basic types of discharge tubes or lamps
    • H01J3/02Electron guns
    • H01J3/021Electron guns using a field emission, photo emission, or secondary emission electron source
    • H01J3/022Electron guns using a field emission, photo emission, or secondary emission electron source with microengineered cathode, e.g. Spindt-type

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電界放出型電子銃に関
する。
【0002】
【従来の技術】電界放出型電子銃は、電界を集中させる
ための尖鋭なエミッタとその近傍に配置されたゲート電
極にアノード電極を加えて構成されている。エミッタか
ら放出された電子ビームは、ある角度を持ってアノード
電極に向かう。この電子ビームをアノード電極で集束さ
せるためには、電子レンズをゲート・アノード間に形成
する必要がある。この電子レンズを形成するために集束
電極を電界放出電子銃に一体化させて形成する方法が試
みられている。この集束電極を有する電界放出型電子銃
の従来例は、特開平5−242794号公報、特開平2
−226635号公報などに示されているように、公知
の技術である。
【0003】従来の基本的な電界放出型電子銃の例を図
12に示す。図12(a)に示すように、集束電極を有
する電界放出型電子銃の単位素子は、例えばシリコン基
板1に先鋭な円錐形のエミッタが形成され、酸化膜3お
よび4を介して、エミッション抽出電極となるゲート電
極5が形成され、酸化膜6を介して、集束電極7が形成
されて構成されていた。一般に、高いエミッション電流
を得るために、複数個の図12(a)に示すエミッタを
集合したエミッタ群により1素子の電界放出型電子銃を
構成する。この複数個のエミッタは特開平2−2266
35号公報に記載されているようにマトリックス配置で
並べた同一構造の単位素子で構成されている。従って、
図12(a)が電界放出型電子銃の中心近傍に配置され
た単位素子とすると、電子銃の周辺部に配置された単位
素子も図12(b)に示すように中心近傍の単位素子
(図12(a))と同一構成をとっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の集束電
極を有する電界放出型電子銃が複数個のエミッタで構成
されている場合、そのエミッタを平面的に配置するため
に電子銃のエミッション源の面積は一つのエミッタから
なる電子銃の場合よりも大きくなる。この従来例で述べ
たような円錐形状の先鋭なエミッタを有する電界放出型
電子銃の場合エミッタ先端からの電子ビームはある広が
り角をもって放出される。従ってエミッタからの電子流
がアノード電極に到達するときには、エミッタ群の配置
された領域よりも広くなる。電界放出型電子銃を、例え
ば、電子ディスプレイ装置に応用する場合、画像の解像
度を上げるために電子レンズを設けることが必要となる
が、電界放出型電子銃とアノード電極の間に電子レンズ
を形成する際に、電子ビームの広がりが大きいと、電子
レンズの大きさが大きくなり、ディスプレイ装置の小型
化の障害となる。また強力なレンズが必要となり、低電
力化の妨げとなる。この電子ビームの広がりを抑えるた
めに開発されたのが、この従来例で述べられている集束
電極である。集束電極にゲート電極よりも低い電位を与
えることにより、個々のエミッタからの電子ビームは、
集束電極で形成されたレンズによって集束され、広がり
角は抑制される。しかしながら、研究の結果によると、
この従来の電界放出型電子銃は、集束電極がゲート電極
のごく近傍に配置されているために、集束電極の電位を
下げ集束の度合いを大きくすると、集束電極による電界
の影響がゲート電極の形成する電界の強度に影響を与
え、エミッタ先端の電界強度を低下させることが判明し
ている。このために、エミッタから放出されるエミッシ
ョン電流が低下し、前述のディスプレイ装置では輝度の
低下といった問題が生じることになる。
【0005】このように従来の集束電極を有する電界放
出型電子銃では、エミッション電流を適正な範囲に保っ
たまま電子ビームの集束度を上げることができないとい
う欠点があった。
【0006】そこで、本発明は、エミッション電流値を
大きく低下することなく、電子ビームの集束度を向上し
ようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明は、基板電極と該基板電極上に形成された複
数個の尖鋭なエミッタの集合体と該基板電極上に形成さ
れ前記エミッタ上に開口を有する絶縁膜と前記絶縁膜上
に形成されたゲート電極と前記ゲート電極上に形成され
た第二の絶縁膜と前記第二の絶縁膜上に形成された集束
電極とを有する電界放出型電子源において、前記集束電
極が前記エミッタから電界放出される電子流の集束度が
少なくとも前記エミッタの集合体の中心近傍では集束度
が小さく前記エミッタの周辺近傍では集束度が大きくな
るように前記エミッタの集合体の中心近傍と前記エミッ
タの周辺近傍の集束度を独立に制御して設定している電
界放出型電子銃を採用する。
【0008】
【実施例】次に本発明の実施例について図面を参照して
説明する。
【0009】図1は、本発明の第一実施例の断面図であ
る。図1に示すように本発明の第一実施例は、先鋭な円
錐形のエミッタを有するシリコン基板1とエミッタを露
出するように形成された酸化膜3および酸化膜4と例え
ばタングステンなどの金属膜よりなるゲート電極5とゲ
ート電極5上に形成された酸化膜6とその上に形成され
た金属膜よりなる集束電極7とにより構成されている。
さらに、集束電極の電位は、エミッタ群の中央近傍では
第一の電位を有する電源に接続され、エミッタ群の周辺
部では、第二の電位を有する電源に接続され、第一の電
位は第二の電位よりも高い電位になるように設定されて
いる。図2に図1の平面図を示す。図中A−Bの断面図
が図1となる。図2のようにエミッタの中央近傍と周辺
部の集束電極は、それぞれ異なる電極に取り出され、個
別に電位を設定できるようになっている。なお本実施例
では電極取り出しを同一電極膜で形成しているために、
第二の集束電極の一部が分離され第一の集束電極を取り
出しているが、他の電極層を用いて第一の集束電極を第
二の集束電極を囲むようにすることも可能である。ま
た、この例では集束電極の電位を二つにしているが、さ
らに多数の電位に分けて設定してもよい。その場合に
も、集束電極の電位は、中央部から周辺部になるに従っ
て低くなるように設定する。エミッタの電位を0V、ゲ
ート電極の電位を約100Vとすると、例えば第一の集
束電極の電位を50Vから100Vとした場合、第二の
集束電極の電位を10Vから50Vとする。このよう
に、集束電極の電位設定をエミッタ群の中央部よりも周
辺部の方が低くなるように設定することにより、中心部
では電子ビームの広がり角は周辺よりも大きいが、エミ
ッション電流の強度は大きく保たれ、周辺部ではエミッ
ション電流の強度は小さくなるが、電子ビームの広がり
角は小さくなるように制御されることとなる。これによ
りエミッタ群から電界放出型電子銃でみると、エミッシ
ョン電流量をあまり下げることなく電子ビームの広がり
を抑えることが可能となる。
【0010】図3(a)〜(d)、図4(a)〜(c)
に本実施例の工程順断面図を示す。図3(a)に示すよ
うに、n型のシリコン基板1上に絶縁膜、例えば200
nm程度の膜厚の酸化膜2を熱酸化により形成する。次
に図3(b)に示すように、パターニングされたレジス
ト(図示なし)をマスクにして酸化膜2を選択的にエッ
チングし、さらに露出したシリコン基板1を酸化膜2を
マスクにSF6 などのガスを用いたプラズマエッチング
により凸形状となるようにエッチングする。次に図3
(c)に示すように、熱酸化により200nm〜400
nm程度の酸化を行い、凸形状のシリコン基板1を先鋭
化し円錐状のエミッタを形成する。次に図3(d)に示
すように、蒸着法により約400nmの酸化膜4とゲー
ト電極5となる約200nmのタングステン膜を順次堆
積する。この工程においてエミッタ上では酸化膜2が残
っているため、その上にのみ堆積され、図のように酸化
膜4とゲート電極5は、エミッタ部で分離される。次に
図4(a)に示すように、ゲート電極5をパターニング
した後、蒸着法により約500nmの酸化膜6と集束電
極7となる約200nmのタングステン膜を形成する。
次に図4(b)に示すように、弗酸溶液中でエミッタ上
において側壁が露出している酸化膜6および酸化膜3を
除去する。この工程において、同時に酸化膜2およびエ
ミッタ上の酸化膜3も除去される。次に図4(c)に示
すように、集束電極7をレジストマスクの選択エッチン
グなどの方法によりパターニングして電界放出型電子銃
を形成する。この集束電極7をパターニングする際に、
エミッタ群の中央部と周辺部で異なる電位を与えられる
ように電極を取り出すことにより、本発明の電子ビーム
を集束し高エミッション電流を実現できる電界放出型電
子銃を実現できる。なお、第一実施例では、集束電極の
電位をエミッタ群の中央部と周辺部とで変えるために集
束電極の電気的接続を分割することにより行っている。
【0011】他に本発明の第二実施例として、集束電極
の分割を行わない構造を形成し、エミッタ群の中央部の
集束電極から周辺部の集束電極に電流が流れるように電
極を接続する方法がある。この方法では集束電極の抵抗
値を所定の値に設定することにより、中央部から周辺部
になるに従って集束電極の電位は低くなる。この結果エ
ミッタ群の中央部では電子ビームの集束度は低いが高エ
ミッション電流が得られ、周辺にいくに従って電子ビー
ムの集束度は高くなり広がり角は小さくなるが、エミッ
ション電流は小さくなる。
【0012】本発明の第三実施例を図5に示す。図5
(a)はエミッタ群中央部の素子形状の断面図を示し、
図5(b)はエミッタ群周辺部の素子形状の断面図を示
す。本実施例では集束電極7の膜厚を中央部(図5
(a))よりも周辺部(図5(b))が厚くなるように
設定している。例えば中央部の構造は第一実施例と同じ
で集束電極7の膜厚を約200nmとしている場合、周
辺部は約400nmの膜厚となるように集束電極7を設
定する。この集束電極7の膜厚を変える方法は、集束電
極材料を例えば蒸着法で約400nm堆積した後、レジ
ストなどのマスクを用いて中央部の集束電極材料を選択
的にエッチングし膜厚を約200nmとし集束電極7を
パターニングすることにより形成できる。他の方法とし
ては、周辺部に約200nmの集束電極材料をあらかじ
め選択的に形成した後、約200nmの集束電極材料を
堆積して選択的にパターニングして集束電極7を形成し
てもよい。また、本実施例では集束電極7の膜厚を2種
類で説明しているが、これは必要に応じて多数の膜厚で
形成してもよいし、エミッタ群の中央部から周辺部にか
けて連続的に膜厚が変わるように設定してもよい。この
ように集束電極7の膜厚をエミッタ群の中央部よりも周
辺部のほうが厚くなるように設定することにより、集束
電極7の電位が同じ場合でもエミッタ群の周辺部では上
部アノード電極の電界の影響を受けにくく集束電極の電
界効果が相対的に大きくなり、電子ビームの集束の度合
いはエミッタ群の中央部よりも大きくなる。このように
第三実施例では、第一実施例で示したような複数個の集
束電位設定用の電源は必要なく、一つの集束電極用の電
源で素子を構成できる。さらにエミッタ群内で集束電極
を電気的に分離する必要がないため、その分離領域が必
要なく、素子の微細化にも有効となる。
【0013】本発明の第四実施例を図6に示す。図6
(a)はエミッタ群中央部の素子形状の断面図を示し、
図6(b)はエミッタ群周辺部の素子形状の断面図を示
す。基本的な素子構造は図4(c)と同じである。本実
施例ではエミッタ群中央部の集束電極7の開口径が周辺
部の集束電極7の開口径よりも大きくなるように設定し
てある。集束電極7の電位はエミッタ群の中央部と周辺
部で同じである。電界強度はその電界をつくる電極から
離れるに従って弱くなる。従って、例えばゲート開口径
が約1μmの場合、エミッタ群中央部(図6(a))の
集束電極7の開口径を約1.5μmから約2μmとし、
エミッタ群周辺部(図6(b))の集束電極7の開口径
を約1μmから約1.5μmと設定することにより、エ
ミッタ群の中央部では電子ビームの集束度は低いが高い
エミッション電流が得られ、周辺部では高い集束度が得
られることになる。この例では開口径を2種で示した
が、もちろん2種以上の複数種有っても連続的に変化さ
せてもかまわない。このように異なる集束電極を形成す
る方法の一例を示す。図4(a)の工程まで進んだ後レ
ジストなどのマスクを用い集束電極7を開口径が異なる
ようにパターニングした後、図4(b)のように酸化膜
エッチングによるリフトオフ工程を行うことにより容易
に形成できる。
【0014】次に本発明の第五実施例を図7に示す。図
7(a)はエミッタ群中央部の素子構造の断面図であ
り、図7(b)はエミッタ群周辺部の素子構造の断面図
である。本実施例では、エミッタ群中央部の集束電極7
下の酸化膜6の膜厚をエミッタ群周辺部の酸化膜6の膜
厚よりも厚くなるように設定している。電位設定は中央
部と周辺部で同じである。これにより、エミッタ群中央
部ではゲート電極5と集束電極7の距離が離れることに
なり、ゲート電極5と集束電極7間の電位分布は穏やか
なものとなり、エミッタ群中央部で電子ビームの集束度
は弱いが、エミッション電流値は大きくなり、エミッタ
群周辺部はその逆となる。この製造方法の一例を説明す
る。図3(d)の工程の後、ゲート電極5をパターニン
グし約200nmの膜厚の酸化膜を堆積し、エミッタ群
の中央部を残して選択的にレジストなどのマスクで除去
する。その後約200nmの酸化膜を蒸着し中心と周辺
とで酸化膜厚の異なる酸化膜6を形成する。この後は図
4で示した工程で形成できる。この実施例でも、酸化膜
6の膜厚は、2種以上の複数種でも連続的に変化させて
もかまわない。
【0015】次に本発明の第六実施例を図8に示す。図
8(a)はエミッタ群の中央部の素子形状の断面図であ
り、図8(b)はエミッタ群の周辺部の素子形状の断面
図である。図8(a)は図4(c)と同じ構造である。
図8(b)は集束電極7の上に500nmの膜厚の酸化
膜8を介して200nmの膜厚の例えばタングステンな
どの金属膜よりなる第二の集束電極9を形成した構造と
なっている。本実施例ではエミッタ群の周辺部の集束電
極を2層構造とすることにより、周辺部での電子ビーム
の広がりをコントロールよく抑制することが可能とな
る。本実施例では2層の集束電極で周辺を構成してある
が、この層数は特に限定されるものではない。
【0016】本発明の第六実施例では、エミッタ群の周
辺部の集束電極の層数を多層とし周辺部での集束度を高
めたが、その逆にエミッタ群の中央部でゲート電極と集
束電極との間にゲート電極とほぼ同電位以上の電位を持
つ電極層を挿入する本発明の第七実施例がある。これ
は、上層の集束電極の影響でエミッタにかかるゲート電
極の電界が弱まる効果をゲート電極と集束電極の間の電
極層により緩和するものである。これによりエミッタ部
の電界が強くなり、エミッション電流は増加することに
なる。しかし、電子ビームの集束度は、挿入した電極に
よる電子の加速効果により弱まることになる。この結
果、相対的にみると、エミッタ群周辺部で集束度は高
く、中央部でエミッション電流が大きくなる。
【0017】次に本発明の第八実施例を説明する。図9
は本発明の第八実施例の断面図であり、図10はその平
面図である。本実施例では図9に示すように個々のエミ
ッタには同じ構造で同じ第一の電位の集束電極を形成
し、図10で明らかなようにエミッタ群を取り囲む第二
の電位の第二の集束電極を設けている。この構造により
第一の集束電極で決まる集束度に加え、第二の集束電極
の効果が電子ビームに加えられる。第二の集束電極は、
第一の集束電極と同等又はそれ以下の電位に設定されて
おり、その電極の近傍つまりエミッタ群の周辺部で集束
効果は高くなる。その結果、エミッタ群の中央部では集
束度は弱いが高エミッション電流が得られ、エミッタ群
の周辺部ではエミッション電流は低下するが電子ビーム
の集束度は高くなる。この方法は第一実施例と比較する
と、エミッタ群内の電極間マージンは必要ないためエミ
ッタ群の面積は増加しない。また、集束電極形成時に同
時に第一の集束電極と第二の集束電極を形成できるの
で、他の実施例で示したような工程の増加も無く簡便に
所望の特性を得ることが可能となる。本実施例では第二
の集束電極はエミッタの外側に形成してあるが、これに
限ったものではなく、必要に応じて多重に形成してもエ
ミッタ群の中に形成してもその効果を高めることができ
る。
【0018】以上説明した実施例ではエミッタは、シリ
コン基板を材料として形成する方法で説明したが、エミ
ッタ材料およびエミッタの形成方法はこれに限るもので
はなく、蒸着したニッケルやモリブデン膜によりコーン
を形成する方法などの他の方法で形成したものでも同様
の効果を奏する。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、電界放出
型電子銃のエミッション源となる複数のエミッタ群の中
央部から周辺部になるに従って、エミッタから放出され
た電子ビームの集束度が高くなるように集束電極を構成
してある。この結果、エミッタ群の電子ビーム広がりは
エミッタ群の中央部で大きく周辺部で小さくなる。この
様子を図11に示す。図11(a)は従来の電子ビーム
の広がりを示す図であり、図11(b)は本発明の電子
ビームの広がりを示す図である。図から判明するように
周辺の電子ビームの広がりを抑制することにより、全体
の電子ビームの広がりは抑制できる。例えばエミッタか
らの電子ビームの広がりが20度ある場合にはアノード
電極が2mm離れた場所にあり、エミッタ群の幅が1m
mあった場合、図11(a)の従来例では電子ビームの
広がり幅は2.44mmになるのに対し、図11(b)
の本発明では周辺0.3mm幅の領域の集束度を高め広
がり角を12度に抑えると、電子ビームの広がり幅は
1.84mmとなり25%の改善が可能である。この本
発明の効果は、これまでに説明した実施例を組合わせる
ことにより一層顕著な効果とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例の断面図である。
【図2】本発明の第一実施例の平面図である。
【図3】本発明の第一実施例の工程順断面図である。
【図4】本発明の第一実施例の工程順断面図である。
【図5】本発明の第三実施例の断面図である。
【図6】本発明の第四実施例の断面図である。
【図7】本発明の第五実施例の断面図である。
【図8】本発明の第六実施例の断面図である。
【図9】本発明の第八実施例の断面図である。
【図10】本発明の第八実施例の平面図である。
【図11】従来例と本発明の電子ビームの軌道の説明図
である。
【図12】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板 2 酸化膜 3 酸化膜 4 酸化膜 5 ゲート電極 6 酸化膜 7 集束電極 8 酸化膜 9 第二の集束電極

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板電極と該基板電極上に形成された複
    数個の尖鋭なエミッタの集合体と該基板電極上に形成さ
    れ前記エミッタ上に開口を有する絶縁膜と前記絶縁膜上
    に形成されたゲート電極と前記ゲート電極上に形成され
    た第二の絶縁膜と前記第二の絶縁膜上に形成された集束
    電極とを有する電界放出型電子源において、前記集束電
    極が前記エミッタから電界放出される電子流の集束度が
    少なくとも前記エミッタの集合体の中心近傍では集束度
    が小さく前記エミッタの周辺近傍では集束度が大きくな
    るように前記エミッタの集合体の中心近傍と前記エミッ
    タの周辺近傍の集束度を独立に制御して設定しているこ
    とを特徴とする電界放出型電子銃。
  2. 【請求項2】 前記集束電極の電位が前記エミッタの中
    心近傍から周辺部になるに従って低くなるように設定さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の電界放出型電
    子銃。
  3. 【請求項3】 前記集束電極の膜厚が前記エミッタの中
    心近傍で薄く周辺部で厚くなっていることを特徴とする
    請求項1記載の電界放出型電子銃。
  4. 【請求項4】 前記エミッタ上の前記第二の絶縁膜の膜
    厚が前記エミッタの集合体の中心近傍で厚く周辺部で薄
    くなっていることを特徴とする請求項1記載の電界放出
    型電子銃。
  5. 【請求項5】 前記集束電極の前記エミッタ上の開口径
    が前記エミッタの集合体の中心近傍から周辺部になるに
    従って小さくなるように設定されていることを特徴とす
    る請求項1記載の電界放出型電子銃。
  6. 【請求項6】 前記エミッタの集合体の一部に前記集束
    電極上に第三の絶縁膜とその上に形成された上層の集束
    電極を少なくとも2段形成した領域が形成され、前記エ
    ミッタの集合体の中心近傍と周辺部で前記上層の集束電
    極の段数が異なっていることを特徴とする請求項1記載
    の電界放出型電子銃。
  7. 【請求項7】 前記集束電極が前記エミッタの中心近傍
    に配置された第一の集束電極とその外側に前記第一の集
    束電極をほぼ囲むように配置された少なくとも一つの前
    記エミッタ周辺部上の第二の集束電極よりなり、前記エ
    ミッタの中心近傍上の前記第一の集束電極の電位より
    も、前記エミッタ周辺上の前記第二の集束電極の電位が
    低くなっていることを特徴とする請求項1又は請求項2
    記載の電界放出型電子銃。
  8. 【請求項8】 前記集束電極が前記エミッタ中心から周
    辺に向かって電流が流れるように電気的に接続され、前
    記エミッタ電極の中心近傍上の前記集束電極の電位より
    も、前記エミッタ周辺上の前記集束電極の電位が低くな
    っていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の
    電界放出型電子銃。
  9. 【請求項9】 第一の集束電極がエミッタの集合体の個
    々に配置されて且つ少なくとも二つの第二の集束電極が
    前記エミッタの集合体の複数個の前記エミッタを囲むよ
    うに形成されていることを特徴とする電界放出型電子
    銃。
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