JPH06290702A - 電子放射素子及びその製造方法 - Google Patents
電子放射素子及びその製造方法Info
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- JPH06290702A JPH06290702A JP7399293A JP7399293A JPH06290702A JP H06290702 A JPH06290702 A JP H06290702A JP 7399293 A JP7399293 A JP 7399293A JP 7399293 A JP7399293 A JP 7399293A JP H06290702 A JPH06290702 A JP H06290702A
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- electron
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Abstract
(57)【要約】
【目的】エミッタ基板周辺部での特性を改善しプレート
状の素子全面に亘って良好且つ均一な特性を有する電子
放射素子を得ることにある。 【構成】貫通孔1aを有するゲート電極1と該貫通孔1
aと対向する導電領域21に電子放出用微小突起状のエ
ミッタ電極22を有するエミッタ基板20とを絶縁層2
を介して積層したプレート状の電子放射素子であって、
該電子放射素子は、前記ゲート電極板1側に曲率中心部
Oをもつ所定曲率半径Rの球面状若しくは円柱面状の三
次元曲面形状である電子放射素子とその製造方法。
状の素子全面に亘って良好且つ均一な特性を有する電子
放射素子を得ることにある。 【構成】貫通孔1aを有するゲート電極1と該貫通孔1
aと対向する導電領域21に電子放出用微小突起状のエ
ミッタ電極22を有するエミッタ基板20とを絶縁層2
を介して積層したプレート状の電子放射素子であって、
該電子放射素子は、前記ゲート電極板1側に曲率中心部
Oをもつ所定曲率半径Rの球面状若しくは円柱面状の三
次元曲面形状である電子放射素子とその製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電界放出現象を利用した
電子源に関するものであり、画像表示素子、光プリン
タ、照明ランプ等に応用される電子放射素子及びその製
造方法に関するものである。
電子源に関するものであり、画像表示素子、光プリン
タ、照明ランプ等に応用される電子放射素子及びその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常の状態において物体表面から電子を
取り出すためには、その物体の仕事関数に相当するエネ
ルギーを与える必要がある。これは、仕事関数分のエネ
ルギー障壁が存在するためである。そこで、上記エネル
ギー障壁を打破するために、物体表面に対して強電界を
かけると、その障壁の幅が狭くなり、トンネル現象によ
って電子が放出される。これが電界放出現象である。
取り出すためには、その物体の仕事関数に相当するエネ
ルギーを与える必要がある。これは、仕事関数分のエネ
ルギー障壁が存在するためである。そこで、上記エネル
ギー障壁を打破するために、物体表面に対して強電界を
かけると、その障壁の幅が狭くなり、トンネル現象によ
って電子が放出される。これが電界放出現象である。
【0003】電場はポアソンの方程式に支配されている
ため、突起があるとその先端部分に電子が集中する。即
ち、突起形状を用いれば、比較的低電圧で電子の電界放
出を起こすことができ、電子源として利用できる。
ため、突起があるとその先端部分に電子が集中する。即
ち、突起形状を用いれば、比較的低電圧で電子の電界放
出を起こすことができ、電子源として利用できる。
【0004】従来、電界放出現象を利用した電子放射素
子の例としては、ジャーナル・オブ・アプライド・フィ
ズィックス第47巻12号(1976 年12月)5248 〜5263ペ
ージ(Journal of Applied Physics,Vol.47,Number12(D
ecember1976)5248〜5263)に示されたものがある。
子の例としては、ジャーナル・オブ・アプライド・フィ
ズィックス第47巻12号(1976 年12月)5248 〜5263ペ
ージ(Journal of Applied Physics,Vol.47,Number12(D
ecember1976)5248〜5263)に示されたものがある。
【0005】この方法では、図4(a)〜図4(c)の
ように平面基板20上に形成した絶縁膜2’およびゲー
ト電極1に小孔1bを孔設し、図4(d)のように、回
転斜め蒸着方式によって剥離層11を設け、続いて図4
(e)のように、小孔1bの内部に向かって、エミッタ
材料12として例えばMo(モリブデン)を蒸着し、小
孔1b内に円錐状のエミッタ電極22を形成する。剥離
層11上にMo蒸着によって付着したエミッタ材料12
(Mo)は、剥離層11を介してゲート電極1より剥離
し、図4(f)に示すような電子放射素子を得ている。
なお、図4(g)は、電子放射素子の小孔1b内部の基
板20上に形成された円錐状のエミッタ電極22を示す
斜視図である。
ように平面基板20上に形成した絶縁膜2’およびゲー
ト電極1に小孔1bを孔設し、図4(d)のように、回
転斜め蒸着方式によって剥離層11を設け、続いて図4
(e)のように、小孔1bの内部に向かって、エミッタ
材料12として例えばMo(モリブデン)を蒸着し、小
孔1b内に円錐状のエミッタ電極22を形成する。剥離
層11上にMo蒸着によって付着したエミッタ材料12
(Mo)は、剥離層11を介してゲート電極1より剥離
し、図4(f)に示すような電子放射素子を得ている。
なお、図4(g)は、電子放射素子の小孔1b内部の基
板20上に形成された円錐状のエミッタ電極22を示す
斜視図である。
【0006】この方法(図4(a)〜(f))で作製し
た電子放射素子に関しては、これと蛍光体を塗布したア
ノード電極(陽極)とを対向させた画像表示素子が開発
されている。(Japan Display '86 512 〜515 ページ)
た電子放射素子に関しては、これと蛍光体を塗布したア
ノード電極(陽極)とを対向させた画像表示素子が開発
されている。(Japan Display '86 512 〜515 ページ)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ように平面基板を用いると、基板周辺部での電気的特性
が悪く、且つ電子放射素子の寿命が短いことがわかって
きた。これは、基板中心付近では蒸着物質が垂直に飛来
して円錐形状のエミッタ電極22の中心軸が基板に対し
て垂直に形成されるのに対し、周辺部では蒸着物質が斜
めに飛来することによりその中心軸が斜めに形成されて
しまうことに起因している。
ように平面基板を用いると、基板周辺部での電気的特性
が悪く、且つ電子放射素子の寿命が短いことがわかって
きた。これは、基板中心付近では蒸着物質が垂直に飛来
して円錐形状のエミッタ電極22の中心軸が基板に対し
て垂直に形成されるのに対し、周辺部では蒸着物質が斜
めに飛来することによりその中心軸が斜めに形成されて
しまうことに起因している。
【0008】本発明は、このような基板周辺部での特性
を改善し、プレート状の素子全面に亘って良好且つ均一
な特性を有する電子放射素子を得ることにある。
を改善し、プレート状の素子全面に亘って良好且つ均一
な特性を有する電子放射素子を得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、貫通孔1aを
有するゲート電極1と該貫通孔1aと対向する導電領域
21に電子放出用微小突起状のエミッタ電極22を有す
るエミッタ基板20とを、絶縁層2を介して積層したプ
レート状の電子放射素子であって、該電子放射素子は、
前記ゲート電極1側に曲率中心部Oをもつ所定曲率半径
Rの球面状若しくは円柱面状の三次元曲面形状であるこ
とを特徴とする電子放射素子である。
有するゲート電極1と該貫通孔1aと対向する導電領域
21に電子放出用微小突起状のエミッタ電極22を有す
るエミッタ基板20とを、絶縁層2を介して積層したプ
レート状の電子放射素子であって、該電子放射素子は、
前記ゲート電極1側に曲率中心部Oをもつ所定曲率半径
Rの球面状若しくは円柱面状の三次元曲面形状であるこ
とを特徴とする電子放射素子である。
【0010】また本発明は、電子を通過させる貫通孔1
aが孔設されたゲート電極1と、少なくとも前記貫通孔
1aと対向する部位に導電領域21が形成された所定曲
率半径Rの曲面形状を有するエミッタ基板20上に、絶
縁層2を介して積層した後、エミッタ材料を前記貫通孔
1aを通して、前記曲率半径Rの曲率中心部Oより所定
放散角度で蒸着し、電子を射出させる微小突起状のエミ
ッタ電極22を前記貫通孔1aと対向するエミッタ基板
20側に形成することを特徴とする電子放射素子の製造
方法である。
aが孔設されたゲート電極1と、少なくとも前記貫通孔
1aと対向する部位に導電領域21が形成された所定曲
率半径Rの曲面形状を有するエミッタ基板20上に、絶
縁層2を介して積層した後、エミッタ材料を前記貫通孔
1aを通して、前記曲率半径Rの曲率中心部Oより所定
放散角度で蒸着し、電子を射出させる微小突起状のエミ
ッタ電極22を前記貫通孔1aと対向するエミッタ基板
20側に形成することを特徴とする電子放射素子の製造
方法である。
【0011】
【実施例】本発明の電子放射素子は、図1に示されるよ
うに、所定の曲率半径R1 (曲率中心部O)を有する球
面状若しくは円柱面状の曲面形状を備えた複数の貫通孔
1aを持つゲート電極1と、適宜数の絶縁層2を介して
積層されている所定の曲率半径R2 (曲率中心部O)を
有する球面状若しくは円柱面状の曲面形状を備えたエミ
ッタ基板20を備えるものである。
うに、所定の曲率半径R1 (曲率中心部O)を有する球
面状若しくは円柱面状の曲面形状を備えた複数の貫通孔
1aを持つゲート電極1と、適宜数の絶縁層2を介して
積層されている所定の曲率半径R2 (曲率中心部O)を
有する球面状若しくは円柱面状の曲面形状を備えたエミ
ッタ基板20を備えるものである。
【0012】前記エミッタ基板20上には、貫通孔1a
に対向する領域に形成された導電領域21(通電領域と
しての適宜なパターン状のエミッタ配線21a)を備
え、導電領域21上には、前記貫通孔1aと同数の微小
突起状のエミッタ電極22を備え、該導電領域21とエ
ミッタ電極22とによりエミッタ電極部3が構成されて
いる。
に対向する領域に形成された導電領域21(通電領域と
しての適宜なパターン状のエミッタ配線21a)を備
え、導電領域21上には、前記貫通孔1aと同数の微小
突起状のエミッタ電極22を備え、該導電領域21とエ
ミッタ電極22とによりエミッタ電極部3が構成されて
いる。
【0013】本発明の電子放射素子においては、球面状
若しくは円柱面状の曲面形状のエミッタ基板20上に形
成されている微小突起状のエミッタ電極22は、前記曲
率半径Rの中心部Oにエミッタ材料を用いた蒸着源Sを
設定して、蒸着法により形成されたものであり、該エミ
ッタ電極22のそれぞれ突起部22aは、曲率半径中心
部Oを向いて設けられているものである。
若しくは円柱面状の曲面形状のエミッタ基板20上に形
成されている微小突起状のエミッタ電極22は、前記曲
率半径Rの中心部Oにエミッタ材料を用いた蒸着源Sを
設定して、蒸着法により形成されたものであり、該エミ
ッタ電極22のそれぞれ突起部22aは、曲率半径中心
部Oを向いて設けられているものである。
【0014】次に本発明の電子放射素子の製造方法を以
下に詳細に説明する。
下に詳細に説明する。
【0015】図2(a)〜(h)は、本発明製造方法の
一実施例における製造工程を説明する側面図である。な
お、図2(a)〜(h)において図示する本発明におけ
るエミッタ基板20は曲率半径R2 を有する球面状若し
くは円柱面状の曲面形状を呈しているものであるが、図
中では簡略化のため平面状で示した。なお、当該図中に
おけるエミッタ基板20は曲面形状を呈しているものと
して以下説明する。
一実施例における製造工程を説明する側面図である。な
お、図2(a)〜(h)において図示する本発明におけ
るエミッタ基板20は曲率半径R2 を有する球面状若し
くは円柱面状の曲面形状を呈しているものであるが、図
中では簡略化のため平面状で示した。なお、当該図中に
おけるエミッタ基板20は曲面形状を呈しているものと
して以下説明する。
【0016】まず、図2(a)〜(b)曲率半径R2 =
30cmを有する球面状若しくは円柱面状の曲面形状を
呈するガラス製のエミッタ基板20上に、ニッケル(N
i)を0.2μm蒸着して積層し、フォトリソグラフ法
によってストライプ状にパターニング加工して導電領域
21(通電領域)を形成する。
30cmを有する球面状若しくは円柱面状の曲面形状を
呈するガラス製のエミッタ基板20上に、ニッケル(N
i)を0.2μm蒸着して積層し、フォトリソグラフ法
によってストライプ状にパターニング加工して導電領域
21(通電領域)を形成する。
【0017】次に図2(c)ストライプ状にパターニン
グされた前記導電領域21上に二酸化シリコン(SiO
2 )を1μm蒸着して絶縁層2を形成し、その上にモリ
ブデン(Mo)を0.2μm蒸着してゲート電極1(ゲ
ート電極層)を形成する。なお、蒸着形成したゲート電
極1は、ディスプレイに用いる場合、ストライプパター
ン状にパターニングする必要がある。ここで、フォトリ
ソグラフ法によってストライプ状にパターニングするこ
ともできるが、本実施例においては後において行なうも
のとする。
グされた前記導電領域21上に二酸化シリコン(SiO
2 )を1μm蒸着して絶縁層2を形成し、その上にモリ
ブデン(Mo)を0.2μm蒸着してゲート電極1(ゲ
ート電極層)を形成する。なお、蒸着形成したゲート電
極1は、ディスプレイに用いる場合、ストライプパター
ン状にパターニングする必要がある。ここで、フォトリ
ソグラフ法によってストライプ状にパターニングするこ
ともできるが、本実施例においては後において行なうも
のとする。
【0018】続いて、図2(d)ゲート電極1上に、フ
ォトレジストをスピンコート法によりコーティングして
パターン露光及び現像処理し、直径1μmの貫通孔を形
成するためのパターン状の非レジスト部25aを有する
パターンレジスト層25を形成し、レジスト層25の非
レジスト部25aを通してその下層にあるゲート電極1
(Mo)と絶縁層2(SiO2 )をエッチングして、ゲ
ート電極1に貫通孔1aを形成するとともに、下層の導
電領域21(通電領域)を露呈させ、電子放電素子の中
間構造体を形成する。
ォトレジストをスピンコート法によりコーティングして
パターン露光及び現像処理し、直径1μmの貫通孔を形
成するためのパターン状の非レジスト部25aを有する
パターンレジスト層25を形成し、レジスト層25の非
レジスト部25aを通してその下層にあるゲート電極1
(Mo)と絶縁層2(SiO2 )をエッチングして、ゲ
ート電極1に貫通孔1aを形成するとともに、下層の導
電領域21(通電領域)を露呈させ、電子放電素子の中
間構造体を形成する。
【0019】次に、図2(f)エミッタ基板20の曲率
中心部Oに設定した蒸着源Sより、エミッタ材料(M
o)を用いて前記中間構造体に向けて蒸着を行い、貫通
孔1aを通してエミッタ基板20上の露呈する導電領域
21上に、自己整合的に微小突起状のエミッタ電極22
を形成する。なお、この蒸着の時点で、レジスト層25
上及び貫通孔1a上にもオーバーハング状態にそれぞれ
エミッタ材料12が蒸着されるので、貫通孔1aは、徐
々にその開口径が小さくなり、やがて完全に閉塞され
る。そのため、貫通孔1a内部の導電領域21上には、
微小な錐体突起状のエミッタ電極22が形成されるもの
である。
中心部Oに設定した蒸着源Sより、エミッタ材料(M
o)を用いて前記中間構造体に向けて蒸着を行い、貫通
孔1aを通してエミッタ基板20上の露呈する導電領域
21上に、自己整合的に微小突起状のエミッタ電極22
を形成する。なお、この蒸着の時点で、レジスト層25
上及び貫通孔1a上にもオーバーハング状態にそれぞれ
エミッタ材料12が蒸着されるので、貫通孔1aは、徐
々にその開口径が小さくなり、やがて完全に閉塞され
る。そのため、貫通孔1a内部の導電領域21上には、
微小な錐体突起状のエミッタ電極22が形成されるもの
である。
【0020】続いて、図2(g)レジスト層25を剥離
除去することによってレジスト層25上に蒸着されてい
るエミッタ材料12(Mo)を除去し、次に図2(h)
フォトリソグラフ法によって、ゲート電極1を前記エミ
ッタ基板20上のストライプ状の導電領域21と直交す
る方向に適宜ストライプパターン加工して、電子放射素
子が得られる。
除去することによってレジスト層25上に蒸着されてい
るエミッタ材料12(Mo)を除去し、次に図2(h)
フォトリソグラフ法によって、ゲート電極1を前記エミ
ッタ基板20上のストライプ状の導電領域21と直交す
る方向に適宜ストライプパターン加工して、電子放射素
子が得られる。
【0021】こうして得られた本発明の上記電子放射素
子は、ゲート電極1を基準としてエミッタ電極22(導
電領域21)に負の電圧を印加すると、エミッタ電極2
2先端から電子が射出され、その一部はゲート電極1に
直接到達するが、大部分の電子はゲート電極1の貫通孔
1aを通過して外方に放射される。
子は、ゲート電極1を基準としてエミッタ電極22(導
電領域21)に負の電圧を印加すると、エミッタ電極2
2先端から電子が射出され、その一部はゲート電極1に
直接到達するが、大部分の電子はゲート電極1の貫通孔
1aを通過して外方に放射される。
【0022】上記実施例の製造方法においては、エミッ
タ基板20として球面状若しくは円柱面状ののものを使
用するものであるが、ここで、円柱面状のエミッタ基板
20を使用して電子放射素子を製造する場合における蒸
着工程について以下に説明する。
タ基板20として球面状若しくは円柱面状ののものを使
用するものであるが、ここで、円柱面状のエミッタ基板
20を使用して電子放射素子を製造する場合における蒸
着工程について以下に説明する。
【0023】一個所の蒸着源Sからは、エミッタ材料
(Mo)の蒸着粒子が逆円錐形状に放射されるものであ
り、したがって、球面状のエミッタ基板20を使用した
場合には、その曲率中心部Oに設定された蒸着源Sから
エミッタ基板20上に形成されたゲート電極1の貫通孔
1aに向かって導電領域21面に垂直方向に蒸着が行わ
れるものであるが、円柱面状のエミッタ基板20を使用
した場合は、その円柱軸方向の導電領域21面に対する
垂直性が得られない。
(Mo)の蒸着粒子が逆円錐形状に放射されるものであ
り、したがって、球面状のエミッタ基板20を使用した
場合には、その曲率中心部Oに設定された蒸着源Sから
エミッタ基板20上に形成されたゲート電極1の貫通孔
1aに向かって導電領域21面に垂直方向に蒸着が行わ
れるものであるが、円柱面状のエミッタ基板20を使用
した場合は、その円柱軸方向の導電領域21面に対する
垂直性が得られない。
【0024】そこで、円柱軸方向の導電領域21面に対
する垂直性を得るために、図4に示すように、エミッタ
基板20と絶縁層2と貫通孔1aを孔設したゲート電極
1とにより構成される曲率半径Rを有する円柱面状の電
子放射素子(中間構造体M)の曲率中心部Oに設定した
蒸着源Sから放射される蒸着粒子を一方向性にするため
のスリット手段Nを設けて蒸着を行なうものである。
する垂直性を得るために、図4に示すように、エミッタ
基板20と絶縁層2と貫通孔1aを孔設したゲート電極
1とにより構成される曲率半径Rを有する円柱面状の電
子放射素子(中間構造体M)の曲率中心部Oに設定した
蒸着源Sから放射される蒸着粒子を一方向性にするため
のスリット手段Nを設けて蒸着を行なうものである。
【0025】該スリット手段Nは、中間構造体Mの円柱
軸方向Xと直交する方向に細長い幅のスリットN1 を設
け、円柱軸方向Xと直交するベクトル方向のみに蒸着粒
子を放射させて、それ以外の方向への飛着を防止しなが
ら、中間構造体Mを蒸着源Sに対して相対的に円柱軸方
向Xの一方向に移動させて蒸着を行なうものである。
軸方向Xと直交する方向に細長い幅のスリットN1 を設
け、円柱軸方向Xと直交するベクトル方向のみに蒸着粒
子を放射させて、それ以外の方向への飛着を防止しなが
ら、中間構造体Mを蒸着源Sに対して相対的に円柱軸方
向Xの一方向に移動させて蒸着を行なうものである。
【0026】なお、スリットN1 の幅は、適宜設定でき
るが、幅を狭くしすぎると蒸着に時間が掛かるため、例
えば20mm程度の幅に設定することが適当である。
るが、幅を狭くしすぎると蒸着に時間が掛かるため、例
えば20mm程度の幅に設定することが適当である。
【0027】本発明においては、エミッタ基板20はガ
ラスに限る必要はなく、例えば、半導体基板等も曲面形
状加工することによって使用可能である。また、エミッ
タ基板20は、エミッタ蒸着時に曲面であればよく、例
えばポリイミドフィルムを基板として、エミッタ蒸着時
のみ円柱面状にすることもできる。
ラスに限る必要はなく、例えば、半導体基板等も曲面形
状加工することによって使用可能である。また、エミッ
タ基板20は、エミッタ蒸着時に曲面であればよく、例
えばポリイミドフィルムを基板として、エミッタ蒸着時
のみ円柱面状にすることもできる。
【0028】また、導電領域21(エミッタ配線21
a)は、実施例において開示したようにエミッタ基板2
0上に設けてもよいし、エミッタ基板20中にイオン注
入法等によって形成してもよい。
a)は、実施例において開示したようにエミッタ基板2
0上に設けてもよいし、エミッタ基板20中にイオン注
入法等によって形成してもよい。
【0029】また、ゲート電極1には、ニッケル以外の
導電体、例えばMo,W,Ta,Nb等を使用すること
も可能である。
導電体、例えばMo,W,Ta,Nb等を使用すること
も可能である。
【0030】絶縁層2には、SiO2 以外の絶縁体、例
えば、Al2 O3 等も使用でき、また、微小突起状のエ
ミッタ電極22を蒸着形成するための蒸着材料には、M
o以外に、例えば、W,Ta等の金属、LaB6 等のホ
ウ化金属、TiC等の炭化金属、TiN等の窒化金属等
も使用できる。
えば、Al2 O3 等も使用でき、また、微小突起状のエ
ミッタ電極22を蒸着形成するための蒸着材料には、M
o以外に、例えば、W,Ta等の金属、LaB6 等のホ
ウ化金属、TiC等の炭化金属、TiN等の窒化金属等
も使用できる。
【0031】剥離層11には、フォトレジスト以外の材
料も使用は可能である。
料も使用は可能である。
【0032】また、本発明の電子放射素子及びその製造
方法において使用される材料は、本発明の要旨を逸脱し
ない範囲において適宜選定可能である。
方法において使用される材料は、本発明の要旨を逸脱し
ない範囲において適宜選定可能である。
【0033】
【作用】本発明の電子放射素子は、貫通孔1aを有する
ゲート電極1と該貫通孔1aと対向する導電領域21に
電子放出用微小突起状のエミッタ電極22を有するエミ
ッタ基板20とを、絶縁層2を介して積層したプレート
状の電子放射素子であって、前記ゲート電極1側に中心
部Oをもつ所定曲率半径Rの球面状、若しくは円柱面状
の三次元曲面形状であり、微小突起状のエミッタ電極2
2が、そのプレート状の電子放射素子の全面に亘って対
称性が良く均一に形成されているため、大面積の表示画
面用の素子としてのむらのない特性が得られる。
ゲート電極1と該貫通孔1aと対向する導電領域21に
電子放出用微小突起状のエミッタ電極22を有するエミ
ッタ基板20とを、絶縁層2を介して積層したプレート
状の電子放射素子であって、前記ゲート電極1側に中心
部Oをもつ所定曲率半径Rの球面状、若しくは円柱面状
の三次元曲面形状であり、微小突起状のエミッタ電極2
2が、そのプレート状の電子放射素子の全面に亘って対
称性が良く均一に形成されているため、大面積の表示画
面用の素子としてのむらのない特性が得られる。
【0034】また、本発明の電子放射素子の製造方法
は、電子を通過させる貫通孔1aが孔設されたゲート電
極1と、少なくとも前記貫通孔1aと対向する部位に導
電領域21が形成されたエミッタ基板20とを、絶縁層
2を介して所定曲率半径Rの曲面形状を有するように積
層した後、エミッタ材料を前記貫通孔1aを通して、前
記曲率半径Rの中心部Oより所定放散角度で蒸着し、電
子を射出させる微小突起状のエミッタ電極22を前記貫
通孔1aと対向するエミッタ基板20側に形成するよう
にしたので、エミッタ電極22の蒸着形成においてその
蒸着材料の飛着方向がエミッタ基板の全面に対して垂直
になるため、基板全面に亘って対称性良く均一なエミッ
タ電極を備えた電子放射素子が得られる。
は、電子を通過させる貫通孔1aが孔設されたゲート電
極1と、少なくとも前記貫通孔1aと対向する部位に導
電領域21が形成されたエミッタ基板20とを、絶縁層
2を介して所定曲率半径Rの曲面形状を有するように積
層した後、エミッタ材料を前記貫通孔1aを通して、前
記曲率半径Rの中心部Oより所定放散角度で蒸着し、電
子を射出させる微小突起状のエミッタ電極22を前記貫
通孔1aと対向するエミッタ基板20側に形成するよう
にしたので、エミッタ電極22の蒸着形成においてその
蒸着材料の飛着方向がエミッタ基板の全面に対して垂直
になるため、基板全面に亘って対称性良く均一なエミッ
タ電極を備えた電子放射素子が得られる。
【0035】
【発明の効果】本発明の電子放射素子及びその製造方法
は、平面でなく曲面形状のエミッタ基板を使用すること
により、エミッタ電極を蒸着により形成する際の蒸着材
料の飛着方向が、エミッタ基板に対して垂直になるた
め、電子放射素子の全面に亘ってエミッタ電極の形状が
対称性良く均一になり、従来のような平面状のエミッタ
基板を用いる場合と比較して、周辺部で蒸着材料がエミ
ッタ基板に対して斜めに飛来することによる基板周辺部
での電気的特性の劣化を防止でき、基板周辺部での特性
を改善し、プレート状の素子全面に亘って良好且つ均一
な特性を有する電子放射素子を得ることができる効果が
ある。
は、平面でなく曲面形状のエミッタ基板を使用すること
により、エミッタ電極を蒸着により形成する際の蒸着材
料の飛着方向が、エミッタ基板に対して垂直になるた
め、電子放射素子の全面に亘ってエミッタ電極の形状が
対称性良く均一になり、従来のような平面状のエミッタ
基板を用いる場合と比較して、周辺部で蒸着材料がエミ
ッタ基板に対して斜めに飛来することによる基板周辺部
での電気的特性の劣化を防止でき、基板周辺部での特性
を改善し、プレート状の素子全面に亘って良好且つ均一
な特性を有する電子放射素子を得ることができる効果が
ある。
【図1】本発明の電子放射素子の構造を示す概要側面図
である。
である。
【図2】本発明の電子放射素子の一実施例の製造工程を
示す説明図である。
示す説明図である。
【図3】本発明の電子放射素子の製造工程における円柱
面状のエミッタ基板を用いて製造する場合の一例を示す
側面図である。
面状のエミッタ基板を用いて製造する場合の一例を示す
側面図である。
【図4】従来の電子放射素子の製造工程の一例を示す説
明図である。
明図である。
1 …ゲート電極 1a…貫通孔 1b…小孔 1c…
エッチング凹部 2 …絶縁層 2’…絶縁層 3 …エミッタ電極部
4…マスク層 11 …剥離層 12…エミッタ材料 20 …エミッタ基板 21 …導電領域 21a…エ
ミッタ配線 22 …エミッタ電極 22a…先端部 25…レジス
ト層 25a…非レジスト部 d…間隔 O…曲率中心部 R…曲率半径 S…蒸着源
M…中間構造体 N…スリット手段 N1 …スリット部 X…円柱軸方向
エッチング凹部 2 …絶縁層 2’…絶縁層 3 …エミッタ電極部
4…マスク層 11 …剥離層 12…エミッタ材料 20 …エミッタ基板 21 …導電領域 21a…エ
ミッタ配線 22 …エミッタ電極 22a…先端部 25…レジス
ト層 25a…非レジスト部 d…間隔 O…曲率中心部 R…曲率半径 S…蒸着源
M…中間構造体 N…スリット手段 N1 …スリット部 X…円柱軸方向
Claims (2)
- 【請求項1】貫通孔1aを有するゲート電極1と該貫通
孔1aと対向する導電領域21に電子放出用微小突起状
のエミッタ電極22を有するエミッタ基板20とを、絶
縁層2を介して積層したプレート状の電子放射素子であ
って、該電子放射素子は、前記ゲート電極1側に曲率中
心部Oをもつ所定曲率半径Rの球面状若しくは円柱面状
の三次元曲面形状であることを特徴とする電子放射素
子。 - 【請求項2】電子を通過させる貫通孔1aが孔設された
ゲート電極1と、少なくとも前記貫通孔1aと対向する
部位に導電領域21が形成された所定曲率半径Rの曲面
形状を有するエミッタ基板20上に、絶縁層2を介して
積層した後、エミッタ材料を前記貫通孔1aを通して、
前記曲率半径Rの曲率中心部Oより所定放散角度で蒸着
し、電子を射出させる微小突起状のエミッタ電極22を
前記貫通孔1aと対向するエミッタ基板20側に形成す
ることを特徴とする電子放射素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7399293A JPH06290702A (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | 電子放射素子及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7399293A JPH06290702A (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | 電子放射素子及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06290702A true JPH06290702A (ja) | 1994-10-18 |
Family
ID=13534130
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7399293A Pending JPH06290702A (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | 電子放射素子及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06290702A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08255558A (ja) * | 1995-03-20 | 1996-10-01 | Nec Corp | 冷陰極およびこれを用いた電子銃とマイクロ波管 |
JPH0945231A (ja) * | 1995-07-28 | 1997-02-14 | Nec Corp | 電界放射冷陰極の製造方法 |
-
1993
- 1993-03-31 JP JP7399293A patent/JPH06290702A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08255558A (ja) * | 1995-03-20 | 1996-10-01 | Nec Corp | 冷陰極およびこれを用いた電子銃とマイクロ波管 |
JPH0945231A (ja) * | 1995-07-28 | 1997-02-14 | Nec Corp | 電界放射冷陰極の製造方法 |
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