JP2010272257A - 自発光素子、自発光装置、画像表示装置、自発光素子駆動方法、および自発光素子の製造方法 - Google Patents

自発光素子、自発光装置、画像表示装置、自発光素子駆動方法、および自発光素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安価なシリコン材料と簡便な製造方法で作成でき、効率のよい発光が可能な、新しい発光素子とその製造方法を提供する。
【解決手段】自発光素子1は、電極基板2と、薄膜電極3と、これらの間に挟持されシリコン微粒子5と導電微粒子6および塩基性分散剤60の少なくとも一方とが含まれる電子加速層4とを備えている。そして、自発光素子1は、電極基板2と薄膜電極3との間に電圧が印加されると、電子加速層4で電子を加速させてホットエレクトロンを生成し、該ホットエレクトロンにより電子加速層4中のシリコン微粒子5表面が励起して発光する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電圧を印加することにより発光するシリコン微粒子から成る自発光素子および自発光素子の製造方法に関するものである。
近年、シリコンの微粒子である所謂ナノシリコンについて、シリコン結晶では得られない特異な性質を示すことが、様々な研究活動から明らかになっている。その最も代表的な性質が発光現象であり、ナノシリコンはその材質から環境負荷の小さな発光材料として注目されている。ナノシリコンの発光にはシリコン粒子のサイズ効果が必須であり、電子と正孔との発光性再結合を発生させる励起方法で主に4つの発光形態が知られている。光励起を利用したフォトルミネッセンス、物質に電子線を照射するカソードルミネッセンス、直接電流を注入するエレクトロルミネッセンス、熱を利用したサーモルミネッセンス、等である。
フォトルミネッセンス素子に関しては、シリコン微粒子自体の発光を用いた技術が、例えば特許文献1に記載されている。この技術では、ケイ素ターゲットにレーザを照射することにより得られた3次元ウェブ状シリコン微粒子を、熱硬化性シリコーンに封入することで発光素子としている。この3次元ウェブ状シリコン微粒子からは、77Kの環境下において300nmの励起光を照射することで、467nmの青色発光が得られている。
また、シリコン微粒子の表面を有機物で修飾することで発光スペクトルをブロードにし、白色光を得る技術が、例えば特許文献2に記載されている。この技術では、シリコン微粒子表面を炭化水素基で修飾しペレット状に整形した発光素子から、紫外LEDを励起光源として白色光が得られている。
エレクトロルミネッセンス素子あるいはカソードルミネッセンス素子に関しては、結晶シリコンを陽極酸化して得られたナノシリコンを用いた発光素子が、例えば特許文献3に記載されている。この発光素子では、ナノシリコンから成る電子ドリフト層で得られるホットエレクトロン(弾道電子)をキャリアとして利用し、同電子ドリフト層に積層されたナノシリコンの発光層を励起させ、赤外から紫外にわたる任意の波長の発光を可能としている。同様なナノシリコンを用いた発光素子を、高周波スパッタリング法とアニール処理とを組合せて製造する方法が、例えば特許文献4に記載されている。特許文献3および4では、多色発光を得るのに重要なのはナノシリコン微粒子のサイズであり、微粒子のサイズが光の三原色である赤色、緑色、青色を決めている。
また、カソードルミネッセンス素子を用いた表示装置は、例えば特許文献5に開示されている。
特開平10−121042号公報(平成10年5月12日公開) 特開2007−290873号公報(平成19年11月8日公開) 特開2004−296950号公報(平成16年10月21日公開) 特開2004−296781号公報(平成16年10月21日公開) 特開昭62−172631号公報(昭和62年7月29日公開)
しかし、特許文献1または2に開示されているようなフォトルミネッセンス素子では、可視光あるいは白色光を得るにはエネルギーの高い励起光が別途必要であり、シリコン微粒子自体に、光励起以外での発光能力は有していない。白色光を得る手段としては、発光効率さえ良好であれば素子の開発意義に問題は無いが、一般的に励起光に利用されるエネルギーの高い波長の発光素子には貴金属の利用が必須であり、シリコンを用いるという材質面の利点が活かしきれなくなる。
また、特許文献3、4または5に開示されているようなエレクトロルミネッセンス素子あるいはカソードルミネッセンス素子では、ナノシリコンが担持される基板に単結晶あるいは多結晶シリコン基板を必須としたり、基板上に任意の大きさのナノシリコンを成長させるため、製造に多大なエネルギーを必要としたりする等の問題を残している。さらに、電圧を印加することにより自発光するシリコン微粒子から成る発光素子を実現するには、キャリア注入型のエレクトロルミネッセンス素子が必要となる。しかし、この構成に拠ると、白色光を得るのにナノシリコン微粒子のサイズ制御と分散状態とを制御することが重要であり、特に大面積に安価なコストで均一に製造することは非常に困難となる。
これらのように、従来のナノシリコンを用いた発光素子では、安価かつ簡便な作成方法で効率よく発光させることができない。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、安価なシリコン材料と簡便な製造方法で作成でき効率よく発光できる、新しい自発光素子とその製造方法を提供することである。
本発明の発光素子は、上記課題を解決するために、電極基板と、薄膜電極と、該電極基板と薄膜電極との間に挟持され、シリコン微粒子と導電微粒子および塩基性分散剤の少なくとも一方とを含む電子加速層と、を備え、上記電極基板と上記薄膜電極との間に電圧が印加されると、上記電子加速層で電子を加速させてホットエレクトロンを生成し、該ホットエレクトロンにより上記電子加速層中のシリコン微粒子表面が励起して発光することを特徴としている。
上記構成によると、電極基板と薄膜電極との間には、シリコン微粒子と導電微粒子および塩基性分散剤の少なくとも一方とを含む電子加速層が設けられている。この電子加速層は、シリコン微粒子と導電微粒子および塩基性分散剤の少なくとも一方とが緻密に集合した薄膜の層であり、半導電性を有する。電極基板と薄膜電極との間に電圧を印加すると、薄膜電極のエッジ部が電界強度の強い部分となり、この薄膜電極エッジ部を優先的に電流が流れる。この電流の一部が電界によりホットエレクトロン(弾道電子)または准弾道電子となる。ホットエレクトロンまたは准弾道電子の一部は、シリコン微粒子表面に存在する発光中心を電子線励起し、発光現象を生じる。
ここで、電子加速層に塩基性分散剤が含まれる場合、ホットエレクトロン(弾道電子)または准弾道電子が生じるのは、塩基性分散剤が有する電子対を供与する電子対供与体が作用しているのではないかと推察している。すなわち、塩基性分散剤は、電子対を供与する電子対供与体を有しており、電子対供与体は電子対を供与後、イオン化する。このイオン化した電子対供与体が、付着しているシリコン微粒子の表面において電荷の受け渡しを行い、シリコン微粒子の表面における電気伝導が可能になり、その一部が電子加速層に生じた強電界領域でホットエレクトロン(弾道電子)または准弾道電子と成るのである。
また、シリコン微粒子表面に存在する発光中心に関しては、所謂カラーセンター(色中心)である可能性も否定できないが、おそらくシリコン微粒子を構成する酸化ケイ素の構造欠陥がもたらす欠陥準位、あるいは添加物が関係した不純物準位によるものと考えられる。
本発明の自発光素子は、シリコン微粒子と導電微粒子および塩基性分散剤の少なくとも一方とを含む電子加速層という、従来にはない簡易な構成で、シリコン微粒子そのものを効率よく発光させることができる。また、シリコン微粒子を用い、シリコン微粒子と導電微粒子および塩基性分散剤の少なくとも一方とを含む電子加速層を形成するといった簡易な方法で、シリコン微粒子そのものが発光する自発光素子を形成することができる。
以上のように、本発明の自発光素子は、安価なシリコン材料と簡便な製造方法で作成でき、効率よく発光できる、これまでにない新しい自発光素子である。
本発明の自発光素子では、上記構成加え、上記薄膜電極は、多孔状に形成されていてもよい。
上記構成によると、薄膜電極が多孔状に形成されると、薄膜電極の孔の周りにエッジ部が多く形成される。エッジ部は電界強度の強い部分となるため、薄膜電極が多孔状に形成されていると、ホットエレクトロンを効率良く生成する強電界領域が多数形成されているということである。その結果、ホットエレクトロンの生成点を確実に設けられ、それに伴う発光点が薄膜電極内全体に多数得られる。従って、自発光素子から得られる発光光量が増加する。
本発明の自発光素子では、上記構成加え、上記電子加速層は、バインダー樹脂を含んでいてもよい。
バインダー樹脂は電極基板との接着性が高く、素子の機械的強度を高めることができる。ここで、薄膜電極を多孔状に形成する場合、例えば後述のように、電子加速層上にマスク粒子を塗布した後に薄膜電極の材料を塗布し、その後、このマスク粒子を除去して、薄膜電極を形成するといった方法を用いると次のようなことが起こる。マスク粒子を除去する(例えばエアブローで行うことができる)際、電子加速層の強度が弱いと電子加速層が破壊されてしまう。しかし、電子加速層がバインダー樹脂を含んでいると、電子加速層の機械的強度が高められるので、上記破壊を防ぐことができる。
また、シリコン微粒子と導電微粒子および塩基性分散剤の少なくとも一方とはバインダー樹脂に分散しているため、凝集が起こり難く、素子の性能が均一になり、安定してホットエレクトロンを発生させることができ、安定した発光が可能となる。また、電子加速層に導電微粒子が含まれる場合、電子加速層にバインダー樹脂を含むと、導電微粒子の周囲にバインダー樹脂が存在するため、導電微粒子の大気中の酸素による酸化に伴う素子劣化を発生し難い。よって、自発光素子を真空中だけでなく大気圧中でも安定して動作させることができる。
本発明の自発光素子では、上記構成加え、上記シリコン微粒子の平均粒径は、12〜110nmであるのが好ましい。この場合、粒子径の分散状態は平均粒径に対してブロードであってもよい。シリコン微粒子の平均粒径が小さすぎると、粒子間に働く力が強いために粒子が凝集しやすく、分散が困難になる。また、シリコン微粒子の平均粒径が大きすぎると分散性は良いけれども、抵抗調整のために電子加速層の層厚や、導電微粒子および塩基性分散剤の少なくとも一方の配合比を調整することが困難になる。
また、本発明の自発光素子では、上記構成に加え、上記電子加速層の層厚は、700〜1000nmであるのが好ましい。薄いほど強電界がかかるため低電圧印加でシリコン微粒子表面に存在する発光中心を電子線励起させることができるが、電子加速層の層厚を、上記範囲とすることにより、電子加速層の層厚を均一化すること、また層厚方向における電子加速層の抵抗を調整することが可能となる。この結果、自発光素子表面の全面から一様に発光させることが可能となる。
ここで、上記電子加速層は、上記シリコン微粒子と少なくとも上記導電微粒子とを含んでおり、該導電微粒子は、抗酸化力が高い導電体であってもよい。ここで言う抗酸化力が高いとは、酸化物形成反応の低いことを指す。一般的に熱力学計算より求めた、酸化物生成自由エネルギーの変化量ΔG[kJ/mol]値が負で大きい程、酸化物の生成反応が起こり易いことを表す。本発明ではΔG>−450[kJ/mol]以上に該当する金属元素が、抗酸化力の高い導電微粒子として該当する。また、該当する導電微粒子の周囲に、その導電微粒子の大きさよりも小さい絶縁体物質を付着、または被覆することで、酸化物の生成反応をより起こし難くした状態の導電微粒子も、抗酸化力が高い導電微粒子に含まれる。
上記構成によると、導電微粒子として抗酸化力が高い導電体を用いることから、大気中の酸素による酸化に伴う素子劣化を発生し難いため、自発光素子を大気圧中でも安定して動作させることができる。よって、寿命を長くでき、大気中でも長時間連続動作をさせることができる。
本発明の自発光素子では、上記構成に加え、上記導電微粒子は、貴金属であってもよい。このように、上記導電微粒子が、貴金属であることで、導電微粒子の、大気中の酸素による酸化などをはじめとする素子劣化を防ぐことができる。よって、自発光素子の長寿命化を図ることができる。
本発明の自発光素子では、上記構成に加え、上記導電微粒子を成す導電体は、金、銀、白金、パラジウム、及びニッケルの少なくとも1つを含んでいてもよい。このように、上記導電微粒子を成す導電体が、金、銀、白金、パラジウム、及びニッケルの少なくとも1つを含んでいることで、導電微粒子の、大気中の酸素による酸化などをはじめとする素子劣化を、より効果的に防ぐことができる。よって、自発光素子の長寿命化をより効果的に図ることができる。
本発明の自発光素子では、上記導電微粒子の平均粒径は、導電性を制御する必要から、上記シリコン微粒子の大きさよりも小さくなければならず、3〜10nmであるのが好ましい。このように、上記導電微粒子の平均粒径を、上記シリコン微粒子の平均粒径よりも小さく、好ましくは3〜10nmとすることにより、電子加速層内で、導電微粒子による導電パスが形成されず、電子加速層内での絶縁破壊が起こり難くなる。また原理的には不明確な点が多いが、平均粒径が上記範囲内の導電微粒子を用いることで、ホットエレクトロンが効率よく生成される。
本発明の自発光素子では、上記構成に加え、上記導電微粒子の周囲に、該導電微粒子の大きさより小さい絶縁体物質である小絶縁体物質が存在してもよい。このように、上記導電微粒子の周囲に、小絶縁体物質が存在することは、素子作成時の導電微粒子の分散液中での分散性向上に貢献する他、導電微粒子の、大気中の酸素による酸化などをはじめとする素子劣化を、より効果的に防ぐことができる。よって、自発光素子の長寿命化をより効果的に図ることができる。
本発明の自発光素子では、上記構成に加え、上記小絶縁体物質は、アルコラート、脂肪酸、及びアルカンチオールの少なくとも1つを含んでいてもよい。このように、上記小絶縁体物質が、アルコラート、脂肪酸、及びアルカンチオールの少なくとも1つを含んでいることで、素子作成時の導電微粒子の分散液中での分散性向上に貢献するため、導電微粒子の凝集体が元と成る電流の異常パス形成を生じ難くする他、シリコン微粒子の周囲に存在する導電微粒子自身の酸化に伴う粒子の組成変化を生じないため、ホットエレクトロン生成特性に影響を与えることがない。よって、自発光素子の長寿命化をより効果的に図ることができる。
ここで、本発明の自発光素子では、上記小絶縁体物質は、上記導電微粒子表面に付着して付着物質として存在するものであり、該付着物質は、上記導電微粒子の平均粒径より小さい形状の集合体として、上記導電微粒子表面を被膜していてもよい。このように、上記小絶縁体物質が、上記導電微粒子表面に付着あるいは、上記導電微粒子の平均粒径より小さい形状の集合体として、上記導電微粒子表面を被膜していることで、素子作成時の導電微粒子の分散液中での分散性向上に貢献するため、導電微粒子の凝集体が元と成る電流の異常パス形成を生じ難くする他、シリコン微粒子の周囲に存在する導電微粒子自身の酸化に伴う粒子の組成変化を生じないため、ホットエレクトロン生成特性に影響を与えることがない。よって、自発光素子の長寿命化をさらに効果的に図ることができる。
また、本発明の自発光素子では、上記構成に加え、上記電子加速層は、上記シリコン微粒子と少なくとも上記塩基性分散剤とを含んでおり、該塩基性分散剤は、立体反発効果により上記シリコン微粒子を分散させる高分子体に、電子対を供与する電子対供与体が置換基として導入されてなってもよい。
立体反発効果により前記シリコン微粒子を分散させる高分子体を有することで、シリコン微粒子の分散性を良好にすることができ、電子加速層として均一な微粒子層を形成することが可能となる。これにより、自発光素子における作成バラツキを少なく抑えることができる。
本発明の自発光装置は、上記課題を解決するために、上記いずれか1つの自発光素子と、上記電極基板と上記薄膜電極との間に電圧を印加する電源部と、を備えたことを特徴としている。
上記構成によると、電気的導通を確保して十分な素子内電流を流し、ホットエレクトロンを効率よく安定して放出させ、電子加速層中のシリコン微粒子表面に存在する発光中心を電子線励起し、効率よく安定して発光させることができる。
さらに、本発明の自発光装置では、上記構成に加え、上記電源部は、上記電極基板と上記薄膜電極との間にパルス波の電圧を印加してもよい。また、本発明の自発光素子駆動方法は、上記いずれかの自発光素子を駆動する自発光素子駆動方法において、上記電極基板と上記薄膜電極との間にパルス波の電圧を印加することを特徴とする。
ここで、シリコン微粒子と電極基板および薄膜電極とから成る発光素子は、平行平板型のキャパシタ構造を取る為に静電容量成分を有する。このため、直流電圧をそのまま印加し続けると誘電体物質であるシリコン微粒子層内に反電場が形成され易く、ホットエレクトロン生成に必要とされる電子の加速電界を緩和してしまう。しかし、上記のように、電極基板と薄膜電極との間にパルス波の電圧を印加することで、上記反電場の形成を緩和し、シリコン微粒子の発光光量が高い状態を維持し、かつ発光光量の変動を小さくすることが可能となる。
上記電極基板と上記薄膜電極との間にパルス波の電圧を印加することで、光量の強い発光状態を維持し、かつ、発光光量の変動を小さくしたまま、発光させることができる。
また、本発明の自発光装置を、画像表示装置に用いることにより、効率よく安定して発光させることのできる、高品位の画像表示装置を提供することができる。
本発明の自発光素子の製造方法は、上記課題を解決するために、電子を加速させてホットエレクトロンを生成し、該ホットエレクトロンによりシリコン微粒子表面が励起して発光する自発光素子の製造方法であって、電極基板上に、上記シリコン微粒子と導電微粒子および塩基性分散剤の少なくとも一方とを含む電子加速層を形成する電子加速層形成工程と、上記電子加速層上に薄膜電極を形成する薄膜電極形成工程と、を含むことを特徴としている。
上記方法によると、電極基板上に、電極基板上に、シリコン微粒子と導電微粒子および塩基性分散剤の少なくとも一方とを含む電子加速層を設ける。このように、簡便な製造方法で、該ホットエレクトロンによりシリコン微粒子表面に存在する発光中心を電子線励起して発光する自発光素子であって、効率よく発光できる発光素子を製造することができる。
また、本発明の自発光素子の製造方法は、上記方法に加え、上記薄膜電極形成工程では、上記電子加速層上にマスク粒子を塗布した後に上記薄膜電極の材料を塗布し、その後、上記マスク粒子を除去して、上記薄膜電極を形成してもよい。
上記方法によると、電子加速層上にマスク粒子を塗布した後に薄膜電極の材料を塗布し、その後、マスク粒子を除去する、といった簡易な方法で、多孔状の薄膜電極を形成できる。よって、発光量を向上させた自発光素子を製造することができる。
本発明の発光素子は、上記のように、電極基板と、薄膜電極と、該電極基板と薄膜電極との間に挟持され、シリコン微粒子と導電微粒子および塩基性分散剤の少なくとも一方とを含む電子加速層と、を備え、上記電極基板と上記薄膜電極との間に電圧が印加されると、上記電子加速層で電子を加速させてホットエレクトロンを生成し、該ホットエレクトロンにより上記電子加速層中のシリコン微粒子表面が励起して発光する。
上記構成によると、電極基板と薄膜電極との間には、シリコン微粒子と導電微粒子および塩基性分散剤の少なくとも一方とを含む電子加速層が設けられている。この電子加速層は、シリコン微粒子と導電微粒子および塩基性分散剤の少なくとも一方とが緻密に集合した薄膜の層であり、半導電性を有する。電極基板と薄膜電極との間に電圧を印加すると、薄膜電極のエッジ部が電界強度の強い部分となり、この薄膜電極エッジ部を優先的に電流が流れる。この電流の一部が電界によりホットエレクトロンまたは准弾道電子となる。ホットエレクトロンまたは准弾道電子の一部は、シリコン微粒子表面に存在する発光中心を電子線励起し、発光現象を生じる。
本発明の自発光素子は、シリコン微粒子と導電微粒子および塩基性分散剤の少なくとも一方とを含む電子加速層という、従来にはない簡易な構成で、シリコン微粒子そのものを効率よく発光できる。また、シリコン微粒子を用い、シリコン微粒子と導電微粒子および塩基性分散剤の少なくとも一方とを含む電子加速層を形成するといた簡易な方法で、シリコン微粒子そのものが発光する自発光素子を形成することができる。
以上のように、本発明の自発光素子は、安価なシリコン材料と簡便な製造方法で作成でき、効率よく発光できる、これまでにない新しい自発光素子である。
本発明の一実施形態の自発光素子を有する自発光装置の構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態の自発光素子における電子加速層付近の模式図である。 本発明の一実施形態の自発光素子における別の電子加速層付近の模式図である。 (a)〜(d)は、多孔状の薄膜電極を形成する工程を説明する図である。 発光実験の測定系を示す図である。 (a),(b)は、印加電圧の波形を示す図である。
以下、本発明の自発光素子の実施形態および実施例について、図1〜6を参照しながら具体的に説明する。なお、以下に記述する実施の形態および実施例は本発明の具体的な一例に過ぎず、本発明はこれらよって限定されるものではない。
〔実施の形態〕
(素子構成)
図1は、本発明に係る一実施形態の自発光素子1を有する自発光装置10の構成を示す模式図である。図1に示すように、自発光装置10は、本発明に係る一実施形態の自発光素子1と電源7とを有する。図1に示すように、自発光素子1は、下部電極となる電極基板2と、上部電極となる薄膜電極3と、その間に挟まれて存在する電子加速層4とからなる。また、電極基板2と薄膜電極3とは電源7に繋がっており、互いに対向して配置された電極基板2と薄膜電極3との間に電圧を印加できるようになっている。そして、自発光素子1は、電極基板2と薄膜電極3との間に電圧を印加することで、電極基板2と薄膜電極3との間、つまり、電子加速層4に電流を流すと、この電流の一部が、印加電圧が形成する電子加速層4内の強電界によりホットエレクトロンまたは准弾道電子となり、該ホットエレクトロンまたは准弾道電子により電子加速層4中のシリコン微粒子5表面に存在する発光中心を電子線励起して発光する。
下部電極となる電極基板2は、自発光素子の支持体の役割を担う。そのため、ある程度の強度を有し、直に接する物質との接着性が良好で、適度な導電性を有するものであれば、特に制限なく用いることができる。例えばSUSやTi、Cu等の金属基板、SiやGe、GaAs等の半導体基板、ガラス基板のような絶縁体基板、プラスティック基板等が挙げられる。例えばガラス基板のような絶縁体基板を用いるのであれば、その電子加速層4との界面に金属などの導電性物質を電極として付着させることによって、下部電極となる電極基板2として用いることができる。上記導電性物質としては、導電性に優れた材料を、マグネトロンスパッタ等を用いて薄膜形成できれば、その構成材料は特に問わないが、大気中での安定動作を所望するのであれば、抗酸化力の高い導電体を用いることが好ましく、貴金属を用いることがより好ましい。また、酸化物導電材料として、透明電極に広く利用されているITO薄膜も有用である。また、強靭な薄膜を形成できるという点で、例えば、ガラス基板表面にTiを200nm成膜し、さらに重ねてCuを1000nm成膜した金属薄膜を用いてもよいが、これら材料および数値に限定されることはない。
薄膜電極3は、電子加速層4内に電圧を印加させるものである。そのため、電圧の印加が可能となるような材料であれば特に制限なく用いることができる。例えば、金、銀、炭素、タングステン、チタン、アルミ、パラジウムなどを用いてもよい。ただし、大気圧中での動作を想定した場合、酸化物および硫化物形成反応のない金が、最良な材料となる。また、酸化物形成反応の比較的小さい銀、パラジウム、タングステンなども問題なく実使用に耐える材料である。
また薄膜電極3の膜厚は、電極として機能できる厚さであればよく、例えば10nm以上とすることが好ましい。ここで、自発光素子1の薄膜電極3側から発光を得るのであれば、薄膜電極3は薄い方が好ましいが、自発光素子1の電極基板2側から発光を得るのであれば、薄膜電極3には良好な導通特性以外に、なんら規制はかからない。電極基板2側から発光を得る場合、電極基板2が、例えば透明であればよい。また、薄膜電極3を、以下のように多孔状とした場合、エッジ部が集中的に光るため、薄膜電極3の層厚に光の透過性能を必要とはしない。
薄膜電極3を多孔状に形成すると、薄膜電極3の孔の周りにエッジ部が多く形成される。エッジ部は電界強度の強い部分となるため、薄膜電極3が多孔状に形成されていると、ホットエレクトロンを効率良く生成する強電界領域が多数形成されているということである。その結果、ホットエレクトロンの生成点を確実に設けられ、それに伴う発光点が薄膜電極内全体に多数得られる。従って、自発光素子1から得られる発光光量が増加する。
また、自発光素子1の電極基板2側から発光を得るのであれば、電極基板2を多孔状に形成してもよい。
図2、3は、自発光素子1の電子加速層4付近を拡大した模式図である。電子加速層4は、図2に示すように、シリコン微粒子5と導電微粒子6とを含んでいる。あるいは、電子加速層4は、図3に示すように、シリコン微粒子5と、溶媒中におけるシリコン微粒子5の凝集を防ぎ、シリコン微粒子5を分散させるための塩基性分散剤60とを含んでいる。もちろん、電子加速層4にシリコン微粒子5と導電微粒子6と塩基性分散剤60とが含まれていてもよい。
シリコン微粒子5の平均粒径は、12〜110nmであるのが好ましい。この場合、粒子径の分散状態は平均粒径に対してブロードであってもよい。シリコン微粒子の平均粒径が小さすぎると、粒子間に働く力が強いために粒子が凝集しやすく、分散が困難になる。また、シリコン微粒子5の平均粒径が大きすぎると分散性は良いけれども、抵抗調整のために電子加速層4の層厚や、導電微粒子6および塩基性分散剤60の少なくとも一方の配合比を調整することが困難になる。また、シリコン微粒子5は、2種類以上の異なる粒径の粒子を用いてもよく、また、粒径のピークが異なる粒子を用いてもよく、あるいは、単一粒子で粒径がブロードな分布のものを用いてもよい。
電子加速層4に導電微粒子6が含まれる場合、電子加速層4を構成する微粒子全体におけるシリコン微粒子5の重量割合は80〜95%であることが好ましい。
次に、電子加速層4に導電微粒子6が含まれる自発光素子1の導電微粒子6について説明する。導電微粒子6の材料としては、弾道電子を生成するという動作原理の上ではどのような導電体でも用いることができる。抗酸化力が高い導電体であると大気圧動作させた時の酸化劣化を避けることができる。ここで言う抗酸化力が高いとは、酸化物形成反応の低いことを指す。一般的に熱力学計算より求めた、酸化物生成自由エネルギーの変化量ΔG[kJ/mol]値が負で大きい程、酸化物の生成反応が起こり易いことを表す。抗酸化力が高い導電体としては、貴金属、例えば、金、銀、白金、パラジウム、ニッケルといった材料が挙げられる。このような導電微粒子6は、公知の微粒子製造技術であるスパッタ法や噴霧加熱法を用いて作成可能であり、応用ナノ研究所が製造販売する銀ナノ粒子等の市販の金属微粒子粉体も利用可能である。弾道電子の生成の原理については後段で記載する。
ここで、導電微粒子6の平均粒径は、導電性を制御する必要から、シリコン微粒子5の大きさよりも小さくなければならず、3〜10nmであるのがより好ましい。このように、導電微粒子の平均粒径を、シリコン微粒子5の平均粒径よりも小さく、好ましくは3〜10nmとすることにより、電子加速層4内で、導電微粒子6による導電パスが形成されず、電子加速層4内での絶縁破壊が起こり難くなる。また原理的には不明確な点が多いが、平均粒径が上記範囲内の導電微粒子6を用いることで、ホットエレクトロンが効率よく生成される。
なお、導電微粒子6の周囲には、導電微粒子6の平均粒径より小さい絶縁体物質である小絶縁体物質が存在していてもよく、この小絶縁体物質は、導電微粒子6の表面に付着する付着物質であってもよく、付着物質は、導電微粒子6の平均粒径より小さい形状の集合体として、導電微粒子6の表面を被膜する絶縁被膜であってもよい。小絶縁体物質としては、ホットエレクトロンを生成するという動作原理の上ではどのような絶縁体物質でも用いることができる。ただし、小絶縁体物質が導電微粒子6を被膜する絶縁被膜であり、絶縁被膜を導電微粒子6の酸化被膜によって賄った場合、大気中での酸化劣化により酸化皮膜の厚さが所望の膜厚以上に厚くなってしまう恐れがあるため、大気圧動作させた時の酸化劣化を避ける目的から、有機材料による絶縁被膜が好ましい。例えば、アルコラート、脂肪酸、アルカンチオールといった材料が挙げられる。この絶縁被膜の厚さは薄い方が有利であることが言える。
次に、電子加速層4に導電微粒子6が含まれる自発光素子の発光の原理について説明する。図2は、自発光素子1の電子加速層4付近の断面を拡大した模式図である。図2に示すように、電子加速層4は、その大部分をシリコン微粒子5で構成され、その表面に導電微粒子6が点在している。電子加速層4はシリコン微粒子5と少数の導電微粒子6とで構成されるため、半導電性を有する。よって電子加速層4へ電圧を印加すると、極弱い電流が流れる。電子加速層4の電圧電流特性は所謂バリスタ特性と類似した特性を示し、印加電圧の上昇に伴い急激に電流値を増加させる。この電流の一部が、印加電圧が形成する電子加速層4内の強電界によりホットエレクトロンまたは准弾道電子となり、該ホットエレクトロンまたは准弾道電子により電子加速層4中のシリコン微粒子5の表面に存在する発光中心を電子線励起させて発光する。ホットエレクトロンまたは准弾道電子の形成過程は、電子が電界方向に加速されつつトンネルすることによるものと考えられるが、断定できていない。
なお、原理的な部分は検討段階にあるが、シリコン微粒子5に添加される導電微粒子6および塩基性分散剤60の少なくとも一方の種類によって発光色に違いが見られた。例えば、平均粒径50nmで粒子径分布が4nmから200nmの範囲にあるシリコン微粒子と導電性微粒子として銀微粒子とを用いた場合、発光した微粒子層からは赤色、緑色、青色の光の三原色が得られ、微粒子層総体として白色光が得られた。白色発光の原理は検討段階にあり、現状で明確な説明はできないが、次の文献が参考になる。公知文献(K. Naoi, Y. Ohko, and T. Tatsuma "TiO2 Films Loaded with Silver Nanoparticles: Control of Multicolor Photochromic Behavior" J. Am. Chem. Soc., 126, 3664-3668 (2004).)に開示されているナノメートルオーダーの銀微粒子(銀ナノ粒子)のフォトクロミズム(光照射によって物質の色が可逆的に変化する現象)から、銀ナノ粒子は粒子径や形状、そして誘電率に依存した光の吸収特性を有しており、それらパラメータを広く分布させることで、可視光全域にわたるブロードな吸収特性を実現できている。この事実から推測されるのは、粒子径、形状、誘電率が広く分布したナノメートルオーダーの銀微粒子には、可視光全域に対応した中間準位が備えられている、ということである。つまり、これら銀微粒子の中間準位を電子線励起したことにより、白色発光が得られたと考えられる。また、平均粒径50nmで粒子径分布が4nmから200nmの範囲にあるシリコン微粒子と塩基性分散剤とを用いた場合には、微粒子層からは、オレンジ色の発光色が得られた。オレンジ色の発光原理は、一般的に知られる酸化ケイ素の構造欠陥が関係した中間準位の電子線励起と考えられる。
ここで、自発光素子1は、平行平板型のキャパシタ構造を取る為に静電容量成分を有する。このため、直流電圧をそのまま印加し続けると誘電体物質であるシリコン微粒子層内に反電場が形成され、ホットエレクトロン生成に必要とされる電子の加速電界を緩和してしまうことがある。しかし、電極基板2と薄膜電極3との間にパルス波の電圧を印加することで、上記加圧電界の緩和を抑制し、シリコン微粒子の発光光量が高い状態を維持し、かつ発光光量の変動を小さくすることが可能となる。よって、自発光素子1を駆動する自発光素子駆動方法では、電極基板2と上記薄膜電極3との間にパルス波の電圧を印加してもよい。
図5は、電極基板2と薄膜電極3との間にパルス波の電圧を印加していることを示す図である。図5では、電極基板2は、絶縁体基板2b上に導電性物質2aを電極として付着させて、形成されている。図6(a)、(b)は、印加電圧の波形を示している。図6(a)は、交流を印加した場合の波形(矩形波)であり、図6(b)は、交流(矩形波)に直流を重畳して印加した場合の波形である。なお、図では矩形波となっているが、サイン波であっても構わない。ただし、突入電圧が急峻な程、発光強度が強くなる蛍光を有するため、矩形波を使用するのがより好ましい。
次に、電子加速層4に塩基性分散剤60が含まれる自発光素子の塩基性分散剤60について説明する。本発明において、塩基性分散剤60は、凝集し易いシリコン微粒子5の溶媒への分散を良好にして、電極基板2表面に極めて平滑な微粒子層(電子加速層4)の形成を実現する分散剤としての本来の機能と、シリコン微粒子5の表面の電気伝導を可能にするといったさらなる機能とを有するものである。
塩基性分散剤60は、高分子と、該高分子の一部に導入された電子対供与体とを有する。高分子が、立体反発効果によって分散性を付与する。図3においては、参照符号15にて、シリコン微粒子5相互間に形成される立体障害となる領域を示す。電子対供与体は、シリコン微粒子5に吸着するアンカーとしての役割を果たす。また、電子対供与体は、電子対を供与したことで、プラスイオンとなり、イオン電導を可能にする。シリコン微粒子5の表面の電気伝導を可能にする機能は、塩基性分散剤60における上記イオン電導を可能にする部分が、電荷の受け渡しをしているためと考えられる。また、塩基性分散剤60のイオン電導部分は、電気的に互いに反発し合うため、シリコン微粒子5の分散性にも寄与する。
電子対供与体部分は、電子供与基から成る特定の置換基であり、上記置換基としては、例えば、π電子系であるフェニル基やビニル基、そしてアルキル基、アミノ基等である。
本発明に適用できる塩基性分散剤60の市販品を例示すると、アビシア社製の商品名:ソルスパース9000、13240、13940、20000、24000、24000GR、24000SC、26000、28000、32550、34750、31845等の各種ソルスパース分散剤、ビックケミー社製の商品名:ディスパービック106、112、116、142、161、162,163、164、165、166、181、182、183、184、185、191、2000、2001、味の素ファインテクノ社製の商品名:アジスパーPB711、PB411、PB111、PB821、PB822、エフカケミカルズ社製の商品名:EFKA−47、4050等を挙げることができる。
電子加速層4における塩基性分散剤60の含有量は、ホットエレクトロンまたは准弾道電子の発生量と相関のある自発光素子の素子内電流の流れ易さに関係するため、発光量を制御する上で、重要な制御因子の一つである。
電子加速層4への塩基性分散剤60の添加は、電子加速層4を構成するシリコン微粒子5を溶媒中に分散する過程で行う。つまり使用する溶媒に必要量の塩基性分散剤60を投入して分散した分散剤含有溶媒にシリコン微粒子5を加え、シリコン微粒子5の十分な分散を行うことで、シリコン微粒子5の表面に塩基性分散剤60を付着させる。シリコン微粒子5の表面における分散剤の付着量は、溶媒に対する分散剤の投入量を操作することで制御可能である。しかしながら、分散剤の投入量と、分散剤の添加後に得られる電子加速層4の電流の流れ易さは一対一の関係ではなく、ある添加量に電流の流れ易さのピークを持つ特性を有する。添加量が少ない場合には、電子の担い手が少ないため、当然ながら電子加速層4を流れる電流量は小さくなる。一方、添加量が多すぎる場合には、塩基性分散剤60の有する高分子の成分が、素子内を流れる電流に対して抵抗成分として強く作用してしまい、電流値を小さくしてしまう。
このように、塩基性分散剤60の添加量は、素子内に流れる電流量を鑑みて、最適に設定するものであるため、一概にはいえない。しかし、電子加速層4における塩基性分散剤60の含有量を、電子加速層4をシリコン微粒子5が分散された分散溶液を用い、これを滴下してスピンコート法で成膜する条件において、シリコン微粒子5の分散溶液に含まれる、溶媒に対する塩基性分散剤60の添加量にて規定すると、添加量0.4〜10wt%が好ましく、より好ましくは1〜5wt%以下である。溶媒に対する添加量が0.4wt%未満となると、電子加速層を流れる電流量が十分に得られず、自発光素子1からの電子放出をまったく得ることができない虞がある。より好ましい1wt%以上とすることで、自発光素子1からの電子放出を安定して得ることができる。一方、添加量の上限であるが、10%を超えると、塩基性分散剤60の有する高分子の部分の抵抗成分が素子内電流を流れ難くしてしまい、自発光素子1におけるホットエレクトロンまたは准弾道電子の発生を低下させる虞がある。添加量の下限をより好ましい5wt%以下とすることで、自発光素子1におけるホットエレクトロンまたは准弾道電子の発生を低下させることなく得ることができるといった効果がある。
ここで、電子加速層4に塩基性分散剤60が含まれる自発光素子の発光の原理について、前述の図3を用いて説明する。図3に示すように、電子加速層4は、その大部分をシリコン微粒子5で構成され、シリコン微粒子5の表面に塩基性分散剤60が付着している。これにより、シリコン微粒子5の表面に塩基性分散剤60からなる立体障害領域15が形成され、シリコン微粒子5の溶媒への分散を良好にする。また、シリコン微粒子5は絶縁性であるが、その表面に付着した塩基性分散剤60のイオン電導部分が、電荷の受け渡しを行うことで、電子加速層4は半導電性を有する。したがって、電極基板2と薄膜電極3との間に電圧を印加すると、電子加速層4に極めて弱い電流が流れる。電子加速層4の電圧電流特性は、所謂バリスタ特性を示し、印加電圧の上昇に伴い急激に電流値を増加させる。この電流の一部は、印加電圧が形成する電子加速層4内の強電界によりホットエレクトロンまたは准弾道電子となり、該ホットエレクトロンまたは准弾道電子により電子加速層4中のシリコン微粒子5の表面に存在する発光中心を電子線励起して発光する。シリコン微粒子表面に存在する発光中心は、おそらくシリコン微粒子を構成する酸化ケイ素の構造欠陥がもたらす欠陥準位によるものと考えられる。ホットエレクトロンまたは准弾道電子の形成過程は、電子が電界方向に加速されつつトンネルすることによるものと考えられるが、断定できていない。
また、シリコン微粒子5と導電微粒子6および塩基性分散剤60の少なくとも一方とは、バインダー樹脂に分散されていてもよい。つまり、電子加速層4はバインダー樹脂を含んでいてもよい。バインダー樹脂は、電極基板2との接着性がよく、シリコン微粒子5や導電微粒子6および塩基性分散剤60を分散でき、絶縁性を有するものであればよい。このようなバインダー樹脂として、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、加水分解性基含有シロキサン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1、3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、などが挙げられる。これらのバインダー樹脂は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
シリコン微粒子5と導電微粒子6および塩基性分散剤60の少なくとも一方とがバインダー樹脂に分散されていると、バインダー樹脂が電極基板2との接着性が高く機械的強度が高いため、自発光素子1の機械的強度が増す。また、薄膜電極3を多孔状に形成する場合、例えば後述のように、電子加速層4上にマスク粒子を塗布した後に薄膜電極の材料を塗布し、その後、このマスク粒子を除去して、薄膜電極3を形成するといった方法を用いると次のようなことが起こる。マスク粒子を除去する(例えばエアブローで行うことができる)際、電子加速層4の強度が弱いと電子加速層が破壊されてしまう。しかし、電子加速層4がバインダー樹脂を含んでいると、電子加速層4の機械的強度が高められるので、上記破壊を防ぐことができる。
また、シリコン微粒子5と導電微粒子6および塩基性分散剤60の少なくとも一方とがバインダー樹脂に分散していると、凝集が起こり難くなる。よって、自発光素子1の性能が均一になり、安定してホットエレクトロンを発生させることができ、安定した発光が可能となる。また、電子加速層4に導電微粒子6が含まれ、さらにバインダー樹脂が含まれると、導電微粒子6の周囲にバインダー樹脂が存在するため、導電微粒子6の大気中の酸素による酸化に伴う素子劣化を発生し難い。よって、自発光素子1を真空中だけでなく大気圧中でも安定して動作させることができる。
電子加速層4は、薄いほど強電界がかかるため低電圧印加でシリコン微粒子を励起させることができるが、層厚を均一化できること、また層厚方向における電子加速層4の抵抗調整が可能となることなどから、電子加速層4の層厚は、700〜1000nmが好ましい。
(製造方法)
次に、自発光素子1の製造方法の実施形態について説明する。まず、分散溶媒にシリコン微粒子5と、導電微粒子6および塩基性分散剤60の少なくとも一方と、を分散させた微粒子分散液Aを得る。例えば、分散溶媒に、シリコン微粒子5を投入して分散させ、ここにさらに導電微粒子6および塩基性分散剤60の少なくとも一方を追加投入して分散させることで得ることができる。分散方法は特に限定されるものではなく、例えば、常温で超音波分散器にかければよい。ここで、分散溶媒としては、シリコン微粒子5と、導電微粒子6および塩基性分散剤60の少なくとも一方と、を分散でき、かつ塗布後に乾燥できれば、特に制限なく用いることができ、例えば、トルエン、ベンゼン、キシレン、ヘキサン、テトラデカン等を用いることができる。また、導電微粒子6を用いる場合、分散性を向上させる目的で、事前処理として導電微粒子6の表面処理、例えばアルコラート処理を施すとよい。
また、電子加速層4に導電微粒子6を含み、さらにバインダー樹脂を含む場合には、まず、シリコン微粒子5とバインダー樹脂と分散溶媒中に分散させた分散液Bを得る。ここで用いられる分散溶媒としては、シリコン微粒子5とバインダー樹脂とを分散でき、かつ塗布後に乾燥できれば、特に制限なく用いることができ、例えば、トルエン、ベンゼン、キシレン、ヘキサン、テトラデカンなどが挙げられる。これらの分散溶媒は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。分散方法は特に限定されるものではなく、例えば、常温で超音波分散器にかけることで分散させることができる。分散溶媒に対するシリコン微粒子の含有率は、3〜50重量%が好ましい。3重量%より少ない場合は電子加速層4を作製するのに、数十回の層形成を実施する必要があり、均一な層を得るのが困難となる。また、50重量%より多い場合はシリコン微粒子5の凝集が発生する。中でも、20〜30重量%であることがより好ましい。
次に、上記のように得られた分散液Bと導電微粒子6とを混合して混合溶液Dを得る。混合方法は特に限定されるものではなく、例えば、常温で攪拌すればよい。ここで、バインダー樹脂は、シリコン微粒子5および導電微粒子6の混合溶液Dの溶媒の量に対して、5〜15重量%の混合費で付加されているのがよく、10〜12重量%の混合費で添加されているとより好ましい。
なお上記混合に際して、導電微粒子6が粉末状の場合は、分散溶媒中に導電微粒子6を分散させた導電微粒子分散液Cを用いて分散液Bと混合して混合溶液Dを得るとよい。導電微粒子6の分散溶媒としては、導電微粒子6を分散でき、かつ塗布後に乾燥できれば、特に制限なく用いることができ、例えば、ヘキサン、トルエンなどが挙げられる。また、導電微粒子分散液Cは、導電微粒子のナノコロイド液を液体の状態で用いてもよい。導電微粒子のナノコロイド液を液体の状態で使用すると、導電微粒子が均一分散した微粒子層を形成することができる。導電微粒子のナノコロイド液の例としては、ハリマ化成株式会社が製造販売する金ナノ粒子コロイド液、応用ナノ研究所が製造販売する銀ナノ粒子、株式会社徳力化学研究所が製造販売する白金ナノ粒子コロイド液及びパラジウムナノ粒子コロイド液、株式会社イオックスの製造販売するニッケルナノ粒子ペーストなどが挙げられる。また、導電微粒子のナノコロイド液の溶媒には、シリコン微粒子5をコロイド分散でき、かつ塗布後に乾燥できれば、特に制限なく用いることができ、例えば、トルエン、ベンゼン、キシレン、ヘキサン、テトラデカン等を用いることができる。
また、導電微粒子6の含有率は、0.5〜30重量%が好ましい。1重量%より少ない場合は導電微粒子として素子内電流を増加させる効果を発揮せず、30重量%より多い場合は導電微粒子6の凝集が発生する。中でも、2〜20重量%であることがより好ましい。
そして、上記のように作成した微粒子分散液Aあるいは混合溶液Dを電極基板2上に塗布し、例えば、スピンコート法を用いて、電子加速層4を形成する(電子加速層形成工程)。
スピンコート法による成膜、乾燥、を複数回繰り返すことで電子加速層4を所定の膜厚にすることができる。微粒子分散液Aを用いると、シリコン微粒子5および導電微粒子6とが分散された電子加速層4を形成され、混合溶液Dを用いると、シリコン微粒子と導電微粒子とバインダー樹脂とが分散された電子加速層4を形成される。例えば、3000rpmのスピン条件にて、1層又は2層形成して得られた膜厚800nm以下の微粒子分散液Aまたは混合溶液Dからなる層を、1〜3時間余り室温硬化することで、電子加速層4が得られる。
電子加速層4は、スピンコート法以外に、例えば、滴下法、スプレーコート法等の方法でも成膜することができる。そして、電子加速層4の形成後、電子加速層4上に薄膜電極3を成膜する(薄膜電極形成工程)。薄膜電極3の成膜には、例えば、マグネトロンスパッタ法を用いればよい。また、薄膜電極3は、例えば、インクジェット法、スピンコート法、蒸着法等を用いて成膜してもよい。
ここで、薄膜電極3を多孔状に形成する場合には、次のように行えばよい。図4は、多孔状の薄膜電極を形成する工程を説明する図である。図4(a)に示すように電子加速層4形成後、図4(b)に示すように電子加速層4上にマスク粒子11を塗布してから、図4(c)に示すように薄膜電極の材料を作成し、その後、マスク粒子11を除去することで、図4(d)に示すような薄膜電極3を形成する。ここで、マスク粒子11には、シリカ粒子、ガラスビーズ粒子、アクリル微粒子等を用いることができる。また、マスク粒子11の大きさは、薄膜電極3に開けたい孔の大きさに合わせればよい。例えば、マスク粒子11として平均粒径8μmのシリカ粒子を用いると、薄膜電極に直径約4.5μmの孔を形成できる。
マスク粒子11の塗布は、例えば、次のように行えばよい。溶媒にマスク粒子11を混入し、超音波分散して、溶媒にマスク粒子11が分散されたマスク粒子分散液を得る。そして、電子加速層上に、マスク粒子分散液を滴下あるいはスピンコート法により散布させ、溶媒の乾燥を待てばよい。
薄膜電極の材料を塗布では、マグネトロンスパッタ等を用いて成膜する。マスク粒子はスパッタリング等により降り注ぐ薄膜電極の材料に対して遮蔽物として機能し、電子加速層表面に薄膜電極の材料の無い部分が形成される。スパッタリングでは、薄膜電極の材料の一部がマスク粒子11周辺へ回り込みながら堆積してゆくため、マスク粒子11を除いた後に残る孔径は使用したマスク粒子11の粒径以下となる。
マスク粒子11の除去は、例えば、エアブローによって飛散させればよいが、これ以外の方法で除去してもよい。
以上で説明した本発明に係る自発光素子1を備えた自発光装置10は、バックライトとして、あるいはディスプレイとして利用できる。
(実施例)
以下の実施例では、本発明に係る自発光素子の発光実験について説明する。なお、この実験は実施の一例であって、本発明の内容を制限するものではない。
まず実施例1〜5の自発光素子を以下のように作製し、発光実験を行った。
(実施例1)
シリコン微粒子として、キャボット社の製造するヒュームドシリカ粒子(平均粒径50nm、粒子径分布は4nmから200nmの範囲)を用いた。粒子表面はヘキサメチルジシラザンによる疎水化処理が施されている型番TGC−413とした。導電微粒子6として、応用ナノ研究所製の銀ナノ粒子(平均粒径10nm、うち絶縁被膜であるアルコラートの厚さ1nm)を用いた。
10mLの試薬瓶に分散溶媒としてトルエンを3mL入れ、シリコン微粒子を0.5g投入し、試薬瓶を超音波分散器に10分かけ、シリコン微粒子の分散を行った。次に導電微粒子を0.125g追加投入し、同様に超音波分散処理を行った。この溶液にバインダー樹脂としてモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のフェニルメチルシリコーン樹脂(TSR−144)を0.3ml追加し5分間超音波分散処理を行い、分散溶媒にシリコン微粒子と導電微粒子とバインダー樹脂とが分散された、微粒子分散液を得た。
電極基板として、25mm角のITO薄膜が蒸着されたガラス基板を使用し、この基板表面に、スピンコート法(3000RPM、10秒)を用いて微粒子分散液を1層堆積させ電子加速層を得た。室温で3時間乾燥後に得られた電子加速層の膜厚は750nmであった。
次に10mLの試薬瓶に、分散溶媒としてエタノールを4ml入れ、マスク粒子として平均粒径8μmの球形シリカ粒子(株式会社トクヤマ製、SE−5V)を0.1g投入し、超音波分散を5分間行うことでマスク粒子の分散溶液とした。先に得られた微粒子層に、マスク粒子の分散溶液をスピンコート法により3度散布し、室温でエタノールを乾燥させた。
以上の方法で得られた電子加速層表面に、マグネトロンスパッタ法を用いて層厚50nmのAu−Pdの薄膜電極を成膜した。スパッタリング終了後に薄膜電極表面をエアブローし、散布されたマスク粒子を飛散除去することで、多孔状の薄膜電極とした。Au−Pdの薄膜電極において、マスク粒子が存在していた箇所は、平均直径4.5μmの孔(微細孔)となり、下層の電子加速層が露出した電極構造となっていた。なお、上記孔の分散密度は実測値で、93個/cmであった。
このように作製した実施例1の自発光素子を、1×10−8ATMの真空中において、ITO電極と多孔状の薄膜電極との間に直流電圧を印加すると、多孔状の薄膜電極をすり抜けて電子が素子外へ放出した(印加電圧16Vにて素子外へ放出された電流量は0.33mA/cm)のを確認したと共に、薄膜電極全体がオレンジ色に発光する発光現象を目視で確認できた。
(実施例2)
1×10−8ATMの真空中で自発光素子を駆動させる際に、印加電圧の波形が直流電圧のみの場合では前述の理由により、電圧印加直後のみ素子から強い発光が確認されるが、時間の経過と共にその発光量が低下してしまう。そこで、本実施例では、実施例1と同様の自発光素子を用いて、図5に示すように、ITO電極(導電性物質)2aと薄膜電極3との間に交流電圧(8Vp−p、周波数10Hz)に直流電圧(8V)を重畳させた電圧を印加した。本実施例では、直流電圧印加直後の光量の強い発光状態を維持し、且つ発光光量の変動が小さくなった。
(実施例3)
シリコン微粒子として、ヒュームドシリカ粒子(キャボット社製、平均粒径50nm、粒子径分布は4nmから200nmの範囲)を用いた。粒子表面はヘキサメチルジシラザンによる疎水化処理が施されている型番TGC−413を用いた。導電微粒子6として、応用ナノ研究所製の銀ナノ粒子(平均粒径10nm、うち絶縁被膜であるアルコラートの厚さ1nm)を用いた。
10mLの試薬瓶に分散溶媒であるヘキサンを1.5mL入れ、シリコン微粒子を0.25g投入し、試薬瓶を超音波分散器に10分かけ、シリコン微粒子の分散を行った。次に銀ナノ粒子を0.06g追加投入し、同様に超音波分散処理を行った。上記試薬瓶にさらに、東レ・ダウコーニング株式会社のシリコーン樹脂(SR2411)を0.075g追加し、スターラーを用いて10分間撹拌して、分散溶媒にシリコン微粒子と導電微粒子と樹脂バインダーとが分散された微粒子分散液を得た。
電極基板として、25mm角のITO薄膜が蒸着されたガラス基板を使用し、この基板表面に、スピンコート法(3000RPM、10秒)を用いて微粒子分散液を1層堆積させた後、150℃のヒートプレートにて2分間硬化させた。得られた電子加速層の膜厚は750nmであった。
次に10mLの試薬瓶に分散溶媒としてエタノールを4ml入れ、マスク粒子として平均粒径8μmの球形シリカ粒子(株式会社トクヤマ製、SE−5V)を0.1g投入し、超音波分散を5分間行うことでマスク粒子の分散溶液を得た。先に得られた電子加速層に、マスク粒子の分散溶液をスピンコート法(3000RPM、10秒)により3度散布し、室温でエタノールを乾燥させた。
以上の方法で得られた電子加速層表面に、マグネトロンスパッタ法を用いて層厚50nmのAu−Pdの薄膜電極を成膜した。スパッタリング終了後に薄膜電極表面をエアブローし、散布されたマスク粒子を飛散除去することで、多孔状の薄膜電極とした。Au−Pdの薄膜電極において、マスク粒子が存在していた箇所は、平均直径4.5μmの孔(微細孔)となり、下層の電子加速層が露出した電極構造となっていた。なお、上記孔の分散密度は実測値で、93個/cmであった。
このように作製した実施例3の自発光素子を、1×10−8ATMの真空中において、ITO電極と薄膜電極との間に直流電圧を印加したところ、薄膜電極を通過して電子が素子外へ放出(印加電圧14.3Vにて0.03mA/cm)したのを確認したと共に、薄膜電極一面に点在した白色の発光現象を目視で確認できた。
(実施例4)
シリコン微粒子として、平均粒径50nmのヒュームドシリカC413(キャボット社製)を用いた。粒子表面がヘキサメチルシジラザン処理されているものを用いた。塩基性分散剤60として、アジスパーPB821(味の素ファインテクノ株式会社製)を用いた。
まず、10mLの試薬瓶に、分散溶媒としてトルエンを3.0g入れ、塩基性分散を0.03g投入し、超音波分散器にかけて分散させた。さらにその中に、シリコン微粒子を0.25g投入し、同様に試薬瓶を超音波分散器にかけて分散させた。ここで用いた約10分間分散器にかけることで、トルエンにシリカ微粒子と塩基性分散剤が分散した微粒子分散液を得た。
電極基板として、25mm角のITO薄膜が蒸着されたガラス基板を使用し、この基板表面に上記微粒子分散液を滴下した後ス、ピンコート法を用いて電子加速層を形成した。スピンコート法による成膜条件は、500RPMにて5秒間回転している間に分散液を基板表面へ滴下し、続いて3000RPMにて10秒間の回転を行うものとした。この成膜条件を3度繰り返し、電極基板上に電子加速層を2層堆積させた後、室温で自然乾燥させた。電子加速層の膜厚は約800nmであった。
電極基板の表面に電子加速層を形成後、マグネトロンスパッタ装置を用いて薄膜電極を成膜した。薄膜電極の成膜材料としてAu−Pdを使用し、薄膜電極の層厚は50nm、同面積は0.014cmとした。この薄膜電極の形成において、実施例1と同様にマスク粒子を用いて孔を作製した。
このように作製した実施例4の自発光素子を、1×10−8ATMの真空中において、ITO電極と薄膜電極との間に直流電圧を印加したところ、薄膜電極を通過して電子が素子外へ放出(印加電圧16Vにて0.08mA/cm)したのを確認したと共に、薄膜電極一面に点在したオレンジ色の発光現象を目視で確認できた。
(実施例5)
薄膜電極の形成において、マスク粒子を用いずにベタ状に形成した以外は、実施例3と同様にして実施例5の自発光素子を形成した。よって、実施例5の自発光素子では、薄膜電極に孔は設けられていない。この実施例5の自発光素子を、1×10−8ATMの真空中において、ITO電極と薄膜電極との間に直流電圧を印加したところ、薄膜電極を通過して電子が素子外へ放出(印加電圧13Vにて0.13mA/cm)したのを確認したと共に、薄膜電極のエッジ部に集中した白色の発光現象を目視で確認できた。
ここで、実施例3で分散溶媒としてヘキサンを使用した際に見られたエッジ部に集中した白色の発光については、前述の導電微粒子として用いられる銀ナノ粒子の形成する中間準位の他に、シリコン微粒子層と表面電極との間に生じる残留応力も関係していると、推測される。カソードルミネッセンス分光分析法では、微細領域に生じた応力と発光波長との関係も得られ、引っ張り応力では青色変移、圧縮応力では赤色変移、その中間では緑色の波長が得られると分かっている。よって、実施例3での電子加速層は、微粒子の堆積から成るため、引っ張りおよび圧縮応力が混在することで白色発光していると考えられる。また実際に、エッジ部の白色発光素子を発光実験後にSEM観察してみると、エッジに沿って素子表面が割れて(分断して)しまっており、エッジに応力が集中するとの判断もできる。
本発明は上述した実施形態および各実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明に係る発行素子は、安価なシリコン材料と簡便な製造方法で作成でき、効率のよい発光が可能である。よって、例えば、画像表示装置等に好適に利用することができる。
1 自発光素子
2 電極基板
3 薄膜電極
4 電子加速層
5 シリコン微粒子
6 導電微粒子
7 電源(電源部)
10 自発光装置
60 塩基性分散剤

Claims (18)

  1. 電極基板と、薄膜電極と、該電極基板と薄膜電極との間に挟持され、シリコン微粒子と導電微粒子および塩基性分散剤の少なくとも一方とを含む電子加速層と、を備え、
    上記電極基板と上記薄膜電極との間に電圧が印加されると、上記電子加速層で電子を加速させてホットエレクトロンを生成し、該ホットエレクトロンにより上記電子加速層中のシリコン微粒子表面が励起して発光することを特徴とする自発光素子。
  2. 上記薄膜電極は、多孔状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の自発光素子。
  3. 上記電子加速層は、バインダー樹脂を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の自発光素子。
  4. 上記シリコン微粒子の平均粒径は、12〜110nmであることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の自発光素子。
  5. 上記電子加速層の層厚は、700〜1000nmであることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の自発光素子。
  6. 上記電子加速層は、上記シリコン微粒子と少なくとも上記導電微粒子とを含んでおり、該導電微粒子は、抗酸化力が高い導電体であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の自発光素子。
  7. 上記導電微粒子は、貴金属であることを特徴とする請求項6に記載の自発光素子。
  8. 上記導電微粒子を成す導電体は、金、銀、白金、パラジウム、及びニッケルの少なくとも1つを含んでいることを特徴とする請求項6または7に記載の自発光素子。
  9. 上記導電微粒子の平均粒径は、3〜10nmであることを特徴とする、請求項6から8のいずれか1項に記載の自発光素子。
  10. 上記導電微粒子の周囲に、該導電微粒子の大きさより小さい絶縁体物質である小絶縁体物質が存在することを特徴とする、請求項6から9のいずれか1項に記載の自発光素子。
  11. 上記小絶縁体物質は、アルコラート、脂肪酸、及びアルカンチオールの少なくとも1つを含んでいること特徴とする、請求項10に記載の自発光素子。
  12. 上記電子加速層は、上記シリコン微粒子と少なくとも上記塩基性分散剤とを含んでおり、該塩基性分散剤は、立体反発効果により上記シリコン微粒子を分散させる高分子体に、電子対を供与する電子対供与体が置換基として導入されてなることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の自発光素子。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の自発光素子と、上記電極基板と上記薄膜電極との間に電圧を印加する電源部と、を備えたことを特徴とする自発光装置。
  14. 上記電源部は、上記電極基板と上記薄膜電極との間にパルス波の電圧を印加することを特徴とする、請求項13に記載の自発光装置。
  15. 請求項13または14に記載の自発光装置を備えたことを特徴とする画像表示装置。
  16. 請求項1から12のいずれか1項に記載の自発光素子を駆動する自発光素子駆動方法において、上記電極基板と上記薄膜電極との間にパルス波の電圧を印加することを特徴とする自発光素子駆動方法。
  17. 電子を加速させてホットエレクトロンを生成し、該ホットエレクトロンにより上記電子加速層中のシリコン微粒子表面が励起して発光する自発光素子の製造方法であって、
    電極基板上に、上記シリコン微粒子と導電微粒子および塩基性分散剤の少なくとも一方とを含む電子加速層を形成する電子加速層形成工程と、
    上記電子加速層上に薄膜電極を形成する薄膜電極形成工程と、を含むことを特徴とする自発光素子の製造方法。
  18. 上記薄膜電極形成工程では、上記電子加速層上にマスク粒子を塗布した後に上記薄膜電極の材料を塗布し、その後、上記マスク粒子を除去して、上記薄膜電極を形成することを特徴とする請求項17に記載の自発光素子の製造方法。
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