JP4216112B2 - 電子放出素子およびそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

電子放出素子およびそれを用いた画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大気中で作動させても安定して長時間動作することができる電子放出素子およびそれを用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の冷陰極型の電子放出素子として、スピント(Spindt)型電極、カーボンナノチューブ(CNT)型電極などが知られておりFED(Field Emission Display)の分野に応用検討されている。これらは尖鋭形状部に電圧を印加して約1GV/mの強電界を形成し、トンネル効果により電子放出させるものである。
【0003】
このような電子放出素子を大気中で動作させ、帯電装置や静電潜像形成装置に応用しようという発想は従来から存在する。たとえば、スピント型冷陰極を大気中で動作させ、大気中に電子を放出し、気体分子を電離して荷電粒子としてのイオンを発生させ、静電潜像を形成する方法が提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。また、カーボンナノチューブを大気中で動作させた研究成果が報告されている(たとえば、非特許文献1参照。)。このように、電子写真用の帯電器や静電潜像形成用の電子線源として電子放出素子を適用する可能性が示唆される。
【0004】
しかしながら、これら2つのタイプの電子放出素子は上記のように、電子放出部表面近傍が強電界であるため、放出された電子は電界より大きなエネルギーを得て気体分子を電離し易くなる。このことは、気体分子の電離により生じたプラスイオンは強電界により素子表面方向に加速衝突し、スパッタリングによる素子破壊が生じるという問題を有していた。
【0005】
上記とは別のタイプの冷陰極として、MIM(Metal Insulator Metal)型やMIS(Metal Insulator Semiconductor)型が知られている。これらは素子内部の量子サイズ効果および強電界を利用して電子を加速し、平面状の素子表面から電子を放出させる面放出型の電子放出素子である。これらは素子内部で加速した電子を放出するため、素子外部に強電界を必要としない。したがって、MIM型またはMIS型の電子放出素子においては、上記スピント型やCNT型の電子放出素子のように気体分子の電離によるスパッタリングで破壊されるという問題を克服できる。
【0006】
たとえば、半導体の陽極酸化処理によって形成される多孔質半導体(たとえば多孔質シリコン)の量子サイズ効果を利用した上記MIS型に属する電子放出素子として、多孔質半導体中に注入された電子を電界で加速し、表面金属薄膜をトンネル効果によって通過させ真空中に放出させるものが提案されている(たとえば、特許文献2参照。)。さらに、かかる多孔質半導体による冷陰極は、陽極酸化という極めて簡便・安価な製造方法にて素子を作製できるという大きなメリットがある。
【0007】
しかし、大気中で動作させた場合、様々な気体分子が素子表面に吸着し、半導体の電気的特性などを変質させ、電子放出電流が減少するという問題が新たに発生している。
【0008】
これら素子内部で電子を加速するMIM型やMIS型の冷陰極の表面は、素子内部に電界を印加する上部電極の役割で一般的に金属薄膜で構成されている。しかし、素子内部で加速された電子は、この表面金属薄膜をトンネルして真空中に放出されるため、膜厚は薄いほどトンネル確立が高くなり電子放出量が多くなる。この2つの役割を両立する金属薄膜の厚みは、数nmから数十nmが適当とされる。たとえば、特許文献2では、金薄薄膜の厚さが15nmである例が開示されている。
【0009】
このようにMIM型やMIS型の冷陰極は、表面の金属薄膜の膜厚が非常に薄く緻密な膜を形成することが困難であるため、気体分子のバリア効果がほとんど無い。したがって、大気中で電子放出素子を動作させ場合、気体分子が内部の半導体層に侵入し、半導体の電気的特性などを変質させ、電子放出電流が減少するという課題が発生する。
【0010】
【特許文献1】
特開平06−255168号公報
【0011】
【特許文献2】
特開平08−250766号公報
【0012】
【非特許文献1】
山口、他3名、「カーボンナノチューブによる画像記録用高効率電子線源の開発」、Japan Hardcopy97論文集、日本画像学会、1997年7月、p221−224
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、大気圧中もしくは低真空中で電子放出素子を動作させたときの上記の課題を解決することにより、安定して動作することができる電子放出素子およびそれを用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明にかかる電子放出素子は、上部電極と下部電極との間に半導体層が形成されている電子放出素子であって、前記半導体層の半導体表面に有機化合物を吸着させ有機化合物吸着層形成されていることを特徴とする。ここで、前記半導体層は、シリコンまたはポリシリコンからなり、その一部または全部を多孔質とすることができる。前記有機化合物は、炭素数7以上の直鎖状または分岐状の非環式炭化水素、前記非環式炭化水素に少なくともアルデヒド基が結合した化合物、または少なくとも1つの不飽和結合を有する非環式炭化水素などとすることができる。
【0015】
また、本発明にかかる画像形成装置は、上記の本発明にかかる電子放出素子を帯電装置として用いた画像形成装置であって、前記電子放出素子を大気中で電子放出させて静電潜像担持体を帯電させることを特徴とする。また、本発明にかかる画像形成装置は、上記の本発明にかかる電子放出素子を電荷供給装置として用いた画像形成装置であって、前記電子放出素子を大気中で電子放出させて静電潜像担持体上に直接潜像を形成させることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる電子放出素子は、図1または図2を参照して、上部電極16,26と下部電極13,23との間に半導体層14,24が形成されている電子放出素子11,21であって、前記半導体層の半導体表面に有機化合物を吸着させて有機化合物吸着層15,25を形成させることを特徴とする。半導体表面に有機化合物を吸着させることにより、半導体表面を安定化させ、半導体表面に大気中の気体分子が吸着するのを防止し、電子放出素子における前記気体分子による電気的特性の変化および電子放出電流の減少を抑制することができる。ここで、前記有機化合物吸着層の厚みは、本発明の目的に反しない限り特に制限は無いが、1分子層程度であればできるだけ薄い方が、電子放出素子の電子放電特性から好ましい。また、有機化合物は、半導体表面において吸着活性を有する部分(たとえば、ポリシリコン半導体表面における水素終端部分など)に吸着して有機化合物吸着層を形成することにより半導体表面を安定化することができるため、本発明においては、有機化合物吸着層は、少なくとも半導体表面において吸着活性を有する部分に形成されていれば足り、必ずしも半導体表面全体を完全に覆っている必要はない。
【0017】
また、本発明にかかる電子放出素子において、前記半導体層は、シリコンまたはポリシリコンの一部もしくは全部を多孔質とした多孔質シリコン半導体層または多孔質ポリシリコン半導体層とすることができる。多孔質シリコン半導体層とすることで大きな電子放出電流が得られ、多孔質ポリシリコン半導体層とすることで熱的安定性が著しく改善される。また、多孔質の半導体層においては、有機化合物の吸着による半導体表面安定化の効果が大きい。ここで、ポリシリコンとは、多結晶シリコンを意味する。
【0018】
ここで、半導体層が多孔質である場合には、半導体表面とは、半導体層としての表面のみならず、半導体層内に形成された孔を経由して有機化合物が吸着可能な半導体層内部における半導体表面をも含む。すなわち、半導体が多孔質である場合には、半導体層に有機化合物を吸着させることにより、図1または図2に示す半導体層14,24の表面に有機化合物吸着層15,25が形成されるとともに、半導体層内部における半導体表面にも有機化合物吸着層(図示せず)も形成される。
【0019】
また、本発明にかかる電子放出素子において、前記有機化合物は、非環式炭化水素とすることができる。非環式炭化水素を半導体層の半導体表面に吸着させることにより、疎水性を発揮することができる。これにより、大気中の水分子の半導体層への侵入を防ぎ、水分子による半導体層の酸化反応などを防止することができるため、電子放出素子の電気的特性の変化と電子放出電流の減少を抑制することができる。ここで、非環式炭化水素は、環式炭化水素に比べて立体障害が少ないため、より高密度に半導体表面に吸着することができ、半導体表面の疎水性を高めることができる。
【0020】
また、本発明にかかる電子放出素子において、前記非環式炭化水素は、炭素数7以上の直鎖状または分岐状の非環式炭化水素とすることができる。かかる非環式炭化水素が半導体表面に付着して飽和炭化水素となることにより、酸化剤、還元剤、酸または塩基との反応性が極めて小さい化学的に安定な半導体表面が形成される。ここで、分岐状の非環式炭化水素とは、少なくとも1つの枝分かれを有する非環式炭化水素を意味する。
【0021】
また、本発明にかかる電子放出素子において、前記非環式炭化水素に少なくともアルデヒド基が結合した化合物を半導体層の半導体表面に吸着させて有機化合物吸着層を形成することを特徴とすることができる。非環式炭化水素、特に非環式炭化水素が飽和炭化水素である場合には、シリコンなどの半導体の表面との反応性に乏しく、化学吸着が困難となる。かかる場合に、アルキル基に官能基としてアルデヒド基が結合した化合物をシリコンなどの半導体表面に作用させると、反応性の高いアルデヒド基が反応・吸着して、半導体表面をアルキル基が取り巻く構成を実現できる。また、かかる化合物において非環式炭化水素の炭素数が17を越えるものは、前記化合物中に占めるアルデヒド基の割合が低下し半導体層表面への化学吸着力が低下する。
【0022】
前記非環式炭化水素にアルデヒド基が結合した化合物としては、n−オクタナール(CH3(CH2)6CHO)、n−デカナール(CH3(CH2)8CHO)、n−ドデカナール(CH3(CH2)10CHO)、6−メチルペプタナール((CH3)2CH(CH2)4CHO)、11−メチルドデカナール((CH3)2CH(CH2)10CHO)などが挙げられる。
【0023】
また、本発明にかかる電子放出素子において、前記非環式炭化水素は、少なくとも1つの不飽和結合を有する非環式炭化水素とすることができる。特に、非環式炭化水素が飽和炭化水素である場合には、シリコンなどの半導体の表面との反応性に乏しく、化学吸着が困難となる。かかる場合に、非環式炭化水素に反応性の高い二重結合もしくは三重結合などの不飽和結合を少なくとも1つ有する非環式炭化水素をシリコンなどの半導体の表面に作用させると、反応性の高い二重結合もしくは三重結合の部分が反応・吸着して、半導体表面をアルキル基が取り巻く構成を実現できる。また、前記不飽和結合を有する非環式炭化水素において、炭素数が17を越えると前記非環式炭化水素中に占める不飽和結合の割合が低下し半導体表面への化学吸着力が低下する。
【0024】
前記不飽和結合を有する非環式炭化水素としては、1−オクテン(CH3(CH2)5CH=CH2)、1−デセン(CH3(CH2)7CH=CH2)、1−ドデセン(CH3(CH2)9CH=CH2)、1−ヘキサデセン(CH3(CH2)13CH=CH2)、6−メチル−1−ヘプテン((CH3)2CH(CH2)4CH=CH2)、2−メチル−1−ノネン(CH3(CH2)6C(CH3)=CH2)、11−メチル−1−トリデセン((CH3)2CH(CH2)8CH=CH2)、2,4−ジメチル−1−ヘプテン(CH3(CH2)2CH(CH3)CH2C(CH3)=CH2)、1,7−オクタジエン(CH2=CH(CH2)4CH=CH2)、1,3−デカジエン(CH3(CH2)5CH=CH−CH=CH2)などが挙げられる。
【0025】
また、本発明にかかる電子放出素子において、前記非環式炭化水素にアルデヒド基が結合した化合物として、Cn2n-1CHO(nは、7〜17の整数)で表される直鎖状または分岐状の非環式不飽和アルデヒド化合物を半導体層の半導体表面に吸着させることができる。アルデヒド基および不飽和結合を有することにより、半導体表面との反応性をさらに向上させ、より強固な化学吸着を行なうことができる。かかる化合物として、2−オクテール(CH3(CH2)4CH=CHCHO)、2−デセール(CH3(CH2)6CH=CHCHO)、2−ドデセール(CH3(CH2)8CH=CHCHO)、2−ヘキサデセール(CH3(CH2)12CH=CHCHO)、6−メチル−2−ヘプテール((CH3)2CH(CH2)2CH=CHCHO)、11−メチル−2−ドデセール((CH3)2CH(CH2)7CH=CHCHO)、2,6−ジメチル−5−ヘプテール((CH3)2C=CH(CH2)2CH(CH3)CHO)などが挙げられる。
【0026】
本発明にかかる画像形成装置は、上記の本発明にかかる電子放出素子を帯電装置として用いた画像形成装置であって、前記電子放出素子を大気中で電子放出させて静電潜像担持体を帯電させることを特徴とする。上記の本発明にかかる電子放出素子は、半導体層の半導体表面に有機化合物を吸着させることにより、半導体表面を安定化させ、半導体表面に大気中の気体分子が吸着するのを防止し、電子放出素子における前記気体分子による電気的特性の変化および電子放出電流の減少を抑制することができるため、帯電装置として用いることにより、静電潜像担持体を帯電させることができる。
【0027】
また、本発明にかかる画像形成装置は、上記の本発明にかかる電子放出素子を電荷供給装置として用いた画像形成装置であって、前記電子放出素子を大気中で電子放出させて静電潜像担持体上に直接潜像を形成させることを特徴とする。上記の本発明にかかる電子放出素子は、半導体層の半導体表面に有機化合物を吸着させることにより、半導体表面を安定化させ、半導体表面に大気中の気体分子が吸着するのを防止し、電子放出素子における前記気体分子による電気的特性の変化および電子放出電流の減少を抑制することができるため、電荷供給装置として用いることにより、静電潜像担持体上に直接潜像を形成させることができる。
【0028】
したがって、本発明にかかる画像形成装置においては、従来の放電型帯電装置で問題となっていたオゾンの発生が生じることは無く、より簡略化された画像形成装置となる。
【0029】
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて具体的に説明する。
(実施形態1)
図1を参照して、本発明にかかる一の電子放出素子11は、裏面にオーミック電極13aを形成したn型シリコンからなる半導体基板13bの上に、半導体層14として多孔質ポリシリコン層が形成されており、多孔質ポリシリコン層のポリシリコン表面に有機化合物を吸着させて有機化合物吸着層15が形成されており、さらにその表面に上部電極16が形成されている。ここで、多孔質ポリシリコン層の表面に図1に図示されている有機化合物吸着層15が形成されるとともに、図示はしていないが多孔質ポリシリコン層内部におけるポリシリコン表面にも有機化合物吸着層が形成されている。また、n型シリコンからなる半導体基板13bは電気導電性が高く、オーミック電極13aと一体的に下部電極13としての機能を有する。
【0030】
上記、多孔質ポリシリコン層は以下の方法により作製した。まず、n型シリコンからなる導電性基板13bの表面にLPCVD法(Low Pressure Chemical Vapor Deposition;低圧化学気相成長法)により厚さが約1.5μmノンドープのポリシリコン層を形成した。次に、50質量%のフッ化水素水溶液とエタノールとを質量比1:1で混合した混合液中で、ポリシリコン層を正極とし白金電極を負極として定電流陽極酸化処理を施し、ポリシリコン層の一部もしくは全部を多孔質化して、多孔質ポリシリコン層を得た。ここで、多孔質ポリシリコン層の孔径は約10nm〜100nm程度であった。なお、陽極酸化中には500Wのタングステンランプによりポリシリコン層の表面に光照射を施す。最後に、多孔質化したポリシリコン層に対し、約900℃の条件でRTO(Rapid Thermal Oxidation;急速熱酸化)処理を施し、酸化膜を形成した。
【0031】
次に、以下のようにして、上記で得られた多孔質ポリシリコン層のポリシリコン表面に有機化合物を吸着させて有機化合物吸着層15を形成させた。たとえば、上記の多孔質ポリシリコン層付素子を十分に脱水処理し90℃に保った状態のn−デカナール(CH3(CH2)8CHO)中に投入する。約30分間処理することにより、図8に示すように、多孔質ポリシリコン層のポリシリコン表面に残存する水素終端部分とn−デカナールのアルデヒド基とが反応し、ポリシリコン表面にn−デカナールの長鎖のアルキル基(n=9)が化学吸着して、有機化合物吸着層が形成する。
【0032】
さらに、図1に示すように、半導体層14である多孔質ポリシリコン層のポリシリコン表面に形成された有機化合物吸着層15の表面上に、蒸着もしくはスパッタ法により、上部電極16として金電極薄膜層を約15nmの厚みで形成することにより、本発明にかかる電子放出素子11を得た。なお、この電極薄膜層の材料としては、金の他、アルミ、タングステン、ニッケル、白金、クロムまたはチタンなどの金属やITO(Indium Tin Oxide)などの金属酸化物を用いることができる。
【0033】
上記のように作製した電子放出素子は、以下の様にして駆動させることができる。すなわち、図3を参照して、電子放出素子11の上部電極16と対向する位置に1mmの距離を設けてコレクタ電極37を配置し、上部電極16(正極)と下部電極13(負極)との間に直流電圧Vpsを印加し、コレクタ電極37と上部電極16との間に100Vの直流電圧Vcを印加することで、電子放出素子を駆動させると、電子30が放出される。
【0034】
ここで、上部電極16と下部電極13との間に流れるダイオード電流Ipsと、上部電極16から放射される電子および大気中のマイナスイオンによりコレクタ電極37に流れる放出電流Ieとを測定した結果を図4に示す。図4において、横軸は電子放出素子に印加した直流電圧Vpsの値、縦軸は電流密度をログスケールで示し、◆はダイオード電流Ipsを、□は放出電子電流Ieを示す。
【0035】
図4に示すように、大気中であるにもかかわらず、素子印加電圧Vpsを21Vとしたときに4.5μA/cm2の放出電流Ieが観測された。この電流は、本発明にかかる電子放出素子より放出された電子が大気中の気体分子に電子付着し、負イオンとなった状態でコレクタ電極まで搬送されることに依る電流が大半であると考えられる。4.5μA/cm2という電流量は、レーザープリンタやデジタル複写機に用いられる電子写真技術の感光体帯電に応用可能な電流量であり、図3においてコレクタ電極37を感光体(図示せず)に置き換える構成で実現できる。
【0036】
ここで、参考のため、半導体層表面に有機化合物を吸着させていない従来の電子放出素子を連続駆動させたときの電子放出電流量の変化を測定した結果を図5に示す。上記のように陽極酸化による多孔質化後RTOで酸化膜を形成する方法で作製した電子放出素子を、大気中および大気圧アルゴン(Ar)中で連続駆動させたときの劣化特性を、図5においてそれぞれ細線と太線とで示す。大気圧Ar中での劣化は僅かであるのに対し、大気中ではほぼ3桁強の大幅な電流劣化となる。このAr中の実験結果から、本発明の電子放出素子は、大気圧中で駆動してもガス分子のイオン化によるスパッタリング破壊を受けず、安定動作することがわかる。しかし大気中の実験結果から、イオンによるスパッタリング破壊とは別の要因で大きく劣化することがわかった。すなわち、大気中では、空気を構成する様々なガス分子(窒素、酸素、二酸化炭素、水、メタン、水素、窒素酸化物、アンモニアなど)が電子放出素子の半導体層の半導体表面に吸着するため、特に電子放出素子駆動時に半導体層たるポリシリコン層のポリシリコン表面と化学反応を起こし、電子放出素子を変質させ特性を劣化させるものと考えられる。
【0037】
電子放出素子における上部電極の金属薄膜の厚みは、約15nmである。このような薄膜の上部電極では緻密で隙間のない膜を形成することは難しく、大気中の様々な気体分子を通過させてしまう。また、電子放出素子のポリシリコン層を陽極酸化により多孔質化し、RTOなどで酸化膜を形成することにより、ポリシリコン層の表面をSiO2の薄膜で覆っても、SiO2膜は薄膜であるため緻密ではなく、水素終端などの形態のポリシリコン表面が残存している。したがって、かかるポリシリコン層表面の終端水素などに、大気中に存在する酸素・窒素・水などの分子が吸着し、素子駆動による電流の影響で酸化などの化学変化を起こし素子特性を劣化させるものと考えられる。
【0038】
次に、半導体層の半導体表面に有機化合物を吸着させた本発明にかかる電子放出素子(図6の凡例において発明品)を連続駆動させたときの電子放出電流量の変化を図6に太線として示す。なお、図6の細線は、半導体層の半導体表面に有機化合物を吸着させていない従来の電子放出素子(図6の凡例において従来品)についての電子放出電流量の変化を示す。図6に示すように、半導体層の半導体表面にn−デカナールを吸着させることにより、5分後の電子放出電流量において0.37桁、30分後の電子放出電流量において0.82桁向上した。
【0039】
上記の半導体層の半導体表面への有機化合物の吸着により、半導体表面上に存在するポリシリコンの水素終端部分をアルキル基に置き換えた有機化合物吸着層ができるため電子放出素子の電子放出特性を安定化できるものと考えられる。すなわち、長鎖のアルキル基を吸着させることにより、半導体層の半導体表面を大気中の様々な気体分子の吸着から保護することができ、さらに気体分子と反応しやすい準活性な半導体表面(ポリシリコン半導体表面の水素終端部分など)に有機化合物を化学吸着させることで安定化させることができるため、連続駆動の際における劣化を改善できたものと考えられる。また、長鎖のアルキル基は疎水性を発揮するため特に水分子の吸着を防止し酸化の過剰な進行を防止し、素子を安定化すると考えられる。
【0040】
上記のように、半導体層の半導体表面に有機化合物を吸着させて有機化合物吸着層を形成させることにより、長期間大気中で安定して動作できる電子放出素子を実現化することができる。
【0041】
(実施形態2)
多孔質ポリシリコン層のポリシリコン表面に有機化合物を吸着させる際に、n−ドデカナール(CH3(CH2)10CHO)を用いた以外は、実施形態1と同様にして、本発明にかかる別の電子放出素子(図7の凡例において発明品)を得た。かかる発明品を、実施形態1と同様にして連続駆動させたときの電子放出電流量の変化を図7に太線として示す。ここで、図7の細線は、半導体層の半導体表面に有機化合物を吸着させていない従来の電子放出素子(図7の凡例において従来品)についての電子放出電流量の変化を示す。図7に示すように、半導体層の表面にn−ドデカナールを吸着させることにより、5分後の電子放出電流量において1.32桁向上した。
【0042】
(実施形態3)
多孔質ポリシリコン層のポリシリコン表面に有機化合物を吸着させる際に、1−デセン(CH3(CH2)7CH=CH2)を用いた以外は、実施形態1と同様にして、本発明にかかる電子放出素子11を得た。ここで、多孔質ポリシリコン層のポリシリコン表面への1−デセンの吸着により、図9に示すように、多孔質ポリシリコン表面に残存する水素終端部分と1−デセンのビニル基とが反応し、ポリシリコン表面に1−デセンの長鎖のアルキル基(n=9)が化学吸着して、有機化合物吸着層が形成される。
【0043】
なお、シリコン表面への有機化合物の吸着状態すなわち有機化合物吸着層の状態は、DRIFT(Diffuse Reflectance Infrared Fourier-transform)、オージェ電子分光またはラマン分光などによって分析できる。
【0044】
(実施形態4)
図2を参照して、本発明にかかる別の電子放出素子21は、ガラスからなる絶縁性基板22の表面に下部電極23を形成し、その表面上に半導体層24として多孔質ポリシリコン層が形成されており、多孔質ポリシリコン層のポリシリコン表面に有機化合物を吸着させて有機化合物吸着層25が形成されており、さらにその表面に上部電極26が形成されている。ここで、多孔質ポリシリコン層の表面に図2に図示されている有機化合物吸着層25が形成されるとともに、図示はしていないが多孔質ポリシリコン層内部におけるポリシリコン表面にも有機化合物吸着層が形成されている。また、ガラスからなる絶縁体基板22上の下部電極23の材料としては、たとえば、アルミ、タングステン、金、ニッケル、白金、クロム、チタンなどの金属やITOなどの金属酸化物を用いることができる。また、下部電極23は蒸着もしくはスパッタ法により形成される。
【0045】
下部電極23を施した絶縁体基板22の表面上の多孔質ポリシリコン層は、以下の方法で作製した。まず、ガラスからなる絶縁体基板22の表面に形成した下部電極23の表面上に、LPCVD法により厚さが約1.5μmノンドープのポリシリコン層を形成した。次に、50質量%のフッ化水素水溶液とエタノールとを質量比1:1で混合した混合液中で、ポリシリコン層を正極とし白金電極を負極として定電流陽極酸化処理を施し、ポリシリコン層の一部もしくは全部を多孔質化して、多孔質ポリシリコン層を得た。ここで、多孔質ポリシリコン層の孔径は約10nm〜100nm程度であった。なお、陽極酸化中には500Wのタングステンランプによりシリコン層の表面に光照射を施した。最後に、約10%の希硫酸中でシリコン基板を正極とし白金電極を負極として定電流を流し、ECO(Electrochemical Oxidation;電気化学酸化)処理を施し、酸化膜を形成した。かかるECO処理による製造プロセスにおいては、プロセス温度が低温になるため、基板材料の制約が緩和され、ガラスなどを基板材料として用いることができる。さらに、陽極酸化処理に引き続きウェット処理にて多孔質ポリシリコン層を酸化することができるから、急速熱酸化による酸化に比べてプロセスを簡略化することができる。
【0046】
上記多孔質ポリシリコン層のポリシリコン表面への有機化合物吸着層の形成およびその後の上部電極の形成については、実施形態1と同様に行なった。
【0047】
(実施形態5)
図10を参照して、本発明にかかる電子放出素子を用いた帯電装置52は、電子放出素子11の上部電極16と対向する位置に、電極48と感光体層49とから構成される感光体47を配置したものである。電子放出素子11の上部電極16と感光体47との距離を1mmとし、コレクタ電圧Vcを800V、素子印加電圧Vpsを20Vの条件で感光体の帯電を行なった。この帯電動作を行なうとき、上部電極15の上部空間にはイオン搬送電界が形成されるため、放出された電子40は効率よく感光体へと運ばれる。大気中での電子放出であるため、放出された電子の大部分は大気中の気体分子に付着し、マイナスイオンとして搬送されると考えられる。このような構成で半導体層の表面に有機化合物を吸着させた本発明にかかる電子放出素子を駆動することにより、大気中でも安定に感光体表面を800V近傍まで帯電することができた。
【0048】
(実施形態6)
本発明にかかる電子放出素子を帯電装置として用いた一の画像形成装置について、具体的に説明する。
【0049】
まず、図11を参照して、画像形成装置の概略構成を説明する。感光体51は画像形成装置本体のほぼ中央部に配置され、画像形成動作時に矢印方向に一定速度で回転駆動されるドラム形状に形成された静電潜像を担持する潜像担持体を構成する感光体である。この感光体51の周囲に対向するように各種の画像形成プロセス手段を行なう装置が配置されている。
【0050】
上記画像形成プロセスを構成する手段を行なう装置として、感光体51表面を均一に帯電する帯電装置52、図示しない画像に応じた露光53による像を照射する光学系、前記光学系により露光されることで感光体51表面に形成された静電潜像を可視像化するための現像装置54、現像された像(すなわち、トナー60の像)を適宜搬送されてくるシート状の用紙61に転写する転写装置55、転写後に感光体51表面に転写されなかった残留現像剤(残留トナー)を除去するクリーニング装置56、及び感光体51表面に残る帯電電荷を除去する除電装置57などが、この順序で感光体51の回転方向に配置されている。
【0051】
用紙61は、たとえばトレイまたはカセットに多量に収容されており、前記収容された用紙が給送手段にて1枚給紙され、上記転写装置55が配置された感光体51と対向する転写領域へと、感光体51表面に形成されたトナー像の先端と一致するように送り込まれる。この転写後の用紙61は、感光体51より剥離され、定着装置58へと送り込まれる。
【0052】
定着装置58は、用紙上に転写された未定着のトナー像を永久像として定着させるものであって、トナー像と対向する面が、トナーを溶融し、定着させる温度に加熱されたヒートローラからなり、該ヒートローラに対して加圧され用紙61をヒートローラ側へと密着させる加圧ローラなどを設けて構成している。この定着装置58を通過した用紙61は、画像形成装置外へと排出ローラを介して図示しない排出トレイ上に排出処理される。
【0053】
上記図示しない光学系は、本発明の画像形成装置がプリンタやデジタル複写機であるため、光学系は半導体レーザを画像データに応じてON−OFF駆動した光像を照射する。特にデジタル複写機においては、コピー原稿からの反射光をCCD素子などの画像読取センサにて読取った画像データを上記半導体レーザを含む光学系へと入力し、画像データに応じた光像を出力するようにしている。また、プリンタにおいては、他の処理装置、たとえばワードプロセッサやパーソナルコンピュータなどからの画像データに応じた光像に変換し、これを照射するようにしている。この光像への変換は、半導体レーザだけでなく、LED素子、液晶シャッタなどが利用される。
【0054】
以上のようにして、画像形成装置における画像形成動作を開始すれば、感光体51が矢印方向に回転駆動され、帯電装置52にて感光体51表面が特定極性の電位に均一帯電される。この帯電後に、上述した図示しない光学系による露光53により光像が照射され、その光像に応じた静電潜像が感光体51表面に形成される。この静電潜像を可視化するために次の現像装置54にて現像される。この現像は、本発明にかかる一の画像形成装置においては一成分トナーによる現像であって、前記トナーは、感光体51表面に形成された静電潜像に、たとえば静電気力により選択的に吸引され、現像が行われる。
【0055】
このようにして現像された感光体51表面のトナー像は、適宜感光体51の回転に同期して搬送されてくる用紙61に、転写領域に配置された転写装置55にて静電転写される。この転写は、トナーの帯電極性と逆の極性にて転写装置55が用紙61の背面を帯電させることで、トナー像を用紙61側へと転移させることにより行なう。転写後、感光体51表面には転写されなかったトナー像の一部が残留し、この残留トナーが、クリーニング装置56にて感光体51表面から除去され、感光体51を再利用するために除電装置57にて感光体51表面が均一電位、たとえば、ほぼ0電位に除電する。
【0056】
一方、転写後の用紙61は、感光体51より剥離され、定着装置58へと搬送される。この定着装置58にて、用紙61上のトナー像は、溶融されてローラ間で加えられる圧力により用紙61に圧着され融着される。この定着装置58を通過する用紙61は、画像形成済み用紙として画像形成装置の外部に設けられている排出トレイなどに排出処理される。
【0057】
このような電子写真方式の画像形成装置の帯電装置52としては、従来からコロナ放電を原理とする帯電装置が一般的である。具体的には、φ60μm程度のタングステンワイヤーに高圧を印加するワイヤーチャージャー方式、鋭利な先端形状を有する複数個のノコ歯に高圧を印加するノコ歯チャージャー方式、感光体にローラーを接触させ高圧を印加するローラー帯電方式などが知られているが、いずれも放電を原理とする帯電装置であるため、多量のオゾンが発生することが問題となっていた。本発明にかかる電子放出素子11を図11の帯電装置52として用いれば、放電ではなく電子放出を原理とするため、オゾンの発生を回避できる画像形成装置を提供できる。
【0058】
(実施形態7)
次に、本発明にかかる電子放出素子を電荷供給装置として用いた一の画像形成装置について、具体的に説明する。上記において説明したように感光体を帯電により均一帯電し、光ビーム露光して静電潜像を形成する方法が一般的であるが、Ion Printing Technologyのような電荷供給装置により、絶縁体もしくは感光体上にイオンを直接供給して静電潜像を形成することも可能である。このような直接潜像形成方式は、従来の帯電と露光の2つのプロセスを1度に簡略化できるため、画像形成装置の小型化に有利である。また静電潜像担持体が感光体の場合は、材料の制約や摩耗の問題や膜の絶縁破壊の問題があるため、膜厚や比誘電率などの設計事項を大幅に変更することができないが、電荷供給装置による直接潜像形成方式の場合は、静電潜像担持体として必ずしも感光体を必要とせず、一般の絶縁体とすることができる。したがって、材料選択の自由度が増すことができる。これにより、静電潜像担持体の耐摩耗性や解像度を改良することができる。
【0059】
図12を参照して、直接潜像形成を可能とする電荷供給装置72を用いたときの画像形成プロセスの概略を説明する。図11に示した従来の感光体を用いた画像形成プロセスとの違いは、静電潜像担持体が感光体51から誘電体ドラム71となり、帯電装置52、露光53、除電装置57の3つが電荷供給装置72になった点である。静電潜像形成方法が感光体と光を用いたものから、イオンもしくは電子を直接供給する方法に変わっただけで、その他のプロセスは同様である。なお、静電潜像担持体は必ずしも誘電体ドラムである必要はなく、従来の感光体を用いてもよい。
【0060】
また、図13に上記電荷供給装置72の概略構造図を示す。基板81は、ポリシリコン表面に有機化合物を吸着させた多孔質ポリシリコン層を含むシリコン基板またはガラス基板で構成される。基板81上には電子放出素子部83が複数個配列されている。電子放出素子部83の最表面は上記の薄膜状の上部電極で構成されており、複数個の素子を選択的に駆動制御するためのドライバIC82と配線84によって接続されている。このような構造の電荷供給装置によって、図12の誘電体ドラム71上にイオンもしくは電子を直接供給し、任意の静電潜像を描画することができるものである。図13は概略構造図であるため20個の電子放出素子部を描いたにすぎないが、実際には約300mm長さに渡って600DPI(Dot per Inch)の密度で複数の素子を配列することにより、A3の紙サイズまで対応可能なプリンタ・複写機の静電潜像が形成できる。
【0061】
従来の電荷供給装置は従来の帯電装置と同様、放電を原理としてイオンを発生するものであったため、多量のオゾンが発生することが問題となっていた。本発明の電子放出素子を図13の電荷供給装置72として用いれば、放電ではなく電子放出を原理とするためオゾンの発生を回避するとともに、電荷供給装置による直接潜像形成により簡略化した画像形成装置を提供できる。
【0062】
【実施例】
(実施例1〜実施例9)
実施形態1と同様の条件において、表1に示す有機化合物を半導体層の半導体表面に吸着させたときの電子放出量の向上桁数を調べた。ここで、実施例1、実施例2、実施例4は、それぞれ上記の実施形態1、実施形態2、実施形態3に対応するものである。
【0063】
【表1】
Figure 0004216112
【0064】
表1に示すように、非環式炭化水素に少なくともアルデヒド基が結合した化合物または少なくとも1つの不飽和結合を有する非環式炭化水素が半導体層の半導体表面に吸着することにより、電子放出量は0.37桁〜2.02桁向上した。
【0065】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
【0066】
【発明の効果】
上記のように、本発明によれば、上部電極と下部電極との間に半導体層が形成されている電子放出素子を構成し、前記半導体層の半導体表面に有機化合物を吸着させることにより、大気圧中においても安定して動作することができる電子放出素子およびそれを用いた画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる一の電子放出素子を示す模式図である。
【図2】 本発明にかかる別の電子放出素子を示す模式図である。
【図3】 本発明にかかる一の電子放出素子の駆動方法を説明する図である。
【図4】 本発明にかかる一の電子放出素子の電流−電圧特性を示す図である。
【図5】 従来の電子放出素子の連続駆動時の特性劣化を示す図である。
【図6】 本発明にかかる一の電子放出素子および従来の電子放出素子の連続駆動時における特性劣化を示す図である。
【図7】 本発明にかかる別の電子放出素子および従来の電子放出素子の連続駆動時における特性劣化を示す図である。
【図8】 本発明における一の有機化合物の半導体表面への吸着を説明する図である。
【図9】 本発明における別の有機化合物の半導体表面への吸着を説明する図である。
【図10】 本発明にかかる一の電子放出素子を用いた帯電装置を示す模式図である。
【図11】 本発明にかかる一の電子放出素子を帯電装置として用いた画像形成装置を示す模式図である。
【図12】 本発明にかかる一の電子放出素子を電荷供給装置として用いた画像形成装置を示す模式図である。
【図13】 本発明にかかる一の電子放出素子を用いた電荷供給装置を示す模式図である。
【符号の説明】
11,21 電子放出素子、13,23 下部電極、13a オーミック電極、13b 半導体基板、14,24 半導体層、15,25 有機化合物吸着層、16,26 上部電極、22 絶縁体基板、30,40 電子、37 コレクタ電極、47 感光体、48 電極、49 感光体層、51 感光体、52 帯電装置、53 露光、54 現像装置、55 転写装置、56 クリーニング装置、57 除電装置、58 定着装置、60 トナー、61 用紙、71 誘電体ドラム、72 電荷供給装置、81 基板、82 ドライバIC、83 電子放出素子部、84 配線。

Claims (12)

  1. 上部電極と下部電極との間に半導体層が形成されている電子放出素子であって、前記半導体層の半導体表面に有機化合物を吸着させ有機化合物吸着層形成されていることを特徴とする電子放出素子。
  2. 前記半導体層が、シリコンからなり、その一部または全部を多孔質とした多孔質シリコン半導体層である請求項1に記載の電子放出素子。
  3. 前記半導体層が、ポリシリコンからなり、その一部または全部を多孔質とした多孔質ポリシリコン半導体層である請求項1に記載の電子放出素子。
  4. 前記有機化合物が、非環式炭化水素である請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電子放出素子。
  5. 前記非環式炭化水素が、炭素数7以上の直鎖状または分岐状の非環式炭化水素である請求項4に記載の電子放出素子。
  6. 前記非環式炭化水素に少なくともアルデヒド基が結合した化合物を前記半導体層の半導体表面に吸着させ有機化合物吸着層形成されていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の電子放出素子。
  7. 前記非環式炭化水素にアルデヒド基が結合した化合物が、Cn2n+1CHO(nは、7〜17の整数)で表される直鎖状または分岐状飽和アルデヒド化合物である請求項6に記載の電子放出素子。
  8. 前記非環式炭化水素が、少なくとも1つの不飽和結合を有することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の電子放出素子。
  9. 前記不飽和結合を有する非環式炭化水素が、Cn2n(nは、7〜17の整数)で表される直鎖状または分岐状不飽和炭化水素である請求項8に記載の電子放出素子。
  10. 前記非環式炭化水素にアルデヒド基が結合した化合物が、Cn2n-1CHO(nは、7〜17の整数)で表される直鎖状または分岐状の非環式不飽和アルデヒド化合物である請求項6に記載の電子放出素子。
  11. 請求項1に記載の電子放出素子を帯電装置として用いた画像形成装置であって、前記電子放出素子を大気中で電子放出させて静電潜像担持体を帯電させることを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項1に記載の電子放出素子を電荷供給装置として用いた画像形成装置であって、前記電子放出素子を大気中で電子放出させて静電潜像担持体上に直接潜像を形成させることを特徴とする画像形成装置。
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