JPH06255168A - イオン書き込みヘッドおよび印字装置 - Google Patents

イオン書き込みヘッドおよび印字装置

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JPH06255168A
JPH06255168A JP4665293A JP4665293A JPH06255168A JP H06255168 A JPH06255168 A JP H06255168A JP 4665293 A JP4665293 A JP 4665293A JP 4665293 A JP4665293 A JP 4665293A JP H06255168 A JPH06255168 A JP H06255168A
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JP
Japan
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latent image
field emitter
head
ion
image carrier
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JP4665293A
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English (en)
Inventor
Masashi Fuse
雅志 布施
Kazu Tomoyose
壹 友寄
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Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH06255168A publication Critical patent/JPH06255168A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型で、イオンの利用効率を高くすること。 【構成】 基板23上に形成された複数の個別電極24
と、前記個別電極24上に形成されたフィールドエミッ
タ25と、前記フィールドエミッタ25から電子を引き
出すためのゲート電極27とを有し、フィールドエミッ
タ25から大気中に電子を放出させ、大気中の気体分子
を電離して荷電粒子としてのイオンをリアルタイムに発
生させ、そのイオンを静電担持体29上に直接衝突させ
て所望の静電潜像を形成することができるようにしたも
の。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、誘電体により構成され
る潜像担持体上に外部から画像に対応した荷電粒子を選
択的に付着させて静電潜像を形成するイオン書き込みヘ
ッドおよび印字装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、従来の電子写真方式において潜像
担持体として用いられている感光体と比較して、潜像担
持体の機械的な強度が高く、温度や繰り返しに対する安
定性も優れている誘電体により形成される潜像担持体を
用いた静電記録の一種であるイオン書き込み式の印字装
置が、高速で印字枚数が非常に多く、メンテナンスの頻
度の少ない業務用高速印字装置等に多用されている。そ
して、イオン書き込み式の印字装置は、感光体を用いた
電子写真方式の印字装置と比較して潜像電位の制御が容
易なため、トナーの付着量を制御することにより濃度階
調を有する印字に適しており、濃度階調の再現性が重視
されるフルカラーの印字装置等に適している。
【0003】以下、このような従来のイオン書き込みヘ
ッドおよび印字装置について説明する。
【0004】まず、従来のイオン書き込みヘッドについ
て説明する。
【0005】図22は従来のイオン書き込みヘッドの一
例を示すものであり、(a)は全体の形状を示す斜視図
であり、(b)は要部の構成を示す縦断面図であり、
(c)はライン電極とフィンガー電極との配置状態を示
す説明図である。
【0006】図22の(a)に示すように、従来のイオ
ン書き込みヘッド1a(以下、ヘッドという)は、一方
の表面にスクリーン電極2が設けられ、その表面に複数
の開口3が鋸歯状に配列して形成されており、全体とし
て略平板状とされている。そして、図22の(b)に示
すように、スクリーン電極2と、開口3を持つフィンガ
ー電極4と、ライン電極5とがそれぞれ所望の誘電体か
らなる絶縁層6を介して配設されている。また、図22
の(c)に示すように、フィンガー電極4の開口3とラ
イン電極5とは、マトリックス状に配置されている。そ
して、図22の(b)に示すように、ヘッド1aは各開
口3を潜像担持体7に対向するようにして配設されてい
る。
【0007】そして、ヘッド1aのフィンガー電極4と
ライン電極5との間に、図示しない所望の駆動回路によ
り、例えば、周波数1MHz、電圧1kV程度の高周波
電圧を印加し、フィンガー電極4の周辺の空気中に放電
による荷電粒子としてのイオン8(図22の(b))を
発生させるようになっている。また、図22の(c)に
示すように、ライン電極5は複数個設けられており、順
次その中の一つに高周波電圧が印加されるようになって
いる。そして、スクリーン電極2には、−600Vの直
流電圧が印加され、フィンガー電極4には待機時に−7
00V、印字時に−400Vの電圧が印加されるように
なっている。さらに、印字時のパルス幅は、例えば、2
0μS程度とされ、フィンガー電極4の周辺の空気中に
発生した、例えば、マイナス極性のイオン8をスクリー
ン電極2により制御し、図22の(b)に示すように、
開口3を通して潜像担持体7に衝突させるようになって
いる。
【0008】前記潜像担持体7は、金属ドラム9の表面
に所望の誘電体層10が形成されたいわゆる誘電体ドラ
ム11とされ、前記金属ドラム9は接地されている。そ
して、前述したように、荷電粒子としてのマイナス極性
のイオン8を誘電体ドラム11の表面に衝突させること
により、図示しない所望の画像に対応した静電潜像を誘
電体ドラム11の表面に形成するようになっている。
【0009】従来のイオン書き込みヘッドの他の例を図
23により説明すると、この従来のヘッド1bにおいて
は、荷電粒子としてのイオン8の発生にコロトロン12
を用いており、その前面に所望の複数の開口13を有す
る二枚の制御電極14,14が配置され、適宜な駆動回
路15により駆動されるようになっている。そして、二
枚の制御電極14,14の間に加える電圧の極性によ
り、コロトロン12にて発生させたイオン8、例えば、
プラス極性のイオン8が開口13から潜像担持体7へ到
達させるか否かを制御するようにされている。また、二
枚の制御電極14,14の間の距離は、例えば、100
μm程度とされ、開口13の直径は200μm程度とさ
れている。さらに、ヘッド1bの解像度は8ドット/m
m程度とされている。また、前記開口13は、前述した
図22の(a)に示すヘッド1aの開口3と同様に鋸歯
状に配列されている。
【0010】つぎに、従来の印字装置について図24に
より説明する。
【0011】図24に示すように、従来の印字装置16
は、潜像担持体7としての誘電ドラム11が図において
矢印にて示すように時計方向に回転自在とされて配置さ
れており、この誘電ドラム11の周囲に、図において上
部から時計方向に、誘電ドラム11上に図示しない静電
潜像を形成する潜像形成手段としてのイオンカートリッ
ジと称される前述したヘッド1(符号は従来のヘッド1
a,1bを総称し、図においてはヘッド1aを示す)
と、静電潜像を図示しないトナーにより顕像化する現像
手段としての適宜な現像器17と、トナーにより顕像化
された静電潜像を用紙などの記録媒体18上に転写する
とともに定着する転写定着手段としての適宜な加圧ロー
ラ19と、誘電体ドラム11を清浄にするクリーニング
手段としての適宜なブレード20と、誘電ドラム11の
荷電状態を除去する除電手段としての適宜な除電器21
とが順に配置されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来のイオン書き込みヘッド1においては、潜像形成
に必要な量だけのイオン8をリアルタイムにて発生させ
ることが不可能なため、常時多量のイオン8を発生さ
せ、その一部をスクリーン電極2あるいは二枚の制御電
極14,14等により潜像担持体7上に導いて静電潜像
を形成するようにされている。このため、発生させたイ
オン8の利用効率が低く、イオン8と同時に発生するオ
ゾンの処理や、消費電力の増大、ヘッド1の大型化、高
電圧を制御する制御電極用の駆動回路15の大型化や高
価格化等という種々の問題点があった。
【0013】また、従来の印字装置16においては、従
来からある図示しない電子写真方式の印字装置に比較し
て、優れた性能を有するにも関わらず、大量の印字が必
要な高速の印字装置にのみ用いられ、用途が限定される
という問題点があった。
【0014】また、従来のイオン書き込みヘッド1にお
いては、イオン8が通過する開口3,13の大きさの下
限に制約があるという問題点があった。この制約の一つ
は発生したイオン8の利用効率を大きくするためであ
り、もう一つは高電圧を印加するスクリーン電極2また
は制御電極14の加工精度と絶縁耐圧を保持させなけれ
ばならないということである。
【0015】つまり、大きな開口3,13を有するスク
リーン電極2または制御電極14を用いることの問題点
は、制御電圧の絶対値が大きくなる点と、ヘッド1から
潜像担持体7に向かって流れるイオン8(イオン流)を
絞った場合に形成される静電潜像の1ドットの直径が十
分に小さくならないという点である。イオン流を絞る場
合には、電極2,14に加わる電圧のためにイオン流の
直径は制御電極2,14の開口3,13の直径の数分の
一程度に集束される。このため、形成される静電潜像の
1ドットの直径はイオン流を増やした場合に比べて小さ
くなる。しかし、集束率の限界のためイオン流を絞った
場合の潜像の電位は中間的な値となり、電位により中間
調を再現することになる。
【0016】また、トナーの付着量により濃度階調を再
現する場合に、面積階調の場合の再現性は良いが、濃度
階調の場合の再現性はトナーの帯電量のばらつき等の要
因により再現性があまりよくない。一般に、従来のヘッ
ド1は、他の書き込み方式に比べて濃度階調の再現性が
優れていると言われている。この再現性について厳密に
みると、イオン8の流量が多く面積階調の領域に入る場
合の階調の再現性や安定性は優れているが、イオン8の
流量を絞った場合の階調再現性は高濃度領域に比べると
劣っている。そして、潜像の面積は変わらず電位の変化
により階調の再現を行なう場合には、潜像の形成が入力
信号に対して正確に行なわれても現像工程でトナーの付
着量のばらつきなどの画像の品位を劣化させる要因が多
く、結果的に面積階調における階調再現性よりも劣った
ものにならざるを得ない。
【0017】前記開口3,13の大きさを小さくできな
いことは、解像度を上げられないことと、開口3,13
を一直線上に並べられないなどの設計上の制約という問
題点を有している。
【0018】一般に、電子写真方式の印字装置において
も、白と黒の二値画像の再現性に対しては一定レベルの
印字品質を得ることができるが、中間調を含む画像の再
現性は良くない。そこで、現在の電子写真方式において
は、ディザを用いた面積階調によって疑似的に中間調を
再現する方法が主流になっており、ディザを用いた場合
の印字の解像度は、潜像形成手段における解像度に比べ
て大幅に低下する。
【0019】代表的なディザのマトリクスは4×4画素
や6×6画素程度で形成される。その場合の階調再現性
は16段階および36段階になり、形成される画像の解
像度は1/4または1/6となる。階調再現性を重視す
る場合に、実用的な解像度を得るためには非常に解像度
の高い潜像を形成する必要がある。
【0020】従来のイオン書き込みヘッドを用いた印字
装置16においては、中間調の再現性が優れているた
め、ディザに頼らないでも濃度階調の再現が可能であ
る。そのため開口3,13の大きさの制限等のため解像
度を上げられないという問題点を濃度階調の再現性で補
うことができると考えられてきた。つまり、写真のよう
な階調再現性が優先される用途においては、解像度は低
くても階調再現性が優れていれば再現性を補うことがで
きるが、文字の印字等の高い解像度が要求される用途に
おいては、階調再現性を利用して多少の改善は行なえる
としても、高い解像度を持つ電子写真方式に対して大幅
に劣った印字品質しか得られないという問題点があっ
た。
【0021】また、従来のヘッド1においては、複数の
開口3,13を印字幅方向に一直線に形成することがで
きず、斜めに複数の開口3,13を並べ、時分割にて一
つのラインの潜像を形成する方式が用いられており、潜
像担持体7に速度のムラがあったり、書き込みのタイミ
ングがずれたりすると、潜像の位置がずれて印字品質が
大幅に低下するという問題点があった。また、画像の並
べかえやタイミングの発生等で、図示しない制御回路お
よび駆動回路15などが複雑で高価なものになりやす
く、しかも、ヘッド1自体が大型化し、ヘッド1と潜像
担持体7との間の距離を一定に保つことが難しくなると
いう問題点があった。
【0022】本発明はこれらの点に鑑みてなされたもの
であり、前述した従来のものにおける問題点を克服し、
小型で、イオンの利用効率の高いイオン書き込みヘッド
および印字装置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ため請求項1に記載の本発明のイオン書き込みヘッド
は、誘電体により構成される潜像担持体上に荷電粒子を
選択的に付着させて静電潜像を形成するイオン書き込み
ヘッドにおいて、基板上に形成された複数の個別電極
と、前記個別電極上に形成されたフィールドエミッタ
と、前記フィールドエミッタから電子を引き出すための
ゲート電極とを有することを特徴とする。
【0024】そして、請求項2に記載の本発明のイオン
書き込みヘッドは、請求項1において、前記個別電極上
に複数のフィールドエミッタからなるフィールドエミッ
タグループを形成することを特徴としている。
【0025】さらに、請求項3に記載の本発明のイオン
書き込みヘッドは、請求項1または請求項2において、
前記基板上に、更にフィールドエミッタ駆動用ICを実
装したことを特徴としている。
【0026】また、請求項4に記載の本発明の印字装置
は、誘電体により構成される潜像担持体上にイオン書き
込みヘッドをもって荷電粒子を選択的に付着させて静電
潜像を形成し、前記静電潜像をトナーにて現像すること
により顕像化するとともに記録媒体上に転写および定着
することにより印字を行なう印字装置において、請求項
1乃至請求項3のいずれかに記載のイオン書き込みヘッ
ドを駆動することにより選択的に荷電粒子を発生させる
とともに、該荷電粒子を前記潜像担持体上に付着させる
ことにより静電潜像を形成することを特徴としている。
【0027】また、請求項5に記載の本発明の印字装置
は、請求項4において、前記潜像担持体は、表面に誘電
体層を有する金属基体からなる誘電体ドラムとすること
を特徴としている。
【0028】また、請求項6に記載の本発明の印字装置
は、請求項4において、前記潜像担持体は、無端ベルト
状の誘電体ベルトとすることを特徴としている。
【0029】また、請求項7に記載の本発明の印字装置
は、請求項4において、加圧ローラをもって定着させる
ことを特徴としている。
【0030】また、請求項8に記載の本発明の印字装置
は、請求項4において、定着ローラと加圧ローラとをも
って定着させることを特徴としている。
【0031】また、請求項9に記載の本発明の印字装置
は、請求項4において、基板上に形成された複数の個別
電極と、前記個別電極上に形成されたフィールドエミッ
タと、前記フィールドエミッタから電子を引き出すため
のゲート電極とを有するイオン発生器により転写させる
ことを特徴としている。
【0032】
【作用】前述した構成からなるイオン書き込みヘッドを
本発明の印字装置に配設して動作させることにより、イ
オン書き込みヘッドのフィールドエミッタから大気中に
電子を放出させ、大気中の気体分子を電離して荷電粒子
としてのイオンをリアルタイムに発生させ、そのイオン
を静電担持体上に直接衝突させて所望の静電潜像を形成
することができる。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1から図21につ
いて説明する。
【0034】まず、本発明に係るイオン書き込みヘッド
について説明する。
【0035】図1および図2は本発明に係るイオン書き
込みヘッドの第1実施例を示すものであり、図1は要部
の構成を示す縦断面図であり、図2は駆動回路を示す回
路図である。
【0036】図1に示すように、本実施例のイオン書き
込みヘッド22a(以下、ヘッドという)は、基板23
上に複数の個別電極24が図において左右方向(印字幅
方向)に一列状に整列配置されている。そして、各個別
電極24上にフィールドエミッタ25が配設されてい
る。さらに、基板23上には、前記各フィールドエミッ
タ25を中心とした、例えば、直径100〜200nm
程度の円形の開口26を有するゲート電極27が適宜な
絶縁層28を介して配設され、全体として略平板状に形
成されている。
【0037】前記基板23の素材は、ガラス等の絶縁物
や表面をSiO2 等の絶縁物で被履したシリコン基板等
で有ればよく、種々のものを選択することができる。
【0038】前記個別電極24およびゲート電極27の
素材は、導電性と加工性を考慮し、金属素材を用いるこ
とが望ましい。
【0039】前記フィールドエミッタ25は、直径、高
さとも0.5〜1μm程度の略円錐形状とし、その頂部
の曲率が5〜10nm程度に形成されている。そして、
フィールドエミッタ25の素材としては、導電性と熱伝
導率が良く融点が高い必要性があり、例えば、タングス
テン、タンタル、モリブデン等の高融点金属を用いるこ
とが望ましい。さらに、フィールドエミッタ25と前記
ゲート電極27の開口26との間の距離は、50〜10
0nm程度とすることが望ましい。
【0040】前記絶縁層28の素材は、大きな電界が加
わり発生したイオンに曝されるため、絶縁性能および安
定性が高い、SiO2 、A12 3 等の無機物の絶縁物
を用いることが望ましい。
【0041】また、図1に示すように、前記ヘッド22
aのゲート電極27に対向するようにして静電潜像が形
成される潜像担持体29が配設されるようになってお
り、この潜像担持体29は、所望の金属基体30の表面
に適宜な誘電体層31が形成されるとともに、前記ゲー
ト電極から100μm程度の一定の拒離を隔てて配設さ
れ、前記各フィールドエミッタ25が配置されている主
走査方向に対して直交する副走査方向に一定速度をもっ
て移動自在にされている。
【0042】図2に示すように、本実施例のヘッド22
aの駆動回路32には、潜像担持体29のヘッド22a
に対して反対側に設けられた金属基体30を背面電極3
3として接地することにより基準電位が形成されてい
る。そして、駆動回路32は、ゲート電極27に対して
マイナスの極性の電圧を供給する潜像書き込み用電源V
Lが電気的に接続されるとともに、ゲート電極27は、
各フィールドエミッタ25に対する共通電極とされてい
る。また、各フィールドエミッタ25と電気的に接続さ
れた各個別電極24は、それぞれ適宜な駆動トランジス
タ34に接続されるとともに、各駆動トランジスタ34
はゲート電極27を基準電位とし、ゲート電極27に対
してマイナスの極性の電圧を印加する電子放出用電源V
Eに接続されており、各フィールドエミッタ25に、ゲ
ート電極27に対してマイナスの極性の電圧を印加する
ようになっている。そして、各個別電極24と各駆動ト
ランジスタ34との間には、各フィールドエミッタ25
に流れる電流を制限するための適宜な抵抗35が直列に
接続されている。
【0043】つぎに、本実施例のヘッドの製造工程につ
いて、図3の(a)から(g)により説明する。
【0044】まず、図3の(a)に示すように、ガラス
等の絶縁物からなる略平板状の適宜な基板23の上の所
定位置に、タンタル等の金属からなる個別電極24を公
知の薄膜形成方法を用いて所定の数だけ形成する。つい
で、図3の(b)に示すように、SiO2 からなる絶縁
層28と、タンタル等からなるゲート電極27とを順次
同様にして成膜する。そして、図3の(c)に示すよう
に、ゲート電極27の所定の位置をエッチング等により
除去して、所望の大きさの開口26を形成する。つぎ
に、図3の(d)に示すように、前記ゲート電極27の
開口26の下部の絶縁層28をエッチング等により除去
して個別電極24を露出させる。そして、図3の(e)
に示すように、ゲート電極27上にフォトレジスト等に
より適宜な離形層36を形成する。つぎに、図3の
(f)に示すように、基板23を水平面内で回転させな
がらタングステン等の金属37を斜め蒸着して個別電極
24上にフィールドエミッタ25を形成する。そして、
図3の(g)に示すように、離形層36を除去しヘッド
22aの構造が完成する。
【0045】つぎに、本実施例のヘッドの製造工程の他
の例について、図4の(a)から(i)により説明す
る。
【0046】まず、図4の(a)に示すように、表面に
薄く高濃度にボロンドープされた高濃度ボロンドープ領
域38を有するシリコンウェハ39の高濃度ボロンドー
プ領域上に適宜な酸化膜40を成膜する。そして、図4
の(b)に示すように、酸化膜40の所定位置に複数の
所望の開口41を設ける。つぎに、図4の(c)に示す
ように、水酸化カリウム(KOH)を用いて異方性エッ
チングし、四角錐を逆さにした形の有底孔42を開口4
1の下部に形成する。そして、図4の(d)に示すよう
に、有底孔42を覆うように前記酸化膜40と同一の酸
化膜40を成膜して一体化された絶縁層28を形成す
る。つぎに、図4の(e)に示すように、絶縁層28の
表面の全面にタングステン等の金属膜43を成膜して有
底孔42を埋めて平滑にする。そして、図4の(f)に
示すように金属膜43をエッチングすることにより個別
電極3と一体となったフィールドエミッタ25を形成す
る。つぎに、図4の(g)に示すように、基板23を適
宜な接合部材44により接合する。そして、図4の
(h)に示すように、シリコンウェハ39をエッチング
により薄くし、シリコンウェハ39中の高濃度ボロンド
ープ領域38のみを残すことにより絶縁層28の所望部
分を露出させる。つぎに、図4の(i)に示すように、
露出させた絶縁層28(酸化膜40)の所望部分を希釈
したフッ酸により除去することによりヘッド22aの構
造が完成する。
【0047】すなわち、本実施例の製造方法において
は、個別電極24とフィールドエミッタ25とは一体に
形成され、ゲート電極27はシリコンウェハ39の高濃
度ボロンドープ領域38により形成される。
【0048】つぎに、前述したイオン書き込みヘッドの
作用について図2および図5を参照して説明する。
【0049】図5は本実施例のイオン書き込みヘッドの
フィールドエミッタの頂部の表面の外側に働く電界をフ
ィールドエミッタの表面に沿う形の等電位面と、それに
直交する電気力線とにより示す模式図である。
【0050】本実施例のヘッド22aを駆動させ、ゲー
ト電極27に対してフィールドエミッタ25にマイナス
の極性の電圧を印加すると、フィールドエミッタ25の
頂部の表面の外側に非常に大きな電界が集中する。この
電界をフィールドエミッタ25の外側でフィールドエミ
ッタ25の表面に沿う形の等電位面45と、それに直交
する電気力線46とにより表すと、図5に示すように、
電気力線46がフィールドエミッタ25の頂部へ集中
し、フィールドエミッタ25の頂部に非常に大きな電界
が作用していることがわかる。
【0051】そして、フィールドエミッタ25からの電
子の放出は、電子放出用電源VEの電圧の一部がフィー
ルドエミッタ25とゲート電極27との間に加わり、そ
の電圧によりフィールドエミッタ25の頂部付近に発生
する電界により行なわれる。このフィールドエミッタ2
5の頂部の表面に作用する電界が、4〜5×109 V/
mになると、ポテンシャルの障壁が10オングストロー
ム程度になり、量子力学的トンネル効果により電子が空
間中に放出される。このフィールドエミッタ25の外側
の空間に放出された電子は、フィールドエミッタ25の
表面と直交する電気力線46に沿ってフィールドエミッ
タ25から遠ざかる。
【0052】前記ゲート電極27とフィールドエミッタ
25との間に印加し、電子を電界電子放出により取り出
すための電子放出用電源VEの電圧は、略フィールドエ
ミッタ25の頂部の曲率に反比例する。つまり、フィー
ルドエミッタ25の頂部の曲率(先端の半径の逆数)を
非常に大きくすることにより、低い電圧での電子放出が
可能になる。なお、フィールドエミッタ25の頂部の曲
率半径は100nm以下で、動作電圧は百V以下とする
ことが望ましい。また、非常に小さい面積のフィールド
エミッタ25の頂部から電子を取り出すため、フィール
ドエミッタ25の頂部の付近の電流密度は非常に高くな
り、ジュール熱によりフィールドエミッタ25が加熱さ
れることとなる。すなわち、フィールドエミッタ25か
ら数十μA程度の電流を取り出すためのフィールドエミ
ッタ25の素材としては、前述したように、抵抗率が低
くて高融点の素材であるタンタル、タングステン、モリ
ブデン等の金属素材を用いことが望ましい。また、金の
ような原子の移動が容易な金属をフィールドエミッタ2
5に用いて、ジュール熱により蒸発するフィールドエミ
ッタ25の頂部の消耗を補うようにしてもよい。
【0053】このように、フィールドエミッタ25にマ
イナスの極性の電圧を加えて電子を大気中に放出させた
場合に、大気圧の空気中での電子の平均自由行程は約4
00nm、平均速度は1〜2×106 m/S、平均衝突
回数は2.5〜5×1013回/Sとなり、放出された電
子は非常に頻繁に大気中の気体分子と衝突することとな
る。そして、電子が平均自由行程を移動中に電界から受
ける運動エネルギーを小さくすると、大部分の電子は空
気中の電子親和力が正で大きな値を持つ酸素分子に捕捉
されてO2 - イオンとなり荷電粒子としてのマイナスの
極性のイオン(図示せず)が生成される。なお、イオン
の質量は電子よりも非常に大きく、電界による運動エネ
ルギーが小さいため、他の気体と衝突してさらにイオン
化するという可能性は非常に小さい。
【0054】したがって、高電圧を用いたコロナ放電や
高周波放電による従来のヘッド1と異なり、本実施例の
ヘッド22aは、潜像形成に必要な量だけのイオンをリ
アルタイムに発生させることができるとともに、フィー
ルドエミッタ25の動作電圧を低くすることができるの
で、駆動回路32の集積化が容易になり、確実に小型
化、低価格化することができる。
【0055】前記フィールドエミッタ25の表面の近傍
で生成されたマイナスの極性のイオンは、ゲート電極2
7と潜像担持体29の背面電極33との間に印加された
潜像書き込み電源VLの電圧により形成される電界によ
って潜像担持体29の表面に向かって移動し、潜像担持
体28の表面に到達して潜像担持体29の表面にマイナ
スの極性の電荷を与える。そして、初期状態(潜像が書
き込まれる前)の潜像担持体29の表面電位は除電によ
って0Vとされており、潜像担持体29の表面に到達し
たマイナスの極性のイオンから電子を受け取り、その表
面にマイナスの極性のイオンの到達量に比例した電位の
静電潜像が形成される。この静電潜像の電位の最大値
は、潜像書き込み用電源VLの電圧に近い値で飽和す
る。したがって、静電潜像の電位が飽和した後に潜像担
持体29の表面に到達したマイナスの極性のイオンは、
潜像担持体29の表面に沿って潜像電位の小さい方に移
動し、その部分の表面に電荷を与える。すなわち、潜像
担持体29上の静電潜像は同心円状に広がることとな
る。
【0056】前述したように、ゲート電極27と潜像担
持体29の表面との間の拒離を100μmとし、潜像書
き込み用電源VLの電圧を500Vとすると、発生する
電界は5×106 V/mとなる。この電界の値は大気中
の放電開始電圧の半分強の値である。
【0057】ここで、画像形成の解像度を300DP
I、潜像担持体28の移動速度を100mm/Sとする
と、一つの画素(ドット)の大きさは約84.67μm
角で、その書き込みの時間間隔は847μSとなり、書
き込むラインの数は1181ライン/Sとなる。そし
て、発生させたイオンの平均の移動速度を100m/S
とすると、ゲート電極27の表面から潜像担持体29の
表面との間のイオンの移動時間は1μSとなる。また、
潜像電位が高くなり潜像担持体29の表面の電位がゲー
ト電極27の電位に近づくと、電位差の減少に比例して
イオンの移動速度は低下するが、この場合においても、
潜像担持体29の移動速度に対して十分に対応させるこ
とができる。
【0058】前記フィールドエミッタ25の動作時間
は、フィールドエミッタ25の動作電流の設定により異
なるが、前述した条件においては8〜80μS程度であ
る。この場合に、イオンの移動速度が速いため、イオン
は柱状に連なったイオン流になる。また、イオンの移動
速度よりも、フィールドエミッタ25が動作している時
間中の潜像担持体29の移動距離が、形成される潜像の
形状に影響を与えることとなる。
【0059】前記フィールドエミッタ25の頂部の表面
の電界を5×109 V/mとし、その電子放出に寄与す
る部分の面積を100nm2 とし、ゲート電極27と潜
像担持体29との間の電界を5×106 V/mとする
と、電気力線46の密度は電界に比例するので、フィー
ルドエミッタ25の頂部は、潜像形成前の潜像担持体2
9の表面の約千倍の電界強度とされる。そして、フィー
ルドエミッタ25から出て潜像担持体29の表面に到達
する電気力線46の密度は、フィールドエミッタ25の
表面の千分の一となり、潜像担持体29の表面に占める
面積は、フィールドエミッタ25の頂部の面積の千倍の
0.1μm2 になる。さらに、フィールドエミッタ25
の周辺で発生したイオンは、電界により電気力線と平行
に移動する。この場合にイオンは、潜像担持体29の表
面の非常に狭い領域に集中して到達して潜像担持体29
の表面に電子を与え、潜像担持体29の表面にマイナス
の極性の微細な静電潜像が形成される。
【0060】前記潜像担持体29上に形成される静電潜
像の大きさは、潜像担持体29の表面に到達するマイナ
スの極性のイオンの量が少ない場合には、電気力線46
が到達する小さい直径に集中し、到達するイオンの量が
増えるにともない潜像のマイナスの極性の電位が上昇
し、潜像担持体29の表面に到達する電気力線46が広
がる。それに連れて到達するマイナスの極性のイオンが
潜像担持体29の表面上に同心円状に広がり潜像の面積
が拡大する。
【0061】したがって、発生するイオンの量に対する
潜像の面積の直線性を極めて高くすることができる。
【0062】すなわち、静電潜像をトナーにより現像し
てトナー像とする場合において、トナーの付着量の直線
性は、静電潜像の電位が中間調を持つ場合と一定電位の
静電潜像の面積が変化する場合とでは、面積階調の方が
低い印字濃度領域においても微細な面積の静電潜像を形
成することができ、広範囲の面積階調による印字が可能
になるので、本実施例のヘッド22aは、従来のヘッド
1に比べて階調の再現性が極めて優れた高品位の印字品
質を得ることができる。この印字品質は、文字の印字等
の高い解像度が要求される用途に用いられている高い解
像度を有する電子写真方式の印字品質に対しても優れて
いる。
【0063】前記潜像の面積の拡大は無制限に起きるわ
けでなく、ゲート電極27と潜像担持体29の背面電極
33との間に印加された電界によって到達するイオンの
量に応じた一定の範囲に制限される。また、形成される
潜像の電位も、潜像担持体29の背面電極33とゲート
電極27との間に印加される電圧に近いほぼ一定の値に
制限される。
【0064】前記フィールドエミッタ25の頂部の近傍
に加わる電圧が、百V以上と高い電圧を用いた場合に
は、放出された電子が気体分子に衝突するまでに大きな
運動エネルギーを得るため、気体分子と衝突するときに
気体分子から余分の電子を剥ぎ取り気体分子をプラスの
極性にイオン化する。
【0065】前記フィールドエミッタ25の近傍にプラ
スの極性のイオンが発生すると、フィールドエミッタ2
5の表面の大きな電界に加速されて大きな運動エネルギ
ーを持ってフィールドエミッタ25に衝突し、フィール
ドエミッタ25の表面の原子がスパッタされて削られる
現象が生じる。また、フィールドエミッタ25を高い電
圧で動作させた場合には、放出された電子が周囲の気体
分子と衝突するまでに電界により加速されることにより
得る運動エネルギーが大きくなる。
【0066】ここで、大気中の電子の平均自由行程は4
00nm、イオンおよび気体分子の平均自由行程は70
nmであり、フィールドエミッタ25とゲート電極27
に加えられる電圧の大部分は、フィールドエミッタ25
の表面近傍に集中し、フィールドエミッタ25の表面か
ら数十nmの距離の間に加わることとなる。
【0067】前述したように、気体分子と衝突するとき
の電子の運動エネルギーが大きい場合には、電子は気体
分子の電子をはじき飛ばしてプラスの極性のイオンを発
生させる。この時の電子の運動エネルギーを気体の電離
電圧という。この気体の電離に必要な最低の電子の運動
エネルギーは、酸素分子で12.07V、窒素分子で1
5.58Vである。また、電離の確率は電子の運動エネ
ルギーが100〜200Vで最大になる。そして、平均
自由行程内で電子が受ける運動エネルギーが12V以下
ではプラスの極性のイオンは発生しないが、その値を少
し越えた段階でプラスの極性のイオンの発生が始まる。
【0068】前記プラスの極性のイオンが発生すると、
プラスの極性のイオンは、フィールドエミッタ25の表
面のマイナスの極性の電界に引かれてフィールドエミッ
タ25に衝突する。そして、フィールドエミッタ25の
表面の原子は、プラスの極性のイオンの衝撃によりスパ
ッタされて削られる。このスパッタに必要な最低のイオ
ンの運動エネルギーは、フィールドエミッタ25の材質
と衝突するイオンの種類により決定され、それをしきい
エネルギーという。このしきいエネルギーは、金属にお
いて10〜30Vの範囲である。そして、スパッタ率は
一般的にしきいエネルギー以上で急激に増大し、150
V程度まではその自乗に比例し、150〜400Vの範
囲ではしきいエネルギーに比例し、それ以上ではしきい
エネルギーの平方根に比例する傾向がある。
【0069】つぎに、大気中におけるフィールドエミッ
タの動作電圧を100V程度とした場合のフィールドエ
ミッタの消耗について説明する。
【0070】本実施例のヘッド22aのフィールドエミ
ッタ25の素材として、例えば、タングクテンを用いた
場合には、フィールドエミッタ25の電流は7nA、フ
ィールドエミッタ25の有効な部分の面積は10nm角
程度、フィールドエミッタ25を構成する原子の格子常
数は0.27nmであり、1秒間に発生する電子数は
4.4×1010個で、発生した電子の電離確率は0.
1、発生したイオンによるスパッタ率は0.1程度にな
る。そして、一秒間にスパッタされる原子数は4.4×
108 個程度とされる。前記フィールドエミッタ25の
有効面積中の最表面の原子数は1.33×103 個であ
り、一秒間に削られる原子の総数は3.3×105 個と
なり、その厚さは91μmに達する。実際には、極く短
時間でフィールドエミッタ25がスパッタにより平坦化
し、電界電子放出が不可能になり、非常に短い時間で動
作を停止することとなる。なお、フィールドエミッタ2
5の頂部の曲率が小さく動作電圧の高いフィールドエミ
ッタ25を、真空度の低い条件で使用した場合にも短時
間で電子の放出が大幅に低下し実用にならないことも、
この現象のためである。このような現象を防ぐために
は、フィールドエミッタ25の動作電圧を少なくとも3
0V以下にすることが肝要である。
【0071】つぎに、前記潜像担持体上に静電潜像を形
成するために必要な電荷の量について説明する。
【0072】前記潜像担持体29の誘電体層31の膜厚
を20μm、比誘電率を2.5とすると1cm2 当たり
の静電容量は110.7pFとなり、この潜像担持体2
9を−500Vに帯電させるのに必要な電荷は55.3
5nCとなる。そして、潜像担持体29の有効印字幅を
210mm、プロセス速度を150mm/Sとすると、
一様に帯電させるために必要な電流は17.44μAと
なる。また、210mmの印字幅には300DPIの解
像度で2480個、400DPIの解像度で3307個
のフィールドエミッタ25が必要になる。そして、フィ
ールドエミッタ25一個当たりの平均電流は、300D
PIの解像度において7.03nA、400DPIの解
像度において5.27nAとなる。ここで、フィールド
エミッタ25の動作時間の比率を1〜10%とすると、
動作中のフィールドエミッタ25の電流は、前記値の十
倍から百倍になる。この場合の電流は50nA〜700
nA程度となり、各フィールドエミッタ25から取り出
せる直流電流の最大値の数十μA程度と比較すると十分
な余裕がある。
【0073】つぎに、フィールドエミッタの表面の電流
密度について説明する。
【0074】前記フィールドエミッタ25の放出する電
流を前述した最大値の700nAとし、フィールドエミ
ッタ25の頂部の曲率を10nm、有効面積を100n
2とすると、電流密度は7000A/mm2 となる。
前記フィールドエミッタ25は略円錐形状とされてお
り、頂部以外の電流密度は小さくなり発熱量も小さい。
また、動作時間の比率が小さいため、熱伝導による頂部
の冷却が十分に施される。
【0075】前記フィールドエミッタ25を、タングス
テンまたはモリブデン等の金属素材により形成すると、
フィールドエミッタ25の体積抵抗率は、銅を素材とし
た場合に比べて3〜4倍となり、その分発熱量は増える
が、融点が高いためフィールドエミッタ25自身の溶融
や蒸発等への熱的な余裕度は大きくなり、耐久性を向上
させることができる。また、フィールドエミッタ25の
少なくとも頂部は、大気に直接接しているため、対流に
よる冷却作用を有するとともに、前記個別電極24を通
して基板23へ放熱する冷却作用と相まってフィールド
エミッタ25の温度上昇を確実に防止することができ
る。
【0076】このように本実施例のイオン書き込みヘッ
ド22aによれば、フィールドエミッタ25から大気中
に電子を放出させ、大気中の気体分子を電離して荷電粒
子としてのイオンをリアルタイムに発生させ、そのイオ
ンを静電担持体29上に直接衝突させて所望の静電潜像
を形成することができるので、イオンの利用効率を格段
に向上させることができる。
【0077】つぎに、本実施例のヘッドのゲート電極と
潜像担持体の距離を一定に保持する構造について図6か
ら図10により説明する。
【0078】図6はイオン書き込みヘッドのゲート電極
と潜像担持体の距離を一定に保持する構造の第1実施例
を示すものである。
【0079】本実施例は潜像担持体29として表面に誘
電体層31を有する誘電体ドラム47を用いたものであ
る。
【0080】本実施例においては、ヘッド22aの印字
幅方向である長手方向の両端部に適宜な接触ローラ4
8,48が配設されており、この接触ローラ48,48
を介して誘電体ドラム47が配置されている。そして、
各接触ローラ48,48は、誘電体ドラム47の表面の
印字領域を避けるようにして回転自在に配設されるとと
もに、誘電体ドラム47の表面と当接されている。さら
に、ヘッド22aは、誘電体ドラム47表面の法線の方
向に移動自在に支持されており、ヘッド22aの背面に
配設された図示しない支持フレームと当接されている適
宜な与圧スプリング49の押圧力をもって誘電体ドラム
47の表面に対して所定の距離(間隔)を保持できるよ
うにされている。なお、各接触ローラ48の接触圧を小
さくして、誘電体ドラム47の印字領域に接触させても
よい。
【0081】図7はイオン書き込みヘッドのゲート電極
と潜像担持体の距離を一定に保持する構造の第2実施例
を示すものである。
【0082】本実施例においては、図6に示す第1実施
例のようにヘッド22aに接触ローラ48は配設されて
おらず、代わりに、ヘッド22aの下部に誘電体ドラム
47を清浄にするクリーニング手段としての所望のブレ
ード50を配設したものである。そして、ブレード50
の下方には、適宜な廃トナー受け51が配置されてい
る。また、誘電体ドラム47は図において下方に示す転
写・定着部52にて用紙などの記録媒体53と接するよ
うにされている。
【0083】このような構成によっても、図6に示す前
述した第1実施例と同様に、ヘッド22aのゲート電極
27と潜像担持体29との距離を一定に保持することが
できる。
【0084】図8はイオン書き込みヘッドのゲート電極
と潜像担持体の距離を一定に保持する構造の第3実施例
を示すものであり、(a)は斜視図、(b)は縦断面図
である。
【0085】本実施例は、潜像担持体29として可撓性
を有する無端ベルト状の誘電体ベルト54を用いたもの
である。
【0086】本実施例においては、ヘッド22aに適宜
なベルト保持部材55が配設されており、誘電体ベルト
54をヘッド22aに対して位置決めし、ヘッド22a
の図示しないゲート電極27と誘電体ベルト54の表面
との距離を一定に保させるようになっている。この場合
には、誘電体ベルト54の厚さを一定とすることが肝要
である。
【0087】このような構成によれば、図6および図7
に示す誘電体ドラム47を用いる構成と比較して、ヘッ
ド22aの位置を簡単に固定できるので、ヘッド22a
のゲート電極27と潜像担持体29との距離を一定に保
持するうえで有利である。
【0088】図9はイオン書き込みヘッドのゲート電極
と潜像担持体の距離を一定に保持する構造の第4実施例
を示すものである。
【0089】本実施例は図8に示す第3実施例と同様
に、潜像担持体29として誘電体ベルト54を用いたも
のである。
【0090】本実施例においては、誘電体ベルト54の
表面をヘッド22aの表面を覆うように配設したベルト
保持部材55a側に押しつけて距離を一定に保持させた
ものである。そして、本実施例のベルト保持部材55a
には、ヘッド22aの下流側表面56を誘電体ベルト5
4の表面に形成された潜像を乱さないように適宜な絶縁
体からなる絶縁層57で形成するとともに、イオンを発
生させるフィールドエミッタ25をヘッド22aの表面
から少し奥まった位置に配設して形成されている。な
お、ヘッド22aの下流側表面56を誘電体ベルト54
の表面と接触しないようにするとともに、ヘッド22a
の上流側表面58に導電性の材料からなる導電層59を
形成し、誘電体ベルト54の除電を行なうようにしても
よい。
【0091】図10はイオン書き込みヘッドのゲート電
極と潜像担持体の距離を一定に保持する構造の第5実施
例を示すものである。
【0092】本実施例は図9に示す第4実施例の構造
に、ヘッド22aの表面から流体(空気)を誘電体ベル
ト54に向かって噴射させ、誘電体ベルト54をヘッド
22aの表面から一定の高さに浮上させるようにしたも
のである。
【0093】本実施例においては、ヘッド保持部材55
aの表面に複数の噴射孔60を設けるとともに、各噴射
孔60を流れる空気の流量のバランスを保つための適宜
なオリフェス61を各噴射孔60に連接する各流路62
に設け、加圧空気を各流路62に対して供給自在とした
ものである。なお、誘電体ベルト54のヘッド22aに
対する浮上量は50μm程度とするとよい。
【0094】このような構成によれば、誘電体ベルト5
4はヘッド22aと接触しないため、ヘッド22aの表
面の導電性の有無の影響を受けることがない。また、空
気の圧力により誘電体ベルト54の表面に付着する図示
しないトナーを外部に排除することができるので、フィ
ールドエミッタ25にトナーが付着されるという不都合
を確実に防止することもできる。
【0095】つぎに、前述したイオン書き込みヘッドの
駆動回路の第2実施例について説明する。
【0096】図11はイオン書き込みヘッドの駆動回路
の他の例を示す回路図であり、図12はフィールドエミ
ッタの電圧−電流特性および定電流電源による負荷特性
ならびに直列抵抗による負荷特性を示す線図である。
【0097】本実施例においては、図2に示す駆動回路
32を定電流回路により構成したものである。
【0098】本実施例の駆動回路32aにおける定電流
回路の電流は、各駆動トランジスタ34のエミッタに接
続された電流設定抵抗63と、各駆動トランジスタ34
のベースに加えられる電圧によって決定される。そし
て、各駆動トランジスタ34のベース電圧は、抵抗を梯
子型に組み合わせたD/A変換回路64を介して重み付
けされたディジタル信号を入力することにより印加され
る。さらに、ヘッド22aに対する入力信号は、各々が
別の重みを持つシリアル信号65とされ、各々の信号6
5に対応するシフトレジスタ66によりパラレル信号に
変換される。また、このパラレル信号は、一旦ラッチ6
7に保持された後、ラッチ信号68により、ゲート回路
69に出力され、ゲート回路69によりストローブ信号
70とのアンドを取りD/A変換回路64に入力され
る。このストローブ信号70はフィールドエミッタ25
の動作時間を決定する信号である。
【0099】図12に示すように、フィールドエミッタ
25の電圧−電流特性71は、図において両矢印にて示
すようなばらつき72を有している。このばらつき72
は、フィールドエミッタ25の頂部の曲率や仕事関数の
違い等が原因となって発生する。そして、本実施例の駆
動回路32aのように定電流電源による負荷特性73を
有する出力回路を用ることや、図2に示す駆動回路32
のように、フィールドエミッタ25と駆動トランジスタ
34との間に抵抗35を挿入することにより電流の変化
を小さくすることができる。
【0100】なお、図2に示すように、フィールドエミ
ッタ25と駆動トランジスタ34との間に抵抗35を挿
入することで電流の変化を小さくする場合には、直列抵
抗による負荷特性74において、フィールドエミッタ2
5の動作電圧のばらつきにより実際に流れる電流が図に
おいて破線両矢印にて示すように電流の変動75が生じ
るので、フィールドエミッタ25の動作電圧のばらつき
を小さくするために、フィールドエミッタ25の駆動電
圧を高くして抵抗35による電圧降下を大きくすること
がよいが、電圧をあまり高くすると、回路の小形化、低
価格化を難しくすることになる。
【0101】また、本実施例のように、フィールドエミ
ッタ25の駆動回路32aとして定電流回路を用た場合
には、駆動回路32aの電圧を高くしなくても良好な定
電−流特性、負荷特性74を得ることができる。
【0102】また、図2に示す駆動回路32のように、
抵抗35により電流を制御する場合には、フィールドエ
ミッタ25に流れる電流を変化させることは難しいが、
本実施例に示す駆動回路32aのように、可変可能な定
電流回路を用いることにより、広い制御範囲と良好な直
線性を得ることができる。この場合には、フィールドエ
ミッタ25が発生する電子およびイオンの発生量と駆動
電流の直線性が優れているため、定電流回路により電流
を制御ことが望ましい。
【0103】つぎに、イオン書き込みヘッドの第2実施
例について説明する。
【0104】図13はイオン書き込みヘッドの第2実施
例の要部の構成を示す分解斜視図である。
【0105】図13に示すように、本実施例のヘッド2
2bにおいては、各個別電極24a上に適宜な抵抗層7
6を介して複数のフィールドエミッタ25aが配置され
ており、フィールドエミッタグループ77が形成されて
いる。そして、各個別電極24a上に配設した複数のフ
ィールドエミッタ25aに対応させて、絶縁層28aお
よびゲート電極27aが形成されている。
【0106】すなわち、図1に示すヘッド22aが一つ
の画素に対して一つのフィールドエミッタ25を対応さ
せているのに対して、本実施例のヘッド22bは、一つ
の画素に対して複数のフィールドエミッタ25aを有す
るフィールドエミッタグループ77を対応させている。
【0107】なお、本実施例のヘッド22bにおいて
は、フィールドエミッタグループ77の各フィールドエ
ミッタ25aを二次元に整列配置させたが、各フィール
ドエミッタ25aを千鳥配置させてもよく、特に、本実
施例の配置形状に限定されるものではない。
【0108】このように、各個別電極24a上に複数の
フィールドエミッタ25aからなるフィールドエミッタ
グループ77を設けることにより、前述した第1実施例
のヘッド22aと同様の効果を奏するとともに、フィー
ルドエミッタグループ77とすることで冗長性が得ら
れ、フィールドエミッタグループ77の一部のフィール
ドエミッタ25aに障害が発生した場合に、同一フィー
ルドエミッタグループ77の他のフィールドエミッタ2
5aによってその傷害を補い、全体としての機能を確実
に維持することができる。また、一つの画素に対応させ
たフィールドエミッタグループ77の各フィールドエミ
ッタ25a同士を密集配置することにより、動作するフ
ィールドエミッタ25aの位置の違いよる潜像形成の位
置のずれを確実に防止することができる。なお、近年の
加工技術、例えばフォトリソグラフ等の進歩に伴い、前
記フィールドエミッタグループ77のように、非常に小
さい多数のフィールドエミッタ25aを容易に密集させ
て形成することができる。
【0109】図14は、図13に示す本実施例のヘッド
の等価的な回路および駆動回路の一部を示すものであ
る。
【0110】図14に示すように、本実施例のヘッド2
2bの等価的な回路は、前述したように、各フィールド
エミッタ25aと個別電極24aとの間に抵抗層76が
設けられており、等価的には各フィールドエミッタ25
aと個別電極24aとの間に直列に抵抗76aが接続さ
れた状態とされている。なお、抵抗層76は、各フィー
ルドエミッタ25a毎に分割されていてもよい。また、
本実施例のヘッド22bの駆動回路(一部のみ図示)
は、図11に示す駆動回路32aと同様とされている。
【0111】このように、個別電極24a上に抵抗層7
6を設けることにより、各フィールドエミッタ25aの
電流をほぼ均一化することができる。そして、各画素に
対応するフィールドエミッタグループ77の電流は、定
電流回路32aにより制御されているため、全体として
みた場合の電流の変動を確実に防止することができる。
【0112】図15はイオン書き込みヘッドの第3実施
例を示すものであり、(a)は要部の構成を示す縦断面
図であり、(b)は(a)の要部の下面図である。
【0113】図15に示すように、本実施例のヘッド2
2cは、シリコン基板78上に、第1絶縁層79、電界
放出層80、第2絶縁層81、ゲート電極82が順に積
層されて形成されている。そして、シリコン基板78の
フィールドエミッタ25bに対応する部位83には、異
方性エッチングにより四角錐形状の開口83aが形成さ
れている。さらに、シリコン基板78の開口83aの上
方の第1絶縁層79、電界放出層80、第2絶縁層8
1、ゲート電極82にも適宜な開口83bがそれぞれに
形成されている。また、電界放出層80は、開口83b
の中心方向に突出した突出部84を有しており、この突
出部84がフィールドエミッタ25bとされている。こ
のフィールドエミッタ25bの厚さは数十nm程度とさ
れている。なお、フィールドエミッタ25bは、フォト
プロセスなどを用いて数十nmの精度の所望のパターン
85を容易に形成することができる。
【0114】このような構成によっても、前述した第1
実施例のヘッド22aと同様な効果を奏することができ
る。そして、シリコン基板78の開口83aから空気
を、図15の(a)において矢印にて示すように、潜像
担持体29に向けて噴射させることができ、これによ
り、図示しないトナーなどの粒子がフィールドエミッタ
25bに付着することを確実に防止することができると
ともに、イオンが潜像担持体29の方向に移動すること
を助けることができる。
【0115】図16から図18は本発明に係るイオン書
き込みヘッドの第4実施例を示すものであり、図16は
イオン書き込みヘッドの第4実施例を示す側断面図であ
り、図17はイオン書き込みヘッドの回路図であり、図
18はイオン書き込みヘッドの駆動回路の全体を示す回
路図である。
【0116】本実施例のイオン書き込みヘッド22d
は、前述した第1実施例のヘッド22a(図1)に、駆
動回路32a(図11)の一部を形成したものである。
【0117】図16に示すように、本実施例のヘッド2
2dは、基板23上に複数の個別電極24と、各々の入
力信号と電源に対応する導電パターン85とが形成され
ている。そして、前記各個別電極24上には、前述した
フィールドエミッタ25が配設されている。さらに、基
板23上には、各フィールドエミッタ25を中心とした
開口26を有するゲート電極27が適宜な絶縁層28を
介して配設され、全体として一体に形成されている。ま
た、各個別電極24と導電パターン85との間には、半
田バンプ86を介してフリップチップ形式で実装された
フィールドエミッタ駆動用IC87が配設されている。
そして、フィールドエミッタ駆動用IC87の厚さは、
500μm程度とされ、フィールドエミッタ25の厚さ
1μm程度とゲート電極27から潜像担持体29との間
の距離約100μmの和よりも大きくされている。
【0118】また、本実施例における潜像担持体29
は、図8に示すような誘電体ベルト54とされ、適宜な
ローラ部材88あるいは図示しない所望のベルト保持部
材により、ヘッド22dとの距離を一定に保持されてい
る。
【0119】また、フィールドエミッタ駆動用IC87
は、誘電体ベルト54による汚染や誘導を防止する適宜
なカバー89により保護されている。
【0120】図17に示すように、本実施例のヘッド2
2dのフィールドエミッタ駆動用IC87の内部には、
前述した図11に示す駆動用トランシスタ34、D/A
変換回路64、ストローブ信号70での動作時間の制御
を行なうためのゲート回路69、重み付きのシリアル信
号65をパラレル信号に変換するためのシフトレジスタ
66等(図示せず)が形成されている。
【0121】このような構成によっても、前述した第1
実施例のヘッド22aと同様な効果を奏することができ
る。そして、フィールドエミッタ駆動用IC87の内部
にて多くの処理を行なうことができるので、基板23
を、それ自体には個別電極24のパターンと各々のフィ
ールドエミッタ駆動用IC87との間を電気的に接触す
る導電パターン85のみが形成されているという非常に
簡単な構成とすることができる。さらに、ストローブ信
号70、重み付きのシリアル信号65、シフトロック9
0、ラッチ信号68をフィールドエミッタ駆動用IC8
7を介してヘッド22dに伝達することにより、基板2
3上に形成する導電パターン85を単層とすることがで
きるので、導電パターン85を基板23上に容易に形成
することができる。
【0122】すなわち、ヘッド22dの内部にフィール
ドエミッタ駆動用IC87によって、駆動回路32aの
一部を配設することができるので、部品点数を少なく
し、装置の小型化、低価格化を容易に図ることができ
る。
【0123】図18に示すように、本実施例のヘッド2
2dの駆動回路32bは、前述した駆動回路32a(図
2)と同様に、潜像書き込み用電源VLと電子放出用電
源VEとが接続されている。そして、フィールドエミッ
タ駆動用IC87には、その論理回路の電源VDDが接
続されており、この電源VDDの電源電圧は5Vとされ
ている。
【0124】また、フィールドエミッタ駆動用IC87
に対する入力信号の論理レベルの電圧も電源電圧が5V
のTTLまたはMOSのレベルとされている。
【0125】なお、フィールドエミッタ駆動用IC87
の動作の基準電位は、グランドレベルに対して潜像書き
込み用電源VLの電圧と電子放出用電源VEの電圧の和
に対応させただけのマイナスの極性の電位とすることが
肝要である。また、潜像書き込み用電源VLの電圧とし
ては500V程度の電圧が用いられ、通常の信号伝達回
路では取り扱いが困難な電位差が生じるので、ヘッド2
2dの全ての入力信号を適宜なフォトカプラ91で絶縁
し、外部のグランドのレベルを基準電位とした信号源に
接続することが望ましい。なお、フォトカプラ91とし
ては、応答速度が速く論理回路に直結することが可能な
論理回路出力型のものが望ましい。
【0126】つぎに、本発明に係る印字装置について説
明する。
【0127】図19は本発明に係る印字装置の第1実施
例を示すものである。
【0128】本実施例の印字装置92(以下、印字装置
という)は、潜像担持体29として誘電ドラム47を用
いたものである。
【0129】図19に示すように、本実施例の印字装置
92は、誘電体ドラム47が図において矢印にて示す時
計方向に回転自在に配設されており、この誘電ドラム4
7の周囲に、図において上部から時計方向に、誘電ドラ
ム47上に図示しない所望の画像に対応した静電潜像を
形成する潜像形成手段としてのヘッド22(符号は本実
施例のヘッド22a,22b,22c,22dを総称
し、図においてはヘッド22aを示し、以下同様とす
る。)と、静電潜像を図示しないトナーにより顕像化す
る現像手段としての適宜な現像器93と、トナーにより
顕像化された静電潜像を用紙などの記録媒体53上に転
写するとともに定着する転写定着手段としての加圧ロー
ラ94と、誘電体ドラム47を清浄にするクリーニング
手段としての適宜な金属製のブレード95を有するクリ
ーナ96と、誘電ドラム47の荷電状態を除去する除電
手段としての適宜なAC除電器97とが順に配置されて
形成されている。
【0130】前記現像器93には、マイナス帯電の感光
体を用いた正規現像と同じプラス帯電のトナーが用いら
れており、現像器93のスリーブ98には、特にバイア
ス電圧を加えずに接地電位にて用いられる。
【0131】また、転写および定着は、誘電体ドラム4
7に加圧ローラ94を所望の当接力をもって当接させて
記録媒体53を誘電体ドラム47に押し付け、前記圧接
力の圧力により同時に行うようになっている。これによ
り、熱定着器を用いずに定着が可能となり、消費電力を
減少させるとともに、ウォームアップ時間を不要とする
ことができる。
【0132】また、従来の電子写真に用いられるクリー
ナのブレード(図示せず)は、感光体(図示せず)が傷
つき易いためにゴム製とされているが、本実施例の印字
装置92のクリーナ96のブレード95は、誘電体ドラ
ム47の強度が高いため金属製のものを用いることがで
き、ブレード95の精度、耐久性を確実に向上させるこ
とができる。そして、誘電体ドラム47の除電には、A
C除電器97によりプラスとマイナスの両極性のイオン
を用いて誘電体ドラム47の表面の電荷を効率よく中和
することができる。
【0133】このような構成からなる本実施例の印字装
置92によれば、前述したヘッド22の効果と相まっ
て、階調の再現性が極めて高い高品位の印字品質を得る
ことができるとともに、多種多様の用途に用いることが
できる。
【0134】図20は本発明に係る印字装置の第2実施
例を示すものである。
【0135】本実施例の印字装置92aは、潜像担持体
29として誘電体ベルト54を用いたものである。
【0136】図20に示すように、本実施例の印字装置
92aにおいては、回転自在に支持されるとともに上下
に離間状態とされた2本のローラ99,100が配置さ
れており、ローラ99,100の何れか一方は駆動ロー
ル、他方は従動ロールとされている。そして、それぞれ
のローラ99,100外周面に接触するようにして誘電
体ベルト54が巻回されている。さらに、誘電体ベルト
54は、前記各ロール99,100により図において矢
印にて示す方向に移動自在とされている。
【0137】前記誘電体ベルト54の下部左方には、図
示しない所望の画像に対応した静電潜像を形成する潜像
形成手段としてのヘッド22が配置されている。そし
て、誘電体ベルトの下部右方には、静電潜像を図示しな
いトナーにより顕像化する現像手段としての適宜な現像
器93が配置されている。さらに、誘電体ベルト54の
上部左方には、誘電体ベルト54を清浄にするクリーニ
ング手段としての適宜なクリーナ96が配置されてい
る。また、ヘッド22とクリーナ96との間には、誘電
体ベルト54と対向するようにして誘電ベルト54の表
面の荷電状態を除去する除電手段としての適宜なAC除
電器97が配置されている。
【0138】前記誘電体ベルト54の上部には、図にお
いて矢印にて示す水平方向左方に走行自在とされた記録
媒体53を介して、トナーにより顕像化された静電潜像
を記録媒体上に転写する静電転写としてのイオン発生器
101が配置されている。このイオン発生器101は、
ヘッド22と同様なフィールドエミッタ25を有する構
造とされている。
【0139】また、記録媒体53の走行方向下流側に
は、記録媒体53にトナーを熱の作用により定着させる
定着手段としての定着ローラ102と、弾性を有する加
圧ローラ103とが、記録媒体53を挟持自在にして配
置されている。
【0140】このような構成からなる本実施例の印字装
置92aによれば、前述した第1実施例の印字装置92
と同様な効果を奏する。そして、本実施例の静電転写に
用いるイオン発生器101の構造は、画像形成の必要が
なく電流の均一性の要求も少ないため、図示しないフィ
ールドエミッタの数を減らしたり、イオン発生器101
と誘電体ベルト54との間の距離を大きくしたりするこ
とができる。さらに、記録媒体に対するトナーの定着を
定着ローラ102と加圧ローラ103とにより行うの
で、前述した第1実施例の印字装置92の加圧ローラ9
4を用いた場合の、記録媒体53およびトナーを高い圧
力で押しつぶすことによる記録媒体53およびトナーの
光沢の発生を確実に防止して、より高品位の印字品質を
得ることができる。また、イオン発生器101はヘッド
22と同様に小型化するとともに低電圧、低消費電力に
て動作させることができるとともに、イオン発生器10
1は、図示しないコロトロン等の他のイオンの発生手段
と比べて、発生するイオンの密度が高いため転写領域が
限定され、転写による画像の劣化を確実に防止すること
ができる。さらに、イオン発生器101はヘッド22と
同じ極性で、かつ、少ない電流にて動作させることがで
きるので、ヘッド22の図示しない駆動回路の電源を共
用することができる。このことは、印字装置92aの全
体の駆動回路および装置(図示せず)等の小型化を確実
に図ることができるとともに、経済的負担を確実に減少
させることができる。
【0141】図21は潜像担持体として誘電体ベルトを
用いた印字装置の他の例を示すものである。
【0142】本実施例の印字装置92bにおいては、前
述した第2実施例の印字装置92aのようにトナーによ
り顕像化された静電潜像を記録媒体53上に転写する静
電転写としてのイオン発生器101は配置されておら
ず、代わりに記録媒体53にトナーを転写するとともに
定着させる転写定着手段として定着ローラ102と加圧
ローラ103とがポリイミド等の耐熱性の素材により形
成された誘電体ベルト54aを挟持するようにして配置
されており、この定着ローラ103の下方に、2本のロ
ーラ99,100が左右に平行に配置され、前記誘電体
ベルト54aが前記定着ローラ102と2本のローラ9
9,100とのそれぞれの外周面に接触するようにして
巻回されている。
【0143】前記誘電体ベルト54aの下部には、図示
しない所望の画像に対応した静電潜像を形成する潜像形
成手段としてのヘッド22が配置されており、誘電体ベ
ルト54aの下部右方には、前記静電潜像を図示しない
トナーにより顕像化する現像手段としての適宜な現像器
93が配置されている。さらに、誘電体ベルト54aの
下部左方には、誘電体ベルト54aを清浄にするクリー
ニング手段としての適宜なクリーナ96が配置されてお
り、その上方に誘電体ベルト54aと対向するようにし
て誘電ベルト54aの荷電状態を除去する除電手段とし
ての適宜なAC除電器97が配置されている。
【0144】このような構成からなる本実施例の印字装
置92bによれば、前述した第2実施例の印字装置92
aと同様な効果を奏するとともに、転写時の画像の劣力
をより確実に防ぎ、より高品位の印字品質を得ることが
でき、かつ、小型化を容易に図ることができる。
【0145】なお、定着ローラ102の代わりにサーマ
ルヘッドのような一次元の発熱素子あるいは二次元の発
熱体等を用いることもできる。
【0146】また、本発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、必要に応じて変更することができる。
【0147】
【発明の効果】以上説明したように本発明のイオン書き
込みヘッドおよびそれを用いた印字装置によれば、潜像
形成に必要な量だけの画像に対応した電子およびびイオ
ンをオンディマンドで、かつ、リアルタイムに発生させ
ることができ、イオンの利用効率を確実に向上させるこ
とができるとともに、階調の再現性が高く、高品位の印
字品質を得ることができるという極めて優れた効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るイオン書き込みヘッドの第1実施
例の要部の構成を示す縦断面図
【図2】図1の駆動回路を示す回路図
【図3】(a)から(g)は本発明に係るイオン書き込
みヘッドの製造工程を説明する説明図
【図4】(a)から(i)は本発明に係るイオン書き込
みヘッドの他の例の製造工程を説明する説明図
【図5】本発明に係るイオン書き込みヘッドのフィール
ドエミッタの頂部の表面の外側に働く電界をフィールド
エミッタの表面に沿う形の等電位面と、それに直交する
電気力線とにより示す模式図
【図6】本発明に係るイオン書き込みヘッドのゲート電
極と潜像担持体の距離を一定に保持する構造の第1実施
例を示す要部の斜視図
【図7】本発明に係るイオン書き込みヘッドのゲート電
極と潜像担持体の距離を一定に保持する構造の第2実施
例を示す要部の側面図
【図8】本発明に係るイオン書き込みヘッドのゲート電
極と潜像担持体の距離を一定に保持する構造の第3実施
例を示すものであり、(a)は斜視図、(b)は縦断面
【図9】本発明に係るイオン書き込みヘッドのゲート電
極と潜像担持体の距離を一定に保持する構造の第4実施
例を示す縦断面図
【図10】本発明に係るイオン書き込みヘッドのゲート
電極と潜像担持体の距離を一定に保持する構造の第5実
施例を示す縦断面図
【図11】本発明に係るイオン書き込みヘッドの駆動回
路の他の例を示す回路図
【図12】本発明に係るフィールドエミッタの電圧−電
流特性および定電流電源による負荷特性ならびに直列抵
抗による負荷特性を示す線図
【図13】本発明に係るイオン書き込みヘッドの第2実
施例の要部の構成を示す分解斜視図
【図14】図13のイオン書き込みヘッドの等価的な回
路および駆動回路の一部を示す回路図
【図15】本発明に係るイオン書き込みヘッドの第3実
施例を示すものであり、(a)は要部の構成を示す縦断
面図、(b)は(a)の要部の下面図
【図16】本発明に係るイオン書き込みヘッドの第4実
施例を示す側断面図
【図17】図16の回路図
【図18】図16の駆動回路の全体を示す回路図
【図19】本発明に係る印字装置の第1実施例の要部の
構成を示す模式図
【図20】本発明に係る印字装置の第2実施例の要部の
構成を示す模式図
【図21】本発明に係る印字装置の第3実施例の要部の
構成を示す模式図
【図22】従来のイオン書き込みヘッドの一例を示すも
のであり、(a)は全体の形状を示す斜視図、(b)は
要部の構成を示す縦断面図、(c)はライン電極とフィ
ンガー電極との配置状態を示す説明図
【図23】従来のイオン書き込みヘッドの他の例を示す
模式図
【図24】従来の印字装置の要部を示す模式図
【符号の説明】
22、22a,22b,22c,22d イオン書き込
みヘッド 23 基板 24 ,24a 個別電極 25,25a,25b フィールドエミッタ 26 開口 27,27a ゲート電極 28 絶縁層 29 潜像担持体 32,32a,32b 駆動回路 47 誘電体ドラム 54 誘電体ベルト 92,92a,92b 印字装置 93 現像器 94 加圧ローラ 96 クリーナ 97 AC除電器 99 ローラ 100 ローラ 101 イオン発生器 102 定着ローラ 103 加圧ローラ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体により構成される潜像担持体上に
    荷電粒子を選択的に付着させて静電潜像を形成するイオ
    ン書き込みヘッドにおいて、基板上に形成された複数の
    個別電極と、前記個別電極上に形成されたフィールドエ
    ミッタと、前記フィールドエミッタから電子を引き出す
    ためのゲート電極とを有することを特徴とするイオン書
    き込みヘッド。
  2. 【請求項2】 前記個別電極上に複数のフィールドエミ
    ッタからなるフィールドエミッタグループを形成するこ
    とを特徴とする請求項1に記載のイオン書き込みヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】 前記基板上に、更にフィールドエミッタ
    駆動用ICを実装したことを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載のイオン書き込みヘッド。
  4. 【請求項4】 誘電体により構成される潜像担持体上に
    イオン書き込みヘッドをもって荷電粒子を選択的に付着
    させて静電潜像を形成し、前記静電潜像をトナーにより
    現像することにより顕像化するとともに記録媒体上に転
    写および定着することにより印字を行なう印字装置にお
    いて、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のイオン
    書き込みヘッドを駆動することにより選択的に荷電粒子
    を発生させるとともに、該荷電粒子を前記潜像担持体上
    に付着させることにより静電潜像を形成することを特徴
    とする印字装置。
  5. 【請求項5】 前記潜像担持体は、表面に誘電体層を有
    する金属基体からなる誘電体ドラムとすることを特徴と
    する請求項4に記載の印字装置。
  6. 【請求項6】 前記潜像担持体は、無端ベルト状の誘電
    体ベルトとすることを特徴とする請求項4に記載の印字
    装置。
  7. 【請求項7】 加圧ローラをもって定着させることを特
    徴とする請求項4に記載の印字装置。
  8. 【請求項8】 定着ローラと加圧ローラとをもって定着
    させることを特徴とする請求項4に記載の印字装置。
  9. 【請求項9】 基板上に形成された複数の個別電極と、
    前記個別電極上に形成されたフィールドエミッタと、前
    記フィールドエミッタから電子を引き出すためのゲート
    電極とを有するイオン発生器により転写させることを特
    徴とする請求項4に記載の印字装置。
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