JP2004265603A - 電子放出装置および電子放出素子クリーニング装置および電子放出素子クリーニング方法 - Google Patents

電子放出装置および電子放出素子クリーニング装置および電子放出素子クリーニング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】非接触にて電子放出素子の上部電極表面薄膜上の微粒子をクリーニングすることができる電子放出装置を提供する。
【解決手段】下部電極2、薄膜からなる上部電極5、下部電極と上部電極の間に形成される半導体層4を有し、上部電極5表面が外部空間に露出している電子放出素子1と、上部電極5に対して外部空間を隔てて対向するように設けられる対向電極21と、上部電極5表面に付着した微粒子を帯電させる電圧を上部電極5と下部電極2との間に印加する微粒子帯電電圧制御部22と、帯電した微粒子を上部電極5表面から飛翔させるための電圧を上部電極5と対向電極21との間に印加する飛翔電圧制御部23とを備え、微粒子帯電電圧制御部を動作させて付着微粒子を帯電し、飛翔電圧制御部を動作させて帯電微粒子を対向電極21に向けて飛翔させる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体層を有する電子放出素子を用いて電子を放出するための電子放出装置に関し、さらに詳細には大気圧中で動作させて被帯電物を帯電させるときに電子放出素子表面に付着する微粒子をクリーニングすることができる電子放出装置に関する。
本電子放出装置は、たとえばレーザプリンタやデジタル複写機のような電子写真技術を応用した機器の感光体の帯電に用いる電子放出装置などに適用することができるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の冷陰極型の電子放出素子として、スピント(Spindt)型電極、カーボンナノチューブ(CNT)型電極などが知られておりFED(Field Emission Display)の分野への応用が検討されている。これらは尖鋭形状部に電圧を印加して約1GV/mの強電界を形成し、トンネル電流により電子放出させるものである。
【0003】
このような電子放出素子を大気中で動作させることにより帯電器や静電潜像形成装置に応用しようという発想としては、たとえば、スピント型冷陰極を大気中で動作させ、大気中に電子を放出し、気体分子を電離して荷電粒子としてのイオンを発生させ、静電潜像を形成する方法が開示されている(たとえば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平6−255168号公報
【0005】
また、カーボンナノチューブを大気中で動作させた研究成果が報告されており、電子写真用の帯電器や静電潜像形成用の電子線源としての可能性が示唆されている(たとえば非特許文献1参照)。
【0006】
【非特許文献1】日本画像学会、Japan Hardcopy 97 論文集、221頁
【0007】
しかしながら、これら2つのタイプの電子放出素子は、上述したように電子放出部表面近傍には強電界が発生しているため、放出された電子は電界により大きなエネルギーを与えられ、気体分子に衝突することにより気体分子を電離する。
そして気体分子の電離で生じた正イオンは強電界により素子表面方向に加速されて衝突することとなり、スパッタリングによる素子破壊が生じることになる。
【0008】
また、上記とは別タイプの冷陰極型電子放出素子の従来例として、MIM(Metal Insulator Metal)型やMIS(Metal Insulator Semiconductor)型のものが知られている。
これらは素子内部の絶縁膜層に形成された強電界(内部電界)を利用して電子を加速し、平面状の素子表面から電子を放出させる面放出型の電子放出素子である。これらは素子内部で加速された電子が放出されるため、素子外部に強電界を発生させる必要がない。したがって、前述したスピント型やCNT型のような気体分子の電離によるスパッタリングによって素子が破壊されるという問題は発生しない。
【0009】
しかしながらMIM型やMIS型の冷陰極型電子放出素子を大気中で動作させた場合、ダスト等の微粒子が素子表面に付着し、付着した微粒子により表面が覆われて電子が遮蔽させてしまうため、電子放出電流が減少してしまうという課題がある。
【0010】
また、上記MIS型に属する電子放出素子であって、半導体の陽極酸化処理によって形成される多孔質半導体(たとえば多孔質シリコン)の量子サイズ効果を利用し、多孔質シリコン半導体中に注入された電子を電界で加速し、表面金属薄膜をトンネル効果によって通過させ真空中に放出させるものがある(たとえば特許文献2、非特許文献2参照)。
【0011】
【特許文献2】特開平8−250766号公報
【非特許文献2】Materials Research Society Symposium Proceeding Vol.638
【0012】
これらも上述したMIM型やMIS型の冷陰極型電子放出素子と同様に、素子内部の強電界で加速された電子を放出するため、素子外部に強電界を必要とせず、気体分子の電離によるスパッタリングで破壊されるという問題は発生しない。
さらに、この多孔質シリコン半導体による冷陰極は、陽極酸化という極めて簡便・安価な製造方法にて素子を作製できるという大きなメリットがある。
しかしながら、大気中で動作させた場合、ダスト等の微粒子が素子表面に付着し、付着した微粒子により電子が遮蔽させるため、電子放出電流が減少するという課題がある。
【0013】
一般に、素子の内部電界で電子を加速するMIM型、MIS型冷陰極の表面は、素子内部に電界を発生する上部電極としての機能も担うため、金属薄膜で構成するようにして内部電界で加速された電子がこの金属薄膜をトンネルして外部空間に放出されるようにしている。この金属薄膜の膜厚が薄いほど加速電子が容易にトンネルできるのでトンネル確率が高くなり電子放出量が多くなる。
【0014】
内部電界発生のための上部電極としての機能を有するとともに、加速電子を放出する薄膜電極としての機能を両立する金属薄膜の厚みは、数nmから数十nmが適当とされ、たとえば金薄薄膜の厚さを15nmとすることが開示されている(特許文献3参照)。
【0015】
【特許文献3】特開平8−250766号公報
【0016】
この上部電極(金属薄膜)の表面にダスト等の微粒子が付着すると電子放出ができないため、付着ダストを除去する必要がある。ダスト除去には、クリーニング部材で表面を払拭する接触式のダスト除去が一般的である。しかしながらこのようなクリーニング部材による除去方法では、丁寧に扱わないとダストを拭き取る際の摩擦・ストレスで金属薄膜自体が損傷を受け、さらには剥がれてしまうという問題がある。
【0017】
MIM型およびMIS型の電子放出素子を大気中で動作させる場合の他のダスト付着対策としては、素子表面に微粒子が付着するのを回避するため気体導入手段と粒子フィルタとを備えることが開示されている(たとえば特許文献4参照)。
しかしこの方法は気流を利用するため、イオンの利用効率が悪く、さらには機構が複雑になるという課題を有している。
【0018】
【特許文献4】特開2001−313151号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の電子放出素子では、外部電界を利用して外部空間中で電子を加速する場合はスパッタリングによる素子破壊の問題があり、素子内部の内部電界を利用して電子を加速する場合は、電極表面へのダスト付着に起因する電子放出電流の減少の問題があった。また、ダスト除去については、素子表面の金属薄膜電極を拭き取るようなクリーニング方法では、金属薄膜を損傷するおそれがあった。そのためレーザプリンタやデジタル複写機などのような大気中で感光体を帯電させるために用いる電子放出装置に、これら従来の電子放出素子をそのまま用いただけでは、上部電極自身のスパッタリング、上部電極へのダスト付着が問題となり、電子放出装置の長期間使用が困難であった。
【0020】
そこで本発明は、大気圧中で電子放出素子を動作させるときのダスト付着の課題を解決することを目的とし、さらには帯電および静電潜像形成を安定して行うことができる電子放出装置、または電子放出素子クリーニング装置、または電子放出素子クリーニング方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた本発明の電子放出装置は、下部電極、薄膜からなる上部電極、下部電極と上部電極の間に形成される半導体層を有し、上部電極表面が外部空間に露出している電子放出素子と、上部電極に対して外部空間を隔てて対向するように設けられる対向電極と、上部電極表面に付着した微粒子を帯電させる電圧を上部電極と下部電極との間に印加する微粒子帯電電圧制御部と、帯電した微粒子を上部電極表面から飛翔させるための電圧を上部電極と対向電極との間に印加する飛翔電圧制御部とを備えている。
【0022】
この構成によれば、ダストを除去しようとする際に、微粒子帯電電圧制御部が上部電極と下部電極との間に電圧を印加することにより、半導体層に内部電界が発生し、これにより電子が加速され、加速電子が金属薄膜からなる上部電極をトンネル効果により通過して空間に飛び出すようになる。このようにして電子放出素子としての通常の機能が発揮される。
このとき、上部電極表面に付着した微粒子が存在すると、電子はこの付着微粒子を帯電する。
そして、飛翔電圧制御部は、帯電した微粒子を上部電極表面から対向電極に向けて飛翔させるための電圧を上部電極と対向電極との間に印加する。これにより、帯電微粒子は対向電極に静電的に吸引される。
【0023】
したがって、この性質を利用して、必要なときに微粒子帯電電圧制御部と飛翔電圧制御部とにより付着微粒子を帯電させて電極表面から除去することにより、非接触にて電子放出素子表面の金属薄膜上の微粒子をクリーニングすることができ、クリーニングの際の摩擦・ストレスによる金属薄膜の損傷・剥がれという問題を生じることもなくなる。
【0024】
ここで、下部電極として、裏面にオーミック電極(裏面電極)を形成したn形シリコン基板を用いたり(この場合、オーミック電極とn形シリコン基板とが下部電極として機能する)、ガラス基板上に形成した電極を用いたりすることができる。
電極材料としては金属電極を用いるのが好ましいが、導電性の優れた材料であれば特に限定されず、金属酸化物のようなものでもよい。
また、薄膜からなる上部電極の材料としては金が好ましいが、これ以外にたとえば、アルミ、タングステン、ニッケル、白金、クロム、チタンなどの金属やITOなどの金属酸化物を用いることができる。金属薄膜の厚さとしては、加速電子がトンネル効果により飛び出せるようにするため数nm〜数十nmが好ましい。
下部電極と上部電極との間に形成される半導体層は、下部電極と上部電極との間に電圧が印加されたときに内部電界が形成されて電子が加速される必要がある。
このような半導体層としては、たとえばノンドープの多孔質ポリシリコン半導体層が好適である。
【0025】
対向電極は、上部電極から間隔(外部空間)を隔てて対向するようにして固定配置される。対向電極と上部電極との位置関係が変動しないようにするため、この電極はたとえば金属板のような剛性材料で形成される。
なお、対向電極は、必ずしも電子放出装置のために専用の電極として別途に設ける必要はなく、たとえば電子写真装置などで用いる電子放出装置の場合は、上部電極に対向配置される感光体をそのまま対向電極として必要なときに兼用するようにしてもよい。
また、微粒子帯電電圧制御部と飛翔電圧制御部とは、出力電圧が所望の値に設定可能な定電圧電源を用いることができる。
【0026】
上記の構成において、対向電極の表面には半導電性層又は絶縁層が形成されるようにしてもよい。
電子放出素子表面に付着した微粒子が絶縁性微粒子の場合には、微粒子帯電電圧制御部が動作することにより負に帯電した付着微粒子は、飛翔電圧制御部が動作することにより発生する外部電界に引かれて対向電極に移動する。そして移動後は、対向電極の電極表面の導電性とは無関係に対向電極上に保持される。この場合は微粒子が保持されているので特に問題が発生しない。
しかし、付着微粒子が半導電性もしくは導電性であり、かつ、対向電極表面が導電性である場合には、対向電極に移動した帯電微粒子に正電荷が注入されてしまい、注入電荷により正に帯電した微粒子が同じ外部電界によって再び電子放出素子表面側に移動してしまう不具合が生じてしまう。
そこで、対向電極表面を半導電性もしくは絶縁性材料で構成することにより、対向電極に移動した導電性もしくは半導電性微粒子に正電荷が注入されることを防止できるため、再度電子放出素子表面側に微粒子が移動することをなくすことができる。
【0027】
飛翔電圧制御部は、対向電極が上部電極に対して正電位となるパルス状の電圧を印加するようにしてもよい。
この構成によれば、電子放出素子の上部電極表面に付着した微粒子は、微粒子帯電電圧制御部の駆動により負に帯電され、飛翔電圧制御部の駆動により対向電極に正の電圧を印加することにより、対向電極に静電的に吸引される。このとき対向電極にパルス状の電圧を印加すると、静電的吸引力が帯電微粒子に衝撃を与えるように加わるため、帯電微粒子が表面から離れやすくなり効率的に微粒子を除去することができる。
なお、パルス状電圧波形を複数回繰り返して印加するようにすれば、複数回の衝撃力が加わることになるので、さらに効率的に微粒子を除去できる。
【0028】
微粒子帯電電圧制御部が上部電極表面に付着した微粒子を帯電させる電圧を印加するときには飛翔電圧制御部は上部電極と対向電極との間の外部空間において第1電圧値を印加する制御を行い、帯電微粒子を上部電極から対向電極に向けて飛翔させるときには飛翔電圧制御部は帯電微粒子が上部電極から対向電極まで飛翔可能かつ絶縁破壊による放電が発生しない程度の第1電圧値より高い第2電圧値を印加する制御を行うとともに、微粒子帯電電圧制御部は上部電極と下部電極との間に電圧を印加しない制御を行うにしてもよい。
この構成によれば、電子放出素子を動作させて微粒子帯電電圧制御部が付着微粒子を帯電させているとき、対向電極と上部電極との間の外部空間に弱い正の電位を与えることで、対向電極が過度に負にチャージアップするのを抑えるようにする。一方、付着微粒子を飛翔させるときは、上部電極と下部電極との間の電圧印加を行わないようにして電子放出を停止し、外部空間において絶縁破壊が起こりにくい状態にして帯電微粒子を引き離すようにする。
【0029】
飛翔電圧制御部は上部電極と対向電極との間の印加電圧の極性を、正又は負に設定可能に構成するようにしてもよい。
この構成によれば、電子放出素子表面に付着した微粒子が負に帯電した絶縁性の微粒子の場合、対向電極に正の電圧を印加すると静電吸引力により微粒子は除去される。電子放出素子表面に付着した微粒子が正に帯電した絶縁性の微粒子の場合、対向電極に負の電圧を印加すると静電吸引力により微粒子は除去される。
電子放出素子表面に付着した微粒子が導電性の微粒子で対向電極に正の電圧を印加した場合、誘導帯電により微粒子は負に帯電し静電吸引力により除去される。
電子放出素子表面に付着した微粒子が導電性の微粒子で対向電極に負の電圧を印加した場合、誘導帯電により微粒子は正に帯電し静電吸引力により除去される。
このように、微粒子が絶縁性であるか導電性であるかに限られることなく種々の電気的特性を有する微粒子に対し、静電吸引力を有効に作用させて微粒子を上部電極から対向電極に移動することにより微粒子を除去することができる。
【0030】
さらに対向電極に移動した後は、対向電極表面が半導電性もしくは絶縁性材料で構成されるようにしてあれば、対向電極に移動した導電性もしくは半導電性微粒子に再び正又は負の電荷が注入されることを防止することができるので再度電子放出素子表面に微粒子が移動して元に戻ることを防ぐことができる。
【0031】
この場合、半導体層は、ポリシリコンの一部または全部を多孔質化した多孔質シリコン半導体層であるのが望ましい。
ポリシリコン膜を多孔質化して形成した型の電子放出素子は、熱的安定度が改善され、真空中であっても大気中であっても安定した電子放出動作を行うことができる。
さらにポリシリコンの粒界から電子が放出されるため、金属薄膜表面に付着した微粒子は不均一な帯電状態となり、外部電界によりモーメント力が作用し、クリーニング性能を向上させることができる。
【0032】
電子放出素子を動作しないときに、飛翔電圧制御部は電子放出素子の上部電極表面が負側となるように上部電極と対向電極との間に電圧を印加するようにしてもよい。
この構成によれば、電子放出素子を動作しないときに、電子放出素子の表面の上部電極が負側となるような外部電界を印加することで、クリーニングが困難な強い負電荷を持った絶縁性微粒子の付着を防止することができ、電子放出素子を長寿命化できる。
【0033】
また、本発明は別の観点から捉えれば、薄膜で形成される上部電極表面から電子を放出する面放出型電子放出素子における前記上部電極表面に付着する微粒子を除去する電子放出素子クリーニング装置であって、上部電極表面に外部空間を隔てて対向するように設けられる対向電極と、前記電子放出素子を駆動して上部電極表面に付着した微粒子を帯電させるための電圧を上部電極に印加する微粒子帯電電圧制御部と、帯電した微粒子を上部電極表面から対向電極までの外部空間を飛翔させるための電圧を上部電極と対向電極との間に印加する飛翔電圧制御部とを備えたことを特徴とする電子放出素子クリーニング装置として提供される。
この場合、面放出型電子放出素子が、下部電極、薄膜からなる上部電極、下部電極と上部電極の間に形成される半導体層を有し、微粒子帯電電圧制御部が上部電極と下部電極との間に微粒子を帯電させるための電圧を印加するようにしてもよい。
【0034】
また、金属薄膜で形成される上部電極表面から電子を放出する面放出型電子放出素子における前記上部電極表面に付着する微粒子を除去する電子放出素子のクリーニング方法であって、上部電極表面に外部空間を隔てて対向するように対向電極を設け、電子放出型素子を駆動することにより上部電極表面に付着した微粒子を帯電し、帯電した微粒子を上部電極表面から対向電極まで飛翔させるための電圧を上部電極と対向電極との間に印加することを特徴とする電子放出素子のクリーニング方法としても提供される。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。ここでは最初に本発明の適用が可能な電子放出素子(本体)の構造について説明し、続いてこの電子放出素子を用いた電子放出装置あるいは電子放出素子クリーニング装置の構造について説明する。
【0036】
電子放出素子の構造
図1は、本発明が適用可能な電子放出素子の一実施形態の構成を示す図である。
この電子放出素子1は、オーミック電極(裏面電極)2aを形成したn形シリコン基板3(この場合はオーミック電極2aとn形シリコン基板3とが下部電極2として機能する)に、多孔質ポリシリコン膜4(半導体層)が形成されており、さらにその表面に上部電極5として機能する金電極薄膜が形成されている。オーミック電極2aとn形シリコン基板3との間はオーミック性接触となるように接合されている。
なお、n形シリコン基板3は、半導体層としての多孔質ポリシリコン層4に電子を注入する電極としての役割とともに、本発明を構成する電子放出素子の支持部材としての役割も有している。
【0037】
n形シリコン基板3上の多孔質ポリシリコン層4は、以下の方法で作製される。まずn形シリコン基板3の表面にLPCVD法(Low Pressure CVD)により膜厚約1.5μmのノンドープのポリシリコン層を成膜する。
次に、50wt%のフッ化水素水溶液とエタノールとを1:1で混合した混合液中で、ポリシリコン層を正極とし別に設けた白金電極を負極として定電流陽極酸化処理を施し、ポリシリコン層の一部もしくは全部を多孔質化する。
なお、陽極酸化中には500Wのタングステンランプによりポリシリコン層の表面に光照射処理を施す。これはシリコン基板表面に光を照射することにより、電子−正孔対を発生させ、陽極酸化反応を促進するためである。
最後に、多孔質化したポリシリコン層に対し、約900℃の条件で急速熱酸化(RTO:Rapid Thermal Oxidation)処理を施し、酸化膜を形成する。
以上の処理を施した多孔質ポリシリコン層4の表面に、蒸着もしくはスパッタ法により上部電極5として金電極薄膜を形成することにより図1の構造の電子放出素子1が形成される。
【0038】
図2は本発明が適用可能な電子放出素子の他の一実施形態の構成を示す図である。この電子放出素子11は、ガラス基板12の表面に下部電極13が形成され、さらにその上に多孔質ポリシリコン層14(半導体層)が形成され、さらにその上に上部電極15として金電極薄膜が形成されている。この場合はガラス基板が電子放出素子の支持体として機能する。
【0039】
この場合もガラス基板12上の下部電極13の材料としては、アルミ、タングステン、金、ニッケル、白金、クロム、チタンなどの金属やITOなどの金属酸化物を用いることができる。下部電極13は蒸着もしくはスパッタ法により形成される。
【0040】
下部電極13を形成したガラス基板12の表面上に形成される多孔質ポリシリコン層14は、図1の電子放出素子の場合と同様に、以下の方法で作製される。まず下部電極13を形成したガラス基板12の表面にLPCVD法(Low Pressure CVD)により膜厚約1.5μmのノンドープのポリシリコン層(後に多孔質シリコン膜14となる)を成膜する。
次に、50wt%のフッ化水素水溶液とエタノールとを1:1で混合した混合液中で、ポリシリコン層を正極とし別に設けた白金電極を負極として定電流陽極酸化処理を施し、ポリシリコン層の一部もしくは全部を多孔質化する。なお、図1の場合と同様、陽極酸化中には500Wのタングステンランプによりポリシリコン層の表面に光照射処理を施す。
最後に、約10%の希硫酸中でポリシリコン層を正極とし白金電極を負極として定電流を流し、電気化学酸化(ECO:Electrochemical Oxidation)処理を施し、酸化膜を形成する。
以上の処理を施した多孔質ポリシリコン層14の表面に、蒸着もしくはスパッタ法により金電極薄膜15を形成する。なお、この電極薄膜についても金のほか、アルミ、タングステン、ニッケル、白金、クロム、チタンなどの金属やITOなどの金属酸化物を用いてもよい。
【0041】
この電気化学酸化による製法では、プロセス温度が低温になるため、基板材料の制約が緩和され、ガラス基板を用いることができる。さらに、陽極酸化処理に引き続きウェット処理にて多孔質ポリシリコン層14を酸化することができるから、急速熱酸化(RTO)による酸化に比べてプロセスを簡略化することができる。
【0042】
電子放出装置の構造
図3は、本発明の一実施形態である電子放出装置の構成を示す図であり、具体的には図1の電子放出素子1を用いた電子放出装置を示す図である。
なお、本実施形態では図1の電子放出素子1を用いるが、これを図2の電子放出素子11に置き換えてもよいことは言うまでもない。
【0043】
この電子放出装置20では、電子放出素子1の上部電極5に対し、空間を隔てて対向する位置に対向電極21が配置される。上部電極5と対向電極21との間隔は1mm程度としてある。対向電極21は、電子放出装置20を使用する装置によっては装置既設のものを対向電極として代用することができる。たとえばレーザプリンタなどでは電子放出素子に対向するように感光体が備えられているので、この感光体を対向電極として兼用することもできる。
そして、オーミック電極2aと上部電極5との間に直流電圧Vpsを印加するための定電圧電源22、上部電極5と対向電極21との間には直流電圧Vcを印加するための定電圧電源23が接続されている。
【0044】
定電圧電源22は多孔質ポリシリコン層4に内部電界を形成して電子を加速するためのものであり、Vpsとして数V〜数十V程度の電圧を印加することができる。また、定電圧電源23は上部電極5に付着した帯電微粒子を対向電極21に飛び出させるためのものであり、Vcとして数十Vから数百V程度の電圧を印加することができる。定電圧電源23は電圧極性を変更可能にしてあり、付着粒子の性質(正に帯電しているか負に帯電しているか)に応じて極性を切換えることができるようにしてある。
なお、この電子放出装置の構造は、電子放出素子1にそのクリーニング装置を付設した電子放出素子クリーニング装置にしたものとして捉えることもできる。
【0045】
次に、本発明の電子放出装置の動作について説明する。本発明の電子放出装置の動作を説明するにあたり、まず電子放出素子の基本動作特性を説明し、次に素子使用中のダストの付着現象を説明し、その次に付着ダストのクリーニング動作について説明することにする。
【0046】
電子放出素子の基本動作特性
図4は上述した電子放出素子1の駆動状態を説明する図であり、図5はその電流−電圧特性の測定結果である。電子放出素子1の上部電極5に対向する位置に対向電極(コレクタ電極)21を配置し、上部電極5(正極とする)とオーミック電極2a(負極とする)との間に直流電圧Vpsを印加し、対向電極(コレクタ電極)21と上部電極5との間に100Vの直流電圧Vcを印加することにより、電子放出素子1を駆動する。
【0047】
上部電極5とコレクタ電極21との距離を1mmとし、上部電極5と下部電極2との間に流れるダイオード電流Ipsと、上部電極5から放射される電子および大気中の負イオンにより対向電極21に流れる放出電流Ieとを測定した結果を図5に示す。
図5において、横軸は電子放出素子に印加した直流電圧Vpsの値、縦軸は電流密度をログスケールで示し、◆がダイオード電流Ipsを、□が放出電子電流Ieを示す。
【0048】
図5の電子放出実験結果より、大気中であるにもかかわらず、素子印加電圧Vpsを21Vとしたときに4.5μA/cmの放出電流Ieが観測された。この電流は、多孔質ポリシリコン層4にて加速され、上部電極5をトンネルして放出された電子が大気中の気体分子に電子付着し、負イオンとなった状態で対向電極21まで搬送されることによる電流が大半であると考えられる。
4.5μA/cmという電流量は、レーザプリンタやデジタル複写機などの電子写真技術で感光体を帯電させる場合に応用可能な電流量であり、図4において対向電極(コレクタ電極)21を感光体に置き換えた構成で実現できる。
【0049】
この構造を電子写真技術の感光体帯電に応用した場合、7μm前後の絶縁粒子であるトナーや半導電性の紙粉などのダストが上部電極5に付着する。
そして、トナーなどのダストが存在する雰囲気で電子放出実験を行った結果、上部電極5に付着したダストによる被覆面積率にほぼ比例して放出電流Ieが減少することが実験的に確認された。
【0050】
したがって、放出電流Ieが減少することなく初期の値を継続的に維持するためには、上部電極5上のダストを何らかの方法で除去する必要がある。
一方、上述したように本発明の電子放出素子の上部電極5を形成する金属薄膜の厚みは、電子放出素子1内で発生した電子を有効に放出させることができるようにするため、膜厚を数nmから数十nmとしてある。したがって、この上部電極5上にダスト等の微粒子が付着した場合、接触式のクリーニング部材でダストを拭き取ろうとすると、ダストを拭き取る際の摩擦・ストレスで上部電極5を金属薄膜に損傷を与えたり、剥がれたりしてしまうことになる。
【0051】
ダストの付着
図6は、実際の電子写真プロセス中で電子放出素子1を用いた感光体の帯電実験を行ったときの状態を模式的に示す図である。以下に、ダストによる汚染結果などについて説明する。
電子放出素子1は、図1に示したものと同形状であり、下部電極2(オーミック電極2aとn形シリコン基板3)、多孔質ポリシリコン膜4(半導体層)、上部電極(金属薄膜)5により構成されている。
電子写真では、電子放出素子1の上部電極5と対向する位置に、電極基板42(導電性材料)と感光体膜43(暗所で高抵抗性材料)とから構成される感光体41を配置する。上部電極5と感光体41とによって挟まれる空間(外部空間)を帯電空間と称することにする。
【0052】
電子放出素子1の上部電極5と感光体41との距離を1mmとし、上部電極5と感光体41の電極基板42との間に印加する直流電圧(コレクタ電圧)Vcを800V、上部電極5とオーミック電極2aとの間で印加する直流電圧(素子印加電圧)Vpsを20Vの条件として感光体41の帯電を行う。
【0053】
この帯電動作を行っているとき、上部電極5と感光体41間の帯電空間には強電界が形成されるため、上部電極5をトンネルして放出された電子は効率よく感光体41まで運ばれる。このとき大気中での電子放出であるため、放出された電子の大部分は大気中の気体分子に付着し、負イオンとなって搬送されると考えられる。
【0054】
この帯電実験を繰り返し行った結果、帯電動作を行っているときに、電子放出素子1の上部電極5がダストで汚染されることがわかった。ダストを分析した結果、トナーと紙粉が大半であった。トナーは現像部にて平均比電荷が−10〜−15μC/g程度で、負に帯電されている。しかしながら、この値は平均的な値にすぎず、確率的には僅かであるが正に帯電したトナーや未帯電トナーが存在している。また、現像部等では静電気力によってトナーを現像スリーブや感光体に拘束しているが、比電荷の小さいトナーや未帯電トナーはこの静電気力が弱いため飛散されやすく、僅かではあるが電子写真プロセス内部を浮遊している。
【0055】
したがって、僅かに正帯電した浮遊トナーが、帯電動作時に帯電空間内に侵入すると帯電空間に存在する強電界によって引かれて上部電極5側に付着すると考えられる。紙粉についても同様で、僅かに正帯電した浮遊紙粉が、帯電動作時に帯電空間の強電界によって上部電極5側に付着していると考えられる。
【0056】
電子放出素子1の上部電極5上に一旦付着したダスト(浮遊トナーや紙粉)は、時間経過とともにその電荷を失っていく。紙の表面抵抗は湿度に対して非常に敏感に変化するが、一般的に10〜1013Ωの中抵抗であるため、比較的早く電荷を失う。参考値ではあるが、紙粉の誘導帯電実験にて1秒前後で電荷が抜けることを確認している。これに対しトナーは高抵抗(絶縁性)であるため、電荷を失うのにさらに多くの時間を要する。
このように、上部電極5上に付着しているダストは、元々電荷量が小さかったり、時間の経過で電荷を失ったりすることにより電荷量が小さくなっている。
【0057】
クリーニング原理
次に、図3を用いて電子放出素子1の上部電極5に付着したダストのクリーニング動作原理について説明する。
電子放出素子1の上部電極5と対向電極21の間に電圧Vcを印加する。
【0058】
ここで、ダストの電荷量qtと付着力である鏡像力Fiとの関係を説明する。
上部電極5に対して吸着する方向に作用する力である鏡像力Fiは下式で表される。
【式1】
Figure 2004265603
ここで、εは誘電率、rtは微粒子半径を示す。
鏡像力Fiは、微粒子の持つ電荷量qtの2乗に比例することがわかる。
【0059】
また、距離dの位置の対向電極21に正の電圧Vを印加したとき、微粒子を引き剥がす方向に作用する静電気力Feは下式で表される。
【式2】
Figure 2004265603
ここで、Eは上部電極5と対向電極21との間で形成される電界強度でE=V/d=Vc/dで計算される。静電気力Feは、微粒子の持つ電荷量qtの1乗に比例することがわかる。
【0060】
微粒子径(直径2rt)を8μm、外部電界強度Eを10V/mとして、鏡像力Fiおよび外部電界による静電気力Feの関係を計算した結果を図7に示す。
この計算結果より、まず電荷量qtが小さい領域、たとえば、qt≦7fC [fC:フェムトクーロン] (7×10−15C)では、外部電界による静電気力Feが鏡像力Fiを上回っており、外部電界によるクリーニングが可能であることを示唆している。
しかし、実際には電荷量qtとは無関係のファンデルワールス力による付着力が作用しているため、電荷量qtが小さすぎると外部電界による静電気力Feの絶対値が小さくなり、ファンデルワールス力Fvを下回りクリーニングできなくなってしまう。
【0061】
次に、電荷量が大きい領域では外部電界による静電気力Feが鏡像力Fiを下回っており、外部電界によるクリーニングが困難あるいは不可能であることを示唆している。しかし、外部電界強度を大きくすると外部電界による静電気力Feの直線が、同図上方向にシフトすることになり、クリーニング可能な領域を広げることができる。
ここで、微粒子の帯電電荷の極性が正の場合、外部電界による静電気力Feと鏡像力Fiとはともに上部電極5の方向に作用するため、クリーニングは不可能となる。この場合、微粒子の帯電極性を負にするか、外部電界の極性方向を逆にすることでクリーニングを可能とすることができる。
【0062】
一例として、直径8μmの絶縁性微粒子であるトナーが、上部電極5に付着していると仮定する。トナーの比電荷(単位質量あたりの電荷量)の一般的な値−10μC/g、トナー比重1g/cmとすると、トナー1個が持つ電荷量qtは、−2.68×10 15Cとなる。
【0063】
(式1)にこのトナーの電荷量qtを代入して計算すると、鏡像力Fiは1.0nNとなる。また、外部電界強度を10V/mとすると、外部電界による静電気力Feは2.7nNとなる。
この例ではFi<Feとなり、鏡像力により上部電極5に付着する力よりも、外部電界による引き剥がし力の方が大きいため、上部電極5上の微粒子をクリーニングすることができる。
【0064】
上述した電子写真プロセス中で感光体の帯電実験を行うため、ダストが付着した電子放出素子1の上部電極5に対して対向電極21との間(距離dは1mm)に直流電圧(コレクタ電圧)Vcとして100Vを印加する。
この時点で上部電極5と対向電極21との間の空間には10V/mの電界が形成され、弱い負の電荷を持ったダストが対向電極31側に除去される。
【0065】
次に電子放出素子1の上部電極5とオーミック電極2aとの間に20Vの直流電圧Vpsを印加すると、電子放出が開始され、放出された電子、もしくは電子が気体分子に付着することにより形成された負イオンにより、上部電極5上に存在する微粒子32が負の電荷を帯びてくる。上部電極に付着している帯電微粒子32の初期の電荷極性は、上述したようにほとんど正であると考えられるが、この初期極性の如何にかかわらず、微粒子32は徐々に負に帯電されていく。
【0066】
微粒子32の負電荷が増えていく過程で、上記(式2)のqtが増加することで外部電界による静電気力Feが増加し、Feの大きさがファンデルワールス力Fvの大きさを越えた時点で、この微粒子32は対向電極31側に除去される。
すなわち、電子放出素子1を駆動し、微粒子32を負に帯電させ、対向電極31が形成する電界の力で、Fv<Fi<FeまたはFi<Fv<Feの状態となるようにすることで微粒子32はクリーニングされる。
【0067】
ただし、ファンデルワールス力Fvが非常に大きな微粒子の場合、さらに微粒子への負の帯電を進めることによりFi<Fv<Feの状態となればよいが、負の帯電を進めることによりFe<Fi<Fvの状態になってしまうと、もはやこの微粒子は除去不可能になる。このようにファンデルワールス力Fvが大きい微粒子の場合、外部電界強度Eを増加させることである程度除去可能であるが、絶縁破壊による放電との関係で印加可能な電界強度にも限界があるのでファンデルワールス力Fvの大きさによっては限界がある。
【0068】
つまり、(式1)および(式2)より、外部電界強度Eの増加は、付着力である鏡像力Fiを一定のまま、除去力である静電気力Feを増加させることができることがわかる。即ち、外部電界強度Eを増加させることで、Fi<Fe<FvもしくはFe<Fi<Fvの状態からFeのみを大きくすることができ、Fi<Fv<Feとすることで微粒子を除去できるものである。ところが、外部電界強度Eを大きくし過ぎると、空気の絶縁破壊である放電現象が発生し、電子放出素子1を破壊してしまうことになる。
そのため、上部電極5と対向電極21との間の空間電界強度Eを3MV/m以下に制限する制御を行うことにより放電現象を回避するようにする。
【0069】
この絶縁破壊による放電現象は、強電界による電子なだれ(電子・イオンがなだれ的に増幅する)現象である。電子放出動作をしている過程では、電子や負イオンの数が多くなるため、通常なら放電現象が生じない電界強度であっても、電子が放出されている状態では放電が発生しやくすくなる。つまり通常放電現象を回避できる電界強度(3MV/m)よりさらに小さい電界強度も放電現象を開始してしまう。
【0070】
この電界強度に関しての相反する要求(微粒子を効率よくクリーニングするためには電界強度を強くし、放電現象を回避するには電界強度を弱くする)を満足するために、以下の制御を行うようにする。
すなわち、上部電極5上の付着微粒子を負に帯電させるために電子放出素子1を駆動している時は、外部空間の電場を必要最低限の弱いものとし、微粒子を静電気力で対向電極21側に除去するときは、電子放出素子1からの電子放出を行わないようにして外部空間の電場をできるだけ強くする。このようなタイミングで電子放出素子1や対向電極21への電圧印加を行うことで放電現象を防ぎ、電子放出素子の破壊を回避する。
【0071】
さらに、上部電極5と対向電極21との間の電圧印加(Vcのオン/オフ)をパルス状にすると、電界強度がパルス状に変化して荷電粒子に衝撃力が発生し、より効果的に微粒子を除去できる。
また、絶縁破壊による放電現象は、強電界による電子なだれ(電子・イオンがなだれ的に増幅する)現象であるため、ある程度の時間を必要とする。電圧印加のパルス幅を電子なだれに必要な時間より短く設定すると、放電現象を防止でき、電子放出素子の破壊を回避できる。
【0072】
第2の実施形態
図8は、本発明の他の一実施形態である電子放出装置の構成を示す図である。この実施形態は、図6で説明した電子写真プロセスの電子放出素子と感光体とが対向した装置と等価な構造である。
すなわち、電子放出素子1は、図1に示したものと同形状であり、下部電極2(オーミック電極2aとn形シリコン基板3)、多孔質ポリシリコン膜4(半導体層)、上部電極(金属薄膜)5により構成されている。
この電子放出素子1の上部電極5と対向する位置に対向電極51を配置し、上部電極5と対向電極51の間に直流電圧(コレクタ電圧)Vcを印加する。この対向電極51は金属電極52と絶縁層53とから構成される。
【0073】
仮に対向電極51が図3のように金属電極のみによって形成されている場合、電子放出素子1の上部電極5から離れた導電性微粒子32が対向電極51に付着すると、誘導帯電により微粒子32に正電荷が注入されて、再び上部電極5に微粒子32が戻ってしまうという不具合が生じる。
【0074】
この現象を、図9を用いて詳細に説明する。上部電極5と対向電極31との間に直流電圧Vcを印加すると、上部電極5上に付着した導電性微粒子32には誘導帯電現象により負電荷が注入される。この誘導帯電による注入される電荷量の最大値は(式3)で表される。
【式3】
Figure 2004265603
【0075】
一例として直径8μmの導電性微粒子が付着していると仮定し、電界強度Eを1MV/mとして(式3)にこれらの値を代入して計算すると、この導電性微粒子32が誘導帯電によって得る電荷量の最大値Qmaxは、−2.9×10 15Cとなる。
このように誘導帯電によって負に帯電された導電性微粒子32は、上部電極5と対向電極31との間に形成される空間電界Eによって、対向電極31側に引き剥がす静電気力Feが作用する。この静電気力Feが付着力である鏡像力Fiやファンデルワールス力Fvより大きくなる条件を満足すると、対向電極31に向かって飛翔し、クリーニングされる。
【0076】
これに対し、対向電極31上に付着した導電性微粒子32は、今度は同様の誘導帯電現象により正電荷が注入される。これにより対向電極31に付着した導電性微粒子32は正電荷を持ち、上部電極5と対向電極31との間に形成される空間電界Eによって、上部電極5側に向けて引き剥がす静電気力Feが作用する。
この静電気力Feが対向電極との付着力である鏡像力Fiやファンデルワールス力Fvより大きくなる条件を満足すると、上部電極5に向かって飛翔し、逆戻りしてしまう。
【0077】
その結果、導電性微粒子32は上部電極5と対向電極31との間を往復運動することになる。この往復運動する時間は微粒子32への電荷注入時間すなわち微粒子32の抵抗値で決定される。ただし、実際には様々な抵抗値を持つ微粒子32が上部電極5上に付着するため、Vcをオフにするタイミング等で微粒子32を対向電極5側にクリーニングすることは困難である。
【0078】
これに対し、図8で示したように、対向電極31の表面を絶縁層で覆うことにより、誘導帯電による対向電極5からの正電荷の注入を防止することができる。
電子放出素子を電子写真プロセスの感光体帯電に応用するような場合、感光体は暗所では、金属電極と絶縁層との2層構造となっているため、電子放出素子をクリーニングするための対向電極として用いることが可能である。このように対向電極31の表面に絶縁層を形成することで上部電極5に付着する微粒子が導電性微粒子であっても誘導帯電現象を積極的に利用してクリーニングすることが可能である。
【0079】
第一実施形態での絶縁性粒子のトナーの例のように、上部電極5に付着する微粒子が絶縁性微粒子の場合は、電子放出素子1を駆動して微粒子を負に帯電させ、対向電極51に正の電圧を印加して静電気力Feによりクリーニングするものであったが、付着した微粒子が導電性微粒子の場合は、誘導帯電により電荷を注入できるので、電子放出素子1の駆動は必ずしも必要ない。
【0080】
また、導電性粒子の場合は、対向電極51には正電圧を印加するようにしても負電圧を印加するようにしてもどちらでも構わない。すなわち、対向電極51が正の場合は導電性微粒子に負電荷が注入されて正の対向電極51に静電気力Feで除去され、対向電極51が負の場合は導電性微粒子に正電荷が注入されて負の対向電極に静電気力Feで除去される。ただし、対向電極51側に移動した導電性微粒子32が逆戻りしないために、対向電極51上の絶縁層53が必要となる。
【0081】
対向電極51の表面を半導電性もしくは絶縁性材料で構成した場合、対向電極51での誘導帯電による微粒子の逆戻りを防ぐことはできるが、電子放出素子1を動作させることによって対向電極51が負にチャージアップしてしまうため、外部空間の電界強度が弱くなり、上部電極5表面に付着した微粒子を除去できなくなる。この現象をできるだけ緩和するために以下の制御を行う。
【0082】
まず上部電極5表面に付着した微粒子を帯電させるために電子放出素子1を駆動しているとき(Vps=20Vを印加)は、対向電極51に強い正の電位を印加しない(Vc=100V)ことにより、対向電極5表面の負のチャージアップをできるだけ防止する。
次に上部電極5表面に付着した微粒子を除去するときは、対向電極51に強い正の電圧を印加し(Vc=1000V)、さらに電子放出素子1を動作させないようにして、負のチャージアップを防止する。このようなタイミングで電子放出素子1の駆動と外部空間の電界制御を行った結果、微粒子除去に必要な電界強度を与えることができ、効率よく微粒子の除去ができた。
【0083】
上述したように、電子放出素子1を動作させることによって、微粒子を負に帯電させることができるため、強い正電荷・弱い正電荷・電荷無し・弱い負電荷を持つ微粒子に対しては、Fi<Feとすることができ、微粒子を除去できるのであるが、上部電極5上に非常に大きな負の電荷を持った絶縁性微粒子が付着した場合、図7からわかるように鏡像力Fiがクリーニングのための静電気力Feを上回るため、静電気力による除去が不可能となる。
【0084】
たとえば電子写真プロセスの内部では、弱い正電荷・電荷無し・弱い負電荷を持つ微粒子の浮遊確率が高い。また、帯電動作時の直流電圧Vcによる外部空間の電界により正電荷を持つ微粒子が上部電極5に付着する確率が高い。
しかし、非帯電動作時には外部空間の電界が無くなるので、確率的に僅かに存在する強い負電荷を持った絶縁性微粒子が上部電極5に付着する可能性がある。
【0085】
そこで、Vpsをオフとしている非帯電動作時でも、Vcに小さな電圧を印加しておき、上部電極5が負極となるように設定しておくことで、強い負電荷を持った絶縁性微粒子の付着を防止でき、電子放出素子1の寿命を延ばすことができる。このとき直流電圧Vcの印加では電流が流れないため、電力損失は殆どない。
【0086】
以上、電子放出装置について説明したが、本発明の電子放出装置は、電子加速層となる多孔質ポリシリコン層を用いた電子放出素子に限定されるものではない。また、MIM型やMIS型のような面放出型の電子放出素子に適用可能である。
【0087】
また、上記実施形態で説明したように本発明の電子放出装置は、(n型)シリコン基板を用いた場合にもガラス基板を用いた場合にも適用することができる。
したがって、いずれの基板を使うかは用途や基板によるメリット・デメリットを考慮して使い分けるようにすればよい。
例えば、(n型)シリコン基板を用いた場合は、平滑性と材料の親和性で優れており基板上に半導体膜を形成しやすい。またシリコン基板は耐熱性の点で優れているため熱酸化などの様々な熱処理が可能である。そのかわり材料コストは割高となり、大型の基板への対応が困難となる。
一方、ガラス基板を用いた場合は、材料コストは安く、大型基板への対応という点では有利である。そのかわりガラス基板は耐熱性の点でシリコン基板に比べて劣っており、熱酸化などの様々な熱処理での制約が加わる。
【0088】
【発明の効果】
本発明の電子放出装置では、非接触にて電子放出素子の上部電極表面の金属薄膜上の微粒子をクリーニングすることができるため、接触式クリーニングで発生したような摩擦・ストレスによる金属薄膜が損傷・剥がれという課題を克服することができる。
【0089】
また、付着微粒子を帯電する動作時と、飛翔する動作時とで印加電圧を制御することにより、大気中で動作させた場合に問題となる放電による大気の絶縁破壊を回避でき、放電による素子の破壊も回避することができる。特に帯電電界強度を3MV/m以下とすることで有効に放電を防ぐことができる。
【0090】
また、付着微粒子を引き離すための電圧をパルス状に印加する制御を行うことにより、効果的に付着微粒子を除去することができる。
【0091】
また、対向電極表面を半導電性もしくは絶縁性材料で構成するようにすれば、対向電極に移動した導電性もしくは半導電性微粒子に正電荷が注入されることを防止でき、再度電子放出素子表面に微粒子が移動してしまうと現象を防ぐことができる。
【0092】
また、対向電極表面を半導電性もしくは絶縁性材料で構成した場合で、電子放出素子を動作させているときは上部電極と対向電極間に強い電圧を印加しないようにし、一方、対向電極に強い正の電圧を印加して素子表面の帯電した微粒子を正電極側に飛翔させる動作をするときは、電子放出素子を動作させないことによって対向電極のチャージアップを防止することができ、微粒子除去効率の悪化も防ぐことができる。
【0093】
また、上部電極と対向電極との間の電圧の極性を設定可能にすることにより、微粒子の帯電極性(正帯電か負帯電か)によらず除去が可能となる。
【0094】
また、半導体層をポリシリコン層の一部を多孔質化した多孔質シリコン半導体層とすることにより、電子放出素子の熱的安定度が改善され、安定した電子放出動作を行うことができる。
【0095】
また、上部電極と下部電極との間の直流電圧Vpsをオフとしている非帯電動作時も電子放出素子の表面の金属電極が負側となるような外部電界を印加することで、クリーニングが困難な強い負電荷を持った絶縁性微粒子の付着を防止し、電子放出素子を長寿命化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である電子放出装置に用いる電子放出素子の構成を示す図。
【図2】本発明に一実施形態である電子放出装置に用いる他の電子放出素子の構成を示す図。
【図3】本発明の一実施形態である電子放出装置の構成を示す図。
【図4】本発明の電子放出装置の駆動状態を説明する図。
【図5】本発明に基づく電子放出素子の電流−電圧特性の測定結果を示す図。
【図6】電子写真プロセス中で感光体の帯電実験を説明する図。
【図7】鏡像力Fiおよび外部電界による静電気力Feの関係を計算した結果を説明する図。
【図8】本発明の他の一実施形態である電子放出装置の構成を示す図。
【図9】導電性粒子に対する誘導帯電を説明する図。
【符号の説明】
1 電子放出素子
2 下部電極
2a オーミック電極
3 n形シリコン基板
4 多孔質ポリシリコン層
5 上部電極(金属薄膜)
11 電子放出素子
12 ガラス基板
13 下部電極
14 多孔質ポリシリコン層
15 上部電極(金属薄膜)
21 対向電極(コレクタ電極)
41 感光体
42 電極基板
43 感光体膜
51 対向電極
52 金属電極
53 絶縁層

Claims (10)

  1. 下部電極、薄膜からなる上部電極、下部電極と上部電極の間に形成される半導体層を有し、上部電極表面が外部空間に露出している電子放出素子と、
    上部電極に対して外部空間を隔てて対向するように設けられる対向電極と、
    上部電極表面に付着した微粒子を帯電させる電圧を上部電極と下部電極との間に印加する微粒子帯電電圧制御部と、
    帯電した微粒子を上部電極表面から飛翔させるための電圧を上部電極と対向電極との間に印加する飛翔電圧制御部とを備えたことを特徴とする電子放出装置。
  2. 対向電極の表面には半導電性層又は絶縁層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子放出装置。
  3. 飛翔電圧制御部は、対向電極が上部電極に対して正電位となるパルス状の電圧を印加することを特徴とする請求項1に記載の電子放出装置。
  4. 微粒子帯電電圧制御部が上部電極表面に付着した微粒子を帯電させる電圧を印加するときには飛翔電圧制御部は上部電極と対向電極との間の外部空間において第1電圧値を印加する制御を行い、
    帯電微粒子を上部電極から対向電極に向けて飛翔させるときには飛翔電圧制御部は帯電微粒子が上部電極から対向電極まで飛翔可能かつ絶縁破壊による放電が発生しない程度の第1電圧値より高い第2電圧値を印加する制御を行うとともに、微粒子帯電電圧制御部は上部電極と下部電極との間に電圧を印加しない制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の電子放出装置。
  5. 飛翔電圧制御部は上部電極と対向電極との間の印加電圧の極性を、付着微粒子の性質によって正又は負に設定可能に構成されたことを特徴とする請求項2に記載の電子放出装置。
  6. 前記半導体層は、ポリシリコンの一部または全部を多孔質化した多孔質シリコン半導体層であることを特徴とする請求項5に記載の電子放出装置。
  7. 電子放出素子からの電子放出を行わないときに、飛翔電圧制御部は電子放出素子の上部電極表面が負側となるように上部電極と対向電極との間に電圧を印加することを特徴とする請求項1に記載の電子放出装置。
  8. 薄膜で形成される上部電極表面から電子を放出する面放出型電子放出素子における前記上部電極表面に付着する微粒子を除去する電子放出素子クリーニング装置であって、
    上部電極表面に外部空間を隔てて対向するように設けられる対向電極と、
    前記電子放出素子を駆動して上部電極表面に付着した微粒子を帯電させるための電圧を上部電極に印加する微粒子帯電電圧制御部と、
    帯電した微粒子を上部電極表面から対向電極までの外部空間を飛翔させるための電圧を上部電極と対向電極との間に印加する飛翔電圧制御部とを備えたことを特徴とする電子放出素子クリーニング装置。
  9. 面放出型電子放出素子が、下部電極、薄膜からなる上部電極、下部電極と上部電極の間に形成される半導体層を有し、
    微粒子帯電電圧制御部が上部電極と下部電極との間に微粒子を帯電させるための電圧を印加することを特徴とする請求項8に記載の電子放出素子クリーニング装置。
  10. 薄膜で形成される上部電極表面から電子を放出する面放出型電子放出素子における前記上部電極表面に付着する微粒子を除去する電子放出素子のクリーニング方法であって、
    上部電極表面に外部空間を隔てて対向するように対向電極を設け、
    電子放出型素子を駆動することにより上部電極表面に付着した微粒子を帯電し、帯電した微粒子を上部電極表面から対向電極まで飛翔させるための電圧を上部電極と対向電極との間に印加することを特徴とする電子放出素子のクリーニング方法。
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