JP2002049226A - 電荷発生装置及び帯電装置及び画像形成装置 - Google Patents

電荷発生装置及び帯電装置及び画像形成装置

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JP2002049226A JP2000238435A JP2000238435A JP2002049226A JP 2002049226 A JP2002049226 A JP 2002049226A JP 2000238435 A JP2000238435 A JP 2000238435A JP 2000238435 A JP2000238435 A JP 2000238435A JP 2002049226 A JP2002049226 A JP 2002049226A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】オゾン及びNOX 等の放電生成物の発生防止や
異常放電の防止を図ることができ、装置の長寿命化、帯
電効率の向上、帯電能力の安定性向上等を図ることがで
きる電荷発生装置(帯電装置)を実現する。 【解決手段】本発明の電荷発生装置(帯電装置)は、素
子内部の電界によりエネルギーを与えた電子を放出する
電子放出素子1と、電気的負性気体(酸素、水蒸気、ハ
ロゲンガス、SF6、二酸化炭素、NO、NO2、S
2、SO3、HNO 3、N25等)を含む気体を導入す
る手段と、電子放出素子1により放出された電子と電気
的負性気体分子により発生した負イオンを制御する制御
手段を有し、制御手段として例えばバイアス電源9によ
り印加される被帯電体と電子放出素子間の電界を用い、
その電界は6×106V/m以上の部分が10μm以下
であることを特徴とし、前記負イオンにより被帯電体7
を帯電させる構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子放出によって
電荷を発生する電荷発生装置、及びその電荷発生装置を
用いて被帯電体を帯電する帯電装置、及びその電荷発生
装置あるいは帯電装置を用いた複写機、プリンタ、ファ
クシミリ、プロッタ等の電子写真方式の画像形成装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】UL規格、TUV規格、BAM規格な
ど、複数の国、地域で複数の団体により電子写真方式の
画像形成装置に対して、発生するオゾン量を規制するた
めの規格が設定されている。また、画像形成装置におい
ては、帯電装置の放電により発生する窒素酸化物(NO
X )に起因する物質が感光体に付着し吸湿することで、
感光体表面電位を低下させることにより不良画像が発生
するという不具合が問題になっている。
【0003】従来、複写機、プリンタ、ファクシミリ、
プロッタ等の電子写真方式の画像形成装置に用いられ、
被帯電体である感光体を帯電する帯電装置には、コロナ
帯電器、ローラ帯電器、ブラシ帯電器、固体帯電器等が
ある。この内、コロナ帯電器は、最も多く利用されてい
る帯電方式である。しかし、コロナ帯電器は、気中での
コロナ放電を利用した非接触帯電方式のため、非常に多
くのオゾン及びNOX を発生するという問題がある。そ
こでこの問題を解決するため、例えば、オゾンの発生量
を低減するようにしたコロナ帯電器が特開平9−114
192号公報に記載されている。このコロナ帯電器は、
非常に細い40〜50ミクロン(μm)のワイヤを用い
て放電を行うことによりオゾンの発生量を50%以下に
低減している。また、特開平6−324556号公報に
は、ワイヤの3方を囲むように配置された金属筐体と、
その開放部近傍に配置された金属メッシュ電極とを有
し、ワイヤから発生したオゾンを閉じ込め、オゾン分子
の衝突確立を高めることにより、放出されるオゾン量の
低減を計るコロナ帯電器が記載されている。さらに、コ
ロナ帯電器等の帯電装置により発生したオゾンを低減す
る方法の一つとして、オゾン吸着剤を用いる方法が知ら
れており、このオゾン吸着剤は、帯電装置により発生し
たオゾンを活性炭などの触媒機能により酸化したり、表
面に吸着させたりするのに用いられている。
【0004】一方、ローラ帯電器は、古くは特開昭56
−91253号公報に記載されており、近年、盛んに検
討されている接触帯電方式の一つである。このローラ帯
電器は、帯電したローラを被帯電体に接触させて帯電を
行う方式のため、オゾンの発生を非常に少なくでき、有
望視されている。また、ブラシ帯電器は、特公昭55−
29837号公報等に記載されており、接触帯電方式の
一つである。このブラシ帯電器は、帯電したブラシを被
帯電体に接触させて帯電を行う方式のため、オゾンの発
生を非常に少なくできる。
【0005】固体帯電器は、古くは特開昭54−535
37号公報等に記載されたものがある。また、特開平5
−94077号公報には、絶縁部材上に放電電極を、微
小間隔を介して多数併設する装置が記載されている。さ
らに、特開平6−75457号公報には、帯電器と被記
録体との間隔を500〜3000μmに設定することに
より、イオンの飛距離を短くしてオゾンの拡散を抑制す
ると共に、トナーなどの付着を防止するものが記載され
ている。特開平9−244350号公報には、板状基板
上の放電電極と、その外周に配設した沿面グロー放電手
段と、帯電器全体を覆うカバーを備えた放電装置が記載
されている。特開平9−115646号公報には、平面
型固体放電装置において電極材料に特定の仕事関数の材
料を用いることによりNOX の低減を図ることが記載さ
れている。
【0006】さらに、新規な帯電方式を用いたものとし
て、特開平8−203418号公報には、ライン電極表
面にP−N接合の半導体素子、又はエレクトロルミネッ
センス材料よりなる電子放出素子層を設けた電荷発生
器、及びこれを一画素単位で独立に駆動して誘電体上に
潜像を形成する静電潜像形成装置が記載されている。ま
た、特開平8−137215号公報には、電荷発生制御
素子を1次元あるいは2次元に配列して形成した電荷発
生器において、上記電荷発生制御素子の電荷放出部材を
備えた電荷発生部を素子の最表面に形成すると共に、電
荷発生制御素子を素子の下部に形成したことを特徴とす
る電荷発生器が記載されている。さらにまた、特開平9
−92130号公報には、電荷発生制御素子を1次元あ
るいは2次元に配列して形成した電荷発生器において、
上記電荷発生制御素子を半導体基板上に形成すると共
に、該電荷発生制御素子の電荷放出部をP−N接合を有
するダイオードで構成し、該ダイオードに逆バイアスを
印加することによって電子もしくは電荷を放出するよう
に構成したことを特徴とする電荷発生器が記載されてい
る。さらにまた、特開2000−47457号公報に
は、軟X線による電離を用いた帯電装置が開示されてお
り、X線のエネルギーによる気体の電離作用によりイオ
ンを生成させ、帯電に応用している。この方式では、放
電を伴なわないため、放電により発生する化合物を低減
することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の帯電装
置(帯電方式)のうち、コロナ帯電器は、非常に多くの
オゾン及びNOX を発生する。このため特開平9−11
4192号公報や特開平6−324556号公報に記載
されているようなオゾン量を低減させるようにしたコロ
ナ帯電器では、せいぜい50%程度のオゾン量の低減し
か出来ず、オゾン吸着剤等の併用が必要であった。ま
た、オゾン吸着剤を併用した場合、オゾン量を低減する
ことはできるが、オゾン吸着剤は、経時劣化が生じるた
めにオゾンフィルタの交換やメンテナンスが必要であ
り、コストがかかるという問題がある。
【0008】ローラ帯電器は、接触帯電方式のためオゾ
ンの発生を非常に少なくできるが、帯電が不均一になり
やすく、また、電子写真方式の画像形成装置に用いた場
合、ローラ表面のトナー汚染、ローラに印加するバイア
ス交流による振動、画像のモワレなどが生じやすいとい
う問題がある。また、ローラ帯電器は回転体であり、ロ
ーラ表面のクリーニングが必要になるために部材が多
く、製造コストがかかるという問題があり、その他にも
ローラ帯電器には、感光体の感光層が絶縁破壊されてピ
ンホールが発生しやすくなったり、振動音、可塑剤等に
よる帯電ローラ跡、ローラの永久変形等が生じやすいと
いう問題がある。ブラシ帯電器は、接触帯電方式のため
オゾンの発生を非常に少なくできるが、筋状帯電むらや
環境変動による帯電むらが発生しやすく、また、低温ス
トリーマ放電、白斑点、感光体磨耗、磨耗感光体の蓄
積、ブラシの抜け等の発生や、感光体傷に対する異常放
電に起因するブラシの溶融などの欠点がある。さらに、
固体帯電器では、装置を小型化できるなどの利点はある
ものの、放電面積が広く、期待するほどオゾンやNOX
などの不快物質の低減は出来ていない。
【0009】前述の電荷発生器や、それを用いた静電潜
像形成装置においては、一画素単位で駆動する構成の素
子であるため、逆に均一帯電による電子写真プロセスへ
の適用が困難であること、駆動装置等の装置構成全体が
煩雑になることなどの欠点を有している。また、感光体
等の被帯電体に対向させて動作させる必要があるため、
被帯電体に印加するバイアス電圧がパッシェン則におけ
る放電しきい値よりも高い場合には、電荷発生器と被帯
電体の間の空間で放電破壊が起こり、結局オゾンやNO
Xなどが発生してしまうという欠点も有している。例え
ば、引き出し電極と電子発生素子表面間の電位差が60
Vで10μmであると6×106V/m以上の部分が1
0μmあることになり、放電が発生する可能性がある。
その上、電子放出面に被帯電体や周囲の雰囲気からの粒
子やイオンが付着してしまうため、安定な動作が出来な
いという不具合がある。特にエレクトロルミネッセンス
材料からなる電子放出素子層の場合には、同時に起こる
発光が被帯電体に入射することにより、電子写真用感光
体を帯電させる際に帯電電位の低下が起こってしまうと
いう問題がある。また、前述の軟X線による電離を用い
た帯電装置の場合、X線は放射線の一種であるため遮蔽
を十分にする必要があることと、高圧が必要なため電源
装置が高価となる欠点がある。
【0010】本発明は上記従来技術の問題点を解決する
ためになされたものであり、オゾン及びNOX 等の放電
生成物の発生防止や異常放電の防止を図ることができ、
装置の長寿命化、帯電効率の向上、帯電能力の安定性向
上等を図ることができる電荷発生装置、及びその電荷発
生装置を用いて被帯電物を帯電する帯電装置、及び上記
電荷発生装置あるいは帯電装置を用いた画像形成装置を
提供することを目的とする。
【0011】より詳しく述べると、請求項1に係る発明
は、帯電時の放電による化合物の発生を抑制することが
でき、且つ火花放電等の防止及び帯電安定性を図ること
ができる電荷発生装置を提供することを目的とする。請
求項2に係る発明は、帯電時の放電による化合物の発生
を抑制することができ、且つ火花放電等の防止及び帯電
効率の向上を図ることができる電荷発生装置を提供する
ことを目的とする。請求項3に係る発明は、帯電時の放
電による化合物の発生を抑制することができ、特に放電
により発生するNOXに起因する物質が像担持体等の被
帯電体に付着し吸湿することを防止することができる電
荷発生装置を提供することを目的とする。請求項4に係
る発明は、帯電時の放電による化合物の発生を抑制する
ことができ、且つ帯電効率のさらなる向上を図ることが
できる電荷発生装置を提供することを目的とする。請求
項5に係る発明は、像担持体等の被帯電体上に静電潜像
形成を行うことができ、さらなる帯電時の放電による化
合物の発生の低減を図ることができる電荷発生装置を提
供することを目的とする。請求項6に係る発明は、帯電
時の放電による化合物の発生を低減することができ、且
つ装置の長寿命化、均一な帯電、及び帯電効率の向上を
図ることがでる電荷発生装置を提供することを目的とす
る。請求項7に係る発明は、帯電時の放電による化合物
の発生を低減することができ、且つ装置の長寿命化、均
一な帯電、装置の生産性の向上、及び帯電能力の安定性
向上を図ることができる電荷発生装置を提供することを
目的とする。請求項8に係る発明は、帯電時の放電によ
る化合物の発生を低減することができ、且つ装置の長寿
命化、均一な帯電、装置の生産性の向上、低コスト化、
及び帯電能力の安定性向上を図ることができる電荷発生
装置を提供することを目的とする。請求項9に係る発明
は、帯電時の放電による化合物の発生を低減することが
でき、且つ装置の長寿命化、均一な帯電、装置の生産性
の向上、低コスト化、及び帯電能力の安定性向上を図る
ことができる電荷発生装置を提供することを目的とす
る。請求項10に係る発明は、帯電時の放電による化合
物の発生を低減することができ、且つ装置の長寿命化、
均一な帯電、装置の生産性の向上、低コスト化、及び帯
電能力の安定性向上を図ることができる電荷発生装置を
提供することを目的とする。
【0012】請求項11に係る発明は、オゾン及びNO
X 等の放電生成物の発生防止や異常放電の防止を図るこ
とができ、装置の長寿命化、帯電効率の向上、帯電能力
の安定性向上等を図ることができる帯電装置を提供する
ことを目的とする。請求項12に係る発明は、オゾン及
びNOX 等の放電生成物の発生防止や異常放電の防止を
図ることができ、装置の長寿命化、帯電効率の向上、帯
電能力の安定性向上等を図ることができる電荷発生装置
あるいは帯電装置を用い、UL規格、TUV規格、BA
M規格などの規格を満たすことのできる画像形成装置を
提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る電荷発生装置及び帯電装置及び画像形
成装置は以下のように構成した。請求項1に係る電荷発
生装置では、素子内部の電界によりエネルギーを与えた
電子を放出する電子放出素子と、電気的負性気体を含む
気体を導入する手段と、前記電子放出素子により放出さ
れた電子と電気的負性気体分子により発生した負イオン
を制御する制御手段を有し、前記制御手段として、被帯
電体と電子放出素子間の電界を用い、その電界は6×1
6V/m以上の部分が10μm以下であることを特徴
とし、前記負イオンにより被帯電体を帯電させる構成と
したものである。
【0014】請求項2に係る電荷発生装置では、請求項
1に記載の構成に加えて、前記電気的負性気体として、
酸素、水蒸気、ハロゲンガス、SF6、二酸化炭素、N
O、NO2、SO2、SO3、HNO3、N25のうちの何
れか一つ、または複数組み合わせたものを用いた構成と
したものである。また、請求項3に係る電荷発生装置で
は、請求項1に記載の構成に加えて、前記電気的負性気
体として、酸素、水蒸気、二酸化炭素のうちの何れか一
つ、または複数組み合わせたものを用いた構成としたも
のである。
【0015】請求項4に係る電荷発生装置では、請求項
1,2または3に記載の構成に加えて、前記電子放出素
子の電子放出面に、表面が酸化膜に覆われた金属の部分
を有する構成としたものである。また、請求項5に係る
電荷発生装置では、請求項1,2,3または4に記載の
構成に加えて、前記電子放出素子は2つの電極部を有
し、一方の電極部を走査電極とした場合に、もう一方の
電極部を複数の信号電極で構成し、該複数の信号電極を
別の電位とすることができる構成としたものである。さ
らに請求項6に係る電荷発生装置では、請求項1,2,
3,4または5に記載の構成に加えて、前記電子放出素
子の電子放出面を加熱する手段を有する構成としたもの
である。
【0016】請求項7に係る電荷発生装置では、請求項
1〜6のうちの何れか一つに記載の構成に加えて、前記
電子放出素子は、MIS(金属−絶縁体−半導体)構造
を有する構成としたものである。また、請求項8に係る
電荷発生装置では、請求項1〜6のうちの何れか一つに
記載の構成に加えて、前記電子放出素子は、MIM(金
属−絶縁体−金属)構造を有する構成としたものであ
る。
【0017】さらに請求項9に係る電荷発生装置では、
請求項7に記載の構成に加えて、前記電子放出素子の電
子放出部材は、半導体基板と、該半導体基板の表面を陽
極酸化処理により多孔質化した多孔質半導体層と、該多
孔質半導体層上に形成される金属薄膜電極と、前記半導
体基板の裏面に形成されるオーミック電極とを有する構
成としたものである。また、請求項10に係る電荷発生
装置では、請求項1〜6のうちの何れか一つに記載の構
成に加えて、前記電子放出素子は、下部電極と、前記下
部電極上に形成されたタンタルオキサイド(Ta25
膜と、前記タンタルオキサイド(Ta 25)膜上に形成
されたZnS膜と、前記ZnS膜上に形成された上部電
極とにより構成されているエレクトロルミネッセント素
子である構成としたものである。
【0018】請求項11に係る帯電装置では、請求項1
〜10のうちの何れか一つに記載の電荷発生装置を備
え、該電荷発生装置の電子放出素子から放出される負イ
オンにより被帯電体を帯電させる構成としたものであ
る。
【0019】請求項12に係る画像形成装置では、被帯
電体である像担持体上に静電画像を形成し、該静電画像
を現像して可視像化した後、該可視像を転写材に転写
し、画像を形成するものであり、被帯電体である像担持
体を均一に帯電する手段、または、像担持体上に静電画
像を形成する手段、もしくは、像担持体上の可視像を転
写材に転写する手段、あるいは、像担持体を除電する手
段として、請求項1〜10のうちの何れか一つに記載の
電荷発生装置、あるいは、請求項11記載の帯電装置を
具備する構成としたものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電荷発生装置
及び帯電装置及び画像形成装置の構成・動作及び作用を
図面を参照して詳細に説明する。
【0021】[実施形態1(請求項1,2,11の実施
形態)]図1は本発明に係る電荷発生装置を帯電装置に
用いた構成例を示す構成説明図である。図1に示す電荷
発生装置(帯電装置)は、絶縁体からなる基板(例え
ば、石英ガラス基板)2上に形成された電極(基板電
極)3と、この基板電極3の上に形成された半導体層4
と、半導体層4の上に形成され薄い絶縁層(薄膜絶縁
層)に覆われた多孔質半導体層5と、多孔質半導体層5
の上に形成され大気圧と連接する気体に満たされた空間
10に面するもう一方の電極(薄膜電極層)6とにより
形成され、素子内部の電界によりエネルギーを与えた電
子を放出する電子放出素子1を有している。そして、上
記空間10に電気的負性気体を含む気体を導入する手段
と、電子放出素子1により放出された電子と電気的負性
気体分子により発生した負イオンを制御する制御手段を
有し、この制御手段として、被帯電体7と電子放出素子
1間の電界を用い、その電界は6×106V/m以上の
部分が10μm以下であることを特徴とし、前記負イオ
ンにより被帯電体7を帯電させる構成としたものであ
る。
【0022】より詳しく述べると、図1に示す構成の電
荷発生装置(帯電装置)においては、半導体層4の電子
放出側表面には薄い絶縁層に覆われた多孔質半導体層5
が設けられており、電子放出側最表面には薄膜電極層6
が形成されている。この薄膜電極層6に対し電源8によ
り正(+)の電圧を印加することにより、半導体層4に
電子が注入される。半導体層4の最表面は薄膜絶縁層に
覆われた多孔質半導体層5により高抵抗となっているた
め、電界強度が大きくなりここで電子が加速され、薄膜
電極層6をトンネルして電子放出素子1の外部に電子e
-が放出される。この放出された電子e-により、被帯電
体7との間の空間10に導入された大気圧の電気的負性
気体がイオン化する。この際、被帯電体7側の電極7a
にはバイアス電源9により正(+)のバイアス電圧が印
加されているため、イオン化された気体のうち、負イオ
ンが形を変えながらも負電荷を維持し、被帯電体7側に
到達し、被帯電体7はマイナス(−)に帯電する。
【0023】このように本発明係る電荷発生装置(帯電
装置)では、電子放出素子1から放出された電子を利用
して負イオンを発生させるため、電荷を発生させるため
に放電を用いなくとも良い。そのため、イオン化のため
に発生する化合物を非常に少なくできる。しかしなが
ら、被帯電体7と電子放出素子1間の電界に6×106
V/m以上の部分が10μm以上存在すると、コロナ放
電や火花放電が生じる可能性が出てくる。そこで図1に
示す構成では、被帯電体7と電子放出素子1間の電界を
バイアス電源9により制御して、6×106V/m以上
の部分が10μm以下となるようにしているため、安定
して被帯電体7を帯電することができる。また、電子放
出素子1が、放出電流の集中による局所的な温度上昇、
イオン衝撃による先端部の損傷というような問題をもた
ず、長寿命で安定な動作ができる。
【0024】ところで、上記の電気的負性気体とは、電
子親和力が正の値のため負イオンを安定的に形成しうる
ものである。ここで、電気的負性気体としては、酸素、
水蒸気、ハロゲンガス、SF6、二酸化炭素、NO、N
2、SO2、SO3、HNO3、N25のうちの何れか一
つ、または複数組み合わせたものを用いることができ
る。これらの気体分子は、負イオンになった場合の電子
親和力が大きく電気的負性気体であるが、それでもイオ
ン化し安定化するためには、ほとんどが閉殻分子である
ため電子を捕獲するのは難しい。しかし、分子のクラス
ター化により負イオンになりやすいことが知られている
(例えば、インターネット上のホームページ(http://d
bs.c.u-tokyo.ac.jp/labs/nagata/shosai.html)等で研
究報告が公開されている)。そのため、より効率的に負
イオンを形成でき、これにより効率的に帯電が可能とな
る。特に、水蒸気、二酸化炭素、NO、SO2、酸素、
の組み合わせが比較的安定である。また、文献“静電気
学会誌,23(1),p.37−43(1999)”に
は、これらの気体の組み合わせによる負イオン変化とし
て、開放されている大気中においての概略が示されてお
り、その概略は図2のように示される。実際にはより複
雑であるが、このような効果で効率的に帯電が可能にな
る。
【0025】次に具体的な実施例として、図1に示す構
造の電子放出素子1を用いた電荷発生装置の構成にて、
以下の条件で被帯電体7を帯電させた。 ・基板(絶縁体)2:石英ガラス基板 ・基板電極3:タングステン(W)(石英ガラス基板上
に成膜) ・半導体層4:ポリシリコン ・多孔質半導体層5:シリコン(Si) ・多孔質半導体層5を覆う薄膜絶縁層:SiO2 ・薄膜電極層6:金(Au)(厚さ約15nm) ・被帯電体7:絶縁性ハードアルマイトコートしたアル
ミニウムのアルマイト側 ・電源8,9:直流電源 ・薄膜電極と被帯電物の間隔:1mm
【0026】上記の条件で被帯電体7を帯電するとき、
被帯電体7と電子放出素子1間の空間10に導入される
気体として、純度4Nの酸素と窒素を混合して作成した
合成空気と水蒸気、二酸化炭素、NO、NO2をそれぞ
れ数%混合したときに、火花放電等が発生せず、このと
きの電荷発生装置周辺におけるオゾン濃度及びNOX
度の測定を行ったところ、いずれもオゾン、NOXとも
バックグラウンドレベル以上の値は検出されなかった。
また、電界が6×106V/m以上になるには、通常の
平行平板では相当の高圧をかけないとこの値には達しな
い。しかし、電荷発生装置の電子放出面上に10μm程
度の突起や角がある場合、数kV程度でも電界集中によ
ってこの電界になることがある。例えば、図3に示すよ
うに、図2に示す構成の電子放出素子1の薄膜電極6上
に直径10μmの白金のワイヤー11を固定した場合
は、5kVで放電が発生し、電荷発生装置が破壊され
た。
【0027】次に本発明に係る電荷発生装置(帯電装
置)の別の例を示す。図4は本発明に係る電荷発生装置
を被帯電体に対向して配置した状態を示す断面図であ
る。この実施例は、例えば複写機、プリンタ等の電子写
真方式の画像形成装置に用いられる帯電装置の例であ
り、図4において被帯電体116は像担持体であり、例
えば円筒状の導電性基体上に光導電性の感光層を備えた
構造の感光体である。図4に示す構成の帯電装置の例で
は、シールド102の負イオン生成空間部107内に、
電子放出素子101を設置し、電源109からの電圧が
印加されるようになっている。また、放出された電子の
エネルギーを制御する手段としての電極103が電子放
出素子101の電子放出面に対向して配備されており、
この電極103は制御用の電源104に接続されてい
る。尚、放出された電子のエネルギーを制御する手段と
しては、電極103を使用する以外に、電子放出素子1
01の電子放出面とシールド102の間に電源を配備し
電位差を与える方法もあり、電極103が必要不可欠と
いうわけではない。さらに図中の符号105は気体の導
入路、106は送風ファンや圧縮気体供給手段などの気
体送り込み手段であり、負イオン生成空間部107内に
気体が送り込まれるようになっている。また、シールド
102の負イオン生成空間部107の開口部は、導入さ
れた気体及び負イオンを放出するための放出口108を
形成している。
【0028】次に図5は図4に示す構成の電荷発生装置
(帯電装置)に用いられる電子放出素子の一実施例を示
す概略断面図であり、図中の符号211は下部電極、2
13は上部電極である。電子放出部材212は、P型半
導体層212−1と、その上部に形成されたP+ 型半導
体層212−2と、更にその上部に形成されたN++型半
導体層212−3とで構成されている。これらのP型半
導体層212−1,P + 型半導体層212−2,N++
半導体層212−3の材料としては、単結晶シリコン、
多結晶シリコン、あるいはアモルファスシリコン等が挙
げられる。各半導体層の膜厚とキャリア濃度は、P型半
導体層212−1が数千Å〜数μmで1014〜1016
-3、P+ 型半導体層212−2が数百Åで1016〜1
18cm -3、N++型半導体層212−3が数十Å〜数百
Åで1019〜1020cm-3程度に設定される。
【0029】この実施例において、下部電極211の電
位は上部電極213に印加されているDC電位に対して
数V〜数十Vの負の電位となっている。かかるバイアス
状態においては、P型半導体層212−1とN++型半導
体層212−3は逆バイアス状態となり、P+ 型半導体
層212−2の領域近傍において、強電界によりアバラ
ンシェ降伏が生じる。このアバランシェ降伏は次のよう
にして起こる。一つの電子がPN接合の高電界によって
加速(高エネルギー化)されたとすると、この電子はエ
ネルギーが高いので共有結合の結合手を切って電子−正
孔対を発生させる。発生した高エネルギーの電子はさら
に別の電子−正孔対を発生させる。この現象は105
106V・cm-1以上の高電界の時に起こる。このよう
にして電子−正孔対が雪崩的に増大して起こる接合の降
伏現象がアバランシェ降伏である。このアバランシェ降
伏により生じた高エネルギーの電子(ホットエレクトロ
ン)がN++型半導体層212−3の表面より効率よく上
部電極213の開口部に放出されるため、電子の放出開
始電圧を大幅に低減可能な電子放出を実現することがで
きる。
【0030】また、図6は図4に示す構成の電荷発生装
置(帯電装置)に用いられる電子放出素子の別の実施例
を示す概略断面図であり、図中の符号301はP+ 型半
導体基板、302はP型半導体領域303を包囲するN
+ 型半導体ガードリング、304はアバランシェ降伏を
起こすP+ 半導体領域、305は絶縁膜、306はP +
半導体に対するオーミック電極、307はショットキー
障壁接合となる金属電極、309は電源、破線で囲まれ
た領域310は電子放出時の空乏層である。図6におい
て、原理的に半導体材料としては、例えばSi,Ge,
GaAs,GaP,AlAs,GaAsP,AlGaA
s,SiC,BP,AlN,ダイヤモンド等が適用可能
であり、特に間接遷移型でバンドギャップの大きい材料
が適している。また、ショットキー障壁接合となる金属
電極307の材料としては、Wの他にAl,Au,La
6 等の一般に知られている前記P型半導体に対してシ
ョットキー障壁接合を形成するものであれば良い。
【0031】ここで図7を用いて図6に示す実施例の電
子放出素子の動作原理を説明する。P型半導体とショッ
トキー障壁接合を形成するショットキーダイオードに逆
バイアス電圧を印加することにより、P型半導体の伝導
帯の底Ecはショットキー障壁φBPを形成する電極の
真空準位Evacよりも高いエネルギー準位とすることが
でき、この状態でアバランシェ降伏を起こすことによ
り、P型半導体においては少数キャリアであった電子を
多数生成することが可能となり、電子の放出効率を高め
ることができる。また空乏層内の電界が電子にエネルギ
ーを与えるために、電子がホットエレクトロンとなり、
格子系の温度よりも運動エネルギーが大きくなり、ショ
ットキー障壁接合を形成する電極へと注入される。ショ
ットキー障壁接合を形成する電極表面の仕事関数φWK
よりも大きなエネルギーを持った電子は、真空中へ放出
される。
【0032】以上のような構成からなる帯電装置を用い
て帯電を行う場合には、図4に示すように帯電装置の放
出口108を被帯電体116に対して所定間隔開けて対
向配置させて行う。この帯電装置は次のように動作す
る。ここで、例えば導入される気体は空気であるものと
する。図4において、電子放出素子101に電源109
から電圧が印加されることにより、負イオン生成空間部
107内において電子放出が起こる。ここで電極103
と電子放出素子101の間の電界により、放出された電
子のエネルギーは導入された気体の電離が起こらない低
エネルギーに制御されている。また、シールド102の
電位は、放出される電子を制御するためには、電子放出
面と同電位が望ましいが、勿論これに限るものではな
い。
【0033】純度4Nの酸素と窒素を混合して作成した
合成空気と水蒸気、二酸化炭素、NO、NO2をそれぞ
れ数%混合した空気は、気体送り込み手段(ここでは送
風ファン)106により発生する気流に従い、導入路1
05からイオン生成部107内へ導入され、空気中に存
在する酸素分子等のエネルギー的に安定な負イオン状態
を取る分子や原子への電子付着により負イオンが発生す
る。これに対し、窒素分子のように負イオンがエネルギ
ー的に不安定状態をとる分子や原子は、仮に負イオンが
生成しても再び電子と解離してしまい、エネルギー的に
安定な負イオン状態を取る分子へ電子付着をするまで負
電荷は気体中を電子の状態で移動することとなる。
【0034】このようにして発生した負イオンが気流と
共に放出口108に向かって移動することにより、負イ
オン流が発生する。また、このとき放出口108と被帯
電体116との間に、負イオン生成空間部107におい
て発生した負イオン及び電子が被帯電体116側に向け
て加速流動するような電界が形成されるよう、その被帯
電体116側にバイアス電源120が印加されている。
放出口108から外部に向かう気流、及び放出口108
と被帯電体116との間の電位差により形成される電界
により、放出口108に向けて移動した負イオン流が被
帯電体116上に投射されることによって、被帯電体1
16が帯電される。
【0035】図4に示す構成の電荷発生装置において
は、素子内部の電界によりエネルギーを与えた電子を放
出する電子放出素子101を使用するため、針状の電子
放出端を持つ電界放射陰極と異なり、電子放出動作を行
う際に、素子外部に強電界を必要としない。したがって
放電を発生させることなく負イオン生成が可能である。
また、被帯電体116と電子放出部を対向させる必要が
ないため被帯電体116にバイアス電圧を印加しても素
子外部の電界には影響を与えず、やはり放電は発生しな
い。
【0036】以上のように図4に示す構成の電荷発生装
置においては、電子放出素子101から放出された電子
による電子付着のみを利用して負イオンを発生させるた
め、通常のコロナ放電方式のように反応活性なラジカル
が発生する箇所がないため、放電生成物として良く知ら
れているオゾンやNOX の生成がほとんど起こらない。
さらに前述の針状の電子放出端を持つ電界放射陰極が抱
えている、放出電流の集中による先端部の局所的な温度
上昇、イオン衝撃による先端部の損傷という他の問題を
も解消し、長寿命で安定な動作ができる。
【0037】図1あるいは図4の実施例に示す構成の電
荷発生装置を用いた帯電装置において、純度4Nの酸素
と窒素を混合して作成した合成空気と水蒸気、二酸化炭
素をそれぞれ数%混合した空気を用いて、被帯電体(例
えば、リコー製プリンタ用の感光体ユニット:タイプ8
00)の表面全体を−700Vに帯電させ、この時の帯
電装置周辺におけるオゾン濃度及びNOX 濃度の測定を
行ったところ、いずれもオゾン、NOXともバックグラ
ウンドレベル以上の値は検出されなかった。
【0038】[実施形態2(請求項3,11の実施形
態)]本実施形態では、図1または図4に示した構成の
電荷発生装置を用いた帯電装置において、電気的負性気
体として、酸素、水蒸気、二酸化炭素のうちの何れか一
つ、または複数組み合わせたものを用いる構成としたも
のである。これは、除電装置などの単純な帯電の場合
は、実施形態1に示した請求項2の組み合わせでよい
が、電子写真のプロセスに用いる場合には問題が生ずる
ことがある。すなわち、NO、NO2、HNO3などの物
質は、帯電時に水分を集めた形で被帯電体に低抵抗性の
部分を形成する。そのため、被帯電体が電子写真用の感
光体等では画像流れなどが生じることがある。本発明の
電荷発生装置(帯電装置)では、新しい化合物の発生は
非常に少なくできるため、当初からこれらのガスを導入
しなければ、特に放電により発生する窒素ガスと酸素か
らのNOXに起因する物質が生ぜず、感光体に付着する
ことを防止できる。
【0039】次に具体例として、純度4Nの酸素と窒素
を混合して作成した合成空気と水蒸気、二酸化炭素、N
O、NO2をそれぞれ数%混合した空気と、それからN
O、NO2を除いた空気の2種類の空気を用意し、図1に
示す電荷発生装置(帯電装置)の構成で、それぞれの気
体を電子放出素子1と被帯電体7の間の空間10に導入
して被帯電体7を帯電した。この後、NO、NO2を含
む空気で帯電した場合の被帯電体の表面を分析した結
果、硝酸塩が検出された。また、NO、NO2を除いた
空気で帯電した場合は、硝酸塩は検出されなかった。こ
の硝酸塩は水と一緒になったとき表面抵抗を下げる物質
であり、被帯電体が電子写真用の感光体等では画像流れ
などが生じることがある。尚、通常のコロナワイヤーを
用いた帯電器で同様に帯電を行った場合、上記の2種類
の気体の両方で硝酸塩が検出された。また、ローラ帯電
器でも同様であった。
【0040】[実施形態3(請求項4,11の実施形
態)]本実施形態では、図1または図4に示した構成の
電荷発生装置を用いた帯電装置において、電子放出素子
の電子放出面に、表面が酸化膜に覆われた金属の部分を
有する構成としたものである。具体的な実施例として
は、図1に示す構成の電荷発生装置において、電子放出
素子1の薄膜電極6上に、アルミニウムや、ドープ量を
大きくし低抵抗化させたSi、Mg等をメタルマスクを
用いて線状に蒸着し、酸素プラズマにより、酸化した。
次にその上にCs薄膜を蒸着した後に熱処理した。この
結果、単なる金の薄膜電極のものより帯電速度が1.5
倍に向上した。
【0041】[実施形態4(請求項5,11の実施形
態)]本実施形態では、実施形態1〜3のいずれか一つ
に記載した電荷発生装置(帯電装置)の構成に加えて、
電子放出素子は2つの電極部を有し、一方の電極部を走
査電極とした場合に、もう一方の電極部を複数の信号電
極で構成し、該複数の信号電極を別の電位とすることが
できる構成としたものである。ここで、図8、図9は本
実施形態の電荷発生装置(帯電装置)の一実施例を示す
構成説明図であり、図8は電荷発生装置の電子放出素子
の表面側の一部を拡大して示す要部平面図、図9は電荷
発生装置を用いた帯電装置の構成説明図である。図8,
9において電荷発生装置は、絶縁体からなる基板(例え
ば、石英ガラス基板)12上に形成された電極13と、
この電極13の上に形成された半導体層14と、半導体
層14の上に形成され薄い絶縁層に覆われた多孔質半導
体層15と、多孔質半導体層15の上に形成され大気圧
と連接する気体に満たされた空間10に面するもう一方
の電極(薄膜電極)16とにより形成され、素子内部の
電界によりエネルギーを与えた電子を放出する電子放出
素子1を有している。そして、上記空間10に電気的負
性気体を含む気体を導入する手段と、電子放出素子1に
より放出された電子と電気的負性気体分子により発生し
た負イオンを制御する制御手段を有し、電子放出素子1
1から放出される電子により被帯電物7を帯電させる。
この電荷発生装置においては、図8,9に示すように、
電子放出素子11の2つの電極13,16のうち、一方
の電極13を走査電極とし、もう一方の電極(金属薄膜
電極)16を複数の信号電極で構成し、電源18により
信号電極端子17を介して複数の信号電極16に印加さ
れる電圧を制御して、複数の信号電極16を別々の電位
とするものである。すなわち、図8,9に示す構成で
は、信号電極16の電位を種々にすることにより被帯電
物7上に階調を持った静電画像を形成することが可能と
なる。
【0042】次に具体的な実施例として、図8,9に示
す構成の電荷発生装置で被帯電物7を帯電させた。尚、
図9は素子構造及び走査電極と信号電極を用いた場合の
電気的接合例を示し、図8は実際の電極レイアウト例を
示している。直流電源18により走査電極13と信号電
極端子17間に20Vの電圧を印加し、バイアス電源1
9により素子11と被帯電物7間に400Vの電圧を印
加し、信号電極(金属薄膜電極)16と被帯電体7を1
00μmの間隔にしたときに、300Vの帯電電圧を得
ることができた。また、信号電極16と走査電極13間
の電圧のオン、オフにより静電画像のパターンを得るこ
とができ、さらに電極間の電圧をコントロールすること
により帯電電位の分布を作ることができた。この場合、
信号電極16が正(+)になる場合に被帯電物7を帯電
できた。素子構成の材料的な条件は、実施形態1と同じ
である。ただし、被帯電物7は、裏面をアルミニウムコ
ートしたポリマー基板である。この時、純度4Nの酸素
と窒素を混合して作成した合成空気と水蒸気、二酸化炭
素をそれぞれ数%混合した空気を用いて帯電を行ったも
のでは、帯電装置周辺におけるオゾン濃度およびNOX
濃度の測定を行ったところ、いずれもオゾン、NOX
もバックグラウンドレベル以上の値は検出されなかっ
た。
【0043】[実施形態5(請求項6,11の実施形
態)]本実施形態では、実施形態1〜4のいずれか一つ
に記載した電荷発生装置(帯電装置)の構成に加えて、
電子放出素子の電子放出面を加熱する手段を有する構成
としたものである。ここで、図10は請求項6の一実施
例を示す帯電装置の断面図であり、図4と同様の構成の
電荷発生装置の内部に、電子放出素子101の電子放出
面を加熱する手段150を設けたものである。図4に示
した構成の帯電装置においては、導入する気体が空気の
場合、水蒸気等の生活温度範囲での低温で凝縮する気体
が混在している場合がある。電子放出素子101が動作
中は素子に流れる電流により電子放出面は室温よりも高
温となりうるので上記水蒸気等の気体の影響は受けにく
いが、未使用時の温度低下している電子放出面において
例えば水蒸気が凝縮すると、その後の電子放出動作を著
しく阻害することとなる。そこで図10に示す構成の帯
電装置の実施例では、負イオン生成部107内に、電子
放出素子の電子放出面を加熱する手段150(ここでは
電熱線(ヒーター))を配備している。このため、ヒー
ター150からの輻射熱及び加熱された気体からの熱移
動により、未使用時においても電子放出面の温度が帯電
装置外部の気体に比べて高温となる。これにより未使用
時に水蒸気などが電子放出面に凝縮して電子放出効率を
低下させることを防止でき、帯電効率の向上が可能とな
る。
【0044】本実施例に示す帯電装置において、被帯電
体116(例えば、リコー製プリンタ用の感光体ユニッ
ト:タイプ800)の表面全体を−700Vに帯電さ
せ、この時の帯電装置周辺におけるオゾン濃度及びNO
X 濃度の測定を行ったところ、いずれもオゾン、NOX
ともバックグラウンドレベル以上の値は検出されなかっ
た。また、未使用時にヒーター150を加熱した場合
と、しない場合での帯電に要する時間を比較したとこ
ろ、ヒーター150を加熱していた方が時間が短縮され
ていた。尚、本実施例においては加熱手段として電熱線
(ヒーター)を使用したが、ランプの使用や、シールド
102そのものの加熱という方法を採ることもできる。
【0045】[実施形態6(請求項7,11の実施形
態)]次に請求項7,11に係る発明の実施形態を説明
する。図11は請求項7に係る発明の一実施例を示す図
であって、先の実施形態1〜5に示した構成の電荷発生
装置(例えば図4または図10に示す構成の電荷発生装
置(帯電装置))に用いられる電子放出素子の例を示す
断面図である。この電子放出素子は、n型Si基板を下
部電極513とし、その表面を熱酸化などの方法で酸化
して絶縁層512を5nm形成し、さらにその上にスパ
ッタリングなどの方法で、上部電極518としてAuを
6nmの厚さで成膜してあり、所謂MIS(金属−絶縁
体−半導体)構造を有している。このMIS構造の場合
には、図12に示すように、上部電極518と下部電極
513の間に電源514により電圧(数V〜10V)を
印加すると、n型Si基板中のフェルミ準位近傍の電子
がトンネル現象により障壁を透過して絶縁層512の伝
導帯へ注入され、そこで加速されて上部電極518の伝
導帯へ注入されホットエレクトロンとなる。これらのホ
ットエレクトロンのうち、上部電極518の仕事関数φ
以上のエネルギーを有するものは、素子外部に放出され
る。
【0046】このMIS構造の電子放出素子には様々な
長所がある。まず、素子が薄膜状の単純な構造であるた
め大面積化が容易であり、面状電子放出素子を作成しや
すい。また、上部電極411が平坦かつ大面積であるこ
とにより、針状の電子放出端を持つ電界放射陰極アレイ
等に比べ素子外部410との界面状態が安定であり、ま
た、上部電極411の表面が雰囲気ガスの付着により汚
染して仕事関数φが変化しても電子放出特性には大きな
影響がないため環境ガスの影響を受けにくい。さらに1
0V程度の低電圧の印加でも電子放出動作が可能であ
り、高圧電源等を要しない点も大きな利点である。
【0047】前述の実施形態1〜5のいずれか一つに示
す構成の帯電装置(例えば図4または図10に示す構成
の帯電装置)に、図11に示す構成の電子放出素子を適
用し、被帯電体(例えばリコー製プリンタ用の感光体ユ
ニット:タイプ800)の表面全体を−700Vに帯電
させ、このときの帯電装置周辺におけるオゾン濃度及び
NOX 濃度の測定を行ったところ、いずれもオゾン、N
X ともバックグラウンドレベル以上の値は検出されな
かった。
【0048】[実施形態7(請求項8,11の実施形
態)]次に請求項8,11に係る発明の実施形態を説明
する。図13は請求項8に係る発明の一実施例を示す図
であって、実施形態1〜5に示した構成の電荷発生装置
(例えば図4または図10に示す構成の電荷発生装置
(帯電装置))に用いられる電子放出素子の別の例を示
す断面図である。この電子放出素子は、基板414上に
金属膜からなる下部電極413を形成し、その上に絶縁
層412を形成し、さらにその上に金属膜からなる上部
電極411を形成してあり、所謂MIM(金属−絶縁体
−金属)構造を有している。この図13に示すMIM構
造を電子放出素子として動作させたときの原理を図14
に示す。図14において、上部電極411と下部電極4
13の間に電源417により電圧(数V〜10V)を印
加すると、絶縁膜412内の電界のため、下部電極41
3中のフェルミ準位近傍の電子はトンネル現象により障
壁を透過し、絶縁膜412、上部電極411の伝導帯へ
注入され、そこで加速されて上部電極411の伝導帯へ
注入されホットエレクトロンとなる。これらのホットエ
レクトロンのうち、上部電極411の仕事関数φ以上の
エネルギーを有するものは、素子外部410中に放出さ
れる。例えばAu−Al23−Al構造等において、こ
の原理による電子放出が観測されている(応用物理,V
ol.32,No.8,(1963)p568)。
【0049】上記のAu−Al23−Al構造の電子放
出素子の作製は例えば以下の方法で実施できる。まず表
面を清浄化した基板414上に下部電極413としてA
lを20nm蒸着する。続いて陽極酸化法によりAlを
酸化する。陽極酸化は3%酒石酸アンモニウム水溶液で
4Vの化成電圧で行う。陽極酸化によって酸化できるA
lの膜厚は高い精度で化成電圧に依存しているため、4
Vの化成電圧で4nmのAlのみ選択的に酸化できる。
このようにして下部電極413上にAl23で構成され
る絶縁膜412を形成できる。Alの膜厚を20nm以
外に設定した場合は、化成電圧もそれに対応した電圧と
することは言うまでもない。次に絶縁膜412上に上部
電極411を形成する。上部電極411としては、例え
ばAuを超高真空中での蒸着により10nm形成すれば
よい。尚、本実施例において、Alの酸化過程を、陽極
酸化法の代わりに気相酸化法を用いて行うことも可能で
ある。すなわち、Al膜を真空槽に入れ、0.001〜
10Torr程度の酸素を導入して基板を加熱すること
によりAlを酸化し、Al23からなる絶縁膜412を
形成することができる。
【0050】このMIM構造の電子放出素子には様々な
長所がある。まず、素子が薄膜状の単純な構造であるた
め大面積化が容易であり、面状電子放出素子を作成しや
すい。また上部電極411が平坦かつ大面積のため、針
状の電子放出端を持つ電界放射陰極アレイ等に比べ素子
外部410との界面状態が安定であり、上部電極411
の表面が雰囲気ガスの付着により汚染して仕事関数φが
変化しても電子放出特性には大きな影響がないため環境
ガスの影響を受けにくい。さらに10V程度の低電圧の
印加でも電子放出動作が可能であり高圧電源等を要しな
い点も大きな利点である。さらに、前述のMIS構造と
異なり基板を半導体材料にする必要が無く、ガラス上に
でも形成できるため長尺化や大面積化などが安価にでき
る。
【0051】前述の実施形態1〜5のいずれか一つに示
す構成の帯電装置(例えば図4または図10に示す構成
の帯電装置)に、図13に示す構成の電子放出素子を適
用し、被帯電体(例えばリコー製プリンタ用の感光体ユ
ニット:タイプ800)の表面全体を−700Vに帯電
させ、このときの帯電装置周辺におけるオゾン濃度及び
NOX 濃度の測定を行ったところ、いずれもオゾン、N
X ともバックグラウンドレベル以上の値は検出されな
かった。
【0052】[実施形態8(請求項9,11の実施形
態)]次に請求項9,11に係る発明の実施形態を説明
する。実施形態6の実施例(図11)や実施形態7の実
施例(図13)に示したような、薄い絶縁膜を使用する
電子放出素子においては、電子の放射効率をより高めよ
うとすると(より多くの電子を放射させようとする
と)、前記絶縁膜の膜厚をさらに薄くする必要がある
が、上記絶縁膜の膜厚を薄くしすぎると、前記積層構造
の上下の電極間に電圧を印加した時に絶縁破壊を起こす
恐れがあり、このような絶縁破壊を防止するためには上
記絶縁膜や上記酸化膜の膜厚の薄膜化に制約があるの
で、電子の放出効率(引き出し効率)をあまり高くでき
ないという問題がある。上記問題を解決すべく、請求項
9における電子放出素子は、基本的には多孔質半導体を
高抵抗層として用いた素子であり、金属薄膜/多孔質半
導体/半導体基板をその構成要素にしている。尚、この
ような電子放出素子及び電子放出動作については、「信
学技報,TECHNICAL REPORT OF IEICE.,ED96-141,(1996-1
2)」に詳細な説明がなされている。
【0053】図15は請求項9に係る発明の一実施例を
示す図であって、実施形態1〜5に示した構成の電荷発
生装置(例えば図4または図10に示す構成の電荷発生
装置(帯電装置))に用いられる電子放出素子の別の例
を示す断面図である。この図15に示す構成の電子放出
素子は例えば、以下の方法で作製できる。まず、裏面の
オーミック電極604を取った状態の面方位(100)
のn形シリコン基板(n形シリコンウエハ)(比抵抗が
0.01〜0.03Ωcm)603の表面に、55wt
%HF水溶液とエタノールとの混合液(混合比は1:
1)中で定電流陽極酸化処理を施し、多孔質シリコン層
(以下、PS層という)602を形成する。陽極酸化中
には500Wのタングステンランプにより試料面を光照
射する。PS層602の厚さは約3μmである。作製し
たPS層602の表面にAu薄膜を真空蒸着し(厚さ1
0nm)、これを表面側のAu薄膜電極601として裏
面のオーミック電極604との間でダイオードを形成す
る。
【0054】このダイオードのAu薄膜電極601に電
源605により正電圧VPSを印加し、n形シリコン基板
603からPS層602に電子を注入する。その際の電
流はIPSである。その場合、PS層602は高抵抗であ
るので、印加電界の大部分はPS層602にかかってい
るが、PS層602の表面には酸化層が存在するため、
図16のエネルギーバンド図に示すように、電界強度は
PS層602の表面ほど強い。さらに、n形シリコン基
板603から注入された電子は、Au薄膜電極601側
に向けてPS層602を走行し、Au薄膜電極側に向か
う。そしてPS層602表面付近に達した電子は、そこ
での強電界により一部はAu薄膜電極601をトンネル
し、素子外部に放出される。
【0055】本実施例では電子放出素子を構成する半導
体基板をシリコン基板としたものであるが、本発明はシ
リコン基板に限られたものではなく、陽極酸化を適用で
きる半導体は全て利用することができる。すなわち、ゲ
ルマニウム(Ge)、炭化シリコン(SiC)、ヒ化ガ
リウム(GaAs)、リン化インジウム(InP)、セ
レン化カドミウム(CdSe)など、IV 族、III−V
族、II−VI 族などの単体及び化合物半導体の多くが、
これに該当する。
【0056】本実施例によれば、薄い絶縁膜を形成する
工程が不要であり絶縁破壊の恐れが小さい、複雑な工程
は不要である、素子構成が単純である、大面積化が容易
である、という利点が得られ上述の問題を解決できる。
ただし、「信学技報,TECHNICAL REPORT OF IEICE.,ED96
-141,(1996-12)」によれば、本実施例における電子放出
素子は発光素子としても機能しうるため、例えば電子写
真の感光体に対向させると発光が直接感光体を照射し、
帯電を阻害してしまう。しかしながら、本実施例におい
てはシールド内において負イオン生成を行うため、電子
放出素子が感光体に対向する必要がないため、前記の問
題を回避できる。また、同じく「信学技報,TECHNICAL R
EPORT OF IEICE.,ED96-141,(1996-12)」によると、形成
したPS層602を、1000℃、15分で急速熱酸化
(RTO:Rapid Thermal Oxidation)処理した後に、
PS層602の表面にAu薄膜を真空蒸着したところ、
放出電子量が増大したことも報告されている。これはP
S層602の表面の酸化によりリーク電流が減少し、素
子内部の電界効果が高まったためと考えられている。勿
論このような処理を施した電子放出素子も本実施例に適
用できることは言うまでもない。
【0057】前述の実施形態1〜5のいずれか一つに示
す構成の帯電装置(例えば図4または図10に示す構成
の帯電装置)に、図15に示す構成の電子放出素子を適
用し、被帯電体(例えばリコー製プリンタ用の感光体ユ
ニット:タイプ800)の表面全体を−700Vに帯電
させ、この時の帯電装置周辺におけるオゾン濃度及びN
X 濃度の測定を行ったところ、いずれもオゾン、NO
X ともバックグラウンドレベル以上の値は検出されなか
った。また、実施形態6の実施例(図11)や実施形態
7の実施例(図13)に示した電子放出素子に比べ、素
子の絶縁破壊が起こる頻度が著しく少なかった。
【0058】[実施形態9(請求項10,11の実施形
態)]次に請求項9,11に係る発明の実施形態を説明
する。図17は請求項10に係る発明の一実施例を示す
図であって、実施形態1〜5に示した構成の電荷発生装
置(例えば図4または図10に示す構成の電荷発生装置
(帯電装置))に用いられる電子放出素子の別の例を示
す断面図であり、図中の符号911は下部電極、912
は電子放出部材、913は上部電極である。この電子放
出素子は、下部電極911と、下部電極911上に形成
された300〜500nmの厚さを有するタンタルオキ
サイド(Ta25)膜912−1と、その上部に形成さ
れた約500nmの厚さを有するZnS膜912−2
と、さらにその上部に形成された約10nmの厚さを有
する金(Au)からなる上部電極膜913により構成さ
れている、エレクトロルミネッセント(EL)素子であ
る。尚、このようなEL薄膜の材料及び電子放出動作に
ついては、「応用物理、第63巻、第6号、第592〜595
頁(1994年)」に詳細な説明がなされている。
【0059】次に図17に示す実施例において、電子放
出素子のスイッチングトランジスタがオン状態における
下部電極911に印加されるドライブ電圧波形を図18
に基づいて説明する。図18において、は上部電極9
13、すなわち金からなる上部電極膜913に印加され
ているDC電位である。は電子放出状態における下部
電極911に印加される電位である。DC電位に対し
て下部電極電位として負の電位が印加されているバイ
アス状態においては、ZnS膜912−2の膜中におい
てホットエレクトロンが発生し、金よりなる上部電極膜
913をトンネリングして、このホットエレクトロンが
外部に放出される。尚、図18に示した下部電極911
に印加される駆動電位の波形は、図19に示すような
パルス波形でもよいことが、前記の「応用物理、第63
巻、第6号、第592〜595頁(1994年)」に示されてい
る。
【0060】本実施例においては、発光を伴う電子放出
面を被帯電体に対向させずに帯電動作を行うことができ
るため、被帯電体が電子写真用感光体であっても帯電電
位を低下させることがない。このことにより、薄い絶縁
膜を形成する工程が不要であり絶縁破壊の恐れが小さ
い、複雑な工程は不要である、素子構成が単純である、
大面積化が容易である、という利点をもつ電子放出素子
を問題なく使用することができる。
【0061】前述の実施形態1〜5のいずれか一つに示
す構成の帯電装置(例えば図4または図10に示す構成
の帯電装置)に、図17に示す構成の電子放出素子を適
用し、被帯電体(例えばリコー製プリンタ用の感光体ユ
ニット:タイプ800)の表面全体を−700Vに帯電
させ、このときの帯電装置周辺におけるオゾン濃度及び
NOX 濃度の測定を行ったところ、いずれもオゾン、N
X ともバックグラウンドレベル以上の値は検出されな
かった。また、実施形態6の実施例(図11)や実施形
態7の実施例(図13)に示した電子放出素子に比べ、
素子の絶縁破壊が起こる頻度が著しく少なかった。
【0062】[比較例]本発明の実施形態1〜9に対す
る比較例として、図20に従来のコロナ帯電方式の帯電
装置の構成例を示す。図20に示す従来のコロナワイヤ
ー1001を用いた帯電装置1000を用い、前述の実
施形態1〜9と同一の環境条件で被帯電体116(例え
ばリコー製プリンタ用の感光体ユニット:タイプ80
0)の表面全体を−700Vに帯電させた。この時の帯
電装置周辺におけるオゾン濃度及びNOX 濃度の測定を
行ったところ、オゾン:4ppm、NOX :0.6pp
mが検出された。
【0063】[実施形態10(請求項12の実施形
態)]以上に説明した本発明の電荷発生装置や,その電
荷発生装置を用いた帯電装置は、被帯電体である像担持
体上に静電画像を形成し、該静電画像を現像して可視像
化した後、該可視像を転写材に転写し、画像を形成する
画像形成装置において、被帯電体である像担持体を均一
に帯電する手段、または像担持体上に静電画像を形成す
る手段、もしくは像担持体上の可視像を転写材に転写す
る手段、あるいは像担持体を除電する手段、として用い
るのに最適であり、オゾン、NOX 等の放電生成物の発
生が低減された画像形成装置の提供が可能となる。
【0064】ここで、図21は本発明に係る画像形成装
置の一実施例を示す図であり、例えば実施形態1〜9の
いずれかに示した構成の電荷発生装置(帯電装置)を被
帯電体である像担持体21を均一に帯電する帯電装置2
2として用いた例である。図21において、符号21は
像担持体であるドラム状の光導電性感光体であり、この
感光体21の周囲には、感光体21の表面を均一に帯電
する帯電装置22、帯電された感光体21にレーザー光
等の書込み光LBを照射して静電画像を形成する光書込
み装置23、感光体21上の静電画像をトナーで現像し
て顕像化する現像装置24、感光体21上のトナー画像
を転写紙等の転写材に転写する転写装置25、転写後の
感光体21上の残留トナーや紙粉等を除去するクリーニ
ング装置26、感光体21上の残留電荷を除電する除電
装置27等が配設されている。また、この画像形成装置
には、感光体21と転写装置25の間の転写部に転写材
Pを給紙する給紙部28と、転写材Pに転写されたトナ
ー画像を定着する定着装置29が設けられている。図2
1に示す構成の画像形成装置においては、帯電装置22
として、実施形態1〜9のいずれかに示した構成の電荷
発生装置(帯電装置)を用いているので、コロナ放電な
どのような放電現象を伴なわずに感光体21を均一に帯
電することができ、オゾン、NOX 等の放電生成物の発
生を低減することができる。
【0065】次に図22は本発明に係る画像形成装置の
別の実施例を示す図であり、例えば図8,9に示す構成
の電荷発生装置を、被帯電物である像担持体31上に静
電画像を形成する手段32として用いた例である。図2
2において、符号31はドラム状の像担持体であり、こ
の像担持体31の周囲には、像担持体31の表面を電荷
発生装置を用いて選択的に帯電して静電画像を形成する
静電画像形成手段32、像担持体31上の静電画像をト
ナーで現像して顕像化する現像装置33、像担持体31
上のトナー画像を転写紙等の転写材に転写する転写装置
34、転写後の像担持体31上の残留トナーや紙粉等を
除去するクリーニング装置35、像担持体31上の残留
電荷を除電する除電装置36等が配設されている。ま
た、この画像形成装置には、像担持体31と転写装置3
4の間の転写部に転写材Pを給紙する給紙部37と、転
写材Pに転写されたトナー画像を定着する定着装置38
が設けられている。
【0066】図22に示す構成の画像形成装置において
は、静電画像形成手段32として、図8,9に示すよう
な信号電極と走査電極を有する構成の電荷発生装置を用
いることにより、コロナ放電などのような放電現象を伴
なわずに像担持体31上に静電画像を形成することがで
きるので、オゾン、NOX 等の放電生成物の発生を低減
することができる。また、電荷発生装置を用いて像担持
体31の帯電と画像形成を同時に行うので、図21の構
成よりも簡便な構成の画像形成装置を提供することがで
きる。尚、図22の構成の場合、電荷発生装置を用いて
静電画像の形成を行うので、像担持体31としては、静
電画像を保持できるものならよく、例えば、円筒状の芯
金(電極)上に絶縁体層や誘電体層を積層したもの等を
用いることができる。
【0067】尚、本発明に係る画像形成装置において
は、感光体等の像担持体を帯電する手段や、像担持体上
に静電画像を形成する手段の他に、可視像(トナー像)
を転写材あるいは中間転写体に転写する手段(例えば、
図21,22の転写装置25,34)として実施形態1
〜9のいずれかに示した構成の電荷発生装置を具備する
構成としても良く、この場合には、転写部でのオゾン及
びNOX の発生が防止されると共に均一でむらのない転
写を行うことが可能となり、転写抜け等の転写不良のな
い良好な画像形成を行うことができる。またこの他、像
担持体を除電する手段(例えば、図21,22の除電装
置27,36)として実施形態1〜9のいずれかに示し
た構成の電荷発生装置を用いることができる。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る電
荷発生装置では、素子内部の電界によりエネルギーを与
えた電子を放出する電子放出素子と、電気的負性気体を
含む気体を導入する手段と、前記電子放出素子により放
出された電子と電気的負性気体分子により発生した負イ
オンを制御する制御手段を有し、前記制御手段として、
被帯電体と電子放出素子間の電界を用い、その電界は6
×106V/m以上の部分が10μm以下であることを
特徴とし、前記負イオンにより被帯電体を帯電させる構
成としたものであり、電子放出素子から放出された電子
を利用して負イオンを発生させ、被帯電体を帯電させる
構成のため、電荷を発生させるために放電を用いなくと
も良く、イオン化のために発生する化合物を非常に少な
くできる。また、被帯電体と電子放出素子間の電界に6
×106V/m以上の部分が10μm以上存在すると、
コロナ放電や火花放電が生じる可能性が出てくるが、請
求項1に係る電荷発生装置では、被帯電体と電子放出素
子間の電界を制御して、6×106V/m以上の部分が
10μm以下となるようにしているため、安定して被帯
電体を帯電することができる。また、電子放出素子が、
放出電流の集中による局所的な温度上昇、イオン衝撃に
よる先端部の損傷というような問題をもたず、長寿命で
安定な動作ができる。
【0069】請求項2に係る電荷発生装置では、請求項
1の構成及び効果に加えて、前記電気的負性気体とし
て、酸素、水蒸気、ハロゲンガス、SF6、二酸化炭
素、NO、NO2、SO2、SO3、HNO3、N25のう
ちの何れか一つ、または複数組み合わせたものを用いた
構成としたものである。これらの気体分子は、負イオン
になった場合の電子親和力が大きく電気的負性気体であ
るが、それでもイオン化し安定化するためには、ほとん
どが閉殻分子であるため電子を捕獲するのは難しい。し
かし、分子のクラスター化により負イオンになりやすい
ことが知られており、そのためより効率的に負イオンを
形成でき、これにより効率的に帯電が可能となる。特
に、水蒸気、二酸化炭素、NO、SO2、酸素、の組み
合わせが比較的安定であり、効率的に帯電が可能にな
る。
【0070】請求項3に係る電荷発生装置では、請求項
1の構成及び効果に加えて、前記電気的負性気体とし
て、酸素、水蒸気、二酸化炭素のうちの何れか一つ、ま
たは複数組み合わせたものを用いた構成としたものであ
る。除電装置など、単純な帯電の場合は、請求項2に記
載の組み合わせでよいが、電子写真のプロセスに用いる
場合には問題が生ずることがあり、特にNO、NO2
HNO3などの物質は、帯電時に水分を集めた形で被帯
電体に低抵抗性の部分を形成するため、被帯電体が電子
写真用の感光体等では画像流れなどが生じることがあ
る。本発明の電荷発生装置では新しい化合物の発生は非
常に少なくできるため、請求項3のように、当初からこ
れらのガスを導入しなければ、特に放電により発生する
窒素ガスと酸素からのNOXに起因する物質が生ぜず、
感光体に付着することを防止することができる。
【0071】請求項4に係る電荷発生装置では、請求項
1,2または3の構成及び効果に加えて、前記電子放出
素子の電子放出面に、表面が酸化膜に覆われた金属の部
分を有する構成としたものである。金属上の酸化膜にC
s薄膜を付けて熱処理したものは2次電子放出係数が非
常に大きいことが知られているが、本構成においては、
金属としてアルミニウム、ドープ量を大きくし低抵抗化
させたSi、Mgなどを用い、この金属部分(導電性部
分)をプラス側の電極とし、その酸化膜とCs薄膜によ
るMalter効果を用いて効率的に電子を放出するの
で、非常に多い電子により負イオンを作成して帯電効率
を上げることができる。
【0072】請求項5に係る電荷発生装置では、請求項
1,2,3または4の構成及び効果に加えて、前記電子
放出素子は2つの電極部を有し、一方の電極部を走査電
極とした場合に、もう一方の電極部を複数の信号電極で
構成し、該複数の信号電極を別の電位とすることができ
る構成としたものである。通常の電子写真プロセスで
は、感光体を帯電装置で均一に帯電した後、画像としな
い部分の電荷を感光体の光導電作用により逃がしている
が、請求項5の電荷発生装置では、信号電極と走査電極
で必要な部分の電荷のみを被帯電体に帯電させることが
できるため、帯電に伴う化合物の発生がより少なくな
る。さらに請求項5の電荷発生装置を用いることによ
り、通常用いられるレーザーのスキャン構造や、LED
アレイなどの光書き込み手段を省いた簡便な画像形成装
置を作成できる。さらに、感光体ではなく、単なる誘電
体からなる像担持体を用いた画像形成装置を作製でき
る。
【0073】請求項6に係る電荷発生装置では、請求項
1,2,3,4または5の構成及び効果に加えて、前記
電子放出素子の電子放出面を加熱する手段を有する構成
としたので、ヒーター等の加熱手段からの輻射熱および
加熱された気体からの熱移動により未使用時においても
電子放出面の温度が帯電装置外部の気体に比べて高温と
なる。これにより未使用時に水蒸気などが電子放出面に
凝縮して電子放出効率を低下させることを防止でき、帯
電効率の向上が可能となる。
【0074】請求項7に係る電荷発生装置では、請求項
1〜6のうちの何れか一つの構成及び効果に加えて、前
記電子放出素子は、MIS(金属−絶縁体−半導体)構
造を有する構成としたので、素子が薄膜状の単純な構造
であるため大面積化が容易であり、面状電子放出素子を
作製しやすく生産性が向上する。さらに、素子外部との
界面状態が安定であり、また上部電極の表面が雰囲気ガ
スの付着により汚染して仕事関数φが変化しても電子放
出特性には大きな影響がなく環境ガスの影響を受けにく
いため、帯電能力が安定する。
【0075】請求項8に係る電荷発生装置では、請求項
1〜6のうちの何れか一つの構成及び効果に加えて、前
記電子放出素子は、MIM(金属−絶縁体−金属)構造
を有する構成としたので、基板を半導体材料にする必要
が無く、ガラス上にでも形成できるため長尺化や大面積
化などが安価にできる。
【0076】請求項9に係る電荷発生装置では、請求項
7の構成及び効果に加えて、前記電子放出素子の電子放
出部材は、半導体基板と、該半導体基板の表面を陽極酸
化処理により多孔質化した多孔質半導体層と、該多孔質
半導体層上に形成される金属薄膜電極と、前記半導体基
板の裏面に形成されるオーミック電極とを有する構成と
したので、薄い絶縁膜を形成する工程が不要であり絶縁
破壊の虞が小さい、複雑な工程は不要である、素子構成
が単純である、大面積化が容易である、という利点が得
られ、さらなる電荷発生装置の生産性、低コスト化、帯
電能力の安定性向上が図れる。
【0077】請求項10に係る電荷発生装置では、請求
項1〜6のうちの何れか一つの構成及び効果に加えて、
電子放出素子は、下部電極と、下部電極上に形成された
タンタルオキサイド(Ta25)膜と、タンタルオキサ
イド(Ta25)膜上に形成されたZnS膜と、ZnS
膜上に形成された上部電極とにより構成されているエレ
クトロルミネッセント素子である構成としたので、薄い
絶縁膜を形成する工程が不要であり絶縁破壊の虞が小さ
い、複雑な工程は不要である、素子構成が単純である、
大面積化が容易である、という利点が得られ、帯電装置
生産性の向上、低コスト化および帯電能力の安定性向上
が図れる。
【0078】請求項11に係る帯電装置では、請求項1
〜10のうちの何れか一つに記載の電荷発生装置を備
え、該電荷発生装置の電子放出素子から放出される負イ
オンにより被帯電体を帯電させる構成としたので、請求
項1〜10の何れかと同様の効果が得られ、オゾン、N
X 等の放電生成物の発生が低減され且つ異常放電の発
生が防止された帯電装置を実現することができる。
【0079】請求項12に係る画像形成装置では、被帯
電体である像担持体上に静電画像を形成し、該静電画像
を現像して可視像化した後、該可視像を転写材に転写
し、画像を形成するものであり、被帯電体である像担持
体を均一に帯電する手段、または、像担持体上に静電画
像を形成する手段、もしくは、像担持体上の可視像を転
写材に転写する手段、あるいは、像担持体を除電する手
段として、請求項1〜10のうちの何れか一つに記載の
電荷発生装置、あるいは、請求項11記載の帯電装置を
具備する構成としたので、請求項1〜11の何れかと同
様の効果が得られ、オゾン、NOX 等の放電生成物の発
生が低減された画像形成装置を実現することができる。
また、電荷発生装置を静電画像形成手段として用いた場
合には、装置構成を簡素化でき、低コスト化を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す電荷発生装置(帯電装
置)の構成説明図である。
【図2】水蒸気、二酸化炭素、NO、SO2、酸素を組
み合わせた気体に電子を作用させた場合の負イオン変化
の概略を示す図である。
【図3】図1に示す構成の電荷発生装置に白金ワイヤー
を付加した場合の構成説明図である。
【図4】本発明の別の実施例を示す電荷発生装置(帯電
装置)の構成説明図である。
【図5】本発明の別の実施例を示す電子放出素子の概略
断面図である。
【図6】本発明のさらに別の実施例を示す電子放出素子
の概略断面図である。
【図7】図6に示す構造の電子放出素子の動作原理の説
明図である。
【図8】本発明のさらに別の実施例を示す電荷発生装置
の要部平面図である。
【図9】図8に示す電荷発生装置を用いた帯電装置の構
成説明図である。
【図10】本発明のさらに別の実施例を示す電荷発生装
置(帯電装置)の構成説明図である。
【図11】本発明のさらに別の実施例を示す電子放出素
子の概略断面図である。
【図12】図11に示す構造の電子放出素子の動作原理
の説明図である。
【図13】本発明のさらに別の実施例を示す電子放出素
子の概略断面図である。
【図14】図13に示す構造の電子放出素子の動作原理
の説明図である。
【図15】本発明のさらに別の実施例を示す電子放出素
子の概略断面図である。
【図16】図15に示す構造の電子放出素子におけるエ
ネルギーバンドを示す図である。
【図17】本発明のさらに別の実施例を示す電子放出素
子の概略断面図である。
【図18】図17に示す構造の電子放出素子の下部電極
に印加されるドライブ波形の一例を示す図である。
【図19】図17に示す構造の電子放出素子の下部電極
に印加されるドライブ波形の別の例を示す図である。
【図20】従来のコロナ帯電方式の帯電装置の構成例を
示す断面図である。
【図21】本発明に係る画像形成装置の一実施例を示す
概略構成図である。
【図22】本発明に係る画像形成装置の別の実施例を示
す概略構成図である。
【符号の説明】 1:電子放出素子 2:絶縁体からなる基板(例えば、石英ガラス基板) 3:基板電極 4:半導体層 5:多孔質半導体層 6:薄膜電極層 7:被帯電体 8:電源 9:バイアス電源 11:電子放出素子 12:絶縁体からなる基板(例えば、石英ガラス基板) 13:走査電極 14:半導体層 15:多孔質半導体層 16:信号電極(薄膜電極層) 17:信号電極端子 18:電源 19:バイアス電源 21,31:像担持体(被帯電体) 22:帯電装置(電荷発生装置) 23:光書込み装置 24,33:現像装置 25,34:転写装置 26,35:クリーニング装置 27,36:除電装置 28,37:給紙部 29,38:定着装置 32:静電画像形成手段(電荷発生装置) 101:電子放出素子 102:シールド 103:電極 104:制御用電源 105:気体の導入路 106:気体送り込み手段 107:負イオン生成空間部 108:放出口 109,120:電源 116:被帯電体(感光体) 150:加熱手段(電熱線(ヒーター)) 211:下部電極 212:電子放出部材 212−1:P型半導体層 212−2:P+ 型半導体層 212−3:N++型半導体層 301:P+ 型半導体基板 302:N+ 型半導体ガードリング 303:P型半導体領域 304:P+ 半導体領域 305:絶縁膜 306:オーミック電極 307:金属電極 309:電源 310:電子放出時の空乏層 411:上部電極(金属膜) 412:絶縁膜 413:下部電極(金属膜) 414:基板 512:絶縁層 513:下部電極(半導体基板) 518:上部電極(金属膜) 601:n型シリコン基板 602:多孔質シリコン層 603:Au薄膜電極 604:オーミック電極 911:下部電極 912:電子放出部材 912−1:タンタルオキサイド膜 912−2:ZnS膜 913:上部電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 正治 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 (72)発明者 近藤 浩 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H003 AA18 BB11 CC01 DD00 DD03

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】素子内部の電界によりエネルギーを与えた
    電子を放出する電子放出素子と、電気的負性気体を含む
    気体を導入する手段と、前記電子放出素子により放出さ
    れた電子と電気的負性気体分子により発生した負イオン
    を制御する制御手段を有し、前記制御手段として、被帯
    電体と電子放出素子間の電界を用い、その電界は6×1
    6V/m以上の部分が10μm以下であることを特徴
    とし、前記負イオンにより被帯電体を帯電させることを
    特徴とする電荷発生装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の電荷発生装置において、 前記電気的負性気体として、酸素、水蒸気、ハロゲンガ
    ス、SF6、二酸化炭素、NO、NO2、SO2、SO3
    HNO3、N25のうちの何れか一つ、または複数組み
    合わせたものを用いたことを特徴とする電荷発生装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の電荷発生装置において、 前記電気的負性気体として、酸素、水蒸気、二酸化炭素
    のうちの何れか一つ、または複数組み合わせたものを用
    いたことを特徴とする電荷発生装置。
  4. 【請求項4】請求項1,2または3記載の電荷発生装置
    において、 前記電子放出素子の電子放出面に、表面が酸化膜に覆わ
    れた金属の部分を有することを特徴とする電荷発生装
    置。
  5. 【請求項5】請求項1,2,3または4記載の電荷発生
    装置において、 前記電子放出素子は2つの電極部を有し、一方の電極部
    を走査電極とした場合に、もう一方の電極部を複数の信
    号電極で構成し、該複数の信号電極を別の電位とするこ
    とができることを特徴とする電荷発生装置。
  6. 【請求項6】請求項1,2,3,4または5記載の電荷
    発生装置において、 前記電子放出素子の電子放出面を加熱する手段を有する
    ことを特徴とする電荷発生装置。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のうちの何れか一つに記載の
    電荷発生装置において、 前記電子放出素子は、MIS(金属−絶縁体−半導体)
    構造を有することを特徴とする電荷発生装置。
  8. 【請求項8】請求項1〜6のうちの何れか一つに記載の
    電荷発生装置において、 前記電子放出素子は、MIM(金属−絶縁体−金属)構
    造を有することを特徴とする電荷発生装置。
  9. 【請求項9】請求項7記載の電荷発生装置において、 前記電子放出素子の電子放出部材は、半導体基板と、該
    半導体基板の表面を陽極酸化処理により多孔質化した多
    孔質半導体層と、該多孔質半導体層上に形成される金属
    薄膜電極と、前記半導体基板の裏面に形成されるオーミ
    ック電極とを有することを特徴とする電荷発生装置。
  10. 【請求項10】請求項1〜6のうちの何れか一つに記載
    の電荷発生装置において、 前記電子放出素子は、下部電極と、前記下部電極上に形
    成されたタンタルオキサイド(Ta25)膜と、前記タ
    ンタルオキサイド(Ta25)膜上に形成されたZnS
    膜と、前記ZnS膜上に形成された上部電極とにより構
    成されているエレクトロルミネッセント素子であること
    を特徴とする電荷発生装置。
  11. 【請求項11】被帯電体を帯電する帯電装置において、 請求項1〜10のうちの何れか一つに記載の電荷発生装
    置を備え、該電荷発生装置の電子放出素子から放出され
    る負イオンにより被帯電体を帯電させることを特徴とす
    る帯電装置。
  12. 【請求項12】被帯電体である像担持体上に静電画像を
    形成し、該静電画像を現像して可視像化した後、該可視
    像を転写材に転写し、画像を形成する画像形成装置にお
    いて、 被帯電体である像担持体を均一に帯電する手段、また
    は、像担持体上に静電画像を形成する手段、もしくは、
    像担持体上の可視像を転写材に転写する手段、あるい
    は、像担持体を除電する手段として、請求項1〜10の
    うちの何れか一つに記載の電荷発生装置、あるいは、請
    求項11記載の帯電装置を具備することを特徴とする画
    像形成装置。
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