JP4701674B2 - 電子線照射処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子線照射処理方法に関するものである。
従来から、大気中や真空中へ電子を放出可能な電子放出部から被処理体へ電子線を照射することにより被処理体に物理的作用もしくは化学的作用もしくは生物的作用を生じさせる処理を行う電子線照射処理方法や電子線照射処理装置が提案されている(例えば、特許文献1〜6参照)。
ここにおいて、特許文献1〜6に開示された電子線照射処理方法や電子線照射処理装置では、図5に示すように、電子を放出可能な電子放出部100と被処理体200とが離れており、電子放出部100と被処理体200との間の空間の雰囲気が空気雰囲気もしくは不活性ガスなどのガス雰囲気となっている。なお、図5中の下向きの矢印は電子放出部100から被処理体200へ照射される電子線を示している。
特開2003−107200号公報 特開2003−107199号公報 特開2003−337198号公報 特開2004−79812号公報 特開2001−99997号公報 特開平8−308508号公報
上述のように電子放出部100と被処理体200との間の空間が空気雰囲気やガス雰囲気となっている電子線照射処理方法や電子線照射処理装置では、電子線放出部100から被処理体200への電子線の照射量や電子エネルギが一定しないという不具合や、電子放出部100から放出された電子が雰囲気中の分子と衝突して電子のエネルギがロスしたり電子が消失してしまって処理効率が低いという不具合があった。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、被処理体への電子線の照射条件の安定化が容易で、且つ、処理効率を向上可能な電子線照射処理方法を提供することにある。
請求項1の発明は、電子を放出可能な電子放出部から固体もしくは液体もしくは生物よりなる被処理体へ電子線を照射することにより被処理体に物理的作用もしくは化学的作用もしくは生物的作用を生じさせる処理を行う電子線照射処理方法であって、電子放出部として、表面が平面状である表面電極と下部電極との間に表面電極を高電位側とする駆動電圧が印加されたときに電子が通過する電子通過層を有し表面電極を通して電子を放出する平面型の電子源を用い、電子源の表面電極の表面に被処理体を接するようにして電子源から被処理体へ電子線を直接照射するようにし、電子源として、電子通過層が多数のナノメータオーダの半導体微結晶および各半導体微結晶それぞれの表面に形成され半導体微結晶の結晶粒径よりも小さな膜厚の多数の絶縁膜を有する弾道電子面放出型電子源を用いることを特徴とする。なお、物理的作用とは、励起、電離、イオン化などの他に、表面張力、表面エネルギ、濡れ性、密着性、吸収率、屈折率、結晶構造などの変化、欠陥発生などの物理変化を含み、化学的作用とは、硬化、重合、分解、架橋、酸化、触媒の活性化などの化学反応を含み、生物的作用とは、DNAの損傷などによる滅菌・殺菌・除菌(ウイルス、カビなどを含む)、花粉の失活、殺虫、発芽・老化・成熟の抑制や促進などを含む。
この発明によれば、電子放出部として用いる電子源の表面電極の表面に固体もしくは液体もしくは生物よりなる被処理体が接した状態で被処理体へ電子線を直接照射するので、従来のように電子放出部と被処理体とが離間して両者の間の空間が空気雰囲気やガス雰囲気となっている状態で電子放出部から被処理体へ電子線を照射する場合に比べて、被処理体への電子線の照射条件の安定化が容易で、且つ、処理効率を向上させることが可能となる。
また、この発明によれば、電子源として、電子通過層が多数のナノメータオーダの半導体微結晶および各半導体微結晶それぞれの表面に形成され半導体微結晶の結晶粒径よりも小さな膜厚の多数の絶縁膜を有する弾道電子面放出型電子源を用いるので、電子源とは別に電子加速手段を設けることなく駆動電圧を10〜20V程度として数eV以上の比較的高い電子エネルギの電子を被処理体へ直接照射することができる。また、弾道電子面放出型電子源は低真空中や大気中への電子放出が可能な電子源なので、低真空中や大気中で被処理体へ電子線を直接照射することができるという利点がある。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記被処理体は、前記表面電極の法線方向において前記電子源からの電子が前記被処理体中を通過可能な厚さ寸法内に設けることを特徴とする。
この発明によれば、前記表面電極の法線方向において前記被処理体の全体に前記電子源からの電子が到達しやすくなるので、前記被処理体の全体をより効果的に処理することが可能となる
請求項1の発明では、従来のように電子放出部と固体もしくは液体もしくは生物よりなる被処理体とが離間して両者の間の空間が空気雰囲気やガス雰囲気となっている状態で電子放出部から被処理体へ電子線を照射する場合に比べて、被処理体への電子線の照射条件の安定化が容易で、且つ、処理効率を向上させることが可能となるという効果がある
(実施形態1)
以下、本実施形態の電子線照射処理方法について図1(a)を参照しながら説明するが、まず、被処理体20へ電子線を照射する電子放出部として用いる平面型の電子源10について説明する。
電子源10は、矩形板状の絶縁性基板(例えば、絶縁性を有するガラス基板、絶縁性を有するセラミック基板など)3の一表面上に金属膜(例えば、タングステン膜など)からなる下部電極5が形成され、下部電極5上に強電界ドリフト層6が形成され、強電界ドリフト層6上に表面が平面状である金属薄膜(例えば、金薄膜)からなる表面電極7が形成されている。
本実施形態における電子源10では、強電界ドリフト層6が電子通過層を構成しており、下部電極5と電子通過層と表面電極7とで表面電極7を通して電子を放出する電子源素子10aを構成している。なお、電子源10は、表面電極7および下部電極5それぞれにパッド(図示せず)が電気的に接続されており、電子源素子10aの表面電極7と下部電極5との間に表面電極7を高電位側として駆動電圧を印加できるようになっている。
電子源素子10aの強電界ドリフト層6は、後述のナノ結晶化プロセスおよび酸化プロセスを行うことにより形成されており、図1(b)に示すように、少なくとも、下部電極5の表面側に列設された柱状の多結晶シリコンのグレイン(半導体結晶)51と、グレイン51の表面に形成された薄いシリコン酸化膜52と、グレイン51間に介在する多数のナノメータオーダのシリコン微結晶(半導体微結晶)63と、各シリコン微結晶63の表面に形成され当該シリコン微結晶63の結晶粒径よりも小さな膜厚の酸化膜である多数のシリコン酸化膜(絶縁膜)64とから構成されると考えられる。ここに、各グレイン51は、下部電極5の厚み方向に延びている(つまり、絶縁性基板3の厚み方向に延びている)。
上述の電子源素子10aから電子を放出させるには、表面電極7が下部電極5に対して高電位側となるように表面電極7と下部電極5との間に駆動電圧を駆動電源(図示せず)により印加すれば、下部電極5から強電界ドリフト層6へ注入された電子が強電界ドリフト層6をドリフトし表面電極7を通して放出される(図1(b)中の上向きの矢印は強電界ドリフト層6をドリフトし表面電極7を通して放出された電子eの流れを示す)。ここに、強電界ドリフト層6の表面に到達した電子はホットエレクトロンであると考えられ、表面電極7を容易にトンネルし大気中や真空中に放出される。なお、電子源素子10aは、電子放出特性の真空度依存性が小さく、低真空中や大気圧中でも電子を安定して放出することができる。また、表面電極7にアノード電極(図示せず)を対向配置してアノード電極が表面電極7に対して高電位側となるようにアノード電極と表面電極7との間に加速電圧を電子加速手段としての加速電源から印加するようにすれば、表面電極7を通して放出された電子を加速することもできる。
本実施形態における電子源素子10aの電子放出原理は本願発明者らにより既に提案されており、次のようなモデルで電子放出が起こると考えられる。すなわち、表面電極7と下部電極5との間に表面電極7を高電位側として電圧を印加することにより、下部電極5から強電界ドリフト層6へ電子eが注入される。一方、強電界ドリフト層6に印加された電界の大部分はシリコン酸化膜64にかかるから、注入された電子eはシリコン酸化膜64にかかっている強電界により加速され、強電界ドリフト層6におけるグレイン51の間の領域を表面に向かって図1(b)中の矢印の向き(図1(b)における上向き)へドリフトし、表面電極7をトンネルし放出される。しかして、強電界ドリフト層6では下部電極5から注入された電子がシリコン微結晶63でほとんど散乱されることなくシリコン酸化膜64にかかっている電界で加速されてドリフトし、表面電極7を通して放出される(弾道型電子放出現象)。
上述の強電界ドリフト層6の形成方法の一例について説明する。
強電界ドリフト層6の形成にあたっては、まず、絶縁性基板3上に形成した下部電極5上にノンドープの多結晶シリコン層を例えばLPCVD法などにより形成した後、上述のナノ結晶化プロセスを行うことにより、多結晶シリコンの多数のグレイン51(図1(b)参照)と多数のシリコン微結晶63(図1(b)参照)とが混在する複合ナノ結晶層(以下、第1の複合ナノ結晶層と称す)を形成する。ここにおいて、ナノ結晶化プロセスでは、例えば、55wt%のフッ化水素水溶液とエタノールとを略1:1で混合した混合液よりなる電解液を用い、下部電極5を陽極とし、電解液中において多結晶シリコン層に白金電極よりなる陰極を対向配置して、500Wのタングステンランプからなる光源により多結晶シリコン層の主表面に光照射を行いながら、電源から陽極と陰極との間に定電流(例えば、電流密度が12mA/cmの電流)を所定時間(例えば、10秒)だけ流すことによって、多結晶シリコンのグレイン51およびシリコン微結晶63を含む第1の複合ナノ結晶層を形成する。
ナノ結晶化プロセスが終了した後に、上述の酸化プロセスを行うことで第1の複合ナノ結晶層を電気化学的に酸化することによって、図1(b)のような構成の複合ナノ結晶層(以下、第2の複合ナノ結晶層と称す)からなる強電界ドリフト層6を形成する。酸化プロセスでは、例えば、エチレングリコールからなる有機溶媒中に0.04mol/lの硝酸カリウムからなる溶質を溶かした溶液よりなる電解液を用い、下部電極5を陽極とし、電解液中において第1の複合ナノ結晶層に白金電極よりなる陰極を対向配置して、下部電極5を陽極とし、電源から陽極と陰極との間に定電流(例えば、電流密度が0.1mA/cmの電流)を流し陽極と陰極との間の電圧が20Vだけ上昇するまで第1の複合ナノ結晶層を電気化学的に酸化することによって、上述のグレイン51、シリコン微結晶63、各シリコン酸化膜52,64を含む第2の複合ナノ結晶層からなる強電界ドリフト層6を形成するようになっている。なお、本実施形態では、上述のナノ結晶化プロセスを行うことによって形成される第1の複合ナノ結晶層においてグレイン51、シリコン微結晶63以外の領域はアモルファスシリコンからなるアモルファス領域となっており、強電界ドリフト層6においてグレイン51、シリコン微結晶63、各シリコン酸化膜52,64以外の領域がアモルファスシリコン若しくは一部が酸化したアモルファスシリコンからなるアモルファス領域65となっているが、ナノ結晶化プロセスの条件によってはアモルファス領域65が孔となり、このような場合の第1の複合ナノ結晶層は多孔質多結晶シリコン層とみなすことができる。また、上述の強電界ドリフト層6では、シリコン酸化膜64が絶縁膜を構成しており絶縁膜の形成に酸化プロセスを採用しているが、酸化プロセスの代わりに窒化プロセスないし酸窒化プロセスを採用してもよく、窒化プロセスを採用した場合には各シリコン酸化膜52,64がいずれもシリコン窒化膜となり、酸窒化プロセスを採用した場合には各シリコン酸化膜52,64がいずれもシリコン酸窒化膜となる。
ところで、上述の電子源10は、絶縁性基板3の上記一表面側に下部電極5を形成しているが、絶縁性基板3に代えてシリコン基板などの半導体基板を用い、半導体基板と当該半導体基板の裏面側に積層した導電性層(例えば、オーミック電極)とで下部電極を構成するようにしてもよい。また、上述の電子源10は弾道型電子放出現象により電子を放出する電子源であって弾道電子面放出型電子源(Ballistic electron Surface-emitting Device:BSD)と呼ばれているが、電子源10はBSDに限らず、平面型の電子源であればよく、例えば、上述の電子通過層として強電界ドリフト層6に代えて絶縁体層を採用したMIM(Metal−Insulator−Metal)構造の電子源や、上述の電子通過層として強電界ドリフト層6に代えて下部電極5側の半導体層と表面電極7側の絶縁体層とを採用したMIS(Metal−Insulator−Semiconductor)構造の電子源などを採用してもよく、MIM構造の電子源やMIS構造の電子源においても低真空中へ電子を放出させることができる。
次に、本実施形態の電子線照射処理方法について説明する。
本実施形態の電子線照射処理方法では、電子を放出する電子放出部として上述の平面型の電子源10を用い、図1(a)に示すように電子源10の表面電極7の表面に被処理体20を接するようにして電子源10から被処理体20へ電子線を直接照射することにより被処理体20に物理的作用もしくは化学的作用もしくは生物的作用を生じさせる処理を行う。
被処理体20は、固体、液体、気体、生物のいずれでもよいが、被処理体20が固体の場合には、電子放出部として平面型の電子源10を用いていることにより、電子源10の表面電極7上に被処理体20を容易に設置することが可能である。
また、上述の物理的作用は、励起、電離、イオン化などの他に、表面張力、表面エネルギ、濡れ性、密着性、吸収率、屈折率、結晶構造などの変化、欠陥発生などの物理変化を含み、化学的作用は、硬化、重合、分解、架橋、酸化、触媒の活性化などの化学反応を含み、生物的作用は、DNAの損傷などによる滅菌・殺菌・除菌(ウイルス、カビなどを含む)、花粉の失活、殺虫、発芽・老化・成熟の抑制や促進などを含んでおり、被処理体20に上述の物理的作用もしくは化学的作用もしくは生物的作用を生じさせるのに必要なエネルギの電子を電子源10から被処理体20へ直接照射すればよい。
上述の電子源10の電子源素子10aでは、上記電子加速手段を設けずに、表面電極7と下部電極5との間に印加する駆動電圧を10〜20V程度の低電圧としても数eV以上の比較的高い電子エネルギの電子を放出させることができる。ここにおいて、図2に駆動電圧を種々変化させた場合に真空中へ放出された電子のエネルギN(E)のエネルギ分布の測定結果の一例を示してあるが、同図中の「イ」は駆動電圧を12Vとした場合、「ロ」は駆動電圧を14Vとした場合、「ハ」は駆動電圧を16Vとした場合、それぞれの測定結果である。図2から分かるように、電子源素子10aでは、放出される電子のエネルギ分布が比較的ブロードであり、駆動電圧を増加させるに伴ってエネルギ分布のピークエネルギが高エネルギ側にシフトするので、駆動電圧を調整することによって、放出する電子のエネルギ分布を変化させることができる。なお、従来のフィラメントなどから放出された熱電子のエネルギは0.1〜0.3eV程度、原子や分子の励起に必要な励起エネルギは4eV程度、紫外線のエネルギは4〜12eV程度、原子間結合エネルギは5〜8eV程度であり、これらのエネルギ範囲は、上述の電子源素子10aにおいて駆動電圧を適宜調整することにより得ることができる。なお、上述の物理的作用、化学的作用、生物的作用を生じさせるための電子のエネルギが電子源素子10aから放出される電子のエネルギよりも大きい場合には、例えば上述の電子加速手段により必要なエネルギを与えればよい。例えば、乾燥ガスの電離エネルギは数十〜100eV程度なので、乾燥ガスとして酸素ガスを採用してマイナスイオンおよびプラスイオンを発生させる場合には、上記アノード電極と表面電極7との間に乾燥ガスのイオン化エネルギ以上のエネルギを与える電圧(通常、数十V〜数MV)を印加するようにすればよい。
しかして、本実施形態の電子線照射処理方法では、電子放出部として用いる電子源10の表面電極7の表面に被処理体20が接した状態で被処理体20へ電子線を直接照射するので、図5に示した従来例のように電子放出部100と被処理体200とが離間して電子放出部100と被処理体200との間の空間が空気雰囲気やガス雰囲気となっている状態で電子放出部100から被処理体200へ電子線を照射する場合に比べて、被処理体20への電子線の照射条件(被処理体20へ照射される電子線の照射量、被処理体20へ照射される電子のエネルギやエネルギ分布など)の安定化が容易で、且つ、処理効率を向上させることが可能となる。
ところで、上述の電子線照射処理方法では、電子源10の表面電極7に接するように被処理体20を設けるにあたって、図3に示すように、表面電極7の法線方向(図3の上方向)において電子源10からの電子が被処理体20中を通過可能な厚さ寸法内に設ける(厚さ寸法内にのみ存在させる)ことが望ましい。ここにおいて、電子が被処理体20中を通過可能な厚さ寸法は、被処理体20の種類や処理の内容などによって異なるが、被処理体20が固体や液体である場合には通常は1mm以下、被処理体20が気体である場合には10cm以下である。なお、図3中の上向きの矢印は電子源10から放出された電子eの一部であって被処理体20中を通過した電子eを示してある。
上述のように、被処理体20を、表面電極7の法線方向において電子源10からの電子が被処理体20中を通過可能な厚さ寸法内に設けるようにすれば、表面電極7の法線方向において被処理体20の全体に電子源10からの電子が到達しやすくなるので、被処理体10の全体をより効果的に処理することが可能となる。なお、被処理体20が液体や気体である場合には、例えば、上記厚さ寸法内にのみ被処理体20が存在するように設計したケース内に電子源10を配設すればよい。
なお、上述の電子線照射処理方法では、有害物質の分解・除去や脱臭、ほこりや煙草の煙の分解・除去などを行うことが可能となるので、上述の電子線照射処理方法は、空気清浄機、エアコン、加湿器、除湿器、衣類乾燥機、食器乾燥機、手洗い乾燥機、ファンヒータ、掃除機、冷蔵庫、製氷機、殺虫機など、様々な機器に適用することができる。
次に、上述の電子線照射処理方法を利用した電子線照射処理装置の一例について図4を参照しながら説明する。
図4に示した電子線照射処理装置は、上述の平面型の電子源10と、電子源10の表面電極7上に設けられた触媒材料からなる被処理体20とを備え、電子源10から被処理体20へ電子線を直接照射する(図4中に実線で示した上向きの矢印は電子源10から放出された電子eを示している)ことにより被処理体20の触媒材料を活性化させるものである。ここにおいて、図4に示した例では、被浄化ガスGを同図中に一点鎖線の矢印で示した方向で電子源10の表面電極7の表面に沿って流すように構成されており(電子源10が図示しないケース内に配設され、当該ケースにガス導入口およびガス導出口を設けてある)、被浄化ガスGが電子線により活性化された触媒により浄化される(図4中のPGは浄化されたガスを示している)。なお、上述の電子線照射処理装置では、被処理体20を触媒材料により形成してあるが、被処理体20を改質材料(例えば、高分子膜材料や生体材料など)により形成して、改質材料を電子源10からの電子線により活性化させるようにしてもよい。また、触媒材料としては種々の触媒を採用可能であり、例えば、メタノール、メタンなどから水素を製造する反応に使用する触媒(いわゆる改質触媒)も採用可能である。
本実施形態の電子照射処理装置では、電子源10の表面電極7の表面に被処理体20が接した状態で被処理体20へ電子線が直接照射されるので、図5に示した従来例のように電子放出部100と被処理体200とが離間して電子放出部100と被処理体200と間の空間が空気雰囲気やガス雰囲気となっている状態で電子放出部100から被処理体200へ電子線が照射されるものに比べて、被処理体20への電子線の照射条件(被処理体20へ照射される電子線の照射量、被処理体20へ照射される電子のエネルギやエネルギ分布など)の安定化を図れるとともに、処理効率の向上を図れる。
実施形態1を示し、(a)は電子線照射処理方法の説明図、(b)は電子源の要部説明図である。 同上における電子源の放出電子のエネルギ分布図である。 同上における電子線照射処理方法の説明図である。 同上における電子線照射処理装置の説明図である。 従来例の説明図である。
3 絶縁性基板
5 下部電極
6 強電界ドリフト層
7 表面電極
10 電子源
10a 電子源素子
20 被処理体

Claims (2)

  1. 電子を放出可能な電子放出部から固体もしくは液体もしくは生物よりなる被処理体へ電子線を照射することにより被処理体に物理的作用もしくは化学的作用もしくは生物的作用を生じさせる処理を行う電子線照射処理方法であって、電子放出部として、表面が平面状である表面電極と下部電極との間に表面電極を高電位側とする駆動電圧が印加されたときに電子が通過する電子通過層を有し表面電極を通して電子を放出する平面型の電子源を用い、電子源の表面電極の表面に被処理体を接するようにして電子源から被処理体へ電子線を直接照射するようにし、電子源として、電子通過層が多数のナノメータオーダの半導体微結晶および各半導体微結晶それぞれの表面に形成され半導体微結晶の結晶粒径よりも小さな膜厚の多数の絶縁膜を有する弾道電子面放出型電子源を用いることを特徴とする電子線照射処理方法。
  2. 前記被処理体は、前記表面電極の法線方向において前記電子源からの電子が前記被処理体中を通過可能な厚さ寸法内に設けることを特徴とする請求項1記載の電子線照射処理方法
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