JP3528762B2 - 電界放射型電子源およびその製造方法 - Google Patents

電界放射型電子源およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体材料を用い
て電界放射により電子線を放射するようにした電界放射
型電子源およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電界放射型電子源として、例
えば米国特許3665241号などに開示されているい
わゆるスピント(Spindt)型電極と呼ばれるものがあ
る。このスピント型電極は、微小な三角錐状のエミッタ
チップを多数配置した基板と、エミッタチップの先端部
を露出させる放射孔を有するとともにエミッタチップに
対して絶縁された形で配置されたゲート層とを備え、真
空中にてエミッタチップをゲート層に対して負極として
高電圧を印加することにより、エミッタチップの先端か
ら放射孔を通して電子線を放射するものである。
【0003】しかしながら、スピント型電極は、製造プ
ロセスが複雑であるとともに、多数の三角錐状のエミッ
タチップを精度良く構成することが難しく、例えば平面
発光装置やディスプレイなどへ応用する場合に大面積化
が難しいという問題があった。また、スピント型電極
は、電界がエミッタチップの先端に集中するので、エミ
ッタチップの先端の周りの真空度が低くて残留ガスが存
在するような場合、放射された電子によって残留ガスが
プラスイオンにイオン化され、プラスイオンがエミッタ
チップの先端に衝突するから、エミッタチップの先端が
ダメージ(例えば、イオン衝撃による損傷)を受け、放
射される電子の電流密度や効率などが不安定になった
り、エミッタチップの寿命が短くなってしまうという問
題が生じる。したがって、スピント型電極では、この種
の問題の発生を防ぐために、高真空(約10-5Pa〜約
10-6Pa)で使用する必要があり、コストが高くなる
とともに、取扱いが面倒になるという不具合があった。
【0004】この種の不具合を改善するために、MIM
(Metal Insulator Metal)方式やMOS(Metal Oxid
e Semiconductor)型の電界放射型電子源が提案されて
いる。前者は金属−絶縁膜−金属、後者は金属−酸化膜
−半導体の積層構造を有する平面型の電界放射型電子源
である。しかしながら、このタイプの電界放射型電子源
において電子の放射効率を高めるためには(多くの電子
を放射させるためには)、上記絶縁膜や上記酸化膜の膜
厚を薄くする必要があるが、上記絶縁膜や上記酸化膜の
膜厚を薄くしすぎると、上記積層構造の上下の電極間に
電圧を印加した時に絶縁破壊を起こす恐れがあり、この
ような絶縁破壊を防止するためには上記絶縁膜や上記酸
化膜の膜厚の薄膜化に制約があるので、電子の放出効率
(引き出し効率)をあまり高くできないという不具合が
あった。
【0005】また、近年では、特開平8−250766
号公報に開示されているように、シリコン基板などの単
結晶の半導体基板を用い、その半導体基板の一表面を陽
極酸化することにより多孔質半導体層(多孔質シリコン
層)を形成して、その多孔質半導体層上に金属薄膜を形
成し、半導体基板と金属薄膜との間に電圧を印加して電
子を放射させるように構成した電界放射型電子源(半導
体冷電子放出素子)が提案されている。
【0006】しかしながら、上述の特開平8−2507
66号公報に記載の電界放射型電子源では、基板が半導
体基板に限られるので、大面積化やコストダウン化が難
しいという不具合がある。また、特開平8−25076
6号公報に記載の電界放射型電子源では電子放出時にい
わゆるポッピング現象が生じやすく、放出電子量にむら
が起こりやすいので、平面発光装置やディスプレイなど
に応用すると、発光むらができてしまうという不具合が
ある。
【0007】そこで、本願発明者らは、特願平10−2
72340号、特願平10−272342号、特願平1
0−271876号などにおいて、多孔質層たる多孔質
多結晶シリコン層を急速熱酸化法により酸化する急速熱
酸化(Rapid Thermal Oxidation:RTO)技術にて
酸化することによって、導電性基板(例えば、金属薄
膜)と導電性薄膜との間に介在し導電性基板から注入さ
れた電子がドリフトする強電界ドリフト層を形成した電
界放射型電子源を提案した。
【0008】この電界放射型電子源の製造方法の一例に
ついて図11を参照しながら説明する。
【0009】まず、n形シリコン基板1の裏面にオーミ
ック電極2を形成した後、n形シリコン基板1の表面に
膜厚が略1.5μmのノンドープの多結晶シリコン層3
をLPCVD法によって形成することにより図11
(a)に示すような構造が得られる。
【0010】ノンドープの多結晶シリコン層3を形成し
た後、55wt%のフッ化水素水溶液とエタノールとを
略1:1で混合した混合液よりなる電解液の入った陽極
酸化処理槽を利用し、白金電極(図示せず)を負極、n
形シリコン基板1(オーミック電極2)を正極として、
多結晶シリコン層3に光照射を行いながら定電流で陽極
酸化処理を行うことによって、多孔質多結晶シリコン層
4が形成され図11(b)に示すような構造が得られ
る。
【0011】次に、急速熱酸化法によって多孔質多結晶
シリコン層4の酸化を行うこにより、強電界ドリフト層
6’が形成され図11(c)に示すような構造が得られ
る。なお、急速熱酸化法によって多孔質多結晶シリコン
層4の酸化を行う場合の条件としては、ランプアニール
装置を使用し、乾燥酸素中で酸化温度を800℃〜90
0℃の温度範囲内で設定し、酸化時間を30分〜120
分の範囲内で設定する。
【0012】強電界ドリフト層6’を形成した後、強電
界ドリフト層6’上に金薄膜よりなる導電性薄膜7を蒸
着法によって形成することによって、図11(d)に示
す構造の電界放射型電子源10”が得られる。
【0013】この電界放射型電子源10”では、電子放
出特性の真空度依存性が小さく且つ電子放出時にポッピ
ング現象が発生せず安定して電子を放出することがで
き、また、導電性基板として単結晶シリコン基板などの
半導体基板の他にガラス基板などに導電性膜(例えば、
ITO膜)を形成した基板などを使用することもできる
から、従来のように半導体基板を多孔質化した多孔質半
導体層を利用する場合やスピント型電極に比べて、電子
源の大面積化および低コスト化が可能になる。なお、こ
の種の電界放射型電子源を利用してディスプレイ装置を
構成する場合には、金属薄膜を所定形状にパターニング
する必要がある。
【0014】ところで、上述の強電界ドリフト層6’
は、図12に示すように、少なくとも、柱状の多結晶シ
リコン(グレイン)61と、多結晶シリコン61の表面
に形成された薄いシリコン酸化膜62と、多結晶シリコ
ン61間に介在するナノメータオーダの微結晶シリコン
層63と、微結晶シリコン層63の表面に形成され当該
微結晶シリコン層63の結晶粒径よりも小さな膜厚の絶
縁膜であるシリコン酸化膜64とから構成されるものと
考えられる。すなわち、強電界ドリフト層6’は、各グ
レインの表面が多孔質化し各グレインの中心部分では結
晶状態が維持されていると考えている。したがって、強
電界ドリフト層6’に印加された電界はほとんどシリコ
ン酸化膜64にかかるから、注入された電子はシリコン
酸化膜64にかかっている強電界により加速され多結晶
シリコン61間を表面に向かって図12中の矢印Aの向
きへ(図12中の上方向へ向かって)ドリフトするの
で、電子の放出効率を向上させることができる。
【0015】しかしながら、上述の特願平10−272
340号、特願平10−272342号、特願平10−
271876号に提案した電界放射型電子源では、導電
性基板の耐熱温度以上に急速熱酸化の酸化温度を上げる
ことができないので、基板の材料や導電性膜(例えば、
ITO膜)の材料が制限され、基板の大口径化(大面積
化)が制約されるという不具合があった。
【0016】また、上述のように陽極酸化処理にて形成
された多孔質半導体層(多孔質多結晶シリコン層または
多孔質シリコン層)は、陽極酸化処理において電解液と
してフッ化水素水溶液とエタノールとの混合液を利用し
ているので、シリコン原子が水素原子によって終端され
ることになる。このため、上述の特願平10−2723
40号、特願平10−272342号、特願平10−2
71876号のように陽極酸化処理にて形成された多孔
質半導体層に急速熱酸化を行うことにより酸化膜を成長
すると、酸化膜中に水素原子が残ったり、Si−OHの
結合が生じたりして、SiO2という構造の緻密な酸化
膜にはなりにくく絶縁耐圧が低くなってしまうという不
具合があった。また、強電界ドリフト層中の水素の含有
量が比較的多くなり、強電界ドリフト層中の水素の分布
が経時変化する(例えば、水素原子が強電界ドリフト層
の表面から脱離する)ことにより、電子放出効率の経時
安定性が悪くなる恐れがある。
【0017】また、上述の特願平10−272340
号、特願平10−272342号、特願平10−271
876号に提案した電界放射型電子源では、特開平8−
250766号公報に開示された電界放射型電子源に比
べて低コスト化が可能であり且つ電子を安定して高効率
で放出することができるものの、電子放出効率のより一
層の高効率化が望まれている。
【0018】そこで、図11を参照しながら説明した製
造方法において、多孔質多結晶シリコン層4を急速熱酸
化法によって酸化する代わりに、多孔質多結晶シリコン
層4を電解質溶液中にて電気化学的に酸化することが提
案されている。この酸化にあたっては、電解質溶液とし
て酸(例えば略10%の希硝酸)を用い、白金電極(図
示せず)を負極、n形シリコン基板1(オーミック電極
2)を正極として多孔質多結晶シリコン層4を酸化して
いる。ただし、この酸化では、正極・負極間に一定の化
成電流密度で電流を流し、正極・負極間の電圧が所定電
圧まで上昇した時点で通電を停止させている。
【0019】このように、多孔質多結晶シリコン層4の
酸化を電解質溶液中にて電気化学的に行うことにより、
多孔質多結晶シリコン層4を急速熱酸化法により酸化し
て強電界ドリフト層を形成する(本願発明者らが特願平
10−272340号、特願平10−272342号、
特願平10−271876号で提案している)場合に比
べてプロセス温度が低温になって、導電性基板の材料の
制約が少なくなり、大面積化および低コスト化が可能な
電界放射型電子源を提供することができる。しかも、陽
極酸化処理に引き続いてウェット処理で多孔質多結晶シ
リコン層4を酸化することができるから、陽極酸化処理
の後に急速熱酸化により酸化する場合に比べてプロセス
を簡略化することができる。
【0020】ところで、上述のように多孔質多結晶シリ
コン層4を希硝酸により酸化する際には、ホールを
+、電子をe-とすると、以下の反応が起こっていると
考えられる。負極側:HNO3+3H+→NO+2H2
+3h+正極側:3h++Si+2H2O→SiO2+4H
++e-この反応により強電界ドリフト層6が形成される
過程を図13に示す模式図で説明すると、上記反応が起
こることによって、図13(a)のように多孔質多結晶
シリコン層4で発生したホールh+が多孔質多結晶シリ
コン層4の多結晶シリコン61の表面(つまり、多孔質
多結晶シリコン層4に形成されている微細孔の内面)へ
移動して、図13(b)のように薄いシリコン酸化膜6
2が形成されていき、さらに反応開始からの時間が進む
につれて図13(c)のように多結晶シリコン61の表
面が薄いシリコン酸化膜62で覆われるようになる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ように多孔質多結晶シリコン層4を電解質溶液中にて電
気化学的に酸化した場合、厚み方向において導電性基板
に近い側から導電性基板に遠い側へ酸化が進行していく
(図13(a)における下側から上側に向かって酸化が
進行していく)ので、一定の化成電流密度で電流を流し
正極・負極間の電圧が所定電圧に上昇した時点で通電を
停止させた場合、導電性基板に近い側に形成される酸化
層(シリコン酸化膜62,64)に比べて、導電性基板
に遠い側に形成される酸化層(シリコン酸化膜62,6
4)の膜厚が薄かったり緻密性が不十分であったりし、
強電界ドリフト層6の全領域にわたって緻密な酸化層を
形成するのが難しかった。このため、この製造方法で製
造された電界放射型電子源では、緻密性の悪い酸化層中
での散乱などによって、ドリフトしている電子のエネル
ギが低減され、十分な電子放出効率が得られないという
不具合や、緻密性の悪い酸化層の存在により十分な絶縁
耐圧が得られず、経時安定性が悪くなる恐れがあった。
【0022】本発明は上記事由に鑑みて為されたもので
あり、その目的は、電子放出効率が高く電子放出効率の
経時変化が少ない電界放射型電子源およびその製造方法
を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記
目的を達成するために、導電性基板と、導電性基板の一
表面側に形成された強電界ドリフト層と、該強電界ドリ
フト層上に形成された導電性薄膜とを備え、導電性薄膜
を導電性基板に対して正極として電圧を印加することに
より導電性基板から注入された電子が強電界ドリフト層
をドリフトし導電性薄膜を通して放出される電界放射型
電子源であって、強電界ドリフト層は、多孔質半導体層
を電解液中にて対極に対向配置して電流を流すことによ
り酸化層を形成する酸化工程を含むプロセスにより形成
され、前記酸化工程は、一定の化成電流密度で電流を流
し続けて導電性基板と対極との間の電圧が規定量だけ増
加した後は導電性基板と対極との間の電圧を増加後の電
圧に維持して化成電流密度が所定値まで減少したときに
通電を停止させることを特徴とするものであり、強電界
ドリフト層は、多孔質半導体層を電解液中にて対極に対
向配置して電流を流すことにより酸化層を形成する酸化
工程を含むプロセスにより形成され、前記酸化工程は、
一定の化成電流密度で電流を流し続けて導電性基板と対
極との間の電圧が規定量だけ増加した後は導電性基板と
対極との間の電圧を増加後の電圧に維持して化成電流密
度が所定値まで減少したときに通電を停止させるので、
多孔質半導体層を急速熱酸化法のみにより酸化して強電
界ドリフト層を形成する場合に比べてプロセス温度が低
温になって、導電性基板の制約が少なくなり、大面積化
および低コスト化が容易になり、しかも、強電界ドリフ
ト層中に形成される酸化層の緻密性が向上するので、酸
化層中での散乱などによるエネルギ損失が低減され電子
放出効率が向上し、さらに、絶縁耐圧が向上して電子放
出効率の経時的な安定性が向上する。
【0024】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記電解液が、有機系溶媒と電解質溶液とからなる
ので、化成中に発生するガスが非常に少なくなり、ガス
に起因するピンホールなどの発生が減少し、より安定し
た酸化層を形成できるから、経時的な安定性がさらに向
上する。
【0025】請求項3の発明は、請求項1または請求項
2の発明において、前記電解質溶液の塩が、有機系塩か
らなるので、塩に含まれるアルカリ金属などが残留物と
して強電界ドリフト層中に残ることがなく、導電性基板
と導電性薄膜との間に電圧を印加したときに酸化層へア
ルカリ金属が拡散することもないから、アルカリ金属の
拡散による絶縁耐圧の低下を招くことがなく、経時的な
安定性がさらに向上する。
【0026】請求項4の発明は、請求項1ないし請求項
3の発明において、前記電解液のpHが6〜8の範囲に
あるので、前記導電性基板として、絶縁性基板の一表面
に導電性層を形成したものを用いている場合に、前記電
解液によって導電性層が腐食されるのを防止することが
でき、歩留まりを向上させることができる。
【0027】請求項5の発明は、請求項1ないし請求項
4の発明において、前記多孔質半導体層は、多孔質化さ
れた領域の厚さが面内でほぼ均一なので、導電性薄膜を
導電性基板に対して正極として電圧を印加したときに多
孔質化された領域にほぼ均等に電界が作用するので、強
電界ドリフト層内の等電位面が導電性基板にほぼ平行に
なり、電子の放出方向のばらつきおよび電子の放出量の
むらを小さくすることができる。
【0028】請求項6の発明は、請求項1ないし請求項
5の発明において、前記多孔質半導体層が、多孔質多結
晶シリコンからなるので、電子放出特性の真空度依存性
が小さく且つ電子放出時にポッピング現象が発生せず安
定して高効率で電子を放出することができる。
【0029】請求項7の発明は、導電性基板と、導電性
基板の一表面側に形成された強電界ドリフト層と、該強
電界ドリフト層上に形成された導電性薄膜とを備え、導
電性薄膜を導電性基板に対して正極として電圧を印加す
ることにより導電性基板から注入された電子が強電界ド
リフト層をドリフトし導電性薄膜を通して放出される電
界放射型電子源の製造方法であって、前記強電界ドリフ
ト層の形成にあたっては、前記導電性基板の一表面側に
形成された多孔質半導体層を電解液中にて対極に対向配
置して電流を流すことにより酸化層を形成する酸化工程
を備え、前記酸化工程は、一定の化成電流密度で電流を
流し続けて導電性基板と対極との間の電圧が規定量だけ
増加した後は導電性基板と対極との間の電圧を増加後の
電圧に維持して化成電流密度が所定値まで減少したとき
に通電を停止させることを特徴とし、多孔質半導体層を
急速熱酸化法のみにより酸化して強電界ドリフト層を形
成する場合に比べてプロセス温度が低温になって、導電
性基板の制約が少なくなり、大面積化および低コスト化
が容易になり、しかも、強電界ドリフト層中に形成され
る酸化層の緻密性が向上するので、電子放出効率が高く
電子放出効率の経時変化が少ない電界放射型電子源を提
供することができる。
【0030】請求項8の発明は、請求項7の発明におい
て、前記電解液は、有機系溶媒と電解質溶液とからなる
ので、化成中に発生するガスが非常に少なくなり、ガス
に起因するピンホールなどの発生が減少し、より安定し
た酸化層を形成できるから、経時的な安定性をさらに向
上させた電界放射型電子源を提供することができる。
【0031】請求項9の発明は、請求項7または請求項
8の発明において、前記電解質溶液の塩が、有機系塩か
らなるので、塩に含まれるアルカリ金属などが残留物と
して強電界ドリフト層中に残ることがないから、経時的
な安定性をさらに向上させた電界放射型電子源を提供す
ることができる。
【0032】請求項10の発明は、請求項7ないし請求
項9の発明において、前記電解液のpHが6〜8の範囲
にあるので、前記導電性基板として、絶縁性基板の一表
面に導電性層を形成したものを用いている場合に、前記
電解液によって導電性層が腐食されるのを防止すること
ができ、歩留まりが向上するから、低コスト化を図るこ
とができる。
【0033】請求項11の発明は、請求項7ないし請求
項10の発明において、前記多孔質半導体層を形成する
にあたっては、多孔質化される領域の厚みがほぼ均一と
なるように多孔質半導体層を形成する陽極酸化処理工程
を備えるので、多孔質半導体層の多孔質化された領域の
厚みがほぼ均一となり、前記酸化工程による酸化が面内
でほぼ均一に進行するから、酸化不足の領域が残りにく
くなり、経時的な安定性をさらに向上させた電界放射型
電子源を提供することができる。
【0034】請求項12の発明は、請求項7ないし請求
項11の発明において、前記多孔質半導体層が、多孔質
多結晶シリコンからなるので、強電界ドリフト層がSi
O2の構造若しくはSiO2の構造に近い緻密性の高い
酸化膜を有するようになって、酸化膜の緻密性および膜
質が向上し、電子放出効率および絶縁耐圧を向上させた
電界放射型電子源を提供することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】図1に本実施形態の電界放射型電
子源10の概略断面図を、図2(a)〜(d)に電界放
射型電子源10の製造方法における主要工程断面図を示
す。なお、本実施形態では、導電性基板として抵抗率が
導体の抵抗率に比較的近い単結晶のn形シリコン基板1
(抵抗率が略0.1Ωcmの(100)基板)を用いて
いる。
【0036】本実施形態の電界放射型電子源10は、図
1に示すように、n形シリコン基板1の主表面上にノン
ドープの多結晶シリコン層3が形成され、該多結晶シリ
コン層3上に強電界ドリフト層6が形成され、該強電界
ドリフト層6上に金薄膜よりなる導電性薄膜7が形成さ
れている。また、n形シリコン基板1の裏面にはオーミ
ック電極2が形成されている。
【0037】ところで、本実施形態では、導電性基板と
してn形シリコン基板1を用いているが、導電性基板
は、電界放射型電子源10の負極を構成するとともに真
空中において上述の強電界ドリフト層6を支持し、なお
且つ、強電界ドリフト層6へ電子を注入するものであ
る。したがって、導電性基板は、電界放射型電子源10
の負極を構成し強電界ドリフト層6を支持することがで
きればよいので、n形シリコン基板に限定されるもので
はなく、クロムなどの金属基板であってもよいし、図7
に示すようにガラス基板(あるいはセラミック基板)な
どの絶縁性基板11の一表面に導電性層(例えば、IT
O膜)12を形成したものであってもよい。このような
絶縁性基板11の一表面に導電性層12を形成した基板
を用いる場合には、半導体基板を用いる場合に比べて、
電子源の大面積化および低コスト化が可能になる。
【0038】また、上述の強電界ドリフト層6は、多孔
質多結晶シリコンを後述の電解液中にて電気化学的に酸
化することにより形成されており、導電性基板と導電性
薄膜7との間に電圧を印加したときに電子が注入される
層である。強電界ドリフト層6は、多数のグレインより
なる多結晶体であり、各グレインの表面には酸化膜を有
するナノメータ単位の構造(以下、ナノ構造と称す)が
存在する。強電界ドリフト層6に注入された電子がナノ
構造に衝突することなく(つまり、電子散乱することな
く)強電界ドリフト層6の表面に到達するためには、ナ
ノ構造の大きさは、単結晶シリコン中の電子の平均自由
行程である約50nmよりも小さいものであることが必
要である。ナノ構造の大きさは、具体的には10nmよ
り小さいものがよく、好ましくは5nmよりも小さいも
のがよい。
【0039】また、本実施形態においては、導電性薄膜
7として金薄膜を用いているが、導電性薄膜7は、電界
放射型電子源10の正極を構成するものであり、強電界
ドリフト層6に電界を印加するものである。この電界の
印加により強電界ドリフト層6の表面に到達した電子は
トンネル効果によって導電性薄膜7の表面から放出され
る。したがって、導電性基板と導電性薄膜7との間に印
加する直流電圧によって得られる電子のエネルギから導
電性薄膜7の仕事関数を差し引いたエネルギが放出され
る電子の理想的なエネルギとなるので、導電性薄膜7の
仕事関数は小さいほど望ましい。なお、本実施形態で
は、導電性薄膜7の材料として金を用いているが、導電
性薄膜7の材料は金に限定されるものではなく、仕事関
数の小さな材料であればよく、例えば、アルミニウム、
クロム、タングステン、ニッケル、白金などを用いても
よい。ここに、金の仕事関数は5.10eV、アルミニ
ウムの仕事関数は4.28eV、クロムの仕事関数は
4.50eV、タングステンの仕事関数は4.55e
V、ニッケルの仕事関数は5.15eV、白金の仕事関
数は5.65eVである。
【0040】なお、導電性薄膜7は金薄膜の単層である
が、厚み方向に積層された少なくとも2層の薄膜層で構
成してもよい。導電性薄膜7が2層の薄膜層で構成され
る場合には、上層の薄膜層の材料としては、例えば金な
どを用いることができる。また、下層の薄膜層(強電界
ドリフト層6側の薄膜層)の材料としては、例えば、ク
ロム、ニッケル、白金、チタン、イリジウムなどを用い
ることができる。
【0041】以下、製造方法について図2を参照しなが
ら説明する。
【0042】まず、n形シリコン基板1の裏面にオーミ
ック電極2を形成した後、n形シリコン基板1の表面に
膜厚が略1.5μmのノンドープの多結晶シリコン層3
を形成することにより図2(a)に示すような構造が得
られる。多結晶シリコン層3の成膜は、LPCVD法に
より行い、成膜条件は、真空度を20Pa、基板温度を
640℃、モノシランガスの流量を標準状態で0.6L
/min(600sccm)とした。なお、多結晶シリ
コン層3の成膜は、導電性基板が半導体基板の場合には
LPCVD法やスパッタ法により行ってもよいし、ある
いは、プラズマCVD法によってアモルファスシリコン
を成膜した後にアニール処理を行うことにより結晶化さ
せて成膜してもよい。また、導電性基板がガラス基板に
導電性薄膜を形成した基板の場合には、CVD法により
導電性薄膜上にアモルファスシリコンを成膜した後にエ
キシマレーザでアニールすることにより、多結晶シリコ
ン層を形成してもよい。また、導電性薄膜上に多結晶シ
リコン層を形成する方法はCVD法に限定されるもので
はなく、例えばCGS(Continuous Grain Silicon)
法や触媒CVD法などを用いてもよい。
【0043】ノンドープの多結晶シリコン層3を形成し
た後、55wt%のフッ化水素水溶液とエタノールとを
略1:1で混合した混合液よりなる電解液の入った陽極
酸化処理槽を利用し、白金電極(図示せず)を負極、n
形シリコン基板1(オーミック電極2)を正極として、
多結晶シリコン層3に光照射を行いながら定電流で陽極
酸化処理を行うことによって、多孔質多結晶シリコン層
4が形成され図2(b)に示すような構造が得られる。
なお、本実施形態では、陽極酸化処理の条件として、電
流密度を10mA/cm2一定、陽極酸化時間を30秒
とするとともに、陽極酸化中に500Wのタングステン
ランプにより多結晶シリコン層3の表面に光照射を行っ
た。その結果、本実施形態では、膜厚が略1μmの多孔
質多結晶シリコン層4が形成された。なお、本実施形態
では、多結晶シリコン層3の一部を多孔質化している
が、多結晶シリコン層3全部を多孔質化してもよい。
【0044】上述の陽極酸化処理が終了した後、洗浄を
行い、続いて、多孔質多結晶シリコン層4を電解液中に
て電気化学的に酸化して強電界ドリフト層6を形成する
ことにより図2(c)に示す構造が得られる。この酸化
工程は、図3に示す装置を用いて行う。すなわち、有機
溶媒たるエチレングリコールと電解質溶液たる酒石酸ア
ンモニウムの3%水溶液とを9:1の割合で混合したp
Hがほぼ7の電解液の入った処理槽31に多孔質多結晶
シリコン層4が形成された被処理物30を投入し、多孔
質多結晶シリコン層4を白金電極である対極33に対向
配置して、対極33を負極、n形シリコン基板1(オー
ミック電極2)を正極として、正極と負極との間に通電
する。この通電では、まず一定の化成電流密度の電流を
流し続けて正極と負極との間の電圧が規定量だけ増加し
た後は正極と負極との間の電圧を増加後の電圧に維持し
て化成電流密度が所定値まで減少したときに通電を停止
させる。すなわち、この酸化工程においては、通電開始
からの時間経過にともなって化成電流密度が図4中に実
線で示したイのように変化し、正極と負極との間の電圧
が図4中に一点鎖線で示したロのように変化する。正極
と負極との間の通電パターンは、ガルバノスタット36
により制御される。なお、本実施形態では、上記一定の
化成電流密度を2.5mA/cm2とし、正極と負極と
の間の電圧が規定量だけ増加することで20Vまで上昇
した後、正極と負極との間の電圧を20Vに維持して化
成電流密度が0.01mA/cm2まで減少した時点で
通電を停止した。この酸化工程では、処理槽31を恒温
水槽32の中に入れて電解液の温度を制御することが望
ましい。
【0045】ところで、強電界ドリフト層6は、図5に
示すように、少なくとも、柱状の多結晶シリコン61
(グレイン)と、多結晶シリコン61の表面に形成され
た薄いシリコン酸化膜62と、柱状の多結晶シリコン間
に介在する微結晶シリコン層63と、微結晶シリコン層
63の表面に形成されたシリコン酸化膜64とから構成
されると考えられる。
【0046】強電界ドリフト層6を形成した後は、強電
界ドリフト層6上に金薄膜よりなる導電性薄膜7を例え
ば蒸着により形成することによって、図2(d)(図
1)に示す構造の電界放射型電子源10が得られる。こ
こに、本実施形態では、導電性薄膜7の膜厚を略10n
mとしたが、この膜厚は特に限定するものではない。な
お、電界放射型電子源10は導電性薄膜7を電極の正極
(アノード)とし、オーミック電極2を負極(カソー
ド)とするダイオードが構成される。また、本実施形態
では、導電性薄膜7を蒸着により形成しているが、導電
性薄膜7の形成方法は蒸着に限定されるものではなく、
例えばスパッタ法を用いてもよい。
【0047】本実施形態の電界放射型電子源10では、
次のようなモデルで電子放出が起こると考えられる。す
なわち、図6に示すように、導電性薄膜7と対向する位
置にコレクタ電極21を配置し、導電性薄膜7とオーミ
ック電極2との間に直流電圧Vpsを印加するとともに、
コレクタ電極21と導電性薄膜7との間に直流電圧Vc
を印加することにより、導電性薄膜7をn形シリコン基
板1に対して正極として印加する直流電圧が所定値(臨
界値)に達すると、n形シリコン基板1側から強電界ド
リフト層6へ熱的励起により電子e-が注入される。一
方、強電界ドリフト層6に印加された電界はほとんどシ
リコン酸化膜64(図5参照)にかかるから、注入され
た電子はシリコン酸化膜64にかかっている強電界によ
り加速され、強電界ドリフト層6における多結晶シリコ
ン61の間の空間を表面に向かって図5中の矢印Aの向
きへ(図5の上方向へ向かって)ドリフトし、強電界ド
リフト層6の最表面の酸化層を介して導電性薄膜7をト
ンネルし真空中に放出される。
【0048】上述の製造方法で製造された電界放射型電
子源は、本願発明者らが特願平10−272340号、
特願平10−272342号、特願平10−27187
6号で提案した電界放射型電子源と同様に、電子放出特
性の真空度依存性が小さく且つ電子放出時にポッピング
現象が発生せず安定して電子を放出することができ、ま
た、導電性基板として単結晶シリコン基板などの半導体
基板の他にガラス基板などに導電性膜(例えば、ITO
膜)を形成した基板などを使用することもできるから、
スピント型電極に比べて、電子源の大面積化および低コ
スト化が可能になる。
【0049】また、本実施形態では、強電界ドリフト層
6が、多孔質多結晶シリコン層4を電解液中にて対極に
対向配置して電流を流すことにより酸化層を形成する酸
化工程により形成されているので、多孔質多結晶シリコ
ン層4を急速熱酸化法により酸化して強電界ドリフト層
を形成する(本願発明者らが特願平10−272340
号、特願平10−272342号、特願平10−271
876号で提案している)場合に比べてプロセス温度が
低温になって、導電性基板の材料の制約が少なくなり、
大面積化および低コスト化が可能な電界放射型電子源を
提供することができる。しかも、陽極酸化処理に引き続
いてウェット処理で多孔質多結晶シリコン層4を酸化す
ることができるから、陽極酸化処理の後に急速熱酸化に
より酸化する場合に比べてプロセスを簡略化することが
できる。
【0050】しかも、前記酸化工程は、一定の化成電流
密度で電流を流し続けて導電性基板と対極との間の電圧
が規定量だけ増加した後は導電性基板と対極との間の電
圧を増加後の電圧に維持して化成電流密度が所定値まで
減少したときに通電を停止させるので、強電界ドリフト
層6中に形成される酸化層(シリコン酸化膜62,6
4)の緻密性が向上する(緻密なSiO2が形成され
る)ので、酸化層(シリコン酸化膜64)中での散乱な
どによるエネルギ損失が低減され電子放出効率が向上
し、さらに、絶縁耐圧が向上して電子放出効率の経時的
な安定性が向上する。
【0051】ところで、上述の電解液のpHは7に限定
されるものではなく、6〜8の範囲であれば、導電性基
板として、ガラス基板などの絶縁性基板11の一表面に
導電性層12を形成したものを用いている場合に、電解
液によって導電性層12が腐食されるのを防止すること
ができ、歩留まりを向上させることができる。
【0052】また、有機系溶媒は、上述のエチレングリ
コールに限定されるものではなく、エチレングリコー
ル、γブチルラクトン、メトキシエタノール、グリセリ
ン、ポリエチレングリコール、ポリカーボネイト、ジメ
チルホルムアミドのうちの1種または2種以上の混合物
を用いれば良い。また、電解質溶液として他の有機酸と
アンモニアとの化合物である有機系塩を用いてもよく、
有機酸としては、例えば、炭酸、シュウ酸、マロン酸、
アジピン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、パルミチン
酸、オイレン酸などの飽和脂肪酸や不飽和脂肪酸から選
択すればよい。また、電解質溶液のpHはアンモニウム
水溶液によって6〜8に調製される。なお、アンモニウ
ム塩以外にカリウム塩やナトリウム塩を用いることも可
能である。また、有機系溶媒と電解質溶液との混合比も
上記の比率に限定するものではなく、有機系溶媒と電解
質溶液との割合を5:5〜100:1の範囲で適宜選択
すればよい。また、化成電流密度は0.01〜100m
A/cm2の範囲で適宜選択すればよく、通電を停止さ
せるときの化成電流密度は、通電開始直後の一定化成電
流密度に対して50〜0.001%の範囲で適宜設定す
ればよい。
【0053】電解液の溶媒が有機系溶媒からなる場合に
は、化成中に発生するガスが非常に少なくなり、ガスに
起因するピンホールなどの発生が減少し、より安定した
酸化層を形成できるから、経時的な安定性をさらに向上
させた電界放射型電子源10を提供することができる。
また、電解質溶液の塩が主に有機系塩からなる場合に
は、塩に含まれるアルカリ金属などが残留物として強電
界ドリフト層中に残ることがないから、経時的な安定性
をさらに向上させた電界放射型電子源を提供することが
できる。
【0054】また、本実施形態では、多結晶シリコン層
3の厚み方向における途中まで多孔質多結晶シリコン層
4を形成しているが、n形シリコン基板1に到達するよ
うに多孔質多結晶シリコン層4を形成してもよく、この
場合には、図8に示すようにn形シリコン基板1上に多
結晶シリコン層3を介在させることなく強電界ドリフト
層6が形成される。また、図9に示すように、導電性基
板としてn形シリコン基板1の代わりに、ガラス基板な
どの絶縁性基板11の一表面に導電性層12を形成した
ものを用い、導電性基板上に多結晶シリコン層3を介在
させることなく強電界ドリフト層6を形成してもよい。
【0055】また、本実施形態では、多孔質半導体層と
して多孔質多結晶シリコン層を採用しているが、多孔質
単結晶シリコンを採用してもよい。
【0056】また、多孔質半導体層(多孔質多結晶シリ
コン層4)から強電界ドリフト層6を形成する際には、
上記酸化工程の前後の少なくとも一方に補助酸化工程を
設けてもよい。このような補助酸化工程としては、酸素
(O2)とオゾン(O3)との少なくとも一方を含むガス
雰囲気で紫外光を照射して多孔質多結晶シリコン層4を
酸化する工程、酸素とオゾンとの少なくとも一方を含む
ガス雰囲気でプラズマにさらすことにより上記多孔質多
結晶シリコン層4を酸化する工程、少なくともオゾンを
含むガス雰囲気で100〜600℃で加熱を行うことに
より上記多孔質多結晶シリコン層4を酸化する工程、紫
外光を照射するとともに100〜600℃で加熱を行う
ことにより上記多孔質多結晶シリコン層4を酸化する工
程、急速熱酸化法により上記多孔質多結晶シリコン層4
の酸化を行う工程、酸により上記多孔質多結晶シリコン
層4を酸化する酸化工程、酸化性溶液により上記多孔質
多結晶シリコン層4の酸化を行う工程から適宜選択すれ
ばよい。なお、急速熱酸化法の条件としては、例えば、
ランプアニール装置を使用し、乾燥酸素中で酸化温度を
600℃〜900℃、酸化時間を30分〜120分とす
ればよい。また、酸による酸化の条件としては、酸(例
えば、HNO3、H2SO4、王水など)の入った処理槽
を利用して(この処理槽としては、陽極酸化処理に用い
た処理槽を利用してもよい)、白金電極(図示せず)を
負極、導電性基板たるn形シリコン基板1(オーミック
電極2)を正極として、所定の電流を流せばよい。ま
た、酸化性溶液としては、硝酸、硫酸、塩酸、過酸化水
素水からなる群より選択される1種若しくは2種以上の
酸化剤を用いることが望ましい。
【0057】このような補助酸化工程を追加することに
より、電子放出効率をさらに高めることが可能になる。
【0058】また、陽極酸化処理は、フッ酸とエタノー
ルと水とを適量混合したエッチャントを投入した処理槽
31を恒温水槽32の中に入れて電解液の温度を制御
し、導電性基板に多結晶シリコン層3を形成した被処理
物30と白金電極である対極33とを電解液に浸漬して
導電性基板と対極33との間に通電する。この間には多
結晶シリコン層3の露出した部分にランプ34からの光
照射を行う。導電性基板とと対極33との間に通電する
電流パターンは、ファンクションジェネレータ35およ
びガルバノスタット36により制御される。つまり、フ
ァンクションジェネレータ35では通電電流の極性およ
び通電時間を制御し、ガルバノスタット36では通電電
流の電流値を制御する。本実施形態における電流パター
ンでは、p形シリコン基板16を正極とする期間と負極
とする期間を交互に設けてあり、各期間にそれぞれパル
ス状の電流を通電する。
【0059】ここに、多孔質化は導電性基板を正極とす
る期間に進行し、多孔質化された領域は電流が流れやす
くなる。一方、導電性基板を負極とする期間には電解に
よるガスが多孔質化された領域付近に発生し、次に導電
性基板を正極とするときの多孔質化を抑制することにな
る。つまり、導電性基板を正極とする期間において多孔
質化の進行が速い部位は、次回の多孔質化の際には進行
が抑制されることになる。このような動作の繰り返しに
よって、多孔質化された領域はほぼ均一な厚みになるの
である。
【0060】パルス状の電流の1回当たりの通電期間
(つまりパルス幅)や1回当たりの電流密度は、電解液
の組成および電解液の温度によって適宜に設定される。
つまり、電解液の組成や電解液の温度によって陽極酸化
処理時の電荷量が調節される。また、上述のようにフッ
酸とエタノールと水とを混合した電解液を用いる場合に
は、電解液の温度を0℃から室温の温度範囲に制御す
る。
【0061】
【発明の効果】請求項1の発明は、導電性基板と、導電
性基板の一表面側に形成された強電界ドリフト層と、該
強電界ドリフト層上に形成された導電性薄膜とを備え、
導電性薄膜を導電性基板に対して正極として電圧を印加
することにより導電性基板から注入された電子が強電界
ドリフト層をドリフトし導電性薄膜を通して放出される
電界放射型電子源であって、強電界ドリフト層は、多孔
質半導体層を電解液中にて対極に対向配置して電流を流
すことにより酸化層を形成する酸化工程を含むプロセス
により形成され、前記酸化工程は、一定の化成電流密度
で電流を流し続けて導電性基板と対極との間の電圧が規
定量だけ増加した後は導電性基板と対極との間の電圧を
増加後の電圧に維持して化成電流密度が所定値まで減少
したときに通電を停止させることを特徴とするものであ
り、強電界ドリフト層は、多孔質半導体層を電解液中に
て対極に対向配置して電流を流すことにより酸化層を形
成する酸化工程を含むプロセスにより形成され、前記酸
化工程は、一定の化成電流密度で電流を流し続けて導電
性基板と対極との間の電圧が規定量だけ増加した後は導
電性基板と対極との間の電圧を増加後の電圧に維持して
化成電流密度が所定値まで減少したときに通電を停止さ
せるので、多孔質半導体層を急速熱酸化法のみにより酸
化して強電界ドリフト層を形成する場合に比べてプロセ
ス温度が低温になって、導電性基板の制約が少なくな
り、大面積化および低コスト化が容易になり、しかも、
強電界ドリフト層中に形成される酸化層の緻密性が向上
するので、酸化層中での散乱などによるエネルギ損失が
低減され電子放出効率が向上し、さらに、絶縁耐圧が向
上して電子放出効率の経時的な安定性が向上するという
効果がある。
【0062】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記電解液が、有機系溶媒と電解質溶液とからなる
ので、化成中に発生するガスが非常に少なくなり、ガス
に起因するピンホールなどの発生が減少し、より安定し
た酸化層を形成できるから、経時的な安定性がさらに向
上するという効果がある。
【0063】請求項3の発明は、請求項1または請求項
2の発明において、前記電解質溶液の塩が、有機系塩か
らなるので、塩に含まれるアルカリ金属などが残留物と
して強電界ドリフト層中に残ることがなく、導電性基板
と導電性薄膜との間に電圧を印加したときに酸化層へア
ルカリ金属が拡散することもないから、アルカリ金属の
拡散による絶縁耐圧の低下を招くことがなく、経時的な
安定性がさらに向上するという効果がある。
【0064】請求項4の発明は、請求項1ないし請求項
3の発明において、前記電解液のpHが6〜8の範囲に
あるので、前記導電性基板として、絶縁性基板の一表面
に導電性層を形成したものを用いている場合に、前記電
解液によって導電性層が腐食されるのを防止することが
でき、歩留まりを向上させることができるという効果が
ある。
【0065】請求項5の発明は、請求項1ないし請求項
4の発明において、前記多孔質半導体層は、多孔質化さ
れた領域の厚さが面内でほぼ均一なので、導電性薄膜を
導電性基板に対して正極として電圧を印加したときに多
孔質化された領域にほぼ均等に電界が作用するので、強
電界ドリフト層内の等電位面が導電性基板にほぼ平行に
なり、電子の放出方向のばらつきおよび電子の放出量の
むらを小さくすることができるという効果がある。
【0066】請求項6の発明は、請求項1ないし請求項
5の発明において、前記多孔質半導体層が、多孔質多結
晶シリコンからなるので、電子放出特性の真空度依存性
が小さく且つ電子放出時にポッピング現象が発生せず安
定して高効率で電子を放出することができるという効果
がある。
【0067】請求項7の発明は、導電性基板と、導電性
基板の一表面側に形成された強電界ドリフト層と、該強
電界ドリフト層上に形成された導電性薄膜とを備え、導
電性薄膜を導電性基板に対して正極として電圧を印加す
ることにより導電性基板から注入された電子が強電界ド
リフト層をドリフトし導電性薄膜を通して放出される電
界放射型電子源の製造方法であって、前記強電界ドリフ
ト層の形成にあたっては、前記導電性基板の一表面側に
形成された多孔質半導体層を電解液中にて対極に対向配
置して電流を流すことにより酸化層を形成する酸化工程
を備え、前記酸化工程は、一定の化成電流密度で電流を
流し続けて導電性基板と対極との間の電圧が規定量だけ
増加した後は導電性基板と対極との間の電圧を増加後の
電圧に維持して化成電流密度が所定値まで減少したとき
に通電を停止させることを特徴とし、多孔質半導体層を
急速熱酸化法のみにより酸化して強電界ドリフト層を形
成する場合に比べてプロセス温度が低温になって、導電
性基板の制約が少なくなり、大面積化および低コスト化
が容易になり、しかも、強電界ドリフト層中に形成され
る酸化層の緻密性が向上するので、電子放出効率が高く
電子放出効率の経時変化が少ない電界放射型電子源を提
供することができるという効果がある。
【0068】請求項8の発明は、請求項7の発明におい
て、前記電解液は、有機系溶媒と電解質溶液とからなる
ので、化成中に発生するガスが非常に少なくなり、ガス
に起因するピンホールなどの発生が減少し、より安定し
た酸化層を形成できるから、経時的な安定性をさらに向
上させた電界放射型電子源を提供することができるとい
う効果がある。
【0069】請求項9の発明は、請求項7または請求項
8の発明において、前記電解質溶液の塩が、有機系塩か
らなるので、塩に含まれるアルカリ金属などが残留物と
して強電界ドリフト層中に残ることがないから、経時的
な安定性をさらに向上させた電界放射型電子源を提供す
ることができるという効果がある。
【0070】請求項10の発明は、請求項7ないし請求
項9の発明において、前記電解液のpHが6〜8の範囲
にあるので、前記導電性基板として、絶縁性基板の一表
面に導電性層を形成したものを用いている場合に、前記
電解液によって導電性層が腐食されるのを防止すること
ができ、歩留まりが向上するから、低コスト化を図るこ
とができるという効果がある。
【0071】請求項11の発明は、請求項7ないし請求
項10の発明において、前記多孔質半導体層を形成する
にあたっては、多孔質化される領域の厚みがほぼ均一と
なるように多孔質半導体層を形成する陽極酸化処理工程
を備えるので、多孔質半導体層の多孔質化された領域の
厚みがほぼ均一となり、前記酸化工程による酸化が面内
でほぼ均一に進行するから、酸化不足の領域が残りにく
くなり、経時的な安定性をさらに向上させた電界放射型
電子源を提供することができるという効果がある。
【0072】請求項12の発明は、請求項7ないし請求
項11の発明において、前記多孔質半導体層が、多孔質
多結晶シリコンからなるので、強電界ドリフト層がSi
2の構造若しくはSiO2の構造に近い緻密性の高い酸
化膜を有するようになって、酸化膜の緻密性および膜質
が向上し、電子放出効率および絶縁耐圧を向上させた電
界放射型電子源を提供することができるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1を示す概略断面図である。
【図2】同上の製造プロセスを説明するための主要工程
断面図である。
【図3】同上の製造装置の概略構成図である。
【図4】同上の製造装置を用いた酸化条件の説明図であ
る。
【図5】同上の電子放出機構の原理説明図である。
【図6】同上の動作原理説明図である。
【図7】同上の他の構成例の概略断面図である。
【図8】同上の他の構成例の概略断面図である。
【図9】同上の他の構成例の概略断面図である。
【図10】同上の製造装置の概略構成図である。
【図11】従来の製造プロセスを説明するための主要工
程断面図である。
【図12】同上の電子放出機構の原理説明図である。
【図13】同上の酸化過程を模式的に説明する説明図で
ある。
【符号の説明】
1 n形シリコン基板 2 オーミック電極 3 多結晶シリコン層 6 強電界ドリフト層 7 導電性薄膜 10 電界放射型電子源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本多 由明 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (72)発明者 幡井 崇 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (72)発明者 櫟原 勉 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (72)発明者 近藤 行廣 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−269932(JP,A) 特開 平11−329213(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 9/02 H01J 1/312

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基板と、導電性基板の一表面側に
    形成された強電界ドリフト層と、該強電界ドリフト層上
    に形成された導電性薄膜とを備え、導電性薄膜を導電性
    基板に対して正極として電圧を印加することにより導電
    性基板から注入された電子が強電界ドリフト層をドリフ
    トし導電性薄膜を通して放出される電界放射型電子源で
    あって、強電界ドリフト層は、多孔質半導体層を電解液
    中にて対極に対向配置して電流を流すことにより酸化層
    を形成する酸化工程を含むプロセスにより形成され、前
    記酸化工程は、一定の化成電流密度で電流を流し続けて
    導電性基板と対極との間の電圧が規定量だけ増加した後
    は導電性基板と対極との間の電圧を増加後の電圧に維持
    して化成電流密度が所定値まで減少したときに通電を停
    止させることを特徴とする電界放射型電子源。
  2. 【請求項2】 前記電解液は、有機系溶媒と電解質溶液
    とからなることを特徴とする請求項1記載の電界放射型
    電子源。
  3. 【請求項3】 前記電解質溶液の塩は、有機系塩からな
    ることを特徴とする請求項2記載の電界放射型電子源。
  4. 【請求項4】 前記電解液のpHが6〜8の範囲にある
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに
    記載の電界放射型電子源。
  5. 【請求項5】 前記多孔質半導体層は、多孔質化された
    領域の厚さが面内でほぼ均一であることを特徴とする請
    求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電界放射型電
    子源。
  6. 【請求項6】 前記多孔質半導体層は、多孔質多結晶シ
    リコンからなることを特徴とする請求項1ないし請求項
    5のいずれかに記載の電界放射型電子源。
  7. 【請求項7】 導電性基板と、導電性基板の一表面側に
    形成された強電界ドリフト層と、該強電界ドリフト層上
    に形成された導電性薄膜とを備え、導電性薄膜を導電性
    基板に対して正極として電圧を印加することにより導電
    性基板から注入された電子が強電界ドリフト層をドリフ
    トし導電性薄膜を通して放出される電界放射型電子源の
    製造方法であって、前記強電界ドリフト層の形成にあた
    っては、前記導電性基板の一表面側に形成された多孔質
    半導体層を電解液中にて対極に対向配置して電流を流す
    ことにより酸化層を形成する酸化工程を備え、前記酸化
    工程は、一定の化成電流密度で電流を流し続けて導電性
    基板と対極との間の電圧が規定量だけ増加した後は導電
    性基板と対極との間の電圧を増加後の電圧に維持して化
    成電流密度が所定値まで減少したときに通電を停止させ
    ることを特徴とする電界放射型電子源の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記電解液は、有機系溶媒と電解質溶液
    とからなることを特徴とする請求項7記載の電界放射型
    電子源の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記電解質溶液の塩は、有機系塩からな
    ることを特徴とする請求項8記載の電界放射型電子源の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 前記電解液のpHが6〜8の範囲にあ
    ることを特徴とする請求項7ないし請求項9のいずれか
    に記載の電界放射型電子源の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記多孔質半導体層を形成するにあた
    っては、多孔質化される領域の厚みがほぼ均一となるよ
    うに多孔質半導体層を形成する陽極酸化処理工程を備え
    ることを特徴とする請求項7ないし請求項10のいずれ
    かに記載の電界放射型電子源の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記多孔質半導体層は、多孔質多結晶
    シリコンからなることを特徴とする請求項7ないし請求
    項11のいずれかに記載の電界放射型電子源の製造方
    法。
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