JP4114842B2 - 帯電装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等に用いられ、電子放出によって被帯電体を帯電させる帯電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
UL規格、TUV規格、BAM規格など、複数の国、地域で複数の団体により電子写真方式の画像形成装置に対して、発生するオゾン量を規制するための規格が設定されている。また、画像形成装置においては、帯電装置の放電により発生するNOxに起因する物質が感光体に付着して吸湿することで、感光体表面電位を低下させることにより不良画像が発生するという不具合が問題になっている。
【0003】
従来、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に用いられる帯電装置には、コロナ帯電器、ローラ帯電器、ブラシ帯電器、固体帯電器がある。
コロナ帯電器は、最も多く利用されている帯電方式である。しかし、コロナ帯電器は、非常に多くのオゾンおよびNOxを発生する。そこで、例えば、オゾンの発生量を低減するようにしたコロナ帯電器が特開平9-114192号公報に記載されている。このコロナ帯電器は、非常に細い40〜50ミクロンのワイヤを用いて放電を行うことによりオゾンの発生量を50%以下に低減している。
【0004】
また、特開平6-324556号公報には、ワイヤの3方を囲むように配置された金属筐体と、その解放部近傍に配置された金属メッシュ電極とを有し、ワイヤから発生したオゾンを閉じこめ、オゾン分子の衝突確率を高めることにより、放出されるオゾン量の低減を計るコロナ帯電器が記載されている。
ローラ帯電器は、古くは特開昭56ー91253号公報に記載され、近年、盛んに検討されている帯電方式である。ローラ帯電器は、オゾンの発生を非常に少なくでき、有望視されている。
ブラシ帯電器は、特公昭55-29837号公報などに記載されている。
【0005】
オゾン吸着剤は、帯電装置により発生したオゾンを活性炭などの触媒機能により酸化したり、表面に吸着させたりするのに用いられている。
固体帯電器は、古くは特開昭54-53537号公報に記載されたものがある。特開平5-94077号公報には、絶縁部材上に放電電極を、微小間隔を介して多数併設する装置が記載されている。特開平6-75457号公報には、帯電器と被記録体との間隔を500〜3000μmに設定することにより、イオンの飛距離を短くしてオゾンの拡散を抑制すると共にトナーなどの付着を防止するものが記載されている。
【0006】
特開平9-244350号公報には、板状基板上の放電電極と、その外周に配設した沿面グロー放電手段と、帯電器全体を覆うカバーを備えた放電装置が記載されている。また、特開平9-115646号公報には、平面型固体放電装置において電極材料に特定の仕事関数の材料を用いる事によりNOxの低減を図ったものが記載されている。
【0007】
特開平8-203418号公報には、ライン電極表面にP-N接合の半導体素子、又はエレクトロルミネッセンス材料よりなる電子放出素子層を設けた電荷発生器、及びこれを一画素単位で独立に駆動して誘電体上に潜像を形成する静電潜像形成装置が開示されている。特開平8-137215号公報には、電荷発生制御素子を1次元あるいは2次元に配列して形成した電荷発生器において、上記電荷発生制御素子の電荷放出部材を備えた電荷発生部を素子の最表面に形成すると共に、電荷発生制御素子を素子の下部に形成したことを特徴とする電荷発生器が記載されている。
【0008】
特開平8-92130号公報には、電荷発生制御素子を1次元あるいは2次元に配列して形成した電荷発生器において、上記電荷発生制御素子を半導体基板上に形成すると共に、該電荷発生制御素子の電荷放出部をP−N接合を有するダイオードで構成し、該ダイオードに逆バイアスを印加することによって電子もしくは電荷を放出するように構成したことを特徴とする電荷発生器が記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
コロナ帯電器は、非常に多くのオゾンおよびNOxを発生する。特開平9-114192号公報や特開平6-324556号公報に記載されている、オゾン量を低減させるようにしたコロナ帯電器では、せいぜい50%程度のオゾン量の低減しか出来ず、オゾン吸着剤等の併用が必要であった。
オゾン吸着剤は、経時劣化が生じるためにオゾンフィルタの交換、メンテナンスが必要であった。
【0010】
ローラ帯電器は、帯電が不均一になりやすく、ローラ表面のトナー汚染、ローラに印加するバイアス交流による振動、画像のモワレなどが生じやすい。また、ローラ帯電器は、回転体であり、ローラ表面のクリーニングが必要になるために部材が多い。ローラ帯電器は、他にも、感光体の感光層が絶縁破壊されてピンホールが発生しやすくなったり、振動音、帯電ローラ跡(可塑剤)、ローラの永久変形等が生じやすい。
【0011】
ブラシ帯電器は、筋状帯電むら、環境変動、低温ストリーマ放電、白斑点、感光体磨耗、磨耗感光体の蓄積、ブラシの抜け、感光体傷に対する異常放電に起因するブラシの溶融などの欠点がある。
上述した固体帯電器では、装置を小型化できるなどの利点はあるものの、放電面積が広く、期待するほどオゾンやNOxなどの不快物質の低減は出来ない。
上記静電潜像形成装置においては、一画素単位で駆動する構成の素子であるため、逆に均一帯電による電子写真プロセスへの適用が困難である事、駆動装置等の装置構成全体が煩雑になる事などの欠点を有している。
【0012】
また、被帯電体に対向させて動作させる必要があるため、被帯電体に印加するバイアス電圧がパッシェン則における放電しきい値よりも高い場合には電荷発生器と被帯電体の間の空間で放電破壊が起こり、結局オゾンやNOxなどが発生してしまうという欠点も有している。その上、電子放出面に被帯電体や周囲の雰囲気からの粒子やイオンが付着してしまうため、安定な動作が出来ないという不具合がある。特にエレクトロルミネッセンス材料からなる電子放出素子層の場合には、同時に起こる発光が被帯電体に入射することにより、電子写真用感光体を帯電させる際に帯電電位の低下が起こってしまうという問題がある。
【0013】
請求項1に係る発明は、オゾン及びNOxの発生防止及び長寿命化、均一帯電性の向上を図ることができ、均一な帯電を行うことができる帯電装置を提供することを目的とする。
請求項2に係る発明は、オゾン及びNOxの発生防止、長寿命化及び帯電効率の向上を図ることができ、均一な帯電を行うことができる帯電装置を提供することを目的とする。
【0014】
請求項3に係る発明は、オゾン及びNOxの発生防止、長寿命化及び帯電効率の向上を図ることができ、均一な帯電を行うことができる帯電装置を提供することを目的とする。
【0015】
請求項に係る発明は、オゾン及びNOxの発生防止、長寿命化及び均一帯電性の一層の向上を図ることができる帯電装置を提供することを目的とする。
請求項に係る発明は、オゾン及びNOxの発生防止、長寿命化及び帯電効率の向上を図ることができ、均一な帯電を行うことができる帯電装置を提供することを目的とする。
【0016】
請求項に係る発明は、オゾン及びNOxの発生防止、長寿命化及び帯電効率の一層の向上を図ることができ、均一な帯電を行うことができる帯電装置を提供することを目的とする。
請求項に係る発明は、オゾン及びNOxの発生防止、長寿命化及び帯電効率の一層の向上を図ることができ、均一な帯電を行うことができる帯電装置を提供することを目的とする。
【0017】
請求項に係る発明は、オゾン及びNOxの発生防止、長寿命化及び有毒ガス成分放出防止を図ることができ、均一な帯電を行うことができる帯電装置を提供することを目的とする。
請求項に係る発明は、オゾン及びNOxの発生防止、長寿命化、装置生産性の向上及び帯電能力の安定性向上を図ることができ、均一な帯電を行うことができる帯電装置を提供することを目的とする。
【0018】
請求項10に係る発明は、オゾン及びNOxの発生防止、長寿命化、装置生産性の向上、低コスト化及び帯電能力の安定性向上を図ることができ、均一な帯電を行うことができる帯電装置を提供することを目的とする。
請求項11に係る発明は、オゾン及びNOxの発生防止、長寿命化、装置生産性の向上、低コスト化及び帯電能力の安定性向上を図ることができ、均一な帯電を行うことができる帯電装置を提供することを目的とする。
請求項12に係る発明は、オゾン及びNOxの発生防止、長寿命化、装置生産性の向上、低コスト化及び帯電能力の安定性向上を図ることができ、均一な帯電を行うことができる帯電装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、素子内部の電界によりエネルギーを与えた電子を放出する電子放出素子の電子放出面により形成された負イオン生成空間部と、この負イオン生成空間部に負イオン化するための気体を導入する手段とを備え、前記負イオン生成空間部で生成された負イオンおよび電子を、前記負イオン生成空間部に導入された気体と共に放出して該負イオンおよび電子により被帯電体を帯電させる帯電装置であって、気体放出部と被帯電体の間に被帯電体面に平行で負イオンを通過しうる形状の電極を有し、この電極と気体放出部との間に電圧を印加して負イオンを被帯電体に向かって引き出すものである。
【0020】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の帯電装置において、前記負イオン生成空間部に到達する前の導入気体の経路の所定箇所に配備され、気体に混入した粒子を電子放出面へ付着しないように取り除く粒子フィルタを備えたものである。
【0021】
請求項3に係る発明は、請求項1または2記載の帯電装置において、前記負イオン生成空間部に到達する前の導入気体の経路の所定箇所に配備され、空気から正電荷を取り除く、周囲に対して負電位の正イオンフィルタ用電極を備えたものである。
【0022】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1つに記載の帯電装置において、気体放出部と被帯電体の間に設けられ被帯電体面に平行で負イオンを通過しうる形状を有する第1の電極と、この第1の電極に平行で負イオンを通過しうる形状を有し複数の区画に区分された第2の電極とを備え、この第2の電極の各区画に互いに独立に電圧を印加して負イオンの分布を制御し、前記第1の電極と気体放出部との間に電圧を印加して負イオンを被帯電体に向かって引き出すものである。
【0023】
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか1つに記載の帯電装置において、前記負イオン生成空間部に導入される気体を加熱する手段を有するものである。
【0024】
請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれか1つに記載の帯電装置において、前記負イオン生成空間部に気体を導入する手段としての圧縮空気供給手段と、この圧縮空気供給手段により供給される圧縮空気を酸素高濃度成分と酸素低濃度成分とに分離して排出するガス分離手段と、このガス分離手段により分離された酸素高濃度成分を前記負イオン生成空間部に導入する手段とを有するものである。
【0025】
請求項7に係る発明は、請求項6記載の帯電装置において、前記ガス分離手段を中空糸状のガス分離膜により構成したものである。
【0026】
請求項8に係る発明は、請求項7記載の帯電装置において、前記ガス分離手段により分離された酸素低濃度成分を、当該帯電装置から放出された気体が被帯電体に照射された後に通過する経路近傍に導く手段を有するものである。
【0027】
請求項9に係る発明は、請求項1〜8のいずれか1つに記載の帯電装置において、前記電子放出素子はMIS構造を有するものである。
【0028】
請求項10に係る発明は、請求項1〜8のいずれか1つに記載の帯電装置において、前記電子放出素子はMIM構造を有するものである。
【0029】
請求項11に係る発明は、請求項9記載の帯電装置において、前記電子放出素子は、多孔質半導体層と、該多孔質半導体層の表面側に電子を通過し得る薄膜電極を有し、前記多孔質半導体層の裏面側に該多孔質半導体層に電子を注入し得る電極を有するものである。
【0030】
請求項12に係る発明は、請求項1〜9のいずれか1つに記載の帯電装置において、前記電子放出素子は、下部電極と、この下部電極上に形成されたタンタルオキサイド膜と、このタンタルオキサイド膜上に形成されたZnS膜と、このZnS膜上に形成された上部電極とにより構成されているエレクトロルミネッセント素子であるものである。
【0032】
【発明の実施の形態】
図1および図2は、本発明の第1参考例を示す。この第1参考例は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置などに用いられる帯電装置の例である。この第1参考例の帯電装置では、電極を兼ねたホルダ102に支持された電子放出素子101の電子放出面により負イオン生成空間部107を形成している。この電子放出素子101は電源109から電圧が印加されて動作する。このとき、負イオン生成空間部107を形成する電子放出素子101の電子放出面は等電位面となっており、負イオン生成空間107は無電界状態である。
【0033】
負イオン生成空間部107は気体が導入される導入路105に接続され、送風ファンや圧縮気体供給手段などの気体送り込み手段106は負イオン生成空間部107内に導入路105を通して気体を送り込むようになっている。また、負イオン生成空間部107の開口部は負イオン生成空間部107に導入された気体および負イオンを放出するための放出口108を形成し、負イオン生成空間部107は放出口108及び導入路105との接続部を除いて閉じた空間を形成している。なお、電子放出素子101を構成する基板が例えば厚手の金属板のように剛直であれば、電子放出素子101自体で負イオン生成空間部107の構造を維持できるため、必ずしもホルダ102で電子放出素子101を支持する必要はない。
【0034】
図3は第1参考例の電子放出素子101を示す。電子放出素子101は、下部電極211、開口部を有する上部電極213及び電子放出部材212が積層されて構成されている。電子放出部材212 は、P型半導体層212-1と、その上部に形成されたP+型半導体層212-2と、更にその上部に形成されたN++型半導体層212-3とで構成されている。これらのP型半導体層212-1,P+ 型半導体層212-2,N++型半導体層212-3の材料としては、単結晶シリコン,多結晶シリコン,あるいはアモルファスシリコン等が挙げられる。各半導体層212-1〜212-3の膜厚とキャリア濃度は、P型半導体層212-1が数百nm〜数μmで1014〜1016cm-3、P+ 型半導体層212-2が数十nmで1016〜1018cm-3、N++型半導体層212-3が数nm〜数十nmで1019〜1020cm-3程度に設定される。
【0035】
この第1参考例において、下部電極211の電位は上部電極213 に印加されているDC電位に対して数V〜数十V負の電位となっている。かかるバイアス状態においては、P型半導体層212-1とN++型半導体層212-3は逆バイアス状態となり、P+ 型半導体層212-2の領域近傍において、強電界によりアバランシェ降伏が生じる。
【0036】
このアバランシェ降伏は次のようにして起こる。一つの電子が電子放出部材212におけるPN接合の高電界によって加速(高エネルギー化)されたとすると、この電子はエネルギーが高いので共有結合の結合手を切って電子−正孔対を発生させる。その発生した高エネルギーの電子はさらに別の電子−正孔対を発生させる。この現象は105〜106V・cm-1以上の高電界の時に起こる。このようにして電子−正孔対が雪崩的に増大して起こる接合の降伏現象がアバランシェ降伏である。
【0037】
上記アバランシェ降伏により生じた高エネルギーの電子(ホットエレクトロン)がN++型半導体層212-3の表面より効率よく上部電極213の開口部に放出されるため、電子の放出開始電圧を大幅に低減可能な電子放出を実現することができる。
【0038】
図4は本発明の第2参考例における電子放出素子を示す。この第2参考例は、上記第1参考例において、電子放出素子101の代りに図4に示すような電子放出素子を用いたものである。この電子放出素子は、P+型半導体基板301と、その上部に形成されたP型半導体領域303と、このP型半導体領域303に包囲されるN+型半導体ガードリング302及び、アバランシェ降伏を起こすP+半導体領域304と、P+半導体301に対するオーミック電極306と、ショットキ障壁接合となる金属電極307とにより構成され、電源309から電極306、307の間に電圧が印加される。この電子放出素子の点線で囲まれた領域310は電子放出時の空乏層である。
【0039】
この電子放出素子において、原理的に半導体材料としては、例えばSi,Ge,GaAs,GaP,AlAs,GaAsP,AlGaAs,SiC,BP,AlN,ダイヤモンド等が適用可能であり、特に間接遷移型でバンドギャップの大きい材料が適している。また、ショットキ障壁接合となる金属電極307の材料としては、Wの他にAl,Au,LaB6等一般に知られている上記P型半導体に対してショットキ障壁接合を形成するものであれば良い。
【0040】
ここで、図5を用いて、第2参考例の電子放出素子の動作原理を説明する。
P型半導体とショットキ障壁接合を形成するショットキダイオードに電源309より逆バイアス電圧を印加することにより、P型半導体の伝導帯の底Ecはショットキ障壁φBPを形成する電極307の真空準位Evacよりも高いエネルギー準位とすることができ、この状態でアバランシェ降伏を起こすことにより、P型半導体においては少数キャリアであった電子を多数生成することが可能となり、電子の放出効率を高めることが出来る。また、空乏層310内の電界が電子にエネルギーを与えるために、電子がホットエレクトロンとなり、格子系の温度よりも運動エネルギーが大きくなり、ショットキ障壁接合を形成する電極307へと注入される。ショットキ障壁接合を形成する電極307表面の仕事関数φWKよりも大きなエネルギーを持った電子は、真空中へ放出される。
【0041】
以上のような構成からなる第1参考例、第2参考例の帯電装置を用いて被帯電体116の帯電を行う場合には、図2に示すように帯電装置の放出口108を被帯電体116に対して所定間隔だけあけて対向配置させる。
この帯電装置は、次のように動作する。ここで、例えば負イオン生成空間部107に導入される気体は空気であるものとする。
電子放出素子101に電源109から電圧が印加され、図4に示すような電子放出素子に電源309から電圧が印加されることにより、負イオン生成空間部107内において電子放出が起こる。
【0042】
空気は、気体送り込み手段(ここでは送風ファン)106により発生する気流に従い、導入路105から負イオン生成空間部107内へ導入され、空気中に存在する酸素分子等のエネルギー的に安定な負イオン状態を取る分子や原子への電子付着により負イオンが発生する。これに対し、窒素分子のように負イオンがエネルギー的に不安定状態をとる分子や原子は、仮に負イオンが生成しても再び電子と解離してしまい、エネルギー的に安定な負イオン状態を取る分子へ電子が付着するまで負電荷は気体中を電子の状態で移動することとなる。
【0043】
ここで、負イオン生成空間部107内が無電界であることにより電子が加速されることが無く、仮に電子放出素子から放出された電子が気体分子の電離を起こし得たとしても、そのたびに電子はエネルギーを失っていくため、いずれ電離が不可能なエネルギーとなる。また電離により気体分子から放出された電子の方も加速されることがない。以上の結果として電子雪崩が発生することがないため、コロナ放電のような自続放電に進行することがない。
【0044】
上記のようにして発生した負イオンが気流と共に放出口108に向かって移動することにより、負イオン流が発生する。
また、放出口108と被帯電体116との間に、負イオン生成空間部107において発生した負イオンおよび電子が被帯電体116側に向けて加速流動するような電界が形成されるように、その被帯電体116側にバイアス電源120からバイアス電圧が印加されている。
【0045】
放出口108から外部に向かう気流、および放出口108と被帯電体116との間の電位差により形成される電界により、放出口108に向けて移動した負イオン流が被帯電体116上に投射されることによって、被帯電体116が帯電される。
【0046】
この帯電装置においては、素子内部の電界によりエネルギーを与えた電子を放出する電子放出素子を使用するため、針状の電子放出端を持つ電界放射陰極と異なり、電子放出動作を行う際に、電子放出素子外部に強電界を必要としない。したがって、電子放出面で形成された無電界の空間で負イオン生成が可能であり、かつ放電が発生することがない。
【0047】
また、被帯電体116と電子放出部108を対向させる必要がないために被帯電体116にバイアス電圧を印加しても電子放出素子外部の電界に影響を与えないようにでき、やはり放電は発生し得ない。
さらには、負イオン生成空間部107を形成する壁面全体から電子が放出されるため、非常に高効率の負イオン生成が可能となっている。
【0048】
以上のように第1参考例及び第2参考例においては、電子放出素子から放出された電子による分子や原子への電子付着のみを利用して負イオンを発生させるため、通常のコロナ放電方式のように反応活性なラジカルが発生する箇所がないので、放電生成物として良く知られているオゾンやNOxの生成がほとんど起こらない。
【0049】
さらに、前述の針状の電子放出端を持つ電界放射陰極が抱えている、放出電流の集中による先端部の局所的な温度上昇、イオン衝撃による先端部の損傷という他の問題をも解消し、長寿命で安定な動作ができる。
また、放出口108の形状や位置により負イオン量の分布を調整できるため、シールド内の電子放出素子の位置に依存せずに均一な帯電を行うことが出来る。
【0050】
図3および図4の電子放出素子を使用した第1参考例及び第2参考例の帯電装置により、被帯電体116(例えばリコー感光体ユニット タイプ800)の表面全体を−700Vに帯電させ、この時の帯電装置周辺におけるオゾン濃度およびNOx濃度の測定を行ったところ、いずれもオゾン、NOxともバックグラウンドレベル以上の値は検出されなかった。
【0051】
このように、第1参考例及び第2参考例によれば、素子内部の電界によりエネルギーを与えた電子を放出する電子放出素子の電子放出面により形成された負イオン生成空間部107と、この負イオン生成空間部107に負イオン化するための気体を導入する手段としての気体送り込み手段106及び導入路105とを備え、負イオン生成空間部107で生成された負イオンおよび電子を、負イオン生成空間部107に導入された気体と共に放出して該負イオンおよび電子により被帯電体116を帯電させるので、オゾン及びNOxの発生防止及び長寿命化を図ることができ、均一な帯電を行うことができる。
【0052】
すなわち、電子放出素子から放出された電子による気体の電子付着のみを利用して負イオンを発生させるため、通常のコロナ放電方式のように反応活性なラジカルが発生する箇所がないので、放電生成物として良く知られているオゾンやNOxの生成がほとんど起こらない。また、電子放出素子が放出電流の集中による局所的な温度上昇、イオン衝撃による先端部の損傷というような問題をもたず、長寿命で安定な動作ができる。さらに、放出口の形状や位置により負イオン量の分布を調整できるため、シールド内の電子放出素子の位置に依存せずに均一な帯電を行うことが出来る。
【0053】
次に、本発明の第3参考例について説明する。この第3参考は、上記第1参考例において、図6に示すように、気体送り込み手段106の前段に粒子フィルタ130を配備している。この帯電装置においては、気体は、気体送り込み手段(ここでは送風ファン)106により発生する気流に従い、導入路105から負イオン生成空間部107内へ導入されるが、その際、送風ファン106の前段に配備された粒子フィルタ130により気体に混入している粒子(トナー、埃、たばこの煙など)は取り除かれ、負イオン生成空間部107には清浄な気体が送り込まれる。このため、電子放出面への気体中粒子の付着により電子放出量が不安定になることを防止できる。
【0054】
粒子フィルタ130としては、不織布フィルタが使用できるが、より小さな粒子の侵入を防止する必要があればHEPAフィルタを使用することも可能である。なお、第3参考例では気体送り込み手段106の前段に粒子フィルタ130が配備されているが、もちろん粒子フィルタ130を導入路105内に配備しても同様の効果が得られる。
【0055】
この第3参考例の帯電装置においては、被帯電体116(例えばリコー感光体ユニット タイプ800)の表面全体を−700Vに帯電させ、この時の帯電装置周辺におけるオゾン濃度およびNOx濃度の測定を行ったところ、いずれもオゾン、NOxともバックグラウンドレベル以上の値は検出されなかった。また、粒子フィルタ130を配備する前後での被帯電体116の帯電に要する時間を比較したところ、粒子フィルタ130を配備した後の方が被帯電体116の帯電に要する時間が短縮された。
【0056】
このように、第3参考例によれば、第1参考例において、負イオン生成空間部107に到達する前の導入気体の経路の所定箇所に配備され、気体に混入した粒子を電子放出面へ付着しないように取り除く粒子フィルタ130を備えたので、オゾン及びNOxの発生防止、長寿命化及び帯電効率の向上を図ることができ、均一な帯電を行うことができる。
【0057】
すなわち、第1参考例と同様な効果が得られ、かつ、粒子フィルタにより気体に混入している粒子(トナー、埃、たばこの煙など)が取り除かれて負イオン生成空間部には清浄な気体が送り込まれるため、電子放出面への気体中粒子の付着により電子放出量が不安定になることを防止できる。
なお、上記第2参考例において、第3参考例と同様に気体送り込み手段106の前段に粒子フィルタ130を配備してもよい。
【0058】
次に、本発明の第4参考例について説明する。この第4参考は、上記第1参考例において、図7に示すように気体送り込み手段106の前段に周囲に対して負電位の正イオンフィルタ用電極131を配備し、この電極131に電源132から負の電圧を印加している。
【0059】
静電気学会誌,23(1),p.37−43(1999)によると、通常の大気中ではH3+(H2O)nやNH4 +(H2O)n、ピリジン同族体の正イオン、アミン同族体のイオン等の正イオンの存在が確認されており、これら正イオンがそのまま負イオン生成空間部107内に導入されると、それにより負電荷の中和が起こり帯電効率の低下の原因となる。
【0060】
第4参考例の帯電装置においては、気体は、気体送り込み手段(ここでは送風ファン)106により発生する気流に従い、導入路105から負イオン生成空間部107内へ導入されるが、その際に送風ファン106の前段に配備された周囲に対して負電位の正イオンフィルタ用電極131(ここでは金属メッシュ)により、気体に混入している正イオンは取り除かれ、負イオン生成空間部107には正電荷がほぼ除かれた気体が送り込まれる。
このため、負電荷が上記正イオンにより中和されるのを防止する事ができ、帯電効率の向上につながる。特に正帯電性のトナーを使用している環境では浮遊トナーの負イオン生成空間部への導入も防止でき、いっそう効果がある。
【0061】
第4参考例の帯電装置においては、被帯電体116(例えばリコー感光体ユニット タイプ800)の表面全体を−700Vに帯電させ、この時の帯電装置周辺におけるオゾン濃度およびNOx濃度の測定を行ったところ、いずれもオゾン、NOxともバックグラウンドレベル以上の値は検出されなかった。また、正イオンフィルタ用電極131を配備する前後での被帯電体116の帯電に要する時間を比較したところ、正イオンフィルタ用電極131を配備した後の方が被帯電体116の帯電に要する時間が短縮された。
なお、第4参考例では正イオンフィルタ用電極131として金属メッシュ電極を使用しているが、正イオンフィルタ用電極131は格子状等その他の形状でももちろん適用可能である。
【0062】
このように、第4参考例によれば、第1参考例において、負イオン生成空間部107に到達する前の導入気体の経路の所定箇所に配備され、空気から正電荷を取り除く、周囲に対して負電位の正イオンフィルタ用電極131を備えたので、オゾン及びNOxの発生防止、長寿命化及び帯電効率の向上を図ることができ、均一な帯電を行うことができる。
【0063】
すなわち、第1参考例と同様な効果が得られ、かつ、正イオンフィルタ用電極131により、気体に混入している正イオンが取り除かれているので、負イオン生成空間部には正電荷がほぼ除かれた気体が送り込まれる。このため、負電荷の中和を防止する事ができ、帯電効率の向上につながる。
なお、上記第2参考例、第3参考例において、第4参考例と同様に気体送り込み手段106の前段に周囲に対して負電位の正イオンフィルタ用電極131を配備して該電極131に電源132から負の電圧を印加するようにしてもよい。
【0064】
次に、本発明の第実施例について説明する。この第実施例は、上記第1参考例において、図8に示すように放出口108と被帯電体116との間に、被帯電体116の表面に平行で負イオンを通過しうる形状の電極140(ここでは金属メッシュ)を配備している。ここで、電極140の形状は、そのほか格子状など、負イオンが被帯電体116に到達することを妨げないものであれば特に制限されない。
【0065】
電極140には電源141により気体放出部108に対し正電位となるように電圧を印加してある。さらに、電極140を通過した負イオンおよび電子が被帯電体116側に向けて流動するような電界が形成されるように、被帯電体116側にバイアス電源120により電圧が印加されている。電極140の形状が被帯電体116の表面に平行であるので、電極140−被帯電体116間の電界は気体放出部108の形状に依存せず、均一な電界内を負イオンが飛行するため、被帯電体116の帯電が均一化される。
この第実施例の帯電装置においては、被帯電体116(例えばリコー感光体ユニット タイプ800)の表面全体を−700Vに帯電させ、この時の帯電装置周辺におけるオゾン濃度およびNOx濃度の測定を行ったところ、いずれもオゾン、NOxともバックグラウンドレベル以上の値は検出されなかった。また、被帯電体116の帯電電位の分布を電極140を配備する前後で比較したところ、電極140(ここでは金属メッシュ)を配備した方が被帯電体116の帯電電位の分布が小さくなっていた。
【0066】
この第実施例によれば、第1参考例において、気体放出部108と被帯電体116の間に被帯電体116面に平行で負イオンを通過しうる形状の電極140を有し、この電極140と気体放出部108との間に電圧を印加して負イオンを被帯電体116に向かって引き出すので、オゾン及びNOxの発生防止、長寿命及び均一帯電性の向上を図ることができる。
【0067】
すなわち、第1参考例と同様な効果が得られ、かつ、電極140−被帯電体116間の電界が気体放出部108の形状に依存せず、均一な電界内を負イオンが飛行するために帯電が均一化される。
なお、上記第2参考例乃至第4参考例において、第実施例と同様に放出口108と被帯電体116との間に、被帯電体116の表面に平行で負イオンを通過しうる形状の電極140を配備して該電極140に電源141により気体放出部108に対し正電位となるように電圧を印加するようにしてもよい。
【0068】
次に、本発明の第実施例について説明する。この第実施例は、上記実施例において、図9に示すように被帯電体116の表面に平行で負イオンを通過しうる形状の電極が複数の区画に区分された電極群142で構成され、電極群142の各区画には互いに独立に電圧を印加する事が出来るようになっている。この第6実施例では、電源群143により電極群142の各区画に互いに独立に電圧を印加している。
【0069】
ここで、電極群142の各区画の形状は、格子状であるが、そのほか網状など、負イオンが被帯電体116に到達することを妨げないものであれば特に制限されない。電極群142の各区画には電源群143により独立に、気体放出部108に対し正電位となるように電圧を印加してある。これにより、気体放出部108から負イオンが放出された時点で負イオンの分布が不均一であったとしても、電極群142の電位分布を調整することで負イオンの分布を均一化することが出来る。
【0070】
電極140には電源141により電極群142に対して正電位となるように電圧を印加してある。さらに、電極140を通過した負イオンおよび電子が被帯電体116側に向けて流動するような電界が形成されるように、その被帯電体116側にバイアス電源120により電圧が印加されている。電極140の形状が被帯電体116の表面に平行であるため、電極140−被帯電体116間の電界は電極群142の電位分布に依存せず、均一な電界内を負イオンが飛行するため被帯電体116の帯電が均一化される。
この第実施例の帯電装置においては、被帯電体116(例えばリコー感光体ユニット タイプ800)の表面全体を−700Vに帯電させ、この時の帯電装置周辺におけるオゾン濃度およびNOx濃度の測定を行ったところ、いずれもオゾン、NOxともバックグラウンドレベル以上の値は検出されなかった。また、被帯電体116の帯電電位の分布を上記第実施例と比較したところ、本第実施例の方がさらに被帯電体116の帯電電位の分布が小さくなり改善されていた。
【0071】
この第実施例によれば、上記第実施例において、気体放出部108と被帯電体116の間に設けられ被帯電体116面に平行で負イオンを通過しうる形状を有する第1の電極140と、この第1の電極140に平行で負イオンを通過しうる形状を有し複数の区画に区分された第2の電極142とを備え、この第2の電極142の各区画に互いに独立に電圧を印加して負イオンの分布を制御し、前記第1の電極140と気体放出部108との間に電圧を印加して負イオンを被帯電体116に向かって引き出すので、オゾン及びNOxの発生防止、長寿命化及均一帯電性の一層の向上を図ることができる。
【0072】
すなわち、第実施例と同様な効果が得られ、かつ、電極群142の各区画に対して電源群143により独立に、気体放出部108に対し正電位となるように電圧を印加することにより、負イオンが放出された時点で負イオンの分布が不均一であったとしても、電極群142の電位分布を調整することで負イオンの分布を均一化することが出来る。
【0073】
なお、上記第2参考例乃至第4参考例において、第実施例と同様に、気体放出部108と被帯電体116の間に被帯電体116面に平行で負イオンを通過しうる形状を有する第1の電極140と、この第1の電極140に平行で負イオンを通過しうる形状を有し複数の区画に区分された第2の電極142とを設け、この第2の電極142の各区画に互いに独立に電圧を印加して負イオンの分布を制御し、第1の電極140と気体放出部108との間に電圧を印加して負イオンを被帯電体116に向かって引き出すようにしてもよい。
【0074】
次に、本発明の第実施例について説明する。この第実施例は、上記参考例及び上記実施例において、負イオン生成空間部107に導入する気体が空気の場合、水蒸気等の生活温度範囲での低温で凝縮する気体が空気に混在している。電子放出素子の動作中は電子放出素子に流れる電流により電子放出面は室温よりも高温となりうるが、未使用時の温度が低下している電子放出面において例えば水蒸気が凝縮すると、その後の電子放出動作が著しく阻害されることとなる。
【0075】
実施例では、上記第1参考例において、図10に示すように、導入路105内に、電子放出素子101の電子放出面を加熱する手段150(ここでは電熱線)を配備している。この加熱手段150により加熱された気体からの熱移動により未使用時においても電子放出素子101の電子放出面の温度が帯電装置外部の気体に比べて高温となる。これにより、未使用時に水蒸気などが電子放出素子101の電子放出面に凝縮して電子放出効率を低下させることを防止でき、帯電効率の向上が可能となる。
【0076】
さらに、オゾンは熱により分解が促進されるため、第1参考例及び第2参考例において説明したようなわずかな気体分子の電離をきっかけに発生した微量のオゾンすらも気体が高温のために分解されることとなる。
実施例の帯電装置においては、被帯電体116(例えばリコー感光体ユニット タイプ800)の表面全体を−700Vに帯電させ、この時の帯電装置周辺におけるオゾン濃度およびNOx濃度の測定を行ったところ、いずれもオゾン、NOxともバックグラウンドレベル以上の値は検出されなかった。
【0077】
また、未使用時にヒータ150を加熱した場合とヒータ150を加熱しない場合での被帯電体116の帯電に要する時間を比較したところ、ヒータ150を加熱していた方が被帯電体116の帯電に要する時間が短縮された。
なお、第実施例においては加熱手段150として電熱線を使用したが、加熱手段150としてランプや、導入路105そのものを加熱する手段を用いることもできる。
【0078】
このように、第実施例によれば、上記第1参考例において、負イオン生成空間部107に導入される気体を加熱する手段150を有するので、オゾン及びNOxの発生防止、長寿命化及び帯電効率の向上を図ることができ、均一な帯電を行うことができる。
【0079】
すなわち、第1参考例と同様な効果が得られ、ヒータ150からの輻射熱および加熱された気体からの熱移動により未使用時においても電子放出面の温度が帯電装置外部の気体に比べて高温となるため、未使用時に水蒸気などが電子放出面に凝縮して電子放出効率を低下させることを防止でき、帯電効率の向上が可能となる。さらに、仮に微量のオゾンが発生したとしても熱分解させることができる。
なお、上記第2参考例乃至第実施例において、第実施例と同様に負イオン生成空間部107に導入される気体を加熱する手段150を設けるようにしてもよい。
【0080】
次に、本発明の第実施例について説明する。この第4実施例では、上記第1参考例において、図11に示すように導入路105の途中に酸素分離手段180を配備している。圧縮空気より酸素を分離して圧縮空気を酸素が高濃度である成分と酸素が低濃度である成分に分ける手段180としては、酸素の透過率が高い、シリコーンをベースにした酸素富化膜(永柳工業(株)製)やポリイミド製の酸素富化膜が使用できる。
【0081】
気体送り込み手段106(コンプレッサ等の圧縮空気供給装置)により加圧された空気は、導入路105を介して酸素分離手段180へ送り込まれ、図12の如く酸素富化膜180を通過した後の高酸素濃度ガスが導入路105を介して負イオン生成空間部107内へ導入される。これにより、負イオン状態を得やすい酸素分子がより多く負イオン生成空間部107内へ供給され、負イオン生成効率が向上する。
【0082】
実施例の帯電装置においては、被帯電体116(例えばリコー感光体ユニット タイプ800)の表面全体を−700Vに帯電させ、この時の帯電装置周辺におけるオゾン濃度およびNOx濃度の測定を行ったところ、いずれもオゾン、NOxともバックグラウンドレベル以上の値は検出されなかった。また、酸素分離手段180を配備する前後での被帯電体116の帯電に要する時間を比較したところ、酸素分離手段180を配備した後の方が被帯電体116の帯電に要する時間が短縮された。
【0083】
この第実施例によれば、第1参考例において、負イオン生成空間部107に気体を導入する手段としての圧縮空気供給手段(気体送り込み手段106及び導入路105)と、この圧縮空気供給手段により供給される圧縮空気を酸素高濃度成分と酸素低濃度成分とに分離して排出するガス分離手段としての酸素分離手段180と、このガス分離手段により分離された酸素高濃度成分を負イオン生成空間部107に導入する手段としての導入路105とを有するので、オゾン及びNOxの発生防止、長寿命化及び帯電効率の一層の向上を図ることができ、均一な電を行うことができる。
【0084】
すなわち、第1参考例と同様な効果が得られ、かつ、酸素富化膜通過後の高酸素濃度ガスが負イオン生成部107内へ導入されるため、負イオン状態を得やすい酸素分子がより多く負イオン生成部107内へ供給されて負イオン生成効率が向上し、帯電効率を向上させることが出来る。
【0085】
なお、上記第2参考乃至第4参考例、第1実施例乃至第実施例において、第実施例と同様に負イオン生成空間部107に気体を導入する手段としての圧縮空気供給手段(気体送り込み手段106及び導入路105)と、この圧縮空気供給手段により供給される圧縮空気を酸素高濃度成分と酸素低濃度成分とに分離して排出するガス分離手段としての酸素分離手段180と、このガス分離手段により分離された酸素高濃度成分を負イオン生成空間部107に導入する手段としての導入路105とを設けるようにしてもよい。
【0086】
次に、本発明の第実施例について説明する。この第5実施例では、上記第1参考例において、図13に示すように気体導入路105の途中に、酸素富化膜からなる中空糸膜を多数束ねたものを酸素分離手段181として配備している。この酸素分離手段181は、ポリイミド製の中空糸膜として例えば宇部興産(株)製のポリイミド製窒素富化膜を多数束ねたものから構成したものを用いる。
【0087】
この中空糸膜は、図14に示すように側面が空気中の窒素より酸素を透過しやすい性質をもっており、大気を用いた圧縮空気を導入させるとこの中空糸膜を通過する間に、中空糸膜内部は窒素濃度が高くなり、また側面側からは酸素が透過して行く。この中空糸膜の側面側から放出される高酸素濃度ガスは負イオン生成空間部107内へ導入される。酸素分離手段181は、中空糸膜が圧力により破裂しないように中空糸膜内部のガスを別経路で外部に放出する構造としてある。
【0088】
酸素分離手段181を中空糸膜を多数束ねた形状とすることにより、同じ流路径であっても図12のように単純に平面状の膜を通過させる場合に比べて膜の酸素が通過しうる断面積を大幅に増すことが出来る。このため、より多くの高酸素濃度の空気を負イオン生成空間部107内へ供給することが出来る。これにより、負イオンを得やすい酸素分子がより多く負イオン生成空間部107内へ供給され、負イオン生成効率がさらに向上する。
【0089】
また、ガス分離膜は圧縮空気圧と分離ガス流量とが比例する関係を有するが、圧縮空気が粘性を有すると共に中空糸膜は極めて長細い管(内径20μ程度)であるため、圧縮空気の空気圧がある程度変化しても、それに急激に反応して分離ガス量が変動するようなことはない。すなわち、中空糸状のガス分離膜を用いれば、負イオン生成空間部107へ供給される圧縮空気の酸素濃度を高くできるのに加え、圧縮空気供給源の空気供給に多少の変動があったとしても、ガス分離膜が緩衝材となって空気供給の変動を吸収することになる。また、この変動がある程度の大きさを持っていた場合にも、分離ガス流量は徐々に変化するため、その変化が負イオン流に与える影響も緩和され、被帯電体116の帯電に与える影響も最小限で防止できる。この場合、ガス分離膜の長さを70cm以上とすることで、上記緩衝作用を十分に機能させることが可能となり、圧縮空気供給源の変動に対しても被帯電体116の均一な帯電ができる。
【0090】
この第実施例の帯電装置においては、被帯電体116(例えばリコー感光体ユニット タイプ800)の表面全体を−700Vに帯電させ、この時の帯電装置周辺におけるオゾン濃度およびNOx濃度の測定を行ったところ、いずれもオゾン、NOxともバックグラウンドレベル以上の値は検出されなかった。また、被帯電体116の帯電に要する時間を第実施例と比較したところ、第実施例の方がさらに被帯電体116の帯電に要する時間が短縮された。
【0091】
この第実施例によれば、第1参考例において、ガス分離手段としての酸素分離手段181を中空糸状のガス分離膜により構成したので、オゾン及びNOxの発生防止、長寿命化及び帯電効率の一層の向上を図ることができ、均一な帯電を行うことができる。
【0092】
すなわち、第実施例と同様な効果が得られ、かつ、酸素分離手段181を中空糸膜を多数束ねた形状とすることにより、同じ流路径であっても図12のように単純に平面状の膜を通過させる場合に比べて酸素が通過しうる断面積を大幅に増すことが出来るため、より多くの高酸素濃度の空気を負イオン生成空間部107へ供給することが出来る。これにより、負イオンを得やすい酸素分子がより多く負イオン生成空間部107へ供給されて負イオン生成効率がさらに向上し、帯電効率をより向上させることが出来る。
【0093】
なお、上記第2参考乃至第4参考例及び第1実施例乃至第実施例において、第実施例と同様に導入路105の途中に、酸素富化膜からなる中空糸膜を多数束ねたものを酸素分離手段181からなるガス分離手段として配備するようにしてもよい。
【0094】
次に、本発明の第実施例について説明する。この第6実施例では、上記第実施例において、図15に示すように導入路105の途中に酸素富化膜からなる中空糸膜を多数束ねたものを酸素分離手段181とし、さらに、この酸素分離手段181により分離した低酸素濃度ガスを、放出口108から放出された気体が被帯電体116に照射された後に通過する経路の近傍に導くように流路182を配備している。この流路182は、具体的には酸素分離手段181において分離された低酸素濃度ガスを、被帯電体116に照射された後に通過する経路の近傍に導くパイプである。
【0095】
放出口108からの流出空気流は、いわゆる高酸素濃度状態である為、そのまま機外に排出してしまうと、異常燃焼等の危険をまねく恐れがある。他方、パイプ182内の空気は、酸欠状態である為、このまま機外に排出されると人体に害を及ぼす恐れがある。
そこで、この第実施例では、放出口108からの流出空気とパイプ182からの空気とを機外排出以前に合流させることにより上記問題を解決することが出来る。
【0096】
この第実施例の帯電装置においては、被帯電体116(例えばリコー感光体ユニット タイプ800)の表面全体を−700Vに帯電させ、この時の帯電装置周辺におけるオゾン濃度およびNOx濃度の測定を行ったところ、いずれもオゾン、NOxともバックグラウンドレベル以上の値は検出されなかった。
【0097】
この第実施例によれば、上記第実施例において、ガス分離手段としての酸素分離手段181により分離された酸素低濃度成分を、当該帯電装置から放出された気体が被帯電体116に照射された後に通過する経路の近傍に導く手段182を有するので、オゾン及びNOxの発生防止、長寿命化及び有毒ガス成分放出防止を図ることができ、均一な帯電を行うことができる。
すなわち、第実施例と同様な効果が得られ、かつ、高酸素濃度ガスと低酸素濃度ガスを機外排出以前に合流させるため、有害ガス成分の放出を防ぐことが出来る。
【0098】
次に、本発明の第実施例について説明する。この第7実施例では、上記第1参考乃至第4参考例及び第1実施例乃至上記第実施例において、それぞれ上記電子放出素子の代りに図16に示すようなMIS(金属−絶縁体−半導体)構造の電子放出素子を用いた実施例である。このMIS構造の電子放出素子においては、n型Si基板を下部電極513とし、その表面を熱酸化などの方法で酸化して絶縁層512を5nm形成してある。この絶縁層512の上には、スパッタリングなどの方法で、上部電極518として、Auを6nmの厚さで成膜してある。
【0099】
この場合、図17に示すようにn型Si基板513中のフェルミ準位近傍の電子がトンネル現象により障壁を透過して絶縁層512の伝導帯へ注入され、そこで加速されて上部電極518の伝導帯へ注入されホットエレクトロンとなる。これらのホットエレクトロンのうち、上部電極518の仕事関数φ以上のエネルギーを有するものは、電子放出素子外部に放出される。
【0100】
このMIS構造の電子放出素子には様々な長所がある。まず、素子が薄膜状の単純な構造であるために大面積化が容易であり、面状電子放出素子を作成しやすい。また、上部電極518が平坦かつ大面積であることにより、針状の電子放出端を持つ電界放射陰極アレイ等に比べ素子外部との界面状態が安定であり、また上部電極518の表面が雰囲気ガスの付着により汚染して仕事関数φが変化しても電子放出特性には大きな影響がないために環境ガスの影響を受けにくい。さらに、電源517から上部電極518と下部電極513との間に10V程度の低電圧を印加しても電子放出動作が可能であり、高圧電源等を要しない点も大きな利点である。
【0101】
上記第1参考乃至第4参考例及び第1実施例乃至実施例の各構成の帯電装置に上記MIS構造の電子放出素子用いた第実施例においては、被帯電体116(例えばリコー感光体ユニット タイプ800)の表面を−700Vに帯電させ、この時の帯電装置周辺におけるオゾン濃度およびNOx濃度の測定を行ったところ、いずれもオゾン、NOxともバックグラウンドレベル以上の値は検出されなかった。
【0102】
この第実施例によれば、電子放出素子はMIM構造を有するので、オゾン及びNOxの発生防止、長寿命化、装置生産性の向上及び帯電能力の安定性向上を図ることができ、均一な帯電を行うことができる。
すなわち、第1実施例乃至第4参考例及び第1実施例乃至実施例と同様な効果が得られ、かつ、電子放出素子が薄膜状の単純な構造であるために大面積化が容易であり、面状電子放出素子を作製しやすくて生産性が向上する。さらに、電子放出素子の外部との界面状態が安定であり、上部電極の表面が雰囲気ガスの付着により汚染して仕事関数φが変化しても電子放出特性には大きな影響がなくて環境ガスの影響を受けにくいため、帯電能力が安定する。
【0103】
次に、本発明の第実施例について説明する。この第8実施例では、上記第1参考乃至第4参考例及び第1実施例乃至上記第実施例において、それぞれ上記電子放出素子の代りに図18に示すようなMIM(金属−絶縁体−金属)構造の電子放出素子を用いた実施例である。このMIM構造の電子放出素子は、下部電極413の上に絶縁層412を形成し、この絶縁層412の上に上部電極411を形成してある。
【0104】
このMIM構造の電子放出素子の動作原理を説明すると、図19に示すよえに上部電極411と下部電極413の間に電源417から電圧(数V〜10V)を印加すると、絶縁膜412内の電界のため、下部電極413中のフェルミ準位近傍の電子はトンネル現象により障壁を透過して絶縁膜412の伝導帯へ注入され、そこで加速されて上部電極411の伝導帯へ注入され、ホットエレクトロンとなる。これらのホットエレクトロンのうち、上部電極411の仕事関数φ以上のエネルギーを有するものは、素子外部410に放出される。例えばAu−Al23−Al構造等においてこの原理による電子放出が観測されている(応用物理,Vol32,No.8,(1963)p568参照)。
【0105】
MIM構造の電子放出素子、例えばAu−Al23−Al構造の電子放出素子の作製は例えば以下の方法で実施できる。
表面を清浄化した基板414上に下部電極413としてAlを20nm蒸着する。続いて、このAlを陽極酸化法により酸化する。陽極酸化は3%酒石酸アンモニウム水溶液で4Vの化成電圧で行う。陽極酸化によって酸化できるAlの膜厚は高い精度で化成電圧に依存しているため、4Vの化成電圧で4nmのAlのみ選択的に酸化できる。このようにして、下部電極413上にAl23で構成される絶縁膜412を形成出来る。Alの膜厚を20nm以外に設定する場合は、化成電圧もそれに対応した電圧とすることは言うまでもない。次に絶縁膜412上に上部電極411を形成する。上部電極411としては、例えばAuを超高真空中での蒸着により10nm形成すればよい。
【0106】
この第実施例において、Alの酸化過程で陽極酸化法の代りに気相酸化法を用いることも可能である。すなわちAl膜を真空槽に入れ、0.001 〜10Torr程度の酸素を導入して基板を加熱することによりAlを酸化し、Al23からなる絶縁膜412を形成することが出来る。
【0107】
このMIM構造の電子放出素子には次のような様々な長所がある。まず、素子が薄膜状の単純な構造であるために大面積化が容易であり、面状電子放出素子を作成しやすい。また、上部電極411が平坦かつ大面積であるため、針状の電子放出端を持つ電界放射陰極アレイ等に比べ素子外部410との界面状態が安定であり、上部電極411の表面が雰囲気ガスの付着により汚染して仕事関数φが変化しても電子放出特性には大きな影響がないため環境ガスの影響を受けにくい。また、10V程度の低電圧の印加でも電子放出動作が可能であり、高圧電源等を要しない点も大きな利点である。さらに、上述のMIS構造の電子放出素子と異なり基板を半導体材料にする必要が無く、ガラス上にでも形成できるため長尺化や大面積化などが安価にできる。
【0108】
上述の第1参考乃至第4参考例及び第1実施例乃至上記第実施例の各構成の帯電装置に上記MIM構造の電子放出素子を用いた第12実施例においては、被帯電体116(例えばリコー感光体ユニット タイプ800)の表面を−700Vに帯電させ、この時の帯電装置周辺におけるオゾン濃度およびNOx濃度の測定を行ったところ、いずれもオゾン、NOxともバックグラウンドレベル以上の値は検出されなかった。
【0109】
この第実施例によれば、上記第1参考乃至第4参考例及び第1実施例乃至実施例において、電子放出素子はMIM構造を有するので、オゾン及びNOxの発生防止、長寿命化、装置生産性の向上、低コスト化及び帯電能力の安定性向上を図ることができ、均一な帯電を行うことができる。
【0110】
すなわち、第実施例と同様な効果が得られ、かつ、電子放出素子は基板を半導体材料にする必要が無くガラス上にでも形成できるため、長尺化や大面積化などが安価にできる。
【0111】
次に、本発明の第実施例について説明する。上記実施例や第実施例における薄い絶縁膜を有する電子放出素子においては、電子の放射効率をより高めようとすると(より多くの電子を放射させようとすると)、上記絶縁膜の膜厚をさらに薄くする必要があるが、上記絶縁膜の膜厚を薄くしすぎると、上記積層構造の上下の電極間に電圧を印加した時に絶縁破壊を起こす恐れがあり、このような絶縁破壊を防止するためには上記絶縁膜や上記酸化膜の膜厚の薄膜化に制約があるので、電子の放出効率(引き出し効率)をあまり高くできないという問題がある。
【0112】
この問題を解決すべく、第実施例における電子放出素子は、基本的には多孔質半導体を高抵抗層として用いた素子であり、金属薄膜/多孔質半導体/半導体基板をその構成要素にしている。なお、このような電子放出素子及び電子放出動作については、信学技報,TECHNICAL REPORT OF IEICE.,ED96-141,(1996-12)に詳細な説明がなされている。
【0113】
図20は第実施例における電子放出素子の構成を示す。この第実施例は、上記第1参考乃至第4参考例及び第1実施例乃至上記実施例において、それぞれ電子放出素子として図20に示す電子放出素子を用いた実施例である。この電子放出素子は例えば、以下の方法で作製できる。
【0114】
裏面にオーミック電極をとった面方位(100)のn形シリコン基板(n形シリコンウエハ)(比抵抗が0.01〜0.03Ωcm)601の表面に、55wt%HF水溶液とエタノールとの混合液(混合比は1:1)中で定電流陽極酸化処理を施し、多孔質シリコン層(以下、PS層という)602を形成する。その陽極酸化中には500Wのタングステンランプにより試料面に光を照射する。PS層602の厚さは約3μmである。作製したPS層602の表面にはAu薄膜を真空蒸着し(厚さ100Å)、これを表面側のAu薄膜電極603として裏面のオーミック電極604との間でダイオードを形成する。
【0115】
このダイオードのAu薄膜電極603に電源605により正電圧VPSを印加し、n形シリコン基板601からPS層602に電子を注入する。その際の電流はIPSである。その場合、PS層602は高抵抗であるので、印加電界の大部分はPS層602にかかっているが、PS層602の表面には酸化層が存在するため、図21のエネルギーバンド図に示すように、電界強度はPS層602の表面ほど強い。
【0116】
更に、n形シリコン基板601から注入された電子は、Au薄膜電極603側に向けてPS層602を走行し、Au薄膜電極603側に向かう。PS層602の表面付近に達した電子は、そこでの強電界により一部はAu薄膜をトンネルして素子外部に放出される。
【0117】
この第実施例の電子放出素子ではシリコンを基板としたものであるが、電子放出素子の基板がシリコンに限られたものではなく、陽極酸化を適用できる半導体は全て電子放出素子の基板に利用することができる。すなわち、ゲルマニウム(Ge)、炭化シリコン(SiC)、ヒ化ガリウム(GaAs)、リン化インジウム(InP)、セレン化カドミウム(CdSe)など、IV族、III −V族、II−VI族などの単体及び化合物半導体の多くが、これに該当する。
【0118】
実施例の電子放出素子によれば、薄い絶縁膜を形成する工程が不要であり、絶縁破壊のおそれが小さく、複雑な工程は不要であり、素子構成が単純であり、大面積化が容易であるという利点が得られ、上述の問題を解決できる。ただし、信学技報,TECHNICAL REPORT OF IEICE.,ED96-141,(1996-12)によれば、第実施例の電子放出素子は、発光素子としても機能し得るため、被帯電体116例えば電子写真の感光体に対向させると発光が直接感光体を照射して感光体の帯電を阻害してしまう。しかしながら、第実施例においては、シールド内において負イオン生成を行うので、電子放出素子が感光体に対向する必要がないため、上記の問題を回避できる。
【0119】
また、同じく信学技報,TECHNICAL REPORT OF IEICE.,ED96-141,(1996-12)によると、形成したPS層602を1000℃,15分急速熱酸化(RTO:Rapid Thermal Oxidation)処理した後に、PS層602の表面にAu薄膜を真空蒸着したところ、放出電子量が増大したことも報告されている。これはPS層602表面の酸化によりリーク電流が減少し、素子内部の電界効果が高まったためと考えられている。もちろん、このような処理を施した電子放出素子も本発明に適用できることは言うまでもない。
【0120】
さらに、ディスプレイ アンド イメージング 1999,Vol8,pp77−82によると、多孔質半導体層として多結晶シリコン膜に陽極酸化を施したものを適用することにより、電子の散乱損失が減少し、安定な電子放出を得られることが報告されている。このことは、帯電装置の安定動作のために非常に有効である。
【0121】
上述の第1参考乃至第4参考例及び第1実施例乃至上記実施例の各構成の帯電装置に上記電子放出素子をそれぞれ用いた第実施例においては、被帯電体116(例えばリコー感光体ユニット タイプ800)の表面を−700Vに帯電させ、この時の帯電装置周辺におけるオゾン濃度およびNOx濃度の測定を行ったところ、いずれもオゾン、NOxともバックグラウンドレベル以上の値は検出されなかった。また、上記第実施例および第実施例の電子放出素子に比べ、電子放出素子の絶縁破壊が起こる頻度が著しく少なかった。
【0122】
この第実施例によれば、電子放出素子の電子放出部材は、半導体基板601と、該半導体基板601の表面を多孔質化した多孔質半導体層602と、該多孔質半導体層602上に形成される金属薄膜電極603と、前記半導体基板の裏面に形成されるオーミック電極とを有するので、オゾン及びNOxの発生防止、長寿命化、装置生産性の向上、低コスト化及び帯電能力の安定性向上を図ることができ、均一な帯電を行うことができる。
【0123】
すなわち、第実施例と同様な効果が得られ、かつ、電子放出素子は、薄い絶縁膜を形成する工程が不要であり、絶縁破壊のおそれが小さく、複雑な工程が不要であり、素子構成が単純であり、大面積化が容易であるという利点が得られ、さらなる帯電装置生産性、低コスト化、帯電能力の安定性向上ができる。
【0124】
次に、本発明の第10実施例について説明する。この第10実施例では、上記第1参考乃至第4参考例及び第1実施例乃至上記第実施例において、それぞれ上記電子放出素子の代りに図22に示すようなエレクトロルミネッセント素子からなる電子放出素子を用いたものである。図22において、911は下部電極、913は上部電極である。電子放出部材912は、300〜500nmの厚さを有するタンタルオキサイド(Ta25 )膜912-1,その上部に形成された約500nmの厚さを有するZnS膜912-2により構成され、ZnS膜912-2の上部に約10nmの厚さを有する金(Au)からなる上部電極膜912-3が形成されている。このようなEL薄膜の材料及び電子放出動作については、応用物理第63巻第6号第592 〜595 頁(1994年)に詳細な説明がなされている。
【0125】
次に、この第10実施例において、電子放出素子のスイッチングトランジスタのオン状態における下部電極911 に印加されるドライブ電圧波形を図23に基づいて説明する。図23において、(1)は上部電極913,すなわち金からなる上部電極膜912-3に印加されるDC電位である。(2)は電子放出状態における下部電極911に印加される電位である。DC電位(1)に対して下部電極電位(2)として負の電位が印加されているバイアス状態においては、ZnS膜912-2の膜中においてホットエレクトロンが発生し、このホットエレクトロンが金よりなる上部電極膜912-3をトンネリングして外部に放出される。なお、図23に示した下部電極911に印加される駆動電位(2)の波形は、図24に示したようなパルス波形でもよいことが、上記刊行物(応用物理)に示されている。
【0126】
この第10実施例においては、発光を伴う電子放出面を被帯電体116に対向させずに帯電動作を行うことが出来るため、被帯電体116が電子写真用感光体であっても帯電電位を低下させることがない。このことにより、薄い絶縁膜を形成する工程が不要であり、絶縁破壊のおそれが小さく、複雑な工程は不要であり、素子構成が単純であり、大面積化が容易であるという利点をもつ電子放出素子を問題なく使用することができる。
【0127】
上述の第1参考乃至第4参考例及び第1実施例乃至実施例の各構成の帯電装置にそれぞれ上記電子放出素子を用いた第10実施例においては、被帯電体116(例えばリコー感光体ユニット タイプ800)の表面を−700Vに帯電させ、この時の帯電装置周辺におけるオゾン濃度およびNOx濃度の測定を行ったところ、いずれもオゾン、NOxともバックグラウンドレベル以上の値は検出されなかった。また、第実施例および第実施例の電子放出素子に比べ、電子放出素子の絶縁破壊が起こる頻度が著しく少なかった。
【0128】
このように、第10実施例によれば、電子放出素子は、下部電極911と、この下部電極911上に形成されたタンタルオキサイド膜912-1と、このタンタルオキサイド膜912-1上に形成されたZnS膜912-2と、このZnS膜912-2上に形成された上部電極913とにより構成されているエレクトロルネッセント素子であるので、オゾン及びNOxの発生防止、長寿命化、装置生産性の向上、低コスト化及び帯電能力の安定性向上を図ることができ、均一な帯電を行うことができる。
【0129】
すなわち、上記第1参考例及び第2参考例と同様な効果が得られ、さらに、電子放出素子は、薄い絶縁膜を形成する工程が不要であり、絶縁破壊のおそれが小さく、複雑な工程が不要であり、素子構成が単純であり、大面積化が容易であるという利点が得られ、帯電装置生産性の向上、低コスト化および帯電能力の安定性向上を図ることができる。
【0130】
次に、上記第1参考乃至第4参考例及び第1実施例乃至10実施例に対する比較例について説明する。図25に示す従来のコロナワイヤの帯電装置100を用い、上記第1参考乃至第4参考例及び第1実施例乃至10実施例と同一環境条件で被帯電体116の表面を−700Vに帯電させた。この時の帯電装置周辺におけるオゾン濃度およびNOx濃度の測定を行ったところ、
オゾン:4ppm
NOx:0.6ppm
が検出された。これに対して、第1参考乃至第4参考例及び第1実施例乃至10実施例では、上述のようにオゾン、NOxともバックグラウンドレベル以上の値は検出されなかった。
【0131】
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、例えば転写用帯電装置、分離用帯電装置などにも適用することができる。
【0132】
【発明の効果】
以上のように請求項1に係る発明によれば、オゾン及びNOxの発生防止及び長寿命化、均一帯電性の向上を図ることができ、均一な帯電を行うことができる。
請求項2に係る発明によれば、オゾン及びNOxの発生防止、長寿命化及び帯電効率の向上を図ることができ、均一な帯電を行うことができる。
請求項3に係る発明によれば、オゾン及びNOxの発生防止、長寿命化及び帯電効率の向上を図ることができ、均一な帯電を行うことができる。
【0133】
請求項に係る発明によれば、オゾン及びNOxの発生防止、長寿命化及び均一帯電性の一層の向上を図ることができる。
請求項に係る発明によれば、オゾン及びNOxの発生防止、長寿命化及び帯電効率の向上を図ることができ、均一な帯電を行うことができる。
【0134】
請求項に係る発明によれば、オゾン及びNOxの発生防止、長寿命化及び帯電効率の一層の向上を図ることができ、均一な帯電を行うことができる。
請求項に係る発明によれば、オゾン及びNOxの発生防止、長寿命化及び帯電効率の一層の向上を図ることができ、均一な帯電を行うことができる。
請求項に係る発明によれば、オゾン及びNOxの発生防止、長寿命化及び有毒ガス成分放出防止を図ることができ、均一な帯電を行うことができる。
【0135】
請求項に係る発明によれば、オゾン及びNOxの発生防止、長寿命化、装置生産性の向上及び帯電能力の安定性向上を図ることができ、均一な帯電を行うことができる。
請求項10に係る発明によれば、オゾン及びNOxの発生防止、長寿命化、装置生産性の向上、低コスト化及び帯電能力の安定性向上を図ることができ、均一な帯電を行うことができる。
【0136】
請求項11に係る発明によれば、オゾン及びNOxの発生防止、長寿命化、装置生産性の向上、低コスト化及び帯電能力の安定性向上を図ることができ、均一な帯電を行うことができる。
請求項12に係る発明によれば、オゾン及びNOxの発生防止、長寿命化、装置生産性の向上、低コスト化及び帯電能力の安定性向上を図ることができ、均一な帯電を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1参考例を示す斜視図である。
【図2】 同第1参考例を示す断面図である。
【図3】 同第1参考例の電子放出素子を示す断面図である。
【図4】 本発明の第2参考例における電子放出素子を示す断面図である。
【図5】 同第2参考例における電子放出素子のエネルギーバンドを示す図である。
【図6】 本発明の第3参考例を示す断面図である。
【図7】 本発明の第4参考例を示す断面図である。
【図8】 本発明の第実施例を示す断面図である。
【図9】 本発明の第実施例を示す断面図である。
【図10】 本発明の第実施例を示す断面図である。
【図11】 本発明の第実施例を示す断面図である。
【図12】 同第実施例の酸素富化膜を示す斜視図である。
【図13】 本発明の第実施例を示す断面図である。
【図14】 同第実施例の中空糸膜を示す斜視図である。
【図15】 本発明の第実施例を示す断面図である。
【図16】 本発明の第実施例におけるMIS構造の電子放出素子を示す断面図である。
【図17】 同電子放出素子の動作を説明するための図である。
【図18】 本発明の第実施例におけるMIM構造の電子放出素子を示す断面図である。
【図19】 同電子放出素子の動作を説明するための図である。
【図20】 本発明の第実施例における電子放出素子の構成を示す断面図である。
【図21】 同電子放出素子のエネルギーバンドを示す図である。
【図22】 本発明の第10実施例の電子放出素子を示す断面図である。
【図23】 同第10実施例における電子放出素子の下部電極ドライブ電圧波形を示す波形図である。
【図24】 同第10実施例における電子放出素子の下部電極ドライブ電圧波形の別の例を示す波形図である。
【図25】 従来のコロナワイヤの帯電装置を示す断面図である。
【符号の説明】
101 電子放出素子
102 電極を兼ねたホルダ
105 導入路
106 気体送り込み手段
107 負イオン生成空間部
108 放出口
109、120 電源
116 被帯電体
130 粒子フィルタ
131 正イオンフィルタ用電極
140、142 電極
150 加熱手段
180、181 酸素分離手段
182 パイプ
601 半導体基板
602 多孔質半導体層
603 金属薄膜電極
911 下部電極
912-1 タンタルオキサイド膜
912-2 ZnS膜
913 上部電極

Claims (12)

  1. 素子内部の電界によりエネルギーを与えた電子を放出する電子放出素子の電子放出面により形成された負イオン生成空間部と、この負イオン生成空間部に負イオン化するための気体を導入する手段とを備え、前記負イオン生成空間部で生成された負イオンおよび電子を、前記負イオン生成空間部に導入された気体と共に放出して該負イオンおよび電子により被帯電体を帯電させる帯電装置であって、気体放出部と被帯電体の間に被帯電体面に平行で負イオンを通過しうる形状の電極を有し、この電極と気体放出部との間に電圧を印加して負イオンを被帯電体に向かって引き出すことを特徴とした帯電装置。
  2. 請求項1記載の帯電装置において、前記負イオン生成空間部に到達する前の導入気体の経路の所定箇所に配備され、気体に混入した粒子を電子放出面へ付着しないように取り除く粒子フィルタを備えたことを特徴とした帯電装置。
  3. 請求項1または2記載の帯電装置において、前記負イオン生成空間部に到達する前の導入気体の経路の所定箇所に配備され、空気から正電荷を取り除く、周囲に対して負電位の正イオンフィルタ用電極を備えたことを特徴とした帯電装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の帯電装置において、気体放出部と被帯電体の間に設けられ被帯電体面に平行で負イオンを通過しうる形状を有する第1の電極と、この第1の電極に平行で負イオンを通過しうる形状を有し複数の区画に区分された第2の電極とを備え、この第2の電極の各区画に互いに独立に電圧を印加して負イオンの分布を制御し、前記第1の電極と気体放出部との間に電圧を印加して負イオンを被帯電体に向かって引き出すことを特徴とした帯電装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の帯電装置において、前記負イオン生成空間部に導入される気体を加熱する手段を有することを特徴とした帯電装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の帯電装置において、前記負イオン生成空間部に気体を導入する手段としての圧縮空気供給手段と、この圧縮空気供給手段により供給される圧縮空気を酸素高濃度成分と酸素低濃度成分とに分離して排出するガス分離手段と、このガス分離手段により分離された酸素高濃度成分を前記負イオン生成空間部に導入する手段とを有することを特徴とした帯電装置。
  7. 請求項6記載の帯電装置において、前記ガス分離手段を中空糸状のガス分離膜により構成したことを特徴とした帯電装置。
  8. 請求項7記載の帯電装置において、前記ガス分離手段により分離された酸素低濃度成分を、当該帯電装置から放出された気体が被帯電体に照射された後に通過する経路近傍に導く手段を有することを特徴とした帯電装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1つに記載の帯電装置において、前記電子放出素子はMIS構造を有することを特徴とした帯電装置。
  10. 請求項1〜8のいずれか1つに記載の帯電装置において、前記電子放出素子はMIM構造を有することを特徴とした帯電装置。
  11. 請求項9記載の帯電装置において、前記電子放出素子は、多孔質半導体層と、該多孔質半導体層の表面側に電子を通過し得る薄膜電極を有し、前記多孔質半導体層の裏面側に該多孔質半導体層に電子を注入し得る電極を有することを特徴とした帯電装置。
  12. 請求項1〜9のいずれか1つに記載の帯電装置において、前記電子放出素子は、下部電極と、この下部電極上に形成されたタンタルオキサイド膜と、このタンタルオキサイド膜上に形成されたZnS膜と、このZnS膜上に形成された上部電極とにより構成されているエレクトロルミネッセント素子であることを特徴とした帯電装置。
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