JPH09252068A - イオン風冷却装置 - Google Patents

イオン風冷却装置

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JPH09252068A
JPH09252068A JP8766196A JP8766196A JPH09252068A JP H09252068 A JPH09252068 A JP H09252068A JP 8766196 A JP8766196 A JP 8766196A JP 8766196 A JP8766196 A JP 8766196A JP H09252068 A JPH09252068 A JP H09252068A
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JP
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aluminum
heat sink
discharge
discharge electrode
film
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JP8766196A
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Mitsuaki Ikeda
満昭 池田
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Yaskawa Electric Corp
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    • H01L2924/0001Technical content checked by a classifier
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電電極の短絡事故が生じない、安全で低コ
ストのイオン風冷却装置を提供する。 【解決手段】 導電材からなる冷却板11の表面に複数
の冷却フィン12を突出させたヒートシンク1と、隣り
合う冷却フィン12の間の空間に配置した導電線からな
る放電電極2と、ヒートシンク1と放電電極2との間に
放電させる放電電源6とを備えたイオン風冷却装置にお
いて、放電電極2は表面にアルマイト皮膜4を形成した
アルミニウムまたはアルミニウム合金線で構成し、アル
マイト皮膜4は多数の微細孔41と、微細孔41の中に
アルミニウムまたはアルミニウム合金線の素材表面に接
触し、かつ先端部が前記素材表面からアルマイト皮膜4
の表面近傍に伸びる金属部5とを設けたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品の冷却装
置として用いられるイオン風冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化に伴い、電子部
品、特に半導体部品の発熱が問題になっている。この対
策として、冷却ファンによる空冷、沸騰冷却、冷却フィ
ンを備えたヒートシンクによる冷却など、種々の方法が
採られている。これらの方法は、制御盤の中に取り付け
られた比較的大きい部品については有効であるが、半導
体部品のように寸法の小さい部品の冷却では、狭い空間
に冷却風を通すことが難しく、十分な冷却能力を発揮し
ていない。これに対して、半導体部品のように小さい部
品を冷却するために、次のようなイオン風冷却が提案さ
れている(例えば、A.S.Mitchell:"Heat Transfer by a
Corona Wind Heat Exchanger"ASME,78-wa/HF-43(197
9))。例えば、図3に示すように、ヒートシンク1の冷
却板11の表面に多数の冷却フィン12を設け、隣り合
う冷却フィン12の間の空間に冷却フィン12に沿って
アルミニウム線からなる放電電極2を配置する。冷却板
11には電子部品Wを固定し、電子部品W殻発生する熱
を冷却板11に伝達するようにしてある。ここで、ヒー
トシンク1をアースし、放電電極2に放電電源6から1
5kV程度の高電圧を印加する。そうすると、放電電極
2と冷却フィン12との間でコロナ放電が生じ、窒素や
酸素がイオン化される。これらのイオン化された分子
は、放電電極2から放射状に発生する電界の方向に向か
って周囲の中性分子に衝突しながら流れ、それに伴っ
て、イオン化された分子が放出された後に、近くの空気
が流れ込む。したがって、冷却フィン12の表面付近の
空気層は、境界層が破壊されて空気の流れを作り、熱伝
達効果を高くすると共に、周囲の冷却空気の対流を促進
する。したがって、電子部品が取り付けられているよう
な狭い場所でも強制空冷と同等の冷却が可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来技
術では、高電圧を印加した放電電極と冷却フィンとが接
触すると短絡事故を生じるので、電線を冷却フィンの間
に短絡しないように配置する必要があるが、放電電極を
短絡しないように配置すると、冷却フィンの間隔が広く
なったり、放電電極を設ける場所を限定しなければなら
なくなったりして、冷却効果が低減する。冷却フィンの
間隔を狭くして、放電電極を配置することは極めて難し
く、作業工数が多くなり、コスト高で実用化が難しいと
いう問題があった。また、放電電極に印加する電圧も1
5kVと高いため制御盤の中に配置した場合、盤体と放
電電極との間にアークが飛んで危険を伴うという問題が
あった。本発明は、放電電極の短絡事故が生じない、安
全で低コストのイオン風冷却装置を提供することを目的
とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、導電材からなる冷却板の表面に突出させ
て複数の冷却フィンを設けたヒートシンクと、前記冷却
フィンの間の空間に配置した導電線からなる放電電極
と、前記ヒートシンクと前記放電電極との間に放電を発
生させる放電電源とを備えたイオン風冷却装置におい
て、前記放電電極は、表面にアルマイト皮膜を施したア
ルミニウムまたはアルミニウム合金線からなり、前記ア
ルマイト皮膜に形成された多数の微細孔の中には前記ア
ルミニウムまたはアルミニウム合金線の素材表面に接触
し、かつ先端部が前記素材表面から前記アルマイト皮膜
表面の近傍まで伸びる金属部を設けたものである。ま
た、導電材からなる冷却板の表面に突出させて複数の冷
却フィンを設けたヒートシンクと、前記ヒートシンクを
収納する盤体と、前記ヒートシンクと前記盤体との間に
放電を発生させる放電電源とを備えたイオン風冷却装置
において、前記ヒートシンクは、表面にアルマイト皮膜
を施したアルミニウムまたはアルミニウム合金材からな
り、前記アルマイト皮膜に形成された多数の微細孔の中
には前記アルミニウムまたはアルミニウム合金線の素材
表面に接触し、かつ先端部が前記素材表面から前記アル
マイト皮膜表面の近傍まで伸びる金属部を設けたもので
ある。また、前記放電電極は、前記アルマイト皮膜の表
面に前記アースに接続された導電皮膜を設けたものであ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施例に
ついて説明する。図1(a)は本発明の第1の実施例を
示す正面図、(b)は放電電極とする放電電極を模式図
的に拡大して示した側断面図である。図において、1は
冷却板11の表面に突出して複数の平板状の冷却フィン
12を設けたヒートシンクで、アースに接続されてい
る。2は隣り合う冷却フィン12の間に設けた直径1m
mのアルミニウムまたはアルミニウム合金線からなる放
電電極で、表面にはアルマイト処理によってアルマイト
皮膜3を形成してある。アルマイト皮膜3を設けると直
径が数百オングストロームの多数の微細孔4が設けられ
る。微細孔4の中にはアルミニウムまたはアルミニウム
合金線の素材表面に接触し、金属部5の先端部はその素
材表面からアルマイト皮膜の表面近傍にくるまで伸ばさ
れ、微細孔4の内部に沈めてある。6は直流の放電電源
で、+側をアースに、−側を放電電極に接続してある。
冷却板11には電子部品Wを固定してある。ここで、放
電電極2の製造方法について説明する。アルミニウムま
たはアルミニウム合金線からなる放電電極2のアルマイ
ト処理すべき部分を15重量%の硫酸液に浸漬し、液温
20℃、電流密度1.5A/dm2 、15分間、陽極処
理を行い、アルマイト皮膜3を形成した。このとき、ア
ルマイト皮膜3には表面に開口する多数の微細孔4が形
成される。次に、10%の燐酸液で二段目の陽極処理を
行い、100g/lのほう酸、15mlのグリセリンよ
りなる電解液中で、鉄をアルマイト皮膜3に形成された
微細孔4の中に堆積・充填した。このアルマイト処理し
た放電電極2を塩酸の中に短時間浸漬し、アルマイト皮
膜3の表面付近の鉄を溶かして除去した。その結果、ア
ルマイト皮膜3の中に多数の鉄からなる微細ピン状の金
属部5が形成された。
【0006】このような方法で作製した放電電極2を冷
却フィン12の間に配置し、放電電極2に直流の放電電
圧200Vを印加すると、金属部5からコロナ放電を開
始した。また、この状態で放電電極2を冷却板に接触さ
せたが短絡は生じなかった。また、従来の自然対流によ
る冷却方式の制御盤で、盤内の温度が45℃となったも
のに、本発明のイオン風冷却装置を適用した場合、盤内
の温度が約30℃となった。これは、放電電極2の表面
に絶縁性のアルマイト皮膜3が形成され、アルマイト皮
膜3の微細孔4の中に形成された微細ピン状の金属部5
の先端が微細孔4の中に沈んでいるため、金属部5が直
接アースされたヒートシンク1に接触しないためであ
る。また、金属部5が多数の微細孔4の中に形成され、
各微細孔4の中の金属部5は極めて径が小さいため、2
00V程度の低電圧を印加しても放電が生じる。したが
って、印加電圧の電源は特別に高電圧にする必要がな
い。なお、上記放電電圧は直流で印加したが、放電電極
2と冷却板11との間に交流電圧を印加しても良い。
【0007】図2は本発明の第2の実施例の放電電極を
示す側断面図である。上記第1の実施例の製造方法で作
製した放電電極2で、冷却フィンとの間に短絡事故は防
げたが、コロナ放電が生じた際、ノイズが発生して、周
辺機器の誤動作の原因になることがあった。この場合、
これを改善するために、微細孔4の中に形成した金属部
5に接触しないように、上記第1の実施例で、放電電極
2の表面に形成したアルマイト皮膜3の上に金属材料で
導電皮膜7を形成したものである。その製造方法は、上
記第1の実施例で、放電電極2の上にアルマイト皮膜3
を形成し、アルマイト皮膜3の微細孔4の中に金属部5
を形成した後、放電電極2の表面にニッケル無電解メッ
キを行い、アルマイト皮膜3の表面にニッケル皮膜から
なる導電皮膜7を形成した。この方法によって作製した
放電電極2を用い、導電皮膜7をアースに接続し、微細
孔4の中の金属部5に高電圧を接続して、コロナ放電を
発生させた。この状態で、近傍に配置したトランジスタ
のノイズによる誤動作を測定したところ、ノイズはみら
れなかった。しかし、導電皮膜7のアースを外したとこ
ろ、ノイズが生じていた。なお、上記実施例では、微細
孔4の中に封入する金属部5を鉄によって形成した例に
ついて説明したが、電気メッキできる金属であれば、ど
の金属(例えば、金)でも可能である。また、放電電極
にアルミニウムまたはアルミニウム合金線を使用した例
について説明したが、鉄線や銅線の表面にアルミニウム
またはアルミニウム合金を被覆し、その後にアルマイト
処理を行って、アルマイト皮膜と微細孔を設けてもよ
い。
【0008】図3は本発明の第3の実施例を模式図的に
示した側断面図である。この場合、第1および第2の実
施例で用いたヒートシンク1を放電電極とし、ヒートシ
ンク1に直流の放電電圧を印加するようにしたものであ
る。すなわち、冷却板11および冷却フィン12からな
るヒートシンク1をアルミニウムまたはアルミニウム合
金で一体に形成し、表面をアルマイト処理して、図1
(b)または図2に示したアルマイト皮膜3と同様に、
微細孔4を備えたアルマイト皮膜3を形成し、微細孔4
の中にアルミニウムまたはアルミニウム合金線の素材表
面から金属部5を形成し、金属部5の先端部はアルマイ
ト皮膜3の表面近傍までくるように伸ばされ、微細孔4
の内部に沈めてある。なお、冷却すべき電子部品Wは、
熱伝導率の高い絶縁部材8を介して冷却板11に固定
し、ヒートシンク1を制御盤の盤体9に固定してある。
冷却板11および冷却フィン12にアルマイト処理し
て、微細孔4を備えたアルマイト皮膜3を形成し、微細
孔4の中に金属部5を形成する方法は、上記第1の実施
例と同じである。このような構成により、ヒートシンク
1に電圧を印加すると、金属部5からヒートシンク1の
表面に対して垂直方向にコロナ放電を開始し、それに伴
って空気の流れが形成された。また、ヒートシンク1の
全表面に多数の金属部5を形成してあるので、放電面積
が増加し、ヒートシンク1の表面付近の境界層は更に破
壊し易くなり、自然対流する冷却空気との熱伝達効果が
更に高まり、強制通風による冷却効果に近い効果が得ら
れた。なお、ヒートシンク1と放電電極2との間に交流
の放電電圧を印加してもよい。また、上記実施例では、
ヒートシンク1の冷却フィン12を平板状のものについ
て説明したが、冷却フィンの形状はピン状でもよく、ま
たなだらかな曲面状でもよい。
【0009】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、放
電電極の表面に絶縁性のアルマイト皮膜を設け、アルマ
イト皮膜に形成された微細孔にアルミニウムまたはアル
ミニウム合金の素材表面似接触し、先端部が素材表面か
らアルマイト皮膜の表面近傍になるまで伸ばされて、金
属部を埋め込んであるので、放電電圧を低くすることが
できると共に、冷却フィンの間の狭い空間のなかに放電
電極を配置して、冷却フィンと接触するようなことがあ
っても、短絡事故は発生せず、冷却効果が高く、安全で
低コストのイオン風冷却装置の放電電極を提供できる効
果がある。また、アルマイト皮膜の表面に導電皮膜を設
けて、アースに接続し、周辺の電子機器のノイズの発生
を防ぐようにしてあるので、誤動作の少ない、高い信頼
性を維持できる電子機器のイオン風冷却装置の放電電極
を提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例を示す(a)正面図、
(b)放電電極を模式図的に拡大して示した側断面図で
ある。
【図2】 本発明の第2の実施例を放電電極を模式図的
に拡大して示した側断面図である。
【図3】 本発明の第3の実施例を模式図的に拡大して
示した側断面図である。
【図4】 従来例を示す正面図である。
【符号の説明】
1:ヒートシンク、11:冷却板、12:冷却フィン、
2:放電電極、3:アルマイト皮膜、4:微細孔、5:
金属部、6:放電電源、7:導電皮膜、8:絶縁部材,
W:電子部品

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電材からなる冷却板の表面に突出させ
    て複数の冷却フィンを設けたヒートシンクと、前記冷却
    フィンの間の空間に配置した導電線からなる放電電極
    と、前記ヒートシンクと前記放電電極との間に放電を発
    生させる放電電源とを備えたイオン風冷却装置におい
    て、前記放電電極は、表面にアルマイト皮膜を施したア
    ルミニウムまたはアルミニウム合金線からなり、前記ア
    ルマイト皮膜に形成された多数の微細孔の中には前記ア
    ルミニウムまたはアルミニウム合金線の素材表面に接触
    し、かつ先端部が前記素材表面から前記アルマイト皮膜
    表面の近傍まで伸びる金属部を設けたことを特徴とする
    イオン風冷却装置。
  2. 【請求項2】 導電材からなる冷却板の表面に突出させ
    て複数の冷却フィンを設けたヒートシンクと、前記ヒー
    トシンクを収納する盤体と、前記ヒートシンクと前記盤
    体との間に放電を発生させる放電電源とを備えたイオン
    風冷却装置において、前記ヒートシンクは、表面にアル
    マイト皮膜を施したアルミニウムまたはアルミニウム合
    金材からなり、前記アルマイト皮膜に形成された多数の
    微細孔の中には前記アルミニウムまたはアルミニウム合
    金線の素材表面に接触し、かつ先端部が前記素材表面か
    ら前記アルマイト皮膜表面の近傍まで伸びる金属部を設
    けたことを特徴とするイオン風冷却装置。
  3. 【請求項3】 前記放電電極は、前記アルマイト皮膜の
    表面に前記アースに接続された導電皮膜を設けた請求項
    1または2記載のイオン風冷却装置。
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