JP2011027365A - 熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型でありながら放熱効率の高い熱交換器を構成する。
【解決手段】熱交換器101は、放熱すべき発熱体に接して熱的に結合する受熱部11、受熱部11に立設された複数の放熱フィン12、各放熱フィン12に取り付けられた配列電極基板部3、及び配列電極基板部3へパルス電圧を供給する周期パルス電源8を備えている。配列電極基板部3は、基板に対して互いに平行に配列されるともに絶縁膜で被覆され、並び順に相数nの周期で同一相番号が共通接続された複数の線状電極が形成されている。線状電極は、互いに隣接する線状電極同士の間隔が1.7μm乃至90μmの範囲であり、パルスの立ち上がり時間が1μs以下のパルス電圧が印加される。
【選択図】図2

Description

この発明は、気体を電気的に搬送する気体流動装置を熱交換部に用いた熱交換器に関するものである。
フレームより融点の高い金属からなる冷却フィンを鋳物のフレームに植え付けたヒートシンクが特許文献1に開示されている。
図1は特許文献1に示されているヒートシンクの正面図である。発熱電子部品を冷却するために、図1に示す如く、フレーム1の鋳造と同時に、受熱部1a内に冷却フィン2を設けたL字状部2aを埋入して冷却フィン2を立設する状態で保持したヒートシンクが使用されている。発熱電子部品は、フレーム1の受熱部1aに取付けられ、その発熱は金属板で構成される冷却フィン2より放熱される。
特開平8−195452号公報
ところが、図1に示されるような従来のヒートシンクにおいては、所要の放熱量に比し、放熱特性が低く十分な放熱効率が得られない。また、放熱量を増加するために冷却フィンの枚数を増やせば、重量が増え、小型化しにくい。
この発明の目的は、小型でありながら放熱効率の高い熱交換器を提供することにある。
この発明は次のように構成する。
(1)放熱フィンと、前記放熱フィンの近傍の気体を流動させる気体流動装置とを備えた熱交換器であって、
前記気体流動装置は、
絶縁性基体に互いに平行または略平行に配列されるともに絶縁膜で被覆され、並び順に相数nの周期で同一相番号が共通接続された複数の線状電極と、時間経過にともない、互いに一定の位相差で電圧が周期的に変化するn相のパルス電圧を前記線状電極に印加する電源と、を有し、
前記線状電極は、互いに隣接する線状電極同士の間隔が1.7μm乃至90μmの範囲であり、
前記電源は、パルスの立ち上がり時間が1μs以下のパルス電圧を発生する。
(2)前記線状電極の前記並び順は、全ての線状電極の配列範囲内で同一にして気体を一方向へ搬送するようにしてもよいし、局所的に逆順にして気体を撹拌するようにしてもよい。
(3)前記放熱フィンは受熱部に複数個立設され、
前記気体流動装置は、前記気体流動装置の前記絶縁性基体が前記放熱フィンの表面と平行になるように、前記複数の放熱フィンにそれぞれ配置されていてもよい。
(4)前記パルス電圧は、好ましくは330V乃至950Vの範囲内の値である。
(5)前記パルス電圧の繰り返し周波数は、好ましくは1kHz乃至1MHzの範囲内の値である。
本発明によれば、気体流動装置による気体の流速及び流量が大きく、高い放熱効果が得られる。そのため、小型の熱交換器が構成できる。
また、気体の撹拌を行うこともできるので、ファンなどの他の送風手段を組み合わせることで、放熱効果を高めることもできる。
特許文献1に示されているヒートシンクの正面図である。 第1の実施形態に係る熱交換器の斜視図である。 第1の実施形態に係る熱交換器の配列電極基板部3の平面図である。 第1の実施形態に係る熱交換器の配列電極基板部3の断面図である。 周期パルス電源の構成を示すブロック図である。 図5(A)に示した周期パルス電源8から出力される4相のパルス電圧波形を表す図である。 図4に示した基板31の断面図に対して、隣接する二つの電極間の作用領域Sab及びSdaを表す図である。 線状電極32aと線状電極32bとの間の作用領域Sabについて、荷電粒子と気体分子の動きを示す図である。 線状電極32aと線状電極32bとの間の作用領域Sabについて、荷電粒子と気体分子の動きを示す図である。 気圧pと電極間距離dとの積pdと放電開始電圧Vsとの関係の例を示す図である。 誘電体基板及びそこに形成された線状電極の各部の寸法を示す図である。 各線状電極に対する印加電圧の波形を示す図である。 パルス電圧の立ち上がり時間τを変化させたときの風速を測定した結果を示す図である。 第2の実施形態に係る熱交換器に備える配列電極基板部9の平面図である。 第2の実施形態に係る熱交換器に備える配列電極基板部9の断面図である。
《第1の実施形態》
第1の実施形態に係る熱交換器について各図を参照して説明する。
図2は第1の実施形態に係る熱交換器の斜視図である。この熱交換器101は、放熱すべき発熱体に接して熱的に結合する受熱部11、受熱部11に立設された複数の放熱フィン12、各放熱フィン12に取り付けられた配列電極基板部3、及び配列電極基板部3へパルス電圧を供給する周期パルス電源8を備えている。
受熱部11は、熱伝導性の高いアルミニウム板や銅板などで作られている。使用時には、半導体素子などの発熱体に当接される。放熱フィン12は、熱伝導性の高いアルミニウム板や銅板などで作られ、受熱部11と熱的に結合している。放熱フィン12は、1枚のみであってもよいし、複数枚から構成されてもよい。また、受熱部11と放熱フィン12とは、アルミダイカスト法などにより一体成型されてもよいし、個別に形成された後に埋入やねじ止めなどにより接合されてもよい。
配列電極基板部3は、放熱フィン12の両面に貼付されている。コネクタ4は、配列電極基板部3の外部接続電極に接続され、配列電極基板部3に対して駆動電圧を供給する。並列接続ケーブル5は、それぞれのコネクタ4の対応する電極を並列接続する。
周期パルス電源8は、電源コネクタ7及び外部接続ケーブル6を経て、配列電極基板部3へ駆動電圧を供給する。
図3は配列電極基板部3の平面図、図4はその断面図である。
基板31は、ガラスやセラミックスなどの薄いシートの表面および内部に電極が形成された多層基板である。この基板31には、線状電極32a〜32d,33a〜33d,34a〜34d,35a〜35dが微細プロセスにより形成されている。
第1層配線パターン43は図中に実線で描かれており、基板31の第1層(表面)に形成された配線パターンである。第2層配線パターン44は図中に破線で描かれており、基板31の第2層に形成された配線パターンである。第1層配線パターン43、および第2層配線パターン44は、図3に例示されるように、線状電極32a〜32d,33a〜33d,34a〜34d,35a〜35dを配列順に4本ごとに並列接続し、さらに外部接続電極47a〜47dに接続されている。接続点45は、第1層において線状電極同士を接続する点である。ビアホール46は、第1層と第2層との回路の接続点である。
図3中に描いたように、線状電極32aから35dへ向かう向きを+xとする。
このように、並び順に相数n(=4)の周期で同一相番号が共通接続された複数の線状電極が基板31に構成されている。
図4において、第1層面38aは、第1層の電極が形成される平面を、第2層面38bは、第2層の電極が形成される平面をそれぞれ表している。絶縁膜39は、線状電極32a〜32d,33a〜33d,34a〜34d,35a〜35dを被覆する、樹脂被膜や珪酸ガラス被膜などの絶縁膜である。なお、絶縁膜39は、外部接続電極47a〜47dを被覆しない。
なお、ここでは、図示の都合上、複数の線状電極として16本の線状電極32a〜32d,33a〜33d,34a〜34d,35a〜35dのみを描いたが、実際にはより多数の電極を配列することが効果的である。
図5は周期パルス電源の構成を示すブロック図である。図5(A)は気体流動装置全体のブロック図であり、図5(B)は周期パルス電源8の構成を示すブロック図である。
図5(B)に示すように、周期パルス電源8は定電圧直流電源回路81、ゲートドライバ回路83及びタイミング信号発生回路82で構成されている。タイミング信号発生回路82は正電圧を発生するタイミング信号を与え、ゲートドライバ回路83はそのタイミング信号に応じて、定電圧直流電源回路81から入力される0ボルト又は+Vボルトの電圧を切り替えてパルス電圧V1〜V4を出力する。このゲートドライバ回路83は、例えばパワーMOS FETを主たる素子として構成することができる。
ゲートドライバ回路83が出力する電圧Vi(i=1,2,3,または4)は周期Tの周期関数であり、時刻t=0からt=Tの間においては、
+V { (T/4)×(i−1) < t < (T/4)×i }
0 { それら以外のtのとき }
のそれぞれの値をとる。但し、Vは正の電圧である。このような電圧を出力することによって、図6に示す電圧波形を繰り返し出力する。
図6は図5(A)に示した周期パルス電源8から出力される4相のパルス電圧波形を表す図である。各相の駆動電圧は、0[V]の区間を挟んで+Vボルトの区間が繰り返し発生する。隣接する相は1/4周期ずつずれている。また、この例ではパルス電圧V1〜V4のうちいずれか1つのみ+Vボルトが出力され、同時に2つ以上の端子から+Vボルトが出力されない。
このようにn相のパルス電圧の時間波形を、各々が一定時間持続するステップパルスとして順次循環的に出力されるものとすることにより、電源回路を安価に構成することができる。
次に、第1の実施形態に係る気体流動装置の作用について説明する。
気体に流れが発生する機構については十分には解明できていないが、次の(a)から(d)の過程(作用)が関与しているものと推測する。
(a)各パルス電圧の立ち上りにおいて、電極間の電界が急峻に増大することにより、気体中で放電が生じる。この放電により、電極間の気体分子が電離し、荷電粒子が発生する。
(b)(a)及び(d)に由来する荷電粒子は電界から力を受け、電界の方向に沿って加速される。
(c)加速された荷電粒子は、電離していない他の気体分子と衝突し、その気体分子に運動量を与える。
(d)荷電粒子は電極近傍の絶縁性被膜上に付着する。
ここで図を用いて補足説明を行う。
図7は、図4に示した基板31の断面図に対して、隣接する二つの電極間の作用領域Sab及びSdaを表す図である。作用領域Sabは線状電極32a−32b間、33a−33b間、34a−34b間、35a−35b間の絶縁膜上の領域である。また、作用領域Sdaは線状電極32d−33a間、33d−34a間、34d−35a間の絶縁膜上の領域である。
図8及び図9は、線状電極32aと線状電極32bとの間の作用領域Sabについて、荷電粒子と気体分子の動きを示す図である。
前記過程(a)において、図6に示した電圧V1の立ち上がりの時刻t1においては、図7中の作用領域Sab及びSdaで電界が急速に増大するため放電が生じると考えられる。この放電は誘電体バリア放電であると考えられる。誘電体バリア放電は、電極が誘電体(この実施形態では絶縁膜39)により被覆されている場合に生じる放電である。この誘電体バリア放電においては、放電により生じた荷電粒子は、電界によって受けるクーロン力で線状電極へ向かうが、線状電極が誘電体により被覆されているため、線状電極に到達できず、電荷を保持したまま誘電体表面へ付着し留まる。
この誘電体表面に付着した荷電粒子は、電極が作り出す電界とは逆向きの電界を生じる。一定量の荷電粒子が発生し付着した時点で電極間の電界は十分小さくなり、放電は短時間で停止する。このため、放電がアーク放電などの破壊的な放電に至らず、また、発生する電荷量が一定量に制約される。これは一つの利点である。
また、前記過程(b)及び(c)において、図8に模式的に示すように、荷電粒子が生じ、その荷電粒子が電界により加速され、電離していない気体分子に衝突すると考えられる。この衝突によって荷電粒子から気体分子へ運動量が移ることにより気体が搬送される。ここで、搬送すべき気体が空気である場合、前記荷電粒子は、主に空気中の窒素分子が電離した一価の正イオンと電子であると考えられる。
また、前記過程(d)において、図9に模式的に示すように、線状電極のほうへ引き寄せられた荷電粒子は線状電極付近の絶縁膜上に付着し留まると考えられる。この付着した荷電粒子(壁電荷)は電界を作るが、時刻によって電極が作る電界を打ち消す方向に働くこともあれば、増大する方向に足し合わされる方向に働くこともある。後者の場合、放電がより高効率に生じるという利点を持つ。
なお、以上の説明においては、気体が搬送される方向が+x方向と−x方向のいずれであるのかが定まらない。しかし、実際には、上記(a)から(d)の少なくとも一つの過程において、+x方向と−x方向とに関する非対称性が生じることにより、一方向の流れが生じるものと考えられる。実験によると、多くの場合において、この流れの方向は+x方向であった。
以上に示した気体流動装置の配列電極基板部3が、図2に示したとおり、放熱フィン12の両面に取り付けられているので、互いに対向する配列電極基板部3同士の間隙に空気が流れる。この空気の流れによって放熱フィンが強制空冷され、受熱部11が効率良く冷却される。
次に、本発明の実施形態に係る気体流動装置の各部の具体的な寸法及び印加電圧及び印加電圧の波形について示す。
まず、線状電極の間隔と印加電圧について述べる。
気体中の絶縁破壊電圧の経験則としてパッシェンの法則が知られている。パッシェンの法則はタウンゼントの火花放電理論から導出されるが、ストリーマ形式の絶縁破壊、累積電離がある場合なども含めて、極めて広い範囲(圧力=10-2 〜 2400 Torr、空隙=5×10-4 〜 20cm,気体温度=−15℃〜860℃、不平等電界)で成立することが証明されている。
パッシェンの法則において、放電開始電圧Vsは、気圧pと電極間距離dとの積pdの関数となることが知られている。図10に放電開始電圧Vsと気圧pと電極間距離dとの積pdとの関係の例を示す。
図10中の曲線は、空気における関係を示している。例えば、放電開始電圧Vsの最小値はpd=0.57mmHg・cm付近において実現され、このとき、放電開始電圧=330Vである。
本発明の応用上、高電圧パルスの発生にパワーMOS FETを用いるものとすると、例えば2SK2613のように、ドレイン・ソース間電圧の絶対定格値が1000V以下のものは比較的入手が容易である。使用上のマージンとして5%を考えると、放電開始電圧Vsが950V以下であれば装置の構成が容易である。
したがって、線状電極に印加されるパルス電圧は、330V乃至950Vの範囲内の値であると、気体流動装置として好適である。
図10より、空気の場合において放電開始電圧Vsが950V以下となる条件は、pdが0.13乃至6.8mmHg・cmであることに対応する。この条件は、1気圧(p=760mmHg)の下では、電極間距離dが1.7μm乃至90μmであることに対応する。
すなわち、電極間距離dを1.7μm乃至90μmに定めることにより、利用が比較的容易な電圧(950V以下)により放電が生じるため、装置を容易に構成できる。
図11は誘電体基板及びそこに形成された線状電極の各部の寸法を示している。ここで前記電極間距離dは、[線状電極の配列ピッチ60μm]−[線状電極の幅25μm]=35μmである。
次に、線状電極に印加されるパルス電圧の波形について述べる。
パルスの立ち上がり時間は非常に重要である。立ち上がりの時間が短いほどより強い放電が発生する。すなわち、パルス電圧の立ち上がりの際に放電が発生し、立ち上がり時間が短いほど、より強い放電が発生する。また、各電極が絶縁体で被覆されていることにより、生じた荷電粒子は電極に到達することができないため、絶縁膜上に蓄積されて壁電荷が形成される。前述のとおり、この壁電荷により生じる電界と、各電極に印加される電圧により生じる電界とによって、放電が高効率に発生し、荷電粒子も高密度に発生する。
発生した荷電粒子は、電極間の交番電界により運動する。運動する荷電粒子は、空気分子と衝突し運動量を、空気分子へ輸送することにより空気の搬送が生じる。
図12は各線状電極に対する印加電圧の波形を示している。ここで、立ち上がり時間はピーク電圧の20%から80%へ至るまでの時間として定義する。この立ち上がり時間τを変化させたときの風速を測定した結果を図13に示す。具体的には、図11に示した気体流動装置を二つ用意し、間隙3.5mmで対向させた状態で、その間隙を流れる空気の風速を日本カノマックス社製の風速計クリモマスター6543で測定した。パルス電圧の繰り返し周波数は5kHzとした。
図13に表れているように、パルス電圧の立ち上がり時間が1μs以下であれば空気の搬送がなされ、パルス電圧の立ち上がり時間が短くなるほど、風速が増すことがわかる。
したがって、前記立ち上がり時間τが1μs以下となるように図5(A)に示した周期パルス電源8の回路を構成する。
前記パルス電圧の繰り返し周波数の範囲としては1kHz乃至1MHzの範囲であることが好ましい。これは、周波数が1kHz以上で実用的な風速が得られ、1MHz以下の周波数で周期パルス電源の回路構成が容易になるからである。
なお、以上に示した例では、平板状の誘電体基板の線状電極を形成したが、線状電極を形成する面は平面に限らず、一般的には絶縁性基体に線状電極を略平行に配列すればよい。
なお、以上に示した例では、相数“4”の周期で線状電極を共通接続し、4相のパルス電圧を印加するようにしたが、相数nは“3”以上であれば任意である。
《第2の実施形態》
図14は第2の実施形態に係る熱交換器に備える配列電極基板部9の平面図、図15はその断面図である。
第2の実施形態に係る熱交換器の配列電極基板部以外の構成は、第1の実施形態で示したものと同様である。
図14において、基板31は、ガラスやセラミックスなどの薄いシートの表面および内部に電極が形成された多層基板である。この基板31には、線状電極91a〜91h,92a〜92h,93a〜93h,94a〜94hが微細プロセスにより形成されている。
ここで、図14・図15中に描いたように、線状電極91aから94hへ向かう向きが+x方向である。
これらの線状電極91a〜91h,92a〜92h,93a〜93h,94a〜94hは、それらの並び順に相数4の周期で同一相番号が共通接続されている。但し、線状電極91a〜91hと線状電極92a〜92hとでは並びの順が逆向きである。すなわち、線状電極91a〜91hに印加されるパルス電圧の位相変化の順と、線状電極92a〜92hに印加されるパルス電圧の位相変化の順とは逆である。
同様に、線状電極92a〜92hと線状電極93a〜93hとでは並びの順が逆向きである。すなわち、線状電極92a〜92hに印加されるパルス電圧の位相変化の順と、線状電極93a〜93hに印加されるパルス電圧の位相変化の順とは逆である。
さらに、線状電極93a〜93hと線状電極94a〜94hとでは並びの順が逆向きである。すなわち、線状電極93a〜93hに印加されるパルス電圧の位相変化の順と、線状電極94a〜94hに印加されるパルス電圧の位相変化の順とは逆である。
このような構成により、第1の実施形態と同様の原理により、線状電極91a〜94hの近傍において気流が生じる。
線状電極91a〜91h及び93a〜93hについては、外部接続電極47a〜47dとの接続の順序が第1の実施形態の場合と同順であるため、これらの線状電極の近傍では+x方向に気流が生じる。
一方、線状電極92a〜92h及び94a〜94hについては、外部接続電極47a〜47dとの接続の順序が第1の実施形態の場合とは逆順であるため、これらの線状電極の近傍では−x方向に気流が生じる。
図15において、気流FNは、線状電極91a〜91h及び93a〜93hにより生じる基板表面(絶縁膜表面)の気流である。また、気流FRは、線状電極92a〜92h及び94a〜94hにより生じる基板表面の気流である。このように、気流の向きが交互に反対になるので、基板の表面から少し離れた空間に、旋回方向が互いに逆である気流の渦CRN,CRRが交互に生じる。
したがって、配列電極基板部9の表面付近の空気が撹拌され、受熱部11および放熱フィン12の熱が効率的に空気中へ伝導され、発熱体が効率良く冷却される。
また、この第2の実施形態に係る熱交換器の気体流動装置は気流の気流撹拌装置として作用するので、図2に示した複数の放熱フィン12の面に沿って気流が通り抜ける方向に送風するブロアー、または吸引するバキュームを外部に設けてもよい。すなわち、第2の実施形態に係る気体流動装置は放熱フィンの表面近傍の空気を主に掻き出すために用い、その掻き出された空気を外部のブロアーまたはバキュームで外部へ送り出すようにしてもよい。
なお、ここでは、図示の都合上、32本の線状電極91a〜94hのみを描いたが、実際にはより多数であってもよい。また、ここでは、線状電極91a〜94hについて、8本ごとに外部接続電極47a〜47dの接続順序が切り替わるものとしたが、切り替わりの周期は8本に限られるものではない。全ての線状電極の配列範囲内で局所的に逆順となっている箇所があればよい。
また、以上に示した各実施形態では、発熱体が持つ熱を空気へ伝導させることにより発熱体を冷却する熱交換器について記載したが、発熱体に代えて、冷却(吸熱)体に適用し、空気を効率的に冷却する熱交換器としてもよい。
CRN,CRR…渦
FN,FR…気流
Sab,Sda…作用領域
3…配列電極基板部
4…コネクタ
5…並列接続ケーブル
6…外部接続ケーブル
7…電源コネクタ
8…周期パルス電源
9…配列電極基板部
11…受熱部
12…放熱フィン
31…基板
32a〜32d…線状電極
33a〜33d…線状電極
34a〜34d…線状電極
35a〜35d…線状電極
38a…第1層面
38b…第2層面
39…絶縁膜
43…第1層配線パターン
44…第2層配線パターン
45…接続点
46…ビアホール
47a〜47d…外部接続電極
81…定電圧直流電源回路
82…タイミング信号発生回路
83…ゲートドライバ回路
91a〜91h…線状電極
92a〜92h…線状電極
93a〜93h…線状電極
94a〜94h…線状電極
101…熱交換器

Claims (5)

  1. 放熱フィンと、前記放熱フィンの近傍の気体を流動させる気体流動装置とを備えた熱交換器であって、
    前記気体流動装置は、
    絶縁性基板に互いに平行または略平行に配列されるともに絶縁膜で被覆され、並び順に相数nの周期で同一相番号が共通接続された複数の線状電極と、時間経過にともない、互いに一定の位相差で電圧が周期的に変化するn相(nは3以上の数)のパルス電圧を前記線状電極に印加する電源と、を有し、
    前記線状電極は、互いに隣接する線状電極同士の間隔が1.7μm乃至90μmの範囲であり、
    前記電源は、パルスの立ち上がり時間が1μs以下のパルス電圧を発生する、
    熱交換器。
  2. 前記線状電極の前記並び順は、全ての線状電極の配列範囲内で局所的に逆順となっている、請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記放熱フィンは受熱部に複数個立設され、
    前記気体流動装置は、前記気体流動装置の前記絶縁性基体が前記放熱フィンの表面と平行になるように、前記複数の放熱フィンにそれぞれ配置された、請求項1または2に記載の熱交換器。
  4. 前記パルス電圧は、330V乃至950Vの範囲内の値である、請求項1〜3の何れかに記載の熱交換器。
  5. 前記パルス電圧の繰り返し周波数は、1kHz乃至1MHzの範囲内の値である、請求項1〜4の何れかに記載の熱交換器。
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