JP5505107B2 - 気体搬送装置 - Google Patents

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Description

この発明は、電気的な制御によって気体を搬送させ、気流を生じさせる気体搬送装置に関するものである。
平行に配列された複数の線状電極に対して交番電圧を印加することにより、電極近傍に生じる不平等電界が起こす気体の密度変化を利用して気体を搬送する装置が特許文献1に開示されている。
また、3枚のスケルトン電極部材11が空間14を介在させて搬送方向にずらして積層されたスケルトン搬送部材を備えた現像装置が特許文献2に記載されている。図1は特許文献2のスケルトン搬送部材によるトナー搬送作用を示す図である。スケルトン搬送部材1においては、図1に示すように、電圧印加手段2によってn相(ここでは、3相)のパルス状電圧Va、Vb、Vcを各スケルトン電極部材11に印加することによって、進行波電界が形成されて、帯電したトナーTが搬送方向に搬送される。
スケルトン搬送部材1は電極線12が空間的に積層されスケルトン構造であるため、各スケルトン電極部材11間の空間14、14もトナーの搬送空間となり、最上層のスケルトン電極部材11の表面、最上層の下層のスケルトン電極部材11との間の空間14、及び、更に下層のスケルトン電極部材11との間の空間14を介して、トナーが搬送される。
国際公開第2008/099569号パンフレット 特開2006−308804号公報
特許文献1の気体搬送装置は、基板の表面に沿って一軸方向に気流が発生するだけであり、多軸方向のうち所定方向へ気流を発生させることができない。
また、特許文献2のトナー搬送装置においては、搬送されるのはトナーであり、しかも一方向に搬送されるだけである。
気体搬送装置は例えば電子機器内の回路基板や回路基板に実装されている半導体部品を空冷により冷却する装置として有効である。しかし、特許文献1のような従来の気体搬送装置では、気流を一方向に発生させるだけであるので、冷却装置として電子機器内に設ける際の設計上の自由度が低い。また、必要に応じて気流の方向を変えることは冷却効率を高める上で有効であるが、特許文献1のような従来の気体搬送装置では気流の方向を変更させるようなことは不可能である。
本発明の目的は、このような課題を解決して、互いに異なった複数の方向に気体を選択的に搬送させる気体搬送装置を提供することにある。
本発明の気体搬送装置は、互いに直交する(x,y,z)座標系で、それぞれy軸方向に延び、y軸に垂直な面(xz面)での断面視でy軸に垂直な面内(xz面内)方向で少なくとも二つの方向に等間隔で配列され、それぞれ誘電体により被覆された複数の線状電極と、
前記複数の線状電極に対して、前記y軸に垂直な面内(xz面内)の所定方向に並ぶ線状電極に対して電圧が所定時間周期で変化する複数相の電圧パルスを周期的に繰り返し印加する電源と、
を備える。
この構成により、y軸に垂直な面内(xz面内)方向の複数方向のうち所定方向へ気体を搬送することができる。
前記電圧パルスの立ち上がり時間は例えば1μs以下である。
前記複数の線状電極のうち互いに隣接する線状電極間の距離は例えば1.7μm乃至90μmの範囲内の値である。
前記電圧パルスは例えば330V乃至950Vの範囲内の値である。
前記電圧パルスの繰り返し周波数は例えば1kHz乃至1MHzの範囲内の値である。
また、例えば前記複数の線状電極は、それらの線状電極のうち任意の線状電極から当該線状電極の周囲の隣接する複数の線状電極までの距離がそれぞれ等しい。この構成により、同じ電極間隔とした場合に、xz面における電極の配置密度を高くできる。
本発明によれば、多軸方向のうち所定方向へ気流を発生させ、気体を搬送することができる。
図1は特許文献2のスケルトン搬送部材によるトナー搬送作用を示す図である。 図2は第1の実施形態に係る気体搬送装置の配列電極部の斜視図である。 図3は図2に示したy軸に垂直な断面における線状電極の配置を示す図である。 図4は線状電極30に印加される電圧パルスの波形図の一例である。 図5Aは、図4に示したタイミングチャートにおける時間0<t<(T/4)で電圧パルスが印加される線状電極を示す図である。 図5Bは、図4に示したタイミングチャートにおける時間(T/4)<t<(2T/4)で電圧パルスが印加される線状電極を示す図である。 図5Cは、図4に示したタイミングチャートにおける時間(2T/4)<t<(3T/4)で電圧パルスが印加される線状電極を示す図である。 図5Dは、図4に示したタイミングチャートにおける時間(3T/4)<t<(4T/4)で電圧パルスが印加される線状電極を示す図である。 図6は前記線状電極E1 (1) 〜 E4 (1) 及びE1 (2) 〜 E4 (2) の8本の、xz面に平行な面での断面図である。 図7Aは、隣接する線状電極間の作用領域S12について、荷電粒子と気体分子の動きを示す図である。 図7Bは、隣接する線状電極間の作用領域S12について、荷電粒子と気体分子の動きを示す図である。 実験用の基板及びそこに形成された線状電極の各部の寸法を示す図である。 図8Aは、各電圧パルスの波形図である。 図8Bは、図8Aに示した立ち上がり時間τを変化させたときの風速を測定した結果である。 図9は、図3に示した線状電極30に印加される電圧パルスの波形図(タイミングチャート)の一例である。 図10Aは、図9に示したタイミングチャートにおける時間0<t<(T/4)で電圧パルスが印加される線状電極を示している。 図10Bは、図9に示したタイミングチャートにおける時間(T/4)<t<(2T/4)で電圧パルスが印加される線状電極を示している。 図10Cは、図9に示したタイミングチャートにおける時間(2T/4)<t<(3T/4)で電圧パルスが印加される線状電極を示している。 図10Dは、図9に示したタイミングチャートにおける時間(3T/4)<t<(4T/4)で電圧パルスが印加される線状電極を示している。 図11は、図3に示した線状電極30に印加される電圧パルスの波形図(タイミングチャート)の一例である。 図12Aは、図11に示したタイミングチャートにおける時間0<t<(T/4)で電圧パルスが印加される線状電極を示している。 図12Bは、図11に示したタイミングチャートにおける時間(T/4)<t<(2T/4)で電圧パルスが印加される線状電極を示している。 図12Cは、図11に示したタイミングチャートにおける時間(2T/4)<t<(3T/4)で電圧パルスが印加される線状電極を示している。 図12Dは、図11に示したタイミングチャートにおける時間(3T/4)<t<(4T/4)で電圧パルスが印加される線状電極を示している。 図13は気体搬送装置201のブロック図である。 図14は周期パルス電源部110の内部の構成を表したブロック図である。 図15は電圧パターンテーブル116の内容の例である。 図16は第2の実施形態に係る冷却装置301の概略構成図である。 図17は、配列電極部120を構成する単位構造U(j)の斜視図である。 図18は二つの単位構造を左右に配置した状態を示している。 図19は4つの単位構造を備えるとともに、絶縁性支持板に接続配線を設けた例を示す斜視図である。 図20Aは、図19におけるA−1面をy軸の負の側から正の方向に見た平面図である。 図20Bは、図19におけるA−2面をy軸の負の側から正の方向に見た平面図である。 図20Cは、図19におけるB−2面面をy軸の負の側から正の方向に見た平面図である。 図20Dは、図19におけるB−1面をy軸の負の側から正の方向に見た平面図である。 図21は、線状電極E1 (1)とE9 (1)との双方の中心を通る断面図である。 図22Aは第4の実施形態に係る気体搬送装置の線状電極の配置例を示す図である。 図22Bは第4の実施形態に係る気体搬送装置の線状電極の配置例を示す図である。
《第1の実施形態》
図2は第1の実施形態に係る気体搬送装置の配列電極部の斜視図である。この図2に表れているように、y軸に垂直な二つの面上に絶縁性支持板21,22がそれぞれ配置され、これを支持材としてy軸方向に複数の線状電極30が配置されている。各線状電極30の表面には誘電体層が形成されている。
図3は、図2に示したy軸に垂直な断面における線状電極の配置を示す図である。複数の線状電極30の各線状電極を区別するために、図3においては、E1 (1) 〜 E16 (1) ,E1 (2) 〜 E16 (2) ,E1 (3) 〜 E16 (3) ,E1 (4) 〜 E16 (4) の符号を付与している。これらの線状電極30のうち任意の線状電極からその周囲の隣接する6本の線状電極までの距離がそれぞれ等しい。例えば、線状電極E1 (4) に着目すると、この線状電極E1 (4) から6本の線状電極E16 (1) ,E13 (2) ,E2 (4) ,E5 (4) ,E8 (3) ,E4 (3) までの距離はそれぞれ等しい。
図4は前記線状電極30に印加される電圧パルスの波形図(タイミングチャート)の一例である。図4において、電圧V1〜V16 の添え字は、図3に示した線状電極に付した符号の下付添え字に対応する。したがって、E1 (1) ,E5 (1) ,E9 (1) ,E13 (1) ,E1 (2) ,E5 (2) ,E9 (2) ,E13 (2) ,E1 (3) ,E5 (3) ,E9 (3) ,E13 (3) ,E1 (4) ,E5 (4) ,E9 (4) ,E13 (4) に同電位の電圧が印加される。また、E2 (1) ,E6 (1) ,E10 (1) ,E14 (1) ,E2 (2) ,E6 (2) ,E10 (2) ,E14 (2) ,E2 (3) ,E6 (3) ,E10 (3) ,E14 (3) ,E2 (4) ,E6 (4) ,E10 (4) ,E14 (4) に同電位の電圧が印加される。また、E3 (1) ,E7 (1) ,E11 (1) ,E15 (1) ,E3 (2) ,E7 (2) ,E11 (2) ,E15 (2) ,E3 (3) ,E7 (3) ,E11 (3) ,E15 (3) ,E3 (4) ,E7 (4) ,E11 (4) ,E15 (4) に同電位の電圧が印加される。また、E4 (1) ,E8 (1) ,E12 (1) ,E16 (1) ,E4 (2) ,E8 (2) ,E12 (2) ,E16 (2) ,E4 (3) ,E8 (3) ,E12 (3) ,E16 (3) ,E4 (4) ,E8 (4) ,E12 (4) ,E16 (4) に同電位の電圧が印加される。
このように複数の線状電極30に対して、電圧が周期Tで変化する4相の電圧パルスを印加する。
図5Aは、図4に示したタイミングチャートにおける時間0<t<(T/4)で電圧パルスが印加される線状電極を示している。図5Bは時間(T/4)<t<(2T/4)で電圧パルスが印加される線状電極を示している。図5Cは時間(2T/4)<t<(3T/4)で電圧パルスが印加される線状電極を示している。図5Dは時間(3T/4)<t<(4T/4)で電圧パルスが印加される線状電極を示している。
図5A〜図5Dにおいて、破線の円は、その円で囲んだ線状電極に電圧が印加されている状態を表している。このように、複数の線状電極に対して、y軸に垂直な面内(xz面内)でx方向に並ぶ線状電極に対して電圧が周期Tで変化する4相の電圧パルスを印加する。このことにより、x軸方向に気流が生じる。
図8Aは、各電圧パルスの波形図である。図8Aにおいて、パルス立ち上がり時間τを、ピーク電圧Vの20%から80%へ至るまでの時間として定義する。このパルス立ち上がり時間τが1μs(マイクロ秒)以下となるように構成する。
気流の発生機構については十分には解明できていないが、次の(a)から(d)の過程が関与していると推測している。
(a)各電圧パルスの立ち上りにおいて、電極間の電界が急峻に増大することにより、放電が生じる。この放電により、電極間の空気分子が電離し、荷電粒子が発生する。
(b)(a)および後述の(d)に由来する荷電粒子は電界から力を受け、電界の方向に沿って加速される。
(c)加速された荷電粒子は、電離していない他の空気分子と衝突し、運動量を与える。
(d)荷電粒子は電極近傍の絶縁体皮膜上に付着する。
上記の作用を、図6、図7A、図7Bを用いて補足説明を行う。
図6は前記線状電極E1 (1) 〜 E4 (1) 及びE1 (2) 〜 E4 (2) の8本の、xz面に平行な面での断面図である。上記過程(a)において、例えば図4に示した電圧V1の立ち上がりの時刻t1においては、図6中の領域S41およびS12において電界が急峻に増大するため放電が生じると考えられる。
ここで、上記過程(a)における放電は、誘電体バリア放電であると考えられる。誘電体バリア放電は、電極が誘電体により被覆されている場合に生じる放電である。この誘電体バリア放電においては、放電により生じた荷電粒子は、電界から受けるクーロン力により電極へ向かうが、電極が誘電体により被覆されているため、電極に到達できず電荷を保持したまま誘電体表面へ付着し留まる。この誘電体表面に付着した荷電粒子は、電極が作り出す電界とは逆向きの電界を生じる。一定量の荷電粒子が発生し付着した時点で電極間の電界は十分小さくなり、放電は短時間で停止する。このため、放電がアーク放電などの破壊的な放電に至らず、また、発生する電荷量が一定量に制約されるという利点を持つ。
また、上記過程(b)および(c)において、図7Aに模式的に示すように、荷電粒子が生じ、電界により加速され、電離していない空気分子と衝突すると考えられる。ここで、荷電粒子は主に空気中の窒素分子が電離した一価の正イオンと電子であると考えられる。
また、上記過程(d)において、図7Bに模式的に示すように、電極のほうへ引き寄せられた荷電粒子は電極付近の絶縁体皮膜上に付着し留まると考えられる。
なお、以上の説明においては、空気が搬送される方向が+x方向と−x方向のいずれであるのかは定まらない。しかし、実際には、上記過程(a)から(d)の少なくとも一つの過程において、+x方向と−x方向とに関する非対称性が生じることにより、一方向の流れが生じるものと考えられる。
上述の作用を実験により確かめた。図7Cは、実験に用いた基板の断面図である。図中に各部の寸法を示している。このように基板51に複数の線状電極を一定間隔で配列し、その表面に誘電体膜54を被覆したものを用い、各線状電極に上述の電圧パルスを印加した。ここで電極間距離dは、[線状電極の配列ピッチ60μm]−[線状電極の幅25μm]=35μmである。
実験によると、この流れの方向は+x方向であった。すなわち、印加されるパルス電圧V1〜V4の位相の順序である線状電極E1 (j)〜E4 (j)の配列の順序の方向へ気流が発生した。
上述の例は、+x方向に気流を発生させるものであったが、電圧パルスの移相順を逆にすれば、−x方向に気流を発生させることができる。
次に、第1の実施形態に係る気体搬送装置の各部の具体的な寸法及び印加電圧及び印加電圧の波形について示す。
気体中の絶縁破壊電圧の経験則としてパッシェンの法則が知られている。パッシェンの法則はタウンゼントの火花放電理論から導出されるが、ストリーマ形式の絶縁破壊、累積電離がある場合なども含めて、極めて広い範囲(圧力=10-2 〜 2400 Torr、空隙=5×10-4 〜 20cm,気体温度=−15℃〜860℃、不平等電界)で成立することが証明されている。
パッシェンの法則において、放電開始電圧Vsは、気圧pと電極間距離dとの積pdの関数となることが知られている。
気体が空気である場合、放電開始電圧の最小値は気体圧力と電圧間距離の積が0.57mmHg・cm付近において実現され、このとき、放電開始電圧=330Vである。
本発明の応用上、高電圧パルスの発生にパワーMOS FETを用いるものとすると、例えば2SK2613のように、ドレイン・ソース間電圧の絶対定格値が1000V以下のものは比較的入手が容易である。使用上のマージンとして5%を考えると、放電開始電圧Vsが950V以下であれば装置の構成が容易である。
したがって、線状電極に印加されるパルス電圧は、330V乃至950Vの範囲内の値であると、気体搬送装置として好適である。
空気の場合において放電開始電圧が950V以下となる条件は、気体圧力と電圧間距離の積が0.13乃至6.8mmHg・cmであることに対応する。この条件は、1気圧(p=760mmHg)の下で電極間距離dが1.7μm乃至90μmであることに対応する。
すなわち、線状電極間の距離を1.7μm乃至90μmに定めることにより、利用が比較的容易な電圧(950V以下)により放電が生じるため、装置を容易に構成できる。
図8Bは、図7Cに示した基板を用い、図8Aに示した電圧パルスの立ち上がり時間τを変化させたときの風速を測定した結果である。ここで、電圧パルスの繰り返し周波数は5kHzとした。図8Bに表れているように、電圧パルスの立ち上がり時間が1μs以下であれば空気の搬送がなされ、電圧パルスの立ち上がり時間が短くなるほど、風速が増すことがわかる。したがって、立ち上がり時間τが1μs以下となるようにする。電圧パルスの繰り返し周波数の範囲としては1kHz乃至1MHzの範囲であることが好ましい。これは、周波数が1kHz以上で実用的な風速が得られ、1MHz以下の周波数で周期パルス電源の回路構成が容易になるからである。
以上に示した例は、x軸方向に気流を発生させるものであった。次に、z軸方向に気流を発生させる例を示す。
図9は、図3に示した線状電極30に印加される電圧パルスの波形図(タイミングチャート)の一例である。図9において、電圧V1〜V16 の添え字は、図3に示した線状電極に付した符号の下付添え字に対応する。したがって、E13 (1) ,E14 (1) ,E15 (1) ,E16 (1) ,E13 (2) ,E14 (2) ,E15 (2) ,E16 (2) ,E13 (3) ,E14 (3) ,E15 (3) ,E16 (3) ,E13 (4) ,E14 (4) ,E15 (4) ,E16 (4) に同電位の電圧が印加される。また、E9 (1) ,E10 (1) ,E11 (1) ,E12 (1) ,E9 (2) ,E10 (2) ,E11 (2) ,E12 (2) ,E9 (3) ,E10 (3) ,E11 (3) ,E12 (3) ,E9 (4) ,E10 (4) ,E11 (4) ,E12 (4) に同電位の電圧が印加される。また、E5 (1) ,E6 (1) ,E7 (1) ,E8 (1) ,E5 (2) ,E6 (2) ,E7 (2) ,E8 (2) ,E5 (3) ,E6 (3) ,E7 (3) ,E8 (3) ,E5 (4) ,E6 (4) ,E7 (4) ,E8 (4) に同電位の電圧が印加される。また、E1 (1) ,E2 (1) ,E3 (1) ,E4 (1) ,E1 (2) ,E2 (2) ,E3 (2) ,E4 (2) ,E1 (3) ,E2 (3) ,E3 (3) ,E4 (3) ,E1 (4) ,E2 (4) ,E3 (4) ,E4 (4) に同電位の電圧が印加される。
このように複数の線状電極30に対して、電圧が周期Tで変化する4相の電圧パルスを印加する。
図10Aは、図9に示したタイミングチャートにおける時間0<t<(T/4)で電圧パルスが印加される線状電極を示している。図10Bは時間(T/4)<t<(2T/4)で電圧パルスが印加される線状電極を示している。図10Cは時間(2T/4)<t<(3T/4)で電圧パルスが印加される線状電極を示している。図10Dは時間(3T/4)<t<(4T/4)で電圧パルスが印加される線状電極を示している。
図10A〜図10Dにおいて、破線の円は、その円で囲んだ線状電極に電圧が印加されている状態を表している。このように、複数の線状電極に対して、y軸に垂直な面内(xz面内)でz方向に並ぶ線状電極に対して電圧が周期Tで変化する4相の電圧パルスを印加する。このことにより、z方向に気流が生じる。
上述の例は、+z方向に気流を発生させるものであったが、電圧パルスの移相順を逆にすれば、−z方向に気流を発生させることができる。
次に、+x方向を0°、+z方向を90°で表したときの60°方向に気流を発生させる例を示す。
図11は、図3に示した線状電極30に印加される電圧パルスの波形図(タイミングチャート)の一例である。図11において、電圧V1〜V16 の添え字は、図3に示した線状電極に付した符号の下付添え字に対応する。したがって、E13 (1) ,E15 (1) ,E13 (2) ,E15 (2) ,E13 (3) ,E15 (3) ,E13 (4) ,E15 (4) に同電位の電圧が印加される。また、E10 (1) ,E12 (1) ,E10 (2) ,E12 (2) ,E10 (3) ,E12 (3) ,E10 (4) ,E12 (4) に同電位の電圧が印加される。また、E6 (1) ,E8 (1) ,E6 (2) ,E8 (2) ,E6 (3) ,E8 (3) ,E6 (4) ,E8 (4) に同電位の電圧が印加される。また、E1 (1) ,E3 (1) ,E1 (2) ,E3 (2) ,E1 (3) ,E3 (3) ,E1 (4) ,E3 (4) に同電位の電圧が印加される。
このように複数の線状電極30に対して、電圧が周期Tで変化する4相の電圧パルスを印加する。
図12Aは、図11に示したタイミングチャートにおける時間0<t<(T/4)で電圧パルスが印加される線状電極を示している。図12Bは時間(T/4)<t<(2T/4)で電圧パルスが印加される線状電極を示している。図12Cは時間(2T/4)<t<(3T/4)で電圧パルスが印加される線状電極を示している。図12Dは時間(3T/4)<t<(4T/4)で電圧パルスが印加される線状電極を示している。
図12A〜図12Dにおいて、破線の円は、その円で囲んだ線状電極に電圧が印加されている状態を表している。このように、複数の線状電極に対して、y軸に垂直な面内(xz面内)で+x軸方向を0°とし、60°方向に並ぶ線状電極に対して電圧が周期Tで変化する4相の電圧パルスを印加する。このことにより、60°方向に気流が生じる。
図9に示した例では60°方向に気流を発生させたが、電圧パルスの移相順を逆にすれば、−120°方向に気流を発生させることができる。また、線状電極に印加する電圧パルスのタイミングをx軸方向またはz軸方向の並びで逆順にすることによって、120°方向や−60°方向に気流を発生させることもできる。
次に、気体搬送装置の回路について、図13〜図15を基に説明する。
図13は気体搬送装置201のブロック図である。気体搬送装置201は、複数の線状電極が形成された配列電極部120と、その配列電極部120に対して電圧パルスV1〜V16を供給する周期パルス電源部110を備えている。
図14は周期パルス電源部110の内部の構成を表したブロック図である。図14において、定電圧直流電源回路111は、+Vボルトおよび0ボルトを出力する。送風方向インデックス設定回路112は、操作者が手動で選択した1から8のいずれかの送風方向インデックスiを出力する。クロック回路113は一定周期のクロック信号を発生する。カウンタ回路114はクロック回路113から出力される信号に基づき一定のタイミングで1から4までで循環するタイミングインデックスjを出力する。
電圧パターンテーブル116は送風方向インデックスiとタイミングインデックスjに対応する各電極の電圧パターンを生成するためのデータを収容したテーブルである。電圧パターンテーブル116の具体例は後述する。
電圧パターン読み出し回路115は、送風方向インデックスiとタイミングインデックスjとに基づいて電圧パターンテーブル116より電圧パターンg1 (i,j)〜g16 (i,j)を読み出し、“1”であれば+5ボルトを、“0”であれば0ボルトを、ゲート制御信号G1〜G16としてゲートドライバ回路117へ出力する。
ゲートドライバ回路117は、ゲート制御信号G1〜G16の5ボルトまたは0ボルトに対応して電圧パルスV1〜V16のそれぞれを、定電圧直流電源回路が出力する+Vボルトまたは0ボルトのいずれかに切り替える。このゲートドライバ回路は、例えばパワーMOS FETを中心として構成することができる。
図15は前記電圧パターンテーブル116の内容の例である。ここで送風方向θは、(x,y,z)方向で表したときの(cosθ,0,sinθ)に対応する角度である。送風方向インデックスiは送風方向θの8通りに対応している。図14に示した電圧パターン読み出し回路115は、送風方向インデックスi、タイミングインデックスjを基に8×4=32通りの電圧パターンg1 (i,j)〜g16 (i,j)を電圧パターンテーブル116から読み出す。
i=1(θ=0°すなわち送風方向が+x方向)の場合におけるゲートドライバ回路117の出力は図4に示したとおりである。また、i=3(θ=90°すなわち送風方向が+z方向)の場合におけるゲートドライバ回路117の出力は図9に示したとおりである。さらに、i=2(θ=60°すなわち送風方向のx成分がcos60°、z成分がsin60°)の場合におけるゲートドライバ回路117の出力は図11に示したとおりである。
同様にして、θ=120°〜300°についても電圧パルスを発生させることができる。
《第2の実施形態》
図16は第2の実施形態に係る冷却装置301の概略構成図である。この冷却装置301には、電気機器内のCPUなどの発熱デバイス211〜215に対して気流を発生させる気体搬送装置201を備えている。気体搬送装置201はθ=60°,0°,300°,270°,240°の何れかの方向に気流を発生させる。すなわち、この気流によって発熱デバイス211〜215を冷却する。気体搬送装置201は発生する気流の方向θを0°,60°,90°,120°,180°,240°,270°,300°の8通りから任意に切り替えることができるので、この気流の方向を順次循環的に切り替えることにより、すべての発熱デバイス211〜215を均等に冷却できる。また、発熱量の多いデバイスを選択的重点的に冷却することもできる。
《第3の実施形態》
第3の実施形態では、図13に示した配列電極部120の構成について示す。
図17は、配列電極部120を構成する単位構造U(j)の斜視図である。図17に表されるように、互いに平行に対向する2面の絶縁性支持板21(j),22(j)を備える。これらの絶縁性支持板21(j),22(j)の主面はいずれもxz面に対して平行である。この二つの絶縁性支持板間に複数の線状電極30がy軸に平行となるように配列されている。線状電極30はx軸方向に一定の間隔で4本並べられている。この間隔を1ピッチと定義する。この4本の線状電極がz軸方向に√3/2ピッチの間隔をおいて4層分配列されている。ここで、z軸方向の奇数番目の層と偶数番目の層とは互いにx軸方向に1/2ピッチずらして配置されている。また、線状電極の表面には誘電体が被覆されている。
図18は二つの単位構造を左右に配置した状態を示している。また図19は4つの単位構造を備えるとともに、絶縁性支持板に接続配線を設けた例を示す斜視図である。図20A〜図20Dは、図19におけるA−1面、A−2面、B−1面およびB−2面をy軸の負の側から正の方向に見た各々の平面図である。また図21は、線状電極E1 (1)とE9 (1)との双方の中心を通る断面図である。
図19に表されるように配列電極部は、複数の単位構造をxz面方向に平行移動した位置に隣接して配置した構造を持つ。ここで各々の線状電極には図19、図20A〜図20D及び図21に示すように引き出し線が接続されている。図20A〜図20D及び図21に表されるように、z方向の引き出し線31及びx方向の引き出し線32はA−2面からA−1面へ及びB−1面からB−2面へとビア33を通じて引き出されている。このようにしてA−1面およびB−2面において各単位構造における線状電極E1 (j)〜E16 (j)からの引き出し線31が並列接続され、電圧パルスV1〜V16のうちの同じ下付き添え字番号の入力端子にそれぞれ接続される。また、A−1面およびB−2面には図21に表されるように絶縁体層IFが形成されている。
以上に示した接続関係によって、各単位構造の16本の線状電極に所定の電圧パルスを印加することができる。
なお、xz面で見たとき、線状電極30がx方向とz方向にそれぞれ千鳥状に配置されることになるので、引き出し線のパターンが単純化される。
また、複数の線状電極のうち任意の線状電極からその周囲の隣接する複数の線状電極までの距離がそれぞれ等しいので、複数の線状電極がxz面で均等に分布することになり、電極の配置密度を高くすることができる。
《第4の実施形態》
図22A、図22Bは第4の実施形態に係る気体搬送装置の線状電極の配置例を示す図である。第1〜第3の実施形態では三角格子状(結晶構造の名称で六方晶)のように線状電極を配置した。本発明の線状電極の配置は、これに限るものではなく例えば正方格子状であってもよい。図22Aの例では或る線状電極から見て隣接する他の線状電極がx方向とz方向に等しい位置に配置されている。また、図22Bの例では或る線状電極から見て隣接する他の線状電極がxz面内方向で45°,135°,−135°,−45°方向に等しい位置に配置されている。これらの配置構造であれば、等角度の8方向に気流を容易に発生させることができる。
IF…絶縁体層
U(j)…単位構造
21,22…絶縁性支持板
30…線状電極
31,32…引き出し線
33…ビア
110…周期パルス電源部
111…定電圧直流電源回路
112…送風方向インデックス設定回路
113…クロック回路
114…カウンタ回路
115…電圧パターン読み出し回路
116…電圧パターンテーブル
117…ゲートドライバ回路
120…配列電極部
201…気体搬送装置
211〜215…発熱デバイス
301…冷却装置

Claims (6)

  1. 互いに直交する(x,y,z)座標系で、それぞれy軸方向に延び、y軸に垂直な面での断面視でy軸に垂直な面内方向で少なくとも二つの方向に等間隔で配列され、それぞれ誘電体により被覆された複数の線状電極と、
    前記複数の線状電極に対して、前記y軸に垂直な面内の所定方向に並ぶ線状電極に対して電圧が所定時間周期で変化する複数相の電圧パルスを周期的に繰り返し印加する電源と、
    を備えた気体搬送装置。
  2. 前記電圧パルスの立ち上がり時間は1μs以下である、請求項1に記載の気体搬送装置。
  3. 前記複数の線状電極のうち互いに隣接する線状電極間の距離は1.7μm乃至90μmの範囲内の値である、請求項1又は2に記載の気体搬送装置。
  4. 前記電圧パルスは330V乃至950Vの範囲内の値である、請求項1乃至3の何れかに記載の気体搬送装置。
  5. 前記電圧パルスの繰り返し周波数は1kHz乃至1MHzの範囲内の値である、請求項1乃至4の何れかに記載の気体搬送装置。
  6. 前記複数の線状電極は、それらの線状電極のうち任意の線状電極から当該線状電極の周囲の隣接する複数の線状電極までの距離がそれぞれ等しい、請求項1乃至5の何れかに記載の気体搬送装置。
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