JP5633373B2 - 気体搬送装置 - Google Patents

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Description

この発明は、気体を電気的に搬送する気体搬送装置に関するものである。
平行に配列された複数の線状電極に対して交番電圧を印加することにより、電極近傍に生じる不平等電界が起こす気体の密度変化を利用して気体を搬送する装置が特許文献1に開示されている。
図1は、特許文献1の気体搬送装置の複数の線状電極とそれらに対して電圧を印加する電源の構成を示す図である。
誘電体基板51の上面には複数の線状電極52が平行且つ一定間隔に配列形成されている。さらに線状電極52は、その上から絶縁性膜54によって被覆されている。周期パルス電源40は4相のパルス電圧V〜Vを出力する。線状電極52はその並び順に4本毎に共通接続されるとともに周期パルス電源40の出力端子にそれぞれ接続されている。
国際公開第2008/099569号
特許文献1の気体搬送装置において、搬送量(風量)を増大させるには、周期パルス電源が出力するパルス電圧を高めることが有効である。ところが、特許文献1の気体搬送装置は、基板の表面に形成された互いに平行な線状電極に周期パルス電源が直接接続される。この構造では、パルス電圧を高めすぎると、線状電極間において火花放電を生じやすく、一旦、火花放電が発生すると、電極や電極近傍の絶縁性膜が破壊されるおそれがある。特に、絶縁性膜表面の汚損や異物の付着があると、このことが助長されるという問題があった。
本発明の目的は、線状電極間での火花放電を防止し、電極や電極近傍の絶縁性膜の破壊を防止した気体搬送装置を提供することにある。
前述の火花放電は、周期パルス電圧を発生する電源と線状電極とが直流的に直接接続されているため、線状電極間における放電が火花放電に至るに要する量の電荷が供給されるためであると考えられる。
本発明の気体搬送装置は、誘電体基体に互いに平行または略平行に配列されるとともに絶縁性膜で被覆され、並び順に一定相数nを周期として、当該周期毎に共通に接続された複数の線状電極と、
時間経過にともない、周期的に変化するn相のパルス電圧を前記線状電極に印加する周期パルス電源と、
前記周期パルス電源と前記線状電極との間に挿入されたキャパシタと、を備える。
例えば、前記キャパシタは、前記誘電体基体の異なる面に形成された電極パターン同士の間に生じる静電容量で構成される。
例えば、前記キャパシタは、前記線状電極と、前記周期パルス電源からの電圧を供給するための端子電極との間に誘電体を設けることにより生じる静電容量で構成される。
例えば、前記誘電体は、有機フィルムから構成される。
例えば、前記線状電極は、互いに隣接する線状電極同士の間隔が1.7μm乃至90μmの範囲であり、前記周期パルス電源は、パルスの立ち上がり時間が1μs以下のパルス電圧を発生する。
例えば、前記パルス電圧は、330V乃至950Vの範囲内の値である。
本発明によれば、線状電極間における放電が火花放電に至ることがなく、火花放電による、電極や電極近傍の絶縁性膜の破壊が防止される。
特許文献1の気体搬送装置の複数の線状電極と、それらに対して電圧を印加する電源の構成を示す図である。 複数の線状電極と、それらに対して電圧を印加する電源の構成を示す図であり、図2(A)は線状電極を形成した誘電体基板の平面図、図2(B)はその断面図である。 図3(A)気体搬送装置全体のブロック図であり、図3(B)は周期パルス電源40の構成を示すブロック図である。 図2(A)に示した周期パルス電源40から出力される4相のパルス電圧波形を表す図である。 パルス電圧のパルス立ち上がり時間を示す図である。 図2(B)に示した誘電体基板51の断面図に対して、隣接する二つの電極間の作用領域S41及びS12を表す図である。 線状電極E (j)と線状電極E (j)との間の作用領域S12について、荷電粒子と気体分子の動きを示す図である。 図8は図2に示される配列電極基板部を周期構造と見なした場合の等価回路である。 図8の同電位の点を接続した等価回路図である。 図9を変形した等価回路図である。 時間領域Dのうち、V1が+Vボルトの時刻において、図10の等価回路の各素子に印加される電圧を示す図である。 図12(A)は、火花放電発生に至る初期段階において、CEEのいずれかの両端間の実効的な抵抗値が小さくなることを示す図である。図12(B)は比較例である。 図13(A)は、図12(A)に示した線状電極E (2)とE (2)間に流れる電流について示す波形図である。図13(B)は比較例であり、図12(B)に示した線状電極E (2)とE (2)間に流れる電流について示す波形図である。 第2の実施形態に係る気体搬送装置に用いられる配列電極基板60の平面図である。 図15(A)は、第3の実施形態に係る気体搬送装置に用いられる配列電極基板70の上面図、図15(B)は、その下面図である。 図15に示した配列電極基板70の断面図である。 第4の実施形態に係る気体搬送装置に用いられる配列電極基板80の上面図である。 図18(A)及び図18(B)は、第5の実施形態に係る気体搬送装置に用いられる配列電極基板90の上面図、図18(C)はその断面図である。 第6の実施形態に係る気体搬送装置の回路図である。
《第1の実施形態》
第1の実施形態に係る気体搬送装置について各図を参照して説明する。
図2は複数の線状電極とそれらに対して電圧を印加する電源の構成を示す図であり、図2(A)は線状電極を形成した誘電体基板の平面図、図2(B)はその断面図である。
誘電体基板51の上面には複数の線状電極52が平行且つ一定間隔に配列形成されている。周期パルス電源40は4相のパルス電圧V〜Vを出力する。線状電極52はその並び順に4本ごとに共通接続されるとともに周期パルス電源40の出力端子にそれぞれ接続されている。また、線状電極52の奇数本目と偶数本目とで、周期パルス電源40に対する接続端の引き出し方向を交互に切り替えている。
周期パルス電源40の出力電圧が付加キャパシタCPQを介して線状電極52に印加されるように、各線状電極52に対して付加キャパシタCPQが直列に接続されている。
誘電体基板51の上面の全面には、線状電極52を覆うように、樹脂被膜や珪酸ガラス被膜などの絶縁性膜54が形成されている。この構成により、電極の酸化や硫化が抑制されて長期に亘って安定した特性が維持できる。
なお、図2には、線状電極52の配列の向きとして+xの向きを図示している。
図3は周期パルス電源の構成を示すブロック図である。図3(A)は気体搬送装置全体のブロック図であり、図3(B)は周期パルス電源40の構成を示すブロック図である。図3(A)において配列電極基板50は、図2に示した誘電体基板51、それに形成された線状電極52、それらを所定間隔で並列接続する接続部、及び付加キャパシタCPQで構成されている。
図3(B)に示すように、周期パルス電源40は定電圧直流電源回路42、ゲートドライバ回路43及びタイミング信号発生回路41で構成されている。タイミング信号発生回路41は正電圧を発生するタイミング信号を与え、ゲートドライバ回路43はそのタイミング信号に応じて、定電圧直流電源回路42から入力されるグランド電位又は+Vボルトの電圧を切り替えてパルス電圧V〜Vをそれぞれ端子電極P〜Pに出力する。このゲートドライバ回路は、例えばパワーMOSFETを主たる素子として構成することができる。
ゲートドライバ回路43が出力する電圧Vi(i=1,2,3,または4)は周期Tの周期関数であり、時刻t=0からt=Tの間においては、
+V { (T/4)×(i−1) < t < (T/4)×(i−1/2) }
0 { それら以外のtのとき }
のそれぞれの値をとる。但し、Vは正の電圧である。このような電圧を出力することによって、図4に示す電圧波形を繰り返し出力する。
図4は、図2(A)に示した周期パルス電源40から出力される4相のパルス電圧波形を表す図である。各相の駆動電圧は、0[V]の区間を挟んで+Vボルトの区間が繰り返し発生する。隣接する相は1/4周期ずつずれている。また、この例ではパルス電圧V〜Vのうちいずれか1つのみ+Vボルトが出力され、同時に2つ以上の端子から+Vボルトが出力されることはない。
各電圧パルスの立ち上がりについて図5を用いて説明する。図5において、パルス立ち上がり時間τを、ピーク電圧Vの20%から80%へ至るまでの時間として定義する。このパルス立ち上がり時間τが1μs以下となるように設定する。
このようにn相のパルス電圧の時間波形を、各々が一定時間持続するステップパルスとして順次循環的に出力されるものとすることにより、電源回路を安価に構成することができる。
次に、第1の実施形態に係る気体搬送装置の作用について説明する。
気体に流れが発生する機構については次の(a)から(d)の過程(作用)が関与しているものと考えられる。
(a)各パルス電圧の立ち上がりにおいて、電極間の電界が急峻に増大することにより、気体中で放電が生じる。この放電により、電極間の気体分子が電離し、荷電粒子が発生する。
(b)(a)及び(d)に由来する荷電粒子は電界により力を受け、電界の方向に沿って加速される。
(c)加速された荷電粒子は、電離していない他の気体分子と衝突し、その気体分子に運動量を与える。
(d)荷電粒子は電極近傍の絶縁性被膜上に付着する。
ここで図を用いて補足説明を行う。
図6は、図2(B)に示した誘電体基板51の断面図に対して、隣接する二つの電極間の作用領域S41及びS12を表した図である。4本を1組として互いに平行に配列される線状電極のうち、任意の組をjとし、1相目〜4相目までの線状電極をそれぞれE (j)〜E (j)のように添え付き符号で表記すると、作用領域S41は線状電極E (j−1) と線状電極E (j)との間の絶縁性膜上の領域である。また、作用領域S12は線状電極E (j)と線状電極E (j)との間の絶縁性膜上の領域である。
図7(A)及び図7(B)は、線状電極E (j)と線状電極E (j)との間の作用領域S12について、荷電粒子と気体分子の動きを示す図である。
前記過程(a)において、図4に示した電圧V1の立ち上がりの時刻t1においては、図6中の作用領域S41及びS12で電界が急速に増大して誘電体バリア放電が生じると考えられる。誘電体バリア放電は、電極が誘電体(この実施形態では絶縁性膜54)により被覆されている場合に生じる放電である。この誘電体バリア放電においては、放電により生じた荷電粒子は、電界によって受けるクーロン力で線状電極へ向かうが、線状電極が絶縁性膜により被覆されているため、線状電極に到達できず、電荷を保持したまま誘電体表面へ付着し留まる。
この誘電体表面に付着した荷電粒子は、電極が作り出す電界とは逆向きの電界を生じる。一定量の荷電粒子が発生し付着した時点で電極間の電界は十分小さくなり、放電(誘電体バリア放電)は停止する。したがって放電は極短時間で停止する。このため、通常は放電がアーク放電などの破壊的な放電に至らず、また、発生する電荷量が一定量に制限される。
また、前記過程(b)及び(c)において、図7(A)に模式的に示すように、荷電粒子が生じ、その荷電粒子が電界により加速され、電離していない気体分子に衝突すると考えられる。この衝突によって荷電粒子から気体分子へ運動エネルギーが移ることにより気体が搬送される。ここで、搬送すべき気体が空気である場合、前記荷電粒子は、主に空気中の窒素分子が電離した一価の正イオンと電子であると考えられる。
また、前記過程(d)において、図7(B)に模式的に示すように、線状電極のほうへ引き寄せられた荷電粒子は線状電極付近の絶縁性膜上に付着し留まると考えられる。この付着した荷電粒子(壁電荷)は電界を作るが、時刻によって電極が作る電界を打ち消す方向に働くこともあれば、増大する方向に足し合わされる方向に働くこともある。後者の場合、放電がより高効率に生じるという利点を持つ。
なお、以上の説明においては、気体が搬送される方向が+x方向と−x方向のいずれであるのかが定まらない。しかし、実際には、上記(a)から(d)の少なくとも一つの過程において、+x方向と−x方向とに関する非対称性が生じることにより、一方向の流れが生じるものと考えられる。実験によると、多くの場合において、この流れの方向は+x方向であった。
次に、本発明の実施形態に係る気体搬送装置の各部の具体的な寸法及び印加電圧及び印加電圧の波形について示す。
まず、線状電極の間隔と印加電圧について述べる。
パッシェンの法則において、放電開始電圧Vsは、気圧pと電極間距離dとの積pdの関数となることが知られている。空気中において、放電開始電圧Vsの最小値はpd=0.57mmHg・cm付近である。このとき、放電開始電圧=330Vである。一般的に入手しやすい半導体パワーデバイスの耐圧が1000V程度であることから、5%のマージンを取って、950Vを印加電圧の上限とすることが望ましい。したがって、線状電極に印加されるパルス電圧は、330V乃至950Vの範囲内の値であると、気体搬送装置として好適である。
パッシェンの法則より、空気の場合において放電開始電圧Vsが950V以下となる条件は、pdが0.13乃至6.8mmHg・cmであることに対応する。この条件は、1気圧(p=760mmHg)の下では、電極間距離dが1.7μm乃至90μmであることに対応する。すなわち、電極間距離dを1.7μm乃至90μmに定めることにより、利用が比較的容易な電圧(950V以下)により放電が生じるため、装置を容易に構成できる。
前記電極間距離dは、[線状電極の配列ピッチ60μm]−[線状電極の幅25μm]=35μmである。
次に、前記付加キャパシタCPQの作用を説明する準備のため、線状電極間における放電が火花放電に至らない正常時(放電を引き起こすような異常がない場合)について説明する。
図2に示される配列電極基板部の等価回路を図8に示す。図8において、CEEは、隣接する線状電極間の静電容量に対応し、また、CPQは線状電極に直列接続された付加キャパシタの静電容量に対応する。図8においては、隣接する線状電極以外の互いに離れた線状電極同士に生じる静電容量は無視した。
ここで、考察の簡単化のため、次のように考える。図2に示した線状電極は、4周期=16本分であるが、実際の応用では、周期数(以下、Nとおく)はもっと多く、例えばN=100である。この場合、図8において破線で囲った容量CEEを追加しても、回路の動作にはほとんど影響を与えない。図8に示した回路において、各キャパシタの蓄積電荷量の初期値がゼロであるとすると、各部の電位は線状電極の周期構造と同じ周期性を持つ。従って、図8に示した回路図は、図9に示したように同電位の点を導線で接続しても同じことである。図9に示されたキャパシタ間の合成容量から、図9の回路図は図10のように変形することができる。N個の容量CEEの合成容量を4つ備えて、合成容量が端子W1、W2、W3及びW4で互いに接続されている。容量CPQの合成容量を介して端子W1、W2、W3及びW4にそれぞれ端子電極P〜Pから電圧V〜Vが印加されている。
図10に示した等価回路に、図4に示した電圧パルスを印加した時の動作を考察する。ここで、各キャパシタの蓄積電荷量の初期値はゼロであるとする。
電圧V〜Vのすべてが0ボルトであるとき、W1、W2、W3及びW4の端子電圧は何れも0ボルトである。
次に、端子電極Pから印加される電圧Vが+Vボルトの時刻においては、図10の等価回路の各素子に印加される電圧は、図11のように表すことができる。このとき、回路図の対称性から点W2と点W4の電位が等しいことに注意して計算すると、W1とW2との間の電位差VW1−W2は、
W1−W2= (1+3α)V / (1+6α+8α2) …(1)
但し、α=CEE/CPQ
と表すことができる。
すなわち、P1に与えた電圧の値Vに比例する電圧が線状電極E (j)とE (j)との間、及び線状電極E (j−1)とE (j)との間に印加される。特に、
PQ>>CEEとなるようにCPQを決めると、α<<1であるので、式(1)とから、
W1−W2≒ V …(2)
が得られる。すなわち、Pに与えた電圧の値の大部分が線状電極E (j)とE (j)との間、及び線状電極E (j−1)とE (j)との間に印加されるため、CPQの挿入による線状電極間の電圧の変化は無視できる。
次に、CPQを設けたことによる火花放電の抑止作用について説明する。
端子電極Pに印加される電圧V1が+Vボルトの時刻について考える。
火花放電発生に至るまでの初期段階では、例えば図12(A)の破線内に示すように、着目するCEEの両端間の実効的な抵抗値が小さくなると考えられる。
ここで、比較のため従来例の場合を図12(B)に示す。図12(B)の例においては、破線で囲んだ放電部を経由してE (1)からE (2)へと大電流が流れる。これにより、放電が全路破壊にいたり、ジュール熱や放電そのものによって電極や周囲の基板材料を破壊したり劣化させたりすることがある。この大電流は、電圧パルスが終了するまで継続すると考えられる。
一方、本発明の実施形態においては、図12(A)に示したC1とC2の静電容量に電荷が蓄積される。C1とC2の合成容量はCPQ/2であることから、破線内に示す経路に流れる電荷量はせいぜいCPQ・V/2程度に制限される。そのため、放電が全路破壊に至らず、放電の初期段階で停止する可能性が高くなる。
ここで、図12(A)及び図12(B)に示した線状電極E (2)とE (2)間に流れる電流について、図13(A)及び図13(B)に波形図を示す。上述したとおり、従来例である図13(B)においては、線状電極E (2)とE (2)間に火花放電が生じた場合、図中破線で囲んだ波形のように、E (2)に電圧Vが印加されている全ての期間において大電流が流れ、これが全路破壊に至る原因となる。これに対して本発明の実施形態である図13(A)においては、C1及びC2が存在することにより、C1及びC2が満充電された時点で、図中破線で囲んだ波形のように電流は流れなくなる。したがって、E (2)に電圧Vが印加されている期間であっても、その途中で電流が流れなくなるようにC1及びC2の定数を予め設定することにより、放電による全路破壊を防ぐことができる。
このようにして、第1の実施形態によれば、隣接する線状電極間での火花放電が防止され、火花放電による電極や絶縁性膜の破壊が防止できる。
《第2の実施形態》
図14は、第2の実施形態に係る気体搬送装置に用いられる配列電極基板60の平面図である。図14に示すように、誘電体基板51の上面に、線状電極52と引き出し電極53が形成されている。また、線状電極52と引き出し電極53との間に付加キャパシタCPQがそれぞれ挿入されている。これらの付加キャパシタCPQは誘電体基板51の上面に電極パターンで形成されている。また、誘電体基板51の下面に、周期パルス電源へ接続するための端子電極57及び下面配線56が形成されている。下面配線56と引き出し電極53とはビア電極55を介して接続されている。
このように、誘電体基板51に付加キャパシタCPQとともに引き出し電極53、下面配線56、及び端子電極57を設けて、これらを配列電極基板60として一体化することにより、周期パルス電源との接続が容易となる。
《第3の実施形態》
図15(A)は、第3の実施形態に係る気体搬送装置に用いられる配列電極基板70の上面図、図15(B)は、その下面図である。配列電極基板70は誘電体基板51の両面に電極パターンが形成された基板であり、例えばいわゆる両面プリント基板である。誘電体基板51上に複数の線状電極52が平行に配列されている。各々の線状電極52はパッド電極58に接続されている。
図15(B)に示すように、誘電体基板51の下面には対向電極59が形成されている。各々の対向電極59は引き出し電極を経て、周期パルス電源の端子P〜Pに接続される。
誘電体基板51の上面の全面には、線状電極52及びパッド電極58を覆う絶縁性膜が形成されている。また、誘電体基板51の下面には、端子部を除く全面に、対向電極59を覆う絶縁性膜が形成されている。
図16は図15に示した誘電体基板51の断面図である。誘電体基板51を挟んでパッド電極58と対向電極59との間に生じる静電容量が付加キャパシタCPQを構成する。そのため、図2や図14に示した配列電極基板と同様の回路が構成される。
図16に示した配列電極基板70によれば、誘電体基板51を挟んでパッド電極58と対向電極59との間に静電容量が生じるようにしたので、誘電体基板51の両面に電極パターンを形成しているにもかかわらず、ビア電極の加工が不要となる。
《第4の実施形態》
図17は、第4の実施形態に係る気体搬送装置に用いられる配列電極基板80の上面図である。図17に示すように、誘電体基板51の上面に、線状電極52と引き出し電極53が形成されている。また、線状電極52と引き出し電極53との間に付加キャパシタCPQが挿入されている。但し、図14に示した例とは異なり、2本の線状電極毎に一つの付加キャパシタCPQを接続している。図14の付加キャパシタCPQが誘電体基板51の上面に設けられたのと異なり、これらの付加キャパシタCPQは、誘電体基板51の下面に電極パターンで形成されている。また、誘電体基板51の下面に、周期パルス電源へ接続するための端子電極57及び下面配線56が形成されている。下面配線56と引き出し電極53とはビア電極55を介して接続されている。
図17の例では、2本の線状電極毎に一つの付加キャパシタCPQを接続したが、3本以上の複数の線状電極毎に付加キャパシタを接続してもよい。例えば10本や数十本毎に一つの付加キャパシタを接続するようにしてもよい。
このように、複数の線状電極毎に付加キャパシタを接続することによって、付加キャパシタの全体の個数を削減でき、付加キャパシタの形成が容易となる。但し、それぞれの付加キャパシタが複数本の線状電極を受け持つことになるので、必要な付加キャパシタの容量が大きくなり、その分、放電発生時に流れる電流(電荷)量が大きくなる。したがって、線状電極間での放電が全路破壊に至らない範囲で、共用する付加キャパシタの数と容量を定めるのが望ましい。
《第5の実施形態》
図18(A)は、第5の実施形態に係る気体搬送装置に用いられる配列電極基板90の組み立て説明図、図18(B)は、その完成図である。また、図18(C)は図18(B)の断面図である。配列電極基板90は誘電体基板51の上面に電極パターンが形成された基板である。誘電体基板51上に複数の線状電極52が平行に配列されている。各々の線状電極52はパッド電極58に接続されている。また、複数の線状電極52は、絶縁性膜54にて被覆されている。パッド電極58上には、ポリイミド等の有機シート材からなる誘電体薄膜61を介して対向電極59が配置され、対向電極59はそれぞれ端子電極P〜Pに接続されている。誘電体薄膜61を介してパッド電極58と対向電極59が対向する関係となることで静電容量が生じ、これが付加キャパシタの機能を有している。
《第6の実施形態》
図19は、第5の実施形態に係る気体搬送装置の回路図である。図19に示すように、周期パルス電源40と配列電極基板50との間を接続する周期パルス電源ラインに対して直列に付加キャパシタCPQを挿入している。
このように、配列電極基板50に対する電源電圧供給ラインに付加キャパシタを挿入することによって、線状電極間での放電が開始した際、放電電流(電荷)量が制限されて、放電が全路破壊に至るのを防止できる。
《他の実施形態》
以上に示した例では、誘電体基板に電極パターンを形成することによって配線電極基板を構成したが、配線電極を形成する基材は基板でなくてもよく、誘電体基体に設ければよい。
以上に示した例では、4本の周期毎に共通接続された線状電極に4相のパルス電圧を印加したが、4相に限らず一般にn相であればよい。すなわち、n本の周期毎に共通接続された線状電極にn相のパルス電圧を印加すればよい。
n相のパルス電圧は+Vボルトの区間の幅T/4の波形が周期Tで繰り返し発生する例を示したが、+Vボルトの区間の幅は任意でよい。
また、第1〜第4の実施形態では、配列電極基板上の電極パターンによって付加キャパシタを形成したが、チップ内に複数のキャパシタを構成したコンデンサアレイチップを配列電極基板に搭載してもよい。
EE…線状電極間容量
PQ…付加キャパシタ
〜E…線状電極
S12,S41…作用領域
40…周期パルス電源
41…タイミング信号発生回路
42…定電圧直流電源回路
43…ゲートドライバ回路
50,60,70,80,90…配列電極基板
51…誘電体基板
52…線状電極
53…引き出し電極
54…絶縁性膜
55…ビア電極
56…下面配線
57…端子電極
58…パッド電極
59…対向電極
61…誘電体薄膜

Claims (5)

  1. 誘電体基体に対して順列的に配列されるとともに絶縁性膜で被覆され、並び順に一定相数nを周期として、当該周期毎に共通に接続された複数の線状電極と、
    時間経過にともない、周期的に変化するn相のパルス電圧を前記線状電極に印加する周期パルス電源と、
    前記周期パルス電源と前記線状電極との間に挿入されたキャパシタと、を備え、
    前記キャパシタは、前記誘電体基体の異なる面に形成された電極パターン同士の間に生じる静電容量である、気体搬送装置。
  2. 誘電体基体に対して順列的に配列されるとともに絶縁性膜で被覆され、並び順に一定相数nを周期として、当該周期毎に共通に接続された複数の線状電極と、
    時間経過にともない、周期的に変化するn相のパルス電圧を前記線状電極に印加する周期パルス電源と、
    前記周期パルス電源と前記線状電極との間に挿入されたキャパシタと、を備え、
    前記キャパシタは、前記線状電極と、前記周期パルス電源からの電圧を供給するための端子電極との間に誘電体を設けることにより生じる静電容量である、気体搬送装置。
  3. 前記誘電体は有機フィルムである、請求項に記載の気体搬送装置。
  4. 前記線状電極は、互いに隣接する線状電極同士の間隔が1.7μm乃至90μmの範囲であり、前記周期パルス電源は、パルスの立ち上がり時間が1μs以下のパルス電圧を発生する、請求項1乃至の何れかに記載の気体搬送装置。
  5. 前記パルス電圧は、330V乃至950Vの範囲内の値である、請求項1乃至の何れかに記載の気体搬送装置。
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