JP2015015234A - 除電装置 - Google Patents

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Nobuo Nomura
信雄 野村
大澤 敦
Atsushi Osawa
敦 大澤
鈴木 輝夫
Teruo Suzuki
輝夫 鈴木
善次 岡村
Zenji Okamura
善次 岡村
和朗 中島
Kazuro Nakajima
和朗 中島
最上 智史
Tomofumi Mogami
智史 最上
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Abstract

【課題】 定常状態における空間電荷の交流成分を小さくして、静電気敏感デバイスの損傷を防止することである。
【解決手段】 第1の電極針グループの放電電極針2aと、第2の電極針グループの放電電極針2bとを配置するとともに、上記第1の電極針グループに高圧の交番電圧を印加する第1の電源回路5aと、上記第2の電極針グループに高圧の交番電圧を印加する第2の電源回路5bとを備え、上記第1及び第2の電源回路5a,5bは互いにその極性が反転した交番電圧を出力し、各放電電極針2a,2bの先端に発生する放電によってイオンを生成して処理対象を除電する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、帯電物体を除電したり、帯電を防止したりするための除電装置に関する。
従来から、正、負のイオンを放出して、帯電物体や雰囲気を除電するための除電装置が知られている。
例えば特許文献1に示す除電装置は、複数の放電電極針を備え、これら複数の放電電極針に同時に正の高電圧と、負の高電圧とを交互に印加することで、正イオンと負イオンとを交互に生成するものである。
このような除電装置を用いれば、例えば正に帯電した面は負イオンによって除電され、負に帯電した面は正イオンによって除電される。
その結果、処理対象の表面電位を0に近づけることができる。
また、上記のような除電装置は、帯電した物体を除電するためだけでなく、静電気帯電を嫌う物体を帯電させないようにするために用いることもある。
例えば、半導体チップなどの静電気敏感デバイスは、その製造プロセスにおいて静電気帯電とこれに起因する放電によって損傷する可能性がある。このような静電気帯電による損傷を防止するため、静電気敏感デバイスの製造工程に除電装置を設置している。
特開2012−113997号公報 特開2010−153396号公報の図4
上記除電装置は、正イオンと負イオンとを交互に生成するので、それが放出されると、正、負極性の偏りのないイオン空間が形成されるように見えるが、実際には、除電装置から正イオンだけが放出される時間帯と負イオンだけが放出される時間帯とができることによって、厳密には、空間電位の極性は時間的には正あるいは負に交互に偏ってしまう。そのため、このような空間におかれた物体の表面も正に帯電したり、負に帯電したりしてしまうことになる。
したがって、正イオンと負イオンとを交互に放出する除電装置を用いた場合、処理対象の表面はある程度まで除電された後で、交流成分を含んだ空間電位によって、定常状態の表面電位に直流成分のほかに交流成分が現れる。
また、上記交流成分を含んだ空間電位によって新たに正負に帯電してしまう物体もある。
このような定常状態における交流成分の電位は通常それほど高くならない。
しかし、高密度化が進んだ電子デバイスは特に静電気帯電に敏感で、それほど高くない帯電電位差によっても損傷してしまう可能性がある。
そのため、上記特許文献1のような除電装置は、静電気敏感デバイスの静電気帯電による損傷を防止することができないという問題があった。
また、特許文献2には、複数の放電電極針を直線状に並べた電極バーを、ゲートの両側に配置して、その中央に立った人を除電するための除電装置が記載されている。この除電装置は、各電極バーの放電電極針に正の高電圧と負の高電圧とを交互に印加するものであるが、一方の電極バーに正の高電圧を印加しているときには、他方の電極バーに負の高電圧を印加するようにしている。これにより、各電極バーから放出されるイオンが互いにひきつけあって、イオン領域が広くなるというものである。
この装置では、中央に位置する人体は、全体として正イオンと負イオンとを同時に受けることになるが、一方の側面で正イオンのみを受けた後、負イオンのみを受け、他方の側面は負イオンのみを受けてから正イオンのみを受けることになる。したがって、この特許文献2の装置でも、上記特許文献1の装置と同様に、処理対象の表面電位が部分的に正になったり負になったりして、定常状態となったときの表面電位の交流成分をそれほど小さくすることはできなかった。
また、処理対象が、両電極バーの中央位置から外れると、極性の偏りが大きくなるという問題もあった。
そのため、この特許文献2のような除電装置を用いても、静電気敏感デバイスを静電気帯電から守ることは難しかった。
この発明の目的は、空間電位の交流成分を消滅させて、静電気敏感デバイスの損傷を防止できる除電装置を提供することである。
この発明は、複数の放電電極針と、上記各放電電極針に、正または負の高電圧を印加するための高電圧電源回路とを備え、上記各放電電極針の先端に発生する放電に基づいて生成されるイオンによって処理対象を除電する除電装置において、上記放電電極針は、第1の電極針グループと、第2の電極針グループとからなり、これら第1の電極針グループと第2の電極針グループとを装置本体内に備えるとともに、上記高電圧電源回路は、上記第1の電極針グループに高圧の交番電圧を印加する第1の電源回路と、上記第2の電極針グループに高圧の交番電圧を印加する第2の電源回路とを備えた除電装置を前提とする。
第1の発明は、上記除電装置を前提とし、上記第1及び第2の電源回路が互いにその極性が反転した交番電圧を出力することを特徴とする。
なお、上記交番電圧は、時間的に極性が反転する電圧のことである。そして、この交番電圧には、交流電圧だけでなく、矩形波電圧も含まれる。
第2の発明は、上記放電電極針を環状に配置したことを特徴とする。
上記環状の配置には、放電電極針を円周に沿って配置することのほか、多角形の輪郭に沿って配置するものも含むものとする。
第3の発明は、本体にイオン吹き出し口を備え、上記第1の電極針グループと、第2の電極針グループとを、上記イオン吹き出し口から等距離に配置したことを特徴とする。
第4の発明は、上記第1の電極針グループの放電電極針の先端と、第2の電極針グループの放電電極針の先端とを交互に配置したことを特徴とする。
第5の発明は、上記第1の電極針グループの放電電極針と、第2の電極針グループの放電電極針とを同数にしたことを特徴とする。
第6の発明は、上記第1の電極針グループの放電電極針と、第2の電極針グループの放電電極針とをそれぞれ直線状に配置したことを特徴とする。
第1の発明によれば、1本の放電電極針で正イオンと負イオンとが交互に生成されるとともに、第1の電極針グループの放電電極針で生成されるイオンと第2の電極針グループの放電電極で生成されるイオンの極性を逆極性にしているため、空間的にも時間的にも極性の偏りが小さいイオン空間を生成することができる。その結果、イオンが放出された空間電位の交流成分を小さくでき、その空間内に位置する処理対象の表面電位の交流成分も小さくできる。その結果、処理対象が静電気帯電によって損傷することを防止できる。
第2の発明では、複数の放電電極針が環状に配置されることによって、放電電極針の配列に端部ができない。電極の配列に端部があると、端部の電極と中央の電極とで、その近傍に形成される電界強度や方向が異なるため、イオン生成量の偏りが発生してしまうことがある。このような偏りを防止するため、端部の放電電極針と中央の放電電極針とで、印加電圧を変えるなどの工夫をしているものもある。しかし、この発明のように放電電極針を環状に配置すれば、上記のような端部での問題をなくすことができる。
第3の発明によれば、第1の電極針グループと第2の電極針グループで生成される逆極性のイオンが、第1,2の電極針グループから等距離に配置されたイオン吹き出し口から同時に放出されるので、イオン空間の正、負極性の偏りをより小さくでき、空間電位の交流成分をより小さくできる。
第4の発明によれば、1本の放電電極針で正、負極性のイオンを交互に生成しながら、隣り合う放電電極針で生成されるイオンの極性を互いに逆極性にできる。そのため、イオン空間における時間的、空間的な正、負極性の偏りをより一層小さくすることができる。
第5の発明によれば、正のイオンを生成する放電電極針と負のイオンを生成する放電電極針の本数を常に等しくすることができる。そのため、生成される正負のイオン量を均等にして、イオン空間における時間的、空間的な正、負極性の偏りをより一層小さくすることができる。
第6の発明によれば、バー状の除電装置を実現できる。
また、直線状に配置する放電電極針の本数を増減するだけで、様々な大きさの除電対象エリアに対応することができる。
図1は、この発明の第1実施形態の回路図である。 図2は、第1実施形態の高電圧電源回路からの出力電圧を示したグラフである。 図3は、第1実施形態の除電装置の性能確認試験の結果で、テスト用の帯電プレートの表面電位を示したグラフである。なお、実線が第1実施形態の装置による結果で、破線は従来装置による結果である。 図4は第2実施形態の回路図である。 図5は第2実施形態のトランスへの入力電圧の波形を示したグラフである。 図6は第2実施形態の第1、2の電源回路を構成する倍電圧整流回路の回路図である。 図7は第2実施形態の高電圧電源回路からの出力電圧を示したグラフで、(a)は第1の電源回路の出力電圧であり、(b)は第2の電源回路の出力電圧である。
この発明の第1実施形態を図1〜3を用いて説明する。
図1に示すこの実施形態は、装置本体1内に8本の放電電極針2a、2bを環状に配置した除電装置である。これらの放電電極針2a、2bに高電圧を印加し、その先端側で生成されたイオンを風に乗せて放出させるようにしている。
なお、図1は、この除電装置の回路図であるが、上記放電電極針2a、2bの配置を示すために、装置本体1の輪郭及びイオン風が放出される送風窓1aを太線で示している。
また、上記送風窓1aには図示しない金属製のグリッドを設けて開口を覆うとともに、このグリッドを接地している。したがって、このグリッドが接地電極となり、上記送風窓1aがこの発明のイオン吹き出し口である。そして、上記放電電極針2a,2bのすべての先端はこの送風窓1aから同一距離になるように配置され、各放電電極針2a,2bの先端近傍で生成されたイオンがいずれも同様に上記送風窓1aから放出されるようにしている。
図1では、放電電極針2a,2b以外の部分は、上記装置本体1の外部に示されているが、実際の装置では交流電源3以外は全て上記装置本体1内に組み込まれている。
また、上記装置本体1内には、図示しない送風ファンを組み込み、図1の裏面側である装置の裏側から前面に向かって風を送り、上記イオンを乗せた風が上記送風窓1aから吹き出すようにしている。
この装置は、上記交流電源3に接続するトランス4を備え、このトランス4によって電源電圧を昇圧するようにしている。つまり、上記交流電源3とトランス4とによってこの発明の高電圧電源回路5を構成している。
上記トランス4の二次側は、その中点Pを接地させて、この中点Pを境にして一方側を第1の電源回路5aとし、他方側を第2の電源回路5bとしている。
このように上記中点Pを接地させたため、上記第1の電源回路5aと第2の電源回路5bとは、図2に示すように、位相を180°ずらして極性を反転させた電圧を出力することになる。
なお、図2中、実線で示したグラフaが第1の電源回路5aからの出力電圧であり、破線で示したグラフbが第2の電源回路5bからの出力電圧である。そして、上記図2の出力電圧は、それぞれ図1の出力端子6a,6bで計測した値である。
また、上記第1の電源回路5aの出力端子6aには並列にした回路7,7を接続するとともに、各回路7,7には分岐した回路8,8を接続し、4本の回路8の先端にそれぞれ放電電極針2aを接続している。上記回路8に接続した4本の放電電極針2aは、上記第1の電源回路5aから出力される交流電圧が印加される第1の電極針グループを構成している。
さらに、第2の電源回路5bの出力端子6bには並列にした回路9,9を接続するとともに、各回路9,9には分岐した回路10,10を接続し、4本の回路10の先端にそれぞれ放電電極針2bを接続している。上記回路10に接続した4本の放電電極針2bは、上記第2の電源回路5bから出力される交流電圧が印加される第2の電極針グループを構成している。
そして、上記第1の電極針グループの放電電極針2aと第2の電極針グループの放電電極針2bとは交互に隣り合うように配置されている。
また、この第1実施形態では、放電電極針2a,2bに高電圧を印加したとき、放電電極針2a,2bの先端から上記送風窓1aに設けた図示しない接地グリッドに向かって放電が発生するように構成している。
また、各電源回路5a,5bと放電電極針2a,2bとの間には、コンデンサ11を介在させている。このコンデンサ11は、安全のため、各放電電極針2a,2bに流れる電流を制限するためだけでなく、生成されるイオンバランスを保つためにも機能する。
上記のようなコンデンサ11を挿入すると、放電電極針2a,2bを接続した回路に流れる直流電流が阻止され、上記回路に流れる時間平均の正・負の電流、すなわち,正・負イオン電流が同じになり、結果的にイオンバランスが保たれることになる。そのメカニズムは以下のとおりである。
放電によってイオンを生成した場合、放電電極針2aには生成されたイオンとは逆極性の直流電流が流れることになるが、上記コンデンサ11を設けることによってその電流の流れを阻止するので、コンデンサ11にはその分の電荷が蓄えられることになる。例えば、負イオンを生成した場合にはコンデンサ11には正電荷が蓄積される。もし、コンデンサ11を設けていなければ、正イオンよりも負イオンの方が多く生成されるような場合でも、コンデンサ11を設ければこのコンデンサ11が上記直流電流に基づく正電荷を蓄積して、その分、放電電極針2aの電位を正側にずらすことになる。
上記のように、本来なら負イオンが生成されやすい環境において、放電電極針2aの正の電位が相対的に高くなれば、正イオンの生成量が増え、イオンバランスが保たれるというものである。その結果、上記定常状態における表面電位の直流成分を小さくすることができる。
ただし、イオンバランスを保つために最適なコンデンサ11の容量は、他の条件に合わせて設定する必要がある。
以上のように構成したこの第1実施形態の除電装置を用いたとき、除電対象面の定常状態における交流成分が小さくなる効果を確認した試験結果を説明する。
この試験は、図1に示す除電装置の送風窓1aから一定距離、ここでは300〔mm〕離れた位置に、帯電していないテスト用の帯電プレートを設置し、上記除電装置を動作させたときの帯電プレートの表面電位を非接触型の電位計で検出するものである。
上記各放電電極針2a,2bには、図2に示すように、ピーク電圧が約8〔kV〕の交流電圧をそれぞれ180°位相をずらし、極性を反転させて印加した。具体的には、図2の実線aで示した電圧が第1の電極針グループを構成する4本の放電電極針2aに印加され、破線bで示した電圧が第2の電極針グループを構成する4本の放電電極針2bに印加されることになる。
また、比較のため、8本全ての放電電極針を第1の電源回路5aに接続し、図2に示す実線aの電圧を印加する従来の放電装置を用いて同じ試験を行った。
上記試験の結果を図3に示す。
図3には、上記実施形態の除電装置を動作させた場合のテスト用の帯電プレートの帯電電位の変化を実線のグラフAで示し、従来装置を動作させた場合の帯電プレートの帯電電位の変化を破線のグラフBで示している。
図3から明らかなように、この発明の除電装置を用いた場合と従来装置を用いた場合とでは、帯電プレートの表面電位のグラフA,Bに大きな差がある。
どちらの場合も交流成分を含んではいるが、グラフAはピーク間の電位差が約1〔V〕であるのに対し、グラフBは約23〔V〕であった。しかも、グラフAはその平均値が−0.33〔V〕であり、直流成分もほとんどなかった。
このように、この第1実施形態の除電装置を用いれば、定常状態における表面電位の直流成分とともに交流成分を大幅に低減することができ、除電対象が静電気帯電によって損傷することを防止できる。
上記のように、第1実施形態の除電装置が、定常状態の表面電位の平均値をほぼ0にするとともに交流成分もほぼ0にできたのは、第1の電極針グループに印加する交流電圧と第2の電極針グループに印加する交流電圧の極性が逆極性になるように制御して、各放電電極から放出されるイオンの極性を正、負交互に切り換えながら、全体として正と負のイオンが同時に生成されるようにしたためである。
例えば、個々の放電電極針に正、負の電圧を交互に印加したとしても、同時間帯に同じ極性の電圧が印加される放電電極針だけを連続して配置した場合には、瞬間的に、特定の範囲に生成されるイオンの極性が一方に偏ることになるので、それが放出された空間においてもより均一なイオン分布が実現できずに、交流成分が残ってしまうことになる。
しかし、上記第1実施形態では、各放電電極針で生成されるイオンの極性が正、負交互になるとともに、第1の電極針グループと第2の電極針グループで生成されるイオンが逆極性になるようにしているので、全放電電極針で生成されるイオンの極性の時間的及び空間的な偏りが小さいイオン分布が実現できたものと考えられる。
特に、この第1実施形態では、第1の電極針グループの放電電極針2aと第2の電極針グループの放電電極針2bとを交互に配置したので、隣り合う放電電極針で生成されるイオンの極性が逆極性になって、より正負の偏りが小さい空間を生成できる。
また、上記全ての放電電極針2a,2bの先端を、上記送風窓1aの開口から等距離になるように配置することで、上記放電電極針2a,2bで生成された正負のイオンが偏りなく放出されることになる。
なお、上記第1実施形態では、第1,2の電極針グループで合計8本の放電電極針2a,2bを交互に環状に配置しているが、放電電極針2a,2bは、第1、第2の電極針グループに分けることができればよいので、放電電極針の合計が複数ならば何本でも構わない。ただし、イオン極性の偏りをより小さくするためには各電極針グループの放電電極針の本数を均等にすることが好ましい。
また、放電電極針2a,2bを配置する形状も、円や多角形などどのようなものでも構わないし、環状でなくてもかまわない。ただし、全放電電極針の間隔を等しく配置した方が、空間のイオン分布をより均一にして空間電位の交流成分を小さくすることができる。
また、上記第1実施形態では、高電圧電源回路を交流電源3及びトランス4で構成しているが、交流電源3の代わりに極性を交互に切り換えて矩形波を出力する電源回路を用いてもよい。そして、その極性が反転すれば、正、負のデューティ比が異なる電源回路を用いることも可能である。ただし、矩形波電圧を用いる場合には、上記コンデンサ11に替えて抵抗を接続する必要がある。上記コンデンサ11を接続すると、矩形波がパルス波形になってしまうからである。
図4〜7に示す2実施形態は、第1,2の電極針グループを構成する放電電極針2a,2bに印加する高電圧を、矩形波の交番電圧とするとともに、図1の交流電源3の代わりに直流電源を用いた除電装置の一例である。
また、上記放電電極針2aと2bとを交互に一直線状に配置した電極部13を、バー状に形成した装置本体に設けた点が上記第1実施形態と異なる。
ただし、第1の電極針グループを構成する放電電極針2aと、第2の電極針グループを構成する放電電極針2bとを備え、第1,2の電極針グループにそれぞれ交番電圧を印加する第1,2の電源回路を備える点は、上記第1実施形態と同じである。
そして、この第2実施形態では、図4に示した制御装置12以外の回路を全て同一装置本体内に設けるものとする。
この第2実施形態の除電装置は、図4に示すように、外部の直流電源を兼ねる制御装置12と、高周波昇圧用のトランスT1、T4との間にスイッチS1を設け、上記制御装置12と高周波昇圧用のトランスT2,T3との間にスイッチS2を設けている。これらスイッチS1,S2は、上記制御装置12によってそれぞれ一定時間ごとに交互にオン、オフ制御されるものである。
また、上記各トランスT1〜T4の一次側にはそれぞれ発振回路14が接続され、この発振回路14が上記制御装置12から出力された直流電圧を図5に示す高周波電圧に変換して各トランスT1〜T4に入力する。
図5は、各トランスT1〜T4の一次側に入力される高周波電圧を示したもので、上記制御装置12によって一定時間ごとにオン、オフ制御される上記スイッチS1、S2がオンのときに出力される高周波電圧を示している。図5に示すように、スイッチS1がオンでS2がオフのときにはトランスT1,T4の一次側に上記高周波電圧が入力され、スイッチS1がオフでスイッチS2がオンのときには、高周波昇圧トランスT2、T3の一次側に上記高周波電圧が入力される。
また、各トランスT1〜T4の二次側には、それぞれダイオードDとコンデンサCとの組を複数段備えた倍電圧整流回路15,16,17,18を接続している(図6参照)。
そして、各トランスT1〜T4の二次側に交互に発生した高周波状の高電圧を、上記倍電圧整流回路15〜18でさらに昇圧して、出力端子19、20及び21,22に矩形波の高電圧として出力するようにしている。
さらに、上記出力端子19,20,21,22のうち上記出力端子19,20を接続した出力端子23に、第1の電極針グループを構成する放電電極針2aを、残りの出力端子21,22を接続した出力端子24に第2の電極針グループを構成する放電電極針2bを、それぞれ抵抗を介して接続している。
したがって、上記第1の電極針グループの放電電極針2aに接続された、上記トランスT1、T2、上記倍電圧整流回路15,16がこの発明の第1の電源回路を構成し、上記第2の電極針グループの放電電極針2bに接続された、上記トランスT3、T4、倍電圧整流回路17,18がこの発明の第2の電源回路を構成している。
また、図6に示すように、上記第1の電源回路を構成する上記倍電圧整流回路15と16とは、ダイオードDの接続方向を逆にして、出力端子19には正の高電圧が出力され、出力端子20には負の高電圧が出力されるようにしている。
ただし、上記出力端子19、20に出力される正、負の高電圧は、それぞれ上記スイッチS1、S2がオンになったときに出力される。すなわち、スイッチS1がオンのとき出力端子19から正の高電圧が出力され、スイッチS2がオンのとき出力端子20から負の高電圧が出力される。これらの合成電圧は図7(a)に実線で示す矩形波の交番電圧cとして出力端子23から出力される。
また、第2の電源回路を構成する上記倍電圧整流回路17,18も、図6に示すように、それぞれ上記倍電圧整流回路15,16と同じ構成を備え、出力端子21には正の高電圧が出力され、出力端子22には負の高電圧が出力される。これら正、負の高電圧も、上記スイッチS1,S2のオン、オフに対応して交互に出力される。ただし、第2の電源回路においては、スイッチS1がオンのときに出力端子22に負の高電圧が出力され、スイッチS2がオンのときに出力端子21から正の高電圧が出力される。その合成電圧は、図7(b)に破線で示す矩形波の交番電圧dとして出力端子24から出力される。
このように、上記スイッチS1、S2のオン、オフによって、第1の電極針グループの放電電極針2aには、図7(a)に実線で示す矩形波の交番電圧cが印加され、第2の電極針グループの放電電極針2bには、図7(b)に破線で示した矩形波の交番電圧dが印加される。これらの交番電圧c,dは図7に示すように逆極性となる。
したがって、この第2実施形態においても、第1の電極針グループの放電電極針2aに印加される交番電圧cと第2の電極針グループの放電電極針2bに印加される交番電圧dとは逆極性になる。そのため、放電電極2a,2bからなる電極部13では常時、正のイオンと負のイオンとが同時に生成され、空間電位が正極性あるいは負極性に大きく偏ることがない。
そこで、この第2実施形態の除電装置も、定常状態における空間電位の交流成分を小さくでき、静電気敏感デバイスなどが静電気帯電で破損することを防止できる。
なお、この第2実施形態では、上記倍電圧整流回路15〜18はそれぞれ、特定の段においてダイオードDに電流制限用抵抗Rを直列に接続し、この電流制限抵抗Rとその段のコンデンサCとでRC並列回路を構成している(図6、7参照)。このようなRC並列回路を構成すれば、上記スイッチS1,S2の切り換えによって各出力端子19〜22に出力される矩形波の立ち上がりをよくすることができる。
また、上記RC並列回路を構成する段のコンデンサCの容量を、他の段のコンデンサCの容量よりも大きくすれば、上記出力される矩形波の立ち上がりをさらによくすることができる(特許文献1及び2012−195193号公報参照)。
この第2実施形態は、上記電極部13の放電電極針2aと2bとを交互に一直線状に配置しているが、第1の電極針グループの放電電極針2aと第2の電極針グループの放電電極針2bとをそれぞれ別々に直線状に配置してもかまわない。第1,2の電極針グループが、同一の装置本体内に設けられていれば、各電極針グループで生成される正負両極性のイオンが同時に放出され、空間電位の交流成分を小さくできることになる。
特に、上記第1の電極針グループと、第2の電極針グループとを、装置本体に設けたイオン吹き出し口から等距離に配置すれば、極性の偏りがより小さいイオン空間を生成でき、空間電位の交流成分をより小さくできる。
さらに、第2実施形態の電源回路は、バー状の装置本体だけでなく、様々な形状の除電器に用いることができる。例えば、第1実施形態のように放電電極針2a,2bを環状に配置した装置にも適用することができる。
また、上記第1実施形態のような交流電源をバー状の除電装置に用いてもよい。
なお、上記では、静電気敏感デバイスが静電気帯電で破損しないように帯電を防止する用途について説明したが、この実施形態の除電装置は、帯電した物体を除電するために用いることができるのは当然である。その場合には、処理対象の表面電位をほぼ0〔V〕まで除電できる。
静電気帯電に敏感なデバイスを取り扱う現場に設置し、上記デバイスを静電気帯電による損傷から保護するために有用である。
1 装置本体
1a (接地した金属グリッドを備えた)送風窓
2a (第1の電極針グループを構成する)放電電極針
2b (第2の電極針グループを構成する)放電電極針
3 交流電源
4 トランス
5 高電圧電源回路
5a 第1の電源回路
5b 第2の電源回路
12 制御装置
T1〜T4 トランス
15〜18 倍電圧整流回路

Claims (6)

  1. 複数の放電電極針と、
    上記各放電電極針に、正または負の高電圧を印加するための高電圧電源回路とを備え、
    上記各放電電極針の先端に発生する放電に基づいて生成されるイオンによって処理対象を除電する除電装置において、
    上記放電電極針は、第1の電極針グループと、第2の電極針グループとからなり、
    これら第1の電極針グループと第2の電極針グループとを本体内に備えるともに、
    上記高電圧電源回路は、
    上記第1の電極針グループに高圧の交番電圧を印加する第1の電源回路と、
    上記第2の電極針グループに高圧の交番電圧を印加する第2の電源回路とを備え、
    上記第1及び第2の電源回路は互いにその極性が反転した交番電圧を出力することを特徴とする除電装置。
  2. 上記放電電極針を環状に配置した請求項1に記載の除電装置。
  3. 本体には、イオン吹き出し口を備え、
    上記第1の電極針グループと、第2の電極針グループとを、上記イオン吹き出し口から等距離に配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の除電装置。
  4. 上記第1の電極針グループの放電電極針の先端と、第2の電極針グループの放電電極針の先端とを交互に配置したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の除電装置。
  5. 上記第1の電極針グループの放電電極針と、第2の電極針グループの放電電極針とを同数にしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の除電電極。
  6. 上記第1の電極針グループの放電電極針と、第2の電極針グループの放電電極針とをそれぞれ直線状に配置したことを特徴とする請求項1、3〜5のいずれか1に記載の除電装置。
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