JP2002209453A - 遮光性農業用ポリオレフィン系樹脂フイルム - Google Patents
遮光性農業用ポリオレフィン系樹脂フイルムInfo
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Abstract
に優れた5層構造の遮光性農業用ポリオレフィン系樹脂
フイルムを提供すること。 【解決手段】 農業用施設などに被覆される遮光性農業
用ポリオレフィン系樹脂フイルムの外面側の層から、線
状低密度ポリエチレン樹脂を主成分とする透明樹脂層、
線状低密度ポリエチレン樹脂を主成分とする樹脂成分に
酸化チタン顔料を配合した白色樹脂層、線状低密度ポリ
エチレン樹脂を主成分とする樹脂成分に酸化チタン顔料
およびカーボンブラック顔料を配合した灰色樹脂層、酢
酸ビニル含有量が5〜28重量%のポリオレフィン系樹
脂からなる樹脂成分に酸化チタン顔料を配合した白色樹
脂層、酢酸ビニル含有量が3〜15重量%のポリオレフ
ィン系樹脂からなる透明樹脂層の順に5層構造とされ、
フイルム全体の厚みが75〜160μmの範囲で、遮光
率が99.9%以上の遮光性農業用ポリオレフィン系樹
脂フイルム。
Description
業用トンネルなどの農業用施設に使用される遮光性農業
用ポリオレフィン系樹脂フイルムに関し、更に詳しく
は、遮光安定性、フイルム強度、耐候性の良好な5層構
造の遮光性農業用ポリオレフィン系樹脂フイルムに関す
るものである。
卉園芸植物の開花時期の調整を行う電照栽培や遮光栽
培、また、夏期のほうれん草、ダイコン、イチゴ栽培な
どの遮熱栽培に使用されてきた。これらに使用される遮
光性フイルムは、一層乃至三層構造のものが使用されて
いる。
に使用されるナトリウムランプ等の光に対して、従来の
内面側にアルミニウム顔料を使用したフイルムは、反射
率が低いという欠点があり、また、遮光率を保持するた
め多量の無機顔料やカーボンブラックの添加が必要であ
り、フイルム強度の低下や強度のバラツキが大きくなる
という欠点があった。
リウムランプ等の光に対する反射率が大きく、フイルム
強度や遮光率の低下がなく耐久性に優れた5層構造の遮
光性農業用ポリオレフィン系樹脂フイルムを提供するこ
とを目的としている。
どに被覆される遮光性農業用ポリオレフィン系樹脂フイ
ルムの外面側の層から、(A)線状低密度ポリエチレン
樹脂を主成分とする透明樹脂層、(B)線状低密度ポリ
エチレン樹脂を主成分とする樹脂成分に酸化チタン顔料
を配合した白色樹脂層、(C)線状低密度ポリエチレン
樹脂を主成分とする樹脂成分に酸化チタン顔料およびカ
ーボンブラック顔料を配合した灰色樹脂層、(D)酢酸
ビニル含有量が5〜28重量%のポリオレフィン系樹脂
からなる樹脂成分に酸化チタン顔料を配合した白色樹脂
層、(E)酢酸ビニル含有量が3〜15重量%のポリオ
レフィン系樹脂からなる透明樹脂層の順に5層構造とさ
れ、フイルム全体の厚みが75〜160μmの範囲で、
遮光率が99.9%以上であることを特徴とする遮光性
農業用ポリオレフィン系樹脂フイルムである。
は、防曇剤を配合することによって、防曇性を付与する
こともできる。防曇剤としては、通常、農業用ポリオレ
フィン系樹脂フイルムに使用されているもので、例え
ば、ソルビタン系、グリセリン系、ジグリセリン系など
の多価アルコールと脂肪酸との部分エステル或いはこれ
らとアルキレングリコールとの縮合物を挙げることがで
きる。
される線状低密度ポリエチレン樹脂は、メタロセン触媒
系やチグラー触媒系で製造されたもので、これらの層に
使用することにより、(B)層の酸化チタン顔料、
(C)層の酸化チタン顔料およびカーボンブラックを多
量に配合しているにもかかわらず、(A)層が補強し
て、極めて強度の高い遮光性農業用ポリオレフィン系樹
脂フイルムとすることができる。
および(D)層の少なくとも1層の樹脂成分において、
リアクターTPOを1〜35重量%、好ましくは5〜2
5重量%の範囲で配合し、これらの層に多量に配合され
る酸化チタン顔料やカーボンブラック顔料によるフイル
ム強度の低下を防止することができる。このリアクター
TPOは、重合段階でオレフィン系樹脂にエチレンプロ
ピレンゴムをアロイ化させた樹脂であって、反応器中で
製造するTPOということから、リアクターTPOと呼
ばれている。具体的には、モンテル社の「キャタロ
イ」、徳山曹達社の「P.E.R」等が挙げられる。こ
の配合量が35重量%を超えると、フイルム生産時にモ
ータ負荷が大きくなり、製膜が困難となるので好ましく
ない。
の層の樹脂成分100重量部に対して、酸化チタン顔料
の配合割合が、25〜100重量部、好ましくは30〜
80重量部の範囲で用いられ、また、(C)層は、この
層の樹脂成分100重量部に対して、酸化チタン顔料の
配合割合が3〜35重量部、好ましくは5〜18重量部
の範囲、およびカーボンブラック顔料の配合割合が3〜
35重量部、好ましくは5〜18重量部の範囲で用いら
れる。
量%のポリオレフィン系樹脂は、エチレン−酢酸ビニル
共重合体単独またはエチレン−酢酸ビニル共重合体と低
密度ポリエチレン樹脂の混合物であってもよく、また、
(E)層の酢酸ビニル含有量が3〜15重量%のポリオ
レフィン系樹脂も上記の(D)層と同様にエチレン−酢
酸ビニル共重合体単独またはエチレン−酢酸ビニル共重
合体と低密度ポリエチレン樹脂の混合物であってもよ
い。これらの層に酢酸ビニル含有量のポリオレフィン系
樹脂を用いることにより、フイルムに柔軟性が付与する
ことができ、農業用ハウス等にフイルム展張作業が容易
となり、安定した防曇性を付与することも可能となる。
これらの層には防曇剤と共にフッ素系界面活性剤やシリ
コーン系界面活性剤を配合して防霧性も付与することも
できる。
て、具体的に説明する。
で測定し基準値を決めた後、キセノンランプを各試料で
遮蔽し、キセノンラップの漏れた光の照度を測定し、遮
光率を計算で求めた。 ◎:99.95%以上 ○:99.9%以上、99.95%未満 △:99.0%以上、99.9%未満 ×:99.0%未満
ムの押出し方向に長さ110cm、その直交方向に8c
mの試料を採取し、10cm間隔にφ1cmの印を10
ヶ所つけたものを10枚用意した。常温で指抜け試験
(N=100)を行い、抵抗無く指抜けする割合を算出
し、下記の基準で評価した。 ◎:7%未満 ○:7%以上、15%未満 △:15%以上、40%未満 ×:40%以上
て、フイルム内面側の反射率を測定し、下記の基準で評
価した。 ○:50%以上 △:38%以上、50%未満 ×:38%未満
(A)層として、線状低密度ポリエチレン樹脂(出光石
油化学社製、「モアテック0138」)を、(B)層と
して、線状低密度ポリエチレン樹脂(「モアテック01
38」)86重量部に、酸化チタン顔料マスターバッチ
(日弘ビックス社製、「PO−0907ホワイト」、バ
インダー:低密度ポリエチレン20重量%、顔料80重
量%)70重量部を、(C)層として、線状低密度ポリ
エチレン樹脂(「モアテック0138」)86重量部
に、酸化チタン顔料マスターバッチ(「PO−0907
ホワイト」、バインダー:低密度ポリエチレン20重量
%、顔料80重量%)10重量部とカーボンブラック顔
料マスターバッチ(東洋インキ社製、「TET−013
37ブラック」、バインダー:低密度ポリエチレン60
重量%、顔料40重量%)20重量部を、(D)層とし
て、酢酸ビニル含有量10重量%のエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体86重量部に、酸化チタン顔料マスターバッ
チ(「PO−0907ホワイト」、バインダー:低密度
ポリエチレン20重量%、顔料80重量%)70重量部
を、(E)層として、酢酸ビニル含有量10重量%のエ
チレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に、防曇剤2
重量部およびフッ素系界面活性剤0.1重量部をそれぞ
れ用い、また、各層には樹脂成分100重量部に対し
て、ヒンダードアミン系光安定剤0.3重量部を配合
し、これらを各押出機に供給し、各層16μm、合計厚
さ80μmの5種5層の遮光性農業用ポリオレフィン系
樹脂フイルムを製造した。このフイルムの評価を表1に
示す。
酢酸ビニル含有量10重量%のエチレン−酢酸ビニル共
重合体78重量部に、リアクターTPO(モンテル社、
「キャタロイ」)10重量部配合したこと以外は、実施
例1と同様にして5種5層の遮光性農業用ポリオレフィ
ン系樹脂フイルムを製造した。このフイルムの評価を表
1に示す。
酢酸ビニル含有量10重量%のエチレン−酢酸ビニル共
重合体68重量部に、リアクターTPO(「キャタロ
イ」)20重量部配合したこと以外は、実施例1と同様
にして5種5層の遮光性農業用ポリオレフィン系樹脂フ
イルムを製造した。このフイルムの評価を表1に示す。
エチレン樹脂(「モアテック0138」)80重量部
に、リアクターTPO(「キャタロイ」)5重量部配合
した樹脂成分を用い、(D)層が、酢酸ビニル含有量1
0重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体80重量部
に、リアクターTPO(「キャタロイ」)8重量部配合
した樹脂成分を用いたこと以外は、実施例1と同様にし
て5種5層の遮光性農業用ポリオレフィン系樹脂フイル
ムを製造した。このフイルムの評価を表1に示す。
状低密度ポリエチレン樹脂(「モアテック0138」)
5重量部減量し、そのかわりに、リアクターTPO(モ
ンテル社、「キャタロイ」)5重量部配合した樹脂成分
を用い、また、(D)層の酢酸ビニル含有量10重量%
のエチレン−酢酸ビニル共重合体を5重量部減量し、リ
アクターTPO(「キャタロイ」)5重量部配合した樹
脂成分を用いたこと以外は、実施例1と同様にして5種
5層の遮光性農業用ポリオレフィン系樹脂フイルムを製
造した。このフイルムの評価を表1に示す。
エチレン樹脂(「モアテック0138」)90重量部に
対して、酸化チタン顔料マスターバッチ(「PO−09
07ホワイト」、バインダー:低密度ポリエチレン20
重量%、顔料80重量%)50重量部を配合し、(C)
層は、線状低密度ポリエチレン樹脂(「モアテック01
38」)79重量部に対して、酸化チタン顔料マスター
バッチ(「PO−0907ホワイト」、バインダー:低
密度ポリエチレン20重量%、顔料80重量%)15重
量部とカーボンブラック顔料マスターバッチ(「TET
−01337ブラック」、バインダー:低密度ポリエチ
レン60重量%、顔料40重量%)30重量部を配合
し、(D)層は、酢酸ビニル含有量10重量%のエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体80重量部、リアクターTPO
(「キャタロイ」)10重量部に対して、酸化チタン顔
料マスターバッチ(「PO−0907ホワイト」、バイ
ンダー:低密度ポリエチレン20重量%、顔料80重量
%)50重量部配合したこと以外は、実施例1と同様に
して5種5層の遮光性農業用ポリオレフィン系樹脂フイ
ルムを製造した。このフイルムの評価を表2に示す。
エチレン樹脂(「モアテック0138」)92重量部に
対して、酸化チタン顔料マスターバッチ(「PO−09
07ホワイト」、バインダー:低密度ポリエチレン20
重量%、顔料80重量%)40重量部を配合し、(C)
層は、線状低密度ポリエチレン樹脂(「モアテック01
38」)79重量部に対して、酸化チタン顔料マスター
バッチ(「PO−0907ホワイト」、バインダー:低
密度ポリエチレン20重量%、顔料80重量%)15重
量部とカーボンブラック顔料マスターバッチ(「TET
−01337ブラック」、バインダー:低密度ポリエチ
レン60重量%、顔料40重量%)30重量部を配合
し、(D)層は、酢酸ビニル含有量10重量%のエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体74重量部、リアクターTPO
(「キャタロイ」)10重量部に対して、酸化チタン顔
料マスターバッチ(「PO−0907ホワイト」、バイ
ンダー:低密度ポリエチレン20重量%、顔料80重量
%)80重量部配合したこと以外は、実施例1と同様に
して5種5層の遮光性農業用ポリオレフィン系樹脂フイ
ルムを製造した。このフイルムの評価を表2に示す。
(C)層で使用した線状低密度ポリエチレン樹脂の代わ
りに、高圧法低密度ポリエチレン樹脂(日本ユニカー社
製、「NUC−8133」)に変更し、(D)層を酢酸
ビニル含有量10重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合
体82重量部に対して、アルミニウム顔料マスターバッ
チ(住化カラー社製、「SPEM−8K445シルバ
ー」、バインダー:低密度ポリエチレン60重量%、顔
料40重量%)30重量部としたこと以外は、実施例1
と同様にして5種5層の遮光性農業用ポリオレフィン系
樹脂フイルムを製造した。このフイルムの評価を表2に
示す。
(B)層として、高圧法低密度ポリエチレン樹脂(「N
UC−8133」)86重量部に、酸化チタン顔料マス
ターバッチ(「PO−0907ホワイト」、バインダ
ー:低密度ポリエチレン20重量%、顔料80重量%)
70重量部を配合し、(C)層として、高圧法低密度ポ
リエチレン樹脂(「NUC−8133」)100重量部
に、酸化チタン顔料マスターバッチ(日弘ビックス社
製、「PO−0907ホワイト」、バインダー:低密度
ポリエチレン20重量%、顔料80重量%)10重量部
とカーボンブラック顔料マスターバッチ(「TET−0
1337ブラック」、バインダー:低密度ポリエチレン
60重量%、顔料40重量%)20重量部を配合し、
(D)層として、酢酸ビニル含有量10重量%のエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体86重量部に酸化チタン顔料マ
スターバッチ(「PO−0907ホワイト」、バインダ
ー:低密度ポリエチレン20重量%、顔料80重量%)
70重量部を配合し、また、各層には樹脂成分100重
量部に対して、ヒンダードアミン系光安定剤0.3重量
部を配合し、これらを各押出機に供給し、各層約27μ
m、合計厚さ80μmの3種3層の遮光性農業用ポリオ
レフィン系樹脂フイルムを製造した。このフイルムの評
価を表2に示す。
(B)層として、線状低密度ポリエチレン樹脂(「モア
テック0138」)70重量部に、酸化チタン顔料マス
ターバッチ(「PO−0907ホワイト」、バインダ
ー:低密度ポリエチレン20重量%、顔料80重量%)
150重量部を配合し、(C)層として、線状低密度ポ
リエチレン樹脂(「モアテック0138」)86重量部
に、酸化チタン顔料マスターバッチ(「PO−0907
ホワイト」、バインダー:低密度ポリエチレン20重量
%、顔料80重量%)10重量部とカーボンブラック顔
料マスターバッチ(「TET−01337ブラック」、
バインダー:低密度ポリエチレン60重量%、顔料40
重量%)20重量部を配合し、(D)層として、線状低
密度ポリエチレン樹脂(「モアテック0138」)70
重量部に、酸化チタン顔料マスターバッチ(「「PO−
0907ホワイト」、バインダー:低密度ポリエチレン
20重量%、顔料80重量%)150重量部を配合し、
また、各層には樹脂成分100重量部に対して、ヒンダ
ードアミン系光安定剤0.3重量部を配合し、これらを
各押出機に供給し、各層約27μm、合計厚さ80μm
の3種3層の遮光性農業用ポリオレフィン系樹脂フイル
ムを製造した。このフイルムの評価を表2に示す。
れた5層構造の遮光性農業用ポリオレフィン系樹脂フイ
ルムを提供することできる。
Claims (5)
- 【請求項1】 農業用施設などに被覆される遮光性農業
用ポリオレフィン系樹脂フイルムの外面側の層から、
(A)線状低密度ポリエチレン樹脂を主成分とする透明
樹脂層、(B)線状低密度ポリエチレン樹脂を主成分と
する樹脂成分に酸化チタン顔料を配合した白色樹脂層、
(C)線状低密度ポリエチレン樹脂を主成分とする樹脂
成分に酸化チタン顔料およびカーボンブラック顔料を配
合した灰色樹脂層、(D)酢酸ビニル含有量が5〜28
重量%のポリオレフィン系樹脂からなる樹脂成分に酸化
チタン顔料を配合した白色樹脂層、(E)酢酸ビニル含
有量が3〜15重量%のポリオレフィン系樹脂からなる
透明樹脂層の順に5層構造とされ、フイルム全体の厚み
が75〜160μmの範囲で、遮光率が99.9%以上
であることを特徴とする遮光性農業用ポリオレフィン系
樹脂フイルム。 - 【請求項2】 上記(B)層、(C)層および(D)層
の少なくとも1層の樹脂成分において、リアクターTP
Oを1〜35重量%の範囲で配合したことを特徴とする
請求項1記載の遮光性農業用ポリオレフィン系樹脂フイ
ルム。 - 【請求項3】 上記(B)層及び(D)層の樹脂成分1
00重量部に対して、酸化チタン顔料の配合割合が、2
5〜100重量部であることを特徴とする請求項1また
は2に記載の遮光性農業用ポリオレフィン系樹脂フイル
ム。 - 【請求項4】 上記(C)層の樹脂成分100重量部に
対して、酸化チタン顔料の配合割合が3〜35重量部お
よびカーボンブラック顔料の配合割合が3〜35重量部
であることを特徴とする請求項1または2に記載の遮光
性農業用ポリオレフィン系樹脂フイルム。 - 【請求項5】 上記(E)層および/または(D)層に
防曇剤を配合したことを特徴とする請求項1記載の遮光
性農業用ポリオレフィン系樹脂フイルム。
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