JPH09298954A - 農業用フィルム - Google Patents

農業用フィルム

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JPH09298954A
JPH09298954A JP8121710A JP12171096A JPH09298954A JP H09298954 A JPH09298954 A JP H09298954A JP 8121710 A JP8121710 A JP 8121710A JP 12171096 A JP12171096 A JP 12171096A JP H09298954 A JPH09298954 A JP H09298954A
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JP
Japan
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weight
layer
film
resin
antifogging
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Application number
JP8121710A
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English (en)
Inventor
Kenji Tokuoka
謙二 徳岡
Seichi Watanabe
清致 渡辺
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防曇層が耐摩擦性にすぐれ、仮に防曇層が剥
離しても防曇性が保証され、長期間防曇効果を発揮する
ことのできる農業用フィルムを提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン樹脂からなる3層フィル
ムであって、内層がLDPE、LLDPE、EVAの1
種以上からなる樹脂組成物100重量部に対し、ポリプ
ロピレン系樹脂10〜100重量部及び防曇剤を0.5
〜5重量%配合した樹脂組成物であり、ポリプロピレン
系樹脂はクロス分別法による特定の溶出量を有するもの
であり、内層表面にコロイダルアルミナとコロイダルシ
リカとが混合されたコロイドゾルと非イオン性界面活性
剤とで構成される水系防曇剤組成液が塗布乾燥されるこ
とにより防曇層が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハウス栽培に用い
られる防曇性のフィルムであって、防曇剤組成液を塗布
乾燥して形成された防曇層が剥離しても、長期間にわた
り防曇性が保証される農業用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】温室やパイプハウス等に用いられる農業
用被覆フィルムは、パイプハウス内外の温度差や内部の
湿度によってはフィルム表面に結露した水滴による曇り
によって種々の問題が発生する。例えば、太陽光線の透
過が悪くなるために植物の成育が遅れたり、水滴が植物
に落下することにより幼芽、茎、葉等が害を受けたり、
病害の原因となる。また、内部の作業者に不快感を与え
るなどの問題がある。
【0003】このような問題点を改良するため、界面活
性剤などの防曇剤をベースレジンに練り込んでフィルム
に成形することが行われている。しかし、防曇剤を練り
込んだものの防曇性は一般に約1年6ケ月程しか持続し
ない。その後、防曇性を回復させるには、パイプハウス
等に展張してあるフィルムの内側表面に防曇剤組成液を
動力噴霧機等で吹き付けてコーティングを行う必要があ
る。しかしながら、吹き付けコーティングすると吹き付
けが不均一となり易く、且つ、吹き付け作業は作物が栽
培されていない時期に限定されるという問題と、防曇剤
組成液が大量に必要であり費用がかさむという問題もあ
る。
【0004】一方、防曇剤を練り込む方式に代わり、使
用前のフィルムに防曇剤組成液を塗布乾燥することによ
り防曇層を形成する方法も提案されている(例えば、特
開平3−50288号公報参照)。しかし、このような
防曇層は、このフィルムをパイプハウスや温室へ展張す
る際や、強風時などに構造物との摩擦によって防曇層が
剥離し、防曇性が著しく低下する。
【0005】本発明は上記従来の問題点を解消し、防曇
層が耐摩擦性にすぐれ、仮に防曇層が剥離しても防曇性
が保証され、長期間防曇効果を発揮することのできる農
業用フィルムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明農業用フィルム
は、外層が低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチ
レン、エチレン−酢酸ビニル共重合体の1種以上からな
る樹脂組成物より形成され、中層がエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体樹脂100重量部に対し、ポリプロピレン系
樹脂10〜100重量部を配合し、防曇剤を中層全体の
0.5〜5重量%配合した樹脂組成物より形成され、内
層が低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、
エチレン−酢酸ビニル共重合体の1種以上からなる樹脂
組成物100重量部に対し、ポリプロピレン系樹脂10
〜100重量部を配合し、防曇剤を内層全体の0.5〜
5重量%配合した樹脂組成物より形成されてなり、上記
ポリプロピレン系樹脂は、重量平均分子量が8万〜50
万、クロス分別法により測定した溶出量が0〜20℃未
満で5重量%以下、20〜70℃以下で8〜30重量
%、70〜110℃で70〜95重量%のものであっ
て、且つ、内層表面に、互いに異なる電荷に帯電したコ
ロイダルアルミナとコロイダルシリカとが80〜20/
20〜80の固形分重量比で混合された無機質コロイド
ゾルと非イオン系界面活性剤と水とで構成される水系防
曇剤組成液から形成された防曇層が積層されたものであ
る。
【0007】本発明で用いる低密度ポリエチレン(以下
LDPE)はメルトインデックス(以下MI)が0.3
〜4、直鎖状低密度ポリエチレン(以下LLDPE)の
MIは0.5〜4、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以
下EVA)のMIは0.5〜5の範囲であることが好ま
しく、また、EVAは酢酸ビニル含有量が5〜20重量
%であることが好ましい。 外層を構成するこれらの樹
脂は単独で使用してもよいが、用途などに応じて2種類
以上を混合して使用してもよい。
【0008】本発明で中層及び内層に使用されるポリプ
ロピレン系樹脂はポリプロピレン単独、またはポリプロ
ピレンにプロピレンを主体とする他のモノマーとの共重
合体等が混合されてもよく、重量平均分子量が8万〜5
0万のものである。重量平均分子量が8万未満であると
溶融粘度が低すぎて、通常の押出成形法では製膜性が悪
くなることがあり、50万を超えると溶融粘度が高すぎ
て通常の押出成形法では製膜性が悪くなることがある。
特に好ましい重量平均分子量は10万〜40万である。
【0009】ポリプロピレン系樹脂を特定するための溶
出量を得るためのクロス分別法を以下に説明する。ポリ
プロピレン系樹脂を140℃あるいはポリプロピレン系
樹脂が完全に溶解する温度でo−ジクロロベンゼンに溶
解し、次いでこの溶液を一定速度で冷却し、予め準備し
た不活性担体の表面に厚みの薄いポリマー層を生成させ
る。このときポリプロピレン系樹脂成分は結晶性の高い
順及び分子量の大きい順にポリマー層を生成する。その
後、温度を連続的にまたは段階的に上昇させながら、o
−ジクロロベンゼンを溶離液として順次溶出した成分の
濃度を検出して結晶性分布を測定する(温度上昇溶離分
別法)。これと同時に、順次溶出した成分を高温型GP
C(GelPermeation Chromatog
raph)、例えばSEC(Size Exclusi
on Cromatograph)により分析して分子
量と分子量分布を測定する。本発明では上記温度上昇溶
離部分と高温型GPC部分との両方を備えているクロス
分別クロマトグラフ装置(三菱化学社製,商品名「CF
C−T150A型」)を用いてポリプロピレン系樹脂の
分子量及び溶出量を測定した。
【0010】本発明で中層及び内層のポリプロピレン系
樹脂は、クロス分別法により測定した溶出量が、ポリプ
ロピレン系樹脂の全量に対して0〜20℃未満では5重
量%以下であり、好ましくは3重量%以下のものであ
る。この温度における溶出量が5重量%を超えると、得
られる農業用フィルムの透明性が低下し易くなる。
【0011】上記溶出量が20〜70℃未満で8〜30
重量%のものであり、好ましくは9〜15重量%であ
る。この温度における溶出量が8重量%未満であると、
得られるフィルムの柔軟性が劣ることがあり、30重量
%を超えるとフィルムの透明性が低下する傾向となる。
【0012】また、溶出量が70〜110℃未満では7
0〜95重量%であり、好ましくは75〜90重量%で
ある。この温度における溶出量が70重量%未満である
とフィルムの柔軟性が劣り、95重量%を超えるとフィ
ルムの透明性が低下する。
【0013】上記ポリプロピレン系樹脂は、例えば以下
の2段階法で製造される。第1段階では、チタン系化合
物とアルミニウム化合物の存在下でオレフィンの重合に
より、チタン含有ポリオレフィンが生成される。ここで
得られるチタン含有ポリオレフィンの代表的な例は、チ
タン含有プロピレン単独重合体、チタン含有プロピレン
−エチレン共重合体、チタン含有プロピレン−α−オレ
フィン共重合体である。α−オレフィンとしては1−ブ
テンが好適である。第2段階において、上記チタン化合
物とアルミニウム化合物の存在下でプロピレンとエチレ
ンとを上記チタン含有ポリオレフィンと共に重合させ
る。このようにしてプロピレン−エチレン共重合体、プ
ロピレン−α−オレフィン共重合体等が得られる。
【0014】中層及び内層におけるポリプロピレン系樹
脂の配合量はEVA、LDPE、LLDPEの1種以上
からなる樹脂組成物100重量部に対し10〜100重
量部とする。この理由はポリプロピレン系樹脂の量が1
0重量部を下回ると必要最小限の防曇剤量がポリプロピ
レン系樹脂に対して多くなり、相溶性の限界を超えるか
らである。また、100重量部を超えるとポリプロピレ
ン系樹脂の成形温度の高さが影響し、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体が存在する場合には該樹脂が劣化し易くな
るからである。
【0015】本発明で使用できる防曇剤としては、例え
ば、多価アルコールと高級脂肪酸類からなる多価アルコ
ール部分エステル系のものが好ましい。このようなもの
としては、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモ
ノパルミテート、ソルビタンモノベヘネート、ソルビタ
ンとグリセリンの縮合物と脂肪酸とのエステル、ソルビ
タンとアルキレングリコールの縮合物と脂肪酸エステル
などのソルビタン系界面活性剤、グリセリンモノパルミ
テート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノ
ラウレート、ジグリセリンモノパルミテート、トリグリ
セリンモノステアレート等のグリセリン系界面活性剤、
ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレ
ングリコールモノパルミテート、ポリエチレングリコー
ルアルキルフェニルエーテル等のポリエチレングリコー
ル系界面活性剤、その他トリメチロールプロパンモノス
テアレート等のトリメチロールプロパン系界面活性剤、
ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリス
リトールモノステアレート等のペンタエリスリトール系
界面活性剤、或いはこれらの異性体を含むものなどが挙
げられる。
【0016】中層及び内層における上記防曇剤の添加量
は0.5重量%未満では防曇層が剥がれたときの防曇効
果が期待できない。また、5重量%を超えると防曇剤が
フィルム表面にブリードして塗布型防曇剤の密着性が低
下し、フィルムの透明性も低下するので、それぞれ0.
5〜5重量%の範囲とする。
【0017】本発明農業用フィルムの厚みは薄すぎると
強度が不足し、厚すぎると製膜工程及びその後の裁断、
接合、展張作業等の取扱いに不便をきたすので、0.0
2〜0.3mmの範囲であることが好ましく、特に好ま
しくは0.03〜0.2mmの範囲である。
【0018】フィルム全厚みに対する中層と内層とが占
める厚みは60〜95%の範囲が好ましい。95%を超
えると外層の耐摩擦性が低下し、60%未満であるとフ
ィルムの腰が強く(2%モジュラスが大きく)なりすぎ
て、フィルムの巻取り、展張、フィルム固定具への取扱
いが困難となる。
【0019】本発明で使用される各樹脂には、それぞれ
の作用を損なわない範囲で保温剤、安定剤、酸化防止
剤、可塑剤、安定化助剤、紫外線吸収剤、防霧剤、滑
剤、顔料等の添加剤を配合してもよい。保温剤として
は、例えば、酸化珪素、珪酸塩類、ガラス微粉末等を樹
脂100重量部に対し1〜20重量部、好ましくは3〜
10重量部を混入したものが使用できる。なお、保温剤
の配合量が20重量部を超えると可視光線の透過率が著
しく低下し、フィルムの強度が低下する。また、1重量
部よりも少ないと保温性の効果がなくなる。紫外線吸収
剤には、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ハ
イドロキノン系、サリチル酸系、ベンゾエール系、シア
ノアクリレート系等のものが好適に使用できる。
【0020】中層及び内層に使用される防曇剤としては
非イオン系界面活性剤が好ましく、例えば、N,N−ビ
ス(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミン、ポリオキ
シエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキ
ルアミンの脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステ
ル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソ
ルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪族ア
ルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸等が挙げら
れる。非イオン系界面活性剤は、防曇剤組成液の分散安
定性、樹脂フィルムへの防曇剤組成液の濡れ性、接着性
向上、均一なゲルの形成、更に、水によるゲル化皮膜の
流亡防止効果に寄与するものである。
【0021】中層及び内層の防曇剤濃度はそれぞれ0.
5〜5重量%であり、好ましくは1〜3重量%である。
0.5重量%未満であると、最終的に得られた農業用フ
ィルムの防曇層が剥離した場合、防曇性の持続効果が不
充分となり、5重量%を超えると製膜性が不良となり、
また、最終的に得られたフィルムから過度にブリードし
て白化を引き起こし、さらに原反フィルムの内層表面と
防曇層の接着性が低下する傾向となる。
【0022】防曇剤は中層及び内層となるポリプロピレ
ン系樹脂100重量部に対して1〜20重量部を予め練
り込んでおくことが好ましい。この理由の一つは、防曇
剤とポリプロピレン系樹脂との相溶性がすぐれているた
め均一に混合し易いためであり、他の理由は、ポリプロ
ピレン系樹脂が防曇剤を抱き込み易いので、防曇剤のフ
ィルム表面へのブリード速度を適度に低下させ、徐放性
の効果を発揮し易いからである。
【0023】上記3層フィルムの製造は、従来公知のイ
ンフレーション成形法、Tダイ成形法による共押出成形
法で成形するのが最も簡単で容易にできるので好まし
い。
【0024】本発明では内層表面に、互いに異なる電荷
に帯電したコロイダルアルミナとコロイダルシリカとが
80〜20/20〜80の重量比で混合された無機質コ
ロイドゾルと非イオン系界面活性剤と水とで構成される
水系防曇剤組成液が塗布乾燥されることにより防曇層が
形成される。無機質コロイドゾル中でコロイダルアルミ
ナの比率が80を超えるか、または20未満であると、
防曇剤塗布層の表面が陽電荷あるいは陰電荷に帯電し易
くなり、陽電荷あるいは陰電荷に帯電している土ほこ
り、塵等の微粒子が防曇剤塗布層の表面に吸着されて汚
れ易くなる。従って、無機質コロイドゾル中のコロイダ
ルアルミナの比率は80〜20が好ましく、より好まし
くは70〜30である。無機質コロイドゾルは内層表面
に水系塗布液として塗布乾燥された後、内層表面に残り
低温防曇性、防曇持続性の作用をなす。
【0025】コロイダルアルミナとコロイダルシリカの
平均粒径は0.1μm以下のものが好ましい。0.1μ
mを超えるとこれらを含む防曇剤組成液をフィルムに塗
布すると透明性が低下するので好ましくないからであ
る。また、コロイダルアルミナとコロイダルシリカとの
平均粒径の比が2を超えると、両者を混合した際に短時
間で増粘ゲル化を起こすことが困難であり、防曇剤組成
物が塗布されたあと水で流亡して防曇層が形成され難く
なる。
【0026】本発明で使用する防曇剤組成液を調整する
ために、コロイダルシリカのコロイド液は酸性であるこ
とが好ましい。特に好適なpHは2〜4である。アルカ
リ性のコロイドを用いるとコロイダルアルミナの酸性コ
ロイド液と共にコロイド状態を不安定なものとし、均一
な防曇剤塗布層の形成ができないことに加え、コロイド
液塗布後のポットライフが短くなり、塗布作業性が低下
する。
【0027】水性防曇剤組成液中のコロイダルアルミナ
及びコロイダルシリカの濃度範囲は、好ましくはそれぞ
れ0.1〜5重量部であり、より好ましくは0.5〜
3.5重量部である。これらの濃度がそれぞれ0.1重
量部未満であるとゲル化による皮膜形成が不完全とな
り、5重量部を超えるとゲル化があまりに急速に進行す
るためポットライフが短くなり、塗布作業性が悪くなる
と共にゲル化による皮膜が不均一となる。
【0028】防曇剤組成液中の非イオン系界面活性剤の
濃度は、0.05〜3重量部が好ましく、より好ましく
は0.4〜2重量部である。この濃度が0.05重量部
未満であると充分な濡れ効果が得られず、3重量部を超
えると防曇剤組成液の濃度が高くなって作業性が悪くな
り、さらに塗布状態が不均一となり易い。
【0029】防曇剤組成液の粘度は、室温において1〜
1000mPa・sの範囲であることが好ましく、より
好ましくは2〜1000mPa・sの範囲である。10
00mPa・sを超えると粘度が高すぎて塗布ムラが生
じ、得られる農業用フィルムの透明性が著しく低下す
る。
【0030】上記防曇剤組成液は通常塗布の直前に調整
する。例えば、コロイダルアルミナの水分散濃厚液、コ
ロイダルシリカの水分散濃厚液、非イオン系界面活性剤
の水分散濃厚液を水に逐次混合し、それぞれ混合時に充
分に攪拌することにより長時間のポットライフを有する
防曇剤組成液が得られる。上記各成分の水分散濃厚液同
士を混合すると、増粘ゲル化の進行が早すぎて塗布作業
が困難となるので好ましくない。また、攪拌が不充分で
あるとコロイダルアルミナ、コロイダルシリカのそれぞ
れが2次粒子あるいは3次粒子のまゝゲル化して沈降し
易くなり、ポットライフが短くなり易い。従って、攪拌
方法としてはホモジナイザー、コロイドミル等の媒質剪
断内部攪拌機の使用が望ましい。
【0031】フィルム内層表面と防曇剤塗布層との接着
性が充分でない場合には、防曇剤塗布前の内層表面を予
めアルコールあるいは水で洗浄したり、プラズマ放電処
理やコロナ放電処理したり、他の塗料あるいはプライマ
ーを塗布するなどの前処理を施すのが好ましい。表面処
理効果、コストの面から実用的にはコロナ放電処理によ
る方法が好ましいが、コロナ放電処理しても10時間以
上経過した後に防曇剤組成液を塗布すると、フィルムと
防曇層との接着性が低下するので、コロナ放電処理した
直後に防曇剤組成液を塗布するのが好ましい。
【0032】防曇剤組成液はコロナ放電処理等で表面処
理されたフィルム内層面に、スプレーコート法、ロール
コート法、ディップコート法、ロールコート法、バーコ
ート法、ナイフコート法、はけ塗り法等公知の方法で塗
布される。防曇剤組成液の塗布量は、乾燥後で0.02
〜1g/m2 の範囲が好ましい。塗布量が乾燥後で0.
02g/m2 未満では防曇性の持続効果が低く、しかも
乾燥のために熱エネルギーを多量に必要とする。また、
1g/m2 を超える塗布量とすると、防曇剤組成液の粘
度が1000mPa・sを超える高粘度になり易く、そ
のために塗布ムラが発生し易くなる。また、透明性が著
しく低下する。
【0033】塗布後の乾燥方法は、自然乾燥、加熱乾燥
のいずれを採用してもよく、加熱乾燥方法を採用する場
合は50〜150℃の温度条件が好ましい。加熱乾燥と
しては熱風乾燥法、赤外線乾燥法等が用いられ、乾燥速
度、安全性の面では熱風乾燥が有利である。乾燥温度が
50℃よりも低いと乾燥時間が長くなったり、乾燥炉の
長さが長くなるなど設備面で不利となる。150℃を超
えるとフィルムの強度低下及びチューブ状フィルムの外
面に塗布・乾燥する場合はチューブ内ブロッキングが発
生し易い。
【0034】(作用)本発明の農業用フイルムの外層及
び内層はLDPE、LLDPE、EVAの1種以上から
なる樹脂をベースとするので、農業用被覆材として使用
する際に、構造物やフィルム固定材などとの摩擦に対す
る耐摩耗性と、全体に適当な強度を付与する。中層はE
VAを主成分とするのでフィルムに柔軟性を与え、外層
と内層との接着性にすぐれる。中層及び内層の樹脂は重
量平均分子量が8万〜50万であるから製膜性にすぐれ
たものである。また、これらの層に使用するポリプロピ
レン系樹脂はクロス分別法による特定の溶出量を有する
ものであるから、透明性と柔軟性に富み、且つ、防曇剤
との相溶性にすぐれるので防曇性の持続効果を発揮す
る。
【0035】防曇層はコロイダルアルミナとコロイダル
シリカとが重量比で80〜20/20〜80で混合され
たものであるから汚れ難く、低温防曇性、防曇性の持続
効果を発揮する。また、防曇層に非イオン性界面活性剤
が混合されているので、防曇剤の分散性がよく、フィル
ム内層面への接着性のよい均一なゲル膜が形成される。
【0036】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を説明す
る。 (実施例1)3層フィルム 外層:LLDPE(MI=2.1,密度0.92g/c
3 ) 中層:EVA(酢酸ビニル含有量14重量%,MI=
1.4,密度0.93g/cm3 )85重量部に対し、
ポリプロピレン系樹脂15重量部を配合したもの 内層:EVA(酢酸ビニル含有量10重量%,MI=
1.4,密度0.93g/cm3 )85重量部に対し、
ポリプロピレン系樹脂15重量部を配合したもの 上記ポリプロピレン系樹脂は防曇剤としてグリセリン脂
肪酸エステル(理研ビタミン社製,商品名「リケマール
AF−82」)を15重量%添加したもの(樹脂組成
物中の防曇剤濃度2.25重量%)である。
【0037】上記ポリプロピレン系樹脂は、重量平均分
子量が25.9万、クロス分別法により測定したポリプ
ロピレン系樹脂全量に対する溶出量が、0〜20℃未満
で2.5重量%、20〜70℃未満で11重量%、70
〜110℃未満で86.5重量%のもの(モンテル社
製,商品名「キャタロイKT−011P」,MI=5.
0,密度0.90g/cm3 )である。
【0038】上記各層を構成する樹脂をインフレーショ
ン法により押出成形して膜厚150μm(外層/中層/
内層の厚み比=1/4/1)の3層フィルムを作製し
た。この3層フィルムの内層面の表面張力が43dyn
/cmとなるようにコロナ放電処理を行った。
【0039】非イオン性界面活性剤水溶液の調整 容器内の水を攪拌しながらメチルセルロース(信越化学
社製,商品名「メトローズSM−15」)を添加し、固
形分8重量%の水分散液を調整した。
【0040】防曇剤組成液の調整 水1000gにコロイダルアルミナ(日産化学社製,商
品名「アルミナゾル520」,平均粒径0.01〜0.
02μm,固形分20重量%,陽電荷帯電)を167g
添加し、この液をホモジナイザー(回転数1000rp
m)で30秒間攪拌した。得られた液にコロイダルシリ
カ(日産化学社製,商品名「スノーテックO」,固形分
20重量%,平均粒径0.02μm)を167g添加
し、この液をホモジナイザー(回転数1000rpm)
で30秒間攪拌した。更に、得られた上記の液に、上記
非イオン性界面活性剤水溶液を167g添加し、ホモジ
ナイザー(回転数1000rpm)で30秒間攪拌し
た。これに水性インク(プラチナ社製,色;赤)を20
g添加し、ホモジナイザー(回転数1000rpm)で
30秒間攪拌して防曇剤濃度が5.3重量%の防曇剤組
成液を調整した。
【0041】前記3層フィルムのコロナ放電処理面に、
上記防曇剤組成液をメイヤーバーコーター(R.D.S
pecialties社製,No.6)を使用して塗布
し、70℃のオーブン中で1分間乾燥した。
【0042】(実施例2)内層の表面張力が38dyn
/cmとなるようにコロナ放電処理した以外は実施例1
と同様の3層フィルムとした。
【0043】(比較例1)内層の表面張力が36dyn
/cmとなるようにコロナ放電処理し、中層及び内層樹
脂にポリプロピレン系樹脂及び防曇剤が配合されていな
いこと以外は実施例1と同様の3層フィルムとした。
【0044】(比較例2)中層樹脂として実施例1で中
層に用いたものと同じEVA樹脂60重量部に対し、ポ
リプロピレン系樹脂40重量部を配合したものとし、内
層樹脂として実施例1で用いたものと同じEVA樹脂6
0重量部にポリプロピレン系樹脂40重量部を配合した
ものとし、中層樹脂及び内層樹脂の防曇剤濃度を6重量
%とした以外は実施例1と同様の3層フィルムとした。
【0045】3層フィルムの評価 各実施例及び各比較例で得られたフィルムについて、以
下に示す方法で低温防曇性、内層と防曇層との接着性、
防曇層の剥離面の低温防曇性を評価した。 (1)低温防曇性 内部に水を入れ、上平面を10度傾斜させたステンレス
製水槽の上部にフィルムを展張し、水温を10±1℃、
外気温を0±1℃に保持し、試験開始直後と4時間経過
後におけるフィルム面の水膜付着面積(防曇性)を肉眼
で観察した。観察の結果を次の基準で評価した。 5:80%を超える 4:60%を超え80%まで 3:40%を超え60%まで 2:20%を超え40%まで 1:20%以下
【0046】(2)内層と防曇層との接着性 ポリエステルテープ(日東電工社製,31B)を防曇層
に貼り、荷重2kgのローラーを300mm/分の速度
で往復させて防曇層に上記テープを密着させた。次にJ
IS Z 0237に準じて300mm/分の速度で1
80度剥離し、防曇層(赤色)の残存率により以下の基
準で接着性を評価した。 ○:全面が剥離せず(接着性大) △:一部が剥離した(接着性中) ×:全面が剥離した(接着性小) (3)防曇層剥離面の低温防曇性 上記(2)の試験を行った後のフィルムの低温防曇性を
(1)と同じ方法で行った。以上の結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明農業用フィルムは以上の構成であ
るから、適度の柔軟性と強度を備え、農業用被覆材とし
て使用する際に、構造物やフィルム固定材などとの摩擦
に対する耐摩耗性にすぐれ、仮に防曇層が剥離しても防
曇性が保証され、長期間防曇効果を発揮することができ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外層が低密度ポリエチレン、直鎖状低密
    度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体の1種
    以上からなる樹脂組成物より形成され、 中層がエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂100重量部
    に対し、ポリプロピレン系樹脂10〜100重量部を配
    合し、防曇剤を中層全体の0.5〜5重量%配合した樹
    脂組成物より形成され、 内層が低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレ
    ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体の1種以上からなる
    樹脂組成物100重量部に対し、ポリプロピレン系樹脂
    10〜100重量部を配合し、防曇剤を内層全体の0.
    5〜5重量%配合した樹脂組成物より形成されてなり、 上記ポリプロピレン系樹脂は、重量平均分子量が8万〜
    50万、クロス分別法により測定した溶出量が0〜20
    ℃未満で5重量%以下、20〜70℃以下で8〜30重
    量%、70〜110℃で70〜95重量%のものであっ
    て、且つ、 内層表面に、互いに異なる電荷に帯電したコロイダルア
    ルミナとコロイダルシリカとが80〜20/20〜80
    の固形分重量比で混合された無機質コロイドゾルと非イ
    オン系界面活性剤と水とで構成される水系防曇剤組成液
    から形成された防曇層が積層された農業用フィルム。
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