JP3074058B2 - 農業用積層フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
農業用積層フィルムおよびその製造方法Info
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Description
よびその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は
耐熱性、耐衝撃性、耐摩擦性、耐引裂性、耐突き刺し
性、耐寒性に優れ、かつ高透明性であり、特に防曇効果
および霧発生防止効果の持続性に優れた農業用積層フィ
ルムおよびその製造方法に関し、そして本発明のフィル
ムは農業用の促成栽培を目的としたハウス栽培、トンネ
ル栽培およびマルチ栽培等に用いられる。
いられてきた農業用のフィルムとしては、ポリ塩化ビニ
ルフィルム、高圧法低密度ポリエチレンフィルム、直鎖
状低密度ポリエチレンフィルム等を主として挙げること
ができる。
性、耐久性、保温性、経済性、作業性等に優れている
が、可塑剤を含有するために長期間使用しているとフィ
ルム表面にブリードし、ここにほこりが吸着し、光の透
過性を低下させ、また汚れた感じを与え望ましくない。
さらに、ポリ塩化ビニルフィルムは使用後焼却によって
処理しようとすると、塩化水素ガスが発生し、公害問題
を引き起こすおそれがあり、また突起部による突き刺し
破れに弱く、ハウス骨材との摩擦破れに対して弱く、耐
寒性も劣り、使用条件によっては問題となることが多か
った。
塩化ビニルフィルムのように、焼却時塩化水素ガスを発
生せず、可塑剤も使用しないので、公害問題、光透過性
低下、ほこり付着による汚れ等を引き起こさない利点は
あるが、40%程度の結晶化度であるので、やや光透過
性(透明性)が劣る。また、フィルムの帯電やフィルム
表面に水分が付着したりするので、帯電防止剤や防曇剤
を配合すると、これがフィルム表面にブリードし、ほこ
りを吸着して光透過性を低下させる欠点がある。
法低密度ポリエチレンフィルムと上記の性質においては
類似するものの、機械的強度において優れているので、
フィルムの厚さを低減でき、経済的効果が大きいので、
農業用フィルムとして多く使用されるようになってきた
が、結晶化度が高いので光透過性が低いという問題があ
る。また、これらポリエチレン系フィルムは分子内に極
性基を持たないので赤外線吸収能力がなく、従って、夜
間温室内の植物や土壌から放射される赤外線エネルギー
を外界に放散させてしまい、保温性に欠ける欠点があ
る。
用されてきたポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレン系
フィルムの長所を保持したまま、それらの欠点を改良し
た農業用フィルム、すなわち焼却時に有害ガスを発生せ
ず、可塑剤を使用せずにすみ、耐突き刺し性、耐摩擦破
れ性、耐寒性、光透過性(高透明性)、機械的強度、加
工性に優れた農業用フィルムおよびその製造方法に関し
て先に出願した(特願平3−25752号)。しかしな
がら、この先の出願に係る発明では、防曇性および霧発
生防止性については全く配慮されておらず、これらの点
については不十分であった。
願に係る農業用フィルムの優れた性質を保持しつつ、さ
らに防曇効果および霧発生防止効果の持続性を付与し、
農業用フィルムとしての利用価値をさらに高めた農業用
フィルムおよびその製造方法の提供を課題とする。
エチレン−α−オレフィン共重合体(以下、VLDPE
とも記載する)を中間層とし、エチレン−酢酸ビニル共
重合体(以下、EVAとも記載する)を両外層とする積
層フィルム(特願平3−25752号の発明に相当す
る)の防曇性および霧発生防止性の改善を図るため、該
両外層に防曇剤および霧発生防止剤をEVA100重量
部に対して0.5〜5重量部配合したが、その効果はフ
ィルム使用開始から数カ月は認められたものの、その後
は不十分であった。その効果の持続性を図るため、上記
薬剤を5重量部以上配合したところ、フィルムのブロッ
キングを起こし、またフィルム表面に防曇剤、霧発生防
止剤等が移行して白化し、透明性が低下し、目的を達す
ることができなかった。そこで本発明者等は、さらに鋭
意研究の結果、中間層に高濃度に防曇剤および霧発生防
止剤等を配合し、内側層に中間層より低濃度にそれらを
配合することにより、防曇効果および霧発生防止効果の
持続性が高められることを見出し、本発明を完成させ
た。
0.5〜5g/10分、酢酸ビニル含有量5〜15重量
%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる外側
層、密度0.910g/ml以下、融点116℃以上、
1%モジュラス1200kg/cm2 以下、n−ヘキサ
ン抽出分10重量%以下、メルトインデックス0.8〜
10g/10分である超低密度エチレン−α−オレフィ
ン共重合体100重量部と防曇剤および/または霧発生
防止剤2〜8重量部とからなる中間層、およびメルトイ
ンデックス0.5〜5g/10分、酢酸ビニル含有量5
〜15重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体10
0重量部と防曇剤および/または霧発生防止剤0.5〜
3重量部とからなる内側層から構成される積層フィルム
であって、中間層の厚さは積層フィルム全体の厚さの少
なくとも35〜90%を占め、積層フィルム全体の厚さ
は50〜200μmであることを特徴とする農業用積層
フィルムに関する。なお、本発明の農業用積層フィルム
は、ハウス栽培等への実際の適用において、土壌や作物
に内側層が向けられて使用される。
5〜5g/10分、酢酸ビニル含有量5〜15重量%で
あるエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる外側層、密
度0.910g/ml以下、融点116℃以上、1%モ
ジュラス1200kg/cm2 以下、n−ヘキサン抽出
分10重量%以下、メルトインデックス0.8〜10g
/10分である超低密度エチレン−α−オレフィン共重
合体100重量部と防曇剤および/または霧発生防止剤
2〜8重量部とからなる中間層、およびメルトインデッ
クス0.5〜5g/10分、酢酸ビニル含有量5〜15
重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体100重量
部と防曇剤および/または霧発生防止剤0.5〜3重量
部とからなる内側層を共押出法により製造することを特
徴とする農業用積層フィルムの製造方法に関する。
α−オレフィン共重合体は以下のエチレン共重合体の連
続製造方法:流動床反応帯域中で10〜80℃の温度か
つ7000kPa以下の圧力にて、(a)高級α−オレ
フィン:エチレンのモル比が0.35:1〜8.0:1
である、エチレンおよび炭素原子数3〜8の少なくとも
1種の高級α−オレフィンと、(b)少なくとも25モ
ル%の少なくとも1種の希釈ガスとを含有する気体混合
物を、次式: Mgm Ti(OR)n Xp 〔ED〕q (式中、Rは炭素原子数1〜14の脂肪族もしくは芳香
族炭化水素基または基COR’を表し、R’は炭素原子
数1〜14の脂肪族または芳香族炭化水素基を表し、X
は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子およびその混合物か
らなる群から選択され、EDは脂肪族または芳香族酸の
アルキルエステル、脂肪族エーテル、環式エーテルおよ
び脂肪族ケトンからなる群から選択される有機電子供与
化合物を表し、mは0.5〜56であり、nは0、1ま
たは2であり、pは2〜116であり、qは2〜85で
ある。)で表される先駆体組成物からなる触媒系の粒子
と連続的に接触させ、前記先駆体組成物を不活性キャリ
ア材料で希釈すると共に次式: Al(R')d X' e Hf (式中、X’は塩素原子または基OR”を表し、R’お
よびR”は炭素原子数1〜14の飽和炭化水素基を表
し、eは0〜1.5であり、fは0または1であり、d
+e+f=3である。)で表される有機アルミニウム化
合物で完全に活性化させ、上記活性化化合物を前記反応
帯域中おける全アルミニウム:チタンのモル比が10:
1〜400:1となるような量で使用する、により製造
されたものであることが好ましい。
オレフィン共重合体(VLDPE)とは、本発明者等が
属し、本願出願人である日本ユニカー株式会社が技術提
携しているアメリカ合衆国のユニオンカーバイド ケミ
カル アンド プラスチックカンパニーが開発した特殊
なポリエチレン系樹脂であり、その製法は特開昭59−
230011号公報に詳細に説明されている。
度は0.910g/ml以下であり、これを越えると結
晶化度が上昇し、フィルムの透明性が悪くなり、望まし
くない。また、VLDPEの融点は116℃以上であ
り、これ未満であると耐熱性が不十分であり、機械的強
度も不十分となる。VLDPEの1%モジュラスは12
00kg/cm2 以下であり、これを越えると耐摩擦性
が悪化する。さらにVLDPEのn−ヘキサン抽出分は
10重量%以下であり、これを越えると積層フィルム表
面に低分子量重合体がブリードし、そこにほこりが付着
して光透過性を阻害し望ましくない。また、VLDPE
のメルトインデックスは0.8〜10g/10分であ
り、0.8g/10分未満では押出特性が悪く、一方1
0g/10分を越えると機械的特性が悪化し望ましくな
い。
酢酸ビニル共重合体(EVA)のメルトインデックスは
0.5〜5g/10分であり、0.5g/10分未満で
は押出特性が悪く、一方5g/10分を越えると機械的
特性が悪化し望ましくない。また、その酢酸ビニル含有
量は5〜15重量%であり、5重量%未満では積層フィ
ルムの透明性が悪くなり、15重量%を越えると積層フ
ィルムがブロッキングし望ましくない。
融点(MP,単位℃)と酢酸ビニル含有量(VA,単位
重量%)との関係は次式 MP=114−1.44VA で表され、分子量分布(Mw /Mn )が4未満であるも
のが特に望ましく、この数値範囲のものは同一の酢酸ビ
ニル含有量で上記範囲外のEVAと比較し、融点が2〜
5℃高く、耐熱性および機械的強度に優れている。
時、土壌中からの水蒸気がフィルム内面に凝縮して小さ
な水滴を形成するのを防ぐために中間層および内側層に
配合する界面活性剤である。上記水滴は光透過性を悪化
させて太陽光を遮ることにより、また作物上に落下する
ことにより、作物に悪影響を及ぼすものである。上記防
曇剤としては、例えばポリエチレングリコールノニルフ
ェニルエーテル、ポリエチレングリコールステアリルエ
ーテル、ポリエチレングリコールステアレート、ポリエ
チレングリコールジラウレート、グリセリンモノステア
レート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリ
ステアレート、N,N−ジ−(ヒドロキシエチル)−ラ
ウリルアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)−ステ
アロアミド、ラウリルリン酸ナトリウム、ポリオキシエ
チレン−ラウリルリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナト
リウム、ステアリルスルホン酸ナトリウム、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸トリエタノールアミン塩、ラウリルト
リメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
ム適用時、フィルムの内面近傍において発生する霧を防
止するために中間層および内側層に配合するものであ
る。なお、霧が発生すると作物を濡らし病害発生の原因
となる。上記霧発生防止剤にはポリシロキサン−ポリオ
キシアルキレン共重合体、フッ素系界面活性剤等があ
り、例えば特開昭57−12070号、同57−146
48号、同63−162760号、同63−16276
1号等に開示されているものがある。
発生防止剤は、外側層/中間層/内側層からなる積層フ
ィルムにおいて、中間層と内側層に配合する。中間層に
は、VLDPE100重量部に対して2〜8重量部配合
する。2重量部未満であると、濃度勾配の度合いが低く
なり、内側層を通して表面へ移行する量が少なくなり、
持続効果がなくなり望ましくない。また、8重量部を越
えると、移行量が多くなりすぎ、ブロッキングや表面白
化を起こし、望ましくない。内側層にはEVA100重
量部に対して0.5〜3重量部配合する。0.5重量部
未満では効果がなく、3重量部を越えるとブロッキング
や表面白化を起こし、望ましくない。ここで、防曇剤お
よび/または霧発生防止剤は、内側層に比べ中間層によ
り高濃度で配合して、濃度勾配をもたせるようにするこ
とが重要である。さもないと、効果の持続性が不十分と
なり、望ましくない。なお、外側槽にも防曇剤および/
または霧発生防止剤を内側槽と同様配合してもよい。
中間層および内側層となる各樹脂組成物を用いて共押出
成形機により製造でき、この際、例えばサーキュラーダ
イを用いるインフレーション法、フラットダイを用いる
Tダイ法等が適用可能である。本発明において外側層/
中間層/内側層からなる3層構造とした理由を以下に記
載する。まず、VLDPE単独で成膜しようとしても、
押出加工性が悪く、仮に押出せたとしてもメルトフラク
チャーが起こり、表面が平滑なフィルムは得られず、ま
た製造されたフィルムはブロッキングが激しく取扱が困
難であった。本発明者等はVLDPEを中間層としてそ
の両側に樹脂層を共押出すれば、単独では成膜困難なV
LDPEが成膜可能となることを見出し、これを中間層
に採用した。次に、VLDPE中間層の内外層として特
定のEVAを採用したのは、EVAが高圧法低密度ポリ
エチレン等と比較し、透明性に優れているからである。
ただし、EVAの場合、酢酸ビニル(VA)含有量が増
加するほど透明性や耐寒性は高まるが、ブロッキング性
および機械的特性が悪化するので、上記の数値範囲とし
た。
00μmであり、50μm未満であると機械的強度が不
足し、またフィルムの取扱が困難となり、200μmを
越えると過剰品質となり、経済性が悪く望ましくない。
また、中間層の積層フィルム全体に占める割合、すなわ
ち厚さの割合は35〜90%であり、35%未満である
と透明性、機械的特性、耐寒性、耐摩擦性、経済性等が
悪くなり、90%を越えると共押出が不可能となる。内
外層の各々の厚さは同じであっても、異なっていてもよ
いが、共押出を可能とするために、それぞれ積層フィル
ム全体の厚さの少なくとも5%を占めることが肝要であ
る。
ビニルフィルムと比べるとやや劣るが、主としてEVA
からなる内外層の厚さを増加すればするほど保温性は高
まる。さらに高い保温性が要求される場合は、一般に保
温剤として使用されている下記の無機化合物粒体:酸化
ケイ素、無水アルミノケイ酸塩、リン酸塩、硫酸塩、炭
酸塩、水酸基含有マグネシウム、アルミン酸塩等を原料
樹脂に配合する。具体的に、含水シリカ、無水シリカ、
合成シリカ、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化
ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ホ
ウ素、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸
化カルシウム、水酸化リチウム、リン酸カルシウム、リ
ン酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸アルミニウム、炭酸
カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸リ
チウム、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、硫酸カリウム、
硫酸カルシウム、硫酸ジルコニウム、硫酸バリウム、硫
酸マグネシウム、アルミニウムシリケートゲル、アルミ
ノシリケートゲル等が保温剤の例であり、その粒度は1
〜10μm程度であり、原料樹脂に対する配合量は10
%以下が望ましい。これらの保温剤は配合量を増加させ
れば保温性は高まるが、光透過性(透明性)が低下する
ので、両者のバランスを考慮して配合することが肝要で
ある。本発明に使用されるVLDPEは他のポリオレフ
ィン系樹脂と比較し、防曇剤、霧発生防止剤、その他の
無機化合物粒体等の充填性に優れ、それらの添加により
機械的強度の低下が少ない利点があり、本発明の効果の
一つとなっている。
説明する。 実施例1原料 ・外側層:メルトインデックス(MI)2g/10分、
酢酸ビニル(VA)含有量10重量%、融点99.6
℃、分子量分布3.5であるエチレン−酢酸ビニル共重
合体を高圧法ポリエチレン製造装置を用いて準備した。 ・中間層:密度0.903g/ml、融点117℃、1
%モジュラス(1%Md)950kg/cm2 、n−ヘ
キサン抽出分(nHeq)2.8重量%、MI2g/10
分であるエチレン−ブテン−1共重合体を特開昭59−
230011号に記載の方法に従って得、該共重合体1
00重量部に防曇剤ポリエチレングリコールジラウレー
トを5重量部配合して樹脂組成物を準備した。 ・内側層:MI2g/10分、VA含有量10重量%、
融点99.6℃、分子量分布3.5であるエチレン−酢
酸ビニル共重合体を高圧法ポリエチレン製造装置により
得、該共重合体100重量部に対してポリエチレングリ
コールジラウレートを3重量部配合して樹脂組成物を準
備した。積層フィルムの製造 下記の装置および条件で急冷却してインフレーションフ
ィルムを製造した。 ・押出装置:株式会社プラコー製のインフレーションフ
ィルム加工装置(口径40mm×3台,L/D28) ・環状3層ダイ:φ150mm,ダイキャップ1.5m
m ・冷却装置:シングルリップストレートおよびコニカル
カラー付 ・吐出量:60kg/hr ・ダイス温度:190℃ ・ブロー比:3.0製造された積層フィルム 中間層の厚さが80μmであり、外側層および内側層の
厚さが共に10μmである。農業用積層フィルムの評価 ・引裂強度:縦方向110kg/cm,横方向126k
g/cmであり、実用性は十分ある。 ・霞度(JIS K−6714に従って測定):4.5
であり、透明性は十分である。 ・耐熱性(外気温80℃の環境下で測定した引張強
度):45g/cm2 であり、実用性は十分ある。な
お、80℃という外気温は真夏に農業用ハウスの鉄骨材
付近のフィルムが晒される温度である。 ・ブロッキング防止性:荷重4kg/100cm2 、5
0℃、7日の条件で測定したところ、75g/100c
m2 であり、十分ブロッキング防止性がある。 ・防曇性:促進テスト、50℃、6ヵ月の条件で測定し
たところ、水滴付着はなく、防曇効果の持続性が十分認
められた。
全く配合しなかった以外は実施例1と同様の操作を行い
フィルムを得、その評価を行った。その結果、防曇性は
促進テストにより50℃、4ヵ月で水滴付着が認めら
れ、効果の持続性が不十分であった。
2重量部、内側層に0.5重量部配合した以外は実施例
1と同様の操作を行いフィルムを得、その評価を行っ
た。その結果、防曇性は促進テストにより50℃、6ヵ
月で水滴付着が認められず、効果の持続性が十分認めら
れた。
1.5重量部、内側層に0.5重量部配合した以外は実
施例1と同様の操作を行いフィルムを得、その評価を行
った。その結果、防曇性は促進テストにより50℃、3
ヵ月で水滴付着が認められ、効果の持続性が不十分であ
った。
10重量部、内側層に0.5重量部配合した以外は実施
例1と同様の操作を行いフィルムを得、その評価を行っ
た。その結果、防曇性持続作用は十分認められたが、フ
ィルム製造5ヵ月後にブロッキングと表面白化が認めら
れた。
2 H4 O)6 CH3 }O〕3 {Si(CH3 )2 O}20
Si(CH3 )3 の霧発生防止剤を中間層および内側層にそれぞれ5重量
部および3重量部配合した以外は、実施例1と同様の操
作を行いフィルムを得、下記の霧発生試験により評価を
行った。その結果、フィルム内表面(内側層)近傍にお
いて、霧の発生は認められなかった。 霧発生試験:四方を木板で囲んだ霧観察用フレームの天
井傾斜面に試験フィルムを張り、予め用意した水温約4
0℃の水槽上に、フィルム内側層が水槽に面するように
載せ、25℃の室温で1週間放置する。次に、水浴を4
0℃に保持したまま、室温を5℃に下げ、1時間後にフ
ィルムを内表面(水槽に面した側の表面)近傍における
霧の発生状況を目視で観察する。
た以外は、実施例3と同様の操作を行いフィルムを得、
その評価を行ったところ、フィルム内表面近傍に霧の発
生が認められた。
業用積層フィルムは、特定の超低密度エチレン−α−オ
レフィン共重合体からなる中間層と、特定のエチレン−
酢酸ビニル共重合体からなる外側層および内側層とから
構成したことにより、超低密度エチレン−α−オレフィ
ン共重合体とエチレン−酢酸ビニル共重合体の両方の優
れた性質を具備するもので、引裂強度、透明性、耐熱性
等をバランスよく有し、かつ中間層と内側層に防曇剤お
よび/または霧発生防止剤を、中間層に高濃度に、内側
層に低濃度に濃度勾配をもたせて配合してあるので、防
曇効果および霧発生防止効果の持続性があり、しかもフ
ィルムのブロッキングや表面白化を発生することがな
い。
栽培およびマルチ栽培等に適した、耐熱性、耐衝撃性、
耐摩擦性、耐引裂性、耐突き刺し性、耐寒性、高透明性
に優れ、かつ防曇効果や霧発生防止効果が長期間持続す
る農業用積層フィルムおよびその製造方法の提供を可能
とした。
Claims (4)
- 【請求項1】 メルトインデックス0.5〜5g/10
分、酢酸ビニル含有量5〜15重量%であるエチレン−
酢酸ビニル共重合体からなる外側層、 密度0.910g/ml以下、融点116℃以上、1%
モジュラス1200kg/cm2 以下、n−ヘキサン抽
出分10重量%以下、メルトインデックス0.8〜10
g/10分である超低密度エチレン−α−オレフィン共
重合体100重量部と防曇剤および/または霧発生防止
剤2〜8重量部とからなる中間層、およびメルトインデ
ックス0.5〜5g/10分、酢酸ビニル含有量5〜1
5重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体100重
量部と防曇剤および/または霧発生防止剤0.5〜3重
量部とからなる内側層から構成される積層フィルムであ
って、 中間層の厚さは積層フィルム全体の厚さの少なくとも3
5〜90%を占め、積層フィルム全体の厚さは50〜2
00μmであることを特徴とする農業用積層フィルム。 - 【請求項2】 超低密度エチレン−α−オレフィン共重
合体が以下のエチレン共重合体の連続製造方法:流動床
反応帯域中で10〜80℃の温度かつ7000kPa以
下の圧力にて、(a)高級α−オレフィン:エチレンの
モル比が0.35:1〜8.0:1である、エチレンお
よび炭素原子数3〜8の少なくとも1種の高級α−オレ
フィンと、(b)少なくとも25モル%の少なくとも1
種の希釈ガスとを含有する気体混合物を、次式: Mgm Ti(OR)n Xp 〔ED〕q (式中、 Rは炭素原子数1〜14の脂肪族もしくは芳香族炭化水
素基または基COR’を表し、R’は炭素原子数1〜1
4の脂肪族または芳香族炭化水素基を表し、 Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子およびその混合物
からなる群から選択され、 EDは脂肪族または芳香族酸のアルキルエステル、脂肪
族エーテル、環式エーテルおよび脂肪族ケトンからなる
群から選択される有機電子供与化合物を表し、 mは0.5〜56であり、 nは0、1または2であり、 pは2〜116であり、 qは2〜85である。)で表される先駆体組成物からな
る触媒系の粒子と連続的に接触させ、前記先駆体組成物
を不活性キャリア材料で希釈すると共に次式: Al(R')d X' e Hf (式中、 X’は塩素原子または基OR”を表し、 R’およびR”は炭素原子数1〜14の飽和炭化水素基
を表し、 eは0〜1.5であり、 fは0または1であり、 d+e+f=3である。)で表される有機アルミニウム
化合物で完全に活性化させ、上記活性化化合物を前記反
応帯域中おける全アルミニウム:チタンのモル比が1
0:1〜400:1となるような量で使用する、により
製造されたものである請求項1記載の農業用積層フィル
ム。 - 【請求項3】 メルトインデックス0.5〜5g/10
分、酢酸ビニル含有量5〜15重量%であるエチレン−
酢酸ビニル共重合体からなる外側層、 密度0.910g/ml以下、融点116℃以上、1%
モジュラス1200kg/cm2 以下、n−ヘキサン抽
出分10重量%以下、メルトインデックス0.8〜10
g/10分である超低密度エチレン−α−オレフィン共
重合体100重量部と防曇剤および/または霧発生防止
剤2〜8重量部とからなる中間層、およびメルトインデ
ックス0.5〜5g/10分、酢酸ビニル含有量5〜1
5重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体100重
量部と防曇剤および/または霧発生防止剤0.5〜3重
量部とからなる内側層を共押出法により製造することを
特徴とする農業用積層フィルムの製造方法。 - 【請求項4】 超低密度エチレン−α−オレフィン共重
合体が以下のエチレン共重合体の連続製造方法:流動床
反応帯域中で10〜80℃の温度かつ7000kPa以
下の圧力にて、(a)高級α−オレフィン:エチレンの
モル比が0.35:1〜8.0:1である、エチレンお
よび炭素原子数3〜8の少なくとも1種の高級α−オレ
フィンと、(b)少なくとも25モル%の少なくとも1
種の希釈ガスとを含有する気体混合物を、次式: Mgm Ti(OR)n Xp 〔ED〕q (式中、 Rは炭素原子数1〜14の脂肪族もしくは芳香族炭化水
素基または基COR’を表し、R’は炭素原子数1〜1
4の脂肪族または芳香族炭化水素基を表し、 Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子およびその混合物
からなる群から選択され、 EDは脂肪族または芳香族酸のアルキルエステル、脂肪
族エーテル、環式エーテルおよび脂肪族ケトンからなる
群から選択される有機電子供与化合物を表し、 mは0.5〜56であり、 nは0、1または2であり、 pは2〜116であり、 qは2〜85である。)で表される先駆体組成物からな
る触媒系の粒子と連続的に接触させ、前記先駆体組成物
を不活性キャリア材料で希釈すると共に次式: Al(R')d X' e Hf (式中、 X’は塩素原子または基OR”を表し、 R’およびR”は炭素原子数1〜14の飽和炭化水素基
を表し、 eは0〜1.5であり、 fは0または1であり、 d+e+f=3である。)で表される有機アルミニウム
化合物で完全に活性化させ、上記活性化化合物を前記反
応帯域中おける全アルミニウム:チタンのモル比が1
0:1〜400:1となるような量で使用する、により
製造されたものである請求項3記載の農業用積層フィル
ムの製造方法。
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JP04072707A JP3074058B2 (ja) | 1992-02-21 | 1992-02-21 | 農業用積層フィルムおよびその製造方法 |
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JPH06126911A JPH06126911A (ja) | 1994-05-10 |
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JP2000025171A (ja) * | 1998-07-07 | 2000-01-25 | Nippon Unicar Co Ltd | 農業用積層フィルムおよびその製造方法 |
-
1992
- 1992-02-21 JP JP04072707A patent/JP3074058B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH06126911A (ja) | 1994-05-10 |
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