JP2002194067A - フィルムおよびシート - Google Patents

フィルムおよびシート

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JP2002194067A
JP2002194067A JP2000393316A JP2000393316A JP2002194067A JP 2002194067 A JP2002194067 A JP 2002194067A JP 2000393316 A JP2000393316 A JP 2000393316A JP 2000393316 A JP2000393316 A JP 2000393316A JP 2002194067 A JP2002194067 A JP 2002194067A
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polymer
ring
film
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JP2000393316A
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English (en)
Inventor
Yuichi Matsumoto
裕一 松本
Ichiro Igarashi
一郎 五十嵐
Naoya Kishi
直哉 岸
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、耐熱性および耐薬品性に優れ、か
つ、高強度のフィルムおよびシートを提供すること。 【解決手段】 融点を有するノルボルネン系開環重合
体、または、該開環重合体中の炭素−炭素二重結合を水
素化して得られた、融点を有するノルボルネン系開環重
合体水素化物を成形してなるフィルムおよびシート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノルボルネン系開
環重合体または該開環重合体の水素化物を成形してなる
フィルムおよびシートに関し、さらに詳しくは、融点を
有するノルボルネン系開環重合体または該開環重合体水
素化物を成形してなるフィルムおよびシートに関する。
【0002】
【従来の技術】これまで熱可塑性樹脂からなるフィルム
またはシートとして、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン
−酢酸ビニル共重合体などのオレフィン系重合体を押出
成形またはインフレーション成形して得られるものが、
飴、スナック菓子などの食品包装袋;スーパー、小売店
などの持ち帰り用包装袋;テープ、緩衝シートなどの梱
包用資材;トートバッグ、ピクニックシートなどの民生
資材;廃棄物貯蔵用遮蔽シートなどに広く使用されてい
る。しかし、これらの高分子素材からなるフィルム、シ
ートは、概して結晶性に富むので透明性に欠け、近年急
速に拡大している光学用途には適さず、また、透明性、
耐熱性および耐薬品性が要求される医療用途にも不向き
であった。機械的強度も不足で廃棄物貯蔵場での漏洩が
問題視されている。
【0003】このような状況の中で、近年、シンジオタ
クチックポリスチレン(s−PS)が開発され、耐熱性
の改善がなされ、また、その結晶性の高さから機械的強
度も向上した。しかし、s−PSは透明性が不十分な
上、耐薬品性に劣る問題を有している。一方、ノルボル
ネン系開環重合体およびその水素化物は、透明性に優
れ、低複屈折性を有することから、光学レンズや光学シ
ート用の材料として提案されている。また、これらの重
合体は溶融時の流動性に優れ、低誘電性や耐薬品性にも
優れているため、光学用途以外の種々の用途に使用する
ことが唱導されている。ノルボルネン系開環重合体およ
びその水素化物は、非晶性であり、融点を有しない。し
かしながら、この非晶性である従来のノルボルネン系開
環重合体およびその水素化物は、その用途によっては、
機械的強度、耐熱性、耐溶剤性などが不十分で改善が望
まれていた。このように、最近の情報分野、食品分野、
医療分野、土木分野などにおける透明性、耐熱性、耐薬
品性、機械的強度等のより優れた性能の要求に応えられ
るフィルムやシートの出現が待望されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、透明
性、耐熱性および耐薬品性に優れ、高強度である熱可塑
性樹脂製のフィルムおよびシートを提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を行った結果、融点を有する
ノルボルネン系開環重合体、または、融点を有するノル
ボルネン系開環重合体水素化物を成形してなるフィルム
およびシートが、上記目的にかなうことを見出し、この
知見に基づいて本発明を完成するに至った。かくして本
発明によれば、(1)融点を有するノルボルネン系開環
重合体、または、該開環重合体中の炭素−炭素二重結合
を水素化して得られた、融点を有するノルボルネン系開
環重合体水素化物を成形してなるフィルムおよびシー
ト、(2)前記ノルボルネン系開環重合体が、重合体全
繰返し単位中に3環体以上のノルボルネン系単量体由来
の繰返し単位を10モル%以上含有するものである上記
(1)に記載のフィルムおよびシート、ならびに、
(3)融点を有するノルボルネン系開環重合体、もしく
は、該開環重合体中の炭素−炭素二重結合を水素化して
得られた、融点を有するノルボルネン系開環重合体水素
化物を含有する層と、ゴム質重合体もしくは他の樹脂を
含有する層とを有する積層体、が提供される。
【0006】また、好ましい態様として、前記フィルム
およびシート、または積層体が、(4)前記ノルボルネ
ン系開環重合体またはその水素化物が、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィーにより測定した重量平均分子
量がポリスチレン換算で500〜1,000,000で
あるもの、(5)前記ノルボルネン系開環重合体水素化
物が、炭素−炭素二重結合の50%以上を水素化して得
られたものであるもの、および、(6)前記ノルボルネ
ン系開環重合体または該重合体水素化物の融点が130
〜400℃であるもの、が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で用いるノルボルネン系開
環重合体は、ノルボルネン環を有する単量体を開環重合
して得られる重合体である。該ノルボルネン系開環重合
体は、その重量平均分子量(Mw)が、クロロホルムを
溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(ポリスチレン換算)で、通常、500〜1,000,
000、好ましくは1,000〜600,000、より
好ましくは5,000〜400,000である。Mwが
過度に低いとフィルムまたはシートの機械的強度が低下
するおそれがあり、一方、Mwが過度に高いと該ノルボ
ルネン系開環重合体の溶融流動性が悪化する可能性があ
る。本発明に用いるノルボルネン系開環重合体は、従来
のノルボルネン系開環重合体と異なり、融点(以下、T
mと記すことがある。)を有する。融点は重合体の結晶
部分が融解する温度である。融点の測定は、一般に、示
差走査熱量計を用いて、重合体の結晶成分の融解に起因
する吸熱ピークに基づいて行うことができる。該ノルボ
ルネン系開環重合体のTmは、通常、130〜400
℃、好ましくは200℃〜400℃の間にある。
【0008】本発明に用いるノルボルネン系開環重合体
は、ノルボルネン環を有する単量体の開環重合体であ
り、ノルボルネン系単量体由来の繰り返し単位(a)を
有する。ノルボルネン系単量体由来の繰り返し単位
(a)としては、例えば、下記一般式(1)または一般
式(2)における円弧括弧で示される繰り返し単位が挙
げられる。
【0009】
【化1】
【0010】(式中、R 〜R は、それぞれ独立
に水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、又はハロゲ
ン原子、ケイ素原子、酸素原子もしくは窒素原子を含む
置換基を表し、R またはR とR またはR
とは互いに結合して炭素数1〜40の炭化水素基が結
合した環を形成してもよい。)
【0011】
【化2】
【0012】(式中、R〜Rはそれぞれ独立に
水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、またはハロゲ
ン原子、ケイ素原子、酸素原子もしくは窒素原子を含む
置換基を表し、RまたはRとRまたはR
とは互いに結合して炭素数1〜40の炭化水素基が
結合した環を形成してもよい。mは1または2であ
る。)
【0013】本発明に用いるに好適なノルボルネン系開
環重合体は、3環体以上のノルボルネン系単量体由来の
繰返し単位(a)を全繰り返し単位中に10〜100モ
ル%含有するものである。3環体以上のノルボルネン系
単量体は、ノルボルネン環(これに2環含まれる)以外
に1つ以上の環を有するノルボルネン系単量体であり、
好ましくは、ジシクロペンタジエンである。上記ノルボ
ルネン系開環重合体中にノルボルネン系単量体以外の単
量体由来の繰り返し単位があってもよいが、ノルボルネ
ン系単量体由来の繰り返し単位は、好ましくは20モル
%以上、より好ましくは50モル%以上含有するもの
が、フィルムまたはシートの不良発生頻度が低くなり好
適である。本発明に用いるノルボルネン系開環重合体水
素化物は、ノルボルネン環を有する単量体を開環重合し
て得られる重合体の、主鎖または/および側鎖に存在す
る炭素−炭素二重結合に水素を付加させて得られるもの
である。該ノルボルネン系開環重合体水素化物は、その
重量平均分子量(Mw)が、クロロホルムを溶媒とする
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ポリスチレ
ン換算)で、通常500〜1,000,000、好まし
くは1,000〜600,000、より好ましくは5,
000〜400,000である。Mwが過度に低いと成
形品の機械的強度が低下するおそれがあり、逆に、Mw
が過度に高いと溶融流動性が悪化して成形加工が困難と
なる可能性がある。
【0014】本発明に用いるノルボルネン系開環重合体
水素化物は、従来のノルボルネン系開環重合体水素化物
と異なり、融点を有する。融点は重合体の結晶部分が融
解する温度である。融点は前述の測定法などによって求
めることができる。該ノルボルネン系開環重合体水素化
物のTmは、通常、130℃〜400℃、好ましくは2
00〜400℃の間にある。本発明に用いるに好適なノ
ルボルネン系開環重合体水素化物は、ノルボルネン系単
量体由来の繰り返し単位を全繰返し単位中に10〜10
0モル%、好ましくは50〜100モル%、特に好まし
くは70〜100モル%含有する開環重合体で、通常、
その炭素−炭素二重結合の50%以上に水素を付加して
得られる水素化物である。
【0015】本発明に用いるノルボルネン系開環重合体
およびその水素化物(以後、この両者を総称して「結晶
性ノルボルネン系樹脂」ということがある。)は、ノル
ボルネン系単量体を開環重合し、必要に応じて水素化し
て得ることができる。結晶性ノルボルネン系樹脂を得る
ためのノルボルネン系単量体としては、ノルボルネン、
5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5
−ブチルノルボルネン、5−ヘキシルノルボルネン、5
−デシルノルボルネン、5−シクロヘキシルノルボルネ
ン、5−シクロペンチルノルボルネンなどの無置換また
はアルキル基を有するノルボルネン類;5−エチリデン
ノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、5−プロペニ
ルノルボルネン、5−シクロヘキセニルノルボルネン、
5−シクロペンテニルノルボルネンなどのアルケニル基
を有するノルボルネン類;5−フェニルノルボルネンな
どの芳香環を有するノルボルネン類;
【0016】5−メトキシカルボニルノルボルネン、5
−エトキシカルボニルノルボルネン、5−メチル−5−
メトキシカルボニルノルボルネン、5−メチル−5−エ
トキシカルボニルノルボルネン、ノルボルネニル−2−
メチルプロピオネイト、ノルボルネニル−2−メチルオ
クタネイト、ノルボルネン−5,6−ジカルボン酸無水
物、5−ヒドロキシメチルノルボルネン、5,6−ジ
(ヒドロキシメチル)ノルボルネン、5,5−ジ(ヒド
ロキシメチル)ノルボルネン、5−ヒドロキシイソプロ
ピルノルボルネン、5,6−ジカルボキシノルボルネ
ン、5−メトキシカルボニル−6−カルボキシノルボル
ネンなどの酸素原子を含む極性基を有するノルボルネン
類;5−シアノノルボルネン、ノルボルネン−5,6−
ジカルボン酸イミドなどの窒素原子を含む極性基を有す
るノルボルネン類などが挙げられる。
【0017】本発明において好適なノルボルネン系単量
体は、3環体以上の多環式ノルボルネン系単量体
(a’)である。3環体以上の多環式ノルボルネン系単
量体(a’)の具体例としては、ジシクロペンタジエ
ン、またはジシクロペンタジエンの5員環部分の二重結
合を飽和させたトリシクロ[4.3.0.12,5
デカ−3−エン、トリシクロ[4.4.0.
2,5 ]ウンダ−3−エンなどを挙げることができ
る。さらに、テトラシクロ[6.5.0.12,5
8,13]トリデカ−3,8,10,12−テトラエ
ン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒド
ロフルオレンともいう)、テトラシクロ[6.6.0.
2,5 .08,13]テトラデカ−3,8,10,
12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,
5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセンともい
う)などの芳香環を有するノルボルネン誘導体;
【0018】テトラシクロドデセン、8−メチルテトラ
シクロドデセン、8−エチルテトラシクロドデセン、8
−シクロヘキシルテトラシクロドデセン、8−シクロペ
ンチルテトラシクロドデセンなどの無置換またはアルキ
ル基を有するテトラシクロドデセン類;8−メチリデン
テトラシクロドデセン、8−エチリデンテトラシクロド
デセン、8−ビニルテトラシクロドデセン、8−プロペ
ニルテトラシクロドデセン、8−シクロヘキセニルテト
ラシクロドデセン、8−シクロペンテニルテトラシクロ
ドデセンなどのノルボルネン環外に二重結合を有するテ
トラシクロドデセン類;8−フェニルテトラシクロドデ
センなどの芳香環を有するテトラシクロドデセン類;
【0019】8−メトキシカルボニルテトラシクロドデ
セン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシク
ロドデセン、8−ヒドロキシメチルテトラシクロドデセ
ン、8−カルボキシテトラシクロドデセン、テトラシク
ロドデセン−8,9−ジカルボン酸、テトラシクロドデ
セン−8,9−ジカルボン酸無水物などの酸素原子を含
む置換基を有するテトラシクロドデセン類;8−シアノ
テトラシクロドデセン、テトラシクロドデセン−8,9
−ジカルボン酸イミドなどの窒素原子を含む置換基を有
するテトラシクロドデセン類;8−クロロテトラシクロ
ドデセンなどのハロゲン原子を含む置換基を有するテト
ラシクロドデセン類;8−トリメトキシシリルテトラシ
クロドデセンなどのけい素原子を含む置換基を有するテ
トラシクロドデセン類;
【0020】ヘキサシクロヘプタデセン、12−メチル
ヘキサシクロヘプタデセン、12−エチルヘキサシクロ
ヘプタデセン、12−シクロヘキシルヘキサシクロヘプ
タデセン、12−シクロペンチルヘキサシクロヘプタデ
センなどの無置換またはアルキル基を有するヘキサシク
ロヘプタデセン類;12−メチリデンヘキサシクロヘプ
タデセン、12−エチリデンヘキサシクロヘプタデセ
ン、12−ビニルヘキサシクロヘプタデセン、12−プ
ロペニルヘキサシクロヘプタデセン、12−シクロヘキ
セニルヘキサシクロヘプタデセン、12−シクロペンテ
ニルヘキサシクロヘキサデセンなどの環外に二重結合を
有するヘキサシクロヘプタデセン類;12−フェニルヘ
キサシクロヘプタデセンなどの芳香環を有するヘキサシ
クロヘプタデセン類;
【0021】12−メトキシカルボニルヘキサシクロヘ
プタデセン、12−メチル−12−メトキシカルボニル
ヘキサシクロヘプタデセン、12−ヒドロキシメチルヘ
キサシクロヘプタデセン、12−カルボキシヘキサシク
ロヘプタデセン、ヘキサシクロヘプタデセン−12,1
3−ジカルボン酸、ヘキサシクロヘプタデセン−12,
13−ジカルボン酸無水物などの酸素原子を含む置換基
を有するヘキサシクロヘプタデセン類;12−シアノヘ
キサシクロヘプタデセン、ヘキサシクロヘプタデセン−
12,13−ジカルボン酸イミドなどの窒素原子を含む
置換基を有するヘキサシクロヘプタデセン類;12−ク
ロロヘキサシクロヘプタデセンなどのハロゲン原子を含
む置換基を有するヘキサシクロヘプタデセン類;12−
トリメトキシシリルヘキサシクロヘプタデセンなどのけ
い素原子を含む置換基を有するヘキサシクロヘプタデセ
ン類などが挙げられる。
【0022】これらの中でも、重合体の結晶性が高くな
るという点で、三環体または四環体のものが好ましく、
中でも直鎖状または分岐状の置換基を持たないジシクロ
ペンタジエン、トリシクロ[4.3.0.12,5
−デカ−3−エン、テトラシクロ[6.5.0.1
2,5 .08,13]トリデカ−3,8,10,12
−テトラエン、テトラシクロ[6.6.0.1
2,5 .08,13]テトラデカ−3,8,10,1
2−テトラエン、テトラシクロドデセン、8−メチルテ
トラシクロドデセンがさらに好ましく、ジシクロペンタ
ジエンが特に好ましい。
【0023】上記の単量体には、エンド体とエキソ体の
異性体が含まれる。本発明に用いる結晶性ノルボルネン
系樹脂を得るための単量体は、これら異性体の混合物で
あってもよいが、結晶性をより高めるためには、異性体
混合物中において、いずれかの異性体成分の組成比が高
いもの、すなわち、エンド体が70重量%以上のものか
エキソ体が70重量%以上のものが好ましい。ノルボル
ネン系単量体は、それと共重合可能な環状オレフィン類
と共重合させることができる。共重合可能な環状オレフ
ィン類としては単環の環状オレフィンが挙げられる。単
環の環状オレフィン類は、C4 〜C20の環状オレフ
ィンまたはジオレフィンとこれらの置換体であり、好ま
しくはC4 〜C10の環状オレフィンまたはジオレフ
ィンとこれらの誘導体である。
【0024】単環の環状オレフィン類またはジオレフィ
ン類の具体例としては、シクロブテン、シクロペンテ
ン、メチルシクロペンテン、シクロヘキセン、メチルシ
クロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの
特開昭64−66216などに記載されている単環の環
状オレフィン系単量体;シクロヘキサジエン、メチルシ
クロヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチルシクロ
オクタジエン、フェニルシクロオクタジエンなどの特開
平7−258318などに記載されている環状ジオレフ
ィン系単量体を挙げることができる。
【0025】本発明で使用する、融点を有する結晶性ノ
ルボルネン系樹脂を得るために用いられる好適な重合触
媒は、周期表第6族遷移金属と結合するイミド基を少な
くとも一つ有し、さらに、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、アルキルアミド基およびアリールアミド基からな
る群から選ばれる置換基を少なくとも一つ有する化合物
を主成分として含有するものである。具体的には、下記
一般式(3)
【0026】
【化3】
【0027】(式中、Rはアルキル基またはアリー
ル基を表し、R10およびR11は、互いに独立してア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミド基また
はアリールアミド基を表す。R10とR11は互いに結
合していてもよい。R12およびR13は、互いに独立
した水素、アルキル基またはアリール基を表し、アルキ
ル基は好ましくは炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖状
のアルキル基、または炭素数3〜20のシクロアルキル
基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、
イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基または
シクロヘキシル基などが挙げられる。また、アリール基
は好ましくは炭素数6〜20のものであり、例えば、フ
ェニル基または2、3、4、5もしくは6位のいずれか
に置換基を有する置換フェニル基である。Yは電子供与
性の中性配位子であり、nは0〜2の整数である。Nは
窒素であり、Mは周期表第6族から選ばれる遷移金属で
ある。)および、下記一般式(4)
【0028】
【化4】
【0029】(式中、R14はアルキル基またはアリー
ル基を表し、R15およびR16は、互いに独立してア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミド基また
はアリールアミド基を表す。R15とR16は互いに結
合していてもよい。XおよびXは、互いに独立
したハロゲン、アルキル基、アリール基またはアルキル
シリル基を表し、Yは電子供与性の中性配位子であり、
nは0〜2の整数である。Nは窒素であり、Mは周期表
第6族から選ばれる遷移金属である。)を挙げることが
できる。
【0030】一般式(3)のRと一般式(4)のR
14は、アルキル基またはアリール基であり、一般式
(3)のR12およびR13におけるアルキル基または
アリール基と同様に、アルキル基は好ましくは炭素数1
〜20の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、または炭
素数3〜20のシクロアルキル基であり、例えば、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、tert−ブチル基またはシクロヘキシル基などが
挙げられる。また、アリール基は好ましくは炭素数6〜
20のものであり、例えば、フェニル基または2、3、
4、5もしくは6位のいずれかに置換基を有する置換フ
ェニル基である。また、R10、R11、R15および
16は、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル
アミド基またはアリールアミド基である。前記アルコキ
シ基は、好ましくは炭素数1〜20のものであり、例え
ば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロ
ポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基またはシ
クロヘキシル基などが挙げられる。アリールオキシ基
は、好ましくは、例えば、フェノキシ基または2、3、
4、5もしくは6位のいずれかに置換基を有する置換フ
ェノキシ基である。
【0031】前記置換フェニル基および置換フェノキシ
基の有する置換基としては、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル
基、シクロヘキシル基などのアルキル基もしくはシクロ
アルキル基;フェニル基、ナフチル基などのアリール
基;トリメチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基な
どのアルキル基もしくはアリール基を有するアルキルシ
リル類またはアルキルアリールシリル類;フッ素、塩
素、臭素またはヨウ素などのハロゲン;メトキシ基、エ
トキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基;シアノ
基;ナフチル基または2〜8位のいずれかに上記同様の
置換基を有する置換ナフチル基などが挙げられる。
【0032】さらにアルキルアミド基またはアリールア
ミド基としては、好ましくはアルキル基の炭素数1〜2
0のアルキルアミド基またはアリール基の炭素数が6〜
20のアリールアミド基であり、例えば、N,N−ジメ
チルアミド基、N−メチル(N−tert−ブチル)ア
ミド基、N−メチル(N−トリメチルシリル)アミド
基、N−フェニル−N−メチルアミド基、N−フェニル
(N−トリメチルシリル)アミド基、N−(2,6−ジ
メチルフェニル)−N−メチルアミド基、N−(2,6
−ジイソプロピルフェニル)−N−メチルアミド基、N
−(2,6−ジメチルフェニル)−N−(トリメチルシ
リル)アミド基、N−(2,6−ジイソプロピルフェニ
ル)−N−(トリメチルシリル)アミド基などが挙げら
れる。
【0033】本発明で使用する結晶性ノルボルネン系樹
脂を得るための重合触媒としては、式(3)または
(4)中のR10とR11もしくはR15とR16とが
互いに結合しているものが好適である。互いに結合して
いるアルコキシ基またはアリールオキシ基としてはプロ
ピル−1,3−ジオキシ基、ブチル−1,4−ジオキシ
基、シクロヘキシル−1,2−ジメトキシ基、2,2’
−ビフェノキシ基、1,1−ビス−2−ナフトキシ基な
どが挙げられる。アルキルアミド基またはアリールアミ
ド基としては、1,3−プロピル−N,N’−ジメチル
ジアミド基、1,3−プロピル−N,N’−ジ(トリメ
チルシリル)ジアミド基、1,3−プロピル−ビス(フ
ェニルアミド)基、N,N’−ビス(トリメチルシリ
ル)−2,2’−ビフェニルジアミド基などが挙げられ
る。
【0034】一般式(3)のR12およびR13は、水
素、アルキル基またはアリール基である。アルキル基ま
たはアリール基の好ましいものとは、前述の一般式
(3)のRと一般式(4)のR14のアルキル基ま
たはアリール基の好ましいものと同様である。また、一
般式(4)のXおよびXは、ハロゲン、アルキ
ル基、アリール基、またはアルキルシリル基である。X
またはXがアルキル基またはアリール基である
場合の好ましいものは、前述の一般式(3)のR
と、一般式(4)のR14のアルキル基またはアリ
ール基の好ましいものと同様である。XまたはX
がハロゲンである場合の好ましい例はフッ素、塩
素、臭素およびヨウ素が挙げられる。XまたはX
がアルキルシリル基の場合の好ましい例としては、
トリメチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などの
アルキル基の炭素数が1〜20(炭素数6〜20のアリ
ール基を含んでもよい)のアルキルシリル類が挙げられ
る。
【0035】さらに、一般式(4)のYは電子供与性の
中性配位子であり、一般的にはヘテロ原子を有する電子
供与性化合物で、具体的には、ホスフィン類、エーテル
類、アミン類などを挙げることができる。ホスフィン類
としてはトリメチルホスフィン、トリイソプロピルホス
フィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニル
ホスフィンなどの、炭素数6〜20のアリール基を含有
してもよい、アルキル基の炭素数が1〜20のトリアル
キルホスフィン、またはアリール基の炭素数が6〜20
のトリアリールホスフィンが挙げられ、エーテル類とし
てはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−
ジメトキシエタンなどが挙げられ、アミン類としてはト
リメチルアミン、トリエチルアミンなどのトリアルキル
アミン、ピリジン、ルチジンなどが挙げられる。
【0036】重合活性を向上させる目的で、上記の重合
触媒に有機金属還元剤を添加して重合してもよい。有機
金属還元剤は、炭素数1〜20の炭化水素基を有する周
期律表第1、2、12、13、または14族の有機金属
化合物を挙げることができる。中でも、有機リチウム、
有機マグネシウム、有機亜鉛、有機アルミニウム、有機
スズが好ましく、有機アルミニウム、有機スズが特に好
ましい。有機リチウムとしては、n−ブチルリチウム、
メチルリチウム、フェニルリチウムなどを挙げることが
できる。有機マグネシウムとしては、ブチルエチルマグ
ネシウム、ブチルオクチルマグネシウム、ジヘキシルマ
グネシウム、エチルマグネシウムクロリド、n−ブチル
マグネシウムクロリド、アリルマグネシウムブロミドな
どを挙げることができる。有機亜鉛としては、ジメチル
亜鉛、ジエチル亜鉛、ジフェニル亜鉛などを挙げること
ができる。有機アルミニウムとしては、トリメチルアル
ミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリドなどを挙げ
ることができる。有機スズとしては、n−ブチルスズ、
テトラフェニルスズなどを挙げることができる。
【0037】有機金属還元剤の添加量は、重合触媒の中
心金属に対して、0.1〜100倍が好ましく、0.2
〜50倍がより好ましく、0.5〜20倍が特に好まし
い。添加量が0.1倍以下では重合活性が向上せず、1
00倍以上であると、副反応が起こりやすくなる。単量
体に対する重合触媒の割合は、重合触媒中の遷移金属対
単量体のモル比が、通常、1:100〜1:2,00
0,000、好ましくは1:500〜1:1,000,
000、より好ましくは1:1,000〜1:500,
000である。触媒量が多すぎると重合反応後の触媒除
去が困難となり、少なすぎると十分な重合活性が得られ
ない。
【0038】結晶性ノルボルネン系樹脂の分子量を調整
するために、分子量調整剤として、ビニル化合物または
ジエン化合物を適当量添加することができる。分子量調
整剤に用いるビニル化合物またはジエン化合物として
は、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、1−オクテンなどのα−オレフィン類;スチレン、
ビニルトルエンなどのスチレン類;エチルビニルエーテ
ル、イソブチルビニルエーテル、アリルグリシジルエー
テルなどのエーテル類;アリルクロライドなどのハロゲ
ン含有ビニル化合物;グリシジルメタクリレートなど酸
素含有ビニル化合物;アクリルアミドなどの窒素含有ビ
ニル化合物;1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジ
エン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、
2−メチル−1,4−ペンタジエン、2,5−ジメチル
−1,5−ヘキサジエンなどの非共役ジエン、または
1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエ
ン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−
ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどの共役ジエン
などを挙げることができる。ビニル化合物またはジエン
化合物の量は、所望の分子量を持つ重合体を得るに足る
量であればよく、通常は、単量体に対して0.1〜10
モル%である。
【0039】本発明に用いる結晶性ノルボルネン系樹脂
を得るための重合においては、反応を無溶媒で行うこと
もできるが、重合後、水素化反応を行う場合には有機溶
媒中で重合することが溶媒を共通に使えることも可能と
なるので好ましい。前記重合反応で用いる有機溶媒は、
重合体および重合体水素化物が所定の条件で溶解もしく
は分散し、かつ、重合および水素化反応に影響しないも
のであれば特に限定されないが、工業的に汎用されてい
る溶媒が好ましい。このような有機溶媒としては、例え
ば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水
素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘ
キサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘ
キサン、エチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサ
ン、デカヒドロナフタレン、ビシクロヘプタン、トリシ
クロデカン、ヘキサヒドロインデンシクロヘキサン、シ
クロオクタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ジクロロメタン、
クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン
系脂肪族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン
などのハロゲン系芳香族炭化水素;ニトロメタン、ニト
ロベンゼン、アセトニトリルなどの含窒素炭化水素;ジ
エチルエ−テル、テトラヒドロフランなどのエ−テル類
などの溶媒を使用することができるが、これらの中で
も、工業的に汎用されている芳香族炭化水素や脂肪族炭
化水素、脂環族炭化水素またはエーテル類が好ましい。
【0040】なお、本発明に用いる結晶性ノルボルネン
系樹脂は耐薬品性に優れるため、上記溶媒の中には溶解
しないものもある。そのような溶媒を用いる場合は、重
合体などが分散している状態か一部溶解している状態で
重合または水素化反応を行う。但し、重合体が融点を持
たずに、水素化物となってはじめて融点を有する場合
は、重合体が完全に溶解している状態で重合および水素
化反応を行うこともできる。重合を有機溶媒中で行う場
合には、溶液中の単量体の濃度は、1〜50重量%が好
ましく、2〜45重量%がより好ましく、3〜40重量
%が特に好ましい。単量体の濃度が1重量%より小さい
と生産性が低くなるおそれがあり、50重量%より大き
いと重合後の溶液粘度が高すぎて、その後の水素化反応
が困難となる可能性がある。重合反応は、ノルボルネン
系単量体と重合触媒を混合することにより開始される。
重合温度は特に制限はないが、一般には、−30℃〜2
00℃、好ましくは0℃〜180℃である。重合時間
は、1分間〜100時間で、特に制限はない。こうして
重合して得られた融点を有するノルボルネン系開環重合
体は、フィルムまたはシートの成形に使用する場合は次
ぎに溶媒などの揮発成分除去工程へ進められる。また、
ノルボルネン系開環重合体水素化物としてフィルムまた
はシートの成形に使用する場合は、水素化のため水素添
加反応工程へ移送される。
【0041】ノルボルネン系開環重合体の水素化は、主
鎖または/および側鎖に存在する炭素−炭素二重結合に
対して水素添加する反応であり、水素化触媒の存在下で
反応系内に水素を供給して行う。水素化触媒としては、
オレフィン化合物の水素化に際して一般に使用されてい
るものであればいずれも使用可能であり、特に制限され
ないが、例えば、次のようなものが挙げられる。均一系
触媒としては、遷移金属化合物とアルカリ金属化合物の
組み合わせからなる触媒系、例えば、酢酸コバルト/ト
リエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート
/トリイソブチルアルミニウム、チタノセンジクロリド
/n−ブチルリチウム、ジルコノセンジクロリド/se
c−ブチルリチウム、テトラブトキシチタネート/ジメ
チルマグネシウムなどの組み合わせが挙げられる。さら
に、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウ
ム、クロロヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホ
スフィン)ルテニウム、クロロトリス(トリフェニルホ
スフィン)ロジウムなどの貴金属錯体触媒を挙げること
ができる。
【0042】不均一触媒としては、ニッケル、パラジウ
ム、白金、ロジウム、ルテニウム、又はこれらの金属を
カーボン、シリカ、ケイソウ土、アルミナ、酸化チタン
などの担体に担持させた固体触媒、例えば、ニッケル/
シリカ、ニッケル/ケイソウ土、ニッケル/アルミナ、
パラジウム/カーボン、パラジウム/シリカ、パラジウ
ム/ケイソウ土、パラジウム/アルミナなどの触媒系が
挙げられる。水素化反応は、通常、不活性有機溶媒中で
実施する。このような不活性有機溶媒としては、ノルボ
ルネン系単量体の開環重合反応の溶媒として例示した脂
肪族炭化水素、脂環族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロ
ゲン系芳香族炭化水素、含窒素炭化水素、エーテル類な
どが使用される。
【0043】不活性有機溶媒は、通常は、重合反応溶媒
と同じものでよく、重合反応液にそのまま水素化触媒を
添加して反応させればよい。水素化反応は、使用する水
素化触媒系によって適する条件範囲が異なるが、水素化
温度は、通常、−20℃〜250℃、好ましくは−10
〜220℃、より好ましくは0〜200℃であり、水素
圧力は、通常、0.01〜5MPa、好ましくは0.0
5〜4MPa、より好ましくは0.1〜3MPaであ
る。水素化温度が低すぎると反応速度が遅くなるおそれ
があり、高すぎると副反応が起こる可能性がある。ま
た、水素圧力が低すぎると水素化速度が遅くなり、高す
ぎると高耐圧反応装置が必要となるので好ましくない。
水素化率は、通常、50%以上、好ましくは70%以
上、より好ましくは80%以上、特に好ましくは90%
以上であり、水素化反応時間が0.1〜10時間で上記
水素化率が達成できる。
【0044】次ぎに、ノルボルネン系開環重合体の水素
添加反応が終了した反応溶液から、水素添加触媒および
濾過助剤を濾別する。濾別後の重合体溶液は、溶媒など
の揮発成分を除去し、その他の重合体や各種配合剤とと
もにペレットなどの成形用材料にしてから、フィルムま
たはシートの成形工程に移送される。
【0045】溶媒などの揮発成分を除去する方法として
は、凝固法や直接乾燥法など公知の方法を採用すること
ができる。凝固法は、重合体溶液を重合体の貧溶媒と混
合することにより、重合体を析出させる方法であり、貧
溶媒としては、たとえばエチルアルコール、n−プロピ
ルアルコールもしくはイソプロピルアルコールなどのア
ルコール類;アセトンもしくはメチルエチルケトンなど
のケトン類;酢酸エチルもしくは酢酸ブチルなどのエス
テル類などの極性溶媒を挙げることができる。凝固して
得られた粒子状の成分は、たとえば真空中または窒素中
若しくは空気中で加熱して乾燥させて粒子状にするか、
さらに必要に応じて溶融押出機から押し出してペレット
状にする。直接乾燥法は、重合体溶液を減圧下加熱して
溶媒を除去する方法である。この方法には、遠心薄膜連
続蒸発乾燥機、掻面熱交換型連続反応器型乾燥機、高粘
度リアクタ装置などの公知の装置を用いて行うことがで
きる。真空度や温度はその装置によって適宜選択され、
限定されない。
【0046】本発明に用いる結晶性ノルボルネン系樹脂
には、その他の重合体を配合して使用することができ
る。その他の重合体としては、ゴム質重合体やその他の
樹脂が挙げられる。ゴム質重合体は、ガラス転移温度
(以下、Tgと記すことがある。)が40℃以下の重合
体である。ゴム質重合体にはゴムや熱可塑性エラストマ
ーが含まれる。ブロック共重合体のごとくガラス転移温
度が2点以上ある場合は、最も低いガラス転移温度が4
0℃以下であれば本発明においてゴム質重合体として用
いることができる。ゴム質重合体のムーニー粘度(ML
1+4 ,100℃)は、使用目的に応じて適宜選択さ
れるが、通常、5〜300である。
【0047】ゴム質重合体としては、例えば、エチレン
−α−オレフィン系ゴム;エチレン−α−オレフィン−
ポリエン共重合体ゴム;エチレン−メチルメタクリレー
ト、エテレン−ブチルアクリレートなどのエチレンと不
飽和カルボン酸エステルとの共重合体;エチレン−酢酸
ビニル共重合体などのエチレンと脂肪酸ビニルとの共重
合体;アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル
酸ラウリルなどのアクリル酸アルキルエステルの重合
体;ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレンとブタ
ジエンまたはイソプレンとのランダム共重合体、アクリ
ロニトリル−ブタジエン共重合体、ブタジエン−イソプ
レン共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステル共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸
アルキルエステル−アクリロニトリル共重合体、ブタジ
エン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル−アクリロ
ニトリル−スチレン共重合体などのジエン系ゴム;ブチ
レン−イソプレン共重合体;スチレン−ブタジエンブロ
ック共重合体、水素化スチレン−ブタジエンブロック共
重合体、水素化スチレン−ブタジエンランダム共重合
体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、水素化ス
チレン−イソプレンブロック共重合体などの芳香族ビニ
ル−共役ジエン系ブロック共重合体、低結晶性ポリブタ
ジエン樹脂、エチレン−プロピレンエラストマー、スチ
レングラフトエチレン−プロピレンエラストマー、熱可
塑性ポリエステルエラストマー、エチレン系アイオノマ
ー樹脂などを挙げることができる。これらのゴム質重合
体のうち、耐熱性、耐候性に優れる水素化スチレン−ブ
タジエンブロック共重合体、水素化スチレン−イソプレ
ンブロック共重合体などが好ましい。これらのゴム質重
合体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせ
て用いることができる。
【0048】ゴム質重合体の量は、使用目的に応じて適
宜選択される。耐衝撃性や柔軟性が要求される場合には
ゴム質重合体の量は、結晶性ノルボルネン系樹脂100
重量部に対して、通常0.01〜100重量部、好まし
くは0.1〜70重量部、より好ましくは1〜50重量
部の範囲である。その他の樹脂としては、例えば、非晶
性ノルボルネン系開環重合体、非晶性ノルボルネン系開
環重合体水素化物、結晶性ノルボルネン系付型加重合
体、非晶性ノルボルネン系付加型重合体、低密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレ
ン、超低密度ポリエチレン、エチレン−エチルアクリレ
ート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプ
ロピレン、ポリスチレン、水素化ポリスチレン、ポリメ
チルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエー
テル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、
セルローストリアセテート、ポリエーテルイミド、ポリ
イミド、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテル
スルホンなどが挙げられる。これらのその他の樹脂は、
それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用い
ることができ、その配合割合は、本発明の目的を損なわ
ない範囲で適宜選択される。
【0049】本発明に用いる結晶性ノルボルネン系樹脂
には、本発明の目的を阻害しない範囲で、合成樹脂に一
般的に用いられる各種配合剤を添加しても良い。各種配
合剤としては、例えば、安定剤(酸化防止剤)、紫外線
吸収剤、帯電防止剤、スリップ剤、防曇剤、染料、顔
料、着色剤、天然油、合成油、可塑剤、有機または無機
の充填剤、抗菌剤、消臭剤、脱臭剤などが挙げられる。
【0050】安定剤としては、例えば、オクタデシル−
3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート、テトラキス〔メチレン−3−
(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート〕メタン、ペンタエリスリチル−
テトラキス〔3−(3,5−ジ−ターシャリ−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕などのフェ
ノール系酸化防止剤;トリフェニルホスファイト、トリ
ス(シクロヘキシルフェニル)ホスファイト、9,10
−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレ
ンなどリン系酸化防止剤;ジミリスチル3,3′−チオ
ジプロピオネート、ジステアリル−3,3′−チオジプ
ロピオネート、ラウリルステアリル−3,3′−チオジ
プロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−
(β−ラウリル−チオ−プロピオネート)などのイオウ
系酸化防止剤などを挙げることができる。これらの中で
も、フェノール系酸化防止剤が好ましい。これらの安定
剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせ
て用いることができる。安定剤の量は、本発明に用いる
結晶性ノルボルネン系樹脂100重量部に対して、通常
0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜2重量部
の範囲である。
【0051】紫外線吸収剤および耐候安定剤としては、
例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−
n−ブチルマロネート、4−〔3−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキ
シ〕−1−{2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル}
−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどのヒン
ダードアミン系化合物;2−(2−ヒドロキシ−5−メ
チルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブ
チル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−ク
ロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリ
アゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロ
キシフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリア
ゾール系化合物;2,4−ジ−t−ブチルフェニル−
3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエー
ト、ヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシベンゾエートなどのベゾエート系化合物などが挙
げられる。これらの紫外線吸収剤および耐候安定剤は、
それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いる
ことができる。紫外線吸収剤および耐候安定剤の量は、
本発明に用いる結晶性ノルボルネン系樹脂100重量部
に対して通常0.001〜5重量部、好ましくは0.0
1〜2重量部の範囲である。
【0052】帯電防止剤としては、ステアリルアルコー
ル、ベヘニルアルコールなどの長鎖アルキルアルコー
ル;アルキルスルホン酸ナトリウム塩および/またはア
ルキルスルホン酸ホスホニウム塩;ステアリン酸のグリ
セリンエステルなどの脂肪酸エステル;ヒドロキシアミ
ン系化合物;無定形炭素、酸化スズ粉、アンチモン含有
酸化スズ粉などを例示することができる。帯電防止剤の
量は、本発明に用いる結晶性ノルボルネン系樹脂100
重量部に対して、通常0〜5重量部の範囲である。
【0053】乾燥の終了した結晶性ノルボルネン系樹脂
は、上記のその他の重合体や配合剤と共に、例えば二軸
混練機などにより、200〜400℃程度の温度にて溶
融混練した後、ペレット、顆粒、粉末などにして成形用
材料として成形工程に供される。本発明のフィルムおよ
びシートの厚みは特に限定されないが、通常、1μm〜
20mm、好ましくは5μm〜5mm、より好ましくは
10μm〜2mmである。フィルムとシートの区別に格
別な規定はなく、厚みによって区別することもあるが、
用途や業種における慣習により呼称が変わるのが実状で
ある。
【0054】本発明のフィルムおよびシートの成形方法
に制限はなく、加熱溶融成形法、溶液流延法のいずれも
用いることができる。加熱溶融成形法は、上記の成形用
材料を、重合体のTm以上で、熱分解温度未満の温度に
加熱して流動状態にしてフィルムおよびシートに成形す
る方法で、押出成形法、カレンダー成形法、圧縮成形
法、インフレーション成形法、射出成形法、ブロー成形
法、延伸成形法などがある。また、押出成形法、カレン
ダー成形法、インフレーション成形法などにより製膜し
た後に延伸成形法を行ってもよい。加熱溶融成形法にお
ける加熱、加圧条件としては、成形機、結晶性ノルボル
ネン系樹脂の特性などにより適宜選択すればよく、温度
は、通常、Tm〜(Tm+100℃)、好ましくは(T
m+20℃)〜(Tm+50℃)である。圧力は、通
常、0.5〜100MPa、好ましくは1〜50MPa
である。加圧時間は数秒〜数十分程度が好ましい。成形
品の結晶性をより強く現出するために、冷却条件として
Tgより高く、(Tm−20)℃以下の温度に10分〜
数時間保持(アニール処理)することが好ましい。本発
明に用いる結晶性ノルボルネン系樹脂は、Tmが比較的
高く、耐熱性が高いが、200〜400℃の間で著しく
低粘度になって流動性となる特徴を有している。この理
由は明確ではないが、結晶性を有するため液晶状態にな
り急激に粘度が下がるものと考えられる。そのため本発
明に用いる結晶性ノルボルネン系樹脂は溶融温度の高い
樹脂であるにも拘らず、良く流動するので短時間でフィ
ルムおよびシートに成形することが可能でる。
【0055】一方、溶液流延法によってフィルムおよび
シートを成形する場合は、上記の成形材料を有機溶媒に
溶解して平面上またはロール上にキャスティングして、
溶媒を加熱により除去してフィルムおよびシートを成形
する方法である。溶媒としては、ノルボルネン系単量体
の開環重合反応および水素化反応の溶媒として例示した
脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、芳香族炭化水素、ハ
ロゲン系芳香族炭化水素、含窒素炭化水素、エーテル類
などが使用される。溶媒を揮散する温度が成形温度とな
り、その温度は上記の加熱溶融成形法と同様、通常、T
m〜(Tm+100℃)、好ましくは(Tm+20℃)
〜(Tm+50℃)である。また、成形品の結晶性をよ
り強く現出するために、Tgより高く、(Tm−20)
℃以下の温度に10分〜数時間アニール処理することが
好ましい。
【0056】本発明においてフィルムおよびシートの成
形に供する結晶性ノルボルネン系樹脂は、融点を有する
重合体、すなわち結晶構造を形成する重合体であるの
で、フィルムおよびシートの成形体内部に結晶部を形成
し、これと非晶部とが相俟って成形品に大きな引張り強
度などの機械的強度を与え、それでいて、結晶が大きく
ないので透明性の良さをも与えるのである。フィルムお
よびシートの機械的強度を増大すべく、結晶化度を高め
るために好ましくは延伸を行う。延伸とは、成形された
フィルムおよびシートを、続いて2〜5倍程度伸張して
塑性変形を与えることである。この塑性変形は、内部の
摩擦で、結晶鎖は勿論、非晶鎖も引き伸ばして配向させ
る効果を有する。延伸を行うのに好ましい温度は、Tg
以上でTm以下である。
【0057】本発明においては、結晶性ノルボルネン系
樹脂を含有する層と、その他の重合体を含有する層とを
有する積層体を形成させてもよい。その他の重合体とし
ては、ゴム質重合体またはその他の樹脂が挙げられ、そ
れらの具体例は、いずれも本発明の結晶性ノルボルネン
系樹脂に配合して使用できるものとして前記したものと
同様である。積層する層の数は、通常、2層または3層
であるが、更に多層の積層体とすることができる。3層
以上の多層における重合体種による層の配置順序は、目
的や用途により決めることができる。また、同種の重合
体の層を他の重合体の層を隔てて配置してもよく、例え
ば、結晶性ノルボルネン系樹脂を含有する2つの層の間
にポリスチレンを含む層を挟む3層の積層体や、さらに
その一方の外側に水素化スチレン−イソプレンブロック
共重合体を含む層が積層された4層の積層体などが可能
である。積層方法としては、層と層の間に接着剤を塗布
して貼り合わせる方法、単層もしくは複数層のフィルム
またはシートを熱もしくは高周波により融点以上に加熱
して融着する方法、結晶性ノルボルネン系樹脂またはそ
の他の重合体のフィルムまたはシートの表面に、その他
の重合体または結晶性ノルボルネン系樹脂を分散もしく
は溶解させた有機溶媒を塗布して乾燥させる方法などが
ある。また、押出機で結晶性ノルボルネン系樹脂とその
他の重合体とを共押出して積層体を製造することもでき
る。
【0058】本発明の融点を有する結晶性ノルボルネン
系樹脂を成形してなるフィルムおよびシートは、耐熱
性、透明性、耐薬品性に優れ、かつ、引張強度など機械
的強度が大きい。また、熱分解温度が高いので、加工温
度範囲が広い利点を有する。これらの特徴を有する本発
明のフィルムおよびシートは、食品分野、医療分野、光
学分野、民生分野、土木建築分野などの多岐の用途で利
用することができる。なかでも、食品分野、医療分野、
光学分野などの用途に好適である。食品分野としては、
ラップフィルム、シュリンクフィルム、菓子や漬物など
の食品包装袋などで使用できる。医療分野では、輸液用
バッグ、点滴用バッグ、プレス・スルー・パッケージ用
フィルム、ブリスター・パッケージ用フィルムなどで使
用できる。光学分野では、位相差フィルム、偏光フィル
ム、、光拡散シート、集光シート、光カード、光ディス
ク、フレンネルレンズ、レンティクラーレンズなどが挙
げられる。
【0059】
【実施例】以下に、実施例および比較例を挙げて、本発
明をさらに具体的に説明する。試験法は下記によった。
なお、以下、実施例および比較例中の部および%は、特
記しない限り、重量基準である。 (1)重合体の重量平均分子量(Mw)および数平均分
子量(Mn)は、クロロホルムを溶媒とするゲル・パー
ミエーション・クロマトグラフィーによる標準ポリスチ
レン換算値としてそれぞれ測定した。 (2)重合体の水素化率は、赤外線吸収スペクトルによ
り測定した。 (3)重合体の融点(Tm)およびガラス転位温度(T
g)は、示差走査熱量計(DSC)にて、10℃/分で
昇温して測定した。
【0060】(4)フィルムの厚みは、フィルムをクラ
ンプに挟んで固定し、鋭利なカッターで断面がフィルム
表面に垂直になるように切り、その断面を光学顕微鏡で
200倍で観察して厚みを測定した。 (5)フィルムの曇り価(ヘイズ)は、JIS K 7
105により、積分球式光線透過率測定装置を用いて拡
散透過率Tdおよび全光線透過率Ttを測定し、次式か
らヘイズHを計算して求めた。 H=(Td/Tt)×100 ヘイズの小さいほど透明性が良いことを示す。 (6)熱重量減少開始温度は、フィルムを10mg切り
出してJIS K 7120に準じて測定した。 (7)フィルムの引張り強度および伸びは、JIS K
7127に準じ、3号試験片を用いて5mm/分の引
張り速度で測定した。
【0061】(8)フィルムの耐薬品性試験は、上記
(7)で用いたと同様の試験片を用いてアセトン、トル
エン、シクロヘキサン、四塩化炭素、塩酸(濃度35
%)およびアンモニア水(濃度28%)各200mlに
それぞれ23℃にて24時間浸漬して取り出して観察
し、また、上記(7)と同様の引張り試験を行った。結
果を次に記す基準で記号に表した。 ○:膨潤、溶解などの外観変化が全くない。引張強度低
下もない。 △:若干膨潤が見られる。または、形状が崩れている。
引張強度の低下度は0〜50%である。 ×:完全に、または、大部分溶解している。引張り強度
の低下度は50%を超えている。
【0062】実施例1 攪拌機付きガラス反応器に、一般式(5)で示されるモ
リブデン化合物を0.0068部添加した後、シクロヘ
キサン24部、ジシクロペンタジエン6部、1−ヘキセ
ン0.00573部を添加し、室温で重合反応を行っ
た。
【0063】
【化5】
【0064】重合反応開始後、瞬時に白色の沈殿物が析
出した。3時間反応後、重合反応液を多量のイソプロパ
ノールに注いでポリマ−を完全に析出させ、濾別洗浄
後、40℃で40時間減圧乾燥した。得られたノルボル
ネン系開環重合体の収量は5.5部で、Mw103,0
00、Mn37,000であった。なお、Tmは218
℃、Tgは95℃であった。次いで、該開環重合体10
0部にヒンダードフェノール系酸化防止剤としてペンタ
エリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−ターシ
ャリ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕を0.2部添加し、二軸押出機により、樹脂温度平
均320℃にて溶融混練し、ペレタイザーによりペレッ
ト化して成形用材料を得た。該ペレットを、65mm二
軸押出機{バレル温度300℃、Tダイ温度320℃}
で溶融、押出し、Tダイの幅500mmで、厚み100
μmのフィルムを引き取りロールに巻き取った。得られ
たフィルムの曇り価、熱重量減少開始温度、引張り強
度、伸びおよび耐薬品性を試験した結果を表1に記す。
【0065】実施例2 攪拌機付きオートクレーブに、実施例1と同じ反応を行
って得られた開環重合体5.0部とシクロヘキサン88
部を加えた。次いでビス(トリシクロヘキシルホスフィ
ン)ベンジリジンルテニウム(IV)ジクロリド0.0
31部およびエチルビニルエーテル1.8部をシクロヘ
キサン18部に溶解した水素化触媒溶液を添加し、水素
圧0.785MPa、温度120℃で10時間水素化反
応を行った。反応後、反応液を多量のイソプロパノール
に注いで重合体を完全に析出させ、濾別洗浄した後、4
0℃で40時間減圧乾燥した。赤外線吸収スペクトルに
は、炭素−炭素二重結合由来の吸収は観測されず、水素
化率は99%以上であった。得られたノルボルネン系開
環重合体水素化物のMwは195,000、Mnは7
2,000で、Tmは272℃、Tgは102℃であっ
た。以後、このノルボルネン系開環重合体水素化物を用
いて実施例1と同様にしてペレットを作製し、フィルム
を製造した。得られたフィルムの曇り価、熱重量減少開
始温度、引張り強度、伸びおよび耐薬品性を試験した結
果を表1に記す。
【0066】実施例3 実施例2において、フィルムを製造する際に押出速度よ
り速くロールに引き取ることにより2倍延伸し、厚み6
0μmのフィルムを製造した他は実施例2と同様に行っ
た。得られたフィルムの曇り価、熱重量減少開始温度、
引張り強度、伸びおよび耐薬品性を試験した結果を表1
に記す。
【0067】比較例1 実施例1において、成形用材料としてTg96℃、Tm
270℃のシンジオタクチックポリスチレン(s−P
S)のペレットを用い、バレル温度を290℃に、ダイ
ス温度を300℃にそれぞれ変更した他は実施例1と同
様にして厚み100μmのフィルムを得た。得られたフ
ィルムの曇り価、熱重量減少開始温度、引張り強度、伸
びおよび耐薬品性を試験した結果を表1に記す。
【0068】比較例2 比較例1において、フィルムを製造する際に押出速度よ
り速くロールに引き取ることにより2倍延伸し、厚み6
0μmのフィルムを製造した他は比較例1と同様に行っ
た。得られたフィルムの曇り価、熱重量減少開始温度、
引張り強度、伸びおよび耐薬品性を試験した結果を表1
に記す。
【0069】比較例3 実施例1において、成形用材料としてTgは−135
℃、Tmは105℃の低密度ポリエチレンのペレットを
用い、バレル温度を230℃に、ダイス温度を240℃
にそれぞれ変更した他は実施例1と同様にしてフィルム
を得た。フィルムの厚みは50μmであった。得られた
フィルムの曇り価、熱重量減少開始温度、引張り強度、
伸びおよび耐薬品性を試験した結果を表1に記す。
【0070】
【表1】
【0071】表1が示すように、融点を有するノルボル
ネン系開環重合体およびその水素化物を用いて得られた
本発明のフィルムは、熱重量減少開始温度が高くて耐熱
性が良く、ヘイズが小さくて透明性が良く、引張強度も
極めて大きい値であり、また、有機溶媒、酸およびアル
カリに侵されず耐薬品性に優れている。(実施例1〜
3)。一方、s−PSのフィルムは延伸の有無に拘らず
曇り価が大きく、耐熱性(熱重量減少温度)および耐薬
品性とも本発明のフィルムより劣り、引張り強度も低か
った(比較例1,2)。低密度ポリエチレンは耐溶剤性
は本発明のフィルムと同程度に優れ、伸びが顕著に大き
いが、曇り価、耐熱性および引張り強度が劣った(比較
例3)。
【0072】
【発明の効果】本発明により、透明性、耐熱性および耐
薬品性に優れ、かつ、高強度の、ノルボルネン系開環重
合体もしくはその水素化物からなるフィルムおよびシー
トが提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸 直哉 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1号 日本ゼオン株式会社総合開発センター内 Fターム(参考) 4F071 AA69 AA78 AH04 AH19 BA01 BB06 BC01 4F100 AH08 AK01B AK02A AN00B BA02 BA07 CA06 CA30 EH17 EH20 EJ37 GB23 GB66 GB90 JA04A JB01 JJ03 JN01 YY00A 4J032 CA34 CA38 CA43 CA45 CB01 CC03 CD04 CE03 CF03 CG08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点を有するノルボルネン系開環重合
    体、または、該開環重合体中の炭素−炭素二重結合を水
    素化して得られた、融点を有するノルボルネン系開環重
    合体水素化物を成形してなるフィルムおよびシート。
  2. 【請求項2】 前記ノルボルネン系開環重合体が、重合
    体全繰返し単位中に3環体以上のノルボルネン系単量体
    由来の繰返し単位を10モル%以上含有するものである
    請求項1に記載のフィルムおよびシート。
  3. 【請求項3】 融点を有するノルボルネン系開環重合
    体、もしくは、該開環重合体中の炭素−炭素二重結合を
    水素化して得られた、融点を有するノルボルネン系開環
    重合体水素化物を含有する層と、ゴム質重合体もしくは
    他の樹脂を含有する層とを有する積層体。
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