JP2001058865A - 衛生陶器およびその製造方法 - Google Patents
衛生陶器およびその製造方法Info
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Abstract
で、汚れにくく、耐久性に優れ、また光沢性に優れた衛
生陶器を提供する。 【解決手段】 大便器、小便器、便器のサナ、便器のタ
ンク等の衛生陶器の素地上に表面釉薬層の中心線平均粗
さRaが0.07μm未満、表面釉薬層のクルトシスR
Kuが2.70未満及び表面釉薬層の表面が実質的にガ
ラス成分からなり、かつその表面に10μm以上のシリ
カ粒子がない釉薬層を形成させる。 【効果】 この方法によって得られた試料の表面に、油
性マジックにより印をつけて、約1分間乾燥後、水滴下
におくとマジックは全て無くなった。
Description
洗面台の洗面器、手洗い器等の衛生陶器およびその製造
法に関する。
生上および美観上重要である。さらにそのような状態が
長期にわたり保たれることは好ましいことである。
を保つために、界面活性剤、酸、アルカリ等の洗剤をタ
ワシやブラシに付けて強く衛生陶器表面をこすることが
行われている。すなわち、洗剤による化学的洗浄力およ
びタワシやブラシでこすることによる物理的洗浄力によ
り、表面の汚れを除去する。
働とは言い難く、その頻度は低いことが望まれる。さら
に、近年、界面活性剤が含有される排水による環境汚染
が指摘されていることから、界面活性剤の使用もその量
および頻度において低いことが望ましい。
上に優れた表面を有する衛生陶器の提案もいくつかなさ
れている。
フルオロアルキル基を含有するシロキサン樹脂を被覆し
て、表面エネルギーを低下させ、汚れが付着しにくい表
面とする方法が提案されている。
により汚れの衛生陶器表面への強固な付着を防止しよう
とする方法が提案されている。しかし、表面の状態と、
汚れの付着のし難さ、耐久性、光沢の程度との関係につ
いては従来充分な検討はされておらず、平滑表面であれ
ば汚れが付きにくく、美観上好ましいという程度の概念
的な認識のもと、平滑な表面を有する衛生陶器が提案さ
れてきたにすぎない。
を制御することで、汚れにくく、耐久性に優れ、あるい
は光沢に優れた衛生陶器が得られるとの知見を得た。
は、汚れが極めて付着しにくく、かつ一度付着した汚れ
であっても弱い水流により除かれてしまう衛生陶器の提
供をその目的としている。
めて良好な表面光沢性を有する衛生陶器の提供をその目
的としている。
汚れの付着しにくい衛生陶器の提供をその目的としてい
る。
器は、陶器素地上に表面釉薬層を形成した衛生陶器であ
って、前記表面釉薬層の中心線平均粗さRaが0.07
μm未満であるものである。
は、陶器素地上に表面釉薬層を形成した衛生陶器であっ
て、前記表面釉薬層のクルトシスRkuが2.70未満
であるものである。
器は、陶器素地上に表面釉薬層を形成した衛生陶器であ
って、前記表面釉薬層の表面が実質的にガラス成分から
なり、かつその表面には粒径10μm以上のシリカ粒子
の存在が観察されないものである。
所周りで用いられる陶器製製品を意味し、具体的には大
便器、小便器、便器のサナ、便器タンク、洗面台の洗面
器、手洗い器などを意味する。
の焼き締まりがやや吸水性のある程度で、かつ表面に釉
薬を施したものを意味する。
得られた、例えば「50%粒径」とは、レーザー回析法
により測定された粒度分布測定データにおける微粒子側
からの微粒子数の累積が50%に達したときの粒子の粒
径を意味する。なお、以下本明細書において、単に「5
0%粒径」または「粒径がD50」とともに粒径に言及
する場合、それはレーザー回析法による粒度分布測定に
より得られた「50%粒径」を意味する。
面釉薬層を形成した衛生陶器であって、前記表面釉薬層
の中心線平均粗さRaが0.07μm未満であるもので
ある。本発明の好ましい態様によれば、中心線平均粗さ
Raは、好ましくは0.068μm以下であり、より好
ましくは0.05μm以下であり、最も好ましくは0.
03μm以下である。本発明者らの知る限りでは、衛生
陶器の分野において、その表面粗さを上記範囲まで制御
したものはなく、せいぜいRaが0.1μm程度のもの
が市販されているだけである。
み、その他の汚れが付着しにくくなり、またたとえ付着
しても弱い水流により除かれてしまう。その結果、長期
間に亘り清浄な陶器表面を、頻繁な洗浄操作なしに維持
することが可能となる。平滑表面であれば汚れが付きに
くいという知見は従来存在した。しかし、その効果の程
度は従来の知見からすれば極めて顕著であり、驚くほど
予想を超えるものである。例えば、後記する実施例に記
載のように、本発明による衛生陶器は、マジック(登録
商標)による汚れが水との接触により浮き上がり、流水
で除去されてしまう。また、サラダ油についても同様で
ある。さらに、水垢や尿石の付着の極めてし難く、付着
しても簡単に除かれてしまう。このような高度の汚れの
付着のし難さ、汚れの除かれ易さは従来の知見からは到
底予測不可能な意外なものであった。この効果は上記数
値範囲にあることで顕著に得られるが、上記範囲を外れ
た場合、その効果は顕著に失われてしまう。すなわち、
上記数値を境に効果において顕著な差異が生じるのであ
る。
構については定かではないが、次のように考えられる。
汚れが表面と接触する面積は、平滑な表面であればある
ほど小さくなると考えられる。その結果、表面と汚れと
の間に働く相互間力は表面が平滑であればあるほど小さ
くなるものと考えられる。ここで、この汚れが水で覆わ
れた場合、汚れに働く浮力は汚れの大きさに比例するこ
とから、相互間力が小さな平滑な表面の方が汚れが浮き
上がりやすく、水により除去されやすいということにな
る。しかし、この考え方は従来の知見の延長線上にある
ものであり、本発明におけるようなある数値を境に生じ
る顕著な効果の差異を充分に説明出来るものではない。
そこで、本発明にあっては、平滑の程度が上記数値範囲
にあることで、汚れと釉薬表面との相互作用において何
らかの大きな変化が生じているのではないか、と予測さ
れる。しかし、これはあくまで予測であって、本発明は
この考え方に限定されるものではない。
とは、粗さ曲線からその中心線の方向に測定長さlの部
分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍
率の方向をY軸とし、粗さ曲線をY=f(x)で表した
とき、次の式によって求められる値をマイクロメートル
(μm)で表したものをいう。
B0601(1994年)による定義と表示に従い、J
IS−B0651(1996年)に準拠した触針式表面
粗さ測定装置により実施される。これらJIS基準は日
本工業規格(日本国東京都港区赤坂4−1−24)か
ら、その英訳とともに容易に入手可能である。
りである。図において、検出器11は触針12とスキッ
ド13とを備え、検出器11は、固定装置15上にある
試料14の表面を送り装置16により送られながら、垂
直方向の変位を検出する。この変位を拡大装置(図示せ
ず)を通して、指示装置または記録装置に表示すること
で、表面粗さ曲線を得ることができる。
よる効果は釉薬組成に大きく左右されるものではない
が、その組成の好ましい範囲、およびより好ましい範囲
を示せば下記の通りである。
薬以外の添加物を添加することにより付加機能を持たせ
ることも可能である。ここで、釉薬中へ添加できる添加
物としては、焼成中に釉薬や雰囲気との反応により化合
物が形成されるものが好ましい。例えば、銀、銅、亜鉛
又はその化合物、固溶体等の抗菌金属や酸化チタン、酸
化亜鉛、酸化錫、酸化第二鉄、三酸化タングステン、チ
タン酸ストロンチウム、三酸化二ビスマス等の光触媒を
添加すると抗菌効果が発揮される。また、上記光触媒の
存在により親水性が助長される、光還元性を有する等の
効果も得られる。
適宜決定されてよいが、例えば0.1〜3mm程度の厚
さが一般的であり、好ましくは0.2〜2mm程度であ
り、より好ましくは0.3〜1.2mmである。
よる衛生陶器の少なくとも一部には、前記釉薬層が形成
されていない部分が設けられてなることが好ましい。本
発明による衛生陶器は後記する製造方法によって好まし
く製造されるが、この釉薬層が形成されていない部分が
焼成中に発生する気体の開放口となり、釉薬層中に気体
が入り込み残留して外観不良を発生させることが有効に
防止できるからである。特に、陶器素地に釉薬原料を塗
布後一度で焼成させる方法を用いた場合に有利である。
素地と表面釉薬層との間に、さらに釉薬層が設けられて
いてもよい。すなわち、釉薬層が多層構造を有するもの
であっても、最表層である表面釉薬層の表面が上記Ra
の数値範囲を満たすものであればよい。より具体的に
は、陶器素地と表面釉薬層との間に、着色釉薬層が設け
られてなり、かつ前記表面釉薬層が透明である態様が好
ましいものとして挙げられる。この態様にあっては、表
面釉薬層の厚さを薄くでき、焼成中表面釉薬層が極めて
軟化しても、釉薬層中に気体が入り込み残留して外観不
良を発生させることが有効に防止できるからである。さ
らに、釉薬成分として亜鉛が含有されている場合、亜鉛
成分は焼成時に気化して窯内に亜鉛華として付着し、焼
成窯を汚染する。しかし、表面釉薬層を設けた場合に
は、中間に存在する釉薬層で気化した亜鉛が、表面釉薬
層を通過しないと窯内雰囲気に蒸発されない。従って、
一層のみの場合と同一の膜厚になるように二層にした場
合には、一層の場合と比較して亜鉛華による窯の汚染が
抑制される。さらに、亜鉛が表面に組成傾斜を有しなが
ら集中されるので、抗菌性が長期にわたり発揮されるよ
うになるとの利点も得られる。この態様にあっても、上
記のように衛生陶器の少なくとも一部には、釉薬層が形
成されていない部分が設けられてなることが好ましい。
明による衛生陶器の表面釉薬層の水との接触角は30゜
未満が好ましく、より好ましくは25゜以下、最も好ま
しくは20゜以下とされるのがよい。表面釉薬層が親水
性表面であることで、汚れが付着しにくく、かつ付着し
た汚れが容易に除かれる本発明による効果がより高い次
元で達成される。
記したように大便器、小便器、便器のサナ等の便器の形
態とされる。便器においてはボール部、トラップ部の黄
ばみ汚れ等が有効に防止され、あるいは容易に除去でき
る。また、本発明による衛生陶器は、洗面台の洗面器の
形態とされる。洗面器においては、ボウル部の石鹸汚れ
や水垢汚れ等が有効に防止され、あるいは容易に除去で
きる。
より衛生陶器は、表面釉薬層を形成する釉薬原料として
次のいずれかを用い、これを陶器素地上に適用し、焼成
することで好ましく製造出来る。
での50%粒径(D50)が1.5μmの釉薬原料を使
用する。
れたフリット釉薬原料を使用する。
れたフリット釉薬原料と、非フリット釉薬原料との混合
釉薬を使用する。
ってよい。すなわち、ケイ砂、長石、粘土等を原料とし
て調製した衛生陶器素地泥漿を適宜成形したものであっ
てよい。 上記(1)の釉薬原料は、釉薬原料粉体をボ
ールミル等により粉砕することによって用意出来る。こ
のような微粉化された釉薬原料を用いることで本発明に
よる平滑な表面を有する衛生陶器を得ることが出来る。
ス化されたフリット釉薬原料は、釉薬原料粉体を130
0度以上の高温で溶融させることにより得ることができ
る。このような予めガラス化された釉薬原料を用いるこ
とで、本発明による平滑な表面を有する衛生陶器を得る
ことができる。
ラス化されたフリット釉薬原料のような非晶質釉薬原料
と、非フリット釉薬原料との混合物を使用する。非晶質
釉薬原料は上記(2)と同様にして得ることができる。
に限定されないが、微細な方が好ましく、50%粒径が
6μm以下あることが好ましく、より好ましくは4μm
以下、さらに好ましくは1.5μm以下である。
記(3)において、釉薬原料粉末中のうちの少なくとも
焼成後に結晶粒子として残留する成分については、50
%の粒径が6μm以下に微細化されたものであることが
好ましく、より好ましくは4μm以下である。ここで、
釉薬原料粉末中のうちの少なくとも焼成後に結晶粒子と
して残留する成分には、ジルコン等の顔料粒子や、シリ
カ(石英)粒子がある。焼成後の釉薬表面に残ったジル
コン粒子は樹形状の凸部を形成し、シリカ粒子は凹部を
形成する。ここで、衛生陶器の焼成温度(800〜13
00℃)において、ジルコン粒子は釉薬中のガラス成分
に固溶せずに残存するものであり、シリカ 粒子は粒子
表面から釉薬中のガラス成分に固溶していくが、粒が粗
いと固溶反応が充分に進行せずに残存するものである。
従っていずれの粒子においても原料が微細化されている
ほうが表面の凹凸が小さくなるので好ましい。
いると、耐アルカリ性が向上するために、長期使用時に
おける表面粗さの増大も生じにくくなるので好ましい。
(3)の態様において、非フリット釉薬原料が、その5
0%粒径が6μm程度のあまり微細化されていないもの
である場合、混合釉薬におけるフリット釉薬原料の含量
は50重量%以下が好ましく、より好ましくは30重量
%以下である。焼成にあたり発生する気体が釉薬層中に
残留することがなく、外観不良の発生が防止できるから
である。
質釉薬原料は、非フリット釉薬原料粉体よりも軟化温度
が高い原料を使用することが好ましいことがある。これ
によっても、焼成にあたり発生する気体が釉薬層中に残
留することがなく、外観不良の発生が防止できるからで
ある。
特に限定されず、、スプレーコーティング、ディップコ
ーティング、スピンコーティング、ロールコーティング
等の一般的な方法を適宜選択して利用できる。
成された陶器素地を次に焼成する。焼成温度は、陶器素
地が予め焼結されたものであるか、焼成されていなもの
であるかによって異なってよい。陶器素地が予め焼結さ
れたものでない場合には、陶器素地が焼結し、かつ釉薬
が軟化する1000℃以上の温度で焼成することが好ま
しい。成形素地が予め焼結されたものである場合には、
釉薬が軟化可能である300℃以上、好ましくは400
℃以上の温度で焼成することが好ましい。衛生陶器の製
造コスト観点からは、前者のように陶器素地に釉薬原料
を塗布後一度で焼成を済ませる方法が好ましい。一方、
後者の方法は既に作製済の衛生陶器にさらに表面釉薬層
を形成して、新機能を付与させることができる点で優れ
ている。陶器素地と表面釉薬層との間に、さらに釉薬層
が設けられている衛生陶器にあっても、その製造法は、
中間に存在する釉薬層の前駆層を形成する工程が加わる
以外は上記と同様であってよい。すなわち、中間に存在
する釉薬層の前駆層、例えば着色性釉薬層の前駆体を形
成し、その上に上記(1)〜(3)の釉薬原料により表
面釉薬層の前駆体を形成する以外は、上記と同様であっ
てよい。この場合、表面釉薬層の厚みは一般的には0.
05〜1.2mmであり、好ましくは0.1〜0.8m
mであり、より好ましくは0.15〜0.4mmであ
る。また、着色性釉薬層の厚みは一般的には0.05〜
1.8mmであり、好ましくは0.1〜1.2mmであ
り、より好ましくは0.2〜0.7mmである。
薬層を陶器素地と表面釉薬層との間に形成する場合、着
色性釉薬層を形成可能な釉薬原料のD50は4μm以上
であることが好ましい。このような粒径の着色性釉薬原
料を用い、かつ上記(1)〜(3)の釉薬原料を組み合
わせて用いることにより、焼成にあたり発生する気体が
釉薬層中に残留することがなく、外観不良の発生が防止
できるからである。
によれば、着色性釉薬層を陶器素地と表面釉薬層との間
に形成する場合、上記(3)の混合釉薬の利用が好まし
い。さらに好ましくは、非フリット釉薬原料が、その5
0%粒径が6μm以下に微細化されかつ顔料および/ま
たは乳濁剤(具体的にはZrO2)を欠いたものであ
り、さらにフリット釉薬原料が混合釉薬の50〜99重
量%、好ましくは60〜95重量%、を占めるものの利
用がこのましい。最も好ましくは非フリット釉薬原料:
フリット釉薬原料が30:70〜10:90である。こ
の場合の焼成温度は800〜1300℃が好ましい。従
って、この好ましい製造法をまとめると、陶器素地にま
ず顔料と、乳濁剤とが添加されている着色性釉薬原料を
適用し、さらに顔料と乳濁剤とを含まない透明性の非フ
リット釉薬原料と、フリット釉薬とを50〜99重量%
(好ましくは60〜90重量%)で混合した混合釉薬を
適用し、その後800〜1300℃の温度で焼成する方
法である。
面釉薬層を形成した衛生陶器であって、表面釉薬層のク
ルトシスRkuが2.70未満、好ましくは2.60以
下、より好ましくは2.50以下であるものである。
は、極めて良好な表面光沢性を有する。
ように定義される。すなわち、上記の本発明の第一の態
様において説明した粗さ曲線をY=f(x)から、次の
式によって求められる。
の鋭角性を定量的に表すパラメータで、次の式により求
められるものである。
第一の態様の場合と同様に、大便器、小便器、便器のサ
ナ等の便器、洗面台の洗面器等の形態とされる。 ま
た、本発明の第二の態様における衛生陶器の釉薬層の組
成、その厚さ、その他の好ましい態様、その製造法は、
上記本発明の第一の態様と同様であってよい。具体的に
は次の通りである。
よる効果は釉薬組成に大きく左右されるものではない
が、その組成の好ましい範囲、およびより好ましい範囲
を示せば下記の通りである。
薬以外の添加物を添加することにより付加機能を持たせ
ることも可能である。ここで、釉薬中へ添加できる添加
物としては、焼成中に釉薬や雰囲気との反応により化合
物が形成されるものが好ましい。例えば、銀、銅、亜鉛
又はその化合物、固溶体等の抗菌金属や酸化チタン、酸
化亜鉛、酸化錫、酸化第二鉄、三酸化タングステン、チ
タン酸ストロンチウム、三酸化二ビスマス等の光触媒を
添加すると抗菌効果が発揮される。また、上記光触媒の
存在により親水性が助長される、光還元性を有する等の
効果も得られる。
適宜決定されてよいが、例えば0.1〜3mm程度の厚
さが一般的であり、好ましくは0.2〜2mm程度であ
り、より好ましくは0.3〜1.2mmである。
よる衛生陶器の少なくとも一部には、前記釉薬層が形成
されていない部分が設けられてなることが好ましい。本
発明による衛生陶器は後記する製造方法によって好まし
く製造されるが、この釉薬層が形成されていない部分が
焼成中に発生する気体の開放口となり、釉薬層中に気体
が入り込み残留して外観不良を発生させることが有効に
防止できるからである。特に、陶器素地に釉薬原料を塗
布後一度で焼成させる方法を用いた場合に有利である。
素地と表面釉薬層との間に、さらに釉薬層が設けられて
いてもよい。すなわち、釉薬層が多層構造を有するもの
であっても、最表層である表面釉薬層の表面が上記Rk
uの数値範囲を満たすものであればよい。より具体的に
は、陶器素地と表面釉薬層との間に、着色釉薬層が設け
られてなり、かつ前記表面釉薬層が透明である態様が好
ましいものとして挙げられる。この態様にあっては、表
面釉薬層の厚さを薄くでき、焼成中表面釉薬層が極めて
軟化しても、釉薬層中に気体が入り込み残留して外観不
良を発生させることが有効に防止できるからである。さ
らに、釉薬成分として亜鉛が含有されている場合、亜鉛
成分は焼成時に気化して窯内に亜鉛華として付着し、焼
成窯を汚染する。しかし、表面釉薬層を設けた場合に
は、中間に存在する釉薬層で気化した亜鉛が、表面釉薬
層を通過しないと窯内雰囲気に蒸発されない。従って、
一層のみの場合と同一の膜厚になるように二層にした場
合には、一層の場合と比較して亜鉛華による窯の汚染が
抑制される。さらに、亜鉛が表面に組成傾斜を有しなが
ら集中されるので、抗菌性が長期にわたり発揮されるよ
うになるとの利点も得られる。この態様にあっても、上
記のように衛生陶器の少なくとも一部には、釉薬層が形
成されていない部分が設けられてなることが好ましい。
この場合、表面釉薬層の厚みは一般的には0.05〜
1.2mmであり、好ましくは0.1〜0.8mmであ
り、より好ましくは0.15〜0.4mmである。ま
た、着色性釉薬層の厚みは一般的には0.05〜1.8
mmであり、好ましくは0.1〜1.2mmであり、よ
り好ましくは0.2〜0.7mmである。
より衛生陶器は、表面釉薬層を形成する釉薬原料として
次のいずれかを用い、これを陶器素地上に適用し、焼成
することで好ましく製造出来る。
での50%粒径(D50)が1.5μmの釉薬原料を使
用する。
れたフリット釉薬原料を使用する。
れたフリット釉薬原料と、非フリット釉薬原料との混合
釉薬を使用する。
ってよい。すなわち、ケイ砂、長石、粘土等を原料とし
て調製した衛生陶器素地泥漿を適宜成形したものであっ
てよい。 上記(1)の釉薬原料は、釉薬原料粉体をボ
ールミル等により粉砕することによって用意出来る。こ
のような微粉化された釉薬原料を用いることで本発明に
よる平滑な表面を有する衛生陶器を得ることが出来る。
ス化されたフリット釉薬原料は、釉薬原料粉体を130
0℃以上の高温で溶融させることにより得ることができ
る。このような予めガラス化された釉薬原料を用いるこ
とで、本発明による平滑な表面を有する衛生陶器を得る
ことができる。
ラス化されたフリット釉薬原料のような非晶質釉薬原料
と、非フリット釉薬原料との混合物を使用する。非晶質
釉薬原料は上記(2)と同様にして得ることができる。
に限定されないが、微細な方が好ましく、50%粒径が
6μm以下あることが好ましく、より好ましくは4μm
以下、さらに好ましくは1.5μm以下である。
記(3)の態様において、釉薬原料粉体中のうちの少な
くともシリカ粒子は50%粒径が6μm以下に微細化さ
れたものであることが好ましく、より好ましくは4μm
以下である。この態様においては、焼成後に未反応で表
面に残留するシリカ粒子を低減することができる。本発
明者らの得た知見によれば、便器のようにアルカリ水
(アンモニア含有水)に晒される環境で使用される場
合、シリカ粒子近傍が優先的劣化し、表面の平滑性の低
下させることが見出された。より詳細には、焼成後の釉
薬表面に残ったシリカ粒子またはジルコン粒子はその表
面に凹凸を形成する。そして、この凹凸の周囲が、アル
カリ環境下において2ヶ月程度の極めて短期間で優先的
に溶解してしまうことが観察された。上記のようにシリ
カ粒子の粒径を制御することで、このような凹凸の形成
を有効に防止できる。それによって、表面釉薬層の耐ア
ルカリ性を大きく向上させることが出来るとの利点が得
られる。
(3)の態様において、非フリット釉薬原料が、その5
0%粒径が6μm程度のあまり微細化されていないもの
である場合、混合釉薬におけるフリット釉薬原料の含量
は50重量%以下が好ましく、より好ましくは30重量
%以下である。焼成にあたり発生する気体が釉薬層中に
残留することがなく、外観不良の発生が防止できるから
である。
質釉薬原料は、非フリット釉薬原料粉体よりも軟化温度
が高い原料を使用することが好ましいことがある。これ
によっても、焼成にあたり発生する気体が釉薬層中に残
留することがなく、外観不良の発生が防止できるからで
ある。
特に限定されず、、スプレーコーティング、ディップコ
ーティング、スピンコーティング、ロールコーティング
等の一般的な方法を適宜選択して利用できる。
成された陶器素地を次に焼成する。焼成温度は、陶器素
地が予め焼結されたものであるか、焼成されていなもの
であるかによって異なってよい。陶器素地が予め焼結さ
れたものでない場合には、陶器素地が焼結し、かつ釉薬
が軟化する1000℃以上の温度で焼成することが好ま
しい。成形素地が予め焼結されたものである場合には、
釉薬が軟化可能である300℃以上、好ましくは400
℃以上の温度で焼成することが好ましい。衛生陶器の製
造コスト観点からは、前者のように陶器素地に釉薬原料
を塗布後一度で焼成を済ませる方法が好ましい。一方、
後者の方法は既に作製済の衛生陶器にさらに表面釉薬層
を形成して、新機能を付与させることができる点で優れ
ている。陶器素地と表面釉薬層との間に、さらに釉薬層
が設けられている衛生陶器にあっても、その製造法は、
中間に存在する釉薬層の前駆層を形成する工程が加わる
以外は上記と同様であってよい。すなわち、中間に存在
する釉薬層の前駆層、例えば着色性釉薬層の前駆体を形
成し、その上に上記(1)〜(3)の釉薬原料により表
面釉薬層の前駆体を形成する以外は、上記と同様であっ
てよい。
薬層を陶器素地と表面釉薬層との間に形成する場合、着
色性釉薬層を形成可能な釉薬原料のD50は4μm以上
であることが好ましい。このような粒径の着色性釉薬原
料を用い、かつ上記(1)〜(3)の釉薬原料を組み合
わせて用いることにより、焼成にあたり発生する気体が
釉薬層中に残留することがなく、外観不良の発生が防止
できるからである。
面釉薬層を形成した衛生陶器であって、前記表面釉薬層
の表面が実質的にガラス成分からなり、かつその表面に
は粒径10μm以上のシリカ粒子の存在が観察されない
ものである。
アルカリ性に優れたものであり、その優れた耐アルカリ
性の結果、長期間汚れの付着および菌の繁殖を有効に防
止することができる衛生陶器である。
確認した。まず、従来、衛生陶器の表面は充分にガラス
化され、その表面は平滑であると認識されていた。しか
し、その表面にはシリカ粒子が充分にガラス化せずに残
っていた。そして、このシリカ粒子は、焼成後、周りの
ガラス相との間で残留応力を生じさせ、何等かの外力が
加わったときにクラックが発生しやすくなることがわか
った。クラックが発生した衛生陶器をアンモニア水環境
や石鹸水環境などのアルカリ環境下で使用すると、ガラ
ス相の溶解反応が起こるため、クラックは増大し、さら
にはシリカ粒子が欠落してしまった。こうして生じたク
ラックやシリカ粒子の欠落による凹部は、菌の温床にな
ったり、汚物の付着点となり、衛生陶器や洗面器の汚れ
るのを促進していたということが確認された。より詳細
には、便器は常に尿がかけられる環境で使用され、尿は
便器に存在する細菌の有する酵素ウレアーゼによりアン
モニアに分解される。すなわち、便器は常にアンモニア
性アルカリ環境に晒され、シリカ粒子周囲のクラックの
拡大やシリカ粒子の欠落が生じうる環境で使用される。
また、洗面器はアルカリ性を呈する石鹸水がかけられる
環境で使用され、シリカ粒子周囲のクラックの拡大やシ
リカ粒子の欠落が生じうる。
境下での使用に際し解決されるべき課題である上記の機
構による汚れは、表面釉薬層の表面が実質的にガラス成
分からなり、かつその表面に粒径10μm以上のシリカ
粒子が存在しないように制御することで充分に防止でき
るとの知見を得たのである。
層全体が実質的にガラス成分からなり、かつ粒径10μ
m以上のシリカ粒子が存在しないものであることが好ま
しい。 本発明の第三の態様による衛生陶器は、上記の
本発明の第一の態様の場合と同様に、大便器、小便器、
便器のサナ等の便器、洗面台の洗面器等の形態とされ
る。 本発明者らの得た知見によれば、本発明による効
果は釉薬組成に大きく左右されるものではなく、上記本
発明の第一の態様の場合と同様であってよい。従って、
その組成の好ましい範囲、およびより好ましい範囲を示
せば下記の通りである。
薬以外の添加物を添加することにより付加機能を持たせ
ることも可能である。ここで、釉薬中へ添加できる添加
物としては、焼成中に釉薬や雰囲気との反応により化合
物が形成されるものが好ましい。例えば、銀、銅、亜鉛
又はその化合物、固溶体等の抗菌金属や酸化チタン、酸
化亜鉛、酸化錫、酸化第二鉄、三酸化タングステン、チ
タン酸ストロンチウム、三酸化二ビスマス等の光触媒を
添加すると抗菌効果が発揮される。また、上記光触媒の
存在により親水性が助長される、光還元性を有する等の
効果も得られる。
適宜決定されてよいが、例えば0.1〜3mm程度の厚
さが一般的であり、好ましくは0.2〜2mm程度であ
り、より好ましくは0.3〜1.2mmである。
よる衛生陶器の少なくとも一部には、前記釉薬層が形成
されていない部分が設けられてなることが好ましい。本
発明による衛生陶器は後記する製造方法によって好まし
く製造されるが、この釉薬層が形成されていない部分が
焼成中に発生する気体の開放口となり、釉薬層中に気体
が入り込み残留して外観不良を発生させることが有効に
防止できるからである。特に、陶器素地に釉薬原料を塗
布後一度で焼成させる方法を用いた場合に有利である。
素地と表面釉薬層との間に、さらに釉薬層が設けられて
いてもよい。すなわち、釉薬層が多層構造を有するもの
であっても、最表層である表面釉薬層の表面が粒径10
μm以上のシリカ粒子を含まないものであればよい。よ
り具体的には、陶器素地と表面釉薬層との間に、着色釉
薬層が設けられてなり、かつ前記表面釉薬層が透明であ
る態様が好ましいものとして挙げられる。この態様にあ
っては、表面釉薬層の厚さを薄くでき、焼成中表面釉薬
層が極めて軟化しても、釉薬層中に気体が入り込み残留
して外観不良を発生させることが有効に防止できるから
である。さらに、釉薬成分として亜鉛が含有されている
場合、亜鉛成分は焼成時に気化して窯内に亜鉛華として
付着し、焼成窯を汚染する。しかし、表面釉薬層を設け
た場合には、中間に存在する釉薬層で気化した亜鉛が、
表面釉薬層を通過しないと窯内雰囲気に蒸発されない。
従って、一層のみの場合と同一の膜厚になるように二層
にした場合には、一層の場合と比較して亜鉛華による窯
の汚染が抑制される。さらに、亜鉛が表面に組成傾斜を
有しながら集中されるので、抗菌性が長期にわたり発揮
されるようになるとの利点も得られる。この態様にあっ
ても、上記のように衛生陶器の少なくとも一部には、釉
薬層が形成されていない部分が設けられてなることが好
ましい。
0.05〜1.2mmであり、好ましくは0.1〜0.
8mmであり、より好ましくは0.15〜0.4mmで
ある。また、着色性釉薬層の厚みは一般的には0.05
〜1.8mmであり、好ましくは0.1〜1.2mmで
あり、より好ましくは0.2〜0.7mmである。
発明の第三の態様による衛生陶器は、その表面釉薬層の
表面が、上記本発明の第一の態様において定義された中
心線平均粗さRaが0.07μm未満であることが好ま
しく、より好ましくは0.068μm以下であり、より
好ましくは0.05μm以下であり、最も好ましくは
0.03μm以下である。Raが上記値を有すること
で、より汚れが付着し難い衛生陶器が得られる。
第三の態様による衛生陶器は下記の方法により好ましく
製造される。
ってよい。すなわち、ケイ砂、長石、粘土等を原料とし
て調製した衛生陶器素地泥漿を適宜成形したものであっ
てよい。 表面釉薬層を形成する釉薬としては、90%
粒径が20μm以下、好ましくは10μm以下の釉薬、
または50%粒径が5μm以下の釉薬の利用が好まし
い。上記範囲の粒径の釉薬を使用することにより、11
00〜1300℃程度の焼成温度でシリカ粒子が充分に
ガラス化されることから、表面に粒径10μm以上のシ
リカ粒子が残存することを有効に防止できる。上記粒径
の釉薬は釉薬原料をボールミルやビーズミルにより粉砕
することにより得ることができる。
ば、釉薬として、90%粒径が15μm以下、好ましく
は10μm以下、より好ましくは6μm以下のシリカ粒
子、または50%粒径が5μm以下のシリカ粒子と、シ
リカ成分を除いた釉薬原料とを混合した混合釉薬を用い
ることが好ましい。すなわち、シリカの粒子径を他の釉
薬原料とは別に制御することが好ましい。上記範囲の粒
径の釉薬を使用することにより、1100〜1300℃
程度の焼成温度でシリカ粒子が充分にガラス化されるこ
とから、表面に粒径10μm以上のシリカ粒子が残存す
ることを有効に防止できる。上記粒径のシリカ粒子は、
例えば、天然のケイ砂や市販の長石原料をボールミルや
ビーズミルにより粉砕することにより得ることができ
る。
て、フリット釉薬原料のような非晶質釉薬原料と、非フ
リット釉薬原料との混合釉薬を利用することが好まし
い。フリット釉薬原料は、ケイ砂、長石、石灰、粘土、
顔料等からなる釉薬原料を1300℃以上の高温で溶融
することにより得ることができる。
の混合釉薬の非フリット釉薬原料は90%粒径が20μ
m以下、好ましくは10μm以下の釉薬、または50%
粒径が5μm以下の釉薬であることが好ましい。
特に限定されず、、スプレーコーティング、ディップコ
ーティング、スピンコーティング、ロールコーティング
等の一般的な方法を適宜選択して利用できる。
成された陶器素地を次に焼成する。焼成温度は、陶器素
地が予め焼結されたものであるか、焼成されていなもの
であるかによって異なってよい。陶器素地が予め焼結さ
れたものでない場合には、陶器素地が焼結し、かつ釉薬
が軟化する1000℃以上、好ましくは1300℃以下
の温度で焼成することが好ましい。成形素地が予め焼結
されたものである場合には、釉薬が軟化可能である40
0℃以上の温度で焼成することが好ましい。衛生陶器の
製造コスト観点からは、前者のように陶器素地に釉薬原
料を塗布後一度で焼成を済ませる方法が好ましい。
にさらに表面釉薬層を形成して、新機能を付与させるこ
とができる点で優れている。
薬層が設けられている衛生陶器にあっても、その製造法
は、中間に存在する釉薬層の前駆層を形成する工程が加
わる以外は上記と同様であってよい。すなわち、中間に
存在する釉薬層の前駆層、例えば着色性釉薬層の前駆体
を形成し、その上に上記の釉薬原料により表面釉薬層の
前駆体を形成する以外は、上記と同様であってよい。
によれば、着色性釉薬層を陶器素地と表面釉薬層との間
に形成する場合、上記した非フリット釉薬原料とフリッ
ト釉薬原料との混合釉薬の利用が好ましい。さらに好ま
しくは、非フリット釉薬原料が、その50%粒径が6μ
m以下に微細化されかつ顔料および/または乳濁剤(具
体的にはZrO2)を欠いたものであり、さらにフリッ
ト釉薬原料が混合釉薬の50〜99重量%、好ましくは
60〜95重量%、を占めるものの利用がこのましい。
最も好ましくは非フリット釉薬原料:フリット釉薬原料
が30:70〜10:90である。この場合の焼成温度
は800〜1300℃が好ましい。従って、この好まし
い製造法をまとめると、陶器素地にまず顔料と、乳濁剤
とが添加されている着色性釉薬原料を適用し、さらに顔
料と乳濁剤とを含まない透明性の非フリット釉薬原料
と、フリット釉薬とを50〜99重量%(好ましくは6
0〜90重量%)で混合した混合釉薬を適用し、その後
800〜1300℃の温度で焼成する方法である。
によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施
例に限定されるものではない。
以下の通りとした。
学製、CA−X150)を用いて測定した。具体的に
は、マイクロシリンジから試料表面に水滴を滴下した
後、30秒後に測定した値を接触角とした。
商標)#700)により、φ10mmの内部を塗りつぶ
し、約1分間室温で乾燥させた。その後、3mlの水を
滴下し、マジックが浮き上がってくるかおよび試料を傾
けた際にマジックが洗い流されるかどうかを調べた。
を水槽中に沈め、表面に付着していたサラダ油が水面に
浮き上がってくるまでの時間を調べた。
分に板状試験片を設置し、通常の使用条件下で7日間放
置した。その後、表面の尿石付着量を目視で評価した。
を設置し、通常の使用条件下で7日間放置した。その
後、表面の石鹸汚れ付着量を目視で評価した。
1kgを、容積2リットルの陶器製ポット中に入れ、ボ
ールミルにより約65時間粉砕して、釉薬を得た。レー
ザー回折式粒度分布計を用いて、得られた釉薬スラリー
の粒径を測定したところ、10μm以下が98%、50
%平均粒径(D50)が1.2μmであった。
調製した衛生陶器素地泥漿を用いて、70×150mm
の板状成形体を作製した。この板状成形体上に、上記の
釉薬をスプレーコーティング法により塗布し、1100
〜1200℃で焼成することにより試料を得た。
定器(JIS−B0651)を用い、中心線表面粗さR
a(JIS−B0601)を測定した。その結果、Ra
=0.02μmであった。また、原子間力顕微鏡(AF
M;Digital Instruments製、Na
no ScopeIII)を用いて、100×100μ
m範囲の表面粗さを測定したところ、Ra=4.3nm
であった。
拡大図は図3に通りであった。また、走査型電子顕微鏡
による、表面の反射電子像による凹凸像は図8(a)
に、組成像は図8(b)に示されるとおりであった。さ
らに、原子間力顕微鏡(AFM)観察により得られた表
面の拡大図は図11に示される通りであった。
行った。その結果は以下の通りであった。 試験1:水との接触角は20゜であった。 試験2:水滴下約30秒後にマジックが水面に浮き上が
り、試料を傾けると水とともに洗い流され、表面のマジ
ックは全て無くなった。 試験3:水没後35秒後にサラダ油が水面に浮き上がっ
てきた。 試験4:尿石付着量は後記する比較例A1よりも少な
く、流水により一部分の付着した尿石が洗い落とされ
た。 試験5:石鹸汚れ付着量は後記する比較例A1よりも少
なく、水を含ませたスポンジでこすることにより、石鹸
汚れが落ちて元の釉薬層表面が露出した。
び顔料を除いたもの600gと、水400gおよびアル
ミナボール1kgを、容積2リットルの陶器製ポット中
に入れ、ボールミルにより約65時間粉砕して、釉薬を
得た。レーザー回折式粒度分布計を用いて、得られた釉
薬スラリーの粒径を測定したところ、10μm以下が9
8%、50%平均粒径(D50)が1.5μmであっ
た。
上記の釉薬を板状成形体上にスプレーコーティング法に
より塗布し、1100〜1200℃で焼成することによ
り試料を得た。なお、この試料の釉薬層は透明であっ
た。
に表面粗さを測定したところ、触針式ではRa=0.0
3μm、AFMではRa=3.5nmであった。
れた表面の拡大図は図12に示される通りであった。
行った。その結果は以下の通りであった。 試験1:水との接触角は15゜であった。 試験2:水滴下約20秒後にマジックが水面に浮き上が
り、試料を傾けると水とともに洗い流され、表面のマジ
ックは全て無くなった。 試験3:水没後15秒後にサラダ油が水面に浮き上がっ
てきた。 試験4:尿石付着量は後記する比較例A1よりも少な
く、流水により一部分の付着した尿石が洗い落とされ
た。 試験5:石鹸汚れ付着量は後記する比較例1よりも少な
く、水を含ませたスポンジでこすることにより、石鹸汚
れが落ちて元の釉薬層表面が露出した。
溶融し、水中で急冷してガラスフリットを得た。これを
スタンプミルにより粉砕し、得られた粉末600gと水
400gおよびアルミナボール1kgを、容積2リット
ルの陶器製ポット中に入れ、ボールミルにより約18時
間粉砕して、フリット釉を得た。レーザー回折式粒度分
布計を用いて、得られたフリット釉スラリーの粒径を測
定したところ、10μm以下が68%、50%平均粒径
(D50)が6.0μmであった。 次に、実施例A1
と同様の板状成形体に上記のフリット釉をスプレーコー
ティング法により塗布し、1100〜1200℃で焼成
することにより試料を得た。 得られた試料について、
実施例A1と同様に表面粗さを測定したところ、触針式
ではRa=0.03μm、AFMではRa=4.0nm
であった。
拡大図は図4に示される通りであった。また、原子間力
顕微鏡(AFM)観察により得られた表面の拡大図は図
13に示される通りであった。
行った。その結果は以下の通りであった。 試験1:水との接触角は20゜であった。 試験2:水滴下約25秒後にマジックが水面に浮き上が
り、試料を傾けると水とともに洗い流され、表面のマジ
ックは全て無くなった。 試験3:水没後20秒後にサラダ油が水面に浮き上がっ
てきた。 試験4:尿石付着量は後記する比較例A1よりも少な
く、流水により一部分の付着した尿石が洗い落とされ
た。 試験5:石鹸汚れ付着量は後記する比較例A1よりも少
なく、水を含ませたスポンジでこすることにより、石鹸
汚れが落ちて元の釉薬層表面が露出した。
リー70重量部と、実施例A1で得た微粒化釉薬(D5
0=1.2μm)スラリー30重量部とを混合して混合
釉薬を得た。レーザー回折式粒度分布計を用いて、この
混合釉薬スラリーの粒径を測定したところ、10μm以
下が57%、50%平均粒径(D50)が6.3μmで
あった。
記の釉薬スラリーを板状成形体上にスプレーコーティン
グ法により塗布し、1100〜1200℃で焼成するこ
とにより試料を得た。
に表面粗さを測定したところ、表面粗さは触針式ではR
a=0.02μm、AFMではRa=4.7nmであっ
た。得られた試料について、上記試験1〜5を行った。
その結果は以下の通りであった。 試験1:水との接触角は20゜であった。 試験2:水滴下約20秒後にマジックが水面に浮き上が
り、試料を傾けると水とともに洗い流され、表面のマジ
ックは全て無くなった。 試験3:水没後20秒後にサラダ油が水面に浮き上がっ
てきた。 試験4:尿石付着量は後記する比較例A1よりも少な
く、流水により一部分の付着した尿石が洗い落とされ
た。 試験5:石鹸汚れ付着量は後記する比較例A1よりも少
なく、水を含ませたスポンジでこすることにより、石鹸
汚れが落ちて元の釉薬層表面が露出した。
6リットルの陶器製ポット中に入れ、ボールミルにより
約18時間粉砕して、釉薬を得た。レーザー回折式粒度
分布計を用いて、得られた釉薬スラリーの粒径を測定し
たところ、10μm以下が65%、50%平均粒径(D
50)が6.2μmであった。
まず、下層として上記釉薬をスプレーコーティングし、
続いて、上層として実施例A3のフリット釉をスプレー
コーティングした。その後、1100〜1200℃で焼
成することにより試料を得た。 得られた試料につい
て、実施例A1と同様に表面粗さを測定したところ、触
針式ではRa=0.03μm、AFMではRa=3.8
nmであった。
れた表面の拡大図は図14に示される通りであった。
行った。その結果は以下の通りであった。 試験1:水との接触角は20°であった。 試験2:水滴下後約20秒後にマジックが水面に浮き上
がり、試料を傾けると水とともに洗い流され、表面のマ
ジックは全て無くなった。 試験3:水没後20秒後にサラダ油が水面に浮き上がっ
てきた。 試験4:尿石付着量は後記する比較例A1よりも少な
く、流水により一部分の付着した尿石が洗い落とされ
た。 試験5:石鹸汚れ付着量は後記する比較例A1よりも少
なく、水を含ませたスポンジでこすることにより、石鹸
汚れが落ちて元の釉薬層表面が露出した。
炉を用いて1300〜1450℃にて溶融し、水中で急
冷してガラスフリットを得た。これを、スタンプミルに
より粉砕し、得られた粉末600gと水400gおよび
アルミナボール1kgを、容積2リットルの陶器製ポッ
ト中に入れ、ボールミルにより約18時間粉砕して、フ
リット釉を得た。レーザー回折式粒度分布計を用いて、
得られたフリット釉スラリーの粒径を測定したところ、
10μm以下が68%、50%平均粒径(D50)が
6.0μmであった。
下層として実施例A5の釉薬スラリーをスプレーコーテ
ィングし、続いて、上層として上記フリット釉スラリー
をスプレーコーティングした後、1100〜1200℃
で焼成することにより試料を得た。
に表面粗さを測定したところ、触針式ではRa=0.0
5μmであった。触針式表面粗さ測定器より得られた表
面の拡大図は図5に示される通りであった。
行った。その結果は以下の通りであった。 試験1:水との接触角は16°であった。 試験2:水滴下後約30秒後にマジックが水面に浮き上
がり、試料を傾けると水とともに洗い流され、表面のマ
ジックは全て無くなった。 試験3:水没後25秒後にサラダ油が水面に浮き上がっ
てきた。 試験4:尿石付着量は後記する比較例A1よりも少な
く、流水により一部分の付着した尿石が洗い落とされ
た。 試験5:石鹸汚れ付着量は後記する比較例A1よりも少
なく、水を含ませたスポンジでこすることにより、石鹸
汚れが落ちて元の釉薬層表面が露出した。
ラリー80重量部と、実施例A2で得た乳濁剤と顔料を
含まない釉薬(D50=6.5μm)スラリー20重量
部とを混合して、混合釉薬を得た。レーザー回折式粒度
分布計を用いて、この混合釉薬スラリーの粒径を測定し
たところ、10μm以下が57%、50%平均粒径(D
50)が6.3μmであった。
下層として実施例A5の釉薬スラリーをスプレーコーテ
ィングし、続いて、上層として上記混合釉薬スラリーを
スプレーコーティングした後、1100〜1200℃で
焼成することにより試料を得た。
に表面粗さを測定したところ、触針式ではRa=0.0
6μmであった。触針式表面粗さ測定器より得られた表
面の拡大図は図6に示される通りであった。
行った。その結果は以下の通りであった。 試験1:水との接触角果は19°であった。 試験2:水滴下後約30秒後にマジックが水面に浮き上
がり、試料を傾けると水とともに洗い流され、表面のマ
ジックは全て無くなった。 試験3:水没後30秒後にサラダ油が水面に浮き上がっ
てきた。 試験4:尿石付着量は後記する比較例A1よりも少な
く、流水により一部分の付着した尿石が洗い落とされ
た。 試験5:石鹸汚れ付着量は後記する比較例A1よりも少
なく、水を含ませたスポンジでこすることにより、石鹸
汚れが落ちて元の釉薬層表面が露出した。
体にスプレーコーティング法により塗布し、1100〜
1200℃で焼成することにより試料を得た。得られた
試料について、実施例A1と同様に表面粗さを測定した
ところ、触針式ではRa=0.10μm、AFMではR
a=18.0nmであった。
拡大図は図1に示される通りであった。また、走査型電
子顕微鏡による、表面の反射電子像による凹凸像は図7
(a)に、組成像は図7(b)に示す。また、原子間力
顕微鏡(AFM)観察により得られた表面の拡大図は図
9に示される通りであった。
行った。その結果は以下の通りであった。 試験1:水との接触角は30゜であった。 試験2:マジックは水面に浮き上がらず、試料を傾けて
も表面に残ったままであった。 試験3:水没後50秒後にサラダ油が水面に浮き上がっ
てきた。 試験4:試験片の釉薬層表面には、大量の尿石が付着し
ており、流水を用いても除去することはできなかった。 試験5:試験片の釉薬層表面には、ほぼ全面に石鹸汚れ
が付着しており、水を含ませたスポンジたわしを用いて
表面をこすったが、石鹸汚れはなかなか落ちなかった。
て、実施例A1と同様に表面粗さを測定したところ、触
針式ではRa=0.07μm、AFMではRa=10.
4nmであった。
拡大図は図2に示される通りであった。また、原子間力
顕微鏡(AFM)観察により得られた表面の拡大図は図
10に示される通りであった。
〜3を行った。その結果は以下の通りであった。 試験1:水との接触角は50゜であった。 試験2:水滴下後もマジックは水面に浮き上がらず、試
料を傾けても表面に残ったままであった。 試験3:水没後120秒後にサラダ油が水面に浮き上が
ってきた。
1kgを、容積2リットルの陶器製ポット中に入れ、ボ
ールミルにより約65時間粉砕して、釉薬を得た。レー
ザー回折式粒度分布計を用いて、得られた釉薬スラリー
の粒径を測定したところ、10μm以下が98%、50
%平均粒径(D50)が1.2μmであった。
調整した衛生陶器素地泥漿を用いて、70mm×150
mmの板状試験片を作製した。この板状試験片上に、上
記の釉薬をスプレーコーティング法により塗布し、11
00〜1200℃で焼成することにより試料を得た。得
られた試料の釉薬色は、パステルアイボリー(#SC
1)である。
沢度の測定を行った。表面のクルトシスRkuは触針式
表面粗さ測定器(JIS−B0651)を用いて測定し
た。その結果、クルトシスRku=2.00であった。
また、光沢度は鏡面光沢度測定法(JIS−Z874
1)に従い、60度鏡面光沢度Gs(60゜)を測定し
た。その結果、Gs(60゜)=102.0であった。
溶融し、水中で急冷してガラスフリットを得た。これ
を、スタンプミルにより粉砕し、得られた粉末600g
と水400gおよびアルミナボール1kgを、容積2リ
ットルの陶器製ポット中に入れ、ボールミルにより約1
8時間粉砕して、フリット釉を得た。レーザー回折式粒
度分布計を用いて、得られたフリット釉スラリーの粒径
を測定したところ、10μm以下が68%、50%平均
粒径(D50)が6.0μmであった。
記のフリット釉をスプレーコーティング法により塗布
し、1100〜1200℃で焼成することにより試料を
得た。得られた試料の釉薬色は、パステルアイボリー
(#SC1)である。
に評価したところ、表面のクルトシスRku=1.90
であった。また、60度鏡面光沢度Gs(60゜)=1
06.0であった。
6リットルの陶器製ポット中に入れ、ボールミルにより
約18時間粉砕して、釉薬を得た。レーザー回折式粒度
分布計を用いて、得られた釉薬スラリーの粒径を測定し
たところ、10μm以下が65%、50%平均粒径(D
50)が6.2μmであった。
記の釉薬スラリーをスプレーコーティング法により塗布
し、1100〜1200℃で焼成することにより試料を
得た。 なお、得られた試料の釉薬色は、パステルアイ
ボリー(#SC1)である。
に評価したところ、表面のクルトシスRku=3.04
であった。また、60度鏡面光沢度Gs(60゜)=9
5.0であった。
て、実施例B1と同様に表面粗さを測定したところ、表
面のクルトシスRku=2.70であった。また、60
度鏡面光沢度Gs(60゜)=98.0であった。
と、図15に示される通りであった。図中は、Aは実施
例B1、B2は実施例B2、Cは比較例B1、そしてD
は比較例B2を表す。この図から、表面のクルトシスR
kuの値が小さくなるとともに光沢度Gs(60゜)の
値が大きくなっており、負の相関性が認められる。さら
に、Rkuの値を2.70未満とすることによってGs
(60゜)が100以上の高い光沢度を有する釉薬層表
面を得ることが出来る。
以下の通りとした。
水溶液中に浸漬して、全体を70℃に加熱し24時間放
置した。その後、水溶液から試験片を取り出して流水で
洗浄し、浸漬の前後における釉薬表面を走査型電子顕微
鏡(SEM;日立製作所、S−800)により観察す
る。
針式表面粗さ測定器を用いておこなった。
尿約2リットルを大便器のボール内に入れ、座面を密閉
して常温で一週間放置した。なお、以下の全ての実施例
および比較例において、希釈直後および大便器ボール内
で一週間放置した後の尿の25℃におけるpHをpHメ
ーター(堀場製作所製pHメーターM−12)により測
定したところ、それぞれ6.5および8.5であった。
ットルの水道水(通常の便器タンクによる洗浄水量に相
当する)でボール内を流水洗浄し、室温で乾燥させた。
その後、ヘルステック製歯垢染色ジェル「DENTCL
UB」の希釈溶液をボール内にスプレーし、赤色の強弱
で尿石付着量を評価した。この歯垢染色ジェルを用いる
と、尿石付着の多い部分は強く赤色に染まり、尿石の無
い部分には色が着かない。そのため、目視により尿石付
着量を評価することが可能となる。
溶融し、水中で急冷してガラスフリットを得た。これを
スタンプミルにて粉砕し、得られた粉末250gと水1
70gおよび球石1kgを容積2リットルの陶器製ポッ
トに入れ、ボールミルにより約18時間粉砕することに
よりフリット釉薬スラリーを得た。
調製した衛生陶器素地泥漿を用いて、70×150mm
の板状試験片を作製した。この板状試験片上に、上記の
釉薬をスプレーコーティング法により塗布し、1100
〜1200℃で焼成することにより試料を得た。
行った。試験前の釉薬表面は非常に平滑でありシリカ粒
子は全く存在しなかった。さらに、耐アルカリ試験後の
釉薬表面はZrO2の欠落は見られるが凹凸は小さく、
平滑であった。
0.02μm、耐アルカリ試験後がRa=0.04μm
であった。
た。得られた大便器について尿石付着試験を行った。ボ
ール内に歯垢染色ジェルの希釈溶液をスプレーしたとこ
ろ希釈尿喫水部および浸漬部は薄く赤色に染まったが、
後記する比較例C1と比較すると明らかにその色が薄
く、尿石付着量が少なかった。
積6リットルの陶器製ポット中に入れ、ボールミルによ
り約18時間粉砕して釉薬を得た。レーザー回折式粒度
分布計を用いて、得られた釉薬スラリーの粒径を測定し
たところ、10μm以下が65%、50%平均粒径(D
50)が5.8μm、90%平均粒径(D90)が2
3.3μmであった。
るZrO2と顔料とを除いた釉薬基材を、電気炉を用い
て1400〜1550℃にて溶融し、水中で急冷してガ
ラスフリットを得た。これをスタンプミルにて粉砕し、
得られた粉末250gと水170gおよび球石1kgを
容積2リットルの陶器製ポットに入れ、ボールミルによ
り約18時間粉砕することにより、透明フリット釉薬ス
ラリーを得た。
上記の釉薬スラリーをスプレーコーティング法により塗
布し、さらにその上に上記透明フリット釉薬スラリーを
スプレーコーティング法により塗布し、1100〜12
00℃で焼成することにより試料を得た。
行った。走査型電子顕微鏡(SEM;日立製作所、S−
800)により観察した試験前の釉薬表面のSEM写
真、および試験後の釉薬表面のSEM写真は図18およ
び図19に示される通りであった。これら写真より、耐
アルカリ試験前の釉薬表面は非常に平滑であり、シリカ
粒子は全く存在せず、さらに、耐アルカリ試験後の釉薬
表面も試験前とほとんど変わらず、平滑でああることが
わかる。
0.02μm、耐アルカリ試験後がRa=0.03μm
であった。
た。得られた大便器について尿石付着試験を行いった。
ボール内に歯垢染色ジェルの希釈溶液をスプレーしたと
ころ、希釈尿喫水部および浸漬部は薄く赤色に染まった
が、後記する比較例C2のサンプルと比較すると明らか
にその色が薄く、尿石付着量が少なかった。
kgを、容積6リットルの陶器製ポット中に入れ、ボー
ルミルにより約36時間粉砕して釉薬を得た。レーザー
回折式粒度分布計を用いて、得られた釉薬スラリーの粒
径を測定したところ、10μm以下が90%、50%平
均粒径(D50)が3.3μm、90%平均粒径(D9
0)が9.9μmであった。
上記の釉薬をスプレーコーティング法により塗布し、1
100〜1200℃で焼成することにより試料を得た。
行った。試験前の釉薬表面は、後記する比較例C1と比
べてシリカ粒子が少なくかつ小さく、10μm以上のシ
リカ粒子は存在せず、非常に平滑であった。耐アルカリ
試験後の釉薬表面はクラックの発生した部分は非常に少
なく、平滑であった。
0.03μm、耐アルカリ試験後がRa=0.10μm
であった。
た。得られた大便器について尿石付着試験を行った。ボ
ール内に歯垢染色ジェルの希釈溶液をスプレーしたとこ
ろ、希釈尿喫水部および浸漬部は薄く赤色に染まった
が、後記する比較例C1のサンプルと比較すると明らか
にその色が薄く、尿石付着量が少なかった。
積6リットルの陶器製ポット中に入れ、ボールミルによ
り約18時間粉砕して、釉薬を得た。レーザー回折式粒
度分布計を用いて、得られた釉薬スラリーの粒径を測定
したところ、10μm以下が65%、50%平均粒径
(D50)が5.8μm、90%平均粒径(D90)が
23.3μmであった。
るZrO2と顔料とを除いた釉薬基材2kgと水1kg
およびアルミナボール4kgを、容積6リットルの陶器
製ポット中に入れ、ボールミルにより約60時間粉砕す
ることにより、10μm以下が100%、D50が1.
7μm、D90が3.8μmの微粉砕透明釉薬スラリー
を得た。
上記の釉薬スラリーをスプレーコーティング法により塗
布し、さらにその上に上記の微粉砕透明釉薬スラリーを
スプレーコーティング法により塗布し、1100〜12
00℃で焼成することにより試料を得た。
行った。試験前の釉薬表面は非常に平滑であり、シリカ
粒子は全く存在しなかった。さらに、耐アルカリ試験後
の釉薬表面は試験前とほとんど変わらず平滑であった。
0.03μm、耐アルカリ試験後がRa=0.04μm
であった。
た。得られた大便器について尿石付着試験を行った。ボ
ール内に歯垢染色ジェルの希釈溶液をスプレーしたとこ
ろ、希釈尿喫水部および浸漬部は薄く赤色に染まった
が、後記する比較例C2のサンプルと比較すると明らか
にその色が薄く、尿石付着量が少なかった。
の長石原料とを除いた釉薬原料2kgと水1kgおよび
アルミナボール4kgを、容積6リットルの陶器製ポッ
ト中に入れ、ボールミルにより約18時間粉砕して、釉
薬を得た。レーザー回折式粒度分布計を用いて、得られ
た釉薬スラリーの粒径を測定したところ、10μm以下
が99%、50%平均粒径(D50)が2.2μm、9
0%平均粒径(D90)が5.1μmであった。
の長石原料200gと水300gおよびアルミナボール
1.2kgを、容積6リットルの陶器製ポットの中に入
れ、ボールミルにより約40時間粉砕して、10μm以
下が98%、D50が2.4μm、D90が5.5μm
のシリカスラリーを得た。
を重量比4:6の割合で混合して、10μm以下が99
%、D50が2.3μm、D90が5.3μmの混合釉
薬を得た。
上記の混合釉薬をスプレーコーティング法により塗布
し、1100〜1200℃で焼成することにより試料を
得た。得られた試料について、耐アルカリ試験を行っ
た。試験前の釉薬表面は非常に平滑であり、10μmよ
り大きなシリカ粒子は全く存在しなかった。さらに耐ア
ルカリ試験後の釉薬表面は、クラックの発生した10μ
m以下のシリカ粒子がわずかに存在するだけで、試験前
とほとんど変わらず平滑であった。
0.04μm、耐アルカリ試験後がRa=0.11μm
であった。
た。得られた大便器について尿石付着試験を行った。ボ
ール内に歯垢染色ジェルの希釈溶液をスプレーしたとこ
ろ、希釈尿喫水部および浸漬部は薄く赤色に染まった
が、後記する比較例C1のサンプルと比較すると明らか
にその色が薄く、尿石付着量が少ないことが分かった。
6リットルの陶器製ポット中に入れ、ボールミルにより
約18時間粉砕して、釉薬を得た。レーザー回折式粒度
分布計を用いて、粉砕後に得られた釉薬スラリーの粒径
を測定したところ、10μm以下が65%、50%平均
粒径(D50)が5.8μm、90%平均粒径(D9
0)が23.3μmであった。
あるZrO2と、顔料と、シリカ粒子の原料となるケイ
砂と、市販の長石原料とを除いた釉薬基材2kgと水1
kgおよびアルミナボール4kgを容積6リットルの陶
器製ポット中に入れ、ボールミルにより約18時間粉砕
して、10μm以下が97%、D50が2.3μm、D
90が5.0μmの透明釉薬スラリーを得た。
長石200gと水300gおよびアルミナボール1.2
kgを、容積6リットルの陶器製ポットの中に入れ、ボ
ールミルにより約40時間粉砕して、10μm以下が9
8%、D50が2.4μm、D90が5.5μmのシリ
カスラリーを得た。
ーとを重量比4:6の割合で混合して、10μm以下が
98%、D50が2.4μm、D90が5.3μmの透
明混合釉薬スラリーを得た。
上記の釉薬スラリーをスプレーコーティング法により塗
布し、さらにその上に透明混合釉薬スラリーをスプレー
コーティング法により塗布し、1100〜1200℃で
焼成することにより試料を得た。
行った。試験前の釉薬表面は非常に平滑であり、10μ
mより大きなシリカ粒子は全く存在しなかった。さらに
耐アルカリ試験後の釉薬表面は、クラックの発生した1
0μm以下のシリカ粒子がわずかに存在するだけで、試
験前とほとんど変わらず平滑であった。
0.04μm、耐アルカリ試験後がRa=0.05μm
であった。
た。得られた大便器について尿石付着試験を行った。ボ
ール内に歯垢染色ジェルの希釈溶液をスプレーしたとこ
ろ、希釈尿喫水部および浸漬部は薄く赤色に染まった
が、後記する比較例C2のサンプルと比較すると明らか
にその色が薄く、尿石付着量が少ないことが分かった。
溶融し、水中で急冷してガラスフリットを得た。これを
スタンプミルにて粉砕し、得られた粉末250gと水1
70gおよび球石1kgを容積2リットルの陶器製ポッ
トに入れ、ボールミルにより約18時間粉砕することに
より、フリット釉薬スラリーを得た。
gおよびアルミナボール4kgを、容積6リットルの陶
器製ポット中に入れ、ボールミルにより約36時間粉砕
して、10μm以下が90%、D50が3.3μm、D
90が9.9μmの微粉砕釉薬スラリーを得た。
薬スラリーとを重量比8:2の割合で混合して、10μ
m以下が76%、D50が4.0μm、D90が15.
9μmの混合釉薬を得た。
上記の混合釉薬を板状試験片にスプレーコーティング法
により塗布し、1100〜1200℃で焼成することに
より試料を得た。
行った。試験前の釉薬表面は非常に平滑であり、10μ
mより大きなシリカ粒子は全く存在しなかった。また、
後記する比較例C1に比べてシリカ粒子の数も少なくか
つ小さかった。耐アルカリ試験後の釉薬表面は、シリカ
粒子の周囲に発生したクラックも少なく、試験前とほと
んど変わらず平滑であった。
0.05μm、耐アルカリ試験後がRa=0.10μm
であった。
た。得られた大便器について尿石付着試験を行った。ボ
ール内に歯垢染色ジェルの希釈溶液をスプレーしたとこ
ろ、希釈尿喫水部および浸漬部は薄く赤色に染まった
が、後記する比較例C1のサンプルと比較すると明らか
にその色が薄く、尿石付着量が少ないことが分かった。
6リットルの陶器製ポット中に入れ、ボールミルにより
約18時間粉砕して釉薬をえた。レーザー回折式粒度分
布計を用いて、粉砕後に得られた釉薬スラリーの粒径を
測定したところ、10μm以下が65%、50%平均粒
径(D50)が5.8μm、90%平均粒径(D90)
が23.3μmであった。
るZrO2と顔料とを除いた釉薬原料を、電気炉を用い
て1400〜1550℃にて溶融し、水中で急冷してガ
ラスフリットを得た。これをスタンプミルにて粉砕し、
得られた粉末1.6kgと、釉薬原料Aから乳濁剤であ
るZrO2と顔料とを除いた釉薬基材0.4kgと水
1kgおよび球石4kgを容積6リットルの陶器製ポッ
トに入れ、ボールミルにより約36時間粉砕することに
より透明混合釉薬スラリーを得た。
上記の釉薬スラリーをスプレーコーティング法により塗
布し、さらにその上に上記透明混合釉薬スラリーをスプ
レーコーティング法により塗布し、1100〜1200
℃で焼成することにより試料を得た。
行った。試験前の釉薬表面は非常に平滑であり、10μ
mより大きなシリカ粒子は全く存在しなかった。また、
後記する比較例C2に比べてシリカ粒子の数も少なくか
つ小さかった。耐アルカリ試験後の釉薬表面はシリカ粒
子の周囲に発生したクラックも少なく、試験前とほとん
ど変わらず平滑であった。
0.04μm、耐アルカリ試験後がRa=0.06μm
であった。
た。得られた大便器について尿石付着試験を行った。ボ
ール内に歯垢染色ジェルの希釈溶液をスプレーしたとこ
ろ、希釈尿喫水部および浸漬部は薄く赤色に染まった
が、後記する比較例C2のサンプルと比較すると明らか
にその色が薄く、尿石付着量が少なかった。
6リットルの陶器製ポット中に入れ、ボールミルにより
約18時間粉砕して釉薬を得た。レーザー回折式粒度分
布計を用いて、粉砕後に得られた釉薬スラリーの粒径を
測定したところ、10μm以下が65%、50%平均粒
径(D50)が5.8μm、90%平均粒径(D90)
が23.3μmであった。
して混入したケイ砂1.2kgと、市販の長石原料0.
8kgとを、水1kgおよび球石4kgとともに、容積
6リットルの陶器製ポットの中に入れ、ボールミルによ
り約18時間粉砕した。粉砕物のD50は9.3μmで
あった。このことから、上記の釉薬中のケイ砂および市
販の長石原料もD50が10μm前後に粉砕されている
と推察された。
上記の釉薬をスプレーコーティング法により塗布し、1
100〜1200℃で焼成することにより試料を得た。
行った。試験前後の釉薬表面を走査型電子顕微鏡(SE
M;日立製作所、S−800)により観察した。耐アル
カリ試験前の釉薬表面には多くのシリカ粒子が存在して
いるため凹部となっていた。さらに、耐アルカリ試験後
の釉薬表面は、前記シリカ粒子の周囲にクラックが発生
し、シリカ粒子ごと欠落して凹凸が大きくなっていた。
0.10μm、耐アルカリ試験後がRa=0.25μm
であった。
た。得られた大便器について尿石付着試験を行った。ボ
ール内に歯垢染色ジェルの希釈溶液をスプレーしたとこ
ろ、ボール内の希釈尿喫水部および浸漬部が強く赤色に
染まり、大量の尿石が付着していることが分かった。
6リットルの陶器製ポット中に入れ、ボールミルにより
約18時間粉砕して釉薬をえた。レーザー回折式粒度分
布計を用いて、粉砕後に得られた釉薬スラリーの粒径を
測定したところ、10μm以下が65%、50%平均粒
径(D50)が5.8μm、90%平均粒径(D90)
が23.3μmであった。
あるZrO2と顔料とを除いた釉薬原料2kgと水1k
gおよび球石4kgを容積6リットルの陶器製ポットに
入れ、ボールミルにより約18時間粉砕して、10μm
以下が63%、D50が6.0μm、D90が25.4
μmの透明釉薬スラリーを得た。
上記の釉薬スラリーをスプレーコーティング法により塗
布し、さらにその上に上記の透明釉薬スラリーをスプレ
ーコーティング法により塗布し、1100〜1200℃
で焼成することにより試料を得た。
行った。試験前の釉薬表面のSEM写真、および試験後
の釉薬表面のSEM写真は、それぞれ図16および図1
7に示される通りであった。これら写真から、耐アルカ
リ試験前の釉薬表面には、多くのシリカ粒子(濃暗部)
が存在に起因する凹部の存在が確認出来る。さらに、耐
アルカリ試験後の釉薬表面は、前記シリカ粒子の周囲に
クラックが発生し、シリカ粒子ごと欠落して凹凸が大き
くなっていることがわかる。
0.08μm、耐アルカリ試験後がRa=0.10μm
であった。
た。得られた大便器について尿石付着試験を行った。ボ
ール内に歯垢染色ジェルの希釈溶液をスプレーしたとこ
ろ、ボール内の希釈尿喫水部および浸漬部が強く赤色に
染まり、大量の尿石が付着していることが分かった。
6リットルの陶器製ポット中に入れ、ボールミルにより
約18時間粉砕して、着色性釉薬を得た。レーザー回折
式粒度分布計を用いて、得られた着色性釉薬スラリーの
粒径を測定したところ、10μm以下が65%、50%
平均粒径(D50)が5.8μmであった。
るZrO2と顔料とを除いた釉薬原料を、電気炉を用い
て1300〜1500℃にて溶融し、水中で急冷してガ
ラスフリットを得た。釉薬原料Aから乳濁剤であるZr
O2と顔料とを除いた釉薬原 料と前記フリット釉薬
と、水および球石を陶器製ポットに入れ、粒径10μm
以下の割合が64±2%になるまでボールミルで粉砕し
て、透明性混合釉薬スラリーを得た。なお、透明性混合
釉薬スラリー中の釉薬原料とフリット釉薬の混合割合は
下記の表中にあるようにした。
調製した衛生陶器素地泥漿を用いて、70×150mm
の板状試験片を作製した。この板状試験片に上記着色性
釉薬スラリーをスプレーコーティング法により塗布し、
さらにその上に上記透明性混合釉薬スラリーをスプレー
コーティング法により塗布し、1100〜1200℃で
焼成することにより試料を得た。
ものと同様の耐アルカリ試験を行った。実施例D4(釉
薬原料:フリット釉薬が20:80)の試料の耐アルカ
リ試験前の釉薬層表面は、図22に示される通りであっ
た。乳濁剤を含まないことに加え、シリカ粒子がほとん
ど存在しない、その表面は後記する比較例D6より非常
に平滑であった。他の試料はフリット釉薬の割合が多い
ほどシリカ粒子が少なく、平滑であった。さらに、実施
例D4の試料の耐アルカリ試験後の釉薬表面は、図23
に示される通りであった。シリカ粒子の欠落による凹凸
は観察されず、平滑性を維持していた。他の試料はフリ
ット釉薬の割合が多いほどシリカ粒子の周囲に発生した
クラックも少なく、平滑性に優れていた。
通りであった。
光沢を、光沢度計(ミノルタ、GM−060)で測定
し、光沢維持率(=[耐アルカリ試験後の光沢度]/
[耐アルカリ試験前の光沢度])で表した。その結果
は、下記の表に示される通りであった。
この大便器について、実施例Cと同様の尿石付着試験を
行った。その結果、下記の表に示される通りであった。
表中、○は尿石付着量が後記する比較例D6よりも極め
て少ないことを、×は後記する比較例D6よりは少ない
が、比較的多くの尿石が付着したことを、−は試験して
いないことを示す。
6リットルの陶器製ポット中に入れ、ボールミルにより
約18時間粉砕して、釉薬を得た。レーザー回折式粒度
分布計を用いて、得られた釉薬スラリーの粒径を測定し
たところ、10μm以下が65%、50%平均粒径(D
50)が5.8μmであった。
記の釉薬を板状試験片にスプレーコーティング法により
塗布し、1100〜1200℃で焼成することにより試
料を得た。
行った。試験前の釉薬表面の操作型顕微鏡写真は図20
に示される通りであった。すなわち、乳濁剤(白色部)と
シリカ粒子(濃暗部)が存在し、凹凸を形成していた。さ
らに、試験後の釉薬表面の顕微鏡写真は図21に示され
る通りであり、前記シリカ粒子の周囲にクラックが発生
し、シリカ粒子ごと欠落して凹凸が大きくなっていた。
の表面粗さはRa=0.10μm、耐アルカリ試験後の
表面粗さはRa=0.25μmであった。
3.2%と半分以下になった。
尿石が付着して、流水を用いても除去することはできな
かった。
(JIS−B0651)により測定した陶磁器表面の状
態を示す図である。図中、1は中心線を、2は釉薬層表
面の拡大図を示す。以下、図6まで同じ。
(JIS−B0651)により測定した陶磁器表面の状
態を示す図である。
(JIS−B0651)により測定した陶磁器表面の状
態を示す図である。
(JIS−B0651)により測定した陶磁器表面の状
態を示す図である。
(JIS−B0651)により測定した陶磁器表面の状
態を示す図である。
(JIS−B0651)により測定した陶磁器表面の状
態を示す図。
による反射電子像写真であり、(a)は表面の凹凸像で
あり、(b)は表面の組成像である。
による反射電子像写真であり、(a)は表面の凹凸像で
あり、(b)は表面の組成像である。
A1の表面の状態を示す図である
較例A2の表面の状態を示す図である。
施例A1の表面の状態を示す図である。
施例A2の表面の状態を示す図である。
施例A3の表面の状態を示す図である。
施例A5の表面の状態を示す図である。
示されたクルトシスRkuと光沢度Gs(60゜)の関
係を示すグラフである。
試験前の釉薬表面の走査型電子顕微鏡による反射電子像
である。
試験後の釉薬表面の走査型電子顕微鏡による反射電子像
である。
試験前の釉薬表面の走査型電子顕微鏡による反射電子像
である。
試験後の釉薬表面の走査型電子顕微鏡による反射電子像
である。
試験前の釉薬表面の走査型電子顕微鏡による反射電子像
である。
試験後の釉薬表面の走査型電子顕微鏡による反射電子像
である。
試験前の釉薬表面の走査型電子顕微鏡による反射電子像
である。
試験後の釉薬表面の走査型電子顕微鏡による反射電子像
である。
年)に準拠した触針式表面粗さ測定装置の概略図であ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】陶器素地上に表面釉薬層を形成した衛生陶
器であって、前記陶器素地と前記表面釉薬層との間に、
さらに釉薬層が設けられてなる、衛生陶器。
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