JP2000178089A - 陶磁器及びその製造方法 - Google Patents

陶磁器及びその製造方法

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JP2000178089A
JP2000178089A JP6547599A JP6547599A JP2000178089A JP 2000178089 A JP2000178089 A JP 2000178089A JP 6547599 A JP6547599 A JP 6547599A JP 6547599 A JP6547599 A JP 6547599A JP 2000178089 A JP2000178089 A JP 2000178089A
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glaze
raw material
ceramic
glaze layer
layer
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JP6547599A
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English (en)
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Mitsuyoshi Machida
町田  光義
Hirotaka Ishibashi
弘孝 石橋
Tomoyasu Ichiki
智康 一木
Masaaki Ito
正昭 伊藤
Masami Ando
正美 安藤
Koichi Hayashi
浩一 林
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 汚れが付着しにくく、かつ汚れが付着しても
流水により簡単に汚れが除去される陶磁器の提供。 【解決手段】 陶磁器素地表面に釉薬層を形成した陶磁
器であって、前記層表面の表面粗さRaが触針式表面粗
さ測定装置(JIS−B0651)により、0.07μ
m未満であることを特徴とする陶磁器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイル、食器、陶
板等の陶磁器全般に関する。
【0002】
【従来の技術】陶磁器の表面を衛生的に清浄に保つこ
と、及び長期に渡って美観を高く保つことは、陶磁器が
一般的に生活用品として広く使用されていることから必
要とされる特性である。古くより一般家庭において、陶
磁器表面を衛生的に清浄に保ち、美観を高く保つための
方法として、界面活性剤、酸、アルカリ等の洗剤をタワ
シやブラシに付けて強く陶磁器表面をこすり、洗剤によ
る化学的な汚れ除去と、タワシやブラシでこすることに
よる物理的除去を併用する方法が採られてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法によれば、汚れが付着する度に、タワシやブラシでこ
するという労働が要求される。特に、老齢者において、
かかる労働が毎回要求されるのは大変である。さらに、
近年上記界面活性剤が含有される家庭排水の垂れ流しに
よる河川の汚染が問題となっている。
【0004】そこで、本発明の目的は、界面活性剤を使
用せず、かつタワシやブラシで強くこすらなくても、陶
磁器表面の汚れを、例えば流水程度で簡単に除去できる
ようにした陶磁器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】陶磁器表面を、界面活性
剤を使用せず、かつタワシやブラシで強くこすることな
く、衛生的に清浄に保ち、美観を高く保つ方法には、大
別して2つの方法がある。1つの方法は、化学的に汚れ
の付着しにくい陶磁器表面を形成する方法であり、従来
より、(1)陶磁器表面を荒らしておいて、その後に前
記表面上にフッ素樹脂を被覆する方法や、(2)陶磁器
表面にフルオロアルキル基を含有するシロキサン樹脂を
被覆する方法により、表面エネルギーを低めるフルオロ
基を表面に露出させて、汚れを付着しにくくさせる方法
が提案されている。この方法では、フルオロ基含有物の
耐熱性が400度以下程度であるために、陶磁器の焼成
前に前記樹脂で被覆できず、そのために陶磁器焼成後に
改めて被覆させ、さらに前記樹脂を硬化させるために加
熱させる工程を必要とする。そのため、工数が増加して
製造コスト高となるものの、原理的には優れた方法とい
える。
【0006】他の方法は、物理的に汚れの付着しにくい
陶磁器表面を形成する方法であり、表面をできるだけ滑
らかにすることにより汚れの陶磁器表面への強固な付着
を防止し、流水程度の簡単な洗浄により汚れを除去させ
る方法である。この方法は古くから提案されていたもの
の、従来の陶磁器では、充分に平滑ではなかった。その
ために汚れが徐々に凹凸に付着して、例えば長期間使用
した浴室タイル等に汚れが堆積する等の原因となってい
た。
【0007】本発明者は、陶磁器製造工程に関する鋭意
研究の結果、表面粗さがRaで0.07μm未満である
陶磁器を初めて開発した。その製造上のポイントは、陶
磁器の最表面を形成する釉薬の原料として、(1)レー
ザー回折法による粒度分布測定での50%粒径(D5
0)が1.5μmの原料を使用する。または、(2)予
めガラス化された釉薬原料を使用する。または、(3)
予めガラス化された釉薬原料と従来使用されている釉薬
原料(レーザー回折法による粒度分布測定での50%粒
径(D50)が6μm程度の釉薬原料)の混合物を使用
する。若しくは、(4)予めガラス化された釉薬原料と
従来より微粒の釉薬原料の混合物を使用する、ことであ
る。
【0008】
【作用】本発明では、表面に釉薬層を形成した陶磁器で
あって、前記層表面の表面粗さRaが0.07μm未
満、好ましくは0.05μm未満、より好ましくは0.
03μm未満であることを特徴とする陶磁器を提供す
る。陶磁器表面に従来にない平滑性を持たせることによ
り、汚れが強固に付着しにくくなり、その結果、たとえ
付着しても水との接触により浮き上がらせることがで
き、浮き上がった汚れが流水程度で除去されるようにな
る。以下に詳述する。従来の陶磁器では、釉薬層の表面
粗さRaは0.1μm前後であり、表面には大きな凹凸
が存在する。一方、本発明による釉薬層表面は非常に平
滑であり、僅かな凹凸しか存在しない。ここで、両表面
に同じ種類かつ同じ大きさの汚れが付着したと仮定す
る。この時、汚れと釉薬層表面の間の付着強さを比較す
ると、接触面積が大きい従来の陶磁器表面の方が強く、
本発明による平滑な表面では接触面積が小さいため弱い
と考えられる。次に、この汚れの全体が水で覆われた場
合、表面状態に関係なく同じ大きさの汚れは同じ大きさ
の浮力を生じる。上述のように、付着強さが大きい従来
の陶磁器では汚れが浮き上がりにくく、本発明の平滑な
表面の陶磁器では汚れが浮き上がり易い。一度浮き上が
った汚れは流水で除去され、元の清浄な表面を回復す
る。
【0009】本発明の好ましい態様においては、陶磁器
の少なくとも一部には、上記釉薬層が形成されていない
部分が設けられているようにする。表面粗さがRaで
0.07μm未満、好ましくは0.05μm未満、より
好ましくは0.03μm未満である陶磁器を製造するた
めに、釉薬原料としてレーザー回折法による粒度分布測
定での50%粒径(D50)が1.5μmの原料や予め
ガラス化された釉薬原料を使用し、かつ陶磁器の製造コ
ストを低減するために、陶磁器成形素地に釉薬原料を塗
布後一度で焼成を済ませる方法を用いた場合、陶磁器成
形素地が充分な機械強度を有する程度まで焼結させる温
度で焼成させると釉薬がその焼成温度で軟化されすぎ
て、成形素地の焼成時に生成する気体が成形素地の焼成
収縮に伴い外部に開放されるのを妨げ、釉薬層中に前記
気体が残留して外観不良を発生させる原因になる。陶磁
器の少なくとも一部には、上記釉薬層が形成されていな
い部分を設けることにより、上記釉薬層が形成されてい
ない部分から前記気体が開放されるので外観不良が生じ
ない。
【0010】本発明においては、表面に着色釉薬層が形
成されており、さらに前記着色釉薬層の表面には透明釉
薬層が形成されている陶磁器であって、前記透明釉薬層
表面の表面粗さRaが触針式表面粗さ測定装置(JIS
−B0651)により、0.07μm未満、好ましくは
0.05μm未満、より好ましくは0.03μm未満で
あることを特徴とする陶磁器を提供する。陶磁器表面に
従来にない平滑性を持たせることにより、汚れが強固に
付着しにくくなり、その結果、たとえ付着しても水との
接触により浮き上がらせることができ、浮き上がった汚
れが流水程度で除去されるようになる。また、表面に通
常陶磁器に被覆する釉薬厚み(0.1mm以上2mm以
下)よりも薄く透明釉薬層を形成し、薄い透明釉薬層に
上記平滑性能を担わせることにより、陶磁器の製造コス
トを低減するために陶磁器成形素地に釉薬原料を塗布後
一度で焼成を済ませる方法を用いた場合、成形素地の焼
成時に生成する気体が成形素地の焼成収縮に伴い外部に
開放されやすくなり、釉薬層中に前記気体が残留するこ
とによる外観不良の発生が防止される。
【0011】本発明の好ましい態様においては、上記陶
磁器の少なくとも一部には、上記透明釉薬層が形成され
ていない部分が設けられているようにする。このように
することにより、陶磁器の製造コストを低減するために
陶磁器成形素地に釉薬原料を塗布後一度で焼成を済ませ
る方法を用いた場合、成形素地の焼成時に生成する気体
が成形素地の焼成収縮に伴い外部に一段と開放されやす
くなり、釉薬層中に前記気体が残留することによる外観
不良の発生が防止される。
【0012】本発明の好ましい態様においては、表面に
釉薬層を形成した陶磁器であって、上記層または上記透
明釉薬層表面の水との接触角が30゜未満、好ましくは
25゜以下、より好ましくは20゜以下の親水性表面に
なるようにする。従来の陶磁器表面は水との接触角が高
く、汚れと釉薬層表面の界面に毛細管現象により水が侵
入しにくい。一方、親水性表面を持った陶磁器では、同
界面に毛細管現象により水が容易に侵入し、汚れを浮き
上がらせることが出来る。さらに、水が流れていく場
合、親水性表面では水膜を形成し、水中に浮き上がった
汚れが再び表面に付着するのを防止し、流れやすくする
効果がある。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の陶磁器は陶磁器基材上に
釉薬層が形成されており、釉薬層の表面の表面粗さRa
が0.07μm未満、好ましくは0.05μm以下、よ
り好ましくは0.03μm以下になるようにする。ま
た、表面の水との接触角が30゜未満、好ましくは25
゜以下、望ましくは20゜以下になるようにする。ここ
で、表面粗さRaは、触針式表面粗さ測定装置(JIS
−B0651)、水との接触角は滴下法による接触角測
定装置による測定により求めることができる。
【0014】本発明の適用可能な陶磁器は、以下のもの
に限定されるものではないが、例えば、タイル、食器、
陶板等に利用できる。例えば、タイルにおいては、浴室
床、浴室壁、キッチンバック、フローリング、外壁、舗
道等で利用されるが、浴室床、浴室壁に付着する金属石
鹸等に基づく汚れは、シャワー等からの流水により簡単
に清掃可能となり、外壁、舗道等の汚れは雨水等による
流水により、セルフクリーニング可能となる。また、キ
ッチンバックやフローリングにおいても軽く水拭きする
程度で汚れが除去可能となる。
【0015】本発明の陶磁器を作製する1つの方法は、
50%粒径(D50)1.5μm以下の微粒釉薬原料を
準備する工程、前記微粒釉薬原料を陶磁器基材の成形素
地に適用する工程、焼成する工程、を経て行う方法であ
る。D50が1.5μm以下の微粒釉薬原料は、釉薬原
料粉体をボールミル等により粉砕するこで準備できる。
ここで、釉薬原料のD50は、レーザー回折式粒度分布
測定装置により測定することができる。また、陶磁器基
材の成形素地に適用する方法は、スプレーコーティン
グ、ディップコーティング、スピンコーティング、ロー
ルコーティング等の一般的な方法が利用できる。焼成温
度は成形素地を予め焼結させておくか否かにより異な
る。成形素地を予め焼結させておかない場合は、成形素
地が焼結し、かつ釉薬が軟化する1000℃以上の温度
で焼成する。成形素地を予め焼結させておく場合は、釉
薬が軟化可能である400℃以上の温度で焼成する。
【0016】本発明の陶磁器を作製する他の方法は、ガ
ラス化されたフリット状の釉薬原料を準備する工程、前
記フリット状の釉薬原料を陶磁器基材の成形素地に適用
する工程、焼成する工程、を経て行う方法である。ガラ
ス化されたフリット状の釉薬原料は、釉薬原料粉体を1
300度以上の高温で溶融させることにより得ることが
できる。また、陶磁器基材の成形素地に適用する方法
は、スプレーコーティング、ディップコーティング、ス
ピンコーティング、ロールコーティング等の一般的な方
法が利用できる。焼成温度は成形素地を予め焼結させて
おくか否かにより異なる。成形素地を予め焼結させてお
かない場合は、成形素地が焼結し、かつ釉薬が軟化する
1000℃以上の温度で焼成する。成形素地を予め焼結
させておく場合は、釉薬が軟化可能である400℃以上
の温度で焼成する。
【0017】本発明の陶磁器を作製する他の方法は、上
記フリット状の釉薬原料と上記釉薬原料粉体の混合物を
準備する工程、前記混合物を陶磁器基材の成形素地に適
用する工程、焼成する工程、を経て行う。上記フリット
状の釉薬原料は、釉薬原料粉体を1300度以上の高温
で溶融させることにより得ることができる。上記釉薬原
料粉体の粒径は、なるべく微細なほうがよく、D50で
6μm以下、好ましくは4μm以下、さらに好ましくは
1.5μm以下にするのがよい。微細である程、表面の
平滑性は向上する。また、上記釉薬原料粉体中のうちの
少なくともシリカ粒子はD50が6μm以下、好ましく
は4μm以下にするのがよい。こうすることにより、焼
成後に未反応で表面に残留するシリカ粒子を低減するこ
とができ、便器のようにアルカリ水(アンモニア含有
水)に晒される環境で使用される場合でもシリカ粒子近
傍の優先的劣化に伴う表面平滑性の低下を防止すること
ができる。この理由は、焼成後の釉薬表面の凹凸を形成
する未溶解物(シリカ、ジルコン)の周囲は、上記アル
カリ環境下において、2ヶ月程度の極めて短期間で優先
的に溶解が起こるためである。また、上記フリット状の
釉薬原料は、上記混合物に対して50重量%以下、好ま
しくは30重量%以下であるのがよい。フリット状の釉
薬原料が少量である程、陶磁器の製造コストを低減する
ために陶磁器成形素地に釉薬原料を塗布後一度で焼成を
済ませる方法を用いた場合、成形素地の焼成時に生成す
る気体が成形素地の焼成収縮に伴い外部に一段と開放さ
れやすくなり、釉薬層中に前記気体が残留することによ
る外観不良の発生が防止される。また、上記フリット状
の釉薬原料は、上記釉薬原料粉体よりも軟化温度が高い
原料を使用するようにしてもよい。このようにしても、
陶磁器の製造コストを低減するために陶磁器成形素地に
釉薬原料を塗布後一度で焼成を済ませる方法を用いた場
合、成形素地の焼成時に生成する気体が成形素地の焼成
収縮に伴い外部に一段と開放されやすくなり、釉薬層中
に前記気体が残留することによる外観不良の発生が防止
される。また、陶磁器基材の成形素地に適用する方法
は、スプレーコーティング、ディップコーティング、ス
ピンコーティング、ロールコーティング等の一般的な方
法が利用できる。焼成温度は成形素地を予め焼結させて
おくか否かにより異なる。成形素地を予め焼結させてお
かない場合は、成形素地が焼結し、かつ釉薬が軟化する
1000℃以上の温度で焼成する。成形素地を予め焼結
させておく場合は、釉薬が軟化可能である400℃以上
の温度で焼成する。
【0018】本発明の陶磁器を作製する他の方法は、着
色性釉薬原料粉体を準備する工程、前記着色性釉薬原料
粉体を陶磁器基材の成形素地に適用して着色釉薬層を形
成する工程、透明釉薬層を形成するための50%粒径
(D50)1.5μm以下の微粒釉薬原料を準備する工
程、前記微粒釉薬原料を前記着色釉薬層上に適用する工
程、焼成する工程を経て行う。ここで、上記着色性釉薬
原料粉体のD50は4μm以上であると、陶磁器の製造
コストを低減するために陶磁器成形素地に釉薬原料を塗
布後一度で焼成を済ませる方法を用いた場合、着色性釉
薬層の影響に基づいて成形素地の焼成時に生成する気体
が成形素地の焼成収縮に伴い外部に開放されにくくなる
ことがなく、釉薬層中に前記気体が残留することによる
外観不良の発生が防止される。また、陶磁器基材の成形
素地に適用する方法は、スプレーコーティング、ディッ
プコーティング、スピンコーティング、ロールコーティ
ング等の一般的な方法が利用できる。焼成温度は成形素
地を予め焼結させておくか否かにより異なる。成形素地
を予め焼結させておかない場合は、成形素地が焼結し、
かつ釉薬が軟化する1000℃以上の温度で焼成する。
成形素地を予め焼結させておく場合は、釉薬が軟化可能
である400℃以上の温度で焼成する。
【0019】本発明の陶磁器を作製する他の方法は、着
色性釉薬原料粉体を準備する工程、前記着色性釉薬原料
粉体を陶磁器基材の成形素地に適用して着色釉薬層を形
成する工程、透明釉薬層を形成するためのガラス化され
たフリット状の釉薬原料を準備する工程、前記フリット
状の釉薬原料を前記着色釉薬層上に適用する工程、焼成
する工程を経て行う。ここで、上記着色性釉薬原料粉体
のD50は4μm以上であると、陶磁器の製造コストを
低減するために陶磁器成形素地に釉薬原料を塗布後一度
で焼成を済ませる方法を用いた場合、着色性釉薬層の影
響に基づいて成形素地の焼成時に生成する気体が成形素
地の焼成収縮に伴い外部に一層開放されにくくなること
がなく、釉薬層中に前記気体が残留することによる外観
不良の発生が防止される。また、陶磁器基材の成形素地
に適用する方法は、スプレーコーティング、ディップコ
ーティング、スピンコーティング、ロールコーティング
等の一般的な方法が利用できる。焼成温度は成形素地を
予め焼結させておくか否かにより異なる。成形素地を予
め焼結させておかない場合は、成形素地が焼結し、かつ
釉薬が軟化する1000℃以上の温度で焼成する。成形
素地を予め焼結させておく場合は、釉薬が軟化可能であ
る400℃以上の温度で焼成する。
【0020】本発明の陶磁器を作製する他の方法は、着
色性釉薬原料粉体を準備する工程、前記着色性釉薬原料
粉体を陶磁器基材の成形素地に適用して着色釉薬層を形
成する工程、透明釉薬層を形成するための前記フリット
状の釉薬原料と前記釉薬原料粉体の混合物を準備する工
程、前記混合物を前記着色釉薬層上に適用する工程、焼
成する工程を経て行う。ここで、上記着色性釉薬原料粉
体のD50は4μm以上であると、陶磁器の製造コスト
を低減するために陶磁器成形素地に釉薬原料を塗布後一
度で焼成を済ませる方法を用いた場合、着色性釉薬層の
影響に基づいて成形素地の焼成時に生成する気体が成形
素地の焼成収縮に伴い外部に開放されにくくなることが
なく、釉薬層中に前記気体が残留することによる外観不
良の発生が防止される。また、透明釉薬層を形成するた
めの上記釉薬原料粉体のD50は6μm以下、好ましく
は4μm以下、さらに好ましくは1.5μm以下にする
のがよい。微細である程、表面の平滑性は向上する。ま
た、透明釉薬層を形成するための上記釉薬原料粉体中の
うち、少なくともシリカ粒子はD50が6μm以下、好
ましくは4μm以下にするのがよい。こうすることによ
り、焼成後に未反応で表面に残留するシリカ粒子を低減
することができ、便器のようにアルカリ水(アンモニア
含有水)に晒される環境で使用される場合でもシリカ粒
子近傍の優先的劣化に伴う表面平滑性の低下を防止する
ことができる。また、透明釉薬層を形成するための上記
フリット状の釉薬原料は、前記混合物に対して50重量
%以下、好ましくは30重量%以下であるのがよい。フ
リット状の釉薬原料が少量である程、陶磁器の製造コス
トを低減するために陶磁器成形素地に釉薬原料を塗布後
一度で焼成を済ませる方法を用いた場合、成形素地の焼
成時に生成する気体が成形素地の焼成収縮に伴い外部に
一段と開放されやすくなり、釉薬層中に前記気体が残留
することによる外観不良の発生が防止される。また、透
明釉薬層を形成するための前記フリット状の釉薬原料
は、前記釉薬原料粉体よりも軟化温度が高い原料を使用
するようにしてもよい。このようにしても、陶磁器の製
造コストを低減するために陶磁器成形素地に釉薬原料を
塗布後一度で焼成を済ませる方法を用いた場合、成形素
地の焼成時に生成する気体が成形素地の焼成収縮に伴い
外部に一段と開放されやすくなり、釉薬層中に前記気体
が残留することによる外観不良の発生が防止される。ま
た、陶磁器基材の成形素地に適用する方法は、スプレー
コーティング、ディップコーティング、スピンコーティ
ング、ロールコーティング等の一般的な方法が利用でき
る。焼成温度は成形素地を予め焼結させておくか否かに
より異なる。成形素地を予め焼結させておかない場合
は、成形素地が焼結し、かつ釉薬が軟化する1000℃
以上の温度で焼成する。成形素地を予め焼結させておく
場合は、釉薬が軟化可能である400℃以上の温度で焼
成する。
【0021】釉薬層中に、釉薬以外の添加物を添加する
ことにより付加機能を持たせるようにしてもよい。ここ
で、釉薬中へ添加する添加物は、焼成中に釉薬や雰囲気
との反応により化合物が形成されるものが好ましい。例
えば、銀、銅、亜鉛又はその化合物、固溶体等の抗菌金
属や酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化第二鉄、三酸
化タングステン、チタン酸ストロンチウム、三酸化二ビ
スマス等の光触媒を添加すると抗菌効果が発揮される。
また、上記光触媒の存在により親水性が助長される光還
元性を有する等の効果も得られる。
【0022】(実施例) (比較例1)
【0023】
【表1】
【0024】表1の組成から成る釉薬基材2kgと水1
kg及び球石4kgを、容積6リットルの陶器製ポット
中に入れ、ボールミルにより約18時間粉砕した。レー
ザー回折式粒度分布計を用いて、粉砕後に得られた釉薬
スラリーの粒径を測定したところ、10μm以下が65
%、50%平均粒径(D50)が6.2μmであった。
次に、ケイ砂、長石、粘度等を原料として調製した衛生
陶器素地泥漿を用いて、70×150mmの板状試験片
を作製し、上記の如くして得られた釉薬を板状試験片に
スプレーコーティング法により塗布し、1100〜12
00℃で焼成することにより試料を得た。得られた試料
について、表面粗さ測定、水との接触角測定、油性マジ
ックによる汚れ付着試験、水中でのサラダ油付着試験、
小便器サナにおける尿石付着試験、洗面器における石鹸
汚れ付着試験を行ない、各種汚れの付着性と洗浄性を評
価した。試料表面の表面粗さは、触針式表面粗さ測定器
(JIS−B0651)を用い、中心線表面粗さRaを
測定した。その結果、Ra=0.10μmであった。ま
た、原子間力顕微鏡(AFM;Degital Ins
truments製、Nano ScopeIII)を
用いて、100×100μm範囲の表面粗さを測定した
ところ、Ra=18.0nmであった。触針式表面粗さ
測定器より得られた表面の拡大図を図1(a)に、走査
型電子顕微鏡(日立製作所、S−800)による表面の
反射電子像で凹凸像を図2(a)に、組成像を図2
(b)に示す。また、原子間力顕微鏡(AFM)観察に
より得られた表面の拡大図を図4に示す。試料表面と水
との接触角は、接触角測定器(協和界面科学製、CA−
X150)を用い、マイクロシリンジから試料表面に水
滴を滴下した後30秒後に測定した。その結果、30゜
であった。汚れの付着性と洗浄性については、油性マジ
ックを用いて試験した。試験方法は、試料表面に黒色の
油性マジック(マジックインキ#700)によりφ10
mmの内部を塗りつぶし、約1分間室温で乾燥させた。
その後、3mlの水を滴下し、マジックが浮き上がって
くるか及び試料を傾けた際にマジックが洗い流されるか
どうかを調べた。その結果、マジックは水面に浮き上が
らず、試料を傾けても表面に残ったままであった。さら
に、水中での油汚れのとれ易さについて、サラダ油を用
いて試験した。試験方法は、試料表面にサラダ油0.0
1gを滴下した後、試料全体を水槽中に沈め、表面に付
着していたサラダ油が水面に浮き上がってくるまでの時
間を調べた。その結果、水没後50秒後にサラダ油が水
面に浮き上がってきた。小便器サナにおける尿石付着試
験については、東陶機器製ストール小便器(U307
C)のトラップ部分に上記板状試験片を設置し、通常の
使用条件下で7日間放置した後、表面の尿石付着量を目
視で評価した。その結果、試験片の釉薬層表面には、大
量の尿石が付着しており、流水を用いても除去すること
はできなかった。洗面器における石鹸汚れ付着試験につ
いては、液体石鹸が用意された洗面台の排水口付近に上
記板状試験片を設置し、通常の使用条件下で7日間放置
した後、表面の石鹸汚れ付着量を目視で評価した。その
結果、試験片の釉薬層表面には、ほぼ全面に石鹸汚れが
付着しており、水を含ませたスポンジたわしを用いて表
面をこすったが、石鹸汚れはなかなか落ちなかった。
【0025】(比較例2) I社製洋風大便器、色:アイボリー。 比較例1と同様に評価したところ、表面粗さ測定結果
は、触針式ではRa=0.07μm、AFMではRa=
10.4nmであった。触針式表面粗さ測定器より得ら
れた表面の拡大図を図1(b)に示す。また、原子間力
顕微鏡(AFM)観察により得られた表面の拡大図を図
5に示す。水との接触角測定結果は、50゜であった。
マジックの付着性と洗浄性については、水滴下後もマジ
ックは水面に浮き上がらず、試料を傾けても表面に残っ
たままであった。水中での油汚れのとれ易さについて
は、水没後120秒後にサラダ油が水面に浮き上がって
きた。
【0026】(実施例1)表1に示した組成から成る釉
薬基材600gと水400g及びアルミナボール1kg
を、容積2リットルの陶器製ポット中に入れ、ボールミ
ルにより約65時間粉砕した。レーザー回折式粒度分布
計を用いて、粉砕後に得られた釉薬スラリーの粒径を測
定したところ、10μm以下が98%、50%平均粒径
(D50)が1.2μmであった。次に、ケイ砂、長
石、粘度等を原料として調製した衛生陶器素地泥漿を用
いて、70×150mmの板状試験片を作製し、上記の
如くして得られた釉薬を板状試験片にスプレーコーティ
ング法により塗布し、1100〜1200℃で焼成する
ことにより試料を得た。得られた試料について、比較例
1及び2と同様に評価したところ、表面粗さ測定結果
は、触針式ではRa=0.02μm、AFMではRa=
4.3nmであった。触針式表面粗さ測定器より得られ
た表面の拡大図を図1(c)に、走査型電子顕微鏡によ
る表面の反射電子像で凹凸像を図3(a)に、組成像を
図3(b)に示す。また、原子間力顕微鏡(AFM)観
察により得られた表面の拡大図を図6に示す。水との接
触角測定結果は、20゜であった。マジックの付着性と
洗浄性については、水滴下約30秒後にマジックが水面
に浮き上がり、試料を傾けると水とともに洗い流され、
表面のマジックは全て無くなった。水中での油汚れのと
れ易さについては、水没後35秒後にサラダ油が水面に
浮き上がってきた。小便器サナにおける尿石付着試験に
ついては、7日間放置後の尿石付着量は比較例1よりも
少なく、流水により一部分の付着した尿石が洗い落とさ
れた。洗面器における石鹸汚れ付着試験については、7
日間放置後の石鹸汚れ付着量は比較例1よりも少なく、
水を含ませたスポンジでこすることにより、石鹸汚れが
落ちて元の釉薬層表面が露出するようになった。
【0027】(実施例2)表1に示した組成から、Zr
O2及び顔料を除いた釉薬基材600gと水400g及
びアルミナボール1kgを、容積2リットルの陶器製ポ
ット中に入れ、ボールミルにより約65時間粉砕した。
レーザー回折式粒度分布計を用いて、粉砕後に得られた
釉薬スラリーの粒径を測定したところ、10μm以下が
98%、50%平均粒径(D50)が1.5μmであっ
た。次に、ケイ砂、長石、粘度等を原料として調製した
衛生陶器素地泥漿を用いて、70×150mmの板状試
験片を作製し、上記の如くして得られた釉薬を板状試験
片にスプレーコーティング法により塗布し、1100〜
1200℃で焼成することにより試料を得た。なお、こ
の試料の釉薬層は透明である。得られた試料について、
比較例1、2及び実施例1と同様に評価したところ、表
面粗さ測定結果は、触針式ではRa=0.03μm、A
FMではRa=3.5nmであった。原子間力顕微鏡
(AFM)観察により得られた表面の拡大図を図7に示
す。水との接触角測定結果は、15゜であった。マジッ
クの付着性と洗浄性については、水滴下約20秒後にマ
ジックが水面に浮き上がり、試料を傾けると水とともに
洗い流され、表面のマジックは全て無くなった。水中で
の油汚れのとれ易さについては、水没後15秒後にサラ
ダ油が水面に浮き上がってきた。小便器サナにおける尿
石付着試験については、7日間放置後の尿石付着量は比
較例1よりも少なく、流水により一部分の付着した尿石
が洗い落とされた。洗面器における石鹸汚れ付着試験に
ついては、7日間放置後の石鹸汚れ付着量は比較例1よ
りも少なく、水を含ませたスポンジでこすることによ
り、石鹸汚れが落ちて元の釉薬層表面が露出するように
なった。
【0028】(実施例3)表1に示した組成から成る釉
薬基材を、電気炉を用いて1300〜1450℃にて溶
融し、水中で急冷してガラスフリットを得た。これを、
スタンプミルにより粉砕し、得られた粉末600gと水
400g及びアルミナボール1kgを、容積2リットル
の陶器製ポット中に入れ、ボールミルにより約18時間
粉砕した。レーザー回折式粒度分布計を用いて、粉砕後
に得られたフリット釉スラリーの粒径を測定したとこ
ろ、10μm以下が68%、50%平均粒径(D50)
が6.0μmであった。次に、ケイ砂、長石、粘度等を
原料として調製した衛生陶器素地泥漿を用いて、70×
150mmの板状試験片を作製し、上記の如くして得ら
れたフリット釉を板状試験片にスプレーコーティング法
により塗布し、1100〜1200℃で焼成することに
より試料を得た。得られた試料について、比較例1、2
及び実施例1、2と同様に評価したところ、表面粗さ測
定結果は、触針式ではRa=0.03μm、AFMでは
Ra=4.0nmであった。触針式表面粗さ測定器より
得られた表面の拡大図を図1(d)に示す。また、原子
間力顕微鏡(AFM)観察により得られた表面の拡大図
を図8に示す。水との接触角測定結果は、20゜であっ
た。マジックの付着性と洗浄性については、水滴下約2
5秒後にマジックが水面に浮き上がり、試料を傾けると
水とともに洗い流され、表面のマジックは全て無くなっ
た。水中での油汚れのとれ易さについては、水没後20
秒後にサラダ油が水面に浮き上がってきた。小便器サナ
における尿石付着試験については、7日間放置後の尿石
付着量は比較例1よりも少なく、流水により一部分の付
着した尿石が洗い落とされた。洗面器における石鹸汚れ
付着試験については、7日間放置後の石鹸汚れ付着量は
比較例1よりも少なく、水を含ませたスポンジでこする
ことにより、石鹸汚れが落ちて元の釉薬層表面が露出す
るようになった。
【0029】(実施例4)前記実施例3で作製したフリ
ット釉(D50=12μm)スラリー70重量部と上記
実施例1で作製した微粒化釉薬(D50=1.2μm)
スラリー30重量部を混合した。レーザー回折式粒度分
布計を用いて、この混合釉薬スラリーの粒径を測定した
ところ、10μm以下が57%、50%平均粒径(D5
0)が6.3μmであった。次に、ケイ砂、長石、粘度
等を原料として調製した衛生陶器素地泥漿を用いて、7
0mm×150mmの板状試験片を作製し、上記の如く
して得られた釉薬スラリーを板状試験片にスプレーコー
ティング法により塗布し、1100〜1200℃で焼成
することにより試料を得た。得られた試料について、比
較例1、2及び実施例1、2、3と同様に評価したとこ
ろ、表面粗さ測定結果は、触針式ではRa=0.02μ
m、AFMではRa=4.7nmであった。水との接触
角測定結果は、20゜であった。マジックの付着性と洗
浄性については、水滴下約20秒後にマジックが水面に
浮き上がり、試料を傾けると水とともに洗い流され、表
面のマジックは全て無くなった。水中での油汚れのとれ
易さについては、水没後20秒後にサラダ油が水面に浮
き上がってきた。小便器サナにおける尿石付着試験につ
いては、7日間放置後の尿石付着量は比較例1よりも少
なく、流水により一部分の付着した尿石が洗い落とされ
た。洗面器における石鹸汚れ付着試験については、7日
間放置後の石鹸汚れ付着量は比較例1よりも少なく、水
を含ませたスポンジでこすることにより、石鹸汚れが落
ちて元の釉薬層表面が露出するようになった。
【0030】(実施例5)上記比較例1と同様にして作
製した釉薬スラリー(D50=6.8μm)と上記実施
例3と同様にして作製したフリット釉(D50=8μ
m)を準備した。次に、ケイ紗、長石、粘度等を原料と
して調製した衛生陶器素地泥漿を用いて、70mm×1
50mmの板状試験片を作製した。この板状試験片上
に、下層として比較例1と同様の釉薬スラリーをスプレ
ーコーティングし、続いて、上層として実施例3と同様
のフリット釉スラリーをスプレーコーティングした後、
1100〜1200℃で焼成することにより試料を得
た。得られた試料について、比較例1、2及び実施例
1、2、3、4と同様に評価したところ、表面粗さ測定
結果は、触針式ではRa=0.03μm、AFMではR
a=3.8nmであった。原子間力顕微鏡(AFM)観
察により得られた表面の拡大図を図9に示す。水との接
触角測定結果は、20°であった。マジックの付着性と
洗浄性については、水滴下後約20秒後にマジックが水
面に浮き上がり、試料を傾けると水とともに洗い流さ
れ、表面のマジックは全て無くなった。水中での油汚れ
のとれ易さについては、水没後20秒後にサラダ油が水
面に浮き上がってきた。小便器サナにおける尿石付着試
験については、7日間放置後の尿石付着量は比較例1よ
りも少なく、流水により一部分の付着した尿石が洗い落
とされた。洗面器における石鹸汚れ付着試験について
は、7日間放置後の石鹸汚れ付着量は比較例1よりも少
なく、水を含ませたスポンジでこすることにより、石鹸
汚れが落ちて元の釉薬層表面が露出するようになった。
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】表面粗さ及び水との接触角測定結果をまと
めて表2に、各種汚れに対する評価結果をまとめて表3
に示す。表2及び表3から、触針式表面粗さ計により表
面粗さRaが0.07μm以上ではマジック汚れを洗い
流すことが出来ず、尿石付着量及び石鹸汚れ付着量は何
れも多かった。一方、Raが0.03μm以下ではマジ
ック汚れは除去され、尿石付着量及び石鹸汚れ付着量は
何れも少なく、洗浄性も良好であった。また、水との接
触角が30゜以上ではマジック汚れを洗い流すことが出
来なかったが、接触角が20゜以下では除去された。従
って、釉薬層の表面を平滑であると同時に親水性にする
ことによって、汚れの付着防止性及び洗浄性を向上させ
ることができる。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、汚れが付着しにくく、
かつ汚れが付着しても流水により簡単に汚れが除去され
る陶磁器が提供可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】触針式表面粗さ測定器(JIS−B0651)
により測定した陶磁器表面の状態を示す図。 (a)従来の衛生陶器(比較例1) (b)I社製洋風大便器(比較例2) (c)粉砕釉を用いた陶磁器(実施例1) (d)フリット釉を用いた陶磁器(実施例3)
【図2】従来の衛生陶器(比較例1)表面の走査型電子
顕微鏡(日立製作所、S−800)による反射電子像写
真。 (a)比較例1表面の凹凸像 (b)比較例1表面の組成像
【図3】本発明に係わる陶磁器(実施例1)表面の走査
型電子顕微鏡(日立製作所、S−800)による反射電
子像写真。 (a)実施例1表面の凹凸像 (b)実施例1表面の組成像
【図4】原子間力顕微鏡(AFM)により観察した従来
の衛生陶器(比較例1)の表面の状態を示す図。
【図5】原子間力顕微鏡(AFM)により観察したI社
製洋風大便器(比較例2)の表面の状態を示す図。
【図6】原子間力顕微鏡(AFM)により観察した粉砕
釉を用いた陶磁器(実施例1)の表面の状態を示す図。
【図7】原子間力顕微鏡(AFM)により観察した透明
の粉砕釉を用いた陶磁器(実施例2)の表面の状態を示
す図。
【図8】原子間力顕微鏡(AFM)により観察したフリ
ット釉を用いた陶磁器(実施例3)の表面の状態を示す
図。
【図9】原子間力顕微鏡(AFM)により観察した下層
を通常釉、上層をフリット釉とした陶磁器(実施例5)
の表面の状態を示す図。
【符号の説明】
1…中心線 2…釉薬層表面の拡大図
フロントページの続き (72)発明者 伊藤 正昭 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 安藤 正美 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 林 浩一 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内

Claims (37)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に釉薬層を形成した陶磁器であっ
    て、前記層表面の表面粗さRaが触針式表面粗さ測定装
    置(JIS−B0651)により、0.07μm未満で
    あることを特徴とする陶磁器。
  2. 【請求項2】 表面に釉薬層を形成した陶磁器であっ
    て、前記層表面の表面粗さRaが触針式表面粗さ測定装
    置(JIS−B0651)により、0.05μm以下で
    あることを特徴とする陶磁器。
  3. 【請求項3】 表面に釉薬層を形成した陶磁器であっ
    て、前記層表面の表面粗さRaが触針式表面粗さ測定装
    置(JIS−B0651)により、0.03μm以下で
    あることを特徴とする陶磁器。
  4. 【請求項4】 前記陶磁器の少なくとも一部には、前記
    釉薬層が形成されていない部分が設けられていることを
    特徴とする請求項1乃至3に記載の陶磁器。
  5. 【請求項5】 表面に着色釉薬層が形成されており、さ
    らに前記着色釉薬層の表面には透明釉薬層が形成されて
    いる陶磁器であって、前記透明釉薬層表面の表面粗さR
    aが触針式表面粗さ測定装置(JIS−B0651)に
    より、0.07μm未満であることを特徴とする陶磁
    器。
  6. 【請求項6】 表面に着色釉薬層が形成されており、さ
    らに前記着色釉薬層の表面には透明釉薬層が形成されて
    いる陶磁器であって、前記透明釉薬層表面の表面粗さR
    aが触針式表面粗さ測定装置(JIS−B0651)に
    より、0.05μm未満であることを特徴とする陶磁
    器。
  7. 【請求項7】 表面に着色釉薬層が形成されており、さ
    らに前記着色釉薬層の表面には透明釉薬層が形成されて
    いる陶磁器であって、前記透明釉薬層表面の表面粗さR
    aが触針式表面粗さ測定装置(JIS−B0651)に
    より、0.03μm未満であることを特徴とする陶磁
    器。
  8. 【請求項8】 前記陶磁器の少なくとも一部には、前記
    透明釉薬層が形成されていない部分が設けられているこ
    とを特徴とする請求項5乃至7に記載の陶磁器。
  9. 【請求項9】 表面に釉薬層を形成した陶磁器であっ
    て、前記層または透明釉薬層表面の水との接触角が30
    ゜未満であることを特徴とする請求項1乃至8に記載の
    陶磁器。
  10. 【請求項10】 表面に釉薬層を形成した陶磁器であ
    って、前記層または透明釉薬層表面の水との接触角が2
    5゜以下であることを特徴とする請求項1乃至8に記載
    の陶磁器。
  11. 【請求項11】 表面に釉薬層を形成した陶磁器であ
    って、前記層または透明釉薬層表面の水との接触角が2
    0゜以下であることを特徴とする請求項1乃至8に記載
    の陶磁器。
  12. 【請求項12】 前記陶磁器は、食器であることを特徴
    とする請求項1乃至11に記載の陶磁器。
  13. 【請求項13】 前記陶磁器は、タイルであることを特
    徴とする請求項1乃至11に記載の陶磁器。
  14. 【請求項14】 前記陶磁器は、陶板であることを特徴
    とする請求項1乃至11に記載の陶磁器。
  15. 【請求項15】 50%粒径(D50)1.5μm以下
    の微粒釉薬原料粉体を準備する工程、前記微粒釉薬原料
    を陶磁器基材の成形素地に適用する工程、焼成する工
    程、を含む請求項1乃至4、若しくは9乃至14に記載
    の陶磁器の製造方法。
  16. 【請求項16】 釉薬原料粉体を50%粒径(D50)
    1.5μm以下まで粉砕して微粒釉薬原料を作製する工
    程、前記微粒釉薬原料を陶磁器基材の成形素地に適用す
    る工程、焼成する工程、を含む請求項1乃至4、若しく
    は9乃至14に記載の陶磁器の製造方法。
  17. 【請求項17】 ガラス化されたフリット状の釉薬原料
    を準備する工程、前記フリット状の釉薬原料を陶磁器基
    材の成形素地に適用する工程、焼成する工程、を含む請
    求項1乃至4、若しくは9乃至14に記載の陶磁器の製
    造方法。
  18. 【請求項18】 釉薬原料を高温溶融することによりガ
    ラス化してフリット状の釉薬原料を作製する工程、前記
    フリット状の釉薬原料を陶磁器基材の成形素地に適用す
    る工程、焼成する工程、を含む請求項1乃至4、若しく
    は9乃至14に記載の陶磁器の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記フリット状の釉薬原料と前記釉薬
    原料粉体の混合物を準備する工程、前記混合物を陶磁器
    基材の成形素地に適用する工程、焼成する工程、を含む
    請求項1乃至4、若しくは9乃至14の陶磁器の製造方
    法。
  20. 【請求項20】 前記釉薬原料粉体のD50は6μm以
    下であることを特徴とする請求項19に記載の陶磁器の
    製造方法。
  21. 【請求項21】 前記釉薬原料粉体のD50は4μm以
    下であることを特徴とする請求項19に記載の陶磁器の
    製造方法。
  22. 【請求項22】 前記フリット状の釉薬原料は、前記混
    合物に対して50重量%以下であることを特徴とする請
    求項19乃至21に記載の陶磁器の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記フリット状の釉薬原料は、前記釉
    薬原料粉体よりも軟化開始温度が高い原料を使用するこ
    とを特徴とする請求項19乃至22に記載の陶磁器の製
    造方法。
  24. 【請求項24】 前記釉薬原料粉体中のうちの少なくと
    もシリカ粒子はD50が6μm以下であることを特徴と
    する請求項19乃至23に記載の陶磁器の製造方法。
  25. 【請求項25】 前記釉薬原料粉体中のうちの少なくと
    もシリカ粒子はD50が4μm以下であることを特徴と
    する請求項19乃至23に記載の陶磁器の製造方法。
  26. 【請求項26】 前記陶磁器の少なくとも一部には釉薬
    層に被覆されていない部分を設けることを特徴とする請
    求項15乃至25に記載の陶磁器の製造方法。
  27. 【請求項27】 着色性釉薬原料粉体を準備する工程、
    前記着色性釉薬原料粉体を陶磁器基材の成形素地に適用
    して着色釉薬層を形成する工程、透明釉薬層を形成する
    ための50%粒径(D50)1.5μm以下の微粒釉薬
    原料を準備する工程、前記微粒釉薬原料を前記着色釉薬
    層上に適用する工程、焼成する工程、を含む請求項5乃
    至14に記載の陶磁器の製造方法。
  28. 【請求項28】 着色性釉薬原料粉体を準備する工程、
    前記着色性釉薬原料粉体を陶磁器基材の成形素地に適用
    して着色釉薬層を形成する工程、透明釉薬層を形成する
    ためのガラス化されたフリット状の釉薬原料を準備する
    工程、前記フリット状の釉薬原料を前記着色釉薬層上に
    適用する工程、焼成する工程、を含む請求項5乃至14
    に記載の陶磁器の製造方法。
  29. 【請求項29】 着色性釉薬原料粉体を準備する工程、
    前記着色性釉薬原料粉体を陶磁器基材の成形素地に適用
    して着色釉薬層を形成する工程、透明釉薬層を形成する
    ための前記フリット状の釉薬原料と前記釉薬原料粉体の
    混合物を準備する工程、前記混合物を前記着色釉薬層上
    に適用する工程、焼成する工程、を含む請求項5乃至1
    4の陶磁器の製造方法。
  30. 【請求項30】 前記着色性釉薬原料粉体のD50は4
    μm以上であることを特徴とする請求項27乃至29に
    記載の陶磁器の製造方法。
  31. 【請求項31】 透明釉薬層を形成するための前記釉薬
    原料粉体のD50は6μm以下であることを特徴とする
    請求項29または30に記載の陶磁器の製造方法。
  32. 【請求項32】 透明釉薬層を形成するための前記釉薬
    原料粉体のD50は4μm以下であることを特徴とする
    請求項29または30に記載の陶磁器の製造方法。
  33. 【請求項33】 透明釉薬層を形成するための前記フリ
    ット状の釉薬原料は、前記混合物に対して50重量%以
    下であることを特徴とする請求項29乃至32に記載の
    陶磁器の製造方法。
  34. 【請求項34】 透明釉薬層を形成するための前記フリ
    ット状の釉薬原料は、前記釉薬原料粉体よりも軟化温度
    が高い原料を使用することを特徴とする請求項29乃至
    33に記載の陶磁器の製造方法。
  35. 【請求項35】 透明釉薬層を形成するための前記釉薬
    原料粉体中のうち、少なくともシリカ粒子はD50が6
    μm以下であることを特徴とする請求項29乃至34に
    記載の陶磁器の製造方法。
  36. 【請求項36】 透明釉薬層を形成するための前記釉薬
    原料粉体中のうち、少なくともシリカ粒子はD50が4
    μm以下であることを特徴とする請求項29乃至34に
    記載の陶磁器の製造方法。
  37. 【請求項37】 前記陶磁器の少なくとも一部には透明
    釉薬層に被覆されていない部分を設けることを特徴とす
    る請求項29乃至36に記載の陶磁器の製造方法。
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KR101796459B1 (ko) 2017-04-26 2017-11-10 대한화인세라믹 주식회사 주방기물의 표면에 음양각 문양이 선명하게 표현되도록 하는 세라믹코팅방법과, 이에 의해 코팅된 주방기물

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