JP2003300771A - 衛生陶器 - Google Patents

衛生陶器

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JP2003300771A
JP2003300771A JP2002099628A JP2002099628A JP2003300771A JP 2003300771 A JP2003300771 A JP 2003300771A JP 2002099628 A JP2002099628 A JP 2002099628A JP 2002099628 A JP2002099628 A JP 2002099628A JP 2003300771 A JP2003300771 A JP 2003300771A
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aqueous solution
glaze layer
engove
glaze
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JP2002099628A
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English (en)
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Takeshi Koseki
剛 小関
Shingo Kasahara
慎吾 笠原
Satoshi Horiuchi
堀内  智
Mitsuyoshi Machida
町田  光義
Katsuhiro Kawakami
克博 川上
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 衛生陶器素地表面の表裏両面に第1釉薬層が
形成され、前記素地のおもて面には第1釉薬層の上にさ
らに第2釉薬層が形成されている部分において、外観の
良好な、長期にわたって表面の平滑性が維持され、汚れ
を容易に除去し得る衛生陶器を提供すること。 【解決手段】 陶器素地の第1の面に着色顔料を含む第
1釉薬層とさらに前記第1釉薬層の上に第1釉薬層を形
成し、前記陶器素地の肉厚方向で前記第1の面と反対側
の第2の面に第1釉薬層を形成した後、800〜130
0℃で焼成して得られる衛生陶器であって、前記第1の
面と前記第1釉薬層との間に水溶性金属塩水溶液及び/
または水溶性金属イオン含有水溶液及び/または水溶性
ハロゲン化物水溶液を前記陶器素地に含浸させて水溶液
含浸層を形成し、さらにその上にエンゴーベ層を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は大便器、小便器、洗
面器、手洗い器、便器タンクなどの衛生陶器に係り、特
に陶器表面の釉薬層の上にさらに第2の釉薬層を施す部
位の欠点発生抑制に好適な製造方法、及び長期にわたっ
て汚れを容易に除去し得る機能を維持する釉薬表面を持
った衛生陶器及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、大便器、小便器、洗面器、手洗い
器などの衛生陶器では、一般的に成形素地表面に釉薬を
スプレー等により塗布して第1の釉薬層を形成し、さら
にその上に第2の釉薬層を設け、この第2の釉薬層には
予め熔融された非晶質釉薬を用いること及び微粒化によ
り焼成後の残留石英量を極力低減させる方法(WO99
/61392)により、焼成後の陶器釉薬表面を平滑化
していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
従来の方法では、素地の厚みの方向に対して両面に施釉
する部位の釉面にピンホール状あるいは斑点状の欠点を
発生する恐れがあり、それに伴って、釉薬表面の平滑性
を維持するために改善をする余地があった。上記欠点発
生の原因としては、焼成過程における素地内部より発生
するガスが素地面の第1釉薬層を一気に突き抜け、第2
の釉薬層にも影響を与えるためであると考えられる。そ
こで、この問題を解決するために本出願人は、素地上の
第一の釉薬層と素地との間に、水溶性金属塩水溶液及び
/または水溶性金属イオン含有水溶液及び/または水溶
性ハロゲン化物水溶液を含浸させる方法(特願2000
−380447)、または素地と前記第1の釉薬層の間
にエンゴーベを形成する方法(特願11−17212
3、特願2000−387047)を提案し、第2の釉
薬層における斑点模様等の外観不良を低減し、表面の平
滑性を維持し得る衛生陶器を完成させるに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本出願人は、上記発明を
さらに検討した結果、前記第2の釉薬層における斑点模
様などの外観不良をさらに効果的かつ確実に低減し、さ
らには表面の平滑性を維持し得る方法が存在することを
見出した。
【0005】上述する釉面のピンホール状及び斑点状欠
点の発生原因は、より詳細に考察すると、焼成に伴って
発生する素地からのガスが焼成における最高温度域近く
の高温状態、すなわち、釉薬層の熔融粘性が下がってい
く状態にまでも発生が継続し、前記ガスが熔融粘性が低
く隙間のほとんどない状態となっている釉薬層へと廻
り、釉薬層を突き抜けるためと考えられる。釉薬層の熔
融粘性がまだ高い段階で前記釉薬層に廻った前記ガス
は、一気に前記釉薬層を突き抜けず、一旦釉薬層に止ま
った後、釉薬層の熔融粘性が低くなった後に徐々に外気
へと放出されると考えられる。しかし、釉薬層の熔融粘
性が低い段階で前記釉薬層に廻った前記ガスは、一気に
前記釉薬層を突き抜け前記欠点となると考えられる。
【0006】本発明では、上記課題を解決すべく、陶器
素地の第1の面に着色顔料を含む第1釉薬層とさらに前
記第1釉薬層の上に第2釉薬層を形成し、前記陶器素地
の肉厚方向で前記第1の表面と反対側の第2の面に前記
第1釉薬層を形成した後、800〜1300℃で焼成し
て得られる衛生陶器であって、前記第1の面と前記第1
釉薬層との間に水溶性金属塩水溶液及び/または水溶性
金属イオン含有水溶液及び/または水溶性ハロゲン化物
水溶液を前記陶器素地に含浸させて水溶液含浸層を形成
し、さらにその上にエンゴーベ層を形成する衛生陶器を
提供する。
【0007】陶器素地の第1の面に水溶性金属塩水溶液
及び/または水溶性金属イオン含有水溶液及び/または
水溶性ハロゲン化物水溶液を含浸させて水溶液含浸層を
形成することにより、素地内部のガスを第1の面の表層
部に集めることができ、前記表層部における焼成に伴っ
て発生する素地からのガス発生温度域を、素地内部より
も低くかつ狭い領域にすることができる。これにより、
第1の面の釉薬層に廻る素地からのガスの発生は、絶対
的に少なくなり、かつ釉薬層が熔融粘性の高い状態にな
る前に終了することとなるため、前記ガスが一気に第1
の面の釉薬層を突き抜けることが無く、ピンホール及び
斑点模様などの外観不良が発生しにくくなるとともに、
表面の平滑性が前記ガスの影響で損なわれるのを防止す
ることができる。また、さらに前記水溶液含浸層の上に
エンゴーベ層を形成することにより、素地内部からのガ
スが、第1の面の第1及び第2釉薬層を通ってピンホー
ルとして成長することを防ぐ遮断機能をエンゴーベ層が
有するようになり第2釉薬層に斑点模様などの外観不良
が発生しにくくなるとともに、表面の平滑性が前記ガス
の影響で損なわれるのを防止することができる。
【0008】本発明の好ましい態様においては、前記第
2の面と前記第1釉薬層との間に水溶性金属塩水溶液及
び/または水溶性金属イオン含有水溶液及び/または水
溶性ハロゲン化物水溶液を前記陶器素地に含浸させて水
溶液含浸層を形成、またはエンゴーベ層を形成する。陶
器素地の第2の面に水溶性金属塩水溶液及び/または水
溶性金属イオン含有水溶液及び/または水溶性ハロゲン
化物水溶液を含浸させて水溶液含浸層を形成した場合に
は、素地内部のガスを第2の面の表層部に集めることが
できるため、前記表層部における焼成に伴って発生する
素地からのガス発生温度域を、素地内部よりも低くかつ
狭い領域にすることができる。その結果、前記ガスが一
気に第1の釉薬層を突き抜けることが無く、ピンホール
及び斑点模様などの外観不良が発生しにくくなるととも
に、表面の平滑性が前記ガスの影響で損なわれるのを防
止することができる。陶器素地の第2の面にエンゴーベ
層を形成した場合には、素地内部からのガスが、第2の
面の第1釉薬層を通って抜けやすくするガス放出機能を
エンゴーベ層が有するようになり、第1の面の第2釉薬
層に斑点模様などの外観不良が発生しにくくなるととも
に、表面の平滑性が前記ガスの影響で損なわれるのを防
止することができる。
【0009】本発明の好ましい態様においては、前記第
2の面と前記第1釉薬層との間に水溶性金属塩水溶液及
び/または水溶性金属イオン含有水溶液及び/または水
溶性ハロゲン化物水溶液を前記陶器素地に含浸させて水
溶液含浸層を形成し、さらにその上にエンゴーベ層を形
成する。陶器素地の第2の面に形成した水溶液含浸層に
より、素地内部のガスを第2の面の表層部に集めること
ができ、前記水溶液含浸層の上に形成したエンゴーベ層
により、素地内部及び表層部からのガスが、第2の面の
第1釉薬層を通って抜けやすくするガス放出機能を有す
るようになる。従って、前記水溶液含浸層とエンゴーベ
層の組み合わせにより、第1の面の釉薬層に廻る素地か
らのガス発生量を絶対的に少なくすることができ、その
結果として、第1の面の第2釉薬層に斑点模様などの外
観不良が発生しにくくなるとともに、表面の平滑性が前
記ガスの影響で損なわれるのを防止することができる。
【0010】また、本発明は、陶器素地の第1の面に着
色顔料を含む第1釉薬層とさらに前記第1釉薬層の上に
第2釉薬層を形成し、前記陶器素地の肉厚方向で前記第
1の表面と反対側の第2の面に前記第1釉薬層を形成し
た後、800〜1300℃で焼成して得られる衛生陶器
であって、前記第1の面と前記第1釉薬層との間にエン
ゴーベ層を形成すると共に、前記第2の面と前記第1釉
薬層との間に水溶性金属塩水溶液及び/または水溶性金
属イオン含有水溶液及び/または水溶性ハロゲン化物水
溶液を前記陶器素地に含浸させて水溶液含浸層を形成、
またはエンゴーベ層を形成することを特徴とする。陶器
素地の第1の面にエンゴーベ層を形成することにより、
素地内部からのガスが、第1の面の第1及び第2釉薬層
を通ってピンホールとして成長することを防ぐ遮断機能
をエンゴーベ層が有するようになり、第2釉薬層に斑点
模様などの外観不良が発生しにくくなるとともに、表面
の平滑性が前記ガスの影響で損なわれるのを防止するこ
とができる。さらに、陶器素地の第2の面に水溶性金属
塩水溶液及び/または水溶性金属イオン含有水溶液及び
/または水溶性ハロゲン化物水溶液を含浸させて水溶液
含浸層を形成した場合には、素地内部のガスを第2の面
の表層部に集めることができ、前記表層部おける焼成に
伴って発生する素地からのガス発生温度域を、素地内部
よりも低くかつ狭い領域にすることができる。また、陶
器素地の第2の面にエンゴーベ層を形成した場合には、
素地内部からのガスが、第2の面の第1釉薬層を通って
抜けやすくするガス放出機能をエンゴーベ層が有するよ
うになり、第1の面の第2釉薬層に斑点模様などの外観
不良が発生しにくくなるとともに、表面の平滑性が前記
ガスの影響で損なわれるのを防止することができる。
【0011】また、本発明は、陶器素地の第1の面に着
色顔料を含む第1釉薬層とさらに前記第1釉薬層の上に
第2釉薬層を形成し、前記陶器素地の肉厚方向で前記第
1の表面と反対側の第2の面に前記第1釉薬層を形成し
た後、800〜1300℃で焼成して得られる衛生陶器
であって、前記第1の面と前記第1釉薬層との間にエン
ゴーベ層を形成すると共に、前記第2の面と前記第1釉
薬層との間に水溶性金属塩水溶液及び/または水溶性金
属イオン含有水溶液及び/または水溶性ハロゲン化物水
溶液を前記陶器素地に含浸させて水溶液含浸層を形成
し、さらにその上にエンゴーベ層を形成することを特徴
とする。陶器素地の第1の面にエンゴーベ層を形成する
ことにより、素地内部からのガスが、第1の面の第1及
び第2釉薬層を通ってピンホールとして成長することを
防ぐ遮断機能をエンゴーベ層が有するようになり、第2
釉薬層に斑点模様などの外観不良が発生しにくくなると
ともに、表面の平滑性が前記ガスの影響で損なわれるの
を防止することができる。さらに、陶器素地の第2の面
に形成した水溶液含浸層により、素地内部のガスを第2
の面の表層部に集めることができ、前記水溶液含浸層の
上に形成したエンゴーベ層により、素地内部及び表層部
からのガスが、第2の面の第1釉薬層を通って抜けやす
くするガス放出機能を有するようになる。従って、前記
水溶液含浸層とエンゴーベ層の組み合わせにより、第1
の面の釉薬層に廻る素地からのガス発生量を絶対的に少
なくすることができ、その結果として、第1の面の第2
釉薬層に斑点模様などの外観不良が発生しにくくなると
ともに、表面の平滑性が前記ガスの影響で損なわれるの
を防止することができる。
【0012】また、本発明は、陶器素地の第1の面に着
色顔料を含む第1釉薬層とさらに前記第1釉薬層の上に
第2釉薬層を形成し、前記陶器素地の肉厚方向で前記第
1の表面と反対側の第2の面に前記第1釉薬層を形成し
た後、800〜1300℃で焼成して得られる衛生陶器
であって、前記第1の面と前記第1釉薬層との間に水溶
性金属塩水溶液及び/または水溶性金属イオン含有水溶
液及び/または水溶性ハロゲン化物水溶液を前記陶器素
地に含浸させて水溶液含浸層を形成すると共に、前記第
2の面と前記第1釉薬層との間にエンゴーベ層を形成す
ることを特徴とする。また、前記第2の面と前記エンゴ
ーベ層との間に水溶性金属塩水溶液及び/または水溶性
金属イオン含有水溶液及び/または水溶性ハロゲン化物
水溶液を前記陶器素地に含浸させて水溶液含浸層を形成
することを特徴とする。陶器素地の第1の面に水溶性金
属塩水溶液及び/または水溶性金属イオン含有水溶液及
び/または水溶性ハロゲン化物水溶液を含浸させて水溶
液含浸層を形成することにより、素地内部のガスを第1
の面の表層部に集めることができ、前記表層部における
焼成に伴って発生する素地からのガス発生温度域を、素
地内部よりも低くかつ狭い領域にすることができる。こ
れにより、第1の面の釉薬層に廻る素地からのガスの発
生は、絶対的に少なくなり、かつ釉薬層が熔融粘性の高
い状態になる前に終了することとなるため、前記ガスが
一気に第1の面の釉薬層を突き抜けることが無く、ピン
ホール及び斑点模様などの外観不良が発生しにくくなる
とともに、表面の平滑性が前記ガスの影響で損なわれる
のを防止することができる。陶器素地の第2の面にエン
ゴーベ層を形成した場合には、素地内部からのガスが、
第2の面の第1釉薬層を通って抜けやすくするガス放出
機能をエンゴーベ層が有するようになり、第1の面の第
2釉薬層に斑点模様などの外観不良が発生しにくくなる
とともに、表面の平滑性が前記ガスの影響で損なわれる
のを防止することができる。また、陶器素地の第2の面
に水溶性金属塩水溶液及び/または水溶性金属イオン含
有水溶液及び/または水溶性ハロゲン化物水溶液を含浸
させて水溶液含浸層を形成した場合には、素地内部のガ
スを第2の面の表層部に集めることができ、前記表層部
おける焼成に伴って発生する素地からのガス発生温度域
を、素地内部よりも低くかつ狭い領域にすることができ
る。
【0013】また、本発明は、陶器素地の第1の面に着
色顔料を含む第1釉薬層とさらに前記第1釉薬層の上に
第2釉薬層を形成し、前記陶器素地の肉厚方向で前記第
1の表面と反対側の第2の面に前記第1釉薬層を形成し
た後、800〜1300℃で焼成して得られる衛生陶器
であって、前記第2の面と第1釉薬層との間に水溶性金
属塩水溶液及び/または水溶性金属イオン含有水溶液及
び/または水溶性ハロゲン化物水溶液を前記陶器素地に
含浸させて水溶液含浸層を形成し、さらにその上にエン
ゴーベ層を形成することを特徴とする。陶器素地の第2
の面に形成した水溶液含浸層により、素地内部のガスを
第2の面の表層部に集めることができ、前記水溶液含浸
層の上に形成したエンゴーベ層により、素地内部及び表
層部からのガスが、第2の面の第1釉薬層を通って抜け
やすくするガス放出機能を有するようになる。従って、
前記水溶液含浸層とエンゴーベ層の組み合わせにより、
第1の面の釉薬層に廻る素地からのガス発生量を絶対的
に少なくすることができ、その結果として、第1の面の
第2釉薬層に斑点模様などの外観不良が発生しにくくな
るとともに、表面の平滑性が前記ガスの影響で損なわれ
るのを防止することができる。
【0014】本発明の好ましい態様においては、前記第
1の面側に形成するエンゴーベ層の気孔率が前記陶器素
地の気孔率より小さい層とする。エンゴーベ層を前記陶
器素地より気孔率の小さな層とすることにより、陶器素
地内部からのガスが前記第1の面の第1釉薬層あるいは
第1及び第2釉薬層を通ってピンホールとして成長する
ことを防ぐ遮断機能をエンゴーベ層が有するようにな
り、前記第1の面の第2釉薬層において斑点模様などの
外観不良が発生しにくくなるとともに、平滑性が損なわ
れるのを防止することができる。
【0015】本発明の好ましい態様においては、前記第
1の面側に形成するエンゴーベ層の組成は前記陶器素地
の組成より焼結開始温度が低くなるようにする。第1の
面側に形成するエンゴーベ層の組成を、素地の組成より
焼結開始温度が低くなるようにすることにより、前記エ
ンゴーベ層が前記陶器素地よりも焼結が早まり、前記素
地の焼結に伴って前記素地内部から発生するガスを遮断
する機能を持たせやすくすることができる。
【0016】本発明の好ましい態様においては、前記第
1の面側に形成するエンゴーベ層は前記陶器素地より焼
結終了温度が低い層とする。陶器素地より焼結終了温度
が低い層とすることにより、焼成過程の最高温度付近に
おける非平衡状態に伴って発生する素地内部からのガス
が、前記第1の面の第1釉薬層あるいは第1及び第2釉
薬層を通ってピンホールとして成長することを防ぐ遮断
機能を持たせやすくなり、前記第1の面の第2釉薬層に
おいて斑点模様などの外観不良が発生しにくくなるとと
もに、平滑性が損なわれるのを防止することができる。
【0017】本発明の好ましい態様においては、前記第
1の面側に形成するエンゴーベ層は前記陶器素地より焼
成収縮率が大きい層とする。陶器素地より焼成収縮率が
大きい層とすることで、陶器素地とエンゴーベ層との界
面の反応層の焼成収縮率も大きくなり、陶器素地内部に
焼成収縮率勾配が生じることとなる。その勾配に伴って
陶器素地の焼成収縮率も増加することとなり、陶器素地
内部より発生するガスが陶器素地表面においても遮断さ
れることとなり、前記第1の面の第1釉薬層において斑
点模様などの外観不良が発生しにくくなるとともに、平
滑性が損なわれるのを防止することができる。
【0018】本発明の好ましい態様においては、前記第
1の面側に形成するエンゴーベ層の原料は、50%粒径
(D50)が6μm以下の粉体原料であるようにする。
そうすることにより、エンゴーベ層をその下の陶器素地
(原料の50%粒径は、一般に7〜9μmである。)層
より気孔率の小さな緻密層とすることができ、陶器素地
内部から発生するガスへの遮断機能を持たせやすくなる
ため、前記第1の面の第2釉薬層において斑点模様など
の外観不良が発生しやすくなるとともに、平滑性が損な
われるのを防止することができる。
【0019】本発明の好ましい態様においては、前記第
1の面側に形成するエンゴーベ層の原料は、陶石30〜
50重量%、粘土30〜50重量%、熔剤10〜30重
量%からなるようにする。陶石30〜50重量%、粘土
30〜50重量%、熔剤10〜30重量%とすること
で、陶器素地の第1の面に形成するエンゴーベ層は陶器
素地よりも焼結開始温度が低く、焼成終了温度が低く、
焼成収縮率が大きくなり、安定して陶器素地内部から発
生するガスの遮断機能を有するようになるため、前記第
1の面の第2釉薬層において斑点模様などの外観不良が
発生しにくくなるとともに、平滑性が損なわれるのを防
止することができる。
【0020】本発明の好ましい態様においては、前記第
2の面側に形成するエンゴーベ層の気孔率が前記陶器素
地の気孔率より大きい層とする。気孔率の大きな層とす
ることで、陶器素地内部から発生するガスが素地裏面よ
り第1釉薬層を貫通して大気中へ放出されやすくなり、
前記第1の面の第2釉薬層において斑点模様などの外観
不良が発生しにくくなるとともに、平滑性が損なわれる
のを防止することができる。
【0021】本発明の好ましい態様においては、前記第
2の面側に形成するエンゴーベ層の組成は前記陶器素地
の組成より焼結開始温度が高くなる組成であるようにす
る。第2の面側に形成するエンゴーベ層の組成を、前記
陶器素地の組成より焼成開始温度が高くなるようにする
ことにより、前記エンゴーベ層が前記陶器素地よりも焼
結が遅くなり、焼結に伴って前記陶器素地内部から発生
するガスを第2の面より大気中に放出する機能を持たせ
やすくなる。
【0022】本発明の好ましい態様においては、前記第
2の面側に形成するエンゴーベ層は前記陶器素地より焼
成収縮率が小さい層とする。陶器素地より焼成収縮率が
小さい層とすることで、陶器素地とエンゴーベ層との界
面の反応層の焼成収縮率も小さくなり、陶器素地内部に
焼成収縮率勾配が生じることとなる。その勾配に伴って
陶器素地の焼成収縮率も減少することとなり、陶器素地
内部より発生するガスが減少するため、前記第1の面の
第1釉薬層において斑点模様などの外観不良が発生しに
くくなるとともに、平滑性が損なわれるのを防止するこ
とができる。
【0023】本発明の好ましい態様においては、前記第
2の面側に形成するエンゴーベ層の原料は、50%粒径
(D50)が8μm〜12μmの粉体原料であるように
する。粉体原料の50%粒径(D50)が8μmから1
2μmの範囲とすることにより、エンゴーベ層をその下
の陶器素地(原料の50%粒径は、一般に7〜9μmで
ある。)層より気孔率の大きな層としやすくなり、陶器
素地内部から発生するガスを陶器素地の第2の面より大
気中に放出しやすくし、陶器素地の第1の面の第1釉薬
層、第2釉薬層への前記ガスによる影響を少なくでき、
前記第1の面の第2釉薬層において斑点模様などの外観
不良が発生しにくくなるとともに、平滑性が損なわれる
のを防止することができる。
【0024】本発明の好ましい態様においては、前記第
2の面側に形成するエンゴーベ層の原料は、陶石40〜
60重量%、粘土40〜60重量%、熔剤0.1〜10
重量%からなるようにする。陶石40〜60重量%、粘
土40〜60重量%、熔剤0.1〜10重量%とするこ
とで、素地の裏面に形成するエンゴーベ層は素地よりも
焼結開始温度が高く、焼結終了温度が高く、焼成収縮率
が小さくなり、安定して素地内部から発生するガスが前
記第2の面の第1釉薬層を貫通して大気中へ開放される
のが容易となるため、前記第1の面の第2釉薬層におい
て斑点模様などの外観不良が発生しにくくなるととも
に、平滑性が損なわれるのを防止することができる。
【0025】本発明の好ましい態様においては、前記水
溶液含浸層を形成する前に、前記陶器素地を加温するよ
うにする。陶器素地が加温されたまま前記水溶液を含浸
させると、水分が瞬時に蒸発し、前記水溶液の溶質成分
又はイオン成分を前記成形体表層部に集中させることが
できる。前記陶器素地の加温温度は、前記表面処理を行
う前の前記素地表面温度が40℃以上になるようにする
ことが好ましく、70℃以上になるようにすることがよ
り好ましい。
【0026】本発明の好ましい態様においては、前記水
溶液含浸層を形成後、前記陶器素地を乾燥するようにす
る。陶器素地に前記水溶液を含浸させた後に、前記陶器
素地を乾燥させることにより水分とともに溶質成分又は
イオン成分が陶器素地内部から前記陶器素地表面へ移動
するので、上記成分を前記陶器素地表層部に集中させる
ことができる。
【0027】本発明の好ましい態様においては、前記第
1の面側及び/または第2の面側に形成するエンゴーベ
の焼成後の厚みは0.02mm以上0.04mm未満と
する。前記エンゴーベの焼成後の厚みが0.02mm未
満であると、第1の面側のエンゴーベは陶器素地内部か
ら発生するガスを遮断する機能が十分でなくなり、第2
の面側のエンゴーベは陶器素地内部から発生するガスを
大気中に放出する機能が十分に発揮されなくなる。ま
た、前記エンゴーベ層の焼成後の厚みが0.04mm以
上であると、エンゴーベ層が形成されていない部分との
凹凸を生じ、外観不良となってしまう。したがって、エ
ンゴーベ層の焼成後の厚みを上記範囲にすることによ
り、エンゴーベ層の機能を十分果たすようになり、かつ
エンゴーベ層による衛生陶器表面の外観不良を生じな
い。
【0028】
【発明の実施形態】本発明は、例えば、大便器、小便
器、洗面器、手洗い器等の衛生陶器に利用できる。また
大便器においては、ボール面、トラップ部、リム裏な
ど、小便器においては、ボール面、トラップ部、サナ
等、洗面器、手洗い器においては、ボール面などの汚れ
の付着しやすい一部分への適用も有効である。
【0029】前記第1釉薬層の原料には、珪石、長石、
石灰石などの天然鉱物粒子の混合物、非晶質釉薬、また
はそれらの混合物を含む原料に顔料及び/または乳濁剤
が添加されたものを用いる。前記第2釉薬層の原料に
は、非晶質原料、非晶質原料と天然鉱物粒子との混合
物、天然鉱物粒子を微細化したもののいずれかが好適に
利用できる。非晶質原料とは上記の天然鉱物粒子などの
混合物からなる原料を予め高温で熔融しガラス化させた
原料のことをいい、例えばフリットが最も好適に利用で
きる。
【0030】「水溶性金属塩水溶液及び/または水溶性
金属イオン含有水溶液及び/または水溶性ハロゲン化物
水溶液」としては、例えば、塩化リチウム、塩化ナトリ
ウム、塩化カリウム、塩化ルビジウム、塩化セシウム、
塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウ
ム、塩化バリウム、塩化アルミニウム、塩化亜鉛などの
金属塩化物水溶液;硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝
酸カリウム、硝酸ルビジウム、硝酸セシウム、硝酸マグ
ネシウム、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸
バリウム、硝酸亜鉛などの金属硝酸塩水溶液;炭酸リチ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウ
ム、炭酸セシウムなどの炭酸塩水溶液;炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ルビジウム、炭酸水
素セシウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウ
ムなどの金属炭酸水素塩水溶液;硫酸リチウム、硫酸ナ
トリウム、硫酸カリウム、硫酸ルビジウム、硫酸セシウ
ム、硫酸亜鉛などの金属硫酸塩水溶液;水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジ
ウム、水酸化セシウムなどの金属水酸化物水溶液;燐酸
ナトリウム、燐酸カリウムなどの金属燐酸塩水溶液、燐
酸水素リチウム、燐酸水素ナトリウム、燐酸水素カリウ
ムなどの金属燐酸水素塩水溶液;酢酸リチウム、酢酸ナ
トリウム、酢酸カリウム、酢酸ルビジウム、酢酸セシウ
ム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸ストロン
チウム、酢酸バリウムなどの金属酢酸塩水溶液;重硫酸
カリウム水溶液、過塩素酸カリウム水溶液、カリウムミ
ョウバン水溶液、ホウ砂水溶液;珪酸リチウム、珪酸ナ
トリウム、珪酸カリウムなどの水ガラス水溶液;リチウ
ム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マ
グネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、
亜鉛のイオンを含有する水溶液、塩化アンモニウム、塩
化水素、臭化カリウム、ヨウ化カリウムなどのハロゲン
化物水溶液を好適に利用できる。
【0031】エンゴーベの原料としては、具体的には以
下に限定されないが、例えば、陶石、粘土、長石、ドロ
マイト、石灰、BaCO3、SrCO3、シャモット、
亜鉛華、珪石、スピネル化合物、アルミナ、ムライト、
水酸化アルミニウムの内の少なくとも2種類以上を配合
した混合を用いる。前記陶器素地の第1の面に形成する
焼結開始温度を低くするエンゴーベ層については、焼結
開始温度を変化させるように作用する成分のアルミナ、
ムライト、水酸化アルミニウムなどの配合比率を、素地
原料よりも少なくする。前記陶器素地の第2の面に形成
する焼結開始温度を高くするエンゴーベ層については、
焼結開始温度を変化させるように作用する成分のアルミ
ナ、ムライト、水酸化アルミニウムなどの配合比率を、
素地原料よりも多くする。
【0032】本発明においては、まず水溶性金属塩水溶
液及び/または水溶性金属イオン含有水溶液及び/また
は水溶性ハロゲン化物水溶液を用意する。前記水溶液の
適正な濃度は各物質の溶解度に依存するが、1〜50%
が好適に利用できる。また、前記水溶液を含浸させる方
法としてはスプレー、刷毛塗り、ディッピング等の一般
的な方法が好適に利用できる。前記水溶液を含浸させる
工程の前に、陶器素地が加温されているようにしてもよ
いし、前記水溶液を含浸させる工程の後に、前記陶器素
地を乾燥させるようにしてもよい。
【0033】次にエンゴーベ層を形成するための原料粉
体を用意する。これは上記原料をボールミルなどで混合
し、必要に応じて粉砕することによって、目的物を得
る。
【0034】次に、着色性釉薬を用意する。これには、
上記釉薬原料と顔料及び/又は乳濁剤をボール見るなど
で混合し、必要に応じて粉砕することによってもよい
し、顔料及び/又は乳濁剤が添加されている市販品の着
色性釉薬を購入してもよい。
【0035】次に、顔料及び乳濁剤を含まない透明性釉
薬を用意するため、上記天然鉱物粒子と非晶質釉薬と
を、両者の合計和に対する非晶質釉薬の割合が望ましく
は50〜99重量%、より望ましくは60〜95重量%
になるように混合し、透明性釉薬原料を準備する。これ
をボールミルなどで混合し、必要に応じて粉砕し、目的
物を得る。
【0036】次いで、一般的な衛生陶器の製造工程によ
り準備された衛生陶器成形体の表面に、上記水溶液及び
/または上記エンゴーベを少なくとも一部分に適用す
る。ここで少なくとも一部分とは、例えば、大便器にお
けるボール面、トラップ部、リム裏等の汚れやすい一部
分への適用、及び大便器などの全体への適用の双方をさ
す。また適用方法は、スプレーコート、フローコート、
印刷などの周知の方法が利用できる。
【0037】次いで、前記水溶液及び/または前記エン
ゴーベを少なくとも一部分に施した衛星陶器成形体表面
の必要部分に、着色性釉薬を施し、さらにその上から透
明性釉薬を少なくとも一部分に施釉することにより、表
面平滑機能層を形成する。ここで透明性釉薬被覆層の少
なくとも一部分とは、例えば、大便器におけるボール
面、トラップ部、リム裏等の汚れやすい一部分への適
用、及び大便器などの全体への適用の双方をさす。また
適用方法は、スプレーコート、フローコート、印刷など
の周知の方法が利用できる。
【0038】その後、800〜1300℃の温度で焼成
することにより、成形素地及びエンゴーベが焼結すると
ともに、2つの釉薬層が固着し、優れた表面平滑性を有
する衛生陶器となる。
【0039】
【実施例】(比較例1)
【0040】
【表1】
【0041】表1の組成からなる釉薬原料2Kgと水1
Kg及び球石4Kgを、容積6リットルの陶器製ポット
に入れ、レーザー回折式粒度分布計を用いた粉砕後の着
色性釉薬スラリーの粒度測定結果が、10μm以下が6
5%、50%平均粒径(D50)が6.5μm程度にな
るように、ボールミルにより粉砕を行った。ここで得ら
れた釉薬スラリーを、第一の釉薬Aとする。
【0042】次に、珪砂、長石、粘土等を原料として調
製した衛生陶器素地泥漿を用いて、ボール面の裏側は施
釉する必要の無いアンダーカウンター式の洗面器を成形
し、脱型後、乾燥し、衛生陶器洗面器成形体を得た。次
に、第一の釉薬Aをスプレーコーティング法により塗布
し、800〜1300℃で焼成することにより衛生陶器
洗面器を得た。
【0043】得られた衛生陶器洗面器について、釉薬表
面の外観欠点を目視により確認を行った。また、釉薬表
面の平滑性においては、陶器表面に鉛筆にて痕跡をつ
け、そのあと、タオルにて乾き拭きを行った後の残痕を
目視にて観察した。その結果、釉薬層には部分的にピン
ホール状の外観欠点が確認でき、斑点状の外観欠点は認
められなかった。また、平滑性においては、鉛筆の残痕
が確認でき、満足する平滑性を得ることができなかっ
た。 (比較例2)
【0044】
【表2】
【0045】表2の組成からなる釉薬原料と、非晶質釉
薬とを、両者の合計和に対する非晶質釉薬の割合が50
〜99重量%になるように調整した透明性釉薬原料2K
gと水1Kg及び球石4Kgを、容積6リットルの陶器
製ポットに入れ、レーザー回折式粒度分布計を用いた粉
砕後の透明性釉薬スラリーの粒度測定結果が、10μm
以下が67%、50%平均粒径(D50)が6.0μm
になるように、ボールミルにより粉砕を行った。ここで
得られた釉薬スラリーを、第二の釉薬Bとする。
【0046】次に、珪砂、長石、粘土等を原料として調
製した衛生陶器素地泥漿を用いて、ボール面の裏側も施
釉する必要のある壁掛け式の洗面器を成形し、脱型後、
乾燥し、衛生陶器洗面器成形体を得た。次に、下層とし
て第一の釉薬Aをスプレーコーティング法により塗布
し、更にその上に上層として第二の釉薬Bをスプレーコ
ーティング法により塗布を行った。その後、800〜1
300℃で焼成することにより衛生陶器洗面器を得た。
【0047】得られた衛生陶器洗面器について、比較例
1と同様の評価を行った。その結果、釉薬層には部分的
にピンホール状かつ斑点状の外観欠点が認められた。ま
た、平滑性においては、前記欠点部分において、鉛筆の
残痕が確認でき、満足する平滑性を得ることができなか
った。
【0048】(実施例1)塩化マグネシウム六水和物3
000gに水7000gを加えた後、卓上撹拌機で10
分間撹拌して得られた水溶液を用意し、これを水溶液C
とする。次に、素地のおもて面(第1の面)に形成する
ためのエンゴーベ原料として、陶石30〜50重量%、
粘土30〜50重量%、長石10〜30重量%となるよ
うに調整した原料2Kgと水2Kg及び球石4Kgを、
容積6リットルの陶器製ポットに入れ、レーザー回折式
粒度分布計を用いた粉砕後のエンゴーベ原料スラリーの
粒度測定結果が、10μm以下が71%、50%平均粒
径(D50)が5.0μm程度になるように、ボールミ
ルにより粉砕を行った。ここで得られた素地おもて面に
形成するためのエンゴーベ原料スラリーを、泥漿Dとす
る。次に、素地の裏面(第2の面)に形成するためのエ
ンゴーベ原料として、陶石40〜60重量%、粘土40
〜60重量%、長石0.1〜10重量%となるように調
整した原料2Kgと水2Kg及び球石4Kgを、容積6
リットルの陶器製ポットに入れ、レーザー回折式粒度分
布計を用いた粉砕後のエンゴーベ原料スラリーの粒度測
定結果が、10μm以下が55%、50%平均粒径(D
50)が8.5μm程度になるように、ボールミルによ
り粉砕を行った。ここで得られた素地裏面に形成するた
めのエンゴーベ原料スラリーを、泥漿Eとする。次に比
較例2で準備したものと同一の壁掛け洗面器を用意し、
図1に示すように、洗面器の成形体素地1のボール面の
おもて面(第1の面)7に水溶液Cをスプレーコーティ
ング法で塗布し水溶液含侵層2を形成した。次に、成形
体を50℃で3時間乾燥した。次に、ボール面のおもて
面(第1の面)7にエンゴーベとして、泥漿Dをスプレ
ーコーティング法で塗布しエンゴーベ層3を形成した。
【0049】さらに、ボール面の表裏両面を含む必要な
部分に下層として第一の釉薬Aをスプレーコーティング
法により塗布して第1釉薬層5を形成し、ボール面のお
もて面(第1の面)7側の第1釉薬層5の上に上層とし
て第二の釉薬Bをスプレーコーティング法により塗布し
て第1釉薬層6を形成した。その後、800〜1300
℃で焼成することにより衛生陶器洗面器を得た。
【0050】得られた衛生陶器洗面器について、比較例
1と同様の評価を行った。その結果、第2釉薬層6には
ピンホール状あるいは斑点状の外観欠点が認められなか
った。また、平滑性においては、鉛筆の残痕が確認でき
ず、満足する平滑性を得ることができた。
【0051】(実施例2)比較例2で準備したものと同
一の壁掛け洗面器を用意し、図2に示すように、洗面器
の成形体素地1のボール面の裏面(第2の面)8に水溶
液Cをスプレーコーティング法で塗布して水溶液含侵層
2を形成した。成形体を50℃で3時間乾燥した。次
に、ボール面のおもて面(第1の面)7にエンゴーベと
して、泥漿Dをスプレーコーティング法で塗布してエン
ゴーベ層3を形成した。
【0052】さらに、ボール面の表裏両面を含む必要な
部分に下層として第一の釉薬Aをスプレーコーティング
法により塗布して第1釉薬層5を形成し、ボール面のお
もて面(第1の面)7側の第1釉薬層5上に上層として
第二の釉薬Bをスプレーコーティング法により塗布して
第2釉薬層6を形成した。その後、800〜1300℃
で焼成することにより衛生陶器洗面器を得た。
【0053】得られた衛生陶器洗面器について、比較例
1と同様の評価を行った。その結果、第2釉薬層6には
ピンホール状あるいは斑点状の外観欠点が認められなか
った。また、平滑性においては、鉛筆の残痕が確認でき
ず、満足する平滑性を得ることができた。
【0054】(実施例3)比較例2で準備したものと同
一の壁掛け洗面器を用意し、図3に示すように、洗面器
の成形体素地1のボール面の表裏両面に水溶液Cをスプ
レーコーティング法で塗布して水溶液含侵層2を形成し
た。次に、成形体を50℃で3時間乾燥した。次に、ボ
ール面のおもて面(第1の面)7にエンゴーベとして、
泥漿Dをスプレーコーティング法で塗布してエンゴーベ
層3を形成した。
【0055】さらに、ボール面の表裏両面を含む必要な
部分に下層として第一の釉薬Aをスプレーコーティング
法により塗布して第1釉薬層5を形成し、ボール面のお
もて面(第1の面)7側の第1釉薬層5の上に上層とし
て第二の釉薬Bをスプレーコーティング法により塗布し
て第2釉薬層6を形成した。その後、800〜1300
℃で焼成することにより衛生陶器洗面器を得た。
【0056】得られた衛生陶器洗面器について、比較例
1と同様の評価を行った。その結果、第2釉薬層6には
ピンホール状あるいは斑点状の外観欠点が認められなか
った。また、平滑性においては、鉛筆の残痕が確認でき
ず、満足する平滑性を得ることができた。
【0057】(実施例4)比較例2で準備したものと同
一の壁掛け洗面器を用意し、図4に示すように、洗面器
の成形体素地1のボール面のおもて面(第1の面)7に
水溶液Cをスプレーコーティング法で塗布して水溶液含
侵層2を形成した。次に、成形体を50℃で3時間乾燥
した。次に、ボール面の裏面(第2の面)8にエンゴー
ベとして、泥漿Eをスプレーコーティング法で塗布して
エンゴーベ層4を形成した。
【0058】さらに、ボール面の表裏両面を含む必要な
部分に下層として第一の釉薬Aをスプレーコーティング
法により塗布して第1釉薬層5を形成し、ボール面のお
もて面(第1の面)7側の第1釉薬層5の上に上層とし
て第二の釉薬Bをスプレーコーティング法により塗布し
て第2釉薬層6を行った。その後、800〜1300℃
で焼成することにより衛生陶器洗面器を得た。
【0059】得られた衛生陶器洗面器について、比較例
1と同様の評価を行った。その結果、第2釉薬層6には
ピンホール状あるいは斑点状の外観欠点が認められなか
った。また、平滑性においては、鉛筆の残痕が確認でき
ず、満足する平滑性を得ることができた。
【0060】(実施例5)比較例2で準備したものと同
一の壁掛け洗面器を用意し、図5に示すように、洗面器
の成形体素地1のボール面の裏面(第2の面)8に水溶
液Cをスプレーコーティング法で塗布して水溶液含浸層
2を形成した。次に、成形体を50℃で3時間乾燥し
た。次に、ボール面の裏面(第2の面)8にエンゴーベ
として、泥漿Eをスプレーコーティング法で塗布してエ
ンゴーベ層4を形成した。
【0061】さらに、ボール面の表裏両面を含む必要な
部分に下層として第一の釉薬Aをスプレーコーティング
法により塗布して第1釉薬層5を形成し、ボール面のお
もて面(第1の面)7側の第1釉薬層5の上に上層とし
て第二の釉薬Bをスプレーコーティング法により塗布し
て第2釉薬層6を形成した。その後、800〜1300
℃で焼成することにより衛生陶器洗面器を得た。
【0062】得られた衛生陶器洗面器について、比較例
1と同様の評価を行った。その結果、第2釉薬層6には
ピンホール状あるいは斑点状の外観欠点が認められなか
った。また、平滑性においては、鉛筆の残痕が確認でき
ず、満足する平滑性を得ることができた。
【0063】(実施例6)比較例2で準備したものと同
一の壁掛け洗面器を用意し、図6に示すように、洗面器
の成形体素地1のボール面の表裏両面に水溶液Cをスプ
レーコーティング法で塗布して水溶液含侵層2を形成し
た。次に、成形体を50℃で3時間乾燥した。次に、ボ
ール面の裏面(第2の面)8にエンゴーベとして、泥漿
Eをスプレーコーティング法で塗布してエンゴーベ層4
を形成した。
【0064】さらに、ボール面の表裏両面を含む必要な
部分に下層として第一の釉薬Aをスプレーコーティング
法により塗布して第1釉薬層5を形成し、ボール面のお
もて面(第1の面)7側の第1釉薬層5の上に上層とし
て第2の釉薬Bをスプレーコーティング法により塗布し
て第2釉薬層6を形成した。その後、800〜1300
℃で焼成することにより衛生陶器洗面器を得た。
【0065】得られた衛生陶器洗面器について、比較例
1と同様の評価を行った。その結果、第2釉薬層6には
ピンホール状あるいは斑点状の外観欠点が認められなか
った。また、平滑性においては、鉛筆の残痕が確認でき
ず、満足する平滑性を得ることができた。
【0066】(実施例7)比較例2で準備したものと同
一の壁掛け洗面器を用意し、図7に示すように、洗面器
の成形体素地1のボール面のおもて面(第1の面)7に
エンゴーベとして、泥漿Dをスプレーコーティング法で
塗布してエンゴーベ層3を形成し、裏面(第2の面)8
にはエンゴーベとして、泥漿Eをスプレーコーティング
法で塗布してエンゴーベ層4を形成した。
【0067】さらに、ボール面の表裏両面を含む必要な
部分に下層として第一の釉薬Aをスプレーコーティング
法により塗布して第1釉薬層5を形成し、ボール面のお
もて面(第1の面)7側の第1釉薬層5上に上層として
第2の釉薬Bをスプレーコーティング法により塗布して
第2釉薬層6を形成した。その後、800〜1300℃
で焼成することにより衛生陶器洗面器を得た。
【0068】得られた衛生陶器洗面器について、比較例
1と同様の評価を行った。その結果、第2釉薬層6には
ピンホール状あるいは斑点状の外観欠点が認められなか
った。また、平滑性においては、鉛筆の残痕が確認でき
ず、満足する平滑性を得ることができた。
【0069】(実施例8)比較例2で準備したものと同
一の壁掛け洗面器を用意し、図8に示すように、洗面器
の成形体素地1のボール面のおもて面(第1の面)7に
水溶液Cをスプレーコーティング法で塗布して水溶液含
侵層2を形成した。次に、成形体を50℃で3時間乾燥
した。次に、ボール面のおもて面(第1の面)7にエン
ゴーベとして、泥漿Dをスプレーコーティング法で塗布
してエンゴーベ層3を形成し、さらに、ボール面の裏面
(第2の面)8にエンゴーベとして、泥漿Eをスプレー
コーティング法で塗布してエンゴーベ層3を形成した。
【0070】さらに、ボール面の表裏両面を含む必要な
部分に下層として第一の釉薬Aをスプレーコーティング
法により塗布して第1釉薬層5を形成し、ボール面のお
もて面(第1の面)7側の第1釉薬層5の上に上層とし
て第二の釉薬Bをスプレーコーティング法により塗布し
て第2釉薬層6を形成した。その後、800〜1300
℃で焼成することにより衛生陶器洗面器を得た。
【0071】得られた衛生陶器洗面器について、比較例
1と同様の評価を行った。その結果、第2釉薬層6には
ピンホール状あるいは斑点状の外観欠点が認められなか
った。また、平滑性においては、鉛筆の残痕が確認でき
ず、満足する平滑性を得ることができた。
【0072】(実施例9)比較例2で準備したものと同
一の壁掛け洗面器を用意し、図9に示すように、洗面器
の成形体素地1のボール面の裏面(第2の面)8に水溶
液Cをスプレーコーティング法で塗布して水溶液含侵層
2を形成した。次に、成形体を50℃で3時間乾燥し
た。次に、ボール面のおもて面(第1の面)7にエンゴ
ーベとして、泥漿Dをスプレーコーティング法で塗布し
てエンゴーベ層3を形成し、さらに、ボール面の裏面
(第2の面)にエンゴーベとして、泥漿Eをスプレーコ
ーティング法で塗布してエンゴーベ層4を形成した。
【0073】さらに、ボール面の表裏両面を含む必要な
部分に下層として第一の釉薬Aをスプレーコーティング
法により塗布して第1釉薬層5を形成し、ボール面のお
もて面(第1の面)側7の第1釉薬層5の上に上層とし
て第二の釉薬Bをスプレーコーティング法により塗布し
て第2釉薬層6を形成した。その後、800〜1300
℃で焼成することにより衛生陶器洗面器を得た。
【0074】その結果、第2釉薬層6にはピンホール状
あるいは斑点状の外観欠点が認められなかった。また、
平滑性においては、鉛筆の残痕が確認できず、満足する
平滑性を得ることができた。
【0075】(実施例10)比較例2で準備したものと
同一の壁掛け洗面器を用意し、図10に示すように、洗
面器の成形体素地1のボール面の表裏両面に水溶液Cを
スプレーコーティング法で塗布して水溶液含侵層2を形
成した。次に、成形体を50℃で3時間乾燥した。次
に、ボール面のおもて面(第1の面)7にエンゴーベと
して、泥漿Dをスプレーコーティング法で塗布してエン
ゴーベ層3を形成し、さらに、ボール面の裏面(第2の
面)にエンゴーベとして、泥漿Eをスプレーコーティン
グ法で塗布してエンゴーベ層4を形成した。
【0076】さらに、ボール面の表裏両面を含む必要な
部分に下層として第一の釉薬Aをスプレーコーティング
法により塗布して第1釉薬層5を形成し、ボール面のお
もて面(第1の面)7側の第1釉薬層5の上に上層とし
て第二の釉薬Bをスプレーコーティング法により塗布し
て第1釉薬層6を形成した。その後、800〜1300
℃で焼成することにより衛生陶器洗面器を得た。
【0077】その結果、第2釉薬層6にはピンホール状
あるいは斑点状の外観欠点が認められなかった。また、
平滑性においては、鉛筆の残痕が確認できず、満足する
平滑性を得ることができた。
【0078】
【表3】
【0079】比較例及び実施例における水溶液と塗布エ
ンゴーベ形成の有無、外観評価の結果を合わせて上記表
3に示した。表3における外観評価のピンホールにおけ
る「○」はピンホールが確認されないことを示し、
「△」は部分的にピンホールが確認されたことを示す。
また、斑点模様の「○」は斑点模様が確認されないこと
を示し、「△」は部分的に斑点模様が確認されたことを
示す。平滑性においては、「○」は鉛筆の残痕が確認さ
れないことを示し、「▲」はピンホール及び斑点模様の
部分だけ鉛筆の残痕が確認されたことを示し、「×」は
全体的に鉛筆の残痕が確認されたことを示す。表3から
素地のおもて面及び/または裏面に上記水溶液を含浸さ
せることによる素地内部から発生するガスの影響を前記
素地おもて面の第二の釉薬層が受けにくくなり、また、
素地のおもて面及び/または裏面に上記エンゴーベを形
成することによる素地内部から発生するガスの影響を前
記素地おもて面の第二の釉薬層が受けにくくなった。こ
れにより、第一の釉薬層を素地表裏両面に施した衛生陶
器の第二の釉薬層におけるピンホール及び斑点模様など
の外観不良が発生しにくくなるとともに、表面の平滑性
が保たれることが確認できた。
【0080】
【発明の効果】本発明によれば、陶器素地の第1の面に
着色顔料を含む第1釉薬層とさらに前記第1釉薬層の上
に第2釉薬層を形成し、前記陶器素地の肉厚方向で前記
第1の面と反対側の第2の面に第1釉薬層を形成した
後、焼成して得られる衛生陶器の前記第2釉薬層が形成
されている部分において、外観が良好で、長期にわたっ
て表面の平滑性が維持され、汚れを容易に除去し得る衛
生陶器を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を示す図である。
【図2】本発明の実施例2を示す図である。
【図3】本発明の実施例3を示す図である。
【図4】本発明の実施例4を示す図である。
【図5】本発明の実施例5を示す図である。
【図6】本発明の実施例6を示す図である。
【図7】本発明の実施例7を示す図である。
【図8】本発明の実施例8を示す図である。
【図9】本発明の実施例9を示す図である。
【図10】本発明の実施例10を示す図である。
【符号の説明】 1…成形体素地 2…水溶液含浸層 3、4…エンゴーベ層 5…第1釉薬層(着色性釉薬層) 6…第2釉薬層(透明性釉薬層) 7…おもて面(第1の面) 8…裏面(第2の面)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀内 智 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 町田 光義 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 川上 克博 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陶器素地の第1の面に着色顔料を含む第
    1釉薬層とさらに前記第1釉薬層の上に第2釉薬層を形
    成し、前記陶器素地の肉厚方向で前記第1の面と反対側
    の第2の面に前記第1釉薬層を形成した後、800〜1
    300℃で焼成して得られる衛生陶器であって、 前記第1の面と前記第1釉薬層との間に水溶性金属塩水
    溶液及び/または水溶性金属イオン含有水溶液及び/ま
    たは水溶性ハロゲン化物水溶液を前記陶器素地に含浸さ
    せて水溶液含浸層を形成し、さらにその上にエンゴーベ
    層を形成することを特徴とする衛生陶器。
  2. 【請求項2】 前記第2の面と前記第1釉薬層との間に
    水溶性金属塩水溶液及び/または水溶性金属イオン含有
    水溶液及び/または水溶性ハロゲン化物水溶液を前記陶
    器素地に含浸させて水溶液含浸層を形成、またはエンゴ
    ーベ層を形成することを特徴とする請求項1記載の衛生
    陶器。
  3. 【請求項3】 前記第2の面と前記第1釉薬層との間に
    水溶性金属塩水溶液及び/または水溶性金属イオン含有
    水溶液及び/または水溶性ハロゲン化物水溶液を前記陶
    器素地に含浸させて水溶液含浸層を形成し、さらにその
    上にエンゴーベ層を形成することを特徴とする請求項1
    記載の衛生陶器。
  4. 【請求項4】 陶器素地の第1の面に着色顔料を含む第
    1釉薬層とさらに前記第1釉薬層の上に第2釉薬層を形
    成し、前記陶器素地の肉厚方向で前記第1の面と反対側
    の第2面に前記第1釉薬層を形成した後、800〜13
    00℃で焼成して得られる衛生陶器であって、 前記第1の面と前記第1釉薬層との間にエンゴーベ層を
    形成すると共に、前記第2の面と前記第1釉薬層との間
    に水溶性金属塩水溶液及び/または水溶性金属イオン含
    有水溶液及び/または水溶性ハロゲン化物水溶液を前記
    陶器素地に含浸させて水溶液含浸層を形成、またはエン
    ゴーベ層を形成することを特徴とする衛生陶器。
  5. 【請求項5】 陶器素地の第1の面に着色顔料を含む第
    1釉薬層とさらに前記第1釉薬層の上に第2釉薬層を形
    成し、前記陶器素地の肉厚方向で前記第1の表面と反対
    側の第2の面に前記第1釉薬層を形成した後、800〜
    1300℃で焼成して得られる衛生陶器であって、 前記第1の面と前記第1釉薬層との間にエンゴーベ層を
    形成すると共に、前記第2の面と前記第1釉薬層との間
    に水溶性金属塩水溶液及び/または水溶性金属イオン含
    有水溶液及び/または水溶性ハロゲン化物水溶液を前記
    陶器素地に含浸させて水溶液含浸層を形成し、さらにそ
    の上にエンゴーベ層を形成することを特徴とする衛生陶
    器。
  6. 【請求項6】 陶器素地の第1の面に着色顔料を含む第
    1釉薬層とさらに前記第1釉薬層の上に第2釉薬層を形
    成し、前記陶器素地の肉厚方向で前記第1の表面と反対
    側の第2の面に前記第1釉薬層を形成した後、800〜
    1300℃で焼成して得られる衛生陶器であって、 前記第1の面と前記第1釉薬層との間に水溶性金属塩水
    溶液及び/または水溶性金属イオン含有水溶液及び/ま
    たは水溶性ハロゲン化物水溶液を前記陶器素地に含浸さ
    せて水溶液含浸層を形成すると共に、前記2の面と前記
    第1釉薬層との間にエンゴーベ層を形成することを特徴
    とする衛生陶器。
  7. 【請求項7】 前記2の面と前記エンゴーベ層との間に
    水溶性金属塩水溶液及び/または水溶性金属イオン含有
    水溶液及び/または水溶性ハロゲン化物水溶液を前記陶
    器素地に含浸させて水溶液含浸層を形成することを特徴
    とする請求項6に記載の衛生陶器。
  8. 【請求項8】 陶器素地の第1の面に着色顔料を含む第
    1釉薬層とさらに前記第1釉薬層の上に第2釉薬層を形
    成し、前記陶器素地の肉厚方向で前記第1の表面と反対
    側の第2の面に前記第1釉薬層を形成した後、800〜
    1300℃で焼成して得られる衛生陶器であって、 前記第2の面と前記第1釉薬層との間に水溶性金属塩水
    溶液及び/または水溶性金属イオン含有水溶液及び/ま
    たは水溶性ハロゲン化物水溶液を前記陶器素地に含浸さ
    せて水溶液含浸層を形成し、さらにその上にエンゴーベ
    層を形成することを特徴とする衛生陶器。
  9. 【請求項9】 前記第1の面側に形成するエンゴーベ層
    の気孔率が前記陶器素地の気孔率より小さいことを特徴
    とする請求項1〜5記載の衛生陶器。
  10. 【請求項10】 前記第1の面側に形成するエンゴーベ
    層の組成は前記陶器素地の組成より焼結開始温度が低い
    ことを特徴とする請求項1〜5、9記載の衛生陶器。
  11. 【請求項11】 前記第1の面側に形成するエンゴーベ
    層は前記陶器素地より焼結終了温度が低いことを特徴と
    する請求項1〜5、9、10記載の衛生陶器。
  12. 【請求項12】 前記第1の面側に形成するエンゴーベ
    層は前記陶器素地より焼成収縮率が大きいことを特徴と
    する請求項1〜5、9〜11記載の衛生陶器。
  13. 【請求項13】 前記第1の面側に形成するエンゴーベ
    層の原料は、50%粒径(D50)が6μm以下の粉体
    原料であることを特徴とする請求項1〜5、9〜12記
    載の衛生陶器。
  14. 【請求項14】 前記第1の面側に形成するエンゴーベ
    層の原料は、陶石30〜50重量%、粘土30〜50重
    量%、熔剤10〜30重量%からなることを特徴とする
    請求項1〜5、9〜13記載の衛生陶器。
  15. 【請求項15】 前記第2の面側に形成するエンゴーベ
    層の気孔率が前記陶器素地の気孔率より大きいことを特
    徴とする請求項2〜8記載の衛生陶器。
  16. 【請求項16】 前記第2の面側に形成するエンゴーベ
    層の組成は前記陶器素地の組成より焼結開始温度が高く
    なる組成であることを特徴とする請求項2〜8、15記
    載の衛生陶器。
  17. 【請求項17】 前記第2の面側に形成するエンゴーベ
    層は前記陶器素地より焼成収縮率が小さいことを特徴と
    する請求項2〜8、15、16記載の衛生陶器
  18. 【請求項18】 前記第2の面側に形成するエンゴーベ
    層の原料は、50%粒径(D50)が7μm〜12μm
    の粉体原料であることを特徴とする請求項2〜8、15
    〜17に記載の衛生陶器。
  19. 【請求項19】 前記第2の面側に形成するエンゴーベ
    層の原料は、陶石40〜60重量%、粘土40〜60重
    量%、熔剤0.1〜10重量%からなることを特徴とす
    る請求項2〜8、15〜18記載の衛生陶器。
  20. 【請求項20】 前記水溶液含浸層を形成する前に、前
    記陶器素地を加温することを特徴とする請求項1〜19
    記載の衛生陶器。
  21. 【請求項21】 前記水溶液含浸層を形成後、前記陶器
    素地を乾燥することを特徴とする請求項1〜20記載の
    衛生陶器。
  22. 【請求項22】前記第1の面側及び/または第2の面側
    に形成するエンゴーベ層の焼成後の厚みは0.02mm
    以上0.04mm未満であることを特徴とする請求項1
    〜21記載の衛生陶器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115893844A (zh) * 2022-11-22 2023-04-04 景德镇陶瓷大学 一种超平滑陶瓷釉的制备方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115893844A (zh) * 2022-11-22 2023-04-04 景德镇陶瓷大学 一种超平滑陶瓷釉的制备方法
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