JP2002187766A - 衛生陶器及びその製造方法 - Google Patents

衛生陶器及びその製造方法

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JP2002187766A JP2000380447A JP2000380447A JP2002187766A JP 2002187766 A JP2002187766 A JP 2002187766A JP 2000380447 A JP2000380447 A JP 2000380447A JP 2000380447 A JP2000380447 A JP 2000380447A JP 2002187766 A JP2002187766 A JP 2002187766A
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Yasushi Nakajima
靖 中島
Tomoyasu Ichiki
智康 一木
Katsuhiro Kawakami
克博 川上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 施釉を施す部位の欠点発生抑制に好適な衛生
陶器の製造方法及びそれにより作製可能な衛生陶器を提
供すること。 【解決手段】 陶器原料を衛生陶器用の成形型に注入し
て陶器素地成形体を得る工程、前記成形体に水溶性金属
塩水溶液及び/または水溶性金属イオン含有水溶液及び
/または水溶性ハロゲン物水溶液を含浸させる工程、前
記成形体の必要な箇所に釉薬層を形成する工程、800
〜1300℃で焼成する工程を含む衛生陶器の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は大便器、小便器、洗
面器、手洗い器、便器タンクなどの衛生陶器の製造方法
に係り、特に施釉を施す部位の欠点発生抑制に好適な衛
生陶器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、衛生陶器は陶器原料を衛生陶器用
の成形型に注入して陶器素地成形体を得た後、外観上意
匠性を持たせたい部分等の必要な箇所に施釉を施して8
00〜1300℃で焼成して得られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】施釉を施す部位は素地
の厚み方向に対して片面の場合もあれば両面の場合もあ
り、さらには片面が空洞状態の場合もある。焼成後にお
いて前述した施釉を施す部位毎に特有の欠点が発生し、
素地の厚み方向に対して両面に施釉する部位や内部に空
洞をもつ部位の釉面にピンホール状の欠点が発生するこ
とが多々あり、更に多層施釉を施す場合は同部位に斑点
状の欠点が発生することが多々ある。上記欠点発生の原
因としては、焼成に伴って発生する素地からのガスが釉
薬層へと廻り、前記釉薬層を突き抜けることによる。そ
の対策として、従来、素地の厚み方向に対して両面に施
釉する部位は内部に空洞を設ける様に形状の変更を行っ
たり、内部に空洞をもつ部位は外気に通じる孔をもたせ
たり、更にはその孔を大きくしたり、焼成条件を変更し
たりしている。しかし、形状の変更や外気に通じる孔を
大きくすることは、成形工程における歩留りの低下や製
品の強度及び機能低下を招くなどの不具合が発生し、更
には上記欠点発生抑制の効果についても充分とは言い難
い。本発明は、上記課題を解決するためになされたもの
で、本発明の目的は、特に施釉を施す部位の欠点発生抑
制に好適な衛生陶器の製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述する釉面のピンホー
ル状及び斑点状欠点の発生原因は、より詳細に考察する
と、焼成に伴って発生する素地からのガスが、焼成にお
ける最高温度域近くの高温状態、すなわち、釉薬層の熔
融粘性が下がっていく状態にまでも発生が継続し、前記
ガスが熔融粘性が低く隙間のほとんどない状態となって
いる釉薬層へと廻り、釉薬層を突き抜けためと考えられ
る。釉薬層の熔融粘性がまだ高い段階で前記釉薬層に廻
った前記ガスは、一気に前記釉薬層を突き抜けず、一旦
釉薬層に止まった後、釉薬層の熔融粘性が低くなった後
に徐々に外気へと放出されると考えられる。しかし、釉
薬層の熔融粘性が低い段階で前記釉薬層に廻った前記ガ
スは、一気に前記釉薬層を突き抜け前記欠点となると考
えられる。
【0005】本発明では、陶器原料を衛生陶器用の成形
型に注入して陶器素地成形体を得る工程、前記成形体に
水溶性金属塩水溶液及び/または水溶性金属イオン含有
水溶液及び/または水溶性ハロゲン化物水溶液を含浸さ
せる工程、前記成形体の必要な箇所に釉薬層を形成する
工程、800〜1300℃で焼成する工程を含む衛生陶
器の製造方法を提供する。陶器素地成形体に水溶性金属
塩水溶液及び/または水溶性金属イオン含有水溶液及び
/または水溶性ハロゲン化物水溶液を含浸させることに
より、素地表層部における焼成に伴って発生する素地か
らのガス発生温度域を、素地内部よりも低くかつ狭い領
域にすることができる。これにより、釉薬層に廻る素地
からのガスの発生は、絶対的に少なくなり、かつ釉薬層
が熔融粘性の高い状態になる前に終了することとなるた
め、前記ガスが一気に釉薬層を突き抜けることがなく、
ピンホール及び斑点状の欠点発生を無くすことができ
る。
【0006】本発明の好ましい態様においては、前記含
浸させる工程の前に、前記成形体が加温されているよう
にする。陶器素地成形体が加温されたまま水溶性金属塩
水溶液及び/または水溶性金属イオン含有水溶液及び/
または水溶性ハロゲン化物水溶液を含浸させると、水分
が瞬時に蒸発し、前記水溶液の溶質成分又はイオン成分
を前記成形体表層部に集中させることができる。前記成
形体の加温温度は、前記表面処理を行う前の前記成形体
表面温度が40℃以上になるようにすることが好まし
く、70℃以上になるようにすることがより好ましい。
【0007】本発明の好ましい態様においては、前記含
浸させる工程の後に、前記成形体を乾燥させるようにす
る。陶器素地成形体に前記水溶液を含浸させた後に、前
記成形体を乾燥させることにより、水分とともに溶質成
分又はイオン成分が素地内部から前記成形体表面へ移動
するので、上記成分を前記成形体表層部に集中させるこ
とができる。
【0008】本発明の他の態様においては、水溶性金属
塩水溶液及び/または水溶性金属イオン含有水溶液及び
/または水溶性ハロゲン化物水溶液を含む陶器原料を衛
生陶器用の成形型に注入して陶器素地成形体を得る工
程、前記成形体を乾燥する工程、前記成形体の必要な箇
所に釉薬層を形成する工程、800〜1300℃で焼成
する工程を含む衛生陶器の製造方法を提供する。前記水
溶液を陶器原料に含ませることにより、陶器素地成形体
内に前記水溶液の溶質成分又はイオン成分を含有させて
おくことができ、更に前記成形体を乾燥させることによ
り、水分とともに上記成分が前記成形体表面へ移動する
ので、上記成分を前記成形体表層部に集中させることが
できる。これにより素地表層部における焼成に伴って発
生する素地からのガス発生温度域を、素地内部よりも低
くかつ狭い領域にすることができ、釉薬層に廻る素地か
らのガスの発生は、絶対的に少なくなり、かつ釉薬層が
熔融粘性の高い状態になる前に終了することとなるた
め、前記ガスが一気に釉薬層を突き抜けることがなく、
ピンホール及び斑点状の欠点発生を無くすことができ
る。
【0009】本発明の好ましい態様においては、釉薬層
を形成する工程は、顔料及び/又は乳濁剤を含有する着
色性の釉薬層を形成する工程であることを特徴とする衛
生陶器の製造方法及びそれにより作製可能な衛生陶器を
提供する。顔料及び乳濁剤の種類及び添加量は特に限定
しないが、Al,Si,Ca,Ti,V,Cr,Mn,
Fe,Co,Ni,Zn,Se,Zr,Cd,Sn,S
b,W,Prなどの元素を少なくとも1種類を含む顔料
が好適に利用でき、酸化アンチモン,アンチモン酸ナト
リウム,酸化砒素,酸化セリウム,酸化錫,酸化チタ
ン,酸化亜鉛,亜鉛スピネル,酸化ジルコニウム,珪酸
ジルコニウム,バリウムジルコニウム珪酸塩,カルシウ
ムジルコニウム珪酸塩,マグネシウムジルコニウム珪酸
塩,亜鉛ジルコニウム珪酸塩,ジルコニウムスピネル,
燐酸カルシウム,燐酸マグネシウム,骨灰,氷晶石など
の乳濁剤が好適に利用できる。
【0010】本発明の好ましい態様においては、前記釉
薬層を形成する工程は、顔料及び/又は乳濁剤を含有す
る着色性の第一の釉薬層を形成する工程と、顔料及び乳
濁剤を含有しない透明性の第二の釉薬層を形成する工程
を備えるようにする。顔料及び乳濁剤を含有しない透明
性の第二の釉薬層には、粘土,長石,珪石,陶石,石灰
石,ドロマイト,亜鉛華,アルミナ,タルクなどの窯業
原料及びそれらの微粒原料が好適に利用でき、フリッ
ト,非晶質原料,ガラス,廃棄ガラスなども好適に利用
できる。釉薬層を上記構成にすると、表面平滑性が向上
し、油性汚れの水洗時の除去性が向上する。さらに、本
発明を用いれば、このような一般的に製造上外観不良を
生じ易い構造においても外観不良が生じにくい。
【0011】本発明の好ましい態様においては、前記釉
薬層を形成する工程は、前記成形体の厚み方向の両面に
釉薬層を形成する工程であるようにする。本発明を用い
れば、このような一般的に製造上外観不良を生じ易い構
造においても外観不良が生じにくい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明で用いられる主要
な用語につき、説明する。本発明において、「衛生陶
器」とは、トイレ及び洗面所周りで用いられる陶器製製
品を意味し、具体的には、洗面器、手洗い器、便器、便
器タンクなどを意味する。
【0013】また、「水溶性金属塩水溶液及び/または
水溶性金属イオン含有水溶液及び/または水溶性ハロゲ
ン化物水溶液」としては、例えば、塩化リチウム、塩化
ナトリウム、塩化カリウム、塩化ルビジウム、塩化セシ
ウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ストロ
ンチウム、塩化バリウム、塩化アルミニウム、塩化亜鉛
などの金属塩化物水溶液;硝酸リチウム、硝酸ナトリウ
ム、硝酸カリウム、硝酸ルビジウム、硝酸セシウム、硝
酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウ
ム、硝酸バリウム、硝酸亜鉛などの金属硝酸塩水溶液;
炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ル
ビジウム、炭酸セシウムなどの炭酸塩水溶液;炭酸水素
ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ルビジウム、
炭酸水素セシウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カ
ルシウムなどの金属炭酸水素塩水溶液;硫酸リチウム、
硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸ルビジウム、硫酸
セシウム、硫酸亜鉛などの金属硫酸塩水溶液;水酸化リ
チウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ル
ビジウム、水酸化セシウムなどの金属水酸化物水溶液;
燐酸ナトリウム、燐酸カリウムなどの金属燐酸塩水溶
液、燐酸水素リチウム、燐酸水素ナトリウム、燐酸水素
カリウムなどの金属燐酸水素塩水溶液;酢酸リチウム、
酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ルビジウム、酢酸
セシウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸ス
トロンチウム、酢酸バリウムなどの金属酢酸塩水溶液;
重硫酸カリウム水溶液、過塩素酸カリウム水溶液、カリ
ウムミョウバン水溶液、ホウ砂水溶液;珪酸リチウム、
珪酸ナトリウム、珪酸カリウムなどの水ガラス水溶液;
リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウ
ム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリ
ウム、亜鉛のイオンを含有する水溶液、塩化アンモニウ
ム、塩化水素、臭化カリウム、ヨウ化カリウムなどのハ
ロゲン化物水溶液を好適に利用できる。
【0014】「陶器原料を成形型に注入して陶器素地成
形体を得る工程」は、衛生陶器が大型複雑形状品である
ことから、鋳込み成形法が特に好ましい。
【0015】「釉薬層を形成する工程」は、一般の衛生
陶器のような乳濁剤粒子を含む着色釉薬層を1層形成す
る工程、及び顔料及び/又は乳濁剤を含有する着色性の
第一の釉薬層を形成する工程と顔料及び乳濁剤を含有し
ない透明性の第二の釉薬層を形成する工程とにより表面
平滑釉層を形成する工程との双方を含むが、とりわけ、
本願は後者においてその威力を発揮する。
【0016】次に、本発明の具体的な実施形態につき、
説明する。本発明の一実施態様においては、衛生陶器を
製造するに際し、陶器素地成形体を得る工程、前記成形
体に水溶性金属塩水溶液及び/または水溶性金属イオン
含有水溶液及び/または水溶性ハロゲン化物水溶液を含
浸させる工程、前記成形体の必要な箇所に釉薬層を形成
する工程、800〜1300℃で焼成する工程を行う。
【0017】ここで、水溶性金属塩水溶液及び/または
水溶性金属イオン含有水溶液及び/または水溶性ハロゲ
ン化物水溶液を含浸させる方法としてはスプレー、刷毛
塗り、ディッピング等の一般的な方法が好適に利用でき
る。また上記水溶液の適正な濃度は各物質の溶解度に依
存するが、1〜50%が好適に利用できる。上記水溶液
を含浸させる工程の前に、成形体が加温されているよう
にしてもよいし、上記水溶液を含浸させる工程の後に、
前記成形体を乾燥させるようにしてもよい。
【0018】本発明の他の実施態様として、衛生陶器を
製造するに際し、水溶性金属塩水溶液及び/または水溶
性金属イオン含有水溶液及び/または水溶性ハロゲン化
物水溶液を含む陶器原料を衛生陶器用の成形型に注入し
て陶器素地成形体を得る工程、前記成形体を乾燥する工
程、前記成形体の必要な箇所に釉薬層を形成する工程、
800〜1300℃で焼成する工程を行うようにしても
よい。
【0019】
【表1】
【0020】
【実施例】(比較例)表1の原料を50kgと水20k
gおよび球石80kgを容積120Lのボールミルに入
れ、約20時間粉砕した。レーザー回折式粒度分布計を
用いて、粉砕後に得られた素地泥漿の粒径を測定したと
ころ、10μm以下が58%であった。この泥漿を用い
て石膏型による鋳込み成形を行い、脱型後、乾燥し、衛
生陶器洗面器成形体を得た。
【0021】
【表2】
【0022】次に表2の組成からなる天然鉱物粒子6k
gと水3kg及び球石9kgを容積15リットルの陶器
製ポットに入れ、ボールミルにより約24時間粉砕し
た。ここで得られた釉薬スラリーを釉薬Aとする。レー
ザー回折式粒度分布計を用いて、粉砕後に得られた釉薬
Aの粒径を測定したところ、10μm以下が65%、5
0%平均粒径が6.8μmであった。また、表2から乳
濁剤であるZrO2を除いた組成からなる天然鉱物粒子
を電気炉を用いて1300〜1500℃にて溶融し、水
中で急冷してガラスフリットを得た。これをスタンプミ
ルにより粉砕し、得られた粉末1.8kgと、表2から
乳濁剤であるZrO2を除いた組成からなる天然鉱物粒
子0.2kgとを、水1.2kg及び球石4kgと容積
6リットルの陶器製ポット中に入れ、ボールミルにより
36時間粉砕した。ここで得られた釉薬スラリーを釉薬
Bとする。レーザー回折式粒度分布計を用いて、粉砕後
に得られた釉薬Bの粒径を測定したところ、10μm以
下が68%、50%平均粒径が6.0μmであった。前
記衛生陶器洗面器成形体上に、釉薬Aを濡れ吹き法によ
るスプレーコーティングで厚み0.6mmになるように
塗布した。その際洗面器成形体のボール部分には成形体
の厚み方向の両面に釉薬が塗付されているようにした。
その後、1100〜1200℃で焼成することで衛生陶
器洗面器を得た。これをA1とする。また、前記衛生陶
器洗面器成形体上に、釉薬Aを濡れ吹き法によるスプレ
ーコーティングで厚み0.6mmになるように塗布し
た。その際洗面器成形体のボール部分には成形体の厚み
方向の両面に釉薬が塗付されているようにした。次に洗
面器成形体の使用側、すなわち成形体の厚み方向の片面
かつ表面に釉薬Bを乾き吹き法によるスプレーコーティ
ングで厚み0.4mmになるように塗布した。これを1
100℃〜1200℃で焼成することで衛生陶器洗面器
を得た。これをB1とする。得られた衛生陶器洗面器に
ついて、釉薬層表面の外観観察を行った。顔料及び/又
は乳濁剤を含有する着色性の釉薬層のみを有する洗面器
A1については表面のピンホール状欠点や凹状欠点の数
を計測した。顔料及び/又は乳濁剤を含有する着色性の
第一の釉薬層と、その上に形成される顔料及び乳濁剤を
含有しない透明性の第二の釉薬層を有する洗面器B1に
ついては表面の斑点状の欠点の数を計測した。
【0023】(実施例)表1の原料を50kgと水20
kgおよび球石80kgを容積120Lのボールミルに
入れ、約20時間粉砕した。レーザー回折式粒度分布計
を用いて、粉砕後に得られた素地泥漿の粒径を測定した
ところ、10μm以下が58%であった。この泥漿を用
いて石膏型による鋳込み成形を行い、脱型後、乾燥し、
衛生陶器洗面器成形体を得た。
【0024】一方、塩化マグネシウム六水和物3000
gに水7000gを加えた後、卓上攪拌機で10分間攪
拌し得られた水溶液を水溶液Cとする。次に前記衛生陶
器洗面器成形体上に、水溶液Cをスプレーで2回洗面器
成形体の使用側、すなわち成形体の厚み方向の片面かつ
表面に塗布した。次に成形体を50℃で3時間乾燥し
た。次に釉薬Aを濡れ吹き法によるスプレーコーティン
グで厚み0.6mmになるように塗布した。その際洗面
器成形体のボール部分には成形体の厚み方向の両面に釉
薬が塗付されているようにした。その後、1100〜1
200℃で焼成することで衛生陶器洗面器を得た。これ
をC1とする。次に前記衛生陶器洗面器成形体上に、水
溶液Cをスプレーで2回洗面器成形体の使用側、すなわ
ち成形体の厚み方向の片面かつ表面に塗布した。次に成
形体を50℃で3時間乾燥した。これに釉薬Aを濡れ吹
き法によるスプレーコーティングで厚み0.6mmにな
るように塗布した。その際洗面器成形体のボール部分に
は成形体の厚み方向の両面に釉薬が塗付されているよう
にした。次に洗面器成形体の使用側、すなわち成形体の
厚み方向の片面かつ表面に釉薬Bを乾き吹き法によるス
プレーコーティングで厚み0.4mmになるように塗布
した。これを1100℃〜1200℃で焼成することで
衛生陶器洗面器を得た。これをC2とする。次に前記衛
生陶器洗面器成形体上に、水溶液Cをスプレーで2回洗
面器成形体の厚み方向の両面に塗布した。次に成形体を
50℃で3時間乾燥した。次に釉薬Aを濡れ吹き法によ
るスプレーコーティングで厚み0.6mmになるように
塗布した。その際洗面器成形体のボール部分には成形体
の厚み方向の両面に釉薬が塗付されているようにした。
その後、1100〜1200℃で焼成することで衛生陶
器洗面器を得た。これをC3とする。次に前記衛生陶器
洗面器成形体上に、水溶液Cをスプレーコーティングで
2回洗面器成形体の厚み方向の両面に塗布した。次に成
形体を50℃で3時間乾燥した。これに釉薬Aを濡れ吹
き法によるスプレーコーティングで厚み0.6mmにな
るように塗布した。その際洗面器成形体のボール部分に
は成形体の厚み方向の両面に釉薬が塗付されているよう
にした。次に洗面器成形体の使用側、すなわち成形体の
厚み方向の片面かつ表面に釉薬Bを乾き吹き法によるス
プレーコーティングで厚み0.4mmになるように塗布
した。これを1100℃〜1200℃で焼成することで
衛生陶器洗面器を得た。これをC4とする。
【0025】得られた衛生陶器洗面器について、釉薬層
表面の外観観察を行った。顔料及び/又は乳濁剤を含有
する着色性の釉薬層のみを有する洗面器C1、C3につ
いては表面のピンホール状欠点や凹状欠点の数を計測し
た。顔料及び/又は乳濁剤を含有する着色性の第一の釉
薬層と、その上に形成される顔料及び乳濁剤を含有しな
い透明性の第二の釉薬層を有する洗面器C2、C4につ
いては表面の斑点状の欠点の数を計測した。
【0026】
【表3】
【0027】結果を表3に示す。顔料及び/又は乳濁剤
を含有する着色性の釉薬層のみを有する洗面器における
実施例C1、C3では比較例A1と比べ、ピンホール状
欠点および凹状欠点の数が激減した。さらに洗面器成形
体の厚み方向の両面に表面処理を施したC3は洗面器成
形体の厚み方向の片面に表面処理を施したC1よりもピ
ンホール状欠点および凹状欠点の抑制効果が高かった。
顔料及び/又は乳濁剤を含有する着色性の第一の釉薬層
と、その上に形成される顔料及び乳濁剤を含有しない透
明性の第二の釉薬層を有する洗面器における実施例C
2、C4では比較例B1と比べ、斑点状欠点の数が激減
した。さらに洗面器成形体の厚み方向の両面に表面処理
を施したC4は洗面器成形体の厚み方向の片面に表面処
理を施したC2よりも斑点状欠点の抑制効果が高かっ
た。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、施釉を施す部位の欠点
発生抑制に好適な衛生陶器の製造方法を提供することが
可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施態様を示す図である。
【符号の説明】
1…衛生陶器素地 2…水溶性金属塩水溶液及び/または水溶性金属イオン
含有水溶液及び/または 水溶性ハロゲン化物水溶液が含浸された層 3…第一の釉薬層(着色性釉薬層) 4…第二の釉薬層(透明性釉薬層)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川上 克博 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 林 浩一 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 Fターム(参考) 4G055 AA07 AB07 BA35

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陶器原料を衛生陶器用の成形型に注入し
    て陶器素地成形体を得る工程、前記成形体に水溶性金属
    塩水溶液及び/または水溶性金属イオン含有水溶液及び
    /または水溶性ハロゲン化物水溶液を含浸させる工程、
    前記成形体の必要な箇所に釉薬層を形成する工程、80
    0〜1300℃で焼成する工程を含む衛生陶器の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記含浸させる工程の前に、前記成形体
    を加温することを特徴とする請求項1に記載の衛生陶器
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記含浸させる工程の後に、前記成形体
    を乾燥させることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    衛生陶器の製造方法。
  4. 【請求項4】 水溶性金属塩水溶液及び/または水溶性
    金属イオン含有水溶液及び/または水溶性ハロゲン化物
    水溶液を含む陶器原料を衛生陶器用の成形型に注入して
    陶器素地成形体を得る工程、前記成形体を乾燥する工
    程、前記成形体の必要な箇所に釉薬層を形成する工程、
    800〜1300℃で焼成する工程を含む衛生陶器の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 前記釉薬層を形成する工程は、顔料及び
    /又は乳濁剤を含有する着色性の釉薬層を形成する工程
    であることを特徴とする請求項1〜4に記載の衛生陶器
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記釉薬層を形成する工程は、顔料及び
    /又は乳濁剤を含有する着色性の第一の釉薬層を形成す
    る工程と、顔料及び乳濁剤を含有しない透明性の第二の
    釉薬層を形成する工程を備えることを特徴とする請求項
    1〜4に記載の衛生陶器の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記釉薬層を形成する工程は、前記成形
    体の厚み方向の両面に釉薬層を形成する工程であること
    を特徴とする請求項1〜6に記載の衛生陶器の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7に記載の製造方法により作
    製可能な衛生陶器。
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