JP2002173384A - 衛生陶器 - Google Patents

衛生陶器

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JP2002173384A
JP2002173384A JP2000367921A JP2000367921A JP2002173384A JP 2002173384 A JP2002173384 A JP 2002173384A JP 2000367921 A JP2000367921 A JP 2000367921A JP 2000367921 A JP2000367921 A JP 2000367921A JP 2002173384 A JP2002173384 A JP 2002173384A
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Japan
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sanitary ware
glaze layer
glaze
firing
particles
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JP2000367921A
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Hidemi Ishikawa
秀美 石川
Koichi Hayashi
浩一 林
Shingo Kasahara
慎吾 笠原
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Toto Ltd
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Toto Ltd
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    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/009After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone characterised by the material treated
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
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    • C04B41/45Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
    • C04B41/52Multiple coating or impregnating multiple coating or impregnating with the same composition or with compositions only differing in the concentration of the constituents, is classified as single coating or impregnation
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来にない明度、白色度、色度の調和がと
れ、清掃性、防汚性の高い衛生陶器を提供可能とするこ
と。 【解決手段】 乳濁剤に微粒SnO2粉を用い、釉薬原
料中の着色成分を極力減少させて得られる釉薬組成物と
透明釉薬組成物により施釉された衛生陶器の施釉面のJ
IS Z8729に準じるCIE1976表色系による
明度L*が90以上であり、かつ、色度a*が−2〜+2
であり、かつ、色度b*が−2〜0であること、かつ、
表面釉薬層の表面の表面粗さRaが触針式表面粗さ測定
装置(JIS−B0651)により0.07μm未満で
あることを特徴とする衛生陶器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大便器・小便器・
手洗器・洗面器などに代表される衛生陶器及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】衛生陶器は衛生性、清潔感を持った意匠
性を有し、かつ、その表面を衛生的に清浄に保つこと、
及び長期に渡って美観を高く保つことは衛生陶器が一般
的に生活用品として広く使用されていることから最も必
要とされる特性である。一般的に衛生陶器などの陶器表
面に用いられる釉薬組成物には、素地の色を隠蔽すると
ともに着色して意匠性をもたせるために、着色剤として
乳濁剤や顔料が添加されている。特に乳濁剤としては、
価格等の問題からジルコンが用いられているのが一般的
である。また、古くより一般家庭において、衛生陶器表
面を衛生的に清浄に保ち、美観を高く保つための方法と
して、界面活性剤、酸、アルカリ等の洗剤をタワシやブ
ラシに付けて強く衛生陶器表面をこすり、洗剤による化
学的な汚れ除去と、タワシやブラシでこすることによる
物理的除去を併用する方法が採られてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】衛生性、清潔感が最も
重要視される衛生陶器の意匠性に関しては、特に明度、
白色度の高いものが求められ、さらに白色系の色彩はむ
しろ高級感をも与えることができ、非常に効果が高い。
しかしながら、現在の衛生陶器に一般的に使用されてい
るジルコンは焼成後完全な白色を呈するわけではなく、
若干黄色味がかった色彩を呈する。また、汚れを除去す
る昔ながらの方法によれば、汚れが付着する度に、タワ
シやブラシでこするという労働が要求される。特に、老
齢者において、かかる労働が毎回要求されるのは大変で
ある。とりわけ、衛生陶器のうち、大便器、小便器、便
器のサナの洗浄に関しては、使用者にとって、できれ
ば、清掃頻度がより低くなってほしいという願望は強い
ものがある。以上の如く、現状の衛生陶器では、意匠性
における明度、白色度を十分に満足し、かつ、清掃性、
防汚性に優れた製品は上市されていない。本発明は、上
記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、明
度、白色度の非常に高い衛生陶器であって、界面活性剤
を使用せず、かつタワシやブラシで強くこすらなくて
も、衛生陶器表面の汚れを、例えば流水程度で簡単に除
去できるようにした清掃性、防汚性の高い衛生陶器を提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決すべく、陶磁器素地上に表面釉薬層を形成した衛生
陶器であって、JIS Z8729に準拠したCIE1
976表色系による色値測定装置により測定された前記
表面釉薬層の明度L*が90以上であり、かつ、色度a*
が−2〜+2であり、かつ、色度b*が−2〜0である
衛生陶器を提供する。そうすることで、従来の衛生陶器
にはない、明度、白色度を有する衛生陶器が得られ、衛
生性、清潔感に富んだ意匠性の高い製品を成すことがで
きる。なお、施釉面の明度、白色度を高めるには、釉薬
組成物の素地色に対する隠蔽力が重要となってくること
は相違ないが、素地色自体の影響は少なからず受ける。
したがって、素地自体が極端に呈色することは、製品状
態での表面釉薬層の明度、白色度を低下させる原因にな
る。素地の呈色を抑制するためには、現在衛生陶器の素
地として一般的に使用されている熔化質素地原料中のF
e、Ti、Ni、Mn、Cr、Co、Cu、Sbに代表
される着色成分を極力減らすことが好ましい。特に本発
明の実施例の範疇では、前記着色成分の素地原料中の総
量が酸化物換算量で好ましくは2重量%以下、より好ま
しくは1重量%以下である。
【0005】本発明の好ましい態様においては、前記表
面釉薬層は、SnO2粒子を酸化物換算量で7.0〜5
0重量%含有し、かつFe、Ti、Ni、Mn、Cr、
Co、Cu、Sbに代表される着色成分の含有率が酸化
物換算量で1重量%以下であり、前記SnO2粒子はそ
の50%平均粒子径が3μm以下であるようにする。S
nO2が酸化物換算量で7.0重量%以下であると素地
色を隠蔽する十分な乳濁性を発揮できず、明度に乏しい
ものとなる。また、50重量%を越えると釉薬組成物と
してのSnO2含有量が多すぎることより、溶融時の粘
性が高まり、マット化や梨肌等の溶融不足による外観欠
点を生じる。また、着色成分の含有量を酸化物換算量で
1重量%以下にすることにより、焼成工程における着色
成分による釉薬面の有色化を極力抑制することができ、
明度のみならず色度についても望ましい範疇の製品を得
ることができる。さらに、SnO2粒子の50%平均粒
子径を3μm以下と微粒に設定することにより、釉薬組
成物中のSnO2の分散状態が良好となり、微粒子の分
散による反射率の向上から、素地色の隠蔽性を高めると
共に明度、白色度を高めることが可能となる。また、S
nO2微粒子によって、光触媒作用による抗菌、防汚性
効果を付与することができる。なお、抗菌作用を助長さ
せることとしては、SnO 2の他に釉薬層中に、釉薬以
外の添加物を添加することにより付加機能を持たせるよ
うにしてもよい。ここで、釉薬中へ添加する添加物は、
焼成中に釉薬や雰囲気との反応により化合物が形成され
るものが好ましい。例えば、銀、銅、亜鉛又はその化合
物、固溶体等の抗菌金属や酸化チタン、酸化亜鉛、酸化
錫、酸化第二鉄、三酸化タングステン、チタン酸ストロ
ンチウム、三酸化二ビスマス等の光触媒を添加すると抗
菌効果が発揮される。また、上記光触媒の存在により親
水性が助長される光還元性を有する等の効果も得られ
る。ただし、着色成分として寄与するものについては、
その添加量を総量で1重量%以下に抑える必要がある。
【0006】本発明の好ましい態様においては、前記表
面釉薬層は表面釉薬原料を衛生陶器素地上に適用後80
0〜1300℃の温度で焼成することにより形成されて
おり、前記表面釉薬原料は、焼成により非晶質となる原
料と、50%平均粒子径3μm以下のSnO2粒子とを
含んでなり、かつ、釉薬原料中のFe、Ti、Ni、M
n、Cr、Co、Cu、Sbに代表される着色成分の含
有率が、前記非晶質となる原料とSnO2を含む成分と
の合計和に対して、酸化物換算量で1重量%以下である
ようにする。そうすることで、800〜1300度の高
火度焼成により、釉薬層としての耐久性、防汚性などの
特性が確保され、前項と同じ理由から、釉薬層に起因す
る欠点を生じること無しに、明度、白色度を高めること
が可能となる。
【0007】本発明の好ましい態様においては、前記表
面釉薬層の表面の表面粗さRaが触針式表面粗さ測定装
置(JIS−B0651)により0.07μm未満であ
るようにする。衛生陶器表面に従来にない平滑性を持た
せることにより、汚れが強固に付着しにくくなり、その
結果、たとえ付着しても水との接触により浮き上がらせ
ることができ、浮き上がった汚れが流水程度で除去され
るようになる。
【0008】本発明の好ましい態様においては、前記表
面釉薬層にはジルコン粒子が含有されていないようにす
る。乳濁剤として一般に用いられるジルコンでは、焼成
後、若干黄色味を帯びることにより、白色度に劣る。ま
た、焼成過程で釉薬表面に移動する特性があるため、清
掃に用いられる洗剤のアルカリによりガラス部が浸食を
受け、表面に微細な凹凸をつくることになる。結果とし
て、表面の平滑性を長期に亘り保つことが困難となり、
汚染性、衛生性に問題の生じる懸念がある。
【0009】本発明の好ましい態様においては、前記表
面釉薬層には、焼成後に残存するSiO2粒子が実質的
に存在しないようにする。前記の凹凸のできる原因とし
ては、清掃時の洗剤に含まれるアルカリ環境により釉薬
表面のガラス部が浸食されることで、釉薬表面近傍にあ
る乳濁剤、または焼成過程で結晶質であるシリカ粒子が
充分にガラス化されず残ったものが凸部を形成するから
と推測される。したがって、結晶質として残存するSi
2粒子が存在しないようにすることが凹凸を極力減ら
し、清掃性、衛生性の高い衛生陶器を提供することがで
きる。
【0010】本発明の好ましい態様においては、前記表
面釉薬層上にさらに透明釉薬層が形成されており、該透
明釉薬層の表面の表面粗さRaが触針式表面粗さ測定装
置(JIS−B0651)により0.07μm未満であ
るようにする。表面に通常衛生陶器に被覆する釉薬厚み
(0.1mm以上2mm以下)よりも薄く透明釉薬層を
形成し、薄い透明釉薬層に上記平滑性能を担わせること
により、衛生陶器の製造コストを低減するために陶器成
形素地に釉薬原料を塗布後一度で焼成を済ませる方法を
用いた場合、成形素地の焼成時に生成する気体が成形素
地の焼成収縮に伴い外部に開放されやすくなり、釉薬層
中に前記気体が残留することによる外観不良の発生が防
止される。
【0011】本発明の好ましい態様においては、前記透
明釉薬層は、前記表面釉薬層を適用後にその上に焼成に
より非晶質となる原料を霧掛けスプレー法により適用
し、800〜1300℃で焼成することにより得られる
ようにする。非晶質となる原料を霧掛けスプレー法によ
り施釉することにより、施釉時の表面釉薬層の剥離や焼
成時に表面釉薬層と透明釉薬層が混ざり合うことが少な
くなり、釉薬層に起因する欠点が生じ難くなる。また、
一度焼き焼成を行うことにより、衛生陶器の製造コスト
を低減することが可能となり、成形素地の焼成時に生成
する気体が成形素地の焼成収縮に伴い外部に開放されや
すくなり、釉薬層中に前記気体が残留することによる外
観不良の発生が防止される。
【0012】本発明の好ましい態様においては、前記透
明釉薬層にはジルコン粒子が含有されていないようにす
る。乳濁剤として一般に用いられるジルコンを透明層に
用いると乳濁性により、透明性を失う。また、焼成過程
で釉薬表面に移動する特性があるため、清掃に用いられ
る洗剤のアルカリによりガラス部が浸食を受け、表面に
微細な凹凸をつくることになる。結果として、表面の平
滑性を長期に亘り保つことが困難となり、汚染性、衛生
性に問題の生じる懸念がある。
【0013】本発明の好ましい態様においては、前記透
明釉薬層には、焼成後に残存するSiO2粒子が実質的
に存在しないようにする。表面釉薬層と同様の理由か
ら、結晶質として残存するSiO2粒子が存在しないよ
うにすることが凹凸を極力減らし、清掃性、衛生性の高
い衛生陶器を提供することができる。
【発明の実施の形態】
【0014】本発明の実施態様の衛生陶器は、以下の2
通りの製造方法により得ることが可能である。 (1)顔料及び乳濁剤を含まない透明の釉薬原料にSn
2を含む成分とを混合して得られる釉薬材料を混合粉
砕により粒度調整した釉薬組成物を準備する調製工程
と、衛生陶器用成形素地上の必要な部分に施釉すること
により釉薬被覆物を形成する施釉工程と、その釉薬被覆
物を800〜1300℃の温度で焼成する焼成工程とを
順次行うことによる。この場合、前記釉薬組成物の50
%平均粒子径を10μm以下、好ましくは5μm以下に
することが好ましい。 (2)顔料及び乳濁剤を含まない透明の釉薬原料にSn
2を含む成分とを混合して得られる釉薬材料を混合粉
砕により粒度調整した釉薬組成物を準備する調製工程
と、衛生陶器用成形素地上の必要な部分に施釉し、さら
に透明釉薬を霧掛けスプレーコーティング法により施釉
したものにより釉薬被覆物を形成する施釉工程と、その
釉薬被覆物を800〜1300℃の温度で焼成する焼成
工程とを順次行うことによる。この場合、前記釉薬組成
物の50%平均粒子径を10μm以下、好ましくは5μ
m以下にすることが好ましい。また、前記透明釉薬層組
成物の50%平均粒子径を10μm以下、好ましくは5
μm以下にすることが好ましい。
【0015】ここで、本発明において、釉薬原料とは、
ケイ砂、長石、粘土、石灰石等の天然鉱物粒子の混合物
をいう。また、釉薬材料とは、釉薬原料を混合し、釉薬
組成物となる状態のものをいう。なお、素地の成形方法
については、衛生陶器に一般的に適用されている泥漿鋳
込み成形、加圧成形、押し出し成形等が適用できる。ま
た、釉薬の施釉方法についても一般的に用いられている
スプレーコーティング法、ディッピングコーティング
法、刷毛塗り、ローラー塗り等が適用できる。
【0016】前記の方法で作製することで、ピンホー
ル、アブク、ニエ等の外観欠点を生じることなく、明
度、白色度の非常に高い衛生陶器であって、界面活性剤
を使用せず、かつタワシやブラシで強くこすらなくて
も、衛生陶器表面の汚れを、例えば流水程度で簡単に除
去できるようにした清掃性、防汚性の高い衛生陶器を提
供することが可能となる。
【0017】(実施例)ベースとして使用した釉薬組成
物の組成を示す図1の珪砂、長石、ドロマイト等からな
る釉薬組成物に、ジルコン粉を所定量加えたものを2
kgと水1kg及び球石4kgを、容積6リットルの陶
器製ポットに入れ、ボールミルにより約18時間粉砕し
た。調製した釉薬スラリーをレーザー回折式粒度分布計
(日機装、マイクロトラックレーザー式粒度計FRA)
を用いて、50%平均粒子径を測定し、10μm以下累
積%が65%、50%平均粒子径(D50)が5.8μ
mであった。次に、陶石、長石、粘土等を原料として調
製した衛生陶器用素地泥しょうを用いて、70×150
mmの板状試験片を作製した。この板状試験片上に、上
記の如くにして得られた釉薬をスプレーコーティング法
により塗布し、1200℃で焼成することで実施例
(1)の試料を得た。
【0018】また、実施例(2)(3)(4)について
は、ベースとして使用した釉薬組成物の組成を示す図1
の珪砂、長石、ドロマイト等からなる釉薬組成物に、
SnO2粉体(50%平均粒子径0.6μm)を所定量
加えたものを、実施例(1)と同様に粒度調整及び施釉
して釉薬層を形成させ、この釉薬層上に、透明釉組成物
の組成を示す図2の乳濁剤、顔料を含まない透明釉を
霧掛けスプレーコーティング法により塗布し、1200
℃で焼成することで実施例(2)(3)(4)の試料を
得た。なお、ここで釉薬組成物は着色成分であるFe
23、TiO2を極力減少させた組成物であり、釉薬組
成物は一般的に使用されている釉薬組成である。
【0019】(比較例)ベースとして使用した釉薬組成
物の組成を示す図1の珪砂、長石、ドロマイト等からな
る釉薬組成物に、ジルコン粉を所定量加えたもの2k
gと水1kg及び球石4kgを、容積6リットルの陶器
製ポットに入れ、ボールミルにより約18時間粉砕し
た。調製した釉薬スラリーをレーザー回折式粒度分布計
(日機装、マイクロトラックレーザー式粒度計FRA)
を用いて、50%平均粒子径を測定し、10μm以下累
積%が65%、50%平均粒子径(D50)が5.8μ
mであった。次に、陶石、長石、粘土等を原料として調
製した衛生陶器用素地泥しょうを用いて、70×150
mmの板状試験片を作製した。この板状試験片上に、上
記の如くにして得られた釉薬をスプレーコーティング法
により塗布し、1200℃で焼成することで比較例
(1)(2)の試料を得た。
【0020】また、比較例(3)(4)については、ベ
ースとして使用した釉薬組成物の組成を示す図1の珪
砂、長石、ドロマイト等からなる釉薬組成物に、Sn
2粉体(50%平均粒子径0.6μm)を所定量加え
たものを、比較例(1)(2)と同様に粒度調整及び施
釉して釉薬層を形成させ、この釉薬層上に、透明釉組成
物の組成を示す図2に示す乳濁剤、顔料を含まない透明
釉を霧掛けスプレーコーティング法により塗布し、1
200℃で焼成することで比較例(3)(4)の試料を
得た。
【0021】(評価)得られた試料について、測色評価
および表面粗さ評価を行った。測色評価は、ミノルタ製
分光測色計CM−3700dを用い、JIS Z872
9に準じるCIE1976表色系によるL***の色
値測定を行った。ここで、測定条件として、視野10
゜、光源D65を使用した。表面粗さは、触針式表面粗
さ測定器(JIS−B0651)を用い、中心線表面粗
さRa(JIS−B0601)を測定した。結果を図3
に示す。
【0022】実施例(1)はベースを着色成分を極力減
少させた釉薬組成物に対して、ジルコンを20重量%
添加したものである。これについては、L*は91.2
と十分な明度を有しているが、b*は1.02とやはり
黄色が強い傾向にある。また、表面粗さRaは、乳濁
剤、顔料を含まない透明釉薬層を施していないことか
ら、表面粗さRa=0.10μmと大きな値を示してい
る。実施例(2)〜(4)については、釉薬組成物を
施釉した後に、透明釉を用いて透明釉薬層を施したも
のである。実施例(2)は実施例(1)と同一ベースに
対し、乳濁剤としてSnO2を5重量%添加したもので
ある。L*は85.7と低いが、ベース釉薬組成物の着
色成分量および乳濁剤の効果から、a*、b*が偏色して
いない傾向が得られている。表面粗さRa=0.03μ
mと十分な値を示している。
【0023】実施例(3)は、SnO2添加量を10重
量%に変えたものである。これについては、L*は9
1.2と十分高い値が得られ、a*、b*に関しても偏色
傾向はほとんど認められない。これについても、表面粗
さRa=0.03μmで十分な値を示している。実施例
(4)はSnO2の添加量を20重量%に増やしたもの
である。これでは、L*は93.6と最も高い値が得ら
れ、a*、b*に関しても実施例(2)(3)と同様に偏
色傾向はほとんど認められない。これについては、表面
粗さRa=0.02μmで最も小さく十分な値を示して
いる。
【0024】比較例(1)は、一般的な釉薬組成物を
ベースに乳濁剤として、ジルコンを10重量%添加した
ものである。明度L*は85.3と低く、色度b*は0.
91とやや黄色味がかった色感を与えることがわかる。
また、表面粗さRaは、乳濁剤としてジルコンを使用し
ており、かつ、乳濁剤、顔料を含まない透明釉薬層を
施していないことから、Ra=0.11μmと比較的大
きな値を示している。比較例(2)は比較例(1)と同
ベースに対して、ジルコン添加量を20重量%に変えた
ものである。L*は86.9と高くなり、明度は向上し
ているが、b*は1.32とさらに黄色が強くなってい
ることがわかる。また、表面粗さも比較例(1)と同様
の理由から大きな値を示している。
【0025】比較例(3)はベースは釉薬組成物のま
まで乳濁剤をSnO2に変えたものである。添加量が1
0重量%であり、L*も向上し、b*は0.55と低い値
を示し、黄色味が弱くなっていることがわかる。ただ
し、ベース釉薬組成物の着色成分が多いことから、L*
が十分な値ではない。また、表面粗さについては、乳濁
剤をSnO2に変更していることから若干小さな値を示
している。比較例(4)は比較例(3)と同様でSnO
2の添加量を20重量%に増やしたものである。これに
ついてもL*は向上しているが、ベース釉薬組成物の着
色成分の影響から依然十分ではない。しかしながら、こ
れについては、乳濁剤、顔料を含まない透明釉薬層を施
していることから、表面粗さRa=0.03μmとなっ
ている。
【0026】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、乳濁剤
に微粒のSnO2粉を用い、釉薬原料中の着色成分を極
力減少させ、さらに、透明釉薬層を形成することでピン
ホール、アブク、ニエ等の釉薬組成物に起因する欠点を
生じること無しに、明度、白色度、光沢度の非常に高い
衛生陶器であって、かつ、界面活性剤を使用せず、かつ
タワシやブラシで強くこすらなくても、衛生陶器表面の
汚れを、例えば流水程度で簡単に除去できるようにした
清掃性、防汚性の高い衛生陶器を提供することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ベースとして使用した釉薬組成物の組成表
【図2】透明釉組成物の組成表
【図3】比較例および実施例の色差、表面粗さ測定結果
フロントページの続き Fターム(参考) 4G062 AA08 AA09 AA15 BB01 DA06 DA07 DB03 DB04 DC01 DD01 DE03 DF01 EA01 EB02 EB03 EC03 ED02 ED03 EE03 EE04 EF01 EG01 FA01 FB02 FC01 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL01 GA01 GA10 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH09 HH11 HH12 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM07 NN40 PP01 PP04 PP08

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陶磁器素地上に表面釉薬層を形成した衛
    生陶器であって、JIS Z8729に準拠したCIE
    1976表色系による色値測定装置により測定された前
    記表面釉薬層の明度L*が90以上であり、かつ、色度
    *が−2〜+2であり、かつ、色度b*が−2〜0であ
    ることを特徴とする衛生陶器。
  2. 【請求項2】 前記表面釉薬層は、SnO2粒子を酸化
    物換算量で7.0〜50重量%含有し、かつFe、T
    i、Ni、Mn、Cr、Co、Cu、Sbに代表される
    着色成分の含有率が酸化物換算量で1重量%以下であ
    り、前記SnO2粒子はその50%平均粒子径が3μm
    以下であることを特徴とする請求項1に記載の衛生陶
    器。
  3. 【請求項3】 前記表面釉薬層は表面釉薬原料を衛生陶
    器素地上に適用後800〜1300℃の温度で焼成する
    ことにより形成されており、前記表面釉薬原料は、焼成
    により非晶質となる原料と、50%平均粒子径3μm以
    下のSnO2粒子とを含んでなり、かつ、釉薬原料中の
    Fe、Ti、Ni、Mn、Cr、Co、Cu、Sbに代
    表される着色成分の含有率が、前記非晶質となる原料と
    SnO2を含む成分との合計和に対して、酸化物換算量
    で1重量%以下であることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の衛生陶器。
  4. 【請求項4】 前記表面釉薬層の表面の表面粗さRaが
    触針式表面粗さ測定装置(JIS−B0651)により
    0.07μm未満であることを特徴とする請求項1〜3
    に記載の衛生陶器。
  5. 【請求項5】 前記表面釉薬層にはジルコン粒子が含有
    されていないことを特徴とする請求項4に記載の衛生陶
    器。
  6. 【請求項6】 前記表面釉薬層には、焼成後に残存する
    SiO2粒子が実質的に存在しないことを特徴とする請
    求項1〜5に記載の衛生陶器。
  7. 【請求項7】 前記表面釉薬層上にさらに透明釉薬層が
    形成されており、該透明釉薬層の表面の表面粗さRaが
    触針式表面粗さ測定装置(JIS−B0651)により
    0.07μm未満であることを特徴とする請求項1〜3
    に記載の衛生陶器。
  8. 【請求項8】 前記透明釉薬層は、前記表面釉薬層を適
    用後にその上に焼成により非晶質となる原料を霧掛けス
    プレーコーティング法により適用し、800〜1300
    ℃で焼成することにより得られることを特徴とする請求
    項7に記載の衛生陶器。
  9. 【請求項9】 前記透明釉薬層にはジルコン粒子が含有
    されていないことを特徴とする請求項7又は8に記載の
    衛生陶器。
  10. 【請求項10】 前記透明釉薬層には、焼成後に残存す
    るSiO2粒子が実質的に存在しないことを特徴とする
    請求項7〜9に記載の衛生陶器。
  11. 【請求項11】 前記製造方法により作製可能な衛生陶
    器は、洗面器、小便器、大便器、ベビーバス、便器サ
    ナ、手洗器、流し、便器タンクのいづれかであることを
    特徴とする請求項1〜10記載の衛生陶器。
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