JP2007022882A - 釉薬、それを使用した焼物の製法及び焼物 - Google Patents
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Abstract
【課題】
従来は岩石そのものに研磨や成型などの加工を施して水石や置物や花瓶、あるいは建築用のブロックなどに利用されていた蛇紋岩を使用して、独特の色合いと肌合いを有する焼物をつくることができる釉薬、それを使用した焼物の製法及び焼物を提供する。
【解決手段】
生乾きの素地の表面に蛇紋岩を主材とする釉薬を施釉し、素地と付着した釉薬が乾燥した状態になってから素焼きをし、その後素焼きの表面に透明釉薬を施釉し、1240℃〜1250℃で本焼きをする。
【選択図】 図2
従来は岩石そのものに研磨や成型などの加工を施して水石や置物や花瓶、あるいは建築用のブロックなどに利用されていた蛇紋岩を使用して、独特の色合いと肌合いを有する焼物をつくることができる釉薬、それを使用した焼物の製法及び焼物を提供する。
【解決手段】
生乾きの素地の表面に蛇紋岩を主材とする釉薬を施釉し、素地と付着した釉薬が乾燥した状態になってから素焼きをし、その後素焼きの表面に透明釉薬を施釉し、1240℃〜1250℃で本焼きをする。
【選択図】 図2
Description
本発明は、釉薬、それを使用した焼物の製法及び焼物に関するものである。更に詳しくは、従来にない蛇紋岩独特の色合いと肌合いを有する焼物をつくることができる釉薬、それを使用した焼物の製法及び焼物に関する。
陶器や磁器などの焼物には釉薬が使用される。釉薬の機能としては、焼物の表面を滑らかにして汚れにくくしたり、表面から液体や気体が透過しにくいようにしたり、機械的強度を上げて壊れにくくしたり、更には美術的な装飾効果を与えることなどである。
特に、美術品としての焼物においては、上記美術的な装飾効果の有効性は極めて重要であり、従来から実に様々な釉薬がつくられてきた。例をあげれば、透明釉、不透明釉、艶消し釉、色釉、結晶釉、亀裂釉、窯変釉などである。
このような釉薬をつくるために、その配合材料として、例えば長石、珪石、石灰石、陶石などの様々な岩石を粉粒状にしたものも使用されている。これらのものを配合した釉薬を使用すれば、できた焼物のそれぞれが独特の色合いと肌合いを有し、美術的な装飾効果を付与することができる。
ところで、本願発明者は、上記以外にも様々な岩石を配合した釉薬をつくり、焼成の温度や焼物の仕上がりをみながら試行錯誤を重ね、従来にない装飾効果が得られる釉薬の研究に長年取り組んできた。本願発明者は、この研究のなかで、発明者の居住する地域で多く産出される蛇紋岩に着目した。蛇紋岩は、濃緑の中に白の網目が入る模様が非常に美しく、別名「緑色の大理石」ともいわれ、本来は観賞用の水石や置物や花瓶、あるいは建築用のブロックなどに利用されているものである。
本願発明者が蛇紋岩を砕いたもの配合した釉薬をつくり、これを使用して焼物を焼いてみたところ、焼物の表面には浅黄色と緑黒色(または暗黄色)の混じった特色のある斑模様が表れた。本願発明者は、この結果を基に、更に蛇紋岩と他の材料の組み合わせや配合、及び焼成温度と焼物の色合いや肌合いとの関係の研究を進め、本願発明を完成したものである。
本発明の課題は、従来は岩石そのものに研磨や成型などの加工を施して水石や置物や花瓶、あるいは建築用のブロックなどに利用されていた蛇紋岩を使用して、独特の色合いと肌合いを有する焼物をつくることができる釉薬、それを使用した焼物の製法及び焼物を提供することである。
上記課題を解決するために本発明が講じた手段は次のとおりである。
第1の発明にあっては、
蛇紋岩の粉体または粒体を主材とすることを特徴とする、釉薬である。
蛇紋岩の粉体または粒体を主材とすることを特徴とする、釉薬である。
第2の発明にあっては、
蛇紋岩の粉体または粒体と糊を含むことを特徴とする、釉薬である。
蛇紋岩の粉体または粒体と糊を含むことを特徴とする、釉薬である。
第3の発明にあっては、
蛇紋岩の粉体または粒体とガイロメを含むことを特徴とする、釉薬である。
蛇紋岩の粉体または粒体とガイロメを含むことを特徴とする、釉薬である。
第4の発明にあっては、
蛇紋岩の粉体または粒体とガイロメ及びカオリンを含むことを特徴とする、釉薬である。
蛇紋岩の粉体または粒体とガイロメ及びカオリンを含むことを特徴とする、釉薬である。
第5の発明にあっては、
生乾きの素地の表面に蛇紋岩を主材とする釉薬を施釉し、素地と付着した釉薬が乾燥した状態になってから素焼きをし、その後素焼きの表面に透明釉薬を施釉し、本焼きをすることを特徴とする、
焼物の製法である。
生乾きの素地の表面に蛇紋岩を主材とする釉薬を施釉し、素地と付着した釉薬が乾燥した状態になってから素焼きをし、その後素焼きの表面に透明釉薬を施釉し、本焼きをすることを特徴とする、
焼物の製法である。
第6の発明にあっては、
本焼きを1240℃〜1250℃で行うことを特徴とする、
第5の発明に係る焼物の製法である。
本焼きを1240℃〜1250℃で行うことを特徴とする、
第5の発明に係る焼物の製法である。
第7の発明にあっては、
生乾きの素地の表面に蛇紋岩を主材とする釉薬を施釉し、素地と付着した釉薬が乾燥した状態になってから素焼きをし、素焼きの表面に透明釉薬を施釉し、本焼きをして得られたことを特徴とする、
焼物である。
生乾きの素地の表面に蛇紋岩を主材とする釉薬を施釉し、素地と付着した釉薬が乾燥した状態になってから素焼きをし、素焼きの表面に透明釉薬を施釉し、本焼きをして得られたことを特徴とする、
焼物である。
本発明にいう「焼物」の用語は、器類だけでなく、浴室など水周りのタイル、浴槽、建築物のエクステリアやインテリアに使用される装飾的な材料、例えば壁材や置物など、様々な用途に使用されるものを含む意味で使用している。
本発明に係る釉薬は、例えば粘性の点で施釉に支障がなければ、蛇紋岩の粉体または粒体のみを使用し水に分散させてつくることもできる。
蛇紋岩と糊を配合した場合の配合割合は、例えば重量比で、蛇紋岩:糊=10:0.01〜0.03であるが、これに限定はしない。
蛇紋岩とガイロメを配合した場合の配合割合は、例えば重量比で、蛇紋岩:ガイロメ=10:1であるが、これに限定はしない。
蛇紋岩、ガイロメ、カオリンを配合した場合の配合割合は、例えば重量比で、蛇紋岩:ガイロメ:カオリン=10:1:1であるが、これに限定はしない。
蛇紋岩と糊を配合した場合の配合割合は、例えば重量比で、蛇紋岩:糊=10:0.01〜0.03であるが、これに限定はしない。
蛇紋岩とガイロメを配合した場合の配合割合は、例えば重量比で、蛇紋岩:ガイロメ=10:1であるが、これに限定はしない。
蛇紋岩、ガイロメ、カオリンを配合した場合の配合割合は、例えば重量比で、蛇紋岩:ガイロメ:カオリン=10:1:1であるが、これに限定はしない。
糊は、天然糊でもよいし合成糊(化学糊)でもよく、限定するものではない。例えば、合成糊であるカセローズ(c m c)を使用するのが、より好ましい。カセローズは、化学名を繊維素グリコール酸ナトリウムと称し、一般にCMC(Sodium Carboxymethhyl Cellulose)といわれるセルローズ誘導体の合成糊である。
ガイロメ(蛙目)は、石炭層の下にある花崗岩が風化してできたもので、珪砂と粘土を含んだものである。
カオリンは、長石類岩石の風化によってできたもので、カオリン鉱物を主体とする白色の粘土である。
カオリンは、長石類岩石の風化によってできたもので、カオリン鉱物を主体とする白色の粘土である。
(作用)
本発明に係る釉薬及びそれを使用した焼物の作用を説明する。
本発明に係る釉薬を使用した場合、本焼きの焼成温度が1230℃では表面が艶消しのやや明るい緑色にはなるが、焼き上がったときの表面の色合いや肌合いが今ひとつで、美術的な価値にはやや乏しく商品にはなりにくい。
本発明に係る釉薬及びそれを使用した焼物の作用を説明する。
本発明に係る釉薬を使用した場合、本焼きの焼成温度が1230℃では表面が艶消しのやや明るい緑色にはなるが、焼き上がったときの表面の色合いや肌合いが今ひとつで、美術的な価値にはやや乏しく商品にはなりにくい。
本焼きの焼成温度が1240〜1250℃では、1250℃に近づくにつれて暗部が深い緑黒色に変わり、明部の浅黄色とのコントラストが美しい変化に富んだ色合いになり、艶が出る。そして、焼物全体の色合いと肌合いが、蛇紋岩の原石に近いふんわりとした柔らかい感じの焼物になる。
また、蛇紋岩を含む釉薬を厚く塗ると仕上がりで緑黒色が強くなり、薄くするほど緑色から黄色へと変化するという傾向も見られた。
なお、本焼きの焼成温度が1250℃を超えても、色合いや肌合い、艶は1250℃の場合とほとんど変わらないので、1250℃を超える焼成温度で本焼きをしても燃料が無駄なだけであり、あまり意味がない。
また、蛇紋岩を含む釉薬を厚く塗ると仕上がりで緑黒色が強くなり、薄くするほど緑色から黄色へと変化するという傾向も見られた。
なお、本焼きの焼成温度が1250℃を超えても、色合いや肌合い、艶は1250℃の場合とほとんど変わらないので、1250℃を超える焼成温度で本焼きをしても燃料が無駄なだけであり、あまり意味がない。
蛇紋岩と化学糊(cmc)を配合した釉薬、蛇紋岩とガイロメを配合した釉薬、蛇紋岩、ガイロメ、カオリンを配合した釉薬の各釉薬を使用した場合の各焼物の色合いや肌合いの差はほとんどなく、ほぼ同様の仕上がりになる。これは、蛇紋岩の配合割合が多く、影響が強いからであると思われる。
蛇紋岩を主材としての配合は上記に限定されるものではない。なお、製造コストの面からは、化学糊との組み合わせが最も好ましく、安価にできる。
蛇紋岩を主材としての配合は上記に限定されるものではない。なお、製造コストの面からは、化学糊との組み合わせが最も好ましく、安価にできる。
従来、岩石そのものに研磨や成型などの加工を施して使用するのが主であった蛇紋岩の焼物の釉薬としての使用ができるようになることで、蛇紋岩の用途が広がると共に、蛇紋岩の独特の色合いや肌合いを持つ様々な焼物を使用した製品が提供できる。
本発明を図に示した実施例に基づき詳細に説明する。
図1は本発明に係る焼物の構造を示し一部を断面で表した説明図、
図2は本発明に係る焼物の製造工程のフローを示す説明図である。
図1は本発明に係る焼物の構造を示し一部を断面で表した説明図、
図2は本発明に係る焼物の製造工程のフローを示す説明図である。
まず、本発明に係る焼物A1、A2、A3、A4を製造するにあたり、蛇紋岩を含む釉薬を三種類つくった。使用する蛇紋岩は、粒径が60目以上のものとした。釉薬は、下記(a)、(b)、(c)の配合のものをそれぞれ適量の水に分散させて懸濁液としてつくった。
なお、焼物A1、A2、A3、A4の構造は本質的に同じであるので、図1では包括し焼物Aとして図示した。図1において、符号1は素地、2は蛇紋岩を含む釉層、3は透明釉層である。
なお、焼物A1、A2、A3、A4の構造は本質的に同じであるので、図1では包括し焼物Aとして図示した。図1において、符号1は素地、2は蛇紋岩を含む釉層、3は透明釉層である。
(蛇紋岩を含む釉薬の配合)
(a)蛇紋岩:合成糊(cmc)=10:0.3(重量比)
(b)蛇紋岩:ガイロメ=10:1(重量比)
(c)蛇紋岩:ガイロメ:カオリン=10:1:1(重量比)
(a)蛇紋岩:合成糊(cmc)=10:0.3(重量比)
(b)蛇紋岩:ガイロメ=10:1(重量比)
(c)蛇紋岩:ガイロメ:カオリン=10:1:1(重量比)
また、透明釉薬は、一般的なものとし、下記の配合のものを水に分散させて懸濁液としてつくった。なお、透明釉薬としては、下記の配合以外にも灰釉を主材とするもの、石灰を主材とするもの、土灰を主材とするものなどを採用してもよい。
(透明釉薬の配合)
長石:土灰:ワラ灰=6:3:1(重量比)
長石:土灰:ワラ灰=6:3:1(重量比)
焼物A1の製法を説明する。焼物A1は、蛇紋岩を含む上記(a)の配合でつくった釉薬を使用して焼成した。
図2を参照する。
(1)器状に成形した生乾きの素地の表面に、上記(a)の釉薬を施釉した。なお、素地をつくる陶土は、耐火性に優れた粘土、例えば信楽の粘土50%以上を含むものとし、蛇紋岩の釉薬の影響で、本焼き後に素地が曲がるなど変形を起こすことがないようにした。
(2)素地と、付着した釉薬が乾燥した状態になってから窯に入れ、800〜820℃の温度で素焼きをした。
(3)素焼きの表面に、更に透明釉薬を施釉し、窯に入れて1240℃まで温度を上げて本焼きをした。具体的には、窯の上にある温度計が1240℃を示したところで燃料を追加して温度を上げ、更に15分程度加熱し、窯の上部よりやや温度が低い焼成部が1240℃になるようにして焼成した。なお、蛇紋岩を含む釉層2は浸透性が強いので透明釉薬の施釉はやや厚めにした。
(1)器状に成形した生乾きの素地の表面に、上記(a)の釉薬を施釉した。なお、素地をつくる陶土は、耐火性に優れた粘土、例えば信楽の粘土50%以上を含むものとし、蛇紋岩の釉薬の影響で、本焼き後に素地が曲がるなど変形を起こすことがないようにした。
(2)素地と、付着した釉薬が乾燥した状態になってから窯に入れ、800〜820℃の温度で素焼きをした。
(3)素焼きの表面に、更に透明釉薬を施釉し、窯に入れて1240℃まで温度を上げて本焼きをした。具体的には、窯の上にある温度計が1240℃を示したところで燃料を追加して温度を上げ、更に15分程度加熱し、窯の上部よりやや温度が低い焼成部が1240℃になるようにして焼成した。なお、蛇紋岩を含む釉層2は浸透性が強いので透明釉薬の施釉はやや厚めにした。
これにより、焼物A1の表面には、暗部の緑黒色と明部の浅黄色とのコントラストが美しい変化に富んだ色合いになった。また、艶が出て、色合いと肌合いが蛇紋岩の原石に近いふんわりとした柔らかい感じの焼物になった。
(作用)
焼物A1は、上記外観の独特の美しさとともに、次のようないくつかの機能性を有することがわかった。
すなわち、水に濡らしたときの乾きが速く、速乾性に優れていることがわかった。これによれば、例えば浴室の床材や壁材として利用したときの有効性が期待できる。
また、調湿性能があり、浴室以外にもいろいろな空間部の湿度を調整する材料としての有効性が期待できる。
更には、ビールを飲むときに使用する器として使用すると、内部側の表面にマット調の艶があるにも関わらず、細かい泡が適度に立ち、またその泡が消えにくく、ビールのおいしさを保つことができた。
焼物A1は、上記外観の独特の美しさとともに、次のようないくつかの機能性を有することがわかった。
すなわち、水に濡らしたときの乾きが速く、速乾性に優れていることがわかった。これによれば、例えば浴室の床材や壁材として利用したときの有効性が期待できる。
また、調湿性能があり、浴室以外にもいろいろな空間部の湿度を調整する材料としての有効性が期待できる。
更には、ビールを飲むときに使用する器として使用すると、内部側の表面にマット調の艶があるにも関わらず、細かい泡が適度に立ち、またその泡が消えにくく、ビールのおいしさを保つことができた。
焼物A2の製法を説明する。焼物A2は上記焼物A1と同じく、蛇紋岩を含む上記(a)の配合でつくった釉薬を使用し、本焼きの焼成温度を変えて焼成した。
(1)器状に成形した生乾きの素地の表面に、上記(a)の釉薬を施釉した。なお、素地をつくる陶土は、耐火性に優れた粘土、例えば信楽の粘土50%以上を含むものとし、蛇紋岩の釉薬の影響で、本焼き後に素地が曲がるなど変形を起こすことがないようにした。
(2)素地と、付着した釉薬が乾燥した状態になってから窯に入れ、800〜820℃の温度で素焼きをした。
(3)素焼きの表面に、更に透明釉薬を施釉し、窯に入れて1250℃まで温度を上げて本焼きをした。具体的には、窯の上にある温度計が1250℃を示したところで燃料を追加して温度を上げ、更に15分程度加熱し、窯の上部よりやや温度が低い焼成部が1250℃になるようにして焼成した。透明釉薬の施釉は上記実施例1と同様にやや厚めにした。
(2)素地と、付着した釉薬が乾燥した状態になってから窯に入れ、800〜820℃の温度で素焼きをした。
(3)素焼きの表面に、更に透明釉薬を施釉し、窯に入れて1250℃まで温度を上げて本焼きをした。具体的には、窯の上にある温度計が1250℃を示したところで燃料を追加して温度を上げ、更に15分程度加熱し、窯の上部よりやや温度が低い焼成部が1250℃になるようにして焼成した。透明釉薬の施釉は上記実施例1と同様にやや厚めにした。
本実施例では、上記実施例1に比べて本焼きの焼成温度を高くして1250℃とした
これにより、暗部がより深い緑黒色になり、明部の浅黄色とのコントラストが更にくっきりと美しい色合いになった。また、実施例1と同様に艶が出て、色合いと肌合いが蛇紋岩の原石に近いふんわりとした柔らかい感じの焼物になった。
これにより、暗部がより深い緑黒色になり、明部の浅黄色とのコントラストが更にくっきりと美しい色合いになった。また、実施例1と同様に艶が出て、色合いと肌合いが蛇紋岩の原石に近いふんわりとした柔らかい感じの焼物になった。
焼物A3の製法を説明する。焼物A3は、蛇紋岩を含む上記(b)の配合でつくった釉薬を使用して焼成した。
(1)器状に成形した生乾きの素地の表面に、上記(b)の釉薬を施釉した。なお、素地をつくる陶土は、耐火性に優れた粘土、例えば信楽の粘土50%以上を含むものとし、蛇紋岩の釉薬の影響で、本焼き後に素地が曲がるなど変形を起こすことがないようにした。
(2)素地と、付着した釉薬が乾燥した状態になってから窯に入れ、800〜820℃の温度で素焼きをした。
(3)素焼きの表面に、更に透明釉薬を施釉し、窯に入れて上記実施例2と同様に1250℃まで温度を上げて本焼きをした。透明釉薬の施釉は上記実施例1と同様にやや厚めにした。
(2)素地と、付着した釉薬が乾燥した状態になってから窯に入れ、800〜820℃の温度で素焼きをした。
(3)素焼きの表面に、更に透明釉薬を施釉し、窯に入れて上記実施例2と同様に1250℃まで温度を上げて本焼きをした。透明釉薬の施釉は上記実施例1と同様にやや厚めにした。
本実施例では、上記実施例2にと同様に本焼きの焼成温度を1250℃とした
これにより、暗部が同様に深い緑黒色になり、明部の浅黄色とのコントラストが美しい変化に富んだ色合いになった。また、実施例2と同様に艶が出て、色合いと肌合いが蛇紋岩の原石に近いふんわりとした柔らかい感じの焼物になった。
これにより、暗部が同様に深い緑黒色になり、明部の浅黄色とのコントラストが美しい変化に富んだ色合いになった。また、実施例2と同様に艶が出て、色合いと肌合いが蛇紋岩の原石に近いふんわりとした柔らかい感じの焼物になった。
焼物A4の製法を説明する。焼物A4は、蛇紋岩を含む上記(c)の配合でつくった釉薬を使用して焼成した。
(1)器状に成形した生乾きの素地の表面に、上記(c)の釉薬を施釉した。なお、素地をつくる陶土は、耐火性に優れた粘土、例えば信楽の粘土50%以上を含むものとし、蛇紋岩の釉薬の影響で、本焼き後に素地が曲がるなど変形を起こすことがないようにした。
(2)素地と、付着した釉薬が乾燥した状態になってから窯に入れ、800〜820℃の温度で素焼きをした。
(3)素焼きの表面に、更に透明釉薬を施釉し、窯に入れて上記実施例2と同様に1250℃まで温度を上げて本焼きをした。透明釉薬の施釉は上記実施例1と同様にやや厚めにした。
(2)素地と、付着した釉薬が乾燥した状態になってから窯に入れ、800〜820℃の温度で素焼きをした。
(3)素焼きの表面に、更に透明釉薬を施釉し、窯に入れて上記実施例2と同様に1250℃まで温度を上げて本焼きをした。透明釉薬の施釉は上記実施例1と同様にやや厚めにした。
本実施例では、上記実施例2、3にと同様に本焼きの焼成温度を1250℃とした
これにより、暗部が同様に深い緑黒色になり、明部の浅黄色とのコントラストが美しい変化に富んだ色合いになった。また、実施例2、3と同様に艶が出て、色合いと肌合いが蛇紋岩の原石に近いふんわりとした柔らかい感じの焼物になった。
これにより、暗部が同様に深い緑黒色になり、明部の浅黄色とのコントラストが美しい変化に富んだ色合いになった。また、実施例2、3と同様に艶が出て、色合いと肌合いが蛇紋岩の原石に近いふんわりとした柔らかい感じの焼物になった。
なお、本明細書で使用している用語と表現は、あくまで説明上のものであって限定的なものではなく、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するものではない。また、本発明は図示されている実施の形態に限定されるものではなく、技術思想の範囲内において種々の変形が可能である。
A(A1、A2、A3、A4) 焼物
1 素地
2 蛇紋岩を含む釉層
3 透明釉層
1 素地
2 蛇紋岩を含む釉層
3 透明釉層
Claims (7)
- 蛇紋岩の粉体または粒体を主材とすることを特徴とする、釉薬。
- 蛇紋岩の粉体または粒体と糊を含むことを特徴とする、釉薬。
- 蛇紋岩の粉体または粒体とガイロメを含むことを特徴とする、釉薬。
- 蛇紋岩の粉体または粒体とガイロメ及びカオリンを含むことを特徴とする、釉薬。
- 生乾きの素地の表面に蛇紋岩を主材とする釉薬を施釉し、素地と付着した釉薬が乾燥した状態になってから素焼きをし、その後素焼きの表面に透明釉薬を施釉し、本焼きをすることを特徴とする、
焼物の製法。 - 本焼きを1240℃〜1250℃で行うことを特徴とする、
請求項5記載の焼物の製法。 - 生乾きの素地の表面に蛇紋岩を主材とする釉薬を施釉し、素地と付着した釉薬が乾燥した状態になってから素焼きをし、素焼きの表面に透明釉薬を施釉し、本焼きをして得られたことを特徴とする、
焼物。
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JP2005210454A JP2007022882A (ja) | 2005-07-20 | 2005-07-20 | 釉薬、それを使用した焼物の製法及び焼物 |
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