JP2001003993A - ベルト式無段変速機 - Google Patents
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- Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract
ントの後傾を抑制して、プーリシーブ面と、シーブ面に
対向するエレメント側面との接触を全面当たりとするこ
とにより、エレメントの摩耗による摩擦係数の低下を防
止し、ベルト式無段変速機の伝達トルク容量を向上させ
る。 【解決手段】 複数のエレメント2aを隙間無く配列し
て具え、このエレメント列に無終端バンドを掛け渡して
なる伝達ベルトを、エレメント2aがロッキングエッジ
6を中心に傾斜することによって、入出力プーリ間に巻
き掛けたベルト式無段変速機において、エレメント2a
の側面形状は、プーリ接触面に対して曲率半径Rで凸と
なるように形成されると共に、この曲率半径Rは、ロッ
キングエッジ6と当接するプーリ稜線4L(5L)との
交点から、プーリ稜線4L(5L)に対して引いた垂直
線L4 (L5 )上に設定される。
Description
ントを隙間無く配列して具え、この平板エレメント列に
無終端バンドを掛け渡してなる伝達ベルトを、前記平板
エレメントがロッキングエッジを中心に傾斜することに
よって、入出力プーリ間に巻き掛けたベルト式無段変速
機に関するものである。
えば、特開平7−12177号公報に記載のものがあ
り、図9は、従来の平板エレメントを示した正面図、図
10は、無終端バンド3が省略された伝達ベルト10の
側面図である。このベルト式無段変速機は、図9,10
に示すように、複数の平板エレメント20を隙間無く配
列して具え、この平板エレメント列に無終端バンド3を
掛け渡してなる伝達ベルト10を、固定プーリ4および
可動プーリ5で構成される一対の入力プーリおよび出力
プーリ間に巻き掛けたものである。
に、固定プーリ4および可動プーリ5間に対して、平板
エレメント20がロッキングエッジ6を中心に傾斜する
ことによって巻き掛けられ、このロッキングエッジ6
は、肩部20sの上端から下方(通常、例えば、肩部2
0sの上端から1/5の位置)に形成されている。
シーブ面4fと可動プーリ5のシーブ面5fとがなす角
度αは、平板エレメント20の肩部20sに連なる側面
20f,20fがなす角度βと等しくなるように構成さ
れ、平板エレメント20の肩部側面20fは、固定プー
リシーブ面4fまたは可動プーリシーブ面5fに対して
ほぼ均等に当接する。
ーリ推力Nの分布は、図11に示すように、平板エレメ
ント20の肩部側面20fに対してほぼ均等な分布とな
る。よって、平板エレメント20に対するプーリ推力N
の作用中心C2 は、肩部側面20f幅のほぼ中心に位置
する。
図である。いま、平板エレメント20−1にプーリから
トルクが伝達され、平板エレメント20−1と平板エレ
メント20−2との間に圧縮力が発生する状態を考える
と、この状態は、平板エレメント20のプーリ推力Nの
作用中心C2 に摩擦力Fがシーブ面に沿って作用してい
る状態に置き換えて考えることができる。この場合、プ
ーリ推力Nの作用中心C2 とロッキングエッジ6とは距
離ΔL2 だけの間隔を有するため、平板エレメント20
にはモーメントM2 (=F×ΔL2 )が矢印方向に作用
する。
達している平板エレメント20は、図12のモーメント
M2 によって後傾しながらプーリに巻き付くことになる
ため、平板エレメント20の両肩部側面20f,20f
が、固定プーリ4のシーブ面4fおよび可動プーリ5の
シーブ面5fとエレメント側面全体で接触するのではな
く、例えば、図12の領域Xに示すような部分に対して
局部当たりする。この場合、平板エレメント20の一部
分が極端に摩耗することにより、シーブ面に対する摩擦
係数が低下するため、従来変速機には、伝達ベルト10
の伝達トルク容量をさらに向上させ得る余地があった。
鑑みてなされたものであり、プーリ間で発生するモーメ
ントによるエレメントの後傾を抑制して、プーリのシー
ブ面と、シーブ面に対向するエレメント側面との接触を
全面当たりとすることにより、エレメントの摩耗による
摩擦係数の低下を防止し、ベルト式無段変速機の伝達ト
ルク容量を向上させることを目的とする。
1発明によるベルト式無段変速機は、複数の平板エレメ
ントを隙間無く配列して具え、この平板エレメント列に
無終端バンドを掛け渡してなる伝達ベルトを、前記平板
エレメントがロッキングエッジを中心に傾斜することに
よって、入出力プーリ間に巻き掛けたベルト式無段変速
機において、前記平板エレメントの側面形状が、前記ロ
ッキングエッジの近傍だけプーリ接触面に対して凸とな
るように形成されていることを特徴とするものである。
数の平板エレメントを隙間無く配列して具え、この平板
エレメント列に無終端バンドを掛け渡してなる伝達ベル
トを、前記平板エレメントがロッキングエッジを中心に
傾斜することによって、入出力プーリ間に巻き掛けたベ
ルト式無段変速機において、前記平板エレメントの側面
形状が、プーリ接触面に対して曲率半径Rで凸となるよ
うに形成されると共に、この曲率半径Rが、前記ロッキ
ングエッジと当接するプーリ稜線との交点から、前記プ
ーリ稜線に対して引いた垂直線上に設定されることを特
徴とするものである。
曲率半径Rが、前記平板エレメントの前記無終端バンド
との接触面と前記ロッキングエッジとの間隔dr と、前
記平板エレメントに作用する単位長さ当たりのプーリ推
力の最大値qと、入出力プーリがなす半シーブ角度βと
から、 R≦ (dr)2 ×9065÷(q×cos β) ・・・ (1) の関係に設定されることを特徴とするものである。
数の平板エレメントを隙間無く配列して具え、この平板
エレメント列に無終端バンドを掛け渡してなる伝達ベル
トを、前記平板エレメントがロッキングエッジを中心に
傾斜することによって、入出力プーリ間に巻き掛けたベ
ルト式無段変速機において、前記平板エレメントの側面
形状は、前記ロッキングエッジを含む側面領域のみがプ
ーリ接触面に対して張り出した2段型に形成されている
ことを特徴とするものである。
数の平板エレメントを隙間無く配列して具え、この平板
エレメント列に無終端バンドを掛け渡してなる伝達ベル
トを、前記平板エレメントがロッキングエッジを中心に
傾斜することによって、入出力プーリ間に巻き掛けたベ
ルト式無段変速機において、前記平板エレメントの側面
形状は、前記ロッキングエッジの近傍での接触領域が該
接触領域以外の側面領域に比べて大きくなるように複数
の横溝が形成されていることを特徴とするものである。
を形成する間隔は、前記ロッキングエッジの近傍におい
て疎となることを特徴とするものである。
の溝幅は、前記ロッキングエッジの近傍において狭くな
ることを特徴とするものである。
平板エレメントの側面形状がロッキングエッジの近傍だ
けプーリ接触面に対して凸となるように形成させたこと
により、前記平板エレメントに対するプーリ推力の作用
中心は、常に前記ロッキングエッジに等しくなるように
位置決めされる。
るようなモーメントは前記ロッキングエッジ周りに生じ
ない。このため、プーリのシーブ面に対向する平板エレ
メントの側面領域は、このシーブ面に局部当たりするこ
となく該側面領域全体で該シーブ面と接触するから、前
記平板エレメントの側面領域の一部分が極端に摩耗する
ことによって、シーブ面に対する摩擦係数が低下するよ
うなことがない。
前記ロッキングエッジの近傍だけプーリ接触面に対して
凸となるように形成されているから、両プーリシーブ面
の間に形成されるシーブ角度が多少ばらついたとして
も、前記平板エレメントに対するプーリ推力の作用中心
は前記ロッキングエッジからずれることがない。
トの側面に作用する摩擦力を確実に伝達し、ベルト式無
段変速機の伝達トルク容量を向上させることができる。
は、前記平板エレメントの側面形状をプーリ接触面に対
して曲率半径Rで凸となるように形成すると共に、この
曲率半径Rを前記ロッキングエッジと当接するプーリ稜
線との交点から、前記プーリ稜線に対して引いた垂直線
上に設定することにより、前記平板エレメントに対する
プーリ推力の作用中心は、常に前記ロッキングエッジに
等しくなるように位置決めされる。
るようなモーメントは前記ロッキングエッジ周りに生じ
ない。このため、プーリのシーブ面に対向する平板エレ
メントの側面領域は、このシーブ面に局部当たりするこ
となく該側面領域全体で該シーブ面と接触するから、前
記平板エレメントの側面領域の一部分が極端に摩耗する
ことによって、シーブ面に対する摩擦係数が低下するよ
うなことがない。
前記平板エレメントの側面形状をプーリ接触面に対して
曲率半径Rで凸となるように形成されるから、両プーリ
シーブ面の間に形成されるシーブ角度が多少ばらついた
としても、前記平板エレメントに対するプーリ推力の作
用中心は前記ロッキングエッジからずれることがない。
の作用効果を得ることができる。
記第2発明において、前記曲率半径Rは、前記平板エレ
メントの前記無終端バンドとの接触面と前記ロッキング
エッジとの間隔dr と、前記平板エレメントに作用する
単位長さ当たりのプーリ推力の最大値qと、入出力プー
リがなす半シーブ角度βとして、 R≦ (dr)2 ×9065÷(q×cos β) ・・・ (1) の関係に設定することにより、曲率半径Rの設定が容易
であるため、最も好適な値を容易に取ることができる。
従って第3発明によれば、上記第2発明で説明した作用
効果を効率的に得ることができる。
記平板エレメントの側面形状が、前記ロッキングエッジ
を含む側面領域のみをプーリ接触面に対して張り出させ
た2段型に形成されることにより、前記平板エレメント
に対するプーリ推力の作用中心は、常に前記ロッキング
エッジに等しくなるように位置決めされる。
るようなモーメントは前記ロッキングエッジ周りに生じ
ない。このため、プーリのシーブ面に対向する平板エレ
メントの側面領域は、このシーブ面に局部当たりするこ
となく該側面領域全体で該シーブ面と接触するから、前
記平板エレメントの側面領域の一部分が極端に摩耗する
ことによって、シーブ面に対する摩擦係数が低下するよ
うなことがない。
記ロッキングエッジを含む側面領域のみをプーリ接触面
に対して張り出させた2段型に形成するから、両プーリ
シーブ面の間に形成されるシーブ角度が多少ばらついた
としても、前記平板エレメントに対するプーリ推力の作
用中心は前記ロッキングエッジからずれることがない。
の作用効果を得ることができる。
記平板エレメントの側面形状を、前記ロッキングエッジ
の近傍での接触領域が該接触領域以外の側面領域に比べ
て大きくなるように複数の横溝を形成することにより、
前記平板エレメントに対するプーリ推力の作用中心は、
常に前記ロッキングエッジに等しくなるように位置決め
される。
るようなモーメントは前記ロッキングエッジ周りに生じ
ない。このため、プーリのシーブ面に対向する平板エレ
メントの側面領域は、このシーブ面に局部当たりするこ
となく該側面領域全体で該プーリシーブ面と接触するか
ら、前記平板エレメントの側面領域の一部分が極端に摩
耗することによって、シーブ面に対する摩擦係数が低下
するようなことがない。
前記ロッキングエッジの近傍での接触領域が該接触領域
以外の側面領域に比べて大きくなるように複数の横溝が
形成されるから、該ロッキングエッジの近傍での接触面
を大きく得ることができるため、両プーリシーブ面の間
に形成されるシーブ角度が多少ばらついたとしても、前
記平板エレメントに対するプーリ推力の作用中心は前記
ロッキングエッジからずれることがない。
の作用効果を得ることができる。
記横溝を形成する間隔が、前記ロッキングエッジの近傍
において疎となることから、前記横溝の溝幅を変更する
必要がないため、溝加工を容易に行うことができる。
した作用効果を効率的に得ることができる。
記横溝の溝幅が、前記ロッキングエッジの近傍において
狭くなることから、第5発明で説明した作用効果を効率
的に得ることができる。
に基づき詳細に説明する。なお、各実施形態を説明する
ため、図12を適宜参照するものとする。
の第1実施形態を示した正面図であって、回転シャフト
8に固定されたプーリ(以下、固定プーリという)4
と、回転シャフト8を軸線方向に移動可能なプーリ(以
下、可動プーリという)5とで形成されたプーリが、エ
ンジン回転が入力されるプーリ(以下、入力プーリとい
う)と、該入力プーリの回転を伝達ベルト1を介して変
速出力するプーリ(以下、出力プーリという)とを構成
する。
の側面図である。伝達ベルト1は、図1,2に示すよう
に、複数の平板エレメント2を隙間無く配列して具え、
この平板エレメント列に一対の無終端バンド3を掛け渡
してなり、平板エレメント2がロッキングエッジ6を中
心に傾斜することによって、上記固定および可動プーリ
4,5で構成された一対の入力プーリおよび出力プーリ
間に巻き掛けられている。
る。平板エレメント2には、無終端バンド3を嵌着する
ための肩部2sと、固定プーリ4および可動プーリ5の
シーブ面4f,5fに接触する肩部側面2fと、ロッキ
ングエッジ6とが形成され、このロッキングエッジ6
は、従来の平板エレメントと同様に、肩部2sの上端か
ら下方(具体的には、肩部2sの上端から1/5の位
置)に形成されている。
の肩部側面2fの形状は、符号2f1 に示すように、ロ
ッキングエッジ6の近傍だけプーリ接触面、つまりシー
ブ面4f(5f)に対して凸となるように形成されてい
る。
機は、ロッキングエッジ6の近傍だけシーブ面4f(5
f)に対して凸となるよう、平板エレメント2の側面形
状2fに側面形状2f1 を形成したことにより、平板エ
レメント2に対するプーリ推力Nの作用中心C1 は、常
にロッキングエッジ6に等しくなるように位置決めされ
る。
レメント2を後傾させるモーメントM2 (図12参照)
をロッキングエッジ6周りに生じさせない。このため、
プーリのシーブ面4f(5f)に対向する平板エレメン
ト2の側面領域は、図12で説明の如くシーブ面4f
(5f)に局部当たりすることなく、該側面領域全体で
該シーブ面4f(5f)と接触するから、平板エレメン
ト2の側面領域の一部分が極端に摩耗することによっ
て、シーブ面4f(5f)に対する摩擦係数が低下する
ようなことがない。
ッキングエッジ6の近傍だけシーブ面4f(5f)に対
して凸となるように形成されているから、両プーリシー
ブ面4f(5f)の間に形成されるシーブ角度αが多少
ばらついたとしても、平板エレメント2に対するプーリ
推力Nの作用中心は、図3に示す如く、ロッキングエッ
ジ6からずれることがない。
の側面に作用する摩擦力F(図12参照)を確実に伝達
し、ベルト式無段変速機の伝達トルク容量を向上させる
ことができる。
の第2実施形態を示した正面図であって、平板エレメン
ト2aには、第1実施形態と同様、無終端バンド3を嵌
着するための肩部2sと、固定プーリ4および可動プー
リ5のシーブ面4f,5fに接触する肩部側面2fa
と、ロッキングエッジ6とが形成され、このロッキング
エッジ6は、従来の平板エレメントと同様に、肩部2s
の上端から下方(具体的には、肩部2sの上端から1/
5の位置)に形成されている。
aの側面形状は、プーリ接触面、つまりシーブ面4f
(5f)に対して曲率半径Rで凸となるように形成され
ると共に、この曲率半径Rは、ロッキングエッジ6と当
接するプーリ稜線4L(5L)との交点4p(5p)か
ら、このプーリ稜線4L(5L)に対して引いた垂直線
L4 ,L5 上に設定される。
機は、平板エレメント2aの側面形状を、シーブ面4f
(5f)に対して曲率半径Rで凸となるように形成する
と共に、この曲率半径Rを、ロッキングエッジ6と当接
するプーリ稜線4L(5L)との交点4p(5p)か
ら、このプーリ稜線4L(5L)に対して引いた垂直線
L4 ,L5 上に設定したことにより、平板エレメント2
aに対するプーリ推力Nの作用中心Ca は、常にロッキ
ングエッジ6に等しくなるように位置決めされる。
レメント2を後傾させるようなモーメントM2 (図12
参照)をロッキングエッジ6周りに生じさせない。この
ため、プーリのシーブ面4f(5f)に対向する平板エ
レメント2aの側面領域は、図12に説明の如くシーブ
面4f(5f)に局部当たりすることなく、該側面領域
全体で該シーブ面4f(5f)と接触するから、平板エ
レメント2aの側面領域の一部分が極端に摩耗すること
によって、シーブ面4f(5f)に対する摩擦係数が低
下するようなことがない。
平板エレメント2aの側面形状をプーリ接触面に対して
曲率半径Rで凸となるように形成されるから、両プーリ
シーブ面4f(5f)の間に形成されるシーブ角度αが
多少ばらついたとしても、平板エレメント2aに対する
プーリ推力Nの作用中心Ca は、図4に示す如く、ロッ
キングエッジ6からずれることがない。
と同様の作用効果を得ることができる。
図4に示すプーリシーブ面5fと平板エレメント2aの
側面2fa との接触部分を拡大した正面図である。今、
プーリシーブ面5fを鋼製の平面と考えると共に、平板
エレメント2aの側面2fa を曲率半径Rの鋼製の円柱
と考えて、ヘルツの公式を用いて接触面の片幅b(mm)を
求めると、プーリ5から平板エレメント2aに作用する
単位長さ(厚さ)当たりのプーリ推力Nの最大値q(kgf
/mm)と、半シーブ角度βと、鋼のヤング率E(kgf/mm2)
とから、
り肩部2sの表面とロッキングエッジ6との間隔をdr
とおけば、接触片幅bが間隔dr よりも小さければ、プ
ーリ推力Nの作用中心は必ずロッキングエッジ6に一致
するから、
合)を代入することによって、曲率半径Rについて解く
と、下式が得られる。 R≦ (dr)2 ×9065÷(q×cos β)(mm)・・ (1)
機は、平板エレメント2aの無終端バンド3との接触面
2fとロッキングエッジ6との間隔dr と、平板エレメ
ント2aに作用する単位長さ当たりのプーリ推力Nの最
大値qと、入出力プーリがなすシーブ角度の半分の角度
βとから、 R≦ (dr)2 ×9065÷(q×cos β)(mm)・・ (1) の関係で曲率半径Rを設定することにより、曲率半径R
の設定が容易であるため、最も好適な値を容易に取るこ
とができる。従って本実施形態によれば、上記第2実施
形態で説明した作用効果を効率的に得ることができる。
は、例えば、間隔dr =1(mm)、半シーブ角度β=11
( °) が一般的であって、プーリ推力Nの最大値qは、
30〜90(kgf/mm)の範囲が考えられる。
の第3実施形態を示した正面図であって、平板エレメン
ト2bには、第1実施形態と同様、無終端バンド3を嵌
着するための肩部2sと、固定プーリ4および可動プー
リ5のシーブ面4f,5fに接触する肩部側面2f1
と、ロッキングエッジ6とが形成され、このロッキング
エッジ6は、従来の平板エレメントと同様に、肩部2s
の上端から下方(具体的には、肩部2sの上端から1/
5の位置)に形成されている。
bの側面形状は、ロッキングエッジ6を含む側面領域2
f1 のみがプーリ接触面、つまりシーブ面4f(5f)
に対して張り出した2段型に形成される。この場合、張
り出し側面領域2f1 は、該張り出し側面領域2f1 以
外の領域2f2 に比べて大きく設定することが好まし
い。
機は、平板エレメント2bの側面形状を、ロッキングエ
ッジ6を含む側面領域2f1 のみがシーブ面4f(5
f)に対して張り出した2段型に形成することにより、
平板エレメント2bに対するプーリ推力Nの作用中心C
b は、常にロッキングエッジ6に等しくなるように位置
決めされる。
レメント2bを後傾させるようなモーメントM2 (図1
2参照)をロッキングエッジ6周りに生じさせない。こ
のため、プーリのシーブ面4f(5f)に対向する平板
エレメント2bの側面領域は、図12に説明の如くシー
ブ面4f(5f)に局部当たりすることなく、該側面領
域全体で該シーブ面4f(5f)と接触するから、平板
エレメント2bの側面領域の一部分が極端に摩耗するこ
とによって、シーブ面4f(5f)に対する摩擦係数が
低下するようなことがない。
ロッキングエッジ6を含む側面領域2f1 のみをシーブ
面4f(5f)に対して張り出した2段型に形成するか
ら、両プーリシーブ面4f(5f)の間に形成されるシ
ーブ角度αが多少ばらついたとしても、平板エレメント
2bに対するプーリ推力Nの作用中心Cb は、図6に示
す如く、ロッキングエッジ6からずれることがない。
と同様の作用効果を得ることができる。なお、本実施形
態においては、張り出し側面領域2f1 の段差面には、
面取り加工が施されていることが好ましい。
の第4実施形態を示した正面図であって、(a)は平板
エレメントを正面から示した拡大図、(b)は平板エレ
メントの側面領域の一部を示した拡大図である。但し、
符号gは横溝、符号Lは溝幅、符号pは横溝gが形成さ
れる間隔である。
同様、無終端バンド3を嵌着するための肩部2sと、固
定プーリ4および可動プーリ5のシーブ面4f,5fに
接触する肩部側面2fc と、ロッキングエッジ6とが形
成され、このロッキングエッジ6は、従来の平板エレメ
ントと同様に、肩部2sの上端から下方(具体的には、
肩部2sの上端から1/5の位置)に形成されている。
平板エレメント2cの側面領域に複数の横溝gが形成さ
れ、この側面形状は、ロッキングエッジ6の近傍での接
触領域が該接触領域以外の側面領域に比べて大きくなる
ようにするため、横溝gを形成する間隔pは、ロッキン
グエッジ6の近傍において疎とする。
定の溝幅Lで形成される横溝gのうちで、ロッキングエ
ッジ6の近傍に形成される横溝gの間隔p1 は、それ以
外の側面領域に形成される横溝gの間隔p2 よりも大き
く形成されている。
機は、図7(b)に示す如く、平板エレメント2cの側
面形状をロッキングエッジ6の近傍での接触領域が該接
触領域以外の側面領域に比べて大きくなるように複数の
横溝gを形成し、これら横溝gを形成する間隔pは、ロ
ッキングエッジ6の近傍において疎(p1 >p2 )とな
ることにより、平板エレメント2cに対するプーリ推力
Nの作用中心Cc は、常にロッキングエッジ6に等しく
なるように位置決めされる。
レメント2cを後傾させるようなモーメントM2 (図1
2参照)をロッキングエッジ6周りに生じさせない。こ
のため、プーリのシーブ面4f(5f)に対向する平板
エレメント2cの側面領域は、図12に説明の如くシー
ブ面4f(5f)に局部当たりすることなく、該側面領
域全体で該シーブ面4f(5f)と接触するから、平板
エレメント2cの側面領域の一部分が極端に摩耗するこ
とによって、シーブ面4f(5f)に対する摩擦係数が
低下するようなことがない。
ロッキングエッジ6の近傍での接触領域が該接触領域以
外の側面領域に比べて大きくなるように複数の横溝gが
形成されるから、両プーリシーブ面4f(5f)の間に
形成されるシーブ角度αが多少ばらついたとしても、平
板エレメント2cに対するプーリ推力Nの作用中心Cc
は、図7に示す如く、ロッキングエッジ6からずれるこ
とがない。
と同様の作用効果を得ることができる。特に、本実施形
態によれば、横溝gの溝幅Lを変更する必要がないか
ら、溝加工を容易に行うことができる。
の第4実施形態の他の一例を示した正面図であって、
(a)は、平板エレメントを正面から示した拡大図、
(b)は平板エレメントの側面領域の一部を示した拡大
図である。但し、符号gは横溝、符号Lは溝幅、符号p
は横溝gが形成される間隔である。
同様、無終端バンド3を嵌着するための肩部2sと、固
定プーリ4および可動プーリ5のシーブ面4f,5fに
接触する肩部側面2fd と、ロッキングエッジ6とが形
成され、このロッキングエッジ6は、従来の平板エレメ
ントと同様に、肩部2sの上端から下方(具体的には、
肩部2sの上端から1/5の位置)に形成されている。
平板エレメント2dの側面領域に複数の横溝gが形成さ
れ、この側面形状は、ロッキングエッジ6の近傍での接
触面が該接触面以外の側面領域に比べて大きくなるよう
にするため、横溝gの溝幅Lは、ロッキングエッジ6の
近傍において狭くなる。
定の溝間隔pで形成される横溝のうちで、ロッキングエ
ッジ6の近傍に形成される横溝の幅L1 は、それ以外の
側面領域に形成される溝幅L2 よりも小さく形成されて
いる。
機は、平板エレメント2dの側面形状をロッキングエッ
ジ6の近傍での接触領域が該接触領域以外の側面領域に
比べて大きくなるようにするため、複数の横溝gを形成
し、これら横溝gの溝幅Lが、ロッキングエッジ6の近
傍において狭くなることにより、平板エレメント2dに
対するプーリ推力Nの作用中心Cd は、常にロッキング
エッジ6に等しくなるように位置決めされる。
レメント2dを後傾させるようなモーメントM2 (図1
2参照)をロッキングエッジ6周りに生じさせない。こ
のため、プーリのシーブ面4f(5f)に対向する平板
エレメント2dの側面領域は、図12に説明の如くシー
ブ面4f(5f)に局部当たりすることなく、該側面領
域全体で該シーブ面4f(5f)と接触するから、平板
エレメント2dの側面領域の一部分が極端に摩耗するこ
とによって、シーブ面4f(5f)に対する摩擦係数が
低下するようなことがない。
ロッキングエッジ6の近傍での接触領域が該接触領域以
外の側面領域に比べて大きくなるように複数の横溝gが
形成されるから、両プーリシーブ面4f(5f)の間に
形成されるシーブ角度αが多少ばらついたとしても、平
板エレメント2bに対するプーリ推力Nの作用中心Cd
はロッキングエッジ6からずれることがない。
Lがロッキングエッジ6の近傍において狭くなるから、
ロッキングエッジ6の近傍での接触面を大きく得ること
ができ、第1実施形態と同様の作用効果を効率的に得る
ことができる。
態を示したにすぎず、当業者によれば、請求の範囲にお
いて種々の変更を加えることができ、例えば、無終端バ
ンド3としては、例えば、無終端状のバンドを積層した
無終端積層バンドがあるが、無終端バンドは単体であっ
てもよい。
形態を示した正面図である。
面図である。
形態を示した正面図である。
説明図である。
形態を示した正面図である。
り、(b)は平板エレメントの側面領域の一部を示した
拡大図である。
であり、(b)は平板エレメントの側面領域の一部を示
した拡大図である。
である。
側面図である。
明) 2s 肩部(本発明) 2f1 ,2f2 ,2fa ,2fb ,2fc ,2fd 肩
部側面(本発明) 3 無終端バンド 4 固定プーリ 4f 固定プーリシーブ面 5 可動プーリ 5f 可動プーリシーブ面 6 ロッキングエッジ 8 回転シャフト C1 ,Ca ,Cb ,Cc ,Cd プーリ推力の作用中心
(本発明) g 横溝 L 溝幅 p 溝間隔 10 伝達ベルト(従来) 20 平板エレメント(従来) 20f 肩部側面(従来) 20s 肩部(従来) C2 プーリ推力の作用中心(従来) α シーブ角 β 半シーブ角
Claims (7)
- 【請求項1】 複数の平板エレメントを隙間無く配列し
て具え、この平板エレメント列に無終端バンドを掛け渡
してなる伝達ベルトを、前記平板エレメントがロッキン
グエッジを中心に傾斜することによって、入出力プーリ
間に巻き掛けたベルト式無段変速機において、 前記平板エレメントの側面形状は、前記ロッキングエッ
ジの近傍だけプーリ接触面に対して凸となるように形成
されていることを特徴とするベルト式無段変速機。 - 【請求項2】 複数の平板エレメントを隙間無く配列し
て具え、この平板エレメント列に無終端バンドを掛け渡
してなる伝達ベルトを、前記平板エレメントがロッキン
グエッジを中心に傾斜することによって、入出力プーリ
間に巻き掛けたベルト式無段変速機において、 前記平板エレメントの側面形状は、プーリ接触面に対し
て曲率半径Rで凸となるように形成されると共に、この
曲率半径Rは、前記ロッキングエッジと当接するプーリ
稜線との交点から、前記プーリ稜線に対して引いた垂直
線上に設定されることを特徴とするベルト式無段変速
機。 - 【請求項3】 前記曲率半径Rは、前記平板エレメント
の前記無終端バンドとの接触面と前記ロッキングエッジ
との間隔dr と、前記平板エレメントに作用する単位長
さ当たりのプーリ推力の最大値qと、入出力プーリがな
す半シーブ角度βとから、 R≦ (dr)2 ×9065÷(q×cos β) ・・・ (1) の関係に設定されることを特徴とする請求項2に記載の
ベルト式無段変速機。 - 【請求項4】 複数の平板エレメントを隙間無く配列し
て具え、この平板エレメント列に無終端バンドを掛け渡
してなる伝達ベルトを、前記平板エレメントがロッキン
グエッジを中心に傾斜することによって、入出力プーリ
間に巻き掛けたベルト式無段変速機において、 前記平板エレメントの側面形状は、前記ロッキングエッ
ジを含む側面領域のみがプーリ接触面に対して張り出し
た2段型に形成されていることを特徴とするベルト式無
段変速機。 - 【請求項5】 複数の平板エレメントを隙間無く配列し
て具え、この平板エレメント列に無終端バンドを掛け渡
してなる伝達ベルトを、前記平板エレメントがロッキン
グエッジを中心に傾斜することによって、入出力プーリ
間に巻き掛けたベルト式無段変速機において、 前記平板エレメントの側面形状は、前記ロッキングエッ
ジの近傍での接触領域が該接触領域以外の側面領域に比
べて大きくなるように複数の横溝が形成されていること
を特徴とするベルト式無段変速機。 - 【請求項6】 前記横溝を形成する間隔は、前記ロッキ
ングエッジの近傍において疎となることを特徴とする請
求項5に記載のベルト式無段変速機。 - 【請求項7】 前記横溝の溝幅は、前記ロッキングエッ
ジの近傍において狭くなることを特徴とする請求項5に
記載のベルト式無段変速機。
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