JP3206307B2 - 組立式伝動vベルト - Google Patents

組立式伝動vベルト

Info

Publication number
JP3206307B2
JP3206307B2 JP15599394A JP15599394A JP3206307B2 JP 3206307 B2 JP3206307 B2 JP 3206307B2 JP 15599394 A JP15599394 A JP 15599394A JP 15599394 A JP15599394 A JP 15599394A JP 3206307 B2 JP3206307 B2 JP 3206307B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
misalignment
belt
clearance
transmission
pulleys
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP15599394A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0821488A (ja
Inventor
大介 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP15599394A priority Critical patent/JP3206307B2/ja
Publication of JPH0821488A publication Critical patent/JPH0821488A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3206307B2 publication Critical patent/JP3206307B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Transmissions By Endless Flexible Members (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Vベルト式無段変速機
に用いる組立式伝動Vベルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】Vベルト式無段変速機は通常、例えば実
開昭62−54343号公報に記載の如く、そして図6
に概略を示すように要部を構成される。このVベルト式
無段変速機の要部を図6に基づき説明するに、軸線Oi
周りに回転駆動される入力プーリ11のプーリV溝11
aと、軸線Oi に平行な軸線Oo 周りで回転される出力
プーリ12のプーリV溝12aとの間に、組立式伝動V
ベルト13を掛け渡して構成する。かかる構成におい
て、入力プーリ11の回転は組立式伝動Vベルト13を
介し出力プーリ12に伝達され、この伝動中、両プーリ
11,12の可動フランジ11b,12bを矢A,Bで
示すように軸線方向同方向に変位させて、可動フランジ
11bを固定フランジ11cに接近させると共に、可動
フランジ12bを固定フランジ12cから遠去けること
により、入出力プーリ11,12に対する伝動Vベルト
13の巻き掛け円弧径が連続的に変化し、無段変速を行
わせることができる。
【0003】ここで、組立式伝動Vベルト13を説明す
るに、これを従来は上記文献にも記載されているが、例
えば図7の如くに構成する。つまり、プーリV溝11
a,12aの側壁に摩擦接触する傾斜端面14aを有し
たV型ブロック14を多数個具え、これらV型ブロック
14を、Vベルトを形造るよう無終端状に連続配置す
る。そして、これらV型ブロック14の両端部における
肩部14bに夫々、一対の無終端バンド15,16を巻
き掛けして設ける。なお、各無終端バンド15,16
は、無終端バンドエレメントの積層体で構成する。V型
ブロック14には更に、両側の肩部14b間に配して首
部14cを設けると共に、この首部14cから上記肩部
14bに対向するよう延在する腕部14dを設け、これ
ら腕部14dによりV型ブロック14が無終端バンド1
5,16から外れるのを防止するようにする。かかる組
立式伝動Vベルト13は、V型ブロック14の無終端状
配列体を図6の如く、入出力プーリ11,12のプーリ
V溝11a,12a間に巻き掛けして前記の実用に供す
る。
【0004】ところで、Vベルト式無段変速機において
は、特開昭61−65952号公報にも記載されている
ように、可動フランジ11b,12bの上記した軸線方
向同方向変位による変速制御中、可動フランジ11bの
軸線方向変位に伴うプーリV溝11aの中心面Ci の移
動量と、可動フランジ12bの軸線方向変位に伴うプー
リV溝12aの中心面Co の移動量とが一致せず、或る
プーリ間伝動比では中心面Ci と中心面Co とが整列す
るも、他のプーリ間伝動比でこれら中心面CiおよびC
o の位置が図6にαで示す如く軸線方向にずれた所謂芯
ずれ状態となる。この場合、入力プーリ11に巻き掛け
され、プーリV溝11aによって溝幅方向の位置を決定
されるV型ブロック14と、出力プーリ12に巻き掛け
され、プーリV溝12aによって溝幅方向の位置を決定
されるV型ブロック14も、相互に芯ずれ状態で伝動作
用を行うことになる。
【0005】ここで、上記の芯ずれ量αと、プーリ間伝
動比との関係を例示すると、図3の如きものがある。こ
の芯ずれ特性は、Vベルトの周長や、入出力プーリの軸
間距離や、プーリ間伝動比幅や、芯ずれ量αが0になる
プーリ間伝動比を何処にするかによって、設計段階で決
まる。図3は、プーリ間伝動比が0.7である時にVベ
ルト周速が最も速くなって耐久性を要求されることか
ら、この伝動比で芯ずれ量αが0になるよう設計した場
合の特性を示し、因みに最高速伝動比を0.4に設定
し、また最低速伝動比を2.4に設定したものである。
【0006】この場合、芯ずれ量αが0になるプーリ間
伝動比を境にプーリ間伝動比を変化させた時の、一方向
への芯ずれをプラス芯ずれとし、逆の他方向への芯ずれ
をマイナス芯ずれとすると、最大のプラス芯ずれ量が
0.2mmであるのに対し、最大のマイナス芯ずれ量が
0.8mmにも達する程に大きなものであり、両方向芯ず
れ量最大値が相互に異なる。
【0007】しかし、従来の組立式伝動Vベルトは、か
ように両方向芯ずれ量最大値が異なる場合も含めて、図
7に示すように芯ずれ量が0の時における首部14cと
両無終端バンド15,16の近接側縁15a,16aと
の間の初期クリアランスδ1,δ2 を同じに(例えば1m
mに)設定していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かように首部
14cと両無終端バンド15,16の近接側縁15a,
16aとの間の初期クリアランスδ1 ,δ2 を同じにす
る従来の構成では、以下の問題を生ずる。この問題を、
δ1 =δ2 =1mmで、芯ずれ特性が図3の如きでもので
ある場合について説明する。図8(a)は、初期クリア
ランスδ1 ,δ2のうち、プラス芯ずれによって小さく
なる方の初期クリアランスδ1 のクリアランス変化状況
を、当該プラス芯ずれが最大の0.2mmになった時の状
態で示し、この時クリアランスはδ1 −0.2mm=0.
8mmまで低下する。また図8(b)は、マイナス芯ずれ
によって小さくなる他方の初期クリアランスδ2 のクリ
アランス変化状況を、当該マイナス芯ずれが最大の0.
8mmになった時の状態で示し、この時クリアランスはδ
2 −0.8mm=0.2mmまで低下する。
【0009】ところで、首部14cと両無終端バンド1
5,16の近接側縁15a,16aとの間のクリアラン
スが減少するにつれて首部14cと両無終端バンド1
5,16の近接側縁15a,16aとの接触によって無
終端バンド15,16が損傷されるといった、Vベルト
の耐久性および信頼性の欠如に関する問題を生ずる可能
性が高くなる。ちなみに、既存の組立式伝動Vベルトで
は前記クリアランスとして最低0.5mm位が確保されて
おり、本値がベルトの耐久性および信頼性上の目安と考
えられる。
【0010】この問題を解決するだけのためなら、最大
のプラス芯ずれ及び最大のマイナス芯ずれを生ずる何れ
のプーリ間伝動比においても、首部14cと無終端バン
ド近接側縁15a,16aとの間のクリアランスが、要
求最低クリアランス未満になることのないよう初期クリ
アランスδ1 ,δ2 を大きくすべく、すなわち最大のプ
ラス芯ずれ及び最大のマイナス芯ずれのうち大きい方の
最大芯ずれが発生するプーリ間伝動比においても、首部
14cと無終端バンド近接側縁15a,16aとの間の
クリアランスが、要求最低クリアランス未満になること
のないよう初期クリアランスδ1 ,δ2 を大きくすべ
く、首部14cの幅を減少させたり、V型ブロックを大
きくすることが考えられる。しかし前者の対策は、首部
14cの強度低下を招いて腕部14dの欠落を生じ、結
果として伝動Vベルトの耐久性を低下させるし、また後
者の対策は、最大のプラス芯ずれ及び最大のマイナス芯
ずれのうち小さい方の最大芯ずれが発生するプーリ間伝
動比において、対応する初期クリアランスδ1 またはδ
2 を大きく与え過ぎていることになり、当該プーリ間伝
動比で首部14cと無終端バンド近接側縁15a,16
aとの間のクリアランスが要求最低クリアランスを超え
て無駄に大きなものとなり、その分、V型ブロックが大
きくなって伝動Vベルトの大型化を招き、実際的でない
といったように、抜本的な解決策ではない。
【0011】本発明は、最大のプラス芯ずれと最大のマ
イナス芯ずれとの違いに合わせて、芯ずれ量が0の時に
おける上記首部と両無終端バンド近接側縁との間の初期
クリアランスをそれぞれ異ならせることにより、最大の
プラス芯ずれ及び最大のマイナス芯ずれの何れが発生す
るプーリ間伝動比においても、首部と無終端バンド近接
側縁との間のクリアランスが要求最低クリアランスを超
えて無駄に大きくなることのないようにし、つまり、上
記の初期クリアランスが共に対応する最大のプラス芯ず
れおよび最大のマイナス芯ずれとの関連において必要最
小限のものとなるようにし、これにより、V型ブロック
が大きくなるという上記の問題を生ずることなく、首部
に無終端バンド近接側縁が接触するのを確実に回避して
伝動Vベルトの耐久性および信頼性を向上させることを
主たる目的とする。また本発明は、上記のごとく初期ク
リアランス間に差を持たせるに当たって首部をオフセッ
トさせることとし、これにより、首部が強度低下すると
いう上記の問題も生ずることがないようにすることを第
2の目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的のため第1発明
の組立式伝動Vベルトは、プーリV溝の側壁に摩擦接触
する傾斜端面を個々に有した多数のV型ブロックを、V
ベルトを形成するよう無終端状に連続配置して具え、こ
れらV型ブロックの両端部における肩部に一対の無終端
バンドを巻き掛けして設け、これら肩部間における首部
から前記肩部と対向するよう延在させて設けた腕部によ
りV型ブロックが無終端バンドから外れるのを防止する
ようにした組立式伝動Vベルトであって、前記V型ブロ
ックの無終端状配列体を一対のプーリ間に巻き掛けして
該組立式伝動Vベルトを用い、これらプーリのプーリV
溝を画成するフランジの一方を夫々、相互に軸線方向同
方向へ変位させてプーリ間伝動比を変更することがで
き、該フランジの変位に伴って生ずる両プーリのプーリ
V溝中心相互間における一方向への芯ずれ量と、他方向
への芯ずれ量とが異なるVベルト式無段変速機におい
て、前記芯ずれ量が0の時における前記首部と両無終端
バンドの近接側縁との間の初期クリアランスのうち、前
記一方向への芯ずれによって小さくなる方の初期クリア
ランスを該一方向への芯ずれ量の最大値と、要求最低ク
リアランスとの和値になるよう決定し、前記他方向への
芯ずれによって小さくなる方の初期クリアランスを該他
方向への芯ずれ量の最大値と、要求最低クリアランスと
の和値になるよう決定して、前記の初期クリアランスを
夫々異ならせたことを特徴とするものである。
【0013】また第2発明の組立式伝動Vベルトは、上
記の如く初期クリアランスを夫々異ならせるに当たり、
上記首部をオフセットさせたことを特徴とするものであ
る。
【0014】
【作用】第1発明の組立式伝動Vベルトは、プーリV溝
の側壁に摩擦接触する傾斜端面を個々に有した多数のV
型ブロックの無終端状配列体を、一対のプーリ間に巻き
掛けして、Vベルト式無段変速機に用いる。ここでVベ
ルト式無段変速機は、当該プーリのプーリV溝を画成す
るフランジの一方を夫々、相互に軸線方向同方向へ変位
させてプーリ間伝動比を変更することにより、無段変速
を行うことができる。
【0015】この変速に当たって行うべき上記フランジ
の軸線方向変位中、両プーリのプーリV溝中心相互間に
おける一方向への芯ずれ量と、他方向への芯ずれ量とは
異なり、これらプーリのプーリV溝によって幅方向位置
を決定されるV型ブロックも、芯ずれ量が0となる特定
のプーリ間伝動比以外において芯ずれ状態で伝動作用を
行う。ところで、芯ずれ量が0の時における首部と両無
終端バンドの近接側縁との間の初期クリアランスのう
ち、上記一方向への芯ずれによって小さくなる方の初期
クリアランスを該一方向への芯ずれ量の最大値と、要求
最低クリアランスとの和値になるよう決定し、前記他方
向への芯ずれによって小さくなる方の初期クリアランス
を該他方向への芯ずれ量の最大値と、要求最低クリアラ
ンスとの和値になるよう決定して、上記の初期クリアラ
ンスを夫々異ならせたことから、両方向芯ずれ量が最大
になるプーリ間伝動比においても首部と無終端バンド近
接側縁との間のクリアランスが要求最低クリアランス未
満になることがなくなり、無終端バンド近接側縁が首部
に接触して破損するといったような伝動Vベルトの耐久
性および信頼性の低下に関する問題を解消することがで
きる。
【0016】そして、この問題解決に当たり上記のごと
く、芯ずれ量が0の時における首部と両無終端バンドの
近接側縁との間の初期クリアランスを夫々上記の通りに
与えて相互に異ならせた構成になるから、何れ方向の最
大芯ずれが発生するプーリ間伝動比においても、首部と
無終端バンド近接側縁との間のクリアランスが要求最低
クリアランスを超えて無駄に大きくなることがない。従
って、上記の初期クリアランスが共に対応する方向の最
大芯ずれ量との関連において必要最小限のものであるこ
ととなり、V型ブロックが大きくなるという前記の問題
を生ずることがなく、V型ブロックの大型化を伴うこと
なしに伝動Vベルトの耐久性および信頼性を向上させる
という上記の作用効果を達成することができる。
【0017】また第2発明のように、上記の如く初期ク
リアランスを夫々異ならせるに当たり、上記首部をオフ
セットさせる構成によれば、首部の幅を全く小さくする
ことなしに上記の作用効果が得られ、首部の強度低下、
従ってV型ブロックの脱落防止用に設けられた腕部の欠
落を防止することができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図1は、芯ずれ特性が図3に示す如きものと
なるように設計したVベルト式無段変速機に用いるのに
好適な組立式伝動Vベルトの一実施例で、図中、図7に
おけると同様の部分を同一符号にて示す。
【0019】組立式伝動Vベルト13は、プーリV溝1
1a,12a(図6参照)の側壁、つまりプーリフラン
ジ11b,11c,12b,12cに摩擦接触する傾斜
端面14aを有したV型ブロック14を多数個、Vベル
トを形造るよう無終端状に連続配置して具える。そし
て、これらV型ブロック14の両端部における肩部14
bに夫々、無終端バンドエレメントの積層になる一対の
無終端バンド15,16を巻き掛けして設ける。各V型
ブロック14には更に、両側の肩部14b間に配して首
部14cを設けると共に、この首部14cから上記肩部
14bに対向するよう延在する腕部14dを設け、これ
ら腕部14dによりV型ブロック14が無終端バンド1
5,16から外れるのを防止するような構成とする。
【0020】かかる組立式伝動Vベルト13は、V型ブ
ロック14の無終端状配列体を図6の如く、Vベルト式
無段変速機における入出力プーリ11,12のプーリV
溝11a,12a間に巻き掛けして実用に供する。ここ
で、入力プーリ11の回転は組立式伝動Vベルト13を
介し出力プーリ12に伝達され、この伝動中、両プーリ
11,12の可動フランジ11b,12bを矢A,Bで
示すように軸線方向同方向に変位させて、可動フランジ
11bを固定フランジ11cに接近させると共に、可動
フランジ12bを固定フランジ12cから遠去けること
により、入出力プーリ11,12に対する伝動Vベルト
13の巻き掛け円弧径を連続的に変化させて無段変速を
行わせることができる。
【0021】可動フランジ11b,12bの上記した軸
線方向同方向変位による変速制御中、前記したように、
プーリV溝11aの中心面Ci と、プーリV溝12aの
中心面Co とは、或るプーリ間伝動比で整列するも、他
のプーリ間伝動比でαにより示す如く芯ずれ状態とな
り、この時、入力プーリ11に巻き掛けされてプーリV
溝11aにより溝幅方向の位置を決定されるV型ブロッ
ク14と、出力プーリ12に巻き掛けされてプーリV溝
12aにより溝幅方向の位置を決定されるV型ブロック
14も、相互に芯ずれ状態で伝動作用を行うことにな
る。
【0022】ここで、上記の芯ずれ量αと、プーリ間伝
動比との関係が図3の如きものとなるよう、つまりプー
リ間伝動比が0.7である時に芯ずれ量αが0になるよ
う設定し、また最高速伝動比を0.4に設定し、最低速
伝動比を2.4に設定したことから、芯ずれ量αが0に
なるプーリ間伝動比を境にプーリ間伝動比を変化させた
時のプラス芯ずれ最大値が0.2mm、マイナス芯ずれ最
大値が0.8mmになるものとすると、本例では伝動Vベ
ルト13を特に以下の如くに構成する。
【0023】つまり、芯ずれ量αが0の時の状態を示す
図1から明らかなように、この状態での首部14cか
ら、これに近接した無終端バンド15,16の近接側縁
15a,16aに至る初期クリアランスδ1 およびδ2
のうち、上記プラス芯ずれによって小さくなる方の初期
クリアランスδ1 を、該プラス芯ずれの最大値0.2mm
(図3参照)と、要求最低クリアランス、例えば前記し
た0.5mmとの和値0.7mmになるよう決定し、上記マ
イナス芯ずれによって小さくなる方の初期クリアランス
δ2 を該マイナス芯ずれの最大値0.8mm(図3参照)
と、要求最低クリアランス0.5mmとの和値1.3mmに
なるよう決定して、両者の初期クリアランスδ1 ,δ2
を夫々異ならせる。そして、かように初期クリアランス
δ1 ,δ2を異ならせるに当たっては、首部14cをV
型ブロック14の幅方向(図1の左右方向)へオフセッ
トさせて、当該特殊な初期クリアランスδ1 ,δ2 の設
定を行う。
【0024】この場合、首部14cの幅が小さくなら
ず、その強度低下を生ずることなしに上記の構成が実現
される。従って、腕部14dが欠落してV型ブロック1
4が無終端バンド15,16から脱落するような、Vベ
ルトの破損を回避することができる。
【0025】上述したような初期クリアランスδ1 およ
びδ2 の設定によれば、以下の作用効果が奏し得られ
る。図2(a)は、上記のプラス芯ずれによって小さく
なる方の初期クリアランスδ1 のクリアランス変化状況
を、当該プラス芯ずれが最大の0.2mmになった時の状
態で示し、この時クリアランスはδ1 −0.2mm=0.
5mmまで低下する。また図2(b)は、上記のマイナス
芯ずれによって小さくなる初期クリアランスδ2 のクリ
アランス変化状況を、当該マイナス芯ずれが最大の0.
8mmになった時の状態で示し、この時クリアランスはδ
2 −0.8mm=0.5mmまで低下する。
【0026】ところで、首部14cと両無終端バンド1
5,16の近接側縁15a,16aとの間のクリアラン
スが、要求最低クリアランス0.5mmより小さくなるこ
とはなく、首部14cと両無終端バンド15,16の近
接側縁15a,16aとの接触によって無終端バンド1
5,16が破断されるといった、Vベルトの耐久性およ
び信頼性の欠如に関する問題を解消することができる。
【0027】そして、この問題解決に当たり上記のよう
に、芯ずれ量が0の時における首部14cと両無終端バ
ンド15,16の近接側縁15a,16aとの間の初期
クリアランスδ1 およびδ2 を夫々前記のごとくに与え
て相互に異ならせたから、最大のプラス芯ずれ及び最大
のマイナス芯ずれの何れが発生するプーリ間伝動比にお
いても、図2(a)及び同図(b)に示すように首部1
4cと無終端バンド近接側縁15a,16aとの間のク
リアランスが要求最低クリアランス(0.5mm)を超え
て無駄に大きくなることがない。従って、上記の初期ク
リアランスδ1 ,δ2 が共に対応する方向の最大芯ずれ
量との関連において必要最小限のものであることとな
り、V型ブロック14が大きくなるという前記の問題を
生ずることがなく、V型ブロック14の大型化を伴うこ
となしに伝動Vベルトの耐久性および信頼性を向上させ
るという上記の作用効果を達成することができる。
【0028】図4は、芯ずれ特性を図5に示すように設
定したVベルト式無段変速機に用いるのに好適な組立式
伝動Vベルトの例を示す。図5は、プーリ間伝動比が最
低速伝動比の2.4である時にVベルト走行半径が最も
小さくなると共に、大トルクを伝達することから、最も
耐久性を持たせたいとの考え方に基づき、当該伝動比で
芯ずれ量αが0になるよう設定したため、プラス芯ずれ
最大量が0.9mmとなり、マイナス芯ずれ最大量が0.
1mmとなったものである。
【0029】本例では、芯ずれ量αが0の時の状態を示
す図4から明らかなように、この状態での首部14cか
ら、これに近接した無終端バンド15,16の近接側縁
15a,16aに至る初期クリアランスδ1 およびδ2
のうち、プラス芯ずれによって小さくなる方の初期クリ
アランスδ1 を、該プラス芯ずれの最大値0.9mm(図
5参照)と、要求最低クリアランス、例えば前記した
0.5mmとの和値1.4mmになるよう決定し、マイナス
芯ずれによって小さくなる方の初期クリアランスδ2
該マイナス芯ずれの最大値0.1mm(図3参照)と、要
求最低クリアランス0.5mmとの和値0.6mmになるよ
う決定して、両者の初期クリアランスδ1,δ2 を夫々
異ならせる。そして、かように初期クリアランスδ1
δ2 を異ならせるに当たっては本例でも、首部14cを
V型ブロック14の幅方向(図4の左右方向)へオフセ
ットさせて、当該特殊な初期クリアランスδ1 ,δ2
設定を行う。
【0030】かように初期クリアランスδ1 およびδ2
を設定した伝動Vベルトを、図5に示す芯ずれ特性を持
ったVベルト式無段変速機に用いる場合も、プラス芯ず
れによって小さくなる方の初期クリアランスδ1 が、プ
ラス芯ずれ最大時に0.5mmまで低下し、マイナス芯ず
れによって小さくなる初期クリアランスδ2 が、マイナ
ス芯ずれ最大時に0.5mmまで低下するが、両クリアラ
ンスは何れも0.5mm未満になることがなく、前記した
実施例と同様の作用効果を奏し得る。
【0031】
【発明の効果】かくして第1発明による組立式伝動Vベ
ルトは、請求項1に記載の如く、プーリV溝間における
芯ずれ量が0の時における首部と両無終端バンド近接側
縁との間の初期クリアランスのうち、一方向への芯ずれ
によって小さくなる方の初期クリアランスを、該一方向
への芯ずれ量の最大値と、要求最低クリアランスとの和
値になるよう決定し、他方向への芯ずれによって小さく
なる方の初期クリアランスを、該他方向への芯ずれ量の
最大値と、要求最低クリアランスとの和値になるよう決
定して、上記の初期クリアランスを夫々異ならせたか
ら、両方向芯ずれ量が最大になるプーリ間伝動比におい
ても首部と無終端バンド近接側縁との間のクリアランス
が要求最低クリアランス未満になることがなくなり、無
終端バンド近接側縁が首部に接触して破損するといった
ような伝動Vベルトの耐久性および信頼性の低下に関す
る問題を解消することができる。
【0032】そして、この問題解決に当たり上記のごと
く、芯ずれ量が0の時における首部と両無終端バンドの
近接側縁との間の初期クリアランスを夫々上記の通りに
与えて相互に異ならせた構成になるから、何れ方向の最
大芯ずれが発生するプーリ間伝動比においても、首部と
無終端バンド近接側縁との間のクリアランスが要求最低
クリアランスを超えて無駄に大きくなることがない。従
って、上記の初期クリアランスが共に対応する方向の最
大芯ずれ量との関連において必要最小限のものであるこ
ととなり、V型ブロックが大きくなるという前記の問題
を生ずることがなく、V型ブロックの大型化を伴うこと
なしに伝動Vベルトの耐久性および信頼性を向上させる
という上記の作用効果を達成することができる。
【0033】また第2発明による組立式伝動Vベルト
は、請求項2に記載の如く、初期クリアランスを上記の
如く夫々異ならせるに当たり、上記首部をオフセットさ
せることで目的の構成が得られるようにしたから、首部
の幅を何等小さくすることなしに上記の作用効果が得ら
れ、首部の強度低下、従ってV型ブロックの脱落防止用
に設けられた腕部の欠落を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による組立式伝動Vベルトの一実施例を
示す横断面図である。
【図2】(a)は同例Vベルトの、プラス芯ずれ最大時
における状態を示す半部断面図、(b)は同例Vベルト
の、マイナス芯ずれ最大時における状態を示す半部断面
図である。
【図3】図1の構成になるVベルトを用いるのに好適な
Vベルト式無段変速機の入出力プーリ間における芯ずれ
特性を示す線図である。
【図4】本発明による組立式伝動Vベルトの他の実施例
を示す横断面図である。
【図5】図4の構成になるVベルトを用いるのに好適な
Vベルト式無段変速機の入出力プーリ間における芯ずれ
特性を示す線図である。
【図6】Vベルト式無段変速機の要部を例示する説明図
である。
【図7】従来の組立式伝動Vベルトを例示する横断面図
である。
【図8】(a)は同Vベルトの、プラス芯ずれ最大時に
おける状態を示す半部断面図、(b)は同Vベルトの、
マイナス芯ずれ最大時における状態を示す半部断面図で
ある。
【符号の説明】
11 入力プーリ 12 出力プーリ 13 組立式伝動Vベルト 14 V型ブロック 14a 傾斜端面 14b 肩部 14c 首部 14d 腕部 15 無終端バンド 15a 近接側縁 16 無終端バンド 16a 近接側縁 δ1 初期クリアランス δ2 初期クリアランス

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プーリV溝の側壁に摩擦接触する傾斜端
    面を個々に有した多数のV型ブロックを、Vベルトを形
    成するよう無終端状に連続配置して具え、これらV型ブ
    ロックの両端部における肩部に一対の無終端バンドを巻
    き掛けして設け、これら肩部間における首部から前記肩
    部と対向するよう延在させて設けた腕部によりV型ブロ
    ックが無終端バンドから外れるのを防止するようにした
    組立式伝動Vベルトであって、 前記V型ブロックの無終端状配列体を一対のプーリ間に
    巻き掛けして該組立式伝動Vベルトを用い、これらプー
    リのプーリV溝を画成するフランジの一方を夫々、相互
    に軸線方向同方向へ変位させてプーリ間伝動比を変更す
    ることができ、該フランジの変位に伴って生ずる両プー
    リのプーリV溝中心相互間における一方向への芯ずれ量
    と、他方向への芯ずれ量とが異なるVベルト式無段変速
    機において、 前記芯ずれ量が0の時における前記首部と両無終端バン
    ドの近接側縁との間の初期クリアランスのうち、前記一
    方向への芯ずれによって小さくなる方の初期クリアラン
    スを該一方向への芯ずれ量の最大値と、要求最低クリア
    ランスとの和値になるよう決定し、前記他方向への芯ず
    れによって小さくなる方の初期クリアランスを該他方向
    への芯ずれ量の最大値と、要求最低クリアランスとの和
    値になるよう決定して、前記の初期クリアランスを夫々
    異ならせたことを特徴とする組立式伝動Vベルト。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記の初期クリアラ
    ンスを夫々異ならせるに当たり、前記首部をオフセット
    させたことを特徴とする組立式伝動Vベルト。
JP15599394A 1994-07-07 1994-07-07 組立式伝動vベルト Expired - Lifetime JP3206307B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15599394A JP3206307B2 (ja) 1994-07-07 1994-07-07 組立式伝動vベルト

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15599394A JP3206307B2 (ja) 1994-07-07 1994-07-07 組立式伝動vベルト

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0821488A JPH0821488A (ja) 1996-01-23
JP3206307B2 true JP3206307B2 (ja) 2001-09-10

Family

ID=15618009

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15599394A Expired - Lifetime JP3206307B2 (ja) 1994-07-07 1994-07-07 組立式伝動vベルト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3206307B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11351335A (ja) * 1998-04-10 1999-12-24 Honda Motor Co Ltd 無段変速機用ベルト
ES2189083T3 (es) 1998-07-30 2003-07-01 Doornes Transmissie Bv Correa de transmision.
JP3664088B2 (ja) 2001-03-12 2005-06-22 日産自動車株式会社 組立式伝動vベルト

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0821488A (ja) 1996-01-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS63115937A (ja) 無段変速機用vベルト
JPH0792124B2 (ja) 自動車用ベルト式無段変速装置
JP3186894B2 (ja) Vベルト式無段変速機
US6458054B1 (en) Transmission
JP3206307B2 (ja) 組立式伝動vベルト
JPS6065946A (ja) ベルト式無段変速装置
KR100503998B1 (ko) 벨트 구동 링 무단 변속기 커플러
JPS63203945A (ja) 無段変速機用ベルト
JP3664088B2 (ja) 組立式伝動vベルト
US4869706A (en) Speed-shifting device
KR100306188B1 (ko) 무단변속기
JPS6353352A (ja) ベルト式無段変速装置
EP0174679B1 (en) Driving belt
KR102313760B1 (ko) 체인
JP2005321066A (ja) 動力伝達チェーン及びそれを用いた動力伝達装置
JP2000297848A (ja) 組立式伝動vベルト
JPH0328555A (ja) Vベルト式無段変速機
JPH05296306A (ja) 無段変速装置
JPS6372941A (ja) 伝動ベルト
KR20030066332A (ko) 기어형 구동 링 커플러
JPS6165952A (ja) Vベルト式無段変速機
JPH058358Y2 (ja)
JPH02513Y2 (ja)
JP2572562Y2 (ja) プーリ式無段変速装置
JP2002295614A (ja) Vベルト式無段変速機

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080706

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090706

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100706

Year of fee payment: 9