JP4560954B2 - 伝動用無端ベルト - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベルト式無段変速機(CVT)に用いられる伝動用無端ベルトに係り、詳しくはリンクプレートをピンにて連結した伝動用無端ベルトにおけるピンの端面形状に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の伝動用無端ベルトとして、オランダのVan Doorne’s Transmissie(VDT)が開発したもの(VDT;例えば特許第1105154号)が実施に供されている。該VDTベルトは、積層したスチールバンドに金属性のV形ブロックを間断なく嵌込んで構成されており、V形ブロックの側面がプライマリ及びセカンダリプーリのシーブ面に潤滑環境で接触すると共に、該V形ブロック同士が押合う(プッシュ)ことにより動力伝達される。
【0003】
該VDTベルトは、上記V形ブロックを薄くすることにより、噛込みピッチ及び多角形変化量を小さくすることが可能であり、静粛性には優れているが、上記積層スチールベルトは、高価な材料からなると共に高精度の製造が必要であり、かつ伝動状態において積層スチールベルト間にスリップロスを発生する。
【0004】
従来、上記問題点を解決すべく、例えば特開平7−91498号公報に示す伝動用無端ベルトが提案されている。該金属性ベルトは、図1に示すように、ベルト1の長手方向に一定の順序に配設された多数の第1及び第2のブロック2,3と、これらのブロックを連結する多数のリンクプレート5…と、これらリンクプレートを連結する分割された2個のピン(ロッカピン)6a,6bからなるピン6と、これらピン6に係合してリンクプレートの長手方向に伸縮するバネ手段7と、からなり、第1及び第2のブロック2,3に形成される3個の透孔9,10,9に、それぞれ前記リンクプレート5がピン6により交互に連結したリンクチェーン11が貫通して無端状に連結されている。
【0005】
そして、前記第1及び第2のブロック2,3は、それぞれ背面同士が当接するように突部2a,3aが形成されていると共に、その反対側面にピン係合用凹溝2b,3bが形成されており、これら隣接する凹溝にそれぞれ分割ピン6a,6bが係合されている。更に、各ブロック2,3の両外側面は、各プーリ装置のシーブ側面に整合するように、傾斜面2c,3cとなっており、かつ前記ピン6の両外側端面も、前記シーブ側面に整合する傾斜面6cとなっており、かつ該ピン端面6cは、ベルトの長手方向に直交する面にてR形状になっており、ピッチ円上でシーブ側面に接触し得る。
【0006】
本伝動用無端ベルト1は、プーリ装置のトルクがシーブ側面から第1及び第2のブロック2,3及びピン6に接触して伝わり、更にピン6を介して各リンクプレート5からなるリンクチェーン11に引張り力として作用して、トルク伝達が行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記金属製の無端ベルト1は、略々直線状のシーブ側面に、第1のブロック2、前方の分割ピン6b、後方の分割ピン6aそして第2のブロック3の順に接触して噛込み、そしてこの順でシーブ側面から外れる。該金属製無端ベルト1は、プーリへの噛込み時に発生する騒音を減少するには、プーリへの噛込みピッチ(円周方向の接触開始位置間隔)をできるだけ小さくし、多角形変化量(多角形効果)を少なくすることが良く、従って、上記第1のブロック2、前方の分割ピン6b、後方の分割ピン6a、第2のブロック3の順に正確に噛込むことが好ましい。
【0008】
上記金属性の無端ベルト1は、第1及び第2のブロック2,3の両側面2c,3cが略々その上下に亘ってシーブ側面に沿うように略々直線状(大きな円弧からなり、弾性変形等により実質的にシーブ側面に接触するものも含む)に形成されており、従ってベルト1は、直線状態からプーリに噛込んで湾曲する際、上記各ブロックの両側面は、その上下方向のどの位置にてもシーブ側面に接触開始し得ることになり、該当接開始するブロックの半径方向位置によって、円周方向(ベルトの長手方向)の接触開始位置が変化する構成になっている。
【0009】
このため、シーブ側面及びブロックの精度及び変形等によりプーリ噛込み時に、ブロック2,3がX軸、Y軸、Z軸に対して傾いたり(図1に示すようにベルト長手方向をX軸、左右方向をZ軸、上下方向をY軸とする)、またシーブが撓んだりして、ブロックの上部又は下部にてシーブに接触開始する場合を生じ、この場合、円周方向(ベルト長手方向)におけるブロック2,3のシーブへの接触開始位置が、ピン6と重なってしまい、その分噛込みピッチが大きくなり、騒音量が増大する。
【0010】
本出願人は、第1及び第2のブロックに、その左右両外側面における分割ピンの外側端面に略々対応する位置において、左右方向に突出すると共にシーブ側面に接触し得る形状からなる突出外側面を形成して、上記リンクチェーンの1ピッチにおいて、1対の分割ピン及び第1及び第2のブロックの前記突出外側面の合計4箇所がシーブ側面に確実に順次接触するように構成した伝動用無端ベルトを提案した(特願平11−375805号;本件出願時未公開)。
【0011】
上記提案により、ブロックの傾きによるシーブへの接触開始位置変化が改善されたが、分割ピン6a,6bの端面形状が、シーブ側面に沿うように平坦面形状であったり、また上述した従来の技術のようにベルト長手方向に直交する面(半径方向)にR形状であったりすると(該方向のR形状は、ピッチ円上でシーブ側面に沿う形状となり、上記平坦面と噛込み時のピン回転に対しては実質的に同じである)、ベルトがプーリに噛込んで、ブロック及び分割ピンがプーリ有効径に合せて回動する際、ピンのスピン(回動)により、ピンの実質幅(ピンとシーブとの相対的隙間)が大きく変化して、ピンとシーブとの接触位置(円周方向及び半径方向)が変化(ピンの噛込み開始位置変化)して、上述した多角形効果を顕在化して騒音発生原因になると共に、ピンのシーブに対する滑り、特に半径方向の滑りが大きくなってしまう。
【0012】
更に、ピンがピンの回転中心から離れた位置でシーブに接触することにより、上記ピンのスピン(回動)と相俟ってスピンロスが増大し、またピンとシーブとの相対的スキマの変化による特に半径方向の滑りで動力ロスが発生し、動力伝達効率を低下してしまう。
【0013】
そこで、本発明は、ピンの端面形状を改善して、上述した課題を解決した伝動用無端ベルトを提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は(例えば図2ないし図8及び図9、図10参照)、転がり面(31a)を有する多数のピン(26)と、これらピンにて交互に連結されてリンクチェーン(32)を構成する多数のリンクプレート(25)と、を備えてなる伝動用無端ベルト(21)において、
前記ピンは、その左右両外側端面(26c)がプーリのシーブ側面(V)に接触し得る形状及び長さからなり、
かつ前記ピンの端面形状が、前記無端ベルトの長手方向をX方向として、少なくとも該X方向に沿うアール形状(Rp)からなる、
ことを特徴とする伝動用無端ベルトにある。
【0015】
例えば図8、図10参照すると、前記ピンの端面形状は、前記X方向に沿うアール形状(Rp)を有する略々円筒形である。
【0016】
前記ピン(26)は、互に当接し得る転がり面(31a)を有する1対の分割ピン(26a,26b)からなる。
【0017】
前記アール形状は、その半径(Rp)が5〜15[mm]の範囲からなる。
【0018】
例えば図17ないし図29、特に図28参照すると、前記分割ピン(26a,26b)の端面形状は、前記X方向における、前記ピン端面(26c)とシーブとの隙間(δ)から求められる該ピン幅変化量(ε)を、ピンの使用範囲での回転角変化量(ηa)において該回転角(θ)の正回転側及び負回転側に等しくなるように振り分けることにより求められる、前記ピン回転中心(0)に対する前記アール形状の半径(Rp)中心の前記X方向における所定ズレ量(a,aA)を有する。
【0019】
前記ズレ量(aA)は、−0.2〜+0.2[mm]の範囲内である。
【0020】
なお、前記ズレ量(aA)は、0を含まない値である。
【0021】
例えば図3、図28、図29参照すると、前記1対の分割ピン(26a,26b)は、前記転がり面(31a)と反対側にて前記リンクプレート(25)に形成されたシート孔(30a)に着座して該リンクプレートに取付けられ、
前記1対の分割ピンにおける前記無端ベルトの移動方向前側の分割ピン(26b)が、前記回転中心(O)に対してその外径側の前記無端ベルト(21)移動方向の回転を正回転として、前記X方向に上下方向で直交するY方向に対して前記正回転方向に所定値(f;例えば5°)傾斜して前記リンクプレート(25)に取付けられている。
【0022】
例えば図28参照すると、前記前側の分割ピン(26b)は、前記アール形状の半径(Rp)中心が、該ピンの回転中心(0)に対して前記無端ベルト(21)の移動方向後側にプラスの前記所定ズレ量(aA)を有する。
【0023】
前記アール形状の半径が、略々10[mm]であり、前記所定ズレ量(ah)が、略々0.03[mm]である。
【0024】
例えば図2ないし図8参照すると、前記X方向にて隣接する前記ピン(26)の間に狭持されかつ前記X方向に前記リンクチェーン(32)を貫通する透孔(35)を有する少なくとも1個のブロック(22)(23)を備え、
前記ブロックは、その左右両外側面における前記ピン(26a,26b)の外側端面(26c)に略々対応する位置において、左右方向に突出すると共に前記プーリのシーブ側面(V)に接触し得る形状からなる突出外側面(45)を有してなる。
【0025】
例えば図2ないし図8参照すると、前記ブロックは、前記X方向にて互に接触し得る突部(41)及び反対側に前記分割ピン(26a,26b)を受入れる凹溝(40)を有する第1及び第2のブロック(22,23)からなり、
前記リンクチェーンの1ピッチにおいて前記1対の分割ピン(26a,26b)の外側端面(26c)及び前記第1及び第2のブロック(22,23)の前記突出外側面(45)の合計4箇所がシーブ側面に順次接触するように構成した。
【0026】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、実施の形態との対応を図って本発明の理解の容易及び迅速化を図るための便宜的なものであり、これにより、請求項記載の構成に何等影響を与えるものではない。
【0027】
【発明の効果】
請求項1に係る本発明によると、ピンの端面形状が、少なくともX方向に沿うアール形状からなるので、該端面形状が平坦面又はY方向に湾曲形状からなるものに比し、ピンがプーリに噛込む際のピン回転によるピン幅変化量を小さくでき、その分多角形効果を減少すると共に、ピン及びシーブに対する幅方向の変形を減少して耐久性を向上すると共に、ピンとシーブとの滑り、特に半径方向及び回転(スピンロス)方向の滑りを減少して、動力損を少なくして動力伝達効率を向上することができる。
【0028】
請求項2に係る本発明によると、上記アール形状を略々円筒形とするので、ピン端面の製造が2次元的な研削等の加工で足り、ピン端面形状を球面形状に加工するものに比してその製造を簡単化すると共に加工精度を向上することができ、更に湾曲形状のX方向変化によるピンの実質幅に対する影響は、Y方向変化によるものとに比して大幅に大きく、X方向でのみ変化する円筒形とすることによっても、実際上の使用によるベルトの騒音及び動力性能に大きな影響はない。また、ベルト端面を円筒形状とすることにより、球面形状のものに比してヘルツ応力が小さくなり、無端ベルトをプーリのシーブ側面に押圧して所定トルク容量を確保するための充分な無端ベルトの強度を保持することができる。
【0029】
請求項3に係る本発明によると、ピンを、互に当接し得る転がり面を有する分割ピンとしたので、充分な強度を有すると共に確実な転がりをして動力損を減少して、信頼性の高い構造とすることができる。
【0030】
アール形状を、半径が5〜15[mm]の範囲とすることにより、上記ヘルツ応力に係る強度を保持しつつ、ピン回転による幅変化量をベルト性能上許容し得る範囲に納めることができる。
【0031】
請求項1に係る本発明によると、X方向におけるピン回転中心に対するアール形状の半径中心のズレ量が、ピンの使用範囲での回転角変化量において、ピン幅変化量をその正回転側及び負回転側(必ずしも正値と負値とに分れるものではなく、両回転側にあって共に正値又は負値になる場合もある)で等しくなるように振り分けることにより設定されるので、ピン幅変化量が最も少なくなるようにピン端面形状を設定することができ、ノイズの発生及び動力損を減少した高い性能の無端ベルトを得ることができる。
【0032】
上記ズレ量が−0.2〜+0.2[mm]の範囲であると、分割ピンのリンクプレートの取付け角において、ピン幅変化量が大きな影響のない範囲に納めることができ、実質的に使用上に支障のでない性能を有する無端ベルトを提供することができる。
【0033】
なお、ピン回転中心に対するピン端面のアール形状の半径中心(X座標)のズレ量が0の場合、ピン回転角度変化範囲内でピン幅変化量は、ベルト移動方向前側の分割ピンでは、ベルトがプーリに噛込み始める位置におけるピン回転角度(ピンのリンクプレート取付け角度と同じ)において最大となり、そしてベルトが回転してピン回転が終了するピン回転角度において小さくなり、この結果、ピン回転角度変化範囲内でピン幅変化量は大きくなるが、上記ズレ量が0を含まない場合、即ちピン回転中心とピン端面のアール形状の半径中心(X座標)とを一致させない場合(ズレ方向は、ピンのリンクプレート取付け角度により、プーリ半径中心に向うY軸に対して正側(右方向)又は負側(左方向)になる)、ピン回転角度変化範囲内でピン幅変化量を小さい値に抑えることができる。
【0034】
請求項4に係る本発明によると、ベルト移動方向前側となる分割ピンが、正回転方向の所定値にてリンクプレートに取付けられているので、無端ベルトがプーリに噛込む際、上記分割ピンは、ベルトが略々直接状態にあって、上記正回転方向の所定値から、負回転方向に回動して、プーリが噛込み完了した状態で負回転方向の所定値となり、分割ピンの転がり面を中心線を挟んだ両側を用いることができ、強度上有利とすることができると共に、上記所定ズレ量の設定と相俟って、ピン幅変化量を小さく抑えることができる。
【0035】
請求項5に係る本発明によると、上記前側となる分割ピンのプラスの所定ズレ量がベルト移動方向後側(正側)にずれているので、上述した該分割ピンのリンクプレートの取付け角と相俟って、ピン幅変化量を小さく抑えることができる。
【0036】
ピン端面のアール形状半径を略々10[mm]とし、上記所定ズレ量を略々0.03[mm]とすると、プーリ有効径が最小径で約28[mm]、最大径で約69[mm]の実用的な無端ベルトに適用して最もピン幅変化量を小さくして、最適なピンの端面形状を提供することができる。
【0037】
請求項6に係る本発明によると、ブロックに突出外側面を形成してシーブ側面との接触範囲を、ピンに対応するようにピッチ線近傍の所定範囲に限定したので、上述したピン端面の形状と相俟って、ブロック及びピンが確実にシーブ側面に接触し得る。
【0038】
請求項7に係る本発明によると、リンクチェーンの1ピッチに対して、1対の分割ピンの外側端面及び第1、第2のブロックの突出外側面の計4箇所が所定時経列により確実にシーブ側面に接触して、噛込みピッチが小さくなり、かつ多角形効果も少なくなり、これにより引張りタイプの無端ベルトであって、伝動効率が高くかつ比較的低コストで製造できるものでありながら、発生騒音を低下すると共に耐久性を向上した、優れた性能の無端ベルトを提供することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って本発明の実施の形態について説明する。図2は、本発明に係る金属製の伝動用無端ベルトを示す側面図、図3はそのプーリへの噛込み部分を示す拡大側面図、図4は正面断面図、図5は平面図である。伝動用無端ベルト21は、前記ベルト1と同様に、長手方向に一定の順序で配設された多数の第1及び第2のブロック22,23と、これらブロックを連結する多数のリンクプレート25及びピン26と、これらピンに係合してリンクプレート25の長手方向に伸縮動作するバネ手段27とを有する。
【0040】
前記リンクプレート25は、図3、図6(c)に詳示するように、ファインブランキング等により製造される鋼板の所定形状からなり、両端部分に、分割された1対のピン26a,26bをそれぞれ受け入れる孔30a,30bからなるピン孔30がそれぞれ形成されている。前記ピン26は、相対する面が互に転がり面31aとなる鏡面対称の1対の分割ピン(ロッカピン、シートピン)26a,26bからなり、転がり面と反対側面31bが前記リンクプレート25の外側のシート孔30aに接触して、該リンクプレートと一体になるように嵌合される。
そして、上記ピン26により、各リンクプレート25が交互に連結されてリンクチェーン32を構成する。
【0041】
また、前記リンクチェーン32の横方向の一列であるランクGにおける中央部分には、図2、図4、図5及び図6(d),(e)に示すように側面視C形状のバネリンク27が両ピン26の間に股がって縮設されている。該バネ手段27は、1個おきに各ランクGに配設されて、その収縮力を各ピン26に作用して、各ピンが接触しているブロック及びリンクプレートとの間に摩擦力を付与して、特にベルトの組立状態及びベルトの弛み状態において、該摩擦力によりピンが軸方向にずれて脱落することが防止される。
【0042】
また、図3及び図5に示すように、上記リンクチェーンの横方向一列の所定ランクG1 のリンクプレート25のシート孔30aに一方の分割ピン26aが回転不能に着座すると共に、他の孔30bに他方の分割ピン26bが遊嵌され、かつ上記ランクG1 に隣接するランクG2 のリンクプレート25のシート孔30aに上記他方の分割ピン26bが回転不能に着座し、これら両ピン26a,26bの転がり面31aが互に接触して転がることにより、上記ランクG1 ,G2 は屈曲し得、これにより無端ベルト21は、1対のシーブ間隔により設定されるプーリ有効径に対応して巻き掛けられ、プーリの変速動作(有効径の変更)により無段に変速して動力を伝達し得る。
【0043】
一方、前記ピン26は、図4、図5に示すように、前記ランクG…の左右に突出して延びており、前記第1及び第2のブロック22,23に当接している。第1及び第2のブロック22,23は、鏡面対称になっており、以下、第1のブロック22について説明するが、第2のブロック23も同様である。該ブロック22(23)は、図4、図6に示すように、中央部に略々矩形状の透孔35を有しており、その周囲に上辺部36、下辺部37及び左右の側部39,39を有している。前記透孔35には前記リンクチェーン32が貫通するように配置されており、かつ前記左右側部39,39にて前記ピン26に当接している。
【0044】
前記ブロック22(23)は、図7に詳示するように、その左右側部39における前後方向一面に凹溝40が形成されており、かつその反対面に突部41が形成されており、その肉厚が半径方向に亘って略々同一に形成されている。前記凹溝40には前記分割ピン26a,26bの一方が受け入れられており、該ピンの反対側面31bにおける半径方向中心位置近傍にて当接すると共に、その上下面がブロックとピンとの相対回転を許容する隙間を存するように円弧状に構成されている。更に、該凹溝40の上下面にはピン26a,26bを保持するように、前後方向(ベルト長手方向)に突出する突起42a,42bが形成されており、これら突起によるピンとの係合により、ブロック22(23)の突出量jが、プーリへの最小巻掛け角を維持できる範囲で小さく構成されている。
【0045】
そして、図7(b)に詳示するように、前記ブロック22(23)における凹溝40部分の外側面45は、左右方向(ピンの軸方向)に所定量突出して構成されている。該突出している外側面45は、シーブ側面Vと略々同じ傾斜角βからなり、ブロック外側部39において、該突出外側面45のみがシーブ側面と接触し得る。該突出外側面45は、前記分割ピン26a,26bの外側端面26cに略々対応する位置にあり、シーブ側面Vに整合するように、上下方向(半径方向)において、所定傾斜角βの略々直線形状(大きな円弧からなり、弾性変形等により実質的にシーブ側面に接触するものも含む)からなると共に、前後方向(ベルト長手方向)も略々直線形状からなり、従って所定面積の略々フラットな形状からなる。上記突出外側面45は、ベルト長手方向にピン26と略々対応する位置にあり、詳しくはベルトのピッチ線P−P近傍にあって、かつ前記凹溝40の半径方向長Lより僅かに短い長さlからなる。また、上記ブロック外側部39の透孔35における上記凹溝の上下にも面46a,46bが形成されており、これら面46a,46bは、図4に示すように、リンクチェーン32の幅を規定すると共に、最外側リンクプレート25と当接して、リンクプレート25に対するブロック22,23の揺動を滑らかにしている。
【0046】
一方、図4に示すように、分割ピン26a(一方の分割ピン26aのみで説明するが、鏡面対称であるので、他方の分割ピン26bも同様である)は、前記ブロックの突出外側面45と左右(幅)方向にて略々同寸法(ピッチ線上のピン幅をBと表記)からなると共に、その両外側端面26c,26cは、上記突出外側面45と同様にシーブ側面と略々同じ傾斜角βからなり、該ピンの両外側端面26cは、ブロックの両突出外側面45と共にシーブ側面に接触する。該ピン外側端面26cは、ベルト長手方向において前記ブロックの突出外側面45と略々対応するように配置されており、かつその半径方向長さmは、前記ブロック突出外側面45の長さlと略々同じか、又は該長さlより僅かに大きく構成されている。
【0047】
該分割ピン26a(26b)は、図8(a)に詳示するように、大きな曲率の湾曲面からなる転がり面31aと、その反対側にあって、リンクプレートシート孔30aに着座する円弧の組合せの湾曲面からなるシート面31bとからなり、かつその外側端面26cは、図8(b)に示すように、正面視(ベルト長手方向から見て)上下のアール部を除いて、前記所定傾斜角からなる直線状になっている。そして、ピン外側端面26cは、図8(b)のC−C断面である(c)に示すように、平面視(半径方向外側から見て)所定半径からなる円弧等の湾曲面Rからなっている。該湾曲面Rの最頂部sは、ピンの前後方向中心線(X軸)に対して転がり面31a側に所定量偏倚した位置にあり、従ってピン外側端面26cは、転がり面側に偏倚した湾曲面Rの最頂部s部分において半径方向長さmに亘ってシーブ側面に接触するように設計されている。なお、加工上の容易性からピン26の端面26cの正面視(Y方向)[(b)参照]を直線状としたが、従来のピンと同様に、正面視でもアール(湾曲)状としてもよい。そして、ピッチ線P−Pにおいて、左右方向(幅方向)の長さBが、ピン26a(26b)とブロック22(23)と略々同じになるように設定されており、リンクチェーン32の1ピッチ(即ちリンクプレートの1枚の長さ)において、2個の分割ピン26a,26b及び2個のブロック22,23の突出外側面45,45の合計4個が略々等間隔に分割されて、シーブ側面に接触し得る。また、上記ピン端面の湾曲形状は、所定中心を有する円弧面(アール形状)が望ましいが、正確には真円形状に限らず、楕円その他の曲面等の丸みを帯びた形状であれば足りる。
【0048】
更に、前記分割ピン26a,26b(以下単にピン26という)の外側端面26cの形状について図9〜図31に沿って詳しく説明する。無端ベルト21がプーリに噛込んで、ピンの左右外側端面26cがシーブに接触するピン26の幅B(ピン軸方向長さ;図4参照)は、ピン端面とシーブとの隙間(スキマ)の最小値で決まり、ピンが回動すると、ピン端面とシーブとのスキマが変化して、実質的なピン幅が変わってくる。即ち、ベルト21がプーリに噛込む際、直線状態にあるベルトは、プーリ有効径に沿うように湾曲(屈曲)するが、この際ピン26を回動して、ピン端面とシーブとのスキマに基づきピン端面の当接位置(実質的なピン幅)が定まる。
【0049】
図9に示すように、前記転がり面31aにて互に回転する前記分割ピン26a,26bの回転中心0は、ピン26のプーリ中心に向う線(Y軸)と、該Y軸上のピンの半径方向長さmの1/2におけるベルト長手方向に沿う線(円周方向)(X軸)との交点にあり、該ピンが回転中心0で角度θ°回転したとき、任意のA点におけるシーブとの隙間(スキマ)δ(両側)の値を求める一般式は以下の通りである。
【0050】
【数1】
但し、
δ:シーブとのスキマ[mm]
R0 :ピン回転中心の半径位置[mm]
A0 :(x0 ,y0 ):A0 点のx,y座標[mm]
A1 :(x1 ,y1 ):A1 点のx,y座標[mm]
θ:ピン回転角度[°](左回転正)
α:A0 点の角度[°]
r:ピン回転中心からA0 点までの距離[mm]
β:シーブ片側角度[°]
c:ピン端面形状の修正[mm]
±*1:(+)x0 が正のとき、(−)x0 が負のとき
±*2:(+)y0 が正のとき、(−)y0 が負のとき
±*3:(+)x0 が負のとき、(−)x0 が正のとき
【0051】
ここで、上記ピン端面形状の修正値cに関して述べると、ピン端面26cが平坦(フラット)面である場合、c=0であり、該ピン端面形状が円弧である場合、上記修正値cを分析すると以下の通りである。
【0052】
まず、ピン端面26cがX軸上でアール(R)形状の場合、即ちプーリ半径方向(図9におけるピン上下方向;Y軸上)は同じ寸法からなる円筒形状の場合、図10を参照して示すと、該ピン端面形状の修正値cは、以下の通りとなる。
【0053】
【数2】
【0054】
一方、ピン端面形状をY軸上でアール形状とした場合、即ちベルトの長手方向(図9におけるピン端面の前後方向;X軸上)が同じ寸法からなる円筒形状の場合、図11を参照して示すと、以下の通りとなる。
【0055】
【数3】
【0056】
更に、ピン端面のR形状X、Y座標で傾斜している場合、該ピン端面形状の修正値cは、図12を参照して示すと、以下の通りとなる。
【0057】
【数4】
【0058】
ついで、上記式に基づく、X座標又はY座標の各点におけるスキマδを、ピン回転角度θをパラメータとして、図13ないし図24に具体的に示す。
【0059】
図13ないし図16は、ピン端面形状が平坦面(c=0)からなるピンとスキマδ(両側)の関係を示し、具体的には、図13、図14は、x0 =0、即ちプーリ中心に向うY線上におけるY座標の各点におけるスキマδを示し、かつ図13は、プーリ有効径(ピン回転中心0の半径位置R0 )が小径、例えば設計上の最小径位置にある場合を示し、図14は、プーリ有効径が大径、例えば設計上の最大径にある場合を示す。
【0060】
図15、図16は、y0 =0、即ちピンの半径方向中央(X軸上)におけるX座標の各点におけるスキマδを示し、かつ図15は、プーリ有効径(ピン回転中心の半径位置R0 )が小径、例えば設計上の最小径位置にある場合を示し、図16は、プーリ有効径が大径、例えば設計上の最大径にある場合を示す。
【0061】
上記図13ないし図16において、Y座標でのスキマδが0.001…0.005[mm]に対してX座標でのスキマδが0.02〜0.06[mm]になっていることから解るように、図13及び図14に示すY座標上の各点におけるスキマδに対して、図15及び図16に示すX座標上の各点におけるスキマδは1桁以上大きくなっており、これはプーリ有効径が大きい場合も小さい場合も同様な傾向にある。
【0062】
即ち、上記実質的なピン幅B(ピンのシーブとのスキマδ)の変化に対する座標の感度は、X座標がY座標に比して、約10倍以上大きく、Y座標による実質的なピン幅の変化は数ミクロンと小さく、X座標で変化に対して、無視しても実際上に大きな影響を生じることのない範囲である。
【0063】
従って、ピン26の端面26cのアール(R)形状は、X座標のみに設定し、即ちY軸上の各点において同じ半径となるように(X軸に沿う方向にのみ円弧状)形成した円筒形状にしても、ピン回転に伴う実質的なピン幅変化に実用上に大きな影響は生じない。
【0064】
更に、該ピン端面を円筒形状によることにより、研削盤にて精密に形成する際、一方向のみの加工(2次元での加工)で足り、3次元加工を必要とする球面形状に比して、加工が容易となると共に、高い精度の精密なピン端面形状が得られ、更に球面形状のものに比して、ヘルツ応力が約半分となり、強度上及び耐久性上でも好ましい。即ち、ベルト式無段変速機が所定トルク容量を有するには、プーリがベルトを所定押圧力で狭持する必要があり、そのため、ピン端面にはシーブ側面から大きな押圧力が作用するが、該押圧力に対応するヘルツ応力がピン端面を円筒形状とすることにより、球面形状に比して大幅に小さくなり、上記所定トルク容量に対応するピンの強度を確保することができる。
【0065】
なお、Y座標によるピン幅変化も考慮して、ピン端面を球面状にすることも可能であり、この場合、上述したように、Y座標でのピン幅変化はX座標の変化に対して小さく、また球面の精度の高い加工は面倒であり、かつヘルツ反力は高くなってしまうが、ピン回転に伴うピン幅変化のより少ないピン端面形状を得ることができ、上記欠点を克服して、ピン端面形状を球面状にしてもよい。
【0066】
ついで、ピン端面形状を円弧(アール;R)形状とした具体例の結果について、図17ないし図24に沿って説明する。これら図面は、ピン端面が所定半径のアール(R)形状(例えばR半径;10[mm])をX軸に沿って形成した円筒形状のものを用いており、X軸上の各点におけるスキマδの変化を、ピン回転角度θをパラメータとして示している。
【0067】
図17ないし図21は、プーリ有効径R0 が最小径の場合を示し、図17はX座標においてピン回転中心0に対するR中心のズレ量aが0(a=0)、即ちピン回転中心0を通る法線平面上にピン端面のR半径中心が位置する場合において、y0 =0、即ちピンの半径(上下)方向中心線(X軸)上の値を示す。図18は、ズレ量aが0で(a=0)、かつy0 =1.5、即ち図9において1.5[mm]、中心線(X線)より上方(プーリの外径方向)の値を示す。図19は、同じくズレ量aが0で(a=0)で、y0 =−1.5、即ち図9において1.5[mm]、中央線(X線より下方(プーリの内径方向))の値を示す。
【0068】
図20は、X座標においてピン端面のR半径中心が右方向(正方向)に0.1[mm]ずれている場合(a=0.1)のy0 =0(中央線上;X軸上)の値を示す。図21は、a=−0.1、即ちX座標において、ピン回転中心に対して左方向(負方向)に0.1[mm]ずれている場合のy0 =0(中央線上)の値を示す。
【0069】
図22ないし図24は、プーリ有効径R0 が最大径の場合を示し、図22は、ズレ量aが0(a=0)で、y0 =0(中央線;X軸上)の値を示す。図23は、ズレ量が0.1、即ちX座標において、ピン端面のR形状中心がピン回動中心に対して右方向(正方向)に0.1[mm]ずれている場合のy0 =0の値を示し、図24は、ズレ量がa=−0.1、即ちX座標において、ピン端面のR形状中心がピン回動中心に対して左方向(負方向)に0.1[mm]ずれている場合のy0 =0の値を示す。
【0070】
図17、図18、図19、図22を、図15、図16と比較して明らかなように、ピン端面26cが平坦面である場合、各ピン回転角度θにあって、X座標が(+)方向及び(−)方向に大きくなるに従ってスキマδが大きくなるように正比例するが、ピン端面をR形状にすると、スキマδが数ミクロンと小さくなり、かつ各X座標でのスキマδの変化は、極小値を有する。これは、Y軸の中心位置(y0 =0;X軸上)でも(図17参照)、中心位置(X軸)から上方又は下方に外れた位置にあっても同じ傾向であり(図18、図19参照)、かつプーリ有効径が小径でも(図17参照)大径にあっても(図22参照)同じ傾向にある。
【0071】
図17に示すy0 =0(中心線)に対して、図18に示すy0 =1.5(ピン上方に1.5[mm]の点)にあっては、約+3ミクロン、y0 =−1.5(ピン下方に1.5[mm]の点)にあっては、約−3ミクロン、X座標による実質的なピン幅が増減するが、これは、ピンのY方向の撓みによって減少する。
【0072】
従って、ピン端面26cは、平面のもの(Y軸方向にアール形状となっている従来の技術のものも略々同様)に比し、少なくともX座標において円弧(アール)形状としたものが、ピン回転角に対するスキマδ(実質的なピン幅)の変化量が小さく、好ましい。
【0073】
また、ピン端面のR形状の中心の影響を、図20ないし図24に沿って検討するに、X座標において、ピン回転中心0に対してR形状の中心を移動すると、ピン端面とシーブとのスキマの最小値及びそのX座標値が変化する。ベルトが巻掛けられるプーリ有効径が変化しても、同じ傾向にある(図20、図23参照)。
【0074】
ついで、図25及び図26に基づき、ピン回転角変化量について説明する。ベルトがプーリに噛み込むことにより各リンク25が屈曲し、ピン26はリンクと一体に保持されているので、ピン回転角度変化量ηは、リンクの屈曲角度ηと同じになる。
【0075】
ピン回転中心(≒ピッチ円)のプーリ中心からの半径(プーリ有効径)をR0 、リンクピッチをPとすると、ピン回転角度変化量ηは、以下の通りである。
【0076】
【数5】
【0077】
図26は、リンクピッチPをパラメータとして、プーリ有効径(半径R0 )の各値における回転角度変化量ηを示す図であり、例えばリンクピッチ8[mm]のベルトにあって、プーリ有効径(半径R0 )の最小値aに対応する回転角度変化量ηの値がηaであり、プーリ有効径の最大値bに対応する回転角度変化量ηの値がηbである。
【0078】
ついで、ピン端面のR形状におけるX座標上の中心位置の最適比について、図27、図28及び図29に沿って説明する。
【0079】
図27は、ピン回転中心0に対してピン端面のR形状の中心をX方向に所定量(即ちズレ量aを変化)ずらした状態におけるピンの回転角θをパラメータとして、ピン端面とシーブとのスキマδのX座標における変化を示す図である。該図27において、スキマδの最小値となるところがピン端面とシーブとの接点P(P1 ,P2 ,P3 )であり、該接点Pの変化が、ピン回転によるピン幅B(ピン26の長手方向)の変化量μであって、上記δ値及びX値から求められる。
【0080】
各分割ピンがシーブに噛込む際のノイズの改善は、
1) ピンのシーブ噛み込み位置角度でのeとdの値の差を小さくする。
2) ピン回転θの変化に対して、スキマδの変化量εを小さくする。また、出来るだけθの変化に対してピン幅が増加する方向の量は小さくする。
但し、
e:ピンのシーブ噛み込み位置角度でのX値[mm]
d:ピン回転中心に対するピン厚さ中心のズレ量[mm]
ε:ピン回転によるピン幅の変化量(両側)[μ]
【0081】
図28、図29は、ピン回転中心に対するピン端面のR形状Rpの中心のズレ量aをパラメータとして、各ピン回転角度θにおける上記ピン幅変化量εを示すものである。図において、リンク(プレート)取付け角度fは、リンクの強度等により設定される、リンクの長手方向線に直交する線(ベルトが直線状態にある場合の該直線[X軸]に直交する線[Z軸])に対する各分割ピン26a,26bのY軸のなる角である。ベルトがプーリに巻掛けられる際、各リンクが屈曲し、各分割ピンはプレートと一体に保持されているので、同じ屈曲角回転する。1対の分割ピンの内におけるベルト移動前側の分割ピン26bは左方向(正方向)に回転し、1対の分割ピン間の荷重伝達接点はY軸の正方向に移動することを考慮して、一般に、予め1対の分割ピンの内におけるベルト移動前側の分割ピン26bが、所定角度左方向(正方向)の回転に傾斜して取付けられている。なお、ベルトの移動方向後側の分割ピン26aは、上記リンク取付け角が右方向(負方向)に所定角度傾斜して取付けられており、両分割ピン26b,26aの鏡面対称に、リンクプレート25のシート孔30aに着座して取付けられている。
【0082】
図28は、プーリ有効径が最小径aであって、前記リンク取付け角度fからの前記最小径aでの回転角度変化量ηaがピンの使用回転角度範囲となる。なお、該図28は、ピン端面のR形状半径Rp=10[mm]であり、y0 =0におけるX座標を示す。該図28から、上記ピンの使用回転角度範囲ηaにおいて、最も小さいピン幅変化量は、半径Rp中心のズレ量aがその正(+)回転方向及び負(−)回転方向(正値及び負値になるとは限らない)において等しく振分けられた位置にあって、ズレ量0とanとの間の線aA上にあることが解り、該点aAが、線形補完等の計算式又は該図28のグラフから読み取られる。この際、該分割ピン26bは、直線状態にあるリンク取付け角度fから、負方向(右方向)に角度gまで回転することになり、そのピン幅変化量εは、正回転方向及び負回転方向において共に約1.7[μ]である。
【0083】
図29は、プーリ有効径が最大径bの場合における図28と同様な図である。
該最大径bにあっては、ピンの回転角度変化量ηはηbであり、ピンのリンク取付け角度fからの上記回転角度変化量ηbがピンの使用回転角度範囲となる。この際の前記最も小さいピン幅変化量に対応するズレ量aAは、使用回転角度範囲の正回転側は、プーリ有効径最大値aにおける最小値ηaの場合と同様に、リンク取付け角度fにあって、同じピン幅変化量であり、かつ負回転側における上記ズレ量aAにおけるピン幅変化量は略々0値にあり、上記最適ズレ量aAが、プーリ有効径最大値においても問題がないことが確認された。なお、該最大有効径にあっては、分割ピンは、リンク取付け角fから正値であるh度まで回転することになる。
【0084】
従って、ピン端面形状の最適値は、少なくともX座標において円弧(R)形状であり、該R形状の半径Rpは、ヘルツ応力等による強度上の関係であまり小さくすることは困難であるため、5〜15[mm]の範囲内であることが望ましく、実施例にあっては、略々10[mm]である。そして、該ピン端面をR形状とすることにより、ピンの回転角によるピン端面とシーブとのスキマδ、従ってピンの所定回転角にて該シーブに当接する実質的なピン幅の変化量は極めて小さい範囲に納められる。更に、ピン回転中心0に対してピン端面のR形状と半径Rpの中心をずらす(ズレ量a)ことにより、各ピン回転角度θにおけるピン幅変化量εが描く曲線は、下方(一側)に極値を有するので、ピン回転中心に対するピン端面の円弧(R)形状の中心(ズレ量a)は、ピンの使用回転角度範囲内でピン幅変化量が最小となるように、特にピン使用回転角度範囲の広い最小プーリ有効径において、正回転側及び負回転側に等しく振り分けることにより最小となる値が定められ、これによりピン端面の最適形状が得られる。
【0085】
一例として、プーリの最小有効径(プーリ中心からピン中心線y0 =0までの半径R0 )aが28.2[mm]であり、プーリの最大有効径bが68.8[mm]である場合、リンクピッチPが8[mm]を採用すると、最小有効径aでの回転角度変化量ηaが8.1[°]となり、最大有効径bでの回転角度変化量ηbが3.3[°]となる。そして、ピンのリンク取付け角度fを5[°]とすると、ピン幅変化量μの最小値(約1.7[μ])に対応するズレ量aAが0.03[mm]となる。この際の最小プーリ有効径における負側(プーリ噛合い後)のピン回転角度gは−3.1[°]となり、最大プーリ有効径における負回転側(プーリ噛合い後)のピン回転角度hは1.7[°]となる。
【0086】
従って、上記ズレ量aは、0.2[mm]以下に設定されれば、ピン幅変化量は実用上あまり問題のない範囲に押えられる。なお、リンク25の移動方向後側の分割ピン26aは、リンク取付け角度が(−)方向(Y軸に対して右回転方向)となるので、上記ズレ量aは、−0.2[mm]以下になり、従って、X座標上のズレ量aは、+0.2〜−0.2[mm]の範囲内になることになる。
【0087】
また、ピン回転中心0に対するピン端面のアール形状の半径Rp中心(X座標)のズレ量が0の場合、ピン回転角度変化範囲内でピン幅変化量は、ベルト移動方向前側の分割ピン26bでは、ベルトがプーリに噛込み始める位置におけるピン回転角度(ピンのリンクプレート取付け角度と同じ)において最大となり、そしてベルトが回転してピン回転が終了するピン回転角度において小さくなり、この結果、ピン回転角度変化範囲内でピン幅変化量は大きくなるが、上記ズレ量が0を含まない場合、即ちピン回転中心とピン端面のアール形状の半径中心(X座標)とを一致させない場合(ズレ方向は、ピンのリンクプレート取付け角度により、プーリ半径中心に向うY軸に対して正側(右方向)又は負側(左方向)になる)、ピン回転角度変化範囲内でピン幅変化量を小さい値に抑えられる。従って、上記ズレ量は、0を含まないことが望ましい(−0.2<ah<0.2、ただし0を含まない)。
【0088】
ついで、図30及び図31に沿って、ピンがシーブに噛込む際のピン自体の回転に伴う損失、いわゆるスピンロスについて説明する。該スピンロスは、ピン回転によるピン幅の変化量(両側)ε[μ]×ピンのシーブ噛込み位置角度でのX値e[mm](図27参照)の値を最小にすることである。ただし、上記スピンロスの改善が、前述したノイズ改善との両立が困難な場合は、ノイズ改善を優先させることがベターである。
【0089】
図30、図31は、ピン端面のR形中心のズレ量a[mm]をパラメータとした、各ピン回転角度θ[°]におけるX座標上の噛込み位置を示す図であって、図30は、プーリ有効径が最小径aの場合を示し、図31は、プーリ有効径が最大径bの場合を示す。なお、両図とも、プーリ端面のR形状半径Rpが10[mm]であり、y0 =0でのX座標から求めたものである。
【0090】
プーリ有効径(ピン回転中心までのプーリ半径R0 )が最小径aの図30において、ピンのリンク取付角度fに基づく使用範囲でのピン回転角度変化量ηa(図26参照)にて、ズレ量aAの場合、ピン噛込み位置eは、ピン回転角度θの正(+)回転側(上記リンク取付角度f)において約−0.13[mm]であり、負(−)回転側(g;ただし負値)にて約0.12[mm]となる。プーリ有効径R0 が最大径bの図31において、ピンのリンク取付角度fに基づく使用範囲でのピン回転角度変化量ηbにて、ズレ量aAの場合、ピン噛込み位置eは、ピン回転角度θの正(+)回転側(上記リンク取付角度f)において約−0.13[mm]であり、負(−)回転側(h;ただし正値)において−0.03[mm]である。
【0091】
従って、スピンロス値(ε×e)は、プーリ有効径が最小aの場合、ε×(0.012)〜ε×(−0.13)となり、プーリ有効径が最大の場合、ε×(−0.03)〜ε×(−0.13)となる。具体的には、リンク取付角度f=5[°]、ピン端面R形状半径Rp中心のズレ量aA=0.03[mm]、最小プーリ有効径a=28.2[mm]、該最小有効径での使用回転角度変化量ηa=8.1[°]、ピン回転角度g=−3.1[°]、最大プーリ有効径b=68.8[mm]、該最大有効径での使用回転角度変化量ηb=3.3[°]、ピン回転角度h=1.7[°]である。
【0092】
上記ピン噛込み位置eに基づくスピンロス値は、設計上の満足し得る範囲であり、従ってスピンロスの改善からみても、前述したピン端面形状(Rp=10[mm]、そのズレ量a=0.03[mm])は、最適な形状であり、かつピン端面のR形状半径Rp=5〜15[mm]、ズレ量a<│0.2│(ただし0を含まない)[mm]は、設計上許容し得る適正な形状である。
【0093】
ついで、前記伝動用無端ベルト21の作用について説明する。図3に示すように、該無端ベルト21がプーリに噛込む際、1対の分割ピン26a,26bがその転がり面31a同士を接触しつつ相対移動して、リンクチェーン32の各ランクG…が屈曲すると共に、ピンに対して各ブロック22,23が揺動し、第1及び第2のブロック22,23がその突部41同士を接触しつつシーブ側面に整合するように相対移動する。これにより、各分割ピン26a,26b及び各ブロック22,23が、プーリ装置の有効径に沿うように、即ちピッチ線(円)P−Pに沿うように湾曲するが、この際必ずしも、各ブロックがプーリの中心軸線に向くようにはならない。
【0094】
このように、例え、ブロック及びシーブの精度並びに変形等により、ブロック22,23が半径方向(前記Y軸)及び前記X軸、Z軸に対して傾いて噛込んでも、各ブロックは、その外側面がピッチ円近傍の突出面45のみにてシーブ側面に接触するので、各分割ピン26a,26bがシーブ側面に接触することと相俟って、各リンクチェーン32の1ピッチ(1ランクG…)において、第2のブロック23の突出外側面45、一方の分割ピン26b,他方の分割ピン26a、そして第1のブロック22の突出外側面45がシーブ側面に順次接触する。従って、例え、各ブロック22,23が(Y軸、X軸、Z軸に対して)傾いたとしても、リンクチェーン1ピッチに対して4箇所に分散されてプーリに噛込みを開始し、噛込みピッチが小さくなり、かつ多角形効果も少なくなり、これによりプーリ噛込み時の音が高周波になると共に音エネルギを減少して、発生騒音を低下させることができる。
【0095】
また、ピン26a,26bがプーリに噛込む際、上述したように各分割ピン26a,26bが転がり面31aにて互に転がり、先行するピン26bはプーリの半径方向内側に喰込むようになる。この状態で、従来のピン6のように、その両外側端面6cが前後方向(ベルト長手方向)に平面であると、該ピン外側面6cとシーブ側面との相対的な隙間が変化し、ピンの噛込み開始位置がずれる。即ち、図13ないし図16に示すように、ピンの端面形状の平坦面(フラット面)であるものは(半径方向(Y方向)にアール形状があっても、X方向にフラットであるものは同様であり、このものに含まれる)、無端ベルトがプーリに噛込む際、ピンのスピンにより、ピンの実質幅(ピン端面とシーブとの相対的隙間)が大きく変化して、ピンのシーブとの接触位置(円周方向;X方向、半径方向;Y方向)が変化して多角形効果と、ピンとシーブとの滑り特に半径方向の滑りが大きくなってしまう。これにより、シーブと接触する上記各ブロック22,23の突出外側面45とピンとの相対幅も変化して、多角形効果が大きくなってしまい、騒音発生の原因となると共に、シーブ、ブロック及びピンに対する負荷が大きくなり、ベルト式無段変速装置の耐久性にも悪影響を与える。
【0096】
これに対し、本発明によるピンの端面形状は、少なくともX方向にR形状からなり、かつ該R形状半径Rpの中心がピン回転中心に対して所定量aAズレており、ピンの回転に対してピン幅変化量が少ない形状からなり、ピンがプーリに噛込む際に、ピンが回転するが、それによるピン幅変化量は小さく、かつピン端面のシーブへの噛込みピッチを一定に保って、多角形効果を小さく保って、騒音の発生を減少すると共に、ピンの回転角度によるシーブへの影響、更にはブロックへの影響を少なくして、ベルト式無段変速装置の耐久性を向上し、またピンのスピンロスを減少することが相俟って、伝動効率を向上し得る。
【0097】
更に、ベルト21がプーリに噛込んだ際、図3に示すように、ピン26a,26bの反対面31bとブロック22,23の凹溝40の当接位置は、ピッチ円P−P上から僅かに外径方向にずれている。これにより、各ブロック22,23は、突出外側面45がシーブ側面に当接することにより、ブロック全体の(前後方向)中心位置からずれた位置に矢印p方向の力が作用し、ブロックにモーメントが作用するが、上記ピン26a,26bとの当接位置からの矢印q方向の力を受けることにより、上記ブロックに作用するモーメントが打消されて、ブロックの半径方向の傾きが減少される。
【0098】
なお、上述実施例にあっては、1ピッチにおいて、2個のブロック22,23の突出外側面45及び分割ピン26a,26bが等間隔でシーブ側面に接触開始するように説明したが、実際にはピン外側端面26cのアール形状等により微妙にズレており、更には不等間隔に接触開始するように形状を設計して、周波数を変化することにより、ホワイトノイズ化して静粛性の向上を図っている。
【0099】
また、本実施の形態は、ピン26の間に第1及び第2のブロック22,23を狭持した無端ベルトについて説明したが、本発明に係るピン端面の形状は、これに限らず、例えばピンのみがシーブに接触するLuKタイプの無端ベルトにも同様に適用可能であり、更にシーブ側面にピンが接触するすべての無端ベルトに同様に適用可能である。また、ピンは、上述した分割ピンに適用して好適であるが、これに限らず、例えば特公昭58−49746号公報に示すような、リンク(プレート)との間に転がり面を有する1個のピンからなるものにも適用可能であり、要は、転がり面を有してリンクの屈曲と共に回動するピンを有する無端ベルトに本発明を適用し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の伝動用無端ベルトを示す図であって、(a) は一部断面[(b) のB−B、C−C断面]した側面図、(b) は(a) のA−A断面図。
【図2】本発明に係る伝動用無端ベルトを示す側面図。
【図3】そのプーリへの噛込み部分を示す拡大側面図。
【図4】その正面断面図。
【図5】その平面図。
【図6】本発明に係る伝動用無端ベルトの部品を示す図で、(a) ,(b) はブロックを示し、(c) はリンクプレートを示し、(d) ,(e) はバネ手段を示す。
【図7】ブロックを示す拡大図であり、(a) は(b) におけるA−A断面図、(b) は一部を示す正面図。
【図8】分割ピンを示す拡大図であり、(a) は側面図、(b) は正面図、(c) は(b) のC−C断面図。
【図9】ピンの回転によるシーブとのスキマ(隙間)変化を解析するためのピン端面の側面図。
【図10】同じく、ピン端面のX方向(円周方向)断面を、模式的にスケールを拡大して示す図。
【図11】同じく、ピン端面のY方向(半径方向)断面を、模式的にスケールを拡大して示す図。
【図12】ピンの端面のR形状がX、Y座標で傾斜している場合を示し、(a)はY方向(半径方向)、(b)はX方向(円周方向)を示す図。
【図13】ピンとシーブとのY方向におけるスキマを、ピン回転角をパラメータとして示す図で、ピン端面形状がフラットでかつプーリ有効径が最小径の場合を示す。
【図14】同じく、ピン端面形状がフラットでかつプーリ有効径が最大径の場合を示す図。
【図15】ピンとシーブとのX方向におけるスキマを、ピン回転角をパラメータとして示す図で、ピン端面形状がフラットでかつプーリ有効径が最小径の場合を示す。
【図16】同じく、ピン端面形状がフラットでかつプーリ有効径が最大径の場合を示す図。
【図17】ピンとシーブとのX方向におけるスキマを、ピン回転角をパラメータとして示す図で、ピン端面形状がアール形状でかつ該アール形状中心とピン回転中心とがX軸上で一致し、y0 =0でプーリ有効径が最小の場合を示す。
【図18】同じく、Y方向上方に1.5[mm]ずらしたX軸線上の値を示す図。
【図19】同じく、Y方向下方に1.5[mm]ずらしたX軸線上の値を示す図。
【図20】同じく、ピン端面のR形状中心をピン回転中心に対してX軸上で所定量右方向(正方向)にずらした状態でかつプーリ有効径が最小径の場合を示す図。
【図21】同じく、ピン端面のR形状中心をピン回転中心に対してX軸上で所定量左方向(負方向)にずらした状態でかつプーリ有効径が最小径の場合を示す図。
【図22】同じく、プーリ有効径が最大径の場合における図17と同様な図。
【図23】同じく、プーリ有効径が最大径の場合における図20と同様な図。
【図24】同じく、プーリ有効径が最大径の場合における図21と同様な図。
【図25】無端ベルトがプーリに噛込む際の状態を示す模式図。
【図26】プーリ有効径と回転角度変化量の関係を、リンクピッチをパラメータとして示す図。
【図27】ピン回転によるシーブとのスキマ変化を、ピンの回転角をパラメータとして示す図で、ピン幅変化量を求めるための説明図。
【図28】ピン回転角度によるピン幅変化量を、ピン端面のR形状中心のズレ量aをパラメータとして示す図で、プーリ有効径が最小径の場合を示す。
【図29】プーリ有効径が最大径の場合における、図28と同様な図。
【図30】ピン回転角度による噛込み位置を、ピン端面のR形状中心のズレ量をパラメータとして示す図で、プーリ有効径が最小径の場合を示す。
【図31】プーリ有効径が最大径の場合における、図30と同様な図。
【符号の説明】
21 伝動用無端ベルト
22 第1のブロック
23 第2のブロック
25 リンクプレート
26 ピン
26a,26b 分割ピン
26c 外側端面
30a シート孔
32 リンクチェーン
35 透孔
40 凹溝
45 突出外側面
Rp アール形状半径
δ スキマ(隙間)
a ピン回転中心に対するピン端面アール形状半径のズレ量
f ピンのリンクプレート取付け角
aA ズレ量の適正量
θ ピン回転角
0 ピン回転中心
ε ピン幅変化量
Claims (7)
- 転がり面を有する多数のピンと、これらピンにて交互に連結されてリンクチェーンを構成する多数のリンクプレートと、を備えてなる伝動用無端ベルトにおいて、
前記ピンは、その左右両外側端面がプーリのシーブ側面に接触し得る形状及び長さからなり、
かつ前記ピンの端面形状は、前記無端ベルトの長手方向をX方向として、少なくとも該X方向に沿うアール形状からなり、
かつ前記X方向における、前記ピン端面とシーブとの隙間から求められる該ピン幅変化量を、ピンの使用範囲での回転角変化量において該回転角の正回転側及び負回転側に等しくなるように振り分けることにより求められる、ピン回転中心に対する前記アール形状の半径中心の前記X方向における所定ズレ量を有する、
ことを特徴とする伝動用無端ベルト。 - 前記ピンの端面形状は、前記X方向に沿うアール形状を有する略々円筒形である、
請求項1記載の伝動用無端ベルト。 - 前記ピンは、互に当接し得る転がり面を有する1対の分割ピンからなる、
請求項1又は2記載の伝動用無端ベルト。 - 前記1対の分割ピンは、前記転がり面と反対側にて前記リンクプレートに形成されたシート孔に着座して該リンクプレートに取付けられ、
前記1対の分割ピンにおける前記無端ベルトの移動方向前側の分割ピンが、前記回転中心に対してその外径側の前記無端ベルト移動方向の回転を正回転として、前記X方向に上下方向で直交するY方向に対して前記正回転方向に所定値傾斜して前記リンクプレートに取付けられている、
請求項3記載の伝動用無端ベルト。 - 前記前側の分割ピンは、前記アール形状の半径中心が、該ピンの回転中心に対して前記無端ベルトの移動方向後側にプラスの前記所定ズレ量を有する、
請求項3又は4記載の伝動用無端ベルト。 - 前記X方向にて隣接する前記ピンの間に狭持されかつ前記X方向に前記リンクチェーンを貫通する透孔を有する少なくとも1個のブロックを備え、
前記ブロックは、その左右両外側面における前記ピンの外側端面に略々対応する位置において、左右方向に突出すると共に前記プーリのシーブ側面に接触し得る形状からなる突出外側面を有してなる、
請求項3,4又は5に記載の伝動用無端ベルト。 - 前記ブロックは、前記X方向にて互に接触し得る突部及び反対側に前記分割ピンを受入れる凹溝を有する第1及び第2のブロックからなり、
前記リンクチェーンの1ピッチにおいて前記1対の分割ピンの外側端面及び前記第1及び第2のブロックの突出外側面の合計4箇所がシーブ側面に順次接触するように構成した、
請求項6記載の伝動用無端ベルト。
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