JP2004003576A - 伝動用無端ベルト - Google Patents
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Abstract
【解決手段】2つのプーリ間でトルクを伝達させる伝動用無端ベルト21は、リンクプレート22をピン23により無端のベルト状に連結されている。ブロック部材24を、隣り合う該ピンの間にベルト外周側から被せるように配置し、ピンの両端部と、それと同ピッチ線P上でブロック部材の両脚部外側面がプーリ壁面に当接する構造とする。ブロック部材はリンクプレートよりベルト内周側に張出す部分を持たないため、無端ベルトのプーリ巻き付き時の最小回転半径を小さくできる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベルト式無段変速機の伝動用無端ベルトに係り、詳しくは、並行軸配置の2つのプーリに巻き掛けて両プーリ間でトルクを伝達させるべく、リンクプレートをピンにより無端のチェーン状に連結した形式の伝動用無端ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
無段変速機(CVT)の一形式として、並行軸配置の2つのプーリ(本明細書において、トルク入力側をプライマリ、トルク出力側をセカンダリという)の間を無端ベルトで連結してトルクを伝達するベルト式無段変速機がある。この変速機における両プーリは、回転軸に対して一対の円錐形をしたディスクがその頂点を対向させるように向かい合わせで配置され、対向するディスクの円錐面(本明細書において、プーリ壁面という)の間に無端ベルトが巻き掛けられた構造となっている。この種の伝動用無端ベルトとして、例えば特許第1105154号公報に記載されたベルトがある。このベルトは、積層したスチールバンドに金属製のV形ブロックを間断なく嵌め込んで構成されており、V形ブロックの両傾斜側面がプライマリ及びセカンダリ両プーリ壁面に潤滑環境で圧接され、プライマリプーリの回転で押出されるV形ブロック同士が押合う(プッシュする)ことでベルト周回方向に伝達される押圧力がセカンダリプーリに伝わってそれに回転を生じさせることで動力が伝達される。
【0003】
上記形式のベルトは、V形ブロックの板厚を薄くすることにより、噛込みピッチ及びプール巻き掛け部での多角形変化量を小さくすることが可能であり、静粛性には優れている。反面、上記積層スチールバンドは、その層間でスリップを生じることでプール巻き掛け部における径差を吸収しなければならないため、スリップロスが発生する。また、積層スチールバンドは、潤滑環境下でのV形ブロックとプーリ壁面間でのスリップを防ぐべく高い張力を受けることになるため、抗張力に優れた高価な材料の使用を余儀なくされると共に高い加工精度での製造が必要である。
【0004】
従来、上記問題を解決すべく、例えば特開平7−91498号公報に記載の伝動用無端ベルトが提案されている。この伝動用無端ベルトは、図9にベルト側面、図10にベルト断面を示すように、ベルト1の周回方向に一定の順序に配設された多数の第1及び第2のブロック2,3と、これらのブロックを連結する多数のリンクプレート5と、これらリンクプレートを連結する分割された2個のピン(ロッカピン)6a,6bからなるピン6と、これらピン6に係合してリンクプレートの長手方向に伸縮するバネ手段7と、からなり、第1及び第2のブロック2,3にそれぞれ形成される3個の透孔9,10,9(図10参照)に、それぞれ前記リンクプレート5がピン6により交互に連結したリンクチェーン11が貫通して無端状に連結されている。
【0005】
そして、前記第1及び第2のブロック2,3には、それぞれ背面同士が当接するように突部2a,3aが形成されていると共に、それらの対向面側にピン係合用凹溝2b,3bが形成されており、これら向い合う凹溝にそれぞれ分割ピン6a,6bが係合されている。更に、各ブロック2,3の両外側面は、プーリ壁面に整合するように傾斜面2c,3cとされ、前記ピン6の両端面も同様にプーリ壁面に整合する傾斜面6cとされ、かつこの傾斜面6cは、ベルトの厚さ方向に湾曲した形状になっており、無端ベルトがプーリ壁面に噛み込まれる際に、両傾斜面が共にプーリ壁面に接触し得る構造となっている。
【0006】
この伝動用無端ベルト1では、プライマリプーリのトルクが、プーリ壁面と接触する第1及び第2のブロック2,3及びピン6に伝わり、更にピン6を介して各リンクプレート5からなるリンクチェーン11に引張り力として作用し、セカンダリプーリへとトルク伝達が行われる。このトルク伝達の際に、無端ベルト1は、略々直線状のプーリ壁面に、第1のブロック2、前方の分割ピン6b、後方の分割ピン6a、そして第2のブロック3の順に接触して噛み込まれ、そしてこの順でプーリ壁面から外れる。こうしたプーリへの噛込み時に発生する騒音を減少させるには、プーリへの噛込みピッチ(プーリの回転に応じて無端ベルトのピン及びブロックが順次プーリに接触する間隔)をできるだけ小さくし、また多角形変化量(多角形効果)を少なくするのが有効であり、そのためには、上記第1のブロック2、前方の分割ピン6b、後方の分割ピン6a及び第2のブロック3が順に正確に噛み込まれるようにすることが望ましい。
【0007】
この点に関して、上記無端ベルト1は、第1及び第2のブロック2,3の両側面2c,3cがその上下方向のいずれの位置でもプーリ壁面に沿うように略々直線状(大きな円弧からなり、弾性変形等により実質的にプーリ壁面に接触するものも含む)に形成されており、したがってベルト1は、直線状態からプーリに噛み込まれてピンを軸として隣接するリンクプレートが相対的に回転する際に、上記各ブロックの両側面は、その上下方向のどの位置においてもプーリ壁面に接触開始し得ることになり、当接開始するブロックのプーリ半径方向位置によって、円周方向(ベルトの長手方向)の接触開始位置が変化する構造になっている。
【0008】
このため、プーリ壁面及びブロックの精度及び変形等によっては、無端ベルトのプーリへの噛込み時に、ブロック2,3がX軸、Y軸、Z軸に対して傾いたり(図10に示すようにベルト長手方向をX軸、左右方向をZ軸、上下方向をY軸とする)、またプーリが撓んだりして、ブロックの側面上部又は下部でプーリ壁面に接触開始する状態を生じ、この状態では、円周方向(ベルト長手方向)におけるブロック2,3のプーリ壁面への接触開始位置が、ピン6の接触開始位置と重なってしまい、その分噛込みピッチが大きくなり、騒音量が増大する。
【0009】
本出願人は、第1及び第2のブロックに、その左右両外側面における分割ピンの外側端面に略々対応する位置において、左右方向に突出すると共にプーリ壁面に接触し得る形状からなる突出外側面を形成して、上記リンクチェーンの1ピッチにおいて、1対の分割ピン及び第1及び第2のブロックの前記突出外側面の合計4箇所がプーリ壁面に確実に順次接触するように構成した伝動用無端ベルトを提案した(特開2001−193798号公報)。この発明によれば、無端ベルトがプーリ壁面に対してピンとブロックとで交互に当接するので、ベルトがプーリに巻きつく際にピンのみでプーリに当接するベルトに比べてベルトとプーリが当接する間隔を短くでき、多角形効果を低減することが可能となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、無端ベルトを用いた無段変速機では、対向する一対のプーリ(プライマリプーリとセカンダリプーリ)壁面の間隔を変化させることで回転軸中心から無端ベルトがプーリ壁面に巻きつく位置までの距離(すなわち無端ベルトがプーリに巻きつく際の回転半径、以下ピッチ円半径という)を変化させることで変速(プライマリプーリとセカンダリプーリの回転比の変化)が実現される。例えばプライマリ側のピッチ円半径を小さく、セカンダリ側のピッチ円半径を大きくすれば変速比は減速側となり、逆にプライマリ側のピッチ円半径を大きくセカンダリ側のピッチ円半径を小さくすれば変速比は増速側となる。それにより無端ベルトがプーリ壁面に巻きつく位置で、プライマリプーリから無端ベルトへ、また無端ベルトからセカンダリプーリへトルクが伝達される。この際、前記特開2001−193798号公報記載の無端ベルトでは、主にリンクプレートを連結しているピンの端面、及びブロックの両側がプーリ壁面に順次当接することでトルクが伝達される。
【0011】
こうして達成し得る変速比の範囲は、ピッチ円半径として取りうる最大値及び最小値で決定されるが、変速比の範囲は、できるだけ大きい方が好ましく、また変速機全体の大きさも小さい方が好ましいので、変速比の範囲をできるだけ大きくするには、最小値のピッチ円半径をできるだけ小さくすることが望ましい。
【0012】
前述のようにピッチ円半径は、プーリ回転軸中心から無端ベルトがプーリ壁面に巻きつく位置におけるピン(又はブロック)の位置までの距離で決定されるが、プーリ回転軸の軸径と、無端ベルトのピッチ円半径より内側の厚みによりその下限値が決定される。この点、上述した無端ベルトは、多角形効果を低減するためにリンクプレートを貫通する透孔を有するブロックを備えたものであるため、プーリ回転軸の軸周とリンクプレートの内周側との間にブロックの一部が張出す結果、このブロックの張出し分だけピッチ円半径が大きくなってしまうという課題があった。
【0013】
そこで本発明は、多角形効果を低減するためのブロックを備えながら、変速比を大きくすることが可能な無段変速機用の伝動用無端ベルトを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、発明は、2つのプーリに巻き掛けてプーリ間でトルクを伝達させる伝動用無端ベルトであって、多数のリンクプレートと、両端面をプーリ壁面との当接面とし、隣り合うリンクプレートを互いに連結して無端化するピンと、各リンクプレートに被せて隣り合うピン間にそれらピンの一方に係合させて配設されたブロック部材とからなる伝動用無端ベルトにおいて、前記ブロック部材は、隣り合う前記ピンの間に延在してそれらピンの両端面と面一な外側面をそれぞれが有する両脚部と、該両脚部を無端化状態である当該ベルトの外周側で繋ぐ架橋部とを備えてなることを特徴とする。この構成における前記ブロック部材の両脚部の先端は、前記リンクプレートの短手方向幅内で終端するものとされる。また、前記ブロック部材の両脚部は、前記隣り合うピン間の部分において、該隣り合うピン間の隙間に相当する幅を有するものとされる。
【0015】
上記の構成における前記リンクプレートは、少なくともその長手方向両端部近傍に、前記ピンの挿通孔を有する板状部材で構成され、一方の挿通孔を隣り合うリンクプレートの他方の挿通孔と位置を合わせて板厚方向に多数積層させたリンクプレート群からなるものとすることができる。この場合、前記リンクプレートは、隣り合うリンクプレートと交互に板厚方向に積層されたものとすることができる。
【0016】
上記の構成における前記ピンは、対向する周面で互いに当接する一対の分割ピンからなり、それらにより連結される前記隣り合うリンクプレートに背反する周面をそれぞれ係止され、互いの当接面を転がり面として、それらが係止されたリンクプレートの回転につれて相互に回転可能とされた構成が望ましい。
【0017】
また、前記ブロック部材は、隣り合う一方の前記ピンの周面を挟持する一対の突出部を有し、該一方のピンの周面の挟持と、隣接する一方と他方のピン間での挟持により抜け止め規制された構成とすることができる。この場合、前記ブロック部材は、少なくとも一方の前記突出部における前記ピンの周面と係合する挟持面を凸湾曲面とするのが有効である。また、前記ブロック部材の両脚部外側面は、プーリ壁面と当接する凸湾曲面を有するものとするのも有効である。一方、前記ブロック部材の脚部内側面は、該脚部内側面と対向する前記リンクプレート側面との間に隙間を有し、該隙間は、リンクプレート側面に当接する根元側から先端に向けて逓増するものとするのが有効である。更に、前記ブロック部材は、その両脚部を繋ぐ架橋部に、前記リンクプレートの長手方向外周面と当接し得る当接面を有し、該当接面とリンクプレートの長手方向外周面との当接により前記ピン回りの回転を制限される構成とするのも有効である。この場合、前記架橋部は、前記リンクプレートの幅方向の実質上中央部に対応する位置に、リンクプレートの長手方向外周面に当接する前記当接面を有するものとするのが有効である。
【0018】
他の形態として、前記ブロック部材は、2個で一対の部材からなり、それら一対のブロック部材の両脚部が前記隣り合うピン間に挟まれる部分の幅を合わせた幅が、隣り合うピン間の隙間に相当する幅である構成とすることもできる。
【0019】
【発明の作用及び効果】
本発明の請求項1記載の構成によれば、無端ベルトがプーリに巻きつく際に、ピンの両端部とブロック部材の両脚部側面が交互にプーリに接触する。すなわち、無端ベルトとプーリの接触する間隔がピンの間隔ではなくピンとブロック部材の間隔でプーリに噛み合うようになる。したがって、プーリに噛み合うピッチ間隔が短くなり、多角形効果が低減される。しかも、ブロック部材をリンクプレートに無端ベルトの外周側から被さる両脚部と架橋部とからなる構成としているため、無端ベルトの厚さを従来のものに比べて薄くすることができ、それにより無端ベルトのプーリ巻き付き時の最小回転半径を小さくすることができる。更に、請求項2記載の構成とすると、リンクプレート内周部を超えてプーリ軸外周方向に張出すブロック部材部分をなくすことができ、無端ベルトのプーリ巻き付き時の最小回転半径をリンクプレート内周部がプーリ軸外周に接する位置における最小回転半径まで小さくすることができる。更に、請求項3に記載の構成によると、ブロック部材の両脚部が、隣接するピン間に在って、実質上ピン間の隙間を埋めることになるため、無端ベルトのプール壁面に対する噛み込みがピンの端面、ブロック部材の側面、ピンの端面の順に円滑に進行する。したがって、この構成によれば、間歇的なピンの噛み込みによる騒音の発生を低減することができる。
【0020】
次に、請求項4に記載の構成によると、各リンクプレートをピン挿通孔を形成した単純な薄板構造とすることができ、安価かつ加工の容易なリンクプレートを用いて上記各効果を達成する無端ベルトを構成することができる。更に、請求項5に記載の構成によると、無端ベルトの幅方向の対称性を確保することが容易となり、ベルトがプーリに巻き込まれる際のピンやブロック部材の傾きの発生を低減することができる。
【0021】
次に、請求項6に記載の構成によると、ピンとリンクプレートとの間の摺動摩擦を生じないリンクプレートの連結が可能となる。したがって、この構成によれば、無端ベルトによる伝動時のエネルギロスが低減され、無端ベルトの耐久性も確保される。更に、請求項7に記載の構成によると、格別の抜け止め手段を用いることなく、ブロック部材をピンに抜け止め配置することができる。更に、請求項8に記載の構成によると、ピンがブロック部材に対して傾いた場合やブロック部材が撓んだ場合でも、ピンとブロック部材の良好な接触状態を保つことができる。また、請求項9に記載の構成によると、プーリ壁面とブロック部材が相対的に傾斜した場合やプーリ壁面から受ける圧力でブロック部材が撓んだ場合でも、プーリ壁面とブロック部材の脚部外側面の接触状態を良好に保つことができる。また、請求項10に記載の構成によると、脚部の根元側ではブロック部材とリンクプレートを接触させ、リンクプレートを積層構成とした場合のリンクプレート間の隙間の発生を防ぐことができ、しかも、プーリ壁面からの荷重を受けてブロック部材の脚部が撓んだ場合でも、リンクプレートに過大な荷重が加わらないようにすることができる。
【0022】
次に、請求項11に記載の構成によると、プーリにブロック部材が巻き込まれる際、プーリ壁面に対するブロック部材の回転が規制されることで、ブロック部材がプーリ壁面と当接する面において、プーリ壁面から荷重を受ける場所の大きな移動が防がれる。したがって、この構成によりブロック部材にかかる荷重の偏りが防止され、ブロック部材の強度が確保される。更に、請求項12に記載の構成によると、ベルトにかかる引っ張り応力が外側に比べて中央付近では相対的に小さいため、中央付近でのみブロック部材とリンクプレートを当接させることで、ブロック部材の回転規制に伴いリンクプレートに過大な応力がかからないようにすることができる。
【0023】
そして、請求項13に記載の構成によると、無端ベルトがプーリに巻き込まれる際に、隣り合うピンの間で2つのブロック部材が順次プーリ壁面と当接することになるので、ブロック部材とプーリとの接触を一層円滑な接触とすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る伝動用無端ベルトの好適な実施形態について図を参照して詳細に説明する。
【0025】
図1は第1実施形態に係る伝動用無端ベルトの部分側面を示し、図2は図1のA−A’断面を示し、図3は無端ベルトをその外周側から見た平面を示す。この無端ベルト21は、多数のリンクプレート22と、両端面を図示しないプーリ壁面との当接面とし、隣り合うリンクプレート22を互いに連結して無端化するピン23と、各リンクプレート22に被せて隣り合うピン23間にそれらピンの一方に係合させて配設されたブロック部材24と、ピン23を抜け止めするバネ部材30(図2参照)とで構成される。そして、本発明の特徴に従い、ブロック部材24は、隣り合うピン23の間に延在し、それらピン23の両端面と面一な外側面をそれぞれが有する両脚部241と、両脚部241をブロック部材24の無端化状態での外周側で繋ぐ架橋部242とを備えてなる。なお図1では、ブロック部材24で遮られる部分の構造を示すために、いくつかのブロック部材を省略して描いてあるが、実際には全てのピン23の間にブロック部材が配置されている。
【0026】
各リンクプレート22は、図1の最右側に全体平面形状を示すように、薄鋼板の打抜き加工等による4隅が丸められた概ね長方形の板材で構成されている。詳しくは、リンクプレート22の長手方向周面の上周辺側は、図1の左側部分に示すプーリへの巻き掛け部において列設される他のリンクプレートとの並びで概ね円形の外周形を呈するように、凸状に湾曲する周面とされ、その中央部の凸湾曲面に対して両側が隆起した傾斜平面とされ、これら両面の間に段差部27を有する形状とされている。また、下周辺側は、同様の理由から概ね円形の内周形を呈するように凹湾曲周面とされ、短辺側はピッチ線P(プーリ壁面に当接する各ピン23及び各ブロック部材24のプーリ壁面と当接する部分を結んだ線と、更にその線を無端ベルト21が直線状となっている部分に延長した線(図1において一点鎖線で示す))より外側がピッチ線Pと直交する平面、内側がプーリへの巻き掛け部において列設される他のリンクプレート22と干渉しないように傾斜面とされている。
【0027】
更に、各リンクプレート22は、板厚方向に貫通する一対のピン挿通孔221を長手方向両端部近傍に備える。これらの孔は、リンクプレート22に挿入されるピンごとに独立した2つの孔であってもよいが、この形態では、両ピン挿通孔221は、それら両孔に跨る別の孔により相互に繋がった孔とされ、各リンクプレート22の軽量化が図られ、その結果、各リンクプレート22は側面視で概ね長円形のリング状を呈している。詳しくは、両ピン挿通孔221は、軽量化孔により切り欠かれる周面を除き、ピン23の外径に対応する孔径を一部だけ若干小径化した孔とされ、これに対応する大径及び小径の係止周面形状を持つピン23を挿通することで、ピン23を径差段差部で回り止め係止する形状とされている。こうした構成からなる各リンクプレート22は、それらの一方のピン挿通孔221と他方のピン挿通孔221の位置を揃えて交互に板厚方向(図1において紙面垂直方向、図2において左右方向)に積層されて、ピン配設ピッチ分だけ板面方向にずれたリンクプレート群を構成しており、これらリンクプレート群がピン挿通孔221にピン23を通すことで無端状に連結されている。
【0028】
この積層構成に関して、本実施形態では、図2及び図3に示すように、厚さの異なる2種類のリンクプレート22a(図2及び図3において、相対的に厚い部材をハッチングのない無地で示す)及び22b(同じく相対的に薄い部材をハッチングを付して示す)を適宜組み合わせて用いている。これは図2に示す断面方向にみて、リンクプレート22の積層方向の配置が、バネ部材30を中心として左右対称となるようにするためである。このようにリンクプレート22の積層方向の配置を左右対称とすることで、ベルト駆動時にリンクプレート群に加わる荷重が均等となり、それによりピン23とブロック部材24のプーリ円周方向に対する傾き(図3上で紙面に沿う回転)の発生が防止される。なお、このような厚さの異なるリンクプレート22a,22bを積層する配列は、当然ながら、図2又は図3の配列に限らず、ベルトの幅方向(リンクプレート積層方向)に対して左右対称となる積層配列であれば他の形態でもよい。
【0029】
リンクプレート群を連結する各ピン23は、この形態では、一対の分割ピン23a,23bにより構成されている。このようなピンの分割は、ピンとリンクプレートとの相対摺動なくすことを意図しており、隣り合う一方のリンクプレート22に係止させた分割ピン23aと、他方のリンクプレート22’(以下の説明において、参照符号に付すダッシュは、部材の位置を区別するためにのみに用いるもので、異種の部材を示すものではない。)に係止させた分割ピン23bとが両リンクプレート22,22’の相対回転に伴って相互に転がり回転することで相対摺動が回避される。
【0030】
こうした転がり回転を実現すべく、図1に見るように、分割ピン23a”は、先述のリンクプレートとの係止周面とは反対側の分割面側に円筒面状の転がり面29aを有し、同じく分割ピン23b”も同様の転がり面29bを有する。これにより、無端ベルト21がプーリに巻き込まれる際に、ピン23を軸として隣接するリンクプレートが回転する場合に、これらの転がり面29a,29bが互いに当接しながら転がることで、ピンとリンクプレート及び分割ピン同士が摺動することなく、隣接するリンクプレートが相対回転することができる。この構成により摺動によるエネルギーのロスを防止することができる。なお、図1及び図3にベルトの回転方向を矢印Qで示す。
【0031】
また、図2に見るように、分割ピンの両端面35cは、図2に二点鎖線で示す勾配のプーリ壁面半径方向線Vに沿ってプーリ壁面に当接するように、プーリ壁面と略並行な傾斜を有している。更に、図6に分割ピン23を薄手方向に見た端部形状を示すように、分割ピンの端面35cは、プーリ円周方向に対しては、凸状に湾曲した形状となっている。この湾曲により、分割ピン23がプーリに巻き込まれる際の壁面への接触を良好にする効果を上げている。図上では、無端ベルトの断面位置をプーリに対して径方向外側にずらして、プーリ壁面を表す線Vを際立たせているが、本来プーリ壁面は、ピン23の両端面35c及びブロック部材24の両脚部外側面と当接する関係にある。
【0032】
このように分割された一対の分割ピン23a,23bと隣り合う他の一対の分割ピン23a’,23b’との間に、ブロック部材24が配置されている。ブロック部材24は、図2に見るように、ベルトの幅方向の中心に対して左右対称をなし、両端の脚部241を架橋部242で繋いだU字状部材とされている。架橋部242は、その中央部分が、図1及び図3に矢印Qで示すベルトの回転方向に対して後方にずらされている。この部分は、先に説明したリンクプレート22の長手方向周面の上周辺側段差部27と協働してストッパ部28を構成する。この場合の中央部分とは、図3に破線で囲って示すようにベルト幅方向に一定の長さの部分を言い、ベルト中心線を挟む一定幅の範囲を意味する。ブロック部材24におけるこのストッパ部28は、リンクプレート積層方向の略中央のみでリンクプレート22に当接するように、ベルトの回転方向に対して後方にずらされている。この理由は、積層されたリンクプレートはその中央に比して外側の方がベルトの引っ張り応力が強くなるので、相対的に引っ張り力の小さい中央付近でのみブロック部材24とリンクプレート22が当接するようにしているためである。
【0033】
各ブロック部材24は、環状に連結された無端ベルト21の外周側から、積層したリンクプレート22を積層方向両側から脚部241で挟み込むように配置され、それにより両脚部241は、図1に見るように、隣り合う分割ピン23a,23b’間に挿入された位置関係となる。この位置関係を維持させるべく、ブロック部材24の両脚部241には、それらが架橋部242に繋がる根元部分と先端とからそれぞれ脚部241に対して横方向に張出す突出部26a,26bが設けられている。これら突出部26a及び突出部26bは、実質上分割ピンの長辺方向の長さに相当する間隔で設けられており、分割ピン23aの短辺側周面に当接して、分割ピン23aを上下から挟持している。また脚部241の隣り合うピン間部分の幅は、隣り合うピン23a,23b’間の隙間に相当する幅を有することから、前端25a及び後端25bが隣り合うピン23a,23b’と当接している。こうした当接関係から、ブロック部材24は、隣り合うピンにより上下左右を挟持されて、ピンに対して揺動不能に抜け止め連結されている。したがってブロック部材24は、他の部材を要することなく無端ベルト21から脱落しない構造となっている。ただし、無端ベルト21がプーリに巻きつく際に、ピン23aを軸として隣接するリンクプレート22が相対的に回転するときには、リンクプレート及びそれと一体回転するピン23aの回転に応じてブロック部材24の回転は許容される。
【0034】
しかしながら、この回転は一定の範囲でのみ可能とされており、ブロック部材24は、それに設けられたストッパ部28と、リンクプレートに設けられた段差部27の当接によりブロック部材24の回転は制限されるようになっている。このようにブロック部材の回転を制限しないと、プーリにブロック部材が巻き込まれる際、プーリ壁面に対してブロック部材が回転してしまい、その結果ブロック部材がプーリ壁面と当接する面において、プーリ壁面から荷重を受ける場所が大きく移動してしまい、荷重に偏りができてしまう。これに対して、ブロック部材の回転の制限によりそのような現象を防止することができ、もってブロック部材の強度が確保できる。
【0035】
更に、各ブロック部材24の突出部26bにおける、ピンと当接する面33は、ピンの長手方向(図5において左右方向)に沿って凸状に湾曲した形状としてある。この湾曲した形状により突出部26bとピンとはこのピンと当接する面33において接触する。このような構造とすることで、ピンがブロック部材24に対して傾いた場合、またブロック部材24が撓んだ場合でもこのピンと当接する面33内でピンとブロック部材とは良好な接触状態を保つことができる。すなわち、ピンと当接する面33が平面であるとすると、ピンがブロック部材24に対して傾いた場合、その平面(ピンと当接する面33)の縁の角部でピンと接触してしまう。角張った部位が他の部品と接触すると過大な荷重が加わり強度上好ましくないが上記構造とすることでそのような状況とならないようにすることができる。
【0036】
また、図5に詳細構造を示すように、ブロック部材24の脚部外側面においてプーリ壁面に当接する面には、凸湾曲面32が形成されている。この面32は外側に湾曲する構造であることで、プーリ壁面とブロック部材24が相対的に傾斜した場合、またはプーリ壁面から受ける圧力でブロック部材24が撓んだ場合でも、プーリ壁面とブロック部材24の脚部外側面は常に良好な接触状態を保つことができる。このプーリ壁面と当接する面32が単なる平面であると、上述したピンと当接する面33とピンとの接触の場合と同様の理由により過大な荷重集中することが生じるが、上記のように湾曲した形状とすることでそのような状況を回避することができる。
【0037】
更に、図5における2点鎖線Lは、積層したリンクプレートの最外側面に相当する位置を示すが、ブロック部材24の脚部内側の、このリンクプレート側面(最外側面)に対向する面34は、リンクプレート24の側面に対して傾斜する構造としてあり、より具体的には、脚部内側面34と、これに対向するリンクプレート22の側面(図中Lで示す線)との隙間dは、脚部根元から先端にかけて漸増する構造としてある。このような構造とすることで、ブロック部材24がプーリ壁面からの圧力を受けて撓んだ場合でも、リンクプレート側面に過大な荷重が加わらないようにすることができる。更に、リンクプレートとブロック部材24との間に上記のような漸増する隙間dを設けることで、脚部の根元(図6中Fで示す部分)ではブロック部材24とリンクプレートとを接触させ、積層したリンクプレートの間に隙間ができることを防止し、かつ、脚部先端では、プーリ壁面からの荷重を受けてブロック部材脚部が撓んでもリンクプレートに過大な荷重が加わることを防止するという効果を同時に得ることができる。
【0038】
バネ部材30は、図4に外形形状を示すように、線状のバネ材で構成され、円弧状の線部分301の両端をコ字状に内側に屈曲させた構成とされている。このバネ部材30は、両端のコ字状部分302を隣り合うピンの周面に若干拡開状態に嵌めることで、その弾性力によりピンを挟持し、ピンが積層されたリンクプレート22から抜け落ちることを防止する役目を担っている。このバネ部材30は、図2及び図3に示すように、ピンの長手方向中心付近に配置されている。
【0039】
次に、こうした構成からなる無端ベルトの作動を説明する。図1中の点Cは、プーリ(図示せず)の回転中心を示しており、無端ベルトはピッチ円半径rの曲線に沿って図示しないプーリに巻きつくようになっている。このとき、分割ピン23a,23b及びブロック部材24の、ピッチ円半径rを半径とする回転円上付近がプーリ壁面に当接する。図2から分かる通り、ピッチ線P上にピン23(分割ピン23a,23b)と、ブロック部材24が交互に並ぶように配置されており、ピンの両端面とブロック部材24の脚部外側面は略同一の平面を形成しているので、無端ベルト21がプーリに巻きつく際には、隣り合うピン23の間でブロック部材24の脚部外側面がプーリ壁面と当接することになり、隣り合うピンがプーリに巻きつく間隔より小さい間隔でピンとブロック部材が交互にプーリに当接する。すなわちプーリにベルトが当接する間隔が短くできるのでいわゆる多角形効果を低減することができる。
【0040】
更にブロック部材24は、その両脚部241が無端ベルト21の環状外周側からリンクプレート22を挟み込むように配置されており、無端ベルト21の環状内周側(図1において、プーリ回転中心Cに近い側)にはリンクプレート22とプーリ中心との間にブロック部材24は存しない。したがって、ベルトのピッチ円半径rは、リンクプレート22のピンより内側の部分の幅とプーリ中心軸を構成する部材の外径で決定され、ブロック部材24の介在によりピッチ円半径rの最小値が制約されることはない。
【0041】
上記説明したように本実施形態により、以下の効果を得ることができる。すなわち、無端ベルト21のピン23の間にプーリ壁面に当接するブロック部材24を配置したことにより、無端ベルト21がプーリと接触する間隔がピン23の間隔ではなくピン23とブロック部材24の間隔でプーリに接触するようにできるので、無端ベルト21がプーリに接触するピッチ間隔を短くできるため多角形効果を低減できる。更に、ブロック部材24は略U字形であり、その開脚部がプーリ回転軸方向を向くように、すなわち環状の無端ベルト21の環状外側から内側に向けてブロック24を、隣り合うピン23の間に、その脚部241内側面がリンクプレート22の積層方向両端面と対向するように配置されているので、ブロック部材24がリンクプレート22とプーリ回転軸との間に存することがなく、無端ベルト21のプーリ巻き付き時の最小回転半径を大きくすることなくブロック部材24を配置することができるという効果を得られる。換言すれば、リンクプレート22の積層方向の両端にピン23で係止されたブロック24がベルト21の外周部において架橋部で繋がる形状とすることで、このブロック部材24のベルト21の内周部側は開放状態とすることができ、上記の効果を得ることができる。
【0042】
また、リンクプレート22を連結するピン23が、互いに当接し得る転がり面を有する一対の分割ピン23a,23bからなることで、ベルト21がプーリに巻きつく際、ピン23を軸としてリンクプレート22が回転する場合に、ピン23とリンクプレート22、及び分割ピン23a,23b同士が摺動することなく転がりにより相対運動するので、耐久性に優れたベルトを実現することが可能となる。
【0043】
更に、ブロック部材24は、その両脚部241に、ピン23の短手方向周面を挟持する突出部26a,26bを有するので、他の部品を用いることなくブロック部材24をベルト21から脱落することを防止できる効果がある。
【0044】
また、ブロック部材24の突出部26bがピン23と接する面が凸湾曲形状となっているので、ピン23と突出部26bとの接触を常に良好な状態に保つことができる。また、ブロック部材24は、その両脚部241において、ベルト長手方向前後で隣り合うピン23aと当接する構造とすることで、ブロック部材24はベルト長手方向に遊動することなくベルト21に係止することができる。
【0045】
更に、ブロック部材24は、プーリ壁面と当接する面32が凸湾曲面形状となっているので、常にプーリ壁面と良好な接触を保つことができる。したがって安定したトルクの伝達が可能となる。またブロック部材24がプーリ壁面からの圧力により変形した場合でも同様に安定した接触状態を保つことが可能となる。
【0046】
また、ブロック部材24の脚部内側面34と、該脚部内側面と対向するリンクプレート側面Fとの隙間dの間隔が、脚部241の根元から先端に向けて逓増している構造とすることによって、ブロック部材24がプーリに巻き込まれる際、両側プーリ壁面から圧力を受け撓んだ場合でもブロック部材24を通してリンクプレート22に過大な荷重が加わることを防止することができる。
【0047】
次に、図7は先の第1実施形態に対して、ブロック部材の突出部の形状のみを変更した変形例を示す。この例におけるブロック部材40は、ピンを挟持する突出部41bがピンと接触する面の形状を、第1実施形態のように凸状の湾曲した形状でなく、第1のピン当接面42及び第2のピン当接面43とからなる形状としている。この場合の第1のピン当接面42は、ピン長手方向(図7において左右方向)に略並行であり、第2のピン当接面43は、第1のピン当接面42と角度Bをなして連続している。このような構造とすることで、図6に示すブロック部材24におけるピンと当接する面33と比較してほぼ同等の効果を得つつ、湾曲でなく2つの平面で構成することにより加工がしやすいという効果を得ることができる。
【0048】
次の図9は、本発明の第2の実施形態に係る無端ベルトの側面を示す。本実施形態では、一対の分割ピン23a,23bと、それに隣り合う一対の分割ピン23a’,23b’の間に2つのブロック部材50a,50bが嵌挿されている。この場合、一対のブロック部材50a,50bの両脚部が隣り合うピン間に挟まれる部分の幅を合わせた幅が、隣り合うピン23a’,23b’間の隙間に相当する幅とされる。この形態でも、ブロック部材50a及び50bは、それぞれ分割ピン23a,23b’を挟持する構造としてある。このような構造とすることで、無端ベルト60が図示しないプーリに巻き込まれる際に、一対の隣り合う分割ピンの間で2つのブロック部材50a,50bが順次プーリ壁面と当接することになるので、ブロック部材が1つの場合に比べてより円滑な接触とすることが可能となる。
【0049】
以上詳述した本発明による伝動用無端ベルトは、広く一般的な無段変速機に用いることを主眼としているが、プーリの回転方向について主回転方向が定義できる場合、すなわち、その無段変速機の使用状態において主にプーリを回転させる方向、例えば無段変速機が車両用に用いられる場合、車両の前進方向に対応するプーリの回転方向がこれに当る、第1実施形態に係る無端ベルトでは、図1に示すようにその回転方向Qに対してブロック部材の後端側でピンを挟持するようにベルトの向きを決定することが望ましい。すなわち図1において、ベルトが紙面右から左へ動く方向を主回転方向とすることが望ましい。このようにベルトの向きを決定することで、無段変速機駆動時の静音性をより高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る無端ベルトの部分側面図である。
【図2】図1のA−A’断面図である。
【図3】第1実施形態の無端ベルトを外周側からみた上面図である。
【図4】第1の実施形態に係る無端ベルトのバネ部材の外観正面図である。
【図5】第1の実施形態に係る無端ベルトのブロック部材の部分拡大正面図である。
【図6】第1の実施形態に係る無端ベルトの分割ピンの部分拡大図上面である。
【図7】ブロック部材の他の実施形態を示す部分拡大正面図である。
【図8】本発明に係る無端ベルトの第2実施形態を示す部分側面図である。
【図9】従来の無端ベルトの構造を示す部分断面側面図である。
【図10】図8のA−A断面図である。
【符号の説明】
21 伝動用無端ベルト
22 リンクプレート
221 挿通孔
23(23a,23b) ピン
24 ブロック部材
241 脚部
242 架橋部
26a,26b 突出部
27 段差部(長手方向外周面)
28 ストッパ部(当接面)
29a,29b 転がり面
32 脚部外側面
33 挟持面
34 脚部内側面
35c ピン端面
L リンクプレート側面
d 隙間
Claims (13)
- 2つのプーリに巻き掛けてプーリ間でトルクを伝達させる伝動用無端ベルトであって、多数のリンクプレートと、両端面をプーリ壁面との当接面とし、隣り合うリンクプレートを互いに連結して無端化するピンと、各リンクプレートに被せて隣り合うピン間にそれらピンの一方に係合させて配設されたブロック部材とからなる伝動用無端ベルトにおいて、
前記ブロック部材は、隣り合う前記ピンの間に延在してそれらピンの両端面と面一な外側面をそれぞれが有する両脚部と、該両脚部を無端化状態である当該ベルトの外周側で繋ぐ架橋部とを備えてなることを特徴とする伝動用無端ベルト。 - 前記ブロック部材の両脚部の先端は、前記リンクプレートの短手方向幅内で終端することを特徴とする請求項1記載の伝動用無端ベルト。
- 前記ブロック部材の両脚部は、前記隣り合うピン間の部分において、該隣り合うピン間の隙間に相当する幅を有することを特徴とする請求項1又は2記載の伝動用無端ベルト。
- 前記リンクプレートは、少なくともその長手方向両端部近傍に、前記ピンの挿通孔を有する板状部材で構成され、一方の挿通孔を隣り合うリンクプレートの他方の挿通孔と位置を合わせて板厚方向に多数積層させたリンクプレート群からなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の伝導用無端ベルト。
- 前記リンクプレートは、隣り合うリンクプレートと交互に板厚方向に積層されことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の伝動用無端ベルト。
- 前記ピンは、対向する周面で互いに当接する一対の分割ピンからなり、それらにより連結される前記隣り合うリンクプレートに背反する周面をそれぞれ係止され、互いの当接面を転がり面として、それらが係止されたリンクプレートの回転につれて相互に回転可能とされたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の伝動用無端ベルト。
- 前記ブロック部材は、隣り合う一方の前記ピンの周面を挟持する一対の突出部を有し、該一方のピンの周面の挟持と、隣接する一方と他方のピン間での挟持により抜け止め規制されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の伝動用無端ベルト。
- 前記ブロック部材は、少なくとも一方の前記突出部における前記ピンの周面と係合する挟持面を凸湾曲面としたことを特徴とする請求項7記載の伝動用無端ベルト。
- 前記ブロック部材の両脚部外側面は、プーリ壁面と当接する凸湾曲面を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の伝動用無端ベルト。
- 前記ブロック部材の脚部内側面は、該脚部内側面と対向する前記リンクプレート側面との間に隙間を有し、該隙間は、リンクプレート側面に当接する根元側から先端に向けて逓増することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の伝動用無端ベルト。
- 前記ブロック部材は、その両脚部を繋ぐ架橋部に、前記リンクプレートの長手方向外周面と当接し得る当接面を有し、該当接面とリンクプレートの長手方向外周面との当接により前記ピン回りの回転を制限されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載の伝動用無端ベルト。
- 前記架橋部は、前記リンクプレートの幅方向の実質上中央部に対応する位置に、リンクプレートの長手方向外周面に当接する前記当接面を有することを特徴とする請求項11に記載の伝動用無端ベルト。
- 前記ブロック部材は、2個で一対の部材からなり、それら一対のブロック部材の両脚部が前記隣り合うピン間に挟まれる部分の幅を合わせた幅が、隣り合うピン間の隙間に相当する幅であることを特徴とする請求項1、2、4〜12のいずれか1項記載の伝動用無端ベルト。
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