JP2005042803A - 無端金属ベルトの組付け方法 - Google Patents

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一朗 青戸
Hideki Yasue
秀樹 安江
Hitoshi Azuma
均 東
Masafumi Nishigaya
雅文 西ヶ谷
Hideyuki Azuma
秀行 東
Yasushi Ueda
泰史 上田
Seiji Hiroshima
誠司 弘嶋
Yuji Suzuki
裕二 鈴木
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Abstract

【課題】CVTに用いられる、厚みの異なるエレメントを多数組み付けて構成される無端金属ベルトにおいて、厚みの薄いエレメントに起因するベルト全体の強度の均等化を図る。
【解決手段】無端金属ベルトの組付け方法は、幅方向の両側面をシーブ面に接触させる複数のエレメント102を、その板厚方向に並べて環状のフープ104に通すことにより構成された無端金属ベルトを組み付ける。このエレメント102の厚みに対応して、エレメント102の厚みが薄いほど、サドル面の高さが高くなるように、また、ディンプル122およびホール123の位置を高くするように設定し、エレメント102がフープ104に組み付けられる。
【選択図】 図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、板片状の多数のエレメント(ブロックともいう)を互いに対面させて環状に配置し、それらのエレメントに金属バンドであるフープ(リングともいう)を通して各エレメントを環状に結束して構成した無端金属ベルトの組付け技術に関し、特に、無端金属ベルトを構成する場合に、厚みが異なるエレメントを組み付ける方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両においては、トランスミッションの変速比を車両の走行状況に応じて無段階に調整するベルト式無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)が搭載されることがある。このCVTは、エンジン出力を効率的に引き出すことが可能であり、燃費および走行性能の向上に優れる。
【0003】
実用化されたCVTの1つとして、金属ベルトと一対のプーリとを用いて、油圧によってプーリの有効径を変化させることで連続的に無段の変速を実現するものがある。このCVTにおいては、無端金属ベルトが、入力軸に取付けられた入力側プーリおよび出力軸に取付けられた出力側プーリに巻き掛けられて使用される。入力側プーリおよび出力側プーリは、溝幅を無段階に変えられる1対のシーブをそれぞれ備え、溝幅を変えることで、無端金属ベルトの入力側プーリおよび出力側プーリに対する巻付け半径が変わり、これにより、入力軸と出力軸との間の回転数比、すなわち変速比を連続的に無段階に変化させることができる。
【0004】
このようなCVTに使用される無端金属ベルトは、薄板状の多数(400個程度)のエレメントを組み合わせて製造される。このような無端金属ベルトが、入力側プーリおよび出力側プーリに巻掛けられてトルクを伝達する。このような無端金属ベルトがプーリ周辺の位置から他方のプーリに近づくときに、プーリに巻掛けられた状態から直線状態に変わる場合あるいはその逆の場合が発生する。この場合において、エレメント相互の整列状態が乱れる。この過渡的状態において騒音が発生する。
【0005】
この騒音のピーク値は、均一な厚みのエレメントを使用した場合に最大になる。このため、厚みの異なる2種類以上のエレメントを組み合わせて使用することが考えられた。特開昭64−55447号公報(特許文献1)は、このような無端金属ベルトと同じ構成を有するブロック式金属ベルトを開示する。このブロック式金属ベルトは、リングに対してブロックエレメントを摺動自在に支持した圧縮形のものにおいて、ブロックエレメントは、厚さが異なる2種類以上のエレメントE(1)ないしE(N)(N≧2)をリングにランダム配列してなり、エレメントの内、最大個数エレメントE(1)に対する他のエレメントの厚みの差の比がr(2)ないしr(N)なる時、それらの比r(2)ないしr(N)の最小値r(M)が0.05以上0.5以下の範囲にあり、エレメントE(1)を除く他のエレメントの個数の、全体に対する構成比P(T)(=P(2)+…+P(N))が10%以上50%以下の範囲であって、r(M)が0.05でP(T)が22%の条件から、r(M)が0.3でP(T)が10%の条件まではP(T)が一次関数的に減少する境界以下を除く範囲にあることを特徴とするものである。
【0006】
この特許文献1に開示されたブロック式金属ベルトによると、エレメントの厚差比、構成比が所定条件にあるとき、エレメントのランダム配置により構成される金属ベルトが製造管理上で厚さの種類のエレメントの組合せにおいて、またベルトの強度の面で実質的に有利なエレメントの厚さにおいて、ベルト音の低減効果を発現することができる。
【0007】
【特許文献1】
特開昭64−55447号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示されたブロック式金属ベルトでは、厚みが異なる複数の種類のエレメントをランダムに組み合わせて無端金属ベルトが製造される。すなわち、この特許文献1に開示されたように、ブロック式金属ベルト(無端金属ベルト)は、厚さの異なる複数の種類のエレメントを準備し、これら複数の種類のエレメントを予め定められた個数の比率でランダムに組み合わせることにより製造される。このような無端金属ベルトのエレメントは、金属板をファインブランキングして、所定の厚みになるように製造される。
【0009】
一方、無端金属ベルトの周長は所定の周長にしなければならない。このため、騒音の発生を回避するためだけではなく、所定の周長を満足するためにも、厚みの異なるエレメントを準備しておいて、それらを適宜組み合わせて、無端金属ベルトが組み付けられる。
【0010】
このような厚みの異なる複数のエレメントをそのままランダムに組み付けただけでは、厚みの薄いエレメントに引張力が発生した場合に、その厚みが薄い個とによる強度不足が発生する可能性がある。すなわち、厚みの薄いエレメントは、断面積が小さいので、厚みが厚いエレメントと同じ力(引張力)を受けた場合に、より大きな応力が発生するためである。
【0011】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、厚みの異なるエレメントを多数組み付けて構成される無端金属ベルトにおいて、薄いエレメントによるベルト全体の強度の均等化を図るような、無端金属ベルトの組付け方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る無端金属ベルトの組付け方法は、幅方向の両側面をシーブ面に接触させる複数のエレメントを、その板厚方向に並べて環状のフープに通すことにより構成された無端金属ベルトを組み付ける方法である。この組付け方法は、エレメントの厚みに対応して決定されたエレメント間の相対的位置になるように、エレメントをフープに組み付けるものである。
【0013】
第1の発明によると、無端金属ベルトを構成する多数のエレメントの中で、その厚みが薄いものは、他のエレメントとの相対的な位置を意図的にずらすように組み付けられる。たとえば、サドル面を上方にしてエレメントを見た場合、厚みが薄いエレメントのサドル面の位置は、他のエレメントのサドル面の位置よりも高くなるように、設定する。特に、厚みの薄いエレメントほどよりサドル面の位置が高くなるようにするとよい。このようにすると、無端金属ベルトの周長を所定の周長にするために、厚みの異なるエレメントを組み合わせる場合、厚みの薄いエレメントは、そのエレメントに隣接するエレメントから圧縮力を受ける。このため、厚みの薄いエレメントのサドル面の位置を意図的に上げておくことにより、厚みの薄いエレメントの強度向上を図ることができる。その結果、厚みの異なるエレメントを多数組み付けて構成される無端金属ベルトにおいて、薄いエレメントがあっても、ベルト全体の強度向上が可能な、無端金属ベルトの組付け方法を提供することができる。
【0014】
第2の発明に係る無端金属ベルトの組付け方法は、幅方向の両側面をシーブ面に接触させる複数のエレメントを、その板厚方向に並べて環状のフープに通すことにより構成された無端金属ベルトを組み付ける方法である。この組付け方法は、エレメントの厚みを測定する測定ステップと、測定された厚みに基づいて、エレメント間の相対的位置を決定する決定ステップと、決定された相対的位置になるようにエレメントをフープに組み付ける組付けステップとを含む。
【0015】
第2の発明によると、無端金属ベルトを構成する多数のエレメントの中で、その厚みが薄いものは、他のエレメントとの相対的な位置を意図的にずらすように決定される。たとえば、サドル面を上方にしてエレメントを見た場合、厚みが薄いエレメントのサドル面の位置は、他のエレメントのサドル面の位置よりも高くなるように、設定する。このようにすると、無端金属ベルトの周長を所定の周長にするために、厚みの異なるエレメントを組み合わせる場合、厚みの薄いエレメントは、そのエレメントに隣接するエレメントから圧縮力を受ける。このため、厚みの薄いエレメントのサドル面の位置を意図的に上げておくことにより、厚みの薄いエレメントの強度向上が可能となる。その結果、厚みの異なるエレメントを多数組み付けて構成される無端金属ベルトにおいて、薄いエレメントがあっても、ベルト全体の強度向上が可能な、無端金属ベルトの組付け方法を提供することができる。
【0016】
第3の発明に係る無端金属ベルトの組付け方法においては、第1または2の発明の構成に加えて、相対的位置は、厚みが薄いエレメントと他のエレメントとの相対的な位置であって、厚みが薄いエレメントの位置が他のエレメントの位置よりも、フープからより離れる位置である。
【0017】
第3の発明によると、厚みが薄いエレメントと他のエレメントとの位置は、厚みが薄いエレメントが他のエレメントよりもフープからより離れる位置に決定される。サドル面を上方にして見た場合、厚みが薄いエレメントのサドル面の位置は、他のエレメントのサドル面の位置よりも高くなるように、設定する。厚みの薄いエレメントは、そのエレメントに隣接するエレメントから圧縮力を受ける。その結果、多数のエレメントの中に厚みの薄いエレメントがあっても、ベルト全体の強度向上が可能な、無端金属ベルトの組付け方法を提供することができる。
【0018】
第4の発明に係る無端金属ベルトの組付け方法においては、第1または2の発明の構成に加えて、相対的位置は、厚みが薄いエレメントと他のエレメントとの相対的な位置であって、厚みが薄いエレメントの位置が他のエレメントの位置よりも、無端金属ベルトが巻掛けられるプーリの回転中心から外側の方向の位置である。
【0019】
第4の発明によると、厚みが薄いエレメントと他のエレメントとの位置は、厚みが薄いエレメントが他のエレメントよりも無端金属ベルトが巻掛けられるプーリの回転中心から外側の方向の位置に決定される。サドル面を上方にして見た場合、厚みが薄いエレメントのサドル面の位置は、他のエレメントのサドル面の位置よりも高くなるように、設定する。厚みの薄いエレメントは、そのエレメントに隣接するエレメントから圧縮力を受ける。その結果、多数のエレメントの中に厚みの薄いエレメントがあっても、ベルト全体の強度向上が可能な、無端金属ベルトの組付け方法を提供することができる。
【0020】
第5の発明に係る無端金属ベルトの組付け方法においては、第1または2の発明の構成に加えて、相対的位置は、厚みが薄いエレメントと他のエレメントとの相対的な位置であって、厚みが薄いエレメントのサドル位置が他のエレメントのサドル位置よりも、無端金属ベルトが巻掛けられるプーリの回転中心から外側の方向の位置である、
第5の発明によると、厚みが薄いエレメントと他のエレメントとの位置は、厚みが薄いエレメントのサドル位置が他のエレメントのサドル位置よりも無端金属ベルトが巻掛けられるプーリの回転中心から外側の方向の位置に決定される。サドル面を上方にして見た場合、厚みが薄いエレメントのサドル面の位置は、他のエレメントのサドル面の位置よりも高くなるように、設定される。厚みの薄いエレメントは、そのエレメントに隣接するエレメントから圧縮力を受ける。その結果、多数のエレメントの中に厚みの薄いエレメントがあっても、ベルト全体の強度向上が可能な、無端金属ベルトの組付け方法を提供することができる。
【0021】
第6の発明に係る無端金属ベルトの組付け方法においては、第1〜5のいずれかの発明の構成に加えて、決定された相対的位置を満足するように、エレメントの表裏に設けられた嵌合部の位置をずらせてエレメントがフープに組み付けられるものである。
【0022】
第6の発明によると、厚みの薄いエレメントのおける凸部(ディンプル)および凹部(ホール)の高さ方向の位置は、他のエレメント(厚みが通常のエレメント)よりも高い位置に設けられる。そのため、厚みの薄いエレメントは、そのエレメントに隣接する通常の厚みのエレメントから圧縮力を受ける。その結果、多数のエレメントの中に厚みの薄いエレメントがあっても、ベルト全体の強度向上が可能な、無端金属ベルトの組付け方法を提供することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0024】
以下の説明では、多数のエレメントが互いに板厚方向に環状に並べて配置され、その左右のサドル部にフープを通して各エレメントが結束されて構成された無端金属ベルトおよびその無端金属ベルトを使用したベルト式無段変速機について説明する。
【0025】
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る無端金属ベルトが用いられるベルト式無段変速機100について説明する。このベルト式無段変速機100においては、無端金属ベルト106が、入力軸200に取付けられた入力側プーリ220および出力軸300に取付けられた出力側プーリ320に巻き掛けられて使用される。
【0026】
入力側プーリ220および出力側プーリ320は、溝幅を無段階に変えられる1対のシーブ108をそれぞれ備え、車両の走行状態に応じて制御される油圧回路により溝幅を変えることで、無端金属ベルト106の入力側プーリ220および出力側プーリ320に対する巻付け半径が変わり、これにより入力軸200と出力軸300との間の回転数比、すなわち変速比を連続的に無段階に変化させることができる。
【0027】
図2を参照して、無端金属ベルト106は、多数のエレメント102が互いに板厚方向に環状に並べて配置され、その左右のサドル部に環状の金属帯であるフープ104を通して各エレメント102が結束されて、図3に示すように、全体として、無端金属ベルト106が構成される。
【0028】
エレメント102の形状の一例を、図4および図5に示す。エレメント102の幅方向の両側の側面は、シーブ108におけるテーパ状のシーブ面110に接触する対シーブ摩擦面112であって、シーブ面110と一致するテーパ面とされている。その対シーブ摩擦面112を備えた基体部分114の幅方向での中心部に、図4での上側に延びた首部116が形成され、その首部116が、左右に広がった頂部118につながっている。その左右に広がった頂部118と基体部分114との間にスリットが形成されており、この左右2つのスリットの部分にフープ104が通されている。そして、基体部分114におけるフープ104が接触する面がサドル面120となっている。
【0029】
このサドル面120の高さは、基体部分114を横切るピッチ線Pからの寸法で表わされる。また、エレメント102の幅は、ピッチ線P上の寸法で表わされる。なお、頂部118のうち首部116の延長位置であって、一方の面側の所定位置には凸部であるディンプル122が、他方の面側の対応する位置には凹部であるホール123が形成されており、互いに隣接するエレメント102のディンプル122とホール123が互いに嵌合するようになっている。なお、ディンプル122を有する面がエレメントの表面、ホール123を有する面がエレメントの裏面である。このような無端金属ベルトのエレメント102は、薄板状の金属板を打ち抜き加工して製造され、その後、ディンプル122およびホール123は、プレス加工により形成される。ディンプル122およびホール123は、テーパ面を有する。
【0030】
図4に示すように、サドル面120は上に凸の曲面形状を有する。この曲面形状に沿ってフープ104が当接している。
【0031】
無端金属ベルト106は、1対のシーブ108の間に挟み付けられて使用される。その場合、シーブ面110および対シーブ摩擦面112がテーパ面であるために、各エレメント102には、シーブ108による挟圧力により半径方向での外側に荷重が作用するが、各エレメント102がフープ104によって結束されているので、フープ104の張力により半径方向での外側への移動が規制される。その結果、シーブ面110と対シーブ摩擦面112との間に摩擦力が生じ、あるいは油膜の剪断力が生じてシーブ108と無端金属ベルト106との間でトルクが伝達される。
【0032】
フープ104は、図2および図4に示すように、多層のリングを積層して形成される(ただし、図2および図4では多層ではなく3層として表わしている)。この場合、下層のリングほど、周長が短く、上層のリングほど、周長が長くなる。
【0033】
図2および図3に示すように、無端金属ベルト106は、フープ104に多数のエレメント102を組み付けることにより製造される。このフープ104に組み付けられる所定の個数(たとえば400個)のエレメントの全ての厚みは、均一ではない。これは、無端金属ベルト106の周長を所定の周長にするために、厚みの異なる複数の種類のエレメント102を準備して、それら複数の種類のエレメント102を適宜組み合わせて所定の周長になるように組み付ける必要があるためである。
【0034】
エレメント102においては、たとえば図4および図5に示すように、プーリの端面位置からの距離Sがサドル位置度として定義される。厚みの薄いエレメント102は、厚みの厚いエレメント102よりもこのサドル位置度を意図的に小さくする(サドル面120の位置を意図的に上げるように)設定する。
【0035】
図6に、入力側プーリ220と、出力側プーリ320と、それらのプーリに巻掛けられる無端金属ベルト106とを模式的に示す。図6に示すように、無端金属ベルト106は、入力側プーリ220と、出力側プーリ320とに巻掛けられて、入力側プーリ220から出力側プーリ320へトルクを伝達する。このとき、エレメント102は、入力側プーリ220または出力側プーリ320、フープ104および隣接するエレメント102のそれぞれから力を受ける。
【0036】
図7に、図6のA部(プーリ噛合い部)の拡大図を示す。このようなプーリ噛合い部においては、ディンプル122およびホール123と、フープ104との間で引張力が発生する場合、特に、厚みの薄いエレメント102は強度的に不利になる。
【0037】
図8にエレメント102への力の入力状態を示す。エレメント102には、その平面上において、入力側プーリ220または出力側プーリ320から受ける力と、フープ104から受ける力と、隣接するエレメント102から受ける力とが存在する。隣接するエレメント102から受ける力の向きは、エレメント102間の相対的な位置の関係により異なる。たとえば、図9に示すように、3つのエレメント102の中の真ん中のエレメント102のサドル位置度が上側にずれていた場合には、この真ん中のエレメント102には左右に隣接するエレメント102から下向きの力を受ける。
【0038】
また、真ん中のエレメント102と、両側に隣接するエレメント102とでは、ディンプル122およびホール123の高さ方向の位置がずらして設けられており、厚みの薄いエレメント102のディンプル122およびホール123の位置は高い位置になるような場合にも、この真ん中のエレメント102には左右に隣接するエレメント102から下向きの力を受ける。
【0039】
以下、このエレメント102をフープ104に組み付ける、無端金属ベルト106の組付け方法の手順について説明する。
【0040】
エレメント102を製造する場合において、エレメント102の厚みごとにロットを変更して、多数のエレメント102を製造する。通常よりも薄い厚みの板材を用いて、エレメント102を打抜き加工して、1ロット分のエレメント102を多数製造する。このときに用いられる金型は、サドル位置度が高くなるなような金型である。
【0041】
他のロットとして、通常の厚みの板材を用いて、エレメント102を打抜き加工して、1ロット分のエレメント102を多数製造する。このときに用いられる金型は、厚みが薄いエレメント102のディンプル122およびホール123の位置よりもサドル位置度が低くなるなような金型である。
【0042】
このように、ロットを変更して、エレメント102の厚みが薄いほど、サドル位置度が高くなる(サドル面120が高くなる)ように、ディンプル122およびホール123が設けられた多数のエレメント102が製造される。無端金属ベルト106が所定の周長になるように、厚みの異なるエレメント102を適宜組み合わせて、厚みの薄いエレメント102と厚みの薄くないエレメント102とが隣接するようにして、無端金属ベルト106が製造される。
【0043】
このようにして製造されたエレメント102の中で厚みの薄いエレメント102は、図10に示すような圧縮力を、隣接する通常の厚みのエレメント102から受ける。特に、厚みが複数の種類ある場合には、厚みが薄いエレメント102ほどサドル位置度を上げる、また、厚みが薄いエレメント102ほどディンプル122およびホール123の位置を上げることにより、発生する応力の均等化を図ることもできる。また、これらの両方ともを設定することで、さらに効果が上がる。
【0044】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る無端金属ベルトを用いたベルト式無段変速機の断面図である。
【図2】無端金属ベルトを説明するための部分斜視図である。
【図3】無端金属ベルトの全体構成を示す斜視図である。
【図4】エレメントの正面図である。
【図5】エレメントの側面図である。
【図6】入力側プーリと出力側プーリとそれらのプーリに巻掛けられる無端金属ベルトとを模式的に示す図である。
【図7】図6のA部の拡大図である。
【図8】エレメントへの力の入力状態を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る無端金属ベルトの部分拡大図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る無端金属ベルトを構成する薄いエレメントにおける力の入力状態を示す図である。
【符号の説明】
100 無段変速機、102 エレメント、104 フープ、106 無端金属ベルト、108 シーブ、110 シーブ面、112 対シーブ摩擦面、114 基体部分、116 首部、118 頂部、120 サドル面、122 ディンプル、123 ホール、124 傾斜面、200 入力軸、220 入力側プーリ、300 出力軸、320 出力側プーリ。

Claims (6)

  1. 幅方向の両側面をシーブ面に接触させる複数のエレメントを、その板厚方向に並べて環状のフープに通すことにより構成された無端金属ベルトの組付け方法であって、
    前記エレメントの厚みに対応して決定された前記エレメント間の相対的位置になるように、前記エレメントを前記フープに組み付ける、無端金属ベルトの組付け方法。
  2. 幅方向の両側面をシーブ面に接触させる複数のエレメントを、その板厚方向に並べて環状のフープに通すことにより構成された無端金属ベルトの組付け方法であって、
    前記エレメントの厚みを測定する測定ステップと、
    測定された厚みに基づいて、前記エレメント間の相対的位置を決定する決定ステップと、
    決定された相対的位置になるように前記エレメントを前記フープに組み付ける組付けステップとを含む、無端金属ベルトの組付け方法。
  3. 前記相対的位置は、前記厚みが薄いエレメントと他のエレメントとの相対的な位置であって、前記厚みが薄いエレメントの位置が前記他のエレメントの位置よりも、前記フープからより離れる位置である、請求項1または2に記載の無端金属ベルトの組付け方法。
  4. 前記相対的位置は、厚みが薄いエレメントと他のエレメントとの相対的位置であって、前記厚みが薄いエレメントの位置が前記他のエレメントの位置よりも、前記無端金属ベルトが巻掛けられるプーリの回転中心から外側の方向の位置である、請求項1または2に記載の無端金属ベルトの組付け方法。
  5. 前記相対的位置は、前記厚みが薄いエレメントと他のエレメントとの相対的な位置であって、前記厚みが薄いエレメントのサドル位置が前記他のエレメントのサドル位置よりも、前記無端金属ベルトが巻掛けられるプーリの回転中心から外側の方向の位置である、請求項1または2に記載の無端金属ベルトの組付け方法。
  6. 前記エレメントは、前記決定された相対的位置を満足するように、前記エレメントの表裏に設けられた嵌合部の位置をずらせて前記エレメントを前記フープに組み付けられる、請求項1〜5のいずれかに記載の無端金属ベルトの組付け方法。
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