JP2005121071A - 動力伝達チェーン及びそれを用いた動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達チェーン及びそれを用いた動力伝達装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 プーリ間にミスアライメントが存在しても異常摩耗や異常すべりの発生を有効に抑制することができ、かつ静粛性に優れた動力伝達チェーンおよびそれを用いた動力伝達装置を提供する。
【解決手段】 貫通孔4を有する複数のリンク2と、貫通孔4に挿通され複数のリンク2を相互に連結する複数のピン3と、貫通孔4に挿通されピン3の一側面と接触する一側面を有する複数のストリップ5と、を備える動力伝達チェーン1である。
この動力伝達チェーン1では、ピン3の一側面又はストリップ5の一側面の少なくとも一方に、チェーン幅方向のクラウニングを設けている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両のチェーン式無段変速機などに用いられる動力伝達チェーン及びそれを用いた動力伝達装置に関するものである。
自動車の無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)としては、例えば、エンジン側に設けられたドライブプーリと、駆動輪側に設けられたドリブンプーリと、これら両プーリ間に架け渡された無端帯状のチェーンとを備えたものがある。このチェーンとしては、複数のリンクと、これらを相互に連結する複数のピンと、複数のストリップとを備えたものがある。このようないわゆるチェーン式無段変速機では、各プーリの内側に略対向して設けられた2つの円錐面からなるシーブ面とチェーンのピン端面との間に作用する接触摩擦力によりトラクションを発生させて動力を伝達する。そして、ドライブプーリ及びドリブンプーリのそれぞれにおいて略対向する円錐面の対向距離(溝幅)を連続的に変化させて、各プーリの有効径を連続的に変化させる。その結果、変速比が連続的に(無段階に)変化し、従来のギア式とは異なるスムースな動きで無段変速を行うことができる。
このようなチェーン式無段変速機において、チェーンは、動力伝達効率を高めるべく、リンクの貫通孔にピンやストリップを圧入して構成されている(例えば特許文献1参照。)。
特開平8−312725号公報(第4頁)
上記のような従来のチェーンは、各プーリの周方向に沿って巻き付くような屈曲(以下、周方向屈曲などという)は当然に可能とされているが、それ以外の屈曲は殆ど許容されないので、2つのプーリ間に生じるミスアライメントを適切に許容(吸収)することができない。即ち、図6の(a)〜(c)に示すような、ドライブプーリ31とドリブンプーリ32との間の水平方向(プーリ回転軸方向)にずれを生じるミスアライメントAや、プーリ31,32が互いに異なる方向を向くことで生じるミスアライメントBや、プーリ31,32間で互いにねじれた関係になることで生ずるミスアライメントCや、これらA,B,Cの組み合わせにより生ずるミスアライメントを適切に吸収することができず、特に巻き掛け角度の小さい側のプーリで適切なクランプを行うのが難しい。そのため、長期にわたり動力伝達を行うと、プーリのシーブ面とピン端面との間で片当たりが生じて当該シーブ面やピン端面に異常摩耗が発生したり、当該シーブ面とピン端面との間で異常すべりが発生したりしてしまうという問題がある。
また、前述の如く、従来のチェーンでは周方向屈曲以外の屈曲において柔軟性に乏しいため、ピンがプーリに巻き込まれる際などにピンがプーリに強く当たってしまい、大きな音が発生するという問題もある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、プーリ間のミスアライメントを許容して異常摩耗や異常すべりの発生を有効に抑制することができ、かつ静粛性に優れた動力伝達チェーンおよびそれを用いた動力伝達装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明の動力伝達チェーンは、貫通孔を有する複数のリンクと、前記貫通孔に挿通され前記複数のリンクを相互に連結する複数のピンと、前記貫通孔に挿通され前記ピンの一側面と接触する一側面を有する複数のストリップと、を備えるとともに、円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリとの間に架け渡されて用いられ、前記ピンの両端面と前記第1及び第2のプーリのシーブ面とが接触して動力を伝達する動力伝達チェーンであって、前記ピンの前記一側面又は前記ストリップの前記一側面の少なくとも一方に、チェーン幅方向のクラウニングを設けていることを特徴とする動力伝達チェーンとしている。
かかる構成とすると、チェーン幅方向のクラウニング(凸曲面)により、ピンとストリップとの接触角度に自由度が生じるので、周方向屈曲以外の屈曲に対して柔軟性を有するチェーンとなる。
上記動力伝達チェーンにおいて、前記クラウニングにより生ずる前記ピンと前記ストリップとの隙間距離の最大値は、10μm以上150μm以下であるのが好ましい。さらに好ましくは30μm以上100μm以下であるのがよい。この値が小さすぎると、ピンとストリップとの接触角度の自由度が十分に得られず、クラウニングを設けた上記効果が少なくなる傾向となる。また、この値が大きすぎると、ピンがピン軸中心に回転する等によりチェーンの動力伝達効率が低下する場合がある。
よって、上記数値範囲に設定することにより、チェーンに十分な柔軟性を付与して異常摩耗や異常すべりを抑制することができ、且つ静粛性に優れたチェーンとすることができる。さらに、高い動力伝達効率を確保できる。
本発明の動力伝達装置は、円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1及び第2のプーリの間に架け渡される動力伝達チェーンと、を備えた動力伝達装置であって、前記動力伝達チェーンが、上記した動力伝達チェーンであることを特徴としている。
かかる構成によれば、第1のプーリと第2のプーリとの間にミスアライメントが存在したとしても、上記した動力伝達チェーンが当該ミスアライメントを許容するので、異常摩耗や異常すべりの発生が抑制され、且つ、静粛性の高い動力伝達装置となる。
以上に記載したように、本発明に係る動力伝達チェーンは、前記ピンの一側面又は前記ストリップの一側面の少なくとも一方に、チェーン幅方向のクラウニングを設けることにより、ミスアライメントを許容して異常摩耗や異常すべりが効果的に抑制することができる。
また、本発明の動力伝達装置は、上記のチェーンを用いているので、異常摩耗や異常すべりが効果的に抑制され、長期にわたり安定して動力伝達を行うことができる。また、動力伝達時における発生音を小さくすることができる。
以下に、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の一実施形態に係るチェーン式無段変速機用のチェーン(以下単に「チェーン」ともいう)の要部構成を模式的に示す斜視図である。また図2は、ピン3及びストリップ5の長手方向に垂直な断面におけるリンク2の部分断面図である。本形態に係るチェーン1は、全体として無端帯状をなし、複数の金属製リンク2と、これらリンク2を相互に連結するための複数の金属製ピン3と、これらピン3よりも長手方向長さが若干短い複数のストリップ5とから構成されている。リンク2及びピン3は、例えば軸受鋼等の金属からなる。なお、図1では、チェーン1の幅方向略中央付近のリンクの記載を一部省略している。
図1及び図2に示すように、個々のリンク2は、略長方形の板状部材の角を丸めたような外形をなしており、且つその長手方向に並列して2つの貫通孔4を有している。そして、いずれの貫通孔4にも、ピン3とストリップ5とがそれぞれ一本ずつ挿通されている。リンク2は、チェーン幅方向に複数枚重複して配置されるとともに、チェーン帯長手方向位置を順次ずらしながら配置されている。そして、チェーン帯長手方向の位置が異なる複数のリンク2の貫通孔4に一本のピン3を貫通させることにより、複数のリンク2を相互に連結して、無端帯状のチェーン1とされている。
ピン3の両側面3aは、ストリップ5の両側面よりもチェーン幅方向外側に位置しており、この両側面3aがプーリのシーブ面と接触することになる。
図4は、このチェーン1を備えた本発明に係る動力伝達装置の一実施形態に係るチェーン式無段変速機50の概略構成を示す斜視図である。このチェーン式無段変速機50は、例えば自動車用の変速機として用いることができるものであり、第1のプーリとしての金属製ドライブプーリ10と、第2のプーリとしての金属製ドリブンプーリ20と、それらプーリ10,20の間に架け渡された無端帯状のチェーン1とを備えている。プーリ10,20は、例えば軸受鋼等の金属からなる。なお、図4中において、理解を容易とするためチェーン1の断面を一部明示している。
図5は、無段変速機50の、プーリ10又は20における断面図(プーリ10,20の径方向に沿った断面における断面図)である。同図に示すように、チェーン1におけるピン3の両側面3aが、プーリ10(20)の内側で互いに対向する円錐面状のシーブ面12a,13a(22a,23a)と接触し、この接触摩擦力によりトラクションを伝達する。
図1に示すように、ピン3及びストリップ5は、断面略長方形の棒状部材であるが、それらの断面形状、及び、貫通孔4の形状は、チェーン1の周方向屈曲が確保されるように工夫されている。そして、図2にあるように、ピン3及びストリップ5の断面形状は単純な長方形ではなく、滑らかな曲線から構成された形状となっている。ピン3の一側面とこれに隣接するストリップ5の一側面とは、接触部Sにおいて接触している。この接触部Sの前記各一側面上における位置は、チェーン1の周方向屈曲の度合いにより適宜移動する。なお、この接触部Sの接触の態様は、転がり摺動接触、即ち、転がり接触若しくは滑り接触又はこれら両接触が複合した接触である。これらの接触態様のなかでも、特に転がり接触とするのが好ましい。この場合、チェーン1動作時の振動や騒音を効果的に抑制できる。また、ピン3の一側面とこれに隣接するストリップ5の一側面のうちの一方にチェーン幅方向のクラウニング(凸曲面)を設け、他方はチェーン幅方向のクラウニングを設けずチェーン幅方向において平坦とするのが好ましい。
また、クラウニング(凸曲面)の断面形状は、インボリュートであるのがさらに好ましい。この場合、チェーン1動作時の振動や騒音を最小限に抑制できる。
このようにピン3とストリップ5とが接触しているので、ピン3がプーリのシーブ面にクランプされる際、ピン3がピン軸中心に回転することが殆ど無くなる。このため、摩擦損失が低減し、高い動力伝達効率を確保することができる。
図3は、チェーン幅方向(ピン3やストリップ5の長手方向)に平行で且つピン3とストリップ5とが接触する接触部Sを含む断面(図2のX−X線)における、ピン3とストリップ5との断面図である。同図に示すように、ストリップ5と接触するピン3の一側面には、チェーン幅方向のクラウニング(凸曲面)が設けられている。
なお、図3では、理解しやすくするために、クラウニングの曲率を実際よりも大きくした図としている。
このように、ピン3の一側面にチェーン幅方向のクラウニングを設けているので、図3の断面視において、接触部Sのチェーン幅方向両側に、帯長手方向で距離dの隙間が生じる。そして、ストリップ5の長手方向両端位置において、この隙間距離dは最大値のdmとなっている。本実施形態においては、クラウニングは、ピン3の長手方向全体に亘って略同一の曲率で設けられているため、隙間距離dの最大値dmはかかる曲率に依存している。また、ストリップ5の長手方向長さはピン3のそれよりも短くなっている結果、ストリップ5の両端位置において隙間距離dが最大となっている。
なお、この隙間距離d及び隙間距離の最大値dmは、チェーン幅方向に設けた前記クラウニングにより生じたものを意味しており、かかるクラウニングが無くてもピン3とストリップ5との間に存在する隙間p(図2参照)の隙間距離ではない。
ここで、隙間距離dの最大値dmの測定方法は次のように定める。
いずれの方向にも屈曲させることなく真っ直ぐな状態としたチェーン1を、チェーン幅方向及びチェーン帯長手方向のいずれも水平にした状態で水平面上に載置した基準状態を考える。なお、チェーン1は無端帯状であるが、ここではチェーン1のうち水平面上に接触していずれの方向にも屈曲していない部分を考えている。そして、前記隙間距離の最大値dmは、かかる基準状態のチェーン1において、ピン3とストリップ5とが接触する接触部Sの中心点(図心のこと。接触部Sが点である場合は、その点。)を通る水平面(図2のX−X線参照)を断面とし、この断面(図3参照)におけるピン3とストリップ5との隙間距離dの最大値である。
また、この隙間距離の最大値dmは、チェーン1の屈曲性に関連するものであるから、チェーン1が(あらゆる方向に)屈曲することにより前記接触部Sが移動しうる範囲内における最大値であって、チェーン1の柔軟性と関連する可能性の全く無い部分の隙間距離は考慮しない。即ち、例えば図3の断面視において、対向するピン3又はストリップ5の一側面に、凹み部分があったり、ピン3又はストリップ5の両端付近において隙間距離dが極端に増加したりして、チェーン1をあらゆる方向に限界まで屈曲させても接触部Sとなりえないような部分が存在している場合は、当該部分の隙間距離は考慮しない。
そして、本実施形態では、クラウニングにより生ずるピン3とストリップ5との隙間距離の最大値dmを10μm以上150μm以下としている。
ここで、この無段変速機50が変速機として機能するしくみについて説明する。
図4に示すドライブプーリ10は、エンジン側に接続された入力軸11に一体回転可能に取り付けられたものであり、円錐面状のシーブ面12aを有する固定シーブ12と、このシーブ面12aに対向して配置される円錐面状のシーブ面13aを有する可動シーブ13とを備えている。そして、これらシーブ面12a,13aによりチェーン1を側面から強圧で挟み込むようになっている。また、可動シーブ13には、油圧アクチュエータ(図示せず)が接続されており、これにより可動シーブ13は入力軸11の軸方向に可動とされている。可動シーブ13が移動すると、対向するシーブ面12a,13aの対向距離(溝幅)が変化する。チェーン1のチェーン幅は常に一定であるので、チェーン1はそのチェーン幅に見合った径方向位置でドライブプーリ10に巻き付き、チェーン1の巻掛け半径が変化する。
一方、ドリブンプーリ20においても、ドライブプーリ10と同様、以下に記載の原理でチェーン1の巻掛け半径が変化する。
ドリブンプーリ20は、駆動輪側に接続された出力軸21に一体回転可能に取り付けられており、円錐面状のシーブ面22aを有する固定シーブ22と、このシーブ面22aに対向して配置される円錐面状のシーブ面23aを有する可動シーブ23とを備えている。そして、これらシーブ面22a,23aによりチェーン1を側面から強圧で挟み込むようになっている。また、可動シーブ23には、油圧アクチュエータ(図示せず)が接続されており、これにより可動シーブ23は出力軸21の軸方向に可動とされている。可動シーブ23が移動すると、対向するシーブ面22a,23aの対向距離(溝幅)が変化する。チェーン1のチェーン幅は常に一定であるので、チェーン1はそのチェーン幅に見合った径方向位置でドリブンプーリ20に巻き付くので、チェーン1の巻掛け半径が変化する。
そして、よりローギアな状態に変速する場合には、ドライブプーリ10側の溝幅を可動シーブ13の移動によって拡大させてチェーン1のドライブプーリ10における巻掛け半径を小さくすると同時に、ドリブンプーリ20側の溝幅を可動シーブ23の移動によって縮小させてチェーン1のドリブンプーリ20における巻掛け半径を大きくする。
逆に、よりハイギアな状態に変速する場合には、ドライブプーリ10側の溝幅を可動シーブ13の移動によって縮小させてチェーン1のドライブプーリ10における巻掛け半径を大きくすると同時に、ドリブンプーリ20側の溝幅を可動シーブ23の移動によって拡大させてチェーン1のドリブンプーリ20における巻掛け半径を小さくする。このようにして、無段変速機能が奏される。
以上のように構成されたチェーン1及びチェーン式無段変速機50は、次のような作用効果を奏する。
まず、ピン3の一側面又はストリップ5の一側面の少なくとも一方に設けたチェーン幅方向のクラウニング(凸曲面)により、ピン3とストリップ5との接触角度に自由度が生じるので、周方向屈曲以外の方向の屈曲に対して柔軟性を有するチェーンとなる。したがって、前記したミスアライメントA〜C及びこれらが複合したミスアライメントを許容することができ、異常摩耗や異常すべりを効果的に抑制でき、且つ、無段変速機50が動作する際に発生する音を小さくすることができる。
さらに、クラウニングにより生ずる前記ピンと前記ストリップとの隙間距離の最大値dmを10μm以上としているので、ピン3とストリップ5との接触角度の自由度が十分に得られ、前記クラウニングを設けた効果が確実に奏される。そして、前記ミスアライメントA〜C及びこれらが複合したミスアライメントを許容することができる。
また、この最大値dmを150μm以下としたので、ピンがピン軸中心に回転する等により生ずるチェーンの動力伝達効率の低下を最小限とすることができる。
即ち、隙間距離の最大値dmを10〜150μmに設定することにより、クラウニングの効果を最適化することができ、且つ高い動力伝達効率を確保できる。同様の理由で、この隙間距離の最大値dmは、30μm〜100μmとするとより好ましい。
そして、チェーン1を用いたチェーン式無段変速機50は、ドライブプーリ10とドリブンプーリ20との間にミスアライメントが存在したとしても、上記した動力伝達チェーン1が当該ミスアライメントを許容するので、異常摩耗や異常すべりの発生が抑制され、且つ、静粛性の高い動力伝達装置となる。そして、長期にわたり安定して動力伝達を行うことができる。
前述のように、前記した隙間距離の最大値dmを10μm以上とすることが好ましいが、更に好ましくは、この最大値dmが、第1のプーリと第2のプーリとの間のミスアラインメント量を許容するのに必要な大きさ以上とされているのがよい。ここで、「ミスアライメント量」とは、第1のプーリと第2のプーリとのずれの度合いを表す指標であり、前記ミスアライメントA〜C及びこれらが複合したミスアライメントにおける角度もしくは距離(またはそれらの複合)のずれ量のことである。なお、前記ミスアライメントA〜Cのいずれも存在しない状態は、ミスアライメント量が0である。
なお、最大値dmが10μm以上であると、大部分の製品で発生するミスアライメント量を許容することができる。
前記実施形態では、ピン3の一側面と接触する一側面を有するストリップ5を備えた動力伝導チェーン1において、ピン3の一側面のみにクラウニングを設けたが、これに限られず、ストリップ5側(ストリップ5の一側面)のみにクラウニングを設けても良く、ピン3の一側面とストリップ5の一側面の両方にクラウニングを設けても良い。ピン3とストリップ5との接触部分にクラウニングがあれば、前述したようなクラウニングを設ける効果が得られるからである。
なお、これらのクラウニングは、例えばプレス加工等により成形することができる。
なお、図5に示すように、前記実施形態においては、ピン3の長手方向両端付近であってリンク2が挿通された部分の外側には、リンク2の抜け落ちを防止するための突起部3bを設けている。このような突起部3bに限られないが、ピン3にリンク2を係止しうる係止部を設けてもよい。なお、この突起部3bは、例えばかしめ工具などを用いて簡単に形成することができる。また、突起部3bは、リング状部材(止め輪、スナップリング)や割ピン、クリップ、保持器等の別部材をピンやストリップに固定することで形成してもよい。
本発明の動力伝達チェーン及び動力伝達装置は、ドライブプーリ及びドリブンプーリの両方の溝幅が変動する態様のものに限定されず、いずれか一方のみが変動し、他方が変動しない固定幅にした態様のものであってもよい。また、上記では溝幅が連続的(無段階)に変動する態様について説明したが、有段的に変動したり、固定式(無変速)である等の他の動力伝達装置又はこれに用いられるチェーンに適用してもよい。
(実施例による音圧レベル低減効果の検証)
本発明の音圧レベル低減効果を確認すべく、実施例及び比較例による検証を行った。図7は、本発明にいうクラウニングを設けていないチェーンを備えた動力伝達装置の、作動時の発生音を測定し、この音の各周波数における音圧レベル(dBA)を表示したグラフであり、図8は、ピン3の一側面にチェーン幅方向のクラウニングを設けた実施例において、図7の比較例と同条件で発生音を測定した場合の音圧レベル(dBA)を表示したグラフである。クラウニングの有無を除き、実施例の動力伝達装置と比較例のそれとの仕様は(前述のミスアライメント量を含め)同一である。実施例では、クラウニングにより生ずるピン3とストリップ5との隙間距離の最大値dmは0.1mm(100μm)とし、またクラウニングはストリップ5の一側面にのみ設け、ピン3の一側面はクラウニングを設けずチェーン幅方向に平坦とした。
図7及び図8に示すように、実施例は比較例よりも音圧レベルの最大値が約3dB小さくなった。
本発明の一実施形態に係るチェーン式無段変速機用のチェーンの要部構成を模式的に示す斜視図である。 図1のチェーンにおける、ピン及びストリップの長手方向に垂直な断面での部分断面図である。 図2のX−X線断面におけるピンとストリップとの断面図である。 本発明に係る動力伝達装置の一実施形態に係るチェーン式無段変速機の概略構成を示す斜視図である。 図4の無段変速機におけるプーリ部分の断面図である。 ミスアライメントの類型について説明するための概念図である。 比較例の動力伝達装置における発生音の、各周波数における音圧レベルを表示したグラフである。 実施例の動力伝達装置における発生音の、各周波数における音圧レベルを表示したグラフである。
符号の説明
1 チェーン
2 リンク
3 ピン
4 貫通孔
5 ストリップ
10 ドライブプーリ(第1のプーリ)
12a シーブ面
13a シーブ面
20 ドリブンプーリ(第2のプーリ)
22a シーブ面
23a シーブ面
dm 隙間距離の最大値
31 ドライブプーリ(第1のプーリ)
32 ドリブンプーリ(第2のプーリ)
50 チェーン式無段変速機(動力伝達装置)

Claims (3)

  1. 貫通孔を有する複数のリンクと、前記貫通孔に挿通され前記複数のリンクを相互に連結する複数のピンと、前記貫通孔に挿通され前記ピンの一側面と接触する一側面を有する複数のストリップと、を備えるとともに、円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリとの間に架け渡されて用いられ、前記ピンの両端面と前記第1及び第2のプーリのシーブ面とが接触して動力を伝達する動力伝達チェーンであって、
    前記ピンの前記一側面又は前記ストリップの前記一側面の少なくとも一方に、チェーン幅方向のクラウニングを設けていることを特徴とする動力伝達チェーン。
  2. 前記クラウニングにより生ずる前記ピンと前記ストリップとの隙間距離の最大値は、10μm以上150μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達チェーン。
  3. 円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、
    円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、
    これら第1及び第2のプーリの間に架け渡される動力伝達チェーンと、
    を備えた動力伝達装置であって、
    前記動力伝達チェーンが、請求項1又は2のいずれかに記載のものであることを特徴とする動力伝達装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005108819A1 (ja) * 2004-05-11 2005-11-17 Jtekt Corporation 動力伝達チェーン及びそれを用いた動力伝達装置
JP2009222104A (ja) * 2008-03-14 2009-10-01 Jtekt Corp 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置

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