JP4737511B2 - 動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置 Download PDF

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Description

本発明は、動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置に関する。
自動車のプーリ式無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)等の動力伝達装置に用いられる無端状の動力伝達チェーンには、複数のリンクをチェーン進行方向に並べ、チェーン進行方向に隣接するリンク同士を、互いに転がり運動可能なピンおよびインターピースで連結したものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1のチェーンの各リンクには、一対の貫通孔が形成されている。一方の貫通孔には、ピンが圧入固定されているとともにインターピースが遊嵌されており、他方の貫通孔にはピンが遊嵌されているとともにインターピースが圧入固定されている。これにより、ピンがプーリに接触する際、ピンをプーリに対してほとんど回転しないようにして、摩擦損失を少なくして伝動効率を向上している。
また、上記のピンは、インターピースと接触する側面の断面形状がインボリュート曲線にされている。これにより、ピンがプーリに噛み込まれる前後において、ピンおよび対応するリンクがプーリの径方向に揺動することを抑制して、動力伝達チェーンに弦振動的な微小振動が発生することを抑制し、騒音の低減を図っている。
特開平8−312725号公報
上記の動力伝達チェーンをまっすぐに伸ばした状態において、ピンとインターピースとの互いの接触位置は、チェーンの屈曲時のチェーン径方向に関する、インターピースの内側端部に設定されている。その結果、ピンおよびインターピースからリンクが受ける張力は、上記チェーン径方向に関するリンクの内側部分に偏って配分されることとなる。これにより、動力伝達チェーンの駆動時において、リンクに発生する繰返し応力の振幅値が上記内側部部分で局所的に大きくなり、実用上の耐久性を向上する上で、好ましくない。特に、リンクに対応するピンおよびインターピースが圧入されているため、圧入部分における上記繰返し応力の振幅値が高くなり、好ましくない。
本発明は、かかる背景のもとでなされたもので、伝動効率を向上できるとともに騒音を低減でき、かつ、実用上の耐久性を向上することのできる動力伝達チェーン、およびこれを備える動力伝達装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、複数のリンク(2)と、これらのリンクを互いに屈曲可能に連結する複数の連結部材(200)とを備える動力伝達チェーン(1)において、各上記連結部材は、一対の端部(16)のそれぞれにプーリ係合用の動力伝達部(17)を有する第1の動力伝達部材(3;3A)と、第1の動力伝達部材と対をなす第2の動力伝達部材(4)とを含み、各リンクは、チェーン進行方向(X)に並ぶ第1および第2の貫通孔(9,10)を含み、第1の貫通孔(9)には、第1の動力伝達部材が相対移動可能に嵌め入れられているとともに第2の動力伝達部材が相対移動を規制されて嵌め入れられ、第2の貫通孔(10)には、第1の動力伝達部材が相対移動を規制されて嵌め入れられているとともに第2の動力伝達部材が相対移動可能に嵌め入れられ、対をなす第1および第2の動力伝達部材は、相対向する対向部(12,19;12A,19)をそれぞれ有しており、上記相対向する対向部は、リンク間の屈曲に伴って変位する接触部(T;TA)で互いに転がり摺動接触し、リンク間の屈曲に伴う接触部の移動軌跡は所定の曲線(INV)を形成し、上記所定の曲線は、リンク間の屈曲角(φ)の増大に応じて上記所定の曲線上における上記接触部の変位量の変化率が増大する変化率増大領域を含み、動力伝達チェーンの直線領域における上記接触部(T1;T1A)は、チェーン進行方向およびチェーン幅方向(W)の双方に直交する直交方向(V)に関して、第2の動力伝達部材の中央部(39)から当該第2の動力伝達部材の全長(N2)の35%以内の範囲に配置されていることを特徴とするものである。
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
本発明によれば、第1の動力伝達部材がプーリに接触して動力を伝達する際、第1の動力伝達部材を上記プーリに対してほとんど回転しないようにでき、第1の動力伝達部材とプーリとの間の摩擦損失を低減して高い伝動効率を達成できる。また、接触部の移動軌跡の曲線に変化率増大領域を設けることで、第1の動力伝達部材がプーリに係合する前後において、第1の動力伝達部材および対応するリンクがプーリの径方向に揺動することを抑制でき、動力伝達チェーンに弦振動的な微小振動が発生することを抑制し、騒音を低減することができる。さらに、動力伝達チェーンの直線領域における接触部の位置を、第2の動力伝達部材の中央部の近傍に設定している。これにより、第1および第2の動力伝達部材からリンクに作用する荷重が、直交方向に関して偏って作用することを抑制でき、リンクの応力が局所的に高くなることを抑制できる。その結果、動力伝達チェーンの駆動時にリンクに生じる繰返し応力の振幅値が局所的に高くなることを抑制してリンクの耐久性(疲労寿命)を向上でき、その結果、動力伝達チェーンの耐久性を向上することができる。
なお、動力伝達チェーンの直線領域における接触部は、直交方向に関して、第2の動力伝達部材の中央部から当該第2の動力伝達部材の全長の30%以内の範囲に配置されていることが好ましく、20%以内の範囲に配置されていることがより好ましい。
また、本発明において、上記所定の曲線は、インボリュート曲線(INV)を含む場合がある。この場合、第1の動力伝達部材がプーリに係合する前後において、第1の動力伝達部材および対応するリンクがプーリの径方向に揺動することを、より良好に抑制でき、その結果、騒音をより低減することができる。
また、本発明において、上記動力伝達チェーンの直線領域における接触部は、上記直交方向に関する上記第2の動力伝達部材の中央部よりも、チェーン屈曲時のチェーン径方向の内側に配置されている場合がある。この場合、リンク間の屈曲に伴う接触部の変位量の最大値をより多くできる。その結果、リンク間の屈曲角の最大値をより大きくすることができる。
また、本発明において、チェーン進行方向に関する上記第2の動力伝達部材の厚み(D2)は、チェーン進行方向に関する第1の動力伝達部材の厚み(D1)よりも薄くされている場合がある。この場合、第2の動力伝達部材の薄型化を通じて動力伝達チェーンの小型化を達成することができる。ここで、第2の動力伝達部材の厚みを薄くすることにより、第2の動力伝達部材とリンクとの接触面積が減少し、第2の動力伝達部材からリンクに作用する圧力(面圧)は高くなるが、リンクの実用上の耐久性が十分確保されているため、実用上の耐久性を損なうことなく、第2の動力伝達部材の厚みを十分に薄くできる。
また、本発明において、相対向する一対の円錐面状のシーブ面(62a,63a,72a,73a)をそれぞれ有する第1および第2のプーリ(60,70)と、これらのプーリ間に巻き掛けられ、シーブ面に係合して動力を伝達する上記の動力伝達チェーンとを備える場合がある。この場合、伝動効率、静粛性および耐久性にすぐれた動力伝達装置を実現することができる。
本発明の好ましい実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る動力伝達チェーンを備える動力伝達装置としてのチェーン式無段変速機(以下では、単に無段変速機ともいう)の要部構成を模式的に示す斜視図である。図1を参照して、無段変速機100は、自動車等の車両に搭載されるものであり、第1のプーリとしての金属(構造用鋼等)製のドライブプーリ60と、第2のプーリとしての金属(構造用鋼等)製のドリブンプーリ70と、これらの両プーリ60,70間に巻き掛けられた無端状の動力伝達チェーン1(以下では、単にチェーンともいう)とを備えている。なお、図1中のチェーン1は、理解を容易にするために一部断面を示している。
図2は、図1のドライブプーリ60(ドリブンプーリ70)およびチェーン1の部分的な拡大断面図である。図1および図2を参照して、ドライブプーリ60は、車両の駆動源に動力伝達可能に連なる入力軸61に一体回転可能に取り付けられるものであり、固定シーブ62と可動シーブ63とを備えている。固定シーブ62および可動シーブ63は、相対向する一対のシーブ面62a,63aをそれぞれ有している。各シーブ面62a,63aは円錐面状の傾斜面を含んでいる。これらシーブ面62a,63a間に溝が区画され、この溝によってチェーン1を強圧に挟んで保持するようになっている。
また、可動シーブ63には、溝幅を変更するための油圧アクチュエータ(図示せず)が接続されており、変速時に入力軸61の軸方向(図2の左右方向)に可動シーブ63を移動させることにより、溝幅を変化させるようになっている。それにより、入力軸61の径方向(図2の上下方向)にチェーン1を移動させて、プーリ60のチェーン1に関する有効半径Rを変更できるようになっている。
一方、ドリブンプーリ70は、図1および図2に示すように、駆動輪(図示せず)に動力伝達可能に連なる出力軸71に一体回転可能に取り付けられており、ドライブプーリ60と同様に、チェーン1を強圧で挟む溝を形成するための相対向する一対のシーブ面73a,72aをそれぞれ有する固定シーブ73および可動シーブ72を備えている。
ドリブンプーリ70の可動シーブ72には、ドライブプーリ60の可動シーブ63と同様に油圧アクチュエータ(図示せず)が接続されており、変速時にこの可動シーブ72を移動させることにより溝幅を変化させるようになっている。それにより、チェーン1を移動させて、プーリ70のチェーン1に関する有効半径Rを変更できるようになっている。
図3は、チェーン1の要部の断面図である。図4は、図3のII−II線に沿う断面図であり、チェーン1の直線領域を示している。図5は、チェーン1の屈曲領域の側面図である。
なお、以下では、図4を参照して説明するときは、チェーン1の直線領域を基準として説明し、図5を参照して説明するときは、チェーン1の屈曲領域を基準として説明する。
図3および図4を参照して、チェーン1は、複数のリンク2と、これらのリンク2を互いに屈曲可能に連結する複数の連結部材200とを備えている。
各連結部材200は、第1の動力伝達部材としての第1のピン3と、これと対をなす第2の動力伝達部材としての第2のピン4とを含んでいる。第1のピン3は、対をなす第2のピン4に対して、リンク2間の屈曲に伴い転がり摺動接触するようになっている。
なお、転がり摺動接触とは、転がり接触およびすべり接触の少なくとも一方を含む接触のことをいう。
また、以下では、チェーン1の進行方向に沿う方向をチェーン進行方向Xといい、チェーン進行方向Xに直交し且つ第1および第2のピン3,4の長手方向に沿う方向をチェーン幅方向Wといい、チェーン進行方向Xおよびチェーン幅方向Wの双方に直交する方向を直交方向Vという。
各リンク2は板状に形成されており、チェーン進行方向Xの前後に並ぶ一対の端部としての前端部5および後端部6、ならびにこれら前端部5および後端部6間に配置される中間部7を含んでいる。
前端部5および後端部6には、第1の貫通孔としての前貫通孔9、および第2の貫通孔としての後貫通孔10がそれぞれ形成されている。中間部7は、前貫通孔9および後貫通孔10間を仕切る柱部8を有している。各リンク2における周縁部は、滑らかな曲線に形成されており、応力集中の生じ難い形状とされている。
リンク2を用いて、第1〜第3のリンク列51〜53が形成されている。具体的には、第1のリンク列51、第2のリンク列52および第3のリンク列53はそれぞれ、チェーン幅方向Wに並ぶ複数のリンク2を含んでいる。第1〜第3のリンク列51〜53のそれぞれにおいて、同一リンク列のリンク2は、チェーン進行方向Xの位置が互いに同じとなるように揃えられている。第1〜第3のリンク列51〜53は、チェーン進行方向Xに沿って並んで配置されている。
第1〜第3のリンク列51〜53のリンク2はそれぞれ、対応する連結部材200を用いて、対応する第1〜第3のリンク列51〜53のリンク2と相対回転可能(屈曲可能)に連結されている。
具体的には、第1のリンク列51のリンク2の前貫通孔9と、第2のリンク列52のリンク2の後貫通孔10とは、チェーン幅方向Wに並んで互いに対応しており、これらの貫通孔9,10を挿通する連結部材200によって、第1および第2のリンク列51,52のリンク2同士がチェーン進行方向Xに屈曲可能に連結されている。
同様に、第2のリンク列52のリンク2の前貫通孔9と、第3のリンク列53のリンク2の後貫通孔10とは、チェーン幅方向Wに並んで互いに対応しており、これらの貫通孔9,10を挿通する連結部材200によって、第2および第3のリンク列52,53のリンク2同士がチェーン進行方向Xに屈曲可能に連結されている。
図3において、第1〜第3のリンク列51〜53は、それぞれ1つしか図示されていないが、チェーン進行方向Xに沿って第1〜第3のリンク列51〜53が繰り返すように配置されている。そして、チェーン進行方向Xに互いに隣接する2つのリンク列のリンク2同士が、対応する連結部材200によって順次に連結され、無端状をなすチェーン1が形成されている。
図3および図4を参照して、第1のピン3は、チェーン幅方向Wに延びる長尺(板状)の部材である。第1のピン3の周面11は、チェーン幅方向Wに平行に延びている。
この周面11は、滑らかな面に形成されており、チェーン進行方向Xの前方を向く対向部としての前部12と、チェーン進行方向Xの後方を向く背部としての後部13と、直交方向Vに相対向する一対の端部としての一端部14および他端部15とを有している。
前部12は、対をなす第2のピン4の後述する後部19と対向しており、当該後部19と接触部T(チェーン幅方向Wからみて、接触点)で転がり摺動接触している。
後部13は、平坦面に形成されている。この平坦面は、チェーン進行方向Xと直交する所定の平面A(図4において、紙面に直交する平面)に対して、所定の傾斜角B(迎え角を有しており、チェーン内周側を向いている。
一端部14は、第1のピン3の周面11のうち、チェーン外周側(直交方向Vの一方)の端部を構成しており、チェーン外周側に向けて凸湾曲する曲面に形成されている。第1のピン3の周方向に関する一端部14の略中央部は、第1のピン3のチェーン外周側の頂部23となっている。
他端部15は、第1のピン3の周面11のうち、チェーン内周側(直交方向Vの他方)の端部を構成しており、チェーン内周側に向けて凸湾曲する曲面に形成されている。第1のピン3の周方向に関する他端部15の中間部は、第1のピン3のチェーン内周側の頂部24を含んでいる。
なお、以下では、直交方向Vのうち、一端部14から他端部15に向かう側をチェーン内周側といい、他端部15から一端部14に向かう側をチェーン外周側という。
第1のピン3の長手方向(チェーン幅方向W)に関する一対の端部16は、チェーン幅方向Wの一対の端部に配置されるリンク2からチェーン幅方向Wにそれぞれ突出している。これら一対の端部16のそれぞれに、プーリ係合用の動力伝達部としての端面17が設けられている。
図2および図5を参照して、端面17は、各プーリ60,70の対応するシーブ面62a,63a,72a,73aに摩擦接触(係合)するためのものである。
第1のピン3は、上記対応するシーブ面62a,63a,72a,73a間に挟持され、これにより、第1のピン3と各プーリ60,70との間で動力が伝達される。第1のピン3は、その端面17が直接動力伝達に寄与するため、例えば、軸受用鋼(SUJ2)等の高強度耐摩耗材料で形成されている。
チェーン幅方向Wからみて、端面17は、その図心に一致する接触中心点Cを中心として、少なくとも一部の領域が各プーリ60,70の対応するシーブ面62a,63a,72a,73aに接触するようになっている。なお、接触中心点Cは、端面17の図心からずれていてもよい。
図3および図4を参照して、第2のピン4(ストリップ、またはインターピースともいう)は、第1のピン3と同様の材料により形成された、チェーン幅方向Wに延びる長尺(板状)の部材である。
第2のピン4は、その長手方向の一対の端部が上記各プーリのシーブ面に接触しないように、第1のピン3よりも短く形成されており、対をなす第1のピン3に対して、チェーン進行方向Xの前方に配置されている。
図4の前貫通孔9周辺の拡大図である図6を参照して、チェーン1の直線領域において、チェーン進行方向Xに関する第2のピン4の厚みD2は、チェーン進行方向Xに関する第1のピン3の厚みD1よりも、薄く(D2<D1)されている。
再び図4を参照して、第2のピン4の周面18は、チェーン幅方向Wに延びている。この周面18は、滑らかな面に形成されており、チェーン進行方向Xの後方を向く対向部としての後部19と、チェーン進行方向Xの前方を向く前部20と、直交方向Vに関する一対の端部としての一端部21および他端部22とを有している。
後部19は、チェーン進行方向Xと直交する平坦面に形成されている。前述したように、この後部19は対をなす第1のピン3の前部12と対向している。
前部20は、後部19と概ね平行な平坦面に形成されている。
一端部21は、第2のピン4の周面18のうち、チェーン外周側の端部を構成しており、チェーン外周側に向けて凸湾曲する曲面に形成されている。第2のピン4の周方向に関する一端部21の略中央部が、第2のピン4のチェーン外周側の頂部25とされている。
他端部22は、第2のピン4の周面18のうち、チェーン内周側の端部を構成しており、チェーン内周側に向けて凸湾曲する曲面に形成されている。第2のピン4の周方向に関する他端部22の略中央部が、第2のピン4のチェーン内周側の頂部26とされている。
チェーン1は、いわゆる圧入タイプのチェーンとされている。具体的には、各リンク2の前貫通孔9には、第1のピン3が相対移動可能に遊嵌されているとともに、この第1のピン3と対をなす第2のピン4が相対移動を規制されるようにして圧入固定され、各リンク2の後貫通孔10には、第1のピン3が相対移動を規制されるように圧入固定されているとともに、この第1のピン3と対をなす第2のピン4が相対移動可能に遊嵌されている。
換言すれば、第1のピン3は、各リンク2の前貫通孔9に相対移動可能に遊嵌されていると共に、各リンク2の後貫通孔10に相対移動を規制されるようにして圧入固定され、第2のピン4は、各リンク2の前貫通孔9に相対移動を規制されるようにして圧入固定されていると共に、各リンク2の後貫通孔10に相対移動可能に遊嵌されている。
リンク2の前貫通孔9における、第1のピン3の遊嵌および第2のピン4の圧入固定は、以下のようにされている。すなわち、図6を参照して、リンク2の前貫通孔9の周縁部27は、第2のピン4が圧入固定される被圧入部28と、第1のピン3が遊嵌される被遊嵌部29とを含んでいる。
被圧入部28は、第2のピン4の一端部21および他端部22の形状に対応する形状に形成されており、対応する第2のピン4の一端部21および他端部22を受けている。被圧入部28のうち、第2のピン4の一端部21を受けている部分は、第2のピン4によって、チェーン外周側に押圧力が負荷されている。また、被圧入部28のうち、第2のピン4の他端部22を受けている部分は、第2のピン4によって、チェーン内周側に押圧力が負荷されている。
被遊嵌部29は、第1のピン3の断面形状より大きな形状に形成されており、対応する第1のピン3を自由に相対移動できるようになっている。
図4の後貫通孔10周辺の拡大図である図7を参照して、リンク2の後貫通孔10における、第1のピン3の圧入固定および第2のピン4の遊嵌は、以下のようにされている。すなわち、リンク2の後貫通孔10の周縁部32は、第1のピン3が圧入固定される被圧入部33と、第2のピン4が遊嵌される被遊嵌部34とを含んでいる。
被圧入部33は、第1のピン3の一端部14および他端部15の形状に対応する形状に形成されており、対応する第1のピン3の一端部14および他端部15を受けている。被圧入部33のうち、第1のピン3の一端部14を受けている部分は、第1のピン3によって、チェーン外周側に押圧力が負荷されている。また、被圧入部33のうち、第1のピン3の他端部15を受けている部分は、第1のピン3によって、チェーン内周側に押圧力が負荷されている。
被遊嵌部34は、第2のピン4の断面形状より大きな形状に形成されており、対応する第2のピン4を自由に相対移動できるようになっている。
図5を参照して、上記の構成により、第1のピン3の前部12と対をなす第2のピン4の後部19とは、チェーン進行方向Xに隣接するリンク2間の屈曲に伴って、互いに転がり摺動接触し、屈曲量(屈曲角)の増大に伴い、接触部Tがチェーン外周側に変位する。
チェーン1の屈曲領域の、チェーン進行方向Xに隣り合うリンク2は、互いに所定の屈曲角φをなして相対的に屈曲している。屈曲角φは、第1の平面E1と、第2の平面E2とのなす角として定義される。
第1の平面E1は、屈曲領域の一のリンク2aの各貫通孔9,10のそれぞれに挿通された、第1のピン3a,3bのそれぞれの接触中心点Cを含み、且つチェーン幅方向Wと平行な平面をいう。
第2の平面E2は、上記リンク2aとチェーン進行方向Xに隣り合う他のリンク2bの各貫通孔9,10のそれぞれに挿通された、第1のピン3b,3cのそれぞれの接触中心点Cを含み、且つチェーン幅方向Wと平行な平面をいう。設計上の屈曲角φ(許容屈曲角)の範囲は、例えば0°〜30°に設定されている。
チェーン1は、いわゆるインボリュートタイプのチェーンとされており、チェーン幅方向Wからみたときの、隣接するリンク2間の屈曲に伴う接触部Tの移動軌跡が、対応する第1のピン3を基準として、所定の曲線としてのインボリュート曲線INVを形成するようにされている。
具体的には、図4を参照して、第1のピン3の前部12の断面形状がインボリュート曲線INVに一致する形状を含むようにされている。
第1のピン3の前部12は、対をなす第2のピン4の後部19と接触部Tで接触する曲面部37と、延設部38とを含んでいる。曲面部37のチェーン内周側に延設部38が配置されている。
曲面部37は、チェーン幅方向Wからみて、インボリュート曲線INVと一致するインボリュート曲線からなる。曲面部37のチェーン内周側の端部が、所定の起部F(チェーン幅方向Wからみて、所定の起点)とされている。起部Fの位置は、接触部T1の位置、すなわち、チェーン1の直線領域における第1のピン3の接触部Tと一致している。
なお、起部Fの位置と接触部T1の位置とは、一致してなくてもよい。
チェーン幅方向Wからみた曲面部37のインボリュート曲線の基礎円Kは、中心M、半径Rb(基礎円半径、例えば、50mm)を有する円である。
中心Mは、チェーン進行方向Xに直交し且つ第1のピン3の接触部T1を含む平面上において、当該接触部T1よりもチェーン内周側に位置している。基礎円Kと起部Fとは、交差している。
曲面部37の断面形状をインボリュート曲線にすることにより、当該曲面部37は、チェーン内周側から外周側に向かうに従い、曲率半径が大きくなっている。これにより、屈曲角の増大に応じて、接触部Tにおける曲面部37の曲率半径が大きくなっており、曲面部37のインボリュート曲線上における接触部Tの変位量の変化率が増大している。
すなわち、インボリュート曲線INVは、リンク2間の屈曲角φ(図5参照)の増大に応じて、当該インボリュート曲線INV上における接触部Tの変位量の変化率が増大する変化率増大領域を、全域に有している。
図6を参照して、本実施の形態の特徴とするところは、チェーン1の直線領域における接触部T1の配置を最適化することにより、直交方向Vに関して、第1および第2のピン3,4からリンク2に負荷される荷重に偏りが生じることを抑制して、リンク2に応力の偏りが生じることを抑制している点にある。
具体的には、チェーン1の直線領域における接触部T1は、直交方向Vに関して、対応する第2のピン4の中央部39から、チェーン内周側またはチェーン外周側に向けて、当該第2のピン4の全長N2の35%以内の範囲に配置されている。なお、直交方向Vに関する第2のピン4の全長N2とは、第2のピン4の周面18の一対の頂部25,26間の距離をいう。
直交方向Vに関して、接触部T1を、上記の範囲を超えるように配置すると、第1および第2のピン3,4から対応する貫通孔9,10の周縁部27,32(図6において、前貫通孔9のみ図示)に作用する荷重の分布が、直交方向Vに関して偏ったものとなり、リンク2に生じる応力、特に、周縁部27に生じる応力が被圧入部28で局所的に高くなるため、接触部T1の範囲を上記のように設定している。
なお、チェーン1の直線領域における接触部T1は、直交方向Vに関して、対応する第2のピン4の中央部39から、チェーン内周側またはチェーン外周側に向けて、当該第2のピン4の全長N2の30%以内の範囲に配置されていることが好ましく、20%以内の範囲に配置されていることがより好ましい。
本実施の形態において、直交方向Vに関する接触部T1の位置は、直交方向Vに関する対応する第2のピン4の中央部39と揃えられている。
直交方向Vに関する第1のピン3の全長N1と、直交方向Vに関する第2のピン4の全長N2とは、概ね等しくされている。なお、直交方向Vに関する第1のピン3の全長N1とは、第1のピン3の周面11の一対の頂部23,24間の距離をいう。
第1のピン3と対をなす第2のピン4とは、直交方向Vの位置が揃えられており、何れか一方が直交方向Vに突出しないようにされている。直交方向Vに関する第1のピン3の前部12の略中央部が、チェーン進行方向Xに向けて張り出している。
図4を参照して、以上の概略構成を有する無段変速機において、チェーン1の隣り合うリンク2同士(図4において、1つのリンク2のみを図示)は、対応する連結部材200を介して引っ張り合っており、チェーン1に張力が生じている。
このため、チェーン1の直線領域をチェーン幅方向Wからみたとき、第1のピン3と対をなす第2のピン4とは、接触部T1を作用点として、互いにチェーン進行方向Xに沿って押圧されている。これら第1および第2のピン3,4は、リンク2の対応する周縁部27,32にそれぞれ受けられる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、各リンク2の前貫通孔9に、第1のピン3が遊嵌されているとともに第2のピン4が圧入固定され、各リンク2の後貫通孔10に、第1のピン3が圧入固定されているとともに第2のピン4が遊嵌されている。
これにより、第1のピン3の各端面17が各プーリ60,70の対応するシーブ面62a,63a,72a,73aに接触して動力を伝達する際、対をなす第2のピン4が、上記第1のピン3に対して転がり摺動接触することにより、リンク2同士の屈曲が可能とされている。この際、対をなす第1および第2のピン3,4間において、互いの転がり接触成分が多くてすべり接触成分が極めて少なく、するとその結果、第1のピン3の各端面17を上記各プーリ60,70の対応するシーブ面62a,63a,72a,73aに対してほとんど回転しないようにでき、第1のピン3と各プーリ60,70との間の摩擦損失を低減して高い伝動効率を達成できる。
また、接触部Tの移動軌跡としてのインボリュート曲線INVに変化率増大領域が含まれていることにより、第1のピン3が対応するプーリ60,70に係合する前後において、第1のピン3および対応するリンク2が対応するプーリ60,70の径方向に揺動することを抑制できる。これにより、チェーン1に弦振動的な微小振動が発生することを抑制し、騒音を低減することができる。
さらに、チェーン1の直線領域における接触部T1の位置を、第2のピン4の中央部39の近傍に設定している。これにより、第1および第2のピン3,4からリンク2の対応する周縁部27,32に作用する荷重が、直交方向Vに関して偏って作用することを抑制でき、リンク2の応力が局所的に高くなることを抑制できる。
その結果、チェーン1の駆動時にリンク2に生じる繰返し応力の振幅値が局所的に大きくなることを抑制して、リンク2の耐久性(疲労寿命)を向上でき、その結果、チェーン1の耐久性を向上することができる。
また、チェーン幅方向Wからみて、第1のピン3を基準とする、接触部Tの移動軌跡をインボリュート曲線INVとすることにより、第1のピン3が各プーリ60,70に係合する前後において、第1のピン3および対応するリンク2が上記各プーリ60,70の径方向に揺動することを、より良好に抑制でき、その結果、チェーン1の駆動時の騒音をより低減することができる。
さらに、チェーン進行方向Xに関する第2のピン4の厚みD2を、チェーン進行方向Xに関する第1のピン3の厚みD1よりも薄くしていることにより、第2のピン4の薄型化を通じてチェーン1の小型化を達成することができる。
ここで、第2のピン4の厚みD2を薄くすることにより、第2のピン4とリンク2の対応する周縁部27,32との接触面積が減少し、第2のピン4からリンク2に作用する圧力(面圧)、特にリンク2の前貫通孔9の被圧入部28に作用する圧力は高くなるが、リンク2の実用上の耐久性が十分確保されているため、実用上の耐久性を損なうことなく第2のピン4の厚みD2を十分に薄くできる。
このようにして、伝動効率、静粛性および耐久性にすぐれ、しかもコンパクトな無段変速機100を実現することができる。
なお、本実施の形態において、第1のピン3を基準とするその接触部Tの移動軌跡を、インボリュート曲線INV以外の曲線に形成してもよい。例えば、曲面部37の断面形状を、インボリュート曲線INVに一致する曲線以外の曲線に形成してもよい。このような曲線として、以下に示す曲線を例示することができる。すなわち、複数の曲率半径を有する曲線であって、チェーン内周側から外周側に向かうに連れて曲率半径が大きくなる領域を含む曲線を例示することができる。
また、第2のピン4の厚みD2を、第1のピン3の厚みD1と同じ(D1=D2)にしてもよいし、厚みD1より厚く(D2>D1)してもよい。
図8は、本発明の別の実施の形態の要部の断面図である。以下では、図1〜図7に示す実施の形態と異なる点について説明し、同様の構成については図に同様の符号を付してその説明を省略する。
図8を参照して、本実施の形態が上記実施の形態と主に異なるのは、チェーンの直線領域における接触部T1Aが、第2のピン4の中央部39に対して直交方向Vにオフセットして配置されている点にある。
具体的には、接触部T1Aを、上記中央部39よりも、チェーン屈曲時のチェーン径方向の内側(チェーン内周側)に配置している。接触部T1Aは、直交方向Vに関して、第2のピン4の中央部39から当該第2のピン4の全長N2のたとえば10%だけ離隔した位置に配置されている。直交方向Vに関して、接触部T1Aと中央部39とは、距離Pだけ離隔している。
この場合、チェーン幅方向Wからみて、第1のピン3Aの周面11A上における曲面部37Aの長さをより長く確保することができる。これにより、リンク2間の屈曲に伴う接触部TAの変位量の最大値をより多くできる。その結果、リンク2間の屈曲角の最大値をより大きくすることができる。
なお、接触部T1Aを、上記中央部39よりも、チェーン屈曲時のチェーン径方向の外側(チェーン外周側)に配置してもよい。
本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記各実施の形態において、第1のピン3,3Aの前部12,12Aの形状と対をなす第2のピン4の後部19の形状とを入れ換えてもよい。また、第2のピン4が、各プーリ60,70に係合するようにされていてもよい。
さらに、第1のピンの一対の端部のそれぞれの近傍に、当該第1のピンの端面と同様の動力伝達部を有する部材を配置し、第1のピンと当該動力伝達面を有する部材とを含む動力伝達ブロックを設け、これを第1の動力伝達部材としてもよい。
また、リンク2の前貫通孔9と後貫通孔10の配置とを互いに入れ換えてもよい。さらに、リンク2の前貫通孔9と後貫通孔10との間の柱部8に連通溝(スリット)を設けてもよい。この場合、リンク2の弾性変形量(可撓性)を増すことができ、リンク2に生じる応力をより低減することができる。
また、ドライブプーリ60およびドリブンプーリ70の双方の溝幅が変動する態様に限定されるものではなく、何れか一方の溝幅のみが変動し、他方が変動しない固定幅にした態様であっても良い。さらに、上記では溝幅が連続的(無段階)に変動する態様について説明したが、段階的に変動したり、固定式(無変速)である等の他の動力伝達装置に適用しても良い。
上記の動力伝達チェーンに関する実施例1,2,3および比較例1,2を作製した。
実施例1は、チェーンの直線領域における第1および第2のピン間の接触部の位置が、直交方向に関して、当該第2のピンの中央部に揃えられている。
実施例2は、チェーンの直線領域における第1および第2のピン間の接触部の位置が、直交方向に関して、当該第2のピンの中央部から、当該第2のピンの全長の20%だけチェーン内周側にオフセットされている。
実施例3は、チェーンの直線領域における第1および第2のピン間の接触部の位置が、直交方向に関して、当該第2のピンの中央部から、当該第2のピンの全長の30%だけチェーン内周側にオフセットされている。
比較例1は、チェーンの直線領域における第1および第2のピン間の接触部の位置が、直交方向に関して、当該第2のピンの中央部から、当該第2のピンの全長の37.5%だけチェーン内周側にオフセットされている。
比較例2は、チェーンの直線領域における第1および第2のピン間の接触部の位置が、直交方向に関して、当該第2のピンの中央部から、当該第2のピンの全長の40%だけチェーン内周側にオフセットされている。
上記実施例1〜3および比較例1,2を用いて、疲労試験を行った。具体的には、実施例1〜3および比較例1,2のそれぞれに、直線領域のリンクに水平に張力を繰り返し負荷するという試験を行い、リンクが破断するまでの回数(繰返し数)を計測した。そして、実施例1に関する繰返し数と、実施例1,2,3および比較例1,2に関する繰返し数との比(寿命比)をそれぞれ求めた。結果を図9に示す。
図9に示すように、実施例1〜3および比較例1,2のうち、実施例1に関する寿命比が最も高く、実施例1に関する疲労寿命が最も高い。実施例2,3に関しても、寿命比が0.7を超えており、実施例1に関する疲労寿命の70%を超える疲労寿命を達成している。
一方、比較例1,2に関する寿命比は、それぞれ0.5未満であり、実施例1に関する疲労寿命の50%未満の疲労寿命となっている。
このように、実施例1〜3が疲労寿命に関してすぐれていることが実証された。
本発明の一実施の形態に係る動力伝達チェーンを備える動力伝達装置としてのチェーン式無段変速機の要部構成を模式的に示す斜視図である。 図1のドライブプーリ(ドリブンプーリ)およびチェーンの部分的な拡大断面図である。 チェーンの要部の断面図である。 図3のII−II線に沿う断面図であり、チェーンの直線領域を示している。 チェーンの屈曲領域の側面図である。 図4の前貫通孔周辺の拡大図である。 図4の後貫通孔周辺の拡大図である。 本発明の別の実施の形態の要部の断面図である。 疲労試験の結果について示すグラフ図である。
符号の説明
1…チェーン(動力伝達チェーン)、2…リンク、3,3A…第1のピン(第1の動力伝達部材)、4…第2のピン(第2の動力伝達部材)、9…前貫通孔(第1の貫通孔)、10…後貫通孔(第2の貫通孔)、12,12A…前部(対向部)、16…端部、17…端面(動力伝達部)、19…後部(対向部)、39…中央部、60…ドライブプーリ(第1のプーリ)、70…ドリブンプーリ(第2のプーリ)、62a,63a,72a,73a…シーブ面、100…無段変速機(動力伝達装置)、200…連結部材、D1,D2…厚み、INV…インボリュート曲線(所定の曲線)、N2…全長、T,T1,TA,TA1…接触部、V…直交方向、W…チェーン幅方向、X…チェーン進行方向、φ…屈曲角

Claims (5)

  1. 複数のリンクと、これらのリンクを互いに屈曲可能に連結する複数の連結部材とを備える動力伝達チェーンにおいて、
    各上記連結部材は、一対の端部のそれぞれにプーリ係合用の動力伝達部を有する第1の動力伝達部材と、第1の動力伝達部材と対をなす第2の動力伝達部材とを含み、
    各リンクは、チェーン進行方向に並ぶ第1および第2の貫通孔を含み、
    第1の貫通孔には、第1の動力伝達部材が相対移動可能に嵌め入れられているとともに第2の動力伝達部材が相対移動を規制されて嵌め入れられ、
    第2の貫通孔には、第1の動力伝達部材が相対移動を規制されて嵌め入れられているとともに第2の動力伝達部材が相対移動可能に嵌め入れられ、
    対をなす第1および第2の動力伝達部材は、相対向する対向部をそれぞれ有しており、
    上記相対向する対向部は、リンク間の屈曲に伴って変位する接触部で互いに転がり摺動接触し、
    リンク間の屈曲に伴う接触部の移動軌跡は所定の曲線を形成し、
    上記所定の曲線は、リンク間の屈曲角の増大に応じて上記所定の曲線上における上記接触部の変位量の変化率が増大する変化率増大領域を含み、
    動力伝達チェーンの直線領域における上記接触部は、チェーン進行方向およびチェーン幅方向の双方に直交する直交方向に関して、第2の動力伝達部材の中央部から当該第2の動力伝達部材の全長の35%以内の範囲に配置されていることを特徴とする動力伝達チェーン。
  2. 請求項1において、上記所定の曲線は、インボリュート曲線を含むことを特徴とする動力伝達チェーン。
  3. 請求項1または2において、上記動力伝達チェーンの直線領域における接触部は、上記直交方向に関する上記第2の動力伝達部材の中央部よりも、チェーン屈曲時のチェーン径方向の内側に配置されていることを特徴とする動力伝達チェーン。
  4. 請求項1,2または3において、チェーン進行方向に関する上記第2の動力伝達部材の厚みは、チェーン進行方向に関する第1の動力伝達部材の厚みよりも薄くされていることを特徴とする動力伝達チェーン。
  5. 相対向する一対の円錐面状のシーブ面をそれぞれ有する第1および第2のプーリと、これらのプーリ間に巻き掛けられ、シーブ面に係合して動力を伝達する請求項1,2,3または4記載の動力伝達チェーンとを備えることを特徴とする動力伝達装置。
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