JP4545709B2 - 無段変速機用ベルト - Google Patents

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Description

本発明は、ベルト式無段変速機に適用される無段変速機用ベルトに関する。
従来、固定プーリと可動プーリとからなるプライマリプーリとセカンダリプーリとに掛け渡される無段変速機用ベルトは、コーン状のシーブ角を持った二つのプーリシーブ面に挟まれ、ベルト進行方向に多数重ね合わされたエレメントと、内から外へ層状に重ね合わせ、前記エレメントの左右から挟み込んだ2組の無端リングと、により構成されている。そして、前記エレメントのうち、二つのプーリシーブ面と接するフランク面に複数の油排除用溝を形成している(例えば、特許文献1参照。)。
特開平10−213185号公報
しかしながら、従来の無段変速機用ベルトにあっては、フランク面に形成した複数の油排除用溝の溝ピッチを、隣接する溝間隔が面全体にわたり等しい等ピッチ設定としていたため、二つのプーリシーブ面に挟まれるエレメントのフランク面がなす角度を、最大伝達トルクを高める設定とした場合、フランク面とプーリシーブ面との接触面圧が、フランク面の上部(フランク面のうちサドル面に近い部分)にて最大となり、フランク面と接するプーリシーブ面に接触面圧に起因する剪断応力を発生させ、繰り返される剪断応力により、プーリシーブ面が疲労摩耗し、プーリ寿命が低下してしまう、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、摩擦力を伝えやすくする油膜排除機能を確保しつつ、フランク面とプーリシーブ面との接触面圧のピークを低下させることで、プーリ寿命の向上を達成することができる無段変速機用ベルトを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、固定プーリと可動プーリとからなるプライマリプーリとセカンダリプーリとに掛け渡されたベルトであって、コーン状のシーブ角を持った二つのプーリシーブ面に挟まれ、ベルト進行方向に多数重ね合わされたエレメントを備えた無段変速機用ベルトにおいて、前記プーリシーブ面に接触する両側のフランク面が成す角度を、前記二つのプーリシーブ面が成すシーブ角度よりも大きく形成し、前記フランク面における前記エレメントのサドル面に近い部分、前記サドル面から遠い部分、前記両部分の中央部分それぞれに板厚方向に延びる複数の油排除用溝を形成し、前記油排除用溝の溝ピッチは、前記サドル面に近い部分近端部の溝ピッチを大とし、前記中央部分の溝ピッチを小とし、前記サドル面から遠い部分の溝ピッチを中としたことを特徴とする。

よって、摩擦力を伝えやすくする油膜排除機能を確保しつつ、フランク面とプーリシーブ面との接触面圧のピークを低下させることで、プーリ寿命の向上を達成することができる。
以下、本発明の無段変速機用ベルトを実現する最良の形態を、図面に示す実施例1及び実施例2に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の無段変速機用ベルトが適用された車両用ベルト式無段変速機を示す概略斜視図、図2は実施例1の無段変速機用ベルトの一部を示す斜視図、図3は実施例1の無段変速機用ベルトの1個のエレメントを示す正面図及び側面図である。
実施例1の無段変速機用ベルト1は、図1に示すように、固定プーリ2aと可動プーリ2bとからなるプライマリプーリ2と、可動プーリ3bと固定プーリ3aとからなるセカンダリプーリ3と、に掛け渡されたベルトである。
2組の固定プーリ2a,3aと可動プーリ2b,3bは、プライマリプーリ2とセカンダリプーリ3とで、左右方向が逆方向に配置されている。これは、変速時、固定プーリ2a,3aの斜面(プーリシーブ面PS)に沿って上下するときに軸方向に移動するが、左右逆方向配置とすることにより、プライマリプーリ2とセカンダリプーリ3は共に同じ軸方向の移動となり、無段変速機用ベルト1の芯ずれを極力小さく抑えるようにしている。
前記無段変速機用ベルト1は、図2に示すように、コーン状のシーブ角を持った二つのプーリシーブ面PSに挟まれ、ベルト進行方向に多数重ね合わされたエレメント11と、内から外へ層状に重ね合わせ、前記エレメント11の左右から挟み込んだ2組の無端リング10,10と、により構成されている。
前記無端リング10は、厚さ0.2mmほどのマレージング鋼相当の最高強度材料の薄板を溶接して円環状にし、これを内から外へ層状に重ね合わせて構成されている。
前記エレメント11は、厚さ2mm前後の鋼鈑を精密に打ち抜いて製造される。
前記エレメント11の構成を説明すると、図3に示すように、エレメント11は、耳部11aと、ノーズ11bと、ホール11cと、首部11dと、本体部11eと、サドル面11f,11fと、フランク面11g,11gと、接触平面11hと、接触傾斜面11iと、本体底面11jと、ロッキングエッジREと、を有する。
前記耳部11aは、前記2組の無端リング10,10の一部を外周から溝幅方向に覆い、その中心部に円柱状に突起したノーズ11bを有し、該ノーズ11bの裏面側に円柱状に凹陥したホール11cを有する。
前記首部11dは、前記耳部11aと前記本体部11fとを中央部分において連結する部分であり、この耳部11dの両側位置に2組の無端リング10,10を左右から挟み込む無端リング溝が形成される。
前記本体部11eには、前記2組の無端リング10,10の内周面と接するサドル面11,11と、プーリシーブ面PS,PSと接する両側のフランク面11g,11gと、前記ホール11c側の接触平面11hと、前記ノーズ11b側のロッキングエッジREより下側に形成された接触傾斜面11iと、本体底面11jと、を有する。

図4は実施例1の無段変速機用ベルトのエレメントに形成した油排除用溝を示す図、図5は実施例1でのエレメントに形成した油排除用溝の溝ピッチ番号と溝ピッチとの関係を示す図である。
前記エレメント11には、図4(b)に示すように、二つのプーリシーブ面PS,PSと接するフランク面11g,11gに複数の板厚方向に設けた油排除用溝111を形成している。つまり、隣接する油排除用溝111,111との間にプーリシーブ面PSとの接触面112が形成される。
そして、前記エレメント11のフランク面11gを、図4(a)に示すように、サドル面11f,11fに近い部分A、中央部分B、サドル面11f,11fから遠い部分Cに区分けした場合、前記油排除用溝111は、図5に示すように、前記サドル面11f,11fに近い部分Aの溝ピッチP1,P2,P3,P4を大とし、前記中央部分Bの溝ピッチP5,P6,P7,P8を小とし、前記サドル面11f,11fから遠い部分Cの溝ピッチP9,P10,P11,P12を中とし、かつ、大中小それぞれの溝ピッチは一定とするピッチ設定としている。
言い換えると、前記油排除用溝111は、フランク面11gのうち、エレメント11のサドル面11f,11fに近い部分Aの溝ピッチP1,P2,P3,P4を、他の部分B,Cの溝ピッチP5,P6,P7,P8,P9,P10,P11,P12よりも大きな溝間隔による設定としている。
また、前記油排除用溝111は、フランク面11gのうちサドル面11f,11fから遠い部分Cの溝ピッチP9,P10,P11,P12の溝ピッチを、中央部分Bの溝ピッチP5,P6,P7,P8の溝ピッチよりも大きな溝間隔による設定としている。
次に、作用を説明する。
従来、ベルト進行方向に多数重ね合わせたエレメントと、内から外へ層状に重ね合わせた2組の無端リングと、により構成され無段変速機用ベルトは、前記エレメントのうち、二つのプーリシーブ面と接するフランク面に複数の油排除用溝を形成している。
この油排除用溝は、エレメントとプーリシーブ面との間の油膜を排除し、フランク面とプーリシーブ面との間で摩擦力を伝えやすくする機能があり、特に、油の粘度が高い冷寒時にうまく油膜を排除する上で必要である。
しかし、従来の無段変速機用ベルトは、フランク面に形成した複数の油排除用溝の溝ピッチを、隣接する溝間隔がフランク面の全体にわたって等しい等ピッチの設定としていたため、図6に示すように、二つのプーリシーブ面に挟まれるエレメントのフランク面がなす角度βを、最大伝達トルクを高める設定とした場合(β>α)、フランク面とプーリシーブ面との接触面圧が、図7の面圧分布特性に示すように、フランク面の上部(フランク面のうちサドル面に近い部分)にて最大となり、フランク面と接するプーリシーブ面に接触面圧に起因する剪断応力を発生させ、繰り返される剪断応力により、プーリシーブ面が疲労摩耗し、プーリ寿命が低下してしまう。
ここで、最大伝達トルクを高める設定とする際にβ>αという角度関係にするのは、ベルト式無段変速機の場合、滑り限界トルク(最大伝達トルク)を高めるために、エレメントの両側の二つのフランク面のなす角度β(例えば、22.2°)が、二つのプーリシーブ面によるコーン状のシーブ角度α(例えば、22.0°)よりも僅かに大きな角度に設定されることによる(特開2000−213609の図5参照)。
これに対し、実施例1の無段変速機用ベルトでは、摩擦力を伝えやすくする油膜排除機能を確保しつつ、フランク面11g,11gとプーリシーブ面PS,PSとの接触面圧のピークを低下させることで、プーリ寿命の向上を達成することができるようにした。
すなわち、等ピッチ間隔に形成していた油排除用溝のピッチ間隔を変化させることで、フランク面11g,11gとプーリシーブ面PS,PSとの接触面圧をコントロールできる点に着目し、実施例1の無段変速機用ベルト1では、エレメント11のうち、二つのプーリシーブ面PS,PSと接するフランク面11g,11gに形成した複数の板厚方向に設けた油排除用溝111は、フランク面11g,11gのうちエレメント11のサドル面11f,11fに近い部分Aの溝ピッチP1,P2,P3,P4を、他の部分B,Cの溝ピッチP5,P6,P7,P8,P9,P10,P11,P12よりも大きなピッチ設定とする構成を採用した。
したがって、フランク面11gのうち、サドル面11f,11fに近い部分Aの溝ピッチP1,P2,P3,P4が、他の部分B,Cの溝ピッチP5,P6,P7,P8,P9,P10,P11,P12よりも大きく設定されていることで、フランク面11g,11gのサドル面11f,11fに近い部分Aにおいて、油膜排除用溝111の大きさを保ったままで、フランク面11g,11gとプーリシーブ面PS,PSとの接触面積が拡大する。
このため、摩擦力を伝えやすくする油膜排除機能を確保しつつ、フランク面11g,11gとプーリシーブ面PS,PSとの接触面圧のピークが低下する。
この溝ピッチ設定により達成される面圧コントロールにより、接触面圧のピークに起因してプーリシーブ面PS,PSに発生する最大剪断応力が低下し、繰り返される剪断応力によるプーリシーブ面PS,PSが疲労摩耗も抑えられ、プーリ寿命が向上する。
この結果、摩擦力を伝えやすくする油膜排除機能を確保しつつ、フランク面11g,11gとプーリシーブ面PS,PSとの接触面圧のピークを低下させることで、プーリ寿命の向上を達成することができる。
[エレメントのロール動作を考慮した接触面圧ピークの低下作用]
上記説明では、エレメント11のフランク面11g,11gがなす角度βとプーリシーブ面PS,PSとがなす角度αとが、β>αという角度関係にある点に基づき、接触面圧ピークの低下作用について説明したが、接触面圧ピークの低下を考える際、変速時の芯ずれによるエレメントのロール動作を考慮する必要がある。
まず、図8に示すように、無段変速機用ベルト1がプーリ軸の垂直線に対するずれ量を、芯ずれ量と定義する。上記のように、無段変速機用ベルト1に芯ずれさせないため、2組の固定プーリ2a,3aを左右の反対側に配置すると説明したが、これでも幾何学的な理由により僅かに芯ずれが発生する。つまり、ベルトの長さは、両プーリに噛み合っている円弧状の長さと、直線部の長さを加えたものであるが、ベルトの長さは一定であるため、変速比の変化によりプライマリプーリ2への巻き付き径の増加がそのままセカンダリプーリ3への巻き付き径の減少とならないためである。変化する半径量に差があると、ベルトはプーリシーブ面の一定の傾斜に沿って軸方向にずれるため、入力側と出力側でその変化量が異なり、芯ずれとなる。なお、芯ずれ量は、図9に示すように、変速比に対してロー、ハイが一方にずれ、1:1がその反対側にずれるため、それらの中央付近に固定プーリの軸方向を合わせるように調整する必要がある。
したがって、変速比がロー側やハイ側などで、芯ずれ量が大きい場合には、図10に示すように、エレメントは中央のベルト進行方向軸を中心として一方向に回動するロール動作を示し、フランク面とプーリシーブ面との接触面圧が、図10の面圧分布特性に示すように、一方のフランク面では、上部(フランク面のうちサドル面に近い部分)にてピーク面圧となり、他方のフランク面では、下部(フランク面のうちサドル面に遠い部分)にてピーク面圧となる。
このため、エレメントのフランク面とのプーリシーブ面との接触面圧として、上記β>αという角度関係による接触面圧分布(図7)と、変速時の芯ずれによるロール動作による接触面圧分布(図10)と、を重ね合わせた接触面圧分布をみた場合、図11の接触面圧分布に示すように、フランク面の上部位置が接触面圧のピークが最も高く、フランク面の下部位置が上部位置に次ぐ接触面圧のピークを示し、フランク面の中央部分位置が接触面圧のピークが最も低くなる。
これに対し、実施例1の無段変速機用ベルト1のエレメント11のフランク面11g,11gに形成した油排除用溝111は、図4及び図5に示すように、サドル面に近い部分Aの溝ピッチP1,P2,P3,P4を大とし、中央部分Bの溝ピッチP5,P6,P7,P8を小とし、サドル面から遠い部分Cの溝ピッチP9,P10,P11,P12を中とするピッチ設定とした。
このため、油排除用溝111のピッチ設定による大中小の溝間隔関係が、フランク面11g,11gのなす角度βとプーリシーブ面PS,PSのなす角度αとの間のβ>αという角度関係による接触面圧分布(図7)と、変速時の芯ずれによるロール動作による接触面圧分布(図10)と、を重ね合わせた図11に示す接触面圧分布特性の関係とほぼ一致し、フランク面11g,11gとプーリシーブ面PS,PSとの接触面圧のピークが、フランク面11g,11gの全領域にわたって低く抑えられることで、プーリ寿命の一層の向上を達成することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の無段変速機用ベルト1にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 固定プーリ2a,3aと可動プーリ2b,3bとからなるプライマリプーリ2とセカンダリプーリ3とに掛け渡されたベルトであって、コーン状のシーブ角を持った二つのプーリシーブ面PS,PSに挟まれ、ベルト進行方向に多数重ね合わされたエレメント11を備えた無段変速機用ベルト1において、前記エレメント11のうち、二つのプーリシーブ面PS,PSと接するフランク面11g,11gに複数の板厚方向に設けた油排除用溝111を形成し、かつ、前記油排除用溝111は、フランク面11gのうちエレメント11のサドル面11f,11fに近い部分の溝ピッチP1,P2,P3,P4を、他の部分の溝ピッチP5,P6,P7,P8,P9,P10,P11,P12よりも大きなピッチ設定としたため、摩擦力を伝えやすくする油膜排除機能を確保しつつ、フランク面11g,11gとプーリシーブ面PS,PSとの接触面圧のピークを低下させることで、プーリ寿命の向上を達成することができる。
(2) 前記エレメント11のフランク面11gを、サドル面に近い部分A、中央部分B、サドル面から遠い部分C、に区分けし、前記油排除用溝111は、前記サドル面に近い部分Aの溝ピッチP1,P2,P3,P4を大とし、前記中央部分Bの溝ピッチP5,P6,P7,P8を小とし、前記サドル面から遠い部分Cの溝ピッチP9,P10,P11,P12を中としたため、溝ピッチ設定の関係と、角度関係による接触面圧分布とロール動作による接触面圧分布とを合わせた接触面圧分布特性の関係とがほぼ一致し、フランク面11g,11gとプーリシーブ面PS,PSとの接触面圧のピークが、フランク面11g,11gの全領域にわたって低く抑えられることで、プーリ寿命の一層の向上を達成することができる。
実施例2は、実施例1が大中小の3パターンによる溝ピッチの設定としたのに対し、大中小それぞれの溝ピッチを、徐々に溝間隔が変化する設定とした例である。
まず、構成を説明すると、図12は実施例2でのエレメントに形成した油排除用溝の溝ピッチ番号と溝ピッチとの関係を示す図である。
実施例2では、前記エレメント11のフランク面11g,11gを、図4(a)に示すように、サドル面に近い部分A、中央部分B、サドル面から遠い部分Cに区分けした場合、前記油排除用溝111は、図12に示すように、前記サドル面に近い部分Aの溝ピッチP1,P2,P3,P4を大とし、前記中央部分Bの溝ピッチP5,P6,P7,P8を小とし、前記サドル面から遠い部分Cの溝ピッチP9,P10,P11,P12を中とし、大中小それぞれの溝ピッチを、徐々に溝間隔が変化する設定としている。
なお、他の構成については、実施例1と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
次に、作用を説明する。
エレメントのフランク面とのプーリシーブ面との接触面圧として、上記β>αという角度関係による接触面圧分布(図7)と、変速時の芯ずれによるロール動作による接触面圧分布(図10)と、を重ね合わせた接触面圧分布をみた場合、図11の接触面圧分布に示すように、フランク面の上部位置が接触面圧のピークが最も高く、フランク面の下部位置が上部位置に次ぐ接触面圧のピークを示し、フランク面の中央部分位置が接触面圧のピークが最も低くなる。
これに対し、実施例2の無段変速機用ベルト1のエレメント11のフランク面11g,11gに形成した油排除用溝111は、図12に示すように、サドル面に近い部分Aの溝ピッチP1,P2,P3,P4を大とし、中央部分Bの溝ピッチP5,P6,P7,P8を小とし、サドル面から遠い部分Cの溝ピッチP9,P10,P11,P12を中とし、大中小それぞれの溝ピッチを、徐々に溝間隔が変化する設定とした。
このため、油排除用溝111のピッチ設定による溝間隔の関係が、フランク面11g,11gのなす角度βとプーリシーブ面PS,PSのなす角度αとの間のβ>αという角度関係による接触面圧分布(図7)と、変速時の芯ずれによるロール動作による接触面圧分布(図10)と、を重ね合わせた図11に示す接触面圧分布特性の関係と一致し、フランク面11g,11gとプーリシーブ面PS,PSとの接触面圧のピークが、フランク面11g,11gの全領域にわたって低く抑えられることで、プーリ寿命の著しい向上を達成することができる。
次に、効果を説明する。
実施例2の無段変速機用ベルト1にあっては、実施例1の(1),(2)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(3) 前記エレメント11のフランク面11gを、サドル面に近い部分A、中央部分B、サドル面から遠い部分Cに区分けし、前記油排除用溝111は、前記サドル面に近い部分Aの溝ピッチP1,P2,P3,P4を大とし、前記中央部分Bの溝ピッチP5,P6,P7,P8を小とし、前記サドル面から遠い部分Cの溝ピッチP9,P10,P11,P12を中とし、前記各部分A,B,Cの大中小それぞれの溝ピッチを、徐々に溝間隔が変化する設定としため、滑らかに変化するピッチ設定の関係と、角度関係による接触面圧分布とロール動作による接触面圧分布とを合わせた接触面圧分布特性の関係とが一致し、フランク面11g,11gとプーリシーブ面PS,PSとの接触面圧のピークが、フランク面11g,11gの全領域にわたって低く抑えられることで、プーリ寿命の著しい向上を達成することができる。
以上、本発明の無段変速機用ベルトを実施例1及び実施例2に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1,2では、エレメント11のフランク面11g,11gを、サドル面11f,11fに近い部分A、中央部分B、サドル面11f,11fから遠い部分C、に区分けし、サドル面11f,11fに近い部分Aの溝ピッチP1,P2,P3,P4を大とし、中央部分Bの溝ピッチP5,P6,P7,P8を小とし、サドル面11f,11fから遠い部分Cの溝ピッチP9,P10,P11,P12を中とし、大中小それぞれの溝間隔が一定、あるいは、溝間隔が徐々に変化するピッチ設定とする好ましい例を示した。しかし、少なくとも、接触面圧のピークが最も高くなるフランク面11g,11gのうちサドル面11f,11fに近い部分の溝ピッチを、他の部分の溝ピッチよりも大きな溝間隔に設定したものであれば、実施例1,2には限られることはない。
実施例1,2では、車両用ベルト式無段変速機へ適用した無段変速機用ベルトの例を示したが、車両以外にも産業機器等の無段変速機用ベルトとしても適用できる。要するに、固定プーリと可動プーリとからなるプライマリプーリとセカンダリプーリとに掛け渡されたベルトであって、コーン状のシーブ角を持った二つのプーリシーブ面に挟まれ、ベルト進行方向に多数重ね合わされたエレメントを備えた無段変速機用ベルトであれば適用できる。
実施例1の無段変速機用ベルトが適用された車両用ベルト式無段変速機を示す概略斜視図である。 実施例1の無段変速機用ベルトの一部を示す斜視図である。 実施例1の無段変速機用ベルトの1個のエレメントを示す正面図及び側面図である。 実施例1の無段変速機用ベルトのエレメントに形成した油排除用溝を示す図である。 実施例1でのエレメントに形成した油排除用溝の溝ピッチ番号と溝ピッチとの関係を示す図である。 エレメントの両側の二つのフランク面のなす角度βが二つのプーリシーブ面によるコーン状のシーブ角度αよりも僅かに大きな角度に設定された状態を示すプーリ断面図である。 2つの角度α,βの角度関係をβ>αとした場合のフランク面とプーリシーブ面との接触面圧分布特性を示す図である。 プライマリプーリとセカンダリプーリとの間に掛け渡された無段変速機用ベルトの芯ずれ状態を示す概略図である。 車両用ベルト式無段変速機での芯ずれ量とプーリ比(変速比)との関係特性図である。 変速時の芯ずれを原因としてエレメントがロール動作した場合のフランク面とプーリシーブ面との接触面圧分布特性を示す図である。 図7のβ>αとした場合のフランク面とプーリシーブ面との接触面圧分布特性と図10のロール動作した場合のフランク面とプーリシーブ面との接触面圧分布特性とを重ね合わせたトータル接触面圧分布特性を示す図である。 実施例2でのエレメントに形成した油排除用溝の溝ピッチ番号と溝ピッチとの関係を示す図である。
符号の説明
1 無段変速機用ベルト
2 プライマリプーリ
2a 固定プーリ
2b 可動プーリ
3 セカンダリプーリ
3a 固定プーリ
3b 可動プーリ
PS プーリシーブ面
10 無端リング
11 エレメント
11a耳部
11b ノーズ
11c ホール
11d 首部
11e 本体部
11f サドル面
11g フランク面
11h 接触平面
11i 接触傾斜面
11j 本体底面
RE ロッキングエッジ
111 油排除用溝
112 接触面
A サドル面に近い部分
B 中央部分
C サドル面から遠い部分
P1,P2,P3,P4,P5,P6,P7,P8,P9,P10,P11,P12 溝ピッチ

Claims (2)

  1. 固定プーリと可動プーリとからなるプライマリプーリとセカンダリプーリとに掛け渡されたベルトであって、
    コーン状のシーブ角を持った二つのプーリシーブ面に挟まれ、ベルト進行方向に多数重ね合わされたエレメントを備えた無段変速機用ベルトにおいて、
    前記プーリシーブ面に接触する両側のフランク面が成す角度を、前記二つのプーリシーブ面が成すシーブ角度よりも大きく形成し、
    前記フランク面における前記エレメントのサドル面に近い部分、前記サドル面から遠い部分、前記両部分の中央部分それぞれに板厚方向に延びる複数の油排除用溝を形成し、
    前記油排除用溝の溝ピッチは、前記サドル面に近い部分近端部の溝ピッチを大とし、前記中央部分の溝ピッチを小とし、前記サドル面から遠い部分の溝ピッチを中としたことを特徴とする無段変速機用ベルト。
  2. 請求項1に記載の無段変速機用ベルトにおいて、
    前記サドル面に近い部分、中央部分、サドル面から遠い部分、の各部分の大中小それぞれの溝ピッチを、徐々に溝間隔が変化する設定としたことを特徴とする無段変速機用ベルト。
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