JP2017025938A - ベルト式無段変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 プーリおよび金属エレメントを金属ベルトの巻き付き径に応じて線接触および点接触させるベルト式無段変速機において、金属ベルトの巻き付き径が大きいときにプーリのV面と金属エレメントのプーリ当接面の径方向外端部との間に発生する隙間を最小限に抑える。【解決手段】 プーリのV面48のプーリ側曲線部分48cに当接可能な金属エレメント42のエレメント側曲線部分49cは、小径の第1円弧部A1と大径の第2円弧部A2とを含み、少なくとも一つの変速比において第1円弧部A1および第2円弧部A2が二つの当接点P1,P2において同時にプーリ側曲線部分48cに当接する。これにより、金属ベルト19が径方向外側に移動したときに第1円弧部A1の当接点P1がエレメント側曲線部分49c上を径方向内側にずれるのを防止し、前記隙間αを小さく抑えることができるだけでなく、プーリ側曲線部分48cおよびエレメント側曲線部分49c間に作用する荷重を二つの当接点P1,P2に分散して過剰な接触面圧が発生するのを防止することができる。【選択図】 図8

Description

本発明は、固定側プーリ半体および可動側プーリ半体からなるドライブプーリと、固定側プーリ半体および可動側プーリ半体からなるドリブンプーリと、前記ドライブプーリのV面および前記ドリブンプーリのV面に巻き掛けられた金属ベルトとを備え、前記金属ベルトは金属リング集合体に複数の金属エレメントを支持して構成され、前記ドライブプーリおよび前記ドリブンプーリの一方の溝幅を増加させて他方の溝幅を減少させることで変速比を変更するベルト式無段変速機に関する。
かかるベルト式無段変速機において、プーリの固定側プーリ半体のV面の径方向内側部分および外側部分をそれぞれ直線および曲線で構成するとともに、金属エレメントのプーリ当接面の径方向外側部分および内側部分をそれぞれ直線および曲線で構成し、金属ベルトのプーリへの巻き付き径が小さい部分でプーリおよび金属エレメントを直線どうしで線接触させ、金属ベルトのプーリへの巻き付き径が大きい部分でプーリおよび金属エレメントを曲線どうしで点接触させることで、ベルト式無段変速機の変速比に変更に伴って金属ベルトがプーリの軸方向にずれるミスアライメントを補償するものが、下記特許文献1により公知である。
特許第5689973号公報
ところで、上記従来のものは、金属ベルトのミスアライメントを補償することが可能である反面、本明細書の発明を実施するための形態の欄で詳述するように、金属ベルトの巻き付き径が大きい領域で、プーリのV面と金属エレメントのプーリ当接面の径方向外端との間に大きな隙間が発生する問題がある。このような隙間が発生すると、金属エレメントのサドル面に支持された金属リング集合体の左右方向外端が隙間上に張り出してしまい、その分だけサドル面と金属リング集合体との接触面積が減少することで、接触面圧が増加して金属エレメントや金属リング集合体の耐久性に悪影響が及ぶ懸念がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、プーリおよび金属エレメントを金属ベルトの巻き付き径に応じて線接触および点接触させるベルト式無段変速機において、金属ベルトの巻き付き径が大きいときにプーリのV面と金属エレメントのプーリ当接面の径方向外端部との間に発生する隙間を最小限に抑えることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、固定側プーリ半体および可動側プーリ半体からなるドライブプーリと、固定側プーリ半体および可動側プーリ半体からなるドリブンプーリと、前記ドライブプーリのV面および前記ドリブンプーリのV面に巻き掛けられた金属ベルトとを備え、前記金属ベルトは金属リング集合体に複数の金属エレメントを支持して構成され、前記ドライブプーリおよび前記ドリブンプーリの一方の溝幅を増加させて他方の溝幅を減少させることで変速比を変更するベルト式無段変速機であって、前記ドライブプーリおよび前記ドリブンプーリの前記V面の母線は、プーリ側変曲点よりも径方向内側のプーリ側直線部分と、前記プーリ側変曲点よりも径方向外側のプーリ側曲線部分とを備え、前記金属エレメントのプーリ当接面は、エレメント側変曲点よりも径方向外側に位置して前記プーリ側直線部分に当接可能なエレメント側直線部分と、前記エレメント側変曲点よりも径方向内側に位置して前記プーリ側曲線部分に当接可能なエレメント側曲線部分とを備え、前記エレメント側曲線部分は、前記エレメント側直線部分よりも径方向内側に位置する第1円弧部と、前記第1円弧部よりも径方向内側に位置する第2円弧部とを含み、少なくとも一つの変速比において前記第1円弧部および前記第2円弧部が同時に前記プーリ側曲線部分に当接することを特徴とするベルト式無段変速機が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記第2円弧部の曲率半径は前記第1円弧部の曲率半径よりも大きく、前記プーリ側直線部分および前記エレメント側直線部分が当接するときに、前記第2円弧部は前記プーリ側直線部分に当接しないことを特徴とするベルト式無段変速機が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記エレメント側曲線部分は、前記第1円弧部と前記第2円弧部とを滑らかに接続する接続部を含むことを特徴とするベルト式無段変速機が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1〜請求項3の何れか1項の構成に加えて、前記金属エレメントのサドル面および該サドル面に支持される前記金属リング集合体にはそれぞれ左右方向のクラウニングが施されており、前記サドル面のクラウニングの頂点は、前記金属リング集合体のクラウニングの頂点に対して所定距離だけ左右方向外側に偏倚しており、前記所定距離は、前記V面と前記プーリ当接面の径方向外端部との間に発生する隙間よりも大きく設定されることを特徴とするベルト式無段変速機が提案される。
請求項1の構成によれば、ドライブプーリおよびドリブンプーリのV面の母線は、プーリ側変曲点よりも径方向内側のプーリ側直線部分と、プーリ側変曲点よりも径方向外側のプーリ側曲線部分とを備え、金属エレメントのプーリ当接面は、エレメント側変曲点よりも径方向外側のエレメント側直線部分と、エレメント側変曲点よりも径方向内側のエレメント側曲線部分とを備えるので、金属ベルトの巻き付き半径が小さいときにはプーリ側直線部分およびエレメント側直線部分が相互に当接し、金属ベルトの巻き付き半径が大きいときにはプーリ側曲線部分およびエレメント側曲線部分が相互に当接することで、金属ベルトのミスアライメントを減少させることができる。
従来の金属エレメントは、金属ベルトの巻き付き半径が増加してプーリ側曲線部分およびエレメント側曲線部分が相互に当接するとき、その巻き付き半径の増加に伴ってエレメント側曲線部分とプーリ側曲線部分との当接点が径方向内側にずれるため、プーリのV面と金属エレメントのプーリ当接面の径方向外端部との間に大きな隙間が発生する問題がある。
しかしながら、本発明の金属エレメントのエレメント側曲線部分は、エレメント側直線部分よりも径方向内側に位置する第1円弧部と、第1円弧部よりも径方向内側に位置する第2円弧部とを含み、少なくとも一つの変速比において第1円弧部および第2円弧部が同時にプーリ側曲線部分に当接するので、巻き付き半径の増加に伴ってエレメント側曲線部分とプーリ側曲線部分との当接点が径方向内側にずれるのを防止し、プーリのV面と金属エレメントのプーリ当接面の径方向外端部との間に発生する隙間を小さく抑えることができ、しかもプーリ側曲線部分およびエレメント側曲線部分間に作用する荷重を第1円弧部および第2円弧部の二つの当接点に分散して過剰な接触面圧が発生するのを防止することができる。
また請求項2の構成によれば、第2円弧部の曲率半径は第1円弧部の曲率半径よりも大きく、プーリ側直線部分およびエレメント側直線部分が当接するときに、第2円弧部はプーリ側直線部分に当接しないので、プーリ側直線部分およびエレメント側直線部分が当接する変速比領域において、第2円弧部がプーリ側直線部分に無駄に当接して偏摩耗するのを防止することができる。
また請求項3の構成によれば、エレメント側曲線部分は、第1円弧部と第2円弧部とを滑らかに接続する接続部を含むので、第1円弧部と第2円弧部とが尖った角部で交差して応力集中が発生するのを防止することができる。
また請求項4の構成によれば、金属エレメントのサドル面および該サドル面に支持される金属リング集合体にはそれぞれ左右方向のクラウニングが施されており、サドル面のクラウニングの頂点は、金属リング集合体のクラウニングの頂点に対して所定距離だけ左右方向外側に偏倚しており、前記所定距離は、V面とプーリ当接面の径方向外端部との間に発生する隙間よりも大きく設定されるので、クラウニングの二つの頂点が一致しようとするセンタリング作用で金属リング集合体はサドル面に対して左右方向外側に付勢され、金属リング集合体の左右方向外縁がV面に当接することで、金属リング集合体の左右方向のランダムな移動が抑制されて金属リング集合体の挙動の安定が図られる。
ベルト式無段変速機を搭載した車両の動力伝達系のスケルトン図。(第1の実施の形態) 金属ベルトの部分斜視図。(第1の実施の形態) 従来例においてミスアライメントが発生する理由の説明図。(第1の実施の形態) プーリのV面の母線の形状および金属エレメントのプーリ当接面の概略形状を示す図。(第1の実施の形態) 実施の形態においてミスアライメントが補償される理由の説明図。(第1の実施の形態) 巻き付き径が小さい位置で金属エレメントがプーリのV面に当接する状態を示す図。(第1の実施の形態) 巻き付き径が大きい位置で金属エレメントがプーリのV面に当接する状態を示す図。(第1の実施の形態) 実施の形態の金属エレメントとプーリのV面との当接部の詳細図(巻き付き径が大きい状態)。(第1の実施の形態) 実施の形態の金属エレメントとプーリのV面との当接部の詳細図(巻き付き径が小さい状態)。(第1の実施の形態) 従来の金属エレメントとプーリのV面との当接部の詳細図(その1)。(第1の実施の形態) 従来の金属エレメントとプーリのV面との当接部の詳細図(その2)。(第1の実施の形態) 図8に対応する図。(第2の実施の形態)
第1の実施の形態
以下、図1〜図11に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1に示すように、車両用のベルト式無段変速機Tは平行に配置されたドライブシャフト11およびドリブンシャフト12を備えており、エンジンEのクランクシャフト13はダンパー14を介してドライブシャフト11に接続される。
ドライブシャフト11に支持されたドライブプーリ15は、ドライブシャフト11に対して相対回転自在な固定側プーリ半体15aと、この固定側プーリ半体15aに対して軸方向摺動自在な可動側プーリ半体15bとを備える。可動側プーリ半体15bは、作動油室16に作用する油圧により固定側プーリ半体15aとの間の溝幅が可変である。ドリブンシャフト12に支持されたドリブンプーリ17は、ドリブンシャフト12に固設された固定側プーリ半体17aと、この固定側プーリ半体17aに対して軸方向摺動自在な可動側プーリ半体17bとを備える。可動側プーリ半体17bは、作動油室18に作用する油圧により固定側プーリ半体17aとの間の溝幅が可変である。そしてドライブプーリ15とドリブンプーリ17との間に、2本の金属リング集合体に多数の金属エレメントを装着した金属ベルト19が巻き掛けられる。
ドライブシャフト11の軸端に、前進変速段を確立する際に係合してドライブシャフト11の回転をドライブプーリ15に同方向に伝達するフォワードクラッチ20と、後進変速段を確立する際に係合してドライブシャフト11の回転をドライブプーリ15に逆方向に伝達するリバースブレーキ21とを備えた、シングルピニオン式の遊星歯車機構よりなる前後進切換機構22が設けられる。前後進切換機構22のサンギヤ23はドライブシャフト11に固設され、キャリヤ24はリバースブレーキ21によりケーシング25に拘束可能であり、リングギヤ26はフォワードクラッチ20によりドライブプーリ15に結合可能である。そしてキャリヤ24に支持された複数のピニオン27…がサンギヤ23およびリングギヤ26に同時に噛合する。
ドリブンシャフト12の軸端に設けられた発進クラッチ28は、ドリブンシャフト12に相対回転自在に支持した第1減速ギヤ29を該ドリブンシャフト12に結合する。ドリブンシャフト12と平行に配置された減速軸30に、第1減速ギヤ29に噛合する第2減速ギヤ31が固設される。ディファレンシャルギヤDのギヤボックス32に固設したファイナルドリブンギヤ33に、減速軸30に固設したファイナルドライブギヤギヤ34が噛合する。ギヤボックス32にピニオンシャフト35,35を介して支持した一対のピニオン36,36に、ギヤボックス32に相対回転自在に支持した左車軸37および右車軸38の先端に設けたサイドギヤ39,39が噛合する。左右の車軸37,38の先端にそれぞれ駆動輪W,Wが接続される。
従って、セレクトレバーでフォワードレンジを選択すると、電子制御ユニットU1により作動する油圧制御ユニットU2からの指令により、先ずフォワードクラッチ20が係合し、その結果、ドライブシャフト11はドライブプーリ15に一体に結合される。続いて発進クラッチ28が係合し、エンジンEのトルクがドライブシャフト11→前後進切換機構22→ドライブプーリ15→金属ベルト19→ドリブンプーリ17→ドリブンシャフト12→発進クラッチ28→第1減速ギヤ29→第2減速ギヤ31→減速軸30→ファイナルドライブギヤ34→ファイナルドリブンギヤ33→ディファレンシャルギヤD→車軸37,38の経路で駆動輪W,Wに伝達され、車両は前進発進する。セレクトレバーでリバースレンジを選択すると、油圧制御ユニットU2からの指令によりリバースブレーキ21が係合し、ドライブプーリ15がドライブシャフト11の回転方向と逆方向に駆動されるため、発進クラッチ28の係合により車両は後進発進する。
このようにして車両が発進すると、油圧制御ユニットU2からの指令でドライブプーリ15の作動油室16に供給される油圧が増加し、ドライブプーリ15の可動側プーリ半体15bが固定側プーリ半体15aに接近して有効半径が増加するとともに、ドリブンプーリ17の作動油室18に供給される油圧が減少し、ドリブンプーリ17の可動側プーリ半体17bが固定側プーリ半体17aから離反して有効半径が減少することにより、ベルト式無段変速機Tの変速比がLOW側からOD側に向けて連続的に変化する。
図2に示すように、金属ベルト19は左右一対の金属リング集合体41,41に多数の金属エレメント42…を支持したもので、各々の金属リング集合体41は複数枚の金属リング43…を積層して構成される。金属板材から打ち抜いて成形した金属エレメント42は、エレメント本体44と、金属リング集合体41,41が係合する左右一対のリングスロット45,45間に位置するネック部46と、ネック部46を介して前記エレメント本体44の径方向外側に接続される概略三角形のイヤー部47とを備える。エレメント本体44の左右方向両端部には、ドライブプーリ15およびドリブンプーリ17のV面48,48(図1参照)に当接可能な一対のプーリ当接面49,49が形成される。
本明細書において、前後方向とは金属ベルト19の進行方向を前方として定義され、径方向とはドライブプーリ15あるいはドリブンプーリ17の径方向として定義され、左右方向とはドライブプーリ15あるいはドリブンプーリ17の軸方向として定義される。
次に、図3に基づいて、金属ベルト19にミスアライメントCが発生する理由を説明する。
ドライブプーリ15およびドリブンプーリ17は、その固定側プーリ半体15a,17aどうしを結ぶラインと、その可動側プーリ半体15b,17bどうしを結ぶラインとが交差する位置関係に配置される。例えば、ドライブプーリ15側では固定側プーリ半体15aが左側で可動側プーリ半体15bが右側に配置され、逆にドリブンプーリ17側では固定側プーリ半体17aが右側で可動側プーリ半体17bが左側に配置される。このような配置を採用することで、変速比の変更に伴って発生する金属ベルト19のミスアライメントCが最小限に抑えられる。
図3(B)は変速比iがMID(1.0)の状態を示しており、この状態ではドライブプーリ15の溝中心線L1とドリブンプーリ17の溝中心線L2とが整列し、金属ベルト19の全体が同一平面内に配置されてミスアライメントCはゼロになる。
図3(A)は変速比iがLOWの状態を示しており、この状態ではドライブプーリ15の可動側プーリ半体15bが固定側プーリ半体15aから離反するように右側に移動して溝中心線L1が右側に移動し、またドリブンプーリ17の可動側プーリ半体17bが固定側プーリ半体17aに接近するように右側に移動して溝中心線L2が右側に移動する。このように、変速比iがLOWの状態では、ドライブプーリ15の可動側プーリ半体15bおよびドリブンプーリ17の可動側プーリ半体17bが共に右側に移動し、両プーリ15,17の溝中心線L1,L2が共に右側に移動するためにミスアライメントCの発生が最小限に抑えられるが、ドライブプーリ15の溝中心線L1の右側への移動量がドリブンプーリ17の溝中心線L2の右側への移動量よりも大きいため、ドライブプーリ15側に対してドリブンプーリ17側が左方向に偏倚するミスアライメントCが発生する。
図3(C)は変速比iがODの状態を示しており、この状態ではドライブプーリ15の可動側プーリ半体15bが固定側プーリ半体15aに接近するように左側に移動して溝中心線L1が左側に移動し、またドリブンプーリ17の可動側プーリ半体17bが固定側プーリ半体17aから離反するように左側に移動して溝中心線L2が左側に移動する。このように、変速比iがODの状態では、ドライブプーリ15の可動側プーリ半体15bおよびドリブンプーリ17の可動側プーリ半体17bが共に左側に移動し、両プーリ15,17の溝中心線L1,L2が共に左側に移動するためにミスアライメントCの発生が最小限に抑えられるが、ドライブプーリ15の溝中心線L1の左側への移動量がドリブンプーリ17の溝中心線L2の左側への移動量よりも小さいため、ドライブプーリ15側に対してドリブンプーリ17側が左方向に偏倚するミスアライメントCが発生する。
図4は、本実施の形態のドライブプーリ15の固定側プーリ半体15aのV面48の形状と、そこに当接する金属エレメント42のプーリ当接面49の概略の形状とを示すものである。基本的に円錐面であるV面48の母線は、その径方向中間に位置するプーリ側変曲点48aと、プーリ側変曲点48aよりも径方向内側に位置する直線よりなるプーリ側直線部分48bと、プーリ側変曲点48aよりも径方向外側に位置する曲線よりなるプーリ側曲線部分48cとで構成される。プーリ側変曲点48aから径方向内側に延びるプーリ側直線部分48bは、ドライブシャフト11に直交する平面に対して角度θで傾斜する直線である。プーリ側変曲点48aから径方向外側に延びるプーリ側曲線部分48cは、その接線がドライブシャフト11に直交する平面に対して成す角度がθからθ+Δθへと増加する滑らかな曲線である。
一方、V面48に当接可能な金属エレメント42のプーリ当接面49は基本的に径方向に延びる帯状の面であり、その径方向中間に位置するエレメント側変曲点49aと、エレメント側変曲点49aよりも径方向外側に位置する直線よりなるエレメント側直線部分49bと、エレメント側変曲点49aよりも径方向内側に位置する曲線よりなるエレメント側曲線部分49cとで構成される。エレメント側変曲点49aから径方向外側に延びるエレメント側直線部分49bは、ドライブシャフト11に直交する平面に対して角度θで傾斜する直線である。エレメント側変曲点49aから径方向内側に延びるエレメント側曲線部分49cは、基本的には、その接線がドライブシャフト11に直交する平面に対して成す角度がθからθ+Δθへと増加する曲線であるが、実際には図8に示す更に複雑な形状を有しており、その具体的な形状は後から詳述する。
従って、ドライブプーリ15に対して金属エレメント42が径方向内側に相対移動したとき、プーリ側直線部分48bおよびエレメント側直線部分49bは相互に線接触可能であり、またドライブプーリ15に対して金属エレメント42が径方向内側に相対移動したとき、プーリ側曲線部分48cおよびエレメント側曲線部分49cは相互に点接触可能である。
ドリブンプーリ17の固定側プーリ半体17aのV面48の形状と、そこに当接する金属エレメント42のプーリ当接面49の形状とは、上述したドライブプーリ15の固定側プーリ半体15aのV面48の形状と、そこに当接する金属エレメント42のプーリ当接面49の形状と同じである。
尚、ドライブプーリ15およびドリブンプーリ17の可動側プーリ半体15b,17bの軸線方向の位置は固定されておらず、相手側の固定側プーリ半体15a,17aに対して接近・離間することができるため、可動側プーリ半体15b,17bのV面48の母線の形状はミスアライメントCの補償に関して影響を及ぼすものではない。しかしながら、本実施の形態では、ドライブプーリ15の可動側プーリ半体15bのV面48の母線の形状は固定側プーリ半体15aのV面48の母線の形状と左右対称形状とされ、ドリブンプーリ17の可動側プーリ半体17bのV面48の母線の形状は固定側プーリ半体17aのV面48の母線の形状と左右対称形状とされる。
図4において、ドライブプーリ15の固定側プーリ半体15aのV面48に対して金属エレメント42のプーリ当接面49が径方向外側に相対移動するとき、その前半の変速比iがLOWからMID(1.0)に向かって移行する過程では、プーリ側直線部分48bおよびエレメント側直線部分49bが線接触することで、金属エレメント42はV面48に対してゆっくりと図中左側に移動する。しかしながら、その後半の変速比iがMID(1.0)からODに向かって移行する過程では、プーリ側曲線部分48cおよびエレメント側曲線部分49cが点接触することで、金属エレメント42はV面48に対して急激に図中左側に移動する。
図3に示す従来例において、例えば変速比iが図3(B)のMIDから図3(C)のODに移行する場合を考えると、変速比iがMIDのときはドライブプーリ15に巻き付いた金属ベルト19の金属エレメント42とドリブンプーリ17に巻き付いた金属ベルト19の金属エレメント42とは軸方向に整列しており、従ってミスアライメントCはゼロであるが、変速比iがODのときはドライブプーリ15に巻き付いた金属ベルト19の金属エレメント42に対してドリブンプーリ17に巻き付いた金属ベルト19の金属エレメント42が軸方向左側に偏倚してミスアライメントCが発生している。
しかしながら、図5(B)および図5(C)から明らかなように、本実施の形態によれば、変速比iがMIDからODに移行する過程で、金属ベルト19の巻き付き径が小さいドリブンプーリ17側ではV面48のプーリ側直線部分48bとプーリ当接面49のエレメント側直線部分49bとが当接するため、金属エレメント42の軸方向左側への移動量は小さくなるが、金属ベルト19の巻き付き径が大きいドライブプーリ15側ではV面48のプーリ側曲線部分48cとプーリ当接面49のエレメント側曲線部分49cとが当接するため、金属エレメント42の軸方向左側への移動量は大きくなり、その移動量の差により本来は発生するはずのミスアライメントCが相殺され、ミスアライメントCをゼロにし、あるいはゼロに近い値に低減することができる。
図3に示す従来例において、例えば変速比iが図3(B)のMIDから図3(A)のLOWに移行する場合を考えると、変速比iがMIDのときはドライブプーリ15に巻き付いた金属ベルト19の金属エレメント42とドリブンプーリ17に巻き付いた金属ベルト19の金属エレメント42とは軸方向に整列しており、従ってミスアライメントCはゼロであるが、変速比iがLOWのときはドライブプーリ15に巻き付いた金属ベルト19の金属エレメント42に対してドリブンプーリ17に巻き付いた金属ベルト19の金属エレメント42が軸方向左側に偏倚してミスアライメントCが発生している。
しかしながら、図5(B)および図5(A)から明らかなように、本実施の形態によれば、変速比iがMIDからLOWに移行する過程で、金属ベルト19の巻き付き径が小さいドライブプーリ15側ではV面48のプーリ側直線部分48bとプーリ当接面49のエレメント側直線部分49bとが当接するため、金属エレメント42の軸方向右側への移動量は小さくなるが、金属ベルト19の巻き付き径が大きいドリブンプーリ17側ではV面48のプーリ側曲線部分48cとプーリ当接面49のエレメント側曲線部分49cとが当接するため、金属エレメント42の軸方向右側への移動量は大きくなり、その移動量の差により本来は発生するはずのミスアライメントCが相殺され、ミスアライメントCをゼロにし、あるいはゼロに近い値に低減することができる。
このように、ドライブプーリ15およびドリブンプーリ17のV面48にプーリ側直線部分48bおよびプーリ側曲線部分48cを形成し、かつ金属エレメント42のプーリ当接面49にエレメント側直線部分49bおよびエレメント側曲線部分49cを形成することで、変速比iの変更に伴って発生する金属ベルト19にミスアライメントCを補償することができるので、金属ベルト19は軸線方向の荷重を受けることなくドライブプーリ15およびドリブンプーリ17の溝中心に整列することができ、金属ベルト19の金属エレメント42…はドライブプーリ15およびドリブンプーリ17のV面48…にスムーズに噛み込むことが可能になって異常摩耗等による耐久性低下を防止することができる。
上述したように、V面48のプーリ側曲線部分48cおよびプーリ当接面49のエレメント側曲線部分49cの形状をミスアライメントCに相当する量だけ湾曲させた曲線形状とすることで、ミスアライメントCの影響を補償することができる。その反面、従来の金属エレメント42の形状は、図10に示すように、金属ベルト19の巻き付き径が大きくなると、V面48のプーリ側曲線部分48cとプーリ当接面49のエレメント側曲線部分49cとの当接点Pがエレメント側曲線部分49c上を次第に径方向内側に移動するため、当接点Pと金属エレメント42のサドル面50との距離dが増加する。その結果、金属ベルト19の巻き付き径の増加に応じて、プーリ当接面49の径方向外端部(サドル面50の左右方向外端部)とV面48との間の隙間αが増加することになる。尚、プーリ当接面49の径方向外端部とは、そこが面取りされずに尖っていると仮定した位置である。
図6および図7に示すように、金属エレメント42のサドル面50および金属リング集合体41の金属リング43…にはそれぞれ左右方向のクラウニングが施されており、サドル面50のクラウニングの頂点C1は、金属リング43…のクラウニングの頂点C2に対して、初期状態(設計値)において距離βだけ左右方向外側に偏倚している。
これを更に説明すると、図6は、金属ベルト19の巻き付き径が小さく、プーリ側直線部分48bおよびエレメント側直線部分49bが当接する状態を示しており、このとき隙間αは0であってクラウニングの二つの頂点C1,C2は設定値である距離βだけずれている。よって、クラウニングの二つの頂点C1,C2が一致しようとするセンタリング作用で金属リング集合体41はサドル面50に対して左右方向外側に付勢され、金属リング集合体41の左右方向外縁がV面48に当接することで、金属リング集合体41の左右方向のランダムな移動が抑制されて金属リング集合体41の挙動の安定が図られる。
一方、図7は金属ベルト19の巻き付き径が最大であってプーリ側曲線部分48cおよびエレメント側曲線部分49cが当接する状態を示しており、このとき隙間αは最大のαmaxとなる。クラウニングの二つの頂点C1,C2が一致しようとするセンタリング作用で金属リング集合体41はサドル面50に対して左右方向外側に隙間αmaxに相当する距離だけ移動するが、その移動後であってもクラウニングの二つの頂点C1,C2の距離β′は0より大きい正値に維持される。よって金属ベルト19の巻き付き径が最大になって隙間αが最大のαmaxになっても、β>αmaxの関係が常時成立することになる。よって、金属リング集合体41の左右方向外縁はV面48に確実に当接し、金属リング集合体41の左右方向のランダムな移動が抑制されて金属リング集合体41の挙動の安定が図られる。
尚、隙間αはプーリ側変曲点48aよりも巻き付き径が大きくなるにつれて0から大きくなり、最大巻き付き径にてαmaxになる。また設計値βと最大隙間αmaxとの関係であるβ>αmaxは、金属リング集合体41の最外周の金属リング43まで全てに適用されるものである。
しかしながら、図10において、プーリ当接面49の径方向外端部とV面48との間の隙間αが増加すると、クラウニングにより左右方向外側に付勢された金属リング集合体41がサドル面50から隙間α上にはみ出してしまい、その分だけサドル面50と金属リング集合体41との接触面積が減少して接触面圧が高まることで、金属エレメント42や金属リング集合体41の耐久性に悪影響が及ぶ懸念がある。よって、金属ベルト19の巻き付き径が増加したとき、プーリ当接面49の径方向外端部とV面48との間の隙間αを可及的に小さく抑えることが望ましい。
そこで、図11に示すように、V面48のプーリ側曲線部分48cに当接するプーリ当接面49の当接点Pの径方向外側にずらし、当接点Pと金属エレメント42のサドル面50との距離dを減少させれば、隙間αを小さく抑えることができる。しかしながら、当接点Pを径方向外側にずらそうとしても、従来のエレメント側曲線部分49cの形状では、金属ベルト19の巻き付き径が増加したときに、当接点Pの径方向内側でエレメント側曲線部分49cがプーリ側曲線部分48cと干渉してしまうため(図11の斜線部参照)、当接点Pを径方向外側にずらすことは困難である。
図8は、本実施の形態の金属エレメント42のエレメント側曲線部分49cの詳細な形状を示すものであり、このエレメント側曲線部分49cは、エレメント側直線部分49bの径方向内側に滑らかに連なる半径R1の第1円弧部A1と、第1円弧部A1の径方向内側に角部を介して連なる半径R2の第2円弧部A2とで構成される。第2円弧部A2の曲率半径R2は第1円弧部A1の曲率半径R1よりも大きく設定される。これにより、第1円弧部A1と第2円弧部A2との間に左右方向内側に窪む空間γが形成され、第1円弧部A1は主当接点P1でV面48に当接し、第2円弧部A2は副当接点P2でV面48に当接することになる。
図9に示すように、変速比iがMID(1.0)の状態よりも金属ベルト19の巻き付き径が小さいとき、エレメント側直線部分49bとプーリ側直線部分48bとが線接触した状態にある。本実施の形態では、ここから金属ベルト19の巻き付き径が増加して変速比iがMID(1.0)の状態の近傍に達すると、エレメント側曲線部分49cとプーリ側曲線部分48cとが、主当接点P1および副当接点P2の2点で相互に当接する。ここから金属ベルト19の巻き付き径が更に増加すると、幾何学的には副当接点P2が当接状態に維持されて主当接点P1がV面48から浮き上がることになる。言い換えると、主当接点P1を当接状態に維持しようとすると副当接点P2の近傍がプーリ側曲線部分48cと干渉してしまい(図8の斜線部分参照)、主当接点P1を当接状態に維持できなくなる。
しかしながら、金属エレメント42の本体部44の下縁の左右方向両端側には三角形状の凹部51,51が形成されており、エレメント側曲線部分49cは左右方向内側に比較的容易に弾性変形可能であるため、この弾性変形により副当接点P2が左右方向内側に変位することで、主当接点P1および副当接点P2の2点での当接状態を維持することができる。
金属エレメント42のプーリ当接面49を上述した形状とすることで、金属ベルト19が変速比iがMID(1.0)の位置よりも径方向内側にあるときには、プーリ側直線部分48bおよびエレメント側直線部分49bを当接させて隙間αを0にすることができる(図9参照)。また金属ベルト19が変速比iがMID(1.0)の位置よりも径方向外側にあるときには、図8に示すように、プーリ側曲線部分48cおよびエレメント側曲線部分49cを主当接点P1および副当接点P2の2点で当接するが、曲率半径R1が小さい第1円弧部A1の径方向内側には左右方向内側に窪む空間γが存在し、第1円弧部A1は局部的に左右方向外側に突出するため、第1円弧部A1の主当接点P1の位置は金属ベルト19の位置が径方向外側に移動しても略一定に維持される。その結果、金属ベルト19の位置が径方向外側に移動するのに伴ってプーリ当接面49の径方向外端部とV面48との間の隙間αが増加するのが防止され、全ての変速比領域において隙間αの大きさが最小限に抑えられる。よって、金属リング集合体41の左右方向外端部が隙間α上に張り出す量が小さくなり、金属リング集合体41およびサドル面50の接触面圧の増加を抑制して耐久性を高めることができる。
しかも、仮にプーリ側曲線部分48cおよびエレメント側曲線部分49cが主当接点P1だけで当接すると、主当接点P1の接触面圧が過剰に高まって耐久性に悪影響が及ぶ可能性があるが、本実施の形態によれば、プーリ側曲線部分48cおよびエレメント側曲線部分49cが主当接点P1および副当接点P2の2点で当接することにより、接触面圧を低下させて耐久性を確保することができる。
尚、金属ベルト19が変速比iがMID(1.0)の位置よりも径方向内側にあり、プーリ側直線部分48bおよびエレメント側直線部分49bが線接触するとき、エレメント側曲線部分49cの第2円弧部A2はプーリ側直線部分48bに当接することはない(図9参照)。これにより、プーリ側直線部分48bおよびエレメント側直線部分29bが当接する変速比領域において、第2円弧部A2がプーリ側直線部分48bに無駄に当接して偏摩耗するのを防止することができる。
第2の実施の形態
第1の実施の形態では、エレメント側曲線部分49cを構成する第1円弧部A1および第2円弧部A2が尖った角部で交差するため(図8参照)、その部分に応力集中が発生する可能性がある。図12に示す第2の実施の形態は、第1円弧部A1および第2円弧部A2を滑らかな曲線よりなる接続部A3で接続して尖った角部で交差するのを防止したものであり、これにより尖った角部における応力集中の発生を回避することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施の形態では、変速比iがMID(1.0)の状態の近傍に達するとエレメント側曲線部分49cとプーリ側曲線部分48cとが主当接点P1および副当接点P2の2点で相互に当接し、ここから金属ベルト19の巻き付き径が増加すると、金属エレメント42の弾性変形で主当接点P1および副当接点P2の2点が当接状態に維持されるが、変速比iがMID(1.0)の状態の近傍に達するとエレメント側曲線部分49cとプーリ側曲線部分48cとが主当接点P1だけで相互に当接し、ここから金属ベルト19の巻き付き径が増加しても主当接点P1だけが当接して副当接点P2は当接せず、金属ベルト19の巻き付き径が更に増加したときに主当接点P1および副当接点P2の2点が同時に当接するようにしても良い。即ち、全変速比領域のうちの少なくとも一つの変速比において、主当接点P1および副当接点P2の2点が同時に当接するようにしても良い。
15 ドライブプーリ
15a 固定側プーリ半体
15b 可動側プーリ半体
17 ドリブンプーリ
17a 固定側プーリ半体
17b 可動側プーリ半体
19 金属ベルト
41 金属リング集合体
42 金属エレメント
48 V面
48a プーリ側変曲点
48b プーリ側直線部分
48c プーリ側曲線部分
49 プーリ当接面
49a エレメント側変曲点
49b エレメント側直線部分
49c エレメント側曲線部分
50 サドル面
A1 第1円弧部
A2 第2円弧部
A3 接続部
C1 サドル面のクラウニングの頂点
C2 金属リング集合体のクラウニングの頂点
R1 第1円弧部の曲率半径
R2 第2円弧部の曲率半径
α V面とプーリ当接面の径方向外端部との間に発生する隙間
β クラウニングの二つの頂点間の所定距離

Claims (4)

  1. 固定側プーリ半体(15a)および可動側プーリ半体(15b)からなるドライブプーリ(15)と、固定側プーリ半体(17a)および可動側プーリ半体(17b)からなるドリブンプーリ(17)と、前記ドライブプーリ(15)のV面(48)および前記ドリブンプーリ(17)のV面(48)に巻き掛けられた金属ベルト(19)とを備え、前記金属ベルト(19)は金属リング集合体(41)に複数の金属エレメント(42)を支持して構成され、前記ドライブプーリ(15)および前記ドリブンプーリ(17)の一方の溝幅を増加させて他方の溝幅を減少させることで変速比を変更するベルト式無段変速機であって、
    前記ドライブプーリ(15)および前記ドリブンプーリ(17)の前記V面(48)の母線は、プーリ側変曲点(48a)よりも径方向内側のプーリ側直線部分(48b)と、前記プーリ側変曲点(48a)よりも径方向外側のプーリ側曲線部分(48c)とを備え、
    前記金属エレメント(42)のプーリ当接面(49)は、エレメント側変曲点(49a)よりも径方向外側に位置して前記プーリ側直線部分(48b)に当接可能なエレメント側直線部分(49b)と、前記エレメント側変曲点(49a)よりも径方向内側に位置して前記プーリ側曲線部分(48c)に当接可能なエレメント側曲線部分(49c)とを備え、
    前記エレメント側曲線部分(49c)は、前記エレメント側直線部分(49b)よりも径方向内側に位置する第1円弧部(A1)と、前記第1円弧部(A1)よりも径方向内側に位置する第2円弧部(A2)とを含み、少なくとも一つの変速比において前記第1円弧部(A1)および前記第2円弧部(A2)が同時に前記プーリ側曲線部分(48c)に当接することを特徴とするベルト式無段変速機。
  2. 前記第2円弧部(A2)の曲率半径(R2)は前記第1円弧部(A1)の曲率半径(R1)よりも大きく、前記プーリ側直線部分(48b)および前記エレメント側直線部分(49b)が当接するときに、前記第2円弧部(A2)は前記プーリ側直線部分(48b)に当接しないことを特徴とする、請求項1に記載のベルト式無段変速機。
  3. 前記エレメント側曲線部分(49c)は、前記第1円弧部(A1)と前記第2円弧部(A2)とを滑らかに接続する接続部(A3)を含むことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のベルト式無段変速機。
  4. 前記金属エレメント(42)のサドル面(50)および該サドル面(50)に支持される前記金属リング集合体(41)にはそれぞれ左右方向のクラウニングが施されており、前記サドル面(50)のクラウニングの頂点(C1)は、前記金属リング集合体(41)のクラウニングの頂点(C2)に対して所定距離(β)だけ左右方向外側に偏倚しており、前記所定距離(β)は、前記V面(48)と前記プーリ当接面(49)の径方向外端部との間に発生する隙間(α)よりも大きく設定されることを特徴とする、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のベルト式無段変速機。
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