JP6859915B2 - 伝動ベルト - Google Patents

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H9/00Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by endless flexible members
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    • F16H9/12Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by endless flexible members without members having orbital motion using belts, V-belts, or ropes engaging a pulley built-up out of relatively axially-adjustable parts in which the belt engages the opposite flanges of the pulley directly without interposed belt-supporting members
    • F16H9/16Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by endless flexible members without members having orbital motion using belts, V-belts, or ropes engaging a pulley built-up out of relatively axially-adjustable parts in which the belt engages the opposite flanges of the pulley directly without interposed belt-supporting members using two pulleys, both built-up out of adjustable conical parts

Description

本発明は、ベルト式無段変速機などに用いられる伝動ベルトに係り、特に、動力伝達効率を向上させる技術に関するものである。
(a) 無端環状のフープと、(b) そのフープに沿って環状に連ねられた状態でそのフープにより支持される多数の板状のエレメントと、を有し、(c) 複数のプーリに跨がって巻き掛けられて、前記エレメントの幅方向の両端の一対のフランク面がプーリの一対の円すい面の間で挟圧されてその円すい面に摩擦接触させられることにより、複数のプーリの間で動力を伝達する伝動ベルトが、ベルト式無段変速機などに用いられている。特許文献1に記載の伝動ベルトはその一例である。特許文献1には、フランク面のフランク角が異なる複数種類のエレメントを用いることで、多数のエレメントの剛性を相違させ、各エレメントがプーリに突入する(噛み込む)際に発生する振動やノイズを低減する技術が提案されている。
特開2008−223938号公報
ところで、未だ公知ではないが、エレメントのフランク面のフランク角をプーリの円すい面の径方向傾斜角、すなわち円すい面とプーリの軸線に対して垂直な面との間の角度、よりも大きくすると、フランク面の外周側部分と円すい面との間の押圧荷重が内周側部分よりも大きい外当り状態になる。このような外当り状態では、エレメントがプーリに突入する際の姿勢が安定し、動力伝達効率が向上する。例えば、図6は、エレメント100の一対のフランク面102のフランク角βを、プーリ104の一対の円すい面106の径方向傾斜角αよりも大きくした場合で、フランク面102の外周側部分Aの押圧荷重が内周側部分よりも大きい外当り状態になり、エレメント100がプーリ104に突入する際の姿勢が安定して動力伝達効率が向上する。なお、図6は、エレメント100の一対の凹溝108内に収容される一対のフープを省略した図である。また、フランク面102の外周側部分Aは、伝動ベルトがプーリ106に巻き掛けられた状態において、そのプーリ106の外周側に位置する部分で、図6では図の上方が外周側である。
しかし、フランク面102の外周側部分Aが摩耗すると、円すい面106との接触範囲が次第に内周側へ拡大し、外当りによる動力伝達効率の向上効果が低下する。フランク角βと径方向傾斜角αとの角度差を大きくすれば、フランク面102の摩耗に拘らず外当り状態を長く維持することができるが、図7に示すようにエレメント100がローリングし易くなるため、姿勢が不安定になり、動力伝達効率や耐久性が悪化する可能性がある。図7は、エレメント100が右まわりにローリングした場合であるが、左まわりにローリングする可能性もある。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、エレメントのフランク角をプーリの径方向傾斜角よりも大きくしてエレメントが外当り状態になるようにした場合に、フランク面の摩耗に拘らず外当り状態をできるだけ長く維持できるようにすることにある。
かかる目的を達成するために、第1発明は、(a) 無端環状のフープと、(b) そのフープに沿って環状に連ねられた状態でそのフープにより支持される多数の板状のエレメントと、を有し、(c) 複数のプーリに跨がって巻き掛けられて、前記エレメントの幅方向の両端の一対のフランク面がプーリの一対の円すい面の間で挟圧されて円すい面に摩擦接触させられることにより、複数のプーリの間で動力を伝達する伝動ベルトにおいて、(d) 前記多数のエレメントは、前記フランク面の外周側部分と前記円すい面との間の押圧荷重が内周側部分よりも大きい外当り状態となるように、その円すい面と前記プーリの軸線に対して垂直な面との間の角度であるその円すい面の径方向傾斜角よりもフランク面のフランク角が大きくされているとともに、(e) 前記多数のエレメントは、幅寸法が異なる第1エレメントおよび第2エレメントを有し、幅広の第1エレメントのフランク面の摩耗が進行すると、幅狭の第2エレメントのフランク面が前記プーリの円すい面に接触させられる一方、(f) 前記第1エレメントの幅寸法と前記第2エレメントの幅寸法との寸法差は、前記第1エレメントのフランク面が内周側端部まで摩耗して前記プーリの円すい面に摩擦接触させられる前に、前記第2エレメントのフランク面の外周側端部が前記プーリの円すい面に摩擦接触させられるように、前記第1エレメントの前記フランク角と前記円すい面の前記径方向傾斜角との角度差に基づいて定められており、伝動ベルト全体として前記第1エレメントのフランク面の摩耗に拘らず前記外当り状態が継続して維持されることを特徴とする。
上記フランク面の外周側部分および内周側部分は、伝動ベルトがプーリに巻き掛けられた状態において、そのプーリの外周側に位置する部分、内周側に位置する部分を意味する。
発明は、第1発明の伝動ベルトにおいて、前記第1エレメントおよび前記第2エレメントは、前記フランク角が互いに等しいことを特徴とする。
発明は、第1発明または第2発明の伝動ベルトにおいて、前記第1エレメントおよび前記第2エレメントの前記幅寸法の目標値の寸法差は、その幅寸法の寸法公差による最大ばらつき幅よりも大きいことを特徴とする。
発明は、第発明の伝動ベルトにおいて、前記第1エレメントおよび前記第2エレメントの前記幅寸法の寸法公差は±0.025mm以下(すなわち最大ばらつき幅が0.050mm以下)で、その幅寸法の目標値の寸法差は0.050mmよりも大きいことを特徴とする。
発明は、第1発明〜第発明の何れかの伝動ベルトにおいて、(a) 前記多数のエレメントは、前記幅方向の両方向に向かって対称的に開口する一対の凹溝を前記フランク面の外周側に連続して備えており、(b) 前記一対の凹溝内にそれぞれ前記フープが収容されることにより、その一対のフープによって前記多数のエレメントが環状に連ねられた状態で支持されていることを特徴とする。
発明は、第1発明〜第発明の何れかの伝動ベルトにおいて、前記伝動ベルトは、V溝幅が可変の一対の可変プーリに巻き掛けられて使用されるベルト式無段変速機用の伝動ベルトであることを特徴とする。
このような伝動ベルトにおいては、フランク面の外周側部分の押圧荷重が内周側部分よりも大きい外当り状態となるように、多数のエレメントのフランク角がプーリの径方向傾斜角よりも大きくされているため、エレメントがプーリに突入する際の姿勢が安定して動力伝達効率が向上する。しかも、多数のエレメントは、幅広の第1エレメントおよび幅狭の第2エレメントを備えており、第1エレメントのフランク面の摩耗が進行すると、幅狭の第2エレメントのフランク面がプーリの円すい面に接触させられるため、伝動ベルト全体として外当り状態が長期間に亘って維持され、動力伝達効率の向上効果が長期間に亘って得られる。すなわち、幅狭の第2エレメントが存在することで、第1エレメントのフランク面の摩耗の進行が速くなるが、第2エレメントのフランク面が円すい面に接触して摩耗する際には、第1エレメントのフランク面が広い範囲で円すい面に接触しているため、その摩耗の進行が遅くなり、外当り状態の程度は低くなるものの外当り状態の持続時間が長くなる。
また、第1エレメントのフランク面の摩耗が進行した場合に、第2エレメントのフランク面がプーリの円すい面に接触させられることにより、伝動ベルト全体として第1エレメントのフランク面の摩耗に拘らず外当り状態が継続して維持されるように、第1エレメントおよび第2エレメントの幅寸法の寸法差が定められているため、外当り状態が継続して適切に維持され、動力伝達効率の向上効果が長期間に亘って継続して得られる。
発明および第発明は、第1エレメントおよび第2エレメントの幅寸法の目標値の寸法差が、その幅寸法の寸法公差による最大ばらつき幅よりも大きい場合で、第1エレメントおよび第2エレメントの幅寸法が確実に相違させられて、外当り状態の持続時間を長くできる。また、第1エレメントおよび第2エレメントの実際の幅寸法の度数分布等により、単なる寸法誤差による幅寸法のばらつきと明確に区別することができる。
発明は、多数のエレメントが、幅方向の両方向に向かって対称的に開口する一対の凹溝をフランク面の外周側に連続して備えており、その一対の凹溝内に収容される一対のフープによって支持されている場合で、外当り状態で一対の円すい面の間で挟圧されることと相まって、プーリに突入する際のエレメントの姿勢が一層安定する。
本発明の一実施例である伝動ベルトを有する車両用ベルト式無段変速機の一例を説明する斜視図である。 図1のベルト式無段変速機の伝動ベルトを説明する図で、図1におけるII平面部分の断面図である。 図2に示されるエレメントの右側面図である。 幅寸法が異なる2種類のエレメントを説明する正面図である。 図4に示す2種類のエレメントが可変プーリの一対の円すい面の間で挟圧された状態を示す正面図で、右半分は初期状態、左半分は幅広の第1エレメントが摩耗して幅狭の第2エレメントのフランク面が円すい面に摩擦接触させられた状態である。 フランク角βが径方向傾斜角αよりも大きくされた外当り状態のエレメントの正面図である。 エレメントのローリングを説明する正面図である。
本発明は、車両用のベルト式無段変速機に用いられる伝動ベルトに好適に適用されるが、車両用以外のベルト式無段変速機や変速比が一定の一対のプーリ間に巻き掛けられて用いられる伝動ベルト、3つ以上のプーリに巻き掛けられて用いられる伝動ベルトなど、種々の伝動ベルトに適用され得る。エレメントには、例えばフープを収容する一対の凹溝が左右対称に横向きに開口するように設けられ、それ等の凹溝にそれぞれフープが収容されるが、単一のフープを収容する単一の凹溝を有するエレメントであっても良い。
多数のエレメントは、幅広の第1エレメントおよび幅狭の第2エレメントのみで構成されても良いが、幅寸法が異なる3種類以上のエレメントを用いることもできる。第1エレメントおよび第2エレメントだけで構成される場合、その第1エレメントおよび第2エレメントは伝動ベルトの周方向において交互に配置することが望ましいが、特に片寄った分布にならない限り、周方向においてランダムに配置することも可能である。幅寸法が異なる3種類以上のエレメントを用いる場合も同様である。複数種類のエレメントの幅寸法の寸法差は、フランク面の摩耗に拘らず外当り状態が継続して維持されるように、フランク角等を考慮して設定される。
幅寸法が異なる複数種類のエレメントのフランク角は互いに同じでも良いが、径方向傾斜角よりも大きいことを条件としてフランク角を互いに相違させても良い。例えば、幅広の第1エレメントのフランク角を第2エレメントよりも大きくしたり、幅狭の第2エレメントのフランク角を第1エレメントよりも大きくしたりしても良い。複数種類のエレメントの幅寸法の目標値の寸法差は、例えば幅寸法の寸法公差による最大ばらつき幅よりも大きくされるが、寸法公差を考慮することなく幅寸法の寸法差を設定しても良い。その場合でも、実際の幅寸法の度数分布などから単なる寸法誤差と区別することができる。寸法公差は例えば±0.025mm以下とされ、幅寸法の目標値の寸法差は0.050mmよりも大きくされるが、これ等の寸法公差や寸法差は、エレメントの大きさや要求精度等に応じて適宜定められる。
以下、本発明の実施例を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において、図は説明のために適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明の一実施例である伝動ベルト10を有する車両用ベルト式無段変速機8を説明する斜視図である。図2は、図1におけるII平面部分の断面図で、図3は、図2におけるエレメント26の右側面図である。ベルト式無段変速機8は、溝幅が可変であるV溝12を外周部に有して互いに平行な軸心まわりに回転可能に設けられた一対の可変プーリ14、16を備えており、それ等の可変プーリ14、16に跨がって伝動ベルト10が巻き掛けられている。可変プーリ14、16は、それぞれ回転軸18、19に固定された固定回転体14a、16aと、回転軸18、19に対して軸方向に相対移動可能に設けられた可動回転体14b、16bとを備えており、可動回転体14b、16bは図示しない押圧装置(油圧シリンダなど)により固定回転体14a、16aに対して接近する方向へ押圧されるようになっている。固定回転体14aおよび可動回転体14bの相対向する面、および固定回転体16aおよび可動回転体16bの相対向する面には、径方向外側に向かうに従って軸方向の離間距離が大きくなる円すい面20がそれぞれ設けられている。上記V溝12は、これら一対の相対向する円すい面20により形成されている。
伝動ベルト10は、可撓性を有する薄板帯状のリング22が複数重ね合わされた無端環状の一対のフープ24と、それら一対のフープ24によって支持されるとともに一対のフープ24に沿って厚さ方向に環状に連ねられた板状の金属から成る多数のエレメント26とを備えている。リング22は、例えば高張力鋼板等の金属薄板がリング状とされたもので、多数のリング22が内から外へ層状に重ねられてフープ24が構成されている。エレメント26は、例えば厚さ数mm程度の鋼板が打ち抜かれて成形された厚肉板状片で、数百個程度(例えば300〜500)用いられている。エレメント26は、図2に示すように幅方向の両端に一対のフランク面28を備えており、それ等のフランク面28が一対の円すい面20の間で挟圧されてその円すい面20に摩擦接触させられることにより、一対の可変プーリ14、16間で動力を伝達する。エレメント26にはまた、幅方向の両方向に向かって対称的に開口するように一対の凹溝30が設けられている。凹溝30は、フランク面28の外周側(図2における上側)に連続して設けられており、その一対の凹溝30内にそれぞれフープ24が収容されることにより、その一対のフープ24によって多数のエレメント26が環状に連ねられた状態で支持されている。
このような伝動ベルト10は、一対の可変プーリ14および16に巻き掛けられて周方向へ回転させられることにより、それ等の可変プーリ14と16との間で動力を伝達する。すなわち、それ等の可変プーリ14、16に巻き掛けられた部分、具体的にはエレメント26のフランク面28が円すい面20に接触させられる領域では、張力によりフランク面28が円すい面20に押圧されて摩擦接触させられ、この摩擦により可変プーリ14、16と伝動ベルト10との間で動力伝達が行なわれる。
ここで、本実施例のエレメント26は、図4に実線および破線で示すように幅寸法が異なる2種類の第1エレメント26aおよび第2エレメント26bにて構成されている。この2種類の第1エレメント26aおよび第2エレメント26bは略同数用いられ、例えば伝動ベルト10の周方向において交互に配置されるが、ランダムに配置することも可能である。
図4において、フランク面28aを実線で示した第1エレメント26aの幅寸法(目標値)Waは、フランク面28bを破線で示した第2エレメント26bの幅寸法(目標値)Wbよりも大きい。したがって、初期状態では図5の中心線Sよりも右半分に示すように、第1エレメント26aのフランク面28aが可変プーリ14、16の円すい面20に摩擦接触させられる。第1エレメント26aのフランク面28aの摩耗が進行して、幅寸法WaとWbとの寸法差ΔW(=Wa−Wb)に相当する所定量だけ摩耗させられると、中心線Sよりも左半分に示すように、フランク面28aに加えて第2エレメント26bのフランク面28bが可変プーリ14、16の円すい面20に摩擦接触させられるようになる。なお、第1エレメント26aおよび第2エレメント26bは、何れも中心線Sに対して左右対称に構成されており、左右一対のフランク面28a、28bのフランク角βは互いに等しい。なお、フランク角βは、図4から明らかなように、フランク面28a、28bとエレメント26の幅方向に対して垂直な面との間の角度である。
上記第1エレメント26a、第2エレメント26bのフランク面28a、28bのフランク角βは互いに等しいが、そのフランク角βは、可変プーリ14、16の円すい面20の径方向傾斜角α(図2参照)よりも大きい。これにより、図5の右半分に示すように、第1エレメント26aのフランク面28aが円すい面20に摩擦接触する初期状態では、フランク面28aの外周側部分Aと円すい面20との間の押圧荷重が内周側部分よりも大きい外当り状態となる。また、図5の左半分に示すように、第1エレメント26aのフランク面28aの摩耗が進行して第2エレメント26bのフランク面28bが円すい面20に摩擦接触させられる場合も、その初期状態ではフランク面28bの外周側部分Bと円すい面20との間の押圧荷重が内周側部分よりも大きい外当り状態となる。この場合、第1エレメント26aのフランク面28aは、摩耗によって内周側端部の近傍まで円すい面20に摩擦接触させられるが、第2エレメント26bが外当り状態であるため、伝動ベルト10全体としては外周側部分の押圧荷重が内周側部分よりも大きい外当り状態になる。なお、径方向傾斜角αは、図2から明らかなように、円すい面20とプーリ14の軸線に対して垂直な面との間の角度であり、90°から円すい母線角(テーパ半角)を減じた角度に相当する。
第1エレメント26aの幅寸法Waと第2エレメント26bの幅寸法Wbとの寸法差ΔW(=Wa−Wb)は、第1エレメント26aのフランク面28aの摩耗が進行した場合に、第2エレメント26bのフランク面28bが円すい面20に接触させられることにより、伝動ベルト10全体として第1エレメント26aのフランク面28aの摩耗に拘らず外当り状態が継続して維持されるように、フランク角βと径方向傾斜角αとの角度差γ(図5参照)や寸法公差等を考慮して設定される。具体的には、角度差γに基づいて、第1エレメント26aのフランク面28aが内周側端部まで摩耗して円すい面20に接触させられる前に、第2エレメント26bのフランク面28bの外周側端部が円すい面20に摩擦接触させられるように、寸法差ΔWを設定する。また、寸法差ΔWは、寸法公差による最大ばらつき幅よりも大きくされる。例えば寸法公差が±0.025mm以下の場合、寸法差ΔWを0.050mmよりも大きくする。
このような本実施例のベルト式無段変速機8用の伝動ベルト10においては、フランク面28a、28bの外周側部分A、Bの押圧荷重が内周側部分よりも大きい外当り状態となるように、多数の第1エレメント26aおよび第2エレメント26bのフランク角βが可変プーリ14、16の径方向傾斜角αよりも大きくされているため、エレメント26a、26bが可変プーリ14、16に突入する際の姿勢が安定して動力伝達効率が向上する。しかも、多数のエレメント26が幅広の第1エレメント26aおよび幅狭の第2エレメント26bにて構成されており、第1エレメント26aのフランク面28aの摩耗が進行すると、幅狭の第2エレメント26bのフランク面28bが可変プーリ14、16の円すい面20に接触させられるため、伝動ベルト10全体として外当り状態が長期間に亘って維持され、動力伝達効率の向上効果が長期間に亘って得られる。すなわち、幅狭の第2エレメント26bが存在することで、第1エレメント26aのフランク面28aの摩耗の進行が速くなるが、第2エレメント26bのフランク面28bが円すい面20に接触して摩耗する際には、第1エレメント26aのフランク面28aが広い範囲で円すい面20に接触しているため、その摩耗の進行が遅くなり、外当り状態の程度は低くなるものの外当り状態の持続時間が長くなる。
また、第1エレメント26aのフランク面28aの摩耗が進行した場合に、第2エレメント26bのフランク面28bが可変プーリ14、16の円すい面20に接触させられることにより、伝動ベルト10全体として第1エレメント26aのフランク面28aの摩耗に拘らず外当り状態が継続して維持されるように、第1エレメント26aおよび第2エレメント26bの幅寸法Wa、Wbの寸法差ΔWが定められているため、外当り状態が継続して適切に維持され、動力伝達効率の向上効果が長期間に亘って継続して得られる。
また、第1エレメント26aおよび第2エレメント26bの幅寸法(目標値)Wa、Wbの寸法差ΔWを、寸法公差による最大ばらつき幅よりも大きくした場合、第1エレメント26aおよび第2エレメント26bの実際の幅寸法が確実に相違させられて、外当り状態の持続時間を長くできる。また、第1エレメント26aおよび第2エレメント26bの実際の幅寸法の度数分布等により、単なる寸法誤差による幅寸法のばらつきと確実に区別することができる。
また、多数のエレメント26a、26bは、幅方向の両方向に向かって対称的に開口する一対の凹溝30をフランク面28a、28bの外周側に連続して備えており、その一対の凹溝30内に収容される一対のフープ24によって支持されているため、外当り状態で一対の円すい面20の間で挟圧されることと相まって、可変プーリ14、16に突入する際のエレメント26a、26bの姿勢が一層安定する。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
8:ベルト式無段変速機 10:伝動ベルト 14、16:可変プーリ(プーリ) 20:円すい面 24:フープ 26:エレメント 26a:第1エレメント 26b:第2エレメント 28、28a、28b:フランク面 30:凹溝 α:径方向傾斜角 β:フランク角 γ:角度差 A、B:外周側部分 Wa、Wb:幅寸法(目標値)

Claims (6)

  1. 無端環状のフープと、
    該フープに沿って環状に連ねられた状態で該フープにより支持される多数の板状のエレメントと、
    を有し、複数のプーリに跨がって巻き掛けられて、前記エレメントの幅方向の両端の一対のフランク面が該プーリの一対の円すい面の間で挟圧されて該円すい面に摩擦接触させられることにより、該複数のプーリの間で動力を伝達する伝動ベルトにおいて、
    前記多数のエレメントは、前記フランク面の外周側部分と前記円すい面との間の押圧荷重が内周側部分よりも大きい外当り状態となるように、該円すい面と前記プーリの軸線に対して垂直な面との間の角度である該円すい面の径方向傾斜角よりも該フランク面のフランク角が大きくされているとともに、
    前記多数のエレメントは、幅寸法が異なる第1エレメントおよび第2エレメントを有し、幅広の第1エレメントのフランク面の摩耗が進行すると、幅狭の第2エレメントのフランク面が前記プーリの円すい面に接触させられる一方、
    前記第1エレメントの幅寸法と前記第2エレメントの幅寸法との寸法差は、前記第1エレメントのフランク面が内周側端部まで摩耗して前記プーリの円すい面に摩擦接触させられる前に、前記第2エレメントのフランク面の外周側端部が前記プーリの円すい面に摩擦接触させられるように、前記第1エレメントの前記フランク角と前記円すい面の前記径方向傾斜角との角度差に基づいて定められており、伝動ベルト全体として前記第1エレメントのフランク面の摩耗に拘らず前記外当り状態が継続して維持される
    ことを特徴とする伝動ベルト。
  2. 前記第1エレメントおよび前記第2エレメントは、前記フランク角が互いに等しい
    ことを特徴とする請求項1に記載の伝動ベルト。
  3. 前記第1エレメントおよび前記第2エレメントの前記幅寸法の目標値の寸法差は、該幅寸法の寸法公差による最大ばらつき幅よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の伝動ベルト。
  4. 前記第1エレメントおよび前記第2エレメントの前記幅寸法の寸法公差は±0.025mm以下で、該幅寸法の目標値の寸法差は0.050mmよりも大きい
    ことを特徴とする請求項に記載の伝動ベルト。
  5. 前記多数のエレメントは、前記幅方向の両方向に向かって対称的に開口する一対の凹溝を前記フランク面の外周側に連続して備えており、
    前記一対の凹溝内にそれぞれ前記フープが収容されることにより、該一対のフープによって前記多数のエレメントが環状に連ねられた状態で支持されている
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の伝動ベルト。
  6. 前記伝動ベルトは、V溝幅が可変の一対の可変プーリに巻き掛けられて使用されるベルト式無段変速機用の伝動ベルトである
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の伝動ベルト。
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