JP2000351946A - セラミック電子部品用生シートの仮止め粘着テープ及びセラミック電子部品の製造方法 - Google Patents
セラミック電子部品用生シートの仮止め粘着テープ及びセラミック電子部品の製造方法Info
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Abstract
粘着力が大きく、ワークの取り出し時には容易に剥離す
ることができ、しかもワークを汚染することのない、セ
ラミック電子部品用生シートの仮止め粘着テープを提供
すること。 【解決手段】基材フィルムの片面もしくは両面に粘着剤
層が設けられたセラミック電子部品用生シートの仮止め
粘着テープである。粘着剤層が、感圧性接着剤と1〜3
0重量%の側鎖結晶化可能ポリマーを含有する接着剤組
成物から形成され、側鎖結晶化可能ポリマーが、炭素数
16以上の直鎖状アルキル基を側鎖とするアクリル酸エ
ステル及び/又はメタクリル酸エステルを主成分とす
る。
Description
ンデンサ、積層セラミックインダクター、抵抗器、フェ
ライト、センサー素子、サーミスタ、バリスタ、圧電セ
ラミック等のセラミック電子部品の製造において、特に
セラミックよりなる生シートを複数のチップに切断する
工程で使用される仮止め粘着テープに関するものであ
る。
の工程を経て製造されている。
ードで薄く延ばしてセラミックの生シートを形成し、該
生シートの表面に複数の電極を印刷した後、複数の生シ
ートを積層一体化して生シートの積層体を形成する。次
に、該積層体を仮熱圧着した後、ダイサーもしくはギロ
チン刃等の切断具を用いて積層体を縦横に切断して複数
のセラミック積層体のチップを形成し、そして、このチ
ップ(ワークともいう)を焼成し、得られたチップの端
面に外部電極を形成する。
を裁断して生チップを形成する工程では、粘着テープを
用いて生シートをシート固定用の台座上に仮固定し、切
断した後、ワークを台座表面の粘着テープから剥離させ
る必要がある。その剥離の際に、ワークと粘着テープと
の粘着力を低減させる必要があるが、粘着力を低減でき
ない場合には、次のような問題が生じる。 (1)積層体そのものは未焼成体であるため、積層間の
接着が十分ではない。そのため、チップを粘着テープ表
面から剥離する際に、粘着テープの粘着力が強すぎると
積層体に層間剥離を引き起こす。 (2)層間剥離を引き起こさない場合でも、粘着剤層が
チップ底面に汚染物として付着し、次の工程にチップを
送った場合、ブロッキングを起こしたり、汚染物の残渣
も焼成されることにより有機物の焼成によりボイドやク
ラックの原因となる。
りに悪影響を及ぼす。
812号公報に開示されているように、熱発泡タイプの
粘着剤層を有する粘着テープが使用されている。この粘
着テープの粘着剤層には発泡剤が混入されており、積層
体を切断した後加熱することによって、該発泡剤の作用
でワークとの接触面積を小さくし、ワークが粘着テープ
表面から容易に離型できるようにしている。
ープは発泡温度が高いため、粘着テープを加熱する際に
積層体中のバインダーが蒸発してワークを汚染したり、
仮焼成前にバインダーが蒸発するので積層体が所定硬度
にならないという欠点があり、また発泡むらのため粘着
力が低下しない場合があり、ワークを粘着テープから剥
離できないという不具合があった。
のであり、その目的とすることろは、生シートの切断工
程までは、チップの飛散やずれがない十分な粘着力を有
し、その後ワークを剥離するときは、層間破壊を引き起
こすことがなく、且つ残渣として残らない程度の粘着力
低減が可能な、セラミック電子部品用生シートの仮止め
粘着テープとセラミック電子部品の製造方法を提供する
ことにある。
部品用生シートの仮止め粘着テープは、基材フィルムの
片面もしくは両面に粘着剤層が設けられたセラミック電
子部品用生シートの仮止め粘着テープにおいて、該粘着
剤層が、感圧性接着剤と1〜30重量%の側鎖結晶化可
能ポリマーを含有する接着剤組成物から形成されている
ことを特徴とし、そのことにより上記目的が達成され
る。
合には、該粘着剤層を形成する第2の面の感圧接着剤と
しては、例えば、以下のものが挙げられる。
ン/ブタジエンラテックスベース接着剤;ブロック共重
合体型の熱可塑性ゴム;ブチルゴム;ポリイソブチレ
ン;アクリル接着剤;ビニルエーテルの共重合体接着剤
組成物。
ポリマーが、炭素数16以上の直鎖状アルキル基を側鎖
とするアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エス
テルを主成分とする。
が、35℃以上ではセラミック電子部品用生シートより
容易に剥離する性質を有する。
ポリマーが、15℃より狭い温度範囲にわたって起こる
融点を有する。
が、35℃以上に加温した時のステンレス鋼板に対する
接着強度が、23℃でのステンレス鋼板に対する接着強
度の10%以下、もしくは10g/25mm以下であ
る。
平均分子量が3,000〜25,000である。
は、台座上に粘着テープを介してセラミックよりなる生
シートの積層体を粘着させる工程と、該積層体を切断し
てチップを形成する工程と、該粘着テープを加温した状
態で該切断されたチップを台座表面から剥離させる工程
と、を包含する、セラミック電子部品の製造方法であっ
て、該粘着テープが、基材フィルムの片面もしくは両面
に粘着剤層が設けられて構成され、該粘着剤層が、感圧
性接着剤と1〜30重量%の側鎖結晶化可能ポリマーを
含有する接着剤組成物から形成され、該側鎖結晶化可能
ポリマーが、炭素数16以上の直鎖状アルキル基を側鎖
とするアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エス
テルを主成分とし、35℃以上に加温した時のステンレ
ス鋼板に対する接着強度が、23℃でのステンレス鋼板
に対する接着強度の10%以下であることを特徴とし、
そのことにより上記目的が達成される。
て得られる積層体を台座上に粘着テープを介して貼り付
けし、そして積層体を裁断する。ここで、粘着テープは
優れた粘着性を有していることにより、積層体は剥離す
ることがない。積層体を切断した後ワークを台座から取
り外すときには、粘着テープを所定温度以上に加熱する
ことにより、ワークを粘着テープから容易に剥離するこ
とができる。
成物が、感圧性接着剤と、該接着剤組成物に対して1〜
30重量%の側鎖結晶化可能ポリマーとを含有し、該側
鎖結晶化可能ポリマーが、炭素数16以上の直鎖状アル
キル基を側鎖とするアクリル酸エステル及び/又はメタ
クリル酸エステルを主成分とすることにより、任意に設
定した温度から温度を若干変化させると、ポリマーが結
晶と非結晶との間を可逆的に変化することで、チップに
対する粘着性が大きく変化する。
剤層の接着力が急速に低下するので、セラミック電子部
品用生シートを粘着テープに粘着して裁断加工した後
に、該テープを加温してそのセラミック電子部品用生シ
ートに対する粘着性を大きく低下させることで、チップ
(セラミック電子部品)をテープから容易に剥離するこ
とができる。
シートとは、積層セラミックコンデンサ、積層セラミッ
クインダクター、抵抗器、フェライト、センサー素子、
サーミスタ、バリスタ、圧電セラミック等のセラミック
電子部品を製造する工程において使用する、セラミック
よりなる生シートおよび生シートの積層体を包含するも
のとする。
粘着テープに使用される基材フィルムとしては、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、
ポリカーボネート、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチ
レンエチルアクリレート共重合体、エチレンポリプロピ
レン共重合体、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂フィルムの
単層体またはこれらの複層体からなる厚さが5〜500
μmのシートなどがあげられる。基材フィルムの表面に
粘着剤層に対する密着性を向上させるため、コロナ放電
処理、プラズマ処理、ブラスト処理、ケミカルエッチン
グ処理、プライマー処理等を施してもよい。
る接着剤組成物から構成される粘着剤層が積層される。
範囲にわたって起こる融点を持つ側鎖結晶化可能ポリマ
ーと、感圧性接着剤とを含有し得る。この接着剤組成物
は、温度T1でセラミック電子部品用生シートその他の
被着体に対して接着性を示し、その温度T1より約15
℃以上高い温度T2に加温することにより該セラミック
電子部品用生シートその他の被着体に対する粘着性が大
きく低下する性質を有するものである。
される感圧性接着剤としては、例えば、以下のものが挙
げられる。
テックスベース接着剤;ABAブロック共重合体型の熱
可塑性ゴム(Aは熱可塑性ポリスチレン末端ブロックを
示し、Bはポリイソプレン、ポリブタジエンまたはポリ
(エチレン/ブチレン)のゴム中間ブロックを示す);
ブチルゴム;ポリイソブチレン;ポリアクリレート;お
よび酢酸ビニル/アクリルエステル共重合体のようなア
クリル接着剤;ポリビニルメチルエーテル、ポリビニル
エチルエーテル、およびポリビニルイソブチルエーテル
のようなビニルエーテルの共重合体。
ことにより、ポリマーとの相互作用をもつため、所定温
度ではポリマーが良好に分散して粘着性を発揮すると共
に、所定温度以上の加熱によりポリマーが剥離性を良好
に発揮する。好ましいアクリル系感圧性接着剤は、エチ
ルヘキシルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレー
ト等からなるものであり、例えば、2−エチルヘキシル
アクリレート80〜95重量部と2−ヒドロキシエチル
アクリレート5〜20重量部との共重合体が挙げられ
る。
に含有される側鎖結晶化可能ポリマーは、約15℃より
狭い温度範囲にわたって起こる融点を持つものが好まし
く使用される。
は、ある平衡プロセスにより、最初は秩序ある配列に整
合されていたポリマーの特定の部分が無秩序状態となる
温度を意味する。
ーの融点は約30℃から100℃の範囲、さらに好まし
くは約35℃から65℃の範囲である。溶融は急速に、
すなわち約15℃より小さい、好ましくは約10℃より
小さい比較的狭い温度範囲において起こることが好適で
ある。ポリマーが急速に結晶化することは好適である。
この点に関しては、シーディング剤すなわち結晶化触媒
を該ポリマーに混入し得る。
に加熱することによりセラミック電子部品用生シートま
たはチップ面から容易に剥離され得る。加熱温度は、通
常40℃〜100℃であり、好ましくは40℃〜70
℃、さらに好ましくは50℃〜70℃である。
ポリマーは、炭素数16以上の直鎖状アルキル基を側鎖
とするアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エス
テルを構成成分とする。
側鎖とするアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸
エステル(以下、(メタ)アクリレートともいう)とし
ては、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ステアリル
(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレート
等の炭素数16〜22の直鎖アルキル基を有する(メ
タ)アクリレートが好ましく用いられる。
キル基を側鎖とする(メタ)アクリレートに代えてまた
はそれと共に以下のモノマーも使用することができる。
16以上の脂肪族基を有するアクリレート、同メタクリ
レート、同アクリルアミド誘導体、同メタクリルアミド
誘導体、同ビニルエーテル誘導体、同ビニルエステル誘
導体、α−オレフィンおよびその誘導体、並びに、炭素
数16以上のアルキル基を有するスチレン誘導体等から
選ばれた少なくとも1種のモノマーが挙げられる。
するアクリレート、同メタクリレート、同アクリルアミ
ド誘導体、同メタクリルアミド誘導体等が好ましい。さ
らに好ましくは、炭素数14〜22の直鎖脂肪族基を有
するアクリレート、同メタクリレート、同アクリルアミ
ド誘導体、同メタクリルアミド誘導体等である。特に好
ましくは、炭素数14〜18の直鎖脂肪族基を有するア
クリレートおよびメタクリレートである。
共重合成分として使用することもできる。そのような官
能基を有するモノマーの具体例としては、アクリル酸、
メタクリル酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン
酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸モノアルキルエ
ステル、メサコン酸モノアルキルエステル、シトラコン
酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステ
ル、マレイン酸モノアルキルエステル、アクリル酸2−
ヒドロキシエチル、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、ターシャル−ブチルアミノエチルメタクリレート等
の中から選ばれた、少なくとも一種以上のものが挙げら
れる。このモノマーは、上記炭素数16以上の直鎖状ア
ルキル基を側鎖とする(メタ)アクリレートの使用量を
考慮して使用されるが、ベースポリマーの原料となる全
モノマーの総量中に1〜30重量%の範囲で含有するこ
とができる。
基を有するモノマーによって得られる側鎖結晶化可能ポ
リマーの融点を示す。
次の通りである。
重量部、アクリル酸2〜20重量部、ドデシルメルカプ
タン2〜10重量部との共重合体 (2)ドコシルアクリレート5〜90重量部、ステアリ
ルアクリレート5〜90重量部、アクリル酸1〜10重
量部とドデシルメルカプタン2〜10重量部の共重合体 (3)ドコシルアクリレート80〜98重量部とアクリ
ル酸2〜20重量部とドデシルメルカプタン2〜10重
量部の共重合体 接着剤組成物中の結晶化可能ポリマーの量は約1重量%
から約30重量%の範囲である。好ましくは5重量%か
ら20重量%である。特に、5重量%〜15重量%が好
ましい。上記ポリマーの含有割合が接着剤組成物中で1
重量%未満の場合および30重量%を超える場合には、
ポリマーによる上記効果が見られない。
の分子量は、本発明で使用する接着剤組成物が、温度変
動性粘着および/または接着結合強さをどのように示す
かを決定する重要な因子である。すなわち、低分子量の
結晶化可能ポリマーは、加熱により結合強さを失う。例
えば、室温(23℃)での接着強度(剥離強度)に対す
る、60℃に加熱したときの接着強度の低下率は、90
%以上となる(詳しい接着力の試験条件は後述する)。
000〜25,000が好ましく、さらに好ましくは
4,000〜15,000である。ポリマーの重量平均
分子量が25,000を越える場合には、加熱によって
も粘着性の低下が小さい。ポリマーの重量平均分子量が
3,000未満の場合には、経時による接着力の変化が
大きいので好ましくない。
圧性接着剤と結晶化可能ポリマーを混合し、可塑剤、タ
ッキファイヤー、フィラー、架橋剤等のような任意の成
分を添加してもよい。固体含有物を所望の粘度に調節
し、混合物を均質になるまでブレンドする。ブレンド
後、混合物から気泡を除去する。
ンエステル系、テルペンフェノール系、石油樹脂系、高
水酸基価ロジンエステル系、水素添加ロジンエステル系
等があげられる。
ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリ
メチロールプロパンのトルエンジイソシアネート3付加
物、ポリイソシアネート等のイソシアネート系化合物、
ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロー
ルポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリ
グリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエ
ーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ネオペ
ンチルグリコールジグリシジルエーテル、レソルシンジ
グリシジルエーテル等のエポキシ系化合物、トリメチロ
ールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネー
ト、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニル
プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレン−1,6−
ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、N,N’−
トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキシア
ミド)、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス
(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロール
プロパン−トリ−β−(2−メチルアジリジン)プロピ
オネート等のアジリジン系化合物、及びヘキサメトキシ
メチロールメラミン等のメラミン系化合物等が挙げられ
る。これらは単独で使用しても良いし、2種以上を併用
しても良い。架橋剤の含有量は、ベースポリマー100
重量部に対し、0.1〜5重量部が好ましく、より好ま
しくは0.1〜3重量部である。
けるには、一般的にはナイフコーター、ロールコータ
ー、カレンダーコーター、コンマコーターなどが多く用
いられる。また、塗工厚みや材料の粘度によっては、グ
ラビアコーター、ロッドコーターにより行うことができ
る。また、粘着剤組成物は、転写印刷の場合と同様の方
法でリリースシートからの転写により塗布され得る。組
成物はそのままで、または適切な溶剤により、またはエ
マルジョンもしくはラテックスとして塗布され得る。こ
のようにして接着剤組成物から粘着剤層が形成される。
染防止等の観点からセラミック電子部品用生シート表面
に接着するまでの間、セパレータにより接着保護するこ
とが好ましい。セパレータとしては、紙、ポリプロピレ
ンフィルム、ポリエステルフィルム等のプラスチックフ
ィルム、金属箔などからなる柔軟な薄葉体で形成され、
必要に応じ剥離剤で表面処理して易剥離性が付与され
る。
ク積層コンデンサの製造方法を説明する。
ーブレードで薄く延ばしてセラミックの生シートを形成
し、該生シートの表面に電極を印刷する。次に、複数の
生シートを積層一体化して生シートの積層体を形成す
る。次に、積層体を本発明の粘着テープを介して台座上
に固定する。この際の温度は、比較的低い温度(例え
ば、20℃〜40℃)であるので、積層体は粘着テープ
の粘着剤層に良好に粘着する。
で、ワークが粘着剤層から剥離もしくは未切断生シート
上へ乗り移ることがない。このようにして複数のセラミ
ック積層体のチップを形成した後、得られたワークを粘
着テープから取り出した後、仮焼成工程、本焼成工程へ
送る。その際、粘着テープは上記したように所定温度以
上に加熱することにより容易に粘着テープ上よりワーク
を剥離することができる。その後、ワークを焼成し、ワ
ークの端面に外部電極を形成してチップ形積層セラミッ
クコンデンサが得られる。
るいは該テープの保持部材(台座)を例えば以下の方法
で加温する方法があげられる。
ける(例えば、温風機やドライヤー)、オーブン中に入
れる、蒸気を吹き付ける、高周波を当てて加熱する、ラ
ンプ(赤外線、遠赤外線)を当てる等がある。
で、粘着テープ表面にセラミック電子部品用生シートを
貼り付け、切断後はポリマーの融点以上でチップを粘着
テープ表面から剥離するのが好ましい。
離強度が10%以下となるようにするのが好ましい。前
記接着剤組成物が、35℃以上に加温した時のステンレ
ス鋼板に対する接着力が、23℃でのステンレス鋼板上
の接着強度の10%以下もしくは10g/25mm以下
が好ましい。
積層セラミックコンデンサについて説明したがこれに限
定されるものではなく、本発明は、例えば、IC基板、
フェライト、センサー素子、バリスタ等のファインセラ
ミック部品の製造において、セラミック電子部品用生シ
ートを複数のチップに切断する工程で使用される仮止め
粘着テープに適用できる。
る。なお、以下で「部」は重量部を意味する。 A.ポリマーの調製 (合成例1)ステアリルアクリレート95部、アクリル
酸5部、ドデシルメルカプタン5部、及びカヤエステル
HP−70(化薬アクゾ社製)1部を混合し、80℃で
5時間撹拌してこれらのモノマーを重合させた。得られ
たポリマーの重量平均分子量は8,000、融点は50
℃であった。
ート92部、2−ヒドロキシエチルアクリレート8部、
及びトリゴノックス23−C70(化薬アクゾ社製)
0.3部を酢酸エチル/ヘプタン(70/30)150
部の中に混合し、55℃で3時間撹拌後、80℃に昇温
し、カヤエステルHP−700.5部を加え、2時間撹
拌してこれらのモノマーを重合させた。得られたポリマ
ーの重量平均分子量は600,000であった。
の仮止め粘着テープの作製 (実施例1)上記合成例1と合成例2とで得られたポリ
マーを5部対100部の割合で混合した。このポリマー
溶液に架橋剤としてコロネートL45(日本ポリウレタ
ン社製)を合成例2のポリマー100部に対して0.5
部添加し、100μmのポリエチレンテレフタレート
(PET)フィルムのコロナ処理した面に、ロールコー
タにて塗布し、アクリル系粘着剤層(厚み30μm)を
有する離型シート付き仮止め粘着テープを得た。
評価を行った。 (1)剥離強度 粘着テープの180度剥離強度をJISC2107に準じ対
SUSで測定した。測定温度は、23℃と60℃でそれ
ぞれ行った。 (2)ワーク剥離状態 粘着テープをSUS表面から剥離後、SUS表面の汚染
性をTDS(ThermalDesorption Spectroscopy)法に従
って測定した。また、ワークの層間破壊の有無を、ワー
ク断面を目視観察することにより行った。それらの結果
を表1に示す。表中○は適合、×は不良品であることを
示す。
溶液に、架橋剤としてコロネートL45を合成例2のポ
リマー100部に対して1.0部添加したこと以外は、
実施例1と同様にして仮止め粘着テープを得た。得られ
た仮止め粘着テープの剥離強度とワーク剥離状態を実施
例1と同様に評価した。それらの結果を表1に示す。
溶液に、架橋剤としてコロネートL45を合成例2のポ
リマー100部に対して3.0部添加したこと以外は、
実施例1と同様にして仮止め粘着テープを得た。得られ
た仮止め粘着テープの剥離強度とワーク剥離状態を実施
例1と同様に評価した。それらの結果を表1に示す。
マー100部に架橋剤としてコロネートL45(日本ポ
リウレタン社製)を3部添加し、このものを100μm
のPETフィルムのコロナ処理した面にロールコータに
て塗布し、アクリル系粘着剤層(厚み50μm)を有す
る離型シート付き仮止め粘着テープを得た。
ーク剥離状態を実施例1と同様に評価した。それらの結
果を表1に示す。
マー100部に架橋剤としてコロネートL45(日本ポ
リウレタン社製)を6部添加し、このものを100μm
のPETフィルムのコロナ処理した面にロールコータに
て塗布し、アクリル系粘着剤層(厚み50μm)を有す
る離型シート付き仮止め粘着テープを得た。
ーク剥離状態を実施例1と同様に評価した。それらの結
果を表1に示す。
914MS(日東電工社製)を用いて、その仮止め粘着
テープの接着力と汚染性を実施例1と同様に評価した。
それらの結果を表1に示す。
粘着テープの剥離性が悪く、層間破壊を生じている。ま
た比較例1〜3ではワーク表面の汚染が見られた。これ
に対して、実施例1〜3においては、初期(23℃)の
接着力を高めながら加温後(60℃)の剥離性および汚
染性共に優れていた。
鎖結晶性ポリマーの分子量と、該粘着剤層を有する仮止
め粘着テープの加熱時の剥離強度の低下率との関係を示
した実験を行ったので、以下に示す。
リル酸5部を混合し、これにドデシルメルカプタン(重
合禁止剤)の部数を変えて添加したモノマー混合物を、
80℃で5時間撹拌して重合させ、重量平均分子量が、
2,000、4,000、8,000、15,000、
19,000のポリマーを得た(表2中にそれぞれポリ
マー1〜5として示す)。
成例2で得られたポリマー85部を混合した。このポリ
マー溶液に架橋剤としてコロネートL45(日本ポリウ
レタン社製)を合成例2のポリマー100部に対して
0.5部添加し、このポリマー溶液を50μmの表面マ
ット処理ポリエステルフィルム(厚み50μm)の上に
ロールコータにて塗布し、アクリル系粘着剤層(乾燥厚
み20μm)を有する離型シート付き仮止め粘着テープ
を得た。
冊状に切り出して試験片とした。
上に、23℃下にて上記試験片の粘着剤層をゴムローラ
ー(45m幅、荷重2Kg)を4往復させることで圧着貼
り付けた。貼り付け後20分間静置し、試験片の端部を
180°方向へ速度300m/分で剥離し、その時の抵
抗値を23℃の剥離強度として測定した。
を、予め60℃に加熱したホットプレート上に載置し、
さらに20分間静置し、該試験片の端部を180°方向
へ速度300m/分で剥離し、その時の抵抗値を60℃
の剥離強度として測定した。その結果を表2に示す。
大きすぎると、加熱時の剥離強度が低下せず、低下率が
低いことがわかる。
鎖結晶性ポリマーの分子量と、該粘着剤層を有する仮止
め粘着テープの剥離強度の経時変化との関係を示した実
験を行ったので、以下に示す。
粘着テープを25mm幅の短冊状に切り出して試験片とし
た。
施例4と同様にして測定した。
を、23℃の恒温恒湿室内に2ヶ月間放置し、試験片の
23℃における剥離強度を実施例4と同様にして測定し
た。
おいて、経時2ヶ月の変化率は、試作直後を100とし
た割合を示す。
小さい場合は、粘着テープを保管しておくと、粘着力が
やや低下することがわかる。
度を変えるだけでセラミック電子部品用生シートに対す
る粘着性を調整することができるので、セラミック電子
部品用生シートの仮止め時では接着力を大きくし、ワー
クの取り出し時においては加熱するだけで容易に剥離す
ることができ、またワークの汚染がないのでセラミック
電子部品の信頼性を高めることができる。
5,000の側鎖結晶化可能ポリマーを使用すると、加
熱時の粘着性の低下が大きく、かつ経時による粘着力の
変化が小さい仮止め粘着テープを得ることができる。
Claims (9)
- 【請求項1】基材フィルムの片面もしくは両面に粘着剤
層が設けられたセラミック電子部品用生シートの仮止め
粘着テープにおいて、該粘着剤層が、感圧性接着剤と1
〜30重量%の側鎖結晶化可能ポリマーを含有する接着
剤組成物から形成されていることを特徴とする仮止め粘
着テープ。 - 【請求項2】 前記側鎖結晶化可能ポリマーが、炭素数
16以上の直鎖状アルキル基を側鎖とするアクリル酸エ
ステル及び/又はメタクリル酸エステルを主成分とする
請求項1に記載の仮止め粘着テープ。 - 【請求項3】 前記接着剤組成物が35℃以上ではセラ
ミック電子部品用生シートより容易に剥離する性質を有
する請求項1又は2に記載の仮止め粘着テープ。 - 【請求項4】 前記側鎖結晶化可能ポリマーが、15℃
より狭い温度範囲にわたって起こる融点を有する請求項
1〜3のいずれかに記載の仮止め粘着テープ。 - 【請求項5】 前記接着剤組成物が、50℃以上に加温
した時のステンレス鋼板に対する接着強度が、23℃で
のステンレス鋼板に対する接着強度の10%以下である
請求項1〜4のいずれかに記載の仮止め粘着テープ。 - 【請求項6】 前記ポリマーの重量平均分子量が3,0
00〜25,000である請求項1〜5のいずれかに記
載の仮止め粘着テープ。 - 【請求項7】 台座上に粘着テープを介してセラミック
よりなる生シートの積層体を粘着させる工程と、該積層
体を切断してチップを形成する工程と、該粘着テープを
加温した状態で該切断されたチップを台座表面から剥離
させる工程と、を包含する、セラミック電子部品の製造
方法であって、 該粘着テープが、基材フィルムの片面もしくは両面に粘
着剤層が設けられて構成され、該粘着剤層が、感圧性接
着剤と1〜30重量%の側鎖結晶化可能ポリマーを含有
する接着剤組成物から形成され、該側鎖結晶化可能ポリ
マーが、炭素数16以上の直鎖状アルキル基を側鎖とす
るアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル
を主成分とし、35℃以上に加温した時のステンレス鋼
板に対する接着強度が、23℃でのステンレス鋼板に対
する接着強度の10%以下であることを特徴とするセラ
ミック電子部品の製造方法。 - 【請求項8】 前記側鎖結晶化可能ポリマーが、炭素数
16以上の直鎖状アルキル基を側鎖とするアクリル酸エ
ステル及び/又はメタクリル酸エステルを主成分とする
請求項7に記載のセラミック電子部品の製造方法。 - 【請求項9】 前記ポリマーの重量平均分子量が3,0
00〜25,000である請求項7又は8に記載のセラ
ミック電子部品の製造方法。
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