JPH09251273A - 易剥離性ラベル - Google Patents

易剥離性ラベル

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JPH09251273A
JPH09251273A JP8058111A JP5811196A JPH09251273A JP H09251273 A JPH09251273 A JP H09251273A JP 8058111 A JP8058111 A JP 8058111A JP 5811196 A JP5811196 A JP 5811196A JP H09251273 A JPH09251273 A JP H09251273A
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伸一郎 河原
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敏明 笠崎
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栄治 井上
Masayoshi Yamamoto
正芳 山本
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明彦 松本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ラベルを剥離するための高価な装置を使用する
必要がなく、比較的低コストで実施でき、かつ基材や包
装容器が光透過性のものに限られることがなく、また包
装容器が耐熱性のものに限られるということもなく、包
装容器からラベルを容易に剥離、除去する。 【解決手段】支持体と、この支持体の片面に積層された
接着剤層と、を有する易剥離性ラベルである。接着剤層
は、炭素数が10以上の直鎖状アルキル基を側鎖とする
アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルを
主成分とするポリマーと感圧接着剤とを含有する接着剤
組成物から形成され、かつポリマーが接着剤組成物中に
1〜50重量%含有される。ラベルが貼付された包装容
器が所定温度以上に加熱されるとラベルの接着力が低下
して包装容器から簡単に剥離され得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビール瓶やその他
のアルコールや清浄飲料水用の瓶や缶など、リサイクル
して使用される包装容器に貼付されるラベルに関し、特
に包装容器から容易に剥離して除去できる易剥離性ラベ
ルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、ビール瓶などの包装容器をリサ
イクルして再使用する前には、該包装容器に貼付されて
いたラベルを剥し、包装容器を洗浄する必要がある。と
ころが、ビール瓶等は種々の環境条件にさらされる流通
過程を経た後、冷蔵されるためにラベルはその途中で不
測にはがれることがないように適当な接着剤にて強固に
接着されており、そのラベルを剥す作業は容易ではな
い。
【0003】従来では、加温された苛性ソーダ溶液中に
ビール瓶を所定時間浸漬して、ラベルの接着剤を軟化さ
せた後、ビール瓶の外周面にほぼ接線方向から高圧水を
噴射するようにした剥離装置に送り込み、ラベルの一側
縁に向けて高圧水を噴射することによってラベルの一側
縁をめくり上げ、その状態からビール瓶を回転させてラ
ベルを順次剥している。その後、ビール瓶の外周面に強
固に残留、付着した接着剤をゴムローラやブラシで擦り
取って除去している。
【0004】しかし、上記のようなラベルの剥離除去方
法では、苛性ソーダ溶液への浸漬時間が長く、また高圧
水によるラベルの剥離及びゴムローラやブラシによる接
着剤の除去工程を経る必要があり、完全に除去するまで
に長時間を要すると共に、大がかりな設備を必要とする
ため、コスト高となるという問題があった。
【0005】また、瓶の横断面形状が四角形等の異形瓶
には適用できず、瓶の形状が限定される等の問題もあ
り、そのため異形瓶はリサイクルできないという問題が
あった。
【0006】特開平4−350893号公報には、所定
温度以上に加熱されると接着力が低下する接着剤層また
は所定以上の光強度の光照射を受けると接着力が低下す
る接着剤層にてビール瓶にラベルを貼付することが提案
されている。
【0007】ここで使用される接着剤層としては、所定
温度以上で接着力が低下する接着剤層では、水溶性接着
剤にワックス、アミド化合物、ビスフェノール類などの
融点が40〜100℃の粉状の化合物を練り込んだもの
や、水溶性接着剤に酢酸ビニルなど軟化温度が40〜1
00℃のホットメルト接着剤を混合したものが使用され
ている。また、所定以上の光強度の光照射を受けると接
着力が低下する接着剤層としては、クレゾールノボラッ
クとナフトキノンジアジド混合物等のポジ型フォトレジ
スト系接着剤を含むものが提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、光照射でラベ
ルの接着力を低下させる方法では、ラベルの支持体や包
装容器が光を透過できるものに限られ、さらに光照射装
置を必要とするためコスト高となるという欠点がある。
【0009】また上記の加熱してラベルの接着力を低下
させる方法では、有効に剥離強度を低下させるには加熱
温度を比較的高い温度で包装容器を加熱する必要があ
り、強度低下が小さく、またワックス、アミド化合物等
の添加物が包装容器に残存するおそれがある。
【0010】本発明は、上記の欠点を解消するためにな
されたものであり、その目的とするところは、比較的低
コストであり、かつ基材や包装容器が光透過性のものに
限られることがなく、また接着剤層が包装容器に残存す
るおそれもなく、所定温度以上の加熱によって接着力を
大きく低下させることで包装容器から容易に剥離、除去
することができる易剥離性ラベルを提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の易剥離性ラベル
は、支持体と、該支持体の片面に積層された接着剤層
と、を有し、該粘着剤層が、約15℃より狭い温度範囲
にわたって起こる第1次溶融転移を持つポリマーと、感
圧接着剤とを含有する接着剤組成物から形成され、該ポ
リマーが該接着剤組成物中に1〜50重量%含有されて
おり、そのことにより上記目的が達成される。
【0012】上記ポリマーが側鎖結晶化可能ポリマーで
あり、該側鎖結晶化可能ポリマーが炭素数10以上の直
鎖状アルキル基を側鎖とするアクリル酸エステル及び/
又はメタクリル酸エステルを主成分とするポリマーであ
るのが好ましい。
【0013】上記ポリマーは、分子量3,500〜2
5,000の温度活性ポリマーであるのが好ましい。
【0014】本発明の作用は次の通りである。
【0015】本発明の易剥離性ラベルに使用する接着剤
層は、約15℃より狭い温度範囲にわたって起こる第1
次溶融転移を持つポリマーと、感圧接着剤とを含有する
接着剤組成物から形成され、該ポリマーが該接着剤組成
物中に1〜50重量%含有されていることにより、所定
温度以上に加熱すると、該ポリマーの一部が接着剤層表
面にブリードアウトして接着剤層の接着力が急速に低下
する。従って、易剥離性ラベルが貼付された包装容器を
加熱すれば、易剥離性ラベルを包装容器から容易に剥
離、除去することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の易剥離性ラベルに使用さ
れる支持体としては、紙、合成樹脂フィルム、アルミニ
ウム箔の単体またはこれらの積層体等、従来からラベル
支持体として使用されているものが使用できる。通常、
この支持体の表面には表示印刷層が形成されている。
【0017】該支持体の裏面に接着、積層されている接
着剤層は、炭素数が10以上の直鎖状アルキル基を側鎖
とするアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エス
テルを主成分とするポリマーと感圧接着剤とを含有する
接着剤組成物から形成することができる。該接着剤組成
物には、該ポリマーが、該接着剤組成物を所定温度以上
の温度ではほぼ非粘着性に、またそれより下の温度では
粘着性にするのに十分な量だけ存在し得る。通常、該ポ
リマーは該接着剤組成物中に1〜50重量%含有されて
いる。該所定温度は、該ポリマーの構造、接着剤組成物
の処方等を変えることにより適宜変更することができ
る。例えば、40℃としたり、45℃としたり、あるい
は50℃とすることができる。この温度は、易剥離性ラ
ベルが使用される包装容器の種類、包装容器が取り扱わ
れる地域、季節等によって変更される。
【0018】上記接着剤組成物に含有される感圧接着剤
としては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0019】天然ゴム接着剤;スチレン/ブタジエンラ
テックスベース接着剤;ABAブロック共重合体型の熱
可塑性ゴム(Aは熱可塑性ポリスチレン末端ブロックを
示し、Bはポリイソプレン、ポリブタジエンまたはポリ
(エチレン/ブチレン)のゴム中間ブロックを示す);
ブチルゴム;ポリイソブチレン;ポリアクリレート;お
よび酢酸ビニル/アクリルエステル共重合体のようなア
クリル接着剤;ポリビニルメチルエーテル、ポリビニル
エチルエーテル、およびポリビニルイソブチルエーテル
のようなビニルエーテルの共重合体。
【0020】特に、エチレンヘキシルアクリレート、ヒ
ドロキシエチルアクリレート等からなるアクリル系感圧
接着剤が好ましい。アクリル系感圧接着剤を使用するこ
とにより、ポリマーとの相互作用をもつため、所定温度
では接着剤層内に該ポリマーが良好に分散して粘着性を
発揮すると共に、所定温度以上の加熱によりポリマーが
ブリードアウトし易くなり剥離性を良好に発揮する。
【0021】以下、該ポリマーについて詳細に説明す
る。
【0022】該ポリマーは、約15℃より狭い温度範囲
にわたって起こる第1次溶融転移を持つものが好ましく
使用され、このようなポリマーを含有する接着剤組成物
は、日本特許出願公表平6−510548号に於いて開
示されているものであり、この接着剤組成物には、側鎖
結晶化可能ポリマーが、該接着剤組成物より構成される
接着剤層を所定温度以上の温度では、ほぼ非粘着性に、
またそれより下の温度では粘着性にする特性を示すのに
十分な量だけ存在するものである。
【0023】該ポリマーの実施態様としては、側鎖結晶
化可能ポリマーを用いるのが好適であり、これらは、温
度依存接着特性を示すポリマーを含むものである。該接
着剤組成物に使用され得る結晶化可能ポリマーは、側鎖
結晶化可能および主鎖結晶化可能ポリマーを共に含み得
る。違いは前者のクラスの化合物は結晶化可能側鎖部分
を含み、後者のクラスはその骨格構造により結晶化可能
とされることである。
【0024】本明細書で使用される「融点」または「第
1次転移」という用語は、ある平衡プロセスにより、最
初は秩序ある配列に整合されていたポリマーの特定の部
分が無秩序状態となる温度を意味する。「凍結点」とい
う用語は、ある平衡プロセスにより、最初は無秩序状態
であったポリマーの該特定部分が秩序ある配列に整合さ
れる温度を意味する。一つの実施態様では、好ましく
は、ポリマーの第1次転移温度または融点は約30℃か
ら80℃の範囲、さらに好ましくは約40℃から60℃
の範囲である。溶融は急速に、すなわち約10℃より小さ
い、好ましくは約5℃より小さい比較的狭い温度範囲に
おいて起こることが好適である。
【0025】ポリマーが急速に結晶化することは好適で
ある。この点に関しては、シーディング剤すなわち結晶
化触媒を、急速結晶化動力学を提供するポリマーに混入
し得る。この実施態様においては、包装容器から接着剤
層を剥離することが非常に容易となる。
【0026】使用後は使用温度よりほんの僅か高い温度
に単純に加熱することにより包装容器に不当な傷を付け
ることなく容易に剥離され得る。加熱温度は、通常30
℃〜80℃であり、好ましくは40℃〜60℃である。
しかし、加熱温度は、上記したように、易剥離性ラベル
が使用される包装容器の種類、地域、季節等によって適
宜変更することができ、例えば、冬季、および寒冷地方
では30℃以上、特に35℃〜45℃とし、逆に夏期、
および温暖地方では40℃以上、特に45℃〜55℃と
することも可能である。
【0027】それゆえ、本発明は、ある物理特性と化学
特性を有する結晶化可能ポリマーと感圧接着剤との混合
により、接着性が温度制御変動性を有する接着剤組成物
が得られるという発見を前提とするものである。
【0028】すなわち、ポリマーは特定の融点または一
次転移温度(第1次溶融転移)を有する。部分的混和
性、相分離結晶化可能ポリマーの接着剤組成物中への含
有は、この組成物が粘着性である特定の温度範囲(以
下、NUTZともいう)をつくりだし、結晶化可能ポリ
マーの融点または転移温度はその範囲内にある。
【0029】低分子量結晶化可能ポリマーを用いる場
合、すなわち、約25,000ダルトンより低い分子量を有す
る結晶化可能ポリマーを用いる場合、 NUTZより高
い温度に加熱することにより製品を除去できる。
【0030】典型的に結晶化可能ポリマーは、組成物の
NUTZを規定する融点または一次転移温度を有し、そ
の融点または一次転移温度はNUTZの最低温度と最高
温度の間にある。結晶化可能ポリマーは、側鎖結晶化可
能(「SCC」)高分子または主鎖結晶化可能(「MC
C」)高分子のいずれかであり、前者の群が好ましい。
本発明に関して最も好ましい側鎖結晶化可能高分子は、
下記の化学式の構造を有する反復単位を含有し、
【0031】
【化1】
【0032】ここで、WとXはそれぞれ第1と第2の単
量体単体であり、その単量体単位は隣接する分子部分に
連結可能(すなわち、重合可能)な分子部分であり、Y
とZは、いかなる分子部分または原子でもよいそれぞれ
独立したバックボーン単量体単位であり、各Sは独立し
た連結基またはスペーサー単位であって必要に応じて存
在し、CytとCyはそれぞれ独立して、バックボーン
に直接またはスペーサー単位を介して連結した結晶化可
能部分であり、a、b、c、およびdは、W、X、Yお
よびZの分子量の合計の2倍と等しいかまたはそれより
大きい分子量を与えるように十分なCytとCyが存在
する条件で0から1,000までの範囲のそれぞれ独立した
整数であり、さらにその高分子が少なくとも約20ジュー
ル/グラムの融解熱(△Ht)を有する。変数のa、
b、c、およびdが1より大きい場合、単量体単位W、
X、YおよびXは反復単位かまたは異なる単量体単位の
混合物である。例えば、aが100である場合、Wは、
5:5:2:5:83の比率のスチレン、アクリル酸、メ
チルスチレンおよびヘキサデシルアクリレートであり得
る。それゆえ、W、X、YおよびXのいかなる単量体単
位も重合可能単量体の混合物であり得る。
【0033】本発明の接着剤組成物は必要に応じて架橋
している。架橋は、既知の技術、例えば、架橋剤、加
熱、照射等を用いて行える。
【0034】高分子のバックボーン(W、X、Yおよび
Xにより示される)は、いかなる有機構造(脂肪族また
は芳香族炭化水素、エステル、エーテル、アミド等)ま
たは無機構造(硫酸塩、ホスファジン、シリコン等)で
あってもよい。スペーサー連結は、いかなる適切な有機
または無機単位、例えば、エステル、アミド炭化水素、
フェニル、エーテル、または無機塩(例えば、カルボキ
シアルキルアンモニウム、またはスルホニウムまたはホ
スホニウムイオン対または他の既知のイオン塩対)で有
り得る。側鎖(CytおよびCy並びに任意に存在する
Sにより示される)は、脂肪族または芳香族または少な
くとも10の炭素原子の脂肪族側鎖、少なくとも6の炭素
原子のフッ化脂肪族側鎖、およびアルキルが8から24の
炭素原子であるp−アルキルスチレン側鎖の組合わせで
あってもよい。
【0035】各側鎖部分の長さは、アクリレート、メタ
クリレート、ビニルエステル、アクリルアミド、メタク
リルアミド、ビニルエーテルおよびアルフォレフィンの
場合、側鎖間の距離の通常5倍より長い。ブタンジエン
とのフルオロアクリレート交互共重合の極端な場合、側
鎖は枝間の距離の長さが2倍程である。いかなる場合に
おいても、側鎖単位は高分子の50容積%より多くを構成
し、好ましくは65容積%より多くを構成する。側鎖高分
子に加えられるコモノマーは通常、結晶化度に不利に影
響する。通常10から25容積%までの、少量の様々なコモ
ノマーが許容される。少量のコモノマー、例えば、アク
リル酸、グリシダルメタクリレート、無水マレイン酸、
アミノ機能的単量体等のような架橋部位単量体を加える
ことが好ましい場合もある。
【0036】上述した範囲内の側鎖結晶化可能単量体の
例は、高分子化学ジャーナル10:3347(1972);高分子化
学ジャーナル10:1657(1972);高分子化学ジャーナル
9:3367(1971);高分子化学ジャーナル9:3349(197
1);高分子化学ジャーナル9:1835(1971);J.A.
C.S.76:6280(1954);高分子化学ジャーナル7:30
53(1969);高分子化学ジャーナル17:991(1985)に記載
されているアクリレート、フルオロアクリレート、メタ
クリレートおよびビニルエステル高分子、対応アクリル
アミド、置換アクリルアミドおよびマレイミド高分子
(高分子化学ジャーナル、高分子物理学版18:2197(198
0));高分子化学ジャーナル:巨大分子レビュー8:11
7-252(1974)、および巨大分子13:12(1980)に記載され
ているようなポリ(アルファ−オレイン)高分子、巨大
分子13:15(1980)に記載されているようなポリアルキル
ビニルエーテル、ポリアルキルエチレンオキシド、高分
子科学USSR21:241(1979)、巨大分子18:2141(198
5)に記載されているようなアルキルホスファゼン高分
子、ポリアミノ酸、巨大分子12:94(1979)に記載されて
いるようなポリイソシアネート、アミン含有単量体また
はアルコール含有単量体と長鎖アルキルイソシアネー
ト、ポリエステルおよびポリエーテルとを反応せしめる
ことにより作成したポリウレタン、巨大分子19:611(19
86)に記載されているようなポリシロキサンおよびポリ
シラン、J.A.C.S.75:3326(1953)に記載されて
いるようなp−アルキルスチレン高分子、およびトリス
テアリンまたはペンタエリスリトールテトラステアリン
酸塩のようなトリグリセリドである。
【0037】ここに使用する特に好ましい側鎖結晶化高
分子は、線状脂肪族C14−C50アクリレート、線状
脂肪族C14−C50メタクリレート、線状脂肪族C1
4−C50アクリルアミド、および線状脂肪族C14−
C50メタクリルアミドである。この群の中で最も好ま
しいものは、線状脂肪族C16−C22アクリレート、
線状脂肪族C16−C22メタクリレート、線状脂肪族
C16−C22アクリルアミド、および線状脂肪族C1
6−C22メタクリルアミドである。
【0038】上述したように、選択した結晶化可能ポリ
マーの融点または一次転移温度は、組成物が粘着性であ
る通常使用温度帯またはNUTZを提供する。それゆ
え、例えば、約20℃の一次転移温度を有するC14アク
リレートは、20℃より数度低いあたりをほぼ中心とする
NUTZを生じる。接着剤組成物中に含まれる結晶化可
能ポリマーの量は、驚くべきことにこの範囲の位置また
は広さにほとんど影響しない。しかしながら、NUTZ
内とそれより高い温度において、その量は結合強さに著
しく影響する。例えば、参照した15、25、35および55%
のC16 SCCを含有するアクリルベース調製物は、N
UTZ内で測定したときに67.4、61.7、72.5、および<
15g/cmの剥離強さを示したが、NUTZより高い温度
で測定したときには58、16.1、20.1および<15g/cmし
か剥離強さを示さなかった。添加量が15と35%の間に保
持された場合、NUTZ内の結合強さには著しい違いは
見られない。しかしながら、温度がNUTZより上昇せ
しめられた場合、15%の添加のときには、結合強さにお
いてたった14%の減少しか見られないが、25および35%
の添加のときには、72%より大きな減少が見られる。そ
れゆえ、特定の高分子の選択と、合計組成物中に含まれ
る特定の量は、NUTZの中央の温度、並びにその硬化
の大きさを規定する。それゆえ、最適の添加は状況に応
じて決定しなければならず、NUTZ内では最大の剥離
強さを提供するように、そしてNUTZより高い(ある
例ではそれより低い)温度で最大の剥離強さの減少を提
供するように選択する。以下の表は、選択した側鎖結晶
化可能高分子の特定の転移温度を示したものである。
【0039】 表1 高分子 転移温度(℃) C14アクリレート 20 C14メタクリレート 10 C16アクリレート 36 C16メタクリレート 26 C18アクリレート 49 C18メタクリレート 39 C20アクリレート 60 C20メタクリレート 50 C22アクリレート 71 C22メタクリレート 62 C30アクリレート 76 C30メタクリレート 68 C40アクリレート 96 C40メタクリレート 91 C50アクリレート 102 C50メタクリレート 95 例えば、20℃から40℃の範囲のNUTZを有する接着剤
組成物を提供するために、組成物の大部分の成分が部分
的に混和性であり、約30℃の融点または一次転移温度を
有する結晶化可能ポリマーを選択し、高分子の量は、10
%より高く30%より低い範囲となるように選択する。
【0040】ここに使用する結晶化可能ポリマーはま
た、主鎖結晶化可能高分子、すなわち、それぞれのバッ
クボーン構造により結晶化可能となる高分子であり得る
(一方で、側鎖結晶化可能高分子は、上述したように結
晶化可能側鎖部分を含有する)。好ましい主鎖結晶化可
能高分子は、水不溶性ポリアルキレンオキシド、低級ア
ルキルポリエステル、ポリアミド、ナイロンおよびポリ
テトラヒドロフラン、そしてここに使用する特に好まし
い主鎖結晶化可能高分子は、以下の構造式を有する反復
単位を有するポリ−α−オレフィン高分子である。
【0041】[−CH2−CH(R)−] ここでRは、水素またはC1−C12の線状または枝分
れアルキル、より好ましくは、C1−C8の線状または
枝分れアルキルである。Rは、例えば、水素、メチル、
プロピル、ブチル、ペンチル、4−メチルペンチル、ヘ
キシルおよびへプチルである。
【0042】ここに有用な結晶化可能ポリマーは市販さ
れているか、または化学的に合成される。側鎖結晶化可
能高分子の合成方法に関しては、E.F.ジョーダンら
の「側鎖結晶化度II」高分子科学ジャーナル、A−1
部、9:33551(1971)を参照のこと。結晶化可能ポリマ
ーを製造する特有な方法もまたその中の実施例に詳細に
記載されている。
【0043】使用する結晶化可能ポリマーの特有の分子
量は、本発明の接着剤組成物が、温度変動性粘着および
/または接着結合強さをどのように示すかを決定する重
要な因子である。すなわち、一般的に、低分子量の結晶
化可能ポリマーは、加熱により結合強さを失う、すなわ
ち、NUTZより高い温度に加熱した場合、組成物が実
質的に非結合となる接着剤組成物を生じる。この特性が
望ましい場合には、約25,000ダルトン未満、より好まし
くは、約3,500から25,000ダルトンの範囲、最も好まし
くは約3,500から12,000ダルトンの範囲の分子量を有す
る結晶化可能ポリマーを使用することが好ましい。これ
ら比較的低分子量の結晶化可能ポリマーを用いて調製し
た組成物はまた、NUTZの最小温度より低く冷却する
ことにより基体から除去できる。高分子量高分子、すな
わち、約25,000ダルトンより大きな、より典型的には2
5,000から900,000ダルトンの範囲の、最も典型的には10
0,000から900,000ダルトンの範囲の分子量を有する結晶
化可能ポリマーを使用することにより、組成物はNUT
Zより低い温度に冷却すると基体から除去されるが、加
熱によっては基体から除去されないといった点で低分子
量結晶化可能ポリマーを含有する組成物の特性とは同じ
ではない。
【0044】ここで有用な接着剤組成物は、感圧接着剤
と結晶化可能ポリマーに加えて、粘着付与剤(木のロジ
ン、ポリエステル等)、酸化防止剤、繊維状または非繊
維状フィラ、着色剤等を含む。所望のNUTZプロフィ
ールに著しくは影響しないように、追加の接着剤および
/または追加の結晶性成分を含有することの可能であ
る。
【0045】本発明の接着剤組成物は相溶性溶媒中で感
圧接着剤と結晶化可能ポリマーを混合し、可塑剤、粘着
付与剤、フィラー等のような任意の成分を添加すること
により調製する。固体含有物を所望の粘度に調節し、混
合物を均質になるまでブレンドする。ブレンド後、混合
物から気泡を除去する。
【0046】上記ポリマーの含有割合が接着剤組成物中
で1重量%未満の場合および50重量%を超える場合に
は、ポリマーによる上記効果が見られない。
【0047】ここで有用な接着剤組成物は、1つ以上の
上述のポリマーに加えて、粘着性付与剤(樹木のロジ
ン、ポリエステルなど)、酸化防止剤、繊維質または非
繊維質の充填剤、着色料などの従来の添加物を含有し得
る。また、全体的な温度感応特性が有意に影響されるこ
とがない場合は、さらに接着剤を含有させることも可能
である。接着剤組成物中の結晶化可能ポリマーの量は約
40重量%から約100重量%の範囲であることが好適であ
る。さらに好ましくは60重量%から98重量%であ
る。
【0048】ここで、接着剤組成物に含まれるポリマー
の好ましい例を示すと次の通りである。
【0049】(1)ステアリルアクリレート20〜50
重量部とヘキサデシルアクリレート50重量部〜80重
量部、アクリル酸2〜10重量部、ドデシルメルカプタ
ン5〜15重量部との共重合体 (2)ドコシルアクリレート40〜70重量部とステア
リルアクリレート30〜50重量部とアクリル酸1〜5
重量部とドデシルメルカプタン5〜15重量部の共重合
体 (3)ドコシルアクリレート70〜95重量部とアクリ
ル酸3〜10重量部とドデシルメルカプタン5〜15重
量部の共重合体 また、接着剤組成物の感圧接着剤としては、例えば、2
−エチルヘキシルアクリレート80〜95重量部と2−
ヒドロキシエチルクリレート5〜15重量部との共重合
体が挙げられる。
【0050】接着剤層をラベルの支持体に積層するに
は、例えばスプレー堆積、塗装、浸漬、グラビア印刷、
圧延などの多くの方法により行うことができる。接着剤
層はまた、転写印刷の場合と同様の方法でリリースシー
トからの転写により塗布され得る。接着剤組成物はその
ままで、または適切な溶剤により、またはエマルジョン
もしくはラテックスとして塗布され得る。適当なモノマ
ーおよび添加物を直接、支持体に塗布し、その場で熱、
放射、またはその他の適切な当業者には既知の方法によ
り硬化され得る。
【0051】このようにして得られた易剥離性ラベル
は、通常公知の方法によってビール瓶、飲料水用の瓶等
の包装容器の外側に貼付される。常温では易剥離性ラベ
ルの接着剤層の接着性は優れているため、保管および搬
送途中に包装容器から剥がれることはない。易剥離性ラ
ベルを包装容器から剥離する場合には、易剥離性ラベル
が貼付された包装容器を、例えば、40℃以上に加温す
る。例えば、40℃〜50℃の保温室に該包装容器を保
管するか、40℃以上の温水中に包装容器を浸漬もしく
は包装容器に温水をシャワーしてもよい。その後、該包
装容器が加温された状態で、該易剥離性ラベルを該包装
容器から剥離する。該易剥離性ラベルを該包装容器から
剥離するには、従来公知の方法で行うことができ、例え
ば、ラベル掻き取りブラシ、ゴムローラ等を使用し、お
よび/もしくは温水、温風等の流体を包装容器に向けて
噴射すればよい。
【0052】なお、包装容器としてビール瓶の例を示し
たが、本発明はビール瓶に限られず、その他のアルコー
ルや清浄飲料水用の瓶や缶などリサイクルして使用する
任意の包装容器に適用することができる。特に横断面形
状が異形容器であってもラベルを容易かつ確実に剥離、
除去して包装容器を洗浄することができる。
【0053】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。なお、以下で「部」は重量部を意味する。
【0054】A.ポリマーの調製 (合成例1)ステアリルアクリレート35部、ヘキサデ
シルアクリレート60部、アクリル酸5部、ドデシルメ
ルカプタン10部、およびトリゴノックス121(化薬
アクゾ社製)1部を酢酸エチル100部の中に混合し、
100℃で5時間撹拌してこれらのモノマーを重合させ
た。得られたポリマーの分子量は6,000、融点は4
0℃であった。
【0055】(合成例2)ドコシルアクリレート55
部、ステアリルアクリレート40部、アクリル酸5部、
ドデシルメルカプタン10部およびトリゴノックス12
1(化薬アクゾ社製)1部を酢酸エチル100部の中に
混合し、100℃で5時間撹拌してこれらのモノマーを
重合させた。得られたポリマーの分子量は5,000、
融点は54℃であった。
【0056】(合成例3)ドコシルアクリレート95
部、アクリル酸5部、ドデシルメルカプタン10部およ
びトリゴノックス121(化薬アクゾ社製)1部を酢酸
エチル100部の中に混合し、100℃で5時間撹拌し
てこれらのモノマーを重合させた。得られたポリマーの
分子量は4,000、融点は62℃であった。
【0057】(合成例4)2−エチルヘキシルアクリレ
ート90部、2−ヒドロキシエチルアクリレート10
部、およびAIBN 0.3部を、酢酸エチル/ヘプタ
ン(70部/30部)150部の中に混合し、60℃で
24時間撹拌してこれらのモノマーを重合させた。得ら
れたポリマーの分子量は810,000であった。
【0058】B.易剥離性ラベルの作製 (実施例1)上記合成例4と合成例1で得られたポリマ
ーを85部:15部の割合で混合させ、溶剤(ヘプタン
/酢酸エチル=70部/30部)を用いて固形分%が約
30%になるように調製した。このポリマー溶液に架橋
剤としてMDIをポリマー100部に対して0.3部添
加し、支持体(PETフィルム テトロンGS−50、
帝人社製)上に塗工して粘着ラベル(易剥離性ラベル)
を得た。
【0059】得られた粘着ラベルの接着力をJISc21
07に準じ対ガラスで測定した。その結果を図1に示す。
また、剥離後、ガラスには接着剤層の残留物の付着は見
られなかった。
【0060】(実施例2)上記合成例4と合成例2で得
られたポリマーを85部:15部の割合で混合させたこ
と以外は、実施例1と同様にして粘着ラベルを得た。得
られた粘着ラベルの接着力をJISc2107に準じ対ガラ
スで測定した。その結果を図1に示す。また、剥離後、
ガラスには接着剤層の残留物の付着は見られなかった。
【0061】(実施例3)上記合成例4と合成例3で得
られたポリマーを85部:15部の割合で混合させたこ
と以外は、実施例1と同様にして粘着ラベルを得た。得
られた粘着ラベルの接着力をJISc2107に準じ対ガラ
スで測定した。その結果を図1に示す。また、剥離後、
ガラスには接着剤層の残留物の付着は見られなかった。
【0062】(比較例1)合成例2で得られたポリマー
のみを、溶剤(ヘプタン/酢酸エチル=70部/30
部)に、固形分%が約30%になるように調製した。こ
のポリマー溶液に架橋剤としてMDIをポリマー100
部に対して0.3部添加し、支持体上に塗工して粘着ラ
ベルを得た。
【0063】得られた粘着ラベルの接着力をJISc21
07に準じ対ガラスで測定した。その結果を図1に示す。
また、剥離後、ガラスには接着剤層の残留物の付着が見
られた。
【0064】(比較例2)上記合成例4で得られたポリ
マー85部に融点50℃のワックス(スパームアセチ、
日本油脂社製)を15部の割合で混合させたこと以外
は、実施例1と同様にして粘着ラベルを得た。得られた
粘着ラベルの接着力をJISc2107に準じ対ガラスで測
定した。その結果を図1に示す。また、剥離後、ガラス
には接着剤層の残留物の付着は見られた。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、易剥離性ラベルに使用
した接着剤層が、炭素数が10以上の直鎖状アルキル基
を側鎖とするアクリル酸エステル及び/又はメタクリル
酸エステルを主成分とするポリマーと感圧接着剤とを含
有する接着剤組成物から形成され、かつポリマーが該接
着剤組成物中に1〜50重量%含有されているので、該
ラベルが貼付された包装容器が所定温度以上に加熱され
るとラベルの接着力が低下してラベルを包装容器から簡
単に剥離することができる。このように、ラベルを加温
もしくは加熱するだけで接着剤層の接着力が大きく低下
するので、ラベルを剥離するための高価な装置を使用す
る必要がなく、比較的低コストで実施でき、かつ基材や
包装容器が光透過性のものに限られることがなく、また
少しの加熱でよいので包装容器が耐熱性のものに限られ
るということもなく、包装容器からラベルを容易に剥
離、除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例および比較例の各粘着ラベルを
用いて得られた温度と剥離強度との関係を示すグラフで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 正芳 奈良県奈良市左京6丁目5番6号 ニッタ 株式会社ならやま研究所内 (72)発明者 松本 明彦 奈良県奈良市左京6丁目5番6号 ニッタ 株式会社ならやま研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と、該支持体の片面に積層された
    接着剤層と、を有する易剥離性ラベルであって、 該粘着剤層が、約15℃より狭い温度範囲にわたって起
    こる第1次溶融転移を持つポリマーと、感圧接着剤とを
    含有する接着剤組成物から形成され、該ポリマーが該接
    着剤組成物中に1〜50重量%含有されていることを特
    徴とする易剥離性ラベル。
  2. 【請求項2】上記ポリマーが側鎖結晶化可能ポリマーで
    あり、該側鎖結晶化可能ポリマーが炭素数10以上の直
    鎖状アルキル基を側鎖とするアクリル酸エステル及び/
    又はメタクリル酸エステルを主成分とするポリマーであ
    る請求項1記載の易剥離性ラベル。
  3. 【請求項3】 前記ポリマーが、分子量3,500〜2
    5,000の温度活性ポリマーである請求項1または2
    記載の易剥離性ラベル。
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