JP4246993B2 - 剥離型接着剤組成物およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、吸水後または吸水/加熱後に接着力が低下する剥離型接着剤組成物(シーラントを含む。)に関し、特に、複数の構成部材を接着して所定の構造物を形成するための剥離型接着剤組成物であって、吸水処理前には所定の接着強度を発揮するが、吸水後または吸水/加熱後には速やかに接着力が低下して、元の構成部材に容易に分離することができる剥離型接着剤組成物およびその製造方法に関する。
近年、リサイクル法が制定され、接着剤組成物により接合された構造体において、構成部品ごとに分離、回収するとともに、それぞれ再利用することが求められている。また、接着剤組成物により基材に貼付されたラベルやマーキングフィルム、あるいはマスキングフィルム等についても、使用目的を終了した場合には、基材から容易に剥離できることが望ましい。
しかしながら、従来の接着剤組成物は、各構成部材や、ラベル等を強力に接着することのみを目的としており、所望により各構成部材へ分離したり、あるいは基材を損傷することなくラベル等を剥離したりすることは、容易でなかった。
そこで、特開平5−173487には、熱収縮性シート上に、吸水性ポリマーを配合したアクリル系粘着剤層を形成した粘着ラベルが開示されている。
しかしながら、開示された粘着ラベルは、基材として、熱収縮性シートを使用しなければならず、構成が複雑であるばかりか、コストが高く、経済的に不利であった。また、吸水性ポリマーを、凝集力の高い接着剤、例えば、ブロック共重合体や、エポキシ樹脂等からなる接着剤に単に添加した場合には、剥離性が不十分な場合が見られた。
また、特開平11−217548号公報には、再剥離可能な接着シートが開示されている。より具体的には、基材フィルムと、この基材フィルム上に形成された接着剤層とから構成されており、かかる接着剤層には、アクリル系接着剤100重量部に対して、ポリオレフィン粒状物が1〜25重量部の範囲で配合されている。
しかしながら、かかる再剥離可能な接着シートであっても、長期間経過したような場合には、接着シートを基材から容易かつ、短時間に剥離することが困難であった。
一方、ポリオレフィン粒状物を用いているため、アクリル系接着剤中に均一に混合分散することが容易でなく、ポリオレフィン粒状物の添加量の範囲を厳格に制限しなければならず、しかも初期から接着不良が生じやすいという問題が見られた。
また、特開平7−118580号公報には、剥離用シートを用いた接着物、貼着物または塗装物の基板からの剥離方法が開示されている。より具体的には、基材と、その上に形成された嫌気性接着剤または嫌気性粘接着剤からなる接着剤層とから剥離用シートを構成してある。そして、この剥離用シートを、接着物、貼着物または塗装物の表面に貼付した後、接着剤層を硬化させることにより、これらの接着物等を剥離するものである。
しかしながら、長期間経過したような場合には、かかる剥離用シートを用いても、均一に接着物を基材から剥離することが困難であった。
また、接着物等を剥離するに際して、剥離用シートを貼付する工程と、硬化させる工程とが必須であり、剥離するまでに、長時間かかるなどの問題が見られた。
そこで、出願人は、特開平11−92728号公報において、接着剤ベース樹脂に対して、水溶性充填剤を0.1〜200重量部の範囲で含有した剥離型接着剤組成物を既に提案している。
かかる剥離型接着剤組成物を用いれば、構造体を浸漬することにより、短時間で剥離できるという効果を得ることができる。
しかしながら、かかる剥離型接着剤組成物においても、用途によっては、より短時間で容易に剥離可能な剥離型接着剤組成物が望まれていた。さらに、接着剤のベース樹脂として、ホットメルト型接着剤を用いた場合には、粘度が高いために、比較的多量に水溶性充填剤を添加する場合には、均一に分散させることが困難な場合が見られた。
一方、特開昭56−61467号、特開昭56−61468号、特開昭60−252681号、特開昭63−17981号、特開平6−33025号、特開平6−184504号、特開平11−228921号、特開2000−868994号、および特開2000−239620号には、アクリル樹脂等からなる粘着剤や光硬化性樹脂中に、所定量の熱膨張性粒子を添加した熱剥離型接着剤が開示されている。
これらの熱剥離型接着剤は、いずれも加熱剥離のみを意図しており、熱膨張性粒子と、吸水性架橋高分子とを組み合わせて、迅速に自然剥離することまで意図したものはなかった。
そこで、本発明の発明者らは、吸水性架橋高分子、さらには熱膨張性粒子を所定量の範囲で含むことにより、接着剤のベース樹脂として、ホットメルト型接着剤等を用いた場合であっても、均一に分散させることができ、しかも、より短時間で剥離可能な接着剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の目的は、吸水性架橋高分子を比較的多量に添加した場合であっても、各種接着剤のベース樹脂中に、均一に分散させることができ、しかも、吸水前には高い接着力が得られる一方、吸水させた後には、短時間で剥離可能な接着剤組成物、およびそのような剥離型接着剤組成物を効率的に得られる製造方法を提供することにある。
また、本発明の別な目的は、熱膨張性粒子と、吸水性架橋高分子とを組み合わせて、吸水/加熱後に自然剥離する剥離型接着剤組成物、およびそのような剥離型接着剤組成物を効率的に得られる製造方法を提供することにある。
本願発明は、吸水後に接着力が低下する剥離型接着剤組成物であって、
接着剤のベース樹脂として、熱硬化性接着剤であるエポキシ樹脂と、吸水性架橋高分子と、界面活性剤と、を含み、
接着剤のベース樹脂100重量部に対して、吸水性架橋高分子を1〜200重量部の範囲で含むとともに、
接着剤のベース樹脂100重量部に対して、界面活性剤を0.001〜20重量部の範囲で含み、
かつ、界面活性剤が、脂肪酸、脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルエーテル、ソルビトール脂肪酸エステルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、およびショ糖脂肪酸エステルの少なくとも一つであることを特徴とする剥離型接着剤組成物である。
すなわち、接着剤のベース樹脂と、所定範囲の吸水性架橋高分子とを組み合わせて剥離型接着剤組成物を構成することにより、かかる剥離型接着剤組成物を使用して接着した構造物品(構成部材と別の構成部材)を水に浸漬等した場合に、吸水性架橋高分子が適度に膨潤し、構成部材間の接着力が速やかに低下して、各構成部材を分離回収することができる。
また、吸水性架橋高分子を用いているとともに、添加量がこのような範囲内であれば、接着剤のベース樹脂中に、均一に分散させることができる。
また、このような範囲で界面活性剤を添加することにより、吸水後の接着力をより効率的に低下させることができ、添加量によっては、自然剥離も可能となる。
また、このような熱硬化性樹脂を使用することにより、初期接着力が高く、優れた機械的特性や耐熱性が得られるため、構造用接着剤として使用することができる。
さらにまた、熱硬化性樹脂は、硬化前は低分子量であって、粘度が比較的低いために、接着剤としての取扱いが容易となる。
なお、接着力が低下する「吸水後」とは、水(アルコールや界面活性剤等を含む場合がある。以下、同様である。)や、温水(40〜70℃未満)あるいは熱水(70〜100℃)等に浸漬し、強制的に吸水させた状態を意味する。したがって、吸水性架橋高分子が、周囲に存在する空気中の水分を一部吸収したような状態については意味しない。
また、本願発明の剥離型接着剤組成物を構成するにあたり、吸水性架橋高分子が粒子状の場合には平均粒子径を1〜800μmの範囲内の値とし、吸水性架橋高分子が繊維状の場合には平均繊維長を2〜60mmの範囲内の値とすることが好ましい。
このような範囲に吸水性架橋高分子の平均粒子径や平均繊維長を制限することにより、吸水性架橋高分子を接着剤のベース樹脂中に、より均一に分散することができる。しかも、このような平均粒子径や平均繊維長を有する吸水性架橋高分子であれば、吸水前の接着力がばらついたり、低下したりするなどの問題を有効に防止することができる。
また、本願発明の剥離型接着剤組成物を構成するにあたり、吸水性架橋高分子の吸水倍率を5〜1,000倍の範囲内の値とすることが好ましい。
このような範囲に吸水性架橋高分子の吸水倍率を制限することにより、比較的少量の添加であっても、吸水後の接着力を効果的に低下させることができる。
また、本願発明の剥離型接着剤組成物を構成するにあたり、吸水性架橋高分子が、デンプン−アクリルニトリルグラフト重合体の加水分解物の架橋体、デンプン−アクリル酸グラフト重合体の中和物の架橋体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物の架橋体、アクリロニトリル共重合体の加水分解物の架橋体、アクリルアミド共重合体の加水分解物の架橋体、ポリアクリル酸の部分中和物架橋体、カルボキシル基含有架橋ポリビニルアルコール変性物、架橋イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレンオキシド架橋物、および架橋ウレタン変性物からなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
このような種類の吸水性架橋高分子であれば、比較的少量の添加であっても、吸水後の接着力を効果的に低下させることができる。
また、このような種類の吸水性架橋高分子であれば、接着剤のベース樹脂中に、より均一に分散することができる。
また、本願発明の剥離型接着剤組成物を構成するにあたり、接着剤のベース樹脂100重量部に対して、熱膨張性粒子を1〜300重量部の範囲で、さらに含むことが好ましい
このように熱膨張性粒子を組み合わせることにより、熱水や蒸気を使用した場合に、吸水性架橋高分子が吸水するとともに、熱膨張性粒子も膨張するため、極めて短時間に被着体から剥離することができ、添加量によっては、自然剥離させることもできる。
また、本願発明の別の態様は、吸水後に接着力が低下する剥離型接着剤組成物の製造方法において、
接着剤のベース樹脂として、熱硬化性接着剤であるエポキシ樹脂を準備する工程と、
接着剤のベース樹脂100重量部に対して、吸水性架橋高分子を1〜200重量部の範囲で添加する工程と、
接着剤のベース樹脂100重量部に対して、脂肪酸、脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルエーテル、ソルビトール脂肪酸エステルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、およびショ糖脂肪酸エステルの少なくとも一つである界面活性剤を0.001〜20重量部の範囲で添加する工程と、
を含むことを特徴とする剥離型接着剤組成物の製造方法である。
このように熱硬化性樹脂を用いて剥離型接着剤組成物を製造することにより、接着剤のベース樹脂中に、無溶剤であっても吸水性架橋高分子を均一に分散することができる。したがって、吸水前は極めて高い接着力が得られる一方、吸水後には、吸水性架橋高分子が適度に膨潤して、接着力が速やかに低下する剥離型接着剤組成物を効果的に得ることができる。
また、本願発明の剥離型接着剤組成物の製造方法を実施するにあたり、接着剤のベース樹脂100重量部に対して、熱膨張性粒子を1〜300重量部の範囲で添加する工程をさらに含有することが好ましい。
このように実施すると、熱水や蒸気等を用いて、極めて短時間に被着体から剥離可能な剥離型接着剤組成物を効果的に得ることができる。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態は、以下の(A)〜(D)成分を含む剥離型接着剤組成物(以下、水剥離型接着剤組成物と称する場合がある。)である。なお、かかる水剥離型接着剤組成物中、(A)、(B)および(C)成分が必須成分であって、(D)成分は、任意成分である。
すなわち、本願発明は、吸水後に接着力が低下する剥離型接着剤組成物であって、
接着剤のベース樹脂として、熱硬化性接着剤であるエポキシ樹脂と、吸水性架橋高分子と、界面活性剤と、を含み、
接着剤のベース樹脂100重量部に対して、吸水性架橋高分子を1〜200重量部の範囲で含むとともに、
接着剤のベース樹脂100重量部に対して、界面活性剤を0.001〜20重量部の範囲で含み、
かつ、界面活性剤が、脂肪酸、脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルエーテル、ソルビトール脂肪酸エステルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、およびショ糖脂肪酸エステルの少なくとも一つであることを特徴とする剥離型接着剤組成物である。
(A)接着剤のベース樹脂:100重量部
(B)吸水性架橋高分子: 1〜200重量部
(C)粘着付与剤: 1〜300重量部
(D)界面活性剤: 0.001〜20重量部
1.接着剤のベース樹脂
本発明に使用する接着剤のベース樹脂としては、一液タイプの熱硬化性接着剤、または二液タイプの熱硬化性接着剤であるエポキシ樹脂が使用可能である。
また、エポキシ樹脂を使用する場合、主剤として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂や脂環式エポキシ樹脂を用いるとともに、硬化剤として、ポリアミンやイミダゾール等を組み合わせて使用することが好ましい。
2.吸水性架橋高分子
(1)種類
吸水性架橋高分子は、吸水性樹脂を架橋剤により反応させて得られた粒子や繊維等であれば、その種類は特に制限されるものではないが、例えば、吸水性樹脂のベース樹脂として、デンプン系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂を使用することが好ましい。
したがって、かかる吸水性架橋樹脂としては、例えば、不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、イタコン酸、β−ヒドロキシアクリル酸、β−アクリルオキシプロピオン酸およびこれらの中和物から選ばれる少なくとも一種の単量体成分を、架橋剤とともに重合させることにより得られる架橋樹脂であることが好ましい。
また、好ましい架橋剤としては、例えば、
i)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、N,N´−メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の1分子中にエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物;
ii)エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、プロピレングルコール、1,4−ブタンジオール、ポリプロピレングリコール等の多価アルコール;
iii)エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等のポリグリシジルエーテル;
iv)エピクロロヒドリン、α−メチルクロルヒドリン等のハロエポキシ化合物;
v)グルタールアルデヒド、グリオキザール等のポリアルデヒド;
vi)エチレンジアミン等のポリアミン類;
vii)多価イソシアネート化合物、多価エポキシ化合物、多価アジリジン化合物;
等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
なお、架橋剤の使用量は、吸水性架橋高分子における吸水量を考慮して決めることが好ましいが、例えば、当該架橋剤の使用量を、単量体成分100モル%に対して、0.005〜2モル%の範囲内の値とすることが好ましく、0.01〜1モル%の範囲内の値とすることがより好ましい。
また、架橋剤を用いずに、予め未架橋の吸水性樹脂を重合しておき、その後、架橋剤を添加して反応させることにより吸水性架橋高分子とすることも好ましい。
したがって、好ましい吸水性架橋高分子として、デンプン−アクリルニトリルグラフト重合体の加水分解物の架橋体、デンプン−アクリル酸グラフト重合体の中和物の架橋体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物の架橋体、アクリロニトリル共重合体の加水分解物の架橋体、アクリルアミド共重合体の加水分解物の架橋体、ポリアクリル酸の部分中和物架橋体、カルボキシル基含有架橋ポリビニルアルコール変性物、架橋イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレンオキシド架橋物、架橋ウレタン変性物等が挙げられる。
これらの吸水性架橋高分子であれば、より優れた吸水性が得られ、比較的少量の添加ですむので、接着力の低下を有効に防止することもできる。
(2)吸水倍率
また、吸水性樹脂の吸水倍率を5〜1,000倍の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる吸水倍率が5倍未満の値となると、吸水後の接着力の低下が不十分となったり、あるいは、吸水性樹脂を多量に添加したりする必要が生じる場合があるためである。
ただし、過度に吸水性樹脂の吸水倍率が大きくなると、接着剤組成物を吸水させる前に、周囲の水分を吸水して、接着剤のベース樹脂中に添加した場合に、初期接着力が低下する場合がある。したがって、吸水性樹脂の吸水倍率を、10〜500倍の範囲内の値とすることがより好ましく、50〜300倍の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、吸水性樹脂の吸水倍率は、吸水性樹脂を過剰状態の水に24時間浸漬した後の、体積増加割合として、測定することができる。
(4)平均粒子径および平均繊維長
また、吸水性架橋高分子の平均粒子径を0.1〜800μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる吸水性架橋高分子の平均粒子径が0.1μm未満となると、均一に混合分散することが困難となったり、あるいは吸水後の接着力の低下が不十分となったりする場合があるためである。
一方、かかる吸水性架橋高分子の平均粒子径が800μmを超えると、逆に接着剤のベース樹脂中に均一に混合分散することが困難となったり、あるいは初期接着力が低下したりする場合があるためである。
したがって、吸水性架橋高分子の平均粒子径を0.5〜500μmの範囲内の値とすることがより好ましく、10〜100μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、吸水性架橋高分子が繊維状の場合、その平均繊維長を2〜60mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる吸水性架橋高分子の平均繊維長が2m未満となると、均一に混合分散することが困難となったり、あるいは吸水後の接着力の低下が不十分となったりする場合があるためである。一方、かかる吸水性架橋高分子の平均繊維長が60mmを超えると、逆に接着剤のベース樹脂中に均一に混合分散することが困難となったり、あるいは初期接着力が低下したりする場合があるためである。
したがって、吸水性架橋高分子の平均繊維長を3〜50mmの範囲内の値とすることがより好ましく、5〜40mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、吸水性架橋高分子の平均粒子径や平均繊維長は、電子顕微鏡写真から、粒子径や繊維長を実測し、さらにそれから平均値を算出することにより求めることができる。
ただし、吸水性架橋高分子の形状は、粒子状や繊維状に限られず、多角形であっても、異形であっても良く、さらにはこれらの組み合わせであっても良い。
(5)添加量
また、吸水性架橋高分子の添加量を、接着剤のベース樹脂100重量部に対して、1〜200重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる吸水性架橋高分子の添加量が、1重量部となると、吸水後の接着力の低下が不十分となる場合があるためである。一方、かかる吸水性架橋高分子の添加量が200重量部を超えると、初期接着力が低下したり、均一に混合分散したりすることが困難となる場合があるためである。
したがって、かかる吸水性架橋高分子の添加量を、接着剤のベース樹脂100重量部に対して、10〜100重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、20〜80重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
ここで、図1参照しながら、接着力に対する吸水性架橋高分子の添加量の影響の一例を示す。図1は、横軸に、接着剤のベース樹脂100重量部に対する吸水性架橋高分子の添加量(重量部)を採って示してあり、縦軸に接着力(MPa)を採って示してある。そして、ラインAは、参考例5の界面活性剤を含まない接着剤組成において、吸水性架橋高分子の添加量を変えて測定した初期接着力を示しており、ラインA´は、温水(60℃)に6時間浸漬した後の接着力を示している。また、ラインBは、参考例1の界面活性剤を所定量含む接着剤組成において、吸水性架橋高分子の添加量を変えて測定した初期接着力を示しており、ラインB´は、温水(60℃)に6時間浸漬した後の接着力を示している。
図1の変化曲線から容易に理解されるように、ラインAおよびBとも、吸水性架橋高分子の添加量は初期接着力にはほとんど影響しないものの、吸水性架橋高分子の添加量が、例えば25重量部を超えると、それぞれ温水(60℃)に6時間浸漬した後の接着力が、初期接着力と比較して、顕著に低下している。そして、接着力の低下傾向は、界面活性剤を含むラインB´の方がより顕著である。
したがって、一例として、界面活性剤を所定量含む接着剤組成においては、吸水性架橋高分子の添加量を10重量部以上の値とすることにより、また、界面活性剤を含まない接着剤組成においては、吸水性架橋高分子の添加量を30重量部以上の値とすることにより、それぞれ吸水後の接着力を十分に低下させることが可能である。
なお、図1に示す接着力の変化曲線は、接着剤のベース樹脂の種類はもちろんのこと、吸水性架橋高分子や粘着付与剤等の種類によっても変化することが知られている。
(6)表面処理
また、吸水性架橋高分子を、接着剤のベース樹脂中に添加する際に、ベース樹脂を加熱溶融させておくことが好ましい。そのため、かかる加熱溶融に起因して、吸水性架橋高分子が熱分解したり、凝集したりして、吸水性架橋高分子を均一に混合分散することが困難となる場合がある。そこで、吸水性架橋高分子を表面処理して、予め耐熱性や混合分散性を向上させておくことが好ましい。
具体的に、吸水性架橋高分子の表面に、カップリング剤処理や、無機物粒子添加、金属メッキ、金属蒸着、無機物蒸着あるいは、吸水性架橋高分子よりもガラス転移点が高い高分子を用いて被覆しておくことが好ましい。
(7)その他
また、吸水性架橋高分子中に、本発明の目的を逸脱しない範囲で、チクソトロピー剤、粘性調整剤、可塑剤、着色剤、顔料、耐候剤、紫外線吸収剤、変色防止剤、酸化防止剤、無機粒子、カーボン粒子、炭素繊維、導電性粒子、増量剤、防カビ剤、抗菌剤、殺菌剤等の一種単独または二種以上の組み合わせを添加することも好ましい。
特に、酸化防止剤、無機粒子、カーボン粒子、炭素繊維、導電性粒子等を添加することにより、吸水性架橋高分子の耐熱性を向上できることから好ましい。すなわち、加熱された溶融状態のベース樹脂中に添加した場合であっても、かかる加熱に起因して、吸水性架橋高分子が熱分解したり、凝集するのを効果的に防止することができる。
3.粘着付与剤
(1)種類
粘着付与剤は、初期接着力を向上させるとともに、吸水させた場合の接着力を効果的に低下させるために添加される。また、粘着付与剤を添加することにより、吸水性架橋高分子を接着剤のベース樹脂中に添加する際に、分散剤としての機能を発揮させることもできる。
かかる粘着付与剤の種類は、吸水させた場合の接着力低下性を考慮して定めることが好ましいが、具体的に、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族・芳香族共重合系石油樹脂、脂環系水添石油樹脂、アルキルフェノール樹脂、キシレン樹脂、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水素化テルペン樹脂、ロジン系樹脂、水添ロジン系樹脂、不均化ロジン系樹脂、二量化ロジン系樹脂、エステル化ロジン系樹脂等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
また、これらの粘着付与剤のうち、特に、脂肪族系石油樹脂や、芳香族系石油樹脂を使用することが好ましい。この理由は、かかる粘着付与剤を使用することにより、少量の添加で、吸水させた場合の接着力を効果的に低下させることができるためであり、またかかる粘着付与剤は、コストが安く経済的なためである。
(2)添加量
また、粘着付与剤の添加量を、接着剤のベース樹脂100重量部あたり、1〜300重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる粘着付与剤の添加量が1重量部未満となると、吸水後の接着力の低下が不十分となったり、あるいは、初期接着力が低下したりする場合があるためである。
一方、かかる粘着付与剤の添加量が300重量部を超えると、接着剤のベース樹脂中に、均一に混合分散することが困難となったり、あるいは、得られる接着剤の耐クリ−プ性が低下したりする場合があるためである。
したがって、かかる粘着付与剤の添加量を5〜100重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、10〜50重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
4.界面活性剤
(1)種類
界面活性剤は、迅速に吸水して、接着力を低下させる場合に好適に使用されるが、具体的に、脂肪酸、脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルエーテル、ソルビトール脂肪酸エステルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
特に、ポリエチレングリコールモノステアリルエーテル、デカグリセリントリステアリルエステル、ソルビトールモノステアレート、ソルビトールモノラウリレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノラウリレート、ショ糖ジステアレート、ショ糖モノジステアレート等を使用することにより、少量の添加で吸水後の接着力の低下を著しく促進できる一方、初期接着力の低下についても、有効に防止できることから好ましい。
(2)添加量
また、界面活性剤の添加量を、ベース樹脂100重量部に対して、0.001〜20重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる界面活性剤の添加量が、0.001重量部未満となると、添加効果が発現せず、接着剤組成物を吸水させた場合に、迅速に接着力が低下しない場合があるためである。一方、かかる界面活性剤の添加量が20重量部を超えると、均一に混合分散することが困難となったり、あるいは初期接着力が低下したりする場合があるためである。
したがって、かかる界面活性剤の添加量を0.5〜10重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜5重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
5.添加剤
(1)水溶性充填材
上述した吸水性架橋高分子とともに、水溶性充填材を添加することも好ましい。このような水溶性充填材を添加することにより、吸水後の接着力をさらに効果的に低下させることができる。
このような水溶性充填材としては、無機塩類、キレート類、多糖類、尿素樹脂、重炭酸ナトリウム等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
また、このような水溶性充填材を添加する場合、当該水溶性充填材の添加量を接着剤のベース樹脂100重量部あたり、5〜50重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
(2)カップリング剤
また、接着剤のベース樹脂中に、シランカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、チタンカップリング剤からなる群から選択される少なくとも一つのカップリング剤を添加することが好ましい。
この理由は、このようなカップリング剤を添加することにより、水に浸漬する前は、空気中等の水分によって、接着力が低下することを防止することができる一方、水に浸漬した場合にあっては、接着力が速やかに低下することを妨げないように構成できるためである。
また、このようなカップリング剤として、具体的に、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシアルミニウム、γ−アミノプロピルトリメトキシチタン等が挙げられる。
なお、カップリング剤を添加する場合、当該カップリング剤の添加量を接着剤のベース樹脂100重量部あたり、0.1〜20重量部の範囲内の値とすることが好ましく、0.5〜10重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜5重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(3)有機溶剤
また、溶液型の接着剤を使用する場合、適当な有機溶剤を添加することも好ましい。
このような有機溶剤としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、エチルエーテル、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、メタノール、1−ブタノール等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
(4)その他
また、接着剤のベース樹脂中に、吸水性架橋高分子への添加剤と同様の添加剤、例えば、チクソトロピー剤、粘性調整剤、可塑剤、着色剤、顔料、耐候剤、変色防止剤、硬化剤、酸化防止剤、無機粒子、カーボン粒子、炭素繊維、導電性粒子等の一種単独または二種以上の組み合わせを本発明の目的を逸脱しない範囲で添加することも好ましい。
6.製造方法
水剥離型接着剤組成物の製造方法は特に制限されるものではないが、例えば、以下の工程を含むことが好ましい。
(A)溶融状態の接着剤のベース樹脂を調製する工程
(B)接着剤のベース樹脂100重量部に対して、平均粒子径が1〜800μmの吸水性架橋高分子および平均繊維長が2〜60mmの吸水性架橋高分子、あるいはいずれか一方の吸水性架橋高分子を1〜200重量部の範囲で添加するドライブレンド工程
(1)溶融状態の接着剤のベース樹脂を調製する工程
接着剤のベース樹脂を加熱して、溶融状態とする工程である。そして、熱硬化性樹脂を使用する場合であっても、潜在性硬化型接着剤を用いるか、あるいは、主剤と硬化剤とからなる二液型接着剤を用いることにより、溶融状態の接着剤のベース樹脂を容易に調製することができる。
例えば、ビスフェノールA樹脂と、アミン系硬化剤とからなる熱硬化性のエポキシ接着剤を使用する場合、ビスフェノールA樹脂のみを加熱溶融して、後述するドライブレンド工程に供し、アミン系硬化剤については、ドライブレンド工程で添加することが好ましい。
(2)ドライブレンド工程
(2)−1混合比率
溶融状態の接着剤のベース樹脂100重量部に対して、吸水性架橋高分子の混合比率を1〜200重量部の範囲内の値とすることが好ましく、10〜100重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、20〜80重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、一部上述したように、かかる混合比率が1重量部未満の値となると、混合分散自体は容易であるが、得られる水剥離型接着剤組成物における吸水後の接着力の低下が不十分となる場合があるためであり、一方、かかる吸水性架橋高分子の添加量が200重量部を超えると、均一に混合分散することが困難となる場合があるためである。
(2)−2混合温度
また、吸水性架橋高分子等を接着剤のベース樹脂中に混合する際の温度、すなわち、接着剤のベース樹脂の温度を100〜250℃の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる混合温度が100℃未満となると、吸水性架橋高分子を均一に混合分散することが困難となる場合があるためであり、一方、かかる混合温度が250℃を超えると、吸水性架橋高分子が熱分解したり、凝集したりする場合があるためである。
したがって、吸水性架橋高分子の混合温度を120〜200℃の範囲内の値とすることがより好ましく、150〜180℃の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(2)−3混合機
また、吸水性架橋高分子等を接着剤のベース樹脂中に混合する際の混合機については特に制限されるものではないが、例えば、円筒型混合機、二重壁円錐型混合機、高速撹拌型混合機、V字型混合機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、流動型炉ロータリーデスク型混合機、気流型混合機、双腕型ニーダー、内部混合機、粉砕型ニーダー、回転式混合機、スクリュー型押出機等を使用することが好適である。
(2)−4有機溶剤
また、吸水性架橋高分子を接着剤のベース樹脂中に混合する際に、吸水性架橋高分子が膨潤しないように、水系溶剤を使用せず、ドライブレンドすることが好ましい。ただし、吸水性架橋高分子が過度に膨潤しない範囲で、有機溶剤を使用することも好ましい。
7.使用方法
(1)塗工方法
本発明の水剥離型接着剤組成物を使用して構成部材を接着する際には、周知の接着剤塗布手段、例えば、ロールコーター、バーコーター、はけ塗り、ヘラ塗り等により接着剤組成物を塗工することが好ましい。
また、水剥離型接着剤組成物が溶液系接着剤や一液型接着剤の場合には、ディスペンサーを用いることも好ましく、さらには、ホットメルト型接着剤の場合には、アプリケーターを用いることが好ましい。
また、水に浸漬した場合にあっては、水剥離型接着剤組成物の接着力が低下することを妨げない一方、空気中等の水分によっては、かかる接着力が低下しないようにすることができ、さらには、初期接着力を向上できることから、接着剤の塗工面に、シランカップリング剤をプライマー処理しておくことが好ましい。
(2)形態
また、本発明の水剥離型接着剤組成物において、その形態についても特に制限されるものでは無いが、例えば、ホットメルト型接着剤、フィルム状接着剤、溶剤型接着剤、スプレータイプ接着剤等の各種形態を採ることができる。
また、本発明の水剥離型接着剤組成物を、基材上に積層して、接着テープ、マスキングテープ(塗装用テープ)、マーキングフィルム、仮止めテープ、メッキ用テープ、工程用テープ等の形態とすることも好ましい。
その場合、基材として、ポリエステルフィルム、塩化ビニルフィルム、ポリプロピレンフィルム、フッ素樹脂フィルム等を使用し、その上に、厚さ10〜500μmの接着層を形成してあることが好ましい。
(3)剥離条件1
水剥離型接着剤組成物を剥離する際の剥離条件は、吸水させて接着力が低下するような条件であれば、特に制限されるものではないが、例えば、10℃〜100℃の水に10分〜24時間浸漬するか、または10℃〜100℃の水を10分〜24時間シャワーすることが好ましい。
この理由は、かかる浸漬条件やシャワー条件であれば、水や湯をそのまま用いることができ、しかもこのような浸漬時間やシャワー時間であれば、効果的に被着体を分解できるためである。
ただし、より速やかに接着力を低下させるために、アルコール類や、界面活性剤(分散剤や洗剤等も含む。)を、水100重量部あたり、0.1〜20重量部の割合で水中に添加することも好ましい。
一方で、剥離用液体として、上述した水や湯のかわりに、あるいは上述した水や湯とともに、フッ素系やシリコーン系の不活性液体を使用することも好ましい。
ここで、図2を参照して、浸漬条件の違いによる、接着力変化の一例を示す。接着剤として、例えば、参考例3に示す組成の接着剤を用意し、25℃×50%RH、水(25℃)、60℃温水、90℃温水の各条件に所定時間放置した場合の接着力変化を示している。
図2から容易に理解できるように、基本的に吸水させない場合(25℃×50%RH)には、接着力をほとんど変化しないものの、高温の湯に浸漬する程、接着力の低下が顕著である。
したがって、水の温度を調節することにより、所望の剥離時間を設定することが可能である。
(4)剥離条件2
また、水剥離型接着剤組成物を剥離する際に、加圧することが好ましい。この理由は、加圧することにより、水剥離型接着剤組成物中の吸水性架橋高分子が、より急速に吸水して、接着力が速やかに低下するためである。
したがって、具体的に、圧力を10.8×10-4〜196×10-4Paの範囲内の値とすることが好ましく、11.8×10-4〜147×10-4Pa範囲内の値とすることがより好ましく、12.7×10-4〜98×10-4Paの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態は、以下の(A)〜(E)成分を含む剥離型接着剤組成物(以下、熱併用剥離型接着剤組成物と称する場合がある。)であって、(A)接着剤のベース樹脂に対して、(B)吸水性架橋高分子および(E)熱膨張性粒子を添加することを特徴としている。したがって、第2の実施形態の熱併用剥離型接着剤組成物中、(A)、(B)、(D)および(E)成分が必須成分であって、(C)成分は、任意成分である。
なお、(A)〜(D)成分の内容については、第1の実施形態と同様の内容とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(A)接着剤のベース樹脂:100重量部
(B)吸水性架橋高分子: 1〜200重量部
(C)粘着付与剤: 1〜300重量部
(D)界面活性剤: 0.001〜20重量部
(E)熱膨張性粒子: 1〜300重量部
1.熱膨張性粒子の種類
熱膨張性粒子は、加熱することによりその体積が増加する粒子状物であれば好適に使用することができるが、例えば、外殻が塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合樹脂、酢酸ビニル−アクリロニトリル共重合樹脂、メチルメタクリレート−アクリロニトリル共重合樹脂、アクリロニトリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の一種単独または二種以上の組み合わせから構成されており、内部に、加熱発泡性の気体や液体を内包しているものが好ましい。
また、熱膨張性粒子の平均粒径を1〜300μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる熱膨張性粒子の平均粒径が1μm未満の値となると、接着剤の剥離性が低下する場合があるためである。一方、かかる熱膨張性粒子の平均粒径が300μmを超えると、接着剤のベース樹脂中へ均一に混合することが困難となる場合があるためである。
したがって、熱膨張性粒子の平均粒径を3〜200μmの範囲内の値とすることがより好ましく、5〜150μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、かかる中空微小球の平均粒径は、光学顕微鏡写真から画像処理装置を用いて容易に算出することができる。
2.熱膨張性粒子の添加量
熱膨張性粒子の添加量を、接着剤のベース樹脂100重量部に対して、1〜300重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる熱膨張性粒子の添加量が1重量部未満の値となると、添加効果が発現せず、接着剤の剥離性が低下する場合があるためである。一方、かかる熱膨張性粒子の添加量が300重量部を超えると、剥離前の接着力が低下したり、あるいは、接着剤のベース樹脂中へ均一に混合したりすることが困難となる場合があるためである。
したがって、熱膨張性粒子の添加量を、接着剤のベース樹脂100重量部に対して、10〜150重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、30〜100重量部重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、後述する剥離条件を考慮して、熱膨張性粒子の添加量を決定することも好ましい。例えば、105℃以上の加熱処理だけでは自然剥離しないように調整するためには、熱膨張性粒子の添加量を、接着剤のベース樹脂100重量部に対して、1〜40重量部の範囲内の値とすることが好ましい。また、120℃以上の加熱処理だけでは自然剥離しないように調整するためには、熱膨張性粒子の添加量を、接着剤のベース樹脂100重量部に対して、1〜30重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
一方、105℃以上の温度で、15〜30分程度の加熱処理時間で、自然剥離可能にするためには、熱膨張性粒子の添加量を、接着剤のベース樹脂100重量部に対して、45〜100重量部の範囲内の値とすることが好ましい。また、105℃以上の温度で、15分以内の加熱処理時間で、自然剥離可能にするためには、熱膨張性粒子の添加量を、接着剤のベース樹脂100重量部に対して、100重量部超〜300重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
ここで、図3を参照しながら、接着力に対する熱膨張性粒子の添加量の影響の一例を示す。横軸に、接着剤のベース樹脂100重量部に対する熱膨張性粒子の添加量(重量部)を採って示してあり、縦軸に接着力(MPa)を採って示してある。そして、左軸に、参考例14の接着剤組成において、熱膨張性粒子の添加量を変えて測定した自然剥離時間(90℃の熱水浸漬)を示しており、右軸に、初期接着力を示している。
図3から容易に理解されるように、熱膨張性粒子の添加量は初期接着力にはほとんど影響しないものの、熱膨張性粒子の添加量が、例えば20重量部を超えると、自然剥離時間が顕著に短くなっている。
したがって、一例として、熱膨張性粒子の添加量を25重量部以上の値とすることにより、自然剥離時間(90℃の熱水浸漬)を10時間以内の短時間とすることが可能である。
なお、図3に示す自然剥離時間の変化曲線は、接着剤のベース樹脂の種類はもちろんのこと、吸水性架橋高分子等の種類によっても変化することが知られている。
3.使用方法
(1)塗工方法および形態
第2の実施形態の熱併用剥離型接着剤組成物における塗工方法や、形態については、第1の実施形態と同様の内容とすることができる。
なお、第2の実施形態における形態の変形例を図4に示す。
図4(a)は、熱併用剥離型接着剤組成物にフィルム形成樹脂を含むとともに、当該熱剥離型接着剤組成物の厚さを、例えば10〜200μmの範囲内の値とした例である。
また、図4(b)は、フィルム状の熱剥離型接着剤組成物(第1の接着剤層と称する場合がある。)の片面(図中B側)に、有機系熱膨張性粒子を全く含まないか、あるいは第1の接着剤層よりも少量の有機系熱膨張性粒子を含む熱硬化性接着剤成分からなる接着剤層(第2の接着剤層と称する場合がある。)を設けた例である。
また、図4(c)は、2枚の熱剥離型接着剤組成物(第1の接着剤層)の間に、有機系熱膨張性粒子を含まないか、あるいは第1の接着剤層よりも少量の有機系熱膨張性粒子を含む熱硬化性接着剤成分からなる接着剤層(第3の接着剤層と称する場合がある。)を設けた例である。
(2)剥離条件
剥離条件についても、第1の実施形態と同様の内容とすることができるが、さらに、加熱条件を付加して、熱水を使用することにより、熱膨張性粒子の膨張を利用して、より迅速に剥離することができる。
したがって、接着剤のベース樹脂100重量部に対して、例えば1〜40重量部の熱膨張性粒子を添加した場合、105℃以上の温度で単に加熱した際の自然剥離を防止することができる一方、70℃〜100℃の熱水を使用することにより、12時間以内の浸漬時間で自然剥離することができる。
また、所定量の界面活性剤をさらに添加した場合、105℃以上の温度で単に加熱しても自然剥離しない一方、70℃〜100℃の熱水を使用することにより、5時間以内の浸漬時間で自然剥離することができる。
4.製造方法
熱併用剥離型接着剤組成物の製造方法は特に制限されるものではないが、例えば、以下の工程を含むことが好ましい。
(A)接着剤のベース樹脂として、熱硬化性樹脂を準備する工程
(B)接着剤のベース樹脂100重量部に対して、吸水性架橋高分子を1〜200重量部の範囲で添加する工程
(C)熱膨張性粒子を1〜300重量部の範囲で添加する工程
(1)熱硬化性樹脂を準備する工程
熱硬化性樹脂として、例えば、エポキシ樹脂を準備する工程であるが、接着力がばらつかないように、十分に脱気することが好ましい。
また、熱硬化性樹脂の粘度を調整するために、反応性希釈剤や溶剤を添加することが好ましい。その場合、熱硬化性樹脂の粘度を、例えば100〜100,000mPa・s(測定温度25℃)の範囲内の値とすることが好ましい。
さらにまた、熱硬化性樹脂を準備する段階で、各種粒子や繊維、あるいは酸化防止剤や着色剤等の添加剤を添加することも好ましい。
(2)吸水性架橋高分子を添加する工程
接着剤のベース樹脂としての熱硬化性樹脂中に、所定量の吸水性架橋高分子を均一に添加する工程である。そして、熱硬化性樹脂を使用する場合、粘度が比較的低いために、接着剤のベース樹脂を加熱して溶融状態として、吸水性架橋高分子をドライブレンドする必要は必ずしもなく、吸水性架橋高分子を予め溶剤等に希釈した状態で添加することも好ましい。
(3)熱膨張性粒子を添加する工程
接着剤のベース樹脂としての熱硬化性樹脂中に、所定量の熱膨張性粒子を均一に添加する工程である。そして、熱膨張性粒子を添加するにあたり、その途中で熱膨張性粒子が発泡しないように、添加する際の環境温度を、発泡温度以下とすることが好ましく、発泡温度よりも10℃以上低い温度とすることがより好ましい。
以下、本発明を、実施例(参考例)を参照しながら、さらに詳細に説明する。ただし、言うまでも無いが、実施例は本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲は実施例の記載に制限されるものでは無い。
[参考例1]
(1)水剥離型接着剤組成物の作成
180℃に温度保持した溶融釜中に、ベース樹脂としてのSISブロック共重合体100重量部およびフェノール系酸化防止剤を0.2重量部の割合で収容し、プラネタリーミキサーを用い、3時間攪拌して、均一に溶融させた。
次いで、C5系水素添加石油樹脂を30重量部、架橋イソブチレン−無水マレイン酸共重合体からなる架橋性水膨張性粒子であるK201−F2(平均粒子径15μm、吸水倍率200倍)を35重量部、界面活性剤としてポリエチレングリコールモノステアリルエーテル(HLB:15.7)を7重量部、可塑剤として、流動パラフィン(引火点:256℃、密度:0.865g/cm3)を5重量部の割合でそれぞれ溶融釜中に収容した。さらに、プラネタリーミキサーを用いて1時間攪拌し、各構成成分が均一に溶融混合したことを確認して参考例1の水剥離型接着剤組成物とした。
なお、表1中、参考例1で使用したSISブロック共重合体を、A1で表し、吸水性架橋高分子をB1で表わし、粘着付与剤(C5系水素添加石油樹脂、軟化点:100℃、平均分子量:650)をC1で表わし、界面活性剤をD1で表わす。
(2)水剥離型接着剤組成物の評価
(2)−1初期接着力
ホットメルト用アプリケーターを用いて、180℃、9.8×10-3Pa(10kgf/cm2)の条件で、アルミ板(厚さ1.5mm、長さ100mm、幅25mm)上に、厚さ約1mmの接着剤組成物を塗工した。その上から、別のアルミ板を積層し(重ね合わせ面積:15×25mm2)、そのままの状態で24時間、室温に放置して、テストピース(測定数=5)とした。
次いで、JISK6850(接着剤の引張せん断接着強さ試験方法)に準拠して、引張試験機を用い、引張スピード20mm/分の条件で、初期接着力(引張りせん断接着強さ)の測定を行った。
(2)−2吸水後接着力1
室温の水に、テストピース(測定数=5)を浸漬し、その状態で6時間放置後および12時間放置後の接着力を、初期接着力と同様にそれぞれ測定した。
(2)−3吸水後接着力2
60℃の水に、テストピース(測定数=5)を浸漬し、その状態で3時間放置後および6時間放置後の接着力を、初期接着力と同様にそれぞれ測定した。
参考例2〜5]
表1に示すように、参考例2では、参考例1の界面活性剤の使用量を低下させた影響を検討し、参考例3では、参考例1の粘着付与剤や界面活性剤の使用量を少なくした影響を検討し、参考例4では、参考例3の界面活性剤の種類を変更した影響を検討し、参考例5では、参考例1の粘着付与剤や界面活性剤を使用しないことによる影響を検討した。
表1の結果から理解されるように、参考例2では、参考例1の界面活性剤の使用量よりも低下しているため、初期接着力が増加する一方、吸水後の接着力の低下傾向が少なくなった。
また、参考例3では、参考例1の粘着付与剤や界面活性剤の使用量よりも少なくしているため、初期接着力がさらに増加する一方、吸水後の接着力の低下傾向がより少なくなった。
また、参考例4では、参考例3の界面活性剤の種類が変更されているためと思われるが、参考例3よりも初期接着力が若干低下している一方、吸水後の接着力の低下傾向が大きくなった。
また、参考例5では、参考例1における粘着付与剤や界面活性剤を使用していないためと思われるが、参考例1よりも初期接着力が若干増加している一方、吸水後の接着力の低下がかなり小さくなった。
[比較例1]
表1に示すように、比較例1では、参考例1における粘着付与剤や界面活性剤を使用しないとともに、吸水性架橋高分子等を添加せずに、吸水後の接着力変化を検討した。
表1の結果から理解されるように、比較例1では、吸水性架橋高分子等を添加していないために、初期接着力と、吸水後の接着力との間で、顕著な差は見られず、むしろ若干増加する傾向が見られた。
[比較例2]
表1に示すように、比較例2では、参考例1における吸水性架橋高分子を添加せず、粘着付与剤の使用量を若干少なくして、吸水後の接着力変化を検討した。
表1の結果から理解されるように、比較例2では、吸水性架橋高分子等を添加していないために、吸水後の接着力低下はわずかであって、初期接着力と、吸水後の接着力との間で、顕著な差は見られなかった。
Figure 0004246993
*ベース樹脂: A1(SISブロック共重合体)
*吸水性架橋高分子:B1(架橋イソブチレン無水マレイン酸共重合体)
*粘着付与剤: C1(C5系水添石油樹脂)
*界面活性剤: D1(ポリエチレングリコールモノステアリルエーテル)
: D2(デカグリセリントリステアリルエステル)
*配合単位 : 重量部
*接着力単位: MPa(=N/mm2
参考例6]
(1)水剥離型接着剤組成物の作成
水剥離型接着剤組成物中に、粘着付与剤を比較的多量に添加した条件で、吸水性架橋高分子における平均粒径の影響を検討した。
すなわち、180℃に温度保持した溶融釜中に、ベース樹脂としてのSISブロック共重合体30重量部およびフェノール系酸化防止剤を0.2重量部の割合で収容した後、プラネタリーミキサーを用い3時間攪拌して、均一に溶融させた。次いで、C5系水素添加石油樹脂を50重量部、吸水性架橋高分子としてのK201−F2(平均粒子径30μm、吸水倍率200倍、表2中、B2で表わす。)を21重量部、可塑剤として、流動パラフィン(引火点:256℃、密度:0.865g/cm3)を5重量部の割合でそれぞれ溶融釜中に収容した。さらに、プラネタリーミキサーを用いて1時間攪拌し、各構成成分が均一に溶融混合したことを確認して参考例6の水剥離型接着剤組成物とした。
(2)水剥離型接着剤組成物の評価
参考例1と同様に、水および温水(60℃)に6時間浸漬後の接着力(吸水後接着力1および吸水後接着力2)を測定し、評価した。
その結果、粘着付与剤を比較的多量に添加しているためと思われるが、水に6時間浸漬した後には顕著な接着力の低下は見られなかったものの、温水(60℃)を用いた場合には、接着力が、初期接着力の約1/3に低下することを確認した。
参考例7〜11]
表2に示すように、参考例7〜11では、吸水性架橋高分子の種類、平均粒径の大きさ、および添加量を変えたほかは、参考例6と同様に、水剥離型接着剤組成物を作成して、評価した。
その結果、参考例7では、水に6時間浸漬した後には顕著な接着力の低下は見られなかったものの、温水(60℃)を用いた場合には、接着力がほとんど発現しなくなることを確認した。また、参考例8でも、水に6時間浸漬した後には顕著な接着力の低下は見られなかったものの、温水(60℃)を用いた場合には、接着力がほとんど発現しなくなることを確認した。また、参考例9でも、水に6時間浸漬した後には顕著な接着力の低下は見られなかったものの、温水(60℃)を用いた場合には、接着力がほとんど発現しなくなることを確認した。ただし、参考例9では、平均粒径が大きな吸水性架橋高分子を用いているためと思われるが、初期接着力が低い傾向が見られた。また、参考例10および11でも、それぞれ水に6時間浸漬した後には顕著な接着力の低下は見られなかったものの、温水(60℃)を用いた場合には、接着力がほとんど発現しなくなることを確認した。
[比較例3]
表2に示すように、比較例3では、参考例6における吸水性架橋高分子を添加しなかったほかは、参考例6と同様に接着剤組成物を作成し、評価した。
その結果、比較例3では、吸水性架橋高分子等を添加していないために、水および温水に6時間浸漬した後も、接着力低下はわずかであった。
Figure 0004246993
*ベース樹脂: A1(SISブロック共重合体)
*吸水性架橋高分子
B2:架橋イソブチレン無水マレイン酸共重合体、平均粒径30μm
B3:架橋イソブチレン無水マレイン酸共重合体、平均粒径150μm
B4:架橋イソブチレン無水マレイン酸共重合体、平均粒径1400μm
B5:ポリアクリル酸塩系高分子、 平均粒径30μm
B6:ポリアクリル酸塩系高分子、 平均粒径150μm
*粘着付与剤: C1(C5系水添石油樹脂)
*配合単位 : 重量部
*接着力単位: MPa(=N/mm2
参考例12]
参考例1で得られた水剥離型接着剤組成物を、ホットメルトアプリケーターから、180℃、9.8×10-3Pa(10kgf/cm2)の条件で塗出させて、スクリーン印刷用のスクリ−ンメッシュ(ポリアミド製、30cm×30cm)と、金枠(ステンレス製)とを接着固定した。
この状態で、スクリーン印刷を5,000回実施したが、金枠からスクリ−ンメッシュが剥離する現象は観察されなかった。
次いで、60℃の温水に、10分浸漬したところ、金枠から自然とスクリ−ンメッシュが分離することを確認した。
したがって、本参考例によれば、有機溶剤を用いていないことから人体への影響や、引火性の問題がない上に、スクリーン印刷後の、スクリ−ンメッシュの剥離作業を容易かつ、短時間で行うことができるようになった。
なお、従来のホットメルト接着剤を用いた場合には、60℃のメチルエチルケトンに1時間以上浸漬した後、金属ヘラを用いて、こそぎ落とす必要があり、金枠を損傷する場合が多く見られた。
参考例13]
参考例1で得られた水剥離型接着剤組成物を、ホットメルトアプリケーターから、180℃、9.8×10-3Pa(10kgf/cm2)の条件で塗出させて、冷蔵庫に使用される断熱材(硬質ウレタンゴム)と、金属製筐体(塗装アルミニウム製)とを接着固定した。
この状態で冷蔵庫を組み立て、周囲温度60℃条件で、連続試験を50,000時間行ったが、金属製筐体から断熱材が剥離する現象は全く観察されなかった。
次いで、冷蔵庫を分解し、断熱材と金属製筐体とからなる構成部品を取り出した後、接合部分に、95℃の熱水を、10分間シャワーしたところ、金属製筐体から自然と断熱材が分離することを確認した。
したがって、本参考例によれば、金属製筐体から断熱材を容易かつ、短時間に剥離できるようになった。また、金属製筐体については、損傷するおそれがないことから、そのまま再利用できるようになった。
なお、従来の接着剤を用いた場合には、金属ヘラを用いて、断熱材を金属製筐体からこそぎ落とす必要があり、金属製筐体を損傷する場合が多かった。
参考例14]
(1)熱併用剥離型接着剤組成物の作成
接着剤のベース樹脂の種類を検討した。すなわち、容器内に、エピコート828(油化シェル(株)製)100gと、エポメートB002(油化シェル(株)製)50gとを収容した。次いで、吸水性架橋高分子樹脂としてのK201−F2((株)クラレ製)75gと、熱膨張性粒子としてのF−300(松本油脂(株)製)25gとをそれぞれ添加した後、ミキサーを用いて1時間攪拌し、各成分が均一に混合したことを確認して熱併用剥離型接着剤組成物とした。
(2)熱併用剥離型接着剤組成物の評価
参考例1と同様に、測定試料を作成した後、初期接着力を測定するとともに、熱水(90℃)および加熱オーブン(105℃、120℃)内に測定試料を載置して、自然剥離時間を測定した。その結果、表3に示すように、初期接着力として、7.5MPaという極めて高い値が得られた。一方、加熱処理(105℃、120℃)では12時間以内に自然剥離させることは困難であるにもかかわらず、熱水(90℃)を使用した場合にのみ、7〜9時間程度で、自然剥離させることが可能であることを確認した。
参考例15、実施例16、参考例17〜20
表3に示すように、初期接着力、熱水および加熱オーブン(105℃、120℃)中での自然剥離時間に対する熱膨張性粒子の添加量の影響、吸水性樹脂の種類の影響、熱硬化性樹脂(反応性アクリル樹脂)の種類の影響、界面活性剤およびカップリング剤の添加効果等を検討した。なお、表3中、×印は、吸水/加熱条件に12時間放置後も、自然剥離しないことを意味している。その結果、熱膨張性粒子の添加量が40重量部以下であれば、初期接着力が高い一方、熱水(90℃)を使用した場合にのみ、12時間以下の浸漬時間で自然剥離可能な熱併用剥離型接着剤組成物が得られることを確認した。また、吸水性樹脂の種類や熱硬化性樹脂の種類をかえても、上記加熱処理条件では自然剥離させることは困難であって、熱水を使用した場合にのみ、12時間以下の浸漬時間で自然剥離可能な熱併用剥離型接着剤組成物が得られることを確認した。さらに、界面活性剤を添加することにより、上記加熱処理条件では自然剥離させることは困難であって、熱水を使用した場合にのみ、3時間以下の浸漬時間で自然剥離可能な熱併用剥離型接着剤組成物が得られることを確認した。
Figure 0004246993
*ベース樹脂:A1:SISブロック共重合体、A2:エピコート828、
A3:エポメートB2000、A4:C−320−K(A剤)
A5:C−320−K(B剤)
*吸水性架橋高分子
B2:架橋イソブチレン無水マレイン酸共重合体、平均粒径30μm
B5:ポリアクリル酸塩系高分子、 平均粒径30μm
*配合単位 : 重量部
*接着力単位: MPa(=N/mm2
以上、説明したように、本発明の水剥離型接着剤組成物によれば、接着剤のベース樹脂中に、吸水性架橋高分子を所定量の範囲で含むことにより、初期接着力は従来と変わらない程度に強いものの、水や温水、さらには熱水に浸漬すると、吸水性架橋高分子が吸水して膨潤し、容易に被着体、例えばガラスと付属部材とに分離することができるようになった。
また、本発明の熱併用剥離型接着剤組成物によれば、熱硬化系接着剤中に、吸水性架橋高分子および熱膨張性粒子を所定量の範囲でそれぞれ含むことにより、高い初期接着力が得られる一方、120℃程度の加熱処理では自然剥離せず、熱水を利用した場合のみに、吸水性架橋高分子が吸水と、熱膨張性粒子の熱膨張とが相俟って、12時間以内に自然剥離できるようになった。
したがって、本発明の剥離型接着剤組成物によれば、化粧品容器、薬品容器、芳香剤容器、飲料品容器、調味料容器、物品収納容器、気体収納容器、液晶収納容器(LCDパネルを含む。)、回路基板収容容器(電気部品の筐体を含む。)等の構成部品ごとの回収が特に望まれる複合容器の接合に使用することが期待される。
また、本発明の剥離型接着剤組成物によれば、所望により接着力を低下させることができるため、スクリーン印刷用のスクリーン止め用接着剤、半導体部品搬送時の仮止め用接着剤、マスキングテープ用接着剤、ボルト(ねじ)緩み止め防止用接着剤、壁紙用接着剤、装飾フィルム(マーキングフィルム)用接着剤、ガラス固定用接着剤、金属固定用接着剤、タイル用接着剤、木材固定用接着剤、書籍固定用接着剤、光ファイバー接続用接着剤、玩具用接着剤等にも好適に使用することが期待される。
さらに、本発明の剥離型接着剤組成物において、ベース樹脂の種類を考慮したり、無機粒子等を添加することにより、成型樹脂としても使用することができ、例えば、半導体封止用樹脂、電気絶縁性樹脂、回路基板形成用樹脂等にも好適に使用することが期待される。
また、本発明の剥離型接着剤組成物の製造方法によれば、接着剤のベース樹脂中に、吸水性架橋高分子、さらには熱膨張性粒子を所定量の範囲で含むことにより、吸水性架橋高分子や熱膨張性粒子を均一に混合分散できるようになり、吸水後に接着力が低下する剥離型接着剤組成物が効果的に得られるようになった。
吸水性架橋高分子の添加量の影響例を示す図である。 吸水条件の違いにおける接着力の変化例を示す図である。 熱膨張性粒子の添加量の影響例を示す図である。 本発明の熱剥離型接着剤組成物からなるフィルム状接着剤の断面図である。

Claims (7)

  1. 吸水後に接着力が低下する剥離型接着剤組成物であって、
    接着剤のベース樹脂として、熱硬化性接着剤であるエポキシ樹脂と、吸水性架橋高分子と、界面活性剤と、を含み、
    前記接着剤のベース樹脂100重量部に対して、吸水性架橋高分子を1〜200重量部の範囲で含むとともに、
    前記接着剤のベース樹脂100重量部に対して、界面活性剤を0.001〜20重量部の範囲で含み、
    かつ、前記界面活性剤が、脂肪酸、脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルエーテル、ソルビトール脂肪酸エステルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、およびショ糖脂肪酸エステルの少なくとも一つであることを特徴とする剥離型接着剤組成物。
  2. 前記吸水性架橋高分子が粒子状の場合には平均粒子径を1〜800μmの範囲内の値とし、前記吸水性架橋高分子が繊維状の場合には平均繊維長を2〜60mmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1に記載の剥離型接着剤組成物。
  3. 前記吸水性架橋高分子の吸水倍率を5〜1,000倍の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1または2に記載の剥離型接着剤組成物。
  4. 前記吸水性架橋高分子が、デンプン−アクリルニトリルグラフト重合体の加水分解物の架橋体、デンプン−アクリル酸グラフト重合体の中和物の架橋体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物の架橋体、アクリロニトリル共重合体の加水分解物の架橋体、アクリルアミド共重合体の加水分解物の架橋体、ポリアクリル酸の部分中和物架橋体、カルボキシル基含有架橋ポリビニルアルコール変性物、架橋イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレンオキシド架橋物、および架橋ウレタン変性物からなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の剥離型接着剤組成物。
  5. 前記接着剤のベース樹脂100重量部に対して、熱膨張性粒子を1〜300重量部の範囲で、さらに含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の剥離型接着剤組成物。
  6. 吸水後に接着力が低下する剥離型接着剤組成物の製造方法において、
    接着剤のベース樹脂として、熱硬化性接着剤であるエポキシ樹脂を準備する工程と、
    前記接着剤のベース樹脂100重量部に対して、吸水性架橋高分子を1〜200重量部の範囲で添加する工程と、
    前記接着剤のベース樹脂100重量部に対して、脂肪酸、脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルエーテル、ソルビトール脂肪酸エステルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、およびショ糖脂肪酸エステルの少なくとも一つである界面活性剤を0.001〜20重量部の範囲で添加する工程と、
    を含むことを特徴とする剥離型接着剤組成物の製造方法。
  7. 前記接着剤のベース樹脂100重量部に対して、熱膨張性粒子を1〜300重量部の範囲で添加する工程をさらに含有することを特徴とする請求項6に記載の剥離型接着剤組成物の製造方法。
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