JP2002205744A - 複合容器およびその分解方法 - Google Patents

複合容器およびその分解方法

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JP2002205744A
JP2002205744A JP2001002155A JP2001002155A JP2002205744A JP 2002205744 A JP2002205744 A JP 2002205744A JP 2001002155 A JP2001002155 A JP 2001002155A JP 2001002155 A JP2001002155 A JP 2001002155A JP 2002205744 A JP2002205744 A JP 2002205744A
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JP2001002155A
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English (en)
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Kunihiro Fushimi
邦博 伏見
Hiroyuki Haruyama
博之 春山
Shigeo Hori
薫夫 堀
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Koa Glass Co Ltd
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Koa Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸水後に接着力が低下する接着剤組成物を用
いて接合した複合容器を提供する。 【解決手段】 接着剤のベース樹脂100重量部に対し
て、吸水性架橋高分子粒子を1〜200重量部の範囲で
含む接着剤組成物を用いて複合容器の構成物品を接合す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸水後に接着力が
低下する接着剤組成物を用いた複合容器およびその分解
方法に関し、特に、複数の構成部材を接着して所定の構
造物を形成するための接着剤組成物であって、吸水前に
は所定の接着強度を発揮するが、吸水後には速やかに接
着力が低下して、元の構成部材に容易に分離することが
できる接着剤組成物を用いた複合容器およびその分解方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、リサイクル法が制定され、接着剤
組成物により接合された各種構成部材について、各種構
成部品ごとに分離、回収されて、それぞれ再利用される
ことが求められている。また、接着剤組成物により基材
に貼付されたラベルやマーキングフィルム、あるいはマ
スキングフィルム等についても、劣化等した場合には、
基材から容易に剥離することが望ましい。しかしなが
ら、従来の接着剤組成物は、各種構成部材や、ラベル等
を強力に接着することのみを目的としており、所望によ
り各構成部材へ分離したり、あるいは基材を損傷するこ
となくラベル等を剥離することは、容易でなかった。
【0003】そこで、特開平11−217548号公報
には、再剥離可能な接着シートが開示されている。より
具体的には、基材フィルムと、この基材フィルム上に形
成された接着剤層とから構成されており、かかる接着剤
層には、アクリル系接着剤100重量部に対して、ポリ
オレフィン粒状物が1〜25重量部の範囲で配合されて
いる。しかしながら、かかる再剥離可能な接着シートで
あっても、長期間経過したような場合には、接着シート
を基材から容易かつ、短時間に剥離することが困難であ
った。一方、ポリオレフィン粒状物を用いているため、
アクリル系接着剤中に均一に混合分散することが容易で
なく、ポリオレフィン粒状物の添加量の範囲を厳格に制
限しなければならず、しかも初期から接着不良が生じや
すいという問題が見られた。
【0004】また、特開平7−118580号公報に
は、剥離用シートを用いた接着物、貼着物または塗装物
の基板からの剥離方法が開示されている。より具体的に
は、基材と、その上に形成された嫌気性接着剤または嫌
気性粘接着剤からなる接着剤層とから剥離用シートを構
成してある。そして、この剥離用シートを、接着物、貼
着物または塗装物の表面に貼付した後、接着剤層を硬化
させることにより、これらの接着物等を剥離するもので
ある。しかしながら、長期間経過したような場合には、
かかる剥離用シートを用いても、均一に接着物を基材か
ら剥離することが困難であった。また、接着物等を剥離
するに際して、剥離用シートを貼付する工程と、硬化さ
せる工程とが必須であり、剥離するまでに、長時間かか
るなどの問題が見られた。
【0005】さらに、特開平9−315438号公報に
は、肉薄の金属材料又は樹脂材料によって形成された補
助部材を容器本体の底部に装着した容器において、補助
部材が、容器本体の胴部の下部周面を覆う胴部被覆帯
と、この胴部被覆帯に連設され、容器本体の底面に沿っ
てその底面内に張り出す舌片とを備えているとともに、
当該補助部材が、容器本体に対して、ホットメルト接着
剤により固定された容器が開示されている。かかる容器
によれば、廃棄時において容器本体と、補助部材とを分
離する際には、補助部材に設けた舌片を引張ることによ
って、物理的に両者を引き剥がすものである。しかしな
がら、舌片を引張って、容器本体と、補助部材とを容易
に引き剥がすためには、ホットメルト接着剤による接着
力を低下させなければならなかった。そのため、容器の
使用時において、容器本体と、補助部材とが剥離する場
合が見られた。一方、容器の使用時において、容器本体
と、補助部材とが剥離しないように強固に固定すると、
廃棄時において舌片を引張っても容器本体と、補助部材
とが分離できない場合が見られた。さらに、開示された
容器は、構造が複雑な補助部材を設けなければならず、
コストが高くなるという問題が見られた。
【0006】そこで、出願人は、特開平11−9179
1号公報において、接着剤ベース樹脂に対して、水溶性
充填剤を0.1〜200重量部の範囲で含有した接着剤
組成物を用いた複合容器を既に提案している。かかる複
合容器であれば、水や湯に浸漬させることにより、短時
間で、しかも容易に剥離することが可能である。しかし
ながら、かかる複合容器においても、用途によっては、
より短時間で容易に剥離可能な接着剤組成物が望まれて
いた。さらに、接着剤のベース樹脂として、ホットメル
ト型接着剤を用いた場合には、水溶性充填剤を均一に分
散することが困難であって、分解性能がばらつく場合が
見られた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の発明
者らは、水溶性充填剤のかわりに、あるいは水溶性充填
剤とともに、吸水性架橋高分子粒子を所定量の範囲で含
むことにより、接着剤のベース樹脂として、ホットメル
ト型接着剤等を用いた場合であっても、均一に分散させ
ることができ、しかも、より短時間で剥離可能な接着剤
組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。す
なわち、本発明の目的は、吸水性架橋高分子粒子を多量
に添加した場合であっても、各種接着剤のベース樹脂中
に、均一に分散させることができ、しかも、水(アルコ
ール類を含む。)に浸漬前には高い接着力が得られる一
方、水に浸漬して、吸水させた後には、短時間で容易に
剥離することが可能な接着剤組成物を用いた複合容器、
およびそのような複合容器の分解方法を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、吸水後
に接着力が低下する接着剤組成物を用いて接合した複合
容器であって、当該接着剤組成物が、接着剤のベース樹
脂100重量部に対して、吸水性架橋高分子粒子を1〜
200重量部の範囲で含むことを特徴とする複合容器が
提供され、上述した問題を解決することができる。すな
わち、このような接着剤組成物を使用して構成物品(構
成部材と別の構成部材)を接着することにより、高い初
期接着力が得られる一方、構成物品を水に浸漬等した場
合には、吸水性架橋高分子粒子が適度に膨潤し、構成部
材間の接着力が速やかに低下して、各構成部材を分離回
収することができる。なお、接着力が低下する「吸水
後」とは、複合容器を水(アルコールや界面活性剤等を
含む場合がある。以下、同様である。)や温水(100
℃以下)等に浸漬し、吸水性架橋高分子粒子を強制的に
吸水させた状態を意味する。したがって、吸水性架橋高
分子粒子が、周囲に存在する空気中の水分を一部吸収し
たような状態については意味しない。
【0009】また、本発明の複合容器を構成するにあた
り、構成部材間を接合するのに使用する接着剤組成物
が、ホットメルト型接着剤であることが好ましい。この
ような接着剤組成物であれば、有機溶剤を実質的に使用
する必要がないため、塗工することが容易であり、結果
としてコストが安い複合容器を効率的に得ることができ
る。
【0010】また、本発明の複合容器を構成するにあた
り、当該複合容器が、構成部品として、ガラス部材と金
属部材、あるいはガラス部材と別のガラス部材からなる
ことが好ましい。このような構成部品からなる複合容器
であれば、特に再利用がのぞまれている一方、吸水によ
りかかる構成部材間の接着力が速やかに低下して、経済
的に回収することができる。
【0011】また、本発明の複合容器を構成するにあた
り、ガラス部材および前記金属部材、あるいはいずれか
一方の部材に、水浸透用の空孔および溝、あるいはいず
れか一方が設けてあることが好ましい。このように構成
すると、複合容器を水に浸漬等した場合や、複合容器を
温湿度条件下に放置した場合に、水浸透用の空孔や溝を
通して、水が接着剤組成物に容易に到達するため、さら
に迅速に接着力を低下させることができる。
【0012】また、本発明の複合容器を構成するにあた
り、ガラス部材と金属部材、あるいはガラス部材と別の
ガラス部材の接合部分に、防水処理が施してあるか、ま
たは防水部材が設けてあることが好ましい。このように
構成すると、複合容器を空気中に長時間放置した場合で
あっても、接着剤組成物中の吸水性架橋高分子粒子が周
囲の空気中の水分を吸収して、接着力が低下することを
有効に防止することができる。
【0013】また、本発明の複合容器を構成するにあた
り、防水処理または防水部材が、除去可能であることが
好ましい。このように構成すると、防水処理または防水
部材により吸水性架橋高分子粒子が周囲の空気中の水分
を吸収して、接着力が低下することを防止することがで
きる一方、水に浸漬等する場合には、防水処理または防
水部材が除去できるので、吸水性架橋高分子粒子を十分
かつ短時間に吸水させることができる。
【0014】また、本発明の別の態様は、吸水後に接着
力が低下する接着剤組成物を用いて接合した複合容器で
あって、当該接着剤組成物が、接着剤のベース樹脂10
0重量部に対して、吸水性架橋高分子粒子を1〜200
重量部の範囲で含む複合容器の分解方法であって、複合
容器を、10℃〜100℃の水に10分〜24時間浸漬
するか、または10℃〜100℃の水を10分〜24時
間シャワーすることを特徴とする複合容器の分解方法で
ある。このような吸水条件であれば、効果的に吸水性架
橋高分子粒子を吸水させて、接着力を急速に低下させる
ことができる。また、このような吸水条件であれば、水
浴や噴霧機等を用いることができ、しかも洗浄工程等を
省略できるため、経済的に複合容器の構成物品を回収す
ることができる。
【0015】また、本発明の複合容器の分解方法を実施
するにあたり、複合容器を水に浸漬する際に、あるいは
複合容器に対して水をシャワーする際に、加圧すること
が好ましい。このように加圧することにより、接着剤組
成物中の吸水性架橋高分子粒子が、より急速に吸水し
て、接着力を速やかに低下させることができる。
【0016】また、本発明の複合容器の分解方法を実施
するにあたり、複合容器を水に浸漬する際に、あるいは
複合容器に対して水をシャワーする際に、振動を加える
ことが好ましい。このように振動を加えることにより、
接着剤組成物中の吸水性架橋高分子粒子が、より急速に
吸水して、接着力を速やかに低下させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】[第1の実施形態]本発明の第1
の実施形態は、以下の(A)〜(D)成分を含む接着剤
組成物を用いて構成部品を接着した複合容器である。な
お、かかる接着剤組成物中、(A)および(B)成分が
必須成分であって、(C)および(D)成分は、任意成
分である。 (A)接着剤のベース樹脂: 100重量部 (B)吸水性架橋高分子粒子:1〜200重量部 (C)粘着付与剤: 1〜300重量部 (D)界面活性剤: 0.001〜20重量部
【0018】(1)複合容器 構成部品 複合容器を構成する構成部品の種類は特に制限されるも
のでなく、ガラス部材、金属部材、プラスチック部材、
セラミック部材、紙部材等が挙げられる。また、特に再
利用が望まれていることから、構成部品として、ガラス
部材と金属部材から構成される複合容器や、あるいはガ
ラス部材と別のガラス部材から構成される複合容器を対
象とすることが好ましい。また、本発明の複合容器の一
例として、図1に、ガラス部材からなる容器本体12
と、プラスチックからなる装飾部材14とからなる化粧
品容器10の断面を示す。この化粧品容器10の例で
は、容器本体12を、装飾部材14に対して、圧入する
とともに、装飾部材14の二箇所に接着部16が設けて
あり、容器本体12と、装飾部材14を接着してある。
なお、図1中、化粧品容器10の蓋部は省略してある。
【0019】また、図1(a)に示すように、構成部品
(装飾部材14)の一部に、水浸透用の空孔18が設け
てあることが好ましい。この理由は、例えば、円筒状の
ガラス部材(内側)と金属部材(外側)とを、接着剤組
成物で接合する場合、外側の金属部材の底部や側面に、
水浸透用の空孔を設けることにより、接着剤組成物に水
を容易に吸収させることができるためである。また、か
かる水浸透用の空孔の大きさは、特に制限されるもので
ないが、例えば、直径として0.1〜30mmの範囲内
の値が好ましい。また、水浸透用の空孔の数も特に制限
されるものでないが、例えば、1〜10個の範囲内の値
であることが好ましい。
【0020】さらに、水浸透用の空孔とともに、あるい
は水浸透用の空孔のかわりに、水浸透用の溝(スリッ
ト)を設けることも好ましい。かかる水浸透用の溝の幅
は、特に制限されるものでないが、例えば、0.01〜
10mmの範囲内の値とすることが好ましい。また、水
浸透用の溝の数も特に制限されるものでないが、例え
ば、1〜10本/cmの範囲内の値であることが好まし
い。なお、かかる水浸透用の空孔や溝は、廃棄時のみに
使用可能とすることが好ましい。したがって、複合容器
の使用時には、水浸透用の空孔や溝を覆うとともに、複
合容器の廃棄時には、水浸透用の空孔や溝が開放できる
ように、図1(b)に示すように、シールやテープ、あ
るいはキャップ等の封水部20を備えることも好まし
い。
【0021】複合容器の具体例 また、具体的な複合容器としては、化粧品容器、薬品容
器、および芳香剤容器等のガラスを主体とした複合容器
が挙げられる。
【0022】防水部材 また、複合容器に適用された接着剤組成物の周囲を、防
水部材、例えば、防水テープ、防水フィルム、あるいは
防湿樹脂で覆うことが好ましい。このように構成する
と、防水テープや防湿樹脂等の防水部材が水分バリアと
なり、吸水性架橋高分子粒子が周囲の空気中の水分を吸
収して、接着力が低下することを防止することができ
る。一方、複合容器を水等に浸漬した場合には、防水テ
ープや防湿樹脂等の防水部材を透過して、吸水性架橋高
分子粒子が強制的に吸水することができるように調節し
ておけば、接着力の低下を十分期待することができる。
ただし、複合容器を水等に浸漬した場合に、吸水性架橋
高分子粒子がより吸水できるように、上述した防水部材
が取り外し可能、あるいは破壊可能であることが好まし
い。例えば、防水部材が、防水テープ、防水フィルム、
あるいは防湿樹脂であれば、吸水させる際には機械的に
除去したり、穴を開けることができるため、吸水性架橋
高分子粒子を含む接着剤組成物が露出して、より吸水す
ることができる。
【0023】(2)接着剤組成物 ベース樹脂 本発明に使用する接着剤のベース樹脂としては、ホット
メルト接着剤、溶剤系接着剤、光硬化性接着剤、一液タ
イプの熱硬化性接着剤、二液タイプの熱硬化性接着剤、
感圧接着剤(粘着剤)等の接着剤が使用可能である。例
えば、ホットメルト型接着剤や有機溶剤系接着剤、ある
いは感圧接着剤(粘着剤)としては、アクリル酸エステ
ル系重合体、メタクリル酸エステル系重合体、ポリ塩化
ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、酢酸セルロース樹脂、
エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、オ
レフィン系樹脂、塩素化オレフィン系樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニ
ルアルコール誘導体、シリコ−ン樹脂、天然ゴム、アク
リルゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブタジエ
ンゴム、ブチルゴム、アクリルニトリルブタジエンゴム
(NBR)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)
樹脂、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ブロ
ック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン(SI
S)ブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン
−スチレン(SEBS)ブロック共重合体、カルボキシ
ル基含有SEBSブロック共重合体、ポリエステル樹
脂、フェノキシ樹脂、ポリサルファイド樹脂等が挙げら
れる。また、光硬化性接着剤や熱硬化性接着剤として
は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ウ
レタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シアノアクリレー
ト系接着剤、フェノールアルデヒド系接着剤、メラミン
アルデヒド系接着剤、尿素アルデヒド系接着剤等も挙げ
られる。
【0024】また、接着剤のベース樹脂として、ホット
メルト接着剤、溶剤系接着剤、あるいは感圧接着剤(粘
着剤)を用いた場合、数平均分子量を5,000〜20
0,000の範囲内の値とすることが好ましい。この理
由は、かかる数平均分子量が5,000未満の値となる
と、初期接着力が低下したり、耐クリープ性が不充分と
なる場合があるためである。一方、かかる数平均分子量
が200,000を超えると、吸水性架橋高分子粒子を
均一に分散することが困難となったり、吸水後に速やか
に接着力が低下しない場合があるためである。なお、接
着剤のベース樹脂における数平均分子量は、ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィ(GPC)により、ポリス
チレン換算の分子量として測定することができる。
【0025】吸水性架橋高分子粒子 吸水性架橋高分子粒子は、吸水性樹脂粒子を架橋剤によ
り反応させて得られた粒子であれば、その種類は特に制
限されるものではないが、例えば、吸水性樹脂粒子のベ
ース樹脂の種類から、デンプン系、ポリアクリル酸系、
ポリビニルアルコール系、ポリアクリルアミド系、ポリ
オキシメチレン系に分類することができる。そして、か
かる吸水性架橋樹脂粒子としては、例えば、不飽和カル
ボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、無水マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、イタコ
ン酸、β―ヒドロキシアクリル酸、β―アクリルオキシ
プロピオン酸およびこれらの中和物から選ばれる少なく
とも一種の単量体成分を、架橋剤とともに重合させるこ
とにより得られる粒子であることが好ましい。また、架
橋剤を用いずに、予め吸水性樹脂粒子(未架橋)を重合
しておき、その後、架橋剤を添加して反応させることに
より吸水性架橋高分子粒子とすることも好ましい。
【0026】したがって、より優れた吸水性が得られ、
比較的少量も添加で接着力の低下に寄与することから、
吸水性架橋高分子粒子としては、デンプン−アクリルニ
トリルグラフト重合体の加水分解物の架橋体、デンプン
−アクリル酸グラフト重合体の中和物の架橋体、酢酸ビ
ニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物の架橋
体、アクリロニトリル共重合体の加水分解物の架橋体、
アクリルアミド共重合体の加水分解物の架橋体、ポリア
クリル酸の部分中和物架橋体、カルボキシル基含有架橋
ポリビニルアルコール変性物、架橋イソブチレン−無水
マレイン酸共重合体、ポリエチレンオキシド架橋物等が
挙げられる。
【0027】また、吸水性樹脂粒子の吸水倍率を5〜
1,000倍の範囲内の値とすることが好ましい。この
理由は、かかる吸水倍率が5倍未満の値となると、吸水
後の接着力の低下が不充分となったり、あるいは、吸水
性樹脂粒子を多量に添加する必要が生じる場合があるた
めである。ただし、過度に吸水性樹脂粒子の吸水倍率が
大きくなると、接着剤組成物を吸水させる前に、周囲の
水分を吸水して、接着剤のベース樹脂中に添加した場合
に、初期接着力が低下する場合がある。したがって、吸
水性樹脂粒子の吸水倍率を、10〜500倍の範囲内の
値とすることがより好ましく、50〜500倍の範囲内
の値とすることがさらに好ましい。なお、吸水性樹脂粒
子の吸水倍率は、吸水性樹脂粒子を過剰状態の水に24
時間浸漬した後の、体積増加割合として、測定すること
ができる。
【0028】吸水性樹脂粒子の含水率を、15重量%以
上の値とすることが好ましい。この理由は、かかる含水
率が15重量%未満の値となると、吸水後の接着力の低
下が不充分となったり、あるいは、多量に添加する必要
が生じる場合があるためである。ただし、過度に含水率
の値が大きくなると、接着剤組成物を吸水させる前に、
周囲の水分を吸水して、接着剤のベース樹脂中に添加し
た場合に、初期接着力が低下する場合がある。したがっ
て、吸水性樹脂粒子の含水率を、30〜1,000重量
%以上の値とすることがより好ましく、40〜500重
量%以上の値とすることがさらに好ましい。なお、吸水
性樹脂粒子の含水率は、吸水性樹脂粒子を過剰状態の水
に24時間浸漬した後の、重量増加割合として、測定す
ることができる。
【0029】吸水性架橋高分子粒子の平均粒子径を0.
1〜800μmの範囲内の値とすることが好ましい。こ
の理由は、かかる吸水性架橋高分子粒子の平均粒子径が
0.1μmとなると、均一に混合分散することが困難と
なったり、あるいは吸水後の接着力の低下が不充分とな
る場合があるためである。一方、かかる吸水性架橋高分
子粒子の平均粒子径が800μmを超えると、逆に接着
剤のベース樹脂中に均一に混合分散することが困難とな
ったり、あるいは初期接着力が低下する場合があるため
である。したがって、吸水性架橋高分子粒子の平均粒子
径を0.5〜500μmの範囲内の値とすることがより
好ましく、10〜100μmの範囲内の値とすることが
さらに好ましい。なお、吸水性樹脂粒子の平均粒子径
は、電子顕微鏡写真から、粒子径を実測し、さらにそれ
から平均値を算出することにより求めることができる。
【0030】吸水性架橋高分子粒子の添加量を、接着剤
のベース樹脂100重量部に対して、1〜200重量部
の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、かか
る吸水性架橋高分子粒子の添加量が、1重量部となる
と、吸水後の接着力の低下が不充分となるためである。
一方、かかる吸水性架橋高分子粒子の添加量が200重
量部を超えると、初期接着力が低下したり、均一に混合
分散することが困難となる場合があるためである。した
がって、かかる吸水性架橋高分子粒子の添加量を10〜
100重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、
20〜80重量部の範囲内の値とすることがさらに好ま
しい。
【0031】また、吸水性架橋高分子粒子を、接着剤の
ベース樹脂中に添加する際に、ベース樹脂を加熱溶融さ
せておくことが好ましいことから、かかる加熱に起因し
て、吸水性架橋高分子粒子が熱分解したり、凝集したり
して、吸水性架橋高分子粒子を均一に混合分散すること
が困難となる場合がある。そこで、吸水性架橋高分子粒
子を表面処理して、予め耐熱性や混合分散性を向上させ
ておくことが好ましい。具体的に、吸水性架橋高分子粒
子の表面に、カップリング剤処理や、無機物粒子添加、
金属メッキ、金属蒸着、無機物蒸着あるいは、吸水性架
橋高分子粒子よりもガラス転移点が高い高分子を用いて
被覆しておくことが好ましい。
【0032】また、吸水性架橋高分子粒子中に、本発明
の目的を逸脱しない範囲で、チクソトロピー剤、粘性調
整剤、可塑剤、着色剤、顔料、耐候剤、紫外線吸収剤、
変色防止剤、酸化防止剤、無機粒子、カーボン粒子、炭
素繊維、導電性粒子、増量剤、防カビ剤、抗菌剤、殺菌
剤等の一種単独または二種以上の組合せを添加すること
も好ましい。特に、酸化防止剤、無機粒子、カーボン粒
子、炭素繊維、導電性粒子等を添加することにより、吸
水性架橋高分子粒子の耐熱性を向上できることから好ま
しい。すなわち、加熱された溶融状態のベース樹脂中に
添加した場合であっても、かかる加熱に起因して、吸水
性架橋高分子粒子が熱分解したり、凝集するのを効果的
に防止することができる。なお、吸水性架橋高分子粒子
の耐熱性を向上させる場合には、酸化防止剤、無機粒
子、カーボン粒子、炭素繊維、導電性粒子等の添加量
を、吸水性架橋高分子粒子の全体量に対して、0.1〜
20重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
【0033】粘着付与剤 粘着付与剤は、初期接着力を向上させるとともに、吸水
させた場合に接着力を効果的に低下させるために添加さ
れる。また、粘着付与剤を添加することにより、吸水性
架橋高分子粒子を接着剤のベース樹脂中に添加する際
に、分散剤としての機能を発揮させることもできる。こ
のような粘着付与剤の種類は、吸水させた場合の接着力
の低下性を考慮して定めることが好ましいが、具体的
に、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族・芳
香族共重合系石油樹脂、脂環系水添石油樹脂、アルキル
フェノール樹脂、キシレン樹脂、クマロンインデン樹
脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族変
性テルペン樹脂、水素化テルペン樹脂、ロジン系樹脂、
水添ロジン系樹脂、不均化ロジン系樹脂、二量化ロジン
系樹脂、エステル化ロジン系樹脂等の一種単独または二
種以上の組合せが挙げられる。また、これらの粘着付与
剤のうち、特に脂肪族系石油樹脂や、芳香族系石油樹脂
を使用することが好ましい。この理由は、かかる粘着付
与剤を使用することにより、少量の添加で、吸水させた
場合の接着力を効果的に低下させることができるためで
あり、また、かかる粘着付与剤は、コストが安く経済的
だからである。
【0034】また、粘着付与剤の添加量を、接着剤のベ
ース樹脂100重量部あたり、1〜300重量部の範囲
内の値とすることが好ましい。この理由は、かかる粘着
付与剤の添加量が1重量部未満となると、吸水後の接着
力の低下が不充分となったり、あるいは、初期接着力が
低下する場合があるためである。一方、かかる粘着付与
剤の添加量が300重量部を超えると、接着剤のベース
樹脂中に、均一に混合分散することが困難となったり、
得られる接着剤の耐クリ−プ性が低下する場合があるた
めである。したがって、かかる粘着付与剤の添加量を、
接着剤のベース樹脂100重量部あたり、5〜100重
量部の範囲内の値とすることがより好ましく、10〜5
0重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0035】界面活性剤 界面活性剤は、主として、吸水させた場合に接着力を効
果的に低下させるために添加される。このような界面活
性剤の種類は特に制限されるものではないが、、アニオ
ン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界
面活性剤、高分子界面活性剤のいずれであっても良い。
具体的に、脂肪酸、脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビ
トール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルエー
テル、ソルビトール脂肪酸エステルエーテル、グリセリ
ン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられ
る。特に、ポリエチレングリコールモノステアリルエー
テルやデカグリセリントリステアリルエステル、ソルビ
トールモノステアレート、ソルビトールモノラウリレー
ト、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノラウ
リレート、ショ糖ジステアレート、ショ糖モノジステア
レート等を使用することにより、少量の添加で吸水後の
接着力の低下を促進できる一方、初期接着力の低下につ
いても、有効に防止できることから好ましい。
【0036】また、界面活性剤の添加量を、接着剤のベ
ース樹脂100重量部あたり、0.001〜20重量部
の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、かか
る界面活性剤の添加量が、0.001重量部未満となる
と、添加効果が発現しない場合があるためであり、一
方、かかる界面活性剤の添加量が20重量部を超える
と、均一に混合分散することが困難となったり、初期接
着力が低下する場合があるためである。したがって、か
かる界面活性剤の添加量を0.5〜10重量部の範囲内
の値とすることがより好ましく、1〜5重量部の範囲内
の値とすることがさらに好ましい。
【0037】添加剤1 上述した吸水性架橋高分子粒子とともに、水溶性充填材
を添加することも好ましい。このような水溶性充填材を
添加することにより、吸水後の接着力をさらに効果的に
低下させることができる。このような水溶性充填材とし
ては、無機塩類、キレート類、多糖類、尿素樹脂、重炭
酸ナトリウム等の一種単独または二種以上の組合せが挙
げられる。また、このような水溶性充填材を添加する場
合、当該水溶性充填材の添加量を接着剤のベース樹脂1
00重量部あたり、5〜50重量部の範囲内の値とする
ことが好ましい。
【0038】添加剤2 また、接着剤のベース樹脂中に、シランカップリング
剤、アルミニウムカップリング剤、チタンカップリング
剤からなる群から選択される少なくとも一つのカップリ
ング剤を添加することが好ましい。この理由は、このよ
うなカップリング剤を添加することにより、水に浸漬し
た場合にあっては、接着剤組成物の接着力が低下するこ
とを妨げない一方、水に浸漬する前は、空気中等の水分
によって、接着剤組成物の接着力が低下することを防止
することができるためである。
【0039】また、このようなカップリング剤として、
具体的に、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルトリエトキシアルミニウム、γ−アミノプロピルトリ
メトキシチタン等が挙げられる。なお、カップリング剤
を添加する場合、当該カップリング剤の添加量を接着剤
のベース樹脂100重量部あたり、0.1〜20重量部
の範囲内の値とすることが好ましく、0.5〜10重量
部の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜5重量
部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0040】添加剤3 また、溶液型の接着剤を使用する場合、接着剤組成物中
に適当な有機溶剤を添加することも好ましい。このよう
な有機溶剤としては、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、トルエン、エチルエーテル、酢酸エチ
ル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、メタノール、1−ブタノール等の一種単独または二
種以上の組合せが挙げられる。
【0041】添加剤4 また、接着剤のベース樹脂中に、吸水性架橋高分子粒子
への添加剤と同様の添加剤、例えば、チクソトロピー
剤、粘性調整剤、可塑剤、着色剤、顔料、耐候剤、変色
防止剤、硬化剤、酸化防止剤、無機粒子、カーボン粒
子、炭素繊維、導電性粒子等の一種単独または二種以上
の組合せを本発明の目的を逸脱しない範囲で、添加する
ことも好ましい。
【0042】(3)適用方法 塗工方法 本発明の接着剤組成物を使用して構成部材を接着し、複
合部品を構成する際には、周知の接着剤塗布手段、例え
ば、ロールコーター、バーコーター、はけ塗り、へら塗
り等により接着剤組成物を塗工することが好ましい。ま
た、接着剤組成物が溶液系接着剤や一液型接着剤の場合
には、ディスペンサーを用いることも好ましく、さらに
は、ホットメルト型接着剤の場合には、アプリケーター
を用いることが好ましい。また、水に浸漬した場合にあ
っては、接着剤組成物の接着力が低下することを妨げな
い一方、空気中等の水分によって、接着剤組成物の接着
力の低下を防止したり、初期接着力を向上できることか
ら、接着剤の塗工面に、シランカップリング剤をプライ
マー処理しておくことが好ましい。
【0043】形態 また、本発明の接着剤組成物を複合部品に適用するにあ
たり、その形態についても特に制限されるものでは無い
が、例えば、ホットメルト型接着剤、フィルム状接着
剤、溶剤型接着剤、スプレータイプ接着剤等の各種形態
を採ることができる。また、本発明の接着剤組成物を複
合部品に適用するにあたり、基材上に積層して、接着テ
ープの形態として適用することも好ましい。その場合、
基材として、厚さ10〜1,000μmの範囲であるポ
リエステルフィルム、塩化ビニルフィルム、ポリプロピ
レンフィルム、フッ素樹脂フィルム等を使用し、その上
に、厚さ10〜500μmの接着剤組成物層を形成して
あることが好ましい。
【0044】[第2の実施形態]本発明の第2の実施形
態は、第1の実施形態における接着剤組成物を用いた複
合容器の分解方法であって、複合容器を、10℃〜10
0℃の水に10分〜24時間浸漬するか、または10℃
〜100℃の水を10分〜24時間シャワーすることを
特徴とした複合容器の分解方法である。
【0045】(1)浸漬条件 剥離用液体 複合容器を浸漬(シャワー含む。)する剥離用液体とし
ては、水が好ましい。この理由は、水は安全性や経済性
に優れており、しかも水を使用することにより、構成部
品に分解した後に、それぞれ洗浄を行う必要性が実質的
に不要となるためである。ただし、より速やかに接着力
を低下させるために、アルコール類や、界面活性剤(分
散剤や洗剤等も含む。)を、水100重量部あたり、
0.1〜20重量部の割合で添加することも好ましい。
なお、剥離用液体として、フッ素系やシコーン系の不活
性液体を使用することも好ましい。
【0046】浸漬温度 また、浸漬温度を、通常、10℃〜100℃の範囲とす
ることが好ましい。この理由は、かかる温度が10℃未
満となると、接着力の低下が不充分となる場合があるた
めであり、一方、かかる温度が100℃を超えると、水
が沸騰し、温度条件の制御が困難となるためである。し
たがって、温度を50℃〜95℃の範囲とすることがよ
り好ましく、70℃〜90℃の範囲とすることがさらに
好ましい。
【0047】浸漬時間 水に浸漬した場合と、温湿度条件下に放置した場合と
で、浸漬時間やシャワー時間は若干異なるが、例えば、
水に浸漬した場合、浸漬時間を10分〜24時間の範囲
とすることが好ましい。この理由は、かかる浸漬時間が
10分未満となると、接着力の低下が不充分となる場合
があるためであり、一方、かかる浸漬時間が24時間を
超えると、構成部品の回収に時間がかかり、経済的に不
利となるためである。したがって、水に浸漬した場合の
浸漬時間を1時間〜12時間の範囲とすることがより好
ましく、2時間〜6時間の範囲とすることがさらに好ま
しい。
【0048】(2)加圧条件 また、複合容器を分解する際に加える圧力を10.8〜
196×10-4Paの範囲内の値とすることが好まし
い。この理由は、かかる圧力が10.8×10-4Pa未
満となると、加圧効果が発揮されない場合があるためで
あり、一方、かかる圧力が196×10-4Paを超える
と、加圧装置が大規模となったり、特殊な加圧装置を必
要とする場合があるためである。したがって、接着剤組
成物を剥離する際に加える圧力を11.8〜147×1
-4Paの範囲内の値とすることがより好ましく、1
2.7〜98×10-4Paの範囲内の値とすることがさ
らに好ましい。
【0049】(3)振動条件 また、複合容器を分解する際に、振動を加えて接着剤組
成物を剥離することが好ましい。この理由は、振動を加
えることにより、接着剤組成物への水分の拡散や、侵入
が容易となり、結果として、接着力の低下を速やかに行
うことができるためである。ここで、振動の大きさは特
に制限されるものではないが、例えば、振動数を10〜
10,000回/秒とすることが好ましい。この理由
は、かかる振動数が10回/秒未満となると、振動効果
が発揮されない場合があるためであり、一方、かかる振
動数が10,000回/秒を超えると、発熱したり、振
動装置が大規模となる場合があるためである。したがっ
て、複合容器をを分解する際に加える振動数を50〜
5,000回/秒の範囲内の値とすることがより好まし
く、70〜3,000回/秒の範囲内の値とすることが
さらに好ましい。
【0050】(4)組合せ 上述した浸漬処理、加圧処理および振動処理を、適宜組
み合わせることが好ましい。例えば、以下のような組み
合わせ〜が好ましい。なお、下記組み合わせを表わ
す記号/は、二つの処理を実質的に同時に行うことを意
味し、記号−は、二つの処理を前後して行うことを意味
する。さらに、かかる組合せを一回のみならず、複数回
実施することも好ましい。 浸漬処理/加圧処理 浸漬処理/振動処理 浸漬処理−振動処理
【0051】
【実施例】以下、本発明を、ガラスと金属片からなる複
合容器を想定した実施例を参照しながら、さらに詳細に
説明する。ただし、言うまでも無いが、実施例は本発明
の一態様を示すものであり、本発明の範囲は実施例の記
載に制限されるものでは無い。
【0052】[実施例1] (1)接着剤組成物の製造 180℃に温度保持した溶融釜中に、ベース樹脂として
のSISブロック共重合体100重量部およびフェノー
ル系酸化防止剤を0.2重量部の割合で収容し、プラネ
タリーミキサーを用い、3時間攪拌して、均一に溶融さ
せた。次いで、C5系水素添加石油樹脂を30重量部、
架橋イソブチレン無水マレイン酸共重合体からなる架橋
吸水性高分子粒子(平均粒子径15μm、吸水倍率20
0倍)を35重量部、界面活性剤としてポリエチレング
リコールモノステアリルエーテル(HLB:15.7)
を7重量部、可塑剤として、流動パラフィン(引火点:
256℃、密度:0.865g/cm3)5重量部の割
合で溶融釜中に収容した。さらに、プラネタリーミキサ
ーを用いて1時間攪拌し、各構成成分が均一に溶融混合
したことを確認して実施例1の接着剤組成物とした。な
お、表1中、実施例1で使用したSISブロック共重合
体を、A1で表し、架橋吸水性高分子粒子をB1で表わ
し、粘着付与剤(C5系水素添加石油樹脂、軟化点:1
00℃、平均分子量:650)をC1で表わし、界面活
性剤をD1で表わす。
【0053】(2)接着剤組成物の評価 初期接着力 ホットメルト用アプリケーターを用いて、180℃、
9.8×10-3Pa(10kgf/cm2)の条件で、
アルミ板(厚さ1.5mm、長さ100mm、幅25m
m)上に、厚さ約1mmの接着剤組成物を塗工した。そ
の上から、別のアルミ板を積層し(重ね合わせ面積:1
5×25mm2)、そのままの状態で24時間、室温に
放置して、テストピース(測定数=5)とした。次い
で、JISK6850(接着剤の引張せん断接着強さ試
験方法)に準拠して、引張試験機を用い、引張スピード
20mm/分の条件で、初期接着力(引張りせん断接着
強さ)の測定を行った。
【0054】吸水後接着力1 室温の水に、テストピース(測定数=5)を浸漬し、そ
の状態で6時間放置後および12時間放置後の接着力
を、初期接着力と同様にそれぞれ測定した。
【0055】吸水後接着力2 60℃の水に、テストピース(測定数=5)を浸漬し、
その状態で3時間放置後および6時間放置後の接着力
を、初期接着力と同様にそれぞれ測定した。
【0056】[実施例2〜5]表1に示すように、実施
例2では、実施例1の界面活性剤の使用量を低下させた
影響を検討し、実施例3では、実施例1の粘着付与剤や
界面活性剤の使用量を少なくした影響を検討し、実施例
4では、実施例3の界面活性剤の種類を変更した影響を
検討し、実施例5では、実施例1の粘着付与剤や界面活
性剤を使用しないことによる影響を検討した。なお、表
1中、実施例4で使用した界面活性剤(デカグリセリン
トリステアリルエステル)をD2で表わす。
【0057】表1の結果から理解されるように、実施例
2では、実施例1の界面活性剤の使用量よりも低下して
いるため、初期接着力が増加する一方、吸水後の接着力
の低下傾向が少なくなった。また、実施例3では、実施
例1の粘着付与剤や界面活性剤の使用量よりも少なくし
ているため、初期接着力がさらに増加する一方、吸水後
の接着力の低下傾向がより少なくなった。また、実施例
4では、実施例3の界面活性剤の種類が変更されている
ためと思われるが、実施例3よりも初期接着力が若干低
下している一方、吸水後の接着力の低下傾向が大きくな
った。また、実施例5では、実施例1における粘着付与
剤や界面活性剤を使用していないためと思われるが、実
施例1よりも初期接着力が若干増加している一方、吸水
後の接着力の低下がかなり小さくなった。
【0058】[比較例1]表1に示すように、比較例1
では、実施例1における粘着付与剤や界面活性剤を使用
しないとともに、吸水性架橋高分子粒子等を添加せず
に、吸水後の接着力変化を検討した。表1の結果から理
解されるように、比較例1では、吸水性架橋高分子粒子
等を添加していないために、初期接着力と、吸水後の接
着力との間で、顕著な差は見られず、むしろ若干増加す
る傾向が見られた。
【0059】[比較例2]表1に示すように、比較例2
では、実施例1における吸水性架橋高分子粒子を添加し
ない一方、粘着付与剤の使用量を若干少なくして、吸水
後の接着力変化を検討した。表1の結果から理解される
ように、比較例2では、吸水性架橋高分子粒子等を添加
していないために、吸水後の接着力低下はわずかであっ
て、初期接着力と、吸水後の接着力との間で、顕著な差
は見られなかった。
【0060】表1
【0061】
【発明の効果】本発明の吸水後に接着力が低下する接着
剤組成物を用いて接合した複合容器によれば、接着剤の
ベース樹脂中に、吸水性架橋高分子粒子を所定量の範囲
で含むことにより、初期接着力は従来と変わらない程度
に強いものの、水や温水に浸漬するか、あるいはシャワ
ーすることにより、吸水性架橋高分子粒子が吸水して膨
潤し、複合容器の構成部品を容易に分離することができ
るようになった。また、本発明の複合容器の分解方法に
よれば、所定温度の水に浸漬したり、あるいは所定温度
の水をシャワーすることにより、吸水性架橋高分子粒子
が吸水して膨潤し、複合容器の構成部品を容易に分離す
ることができるようになった。
【0062】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合容器(化粧品容器)における断面
図である。
【符号の説明】
10 複合容器(化粧品容器) 12 容器本体 14 装飾部材 16 接着部 18 水浸透用の空孔 20 封水部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 129/04 C09J 129/04 133/00 133/00 201/00 201/00 (72)発明者 堀 薫夫 大阪府交野市森南3丁目39番地6号 化研 テック株式会社内 Fターム(参考) 3E061 AA24 AB03 AB04 BB16 DA03 DB01 3E062 CA01 JB08 4J040 BA102 CA001 DA001 DC021 DD001 DD002 DF001 DF002 DF092 DM001 EB001 EC001 ED001 EE012 EE061 EF001 EJ001 EK001 FA121 JB01 KA03 KA26 KA38 LA06 LA07 MA02 MA04 MA05 MA09 MA10 NA06

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸水後に接着力が低下する接着剤組成物
    を用いて接合した複合容器であって、当該接着剤組成物
    が、接着剤のベース樹脂100重量部に対して、吸水性
    架橋高分子粒子を1〜200重量部の範囲で含むことを
    特徴とする複合容器。
  2. 【請求項2】 前記接着剤組成物が、ホットメルト型接
    着剤であることを特徴とする請求項1に記載の複合容
    器。
  3. 【請求項3】 構成部品として、ガラス部材と金属部
    材、あるいはガラス部材と別のガラス部材からなること
    を特徴とする請求項1または2に記載の複合容器。
  4. 【請求項4】 前記ガラス部材および前記金属部材、あ
    るいはいずれか一方の部材に、水浸透用の空孔および
    溝、あるいはいずれか一方が設けてあることを特徴とす
    る請求項3に記載の複合容器。
  5. 【請求項5】 前記ガラス部材と金属部材、あるいは前
    記ガラス部材と別のガラス部材の接合部分に、防水処理
    が施してあるか、または防水部材が設けてあることを特
    徴とする請求項3または4に記載の複合容器。
  6. 【請求項6】 前記防水処理または防水部材が、除去可
    能であることを特徴とする請求項5に記載の複合容器。
  7. 【請求項7】 吸水後に接着力が低下する接着剤組成物
    を用いて接合した複合容器であって、当該接着剤組成物
    が、接着剤のベース樹脂100重量部に対して、吸水性
    架橋高分子粒子を1〜200重量部の範囲で含む複合容
    器の分解方法において、 前記複合容器を、10℃〜100℃の水に10分〜24
    時間浸漬するか、または10℃〜100℃の水を10分
    〜24時間シャワーすることを特徴とする複合容器の分
    解方法。
  8. 【請求項8】 前記複合容器を水に浸漬する際に、ある
    いは前記複合容器に対して水をシャワーする際に、加圧
    することを特徴とする請求項7に記載の複合容器の分解
    方法。
  9. 【請求項9】 前記複合容器を水に浸漬する際に、ある
    いは前記複合容器に対して水をシャワーする際に、振動
    を加えることを特徴とする請求項7または8に記載の複
    合容器の分解方法。
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