JPH10251614A - 硬化型粘接着剤組成物 - Google Patents

硬化型粘接着剤組成物

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JPH10251614A
JPH10251614A JP6086297A JP6086297A JPH10251614A JP H10251614 A JPH10251614 A JP H10251614A JP 6086297 A JP6086297 A JP 6086297A JP 6086297 A JP6086297 A JP 6086297A JP H10251614 A JPH10251614 A JP H10251614A
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JP
Japan
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adhesive
pressure
sensitive adhesive
epoxy resin
weight
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Application number
JP6086297A
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English (en)
Inventor
Makoto Miura
誠 三浦
Kazuhiro Shimomura
和弘 下村
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期粘着性に優れ、光の照射により硬化させ
ることができ、照射後、初期粘着力が失われるまでの時
間が十分な長さを有し、さらに接着強度及び接着硬化物
の切断加工性において優れている硬化型粘接着剤組成物
を得る。 【解決手段】 アクリル系ポリマーなどの粘着性ポリマ
ー、23℃で固形のエポキシ樹脂、架橋ゴム粒子及び光
カチオン重合開始剤を含み、粘着性ポリマー及びエポキ
シ樹脂の合計100重量部に対し、該粘着性ポリマーが
10〜90重量部の割合で含まれており、粘着性ポリマ
ー及びエポキシ樹脂の合計100重量部に対し上記架橋
ゴム粒子が0.1〜50重量部の割合で配合されている
硬化型粘接着剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常態では粘着性す
なわち感圧接着性を示し、光を照射することにより硬化
され得る硬化型粘接着剤組成物に関し、より詳細には、
粘着性を発揮させるための粘着性ポリマーと、硬化成分
としてのエポキシ樹脂とを含み、様々な被着体や接着部
分に適用することができ、かつ光照射後の可使時間が長
い硬化型粘接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、様々な接着剤が開発され、幅広い
分野で用いられている。もっとも、接着剤は、一般的に
は液状であり、被着体に対し刷毛やローラー等を用いて
塗布し、接合作業を行う。塗布された接着剤は、溶剤の
気化や高分子量化反応によって固体化し、被着体同士を
強固に接着する。接着剤を用いた接合では、接着強度が
高いものの、上記のように被着体に塗布する作業が煩雑
であった。また、硬化反応に比較的長い時間を要するの
で、接着剤が硬化するまで、何らかの方法で被着体を固
定しておかねばならないことが多かった。
【0003】これに対して、感圧接着剤、すなわち粘着
剤では、水、溶剤または熱などの賦活作用を必要とせず
に、軽い指圧程度の弱い圧力で被着体同士を接合するこ
とができる。そこで、ゴムやアクリル系ポリマーのよう
な高分子材料に粘着性を制御する材料を複合させてなる
粘着剤が広く用いられている。
【0004】しかしながら、粘着剤では、接合に際して
の作業性が良好であるが、接着剤を用いた場合のような
高い接合強度を得ることができないという欠点があっ
た。そこで、上記接着剤及び粘着剤の欠点を補うものと
して、粘接着剤が提案されている。粘接着剤とは、接合
時には従来の粘着剤のように粘着性を利用して簡便に被
着体同士を接合することができ、かつ最終的には接着剤
のように硬化し、高い接着強度を与えるものである。
【0005】例えば、特公平2−5791号公報には、
嫌気性硬化物質をゴム状ポリマーに特定の割合で配合し
てなる粘接着剤が提案されている。この粘接着剤では、
空気中では嫌気性硬化物質が硬化しないので、感圧接着
性を維持する。従って、空気中においては、被着材に対
して粘着剤と同様に適用することができる。次に、被着
体や接合部分を非通気性とすることにより、嫌気性硬化
物質を硬化させ、弾性率の向上及び接着力の増大を図る
ことができる。
【0006】また、特開昭63−193980号公報に
は、アクリル系モノマー、光ラジカル重合開始剤及び熱
硬化性エポキシ樹脂を配合してなる組成物に光を照射し
てアクリル系モノマーを重合することによりアクリル系
ポリマーを生成させてなるアクリル系粘接着剤が開示さ
れている。ここでは、使用に際してはアクリル系ポリマ
ーにより感圧接着性が発揮されるので、被着体に対して
粘着剤と同様にして適用することができる。接合後に加
熱することにより熱硬化性エポキシ樹脂が加熱硬化し、
接着強度が高められる。
【0007】特公表5−506465号公報には、(メ
タ)アクリル酸モノマー、エポキシモノマー、光カチオ
ン重合開始剤及び光ラジカル重合開始剤を含有してなる
粘接着剤が開示されている。ここでは、粘接着剤に光を
照射することにより、粘着性のアクリル系ポリマーの形
成と、エポキシモノマーの重合による硬化が進行する。
使用に際しては、形成されたアクリル系ポリマーにより
粘着性を示すため、被着体に対し粘着剤と同様にして容
易に適用することができ、かつエポキシモノマーの光カ
チオン重合により硬化が進行しているので、十分な接着
力が得られるとされている。
【0008】さらに、特開平7−138550号公報に
は、液状エポキシ、架橋ゴム粒子及び潜在性硬化剤を配
合してなる粘接着剤が開示されている。この粘接着剤で
は、貼付時には、架橋ゴム粒子により粘着性を有するた
め、従来の粘着剤と同様に簡便に被着体に適用すること
ができ、かつ貼り合わせ後に熱、光または湿気硬化など
の賦活方法により硬化させることにより接着強度を高め
ることができる。潜在性硬化剤の種類により、様々な硬
化方法を採用することができるとされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の粘接着剤は、被
着体に接合する際には粘着剤と同様にして簡便に適用す
ることができ、粘着成分以外に硬化成分を有するため接
着剤と同様に強固な接着硬化物を与え得るものである
が、被着強度を高めるために種々の硬化方法を採用して
いるため、被着体に様々な制約があった。
【0010】例えば、特公平2−5791号公報に開示
されている粘接着剤では、接着成分の硬化方法として、
嫌気性硬化を利用しているので、通気性の布や発泡体の
ような被着体に用いた場合には、粘接着剤が十分に硬化
しないという欠点があった。
【0011】また、特開昭63−193980号公報に
開示されている粘接着剤では、硬化がエポキシ樹脂の熱
硬化により行われるため、耐熱性が低い材料、例えば塩
化ビニル樹脂、ポリエチレンもしくはポリスチレンとい
ったプラスチックやICのような電子材料の接合には用
いることができなかった。また、加熱により硬化が開始
するため、粘接着剤を低温で貯蔵する必要があり、保管
や運搬時等の取り扱いが煩雑であるという問題もあっ
た。
【0012】特公表5−506465号公報に開示され
ている粘接着剤は、光の硬化により硬化させるものであ
るため、接合に際して用いられる被着体が光透過性を有
するものでなければならなかった。加えて、アクリル系
モノマーを配合成分として含むものであるため、製造時
の揮発分により、環境汚染や人体への悪影響が生じるお
それがあった。
【0013】さらに、特開平7−138550号公報に
開示されている粘接着剤は、熱、光、湿気などの様々な
硬化方法により硬化されるが、熱や光を用いた硬化方法
では、上述したように、被着体が制限されるという問題
があった。また、湿気により硬化させる方法では、硬化
に長時間を必要とし、さらに、ICのような電子材料の
ように湿度により誤動作を起こす部品の固定、透湿性が
十分でない材料及び酸化し易い材料などの接合に用いる
ことができなかった。加えて、初期感圧性を得るため
に、液状エポキシ材料を用いているが、この液状エポキ
シ材料のブリードによる被着体の汚染が生じ、取り扱い
が困難であり、接合部分を切断加工するに際し、切断刃
に粘接着剤が付着して切断刃の切断能力が低下したり、
切断面から粘接着剤が染みだして再付着し、他の材料に
付着したりするという問題があった。すなわち、切断加
工性が低いという問題があった。
【0014】本発明の目的は、常態では粘着性に優れて
おり、硬化後には高い接着強度を与え得る硬化型粘接着
剤において、広範な被着体に用いることができ、被着体
に適用した後の切断・打抜き等の加工を容易に行うこと
ができ、光照射後に被着体に適用することができ、かつ
光照射後、初期粘着力が失われるまでの貼付可能時間が
十分に長く、シャドーゾーンにおける接着にも用いるこ
とができる硬化型粘接着剤組成物を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するために成されたものであり、粘着性ポリマー、2
3℃で固形のエポキシ樹脂、架橋ゴム粒子及び光カチオ
ン重合開始剤を含み、粘着性ポリマー及び固形のエポキ
シ樹脂の合計100重量部において粘着性ポリマーが1
0〜90重量部の割合で配合されており、粘着性ポリマ
ー及び固形のエポキシ樹脂の合計100重量部に対し、
架橋ゴム粒子が0.1〜50重量部の割合で配合されて
いることを特徴とする硬化型粘接着剤組成物である。以
下、本発明の詳細を説明する。
【0016】(粘着性ポリマー)本発明において、上記
粘着性ポリマーは、本発明にかかる硬化型粘接着剤組成
物に感圧接着性を与えるために用いられている。この場
合、感圧接着性を与えるために、本発明にかかる硬化型
粘着剤組成物は、120℃の雰囲気下でボールタック
が、好ましくは、1以上あるように構成され、より好ま
しくは室温で3以上となるように構成される。
【0017】感圧接着性を得るには、被着体に対する濡
れ性と凝集力とのバランスが適切であることが必要であ
る。そこで、凝集力を得るために、上記粘着性ポリマー
としては、従来の感圧性接着剤の主成分として幅広く用
いられているゴム系樹脂やアクリル系ポリマーが用いら
れる。
【0018】もっとも、粘着性ポリマーとしては、ポリ
ジメチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサンなどの
シリコーンゴムとトリメチルシリル基もしくはトリフェ
ニルシリル基を有するポリシロキサンなどのシリコーン
レジンとの混合物のようなシリコーン類、ポリエステル
類、ポタウレタン類、ポリエーテル類、ポリカーボネー
ト類、ポリビニルエーテル類、ポリ塩化ビニル類、ポリ
酢酸ビニル類、ポリイソブチレン類などのポリマーやア
クリルゴム、アクリロニトリル/ブタジエンゴム(NB
R)、ランダム型スチレン/ブタジエンゴム、ブチルゴ
ム、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム、エチレ
ン/プロピレンゴム(EPM)、エチレン/プロピレン
/ジエンゴム(EPDM)、ウレタンゴム、スチレン/
イソプレン/スチレンブロックゴム(SIS)、スチレ
ン/エチレン/ブタジエン/スチレンブロックゴム(S
EBS)、スチレン/ブタジエンブロックゴムなどの合
成ゴム系ポリマーを用いてもよい。また、粘着性ポリマ
ーは、単独重合体であってもよく、共重合体であっても
よい。
【0019】特に、本発明においては、ガラス転移点が
低いアルキルアクリレートを主成分とするアクリル系ポ
リマーが、該ポリマー単体で適度な感圧接着性を発揮し
得るため好適に用いられる。
【0020】好ましいアクリル系ポリマーとしては、例
えば、アルキル基の炭素数が1〜14であるアルキル
(メタ)アクリレートモノマーの単独重合体または共重
合体を挙げることができ、より好ましくは、上記アルキ
ル(メタ)アクリレートモノマーと、該アルキル(メ
タ)アクリレートモノマーと共重合可能な不飽和結合を
有するビニルモノマーとの共重合体を挙げることができ
る。
【0021】上記アルキル(メタ)アクリレートモノマ
ーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチ
ル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレ
ート、イソミリスチル(メタ)アクリレートなどを例示
することができる。
【0022】上記ビニルモノマーとしては、上記アルキ
ル(メタ)アクリレートモノマーと共重合可能な不飽和
結合を有する化合物であれば特に限定されず、上記アル
キル(メタ)アクリレートモノマー以外のメタアクリル
酸エステル、酢酸ビニル、スチレン、塩化ビニル、エチ
レン、プロピレン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、ε−カプロラクトン(メタ)アクリレート、2−ア
クリロイルオキシエチル(プロピル)琥珀酸、(メタ)
アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、イソボルタ
ニル(メタ)アクリレート、N−アクリロイルモルフォ
リン、ベンジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メ
タ)アクリレート、N−ビニルカプロラクトン、N−ビ
ニルピペリジン、(メタ)アクリル酸、無水マレイン
酸、クロトン酸、イタコン酸などを挙げることができ
る。
【0023】(23℃で固形のエポキシ樹脂)本発明で
は、硬化型粘接着剤組成物に光を照射して硬化させるた
めに、23℃で固形のエポキシ樹脂が配合されている。
この23℃で固形のエポキシ樹脂は、エポキシ基の開環
重合において反応性が高く、かつ硬化時間が短いため、
接着工程の短縮を図ることができるものである。さら
に、液状エポキシ樹脂と比較して凝集力も高いため、切
断性などの加工性に優れているので、耐熱性及び接着強
度に優れた接着硬化物を得ることができ、例えばプリン
ト回路基板やフレキシブルプリント基板の製造工程にお
ける半田付け等の高熱に晒される工程において、剥離や
ズレなどの接着異常を効果的に防止することができる。
【0024】上記エポキシ樹脂としては、ビスフェノー
ルA型、ビスフェノールF型、フェノールノボラック
型、クレゾールノボラック型、グリシジルエーテル型、
グリシジルアミン型等のエポキシ樹脂を挙げることがで
きる。
【0025】また、上記エポキシ樹脂のうち、軟化点が
40℃以上の固形エポキシ樹脂を用いることが、切断性
などの加工性を高める上で好ましい。なお、軟化点は、
環球法(ASTM E28−51T)で測定することが
できる。
【0026】軟化点が40℃以上の好ましい固形エポキ
シ樹脂としては、例えば、油化シェルエポキシ社製、商
品名:エピコート1001(軟化点64℃)、エピコー
ト1002(軟化点78℃)などのビスフェノールA型
エポキシオリゴマー;旭電化社製、商品名:アデカオプ
トマーKRM2610(軟化点65℃)のようなフェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂;油化シェルエポキシ社
製、商品名:エピコート180S(軟化点64℃)及び
旭電化社製、商品名:アデカオプトマーKRM2650
(軟化点64℃)などのクレゾールノボラック型エポキ
シ樹脂を挙げることができる。
【0027】さらに、オリゴマーの付加重合体を用いて
もよく、例えば、グリシジル化ポリエステル、グリシジ
ル化ポリウレタン、グリシジル化ポリアクリレートなど
を挙げることができる。
【0028】上記エポキシ樹脂においては、さらに、こ
れらに他の樹脂成分などを配合したり、付加したりして
可撓性を高めたり、接着力や屈曲力の向上は図ってもよ
く、このような変性体としては、CTBN(末端カルボ
キシル基含有ブタジエン−アクリロニトリルゴム)変性
エポキシ樹脂;アクリルゴム、NBR、SBR、ブチル
ゴム、もしくはイソプレンゴムなどの各種ゴムを樹脂分
散させたエポキシ樹脂;上記のような液状ゴムで変性さ
れたエポキシ樹脂;アクリル、ウレタン、尿素、ポリエ
ステル、スチレンなどの各種樹脂を添加してなるエポキ
シ樹脂;キレート変性エポキシ樹脂;ポリオール変性エ
ポキシ樹脂などを用いることができる。
【0029】上記エポキシ樹脂は、必要に応じて、異種
の樹脂で変性されていてもよく、官能基が変性されてい
てもよく、ラジカル重合性不飽和結合を導入したものな
どの反応性官能基を有するものであってもよい。
【0030】また、エポキシ樹脂では、全ての分子にエ
ポキシ基を含む光重合性官能基が存在する必要はない
が、官能基当量として硬化型粘接着剤組成物中150〜
5000g−regin/mol程度存在することが好
ましい。官能基がこれより少ないと、反応性が高まり、
照射後に被着体に貼付するまでの作業時間が制約される
ことがあり、多すぎると、反応速度が遅くなり、硬化ま
でに長時間を要することがある。もっとも、上記官能基
の量は、目的とする反応速度及び硬化物性によって定め
られるため、一義的には決定され得ない。
【0031】(粘着性ポリマー及びエポキシ樹脂の配合
割合)本発明では、上記粘着性ポリマー及び23℃で固
形のエポキシ樹脂の合計100重量部において、該粘着
性ポリマーが10〜90重量部の割合で配合されている
ことが必要である。10重量部未満では、初期粘着性が
低くなり、90重量部を超えると、硬化後の接着剤の弾
性率が低くなり、接着強度が低くなる。
【0032】(架橋ゴム粒子)本発明に係る硬化型粘接
着剤組成物では、接着硬化物の可撓性を高め、かつ接着
性や屈曲性を高めるために架橋ゴム粒子が配合されてい
る。
【0033】架橋ゴム粒子が組成物中に均一に分散され
ているので、被着体の変形等の応力が加わった場合に
は、接着剤中においてその応力を架橋ゴム粒子により緩
和することができ、接着力が効果的に高められる。架橋
ゴム粒子は、ゴム自体の有するゴム弾性により変形に追
従し易く、かつ分子内に架橋を有するため他の組成物に
相溶し難く、安定な海島構造を保持するので、接着硬化
物の物性の安定性も高められる。
【0034】本発明においては、上記架橋ゴム粒子は、
上記粘着性ポリマー及び23℃で固形のエポキシ樹脂の
合計100重量部に対し、0.1〜50重量部の割合で
配合される。0.1重量部未満では、接着性を高める効
果が十分に得られず、あるいは接着硬化物の屈曲性が低
くなる。50重量部を超えると、架橋ゴム粒子の配合割
合が相対的に高くなりすぎ、十分な初期粘着力を得るこ
とができなくなる。
【0035】架橋ゴム粒子は、架橋されたゴムポリマー
からなり、平均粒径は1μm以下であることが好まし
い。平均粒径が1μmを超えると、自重による沈降や合
着により均一に分散することができないことがあった
り、塗布面が荒れ、密着性が低下することがある。
【0036】架橋ゴム粒子として使用できるゴムポリマ
ーには、アクリルゴム、アクリロニトリル/ブタジエン
ゴム(NBR)、ランダム型スチレン/ブタジエンゴム
(SBR)、ブチルゴム(IIR)、イソプレンゴム
(IR)、ブタジエンゴム(BR)、エチレン/プロピ
レンゴム(EPM)、エチレン/プロピレン/ジエンゴ
ム(EPDM)、ウレタンゴム、スチレン/イソプレン
/スチレンブロックゴム(SIS)、スチレン/エチレ
ン/ブタジエン/スチレンブロックゴム(SEBS)、
スチレン/ブタジエンブロックゴムなどの合成ゴム系ポ
リマーが挙げられ、これらは単独で用いられてもよく、
あるいは2種以上組み合わせて用いられてもよい。
【0037】また、上記架橋ゴム粒子とその他の成分と
が形成する海島構造を安定化させるために、分子末端あ
るいは分子側鎖に反応性官能基を付加してなる変性ゴム
も好適に用いることができる。例えば、カルボキシル基
を有する架橋NBR(日本合成ゴム社製、商品名:XE
R91など)、グリシジル基を有する架橋NBR(日本
合成ゴム社製、商品名:XER−71など)、カルボキ
シル基を有するアクリルゴム(日本合成ゴム社製、商品
名:DHS−2など)などを例示することができる。ゴ
ム中のこれらの反応性官能基と粘接着剤組成物中の上記
反応性官能基と反応性を有する官能基との架橋反応によ
り、架橋ゴム粒子が粘接着剤組成物中において固定され
るので、海島構造が安定化し、粘接着剤の硬化強度が均
一化される。
【0038】上記架橋ゴム粒子は形状安定性に優れてお
り、かつ系全体の凝集性を高めるように作用するもので
あるため、溶剤不溶のゲル状態であることが好ましい。
ゴムの架橋方法については、特に制限されるものではな
く、例えばアクリルゴムなどのOH基やカルボキシル基
といった反応基を共重合し、イソシアネートやエポキシ
等の架橋剤で架橋させる方法を挙げることができる。本
発明では、接着性をさらに高めるために、架橋ゴム粒子
以外の液状ゴムや未架橋ゴム粉末などの他のゴム成分を
添加してもよい。
【0039】(光カチオン重合開始剤)本発明におい
て、上記光カチオン重合開始剤は、光を照射されること
により活性化され、光カチオン重合開始物質を発生する
ものであり、光の貼付により重合を開始し得るので、比
較的低エネルギーで重合を開始することができる。
【0040】上記光としては、マイクロ波、赤外線、可
視光、紫外線、X線、γ線などを用いることができる
が、一般的に取扱いが容易かつ簡便であり、比較的高エ
ネルギーを得ることができる紫外線が好適に用いられ
る。より好ましくは、波長200〜400nmの紫外線
が用いられる。
【0041】上記紫外線は、高圧水銀灯、超高圧水銀
灯、ケミカルランプなどの適宜の光源を用いて照射する
ことができる。光カチオン重合開始剤は、イオン性光酸
発生タイプ及び非イオン性光酸発生タイプの何れでもよ
い。
【0042】上記イオン性光酸発光タイプとしては、芳
香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、芳香族スル
ホニウム塩のオニウム塩や、鉄−アレン錯体、チタノセ
ン錯体、アリールシラノール−アルミニウム錯体などの
有機金属錯体類などを挙げることができる。より具体的
には、例えば、オプトマーSP−150(旭電化工業社
製)、オプトマーSP−170(旭電化工業社製)、U
VE−1014(ゼネラルエレクトロニクス社製)、C
D−1012(サートマー社製)などの市販の化合物を
用いることができる。
【0043】また、非イオン性光酸発生タイプとして
は、ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、リン
酸エステル、スルホン酸誘導体、リン酸エステル、フェ
ノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン、N−
ヒドロキシイミドスルホナートなどを用いることができ
る。
【0044】上記光カチオン重合開始剤については、単
独で用いられてもよく、2種以上併用されてもよく、有
効活性波長の異なる複数の光カチオン重合開始剤を用い
て複数段階で硬化させてもよい。
【0045】さらに、他の光重合開始剤、例えば光ラジ
カル重合開始剤または光アニオン重合開始剤を併用して
もよい。この場合、必ずしも、光ラジカル重合開始剤や
光アニオン重合開始剤を活性化する光の波長は、光カチ
オン重合開始剤を活性化する波長と同等である必要はな
い。
【0046】上記光カチオン重合開始剤は、本発明にか
かる硬化型粘接着剤組成物において、上記光重合性化合
物の官能基1molに対し、0.001〜10molの
範囲で配合することが好ましい。0.001molより
も少ない場合には、十分に光カチオン重合が進行せず、
硬化速度が遅くなることがあり、10molよりも多い
と、光照射による硬化が速く進みすぎ、被着体に貼付す
るまでの作業時間が制約されることがある。
【0047】また、本発明にかかる硬化型粘接着剤組成
物では、上記粘着性ポリマー、23℃で固形のエポキシ
樹脂及び光カチオン重合開始剤のほかに、本発明の目的
を阻害しない範囲で、公知の粘着付与樹脂や増量剤など
を適宜配合してもよい。
【0048】例えば、本発明の硬化型粘接着剤の粘着性
を向上させる目的で、ロジン系樹脂、変性ロジン系樹
脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族変
性テルペン樹脂、C5系またはC9系の石油樹脂、クロ
マン樹脂等の粘着付与樹脂を添加してもよい。特に、被
着体がポリオレフィン類の場合には、強い接着力を発現
させることができるという点で、ロジン系樹脂及び石油
樹脂が好ましい。
【0049】架橋 本発明にかかる硬化型粘接着剤は、被着体と硬化型粘接
着剤の濡れ性及び凝集力のバランスをとるために、光照
射前の状態で適度に架橋されていてもよい(これを初期
架橋というものとする。)。
【0050】初期架橋の方法は特に限定されるものでは
ないが、硬化型粘接着剤組成物中の官能基と、多官能オ
リゴマー(例えば、ポリイソシアネート、ポリエポキ
シ、ポリオール、多官能アクリルオリゴマーなど)によ
る分子架橋や、金属酸化物もしくは金属キレートによる
イオン性架橋などが一般的である。
【0051】初期架橋は、硬化型粘接着剤組成物の不溶
解分(ゲル分)で70%以下であることが好ましい。初
期架橋度がこれより高いと、被着体に対する濡れ性が低
下し、十分な初期粘着力を得られないことがある。
【0052】形態 本発明にかかる硬化型粘接着剤組成物は、使用場所に応
じて適宜の形態で用い得るが、好ましくは、シート状に
加工され、両面粘着テープと同様にして用いることがで
きる。この場合、シートの厚みは1〜500μmが好ま
しく、より好ましくは10〜200μmである。シート
厚みが1μmより薄いと、光照射後に硬化が急速に進
み、作業時間が制約されることになり、500μmを超
えると、硬化に長時間を要することになる。
【0053】硬化反応及び感圧接着性 本発明にかかる硬化型粘接着剤組成物では、光照射後系
内で光カチオン重合反応が進行するため、徐々に硬化す
る。光カチオン重合反応は、活性種が酸素などの反応阻
害を受け難く、長期に渡り存在するため、光照射後の硬
化型粘接着剤組成物は暗反応にて硬化させることができ
る。従って、光を照射し続けずとも硬化反応が進行する
ため、光を照射した後被着体に貼付するにあたり、貼付
場所がシャドーゾーンであっても、確実に接着強度に優
れた接着硬化物を得ることができる。
【0054】なお、光を照射しても、硬化型粘接着剤組
成物の感圧接着性は直ちに喪失しないので、被着体貼付
時には、十分な感圧接着性を保持し得る。上記光カチオ
ン重合反応の阻害因子としては、水や塩基性物質が挙げ
られる。もっとも、阻害の程度は、阻害物質の種類や接
着剤の組成によって異なるため、被着体中あるいは接着
面上及び接着剤組成物中のこれらの阻害物質が重合硬化
反応を著しく阻害しないように、接着剤組成及び被着体
を設計・選択することが望ましい。
【0055】硬化した硬化型粘接着剤組成物では、光カ
チオン重合性官能基の3次元架橋により凝集力が高めら
れる。従って、硬度及び耐熱性に優れた接着硬化物を与
える。よって、最終的には、上記感圧接着性を喪失する
ように硬度及び耐熱性が高められることが望ましい。
【0056】製造方法 本発明にかかる硬化型粘接着剤組成物は、上述した各成
分を混練することにより得られる適宜の形態に加工する
ことができるが、その場合の具体的な方法については特
に限定されるものではない。例えば、シート状に加工す
る場合には、ロールコート法、グラビアコート法、押出
法などの各種成形方法を用いることができる。組成物が
固形であったり、あるいは液状であっても粘性が高く、
塗布できない場合などにおいては、適当な溶剤によって
組成物を希釈したり、加熱より溶融させたりすることに
より、粘性を低下させてもよい。
【0057】希釈する場合、溶剤としては、沸点が40
〜200℃程度の有機溶剤を用いることが好ましい。こ
のような有機溶剤の例としては、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、蟻酸エチル(融点
54.1℃)、蟻酸ブチル(融点106.8℃)、酢酸
メチル(融点57.8℃)、酢酸エチル(融点77.1
℃)、酢酸ブチル(融点126.1℃)、トルエン(融
点110.6℃)、p−キシレン(融点138.4
℃)、n−ヘキサン(融点68.7℃)、シクロヘキサ
ン(融点80.7℃)、クロロホルム(融点61.1
℃)、四塩化炭素(融点76.7℃)などの一般的な溶
剤を用いることができる。これらの一般的な溶剤は、講
談社発行「溶剤ハンドブック」に詳述されている。な
お、これらの有機溶剤の使用にあたっては、組成物と相
溶性の高いものを選択することが望ましい。
【0058】また、シート状に加工した場合には、表面
が剥離性を有するように構成された剥離性支持体によっ
て保護されていることが好ましい。より好ましくは、両
面が剥離性を有するように構成された表面剥離性支持体
に硬化型粘接着剤組成物を塗布し、ロール状に巻回して
おくことが望ましい。
【0059】なお、本発明にかかる硬化型粘接着剤組成
物を用いて硬化型粘接着シートもしくはテープを構成す
る場合、基材は必ずしも設けられずともよい。すなわ
ち、基材に支持された硬化型粘接着シートもしくはテー
プとしてもよく、基材を有しない両面接着型の硬化型粘
接着シートもしくはテープとしてもよい。基材が必要な
場合には、基材に硬化型粘接着剤組成物を塗布すること
により、あるいは剥離性支持体に塗布された硬化型粘接
着剤を転写することによって粘接着シートもしくはテー
プを形成し得る。
【0060】なお、加熱時の熱膨張係数あるいは収縮の
観点から、上記基材としては、実使用条件下における耐
久性に優れているものが好ましく、一般的には、ポリエ
ステル、ポリイミド、ポリプロピレン、紙、不織布、金
属箔などの耐熱性基材を好適に用いることができる。も
っとも、基材を構成する材料は、特に限定されるもので
はない。
【0061】また、硬化型粘接着剤組成物を上記基材の
片面に塗布するだけでなく、両面に塗布し、基材の両面
に硬化型粘接着剤層が形成された硬化型粘接着シートも
しくはテープとしてもよい。
【0062】作用 本発明に係る硬化型粘接着剤組成物では、上記粘着性ポ
リマーにより常態では十分な初期粘着力を有する。従っ
て、硬化型粘接着剤組成物を、例えばシート状に成形し
た場合、従来の粘着シートと同様に被着体に対して容易
に貼付することができる。加えて、光を照射して、光カ
チオン重合反応によりエポキシ樹脂の硬化反応を進行さ
せたとしても、初期粘着力はすぐには失われないため、
光を照射して硬化反応を進行させた状態で被着体に容易
に粘着させることができる。
【0063】加えて、上記硬化反応を進行させたとして
も、初期粘着力がすぐには失われないため、すなわち初
期粘着力が失われるまでの可使時間が比較的長いため、
貼付が困難な場所でも容易に貼付することができる。
【0064】さらに、硬化反応は、光照射を持続せずと
も進行するので、光ラジカル重合では硬化が不可能であ
った、シャドーゾーンに接着物が配置された場合であっ
ても、硬化が確実に進行し、強固な接着硬化物を与え
る。
【0065】加えて、上記架橋ゴム粒子が上記特定の割
合で配合されているので、接着剤中に応力が加わった場
合でも、架橋ゴム粒子により応力が緩和される。従っ
て、架橋ゴム粒子の上記応力緩和作用により、接着力が
高められると共に、架橋ゴム粒子のゴム弾性により変形
に対する接着部分の追従性も高められる。さらに、架橋
ゴム粒子が、硬化型粘接着剤組成物の他の成分と相溶し
難いので安定な海島構造を保持する。よって、接着硬化
物の硬化後の物性も安定化される。
【0066】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を説明する
ことにより、本発明を明らかにする。
【0067】(実施例1) A:ポリアクリル酸エチルの50重量%酢酸エチル溶液
・・・100重量部(ポリアクリル酸エチルに換算する
と50重量部) B:ビスフェノールA型固形エポキシ樹脂(油化シェル
社製、商品名:エピコート♯1001、軟化点64℃
(環球法法))・・・50重量部 C:グリシジル基含有架橋ゴム粒子(日本合成ゴム社
製、商品名:XER−71、平均粒径70nm)・・・
10重量部 D:光カチオン重合開始剤(アデカオプトマーSP17
0)・・・3重量部 上記成分Bと酢酸エチル10重量部とを万能ミキサーに
て23℃の雰囲気下で混合し、エポキシ樹脂の酢酸エチ
ル溶液を作製した。このエポキシ樹脂の酢酸エチル溶液
に、成分A、C及びDを万能ミキサーにて50℃の雰囲
気下で混合し、硬化型粘接着剤溶液を得た。
【0068】上記のようにして得た硬化型粘接着剤溶液
をアプリケーターを用いて、表面がコロナ処理された厚
さ50μmのポリイミド(以下、PI)シート上に、厚
みが50μmとなるように塗布し、硬化型粘接着剤層を
形成し、該硬化型粘接着剤層上に表面がシリコーンによ
り離型処理されたポリエチレンテレフタレートシート
(以下、離型PETシート)をラミネートし、硬化型粘
接着シートサンプルを得た。
【0069】(実施例2)実施例1において、成分Aの
配合割合を140重量部(ポリアクリル酸エチルに換算
して70重量部)とし、かつ成分Bの配合割合を30重
量部としたことを除いては、実施例1と同様にして硬化
型粘接着剤溶液を得、かつ硬化型粘接着シートサンプル
を得た。
【0070】(実施例3)実施例1において、成分Aの
配合割合を60重量部(ポリアクリル酸エチルに換算し
て30重量部)、成分Bの配合割合を30重量部に変更
したこと以外は、実施例1と同様にして硬化型粘接着剤
溶液を作製し、かつ硬化型粘接着シートサンプルを得
た。
【0071】(実施例4) A:ポリアクリル酸ブチルポリマーの50重量%酢酸エ
チル溶液…140重量部(ポリアクリル酸ブチルポリマ
ーに換算すると70重量部) B:フェノールノボラック型エポキシ樹脂(旭電化社
製、商品名:アデカオプトマーKRM2610、軟化点
64℃(環球法))・・・30重量部 C:カルボキシル基含有架橋アクリルゴム粒子(日本合
成ゴム社製、商品名:DHS−2、平均粒径70nm)
・・・10重量部 D:光カチオン重合開始剤(旭電化社製、商品名:アデ
カオプトマーSP150)・・・5重量部 成分A〜Dとして上記各成分を用いたことを除いては、
実施例1と同様にして硬化型粘接着シートサンプルを得
た。
【0072】(比較例1)実施例1において、成分Cを
用いなかったことを除いては、実施例1と同様にして硬
化型粘接着剤溶液を作製し、かつ硬化型粘接着シートサ
ンプルを得た。
【0073】(比較例2) A:ポリ酢酸ビニルの50重量%酢酸エチル溶液・・・
100重量部(ポリ酢酸ビニルポリマーに換算すると5
0重量部) B:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社
製、商品名:エピコート♯828)・・・50重量部 C:グリシジル基含有架橋ゴム粒子(日本合成ゴム社
製、商品名:XER−71、平均粒径70nm)・・・
10重量部 D:光カチオン重合開始剤(旭電化社製、商品名:アデ
カオプトマーSP150)・・・5重量部 成分A〜Dとして上記各成分を用いたことを除いては、
実施例1と同様にして硬化型粘接着シートサンプルを得
た。
【0074】(比較例3) A:ポリアクリル酸エチルの50重量%酢酸エチル溶液
・・・100重量部(ポリアクリル酸エチルポリマーに
換算すると50重量部) B:液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル
社製、商品名:エピコート♯828)・・・50重量部 C:グリシジル基含有架橋ゴム粒子(日本合成ゴム社
製、商品名:XER−71、平均粒径70nm)・・・
10重量部 D:光カチオン重合開始剤(旭電化社製、商品名:アデ
カオプトマーSP170)・・・3重量部 成分A〜Dとして上記各成分を用いたことを除いては、
実施例1と同様にして硬化型粘接着シートサンプルを得
た。
【0075】(評価)上記のようにして得た実施例1〜
4及び比較例1〜3の各粘接着シートについて、初期
粘着力、硬化後接着力、耐熱性、及び切断性を以
下の要領で評価した。
【0076】初期粘着力…JIS Z−0237に準
じて、23℃×相対湿度65%でSP粘着力を測定し
た。すなわち、長さ120mm×幅50mm×厚さ2m
mの表面が研磨されたステンレス板(SUS304)に
10mm幅に剪断した粘接着シートサンプルの離型PE
Tシートを剥離して貼付し、背面のPIシート側から2
kgのローラーを300mm/分の速度で往復させ圧着
した。しかる後、30分後に速度300mm/分で18
0°方向に粘接着シートを定速剥離し、剥離抵抗を測定
し、この剥離抵抗を初期粘着力とした。
【0077】硬化後接着力…離型PETシート側か
ら、中心波長365nmの紫外線を光強度が1.5J/
cm2 となるように高圧水銀灯を用いて照射し、照射1
0分後にSP接着力を初期粘着力と同様にして測定し
た。
【0078】耐熱性…,で作製した硬化後のサン
プルを250℃に加熱し、表面状態が変化するまで、す
なわち剥離や発泡が生じるまでの時間を測定した。 切断性…23℃及び相対湿度65%の雰囲気下におい
て、幅200mmの粘接着シートを富士商工社製、商品
名:富士エースカッターSCM−300を用い、5mm
間隔で幅方向に連続的に切断し、切断片を20片作製し
た。この切断片の切断面からの粘接着剤の染みだしやは
み出し等の切断不良の存在を目視により観察し、切断不
良がなく良好な切断性を有するものの割合を評価した。
【0079】結果を下記の表1に示す。
【0080】
【表1】
【0081】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、粘着性
ポリマーにより十分な初期粘着力が発揮されており、か
つ光が照射されたとしても23℃で固形のエポキシ樹脂
の光カチオン重合による硬化が十分進行するまで上記初
期粘着力が喪失しない。すなわち、可使時間が十分な長
さを有するので、作業が行い難い接着部分の被着体に対
しても、従来の粘着剤と同様に容易に粘着させることが
できる。
【0082】また、硬化反応開始後には、硬化反応の進
行と架橋ゴム粒子の可撓性付与作用により、接着強度が
高いだけでなく、応力緩和性に優れた接着硬化物を与え
る。従って、熱プレスなどの過酷な圧着条件を必要とす
ることなく、被着体同士を極めて強固に接着することが
できる。
【0083】加えて、23℃で固形のエポキシ樹脂を用
いているため、硬化後の接着硬化物の切断加工性も優れ
ており、切断面からの接着剤の染みだしが生じ難く、他
の材料の汚染や切断面への汚れの付着も生じ難い。
【0084】加えて、硬化反応が開始された後には、光
の照射をもはや必要としないので、光が遮られているシ
ャドーゾーンにおける接合にも、本発明に係る硬化型粘
接着剤組成物を好適に用いることができ、かつ光不透過
性の被着体にも適用することができる。
【0085】さらに、硬化に際し、光を照射するだけで
よいため、耐熱性に優れた被着体にも本発明に係る硬化
型粘接着剤を用いることができる。すなわち、本発明に
係る硬化型粘接着剤組成物は、耐熱性に難がある被着体
や光不透過性の被着体など、様々な被着体を接合するの
に幅広く用いることができる。
【0086】よって、本発明に係る硬化型粘接着剤組成
物を用いることにより、例えばフレキシブルプリント基
板の補強部分のように、接着領域が限られており、かつ
非常に小さな部位に対して補強板などを容易にかつ強固
に接着することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09J 121:00)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘着性ポリマー、23℃で固形のエポキ
    シ樹脂、架橋ゴム粒子及び光カチオン重合開始剤を含
    み、粘着性ポリマー及び固形のエポキシ樹脂の合計10
    0重量部において粘着性ポリマーが10〜90重量部の
    割合で配合されており、粘着性ポリマー及び固形のエポ
    キシ樹脂の合計100重量部に対し、架橋ゴム粒子が
    0.1〜50重量部の割合で配合されていることを特徴
    とする硬化型粘接着剤組成物。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000144079A (ja) * 1998-11-18 2000-05-26 Sekisui Chem Co Ltd 反応性ホットメルト接着剤組成物及び接着方法
JP2002317167A (ja) * 2001-04-20 2002-10-31 Yokohama Rubber Co Ltd:The 熱硬化型接着剤組成物
JP2003522275A (ja) * 2000-02-08 2003-07-22 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 放射状ブロックおよびアクリレートポリマーを含む感圧接着剤および物品
JP2006262687A (ja) * 2005-02-17 2006-09-28 Nitto Shinko Kk 油浸モーター用絶縁紙
JP2008026667A (ja) * 2006-07-21 2008-02-07 Nippon Kayaku Co Ltd 永久レジスト組成物、及びレジスト積層体
JP2013006901A (ja) * 2011-06-22 2013-01-10 Sekisui Chem Co Ltd 後硬化テープ及び接合部材の接合方法
US9931812B2 (en) 2012-12-27 2018-04-03 Nitto Shinko Corporation Insulating paper for oil-immersed motors

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