JP2000309756A - 硬化型粘接着シートもしくはテープ - Google Patents

硬化型粘接着シートもしくはテープ

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JP2000309756A
JP2000309756A JP11988599A JP11988599A JP2000309756A JP 2000309756 A JP2000309756 A JP 2000309756A JP 11988599 A JP11988599 A JP 11988599A JP 11988599 A JP11988599 A JP 11988599A JP 2000309756 A JP2000309756 A JP 2000309756A
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cation
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Mitsuru Ozasa
満 小笹
Makoto Miura
誠 三浦
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期には粘着性を示し、紫外線の照射によっ
て硬化され得る耐熱性の硬化型粘接着シートもしくはテ
ープを提供する。 【解決手段】 ガラス転移温度が200℃以上であり、
波長360nmの光線透過率が30%以上のフィルムを
支持体とし、その両面に、粘着性ポリマーと粘着性ポリ
マー以外のカチオン重合性ポリマーとカチオン重合開始
剤とからなる硬化型粘接着剤層が形成されてなる硬化型
粘接着シートもしくはテープとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、初期には粘着性を
示し、紫外線の照射によって硬化され得る耐熱性の硬化
型粘接着シートもしくはテープに関する。
【0002】
【従来の技術】フレキシブルプリント基板は、ポリイミ
ドなどの合成樹脂からなるフィルムの少なくとも片面に
導体パターンを形成することにより構成されており、可
撓性を有するため種々の電子機器や光学機器に幅広く用
いられている。フレキシブルプリント基板はその端部に
おいて電子機器等の接続部分に接合される。従って、フ
レキシブルプリント基板の接続部分である端部は、十分
な強度を有するように補強されている必要がある。そこ
で、従来のフレキシブルプリント基板では、この端部近
傍においてフレキシブルプリント基板に合成樹脂などか
らなる補強板を接着したり、端部に接着剤を塗布し硬化
させることにより補強する構造が採用されている。
【0003】従来、補強板の接着には、操作が簡便であ
るためアクリル系粘着剤が用いられていた。しかし、ア
クリル系粘着剤のような感圧性接着剤を用いた場合に
は、フレキシブルプリント基板の補強面などに補強板を
容易に接着し得るものの、十分な接着強度が得られず、
製品使用時に補強板が剥離したりする不具合があった。
【0004】そこで、例えば特開昭61−211016
号公報には、補強板にレゾール型フェノール樹脂又はノ
ボラック型エポキシ樹脂を主成分とする接着剤を塗布
し、加熱乾燥した後、フレキシブルプリント基板の補強
すべき部分に接着する方法が開示されている。この方法
によれば、上記特定の接着剤を用いているため、補強板
のフレキシブルプリント基板への接合に際し、加熱を伴
ったプレス工程を実施する必要がないとされている。
【0005】しかしながら、特開昭61−211016
号公報に開示されている方法では、接合に際しての熱プ
レスは必要でないものの、接合に先立ち、接着剤が塗布
された補強板を100℃程度に加熱しなければならなか
った。従って、耐熱性に優れた材料でしか補強板を構成
することができず、補強板の材料選択に制限があった。
加えて、加熱乾燥された接着剤は経時により強固な接着
硬化物を与えるが、接合に際して十分な初期粘着力を有
するものではなかった。
【0006】更に、特公平2−25275号公報には、
フレキシブルプリント基板の補強すべき部分にビスマレ
イミドトリアジンに光硬化剤を混合してなる光硬化性樹
脂組成物を塗布し、硬化させることにより補強層を形成
する方法が開示されている。
【0007】特公平2−25275号公報に記載の光硬
化性樹脂組成物も、初期粘着力を有するものではないた
め、上記のようにフレキシブルプリント基板自体に塗布
し、硬化させねばならない。従って、フレキシブルプリ
ント基板に塗布するに際し、塗布作業を高精度に行わね
ばならず、場合によっては補強すべき部分を越えて光硬
化性樹脂液が流延することがあった。
【0008】他方、特開平7−179572号公報に
は、エポキシ樹脂に特定の光カチオン重合開始剤と特定
の光ラジカル重合開始剤とを配合し、光と熱の双方を併
用して硬化させ得る接着剤組成物を用いて電子デバイス
及びモジュールを接着する方法が開示されている。特開
平7−179572号公報では、上記光硬化系及び熱硬
化系の双方を併用しているため、光が行き渡らない部分
においても加熱により硬化させることができる。しかし
ながら、この方法で用いられている上記接着剤は、光及
び熱により硬化され得るものであるが、やはり初期タッ
クを有しないため、例えばフレキシブルプリント基板の
補強部分に簡便に補強板を貼付することはできなかっ
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記した各公報に記載
の先行技術では、硬化された後には強固な接着硬化物を
与えるが、いずれも初期タックを有しないため、フレキ
シブルプリント基板などの補強対象部分に簡便に適用す
ることが困難であった。他方、特公表5−506465
号公報には、アクリル系粘着剤の問題点を解消するもの
として、(メタ)アクリル酸モノマーと、エポキシモノ
マーと、光カチオン重合開始剤及び光ラジカル重合開始
剤を含有してなる感圧性接着剤が開示されている。ここ
では、上記感圧性接着剤に光を照射することにより粘着
性のアクリル系ポリマーの形成と、エポキシモノマーの
重合とが行われ、粘着性(初期タック)が発現されるだ
けでなく、光カチオン重合により硬化が進行する。
【0010】しかしながら、この感圧性接着剤では、初
期粘着性を発揮するアクリル系ポリマーの形成と上記エ
ポキシ樹脂モノマーの重合による硬化が同時に進行する
ため、光を照射して短時間で被着体に貼付しようとする
と初期タックが十分でないことがあり、逆に光を照射後
1時間程度経過してから貼付しようとすると、既に硬化
しているため被着体に確実に粘着することができなかっ
た。即ち、光照射後、粘着力を失うまでの時間(可使時
間)が比較的短く、作業性の点で問題があった。また、
光ラジカル重合に際して酸素による反応阻害があるので
製造方法が制約される。加えて、接着後に光照射するの
で、シャドーゾーンでの接着には用いることができなか
った。
【0011】特開平10−316959号では、常態で
は被着体に対する粘着性に優れており、光を照射するこ
とにより確実に硬化させることができ、しかも光照射
後、シャドーゾーンにおける接着にも用いることがで
き、初期粘着力が失われるまでの時間を十分な長さとし
得る、粘着性ポリマーと光カチオン重合性化合物と光カ
チオン重合開始剤とを含み、光の照射により硬化され得
ることを特徴とする硬化型粘接着剤組成物が提案されて
いるが、これをシートもしくはテープ状に加工し、所定
形状に打ち抜いて使用しようとすると、粘接着剤のしみ
出しが比較的大きく、打ち抜き性やピックアップ性に難
点を有するものであった。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成したものである。以下、本発明の詳細を説明する。本
発明のテープ支持体は、後述する光カチオン重合開始剤
を活性化して重合開始物質を発生させるに好適な200
〜400nm領域の紫外光を通すことが作業性の点で求
められる。これは、両面粘接着テープの片側からの照射
で反対面側の粘接着剤を硬化させる必要があるためであ
る。紫外線を全く透過しない場合には、両面粘接着テー
プの被着体への貼り合せ前又は貼り合せ後に片側ずつ計
2回照射する必要が生じる。また、紫外線を十分に透過
しない場合には、片側への照射が反対面へも影響を与え
るため各面へ照射するタイミングにより、性能が変動す
る恐れがある。
【0013】このため、波長360nmにおける光線透
過率は表裏の性能が同一視できる30%以上が良く、好
ましくは50%以上、より好ましくは70%以上あるこ
とが求められる。ここで、紫外線の波長を360nmに
限定した理由は、反応に利用される200〜400nm
のうち、最も高波長で最大の光線ピークが360nmで
あるためである。
【0014】光線透過率は厚さに依存するが、本発明で
用いる支持体の厚みは1〜250μmが好ましく、より
好ましくは4〜50μmであり、この範囲において上記
の光線透過率を満足すればよい。そして、この範囲に設
定することで粘接着剤のしみ出し防止、カット時の離
れ、及びピックアップ時の作業性が格段に向上する。
【0015】また、加熱時の熱膨張係数或いは収縮の観
点から、上記基材としては実使用条件下における耐久性
に優れているものが好ましく、このためガラス転移温度
(Tg)は200℃以上であることが要求される。上記
光線透過率と耐熱性即ちTgを満足する素材フィルムと
しては、例えば、ポリエーテルサルフォン(Tg=22
3℃、以下PESと略す)、ガラスペーパー(Tg=6
00℃)などがある。
【0016】本発明に用いられる粘着性ポリマーは、本
発明に係る硬化型粘接着シートもしくはテープに感圧接
着性を与えるためのものである。この場合、感圧接着性
を与えるために、本発明にかかる硬化型粘着剤組成物
は、120℃の雰囲気下でボールタックが1以上あるよ
うに構成され、より好ましくは室温で3以上となるよう
に構成される。
【0017】感圧接着性を得るには、被着体に対する濡
れ性と凝集力とのバランスが適切であることが必要であ
る。そこで、凝集力を得るために、上記粘着性ポリマー
としては、従来の感圧性接着剤の主成分として幅広く用
いられているアクリル系ポリマーやゴム系ポリマーが用
いられる。
【0018】アクリル系ポリマーとしては、例えば、ア
ルキル基の炭素数が2〜14であるアルキル(メタ)ア
クリレートモノマーの単独重合体又は共重合体を挙げる
ことができ、より好ましくは、上記アルキル(メタ)ア
クリレートモノマーと、該アルキル(メタ)アクリレー
トモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するビニルモ
ノマーとの共重合体を挙げることができる。
【0019】又、ゴム系ポリマーとしては、例えば、ア
クリルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ランダ
ム型スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、ポリイソブ
チレンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレ
ンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ウ
レタンゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック
ゴム、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロッ
クゴム、スチレン−ブタジエンブロックゴムなどの合成
ゴム系ポリマーを例示することができる。
【0020】もっとも、ポリジメチルシロキサン、ポリ
ジフェニルシロキサンなどのシリコーンゴムとトリメチ
ルシリル基もしくはトリフェニルシリル基を有するポリ
シロキサンなどのシリコーンレジンとの混合物のような
シリコーン類、ポリエステル類、ポリウレタン類、ポリ
エーテル類、ポリカーボネート類、ポリビニルエーテル
類などの他のポリマーを用いてもよい。
【0021】本発明では、硬化型粘接着剤組成物に光を
照射して硬化させるために、上記した粘着性ポリマー以
外にカチオン重合性化合物が配合される。このカチオン
重合性化合物については、分子内にカチオン重合性の官
能基、例えば、水酸基、ビニルエーテル基、エピスルフ
ィド基、エチレンイミン基、エポキシ基を有する種々の
モノマー、オリゴマー又はポリマーを用いることができ
る。ポリマーとしてはアクリル系、ウレタン系、ポリエ
ステル系、ポリオレフィン系、ポリエーテル系、天然ゴ
ム、ブロック共重合体ゴム、シリコーン系などの各ポリ
マーを用いることができる。これらカチオン重合性化合
物は、単独で用いられてもよく2種以上併用されてもよ
い。
【0022】上記カチオン重合性化合物としては、エポ
キシ基を有する化合物が好ましく用いられる。エポキシ
基の開環重合は反応性が高く、かつ硬化時間が短いた
め、接着工程の短縮化を図ることができる。更に、凝集
力及び弾性率が高いため、耐熱性及び接着強度に優れた
接着硬化物を得ることができ、例えばプリント回路基板
やフレキシブルプリント基板の製造過程における半田付
け等の高熱にさらされる工程において、剥離やズレなど
の接着異常を効果的に防止することができる。
【0023】上記エポキシ基を有する化合物としては、
エポキシ樹脂が好適に用いられる。このエポキシ樹脂と
しては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、フ
ェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、グリ
シジルエーテル型、グリシジルアミン型等のエポキシ樹
脂を挙げることができる。また、エポキシ基含有オリゴ
マーも好適に用いることができ、例えば、ビスフェノー
ルA型エポキシオリゴマーを挙げることができる。更
に、上記エポキシ基含有モノマーやオリゴマーの付加重
合体を用いてもよく、例えば、グリシジル化ポリエステ
ル、グリシジル化ポリウレタン、グリシジル化アクリル
などを挙げることができる。
【0024】上記カチオン重合性化合物は、必要に応じ
て、異種の樹脂で変性されていてもよく、ラジカル重合
性不飽和結合を導入したものなどの反応性官能基を有す
るものであってもよい。また、カチオン重合性化合物で
は、カチオン重合性官能基当量が硬化型粘接着剤組成物
として150〜5000(g/mol)程度であること
が好ましい。官能基当量がこれより小さいと、官能基密
度が大きくなり過ぎて反応性が高まり、照射後に被着体
に貼付するまでの作業時間が制約されることがあり、官
能基当量がこれより大きいと、反応速度が遅くなって硬
化までに長時間を要することがある。もっとも、上記官
能基の量は、目的とする反応速度及び硬化物性によって
定められるため、一義的には決定され得ない。
【0025】本発明では、上記のような粘着性ポリマー
が、粘着性ポリマーとカチオン重合性化合物の合計10
0重量部に対して、40〜90重量部であることが好ま
しい。40重量部より少ないと、初期粘着性が低くな
り、90重量部を超えると硬化後の接着剤の弾性率が低
くなり接着強度が低くなるためである。
【0026】本発明において、上記光カチオン重合開始
剤は、光を照射されることにより活性化され、カチオン
重合開始物質を発生するものであり、比較的低エネルギ
ーでも重合を開始することができる。光カチオン重合開
始剤は、イオン性光酸発生タイプ及び非イオン性光酸発
生タイプの何れでもよい。上記イオン性光酸発生タイプ
としては、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム
塩、芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩や、鉄−アレ
ン錯体、チタノセン錯体、アリールシラノール−アルミ
ニウム錯体などの有機金属錯体類などを挙げることがで
きる。
【0027】又、非イオン性光酸発生タイプとしては、
ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、リン酸エ
ステル、スルホン酸誘導体、リン酸エステル、フェノー
ルスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン、N−ヒド
ロキシイミドスルホナートなどを用いることができる。
【0028】上記光カチオン重合開始剤については、単
独で用いられてもよく、2種以上併用されてもよく、有
効活性波長の異なる複数の光カチオン重合開始剤を用い
2段階硬化させてもよい。更に、他の光重合開始剤、例
えば光ラジカル重合開始剤又は光アニオン重合開始剤を
併用してもよい。この場合、必ずしも、光ラジカル重合
開始剤や光アニオン重合開始剤を活性化する光の波長
は、光カチオン重合開始剤を活性化する波長と同等であ
る必要はない。
【0029】上記光カチオン重合開始剤は、本発明に係
る硬化型粘接着剤組成物において、上記光重合性化合物
の官能基1molに対し、0.0001〜10mol%
の範囲で配合することが好ましい。0.0001mol
%よりも少ない場合には、十分にカチオン重合が進行せ
ず、硬化速度が遅くなり、10mol%よりも多いと、
光照射による硬化が速く進みすぎ、被着体に貼付するま
での作業時間が制約されることがである。
【0030】上記光としては、一般的に取扱いが容易か
つ簡便であり、比較的高エネルギーを得ることができる
紫外線が好適に用いられる。より好ましくは、波長20
0〜400nmの紫外線が用いられる。紫外線は、高圧
水銀灯、マイクロ波励起型ランプ、ケミカルランプなど
の適宜の光源を用いて照射することができる。
【0031】また、本発明にかかる硬化型粘接着剤組成
物では、上記粘着性ポリマー、カチオン重合性化合物及
び光カチオン重合開始剤のほかに、本発明の目的を阻害
しない範囲で、公知の改質樹脂や増量剤などを適宜配合
してもよい。例えば、本発明より得られる硬化物の可撓
性を向上させ、接着性や屈曲性を高めるために架橋ゴム
粒子を用いることが好ましい。
【0032】架橋ゴム粒子は、組成物中に均一に分散す
ることで、被着体の変形等の応力が加わった場合に、粘
接着剤中でその応力を緩和する効果が高く、大幅に接着
力を向上させることができる。架橋ゴムはゴム自体の有
するゴム弾性により変形に追従し易く、かつ分子内に橋
架けを有するため他の組成物に相溶しにくく安定な海島
構造を保持するため、安定した硬化後の接着物性が得ら
れる。
【0033】本発明では、架橋ゴム粒子は、粘着性ポリ
マーとカチオン重合性化合物の合計100重量部に対し
て0.1〜50重量部程度配合することが好ましい。
0.1重量部より少ないと配合の効果が得にくく、50
重量部より多いと初期粘着性が低くなるためである。
【0034】又、本発明の硬化型粘接着剤組成物の粘着
性を向上させる目的で、ロジン系樹脂、変性ロジン系樹
脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族変
性テルペン樹脂、C5系又はC9系の石油樹脂、クロマ
ン樹脂等の粘着付与樹脂を添加してもよい。特に、被着
体がポリオレフィン類の場合には、強い接着力を発現さ
せることができるという点で、ロジン系樹脂及び石油樹
脂が好ましい。
【0035】更に、塗工性を向上させる目的で、アクリ
ルゴム、エピクロルヒドリンゴム、イソプレンゴム、ブ
チルゴム等の増粘剤、コロイダルシリカ、ポリビニルピ
ロリドン等のチキソトロープ剤、炭酸カルシウム、酸化
チタン、クレー等の増量剤等を添加してもよい。
【0036】本発明に係る硬化型粘接着シートもしくは
テープの製造方法については特に限定されるものではな
く、例えば、押出法、キャスト法などの成形方法を用い
て直接支持体上に粘接着剤層を形成してもよく、或いは
剥離性基材上に形成された粘接着剤層を支持体に転写す
ることによってもよい。このとき支持体を含んだシート
もしくはテープの厚みが2μmより薄いと、光照射後に
硬化が急速に進み作業時間が制約されることになり、5
00μmを超えると、硬化に長時間を要することになる
ので、粘接着剤層の厚みをこの範囲で調節する必要があ
る。
【0037】又、シートもしくはテープとされた場合に
は、表面が剥離性を有するように構成された剥離性支持
体によって保護されていることが好ましい。より好まし
くは、両面が剥離性を有するように構成された表面剥離
性支持体に硬化型粘接着剤組成物を塗布し、ロール状に
巻回しておくことがより望ましい。
【0038】本発明に係る硬化型粘接着シートもしくは
テープは、光照射後系内でカチオン重合反応が進行する
ため徐々に硬化する。カチオン重合反応は、活性種が酸
素などの反応阻害を受け難く、長期に渡り存在するた
め、光照射後の硬化型粘接着シートもしくはテープは暗
反応にて硬化させることができる。従って、光を照射し
続けずとも硬化反応が進行するため、光を照射した後被
着体に貼付するにあたり、貼付場所がシャドーゾーンで
あっても、確実に接着強度に優れた接着硬化物を得るこ
とができる。なお、光を照射しても硬化型粘接着シート
もしくはテープの感圧接着性は直ちに喪失しないので、
被着体貼付時には十分な感圧接着性を保持し得る。
【0039】一方、カチオン重合反応は水や塩基性物質
の存在により進行を阻害される。もっとも、阻害の程度
は阻害物質の種類や粘接着剤組成によって差があるた
め、被着体中或いは接着面上、及び粘接着剤組成物中の
これらの阻害物質が重合硬化反応を著しく阻害しないよ
うに、粘接着剤組成及び被着体が設計・選択されること
が望ましい。
【0040】また、カチオン重合反応により硬化したシ
ートもしくはテープは、カチオン重合性官能基の3次元
架橋により凝集力が高められ、硬度及び耐熱性に優れた
接着硬化物を与えることができる。
【0041】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を説明する
ことにより、本発明を明らかにする。 (実施例1)重量平均分子量40万のポリアクリル酸エ
チルの酢酸エチル50重量%溶液100重量部とビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、
商品名「エピコート#828」)50重量部と光カチオ
ン重合開始剤(旭電化社製、商品名「アデカオプトマー
SP170」)1重量部からなる組成物を万能ミキサー
にて50℃雰囲気下で混合し、硬化型粘接着剤溶液を作
製した。この溶液をアプリケーターを用いて、両面がコ
ロナ処理された厚さ25μmのPES(住友ベークライ
ト社製、商品名「スミライトFS−1300」)支持体
上に、乾燥後の総厚みが75μmとなるように片側25
μmずつ塗布、乾燥して硬化型粘接着剤層を形成し、該
硬化型粘接着剤層上に表面がシリコーンにより離型処理
されたポリエチレンテレフタレート(以下、離型PET
と略す)を両面ラミネートし、硬化型粘接着シートを得
た。
【0042】(実施例2)PESに代えて厚み220μ
mのガラスペーパー(阿波製紙社製、商品名「グラシー
トFC−27」)を支持体とした以外は実施例1と同様
にして硬化型粘接着シートを得た。
【0043】(比較例1)PESに代えて厚み75μm
のポリエーテルイミド(以下、PEIと略す)を支持体
とした以外は実施例1と同様にして硬化型粘接着シート
を得た。
【0044】(比較例2)PESに代えて厚み75μm
のポリカーボネート(以下、PCと略す)を支持体とし
た以外は実施例1と同様にして硬化型粘接着シートを得
た。
【0045】(比較例3)実施例1で調整したものと同
じ硬化型粘接着剤溶液を、離型PET上に乾燥後の厚み
が50μmとなるようにアプリケーターを用いて形成し
た後、該硬化型粘接着剤層上に離型PETをラミネート
し、硬化型粘接着シートを得た。
【0046】上記のようにして得た実施例1,2および
比較例1〜3の各硬化型粘接着シートについて、初期
粘着力、硬化後剪断接着力、耐熱性、作業性(ピ
ックアップ良品率)を以下の要領で評価した。
【0047】初期粘着力:粘接着シートの片面にバッ
キング材として表面がコロナ処理された厚さ50μmの
ポリイミドフィルム(以下、PIと略す)を貼り合わ
せ、JIS Z 0237に準じて180度引き剥がし
法による接着力を測定し、これを初期粘着力とした。但
し、引き剥がし速度は50mm/分とした。
【0048】硬化後剪断接着力:粘接着シートを1c
m×1cmに切断し、初期粘着力測定に用いたと同様の
SUS板に貼り合わせ、高圧水銀灯により中心波長36
0nmの紫外線を1.5J/cm2 となるように照射し
て、照射10分後にもう1枚のSUS板を貼り合わせ室
温で3日間放置した。これを速度10mm/分で剪断方
向に引っ張って剪断強度を測定し、これを硬化後剪断接
着力とした。
【0049】耐熱性:各粘接着シートについて、紫外
線未照射のものと1.5J/cm2照射したものとを2
50℃のオーブンにて加熱して、発泡や剥離等により表
面状態が変化するまでの時間を測定した。
【0050】作業性(ピックアップ良品率):粘接着
シートのサンプルの両面を離型PETで被覆したままで
鋼製ビク刃にてL字型にハーフカットした。そのまま常
温で4日間放置後、ピンセットにてシートよりL字型の
シートを剥離するときにきれいに剥がれたもの(端部よ
りの粘接着剤のめくれが0.5mm以内)の比率を調べ
た。 以上の結果を表1に示した。
【0051】
【表1】
【0052】実施例のものは感圧接着性があり、簡易な
圧着で被着体に接着することができて硬化後は高い接着
力を示す。同様に作業性(ピックアップ良品率)も良好
で耐熱性も著しく向上する。
【0053】これに対して、紫外線透過率の低いPEI
基材の比較例1では、反対面の粘接着剤の硬化が不十分
で、ズリ応力に対して変形しやすく剪断接着力が発現し
ていず、耐熱性も不完全である。また、紫外線透過率の
高いPC基材の比較例2では、粘接着剤の硬化について
は問題ないが、耐熱試験でフィルムがクレーター状に発
泡しており、一旦溶融したものと思われる。更に、支持
体のないノンサポートの両面粘接着シートの比較例3で
は、ハーフカット後の粘接着剤同士の融着でピックアッ
プ率が極めて悪くなっている。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、粘着性ポリマーにより
十分な初期粘着力が発現しており、かつ光が照射された
としてもカチオン重合性化合物のカチオン重合による硬
化が充分進行するまで上記初期粘着力が喪失しない。従
って、光を照射し硬化反応の進行を開始した段階であっ
ても、被着体に対し容易に貼合することができる。更
に、光照射により硬化反応が開始された後には、光をも
はや必要としないため、光が遮られているシャドーゾー
ンにおける接合にも、本発明に係る硬化型粘接着シート
もしくはテープを好適に用いることができる。
【0055】これに加えて、紫外線透過率が大きく、か
つ耐熱性の高い支持体を使用し、両側に硬化型粘接着剤
層を積層することにより、例えばフレキシブルプリント
基板の補強部分のように、接着領域が限られている非常
に小さな部位に対しても、補強板を作業性良くかつ強固
に接着することが可能となる。また、半田をリフロー炉
にて溶融接着させる場合のように高耐熱性が要求される
用途でも、接着部位の膨れや剥がれなどを起こすことな
く使用することが可能である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス転移温度が200℃以上であり、
    波長360nmの光線透過率が30%以上のフィルムを
    支持体とし、その両面に硬化型粘接着剤層が形成されて
    なる硬化型粘接着シートもしくはテープ。
  2. 【請求項2】 硬化型粘接着剤が、粘着性ポリマーと粘
    着性ポリマー以外のカチオン重合性ポリマーとカチオン
    重合開始剤とからなる請求項1記載の硬化型粘接着シー
    トもしくはテープ。
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